IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特開2025-105833高分子化合物、成形用組成物、フィルム及びコンデンサ
<>
  • 特開-高分子化合物、成形用組成物、フィルム及びコンデンサ 図1
  • 特開-高分子化合物、成形用組成物、フィルム及びコンデンサ 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025105833
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】高分子化合物、成形用組成物、フィルム及びコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/32 20060101AFI20250703BHJP
【FI】
H01G4/32 511L
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025073907
(22)【出願日】2025-04-28
(62)【分割の表示】P 2023545695の分割
【原出願日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2021145060
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小城原 佑亮
(57)【要約】
【課題】高誘電率を有する高分子化合物を提供する。
【解決手段】高分子化合物は、複素環とカルボニル基と前記複素環に結合している置換基とを有する構成単位(U)を有する。置換基は、ハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。構成単位(U)が化学構造式(B)で示される構成単位(UB)を含む。R及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複素環とカルボニル基と前記複素環に結合している置換基とを有する構成単位(U)を有し、
前記置換基は、ハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含み、
前記構成単位(U)が化学構造式(B)で示される構成単位(UB)を含み、
【化1】
化学構造式(B)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない、
高分子化合物。
【請求項2】
化学構造式(B)において、
がHであり、
かつRがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、又は
がF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じである、
請求項1に記載の高分子化合物。
【請求項3】
前記構成単位(U)が化学構造式(C1)で示される構成単位(UC1)を更に含み、
【化2】
化学構造式(C1)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない、
請求項1に記載の高分子化合物。
【請求項4】
化学構造式(C1)において、
がF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF2、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、
かつRが、H若しくはRと同じである、
請求項3に記載の高分子化合物。
【請求項5】
前記構成単位(U)が化学構造式(C2)で示される構成単位(UC2)を更に含み、
【化3】
化学構造式(C2)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない、
請求項1に記載の高分子化合物。
【請求項6】
化学構造式(C2)において、
がF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF2、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、
かつRが、H若しくはRと同じである、
請求項5に記載の高分子化合物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する、
成形用組成物。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する、
フィルム。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する誘電体層を備える、
コンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、高分子化合物、成形用組成物、フィルム及びコンデンサに関し、詳細には、新規な高分子化合物、この高分子化合物を含有する成形用組成物、この高分子化合物を含有するフィルム、及びこの高分子化合物を含有する誘電体層を備えるコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フィルムコンデンサ素子が記載されている。このフィルムコンデンサ素子は、ポリユリア膜からなる誘電体膜層と、金属蒸着膜層とが少なくとも積層されてなる積層体を用いて構成される。
【0003】
特許文献2には、積層フィルムが記載されている。この積層フィルムは、第一電極層、樹脂基材、第二電極層及び誘電体層がこの順に積層されている。誘電体層は、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-8323号公報
【特許文献2】国際公開第2014/080832号
【発明の概要】
【0005】
本開示の課題は、高誘電率を有する高分子化合物、この高分子化合物を含有する成形用組成物、この高分子化合物を含有するフィルム、及びこの高分子化合物を含有する誘電体層を備えるコンデンサを提供することである。
【0006】
本開示の一態様に係る高分子化合物は、複素環とカルボニル基と前記複素環に結合している置換基とを有する構成単位(U)を有し、前記置換基は、ハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。
【0007】
本開示の一態様に係る成形用組成物は、前記高分子化合物を含有する。
【0008】
本開示の一態様に係るフィルムは、前記高分子化合物を含有する。
【0009】
本開示の一態様に係るコンデンサは、前記高分子化合物を含有する誘電体層を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係るコンデンサを示す概略図である。
図2図2Aは、本実施形態に係る巻き取り型コンデンサが有する巻回体を示す概略図であり、図2Bは、本実施形態に係る巻き取り型コンデンサを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。なお本開示は下記の実施形態に限られない。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎず、本開示の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(概要)
近年、EV車(電気自動車)やハイブリッド車が広く流通することに伴い、モータ制御を狙うインバータにも小型化が求められており、そのため、インバータの構成部品であるフィルムコンデンサ等のコンデンサにも小型化が求められている。
【0013】
性能を維持しつつ、コンデンサの小型化を実現するための方法として、コンデンサにおける誘電体層の薄膜化が挙げられる。
【0014】
しかし、誘電体層の薄膜化は加工の難易度が高く、また薄膜化による絶縁破壊も発生しやすくなる。
【0015】
そこで、発明者は、薄膜化しないか或いはほとんどしなくても、誘電体層の高誘電率化を可能として、誘電体層を備えるコンデンサの容量アップを実現でき、かつ誘電体層に絶縁破壊を発生しにくくすべく、研究開発を行った。その結果、本実施形態に係る高分子化合物として、従来の高分子の誘電率(概ね2.0~3.0)よりも高い誘電率、例えば3.5以上の誘電率を有することができる高分子化合物を開発した。
【0016】
本実施形態に係る高分子化合物は、複素環とカルボニル基と複素環に結合している置換基とを有する構成単位(U)を有し、置換基は、ハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。
【0017】
本実施形態によれば、高誘電率を有する高分子化合物、この高分子化合物を含有する成形用組成物、この高分子化合物を含有するフィルム、及びこの高分子化合物を含有する誘電体層を備えるコンデンサが提供される。なお、本実施形態に係る高分子化合物の用途は、コンデンサにおける誘電体層の作製には限られず、高分子化合物は種々の用途に適用され得る。
【0018】
(詳細)
(1)(高分子化合物)
本実施形態に係る高分子化合物の、より具体的な構成について説明する。
【0019】
上述の通り、本実施形態に係る高分子化合物は、複素環とカルボニル基と複素環に結合している置換基とを有する構成単位(U)を有し、置換基は、ハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。すなわち、高分子化合物は、置換基が結合した複素環とカルボニル基とを、各々、1つ又は複数含む構成単位(U)を有する、化合物である。
【0020】
複素環は、環の中に少なくとも2種類の異なる元素の原子を有する環である。複素環は、例えば炭素原子を有する。また、複素環は炭素原子以外として、例えば、窒素、酸素、又は硫黄などのヘテロ原子を有する。これらの原子の中でも、より高誘電率を有する高分子化合物を得るためには、複素環は窒素原子を有することが好ましい。すなわち、複素環が含窒素複素環であることが好ましい。また複素環は、三員環、四員環、五員環、六員環、及び七員環以上の環のうちいずれであってもよい。これらの中でも、高誘電率を有する高分子化合物を安定して得るためには、複素環は五員環又は六員環であることが好ましい。
【0021】
カルボニル基は、-C(=O)-で示される構造を有する官能基である。
【0022】
構成単位(U)において、複素環にカルボニル基が直接結合していることが好ましい。この場合、より高誘電率を有する高分子化合物が得られる。また複素環とカルボニル基との間には、酸素原子等の原子が含まれていてもよい。すなわち、複素環を構成する炭素とカルボニル基の炭素とが酸素原子等の他の原子を介して結合していてもよい。
【0023】
複素環にカルボニル基が直接結合しているとは、複素環を構成する原子とカルボニル基の炭素とが共有結合していることを意味する。
【0024】
上述のとおり、置換基がハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。この場合、高誘電率を有する高分子化合物が得られる。置換基は、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr及びCHOHCHOHよりなる群から選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
【0025】
構成単位(U)は、下記の構成単位(UA)、構成単位(UB)、構成単位(UC1)及び構成単位(UC2)よりなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率が、より高まりやすい。
【0026】
構成単位(UA)は、下記化学構造式(A)で示される構造を有する。
【0027】
【化1】
【0028】
化学構造式(A)のR、R及びRは各々独立に、H、又は置換基であり、かつR、R及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0029】
化学構造式(A)中のR、R及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR、R及びRのうち少なくとも一つはHではないことが好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率がより高まりやすい。
【0030】
化学構造式(A)において、RがHであり、かつRがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであれば、より好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率が更に高まりやすい。
【0031】
化学構造式(A)において、RがHであり、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであることも、より好ましい。この場合も、高分子化合物の誘電率が更に高まりやすい。
【0032】
化学構造式(A)において、Rが、Hであり、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであることも、より好ましい。この場合も、高分子化合物の誘電率が更に高まりやすい。
【0033】
化学構造式(A)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRの各々がRと同じであれば、更に好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率が特に高まりやすい。
【0034】
構成単位(UA)は、同一の構造を有する構成単位のみを含んでもよく、互いに構造の異なる複数種の構成単位を含んでもよい。
【0035】
構成単位(UB)は、下記化学構造式(B)で示される構造を有する。
【0036】
【化2】
【0037】
化学構造式(B)のR及びRは各々独立に、H、又は置換基であり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0038】
化学構造式(B)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではないことが好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率がより高まりやすい。
【0039】
化学構造式(B)において、RがHであり、かつRがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであれば、より好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率が更に高まりやすい。
【0040】
化学構造式(B)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであることも、より好ましい。この場合も、高分子化合物の誘電率が更に高まりやすい。
【0041】
構成単位(UB)は、同一の構造を有する構成単位のみを含んでもよく、互いに構造の異なる複数種の構成単位を含んでもよい。
【0042】
構成単位(UC1)は、下記化学構造式(C1)で示される構造を有する。
【0043】
【化3】
【0044】
化学構造式(C1)のR及びRは各々独立に、H、又は置換基であり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0045】
化学構造式(C1)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではないことが好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率がより高まりやすい。
【0046】
化学構造式(C1)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF2、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであることも、より好ましい。この場合も、高分子化合物の誘電率が、更に高まりやすい。
【0047】
構成単位(UC1)は、同一の構造を有する構成単位のみを含んでもよく、互いに構造の異なる複数種の構成単位を含んでもよい。
【0048】
構成単位(UC2)は、下記化学構造式(C2)で示される構造を有する。
【0049】
【化4】
【0050】
化学構造式(C2)のR及びRは各々独立に、H、又は置換基であり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0051】
化学構造式(C2)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではないことが好ましい。この場合、高分子化合物の誘電率がより高まりやすい。
【0052】
化学構造式(C2)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF2、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであることも、より好ましい。この場合も、高分子化合物の誘電率が、更に高まりやすい。
【0053】
構成単位(UC2)は、同一の構造を有する構成単位のみを含んでもよく、互いに構造の異なる複数種の構成単位を含んでもよい。
【0054】
また、構成単位(U)は、構成単位(UA)、構成単位(UB)、構成単位(UC1)及び構成単位(UC2)よりなる群から選択される少なくとも一種のみを含むことに限定されない。すなわち、構成単位(U)は、構成単位(UA)から構成単位(UC2)以外の構成単位を含んでもよい。
【0055】
本実施形態に係る高分子化合物は、構成単位(U)のみを有していてもよく、構成単位(U)以外の構成単位を更に有していてもよい。
【0056】
構成単位(UA)から構成単位(UC2)まで以外の構成単位としては、複素環の構造が構成単位(UA)から構成単位(UC2)までと異なるものが挙げられる。
【0057】
また、構成単位(UA)から構成単位(UC2)まで以外の構成単位としては、置換基が結合している複素環とカルボニル基との間に原子又は原子団が介在するものも挙げられる。この原子は、例えば酸素原子、及び窒素原子等よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。また、この原子団は、例えばエーテル結合、エステル結合、及びメチレン基等よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。
【0058】
構成単位(U)以外の構成単位は、例えば適宜の原子及び原子団よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。原子は例えば酸素原子、及び窒素原子等よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。原子団は、例えばエーテル結合、エステル結合、及びメチレン基等よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。
【0059】
本実施形態に係る高分子化合物は、オリゴマー及びポリマーよりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
【0060】
本実施形態に係る高分子化合物は、ただ一種の構成単位が単一の連結法で繰り返された構造をもつ規則性高分子であってもよく、二種以上の構成単位の繰返しからなる構造をもつ、又は構成単位の連結法が単一でない構造をもつ不規則性高分子であってもよい。
【0061】
本実施形態に係る高分子化合物は、本実施形態に係る高分子化合物を1種類又は2種類以上含有することができる。すなわち、本実施形態に係る高分子化合物は、化学構造の異なる複数の高分子化合物を含有していてもよい。この場合、高分子化合物の誘電率が、高まりやすい。
【0062】
表1から表10に本実施形態に係るフィルムの実施例1~215を示す。各表の「化学構造式」の欄には、各実施例のフィルムに含まれている高分子化合物の化学構造式が記載されている。
【0063】
各表の「分子量」の欄には、各実施例のフィルムに含まれている高分子化合物の分子量を記載した。
【0064】
また高分子化合物の分子量は、次のように測定した。
【0065】
まず各実施例の高分子化合物をヘキサフルオロプロパノールに溶解させ、測定用試料を調製した。次に調製した測定用試料をゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)を使用し、測定用試料をカラム「GPC HFIP-805」(昭和電工株式会社製)を通過させることで、測定用試料中の高分子化合物を分子量に応じて分離させた。そして、分離した高分子化合物を、分離した順に示差屈折検出器「2414 RI検出器」(日本ウォーターズ株式会社製)に流入させることで、高分子化合物の分子量分布を反映した測定結果を得た。その得られた測定結果をもとに高分子化合物の分子量を算出した。本開示において、高分子化合物の分子量の測定方法は上記の方法に限定されない。
【0066】
各表の「誘電率」及び「静電容量」の欄には、各実施例のフィルムの誘電率、及び各実施例のフィルムから作製したコンデンサの静電容量を記載した。
【0067】
また、「誘電率」及び「静電容量」は、次のように測定された。まず、各実施例の高分子化合物をキャスト成型機の押出機に投入し、180℃以上270℃以下に加熱して溶融させた。この溶融した高分子化合物を押出機から押し出してから、キャスト成型機の冷却ロールで冷却して、シートとした。続いて、このシートを縦延伸装置で、このシートが移動する方向に延伸し、かつ横延伸装置でこのシートが移動する方向と直交する方向に延伸した後、切断することで、フィルムを得た。フィルムの厚みは、3.0μmであった。
【0068】
次に、このフィルムを誘電体層として備える巻き取り型コンデンサ(誘電体層の面積:92m)を作製した。なお、本実施形態に係る巻き取り型コンデンサの詳細については、「(4)(コンデンサ)」で説明する。
【0069】
パラメータアナライザ「HP4284A」(ヒューレットパッカード社製)を用い、室温(25℃)、周波数1kHz、印加電圧450Vの測定条件下において、巻き取り型コンデンサの静電容量を測定した。また、このコンデンサの静電容量、上記の誘電体層の面積、及び誘電体の厚みからフィルムの誘電率(比誘電率)を算出した。なお、本開示において、「誘電率」及び「静電容量」の測定方法は上記の方法に限定されない。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】
【表9】
【0079】
【表10】
【0080】
本実施形態に係る、高分子化合物の合成経路について説明する。
【0081】
化学構造式(A)で示される構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0082】
構成単位(UA)を有する高分子化合物は、以下に示すモノマー(MA)を出発物質として合成されるモノマーに由来する構成単位を有する。
【0083】
【化5】
【0084】
置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0085】
出発物質となるモノマー(MA)とClとを反応させることで、置換基としてClが結合している複素環を有するモノマー(MA-Cl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-Cl)とは、モノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。ここでいう「分級」とは、精製などにより目的生成物となる得たいモノマーを反応生成物から分離して、回収する操作を意味する。また、合成経路の説明の中で示される各反応に関して、反応時における各々のモノマーの生成比率は、反応時間及び反応温度を調整することで、適宜最適化されることができる。一例として、モノマー(MA)からモノマー(MA-Cl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までの構造を以下に示す。
【0086】
【化6】
【0087】
モノマー(MA-Cl)をエステル重合することにより、置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。ここでいう「エステル重合」とは、アルコールとカルボン酸との脱水縮合による重合を意味する。一例として、モノマー(MA-Cl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0088】
【化7】
【0089】
置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0090】
出発物質となるモノマー(MA)とBrとを反応させることで、置換基としてBrが結合している複素環を有するモノマー(MA-Br)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-Br)とは、モノマー(MA-Br-1)からモノマー(MA-Br-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-Br-1)からモノマー(MA-Br-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MA)からモノマー(MA-Br-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0091】
【化8】
【0092】
モノマー(MA-Br)をエステル重合することにより、置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を含む高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-Br-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0093】
【化9】
【0094】
置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0095】
上述の方法で得られるモノマー(MA-Cl)と、KFとをスルホラン溶媒中で反応させることで、置換基としてFが結合している複素環を有するモノマー(MA-F)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。置換基としてFが結合している複素環を有するモノマー(MA-F)とは、モノマー(MA-F-1)からモノマー(MA-F-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-F-1)からモノマー(MA-F-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがFに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-F-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0096】
【化10】
【0097】
この置換基としてFが結合している複素環を有するモノマー(MA-F)をエステル重合することにより、置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-F-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0098】
【化11】
【0099】
置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0100】
上述のモノマー(MA-Cl)と、NaOHとを水中で反応させることで、置換基としてOHが結合している複素環を有するモノマー(MA-OH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-OH)とは、モノマー(MA-OH-1)からモノマー(MA-OH-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-OH-1)からモノマー(MA-OH-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-OH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0101】
【化12】
【0102】
置換基としてOHが結合している複素環を有するモノマー(MA-OH)と、塩化アセチルとを反応させることで、置換基としてCHCOOが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHCOO)を含む反応生成物が得られる。さらに、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHCOO)とは、モノマー(MA-CHCOO-1)からモノマー(MA-CHCOO-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHCOO-1)からモノマー(MA-CHCOO-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHCOOに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-OH-1)からモノマー(MA-CHCOO-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0103】
【化13】
【0104】
モノマー(MA-CHCOO)をエステル重合することにより得られた高分子化合物と、NaOHとを水/エタノール溶媒中で反応させ、アセチル基の脱離を行うことによって、置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHCOO-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0105】
【化14】
【0106】
置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0107】
触媒としてAlClを用い、モノマー(MA)とCHClとを反応させることで、置換基としてCHが結合している複素環を有するモノマー(MA-CH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CH)とは、モノマー(MA-CH-1)からモノマー(MA-CH-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CH-1)からモノマー(MA-CH-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHに置換されたものである。一例として、モノマー(MA)からモノマー(MA-CH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0108】
【化15】
【0109】
置換基としてCHが結合している複素環を有するモノマー(MA-CH)をエステル重合することにより、置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CH-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0110】
【化16】
【0111】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0112】
上述のモノマー(MA-CH)と、Fとを反応させることで、置換基としてCHFが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHF)とは、モノマー(MA-CHF-1)からモノマー(MA-CHF-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHF-1)からモノマー(MA-CHF-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHFに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CH-1)からモノマー(MA-CHF-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0113】
【化17】
【0114】
モノマー(MA-CHF)をエステル重合することで、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHF-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0115】
【化18】
【0116】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0117】
上述のモノマー(MA-CHF)と、Fとを反応させることで、置換基としてCHFが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHF)とは、モノマー(MA-CHF-1)からモノマー(MA-CHF-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHF-1)からモノマー(MA-CHF-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHFに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHF-1)からモノマー(MA-CHF-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0118】
【化19】
【0119】
モノマー(MA-CHF)をエステル重合することで、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UA)を含む高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHF-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0120】
【化20】
【0121】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0122】
上述のモノマー(MA-CH)と、Clとを反応させることで、置換基としてCHClが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHCl)を含む反応生成物を得ることができる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHCl)とは、モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CHCl-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CHCl-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHClに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CH-1)からモノマー(MA-CHCl-1)を合成する際の反応式を示す。
【0123】
【化21】
【0124】
モノマー(MA-CHCl)をエステル重合することで、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHCl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0125】
【化22】
【0126】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0127】
上述のモノマー(MA-CHCl)と、Clとを反応させることで、置換基としてCHClが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHCl)とは、モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CHCl-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CHCl-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHClに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CHCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0128】
【化23】
【0129】
モノマー(MA-CHCl)をエステル重合することで、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHCl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0130】
【化24】
【0131】
置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0132】
上述のモノマー(MA-CHCl)と、Clとを反応させることで、置換基としてCClが結合している複素環を有するモノマー(MA-CCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CCl)とは、モノマー(MA-CCl-1)からモノマー(MA-CCl-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CCl-1)からモノマー(MA-CCl-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCClに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0133】
【化25】
【0134】
モノマー(MA-CCl)をエステル重合することで、置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CCl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0135】
【化26】
【0136】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0137】
上述のモノマー(MA-CH)と、Brとを反応させることで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHBr)とは、モノマー(MA-CHBr-1)からモノマー(MA-CHBr-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHBr-1)からモノマー(MA-CHBr-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CH-1)からモノマー(MA-CHBr-1)を合成する際の反応式を示す。
【0138】
【化27】
【0139】
モノマー(MA-CHBr)をエステル重合することで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHBr-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0140】
【化28】
【0141】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0142】
上述のモノマー(MA-CHBr)と、Brとを反応させることで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHBr)とは、モノマー(MA-CHBr-1)からモノマー(MA-CHBr-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHBr-1)からモノマー(MA-CHBr-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHBr-1)からモノマー(MA-CHBr-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0143】
【化29】
【0144】
モノマー(MA-CHBr)をエステル重合することで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHBr-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0145】
【化30】
【0146】
置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0147】
上述のモノマー(MA-CHBr)と、Brとを反応させることで、置換基としてCBrが結合している複素環を有するモノマー(MA-CBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CBr)とは、モノマー(MA-CBr-1)からモノマー(MA-CBr-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CBr-1)からモノマー(MA-CBr-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHBr-1)からモノマー(MA-CBr-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0148】
【化31】
【0149】
モノマー(MA-CBr)をエステル重合することで、置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CBr-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0150】
【化32】
【0151】
置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0152】
上述のモノマー(MA-CHCl)と、NaOHとを水中で、反応させることで、置換基としてCHOHが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHOH)とは、モノマー(MA-CHOH-1)からモノマー(MA-CHOH-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHOH-1)からモノマー(MA-CHOH-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHCl-1)からモノマー(MA-CHOH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0153】
【化33】
【0154】
モノマー(MA-CHOH)と、クロロクロム酸ピリジニウム(以下、PCC)とを塩化メチレン溶媒中で反応させることで、置換基としてCHOが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHO)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHO)とは、モノマー(MA-CHO-1)からモノマー(MA-CHO-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHO-1)からモノマー(MA-CHO-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHOに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHOH-1)からモノマー(MA-CHO-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0155】
【化34】
【0156】
モノマー(MA-CHO)をエステル重合することで、置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHO-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0157】
【化35】
【0158】
置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0159】
上述のモノマー(MA-CHOH)と、二クロム酸カリウムと硫酸水溶液との混合物とを反応させることで、置換基としてCOOHが結合している複素環を有するモノマー(MA-COOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-COOH)とは、モノマー(MA-COOH-1)からモノマー(MA-COOH-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-COOH-1)からモノマー(MA-COOH-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)のClがCOOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHOH-1)からモノマー(MA-COOH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0160】
【化36】
【0161】
モノマー(MA-COOH)と、塩化チオニルとをメタノール溶媒中で反応させることで、置換基としてCOOCHが結合している複素環を有するモノマー(MA-COOCH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-COOCH)とは、モノマー(MA-COOCH-1)からモノマー(MA-COOCH-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-COOCH-1)からモノマー(MA-COOCH-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCOOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-COOH-1)からモノマー(MA-COOCH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0162】
【化37】
【0163】
モノマー(MA-COOCH)をエステル重合することにより得られた高分子化合物と、NaOHとを水/エタノール溶媒中で反応させた後、塩酸で洗浄することで、置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-COOCH-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0164】
【化38】
【0165】
置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0166】
モノマー(MA)をトルエン溶媒中でCLiと反応させることで、置換基としてCが結合している複素環を有するモノマー(MA-C)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-C)とは、モノマー(MA-C-1)からモノマー(MA-C-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-C-1)からモノマー(MA-C-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCに置換されたものである。一例として、モノマー(MA)からモノマー(MA-C-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0167】
【化39】
【0168】
モノマー(MA-C)と、Clとを反応させることで、置換基としてCHClCHClが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHClCHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHClCHCl)とは、モノマー(MA-CHClCHCl-1)からモノマー(MA-CHClCHCl-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHClCHCl-1)からモノマー(MA-CHClCHCl-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHClCHClに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-C-1)からモノマー(MA-CHClCHCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0169】
【化40】
【0170】
モノマー(MA-CHClCHCl)と、NaOHとを水中で反応させることで、置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有するモノマー(MA-CHOHCHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHOHCHOH)とは、モノマー(MA-CHOHCHOH-1)からモノマー(MA-CHOHCHOH-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHOHCHOH-1)からモノマー(MA-CHOHCHOH-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHOHCHOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHClCHCl-1)からモノマー(MA-CHOHCHOH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0171】
【化41】
【0172】
モノマー(MA-CHOHCHOH)と、塩化アセチルとを反応させることで、置換基としてCHOAcCHOAc(Acはアセチル基を示す)が結合している複素環を有するモノマー(MA-CHOAcCHOAc)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MA-CHOAcCHOAc)とは、モノマー(MA-CHOAcCHOAc-1)からモノマー(MA-CHOAcCHOAc-7)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MA-CHOAcCHOAc-1)からモノマー(MA-CHOAcCHOAc-7)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-7)までのClがCHOAcCHOAcに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHOHCHOH-1)からモノマー(MA-CHOAcCHOAc-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0173】
【化42】
【0174】
モノマー(MA-CHOAcCHOAc)をエステル重合し得られた高分子化合物と、NaOHとを水/エタノール溶媒中で反応させてアセチル基の脱離を行うことによって、置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UA)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MA-CHOAcCHOAc-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0175】
【化43】
【0176】
化学構造式(B)で示される構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0177】
構成単位(UB)を有する高分子化合物は、以下に示すモノマー(MB)を出発物質として合成されるモノマーに由来する構成単位を有する。
【0178】
【化44】
【0179】
置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0180】
出発物質となるモノマー(MB)と、Clとを反応させることで、モノマー(MB-X-1)からモノマー(MB-X-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマー(MB-X)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。一例として、モノマー(MB)からモノマー(MB-X-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MB-X-1)からモノマー(MB-X-3)までの構造を以下に示す。
【0181】
【化45】
【0182】
上述の方法で得られたモノマー(MB-X)と、NaOHとを水中で反応させることで、置換基としてClが結合している複素環を有するモノマー(MB-Cl)が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-Cl)とは、モノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。一例として、モノマー(MB-X-1)からモノマー(MB-Cl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までの各々の構造を以下に示す。
【0183】
【化46】
【0184】
モノマー(MB-Cl)をエステル重合することにより、置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-Cl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0185】
【化47】
【0186】
置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0187】
上述のモノマー(MB-Cl)と、KFとをスルホラン溶媒中で反応させることで、置換基としてFが結合している複素環を有するモノマー(MB-F)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-F)とは、モノマー(MB-F-1)からモノマー(MB-F-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-F-1)からモノマー(MB-F-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがFに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-F-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0188】
【化48】
【0189】
モノマー(MB-F)をエステル重合することにより、置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-F-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を示す。
【0190】
【化49】
【0191】
置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0192】
出発物質となるモノマー(MB)と、NaOHとをメタノール溶媒中で反応させ、塩酸で洗浄を行うことで得られた反応生成物に対して、さらに塩酸を反応させることで、モノマー(MB-S)が得られる。モノマー(MB)からモノマー(MB-S)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0193】
【化50】
【0194】
上述の方法で得られたモノマー(MB-S)と、Brとを反応させることで、置換基としてBrが結合している複素環を有するモノマー(MB-Br)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-Br)とは、モノマー(MB-Br-1)からモノマー(MB-Br-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-Br-1)からモノマー(MB-Br-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-S)からモノマー(MB-Br-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0195】
【化51】
【0196】
モノマー(MB-Br)をエステル重合することにより、置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-Br-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0197】
【化52】
【0198】
置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0199】
上述のモノマー(MB-Cl)と、NaOHとを水中で反応させることで、置換基としてOHが結合している複素環を有するモノマー(MB-OH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-OH)とは、モノマー(MB-OH-1)からモノマー(MB-OH-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-OH-1)からモノマー(MB-OH-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-OH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0200】
【化53】
【0201】
モノマー(MB-OH)と、塩化アセチルとを反応させることで、置換基としてCHCOOが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHCOO)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHCOO)とは、モノマー(MB-CHCOO-1)からモノマー(MB-CHCOO-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHCOO-1)からモノマー(MB-CHCOO-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHCOOに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-OH-1)からモノマー(MB-CHCOO-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0202】
【化54】
【0203】
モノマー(MB-CHCOO)をエステル重合することにより得られた高分子化合物と、NaOHとを水/エタノール溶媒中で反応させて、アセチル基の脱離を行うことによって、置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHCOO-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0204】
【化55】
【0205】
置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化
合物の合成経路について説明する。
【0206】
触媒としてAlClを用い、上述の方法で得られたモノマー(MB-S)とCHClとを反応させることで、置換基としてCHが結合している複素環を有するモノマー(MB-CH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CH)とは、モノマー(MB-CH-1)からモノマー(MB-CH-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CH-1)からモノマー(MB-CH-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-S)からモノマー(MB-CH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0207】
【化56】
【0208】
モノマー(MB-CH)をエステル重合することにより、置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CH-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0209】
【化57】
【0210】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0211】
上述のモノマー(MB-CH)と、Fとを反応させることで、置換基としてCHFが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHF)とは、モノマー(MB-CHF-1)からモノマー(MB-CHF-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHF-1)からモノマー(MB-CHF-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHFに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CH-1)からモノマー(MB-CHF-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0212】
【化58】
【0213】
モノマー(MB-CHF)をエステル重合することで、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHF-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0214】
【化59】
【0215】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0216】
上述のモノマー(MB-CH)と、Clとを反応させることで、置換基としてCHClが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHCl)とは、モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CHCl-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CHCl-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHClに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CH-1)からモノマー(MB-CHCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0217】
【化60】
【0218】
モノマー(MB-CHCl)を、エステル重合することで、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHCl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0219】
【化61】
【0220】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0221】
上述のモノマー(MB-CHCl)と、Clとを反応させることで、置換基としてCHClが結合している複素環を有するモノマーを含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHCl)とは、モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CHCl-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CHCl-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHClに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CHCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0222】
【化62】
【0223】
モノマー(MB-CHCl)を、エステル重合することで、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHCl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0224】
【化63】
【0225】
置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0226】
上述のモノマー(MB-CHCl)と、Clとを反応させることで、置換基としてCClが結合している複素環を有するモノマー(MB-CCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CCl)とは、モノマー(MB-CCl-1)からモノマー(MB-CCl-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CCl-1)からモノマー(MB-CCl-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCClに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0227】
【化64】
【0228】
モノマー(MB-CCl)を、エステル重合することで、置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CCl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0229】
【化65】
【0230】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0231】
上述のモノマー(MB-CH)と、Brとを反応させることで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHBr)とは、モノマー(MB-CHBr-1)からモノマー(MB-CHBr-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHBr-1)からモノマー(MB-CHBr-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CH-1)からモノマー(MB-CHBr-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0232】
【化66】
【0233】
モノマー(MB-CHBr)を、エステル重合することで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHBr-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0234】
【化67】
【0235】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0236】
上述のモノマー(MB-CHBr)と、Brとを反応させることで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHBr)とは、モノマー(MB-CHBr-1)からモノマー(MB-CHBr-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHBr-1)からモノマー(MB-CHBr-3)の各々は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHBr-1)からモノマー(MB-CHBr-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0237】
【化68】
【0238】
モノマー(MB-CHBr)を、エステル重合することで、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHBr-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0239】
【化69】
【0240】
置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0241】
上述のモノマー(MB-CHBr)と、Brとを反応させることで、置換基としてCBrが結合している複素環を有するモノマー(MB-CBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CBr)とは、モノマー(MB-CBr-1)からモノマー(MB-CBr-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CBr-1)からモノマー(MB-CBr-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCBrに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHBr-1)からモノマー(MB-CBr-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0242】
【化70】
【0243】
モノマー(MB-CBr)を、エステル重合することで、置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CBr-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0244】
【化71】
【0245】
置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0246】
上述のモノマー(MB-CHCl)と、NaOHとを水中で反応させることで、置換基としてCHOHが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHOH)とは、モノマー(MB-CHOH-1)からモノマー(MB-CHOH-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーが得られる。モノマー(MB-CHOH-1)からモノマー(MB-CHOH-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHCl-1)からモノマー(MB-CHOH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0247】
【化72】
【0248】
モノマー(MB-CHOH)と、PCCとを塩化メチレン溶媒中で反応させることで、置換基としてCHOが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHO)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHO)とは、モノマー(MB-CHO-1)からモノマー(MB-CHO-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーが得られる。モノマー(MB-CHO-1)からモノマー(MB-CHO-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHOに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHOH-1)からモノマー(MB-CHO-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0249】
【化73】
【0250】
モノマー(MB-CHO)を、エステル重合することで、置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHO-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0251】
【化74】
【0252】
置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0253】
上述のモノマー(MB-CHOH)と、二クロム酸カリウムと硫酸水溶液との混合物とを反応させることで、置換基としてCOOHが結合している複素環を有するモノマー(MB-COOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-COOH)とは、モノマー(MB-COOH-1)からモノマー(MB-COOH-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-COOH-1)からモノマー(MB-COOH-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCOOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHOH-1)からモノマー(MB-COOH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0254】
【化75】
【0255】
モノマー(MB-COOH)と、塩化チオニルとをメタノール溶媒中で反応させることで、置換基としてCOOCHが結合している複素環を有するモノマー(MB-COOCH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-COOCH)とは、モノマー(MB-COOCH-1)からモノマー(MB-COOCH-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-COOCH-1)からモノマー(MB-COOCH-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCOOCHに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-COOH-1)からモノマー(MB-COOCH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0256】
【化76】
【0257】
モノマー(MB-COOCH)をエステル重合することにより得られた高分子化合物と、NaOHとを水/エタノール溶媒中で反応させ、塩酸で洗浄を行うことで、置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-COOCH-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0258】
【化77】
【0259】
置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0260】
上述の方法で得られたモノマー(MB-S)とCLiとをトルエン溶媒中で反応させることで、置換基としてCが結合している複素環を有するモノマー(MB-C)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-C)とは、モノマー(MB-C-1)からモノマー(MB-C-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-C-1)からモノマー(MB-C-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-S)からモノマー(MB-C-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0261】
【化78】
【0262】
モノマー(MB-C)と、Clとを反応させることで、置換基としてCHClCHClが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHClCHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHClCHCl)とは、モノマー(MB-CHClCHCl-1)からモノマー(MB-CHClCHCl-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHClCHCl-1)からモノマー(MB-CHClCHCl-3)は、それぞれモノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHClCHClに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-C-1)からモノマー(MB-CHClCHCl-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0263】
【化79】
【0264】
モノマー(MB-CHClCHCl)と、NaOHとを水中で反応させることで、置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHOHCHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHOHCHOH)とは、モノマー(MB-CHOHCHOH-1)からモノマー(MB-CHOHCHOH-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHOHCHOH-1)からモノマー(MB-CHOHCHOH-3)は、モノマー(MB-Cl-1)からモノマー(MB-Cl-3)までのClがCHOHCHOHに置換されたものである。一例として、モノマー(MB-CHClCHCl-1)からモノマー(MB-CHOHCHOH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0265】
【化80】
【0266】
モノマー(MB-CHOHCHOH)と、塩化アセチルとを反応させることで、置換基としてCHOAcCHOAcが結合している複素環を有するモノマー(MB-CHOAcCHOAc)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MB-CHOAcCHOAc)とは、モノマー(MB-CHOAcCHOAc-1)からモノマー(MB-CHOAcCHOAc-3)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MB-CHOAcCHOAc-1)からモノマー(MB-CHOAcCHOAc-3)は、それぞれモノマー(MA-Cl-1)からモノマー(MA-Cl-3)までのClがCHOAcCHOAcに置換されたものである。一例として、モノマー(MA-CHOHCHOH-1)からモノマー(MA-CHOAcCHOAc-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0267】
【化81】
【0268】
モノマー(MB-CHOAcCHOAc)をエステル重合し得られた高分子化合物と、NaOHとを水/エタノール溶媒中で反応させることにより、置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UB)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MB-CHOAcCHOAc-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0269】
【化82】
【0270】
化学構造式(C1)で示される構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0271】
構成単位(UC1)を有する高分子化合物は、以下に示すモノマー(MC1_A)を出発物質として合成されるモノマーに由来する構成単位と、モノマー(MC1_B)を出発物質として合成されるモノマーに由来する構成単位とを含む。
【0272】
【化83】
【0273】
構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路及び構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明した際に記載された、置換基を導入するための種々の反応方法に準じることで、出発物質であるモノマー(MC1_A)及びモノマー(MC1_B)から、置換基が結合している複素環を有するモノマー(MC1_A-X-Y)及びモノマー(MC1_B-X-Y)をそれぞれ得ることができる。適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。ここで、モノマー(MC1_A-X-Y)のXは、(MC1_A)の複素環に結合している置換基を示すものである。モノマー(MC1_B-X-Y)のXは、モノマー(MC1_B)の複素環に結合している置換基を示すものである。また、モノマー(MC1_A-X-Y)のYは、反応の際に生成する各々の異性体を区別するために、複素環に結合している置換基の位置及び数に応じて、それぞれ異性体に付与した番号を示すものである。モノマー(MC1_B-X-Y)のYは、反応の際に生成する各々の異性体を区別するために、複素環に結合している置換基の位置及び数に応じて、それぞれ異性体に付与した番号を示すものである。
【0274】
置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0275】
出発物質となるモノマー(MC1_A)及び(MC1_B)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC1_A-Cl)を含む反応生成物及び(MC1_B-Cl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-Cl)とは、モノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-Cl)とは、モノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。また、合成経路の説明の中で示される各反応に関して、反応時における各々のモノマーの生成比率は、反応時間及び反応温度を調整することで、適宜最適化されることができる。例として、モノマー(MC1_A)からモノマー(MC1_A-Cl-1)を合成する際の反応式、モノマー(MC1_B)からモノマー(MC1_B-Cl-1)を合成する際の反応式、並びにモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)及びモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)の各々の構造を、以下に示す。
【0276】
【化84】
【0277】
モノマー(MC1_B-Cl)と、五塩化リンとを反応させることで、モノマー(MC1_C-Cl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_C-Cl)とは、モノマー(MC1_C-Cl-1)からモノマー(MC1_C-Cl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。一例として、モノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_C-Cl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_C-Cl-1)からモノマー(MC1_C-Cl-2)までの構造を以下に示す。
【0278】
【化85】
【0279】
モノマー(MC1_A-Cl)と、モノマー(MC1_C-Cl)とを、AlClを触媒として反応させることで、置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MC1_A-Cl-1)と、モノマー(MC1_C-Cl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0280】
【化86】
【0281】
置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0282】
上述のモノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)を、それぞれKFとスルホラン溶媒中で反応させることで、各モノマー中のClをFと置換し、モノマー(MC1_A-F)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-F)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-F)とは、モノマー(MC1_A-F-1)からモノマー(MC1_A-F-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-F)とは、モノマー(MC1_B-F-1)からモノマー(MC1_B-F-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-F-1)からモノマー(MC1_A-F-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがFに置換されたものである。モノマー(MC1_B-F-1)からモノマー(MC1_B-F-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがFに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-F-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-F-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0283】
【化87】
【0284】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-F)及びモノマー(MC1_B-F)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-F-1)及び(MC1_B-F-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0285】
【化88】
【0286】
置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0287】
出発物質となるモノマー(MC1_A)及び(MC1_B)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC1_A-Br)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-Br)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-Br)とは、モノマー(MC1_A-Br-1)からモノマー(MC1_A-Br-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-Br)とは、モノマー(MC1_B-Br-1)からモノマー(MC1_B-Br-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-Br-1)からモノマー(MC1_A-Br-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがBrに置換されたものである。モノマー(MC1_B-Br-1)からモノマー(MC1_B-Br-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A)からモノマー(MC1_A-Br-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B)からモノマー(MC1_B-Br-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0288】
【化89】
【0289】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-Br)及び(MC1_B-Br)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-Br-1)及び(MC1_B-Br-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0290】
【化90】
【0291】
置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0292】
上述のモノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)を、それぞれNaOHと水中で反応させることで、ClをOHと置換し、モノマー(MC1_A-OH)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-OH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-OH)とは、モノマー(MC1_A-OH-1)からモノマー(MC1_A-OH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-OH)とは、モノマー(MC1_B-OH-1)からモノマー(MC1_B-OH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-OH-1)からモノマー(MC1_A-OH-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがOHに置換されたものである。モノマー(MC1_B-OH-1)からモノマー(MC1_B-OH-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-OH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-OH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0293】
【化91】
【0294】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-OH)及び(MC1_B-OH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-OH-1)及び(MC1_B-OH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0295】
【化92】
【0296】
置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0297】
出発物質となるモノマー(MC1_A)及び(MC1_B)を、それぞれCHClと、AlClの存在下で反応させることで、モノマー(MC1_A-CH)を含む反応生成物及び(MC1_B-CH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CH)とは、モノマー(MC1_A-CH-1)からモノマー(MC1_A-CH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CH)とは、モノマー(MC1_B-CH-1)からモノマー(MC1_B-CH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CH-1)からモノマー(MC1_A-CH-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CH-1)からモノマー(MC1_B-CH-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A)からモノマー(MC1_A-CH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B)からモノマー(MC1_B-CH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0298】
【化93】
【0299】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CH)及び(MC1_B-CH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CH-1)及び(MC1_B-CH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0300】
【化94】
【0301】
置換基としてCが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0302】
出発物質となるモノマー(MC1_A)及び(MC1_B)を、それぞれCLiとを反応させることで、モノマー(MC1_A-C)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-C)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-C)とは、モノマー(MC1_A-C-1)からモノマー(MC1_A-C-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-C)とは、モノマー(MC1_B-C-1)からモノマー(MC1_B-C-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-C-1)からモノマー(MC1_A-C-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCに置換されたものである。モノマー(MC1_B-C-1)からモノマー(MC1_B-C-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A)からモノマー(MC1_A-C-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B)からモノマー(MC1_B-C-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0303】
【化95】
【0304】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-C)及び(MC1_B-C)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-C-1)及び(MC1_B-C-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0305】
【化96】
【0306】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0307】
上述のモノマー(MC1_A-CH)及び(MC1_B-CH)を、それぞれFと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHF)を含む反応生成物及び(MC1_B-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHF)とは、モノマー(MC1_A-CHF-1)からモノマー(MC1_A-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHF)とは、モノマー(MC1_B-CHF-1)からモノマー(MC1_B-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHF-1)からモノマー(MC1_A-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHF-1)からモノマー(MC1_B-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CH-1)からモノマー(MC1_A-CHF-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CH-1)からモノマー(MC1_B-CHF-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0308】
【化97】
【0309】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHF)及び(MC1_B-CHF)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHF-1)及び(MC1_B-CHF-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0310】
【化98】
【0311】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0312】
上述のモノマー(MC1_A-CHF)及び(MC1_B-CHF)を、それぞれFと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHF)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHF)とは、モノマー(MC1_A-CHF-1)からモノマー(MC1_A-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHF)とは、モノマー(MC1_B-CHF-1)からモノマー(MC1_B-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHF-1)からモノマー(MC1_A-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHF-1)からモノマー(MC1_B-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHF-1)からモノマー(MC1_A-CHF-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHF-1)からモノマー(MC1_B-CHF-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0313】
【化99】
【0314】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHF)及び(MC1_B-CHF)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHF-1)及び(MC1_B-CHF-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0315】
【化100】
【0316】
置換基としてCFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0317】
上述のモノマー(MC1_A-CHF)及び(MC1_B-CHF)を、それぞれFと反応させることで、モノマー(MC1_A-CF)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CF)とは、モノマー(MC1_A-CF-1)からモノマー(MC1_A-CF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CF)とは、モノマー(MC1_B-CF-1)からモノマー(MC1_B-CF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CF-1)からモノマー(MC1_A-CF-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCFに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CF-1)からモノマー(MC1_B-CF-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCFに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHF-1)からモノマー(MC1_A-CF-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHF-1)からモノマー(MC1_B-CF-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0318】
【化101】
【0319】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CF)及び(MC1_B-CF)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCFが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CF-1)及び(MC1_B-CF-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0320】
【化102】
【0321】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0322】
上述のモノマー(MC1_A-CH)及び(MC1_B-CH)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHCl)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHCl)とは、モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHCl)とは、モノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CH-1)からモノマー(MC1_A-CHCl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CH-1)からモノマー(MC1_B-CHCl-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0323】
【化103】
【0324】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHCl)及び(MC1_B-CHCl)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHCl-1)及び(MC1_B-CHCl-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0325】
【化104】
【0326】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0327】
上述のモノマー(MC1_A-CHCl)及び(MC1_B-CHCl)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHCl)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHCl)とは、モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHCl)とは、モノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CHCl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CHCl-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0328】
【化105】
【0329】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHCl)及び(MC1_B-CHCl)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHCl-1)及び(MC1_B-CHCl-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0330】
【化106】
【0331】
置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0332】
上述のモノマー(MC1_A-CHCl)及び(MC1_B-CHCl)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC1_A-CCl)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CCl)とは、モノマー(MC1_A-CCl-1)からモノマー(MC1_A-CCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CCl)とは、モノマー(MC1_B-CCl-1)からモノマー(MC1_B-CCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CCl-1)からモノマー(MC1_A-CCl-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCClに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CCl-1)からモノマー(MC1_B-CCl-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCClに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CCl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CCl-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0333】
【化107】
【0334】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CCl)及び(MC1_B-CCl)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CCl-1)及び(MC1_B-CCl-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0335】
【化108】
【0336】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0337】
上述のモノマー(MC1_A-CH)及び(MC1_B-CH)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHBr)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHBr)とは、モノマー(MC1_A-CHBr-1)からモノマー(MC1_A-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHBr)とは、モノマー(MC1_B-CHBr-1)からモノマー(MC1_B-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHBr-1)からモノマー(MC1_A-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHBr-1)からモノマー(MC1_B-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CH-1)からモノマー(MC1_A-CHBr-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CH-1)からモノマー(MC1_B-CHBr-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0338】
【化109】
【0339】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHBr)及び(MC1_B-CHBr)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHBr-1)及び(MC1_B-CHBr-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0340】
【化110】
【0341】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0342】
上述のモノマー(MC1_A-CHBr)及び(MC1_B-CHBr)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHBr)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHBr)とは、モノマー(MC1_A-CHBr-1)からモノマー(MC1_A-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHBr)とは、モノマー(MC1_B-CHBr-1)からモノマー(MC1_B-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHBr-1)からモノマー(MC1_A-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHBr-1)からモノマー(MC1_B-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHBr-1)からモノマー(MC1_A-CHBr-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHBr-1)からモノマー(MC1_B-CHBr-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0343】
【化111】
【0344】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHBr)及び(MC1_B-CHBr)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHBr-1)及び(MC1_B-CHBr-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0345】
【化112】
【0346】
置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0347】
上述のモノマー(MC1_A-CHBr)及び(MC1_B-CHBr)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC1_A-CBr)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CBr)とは、モノマー(MC1_A-CBr-1)からモノマー(MC1_A-CBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CBr)とは、モノマー(MC1_B-CBr-1)からモノマー(MC1_B-CBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CBr-1)からモノマー(MC1_A-CBr-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCBrに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CBr-1)からモノマー(MC1_B-CBr-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHBr-1)からモノマー(MC1_A-CBr-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHBr-1)からモノマー(MC1_B-CBr-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0348】
【化113】
【0349】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CBr)及び(MC1_B-CBr)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CBr-1)及び(MC1_B-CBr-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0350】
【化114】
【0351】
置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0352】
上述のモノマー(MC1_A-CHCl)及び(MC1_B-CHCl)を、それぞれNaOHと水中で反応させてから、HClと反応させることで、モノマー(MC1_A-CHOH)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHOH)とは、モノマー(MC1_A-CHOH-1)からモノマー(MC1_A-CHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHOH)とは、モノマー(MC1_B-CHOH-1)からモノマー(MC1_B-CHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHOH-1)からモノマー(MC1_A-CHOH-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHOHに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHOH-1)からモノマー(MC1_B-CHOH-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHCl-1)からモノマー(MC1_A-CHOH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHCl-1)からモノマー(MC1_B-CHOH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0353】
【化115】
【0354】
上述のモノマー(MC1_A-CHOH)及び(MC1_B-CHOH)を、それぞれPCCと塩化メチレン溶媒中で反応させることで、モノマー(MC1_A-CHO)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHO)を含む反応生成物が得られる。モノマー(MC1_A-CHO)とは、モノマー(MC1_A-CHO-1)からモノマー(MC1_A-CHO-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHO)とは、モノマー(MC1_B-CHO-1)からモノマー(MC1_B-CHO-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHO-1)からモノマー(MC1_A-CHO-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHOに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHO-1)からモノマー(MC1_B-CHO-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHOに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHOH-1)からモノマー(MC1_A-CHO-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHOH-1)からモノマー(MC1_B-CHO-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0355】
【化116】
【0356】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHO)及び(MC1_B-CHO)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHO-1)及び(MC1_B-CHO-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0357】
【化117】
【0358】
置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0359】
上述のモノマー(MC1_A-CHOH)を二クロム酸カリウムと硫酸水溶液との混合物と反応させることで、モノマー(MC1_A-COOH)を含む反応生成物が得られる。また、上述のモノマー(MC1_B-CHOH)を五塩化リンと反応させてから、二クロム酸カリウムと硫酸水溶液との混合物と反応させることで、モノマー(MC1_C-COOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-COOH)とは、モノマー(MC1_A-COOH-1)からモノマー(MC1_A-COOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_C-COOH)とは、モノマー(MC1_C-COOH-1)からモノマー(MC1_C-COOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-COOH-1)からモノマー(MC1_A-COOH-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCOOHに置換されたものである。モノマー(MC1_C-COOH-1)からモノマー(MC1_C-COOH-2)は、それぞれモノマー(MC1_C-Cl-1)からモノマー(MC1_C-Cl-2)までのClがCOOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-CHOH-1)からモノマー(MC1_A-COOH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-CHOH-1)からモノマー(MC1_C-COOH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0360】
【化118】
【0361】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_C-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-COOH)及び(MC1_C-COOH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-COOH-1)及び(MC1_C-COOH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0362】
【化119】
【0363】
置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0364】
上述のモノマー(MC1_A-C)及びモノマー(MC1_B-C)を、それぞれClと反応させてから、NaOHと水中で反応させることで、モノマー(MC1_A-CHOHCHOH)を含む反応生成物及びモノマー(MC1_B-CHOHCHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC1_A-CHOHCHOH)とは、モノマー(MC1_A-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC1_A-CHOHCHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_B-CHOHCHOH)とは、モノマー(MC1_B-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC1_B-CHOHCHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC1_A-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC1_A-CHOHCHOH-2)は、それぞれモノマー(MC1_A-Cl-1)からモノマー(MC1_A-Cl-2)までのClがCHOHCHOHに置換されたものである。モノマー(MC1_B-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC1_B-CHOHCHOH-2)は、それぞれモノマー(MC1_B-Cl-1)からモノマー(MC1_B-Cl-2)までのClがCHOHCHOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC1_A-C-1)からモノマー(MC1_A-CHOHCHOH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC1_B-C-1)からモノマー(MC1_B-CHOHCHOH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0365】
【化120】
【0366】
モノマー(MC1_A-Cl)及びモノマー(MC1_B-Cl)に代えてモノマー(MC1_A-CHOHCHOH)及び(MC1_B-CHOHCHOH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC1_A-CHOHCHOH-1)及び(MC1_B-CHOHCHOH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0367】
【化121】
【0368】
化学構造式(C2)で示される構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0369】
構成単位(UC2)を有する高分子化合物は、以下に示すモノマー(MC2_A)及びモノマー(MC2_B)を出発物質として合成されるモノマーに由来する構成単位を含む。
【0370】
【化122】
【0371】
構成単位(UA)を有する高分子化合物の合成経路及び構成単位(UB)を有する高分子化合物の合成経路について説明した際に記載された、置換基を導入するための種々の反応方法に準じることで、出発物質であるモノマー(MC2_A)及びモノマー(MC2_B)から、置換基が結合している複素環を有するモノマー(MC2_A-X-Y)及びモノマー(MC2_B-X-Y)をそれぞれ得ることができる。適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。ここで、モノマー(MC2_A-X-Y)のXは(MC2_A)の複素環に結合している置換基を示すものである。(MC2_B-X-Y)のXは(MC2_B)の複素環に結合している置換基を示すものである。また、モノマー(MC2_A-X-Y)のYは、反応の際に生成する各々の異性体を区別するために、複素環に結合している置換基の位置及び数に応じて、それぞれ異性体に付与した番号を示すものである。モノマー(MC2_B-X-Y)のYは、反応の際に生成する各々の異性体を区別するために、複素環に結合している置換基の位置及び数に応じて、それぞれ異性体に付与した番号を示すものである。
【0372】
置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0373】
出発物質となるモノマー(MC2_A)及び(MC2_B)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC2_A-Cl)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-Cl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-Cl)とは、モノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-Cl)とは、モノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。また、合成経路の説明の中で示される各反応に関して、反応時における各々のモノマーの生成比率は、反応時間及び反応温度を調整することで、適宜最適化されることができる。例として、モノマー(MC2_A)からモノマー(MC2_A-Cl-1)を合成する際の反応式、モノマー(MC2_B)からモノマー(MC2_B-Cl-1)を合成する際の反応式、並びにモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)及びモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)の各々の構造を、以下に示す。
【0374】
【化123】
【0375】
モノマー(MC2_B-Cl)と、五塩化リンとを反応させることで、モノマー(MC2_C-Cl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_C-Cl)とは、モノマー(MC2_C-Cl-1)からモノマー(MC2_C-Cl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。一例として、モノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_C-Cl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_C-Cl-1)からモノマー(MC2_C-Cl-2)までの構造を以下に示す。
【0376】
【化124】
【0377】
モノマー(MC2_A-Cl)と、モノマー(MC2_C-Cl)とを、AlClを触媒として反応させることで、置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物が得られる。一例として、モノマー(MC2_A-Cl-1)と、モノマー(MC2_C-Cl-1)から目的の高分子化合物を合成する際の反応式を以下に示す。
【0378】
【化125】
【0379】
置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0380】
上述のモノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)を、それぞれKFとスルホラン溶媒中で反応させることで、各モノマー中のClをFと置換し、モノマー(MC2_A-F)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-F)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-F)とは、モノマー(MC2_A-F-1)からモノマー(MC2_A-F-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-F)とは、モノマー(MC2_B-F-1)からモノマー(MC2_B-F-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-F-1)からモノマー(MC2_A-F-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがFに置換されたものである。モノマー(MC2_B-F-1)からモノマー(MC2_B-F-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがFに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-F-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-F-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0381】
【化126】
【0382】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-F)及びモノマー(MC2_B-F)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-F-1)及び(MC2_B-F-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0383】
【化127】
【0384】
置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0385】
出発物質となるモノマー(MC2_A)及び(MC2_B)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC2_A-Br)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-Br)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-Br)とは、モノマー(MC2_A-Br-1)からモノマー(MC2_A-Br-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-Br)とは、モノマー(MC2_B-Br-1)からモノマー(MC2_B-Br-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-Br-1)からモノマー(MC2_A-Br-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがBrに置換されたものである。モノマー(MC2_B-Br-1)からモノマー(MC2_B-Br-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A)からモノマー(MC2_A-Br-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B)からモノマー(MC2_B-Br-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0386】
【化128】
【0387】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-Br)及び(MC2_B-Br)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-Br-1)及び(MC2_B-Br-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0388】
【化129】
【0389】
置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0390】
上述のモノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)を、それぞれNaOHと水中で反応させることで、ClをOHと置換し、モノマー(MC2_A-OH)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-OH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-OH)とは、モノマー(MC2_A-OH-1)からモノマー(MC2_A-OH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-OH)とは、モノマー(MC2_B-OH-1)からモノマー(MC2_B-OH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-OH-1)からモノマー(MC2_A-OH-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがOHに置換されたものである。モノマー(MC2_B-OH-1)からモノマー(MC2_B-OH-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-OH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-OH-1)を合成する際の反応式を以下に示す。
【0391】
【化130】
【0392】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-OH)及び(MC2_B-OH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてOHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-OH-1)及び(MC2_B-OH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0393】
【化131】
【0394】
置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0395】
出発物質となるモノマー(MC2_A)及び(MC2_B)を、それぞれCHClと、AlClの存在下で反応させることで、モノマー(MC2_A-CH)を含む反応生成物及び(MC2_B-CH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CH)とは、モノマー(MC2_A-CH-1)からモノマー(MC2_A-CH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CH)とは、モノマー(MC2_B-CH-1)からモノマー(MC2_B-CH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CH-1)からモノマー(MC2_A-CH-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CH-1)からモノマー(MC2_B-CH-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A)からモノマー(MC2_A-CH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B)からモノマー(MC2_B-CH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0396】
【化132】
【0397】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CH)及び(MC2_B-CH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CH-1)及び(MC2_B-CH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0398】
【化133】
【0399】
置換基としてCが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0400】
出発物質となるモノマー(MC2_A)及び(MC2_B)を、それぞれCLiとを反応させることで、モノマー(MC2_A-C)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-C)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-C)とは、モノマー(MC2_A-C-1)からモノマー(MC2_A-C-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-C)とは、モノマー(MC2_B-C-1)からモノマー(MC2_B-C-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-C-1)からモノマー(MC2_A-C-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCに置換されたものである。モノマー(MC2_B-C-1)からモノマー(MC2_B-C-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A)からモノマー(MC2_A-C-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B)からモノマー(MC2_B-C-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0401】
【化134】
【0402】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-C)及び(MC2_B-C)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-C-1)及び(MC2_B-C-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0403】
【化135】
【0404】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0405】
上述のモノマー(MC2_A-CH)及び(MC2_B-CH)を、それぞれFと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHF)を含む反応生成物及び(MC2_B-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHF)とは、モノマー(MC2_A-CHF-1)からモノマー(MC2_A-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHF)とは、モノマー(MC2_B-CHF-1)からモノマー(MC2_B-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHF-1)からモノマー(MC2_A-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHF-1)からモノマー(MC2_B-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CH-1)からモノマー(MC2_A-CHF-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CH-1)からモノマー(MC2_B-CHF-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0406】
【化136】
【0407】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHF)及び(MC2_B-CHF)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHF-1)及び(MC2_B-CHF-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0408】
【化137】
【0409】
置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0410】
上述のモノマー(MC2_A-CHF)及び(MC2_B-CHF)を、それぞれFと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHF)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHF)とは、モノマー(MC2_A-CHF-1)からモノマー(MC2_A-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHF)とは、モノマー(MC2_B-CHF-1)からモノマー(MC2_B-CHF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHF-1)からモノマー(MC2_A-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHF-1)からモノマー(MC2_B-CHF-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHFに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHF-1)からモノマー(MC2_A-CHF-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHF-1)からモノマー(MC2_B-CHF-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0411】
【化138】
【0412】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHF)及び(MC2_B-CHF)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHF-1)及び(MC2_B-CHF-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0413】
【化139】
【0414】
置換基としてCFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0415】
上述のモノマー(MC2_A-CHF)及び(MC2_B-CHF)を、それぞれFと反応させることで、モノマー(MC2_A-CF)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CF)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CF)とは、モノマー(MC2_A-CF-1)からモノマー(MC2_A-CF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CF)とは、モノマー(MC2_B-CF-1)からモノマー(MC2_B-CF-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CF-1)からモノマー(MC2_A-CF-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCFに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CF-1)からモノマー(MC2_B-CF-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCFに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHF-1)からモノマー(MC2_A-CF-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHF-1)からモノマー(MC2_B-CF-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0416】
【化140】
【0417】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CF)及び(MC2_B-CF)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCFが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CF-1)及び(MC2_B-CF-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0418】
【化141】
【0419】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0420】
上述のモノマー(MC2_A-CH)及び(MC2_B-CH)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHCl)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHCl)とは、モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHCl)とは、モノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CH-1)からモノマー(MC2_A-CHCl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CH-1)からモノマー(MC2_B-CHCl-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0421】
【化142】
【0422】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHCl)及び(MC2_B-CHCl)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHCl-1)及び(MC2_B-CHCl-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0423】
【化143】
【0424】
置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0425】
上述のモノマー(MC2_A-CHCl)及び(MC2_B-CHCl)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHCl)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHCl)とは、モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHCl)とは、モノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CHCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CHCl-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHClに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CHCl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CHCl-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0426】
【化144】
【0427】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHCl)及び(MC2_B-CHCl)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHCl-1)及び(MC2_B-CHCl-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0428】
【化145】
【0429】
置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0430】
上述のモノマー(MC2_A-CHCl)及び(MC2_B-CHCl)を、それぞれClと反応させることで、モノマー(MC2_A-CCl)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CCl)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CCl)とは、モノマー(MC2_A-CCl-1)からモノマー(MC2_A-CCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CCl)とは、モノマー(MC2_B-CCl-1)からモノマー(MC2_B-CCl-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CCl-1)からモノマー(MC2_A-CCl-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCClに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CCl-1)からモノマー(MC2_B-CCl-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCClに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CCl-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CCl-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0431】
【化146】
【0432】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CCl)及び(MC2_B-CCl)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CCl-1)及び(MC2_B-CCl-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0433】
【化147】
【0434】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0435】
上述のモノマー(MC2_A-CH)及び(MC2_B-CH)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHBr)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHBr)とは、モノマー(MC2_A-CHBr-1)からモノマー(MC2_A-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHBr)とは、モノマー(MC2_B-CHBr-1)からモノマー(MC2_B-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHBr-1)からモノマー(MC2_A-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHBr-1)からモノマー(MC2_B-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CH-1)からモノマー(MC2_A-CHBr-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CH-1)からモノマー(MC2_B-CHBr-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0436】
【化148】
【0437】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHBr)及び(MC2_B-CHBr)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHBr-1)及び(MC2_B-CHBr-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0438】
【化149】
【0439】
置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0440】
上述のモノマー(MC2_A-CHBr)及び(MC2_B-CHBr)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHBr)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHBr)とは、モノマー(MC2_A-CHBr-1)からモノマー(MC2_A-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHBr)とは、モノマー(MC2_B-CHBr-1)からモノマー(MC2_B-CHBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHBr-1)からモノマー(MC2_A-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHBr-1)からモノマー(MC2_B-CHBr-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHBr-1)からモノマー(MC2_A-CHBr-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHBr-1)からモノマー(MC2_B-CHBr-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0441】
【化150】
【0442】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHBr)及び(MC2_B-CHBr)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHBr-1)及び(MC2_B-CHBr-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0443】
【化151】
【0444】
置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0445】
上述のモノマー(MC2_A-CHBr)及び(MC2_B-CHBr)を、それぞれBrと反応させることで、モノマー(MC2_A-CBr)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CBr)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CBr)とは、モノマー(MC2_A-CBr-1)からモノマー(MC2_A-CBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CBr)とは、モノマー(MC2_B-CBr-1)からモノマー(MC2_B-CBr-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CBr-1)からモノマー(MC2_A-CBr-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCBrに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CBr-1)からモノマー(MC2_B-CBr-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCBrに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHBr-1)からモノマー(MC2_A-CBr-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHBr-1)からモノマー(MC2_B-CBr-1)を合成する際の反応式を、以下に示す
【0446】
【化152】
【0447】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CBr)及び(MC2_B-CBr)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCBrが結合している複素環を有する構成単位(UC1)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CBr-1)及び(MC2_B-CBr-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0448】
【化153】
【0449】
置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0450】
上述のモノマー(MC2_A-CHCl)及び(MC2_B-CHCl)を、それぞれNaOHと水中で反応させてから、HClと反応させることで、モノマー(MC2_A-CHOH)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHOH)とは、モノマー(MC2_A-CHOH-1)からモノマー(MC2_A-CHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHOH)とは、モノマー(MC2_B-CHOH-1)からモノマー(MC2_B-CHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHOH-1)からモノマー(MC2_A-CHOH-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHOHに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHOH-1)からモノマー(MC2_B-CHOH-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHCl-1)からモノマー(MC2_A-CHOH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHCl-1)からモノマー(MC2_B-CHOH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0451】
【化154】
【0452】
上述のモノマー(MC2_A-CHOH)及び(MC2_B-CHOH)を、それぞれPCCと塩化メチレン溶媒中で反応させることで、モノマー(MC2_A-CHO)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHO)を含む反応生成物が得られる。モノマー(MC2_A-CHO)とは、モノマー(MC2_A-CHO-1)からモノマー(MC2_A-CHO-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHO)とは、モノマー(MC2_B-CHO-1)からモノマー(MC2_B-CHO-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHO-1)からモノマー(MC2_A-CHO-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHOに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHO-1)からモノマー(MC2_B-CHO-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHOに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHOH-1)からモノマー(MC2_A-CHO-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHOH-1)からモノマー(MC2_B-CHO-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0453】
【化155】
【0454】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHO)及び(MC2_B-CHO)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHOが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHO-1)及び(MC2_B-CHO-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0455】
【化156】
【0456】
置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0457】
上述のモノマー(MC2_A-CHOH)を二クロム酸カリウムと硫酸水溶液との混合物と反応させることで、モノマー(MC2_A-COOH)を含む反応生成物が得られる。また、上述のモノマー(MC2_B-CHOH)を五塩化リンと反応させてから、二クロム酸カリウムと硫酸水溶液との混合物と反応させることで、モノマー(MC2_C-COOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-COOH)とは、モノマー(MC2_A-COOH-1)からモノマー(MC2_A-COOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_C-COOH)とは、モノマー(MC2_C-COOH-1)からモノマー(MC2_C-COOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-COOH-1)からモノマー(MC2_A-COOH-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCOOHに置換されたものである。モノマー(MC2_C-COOH-1)からモノマー(MC2_C-COOH-2)は、それぞれモノマー(MC2_C-Cl-1)からモノマー(MC2_C-Cl-2)までのClがCOOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-CHOH-1)からモノマー(MC2_A-COOH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-CHOH-1)からモノマー(MC2_C-COOH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0458】
【化157】
【0459】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_C-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-COOH)及び(MC2_C-COOH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCOOHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-COOH-1)及び(MC2_C-COOH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0460】
【化158】
【0461】
置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路について説明する。
【0462】
上述のモノマー(MC2_A-C)及びモノマー(MC2_B-C)を、それぞれClと反応させてから、NaOHと水中で反応させることで、モノマー(MC2_A-CHOHCHOH)を含む反応生成物及びモノマー(MC2_B-CHOHCHOH)を含む反応生成物が得られる。また、この反応生成物は、適宜得たいモノマーを回収するために分級されることが好ましい。モノマー(MC2_A-CHOHCHOH)とは、モノマー(MC2_A-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC2_A-CHOHCHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_B-CHOHCHOH)とは、モノマー(MC2_B-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC2_B-CHOHCHOH-2)までよりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである。モノマー(MC2_A-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC2_A-CHOHCHOH-2)は、それぞれモノマー(MC2_A-Cl-1)からモノマー(MC2_A-Cl-2)までのClがCHOHCHOHに置換されたものである。モノマー(MC2_B-CHOHCHOH-1)からモノマー(MC2_B-CHOHCHOH-2)は、それぞれモノマー(MC2_B-Cl-1)からモノマー(MC2_B-Cl-2)までのClがCHOHCHOHに置換されたものである。例として、モノマー(MC2_A-C-1)からモノマー(MC2_A-CHOHCHOH-1)を合成する際の反応式、及びモノマー(MC2_B-C-1)からモノマー(MC2_B-CHOHCHOH-1)を合成する際の反応式を、以下に示す。
【0463】
【化159】
【0464】
モノマー(MC2_A-Cl)及びモノマー(MC2_B-Cl)に代えてモノマー(MC2_A-CHOHCHOH)及び(MC2_B-CHOHCHOH)を用いること以外は、上記の置換基としてClが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物の合成経路に準じて、置換基としてCHOHCHOHが結合している複素環を有する構成単位(UC2)を有する高分子化合物を合成できる。例として、モノマー(MC2_A-CHOHCHOH-1)及び(MC2_B-CHOHCHOH-1)を用いることで合成される高分子化合物の構造の例を下記に示す。
【0465】
【化160】
【0466】
(2)(成形用組成物)
本実施形態に係る成形用組成物は、上記で説明した高分子化合物を含有している。例えば、成形用組成物からフィルムが形成される場合、成形用組成物に対する高分子化合物の百分比は、90質量%以上であることが好ましい。この場合、高誘電率を有するフィルムが形成されやすい。成形用組成物に対する高分子化合物の百分比は、95質量%以上であることがより好ましい。成形用組成物は、高分子化合物の他に、例えば、水などの溶剤、重合開始剤、重合防止剤及び硬化剤などの高分子化合物以外の成分よりなる群から選択される少なくとも一種を含有していてもよい。
【0467】
(3)(フィルム)
本実施形態に係るフィルムについて、説明する。
【0468】
本実施形態に係るフィルムは、上記で説明した高分子化合物を含有する。この場合、高誘電率を有するフィルムが得られる。
【0469】
成形用組成物からフィルムを作製する場合、上記で説明した成形用組成物は溶剤を含有することが好ましい。この場合、フィルムを成形する際の成形用組成物の塗布性が向上しうる。
【0470】
本実施形態に係るフィルムは、成形用組成物を乾燥し硬化させた後に、フィルムを形成することによって得られ、上記の溶剤を含有する成形用組成物をフィルム化することでも得られる。
【0471】
本実施形態に係るフィルムは、例えば成形用組成物をキャリアフィルムに塗布した後に、乾燥し硬化させ、フィルムを形成することで得られる。この場合、成形用組成物が含有する溶剤は、例えば、水などである。またキャリアフィルムとしてはPETフィルムなどの剥離性のよいフィルムが使用される。さらにフィルムが形成される際に、成形用組成物を乾燥する必要がある。この時、成形用組成物を乾燥するために、加熱してもよい。
【0472】
本実施形態に係るフィルムは、上記以外の方法でも得られる。例えば、フィルムは、成形用組成物を押出成形することで得られる。
【0473】
本実施形態に係るフィルムは、使用目的に応じて、適宜の厚みに形成される。例えば、フィルムがコンデンサの誘電体層として使用される場合、フィルムの厚みは1.0μm以上6.0μm以下であることが好ましく、2.3μm以上3.0μm以下であることがさらに好ましい。またフィルムがコンデンサの誘電体層として使用されるものであれば、フィルムの耐電圧は、0.9kV以上であることが好ましい。
【0474】
(4)(コンデンサ)
本実施形態に係るコンデンサについて説明する。
【0475】
本実施形態に係るコンデンサ10は、上記で説明した係る高分子化合物を含有する誘電体層1を備える。
【0476】
誘電体層1は、上記で説明したフィルムを含む。言い換えれば、誘電体層1は、本実施形態に係る高分子化合物を含むフィルムである。
【0477】
コンデンサ10は、誘電体層1を誘電体層として備える。コンデンサ10は、一対の電極2と、二つの電極の間にある誘電体層1とを備える(図1参照)。
【0478】
電極2は、金属が蒸着されることによって形成される薄膜状の電極層であってもよく、又は金属箔であってもよい。電極2を構成する金属は、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、錫及びこれらの合金よりなる群から選択される少なくとも1種が含まれる。電極2を構成する金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
【0479】
コンデンサ10は、電極面積が広い程、高容量となり、また誘電体層の誘電率が高い程、高容量となり、さらに電極間距離が狭い程、高容量となる。本実施形態に係るコンデンサ10は、本実施形態に係る高誘電率を有する高分子化合物から形成された誘電体層1を使用しているため、コンデンサの高容量化が図られる。
【0480】
本実施形態に係るコンデンサ10を作製する際に、成形用組成物が成膜された後に膜中の高分子化合物を重合することと、膜に金属を蒸着して電極を形成することとが、同じ工程中で行われてもよい。この場合、膜から誘電体層を形成することと、蒸着電極を形成することとが、効率的に行われうる。
【0481】
また、本実施形態に係るコンデンサは、巻回型(以下、巻き取り型ともいう)コンデンサ又は積層型コンデンサのいずれでもよい。巻き取り型コンデンサ100は、図2に示すような、一対の電極11と、この一対の電極11の間に配置されている誘電体層21とを有する構造の巻回体41を備えている。また、積層型コンデンサ10は、図1に示すような、一対の電極2と、この一対の電極2の間に配置されている誘電体層1とを有する構造の積層体を備えている。
【0482】
巻き取り型コンデンサ100は、例えば以下のようにして作製することができる。まず、本実施形態に係る高分子化合物を含むフィルムを誘電体層21とし、この誘電体層21の一方の面に、蒸着法、スパッタリング法等により、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等を含む電極層を形成して電極11とすることにより、金属化フィルム31を作製する。この場合、金属化フィルム31には、一方の長辺に沿って、電極11を形成しないマージン部22が設けられている。
【0483】
次に、通常一対の金属化フィルム31を、各々の長辺同士を揃えて重ね、かつ金属化フィルム31のマージン部22が形成された長辺が互いに逆になるようにして、電極11が誘電体層21を介して対向するように巻き取る。このように重ねた一対の金属化フィルム31を巻き取ることで、円柱状の巻回物を得、この巻回物の側面を両側から押圧して、断面長円状の巻回体41を得ることができる。
【0484】
続いて、メタリコン(金属溶射法)により、巻回体41の両端のそれぞれに、外部電極51、52を形成することで、巻き取り型コンデンサ100を得ることができる。外部電極51、52は、例えばアルミニウム、亜鉛、マグネシウム、これらを含む合金などで形成される。外部電極51、52の各々は、一対の電極11のそれぞれに電気的に接続され、一対の電極11が一対の内部電極を構成している。そして、外部電極51、52のそれぞれに、外部接続端子61、62を、半田溶接により、電気的に接続することにより、図2Bに示すコンデンサ100を作製することができる。このように、コンデンサ100において、誘電体層21の厚みが維持されつつ、コンデンサ100の静電容量がより大きくなりうる。そして、コンデンサ100の静電容量が維持されつつ、コンデンサ100の小型化が達成されうる。なお、本開示の「実施例1~実施例215」の誘電率及び静電容量の値は、上述の方法に基づき作製された巻き取り型コンデンサ100を用いて、測定された値である。
【0485】
また、本実施形態に係るコンデンサ10、100の静電容量は、例えば8.0×10μF以上であり、1.0×10μF以上であることが好ましく、1.2×10μF以上であることがより好ましく、1.4×10μF以上であることがさらに好ましい。また、コンデンサ10、100の静電容量の上限が特に限定されないが、例えば2.0×10μF以下である。
【0486】
(5)(変形例)
本実施形態に係る高分子化合物は、フィルムやコンデンサのみでなく、種々の製品に含有させることができる。また、本実施形態に係る高分子化合物を含有する成形用組成物は、種々の製品を作製する際に用いられる。
【0487】
本実施形態に係る成形用組成物は、誘電体ミラー、熱伝導部材、プリント配線板、及び半導体封止材料等を作製する際に用いられる。なお、成形用組成物は、使用する用途又は目的に応じて、適宜の組成を有しうる。例えば、本実施形態に係る成形用組成物は、使用する用途又は目的に応じて、フィルムを作製する際に使用した水などの溶剤、重合開始剤及び硬化剤以外の成分を含有してもよい。
【0488】
誘電体ミラーは、本実施形態に係る高分子化合物を含有したフィルムをガラス基板上に層状に複数形成することによって、複数の誘電体層を積層して作製される。
【0489】
熱伝導部材は、本実施形態に係る高分子化合物と熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性樹脂組成物を硬化させて作製した成形体を、シート状に切断することで成形体シートを得た後に、そのシートをプレスすることにより作製される。
【0490】
プリント配線板は、本実施形態に係る高分子化合物を含有するフィルムを用いて作製された樹脂基板に対して、その表面に導体を形成して、作製される。
【0491】
半導体封止材料は、本実施形態に係る高分子化合物と無機フィラーと硬化剤とを有機溶剤中に加え、混合し分散させることで半導体接続部封止用接着剤ワニスを調製し、そのワニスを基材フィルム上に塗布し、加熱により有機溶剤を乾燥させて、フィルム状接着剤とすることにより、得られる。前記の半導体接続部封止用接着剤ワニスの調整時、触媒として硬化促進剤を添加しても良い。また、他の添加剤を加えても良い。
【0492】
(まとめ)
上記の実施形態及び実施例から明らかなように、本開示の第一の態様に係る高分子化合物は、複素環とカルボニル基と前記複素環に結合している置換基とを有する構成単位(U)を有し、前記置換基は、ハロゲン基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。
【0493】
第一の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0494】
本開示の第二の態様に係る高分子化合物は、第一の態様において、前記置換基は、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr及びCHOHCHOHよりなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。
【0495】
第二の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0496】
本開示の第三の態様に係る高分子化合物は、第一又は第二の態様において、前記複素環が窒素原子を有する。
【0497】
第三の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0498】
本開示の第四の態様に係る高分子化合物は、第一から第三のいずれか一の態様において、前記複素環に前記カルボニル基が直接結合している。
【0499】
第四の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0500】
本開示の第五の態様に係る高分子化合物は、第一から第四のいずれか一の態様において、前記構成単位(U)が化学構造式(A)で示される構成単位(UA)を含み、化学構造式(A)中のR、R及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR、R及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0501】
第五の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0502】
本開示の第六の態様に係る高分子化合物は、第五の態様において、化学構造式(A)において、RがHであり、かつRがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF2、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであり、又はRがHであり、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じであり、又はRが、Hであり、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じである。
【0503】
第六の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0504】
本開示の第七の態様に係る高分子化合物は、第五の態様において、化学構造式(A)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRの各々がRと同じである。
【0505】
第七の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0506】
本開示の第八の態様に係る高分子化合物は、第一から第七のいずれか一の態様において、前記構成単位(U)が化学構造式(B)で示される構成単位(UB)を含み、化学構造式(B)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0507】
第八の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0508】
本開示の第九の態様に係る高分子化合物は、第八の態様において、化学構造式(B)において、RがHであり、かつRがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、又はRがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、CHF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じである。
【0509】
第九の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0510】
本開示の第十の態様に係る高分子化合物は、第一から第九のいずれか一の態様において、前記構成単位(U)が化学構造式(C1)で示される構成単位(UC1)を含み、化学構造式(C1)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0511】
第十の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0512】
本開示の第十一の態様に係る高分子化合物は、第十の態様において、化学構造式(C1)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF2、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じである。
【0513】
第十一の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0514】
本開示の第十二の態様に係る高分子化合物は、第一から第十一のいずれか一の態様において、前記構成単位(U)が化学構造式(C2)で示される構成単位(UC2)を含み、化学構造式(C2)中のR及びRは各々独立に、H、F、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr又はCHOHCHOHであり、かつR及びRのうち少なくとも一つはHではない。
【0515】
第十二の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0516】
本開示の第十三の態様に係る高分子化合物は、第十二の態様において、化学構造式(C2)において、RがF、Cl、Br、OH、CHO、COOH、CH、C、CHF、CHF、CF、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr若しくはCHOHCHOHであり、かつRが、H若しくはRと同じである。
【0517】
第十三の態様によると、高誘電率を有する高分子化合物が提供される。
【0518】
本開示の第十四の態様に係る成形用組成物は、第一から第十三のいずれか一の態様の高分子化合物を含有する。
【0519】
第十四の態様によると、高誘電率を有する成形用組成物が提供される。
【0520】
本開示の第十五の態様に係るフィルムは、第一から第十三のいずれか一の態様の高分子化合物を含有する。
【0521】
第十五の態様によると、高誘電率を有するフィルムが提供される。
【0522】
本開示の第十六の態様に係るコンデンサは、第一から第十三のいずれか一の態様の高分子化合物を含有する誘電体層を備える。
【0523】
第十六の態様によると、高誘電率を有するコンデンサが提供される。
【符号の説明】
【0524】
1、21 誘電体層
2、11 電極
10、100 コンデンサ
22 マージン部
31 金属化フィルム
41 巻回体
51、52 外部電極
61、62 外部接続端子
図1
図2