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特開2025-10559液体金属ベアリングアセンブリのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010559
(43)【公開日】2025-01-22
(54)【発明の名称】液体金属ベアリングアセンブリのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/12 20060101AFI20250115BHJP
   F16C 33/10 20060101ALI20250115BHJP
   H01J 35/10 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
F16C33/12 Z
F16C33/10 Z
H01J35/10 N
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091903
(22)【出願日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】18/342,489
(32)【優先日】2023-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ティ・トリスカリ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジェイ・ルバー
(72)【発明者】
【氏名】カイル・アール・ベルント
(72)【発明者】
【氏名】イアン・エス・ハント
(57)【要約】
【課題】液体金属ベアリングアセンブリのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】液体金属ベアリングアセンブリ(300)は、液体金属リザーバ(312)をスリーブ(302)とシャフト(304)との間の隙間(316)に流体的に結合する流路(314)を含み、流路は、第1の角度で傾斜した第1の部分(314a)と、第2の角度で傾斜した第2の部分(314b)とを含み、第1の角度は第2の角度とは異なり、湾曲移行部(458)が第1の部分と第2の部分との間に配置されている。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体金属ベアリングであって、
液体金属リザーバをスリーブとシャフトの間の隙間に流体連通させる流路を含み、
前記流路は、第1の角度で傾斜した第1の部分と、第2の角度で傾斜した第2の部分とを有し、前記第1の角度は、前記第2の角度とは異なる、液体金属ベアリング。
【請求項2】
前記第1の部分が第1の長さを有し、前記第2の部分が前記第1の長さとは異なる第2の長さを有する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項3】
前記液体金属リザーバが第1の容積を有し、前記隙間が前記第1の容積以上の第2の容積を有する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項4】
前記液体金属リザーバに開口する第1の端部とプラグが設けられる第2の端部とを有する充填ポートをさらに含む、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項5】
前記シャフトの内面によって半径方向に取り囲まれている前記スリーブの第1の領域は、第1の表面仕上げを有し、前記シャフトの内面によって半径方向に取り囲まれていない前記スリーブの第2の領域は、前記第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げを有する、請求項1記載の液体金属ベアリング。
【請求項6】
前記シャフトのフランジと前記スリーブの相補的な部分とのインターフェースに設けられたピン止め特徴部をさらに備え、前記ピン止め特徴部は、前記スリーブと前記シャフトとの間に形成された膨張チャンバから前記隙間を分離する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項7】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置された湾曲移行部をさらに含む、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項8】
前記隙間は、前記第1の角度及び前記第2の角度とは異なる第3の角度を有する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項9】
前記隙間によって前記液体金属リザーバに流体的に結合された湿潤リザーバをさらに含み、前記湿潤リザーバが、ピン止め特徴部によって膨張チャンバから流体的に分離される、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項10】
X線源であって、
カソードアセンブリと、
アノードを備えるアノードアセンブリと、を含み、
前記アノードは、ベアリングアセンブリによって回転するように支持され、
前記ベアリングアセンブリは、回転部材の中に静止部材が配置された前記回転部材により形成され、
前記ベアリングアセンブリは、液体金属リザーバを前記回転部材と前記静止部材との間の間隙に流体的に結合する流路と、前記間隙を気体リザーバから分離する前記静止部材から環状に延びる特徴部とを含む、X線源。
【請求項11】
前記静止部材がシャフトである、請求項10に記載のX線源。
【請求項12】
前記流路が、第1の角度で傾斜した第1の部分と、第2の角度で傾斜した第2の部分であって、前記第1の角度が前記第2の角度と異なる第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間の湾曲した遷移セクションとを備える、請求項10に記載のX線源。
【請求項13】
ベアリングを組み立てる方法であって、
シャフトとスリーブとの間のベアリングの第1の端部に第1のリザーバを形成し、前記シャフトとスリーブとの間の前記ベアリングの第2の端部に第2のリザーバを形成し、前記第1のリザーバと前記第2のリザーバとの間に隙間を形成するように、前記シャフトを前記スリーブに挿入するステップであって、前記隙間がピン止め特徴部によって前記第2のリザーバから分離される、前記ステップと、
充填ポートを介して前記第1のリザーバに潤滑剤を挿入するステップと、
毛細管力を利用して、前記潤滑剤を前記第1のリザーバから前記隙間に流すステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記流すステップが、前記シャフトと前記スリーブとを加熱して前記潤滑剤を前記第1のリザーバから前記隙間に流すステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記潤滑剤が第1の体積のガリウムであり、前記第1の体積のガリウムが毛管力によって前記第1のリザーバから前記間隙に引き込まれる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ガリウムの前記第1の体積が前記第1のリザーバの体積以下である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のリザーバと前記隙間が第1の表面仕上げを有し、前記第2のリザーバが前記第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げを有するように、前記シャフトの表面と前記スリーブの内面を研削するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記シャフトおよび前記スリーブの内面を湿潤または防湿するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記シャフトを前記スリーブに挿入するステップは、前記シャフトを前記スリーブの第1の端部の開口から前記スリーブ内にスライドさせるステップを含み、前記シャフトと前記スリーブは、組立を容易にするために整列する一致する角度を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記充填ポートおよび前記第1のリザーバが前記ベアリングのシール側に配置され、前記ピン止め特徴部が前記シャフトと前記スリーブとの間の前記ベアリングの対向端に配置される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、液体金属ベアリングアセンブリを有するシステム、および液体金属ベアリングアセンブリを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体金属ベアリング(Liquid metal bearings)は、ローラーベアリング(roller bearings:ころ軸受)に比べて寿命が長く、熱負荷をより効果的に管理できるため、様々な使用環境で使用されている。例えば、ある種のX線源やX線管は、その耐久性と熱力学的特性の少なくとも一部により、液体金属ベアリングを利用している。しかし、非対称な液体金属分布や、ベアリングの液体金属インターフェース(bearing’s liquid metal interface)でのガス形成がベアリング内で発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、液体金属ベアリングアセンブリが提供され、液体金属リザーバをスリーブとシャフトとの間の間隙に流体結合する流路と、第1の角度で傾斜した第1の部分と第2の角度で傾斜した第2の部分とを有し、第1の角度が第2の角度と異なり、湾曲移行部が第1の部分と第2の部分との間に配置される流路と、を備える。
【0004】
本明細書の上記の利点および他の利点、ならびに特徴は、単独で、または添付の図面と関連して考慮した場合、以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。上記の要約は、詳細な説明にさらに記載される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されることを理解されたい。これは、特許請求される主題の重要な特徴または必須の特徴を特定することを意図するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって独自に定義される。さらに、特許請求される主題は、上記または本開示のいずれかの部分で指摘された欠点を解決する実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は、添付図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことにより、より良く理解されるであろう。
図1】実施形態による例示的なX線撮像システムのブロック概略図である。
図2】実施形態によるX線源の一部を示す絵画図である。
図3】実施形態による液体金属ベアリングアセンブリを示す。
図4A図4Aは、液体金属リザーバを含む、図3に示す液体金属ベアリングアセンブリの一部分の詳細図である。
図4B図3および図4Aに示す液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの第1の実施形態を示す。
図5】実施形態による液体金属ベアリングアセンブリの別のシャフトを示す。
図6】実施形態による液体金属ベアリングアセンブリの別のシャフトを示す。
図7】液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの追加実施形態を示す。
図8】実施形態による、ピン止め特徴部を含む、図3に示す液体金属ベアリングアセンブリの一部分の詳細図である。
図9図9A図9Bは、実施形態による、図3に示す液体金属ベアリングアセ実施形態による液体金属ベアリングアセンブリのスリーブの第2の実施形態を示す。
図10】実施形態による液体金属ベアリングアセンブリのスリーブの第2の実施形態を示す。
図11図11A図11B及び図11Cは、実施形態による液体金属ベアリングアセンブリの追加実施形態を示す。
図12】実施形態による、スリーブへのシャフトの挿入を含む液体金属ベアリングアセンブリの様々な図を示す。
図13】実施形態による、液体金属ベアリングアセンブリの例示的な組み立て方法である。
図14】液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの追加実施形態を示す。
図15】液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの追加実施形態を示す。
図16】液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの追加実施形態を示す。
図17】液体金属ベアリングアセンブリの追加実施形態を示す。
図18】液体金属ベアリングアセンブリのピン止め特徴部の追加例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明は、システム(例えば、X線撮像システム)及びそこに配備される液体金属ベアリングアセンブリの様々な実施形態に関する。液体金属ベアリングは、システムにおいて所望のレベルの液体金属充填精度(liquid metal filling precision)を達成することを可能にする。液体金属中に浮遊するガスが減少し、場合によっては、ベアリングインターフェースにおける液体金属の分布がより均一になることが、液体金属充填精度の所産(outcome:結果)であると考えられる。その結果、摩擦係数の低減が達成され、ベアリングの耐久性と寿命が向上する。
【0007】
開示された液体金属ベアリングアセンブリは、シャフトと、その間に隙間を有するスリーブとを含み、毛細管現象を利用して、ガリウムのような液体金属を隙間に導入することができる。本開示は、良好な毛管濡れ性と液体金属の保持を促進することにより、液体金属ベアリングの製造に関する現在の課題に対処する。これは、ガリウムリザーバから隙間への漸進的な移行(gradual transition:緩やかな移行/漸次移行、例えば、鋭い面取りのない移行:sharp chamfer transitions)を導入することによって達成される。緩やかな移行は、シャフトとスリーブの位置合わせの難しさを軽減し、組立工程でのセルフアライメント(self-alignment:自己整合)を可能にし、それによって歩留まりを向上させ、製造時の容量制約を軽減する。別の例として、シャフトとスリーブの構成は、ガリウムを汚染し、ガリウムの潤滑能力を阻害する可能性のある、組立時に使用される潤滑剤への依存を減らすことができる。さらに、スラストベアリングの外表面には、液体ガリウムとの完全な濡れを促進(encourage full wetting)するために滑らかな移行部が使用されている。戦略的に配置されたピン止め特徴部(strategically placed pinning feature:戦略的に位置付けれたピン留め特徴)により、ジャーナル表面の外側でベアリング内の下部回転シールやリザーバに好ましくない形で流れるガリウムの量を減らすことができる。このようにして、隙間内の毛細管力がガリウムを隙間に保持する。
【0008】
X線撮像システムは、図1に示され、X線を発生するように構成されたX線源(X線管など)と、X線コントローラとを含む。X線源の一実施形態が図2に示されており、X線源は、アノード回転を提供(provide anode rotation)するために液体金属ベアリングと共に構成されている。図3は、液体金属ベアリングアセンブリの第1の実施形態を示し、図4Aは、液体金属リザーバを液体金属ベアリングアセンブリの間隙に流体結合する流路の詳細図を示す。図4Bは、図4Aの流路を形成する角度の付いた表面を含む、液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの詳細図である。図5は、液体金属ベアリングアセンブリの別のシャフトの詳細図である。図6は、図5に示されるシャフトとは異なる、液体金属ベアリングアセンブリの別のシャフトの詳細図である。図7は、液体金属ベアリングアセンブリの寸法範囲内で異なる角度の表面を有する液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの追加的な実施形態を示す。図8は、ピン止め特徴部を含む、図3の液体金属ベアリングアセンブリの断面の詳細図である。図9Aおよび図9Bは、それぞれ、図3の液体金属ベアリングのスリーブの第1図および第2図を示す。スリーブの追加構成は、図10に示されている。図11A図11Bおよび図11Cは、液体金属ベアリングアセンブリの追加の実施形態を示す。図12は、スリーブへのシャフト挿入を含む液体金属ベアリングアセンブリの組立例を示す。図13は、液体金属ベアリングアセンブリを含むシステムの操作方法を示す図である。図14図15、および図16は、液体金属ベアリングアセンブリのシャフトの追加の実施形態を示し、各実施形態は、液体金属ベアリングアセンブリの寸法範囲内で異なる角度の表面を有する。図17は、液体金属ベアリングアセンブリの別の実施例を示す。この例では、充填ポート、液体金属リザーバを形成するアングル、および隙間への入り口が液体金属ベアリングのシール側にあり、ピン止め特徴部がスリーブを有するシャフトの反対側の端部にあるように、流路およびピン止め特徴部は、反対の向きであってもよい。図18は、液体金属ベアリングアセンブリのピン止め特徴部の追加例を示す。
【0009】
図2図10図12、および図14図16は縮尺通りに描かれているが、他の相対寸法を用いてもよい。図2図10図12、および図14図18は、様々な構成要素の相対的な位置関係を有する例示的な構成を示す。互いに直接接触して示されている場合、または直接結合して示されている場合、そのような要素は、少なくとも一例において、それぞれ直接接触している、または直接結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続または隣接して示されている要素は、少なくとも一例において、それぞれ連続または隣接していてもよい。一例として、互いに面接触して敷設された構成要素は、面接触していると称されてもよい。別の例として、少なくとも一例において、互いに離間して配置され、その間に空間のみが存在し、他の構成要素が存在しない要素は、そのように呼ばれることがある。さらに別の例として、互いの上/下、互いの反対側、または互いの左/右に示された要素は、互いに対してそのように呼ばれることがある。さらに、図に示すように、少なくとも1つの例において、最上部の要素または要素の点は、構成要素の「上部:top」と呼ばれることがあり、最下部の要素または要素の点は、構成要素の「底部:bottom」と呼ばれることがある。本明細書で使用されるように、頂/底、上/下、上方/下方(top/bottom, upper/lower, above/below)は、図の垂直軸に対する相対的なものであり、図の要素の互いに対する位置関係を表すために使用される場合がある。このように、他の要素の上に示されている要素は、一例では、他の要素の垂直方向の上に配置されている。さらに別の例として、図内に描かれている要素の形状は、それらの形状(例えば、円形である、直線である、平面である、湾曲している、丸みを帯びている、面取りされている、角度が付けられているなど:circular, straight, planar, curved, rounded, chamfered, angled, or the like)を有すると称される場合がある。さらに、互いに交差するように示された要素は、少なくとも一例において、交差する要素または互いに交差する要素と称されることがある。さらに、別の要素内に示されている要素や、別の要素の外側に示されている要素は、一例としてそのように呼ばれることがある。
【0010】
液体金属ベアリングアセンブリは、固定部品と回転部品の間に配置された液体金属インターフェースを含む。回転部品は、液体金属を含むように設計され、液体金属インターフェースから半径方向内側に配置された液体金属リザーバを含む。回転部品はさらに、液体金属リザーバと液体金属インターフェースとの間に延びる液体金属通路を含む。回転部品は、液体金属通路内に濡れ防止面を含むことができる。
【0011】
機械加工性及び液体金属導入のための液体金属ベアリングアセンブリについて更に説明する前に、液体金属ベアリングアセンブリが実装され得る例示的なX線画像化システムを示す。図1は、X線を生成するためのX線撮像システム100を示す。X線撮像システム100は、図1では、コンピュータ断層撮影(CT)撮像システム、X線撮影撮像システム、透視撮像システム、マンモグラフィ撮像システム、インターベンショナル撮像システム、断層撮影システム等(a computed tomography (CT) imaging system, a radiography imaging system, a fluoroscopy imaging system, a mammography imaging system, an interventional imaging system, a tomography system, etc.)となり得るX線撮像システムとして構成されている。しかしながら、X線画像撮影システム100は、画像診断や医療機器等の分野以外にも適用可能である。例えば、X線撮像システム100は、結晶撮影システム、セキュリティスキャナ、産業用スキャナ、X線写真システム等(crystallography systems, security scanners, industrial scanners, x-ray photography systems, and so on)に配備されてもよい。X線撮像システムの例では、X線撮像システムは、患者、無生物、1つまたは複数の製造部品、および/または体内に存在するインプラント、ステント、および/または造影剤などの異物などの被検体102を撮像するように構成することができる。
【0012】
X線撮像システム100は、X線放射ビーム106を生成して投射するように構成されたX線管などの少なくとも1つのX線源104を有するコレクタアセンブリを含むことができる。具体的には、図示の実施形態では、X線源104は、X線放射ビーム106を検出器アレイ108に向けて、被検体102を通して投射するように構成されている。いくつかのシステム構成では、X線源104は、デカルト座標系のX-Y-Z平面内に位置するようにコリメートされた円錐形のX線放射ビームを投射することができる。しかしながら、検出器アレイを省略した他のビームプロファイル及び/又はシステムも想定されている。アレイの各検出器素子は、検出器位置におけるX線ビーム減衰の測定値である個別の電気信号を生成する。
【0013】
図1には、単一のX線源104及び検出器アレイ108のみが描かれているが、特定の実施形態では、複数のX線源、及び/又は検出器を採用して、複数のX線放射ビームを投射し、当該ビームを検出することができる。例えば、CT装置の使用例では、被検体に対応する異なるエネルギーレベルでの投影データを取得するために、複数の検出器をX線源と並行して使用することができる。
【0014】
X線撮像システム100は、X線源104に電力及びタイミング信号を供給するように構成されたX線コントローラ110をさらに含むことができる。そのシステムはまた、検出器素子から受信したアナログデータをサンプリングし、後続の処理のためにアナログデータをデジタル信号に変換するように構成されたデータ収集システムを含んでもよいことが理解されよう。
【0015】
特定の実施形態では、X線撮像システム100は、プロセッサ114を有し、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御するコンピューティング装置112をさらに含むことができる。コンピューティング装置112は、例えば、コンピューティング装置112に動作可能に結合されたオペレータコンソール116を介して、コマンド及び/又は走査パラメータを含むオペレータ入力を受信する。オペレータコンソール116は、キーボード、タッチスクリーン、及び/又はオペレータがコマンド及び/又は走査パラメータを指定することを可能にする他の適切な入力デバイスを含み得る。
【0016】
図1には、オペレータコンソール116が1つだけ図示されているが、例えば、システムパラメータの入力又は出力、検査の要求、データのプロット、及び/又は画像の閲覧のために、複数のオペレータコンソールがX線画像撮影システム100に含まれてもよい。更に、特定の実施形態では、X線画像撮影システム100は、例えば、ローカル又は遠隔のいずれかに配置され、有線及び/又は無線ネットワークを介して接続された複数のディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、及び/又は同様の装置に結合されることがある。一実施形態では、ディスプレイ120は、コンピューティング装置112と電子通信することができ、システムパラメータ、制御設定、撮像データなどを示すグラフィカルインタフェースを表示するように構成される。
【0017】
一例では、コンピューティング装置112は、データをストレージデバイス(記憶装置)118に格納する。記憶装置118は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク(登録商標)ドライブ、コンパクトディスク読み書き(CD-R/W)ドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)ドライブ、フラッシュドライブ、および/またはソリッドステート記憶装置ドライブを含み得る。
【0018】
さらに、コンピューティング装置112は、X線ビーム形成、データ収集及び/又は処理等のシステム動作を制御するために、X線コントローラ110及び他のシステム構成要素にコマンドを提供する。このように、特定の実施形態では、コンピューティング装置112は、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御する。詳しく説明すると、コンピューティング装置112は、オペレータから供給された及び/又はシステムで定義されたコマンド及びパラメータを使用してX線コントローラ110を操作することができ、このコントローラ110がX線源104を制御することができる。このようにして、X線ビーム発生の強度及びタイミングを制御することができる。X線源内のスリーブの回転速度は、X線コントローラ110と連動してコンピューティング装置112によって調整されることも理解されよう。スリーブは、本明細書で詳細に説明するように、液体金属ベアリングアセンブリの回転要素であってもよい。
【0019】
様々な方法及びプロセスが、X線撮像システム100内のコンピューティング装置(又はコントローラ)上の非一過性メモリに実行可能命令として記憶されることがある。一実施形態では、X線コントローラ110は、非一過性メモリに実行可能命令を含むことができ、X線源104を制御するためにその方法を適用することができる。別の実施形態では、コンピューティング装置112は、非一過性メモリに命令を含み、X線コントローラ110に少なくとも部分的に命令を中継し、X線源出力を調整する。
【0020】
図2は、X線管200などのX線源の一部の詳細な実施形態を示す。図2に示すX線管200は、図1に描かれているX線源104の一例として機能する。このように、図2に示されるX線源だけでなく、本明細書に記載される他のX線源の実施形態は、図1に示されるX線源104からの機能的および/または構造的特徴を含むことができ、またはその逆も可能である。さらに、1つ以上のシステムからの特徴を組み合わせた代替の実施形態も想定されている。回転軸250および半径方向軸252が、参考のために図2に提供されている。半径方向軸は、回転軸250に垂直な任意の軸であることが理解されよう。
【0021】
X線管200は、その中に形成された低圧エンクロージャ204(例えば、真空エンクロージャ:vacuum enclosure)を有するハウジング202を含む。低圧エンクロージャは、大気圧に対する比較的低い圧力を推測することが理解されよう。そのため、エンクロージャ(筐体)内の圧力は大気圧よりも低くてもよい。
【0022】
X線管200は、回転部材(rotating member)、ここでは回転部品(rotational component)208、および静止部材、ここでは静止部品206を有する液体金属ベアリングアセンブリ205を含む。一例では、回転部品208および静止部品206は、濡れ面および濡れ防止面を含むことができる。図示の実施形態では、回転部品208はスリーブであり、静止部品206はシャフトである。しかしながら、スリーブが静止し、シャフトが回転する実施形態も企図されている。静止および回転という記述によって示される運動は、構成要素間の相対運動を示す(the motion denoted by the descriptors stationary and rotational denote the relative motion between the components)ことが理解されよう。しかしながら、ある使用例では、X線管が可動構造に組み込まれることがある。例えば、CT撮像システムの使用例では、X線管は回転ガントリに組み込まれることがある。このように、小さいスケールの参照フレームでは、シャフトはスリーブに対して静止しているが、大きいスケールの参照フレームでは、両方の構成要素がガントリ内で同様の回転運動を示す。しかし、別の使用シナリオでは、X線管は、より大きなスケールの基準フレームに対して静止した構造に統合されることがある。また、本明細書で詳細に説明する液体金属ベアリングアセンブリは、場合によっては、液体金属ベアリングを利用する別のタイプのシステムに配備されてもよいことが理解されよう。
【0023】
X線管200には、ロータ218とステータ220も設けられている。ロータ218は、回転部品208に結合され、これに回転運動を付与するようになっている。ステータ220は、低圧エンクロージャ204の外部に配置されて示されている。しかしながら、他の適切なステータ位置が想定されている。典型的には、ロータおよびステータは、巻線、磁石、電気的接続などを含むことができ、電磁気的に相互作用して、例えば、図1に示すX線コントローラ110からの制御コマンドを受けて応答するロータ回転を生成する。
【0024】
X線管200は、アノード210およびカソード212をさらに含む。アノード210は、アノードアセンブリの一部である。アノード210は、回転部品208に結合され、回転部品208によって支持され、X線ビームの生成中にアノード210の回転を付与することができる。カソード212は、カソードアセンブリの一部であり、図1に示すX線コントローラ110などのコントローラから信号を受信して、アノード210の表面に向けられた電子ビームを発生させることができる。カソード212からの電子ビームがアノード210に衝突すると、X線ビーム214が発生する。X線は、ハウジング202内のX線窓216を通して放出される。
【0025】
液体金属ベアリングアセンブリ205に目を向けると、アセンブリ205は、複数の液体金属ベアリングを含む。図示の実施形態では、液体金属ベアリングアセンブリ205は、液体金属ジャーナルベアリング222及び液体金属スラストベアリング224を含むことができる。液体金属ジャーナルベアリング222はラジアル荷重を支持するように設計されており、液体金属スラストベアリング224はアキシャル荷重を支持するように設計されている。このようにして、スリーブ(例えば、回転部品208)にかかる荷重は、効率的なスリーブの回転を提供するように管理され得る。
【0026】
液体金属ベアリングアセンブリ205の各ベアリングは、液体金属が潤滑剤として作用し、ラジアル荷重およびアキシャル荷重も支持するインターフェース(interface:界面)226を含む。インターフェースの厚さは、ベアリングに使用される液体金属の種類、構成部品の製造公差、予想されるシステム動作温度などの要因に基づいて選択することができる。従って、1つの使用例では、液体金属インターフェースの厚さは5ミクロン(μm)から40ミクロン(μm)のオーダーである。液体金属ジャーナルベアリング222の液体金属インターフェースの厚さは、ラジアル軸252の方向であってもよく、液体金属スラストベアリング224の液体金属インターフェースの厚さは、ラジアル軸252の方向及び回転軸250の方向であってもよい。ベアリングアセンブリの作動流体として使用される液体金属は、ガリウム、スズ、インジウム、それらの組み合わせなどを含むことができる。図3図11に関して本明細書で説明する液体金属ベアリングアセンブリの実施形態は、液体金属潤滑剤としてガリウムを使用してもよい。
【0027】
図3は、液体金属ベアリングアセンブリ300の一実施形態を示している。いくつかの例では、液体金属ベアリングアセンブリ300は、図2に描かれている液体金属ベアリングアセンブリ205と同様であるか、またはそれと同じであってもよい。このように、液体金属ベアリングアセンブリ205からの特徴、より一般的にはX線管200の特徴は、液体金属ベアリングアセンブリ300だけでなく、本明細書に記載される他の液体金属ベアリングアセンブリの実施形態にも含まれ得る。軸399は、比較の目的で、図3、ならびに図4A図6図8図10、および図12に提供される。示された例において、y軸は、縦軸であり、x軸は、y軸に垂直な横軸(例えば、水平軸)であり、z軸は、x軸及びy軸の各々に垂直な縦軸である。液体金属ベアリングアセンブリ300が、図1を参照して上述したX線撮像システム100などのX線撮像システムのX線源に取り付けられている状態の間、x軸は重力方向に平行である。図3は、第1の詳細図346および第2の詳細図348を含む。
【0028】
液体金属ベアリングアセンブリ300は、本明細書ではスリーブ302と呼ぶことがある回転部品と、本明細書ではシャフト304と呼ぶことがある固定部品とを含む。スリーブ302とシャフト304は、スリーブ302がシャフト304に対して相対的に回転可能であるように結合することができる。スリーブ302及びシャフト304の各々は、図3に示すように、液体金属ベアリングアセンブリ300が組み立てられた状態(例えば、シャフト304がスリーブ302に囲まれた状態)において液体金属流路を形成する構造を有するように構成される。液体金属流路は、充填ポート(fill port:注入ポート)310、液体金属リザーバ312(例えば、潤滑剤リザーバ)、流路(チャネル)314、及び隙間316を含むことができる。充填ポート310は、スリーブ302の一部として機械加工されるか、スリーブ302とともに形成され(例えば、一体成形され)、ベアリング中心線から半径方向に離れた位置に配置される。例えば、ベアリング中心線は、図2の回転軸250と同様または同じ、回転中心軸350であってもよい。充填ポートは、回転中心軸350から第1の半径方向距離322だけ離れて(例えば、回転中心軸350の半径方向に回転中心軸350からオフセットして)配置されてもよい。いくつかの例では、液体金属ベアリングアセンブリ300の組立中に、液体金属リザーバ312への液体金属の導入に続いて、充填ポートにプラグ(図示せず)を取り付けることができる。いくつかの実施形態では、液体金属ベアリングアセンブリ300は、2つ以上の充填ポートを有するように構成され得る。例えば、液体金属ベアリングアセンブリ300は、スリーブ302の第1の半径方向側に充填ポート310を含み、さらに、回転中心軸350に関して、充填ポート310の真向かいに第2の充填ポート(図示せず)を含むことができる(例えば、充填ポート310は、回転中心軸350を挟んで第2の充填ポートの反対側に配置されてもよい)。別の例として、第2の充填ポートは、第1の充填ポートとは異なる軸方向位置に配置されてもよいし、回転中心軸350から異なる半径方向距離でベアリング軸に平行に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、充填ポート310は、濡れ性コーティングまたは濡れ防止コーティング(a wetting or anti-wetting coating)を有していてもよい。
【0029】
液体金属リザーバ312は、シャフト304とスリーブ302との間の第2の半径方向距離324として、シャフト304の周りに環状に延びることができる。液体金属リザーバ312は、充填ポート310および流路314に流体的に結合され得る。液体金属リザーバ312と隙間316のそれぞれは、ほぼ等しい体積の液体金属を保持することができる。一例として、液体金属リザーバ312と隙間316はそれぞれ等体積の液体ガリウムを収容することができる。別の例として、液体金属リザーバ312と隙間316は、ジャーナル隙間を埋める容積よりも多くの液体ガリウムを保持することができる。一つの非限定的な例として、液体金属は約5グラムであってもよい。液体金属リザーバ312に結合された充填ポート310は、液体金属リザーバ312の使用可能体積を増加させることができる。例えば、充填ポート310は液体金属容量を増加させることができる。液体金属リザーバ312によって保持され得る液体金属の量を増加させることは、本明細書でさらに説明されるように、望ましくない液体金属の流れに対するベアリングの長期耐性を増加させるだけでなく、望ましいベアリング性能、例えば、連続的なベアリング表面の維持を増加させる可能性がある。
【0030】
液体金属リザーバ312、流路314、および隙間316を含む液体金属流路は、スリーブ302とシャフト304との間に環状構成を有することができる。シャフト304及びスリーブ302の傾斜した直径(sloping diameter、例えば、先細り:tapering)は、液体金属リザーバ312から隙間316までの液体流路の幅(例えば、シャフト304とスリーブ302との間)の狭さを提供する。別の言い方をすれば、流路314において、シャフト304の直径は、液体金属リザーバ312におけるシャフト304の直径に対して相対的に増加し、スリーブ302の内部の直径は、液体金属リザーバ312におけるスリーブ302の内部の直径に対して相対的に減少し、したがって、シャフトの第2の端部308から第1の端部306に向かう方向において、シャフト304とスリーブ302との間の液体金属流路の全体的な幅を減少させることができる。
【0031】
液体金属ベアリングアセンブリ300の組立中、液体金属は、充填ポート310を介して液体金属リザーバ312に注入または挿入される。液体金属は、流路314によって隙間316に漏斗状に流される。隙間316の幅は、液体金属のビードの幅よりも小さい場合があり、したがって、液体金属は、隙間316に受動的に流れ込まない場合がある。液体金属は、毛管力(capillary forces:キャピラリー力)によって液体金属を流路314から隙間316に引き込むことによって、ベアリング表面を濡らす。このようにして、液体金属は、液体金属ベアリングアセンブリ300のベアリング(例えば、液体金属ジャーナルベアリング及び/又は液体金属スラストベアリング)の表面を被覆し、スリーブ302とシャフト304との間に延在する液体金属の連続層を有するベアリング表面を形成することができる。これにより、図1及び図2に関して説明したように、X線ビームを生成するためのX線管の動作中などに、シャフト304に対するスリーブ302の滑らかで中断のない回転を提供することができる。液体金属ベアリングアセンブリ300は、ベアリングからの望ましくない液体金属の流れの量を低減するように設計された、液体金属ベアリングアセンブリ300の第1の端部306の下部領域にシールをさらに含むことができる。例えば、シールは、回転シール、圧縮シール等であってもよい。シールは、図2に示すアノード210のようなアノード(an anode, such as the anode 210)から離れる軸方向(例えば、回転中心軸350に沿って)の液体金属の流れを妨げることがある。
【0032】
液体金属ベアリングアセンブリ300のスリーブ302は、第1の本体302aと第2の本体302bとから形成されてもよく、第1の本体302aと第2の本体302bとの分離は、インターフェース302cによって示されている。液体金属ベアリングアセンブリ300の組立中、シャフト304は、第1の端部306からスリーブ302の第1の本体302aに挿入される。シャフト304の本体304aには、シャフト304の本体304aから半径方向に延びるフランジ304bが形成されている。スリーブ302の第1の本体302aには、フランジ304bが配置され得る相補的セクション(complementary section:相補部)352が形成されている。フランジ304bが相補的セクション352に配置されると(例えば、図3に示すように)、スリーブ302の第2の本体302bは、第1の端部306において第1の本体302aに結合され、シャフト304をスリーブ302内に封入する。第1の本体302aと第2の本体302bは、ボルト、溶接、他の締結具等(bolts, welding, other fasteners, etc.)を介して結合されてもよい。一例として、第2の本体302bはスリーブキャップであってもよい。
【0033】
スリーブ302の第1の本体302aは、液体金属ベアリングアセンブリ300が組み立てられたときにシャフト304が配置される環状カットアウトを有するように構成される。シャフト304がスリーブ302の環状カットアウト内に配置されると、その間に液体金属トラップが形成されることがあり、この液体金属トラップは、第1の本体302aの長さ318を延び、シャフト304のフランジ304bが配置される相補的セクションを含む。液体金属トラップは、長さ318の第1の領域319において、第1の領域319の第1の直径が第2の端部308からY軸に向かって徐々に増加するような角度のついた壁を有することができる。液体金属トラップはさらに、長さ318の第3の領域321まで、流路314からy軸の下方に減少する第2の領域320の第2の直径を有するように構成され、第3の領域321は相補的セクションである。第3の領域321の第3の直径は、第2の領域320の第2の直径よりも大きくてもよい。他の例では、第3の領域321の第3の直径は、第2の領域320の第2の直径より小さくてもよい。第1の直径、第2の直径、および第3の直径の間の遷移は、図4A~4Bおよび8~11に関してさらに議論される。
【0034】
液体金属リザーバ312は、スリーブ302とシャフト304によって形成されたトラップの第1の領域319にある。第1の領域319におけるスリーブ302とシャフト304との間の距離は、隙間316および流路314におけるスリーブ302とシャフト304との間の距離よりも大きい。液体金属リザーバ312は第1の容積を有してもよく、隙間316は第2の容積を有してもよく、第2の容積は第1の容積以上である。液体金属リザーバ312は、流路314によって隙間316に流体的に結合され得る。本明細書でさらに説明するように、流路314は、第1の角度で傾斜した第1の部分と、第2の角度で傾斜した第2の部分と、第1の部分と第2の部分とを結合する湾曲移行部とを含む。湾曲移行部は、実施例では、直線ではなく、また直線部を含まない。第1の角度と第2の角度は異なる。
【0035】
隙間316の一部は第3の角度で配置されてもよく、第3の角度は第1の角度および第2の角度に対して異なる。流路314の第2の部分は、流路314を隙間316に流体的に結合する。隙間316は、スリーブ302とシャフト304との間に、液体金属ジャーナルベアリング326(例えば、図2の液体金属ジャーナルベアリング222)の長さに沿って連続する幅を有してもよい。他の実施形態では、隙間316は、液体金属ジャーナルベアリング326の長さに沿って異なる幅を有することができる。図示の例では、液体金属ジャーナルベアリング326及び液体金属スラストベアリング328(例えば、図2の液体金属スラストベアリング224)は、その中及びその間に延在する液体金属の連続層を有してもよい。一実施例では、液体金属ジャーナルベアリング326と液体金属スラストベアリング328との間の移行部において、スリーブ302およびシャフト304の構造は、液体金属スラストベアリング328の液体金属インターフェース340に隙間316を結合する湿潤リザーバ330を形成することができる。一実施例では、液体金属インターフェース340は、液体金属スラストベアリング328のフランジ304bの第1の側面332、第2の側面334、および第3の側面336に沿って延びる液体金属スラストベアリング328の周囲の流体であってもよい。フランジ304bの第3の側面336は、ピン止め特徴部(pinning feature)338を有するように構成され得る。例えば、相補的セクション352におけるフランジ304bの第1の角度とシャフト304の第2の角度とが接触して、その間に環状に延びる鋭角を形成してもよい。このようにして、ピン止め特徴部338は、流体のピン止めを提供し、毛管力とともに、液体金属が、スリーブ302の第2の本体302bとシャフト304とによって形成されるガス溜め、ここでは膨張チャンバ342に流入するのを防止することができる。このようにして、液体金属リザーバ312は、ピン止め特徴部338によって膨張チャンバ342から流体的に分離される。液体金属リザーバ312、流路314、および隙間316に関するさらなる詳細は、図4A~4Bに関して説明される。ピン止め特徴部338および膨張チャンバ342に関するさらなる詳細は、図8に関して説明される。
【0036】
液体金属ベアリングアセンブリ300の一部分の詳細図400図4Aに描かれている。詳細図400は、液体金属リザーバ312、流路314、及び隙間316の追加的な詳細を含む第1の詳細図346と同様である。一実施例では、スリーブ302及びシャフト304は、液体金属ベアリングアセンブリ300の現場組立中(during field assembly)に液体金属を隙間316に流すように設計された形状を有する構造を含む。この形状は、液体金属が潤滑剤として作用し、構造的支持を提供するスリーブ302とシャフト304との間のインターフェース(例えば、図2のインターフェース226)におけるガス形成の減少をもたらす可能性がある。この形状はまた、ベアリングアセンブリ全体にわたってより均一な液体金属の分布をもたらす可能性がある。さらに、この形状は、組立中に十分な量の液体金属がベアリングジャーナルに流れ込み、充填不足やジャーナル内の空隙を減らすことができる。リザーバは、充填ポートや回転シールから流出することなく、ベアリングの毛細管隙間を完全に充填できるようなサイズになっている。
【0037】
一実施例では、液体金属リザーバ312は、第2の端部308から第1の端部306に向かう方向に広がっている。液体金属リザーバ312は、第2の部分312bより狭くてもよい第1の部分312aと、第2の部分312bより広くてもよい第3の部分312cとを含む。第2の部分312bは、充填ポート310に対向する空隙の部分であってよく、第1の部分312aは第2の部分の上方にあり、第3の部分312cは第2の部分312bの下方にある。液体金属リザーバ312の拡がりは、スリーブ302の第1の本体302aの角度によって形成される。第1の部分312aでは、第1の本体302aの内側部分402と外側部分404とが、実施例では約45度となる角度406で出会っている。また、第1の部分312aにおいて、スリーブ302の内部部分402は、第2の端部308から第1の端部306に向かう方向に狭くなっている。角度406から、液体金属リザーバ312の第1の部分312aから第2の部分312bは、半径方向の幅が増加する。第2の部分312bと第3の部分312cとの間の移行部において、液体金属リザーバ312は、第1の半径方向幅408まで増加する。一実施例では、第1の半径方向幅408は、現場組立中に毛細管流を促進するために、流路314の直径よりも大きな直径を有する液体金属ビーズ(本明細書でさらに説明される)を流路314に近接して保持することができる。
【0038】
流路314は、液体金属リザーバ312をスリーブ302とシャフト304の間の隙間316に流体結合する。一例では、流路314は第2の端部308から第1の端部306に向かう方向に先細りになっている。テーパーはシャフト304の拡幅によって形成される(The tapering is formed by a widening of the shaft 304)。例えば、シャフト304は、液体金属リザーバ312の領域内で第2の半径方向幅410を有することができる。シャフト304は、流路314の領域内で、隙間316の領域内で第3の半径方向幅412まで広がる。第2の半径方向幅410から第3の半径方向幅412までのシャフト304の広がりは、第1の角度、第2の角度、第1の角度と第2の角度との間の湾曲移行部、および第3の角度を含む。シャフト304の角度は図4Bに記載されている。
【0039】
スリーブ302に対するシャフト304の傾斜面は、チャンネル314の形状に影響を与える。角度のついた表面については図4Bで後述する。一実施例では、流路314は、第1の角度で傾斜した第1の部分314aと、第1の角度とは異なる第2の角度で傾斜した第2の部分314cと、第1の部分314aと第2の部分314cとの間の湾曲移行部314bとを含む。隙間316は第3の角度で傾斜していてもよい。一実施例では、シャフト304の角度のついた表面は、現場組立時に液体金属ビードが隙間316の上に保持されるように、流路314を形成する。液体金属ビード(liquid metal bead)が使用中に加熱されると、流路314および隙間316の先細り形状は、組立中に毛細管流をさらに増加させる。例えば、第1の部分314aは、液体金属が第2の部分314cと接触し、毛細管流を可能にするような大きさである。したがって、隙間316(例えば、ジャーナル)に入る液体金属は、シャフト面取り(shaft chamfer、例えば、物体の2つの面の間の移行端:transitional edge between two faces of an object)の特定の濡れ特性で制御され得る。
【0040】
液体金属ベアリングアセンブリ300の一部分の詳細図450図4Bに描かれている。詳細図450は、シャフト304の追加の詳細を含む。一実施例では、シャフト304は、液体金属ベアリングアセンブリ300の現場組立中に液体金属を隙間316に流すように設計された角度の付いた表面を含む。この形状は、液体金属が潤滑剤として作用し、構造的支持を提供するベアリングジャーナル、例えば、隙間316におけるガス形成の減少をもたらす可能性がある。形状はまた、アセンブリ全体にわたってより均一な液体金属の分布をもたらす可能性がある。また、構造体の形状は、現場での組立時にシャフトとスリーブの自動位置合わせを容易にし、製造効率を向上させる。
【0041】
シャフト304は、上部セクション452を含む。シャフト304の上部セクション452は、液体金属リザーバ312(例えば、図3など)に隣接していてもよい。段差(ステップ)454は、上部セクション452の下方に位置してよい。一例では、段差454は研削ステップであってもよい。段差454の下方には、シャフト304に漸次移行部(gradual transition:緩やかな移行部)464が形成されている。漸次移行部464は、第1の部分456、湾曲移行部458、第2の部分460、および第3の部分462を含む。一実施例では、漸次移行部464は、流路314と、流路314と隙間316との間の移行部(例えば、図3など)とに隣接していてもよい。
【0042】
一例では、第1の部分456は、45°の下限境界から60°の上限境界までの範囲の第1の角度456aで傾斜していてもよい。第1の部分456は、0.5mmの下限境界から3mmの上限境界までの範囲の第1の軸方向長さ456bを有してもよい。ここで、軸方向の長さは、回転軸の方向(例えば、回転軸と平行な方向)の長さである。第1の部分456は、1mmの下部境界から2mmの上部境界までの範囲の第1の半径方向変化(first radial change:第1の半径方向変化部分)456cを有してもよい。一実施例では、湾曲移行部458は、4mmから9mmの長さの範囲であってもよい。一実施例では、第2の部分460は、0.5°の下部の境界から15°の上部の境界までの範囲の第2の角度460aを傾斜させてもよい。第2セクション460は、1.5mmの下限境界から7mmの上限境界までの範囲の第2軸方向長さ460bを有してもよい。第2の部分460は、0.5mmから1mmの範囲の第2の半径方向変化(second radial change:第2の半径方向変化部分)460cを有してもよい。一実施例では、第3の部分462は、0度の下限境界から2.5度の上限境界までの範囲の第3の角度462aで傾斜していてもよい。第3の部分462は、アセンブリのジャーナルの長さであってもよい。一例では、第1の半径方向変化456cにおける半径は、第2の半径方向変化460cにおける半径よりも小さく、その差は第2の半径方向変化460cの長さに等しい。
【0043】
一実施例では、第1の角度456aは、第2の角度460aよりも大きく、液体金属を液体金属リザーバ312から流路314および隙間316(例えば、ベアリングジャーナル)へ移動させる漏斗(funnel)として作用する。第1の角度456aの大きさは、液体金属のビードが流路314にさらに適合することを可能にし、それにより、毛管流を増加させる(increased capillary flow)ために流路314と隙間316との間の距離を減少させる。第2の角度460aおよび対応するスリーブ302の形状は、組立中の自動整列を可能にする。このようなシャフトとスリーブの形状は、図12でより詳細に説明されている。
【0044】
図5は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300などの液体金属ベアリングアセンブリに実装され得るシャフト500の別の実施形態の詳細図550を示す。シャフト500は、図3図4A、および図4Bに示されるシャフト304と比較的同様の形態および機能である。一例では、シャフト500の寸法、および以下に例示する追加のシャフトの実施形態は、図3、4A~4Bに関して説明した寸法の範囲内であってもよい。
【0045】
例えば、シャフト500は、第1の角度504aで傾斜した第1の部分504と、第2の角度508aで傾斜した第2の部分508と、第1の部分504と第2の部分508との間の湾曲移行部(curved transition:曲線状の遷移)506と、第3の角度510aで傾斜した第3の部分510とを含む緩やかな移行部502を含む。隙間(例えば、図3の隙間316)におけるシャフトの第1の角度504a、第2の角度508a、および第3の角度510aは、図3~4Bのシャフト304の実施形態と比較して、シャフト500の実施形態では異なっていてもよい。一例では、第1の角度504aは、図4Bに関して図示された第1の角度456aよりも大きくてもよい。一例では、第2の角度508aは、図4Bに関して図示された第2の角度460aよりも大きくてもよい。
【0046】
第1の部分504は、第1の軸方向長さ511を有することができる。湾曲移行部506および第1の部分504は、一緒になって第2の軸方向長さ512を有してもよい。第1の部分504、湾曲移行部506、および第2の部分508は、一緒になって第3の軸方向長さ514を有してもよい。第3の部分510は、第4の軸方向長さ516を有してもよい。第1の部分504、湾曲移行部506、第2の部分508、および第3の部分510は、合わせて第5の軸方向長さ518を有してもよい。実施例では、シャフト500の第1の軸方向長さ511は、図4Bのシャフト304の第1の軸方向長さ456bに関して説明した長さの範囲と同様であってもよい。実施例では、第1の軸方向長さ511は、シャフト304の第1の軸方向長さ456bよりも短くてもよい。他の例では、第1の軸方向長さ511は、第1の軸方向長さ456bよりも大きくてもよい。同様に、第2の軸方向長さ512と第3の軸方向長さ514との差は、図4Bのシャフト304の第2の軸方向長さ460bについて説明した長さの範囲と同様であってもよい。
【0047】
図6は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300などの液体金属ベアリングアセンブリに実装され得るシャフト600のさらに別の実施形態を示す。シャフト600は、図3図4A、及び図4Bに示されるシャフト304、並びに図5に示されるシャフト500と、形態及び機能が比較的類似している。回転軸602が、参考のために図6に提供されている。回転軸602は、図3、および4Aの回転軸350と同じか、または類似していてもよい。
【0048】
図6は、緩やかな移行部620を含むシャフト600の詳細図650を含む。緩やかな移行部620は、第1の角度606aで傾斜した第1の部分606と、第2の角度610aで傾斜した第2の部分610と、第3の部分612とを含む。湾曲移行部608は、第1の部分606と第2の部分610との間に配置されてもよい。他の実施例では、角度の付いたセクション、例えば、第1の部分606と第2の部分610は、湾曲した移行部なしで互いに直接移行してもよい。いくつかの例では、シャフト600は、工具移行領域(tool transition region)604を含んでもよい。隙間(例えば、図3の隙間316)におけるシャフトの第1の角度606a、第2の角度610a、および第3の角度612aは、図3~4Bおよび図5に関して図示されたシャフトの実施形態と比較して、シャフト600の実施形態では異なっていてもよい。例えば、図5に関して説明したように、第1の角度606aは第1の角度504aよりも小さくてもよく、第2の角度610aは第2の角度508aよりも小さくてもよい。一実施例では、緩やかな移行部620は、長さ614を有してもよい。一実施例では、長さ614は、図5を参照して説明したように、第3の軸方向長さ514よりも短くてもよい。
【0049】
図7は、液体金属リザーバを間隙に結合した流路を形成するために使用される角度の詳細図と共に、液体金属ベアリングアセンブリ(例えば、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300)において実施され得るシャフト700のさらなる実施形態を示す。
【0050】
シャフト700は、第1の部分702、第2の部分706、第1の部分702と第2の部分706との間の湾曲移行部704、および第3の部分714を含む。シャフト700は、第1の角度702aおよび第2の角度706aを含む。第1の部分702は、第1の軸方向長さ708を含む。第2の部分706は、第2の軸方向長さ712を含む。第2の部分706と湾曲移行部704は、組み合わされた軸方向の長さ710を有する。シャフト700の第1の角度702aおよび第2の角度706aは、図3~4B、図5、および図6に関してそれぞれ図示されたシャフト304、シャフト500、およびシャフト600の第1の角度および第2の角度とは異なっていてもよい。例えば、第1の角度702aは、図5に関して説明した第1の角度504aよりも大きくてもよい。別の例として、第2の角度706aは、図6に関して説明した第2の角度610aよりも大きくてもよい。一実施例では、シャフト700は、切欠き(cutaway)716を含む。
【0051】
図8は、液体金属ベアリングアセンブリ300の一部分の詳細図800を示す。詳細図800は、湿潤リザーバ330、ピン止め特徴部338、および膨張チャンバ342の追加の詳細を含む、第2の詳細図348と同様であり得る。特に、詳細図800は、アセンブリからの望ましくない液体金属の流れを低減し得る液体金属ベアリングアセンブリの特徴を示す。
【0052】
一例では、フランジ304bの第3の側面336は、第2の本体302bの面804に沿って面共有接触していてもよい。第3の側面336と面804との間の液体金属インターフェース340を超える液体金属の流れは、鋭角(sharp angle:鋭角部)802によって防止または低減されてもよく、鋭角802は、不連続後の毛管力を変化させる不連続部(a discontinuity that changes the capillary force after the discontinuity)として作用する。フランジ304bの第3の側面336上の第1の角度のついた切欠き部806と、第2の本体302bの面804上の第2の角度のついた切欠き部808とは、接触して環状に延び、鋭角802を形成する。第1の角度のついた切欠き部806と第2の角度のついた切欠き部808との間の線上の遷移によって形成される鋭角802は、両側面の交点で液体金属を保持し、ガス圧による望ましくない流れとベアリングジャーナルの完全な濡れとにつながる可能性のある、下部の回転シールに入る液体金属の発生を低減することができる(The sharp angle 802 formed by the line on line transition between the first angled cutaway 806 and second angled cutaway 808 may hold a liquid metal at the intersection of the two sides and may reduce incidence of liquid metal entering lower rotating seals, which may lead to undesired flow due to gas pressure and full wetting of the bearing journal)。一実施例では、第1の角度付き切欠き部806と第2の角度付き切欠き部808は、ほぼ対称であり、鋭利な点を形成することができる。別の実施例では、2つの非対称の切り込みが、ピン止め特徴として作用する鋭利な点を形成する場合がある。一実施例では、第1の角度のついた切欠き806と第2の角度のついた切欠き808は、鋭角802でほぼ直角に合流する。このようにして、ピン止め特徴部338は、流体のピン止めを提供し、毛管力とともに、液体金属が膨張チャンバ342に流入するのを防止することができる(The pinning feature 338 may thus provide fluid pinning and, along with capillary forces, prevent liquid metal from flowing into an expansion chamber 342)。一実施例では、ピン止め特徴部338は、膨張チャンバ342を湿潤リザーバから流体的に分離する。さらなる例として、ピン止め特徴部は、表面にアンダーカット(undercut)を形成することによって達成することができる。ピン止め特徴部を形成するアンダーカット表面の例を図18に示す。
【0053】
膨張チャンバ342は、スリーブ302の第2の本体302bとシャフト304とによって形成することができる。膨張チャンバ342は、環状形状を有する空隙を形成する液体金属ベアリングアセンブリ300の内面によって画定されてもよい。例えば、第2の本体302bの第1の表面810は、膨張チャンバ342の外側の境界を形成することができる。シャフト304の第2の表面812および第4の表面830は、膨張チャンバ342の内側の境界を形成することができる。フランジ304bの第3の表面816は、第1の角度付き切り欠き806と連続する可能性があり、膨張チャンバ342の上部境界を形成する可能性がある。切り欠き814は、液体金属ベアリングアセンブリ300の第1の端部306に向かって第1の表面810を形成し、膨張チャンバ342の下部の境界を形成することができる。液体金属を含まないことが望ましい膨張チャンバ342は、液体金属のオフガスを保持するためのガス溜めとして機能し得る(The expansion chamber 342, which is desirably free of liquid metal, may act as a gas reservoir to retain liquid metal off-gases)。
【0054】
湿潤リザーバ(wetting reservoir)330は、隙間316とフランジ304bを取り囲む液体金属インターフェース340とを流体的に結合することができる。湿潤リザーバ330は、スリーブ302の第1の本体302aとシャフト304とによって形成されてもよい。湿潤リザーバ330は、環状形状を有する空隙を形成する液体金属ベアリングアセンブリ300の内部表面によって画定されてもよい。例えば、第1の本体302aの第4の表面818は、湿潤リザーバ330の外側の境界(outer boundary)を形成することができる。シャフト304の第5の表面820は、湿潤リザーバ330の内側の境界(interior boundary)を形成し得る。第5の表面820は、例えば、湿潤リザーバ330の床(floor:フロア)822がフランジ304bの第1の側面332よりも相対的に、例えば、y軸に沿って低く、液体金属インターフェース340に向かって徐々に傾斜する、鋭い遷移を避ける形状であってもよい。湿潤リザーバ330の形状は、液体金属スラストベアリング(例えば、図2の液体金属スラストベアリング224)の完全な湿潤を促す滑らかな移行を提供する。接液リザーバ330の形状とピン止め特徴部338との組み合わせにより、隙間316および液体金属インターフェース340に液体金属が保持され、現場組立中に十分な量の液体金属を導入することが可能になる一方で、充填不足や流路内の空隙を最小限に抑えることができる。
【0055】
図9Aおよび図9Bは、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300などの液体金属ベアリングアセンブリに実装され得るスリーブの透視図である。一例において、図9Aは、ベアリングアセンブリの第2の端部(例えば、第2の端部308)に沿って配置され得るスリーブ(例えば、スリーブ302)の第1の透視図900を示す。図9Bは、ベアリングアセンブリの第1の端部(例えば、第1の端部306)に沿って配置され得るスリーブの第2の透視図950を示す。
【0056】
まず図9Aに目を向けると、スリーブの第1の側(first side)902の第1の透視図900は、第1の表面(first surface)906と第2の表面(second surface)908の例を示している。第1の表面906は段差910によって第2の表面908に接合されることがある。段差910は傾斜した(例えば湾曲した、あるいは角度のついた)エッジ(edge:縁)904を含むことがある。いくつかの例では、段差910は、回転軸(例えば、図2の回転軸250)に対して角度(例えば、0.5°~15°の間の角度)を付けてもよい。角度付けは、いくつかの実施例において、構成要素の変形の発生を減少させる可能性がある。
【0057】
図9Bは、スリーブ302の第2の本体302bと同様のスリーブの第2の本体952の一例の第2の透視図950を示す。第2の本体952は第1の段差962によって接合された第1の表面954と第2の表面956を含む。一実施例では、第1の段差962は第1の表面954と第2の表面956に対してほぼ垂直に配置されてもよい。第2の本体952は、第2の段差960によって第2の表面956に接合された第3の表面958を含む。一実施例では、第2の段差960は、第2の表面956および第3の表面958に対してほぼ垂直に配置されてもよい。第2の段差960は、丸みを帯びた縁部(rounded edge:丸みを帯びたエッジ)968を含んでもよい。
【0058】
第1の表面954は、内側円筒面(inner cylindrical surface)964、第1の表面954上の開口(opening)970、および反対側の表面上の開口(例えば、図8の反対側の表面824上の開口826)によって画定された複数の貫通孔(through holes)966を含み得る。一実施例では、現場組立の際に第2の本体952をスリーブの第1の本体(例えば、第1の本体302a)に固定するために、締結具(例えば、図8のボルト828)を貫通孔966を通して挿入することができる。
【0059】
図10は、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300のような液体金属ベアリングアセンブリに実装され得るスリーブ1000の別の実施形態を示す。スリーブ1000は、図3図9A及び図9Bに示すスリーブ302と比較的同様の形態及び機能を有する。
【0060】
一例では、スリーブ1000の内部表面は、異なる表面仕上げ(different surface finishes)を有するように様々に加工されてもよい。例えば、シャフトの内面に半径方向に取り囲まれているスリーブの第1の領域は、第1の表面仕上げを有していてもよい。シャフトの内面に半径方向に囲まれていないスリーブの第2の領域は、第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げを有していてもよい。一例として、スリーブ1000の第1の表面1002は、旋削加工された部分(sections that are turned)と研削加工された部分(sections that are ground)とを含んでいてもよい。一例として、スリーブ1000は、第1の長さ1006に対してほぼ円筒状に形成された第1の領域1004を有していてもよい。別の例として、第1の表面1002の第2の領域1008は第2の長さ1010のために研削され、第3の領域1012は第3の長さ1014のために旋削されることがある。第2の長さ1010に沿ったスリーブ1000は、制御されない円筒状に形成されてもよい。第2の長さ1010と第3の長さ1014の間の研削インターフェース1016は、段差または不連続(step or discontinuity)1018を生成することができる。
【0061】
スリーブ1000の第1の表面1002は第1の角度1024と第2の角度1022を含むように形成されることがある。一実施例では、第1の角度1024は30°~60°であり、第2の角度1022は0.5°~15°の範囲である。一実施例では、スリーブ1000の形状は、製造の湿潤およびコーティングステップの間などの現場組立中に液体金属が液体金属リザーバ(例えば、図3の液体金属リザーバ312など)に保持される発生率を低減することができる。
【0062】
図11A図11B、および図11Cは、液体金属ベアリングアセンブリ1100の第1の実施例1110、第2の実施例1140、および第3の実施例1170をそれぞれ示す。液体金属ベアリングアセンブリ1100の実施例は、図3図4Aなどに示される液体金属ベアリングアセンブリ300と機能的に比較的類似している。第1の実施例1110、第2の実施例1140、及び第3の実施例1170は、ベアリングジャーナル内への液体金属の毛細管流を増加させ、現場組立中のシャフト挿入の自動整列を容易にし得る液体金属ベアリングアセンブリ1100の変更例を示す。
【0063】
液体金属ベアリングアセンブリ1100は、シャフト1102、スリーブ1104、充填リザーバ1106、およびベアリング隙間(bearing gap)1108を含む。充填リザーバ1106は、シャフト1102及びスリーブ1104の内部表面によって形成される空隙(void)から構成されてもよい。例えば、表面は、シャフト1102の第1の表面1102aおよびスリーブ1104の第2の表面1104aを含むことができる。
【0064】
図11Aは、第1の改変部(first modification)1112を含む第1の実施例1110を示す。第1の改変部1112は、充填リザーバ1106を拡大するシャフト1102からの切り離し部であってもよい。
【0065】
図11Bは、第1の改変部1112と第2の改変部1142とを含む第2の実施例1140を示す。第2の改変部1142は、スリーブ1104の第2の表面1104a(例えば、図11Aを参照)から切り離されたものであってもよい。第2の改変部1142および第1の改変部1112は、充填リザーバ1106を拡大し、ベアリング隙間1108の角度1144を広げる。
【0066】
図11Cは、第3の改変部1172、第4の改変部1174、第5の改変部1176、および第6の改変部1178を含む第3の実施例1170を示す。第3の改変部1172は、シャフト1102の第1の改変部1112(例えば、図11A参照)からの切断部であってもよい。第4の改変部1174および第5の改変部1176は、シャフト1102の第1の表面1102aからの切り起こしであり得る。第6の改変部1178は、第2の改変部1142(例えば、図11B参照)からの切り起こしであり得る。改変は、充填リザーバ1106を拡大し、ベアリング隙間1108の角度1180を広げる。
【0067】
図11A~11Cに示された修正例は、様々な利点を有し得る。例えば、充填リザーバ1106を広げることによって、修正は、湿潤の前に十分な液体金属の充填を可能にする。別の例として、充填リザーバ1106の表面取りを減らすことによって、修正は、ベアリング隙間1108への毛管流を増加させる。さらに、面取りや他の鋭利な移行部を減らすことで、現場での組立時にシャフト1102とスリーブ1104の間の摺動面(sliding surfaces)に生じる可能性のある摩滅や他の摩耗(galling and other wear:「カジリ」や他の磨耗)を減らすことができる。
【0068】
図12は、シャフト304をスリーブ302に挿入する間の液体金属ベアリングアセンブリ300の組立シリーズ(assembly series:アセンブリ系列)1200を示す。例えば、現場組立中のシャフト304とスリーブ302の第1の位置1202、第2の位置1204、第3の位置1206が示されている。一例として、スリーブ302とシャフト304の合わせ角は組立を容易にするために整列する。例えば、角度を合わせることにより、現場組立時にシャフト304とスリーブ302の自動位置合わせが可能となり、製造効率が向上する。
【0069】
シャフト304の漸次移行部(gradual transition)464は、複合角度を有するように形成されたセクション、例えば、第1の部分456、第2の部分460、および第3の部分462、ならびに湾曲移行部458を含んで示されている。第2の部分は、第2の角度460aを含む。スリーブ302の第1の本体302aの第1の領域1208は、第2の角度460aと同一または類似のスリーブ角度1208aを有して形成されてもよい。破線1210、1212は、シャフト304とスリーブ302との間の隙間316またはベアリングジャーナル軸を説明するために描かれている。第2の角度460aおよびスリーブ角度1208aは、隙間316から切り取られたものであってもよい。
【0070】
組立中、シャフト304は第1の端部306からスリーブ302内に挿入される。組立中の第1の位置1202では、シャフト304はスリーブの第1の領域1208に接近する。第2の位置1204では、シャフト304はスリーブ302の第1の領域1208を通過する。第2角度460aとスリーブ角度1208aが一致し、隙間316から切り離されることで、シャフト304とスリーブ302が互いを越えてスライドすることが可能になる。シャフト304がスリーブ302の第1の領域1208を通過すると、その間の距離は隙間316まで狭まる。第3の位置1206では、シャフト304はスリーブ302に完全に挿入される。一例として、シャフト304がアセンブリの第2の端部308に合致するように一旦完全に挿入されると、液体金属リザーバ312、流路314および隙間316は、液体金属または他のベアリング潤滑剤を受容するために形成され得る。
【0071】
図13は、液体金属ベアリングアセンブリのための例示的な方法1300を示すフローチャートである。一例では、液体金属ベアリングアセンブリは、液体金属ベアリングアセンブリ300であってもよい。一例では、方法1300は、液体金属ベアリングアセンブリを組み立てるための自動化システムによって実行されてもよい。
【0072】
一例として、1302において、方法1300は、スリーブの第1の端部の開口においてシャフトをスリーブに挿入することによって、シャフトを液体金属ベアリングアセンブリのスリーブに結合することを含み得る。一例として、シャフトの1つまたは複数の角度のついた面、または複合角度とスリーブの角度を一致させることにより、組立中に自動整列が可能になる場合がある。
【0073】
1304で、方法1300はスリーブキャップをスリーブの第1の端部に結合することを含むことができる。一例として、スリーブキャップは第2の本体302bと同一または類似であってもよく、スリーブの第1の端部は図3および図8で説明した第1の本体302aと同一または類似であってもよい。一例として、スリーブキャップをスリーブの第1の端部に接合することにより、アセンブリの第1の端部(例えば、第2の端部308)に第1のリザーバ(例えば、液体金属リザーバ)が形成され、第2の端部(例えば、第1の端部306)に第2のリザーバ(例えば、気体リザーバ、膨張チャンバ342)が形成されてもよい。さらに、接合されると、シャフトのフランジとスリーブの相補的セクションは、その間のインターフェースに形成された鋭角を有する挟持機能を形成する。例えば、接合されると、スリーブとシャフトは、液体金属リザーバ312、湿潤リザーバ330、ピン止め特徴部338、および膨張チャンバ342を形成することができる。
【0074】
1306において、方法1300は、アセンブリの第2の端部に配置された充填ポートを介して液体金属リザーバに液体金属を注入することを含み得る。ガリウムなどの液体金属は、液体金属ベアリングアセンブリにおいてベアリングとして使用され得る潤滑剤の一例であってよい。充填ポートは、図3等に図示された充填ポート310と同様であってよい。一例では、液体金属リザーバの容積に等しい量の液体金属が液体金属リザーバに注入されてもよい。幾つかの実施例では、注入された金属の総量がリザーバの容積を超えるように、リザーバへの液体金属の追加注入が行われてもよい。
【0075】
1308において、方法1300は、液体金属ベアリングアセンブリを加熱(heating the liquid metal bearing assembly)して、スリーブとシャフトとの間の隙間にベアリング面を形成(create bearing surfaces)し、それによって液体金属が毛管力を用いて隙間に流入することを含み得る。言い換えれば、液体金属は、毛管力によって液体金属リザーバから隙間に引き込まれる。毛管力は、熱なしで液体金属を隙間に引き込むことができる。いくつかの例では、液体金属ベアリングは組立中に加熱されないことがある。一例として、膨張チャンバへの液体金属の流れは、シャフトとスリーブとの間に形成されたピン止め特徴部によって遮断(例えば、減少、防止)される場合がある。
【0076】
図14図15、および図16は、液体金属リザーバを隙間に結合した流路を形成するために使用される、液体金属ベアリングアセンブリ(例えば、図3の液体金属ベアリングアセンブリ300)において実施され得るシャフトのさらなる実施形態を、角度の詳細図とともに示す。一例では、図14~16に関して記載されたシャフトのさらなる実施形態の寸法は、図3、4A~4Bに関して記載された寸法の範囲内であってもよい。
【0077】
図14はシャフト1400を示す。シャフト1400は、第1の部分1402と、第2の部分1408と、第1の部分1402と第2の部分1408との間の湾曲移行部1404と、第3の部分1422とを含む。シャフト1400は、第1の角度1412、第2の角度1414、および第3の角度1416を含む。第1の部分1402は、第1の軸方向長さ1410を有する。第2の部分1408は、第2の軸方向の長さ1406を有する。湾曲移行部1404は、移行部の軸方向の長さ1420を有する。シャフト1400は、第1の部分1402、第2の部分1408、湾曲移行部1404、および第3の部分1422を含む第3の軸方向長さ1418を有する。
【0078】
いくつかの例では、第1の角度1412、第2の角度1414、および第3の角度1416は、図3~4B、図5図6、および図7に関して図示されたシャフトの様々な実施形態の第1の角度、第2の角度、および第3の角度とは異なっていてもよい。例えば、第1の角度1412は、図5に関して説明した第1の角度504aよりも小さくてもよい。第1の角度1412は、図6に関して説明した第1の角度606aよりも大きくてもよい。第2の角度1414は、図5に関して説明した第2の角度508aよりも大きくてもよい。
【0079】
いくつかの例では、第1の軸方向長さ1410、第2の軸方向長さ1406、移行部の軸方向長さ1420、および第3の軸方向長さ1418は、図3~4B、図5図6、および図7に関して図示されたシャフトの様々な実施形態の対応する軸方向長さと異なっていてもよい。例えば、第1の軸方向長さ1410は、図5に関して説明した第1の軸方向長さ511よりも長くてもよい。第3の軸方向長さ1418は、図5に関して説明した第5の軸方向長さ518よりも短くてもよい。別の例として、第1の軸方向長さ1410は、図7に関して説明した第1の軸方向長さ708よりも長くてもよい。
【0080】
図15はシャフト1500を示す。シャフト1500は、第1の部分1502、第2の部分1504、第3の部分1508、および湾曲移行部1506を含む。シャフト1500は、第1の角度1510、第2の角度1512、および第3の角度1514を含む。第1の部分1502は、第1の軸方向長さ1524を有する。湾曲移行部1506および第1の部分1502は、第2の軸方向長さ1516を有する。第1の部分1502、第2の部分1504、第3の部分1508の一部、および湾曲移行部は第3の軸方向の長さ1520を有する。
【0081】
いくつかの例では、第1の角度1510、第2の角度1512、および第3の角度1514は、図3~4B、図5~7、および図14に関して図示されたシャフトの様々な実施形態の対応する角度とは異なっていてもよい。例えば、第1の角度1510は、図14に関して説明した第1の角度1412よりも大きくてもよい。第1の角度1510は、図5、6に関して説明した第1の角度504aよりも大きくてもよい。第2の角度1512は、図5に関して説明した第2の角度508aよりも小さくてもよい。
【0082】
いくつかの例では、第1の軸方向長さ1524、第2の軸方向長さ1516、および第3の軸方向長さ1520は、図3~4B、図5図6、および図7に関して図示されたシャフトの様々な実施形態の対応する軸方向長さと異なっていてもよい。例えば、第1の軸方向長さ1524は、図7に関して説明した第1の軸方向長さ708よりも短くてもよい。第3の軸方向長さ1520は、図14に関して説明した第3の軸方向長さ1418よりも長くてもよい。
【0083】
図16はシャフト1600を示す。シャフト1600は、第1の部分1602、第2の部分1604、および第3の部分1608を含む。シャフト1600は、第1の角度1610および第2の角度1612を含む。いくつかの例では、第1の角度1610および第2の角度1612は、図3~4B、図5~7、および図14~15に関して図示されたシャフトの様々な実施形態の第1の角度および第2の角度とは異なっていてもよい。例えば、第2の角度1612は、図14に関して説明した第2の角度1414よりも小さくてもよい。シャフト1600は、第1の角度1610と第2の角度1612との間の湾曲遷移(例えば、図14の湾曲遷移1404)を含まない。他の例では、シャフト1600は、第1の角度1610と第2の角度1612との間に湾曲移行部を含んでもよい。
【0084】
図17は、液体金属ベアリングアセンブリ1700の一例を示す。液体金属ベアリングアセンブリ1700は、開示された液体金属ベアリングのための構成であり、構成要素が(例えば、図3の構成要素の向きとは対照的な)別の向きに配置される。この例では、充填ポートおよびピン止め特徴部はが反対の向きになっている場合があり、充填ポートとリザーバおよびギャップへの入口を形成する角度がベアリングのシール側 (たとえば、第1の端部1706)にあり、ピン留め機能がスリーブがあるシャフトの反対側の端(たとえば、第2の端部1708)にある(In the example, a fill port and pinning feature may be in an opposite orientation such that the fill port and angles creating the reservoir and entrance to the gap are on the seal side of the bearing, e.g., a first end 1706, and the pinning feature is on the opposite end of the shaft with the sleeve, e.g., a second end 1708)。
【0085】
液体金属ベアリングアセンブリ1700は、スリーブ1702とシャフト1704とを含む。一例では、スリーブ1702は回転部品であってもよく、シャフト1704は静止部品であってもよい。スリーブ1702とシャフト1704は、スリーブ1702がシャフト1704に対して回転可能であるように結合されてもよい。液体金属ベアリングアセンブリ1700のスリーブ1702は、第1の本体1702aおよび第2の本体(図示せず、例えば、図3の302b)から形成されてもよい。シャフト1704の本体1704aは、シャフト1704の本体1704aから半径方向に延びるフランジ1704bを備えて構成される。スリーブ1702の第1の本体1702aは、フランジ1704bが配置され得る相補的セクション(complementary section:相補的な部分)1722を備えて構成される。
【0086】
スリーブ1702およびシャフト1704の各々は、液体金属ベアリングアセンブリ1700が組み立てられた状態において液体金属流路を形成する構造を有するように構成される。液体金属流路は、充填ポート1710、第1のリザーバ1712(例えば、液体金属リザーバ、ガリウムリザーバ)、流路1714、および隙間1716を含むことができる。液体金属は、組立中に充填ポート1710を介して第1のリザーバ1712に導入されることがある。流路1714は、第1のリザーバ1712から隙間1716への流れを促進するための角度を含むことができる。充填ポート1710、第1のリザーバ1712、および流路1714は、液体金属ベアリングアセンブリ1700の第1の端部1706に配置される。
【0087】
スリーブ1702は、スリーブ要素(sleeve element)1752とシャフト要素(shaft element)1750を含むピン止め特徴部(pinning feature)を含む。スリーブ要素1752とシャフト要素1750は、隙間1716内でガリウムをピン止めする(pinning the gallium)ことにより、液体金属ベアリングアセンブリ1700の望ましくない領域へのガリウムの流入を低減する。スリーブ要素1752およびシャフト要素1750は、液体金属ベアリングアセンブリ1700の第2の端部に配置される。
【0088】
液体金属ベアリングアセンブリ1700の組立中、シャフト1704は、第1の端部1706からスリーブ1702の第1の本体1702aに挿入される。フランジ1704bが相補的セクション1722に配置されると(例えば、図17に示すように)、スリーブ1702の第2の本体は、第1の端部1706において第1の本体1702aに結合されて、シャフト1704をスリーブ1702内に囲むことができる。第1の本体1702aと第2の本体は、ボルト、溶接、他の締結具などを介して結合されてもよい。一例として、第2の本体はスリーブキャップであってもよい。このようにして、充填ポート1710および第1のリザーバ1712は、ベアリングのシール側に配置され、ピン止め特徴部は、シャフト1704とスリーブ1702との間のベアリングの対向端部に配置される。
【0089】
図18は、液体金属ベアリングアセンブリ1800の一例を示す。液体金属ベアリングアセンブリ1800は、追加的又は代替的なピン止め特徴部を示す開示された液体金属ベアリングの構成である。液体金属ベアリングアセンブリ1800は、他の態様において、図2図17に関して上述した液体金属ベアリングアセンブリの例と同じであってもよく、類似していてもよい。
【0090】
液体金属ベアリングアセンブリ1800は、スリーブ1802とシャフト1804とを含む。一例では、スリーブ1802は回転部品であり、シャフト1804は静止部品であってもよい。スリーブ1802とシャフト1804は、スリーブ1802がシャフト1804に対して回転可能であるように結合されてもよい。液体金属ベアリングアセンブリ1800のスリーブ1802は、第1の本体1802aおよび第2の本体(図示せず、例えば、図3の302b)から形成されてもよい。シャフト1804の本体1804aは、シャフト1804の本体1804aから半径方向に延びるフランジ1804bを備えて構成される。スリーブ1802の第1の本体1802aは、フランジ1804bが配置され得る相補的セクション1814を備えて構成される。
【0091】
スリーブ1802とシャフト1804の間には隙間1816が形成される。組立中に導入された液体金属が隙間1816を満たすことがある。液体金属は、隙間1816を矢印1806で示すガス溜めから分離するピン止め特徴部によって、隙間1816を越えて流れるのを防止され得る。ピン止め特徴部の配置および形状は、ジャーナル表面の外側のベアリング内の下部回転シールおよびリザーバに望ましくない形で流れる可能性のある液体金属の量を低減することに寄与する可能性がある。実施例では、第1のピン止め特徴部1824および第2のピン止め特徴部1834が、同じベアリングアセンブリに示されている。しかしながら、製造されたベアリングアセンブリは、第1のピン止め特徴部1824、第2のピン止め特徴部1834、ピン止め特徴部338、または他の類似の構成のうちの1つだけを含んでもよいことが理解され得る。
【0092】
第1のピン止め特徴部1824は、第1のスリーブ要素1820と第1のシャフト要素1822とを含む。第1のピン止め特徴部1824は、隙間1816に液体金属をピン止めするために2つの非対称な切り込みを使用してもよい例である。例えば、第1のシャフト要素1822は、第1の表面1826上の非対称カットウエイ(asymmetric cutaway:非対称な切り起こし)によって作成されてもよく、一方、第1のスリーブ要素1820は、そのようなカットウエイを有さなくてもよい。一実施例では、第1の表面1826上の非対称カットウエイは、鋭角(例えば、45°の角度)を形成することができる。
【0093】
あるいは、ピン止め特徴部は、表面にアンダーカットを形成することによって達成されてもよい。例えば、第2のピン止め特徴部1834は、第2のスリーブ要素1830と第2のシャフト要素1832とから構成される。第2のスリーブ要素1830は、第2の表面1836上のアンダーカットによって作成されてもよく、第2のシャフト要素1832は、第3の表面1838上の一致する対称的なアンダーカットによって作成されてもよい。一実施例では、第2の表面1836上のアンダーカットは鋭角(例えば、45°の角度)を形成し、第3の表面1838上のアンダーカットは対称の向きで同様の鋭角を形成することができる。
【0094】
開示された液体金属ベアリングアセンブリのいくつかの実施例は、複数の充填ポート、複数の液体金属リザーバ、および/または複数のピン止め特徴部を含んでいてもよい。例えば、異なる軸方向および半径方向位置に配置された複数の充填ポートがあってもよい。同様に、いくつかの実施例では、アセンブリは、1つ以上のピン止め特徴部を含んでよい。いくつかの例では、開示された液体金属ベアリングアセンブリは、充填ポート、ピン止め特徴部、および液体金属リザーバの各々の1つ以上を含むことができる。例えば、ベアリングの第1の端部に配置された第1の液体金属リザーバ、関連する第1の充填ポート、および関連する第1のピン止め特徴部が存在し得る。異なる軸方向位置にあるベアリングの第2の端部には、第2の液体金属リザーバ、関連する第2の充填ポート、および関連する第2のピン止めフィーチャがある。いくつかの例では、第1のピン止め特徴部は、第2のピン止め特徴部とは異なる形状であってもよく、他の例では、これらは同様の形状であってもよい。例えば、第1のピン止め特徴部は、図8を参照して説明したピン止め特徴部と同様であってもよく、第2のピン止め特徴部は、図18を参照して説明した第1または第2のピン止め特徴部と同様であってもよい。
【0095】
このように、開示された液体金属ベアリングアセンブリは、良好な毛管濡れと液体金属の保持を促進することにより、液体金属ベアリングの製造に関する現在の課題に対処する。開示された液体金属ベアリングアセンブリの形状は、アライメントの難易度を低減し、アセンブリプロセス中のセルフアライメントを可能にし、それにより歩留まりを向上させ、製造中の容量制約を低減する。アライメントの難易度を低減することにより、開示される液体金属ベアリングアセンブリは、いくつかの例では液体金属を汚染し、液体金属の潤滑能力を妨害する可能性のある、組立中に使用される潤滑剤への依存を低減することができる。さらに、開示された液体金属ベアリングアセンブリは、液体金属との完全な濡れを促し、毛管力の戦略的な適用によってジャーナル表面の外側のベアリング内に望ましくない形で流れる可能性のある液体金属の量を減少させる。液体金属ベアリングに液体金属リザーバを使用する技術的効果は、ベアリングインターフェースに正確な量の液体金属を供給できるようにするとともに、ベアリングインターフェースのガス量を減少させることである。
【0096】
本開示はまた、液体金属ベアリング用の支持体であって、液体金属リザーバをスリーブとシャフトとの間の隙間に流体結合する流路であって、第1の角度で傾斜した第1の部分と、第2の角度で傾斜した第2の部分とを有し、第1の角度が第2の角度と異なる、流路と、を備える支持体を提供する。システムの第1の実施例では、第1の部分は第1の長さを有し、第2の部分は第1の長さとは異なる第2の長さを有する。システムの第2の実施例において、任意に第1の実施例を含み、液体金属リザーバは第1の容積を有し、隙間は第1の容積以上の第2の容積を有する。システムの第3の実施例では、任意に第1および第2の実施例の一方または両方を含み、システムはさらに、液体金属リザーバに開口する第1の端部とプラグを含む第2の端部とを有する充填ポートを備える。システムの第4の実施例では、任意に第1から第3の実施例の1つ以上またはそれぞれを含み、シャフトの内面によって半径方向に取り囲まれているスリーブの第1の領域は第1の表面仕上げを有し、シャフトの内面によって半径方向に取り囲まれていないスリーブの第2の領域は第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げを有する。システムの第5の実施例では、任意に第1から第4の実施例の1つ以上またはそれぞれを含み、システムはさらにシャフトのフランジとスリーブの相補的な部分のインターフェースに設けられた挟み込み特徴部であって、挟み込み特徴部がスリーブとシャフトの間に形成された膨張チャンバから隙間を分離する、挟み込み特徴部、を備える。システムの第6の実施例では、任意に第1から第5の実施例の1つ以上または各々を含み、システムはさらに第1の部分と第2の部分の間に配置された湾曲移行部を含む。システムの第7の実施例では、第1から第6の実施例の1つ以上またはそれぞれを任意に含み、隙間は、第1の角度および第2の角度とは異なる第3の角度を有する。システムの第8の実施例において、任意選択で、第1から第7の実施例のうちの1つ以上またはそれぞれを含み、システムは、隙間によって液体金属リザーバに流体的に結合された湿潤リザーバをさらに含み、湿潤リザーバは、ピン止め特徴部によって膨張チャンバから流体的に分離されている。
【0097】
本開示はまた、コレクタアセンブリと、カソードアセンブリと、その中に配置された静止部材を有する回転部材で形成されたベアリングアセンブリによって回転するように支持されたアノードを含むアノードアセンブリと、を備え、ベアリングアセンブリは、液体金属リザーバを回転部材と静止部材との間の間隙に流体的に結合する流路と、間隙をガスリザーバから分離する静止部材から環状に延びる特徴部と、をさらに備える、X線撮像システムのための支持体を提供する。システムの第1の実施例では、静止部材はシャフトである。システムの第2の実施例では、任意に第1の実施例を含み、流路は、第1の角度で傾斜した第1の部分と、第2の角度で傾斜した第2の部分であって、第1の角度は第2の角度とは異なる第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間の湾曲移行部とを含む。
【0098】
本開示はまた、ベアリングを組み立てる方法の支持を提供するシャフトをスリーブに挿入し、シャフトとスリーブとの間のベアリングの第1の端部に第1のリザーバが形成され、シャフトとスリーブとの間のベアリングの第2の端部に第2のリザーバが形成され、第1のリザーバと第2のリザーバとの間に間隙が形成され、間隙がピン止め特徴部によって第2のリザーバから分離されるようにするステップと、潤滑剤を充填ポートを介して第1のリザーバに挿入するステップと、毛管力を使用して第1のリザーバから間隙に潤滑剤を流すステップとを含む。この方法の第1の実施例では、潤滑剤を第1のリザーバから隙間に流すためにシャフトとスリーブを加熱することを含む。本方法の第2の実施例では、任意に第1の実施例を含み、潤滑剤は第1の体積のガリウムであり、第1の体積のガリウムは毛管力によって第1のリザーバから隙間に引き込まれる。本方法の第3の実施例では、任意に第1および第2の実施例の一方または両方を含み、ガリウムの第1の体積は第1のリザーバの体積以下である。方法の第四の実施例において、任意に第1から第3の実施例の1つ以上またはそれぞれを含み、方法はさらに、第1のリザーバと隙間が第1の表面仕上げを有し、第2のリザーバが第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げを有するように、シャフトの表面とスリーブの内面を研削することを含む。本方法の第5の実施例では、任意に第1から第4の実施例の1つ以上またはそれぞれを含み、本方法はさらにシャフトおよびスリーブの内表面を湿潤または湿潤防止することを含む。本方法の第6の実施例では、任意に第1から第5の実施例の一つ以上またはそれぞれを含み、シャフトをスリーブに挿入することは、スリーブの第1の端部の開口からシャフトをスリーブにスライドさせることを含み、シャフトとスリーブは組み立てを容易にするために整合する角度を構成する。方法の第7の実施例では、任意に第1から第6の実施例の1つ以上またはそれぞれを含み、充填ポートおよび第1のリザーバはベアリングのシール側に配置され、ピン止め特徴部はシャフトとスリーブの間のベアリングの対向端に配置される。
【0099】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、および「the」は、要素が1つ以上存在することを意味することが意図される。用語「第1」、「第2」などは、順序、量、または重要性を示すものではなく、むしろ、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。用語「を含む(comprising)」、「含める(including)」、および「有する(having)」は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。本明細書において「に接続される」、「に結合される」等の用語が使用されるように、1つの物体(例えば、材料、要素、構造、部材等)は、1つの物体が他の物体に直接接続または結合されているか否か、または1つの物体と他の物体との間に1つ以上の介在物体が存在するか否かにかかわらず、他の物体に接続または結合され得る。加えて、本開示の「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していないことを理解されたい。本明細書において、「およそ」および「実質的に」は、特に断りのない限り、プラスマイナス5%以内の値を指す。
【0100】
先に示した修正に加えて、本明細書の精神および範囲から逸脱することなく、多数の他の変形および代替配置が当業者によって考案され得、添付の特許請求の範囲は、このような修正および配置をカバーすることを意図している。従って、現時点において最も実用的で好ましい態様であると考えられるものに関連して、特定性および詳細性をもって上述してきたが、本明細書に記載した原理および概念から逸脱することなく、形態、機能、操作方法および使用方法を含むがこれらに限定されない多数の改変を行うことができることは、当業者には明らかであろう。また、本明細書で使用される場合、実施例および実施形態は、あらゆる点で例示的なものであることを意図しており、いかなる方法でも限定的なものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0101】
100:X線撮像システム 102:被検体 104:X線源 106:X線放射ビーム 108:検出器アレイ 110:X線コントローラ 112:コンピューティング装置 114:プロセッサ 116:オペレータコンソール 118:記憶装置 120:ディスプレイ 200:X線管 202:ハウジング 204:低圧エンクロージャ 205:液体金属ベアリングアセンブリ 206:静止部品 208:回転部品 210:アノード 212:カソード 214:X線ビーム 216:X線窓 218:ロータ 220:ステータ 222:液体金属ジャーナルベアリング 224:液体金属スラストベアリング 226:インターフェース 250:回転軸 252:半径方向軸 300:液体金属ベアリングアセンブリ 302:スリーブ 302a:第1の本体 302b:第2の本体 302c:インターフェース 304:シャフト 304a:本体 304b:フランジ 306:第1の端部 308:第2の端部 310:充填ポート 312:液体金属リザーバ 312a:第1の部分 312b:第2の部分 314:流路 314a:第1の部分 314b:曲線遷移 314c:第2の部分 316:隙間 318:長さ 319:第1の領域 320:第2の領域 321:第3の領域 322:第1の半径方向距離 324:第2の半径方向距離 326:液体金属ジャーナルベアリング 328:液体金属スラストベアリング 330:湿潤リザーバ 332:第1の側面 334:第2の側面 336:第3の側面 38:ピン止め特徴部 340:液体金属インターフェース 342:膨張チャンバ 346:第1の詳細図 348:第2の詳細図 350:回転中心軸 352:相補的セクション 399:軸 400、450、550、800:詳細図 402:内側部分 404:外側部分 406:角度 408:第1の半径方向幅 410:第2の半径方向幅 12:第3の半径方向幅 452:上部セクション 454:段差 456:第1の部分 456a:第1の角度 456b:第1の軸方向長さ 456c:第1の半径方向変化 458:湾曲した移行部 460:第2の部分 460a:第2の角度 460b:第2軸方向長さ 460c:第2の半径方向変化 462:第3の部分 462a:第3の角度 464:漸次移行部 500、600、700、1400、1500、1600:シャフト 502:緩やかな移行部 504:傾斜した第1の部分 504a:第1の角度 506:湾曲移行部 508:第2の部分 508a:第2の角度 510:第3の部分 510a:第3の角度 511:第1の軸方向長さ 512:第2の軸方向長さ 514:第3の軸方向長さ 516:第4の軸方向長さ 602:回転軸 604:工具移行領域 606:第1の部分 606a:第1の角度 608:湾曲移行部 610:第2の部分 612:第3の部分 612a:第3の角度 14:長さ 620:緩やかな移行部 702:第1の部分 702a:第1の角度 704:湾曲移行部 706:第2の部分 706a:第2の角度 708:第1の軸方向長さ 710:組み合わされた軸方向の長さ 712:第2の軸方向長さ 714:第3の部分 716:切欠き 802:鋭角 804:面 806:第1の角度付き切欠き部 808:第2の角度付き切欠き部 810:第1の表面 812:第2の表面 814:切欠き 816:第3の表面 818:第4の表面 820:第5の表面 822:床 824:対向面 826:開口 828:ボルト 830:第4の表面 900:第1の透視図 902:第1の側 904:エッジ 906:第1の表面 908:第2の表面 910:段差 950:第2の透視図 952:第2の本体 954:第1の表面 956:第2の表面 958:第3の表面 960:第2の段差 962:第1の段差 964:内側円筒面 966:貫通孔 968:丸みを帯びたエッジ 970:開口 1000:スリーブ 1002:第1の表面 1004:第1の領域 1006:第1の長さ 1008:第2の領域 1010:第2の長さ 1012:第3の領域 1014:第3の長さ 1016:研削インターフェース 1018:段差または不連続 1022:第2の角度 1024:第1の角度 1100、1110、1140、1170、1700、1800:液体金属ベアリングアセンブリ 1102:シャフト 1102a:第1の表面 1104:スリーブ 1104a:第2の表面 1106:充填リザーバ 1108:ベアリング隙間 1112:第1の改変部 1142:第2の改変部 144、1180:角度 1172:第3の改変部 1174:第4の改変部 1176:第5の改変部 1178:第6の改変部 1200:組立シリーズ 1202:第1の位置 1204:第2の位置 1206:第3の位置 1208:第1の領域 1208a:スリーブ角度 1210、1212:破線 1402:第1の部分 1404:湾曲移行部 1406:第2の軸方向の長さ 1408:第2の部分 1410:第1の軸方向長さ 1412:第1の角度 1414:第2の角度 1416:第3の角度 1418:第3の軸方向長さ 1420:移行部の軸方向の長さ 1422:第3の部分 1502:第1の部分 1504:第2の部分 1506:湾曲移行部 1508:第3の部分 1510:第1の角度 1512:第2の角度 1514:第3の角度 1516:第2の軸方向長さ 1520:第3の軸方向長さ 1524:第1の軸方向長さ 1602:第1の部分 1604:第2の部分 1608:第3の部分 1610:第1の角度 1612:第2の角度 1702:スリーブ 1702a:第1の本体 1704:シャフト 1704a:本体 1704b:フランジ 1706:第1の端部 1708:第2の端部 1710:充填ポート 1712:第1のリザーバ 1714:流路 1716:隙間 1722:相補的セクション 1750:シャフト要素 1752:スリーブ要素 1802:スリーブ 1802a:第1の本体 1804:シャフト 1804a:本体 1804b:フランジ 1806:矢印 1814:相補的セクション 1816:隙間 1820:第1のスリーブ要素 1822:第1のシャフト要素 1824:第1のピン止め特徴部 1826:第1の表面 1830:第2のスリーブ要素 1832:第2のシャフト要素 1834:第2のピン止め特徴部 1836:第2の表面 1838:第3の表面

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体金属ベアリング(300)であって、
液体金属リザーバ(312)をスリーブ(302)とシャフト(304)の間の隙間(316)に流体連通させる流路(314)を含み、
前記流路は、第1の角度で傾斜した第1の部分(314a)と、第2の角度で傾斜した第2の部分(314b)とを有し、前記第1の角度は、前記第2の角度とは異なる、液体金属ベアリング。
【請求項2】
前記第1の部分(314a)が第1の長さを有し、前記第2の部分(314b)が前記第1の長さとは異なる第2の長さを有する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項3】
前記液体金属リザーバ(312)が第1の容積を有し、前記隙間(316)が前記第1の容積以上の第2の容積を有する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項4】
前記液体金属リザーバ(312)に開口する第1の端部とプラグが設けられる第2の端部とを有する充填ポート(310)をさらに含む、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項5】
前記シャフト(304)の内面によって半径方向に取り囲まれている前記スリーブ(302)の第1の領域は、第1の表面仕上げを有し、前記シャフト(304)の内面によって半径方向に取り囲まれていない前記スリーブ(302)の第2の領域は、前記第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げを有する、請求項1記載の液体金属ベアリング。
【請求項6】
前記シャフト(304)のフランジ(304b)と前記スリーブ(302)の相補的な部分とのインターフェースに設けられたピン止め特徴部(338)をさらに備え、前記ピン止め特徴部は、前記スリーブと前記シャフトとの間に形成された膨張チャンバ(342)から前記隙間を分離する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項7】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置された湾曲移行部(458)をさらに含む、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項8】
前記隙間(316)は、前記第1の角度及び前記第2の角度とは異なる第3の角度を有する、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項9】
前記隙間(316)によって前記液体金属リザーバ(312)に流体的に結合された湿潤リザーバ(330)をさらに含み、前記湿潤リザーバが、ピン止め特徴部によって膨張チャンバから流体的に分離される、請求項1に記載の液体金属ベアリング。
【請求項10】
ベアリングを組み立てる方法であって、
シャフトとスリーブとの間のベアリングの第1の端部に第1のリザーバを形成し、前記シャフトとスリーブとの間の前記ベアリングの第2の端部に第2のリザーバを形成し、前記第1のリザーバと前記第2のリザーバとの間に隙間を形成するように、前記シャフトを前記スリーブに挿入するステップ(1304)であって、前記隙間がピン止め特徴部によって前記第2のリザーバから分離される、前記ステップ(1304)と、
充填ポートを介して前記第1のリザーバに潤滑剤を挿入するステップ(1306)と、
毛細管力を利用して、前記潤滑剤を前記第1のリザーバから前記隙間に流すステップ(1308)と、を含む方法。
【請求項11】
前記流すステップ(1308)が、前記シャフトと前記スリーブとを加熱して前記潤滑剤を前記第1のリザーバから前記隙間に流すステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記潤滑剤が第1の体積のガリウムであり、前記第1の体積のガリウムが毛管力によって前記第1のリザーバから前記間隙に引き込まれる(1306)、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ガリウムの前記第1の体積が前記第1のリザーバの体積以下である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のリザーバと前記隙間が第1の表面仕上げ(1004)を有し、前記第2のリザーバが前記第1の表面仕上げとは異なる第2の表面仕上げ(1008)を有するように、前記シャフトの表面と前記スリーブの内面を研削するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記シャフトおよび前記スリーブの内面を湿潤または防湿するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【外国語明細書】