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特開2025-106072部分的直接インジェクタを有する燃料噴射アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025106072
(43)【公開日】2025-07-11
(54)【発明の名称】部分的直接インジェクタを有する燃料噴射アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/34 20060101AFI20250704BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20250704BHJP
   F23R 3/08 20060101ALI20250704BHJP
【FI】
F23R3/34
F23R3/28 B
F23R3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024209534
(22)【出願日】2024-12-02
(31)【優先権主張番号】18/543,135
(32)【優先日】2023-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェイズ、ホマユーン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ、マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ベリー、ジョナサン ドワイト
(57)【要約】
【課題】水素のような代替燃料と空気を二次燃焼域に供給できる燃料噴射アセンブリを提供する。
【解決手段】ガスタービンエンジン(10)の燃焼器(17)用の燃料噴射アセンブリ(80)は、燃焼器の外側スリーブ(48)に結合するように構成された燃料インジェクタ(200)を備える。ボス(300)は、燃料インジェクタ(200)と軸方向及び周方向に整列した位置で燃焼器(17)の燃焼ライナ(46)に結合するように構成される。インサート(600)は、ボス(300)に取外し自在に結合される。インサート(600)は、フランジ部(304)と、フランジ部から延在して混合流路(312)を画成する環状壁部(306)とを含む。インサート(600)は、互いに離間して混合流路(312)の周囲に配置された複数の部分的直接インジェクタ(500)を画成する。かかる燃料噴射アセンブリ(80)を含む燃焼器(17)も提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(10)の燃焼器(17)用の燃料噴射アセンブリ(80)であって、当該燃料噴射アセンブリ(80)が、
燃焼器(17)の外側スリーブ(48)に結合するように構成された燃料インジェクタ(200)と、
燃料インジェクタ(200)と軸方向及び周方向に整列した位置で燃焼器(17)の燃焼ライナ(46)に結合するように構成されたボス(300)と、
ボス(300)に取外し自在に結合されたインサート(600)と
を備えており、インサート(600)が、フランジ部(304)、及びフランジ部(304)から延在する環状壁部(306)であって混合流路(312)を画成する環状壁部(306)を含んでおり、インサート(600)が、互いに離間して混合流路(312)の周囲に配置される複数の部分的直接インジェクタ(500)を画成している、燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項2】
複数の部分的直接インジェクタ(500)の1以上の部分的直接インジェクタ(500)がインサート(600)のフランジ部(304)に画成されている、請求項1に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項3】
複数の部分的直接インジェクタ(500)の1以上の部分的直接インジェクタ(500)がインサート(600)の環状壁部(306)に画成されている、請求項1に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項4】
インサート(600)が、複数の部分的直接インジェクタ(500)に各々流体連結した空気供給回路(506)及び燃料供給回路(508)を画成する、請求項1に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項5】
空気供給回路(506)が、空気入口通路(512)、空気プレナム(514)、及び複数の空気出口通路(516)であって各々空気プレナム(514)から複数の部分的直接インジェクタ(500)のそれぞれの部分的直接インジェクタ(500)まで延在する複数の空気出口通路(516)を含んでいる、請求項4に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項6】
空気プレナム(514)が環状である、請求項5に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項7】
複数の部分的直接インジェクタ(500)の各部分的直接インジェクタ(500)が、インサート(600)のフランジ部(304)の半径方向内側面(309)の出口(502)まで延在している、請求項1に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項8】
複数の部分的直接インジェクタ(500)の各部分的直接インジェクタ(500)が、境界面(518)によってインサート(600)に画成され、境界面(518)が、円筒部(520,530)とテーパ部(522)とを有する、請求項1に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項9】
空気供給回路(506)の空気出口通路(516)が境界面(518)のテーパ部(522)まで延在している、請求項8に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項10】
燃料供給回路(508)の燃料入口通路(536)が、空気出口通路(516)に対して略垂直に複数の部分的直接インジェクタ(500)のそれぞれの部分的直接インジェクタ(500)まで延在している、請求項9に記載の燃料噴射アセンブリ(80)。
【請求項11】
燃焼器(17)であって、当該燃焼器(17)が、
1以上の燃料ノズル(40)と、
1以上の燃料ノズル(40)の下流側に延在して燃焼室(70)を画成する燃焼ライナ(46)と、
燃焼ライナ(46)から離間してその周りを取り囲んで、燃焼ライナ(46)との間にアニュラス(47)を画成する外側スリーブ(48)と
1以上の燃料ノズル(40)の下流側に配置された燃料噴射アセンブリ(80)であって、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ(80)と
を備える燃焼器(17)。
【請求項12】
インサート(600)のフランジ部(304)が燃焼室(70)を部分的に画成し、各部分的直接インジェクタ(500)が、インサート(600)のフランジ部(304)の半径方向内側面(309)の出口(502)まで延在していて、出口(502)が燃焼室(70)と流体連通している、請求項11に記載の燃焼器(17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガスタービン燃焼器用の燃料インジェクタ、さらに具体的には、かかる燃焼器に付随する軸方向燃料ステージング(AFS)システムで使用される燃料インジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達のために様々な産業及び用途で利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクション、燃焼セクション、タービンセクション及び排気セクションを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に増大させ、その圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体と燃料(天然ガスなど)は燃焼セクションで混合され、燃焼室で燃焼して高圧高温の燃焼ガスを発生させる。燃焼ガスは燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を生じる。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、発電機などに接続されたロータシャフトを回転させる。燃焼ガスは次いで排気セクションを経てガスタービンエンジンから排出される。
【0003】
ある種の燃焼器では、燃焼ガスの発生は軸方向に離間した2段階で起こる。かかる燃焼器は、本明細書では、「軸方向燃料ステージング」(AFS)システムを含むものといい、燃焼器のヘッドエンドの下流の1以上の燃料インジェクタに燃料及び酸化剤を送る。AFS方式の燃焼器では、燃焼器の上流側の主燃料ノズルから燃料と空気(又は燃料と空気の混合気)を一次燃焼域に軸方向に噴射し、主燃料ノズルの下流側位置に位置するAFS燃料インジェクタで、主燃焼域の下流の二次燃焼域に燃料と空気(又は第2の燃料と空気の混合気)をクロスフローとして噴射する。クロスフローは、一般に、一次燃焼域からの燃焼生成物の流れに対して横断方向である。
【0004】
従来のガスタービンエンジンは、燃焼室内で天然ガスと空気の混合物を燃焼させて高圧及び高温の燃焼ガスを生成する1以上の燃焼器を含む。副生物として、窒素酸化物(NOx)その他の汚染物質が発生し、排気セクションから排出される。ガスタービンからの低排出ガスに関する規制要件はますます厳しくなっており、世界中の環境当局は、新規及び既存のガスタービンの両方からのNOx及びその他の汚染物質の排出率をさらに低減することを要求している。
【0005】
天然ガスの代わりに燃焼器内で天然ガスと大量の水素との混合物を燃焼及び/又は純粋な水素を燃焼させると、COの排出が大幅に削減又は解消される。しかし、水素の燃焼特性は天然ガスとは異なるため、従来のAFS燃料インジェクタを含む従来の燃焼システムでは、高濃度水素及び/又は純水素を問題なく燃焼させることはできない。例えば、従来の燃焼システム内で高濃度水素及び/又は純水素を燃焼させると、燃焼炎がインジェクタから供給される燃料に向かって移動するフラッシュバック又は火炎保持状態が促進され、比較的短時間でインジェクタに深刻な損傷を与えかねない。
【0006】
そこで、当技術分野では、火炎保持又はフラッシュバックの問題を引き起こさずに、代替燃料(水素など)及び空気を二次燃焼域に送ることができる燃料噴射アセンブリが望まれている。
【発明の概要】
【0007】
本開示に係る燃料噴射アセンブリ及び方法の態様及び利点について、以下の詳細な説明に記載するが、以下の詳細な説明から自明となるものもあろうし、或いは本技術の実施を通して習得できるものもあろう。
【0008】
一実施形態では、ガスタービンの燃焼器用の燃料噴射アセンブリは、燃焼器の外側スリーブに結合するように構成された燃料インジェクタを含む。ボスは、燃料インジェクタと軸方向及び周方向に整列した位置で燃焼器の燃焼ライナに結合するように構成される。インサートはボスに取外し自在に結合される。インサートは、フランジ部と、フランジ部から延在して混合流路を画成する環状壁部とを含む。インサートは、互いに離間して混合流路の周囲に配置される複数の部分的直接インジェクタを画成する。
【0009】
別の実施形態では、ガスタービンエンジン用の燃焼器を提供する。燃焼器は、1以上の燃料ノズルと、燃料ノズルの下流側に延在する燃焼ライナと、燃焼ライナから離間してその周りを取り囲んで、燃焼ライナとの間にアニュラスを画成する外側スリーブと、1以上の燃料ノズルの下流側に配置された燃料噴射アセンブリとを含む。燃料噴射アセンブリは、燃焼器の外側スリーブに結合するように構成された燃料インジェクタを含む。ボスは、燃料インジェクタと軸方向及び周方向に整列した位置で燃焼器の燃焼ライナに結合するように構成される。インサートはボスに取外し自在に結合される。インサートは、フランジ部と、フランジ部から延在して混合流路を画成する環状壁部とを含む。インサートは、互いに離間して混合流路の周囲に配置される複数の部分的直接インジェクタを画成する。
【0010】
本燃料噴射アセンブリ及び方法の上記その他の特徴、態様及び利点については、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって理解を深めることができよう。添付の図面は、本明細書の内容の一部をなすものであり、本開示技術の様々な実施形態を例示するとともに、発明の詳細な説明と併せて本技術の原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本燃料噴射アセンブリ及び方法について、以下の詳細な説明において、添付の図面を参照して、本システム及び方法の製造及び使用に関する最良の形態を含めて、当業者が実施できるように十分に開示する。
図1】本開示の実施形態に係るターボ機械の概略図。
図2】本開示の実施形態に係る図1のターボ機械で使用し得る燃焼器の概略図。
図3】本開示の実施形態に係る燃料噴射アセンブリを有する燃焼器の一部の拡大斜視図。
図4】本開示の実施形態に係る図3に示す燃焼器に取り付けられた燃料噴射アセンブリの4-4矢視断面図。
図5】本開示の実施形態に係る燃焼器に取り付けられた燃料噴射アセンブリの断面図。
図6】本開示の実施形態に係る図4又は図5に示す燃料噴射アセンブリのボスの6-6矢視断面図。
図7】本開示の実施形態に係るその中に画成される部分的直接インジェクタを有するボスの部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本燃料噴射アセンブリ及び方法の様々な実施形態について詳細に説明し、その1以上の実施例を図面に示す。各実施例は、本技術を限定するものではなく、例示のためのものである。実際、特許請求の範囲に記載された技術的範囲及び技術的思想を逸脱することなく、本技術に様々な修正及び変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示又は記載された特徴を、別の実施形態と共に用いてさらに別の実施形態とすることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲に属する修正及び変更を包含する。
【0013】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例又は説明として役立つ」という意味で用いられる。本明細書で「例示的」と記載された実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解すべきではない。さらに、別途特定されていない限り、本明細書に記載されたすべての実施形態は例示的なものであると解される。
【0014】
発明の詳細な説明では、図面に記載された特徴を参照するために数字及び文字による符号を用いる。図面及び発明の詳細な説明において、同様又は類似の符号は本発明の同様又は類似の部材を示す。本明細書において、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、ある部品を他の部品と区別するために互換的に用いられ、個々の部品の位置又は重要性を意味するものではない。
【0015】
「流体」という用語は、気体でも液体でもよい。「流体連通」という用語は、所定の領域間で流体を流す又は流体を送ることができることを意味する。
【0016】
本明細書で用いる[上流」(又は「前方」)及び「下流」(又は「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を示す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向をいい、「下流」は流体が流れていく方向をいう。「半径方向」という用語は、ある部品の軸方向中心線に対して実質的に垂直な相対的方向をいい、「軸方向」という用語は、ある部品の軸方向中心線に対して実質的に平行及び/又は同軸である相対的方向をいい、「周方向」という用語は、ある部品の軸方向中心線の周りの相対的方向をいう。
【0017】
「約」、「略」及び「実質的に」のような近似的用語は、記載された厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度或いは部品及び/又はシステムの構築又は製造のための方法又は機械の精度に対応する。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度或いは部品及び/又はシステムの構築又は製造のための方法又は機械の精度に対応する。例えば、近似表現は、個々の数値、数値範囲及び/又は数値範囲を限定するための上下限のいずれかの1%、2%、4%、5%、10%、15%又は20%以内の誤差をいうことがある。角度又は方向に関して用いる場合、かかる用語は、記載された角度又は方向の±10度以内を包含する。例えば、「略鉛直」とは、鉛直から任意の方向(例えば時計回り又は反時計回り)に10度以内の方向を包含する。
【0018】
「結合」、「固定」又は「取付け」などの用語は、本明細書で別途記載されていない限り、直接的な結合、固定又は取付けだけでなく、1以上の中間部品又は特徴を介しての間接的な結合、固定又は取付けも意味する。「直接結合」、「直接固定」、「直接取付け」などの用語は、第1の構成要素が介在構造なしで第2の構成要素に接合されていることをいう。本明細書で用いる「含む」、「備える」及び「有する」という用語は、非排他的に含んでいることを包含するものである。例えば、列挙された特徴を含むプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの特徴に限定されるものではなく、明示的に列挙されておらず、またかかるプロセス、方法、物品又は装置に固有でもない別の特徴を含んでいてもよい。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は、別途記載されているか前後関係から明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を包含する。例えば、本明細書に開示された範囲はすべて上下限を含んでおり、上下限は互いに独立して組合せることができる。
【0020】
本明細書で用いる「予混合」という用語は、それぞれの燃焼域の上流の部品、通路又はキャビティであってその内部で混合が起こるものを表すために使用し得る。例えば、「予混合」は、部品、通路又はキャビティであって、2種類の流体(燃料及び空気など)が一緒に混合されてから、かかる部品、通路又はキャビティから(例えば燃焼域に)排出されるものを表すために使用し得る。
【0021】
ここで図面を参照すると、図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示すが、この図に示す実施形態ではターボ機械はガスタービンエンジン10である。本明細書では、産業用又は陸用ガスタービンについて記載及び説明するが、本開示は、特許請求の範囲に別途記載されていない限り、陸用及び/又は産業用ガスタービンエンジンに限定されるものではない。例えば、本明細書に記載された技術は、限定されるものではないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン又は船舶用ガスタービンを始めとする、あらゆる種類のターボ機械に使用し得る。
【0022】
図に示すように、ガスタービンエンジン10は、一般に、吸気セクション12、吸気セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14、圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器17(図2参照)、燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18及びタービンセクション18の下流に配置された排気セクション20を含む。さらに、ガスタービンエンジン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18の間を結合する1以上のシャフト22を含んでいてもよい。シャフト22は、発電のため発電機(図示せず)に結合していてもよい。
【0023】
圧縮機セクション14は、一般に、複数のロータディスク24(その1つを図示する)及び各ロータディスク24から半径方向外側に延在しかつ接続した複数のロータ動翼26を含む。各ロータディスク24は、圧縮機セクション14を貫通するシャフト22に結合しているか或いはシャフト22の一部をなす。圧縮機セクション14は、さらに複数の静翼(図示せず)も備えており、ロータ動翼26と共に複数の段に配置され、流れをロータ動翼26に導く。
【0024】
タービンセクション18は、一般に、複数のロータディスク28(その1つを図示する)及び各ロータディスク28から半径方向外側に延在しかつ接続した複数のロータ動翼30を含む。各ロータディスク28は、タービンセクション18を貫通するシャフト22に結合しているか或いはシャフト22の一部をなす。タービンセクション18は、シャフト22及びロータ動翼30の一部を周方向に囲繞する外側ケーシング31をさらに含んでおり、タービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画成する。タービンセクション18は、さらに複数の静翼(図示せず)も備えており、ロータ動翼30と共に複数の段に配置され、流れをロータ動翼30に導く。
【0025】
運転中、空気のような作動流体が吸気セクション12から圧縮機セクション14に流入し、そこで動翼及び静翼の複数の圧縮機段によって空気が漸次圧縮され、燃焼器セクション16の燃焼器17に圧縮空気15を供給する。圧縮空気15は燃料と混合され、各燃焼器内で燃焼して燃焼ガス34を生成する。燃焼ガス34は、燃焼器セクション16から高温ガス経路32を通ってタービンセクション18に流れ込み、そこで燃焼ガス34からロータ動翼30にエネルギー(運動及び/又は熱)が伝達され、シャフト22を回転させる。機械的回転エネルギーは、次いで圧縮機セクション14を駆動するため及び/又は発電のために使用し得る。タービンセクション18を出た燃焼ガス34は、次いで、排気セクション20を介してガスタービンエンジン10から排出し得る。
【0026】
図2は、燃焼器17の概略図であり、ガスタービン10用のカニュラ燃焼システム16に含めることができる。カニュラ燃焼システムでは、複数(例えば8、10、12、14、16又はそれ以上)の燃焼器17が、圧縮機セクション14をタービンセクション18に接続するシャフト22の周りに環状配列に配置される。
【0027】
図2に示すように、燃焼器17は、軸方向中心線170に沿って延在する軸方向Aを画成し得る。燃焼器はまた、軸方向A及び軸方向中心線170の周囲に延在する周方向Cを画成し得る。燃焼器17は、軸方向A及び軸方向中心線170と直交する半径方向Rをさらに画成し得る。
【0028】
図2に示すように、燃焼器17は、燃焼室70を画成する燃焼ライナ46を備える。燃焼ライナ46は、外側スリーブ48の内側に位置し(すなわち、外側スリーブ48によって周方向に囲まれ)、それらの間にアニュラス47が形成される。燃焼ライナ46は、燃焼ガスを収容し、タービンセクション18に搬送し得る。燃焼ライナ46は、燃焼が起こる燃焼室70を画成する。図2に示すように、燃焼ライナ46は、燃料ノズル40と後方フレーム118の間に延在し得る。燃焼ライナ46は、多くの従来の燃焼システムのように、略円筒状のライナ部分と、略円筒状のライナ部分とは別個のテーパ状のトランジション部分とを有し得る。或いは燃焼ライナ46は、略円筒部及びテーパ部が互いに一体化されている一体(又は「ユニボディ」)構造を有していてもよい。したがって、本明細書における燃焼ライナ46についての説明は、すべて、別個のライナ及びトランジションピースを有する従来の燃焼システムと、ユニボディライナを有する燃焼システムの両方を包含する。さらに、本開示は、タービンセクション18のトランジションピースと第1段ノズルとが一体化された燃焼システム(「トランジションノズル」又は「一体型出口ピース」とも呼ばれる)にも同様に適用可能である。
【0029】
図2は、本明細書でさらに説明する通り、燃料ノズル40と1以上の燃料噴射アセンブリ80(軸方向燃料ステージング(AFS)システムとも呼ばれる)の両方を有する燃焼器17を示す。1以上の燃料ノズル40は、燃焼器17の前方端に配置し得る。燃料は、エンドカバー42を通って延在する燃料供給導管38を通って、燃料ノズル40内に送ることができる。燃料ノズル40は、燃料及び圧縮空気15を一次燃焼域72に搬送し、そこで燃焼が起こる。幾つかの実施形態では、燃料及び圧縮空気15は、一次燃焼域72に達する前に混合されて混合物となる。
【0030】
燃焼ライナ46は、圧縮空気15が燃焼器17のヘッドエンドへと流れるアニュラス47を画成するために、燃焼ライナ46の半径方向外側に離間した外側スリーブ48によって取り囲まれていてもよい。例えば、圧縮空気15は、外側スリーブ48を通って(例えば後方フレーム118に近接するインピンジメント穴を通って)アニュラス47に入り、エンドカバー42に向かって移動し、アニュラス47内の圧縮空気15は、燃焼ライナ46内の燃焼ガス172(図1の符号34)の方向とは反対に流れる。熱は燃焼ライナ46から圧縮空気15に対流伝達され、燃焼ライナ46は冷却され、圧縮空気15は暖められる。
【0031】
幾つかの実施形態では、外側スリーブ48は、互いに結合したフロースリーブ及びインピンジメントスリーブを含んでいてもよい。フロースリーブは、前方端に配置され、インピンジメントスリーブは、後方端に配置していてもよい。或いは外側スリーブ48は、フロースリーブ及びインピンジメントスリーブが軸方向に互いに一体化されている一体(又は「ユニスリーブ」)構造を有していてもよい。前述の通り、本明細書における外側スリーブ48に関する説明は、別個のフロースリーブ及びインピンジメントスリーブを有する従来の燃焼システムと、ユニスリーブ外側スリーブを有する燃焼システムの両方を包含することを意図する。
【0032】
燃焼器17の前方ケーシング50及びエンドカバー42は、1以上の燃料ノズル40を含むヘッドエンド空気プレナム122を画成する。燃料ノズル40は、バンドル管燃料ノズルやスワーラノズル(しばしば「スウォズル」と呼ばれる)など、任意のタイプの燃料ノズルであってもよい。燃料ノズル40は、前方ケーシング50によって少なくとも部分的に画成されたヘッドエンド空気プレナム122内に配置し得る。多くの実施形態では、燃料ノズル40は、エンドカバー42から延在し得る。例えば、各燃料ノズル40は、フランジ(図示せず)を介してエンドカバー42の後方面に結合していてもよい。図2に示すように、1以上の燃料ノズル40は、燃焼ライナ46によって部分的に囲まれていてもよい。燃料ノズル40の後方又は下流側端部は、燃焼室70の上流側端部を画成するキャッププレート44を貫通するか又は集合的に画成する。
【0033】
燃料ノズル40は、燃料ノズル40に第1の燃料158を供給するように構成された第1の燃料供給150と流体連通していてもよい。多くの実施形態では、第1の燃料158は、天然ガス(メタン、エタン、プロパン又は他の適切な天然ガスなど)及び/又は水素を含む燃料混合物であってもよい。他の実施形態では、第1の燃料158は、第1の燃料が複数の燃料の混合物ではないように、純粋な天然ガス又は純粋な水素(例えば100%水素、ある程度の量の夾雑物を含んでいてもよいし、含まなくてもよい)であってもよい。例示的な実施形態では、第1の燃料158と圧縮空気15は、燃料ノズル40によって一次燃焼域72に噴出(又は噴射)される前に、燃料ノズル40内で一緒に混合されて圧縮空気15と第1の燃料158の第1の混合物を形成し得る。
【0034】
前方ケーシング50は、圧縮機吐出ケーシング60に流体及び機械的に接続してもよく、圧縮機吐出ケーシング60は、燃焼ライナ46及び外側スリーブ48の周囲に高圧プレナム66を画成する。圧縮機セクション14からの圧縮空気15は、高圧プレナム66を通過し、外側スリーブ48の下流端(後方フレーム118の近くの矢印で示す)の開口(図示せず)を介して燃焼器17に入る。圧縮空気は、アニュラス47を通って上流側に移動し、エンドカバー42で反転して燃料ノズル40に入り、ヘッドエンドを冷却する。特に、圧縮空気15は、高圧プレナム66から、外側スリーブ48に画成された開口を介して、燃焼器17の後方端にあるアニュラス47に流入する。圧縮空気15は、燃焼器17の後方端からヘッドエンド空気プレナム122まで上流側に移動し、そこで圧縮空気15は方向を反転させて燃料ノズル40に入る。
【0035】
例示的な実施形態では、燃料噴射アセンブリ80は、第2の燃料/空気混合気を一次燃焼域72から下流の二次燃焼域74に送るために設けられる。例えば、燃料及び空気の第2の流れを、1以上の燃料インジェクタ200によって二次燃焼域74に導入していてもよい。
【0036】
一次燃焼域72及び二次燃焼域74は、それぞれ燃焼室70の一部であってもよく、燃焼ライナ46によって画成し得る。例えば、一次燃焼域72を燃料ノズル40の出口から燃料インジェクタ200まで画成し、二次燃焼域74を燃料インジェクタ200から後方フレーム118まで画成してもよい。この構成では、燃料インジェクタ200の最も前方の境界は、一次燃焼域72の終点及び二次燃焼域74の始点(例えば燃料及び空気の第2の流れが導入される軸方向位置)を画成し得る。
【0037】
このように軸方向に隔てられた燃焼域を有する燃焼システムは、「軸方向燃料ステージング」(AFS)システムとして説明される。燃料噴射アセンブリ80は、外側スリーブ48上で周方向に互いに離間して(例えば幾つかの実施形態では等間隔に離間して)配置していてもよい。多くの実施形態では、燃焼器17は、互いに周方向に離間して配置され、燃料インジェクタ200を介して燃料及び空気の第2の混合物を二次燃焼域74に噴射するように構成された4つの燃料噴射アセンブリ80を含んでいてもよい。他の実施形態では、燃焼器17は、任意の数(例えば1、2、3又は最大10個)の燃料噴射アセンブリ80を含んでいてもよい。
【0038】
図2に示すように、各燃料噴射アセンブリ80は、燃料インジェクタ200と、燃料インジェクタ200と周方向及び軸方向に整列したボス300とを含んでいてもよい。燃料インジェクタ200を外側スリーブ48に結合してもよく、ボス300を燃焼ライナ46に結合して、アニュラス47内に配置していてもよい。特に、燃料インジェクタ200を外側スリーブ48の半径方向外側面に結合してもよく、ボス300を燃焼ライナ46の半径方向外側面に結合していてもよい。ボス300は、燃料インジェクタ200から半径方向に離間していてもよい。以下でさらに詳しく説明する通り、ボス300はアニュラス47に流体連結してもよく、燃料インジェクタ200は高圧プレナム66に流体連結していてもよい。
【0039】
燃料供給導管102は、燃料インジェクタ200に流体連結し得る。燃料インジェクタ200は、燃料供給導管102を介して燃料インジェクタ200に第2の燃料160を供給するように構成された第2の燃料供給装置152と流体連通していてもよい。第2の燃料供給装置152は、燃料インジェクタ200が燃料ノズル40と同じ燃料又は異なる燃料を供給されるように、第1の燃料供給装置150と同じでも異なっていてもよい。多くの実施形態では、第2の燃料160は、天然ガス(メタン、エタン、プロパン又は他の適切な天然ガスなど)及び/又は水素を含む燃料混合物であってもよい。他の実施形態では、第2の燃料160は、第1の燃料が複数の燃料の混合物ではないように、純粋な天然ガス又は純粋な水素(例えば100%水素、ある程度の量の夾雑物を含んでいてもよいし、含まなくてもよい)であってもよい。例示的な実施形態では、第2の燃料160及び圧縮空気15は、燃料インジェクタ200内で一緒に混合され、ボス300に噴射される前に圧縮空気15及び第2の燃料160の混合物を形成してもよく、この混合物は、二次燃焼域74に噴射される前に、アニュラス47からの空気とさらに混合(又は希釈)される。
【0040】
ここで図3を参照すると、本開示の実施形態に係る燃焼器17及び燃料噴射アセンブリ80の一部の拡大斜視図が示してある。図に示す通り、燃料噴射アセンブリ80は、外側スリーブ48に結合した燃料インジェクタ200を含んでいてもよい。特に、燃料インジェクタ200は、外側スリーブ48の半径方向外側又は外側面に結合していてもよい。例えば、燃料インジェクタ200は、本体204と、本体204から外側に延在するインジェクタフランジ206とを含んでいてもよい。1以上の留め具208(ねじ付き留め具又は他の適切な留め具など)は、燃料インジェクタ200を外側スリーブ48に結合するために、インジェクタフランジ206を通って外側スリーブ48内に延在し得る。留め具208の1以上は、インジェクタフランジ206を通ってボス300内に延在し得る。
【0041】
多くの実施形態では、燃料インジェクタ200の本体204は、前方端壁210と後方端壁212の間の軸方向中心線252に沿って延在し得る。多くの実施形態では、燃料インジェクタ200の軸方向中心線252は、概して燃焼器17の軸方向Aと整列し得る(又は燃焼器17の軸方向Aに対して若干傾いていてもよい)。側壁214は、燃料インジェクタ200の軸方向中心線252に対して、前方端壁210と後方端壁212の間を略軸方向に延在し得る。多くの実施形態では、前方端壁210及び後方端壁212は、各々、直線部分216及び傾斜部分218を含んでいてもよい。直線部分216は、軸方向中心線252に対して略垂直に配向し、傾斜部分218は、各々、直線部分216とそれぞれの側壁214の間に延在している。
【0042】
導管継手215は、軸方向中心線252に沿って本体204の前方端壁210から外側に延在し得る。特に、導管継手215は、前方端壁210の直線部分216の軸方向中心線252に沿って外側に延在し得る。導管継手215は、燃料供給導管102からの燃料の流れを受け取るように、燃料供給導管102に流体連結し得る。導管継手215は、任意の適切なサイズ及び形状を有してもよく、導管継手215が本明細書に記載の通り機能できるようにする燃料インジェクタ200の任意の適切な部分と一体に形成してもよい又は結合していてもよい。
【0043】
例示的な実施形態では、燃料噴射アセンブリ80は、燃料インジェクタ200に結合したデブリフィルタ400をさらに含んでいてもよい。デブリフィルタ400は、高圧プレナム66から燃料インジェクタ200に入る全ての空気がデブリフィルタ400を通過するように、燃料インジェクタ200を取り囲んでいてもよい。例えば、デブリフィルタ400は、前方端壁210、後方端壁212及び側壁214の間に延在し得る。デブリフィルタ400には、それを貫通する複数の穴402(図4及び図5)が画成されていてもよく、高圧プレナム66と燃料インジェクタ200の間の流体連通を可能にする。複数の穴402は、デブリ(煤又は他のデブリなど)が燃料インジェクタ200に進入するのを防ぐ大きさであってもよく、これは、有利には、予混合管226及びそれらのそれぞれの燃料ポート240が詰まるのを防ぐ。さらに、デブリフィルタ400は、入口流調整器として機能し得る。すなわち、デブリフィルタ400は、高圧プレナム66からの圧縮空気が燃料インジェクタ200に入る前に、圧縮空気の不均一性を低減するように機能し得る。
【0044】
図4は、本開示の実施形態に係る図3に示す燃焼器17の4-4矢視断面図を示す。図5は、燃焼器17に取り付けられたボス300の別の実施形態の断面図を示す。
図4及び図5に示すように、燃焼器17は、二次燃焼域74を含む燃焼室70を画成する燃焼ライナ46を含んでいてもよい。外側スリーブ48は、外側スリーブ48と燃焼ライナ46の間にアニュラス47が画成されるように、燃焼ライナ46から半径方向に離間して配置していてもよい。燃焼器17は、燃料噴射アセンブリ80を含めて、高圧プレナム66(図2)内に配置していてもよい。アニュラス47は、1以上のインピンジメント開口90を介して高圧プレナム66に流体連結し得る。インピンジメント開口90は、高圧プレナム66から高圧空気92を燃焼ライナ46の外側面に衝突させる配向及び寸法とし得る。インピンジメントプロセスの際に、高圧空気92は、インピンジメント開口90を通過して低圧空気94となる圧力降下を経験し、燃焼ライナ46から熱を除去することによってエネルギー伝達を受ける(すなわち、低圧空気94が熱を拾う)。低圧空気94は、以下で説明する通り、燃料インジェクタ200に供給していてもよい。
【0045】
燃料噴射アセンブリ80は、燃料インジェクタ200、ボス300及びデブリフィルタ400を含む。燃料噴射アセンブリ80は、ボス300に取外し自在に連結されたインサート600を含んでいてもよい。燃料インジェクタ200は、(例えば1以上の留め具208を介して)外側スリーブ48に結合してもよく、燃料インジェクタ200は、外側スリーブ48から高圧プレナム66に向かって半径方向外側に延在し得る。ボス300は、燃焼ライナ46に(例えば環状溶接継手302を介して)固定結合し、アニュラス47内に配置していてもよい。インサート600は、1以上の留め具、摩擦嵌合その他の手段など、任意の方法でボス300に取外し自在に結合することができる。インサート600は、ボス300によって画成される開口に挿入していてもよい。幾つかの実施形態では、インサート600とボス300は、単一の部品(例えばモノリシック部品)として一体に形成していてもよい。ただし、ボス300とインサート600を別々に形成すると、燃焼器17又は燃料噴射アセンブリ80に損傷を与えずに、インサート600を容易に取外し、修理及び/又は交換できるようになる。
【0046】
多くの実施形態では、インサート600は、フランジ部304及び環状壁部306を含んでいてもよい。環状壁部306は、中心軸350に沿って延在する混合流路312を画成し得る。中心軸350は、混合流路312の中央に配置してもよく、略半径方向に(例えば燃焼器17の半径方向Rと略平行に)配向していてもよい。フランジ部304は、略軸方向及び周方向に延在してもよく、環状壁部306は、フランジ部304から略軸半径方向に(すなわち、フランジ部304から略垂直に)終端部313まで延在し得る。フランジ部304は、燃焼ライナ46に(例えば環状溶接継手302を介して)固定結合していてもよい。
【0047】
フランジ部304は、燃焼室70を部分的に画成してもよい。例えば、フランジ部304は、半径方向外側面305及び半径方向内側面309を含んでいてもよい。半径方向内側面309は、フランジ部304が燃焼室70を部分的に画成するように、燃焼ライナ46の内面49と整列していてもよい(例えば排気ガスはフランジ部304の半径方向内側面309に接触し得る)。フランジ部304は、環状壁部306から環状縁部310まで外側に延在し得る。環状縁部310は、フランジ部304の末端であってもよい。幾つかの実施形態では、環状縁部310は、燃焼ライナ46に(例えば環状溶接継手302を介して)溶接していてもよい。或いは、フランジ部304は、例えば留め具(ボルトなど)、摩擦嵌合、インターロック機能等によって、ボス300に取外し自在に結合していてもよい。フランジ部304の半径方向の厚さは、燃焼ライナ46の半径方向の厚さよりも大きくてもよく、フランジ部304の半径方向外側面305は、燃焼ライナ46の半径方向外側面から半径方向に離間している。
【0048】
インサート600は混合流路312を画成してもよく、混合流路312は、略長方形(又は図6に示すようなスタジアム形状)とし得る。換言すると、その側壁は、混合流路312が軸方向Aに細長くなるように、端壁よりも長くしてもよく、燃料噴射アセンブリ80は、アニュラス47の大部分を妨げずに、燃料/空気の導入量を増やすことができる。
【0049】
図4及び図5に示すように、燃料インジェクタ200は、燃料プレナム224を少なくとも部分的に画成する半径方向外壁220及び半径方向内壁222をさらに含んでいてもよい。また、半径方向外壁220及び半径方向内壁222は、燃料インジェクタ200の前方端壁210(図3)、後方端壁212(図3)及び側壁214の間に延在し得る。このようにして、燃料プレナム224は、半径方向外壁220、半径方向内壁222、前方端壁210、後方端壁212及び側壁214によって総合的に画成することができる。燃料プレナム224は、導管継手215(図3)を介して燃料の流れを受け取ることができる。
【0050】
例示的な実施形態では、燃料インジェクタ200は、噴射軸228に沿って、半径方向外壁220上の入口端230から、燃料プレナム224及び半径方向内壁222を通って、出口端232まで延在する複数の予混合管226をさらに含んでいてもよい。予混合管226は、図に示す通り、半径方向内壁222を越えて各出口端232まで半径方向内側に延在していてもよいし、或いは予混合管226の一部又は全部の出口端232が半径方向内壁と同一平面であってもよい。予混合管226の各々は、入口端230の入口から出口端232の出口まで延在する予混合通路234を画成し得る。多くの実施形態では、各予混合管226の噴射軸228は、予混合管226の中心線とし得る。多くの実施形態では、複数の予混合管226の各予混合管226は、燃料プレナム224を予混合通路234に流体連結する1以上の燃料ポート240を含んでいてもよい。例えば、図4に示すように、各予混合通路234は、互いに正反対の2つの燃料ポート240(例えば前方燃料ポート及び後方燃料ポート)を含んでいてもよく、これは、有利には、予混合通路234内の均一な燃料分配を提供する。
【0051】
様々な実施形態では、複数の予混合管226は、高圧空気源(図5に示す高圧プレナム66など)に流体連結し得る。例えば、予混合流路234は、入口端230の入口を介して高圧プレナム66からの高圧空気92(図2の圧縮空気15)の流れを受け取ることができる。混合流路312は、低圧空気源(例えばアニュラス47)に流体連結し得る。混合流路312は、予混合管226の各々から高圧空気92と燃料との混合物を受け取ることができ、予混合管226は流れを混合流路312に導くように角度が付けられている。さらに、混合流路312は、アニュラス47から低圧空気94を受け取ることができる。
【0052】
インサート600は、インサート600と燃料インジェクタ200の間に半径方向ギャップ272が画成されるように、燃料インジェクタ200から半径方向に離間して配置し得る。多流体相互作用領域600は、予混合管226の出口端232の出口と混合流路312の入口の間に画成し得る。例えば、多流体相互作用領域600は、予混合管226の各々から高圧空気92と燃料との混合物を受け取ることができる。さらに、多流体相互作用領域600は、アニュラス47から低圧空気94を受け取ることができ、これは、有利には、混合流路312内で燃料/空気をさらに混合し、燃料/空気を燃焼チャンバ70に送る前に、燃料を所望の燃料/空気比に近づけて希釈する。
【0053】
図4及び図5に示すように、各予混合管226の噴射軸228は、混合流路312の中心軸350に向かって傾斜していてもよい。例えば、各予混合管226は、噴射軸228が混合流路312の略半径方向に配向した中心軸350に対して角度が付けられるように、半径方向Rに対して斜めであってもよい。このようにして、各予混合管226の出口端232は、入口端230よりも混合流路312の中心軸350に近くてもよい。外側の予混合管226(例えば噴射軸350から離れた予混合管)は、内側の予混合管226(例えば噴射軸350に近い予混合管)よりも傾斜が急であってもよい。
【0054】
図4図6に示すように、インサート600は、互いに離間して混合流路312の周囲に配置された(又は集合的に囲む)複数の部分的直接インジェクタ500(又はリーン直接インジェクタ)を画成してもよい。「部分的直接インジェクタ」は、空気及び燃料(例えば部分的空気/燃料)を、完全に混合せずに、燃焼室70に直接噴射するインジェクタをいう。
【0055】
各部分的直接インジェクタ500は、燃料及び空気のための局在化混合室を含んでいてもよく、燃料及び空気は混合流路312の周りで燃焼室70に噴射される。複数の部分的直接インジェクタ500は、燃料噴射アセンブリ80に供給される燃料/空気の少数部分しか噴射しなくてもよい。例えば、燃料噴射アセンブリ80用の燃料の約60%~約95%を燃料インジェクタ200(例えば燃料プレナム224)に供給してもよく、燃料噴射アセンブリ80用の燃料の残部(例えば約5%~約40%)を複数の部分的直接インジェクタ500に供給していてもよい。このように、複数の部分的直接インジェクタ500は、混合流路312の容積の約5%~約30%(又は約10%~約20%など)の総容積を集合的に画成してもよい。
【0056】
図4に示すように、複数の部分的直接インジェクタ500の1以上の部分的直接インジェクタ500は、インサート600のフランジ部304に画成し得る。例えば、1以上の部分的直接インジェクタ500は、インサート600のフランジ部304に完全に画成してもよい。幾つかの実施形態では、部分的直接インジェクタ500の全てが、インサート600のフランジ部304に画成されていてもよい。部分的直接インジェクタ500は、半径方向外側面305と半径方向内側面309の間のフランジ部304に画成し得る。特に、各部分的直接インジェクタ500は、半径方向内側面309に画成された出口502から半径方向外側面305の半径方向内側に画成された燃料噴射オリフィス504までフランジ部304内に延在し得る。
【0057】
他の実施形態では、図5に示すように、複数の部分的直接インジェクタ500の1以上の部分的直接インジェクタ500はインサート600の環状壁部306に画成し得る。例えば、1以上の部分的直接インジェクタ500は、インサート600の環状壁部306に完全に画成してもよい。幾つかの実施形態では、部分的直接インジェクタ500の全てが、インサート600の環状壁部306に画成されていてもよい。部分的直接インジェクタ500は、環状壁部306の終端部313と半径方向内側面309の間の環状壁部306に画成し得る。特に、各部分的直接インジェクタ500は、半径方向内側面309に画成された出口502から半径方向外側面305の半径方向内側に画成された燃料噴射オリフィス504まで環状壁部306内に延在し得る。
【0058】
図4及び図5に示すように、各部分的直接インジェクタ500は、インサート600の半径方向内側面309上の出口502まで延在し得る。さらに、各部分的直接インジェクタ500は、境界面518によってインサート600に画成し得る。境界面518は、円筒部520及びテーパ部522を含んでいてもよい。円筒部520は出口502からテーパ部522まで延在し、テーパ部522は円筒部から燃料噴射オリフィス504まで延在し得る。なお、テーパ部522は円錐形であってもよい。すなわち、テーパ部522は、半径方向に円筒部520から燃料噴射オリフィス504まで延在するにつれて、テーパ部522の直径が収束してもよい。
【0059】
例示的な実施形態では、インサート600は、空気供給回路506及び燃料供給回路508をさらに画成していてもよく、各々、複数の部分的直接インジェクタ500に流体連結する。空気供給回路506及び燃料供給回路508は、複数の直接インジェクタと別個に流体結合してもよく、空気供給回路506と燃料供給回路508は流体分離しているが、各々燃焼室70に混合/噴射するための流体を部分的直接インジェクタ500に供給する。空気供給回路506は、空気供給系に流体結合し得る。例示的な実施形態では、図に示す通り、空気供給系は、アニュラス47であってもよい。他の実施形態(図示せず)では、空気供給系は、高圧プレナム66又は別の空気源であってもよい。同様に、燃料供給回路508は、燃料供給系510に流体結合し得る。幾つかの実施形態では、燃料供給回路508は、燃料インジェクタ200(例えば燃料インジェクタ200及び/又は部分的直接インジェクタ500の両方に燃料が供給されるように、燃料プレナム224及び/又は導管継手215)に流体連結し得る。他の実施形態では、燃料供給系510は、インサート600内の燃料供給回路508に独立して流体結合したスタンドアロンの燃料供給系510であってもよい。
【0060】
図に示す通り、空気供給回路506は、空気入口通路512と、空気プレナム514と、空気出口通路516とを備えている。図に示す通り、幾つかの実施形態では、空気入口通路512は、環状縁部310上の入口(図6)及び/又は半径方向外側面305上の入口(図4及び図5)から空気プレナム514まで延在し得る。空気プレナム514は、多くの実施形態では環状であってもよく(図6に示すように)、空気入口通路512に流体連結してもよい(例えば直接流体連結される)。
【0061】
燃料供給回路508は、1以上の燃料入口通路536を含む。1以上の燃料入口通路536の各燃料入口通路536は、複数の部分的直接インジェクタの各々の部分的直接インジェクタ500に流体結合し得る。特に、1以上の燃料入口通路の各燃料入口通路536は、環状壁部306の終端部313から各部分的直接インジェクタ500の燃料噴射オリフィス504まで延在し得る。各燃料入口通路536は、燃料入口通路536が流体連結された各部分的直接インジェクタ500の燃料噴射オリフィス504のすぐ上流のインサート600内で略軸半径方向に延在していてもよく、燃料入口通路536は半径方向Rに沿って部分的直接インジェクタ500に燃料を導入(又は誘導)する。
【0062】
特に、図4に示すように、燃料入口通路536は、第1の部分524と、第2の部分526(これは、第1の部分に対して略垂直に延在していてもよい)と、第3の部分528を含んでいてもよい。燃料入口通路536の第1の部分524は、燃料入口通路536の終端部313から第2の部分526まで略軸半径方向に延在し得る。燃料入口通路536の第2の部分526は、第1の部分524から第3の部分528まで延在し得る。第2の部分526は、第1の部分524及び第3の部分528の一方又は両方に対して略垂直であってもよいし、或いは第2の部分526は、第1の部分524に対して傾斜(例えば垂直以外の角度で)していてもよい。第3の部分528は、第2の部分526から部分的直接インジェクタ500の燃料噴射オリフィス504まで略軸半径方向に延在し得る。他の実施形態では、図5に示すように、燃料入口通路536は、終端部313から部分的直接インジェクタ500の燃料噴射オリフィス504まで完全に半径方向に延在し得る。
【0063】
ここで図6を参照すると、本開示の実施形態に係る図4に示すインサート600の6-6矢視断面図を示す。図に示す通り、インサート600は、前方端301と後方端303の間に延在し得る。インサート600は、混合流路312を画成することができ、これは一般にスタジアム経常(例えば端が丸い長方形又は丸い角部を有する長方形)として賦形し得る。複数の部分的直接インジェクタ500は、インサート600内に画成され、複数の部分的直接インジェクタ500が混合チャンネル312を集合的に取り囲むように、混合流路312の周囲に配置し得る。複数の部分的直接インジェクタ500は、ボスの環状縁部310よりも混合流路の近くに配置し得る。
【0064】
図に示す通り、空気供給回路506は、1以上の前方空気入口通路512A、1以上の後方空気入口通路512B、空気プレナム514及び複数の空気出口通路516を含んでおり、それぞれがそれぞれの部分的直接インジェクタ500に流体連結されている。図に示す通り、幾つかの実施形態では、空気入口通路512A、512Bは、それぞれ環状縁部310の入口から空気プレナム514まで延在し得る。空気プレナム514は、環状であってもよく、混合流路312を囲んでもよい。例示的な実施形態では、少なくとも2つの空気出口通路516が、複数の部分的直接インジェクタ500の各部分的直接インジェクタ500に流体連結していてもよい。単一の部分的直接インジェクタ500に流体連結した2つの空気出口通路516を有する実施形態の場合、2つの空気出口通路516は、部分的直接インジェクタ500について互いに正反対(例えば180°離れて)にあってもよい。1つの部分的直接インジェクタ500(図示せず)に接続された2以上の空気出口通路516を有する実施形態では、空気出口通路516は、部分的直接インジェクタ500の周囲に等間隔に配置してもよい。これにより、燃料との混合を改善するために、部分的直接インジェクタ500内で空気が均一に分配される。
【0065】
ここで図7を参照すると、本開示の実施形態に係るインサート600の図6の7-7矢視断面図を示す。図に示す通り、部分的直接インジェクタ500は、境界面518によってインサート600に画成し得る。部分的直接インジェクタ500は、インサート600の半径方向内側面309上の出口502と燃料噴射オリフィス504(又は入口)との間に半径方向に延在し得る。境界面518は、第1の円筒部520、テーパ部522及び適宜第2の円筒部530を含んでいてもよい。第1の円筒部520は第1の直径を画成し、第2の円筒部530は第2の直径を画成する。第2の直径は第1の直径よりも小さい。第2の円筒部530が存在する場合、半径方向に燃料噴射オリフィス504からテーパ部522まで延在することができ、インサート600(又はボス300が部分的直接インジェクタ500を含む場合にはボス300)の積層造形を容易にするために使用し得る。テーパ部522は、テーパ部522が第2の円筒部530から第1の円筒部520まで半径方向に延在するにつれて、直径が大きくなる。なお、テーパ部522は、円錐形であってもよい。
【0066】
図に示す通り、空気供給回路506の空気出口通路516は、境界面518のテーパ部532まで延在し得る。特に、2つの空気出口通路516は、境界面518のテーパ部532まで延在し得る。2つの空気出口通路516は、部分的直接インジェクタ500に対して互いに正反対(例えば180°離れて)にあってもよく、部分的直接インジェクタ500に空気を均一に導入する。燃料供給回路508の燃料入口通路536は、空気出口通路516に対して略垂直に部分的直接インジェクタ500まで延在し得る。これにより、有利には、空気/燃料の間のクロスフローを提供して混合を増加させることができ、燃焼室70内の燃焼プロセスの効率が向上する。特に、燃料入口通路536は、燃料噴射オリフィス504(及び/又は第2の円筒部530)まで延在して、部分的直接インジェクタ500に流体連結することができる。
【0067】
部分的直接インジェクタ500は、有利に、軸方向燃料ステージングインジェクタ80内で火炎保持の問題を生じることなく、燃焼器17を大量の水素で運転できるようになる。例えば、燃料噴射アセンブリ80に供給される燃料は、燃料インジェクタ200と部分的直接インジェクタ500の間で分割してもよく、より局在化混合と効率的な燃焼が可能になる。
【0068】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、当業者が本発明を実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【0069】
本発明の追加の態様を、以下の実施態様項に示す。
[実施態様項1]
第1の態様では、ガスタービンの燃焼器用の燃料噴射アセンブリを提供するが、本燃料噴射アセンブリは、燃焼器の外側スリーブに結合するように構成された燃料インジェクタと、燃料インジェクタと軸方向及び周方向に整列した位置で燃焼器の燃焼ライナに結合するように構成されたボスと、ボスに取外し自在に結合されたインサートとを備えており、インサートは、フランジ部と、フランジ部から延在する環状壁部であって混合流路を画成する環状壁部とを含んでおり、インサートは、互いに離間して混合流路の周囲に配置される複数の部分的直接インジェクタを画成する。
[実施態様項2]
複数の部分的直接インジェクタの1以上の部分的直接インジェクタがインサートのフランジ部に画成されている、実施態様項1に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項3]
複数の部分的直接インジェクタの1以上の部分的直接インジェクタがインサートの環状壁部に画成されている、実施態様項1又は実施態様項2に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項4]
インサートが、複数の部分的直接インジェクタに各々流体連結した空気供給回路及び燃料供給回路を画成する、実施態様項1乃至実施態様項3のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項5]
空気供給回路が、空気入口通路、空気プレナム及び複数の空気出口通路であって各々空気プレナムから複数の部分的直接インジェクタのそれぞれの部分的直接インジェクタまで延在する複数の空気出口通路を含んでいる、実施態様項1乃至実施態様項4のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項6]
空気プレナムが環状である、実施態様項1乃至実施態様項5のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項7]
各々の部分的直接インジェクタが、インサートのフランジ部の半径方向内側面の出口まで延在している、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項8]
各々の部分的直接インジェクタが境界面によってインサートに画成され、境界面が、円筒部及びテーパ部を含む、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項9]
空気供給回路の空気出口通路が境界面のテーパ部まで延在している、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項10]
燃料供給回路の燃料入口通路が、空気出口通路に対して略垂直に部分的直接インジェクタまで延在している、実施態様項1乃至実施態様項9のいずれか1項に記載の燃料噴射アセンブリ。
[実施態様項11]
本開示の別の態様では、燃焼器を提供するが、本燃焼器は、1以上の燃料ノズルと、燃料ノズルの下流側に延在する燃焼ライナと、燃焼ライナから離間してその周りを取り囲んで、燃焼ライナとの間にアニュラスを画成する外側スリーブと、1以上の燃料ノズルの下流側に配置される燃料噴射アセンブリとを備えており、燃料噴射アセンブリは、燃焼器の外側スリーブに結合した燃料インジェクタと、燃焼器の燃焼ライナに結合したボスであって、燃料インジェクタと軸方向及び周方向に整列したボスと、ボスに取外し自在に結合されたインサートとを含んでおり、インサートは、フランジ部と、フランジ部から延在して混合流路を画成する環状壁部とを含んでおり、インサートは、互いに離間して混合流路の周囲に配置される複数の部分的直接インジェクタを画成する。
[実施態様項12]
複数の部分的直接インジェクタの1以上の部分的直接インジェクタがインサートのフランジ部に画成されている、実施態様項11に記載の燃焼器。
[実施態様項13]
複数の部分的直接インジェクタの1以上の部分的直接インジェクタが、インサートの環状壁部に画成されている、実施態様項11又は実施態様項12に記載の燃焼器。
[実施態様項14]
インサートが、複数の部分的直接インジェクタに各々流体連結した空気供給回路及び燃料供給回路を画成する、実施態様項11乃至実施態様項13のいずれか1項に記載の燃焼器。
[実施態様項15]
空気供給回路が、空気入口通路、空気プレナム及び複数の空気出口通路であって各々空気プレナムから複数の部分的直接インジェクタのそれぞれの部分的直接インジェクタまで延在する複数の空気出口通路を含んでいる、実施態様項11乃至実施態様項14のいずれか1項に記載の燃焼器。
[実施態様項16]
空気プレナムが環状である、実施態様項11乃至実施態様項15のいずれか1項に記載の燃焼器。
[実施態様項17]
各々の部分的直接インジェクタが、インサートのフランジ部の半径方向内側面の出口まで延在している、実施態様項11乃至実施態様項16のいずれか1項に記載の燃焼器。
[実施態様項18]
各々の部分的直接インジェクタが境界面によってインサートに画成され、境界面が、円筒部及びテーパ部を含む、実施態様項11乃至実施態様項17のいずれか1項に記載の燃焼器。
[実施態様項19]
空気供給回路の空気出口通路が境界面のテーパ部まで延在している、実施態様項11乃至実施態様項18のいずれか1項に記載の燃焼器。
[実施態様項20]
燃料供給回路の燃料入口通路が、空気出口通路に対して略垂直に部分的直接インジェクタまで延在している、実施態様項11乃至実施態様項19のいずれか1項に記載の燃焼器。
【符号の説明】
【0070】
10 ガスタービンエンジン
17 燃焼器
40 燃料ノズル
46 燃焼ライナ
47 アニュラス
48 外側スリーブ
70 燃焼室
80 燃料噴射アセンブリ
200 燃料インジェクタ
300 ボス
304 インサートのフランジ部
305 フランジ部の半径方向外側面
306 インサートの環状壁部
309 フランジ部の半径方向内側面
312 混合流路
313 環状壁部の終端部
500 部分的直接インジェクタ
502 出口
504 燃料噴射オリフィス
506 空気供給回路
508 燃料供給回路
512 空気入口通路
514 空気プレナム
516 空気出口通路
518 境界面
520 境界面の第1の円筒部
522 境界面のテーバ部
530 境界面の第2の円筒部
536 燃料入口通路
600 インサート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】