(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025105805
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】無線通信制御装置、無線通信制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20250703BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20250703BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20250703BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250703BHJP
【FI】
H04W72/0457
H04W72/0446
H04W76/15
H04W84/12
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025072133
(22)【出願日】2025-04-24
(62)【分割の表示】P 2021552321の分割
【原出願日】2020-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2019188400
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019191004
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】平田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠介
(72)【発明者】
【氏名】相尾 浩介
(57)【要約】
【課題】Multi-link aggregationによる送信機会を増加させることができるようにする。
【解決手段】通信制御装置は、無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとを送信する。本技術は、例えば、アクセスポイントと無線通信端末とが無線通信により接続されることによって構成される無線通信システムに適用することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとを送信する通信部を備える
無線通信装置。
【請求項2】
前記第1のパラメータは、前記無線通信端末が前記第1のパラメータまたは前記第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う期間に関するパラメータを含む
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記期間に関するパラメータは、前記期間の開始時間と、前記期間の長さを示す
請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記期間に関するパラメータは、前記期間の終了を示す
請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、送信機会の獲得に関するパラメータを含む
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、前記送信機会の獲得に関するパラメータとして、フレームの送信間隔に関するパラメータまたは送信待ちの時間に関するパラメータを含み、
前記フレームの送信間隔および前記送信待ちの時間は、前記第1のパラメータにおいて前記第2のパラメータにおいてより小さく設定される
請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、前記送信機会の獲得に関するパラメータとして、チャネルの占有時間に関する値を含み、
前記チャネルの占有時間に関する値は、前記第1のパラメータにおいて前記第2のパラメータにおいてより長く設定される
請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータをリンク情報毎またはアクセスカテゴリ情報毎に送信する
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記通信部は、前記第2のパラメータとして、従来のEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータを送信する
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項10】
無線通信装置が、
無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとを送信する
無線通信方法。
【請求項11】
複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータ、または単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う通信部を備える
無線通信端末。
【請求項12】
前記通信部は、前記第1のパラメータに含まれる期間中に、前記第1のパラメータ、または前記第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う
請求項11に記載の無線通信端末。
【請求項13】
前記通信部は、前記第1のパラメータを用いた設定に基づいて、前記複数のリンクを使用する通信を行う
請求項12に記載の無線通信端末。
【請求項14】
前記通信部は、前記第2のパラメータを用いた設定に基づいて、前記単一のリンクを使用する通信を行う
請求項12に記載の無線通信端末。
【請求項15】
前記第2のパラメータがチャネルの占有時間に関する値を含む場合、送信するデータにおけるヘッダの前記占有時間に関する値を記載するフィールドの一部を、他の通信情報に使用する制御部をさらに備える
請求項14に記載の無線通信端末。
【請求項16】
前記他の通信情報は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)を用いた通信であることを示す情報、前記第2のパラメータを用いた設定の通信に対してSpatial reuseでの送信タイミングを重ねての送信を禁止するための情報、CRCによるエラーチェックのための冗長な情報、接続数に関する情報、およびcodingに関する情報のうちの少なくとも1つの情報である
請求項15に記載の無線通信端末。
【請求項17】
前記通信部は、無線通信装置に、前記期間の設定を要求する情報を送信する
請求項12に記載の無線通信端末。
【請求項18】
前記期間の設定を要求する情報は、前記第1のパラメータ、前記第2のパラメータ、および、前記期間に関する情報の少なくとも1つを含む
請求項17に記載の無線通信端末。
【請求項19】
無線通信端末が、
複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータ、または単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、無線通信装置および方法、並びに無線通信端末および方法に関し、特に、Multi-link aggregationによる送信機会を増加させることができるようにした無線通信装置および方法、並びに無線通信端末および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VR(Virtual Reality)などにおいては、無線LAN(Local Area Network)の使用が期待されている。VRなどに対応するため、無線LANには、最大スループットの向上が求められている。次世代無線LAN規格では、最大スループットを向上させる技術の1つとして、複数のリンクを同時に使用することで広帯域化を確保するMulti-link aggregationが注目されている。
【0003】
Multi-link aggregationによる送信(以下、MLA送信)は、複数のリンクで送信機会(送信権)を獲得しなければ実施することができない。それに対し、ひとつのリンクでのみ送信する場合(以下、non-MLA送信)は、ひとつのリンクで送信機会を獲得できたらすぐに送信ができる。したがって、non-MLA送信する端末とMLA送信する端末が存在する場合、MLA送信の待機中にnon-MLA送信する端末が送信を先に開始して、チャネルがビジー状態となり、MLA送信ができなくなることが多くなってしまう。
【0004】
特許文献1には、所定時間が経過した後のチャネル使用状況を予測することで、無線チャネルのアイドル確率を所定時間毎に示す予測アイドル確率に基づいてデータを複数の周波数の帯域毎のパケットとして同一のタイミングで送信する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、non-MLA送信する端末とMLA送信する端末が存在する場合に、non-MLA送信よりも、MLA送信を優先させる提案が早急に望まれている。
【0007】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、Multi-link aggregationによる送信機会を増加させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一側面の無線通信装置は、無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとを送信する通信部を備える。
【0009】
本技術の他の側面の無線通信端末は、所定の期間中に、複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータ、または単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う通信部を備える。
【0010】
本技術の一側面においては、無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとが送信される。
【0011】
本技術の他の側面においては、所定の期間中に、複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータ、または単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術の無線通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】本技術の第1の実施の形態のMLA優先送信のシーケンスを示す図である。
【
図4】MLA period setup elementの構成例を示す図である。
【
図5】non-MLA period setup elementの構成例を示す図である。
【
図6】MLA送信の場合のデータのフォーマット例を示す図である。
【
図7】non-MLA送信の場合のデータのフォーマット例を示す図である。
【
図8】APのMLA優先送信処理の例を説明するフローチャートである。
【
図9】STAのMLA優先送信処理の例を説明するフローチャートである。
【
図10】本技術の第2の実施の形態のMLA優先送信のシーケンスを示す図である。
【
図11】MLA period request elementの構成例を示す図である。
【
図12】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
0.システムおよび装置の構成例
1.第1の実施の形態(APから通知する例)
2.第2の実施の形態(STAからの要求がある例)
3.その他
【0014】
<0.システムおよび装置の構成例>
<無線通信システムの構成例>
図1は、本技術の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0015】
図1の無線通信システムは、アクセスポイント(以下、APと称する)と、無線通信端末であるSTA1およびSTA2とが、無線通信により接続されることによって構成される。
【0016】
APは、STA1と、複数のリンク(
図1の場合、リンクL1およびリンクL2)を用いた通信であるMLA送信を行う。APは、STA2と、単一のリンク(
図1の場合、リンクL2)を用いた通信であるnon-MLA送信を行う。
【0017】
ここで、リンクは、異なるバンドであってもよい。この場合、使用するバンドは、例えば、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯、920MHz帯などである。また、リンクは、同バンド内の複数の異なるチャネルであってもよい。なお、複数のリンクとは、2つのリンクに限らず、3つ以上のリンクであってもよい。
【0018】
APは、MLA送信を優先し、non-MLA送信を優先しない期間であるMulti-link aggregation period (MLA period)を設定する。APは、MLA送信を行うSTAが参照する情報であり、MLA periodに関する情報を含むMLA送信の設定に関する情報(MLA period setup element)を生成し、各リンクを用いて通知する。このとき、non-MLA送信を行うSTAが参照する情報であり、non-MLA送信の設定に関する情報(non-MLA period setup element)も生成され、各リンクを用いて通知される。
【0019】
なお、MLA period setup element通知は、上述したように、各リンクを用いて通知してもよいし、単一のリンクだけで通知(例えば、STAに対してリンクL2のみで通知)してもよい。non-MLA period setup elementの通知も同様に、各リンクを用いて通知してもよいし、単一のリンクだけで通知してもよい。
【0020】
MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを受信したSTA1は、MLA period中、MLA period setup elementに基づき、通信方法(例えば、待ち時間や送信期間)を設定する。STA1は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、APに対して、MLA送信を行う。
【0021】
MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを受信したSTA2は、MLA period中、non-MLA period setup elementに基づき、通信方法(例えば、待ち時間や送信期間)を設定する。STA1は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、APに対して、non-MLA送信を行う。
【0022】
APは、STA1およびSTA2に対して、MLA送信またはnon-MLA送信を行う無線通信装置11で構成される。STA1およびSTA2は、APが管理するネットワークに属する無線通信端末12-1および12-2で構成される。無線通信端末12-1および12-2を、特に区別する必要がない場合、無線通信端末12と称する。
【0023】
なお、
図1における、無線通信装置や無線通信端末の数については一例であり、
図1の記載に限定されない。また、
図1においては、STA1がMLA送信を行い、STA2がnon-MLA送信を行う例が記載されているが、状況に応じて、STA1がnon-MLA送信を行い、STA2がMLA送信を行ってもよい。
【0024】
<無線通信装置の構成例>
図2は、無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図2に示す無線通信装置11は、APとして動作する装置である。
【0026】
無線通信装置11は、制御部31、電源部32、通信部33-1および33-2、並びにメモリ部35から構成される。通信部33-1および33-2は、互いに、制御および情報交換を直接行ってもよい。
【0027】
なお、制御部31、並びに通信部33-1および33-2は、1つ以上のLSIとして構成されてもよい。また、以下、通信部33-1および33-2を、区別する必要がない場合、単に通信部33と適宜称する。通信部33は、2つに限らず、3つ以上で構成されてもよい。
【0028】
通信部33は、データの送信および受信を行う。通信部33は、メモリ部50、データ処理部51、無線制御部52、変復調部53、信号処理部54、チャネル推定部55、無線インタフェース(I/F)部56-1乃至56-N、およびアンプ部57-1乃至57-Nから構成される。各通信部33は、独立した構成要素であってもよく、各通信部33の一部の構成要素が共通化された構成要素であってもよい。例えば、メモリ部50、データ処理部51、無線制御部52、変復調部53が共通化されていてもよい。
【0029】
無線I/F部56-1乃至56-N、アンプ部57-1乃至57-N、およびアンテナ58-1乃至58-Nは、同じ枝番を有するそれぞれを1組とし、各組が1つの構成要素とされてもよい。また、アンプ部57-1乃至57-Nは、無線I/F部56-1乃至56-Nにその機能が内包されてもよい。
【0030】
また、無線I/F部56-1乃至56-N、アンプ部57-1乃至57-N、およびアンテナ58-1乃至58-Nを、区別する必要がない場合、単に無線I/F部56、アンプ部57、およびアンテナ58と適宜称する。
【0031】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。制御部31は、ROMなどに記憶されているプログラムを実行し、電源部32および各通信部33の無線制御部52の制御を行う。
【0032】
電源部32は、バッテリーまたは固定電源で構成され、無線通信装置11の全体に対して電力を供給する。
【0033】
メモリ部50は、アプリケーション層などの上位層から入力されたデータを保持し、データ処理部51へと出力する。また、メモリ部50は、データ処理部51から供給されるデータを保持し、上位層へと出力する。メモリ部50の一部は、メモリ部35として、通信部33外の無線通信装置11に配置される。
【0034】
データ処理部51は、送信時、メモリ部50から供給されるデータを用いて無線通信のためのパケットを生成する。データ処理部51は、生成したパケットに対して、メディアアクセス制御(MAC : Media Access Control)のためのヘッダの付加や誤り検出符号の付加などの処理を行い、処理後のデータを変復調部53に出力する。
【0035】
データ処理部51は、受信時、変復調部53から供給されるデータに対して、MACヘッダの解析、パケット誤りの検出、リオーダ処理などを行い、処理後のデータをメモリ部50に出力する。
【0036】
無線制御部52は、無線通信装置11の各部の間の情報の受け渡しを行い、通信部33内の各部を制御する。
【0037】
無線制御部52は、送信時、必要に応じて、変復調部53および信号処理部54におけるパラメータ設定、データ処理部51におけるパケットのスケジューリング、無線I/F部56、およびアンプ部57のパラメータ設定や送信電力制御を行う。無線制御部52は、受信時、必要に応じて、変復調部53および信号処理部54におけるパラメータ設定、無線I/F部56、およびアンプ部57のパラメータ設定を行う。
【0038】
また、特に、無線制御部52は、MLA periodを設定し、MLA period setup elementを生成し、各リンクを用いて通知するように、通信部33を制御する。また、無線制御部52は、non-MLA period setup elementを生成し、各リンクを用いて通知するように、通信部33を制御する。
【0039】
無線制御部52は、MLA period中、生成したMLA period setup elementまたはnon-MLA period setup elementに基づき、待ち時間や送信期間を設定する。無線制御部52は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、STAに対して、MLA送信またはnon-MLA送信を行うように、通信部33を制御する。
【0040】
なお、これらの無線制御部52の少なくとも一部の動作は、無線制御部52の代わりに制御部31により行われるようにしてもよい。また、制御部31および無線制御部52は、1つの構成要素として構成されてもよい。
【0041】
変復調部53は、送信時、データ処理部51から供給されるデータに対し、制御部31によって設定された符号化方式および変調方式に基づいて、符号化、インターリーブ、および変調を行い、データシンボルストリームを生成する。変復調部53は、生成したデータシンボルストリームを信号処理部54に出力する。
【0042】
変復調部53は、受信時、信号処理部54から供給されるデータシンボルストリームに対して、復調、デインターリーブ、および復号を行った結果のデータを、データ処理部51または無線制御部52に出力する。
【0043】
信号処理部54は、送信時、必要に応じて、変復調部53から供給されるデータシンボルストリームに対して、空間分離に供される信号処理を行い、信号処理の結果得られる1つ以上の送信シンボルストリームをそれぞれの無線I/F部56に出力する。
【0044】
信号処理部54は、受信時、それぞれの無線I/F部56から供給される受信シンボルストリームに対して信号処理を行い、必要に応じてストリームの空間分離を行い、空間分離の結果得られるデータシンボルストリームを変復調部53に出力する。
【0045】
チャネル推定部55は、それぞれの無線I/F部56から供給される受信シンボルストリームのうち、プリアンブル部分およびトレーニング信号部分から伝搬路の複素チャネル利得情報を算出する。複素チャネル利得情報は、無線制御部52を介して、変復調部53と信号処理部54に供給され、変復調部53における復調処理および信号処理部54における空間分離に用いられる。
【0046】
無線I/F部56は、送信時、信号処理部54からの送信シンボルストリームをアナログ信号に変換し、フィルタリング、搬送波周波数へのアップコンバート、および位相制御を行い、位相制御の後のアナログ信号をアンプ部57に出力する。
【0047】
無線I/F部56は、受信時、アンプ部57から供給されるアナログ信号に対して、位相制御、ダウンコンバード、逆フィルタリングを行い、デジタル信号に変換した結果の受信シンボルストリームを信号処理部54およびチャネル推定部55に出力する。
【0048】
アンプ部57は、送信時、無線I/F部56から供給されるアナログ信号を所定の電力まで増幅し、電力を増幅したアナログ信号をアンテナ58に出力する。アンプ部57は、受信時、アンテナ58から供給されるアナログ信号を所定の電力まで増幅し、電力を増幅したアナログ信号を無線I/F部56に出力する。
【0049】
アンプ部57は、送信時の機能と受信時の機能との少なくともどちらか一方の、少なくとも一部が無線I/F部56に内包されていてもよい。また、アンプ部57の少なくともどちらか一方の機能の少なくとも一部が通信部33外の構成要素とされてもよい。
【0050】
なお、STAとして動作する無線通信端末12の構成も、無線通信装置11と基本的に同様の構成であるため、以降、無線通信端末12の説明に、無線通信装置11の構成が用いられる。
【0051】
STAとして動作する場合、無線制御部52は、MLA period中、APから受信したMLA period setup elementまたはnon-MLA period setup elementに基づき、待ち時間や送信期間を設定する。無線制御部52は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、APに対して、MLA送信またはnon-MLA送信を行うように、通信部33を制御する。
【0052】
<1.第1の実施の形態(APから通知する例)>
まず、第1の実施の形態として、APからMLA period setup elementおよびnon- MLA period setup elementを通知し、MLA送信を優先するMLA優先送信の例について説明する。
【0053】
<本技術のMLA優先送信のシーケンス例>
図3は、本技術の第1の実施の形態のMLA優先送信の一連の動作について説明するシーケンスを示す図である。
【0054】
図3においては、リンクL1が5GHz帯のバンドであり、リンクL2が6GHz帯のバンドであり、AP、STA1、STA2の送信シーケンスがリンク毎に示されている。すなわち、
図3においては、APおよびSTA1が、互いに、リンクL1とリンクL2を用いたMLA送信を行い、STA2が、APに対して、リンクL2を用いたnon-MLA送信を行う例が示されている。
【0055】
APは、MLA periodを設定し、MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを通知する。
図3においては、時刻t3乃至時刻t7の期間がMLA periodとして設定されている例が示されている。
【0056】
APは、時刻t1において、5GHz帯のバンドを用いて、MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを、例えば、Beaconに含めて送信する。
【0057】
MLA period setup elementには、MLA period中に使用されるMLA EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)parameter、およびMLA periodの時間情報が含まれる。
【0058】
Non-MLA period setup elementには、MLA period中に使用されるnon-MLA EDCA parameterが含まれる。なお、MLA EDCA parameterおよびnon-MLA EDCA parameterは、データの種類や優先度を示すアクセスカテゴリ(AC)情報毎に設定されてもよいし、リンク情報毎に設定されてもよい。そして、MLA EDCA parameterおよびnon-MLA EDCA parameterは、設定されたリンク情報毎に送信されてもよいし、AC情報毎に送信されてもよい。
図3の場合、リンクL1とリンクL2のそれぞれが別のリンク情報として扱われ、リンク情報毎に異なるパラメータが設定されているが、elementで通知する際に、1つのリンク情報で、リンクL1とリンクL2の組み合わせを示すようにしてもよい。
【0059】
APは、時刻t2において、6GHz帯のバンドを用いて、MLA period setup elementとnon-MLA period setup elementを、例えば、Beaconに含めて送信する。5GHz帯のバンドと6GHz帯のバンドとでBeaconの送信時刻が異なるのは、送信機会を得られたタイミングで送信されるためである。
【0060】
MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを受信したSTA1およびSTA2は、MLA period中、MLA送信を行う場合、MLA EDCA parameterを使用し、MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。STA1およびSTA2は、MLA period中、non-MLA送信を行う場合、non-MLA EDCA parameterを使用し、non-MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。
【0061】
時刻t3において、MLA periodが開始される。
【0062】
設定した待ち時間や送信期間であるMLA period中の時刻t4において、APは、5GHz帯と6GHz帯のバンドを用いて、Beaconを送信する。このように、MLA period中、APは、Beaconをリンク間で同時に送信してもよい。
【0063】
STA1は、時刻t5において、5GHz帯と6GHz帯のバンドを用いて、APに対して、DataのMLA送信を行う。なお、MLA period中、時刻t4におけるBeaconの受信をトリガーとしてMLA送信を誘起することもできる。これにより、APは、MLA送信を優先することも可能である。
【0064】
STA2は、STA1のMLA送信が完了した後の時刻t6において、6GHz帯を用いて、APに対して、Dataのnon-MLA送信を行う。
【0065】
STA2のnon-MLA送信が完了した後の時刻t7において、MLA periodは終了する。
【0066】
なお、AP,STA1,STA2は、互いに、MLA送信が可能か否か、MLA periodの設定、MLA EDCA parameterの設定が可能か否かに関するCapability情報を、接続時など事前に確認しておいてもよい。
【0067】
また、
図3においては、MLA periodの設定に関する情報は、Beaconに含めて送信されていたが、Probe requestフレームに対応して送信されるProbe responseフレームなどに含めて送信されてもよい。
【0068】
さらに、
図3のMLA period中、時刻t4に行われたように、AP1は、Beaconをリンク間で同時に送信することができる。これにより、時刻t5で行われたように、BroadcastまたはMulticastなどのBeaconの送信の直後に行われる動作も複数のリンクを用いたMLA送信で実施することができる。
【0069】
<MLA period setup elementの構成例>
図4は、MLA period setup elementの構成例を示す図である。
【0070】
図4において、MLA period setup elementは、Element ID、Length、Element ID extension、…、MLA period parameter #1(第1のパラメータ)、…の各fieldからなる。
【0071】
Element IDおよびElement ID extensionのfieldには、それぞれ異なる情報が記載される。なお、Element IDおよびElement ID extensionのfieldに記載される情報により、このelementがMLA period setup elementであることが示される。
【0072】
Lengthのfieldには、このelementの長さに関する情報が記載される。
【0073】
MLA period parameter #1のfieldは、MLA EDCA parameterおよびMLA periodの時間情報が記載される。なお、#1は、リンク情報毎、AC情報毎にMLA period parameterが存在し、#2以降のMLA period parameterが存在してもよいことを表している。
【0074】
具体的には、MLA period parameterのfieldは、link ID/AC(、AIFSN(Arbitration Inter Frame Space Number)、CW(Contention Window)、TXOP(Transmission Opportunity)、およびMLA periodの各fieldからなる。すなわち、link ID/AC、AIFSN、CW、およびTXOPは、MLA EDCA parameterである。AIFSN、CW、およびTXOPは、送信機会の獲得に関するパラメータである。
【0075】
link ID/ACのfieldには、該当するリンク情報またはAC情報の少なくとも1つが記載される。リンク情報は、1つのリンクを識別する情報または複数のリンクの組み合わせの1つを識別する情報であってもよい。AC情報は、AC_VO(Voice)、AC_VI(Video)、AC_BE(Best Effort)、AC_BK(Back Ground)の4つのいずれかのACを識別する情報である。
【0076】
AIFSNのfieldには、MLA period中に使用されるAIFSNが記載される。AIFSNは、フレームの送信間隔に関する情報である。この値が小さいほど、送信待ちのキューの優先度が高くなるため、APは、MLA EDCA parameterの場合の値のほうが、non-MLA EDCA parameterの場合の値よりも小さくなるように設定する。
【0077】
CWのfieldには、MLA period中に使用されるCWmin、CWmaxが記載される。CWmin、CWmaxは、CWの最小値と最大値である。CWは、送信待ちの時間に関するパラメータである。送信待ちの時間が短い方が、そのキューの送信機会を得る確率が高くなるため、APは、MLA EDCA parameterの場合の値のほうが、non-MLA EDCA parameterの場合の値よりも小さくなるように設定する。
【0078】
TXOPのfieldには、MLA period中に使用されるTXOPに関する情報、例えば、TXOPの上限値であるTXOP limitが記載される。TXOPは、チャネルの占有時間である。この値が大きいほど一度得た送信機会でより多くのフレームを転送できるため、APは、MLA EDCA parameterの場合の値よりもnon-MLA EDCA parameterの場合の値のほうが小さくなるように設定する。
【0079】
MLA periodのfieldには、MLA periodの時間情報が記載される。例えば、MLA periodの時間情報として、MLA periodの開始時間と、MLA periodの長さが記載される。
【0080】
<non-MLA period setup elementの構成例>
図5は、non-MLA period setup elementの構成例を示す図である。
【0081】
図5において、non-MLA period setup elementは、Element ID、Length、Element ID extension、…、non-MLA period parameter #1(第2のパラメータ)、…の各fieldからなる。
【0082】
なお、
図5に示す構成のうち、
図4に示された構成と同じ構成の説明については適宜省略する。
【0083】
図5のnon-MLA period parameterは、MLA periodが除かれた点が、
図4のMLA period parameterと異なる。すなわち、non-MLA period parameterは、non-MLA EDCA parameterからなる。なお、non-MLA period parameterの代わりに、従来のEDCA parameterを使用することも可能である。
【0084】
ここで、MLA EDCA parameterおよびnon-MLA EDCA parameterとしては、AIFSN 、CWmin、CWmax、TXOPのうち、少なくとも1つが記載されればよい。
【0085】
また、MLA period setup elementに記載するMLA periodの開始時間や長さ、並びにMLA EDCA parameterは、STAからのBuffer Status reportの収集によってAPがトラフィック状況を判定し、決定してもよい。決定の基準は、例えば、Buffer Status reportによりトラフィックがあるとわかっているSTAの数である。non-MLA period setup elementの場合も同様である。
【0086】
APは、MLA period setup elementに記載したMLA periodの時間中に、MLA periodを終了し、通常の通信に戻るために、MLA periodのfieldに、MLA periodの終了時間を記載したフレーム、または、MLA Periodの長さを0と記載したフレームを送信し、配下のSTAに通知するようにしてもよい。
【0087】
STAは、通知されたMLA EDCA parameterおよびnon-MLA EDCA parameterのうち、TXOP、CW、およびAIFSNのどれを使うのかを自身で判定してもよく、また、APがどれを使うのかを指定するようにしてもよい。
【0088】
なお、
図4および
図5においては、MLA period setup elementとnon-MLA period setup elementが別々に構成される例が示されているが、MLA period setup elementとnon-MLA period setup elementは、同じelementの中に構成されるようにしてもよい。この場合、Element IDとElement ID extensionで識別することができる。
【0089】
<MLA送信の場合のデータのフォーマット例>
図6は、MLA送信の場合のデータのフォーマット例を示す図である。
【0090】
図6においては、MLA送信の場合のデータとして、PPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Protocol) Protocol Data Unit)のフォーマット例が示されている。
【0091】
PPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、…、EHT-SIG、…、Data、…を含むように構成される。なお、
図6において、既存のPPDUと同じ構成についてはその説明を省略する。以降の図においても同様である。
【0092】
EHT-SIGは、MLA field、およびTXOP fieldなど、複数のfieldからなる。
【0093】
MLA fieldには、MLA送信か否(non-MLA送信)かを示す情報が記載されている。
図6の場合、MLA fieldには、MLA送信であることを示す1が記載されている。
【0094】
また、EHT-SIGでは、6ビットがTXOP fieldとして使用されている。なお、TXOP fieldとして使用される6ビットは一例であり、数は、6ビットに限らない。
【0095】
<non-MLA送信の場合のデータのフォーマット例>
図7は、non-MLA送信の場合のデータのフォーマット例を示す図である。
【0096】
図7においては、non-MLA送信の場合のデータとして、PPDUのフォーマット例が示されている。
【0097】
図7の場合、EHT-SIGのMLA fieldには、non-MLA送信であることを示す0が記載されている。
【0098】
また、
図7の場合、EHT-SIGでは、5ビットがTXOP fieldとして使用されており、
図6のMLA送信のデータにおいてTXOP fieldであった、残りの1ビットは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)を用いた通信であることを示すfieldとして用いられている。
【0099】
これは、non-MLA EDCA parameterとして、TXOPを使用する場合、non-MLA送信のTXOP長が制限されるためである。例えば、
図7においては、non-MLA送信の場合に、TXOP fieldの最下位ビットをTXOP長の情報として使用しないようにして、TXOP長を制限した例が示されている。
【0100】
このとき、
図7において、TXOP fieldとして使用しないビットが、HARQを用いた通信であることを示すfieldとして用いられているように、TXOP fieldとして使用しないビットは、他の情報を示すfieldとして用いられることができる。
【0101】
HARQ以外の他の情報として、non-MLA送信に対して、Spatial reuseでの送信タイミングを重ねての送信を禁止する情報、CRCによるエラーチェックのための冗長な情報、接続数に関する情報、codingに関する情報などが用いられることができる。
【0102】
このようにすることで、non-MLA送信では、TXOP limitが制限される代わりに、より高信頼な通信を実施することが可能となる。
【0103】
<APの動作例>
図8は、APのMLA優先送信処理の例を説明するフローチャートである。
【0104】
ステップS11において、無線制御部52は、MLA periodを設定し、MLA periodが設定されたMLA period setup elementを生成し、各リンクを用いて通信部33に送信させる。なお、MLA period setup elementは、各リンクを用いて送信させてもよいが、1つのリンクだけを用いて送信させるようにしてもよい。このとき、non-MLA period setup elementも生成され、送信される。
【0105】
ステップS12において、無線制御部52は、設定したMLA periodの開始時間であると判定するまで待機する。MLA periodの開始時間であると、ステップS12において判定された場合、処理は、ステップS13に進む。
【0106】
ステップS13において、無線制御部52は、STAを選択し、選択したSTAが、MLA送信が可能であるか否かを判定する。STAが、MLA送信が可能であると、ステップS13において判定された場合、処理は、ステップS14に進む。なお、ステップS13における判定の基準は、例えば、接続時のCapability情報の交換によりSTAが複数のリンクを使用可能であるとわかっているか否か、直前にSTAと複数のリンクで通信を行ったか、STAの各リンクがawake状態であるかsleep状態であるか、または、各リンクがenableであるかdisableであるか、などである。
【0107】
ステップS14において、無線制御部52は、MLA EDCA parameterを使用し、MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。無線制御部52は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、STAへのMLA送信を行うように、通信部33を制御する。
【0108】
ステップS13において、STAが、MLA送信が可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS15に進む。無線制御部52は、non-MLA EDCA parameterを使用し、non-MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。無線制御部52は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、STAへのnon-MLA送信を行うように、通信部33を制御する。
【0109】
ステップS14またはS15の後、処理は、ステップS16に進む。
【0110】
ステップS16において、無線制御部52は、MLA periodの終了時間であるか否かを判定する。MLA periodの終了時間ではないと、ステップS16において判定された場合、ステップS13に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0111】
ステップS16において、MLA periodの終了時間であると判定された場合、MLA優先送信処理は終了となる。
【0112】
なお、
図8において、ステップS13乃至S15の処理は、配下のSTAの数分行われる。
【0113】
<STAの動作例>
図9は、STAのMLA優先送信処理の例を説明するフローチャートである。
【0114】
ステップS31において、通信部33は、APから送信されてくる、MLA periodが設定されたMLA period setup elementを受信する。MLA period setup elementは、無線制御部52に供給される。さらに、non-MLA period setup elementも受信され、無線制御部52に供給される。
【0115】
ステップS32において、無線制御部52は、MLA period setup elementを参照し、MLA periodの開始時間であると判定するまで待機する。MLA periodの開始時間であると、ステップS32において判定された場合、処理は、ステップS33に進む。
【0116】
ステップS33において、無線制御部52は、自身が、MLA送信が可能であるか否かを判定する。自身が、MLA送信が可能であると、ステップS33において判定された場合、処理は、ステップS34に進む。なお、ステップS33における判定の基準は、例えば、Multi-link送信に対応しているか否か、リンクが2つ以上enableであるか否か、または、リンクが2つ以上awake状態であるか否か、などである。
【0117】
ステップS34において、無線制御部52は、MLA EDCA parameterを使用し、MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。無線制御部52は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、APへのMLA送信を行うように、通信部33を制御する。
【0118】
ステップS33において、自身が、MLA送信が可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS35に進む。無線制御部52は、non-MLA EDCA parameterを使用し、non-MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。無線制御部52は、設定した待ち時間や送信期間に基づいて、APへのnon-MLA送信を行うように、通信部33を制御する。
【0119】
ステップS34またはS35の後、処理は、ステップS36に進む。
【0120】
ステップS36において、無線制御部52は、MLA periodの終了時間であるか否かを判定する。MLA periodの終了時間ではないと、ステップS36において判定された場合、ステップS33に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0121】
ステップS36において、MLA periodの終了時間であると判定された場合、MLA優先送信処理は終了となる。
【0122】
<2.第2の実施の形態(STAからの要求がある例)>
次に、第2の実施の形態として、STAから送信されてくる要求(request)に対応して、APがMLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを通知し、MLA送信を優先するMLA優先送信処理の例について説明する。
【0123】
<本技術のMLA優先送信処理のシーケンス例>
図10は、本技術の第2の実施の形態のMLA優先送信の一連の動作について説明するシーケンスを示す図である。
【0124】
図10においては、
図3の例と同様に、リンクL1が5GHz帯のバンドであり、リンクL2が6GHz帯のバンドであり、APおよびSTA1の送信シーケンスがリンク毎に示されている。なお、
図10においては、STA2に係る送信シーケンスの図示は省略されている。
【0125】
STA1は、時刻t11において、5GHz帯のバンドを用いて、MLA periodの設定を要求する情報(MLA period request element)を含むフレームをAPに送信する。
【0126】
MLA period request elementには、STA1が所望するMLA periodの開始時間、長さ、MLA period中に使用したいEDCA parameterが含まれる。MLA period request elementには、MLA EDCA parameter、MLA EDCA parameter、およびMLA periodの少なくとも1つが含まれる。
【0127】
APは、STA1から送信されてくるMLA period request elementを受信した場合、MLA period request elementに基づいて、MLA Periodが設定可能か否かを判定する。なお、判定の基準は、例えば、配下の単一のリンクのみで動作するSTAのトラフィック状況やリアルタイム性を求められるトラフィックが存在しているか、すでに他のSTAから異なる開始時間、長さ、EDCA parameterを記載したMLA period setup elementを受信しているか否かである。
【0128】
MLA Periodが設定可能であると判定した場合、APは、MLA periodを設定し、MLA period setup elementおよびnon- MLA period setup elementを通知する。
図10においては、時刻t14乃至時刻t17の期間がMLA periodとして設定されている例が示されている。
【0129】
APは、時刻t12に、5GHz帯のバンドを用いて、MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを、例えば、Beaconに含めて送信する。また、APは、時刻t13に、6GHz帯のバンドを用いて、MLA period request elementおよびnon-MLA period setup elementを、例えば、Beaconに含めて送信する。
【0130】
MLA period setup elementおよびnon-MLA period setup elementを受信したSTA1は、MLA period中、MLA送信を行う場合、MLA EDCA parameterを使用し、MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。STA1は、MLA period中、non-MLA送信を行う場合、non-MLA EDCA parameterを使用し、non-MLA EDCA parameterに基づいて、待ち時間や送信期間を設定する。
【0131】
時刻t14において、MLA periodが開始される。
【0132】
設定した待ち時間や送信期間であるMLA period中の時刻t15において、APは、5GHz帯と6GHz帯のバンドを用いて、設定した待ち時間や送信期間に、Beaconを送信する。このように、MLA period中、APは、Beaconをリンク間で同時に送信してもよい。これにより、MulticastなどのBeaconの送信の直後に実施される動作も複数のリンクを用いたMLA送信を行うことができる。
【0133】
STA1は、時刻t15におけるBeaconの受信をトリガーとして、時刻t16において、5GHz帯と6GHz帯のバンドを用いて、APに対して、DataのMLA送信を行う。MLA period中、このようなトリガーによってMLA送信を誘起することで、APは、MLA送信を優先することも可能である。
【0134】
STA1のMLA送信が完了した後の時刻t17において、MLA periodは終了する。
【0135】
なお、MLA periodの期間中に、STAがMLA period request elementを送信することで、MLA periodを早期に終了させてもよく、MLA periodを延長してもよい。
【0136】
また、
図10においても、MLA periodの設定に関する情報は、Beaconに含めて送信されていたが、Probe requestフレームに対応して送信されるProbe responseフレームなどに含めて送信されてもよい。
【0137】
<MLA period request elementの構成例>
図11は、MLA period request elementの構成例を示す図である。
【0138】
図11において、MLA period request elementのfieldは、Element ID、Length、Element ID extension、…、MLA period parameter #1、…の各fieldからなる。
【0139】
Element IDおよびElement ID extensionのfieldには、このelementがMLA period request elementであることを示す情報が記載される。
【0140】
Lengthのfieldには、このelementの長さに関する情報が記載される。
【0141】
MLA period request parameterのfieldには、STA1が所望するMLA EDCA parameterおよびSTA1が所望するMLA periodの時間情報が記載される。
【0142】
MLA period request parameterのfieldは、link ID/AC、Buffer Status、AIFSN、CW、TXOP、およびMLA periodの各fieldからなる。link ID/AC、Buffer Status、AIFSN、CW、TXOPは、MLA EDCA parameterである。
【0143】
link ID/ACのfieldには、該当するリンク情報またはAC情報が記載される。
【0144】
Buffer Statusのfieldには、APに通知するために、現在の自身のバッファの状態が記載される。
【0145】
AIFSNのfieldには、MLA period中に使用したいAIFSNが記載される。
【0146】
CWのfieldには、MLA period中に使用したいCWmin、CWmaxが記載される。
【0147】
TXOPのfieldには、MLA period中に使用したいTXOP limitが記載される。
【0148】
MLA periodのfieldには、所望するMLA periodの時間情報が記載される。
【0149】
<3.その他>
<効果>
以上のように、本技術においては、無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとが送信される。
【0150】
したがって、第1のパラメータと第2のパラメータの値を、複数のリンクを使用する通信を優先するように設定することができる。
【0151】
例えば、第1のパラメータのAIFSNまたはCWの値が、第2のパラメータのAIFSNまたはCWの値より小さく設定される。
【0152】
例えば、第1のパラメータのTXOPの上限値が、第2のパラメータのTXOPの上限値より長く設定される。
【0153】
さらに、無線通信端末が第1のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う所定の期間に関する情報が送信される。
【0154】
これにより、単一のリンクを使用する通信よりも、複数のリンクを使用する通信による送信機会を増やすようにすることができる。
【0155】
また、Beaconを複数のリンクで同時に送信しやすくなる。これにより、MulticastなどBeaconの直後に発生する動作の実現が容易になる。
【0156】
さらに、単一のリンクを使用する通信時に、TXOP limitが制限される代わりに、高信頼な通信のための新たな情報がフレームに記載される。これにより、単一のリンクを使用した通信でも高信頼な通信が実施可能になり、複数のリンクをしようする通信と単一のリンクをしようする通信の公平性を保つことができる。
【0157】
<コンピュータの構成例>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0158】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0159】
CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303は、バス304により相互に接続されている。
【0160】
バス304には、さらに、入出力インタフェース305が接続されている。入出力インタフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続される。また、入出力インタフェース305には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部308、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部309、リムーバブルメディア311を駆動するドライブ310が接続される。
【0161】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU301が、例えば、記憶部308に記憶されているプログラムを入出力インタフェース305及びバス304を介してRAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0162】
CPU301が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア311に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部308にインストールされる。
【0163】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0164】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0165】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0166】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0167】
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0168】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0169】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0170】
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとを送信する通信部を備える
無線通信装置。
(2)
前記第1のパラメータは、前記無線通信端末が前記第1のパラメータまたは前記第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う期間に関するパラメータを含む
前記(1)に記載の無線通信装置。
(3)
前記期間に関するパラメータは、前記期間の開始時間と、前記期間の長さである
前記(2)に記載の無線通信装置。
(4)
前記期間に関するパラメータは、前記期間の終了を示す
前記(2)に記載の無線通信装置。
(5)
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、送信機会の獲得に関するパラメータを含む
前記(1)に記載の無線通信装置。
(6)
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、前記送信機会の獲得に関するパラメータとして、フレームの送信間隔に関するパラメータまたは送信待ちの時間に関するパラメータを含み、
前記フレームの送信間隔および前記送信待ちの時間は、前記第1のパラメータにおいて前記第2のパラメータにおいてより小さく設定される
前記(5)に記載の無線通信装置。
(7)
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、前記送信機会の獲得に関するパラメータとして、チャネルの占有時間に関する値を含み、
前記チャネルの占有時間に関する値は、前記第1のパラメータにおいて前記第2のパラメータにおいてより長く設定される
前記(5)に記載の無線通信装置。
(8)
前記通信部は、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータをリンク情報毎またはアクセスカテゴリ情報毎に送信する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の無線通信装置。
(9)
前記通信部は、前記第2のパラメータとして、従来のEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータを送信する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の無線通信装置。
(10)
無線通信装置が、
無線通信端末が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータと、前記無線通信端末が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータとを送信する
無線通信方法。
(11)
複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータ、または単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う通信部を備える
無線通信端末。
(12)
前記通信部は、前記第1のパラメータに含まれる期間中に、前記第1のパラメータ、または前記第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う
前記(11)に記載の無線通信端末。
(13)
前記通信部は、前記第1のパラメータを用いた設定に基づいて、前記複数のリンクを使用する通信を行う
前記(12)に記載の無線通信端末。
(14)
前記通信部は、前記第2のパラメータを用いた設定に基づいて、前記単一のリンクを使用する通信を行う
前記(12)に記載の無線通信端末。
(15)
前記第2のパラメータがチャネルの占有時間に関する値を含む場合、送信するデータにおけるヘッダの前記占有時間に関する値を記載するフィールドの一部を、他の通信情報に使用する制御部をさらに備える
前記(14)に記載の無線通信端末。
(16)
前記他の通信情報は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)を用いた通信であることを示す情報、前記第2のパラメータを用いた設定の通信に対してSpatial reuseでの送信タイミングを重ねての送信を禁止するための情報、CRCによるエラーチェックのための冗長な情報、接続数に関する情報、およびcodingに関する情報のうちの少なくとも1つの情報である
前記(15)に記載の無線通信端末。
(17)
前記通信部は、無線通信装置に、前記期間の設定を要求する情報を送信する
前記(12)乃至(16)のいずれかに記載の無線通信端末。
(18)
前記期間の設定を要求する情報は、前記第1のパラメータ、前記第2のパラメータ、および、前記期間に関する情報の少なくとも1つを含む
前記(17)に記載の無線通信端末。
(19)
無線通信端末が、
所定の期間中に、複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1のパラメータ、または単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2のパラメータを用いた設定に基づいて通信を行う
無線通信方法。
【符号の説明】
【0171】
11 無線通信装置, 12 無線通信端末, 31 制御部, 32 電源部, 33-1および33-2 通信部,35 メモリ部, 50 メモリ部, 51 データ処理部, 52 無線制御部, 53 変復調部, 54 信号処理部, 55 チャネル推定部, 56-1乃至56-N 無線I/F部, 57-1乃至57-N アンプ部,58-1乃至58-N アンテナ
【手続補正書】
【提出日】2025-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信装置の無線通信部を制御し、1以上の無線信号を用いて、第2の無線通信装置が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1の情報と、前記第2の無線通信装置が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2の情報とを前記第2の無線通信装置に送信する制御部
を備え、
前記第1の情報は、前記複数のリンクの送信機会の獲得に関する第1の値を示す情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクの送信機会の獲得に関する第2の値を示す情報を含み、
前記第1の値と前記第2の値は異なり、
前記第1の値は、前記複数のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含む
無線通信制御装置。
【請求項2】
前記フレームの送信間隔に関する値および前記送信待ちの時間に関する値は、前記第1の値において前記第2の値においてより小さく設定されるか、または、前記チャネルの占有時間に関する値は、前記第1の値において前記第2の値においてより長く設定される
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項3】
前記第1の値は、前記複数のリンクの前記フレームの送信間隔に関する値、前記送信待ちの時間に関する値、および前記チャネルの占有時間に関する値を含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクの前記フレームの送信間隔に関する値、前記送信待ちの時間に関する値、および前記チャネルの占有時間に関する値を含む
請求項2に記載の無線通信制御装置。
【請求項4】
前記第1の情報は、前記複数のリンクを識別する情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクを識別する情報を含む
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
前記第1の情報と前記第2の情報は、フレームに含まれる
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項6】
前記第1の値は、前記第2の無線通信装置が前記複数のリンクを用いて通信を行う期間に関する値も含む
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項7】
前記期間に関する値は、前記期間の開始時間と前記期間の長さのうちの少なくとも1つを示す
請求項6に記載の無線通信制御装置。
【請求項8】
前記期間に関する値は、前記期間の終了を示す
請求項6に記載の無線通信制御装置。
【請求項9】
前記第1の値と前記第2の値は、リンク情報またはアクセスカテゴリ情報に対応する
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項10】
前記第2の値は、従来のEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータを含む
請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項11】
第1の無線通信装置の無線通信部を制御し、第2の無線通信装置から、1以上の無線信号を用いて、前記第1の無線通信装置が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1の情報と、前記第1の無線通信装置が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2の情報とを受信する制御部
を備え、
前記第1の情報は、前記複数のリンクの送信機会の獲得に関する第1の値を示す情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクの送信機会の獲得に関する第2の値を示す情報を含み、
前記第1の値と前記第2の値は異なり、
前記第1の値は、前記複数のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含む
無線通信制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記無線通信部を制御し、前記第1の値と前記第2の値に基づいて1以上の無線信号を送信する
請求項11に記載の無線通信制御装置。
【請求項13】
前記フレームの送信間隔に関する値および前記送信待ちの時間に関する値は、前記第1の値において前記第2の値においてより小さく設定されるか、または、前記チャネルの占有時間に関する値は、前記第1の値において前記第2の値においてより長く設定される
請求項12に記載の無線通信制御装置。
【請求項14】
前記第1の値は、前記複数のリンクの前記フレームの送信間隔に関する値、前記送信待ちの時間に関する値、および前記チャネルの占有時間に関する値を含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクの前記フレームの送信間隔に関する値、前記送信待ちの時間に関する値、および前記チャネルの占有時間に関する値を含む
請求項13に記載の無線通信制御装置。
【請求項15】
前記第1の情報は、前記複数のリンクを識別する情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクを識別する情報を含む
請求項12に記載の無線通信制御装置。
【請求項16】
前記第1の情報と前記第2の情報は、フレームに含まれる
請求項12に記載の無線通信制御装置。
【請求項17】
前記第1の値は、前記第1の無線通信装置が前記複数のリンクを用いて通信を行う期間に関する値も含む
請求項12に記載の無線通信制御装置。
【請求項18】
前記期間に関する値は、前記期間の開始時間と前記期間の長さのうちの少なくとも1つを示す
請求項17に記載の無線通信制御装置。
【請求項19】
前記期間に関する値は、前記期間の終了を示す
請求項17に記載の無線通信制御装置。
【請求項20】
前記第1の値と前記第2の値は、リンク情報またはアクセスカテゴリ情報に対応する
請求項12に記載の無線通信制御装置。
【請求項21】
前記第2の値は、従来のEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータを含む
請求項12に記載の無線通信制御装置。
【請求項22】
無線通信制御装置が、
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置のうちの少なくとも一方のリンクの使用を制御すること
を含み、
前記制御は、前記第1の無線通信装置の無線通信部を制御し、1以上の無線信号を用いて、前記第2の無線通信装置が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1の情報と、前記第2の無線通信装置が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2の情報とを前記第2の無線通信装置に送信することを含み、
前記第1の情報は、前記複数のリンクの送信機会の獲得に関する第1の値を示す情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクの送信機会の獲得に関する第2の値を示す情報を含み、
前記第1の値と前記第2の値は異なり、
前記第1の値は、前記複数のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含む
無線通信制御方法。
【請求項23】
無線通信制御装置が、
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置のうちの少なくとも一方のリンクの使用を制御すること
を含み、
前記制御は、前記第1の無線通信装置の無線通信部を制御し、前記第2の無線通信装置から、1以上の無線信号を用いて、前記第1の無線通信装置が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1の情報と、前記第1の無線通信装置が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2の情報とを受信することを含み、
前記第1の情報は、前記複数のリンクの送信機会の獲得に関する第1の値を示す情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクの送信機会の獲得に関する第2の値を示す情報を含み、
前記第1の値と前記第2の値は異なり、
前記第1の値は、前記複数のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含む
無線通信制御方法。
【請求項24】
コンピュータに、
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置のうちの少なくとも一方のリンクの使用を制御すること
を含み、
前記制御は、前記第1の無線通信装置の無線通信部を制御し、1以上の無線信号を用いて、前記第2の無線通信装置が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1の情報と、前記第2の無線通信装置が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2の情報とを前記第2の無線通信装置に送信することを含み、
前記第1の情報は、前記複数のリンクの送信機会の獲得に関する第1の値を示す情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクの送信機会の獲得に関する第2の値を示す情報を含み、
前記第1の値と前記第2の値は異なり、
前記第1の値は、前記複数のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含む
処理を実行させるためのプログラム。
【請求項25】
コンピュータに、
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置のうちの少なくとも一方のリンクの使用を制御すること
を含み、
前記制御は、前記第1の無線通信装置の無線通信部を制御し、前記第2の無線通信装置から、1以上の無線信号を用いて、前記第1の無線通信装置が複数のリンクを使用する通信の設定に用いられる第1の情報と、前記第1の無線通信装置が単一のリンクを使用する通信の設定に用いられる第2の情報とを受信することを含み、
前記第1の情報は、前記複数のリンクの送信機会の獲得に関する第1の値を示す情報を含み、
前記第2の情報は、前記単一のリンクの送信機会の獲得に関する第2の値を示す情報を含み、
前記第1の値と前記第2の値は異なり、
前記第1の値は、前記複数のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の値は、前記単一のリンクのフレームの送信間隔に関する値、送信待ちの時間に関する値、およびチャネルの占有時間に関する値のうちの少なくとも1つを含む
処理を実行させるためのプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本技術は、無線通信制御装置、無線通信制御方法、およびプログラムに関し、特に、Multi-link aggregationによる送信機会を増加させることができるようにした無線通信制御装置、無線通信制御方法、およびプログラムに関する。