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特開2025-105721つまたは2つのワイヤから高い生産速度で高純度球状金属粉末を製造するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010572
(43)【公開日】2025-01-22
(54)【発明の名称】1つまたは2つのワイヤから高い生産速度で高純度球状金属粉末を製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/30 20060101AFI20250115BHJP
   B22F 1/065 20220101ALI20250115BHJP
   C22C 14/00 20060101ALN20250115BHJP
【FI】
B22F9/30 Z
B22F1/065
C22C14/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024177327
(22)【出願日】2024-10-09
(62)【分割の表示】P 2020567969の分割
【原出願日】2019-06-06
(31)【優先権主張番号】62/681,623
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513235739
【氏名又は名称】パイロジェネシス・カナダ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・プルー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・アレックス・ドルヴァル・ディオン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・キャラビン
(57)【要約】
【課題】1つまたは2つのワイヤから有意な速度で金属粉末を製造するための新規な装置および方法を提供することが望ましい。
【解決手段】本出願は、少なくとも1つのワイヤ/ロッド原料から金属粉末を製造するためのプラズマ噴霧プロセス及び装置に関する。本プロセスでは、電気アークが少なくとも1つのワイヤ/ロッド原料に印加されてそれらを溶融する。プラズマトーチが採用されて、電気アークが少なくとも1つのワイヤ/ロッド原料に伝達される頂点で超音速プラズマ流を生成して、溶融されたワイヤ/ロッド原料を粒子へと噴霧する。下流の冷却チャンバは、粒子を金属運松に固化する。アンチサテライトディフューザが採用されて、サテライト形成を回避するために粉末の再循環を防止する。2つのワイヤが供給される装置では、1つワイヤがアノードとして機能し、他方がカソードとして機能する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ噴霧プロセスであって、
・ 熱プラズマトーチと、
・ 連続的に供給される1つまたは2つの噴霧対象のワイヤと、
・ 1つまたは複数の噴霧対象のワイヤに伝達される電気アークと、
・ 粒子を球状粉末に固化するように適合された冷却プロセスと、
を含むプラズマ噴霧プロセス。
【請求項2】
前記プラズマトーチが超音速ノズルを備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
電気アークが、前記プラズマトーチの超音速流内の頂点で前記ワイヤに伝達される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
噴霧された金属液滴が、微細粉末の再循環、したがってサテライト形成を防止するように適合されたアンチサテライトディフューザを通過する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
2つ以上の電源が、前記2つのワイヤ間、または前記単一ワイヤと前記トーチの1つの電極との間の前記アークを制御するために並列に使用される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ワイヤアーク用の少なくとも1つの電源が電圧制御される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ワイヤアーク用の少なくとも1つの電源が電流制御される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
並列電源が、電圧制御モードと電流制御モードとの組み合わせで同時に使用される、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチに供給されるように適合されたワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用する前記ワイヤと電極との間に形成されるように適合される、装置。
【請求項10】
前記ワイヤは、前記プラズマトーチの中心に供給される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
超音速ノズルが設けられ、前記電気アークが前記超音速ノズル内で生成される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記ワイヤ原料が、0.25~2.5インチの直径を有するロッドまたはビレットによって置き換えられる、請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
冷却チャンバが、前記粒子を球状粉末に固化するために前記プラズマトーチの下流に設けられる、請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
プラズマ噴霧プロセスであって、
・ 熱プラズマトーチを提供するステップと、
・ 1つまたは2つの噴霧対象のワイヤを連続的に供給するステップと、
・ 粒子を製造するために前記1つまたは複数のワイヤに伝達されるように適合された電気アークと、
・ 前記粒子を球状粉末に固化するための冷却を提供するステップと、を含む、プラズマ噴霧プロセス。
【請求項15】
前記プラズマトーチが超音速ノズルを備える、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
電気アークが、前記プラズマトーチの超音速流内の頂点で前記ワイヤに伝達されるように適合される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
噴霧された金属液滴が、微細粉末の再循環、したがってサテライト形成を防止するように適合されたアンチサテライトディフューザを通過する、請求項14~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
少なくとも2つの電源が、前記2つのワイヤ間、または前記単一ワイヤと前記プラズマトーチの1つの電極との間の前記アークを制御するために並列に使用される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項19】
ワイヤアークのための少なくとも1つの電源が電圧制御される、請求項14~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
ワイヤアークのための少なくとも1つの電源が電流制御される、請求項14~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
並列電源が、電圧制御モードと電流制御モードとの組み合わせで同時に使用される、請求項14~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチ内に供給されるように適合されたワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用する前記ワイヤと電極との間に形成されるように適合される、装置。
【請求項23】
前記ワイヤは、前記プラズマトーチの中心に供給される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
超音速ノズルが設けられ、前記電気アークが前記超音速ノズル内で生成される、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記ワイヤ原料が、0.25~2.5インチの直径を有するロッドまたはビレットの形態をとる、請求項22~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
冷却チャンバが、前記粒子を球状粉末に固化するために前記プラズマトーチの下流に設けられる、請求項22~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記装置に供給されるように適合された少なくとも1つのワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、冷却チャンバは、前記粒子を粉末に固化するように適合され、前記ワイヤは、前記プラズマトーチにおいてカソードとして機能するように適合される、装置。
【請求項28】
前記プラズマトーチによって送達されるプラズマ流が、超音速ジェットへと超音速に加速されるように適合される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
超音速ノズルが設けられ、前記ワイヤが、前記超音速ノズルのスロートの前または後のいずれかで、前記超音速ノズル内に供給されるように適合される、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記装置に供給されるように適合された少なくとも1対のワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、前記ワイヤの一方はアノードとして機能するように適合され、他方のワイヤはカソードとして機能するように適合される、装置。
【請求項31】
冷却チャンバが、前記粒子を粉末に固化するために、前記プラズマトーチの下流に設けられる、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記プラズマトーチによって送達されるプラズマ流が、超音速ジェットへと超音速に加速されるように適合される、請求項30または31に記載の装置。
【請求項33】
超音速ノズルが設けられ、前記ワイヤが、前記超音速ノズルのスロートの前または後のいずれかで、前記超音速ノズル内に供給されるように適合される、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
電源が提供され、電流を前記ワイヤに強制的に通過させるように適合され、電気アークが前記2つのワイヤ間に生成される、請求項30から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
電源が提供され、電流を前記ワイヤに強制的に通過させるように適合され、電気アークが前記2つのワイヤの間および前記超音速ノズル内に生成される、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチ内に供給されるように適合されたワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用する前記ワイヤと電極との間に形成されるように適合される、装置。
【請求項37】
前記ワイヤは、前記プラズマトーチの中心に供給される、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
ワイヤガイドが前記ワイヤのために提供され、それによって、前記ワイヤガイドを通して前記ワイヤを挿入することによって、前記ワイヤは、伝達されたアークを介して効率的に溶融されることができる、請求項36または37に記載の装置。
【請求項39】
前記ワイヤガイドは、点火カソードを兼ねるように適合される、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
超音速ノズルが設けられ、前記電気アークが前記超音速ノズル内で生成される、請求項36~39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
冷却チャンバが、前記粒子を粉末に固化するために前記プラズマトーチの下流に設けられる、請求項36~40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチに供給されるように適合された少なくとも1つのワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、前記装置は、ガスによって冷却され、それによって前記ガスを加熱するように適合され、そのように加熱されたガスは、プラズマガスとして使用されるように適合される、装置。
【請求項43】
前記ガスが、アルゴンなどの不活性ガスを含む、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記ガスを前記プラズマトーチに供給するためのガスチャネルが設けられる、請求項42または43に記載の装置。
【請求項45】
超音速ノズルが提供され、前記ガスが、前記超音速ノズルを通して加速され、前記粒子を細断するように適合される、請求項42~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
冷却チャンバが、前記粒子を粉末に固化するために前記プラズマトーチの下流に設けられる、請求項42~45のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
ガスチャネルが設けられ、前記ガスは、前記ワイヤの先端に設けられた電気アークに接触する前に加熱されるように適合される、請求項42または43に記載の装置。
【請求項48】
前記冷却チャンバが、アルゴンなどの不活性ガスを含有する、請求項27、31、41および46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
プラズマ噴霧プロセスであって、
・ 熱プラズマトーチを提供するステップと、
・ 1つまたは2つの噴霧対象のワイヤを連続的に供給し、それによって、噴霧された金属液滴をそこから生成するステップと、
・ 前記液滴を、微細粉末の再循環、ひいてはサテライト形成を防止するように適合されたアンチサテライトディフューザを通過させるステップと、
を含む、プラズマ噴霧プロセス。
【請求項50】
プラズマ噴霧プロセスであって、
・ 熱プラズマトーチを提供するステップと、
・ 1つまたは2つの噴霧対象のワイヤを提供するステップと、
・ 前記2つのワイヤ間、または前記単一ワイヤと前記プラズマトーチの1つの電極との間のアークを制御するために、少なくとも2つの電源を並列に提供し、それによって粒子を製造するステップと、
を含む、プラズマ噴霧プロセス。
【請求項51】
少なくとも2つの電源が、前記2つのワイヤ間、または前記単一ワイヤと前記プラズマトーチの1つの電極との間の前記アークを制御するために並列に使用される、請求項50に記載のプロセス。
【請求項52】
ワイヤアークのための少なくとも1つの電源が電圧制御される、請求項50または51に記載のプロセス。
【請求項53】
ワイヤアークのための少なくとも1つの電源が電流制御される、請求項50~52のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項54】
並列電源が、電圧制御モードと電流制御モードとの組み合わせで同時に使用される、請求項50~53のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月6日付けで出願され、現在係属中である、米国仮出願番号第62/681,623に対する優先権を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本主題は、先進材料に関するものであり、より詳細には、航空宇宙産業および医療産業のための付加製造などの様々な用途のための金属粉末の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ噴霧は、典型的には、原料としてのワイヤ、噴霧剤としてプラズマ源(プラズマトーチとも呼ばれる)を使用して、粒子を同時に溶融および分解する。ワイヤを使用することは、狭いプラズマジェットがワイヤに適切に向けられるように要求される安定性を提供する。なぜなら、プラズマジェットは、単一のステップでワイヤを溶融し、それを噴霧する必要があるからである。最もよく知られているように、この技術は現在、最も微細で、最も球状で、最も高密度の粉末を市場で製造している。言い換えれば、0~106ミクロン範囲で製造される粉末の収率は非常に高く、真球度はほぼ完全であり、ガスの閉じ込めは最小限に抑えられる。
【0004】
しかしながら、この技術は、プラズマ噴霧が非常にエネルギー的に非効率的なプロセスであるという事実のために、水及びガス噴霧と比較して比較的低い生産速度を有するという主な欠点を有する。プラズマ噴霧のための報告された生産速度は、Ti-6Al-4Vについて0.6~13kg/hである。しかしながら、上限付近で動作することが、より粗い粒子サイズ分布をもたらすであろうと仮定すること現実的である。例えば、“Method of Production of Metal and Ceramic Powders by Plasma Atomization”という題名で、1998年1月13日にTsantrizosらの名前で発行された米国特許第5,707,419は、チタンについて14.7g/分または0.882kg/hの供給速度を報告しており、一方、“Process and Apparatus for Producing Powder Particles by Atomization of a Feed Material in the Form of an Elongated Member”という題名で、発明者としてBoulosらの名前で2017年11月16日に発行された米国特許出願公開第2017/49-A1は、ステンレス鋼について1.7kg/hの供給速度を報告している。
【0005】
現在の3つのプラズマ噴霧技術はすべて、単一の中央供給トーチ[参考文献4参照]、または中央の1つのワイヤを目標とする3つのトーチ[参考文献1、2および3参照]のいずれかを使用する。3つのトーチ技術の場合、プラズマプルームからワイヤに伝達される熱は非常に低く、0.4%程度である。低い熱伝達効率は、特定の金属供給速度を維持するために大量のプラズマガスが必要であることを意味し、これは、ガス対金属比に下限を課し、噴霧における標準的なプロセス効率測定基準である。また、3つのトーチを使用することは、多くの電極が時間とともに摩滅することを意味し、これは汚染源となり得、動作コストを増加させ得る。中央供給トーチの場合、誘導結合プラズマトーチが使用され、そのための電源を市場で得ることは困難である。
【0006】
ワイヤアークスプレーは、表面上にコーティングを塗布するために溶射の分野で使用される成熟した信頼できる技術である。これは、本質的に、1つまたは2つのワイヤに高電流を流し、2つのワイヤ間または単一ワイヤと電極との間に電気アークを有することからなる。品質ワイヤアークシステムは、非常に高いスループット(約20~50kg/h)でほぼ100%のデューティサイクルで動作することができる。さらに、この技術は、アークがワイヤに直接接触するので、エネルギー効率が高い。しかしながら、この技術の目的は、コーティングを製造することであり、粉末を製造することではない。この技術は、スプレーを噴霧するために低温ガスを使用するので、非常に不規則で角張った形状を生成し、これはほとんどの用途に望ましくない。
【0007】
したがって、プラズマ噴霧によって提供される品質、すなわち微細な球状で十分に高密度の粉末を維持しながら、有意な生産速度で1つまたは2つのワイヤから金属粉末を製造するための装置および方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、1つまたは2つのワイヤから有意な速度で金属粉末を製造するための新規な装置および方法を提供することが望ましい。
【0009】
本明細書に記載の実施形態は、一態様において、
熱プラズマトーチと、
連続的に供給される1つまたは2つの噴霧対象のワイヤと、
1つまたは複数の噴霧対象のワイヤに伝達される電気アークと、
粒子を球状粉末に固化するように適合された冷却プロセスと、を含むプラズマ噴霧プロセスを提供する。
【0010】
また、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチに供給されるように適合されたワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用する前記ワイヤと電極との間に形成されるように適合される、装置を提供する。
【0011】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、
熱プラズマトーチを提供するステップと、
1つまたは2つの噴霧対象のワイヤを連続的に供給するステップと、
粒子を製造するために前記1つまたは複数のワイヤに伝達されるように適合された電気アークと、
前記粒子を球状粉末に固化するための冷却を提供するステップと、を含む、プラズマ噴霧プロセスを提供する。
【0012】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチに供給されるように適合されたワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用する前記ワイヤと電極との間に形成されるように適合される、装置を提供する。
【0013】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、装置内に供給されるように適合された少なくとも1つのワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、冷却チャンバは、粒子を粉末に固化するように適合され、ワイヤは、プラズマトーチ内でカソードとして機能するように適合される、装置を提供する。
【0014】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、装置内に供給されるように適合された少なくとも1対のワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、ワイヤの一方はアノードとして機能するように適合され、他方のワイヤはカソードとして機能するように適合される、装置を提供する。
【0015】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、前記プラズマトーチに供給されるように適合されたワイヤとを備え、前記プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用する前記ワイヤと電極との間に形成されるように適合される、装置を提供する。
【0016】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、プラズマトーチに供給されるように適合された少なくとも1つのワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、装置は、ガスによって冷却され、それによってガスを加熱するように適合され、そのように加熱されたガスは、プラズマガスとして使用されるように適合される、装置を提供する。
【0017】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、
熱プラズマトーチを提供するステップと、
1つまたは2つの噴霧対象のワイヤを連続的に供給し、それによって、噴霧された金属液滴をそこから生成するステップと、
前記液滴を、微細粉末の再循環、ひいてはサテライト形成を防止するように適合されたアンチサテライトディフューザを通過させるステップと、を含む、プラズマ噴霧プロセスを提供する。
【0018】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、
熱プラズマトーチを提供するステップと、
1つまたは2つの噴霧対象のワイヤを提供するステップと、
前記2つのワイヤ間、または前記単一ワイヤと前記プラズマトーチの1つの電極との間のアークを制御するために、少なくとも2つの電源を並列に提供し、それによって粒子を製造するステップと、を含む、プラズマ噴霧プロセスを提供する。
【0019】
本明細書に記載された実施形態をより良く理解するために、それらがどのように実施され得るかをより明確に示すために、ここで、少なくとも1つの例示的な実施形態を示す添付の図面を、単なる例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】例示的な実施形態による、二重ワイヤアークプラズマ噴霧を使用して1対のワイヤから金属粉末を製造するための装置の垂直断面図である。
図2】例示的な実施形態による、二重ワイヤアークプラズマ噴霧を使用して1対のワイヤから金属粉末を製造するための装置の垂直断面図である。
図3図1および図2のものを含む、例示的な実施形態による、図1および図2に示す装置を使用する、金属粉末を製造するためのシステムの概略立面図である。
図4図1および図2のものを含む、例示的な実施形態に従って使用される電気的構成の概念図である。
図5】本開示の動作における実施形態の電気的トレンドラインの例を示す。
図6図1および図2の実施形態の手段によって製造された45-106μmのTi64グレード23粉末の100倍の倍率のSEM画像である。
図7図1および図2の実施形態の手段によって製造された20-120のジルコニウム粉末の100倍の倍率のSEM画像である。
図8】本明細書に開示さされる少なくとも1つの実施形態の手段によって製造される原料粉末についての代表的なレーザー回折粉末サイズ分布グラフを示す。
図9】例示的な実施形態による、単一ワイヤと共にアークを伝達させることができるプラズマトーチを使用して、単一ワイヤから金属粉末を製造するための装置の概略垂直断面図である。
図10】例示的な実施形態による、中央供給プラズマトーチを使用して単一ワイヤから金属粉末を製造するための装置の概略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に開示される本アプローチは、ワイヤアークスプレー技術の概念のいくつかを使用すること、およびそれを高純度球状粉末の製造に好適にするように適合させることを含む、上述のプラズマ噴霧およびワイヤアークスプレー技術の特徴を組み合わせることによって、金属粉末を製造するための方法および装置を提供する。より具体的には、ガスジェットは、プラズマ源によって置き換えられ、溶融ワイヤは、噴霧プロセスで見られるように、冷却チャンバ内に噴霧される。
【0022】
1つの重要な考慮事項は粉末の品質である。ワイヤアークは、高品質の粉末製造のために開発されたものではなく、したがって、粉末品質に適合され、調整されなければならない。本開示は、溶融プロセスの安定性を改善する制御戦略を含み、これについては以下でさらに詳細に説明する。
【0023】
プラズマ源(1つまたは複数のプラズマトーチまたは電気アークなど)は、高い運動量で溶融流に衝突する前または後で超音速に加速され得るプラズマ流を送達する。
【0024】
本実施形態では、超音速プラズマジェット源は、広く利用可能であるため、アークプラズマトーチを介して製造される。しかしながら、同じ超音速プラズマジェットを達成するために多くの他の方法を使用することができる。例えば、誘導結合プラズマ源およびマイクロ波プラズマ源などの任意の熱プラズマ源を同様に使用することができる。
【0025】
実施例1:二重ワイヤアークプラズマ噴霧(主要な実施形態)
以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0026】
既知の技術(参考文献2)に対してこの実施形態を使用する利点を表1に示す。これは、参考文献2の技術とは対照的に、本発明の主題を使用することを支持する明らかな利点を示す。
【0027】
【表1】
【0028】
主要な実施形態の推奨される動作条件は、2つの材料、すなわちTi64グレード23およびジルコニウムについて表2に開示される。
【0029】
【表2】
【0030】
主要な実施形態を介して生成された2つの生成物の性能が表3に開示されており、2つの生成物はTA-015-EK-01およびZH-006-FQ-01であり、これらはそれぞれTi64 20-63μmおよびZr 20-120μmに対応する。
【0031】
【表3】
【0032】
図1は、装置Aを構成する特定の構成要素を詳述する。これらは、高流量プラズマトーチ501と、電気アークが一方のワイヤから他方のワイヤに伝達される頂点508に向かって供給される1対のワイヤ502上に噴霧ジェットを放出するアノード一体型超音速ノズル505とを含む。この電流は、連続的に供給される導電性供給原料の連続溶融に必要なエネルギーを提供する。電流は、高温で良好な耐摩耗性を有する高導電率合金、例えば銅ジルコニウムで作られた接触チップ509によってワイヤ502に流される。
【0033】
セラミックチップ510は、水冷接触器514を、トーチの超音速ノズル505のおよびガスシースノズル513を通る反応器の本体からの電気的絶縁を提供する。プラズマトーチ501によって放出される高熱および伝達したアークは、接触器が水冷されることを必要とし、一方、接触チップ自体は交換可能な消耗品である。したがって、水は、503において接触器のマニホールド515の後部に入り、先端に向かって導かれ、そこで再び上方に戻り、出口504を通って出る。電力は、ラグマウント511を通りマニホールドを介して、伝達されたアークシステムに供給される。
【0034】
図2は、装置Aの垂直断面図を示し、ここでは、高流量プラズマトーチが、ワイヤ頂点608で超音速ノズル605を介して噴霧ジェットを放出する。ここで、シースガスが602で反応器に注入され、トーチのノズルおよび水冷接触器607を囲む空洞を充填する。このシースガスは、シースガスノズル606を介して、ワイヤ間の電気アークを囲む反応器内に放出される。このシースガスは、粉末および高温ガスの逆流を防止するとともに、超音速プルーム内にアークを維持するのを助けるなど、複数の目的を果たす。次いで、混合ガス流れおよび溶融した噴霧金属液滴は、アンチサテライトディフューザ610を介して反応器の沈降チャンバ内に高速で発射される。微細粉末が懸濁状態で蓄積し得る高速ジェットの周りの再循環ゾーンは、新しい液滴が微細物の雲を通して発射され、したがって微細物が表面に溶接されるので、プラズマ噴霧粉末におけるサテライトの主な原因である。ディフューザ610は、この発生の大部分を除去し、したがって、サテライト形成を大幅に低減する。トーチレシーバー611は、反応器のジャケットとして水冷され、水は底部で入口603及び頂部で出口604から入る。
【0035】
図3は、金属粉末を製造するように適合され、図1-2、図9および図10の装置A、A’およびA’’のいずれか1つをそれぞれ具体化するシステムSを概略的に示す。より詳細には、システムSは、二重ワイヤまたは単一ワイヤのプラズマベースの噴霧装置A、A’またはA’’を含む。システムSは、中心に配置された高流量プラズマトーチ301および2つのサーボ駆動ワイヤフィーダ302を有するそのツインワイヤアーク構成Aで具体的に示されている。噴霧ゾーン303は、1つまたは2つのワイヤ間の伝達されたアーク、シースガスおよびプラズマトーチ流れを含み、アンチサテライトディフューザ304によって反応器内に向けられる。反応器は、球状化および固化が起こる沈降チャンバ305と、粉末のためにチャンバ305内で一定の冷却速度を維持するための水冷ジャケット306とを含んでなる。次に、粉末は、空気圧コンベア307を介してサイクロン分離器308に運ばれ、そこでバルク粉末が収集キャニスタ309内に沈降する。バルブ310は、連続動作中に収集のためにキャニスタ309を隔離するために使用される。次いで、アルゴンは、サイクロン分離器308内で沈降するには微細すぎる粉末のための濾過ユニット311を通してシステムから排出される。
【0036】
本実施形態では、ワイヤ502(図1)、ワイヤ110(図10)およびワイヤ405(図9)は、チタン、ジルコニウム、銅、スズ、アルミニウム、タングステン、炭素鋼、ステンレス鋼など、およびそれらの合金など、様々な導電性材料で作製することができる。
【0037】
噴霧のためのワイヤアークシステムの安定性を確保するために、システムは、3つのパラメータ、すなわち電圧、電流および供給速度のうちの2つを制御する必要がある。これらの3つのパラメータは、連続動作で考慮されるために平衡状態で定常状態に達する必要がある。定常状態では、ワイヤ間の距離、アークの長さおよび電力は一定になる。この定常状態に達するために、以下のようないくつかの構成を用いることができる。
【0038】
固定ワイヤ速度、電圧制御モードにおける1つの電源、電流制御モードにおける1つの電源(主要な実施形態);
【0039】
固定ワイヤ速度、1つまたは複数の電圧制御電源。この構成は機能的であるが、電流は非常に不安定であり、粒径分布および生成物の一貫性に悪影響を及ぼす。さらに、両方の電源;電流制御電源、可変ワイヤ速度、に対して高い要求がある。
【0040】
この構成は、まだ試験されていないが、理論的には機能する。
【0041】
固定ワイヤ速度、電流/電圧制御ハイブリッド電源が、本出願に最も適していることが分かった。図4は、本開示に示される結果を得るために主要な実施形態がどのように動作されたかを概念的に示す。
【0042】
サーボモータを使用して、非常に正確で一定の供給速度を有することが可能である。
【0043】
一方が電圧制御モードで他方が電流制御モードである2つの電源を並列に使用することは、安定した構成を達成するための鍵である。2つの電源は並列であるので、電圧制御された電源は、両方の電源に同じ電圧を固定させる。これは別の変数を除去する。安定性の別の層を追加するために、他方の電源は、比較的高い電流設定(必要とされる全電流の約2/3)で電流制御モードに設定され、これは電流ベースラインを生成するのを助ける。
【0044】
プロセスにおける唯一の変数は、全電流の一部であり、これは、他のパラメータを一定に保つために変動する必要がある(自由度)。したがって、電圧制御電源は、適切な量の金属を溶融するために電流制御電源によって既に提供されている電流に対して失われているものを補完するために可変である追加の電流を供給し、それゆえシステムは定常状態のままである。
【0045】
例えば、ある金属をある供給速度で溶融するために20kWが必要であると仮定し、この供給速度が一定のままであると仮定すると、電圧制御電源によって電圧が30Vに固定された場合、合計667Aが電源によって供給されなければならない。電流制御電源を400Aに設定すると、電圧制御電源はほとんどリップルを有することなく267A付近で変動する。この残留変動は、ワイヤ直径変化、アルゴン流量変動、アーク長変動性、アーク再衝突パターン、ワイヤの機械的振動、ワイヤ送給速度微小変動等のようなプロセスの他の全ての変動性のソースに対して補償することによってシステムを定常状態に保つために必要である。
【0046】
図5は、本明細書で提案される電気制御戦略を使用して動作中に主要な実施形態について記録された電気トレンドラインを示す。要約すると、上述した理由により、電圧制御電源の電流を除いて、全ての変数が非常に安定していることを示している。
【0047】
このような安定した動作は、図5に示されるように、それぞれTi64およびジルコニウムについて、図6および7に示されるように、高度に球状粉末を製造することを可能にする。
【0048】
図8は、本明細書で説明される電気制御戦略を有する主な実施形態を使用して製造される粉末の典型的な粒径分布曲線を示す。
【0049】
本明細書に提示される電流制御は、主要な実施形態に対して具体的に言及され、試験されるが、同じ制御戦略は、提示される他の実施形態にも適用されるであろう。
【0050】
実施例2:単一ワイヤアークプラズマ噴霧
図9に示される第2の実施例では、導電性ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置A’も開示され、ワイヤ405は、超音速ノズル411を備えた、伝達されたプラズマトーチ401の前で矢印409に沿って中心に供給され、アーク403がワイヤ405と1つの電極402との間に形成される。プラズマトーチ401の前のワイヤガイド407を通して導電性ワイヤ405を挿入することによって、ワイヤ405自体は、伝達されたアークを介して非常に効率的に溶融され得る。次いで、残りのエネルギーは、予熱されたガスチャネル404を介して供給される不活性ガス(例えば、アルゴン)をプラズマ状態に加温するために使用され、次いで、ガスは、超音速ノズル411を通して加速される。キャリアガスのこの加速は、金属液滴を細断することによって金属液滴をさらに噴霧する。次いで、粒子は、例えば不活性ガス(例えばアルゴン)で満たされた(図3に例示されるような)冷却チャンバ内で小球状粒子に固化する。参照番号408はプラズマプルームを示す。
【0051】
実施例3:中心に供給された単一ワイヤアークプラズマ噴霧
図10に示される第3の実施例では、導電性ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置A’’も開示され、ワイヤ110は、プラズマトーチ112内に矢印111に沿って中心に供給され、アーク128は、カソードとして作用するワイヤ110と1つの電極(アノード114を参照)との間に形成される。プラズマトーチ112のワイヤガイド116を通して導電性ワイヤ110を挿入することによって、ワイヤ110自体は、伝達されたアークを介して非常に効率的に溶融され得る。この方法は、ワイヤを直径2.5インチまでのロッドまたはビレットと最も容易に交換できるという意味で、スケールアップ能力を有するものとして選択される。ワイヤガイド116は、点火カソードを兼ねることができる。次いで、残りのエネルギーは、予熱されたガスチャネル118を介して供給される不活性ガス(例えば、アルゴン)をプラズマ状態に加温するために使用され、次いで、ガスは、超音速ノズル120を通して加速される。キャリアガスのこの加速は、金属液滴を細断することによって金属液滴をさらに噴霧する。次いで、粒子は、例えば不活性ガス(例えばアルゴン)で満たされた(図3に例示されるような)冷却チャンバ内で小球状粒子に固化する。参照番号122はプラズマプルームを示す。
【0052】
本明細書に記載される実施形態は、一態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、装置内に供給されるように適合された1つまたは2つのワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、冷却チャンバは、粒子を粉末に固化するように適合され、ワイヤは、プラズマトーチ内でカソードとして機能するように適合される、装置を提供する。
【0053】
また、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、装置内に供給されるように適合された1対のワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、ワイヤの一方はアノードとして機能するように適合され、他方のワイヤはカソードとして機能するように適合される、装置を提供する。
【0054】
さらに、実施形態は、前記実施形態の円滑かつ安定した動作を可能にする電気制御戦略を含む。
【0055】
さらに、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、装置内に供給されるように適合されたワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用するワイヤとトーチの電極との間に形成されるように適合される、装置を提供する。
【0056】
最後に、本明細書に記載の実施形態は、別の態様において、ワイヤ原料から金属粉末を製造するための装置であって、プラズマトーチと、プラズマトーチの内部の中心に供給されるように適合された少なくとも1つのワイヤとを備え、プラズマトーチは、溶融ワイヤを粒子に噴霧するように適合され、アークは、カソードとして作用するワイヤとトーチ内の電極との間に形成されるように適合される、装置を提供する。
【0057】
上記の説明は、実施形態の例を提供するが、説明される実施形態のいくつかの特徴および/または機能は、説明される実施形態の動作の趣旨および原理から逸脱することなく、修正を受けやすいことが理解されるであろう。したがって、上記で説明したことは、実施形態の例示であり、非限定的であることが意図されており、本明細書に添付された特許請求の範囲で定義されるような実施形態の範囲から逸脱することなく、他の変形および修正が行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0058】
[参考文献]
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ噴霧プロセスであって、
・ 熱プラズマトーチと、
・ 連続的に供給される1つまたは2つの噴霧対象のワイヤと、
・ 1つまたは複数の噴霧対象のワイヤに伝達される電気アークと、
・ 粒子を球状粉末に固化するように適合された冷却プロセスと、
を含むプラズマ噴霧プロセス。
【外国語明細書】