(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010665
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】仮眠用枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20250116BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A47G9/10 V
A47G9/10 M
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112758
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 奈津貴
(72)【発明者】
【氏名】江村 萌
【テーマコード(参考)】
3B084
3B102
【Fターム(参考)】
3B084JC06
3B102AC02
(57)【要約】
【課題】 使用者の好みに応じた快適な姿勢で使用者を支持することができる仮眠用枕を提供する。
【解決手段】 本発明は、机Dの上に載置可能な仮眠用枕1である。机Dに載置するためのベース2と、クッション部3を含む本体4と、本体4を、ベース2に対して角度調整可能に保持するための角度調整機構5とを含んでいる。本体4のクッション部3は、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者Pの頭部を支持するための第1支持部3aと、第1支持部3aに連なりかつ使用者Pの胸部を支持可能な第2支持部3bとを含んでいる。第1支持部3aは、第2支持部3bの反対側に第1端3cを有している。第2支持部3bは、第1支持部3aの反対側に第2端3dを有している。角度調整機構5は、うつ伏せ状態での枕使用時に、第2端3dがベース2の底面2aよりも下方に位置する角度θまで調整可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
机の上に載置可能な仮眠用枕であって、
前記机に載置するためのベースと、
クッション部を含む本体と、
前記本体を、前記ベースに対して角度調整可能に保持するための角度調整機構とを含み、
前記本体の前記クッション部は、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者の頭部を支持するための第1支持部と、前記第1支持部に連なりかつ前記使用者の胸部を支持可能な第2支持部とを含み、
前記第1支持部は、前記第2支持部の反対側に第1端を有し、
前記第2支持部は、前記第1支持部の反対側に第2端を有し、
前記角度調整機構は、前記うつ伏せ状態での枕使用時に、前記第2端が前記ベースの底面よりも下方に位置する角度まで調整可能である、
仮眠用枕。
【請求項2】
前記角度調整機構は、前記ベースと前記本体とに内蔵された角度調整金具を含む、請求項1に記載の仮眠用枕。
【請求項3】
前記第1支持部は、前記うつ伏せ状態での枕使用時に、前記使用者の呼吸をサポートするための貫通孔を含み、
前記貫通孔は、長径と短径とを有する楕円形状である、請求項1に記載の仮眠用枕。
【請求項4】
前記長径は、前記短径の1.2倍以上、2.0倍以下である、請求項3に記載の仮眠用枕。
【請求項5】
前記角度調整機構は、前記ベースと前記本体との角度を、少なくとも、-5°以上、40°以下の範囲で調整可能である、請求項1に記載の仮眠用枕。
【請求項6】
前記本体は、タイマーと、前記タイマーにより振動する振動部とを含む覚醒機構を有する、請求項1に記載の仮眠用枕。
【請求項7】
前記角度調整機構は、前記本体を回動支点軸回りに傾動させるものであり、
前記回動支点軸は、前記第1端から前記第2端まで延びる前記クッション部の前記第2端側に寄せて配置されている、請求項1に記載の仮眠用枕。
【請求項8】
前記回動支点軸と前記第2端との距離は、100mm以上、200mm以下である、請求項7に記載の仮眠用枕。
【請求項9】
前記ベースの前記底面は、滑り止め機構を有する、請求項1に記載の仮眠用枕。
【請求項10】
前記角度調整機構は、椅子の背もたれを前記第1支持部と前記ベースとで挟み込む角度に調整可能である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の仮眠用枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机の上に載置可能な仮眠用枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスで昼休みに仮眠するときなどに、机の上に載置して使用する仮眠用枕が知られている。例えば、下記特許文献1は、枕本体部をアーチ状とするアーチ形成手段を備える携帯型枕を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の枕は小さく、使用時の使用者の姿勢が快適なものとはいえず、使用者の好みに応じてより快適な姿勢で支持可能な仮眠用枕が要望されていた。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、使用者の好みに応じた快適な姿勢で使用者を支持することができる仮眠用枕を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、机の上に載置可能な仮眠用枕であって、前記机に載置するためのベースと、クッション部を含む本体と、前記本体を、前記ベースに対して角度調整可能に保持するための角度調整機構とを含み、前記本体の前記クッション部は、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者の頭部を支持するための第1支持部と、前記第1支持部に連なりかつ前記使用者の胸部を支持可能な第2支持部とを含み、前記第1支持部は、前記第2支持部の反対側に第1端を有し、前記第2支持部は、前記第1支持部の反対側に第2端を有し、前記角度調整機構は、前記うつ伏せ状態での枕使用時に、前記第2端が前記ベースの底面よりも下方に位置する角度まで調整可能である、仮眠用枕である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の仮眠用枕は、上述の構成を備えることにより、使用者の好みに応じた快適な姿勢で使用者を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の仮眠用枕の一実施形態を示す斜視図である。
【
図3】本体に直交する方向から見た仮眠用枕の正面図である。
【
図5】ベースと本体との角度θが30°のときの仮眠用枕の断面図である。
【
図6】ベースと本体との角度θが10°のときの仮眠用枕の断面図である。
【
図7】ベースと本体との角度θが-10°のときの仮眠用枕の断面図である。
【
図8】椅子の背もたれを挟み込んだ状態の仮眠用枕の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の仮眠用枕1を示す斜視図であり、
図2は、使用状態の仮眠用枕1を示す側面図である。
図1に示されるように、本実施形態の仮眠用枕1は、オフィスや家庭で用いられる机Dの上に載置可能である。このような仮眠用枕1は、使用者Pが昼休みや休憩時に机Dの上において容易に使用することができる。
【0010】
本実施形態の仮眠用枕1は、机Dに載置するためのベース2と、クッション部3を含む本体4とを含んでいる。このような仮眠用枕1は、ベース2により机Dの上に安定して載置することができ、クッション部3により使用者Pを快適に支持することができる。
【0011】
図3は、本体4に直交する方向から見た仮眠用枕1の正面図である。
図1ないし
図3に示されるように、本実施形態の本体4のクッション部3は、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者Pの頭部を支持するための第1支持部3aと、第1支持部3aに連なりかつ使用者Pの胸部を支持可能な第2支持部3bとを含んでいる。第2支持部3bは、例えば、使用者Pの胸部から腹部までを支持可能に構成されていてもよい。
【0012】
第2支持部3bは、例えば、うつ伏せ状態での枕使用時に、ベース2よりも使用者P側に突出する部分である。このような本体4は、使用者Pの頭部から胸部又は腹部までを支持することができ、使用者Pの首や肩への負担を軽減し、快適性を向上させることができる。なお、本明細書において、使用者Pの頭部は、使用者Pの頭や顔を含む部分を意味する。
【0013】
本実施形態の第1支持部3aは、第2支持部3bの反対側に第1端3cを有している。本実施形態の第2支持部3bは、第1支持部3aの反対側に第2端3dを有している。これにより、クッション部3は、第1端3cから第2端3dまで長手方向に延びている。このようなクッション部3は、長手方向に直交する幅方向が小さくても使用者Pを快適に支持することができ、コンパクト性にも優れている。
【0014】
図4は、
図3のA-A線の断面図である。
図4に示されるように、本実施形態の仮眠用枕1は、本体4を、ベース2に対して角度調整可能に保持するための角度調整機構5を含んでいる。このような仮眠用枕1は、本体4の角度θを使用者Pに好みに応じて調整することができる。
【0015】
本実施形態の角度調整機構5は、うつ伏せ状態での枕使用時に、第2端3dがベース2の底面2aよりも下方に位置する角度θまで調整可能である。これにより、クッション部3は、使用者Pの胸部又は腹部が机Dの縁Deに直接接することを抑制し、使用時の快適性を向上させることができる。このため、本実施形態の仮眠用枕1は、使用者Pの好みに応じた快適な姿勢で使用者Pを支持することができる。
【0016】
より好ましい態様として、角度調整機構5は、ベース2及び本体4に内蔵された一対の角度調整金具5Aを含んでいる。角度調整金具5Aとしては、例えば、座椅子等に好適に用いられるラチェット停止式金具等が挙げられる。角度調整金具5Aは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、周知の摩擦停止式金具等であってもよい。このような角度調整金具5Aは、ラチェット又は摩擦により、一方向への傾動をロックする傾動ロック状態とすることができる。また、角度調整金具5Aは、周知の金具を用いることで、動作の安定性とコストパフォーマンスとを両立することができる。
【0017】
角度調整金具5Aは、ベース2に内蔵された固定金具5aと、本体4に内蔵された揺動金具5bとを含むのが望ましい。本実施形態の揺動金具5bは、固定金具5aに対して回動支点軸5c回りに傾動可能であり、かつ、任意の角度で停止保持可能に支持されている。
【0018】
本実施形態の角度調整機構5は、角度調整金具5Aにより本体4を回動支点軸5c回りに傾動させている。角度調整機構5は、ベース2と本体4との角度θを、鋭角の範囲で調整可能であるのが望ましい。角度θは、少なくとも、-5°以上、40°以下の範囲で、好ましくは、-10°以上、45°以下の範囲で、より好ましくは、-15°以上、50°以下の範囲で調整される。
図4は、ベース2と本体4との角度θが45°のときの仮眠用枕1である。ここで、ベース2と本体4との角度θとは、ベース2と本体4とに内蔵されたフレーム6の角度θである。
【0019】
フレーム6は、例えば、ベース2に内蔵されたベースフレーム6aと、本体4に内蔵された本体フレーム6bとを含んでいる。本実施形態のベースフレーム6aは、固定金具5aにベース基端部6cが固定されている。このようなベースフレーム6aは、固定金具5aと一体的にベース2の骨組みを構成することができる。
【0020】
本実施形態の本体フレーム6bは、揺動金具5bに対して第1角度αを有するように、本体基端部6dが固定されている。これにより、本体フレーム6bと揺動金具5bとは、
図4のように側方から見たときに略L字状に固定されている。第1角度αは、好ましくは、75°以上、90°未満である。第1角度αが90°未満であることで、ベース2と本体4との角度θをマイナスの範囲まで調整することができる。
図4には、第1角度αが80°のものが例示されている。
【0021】
本明細書において、ベース2と本体4との角度θは、ベースフレーム6aと本体フレーム6bとのなす角度θである。ここで、角度θは、机Dの上に載置された状態で、第1端3c側の本体フレーム6bの本体先端部6eが回動支点軸5c側の本体フレーム6bの本体基端部6dよりも上方に位置場合を正としている。ここで、角度調整機構5は、ベースフレーム6aのベース基端部6cと本体フレーム6bの本体基端部6dとを接続するものである。
【0022】
図5は、ベース2と本体4との角度θが30°のときの仮眠用枕1の断面図であり、
図6は、ベース2と本体4との角度θが10°のときの仮眠用枕1の断面図であり、
図7は、ベース2と本体4との角度θが-10°のときの仮眠用枕1の断面図である。
図4ないし
図7に示されるように、本実施形態の角度調整機構5は、ベース2と本体4とを複数の角度θで保持することができる。角度調整機構5は、例えば、ベース2と本体4との角度θを無段階に調整可能であってもよい。
【0023】
角度調整機構5は、ベース2と本体4との角度θが45°を超えた位置でリセット、すなわち、ラチェット又は摩擦による傾動ロック状態が解除され、角度θが-10°よりも小さい位置までフリーに傾動するのが望ましい。角度調整機構5は、ベース2と本体4との角度θが-10°の位置でロックされ、そこから本体4が引き起こされることで、角度θが鋭角の範囲の任意の角度θ、例えば、10°、30°、45°等でロックすることができる。このような角度調整機構5は、角度θを調整するための別の操作手段が不要であり、本体4の角度調整を容易に行うことができる。
【0024】
仮眠用枕1は、ベース2と本体4との角度θが少なくとも10°以上のときに、第2端3dがベース2の底面2aよりも下方に位置するのが望ましい。これにより、仮眠用枕1は、机Dの上において使用したときに、クッション部3の第2端3dが机Dの上面よりも下方に位置している。
【0025】
本実施形態の第2支持部3bは、うつ伏せ状態での枕使用時に、少なくとも一部が机Dの縁Deと使用者Pとの間に位置している。このため、仮眠用枕1は、机Dの縁Deと使用者Pとの間に必ずクッション部3が位置するので、机Dの硬さを気にすることなく使用者Pの体重を受けることができ、耐圧も分散されることで寝心地を向上させることができる。このような仮眠用枕1は、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者Pの胸部又は腹部が机Dの縁Deに直接接することなく、圧迫感を軽減した状態で本体4の角度θを使用者Pに好みに応じて調整することができる。
【0026】
図8は、椅子Cの背もたれCaを挟み込んだ状態の仮眠用枕1の側面図である。
図5、
図6及び
図8に示されるように、本実施形態の角度調整機構5は、椅子Cの背もたれCaを第1支持部3aとベース2とで挟み込む角度θに調整可能である。これにより、本実施形態の第1支持部3aとベース2との間には、椅子Cの背もたれCaを配置可能な空間Sが形成されている。
【0027】
角度調整機構5は、例えば、背もたれCaの厚さが大きい場合、角度θを30°に調整して、背もたれCaを配置可能な空間Sを形成する。角度調整機構5は、例えば、背もたれCaの厚さが小さい場合、角度θを10°に調整して、背もたれCaを配置可能な空間Sを形成する。このような角度調整機構5は、椅子Cの背もたれCaに応じた空間Sを確保することができ、椅子Cの背もたれCaを挟み込んだときの安定性を向上させることができる。
【0028】
図7に示されるように、仮眠用枕1は、例えば、ベース2と本体4との角度θを-10°として、通常の枕のように使用することもできる。角度θが-10°のときの仮眠用枕1は、最もコンパクトであるため、収納や携帯するときにも好適に用いられる角度θである。このような仮眠用枕1は、角度θを-10°に調整することで、角度θがプラスの範囲しか調整できない場合に比べて、よりコンパクトに収納することができ、携帯して移動させるのにも好適である。
【0029】
図4ないし
図7に示されるように、本実施形態の角度調整機構5の回動支点軸5cは、第1端3cから第2端3dまで延びるクッション部3の第2端3d側に寄せて配置されている。このような角度調整機構5は、第1端3cの移動量を大きくし、第2端3dの移動量を小さくすることができ、クッション部3が使用者Pを快適な姿勢で支持することに役立つ。
【0030】
回動支点軸5cと第2端3dとの距離Lは、好ましくは、100mm以上、200mm以下である。回動支点軸5cと第2端3dとの距離Lが100mm以上であることで、第2端3dをベース2の底面2aよりも下方に位置させることができ、使用者Pの胸部が机Dの縁Deに直接接することを確実に抑制することができる。回動支点軸5cと第2端3dとの距離Lが200mm以下であることで、第2端3dが使用者P側に突出して使用者Pの胸部を過度に圧迫することを抑制することができる。
【0031】
図3に示されるように、クッション部3は、例えば、少なくとも1つの辺が内側に向けて湾曲した略矩形状である。このようなクッション部3は、広い面積で使用者Pを支持することができ、使用者Pが腕を回して保持したとき(
図2に示す)の姿勢の自由度も高めることができる。
【0032】
本実施形態の第1支持部3aは、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者Pの呼吸をサポートするための貫通孔7を含んでいる。このような貫通孔7は、使用者Pがうつ伏せ状態で第1支持部3aに顔を載せたときに、使用者Pの口と鼻とを露出させることができ、楽に息をさせることができる。
【0033】
貫通孔7は、長径D1と短径D2とを有する楕円形状であるのが望ましい。このような貫通孔7は、多くの使用者Pの頭部の輪郭に適応させることができ、使用者Pの快適性を向上させることができる。
【0034】
長径D1は、好ましくは、短径D2の1.2倍以上、2.0倍以下である。長径D1が短径D2の1.2倍以上であることで、使用者Pの顎と額とが接触したときに頬が浮くことを抑制され、使用者Pのうつ伏せ状態の快適性を向上することができる。長径D1が短径D2の2.0倍以下であることで、使用者Pの頬が接触したときに顎と額とが浮くことを抑制され、使用者Pのうつ伏せ状態の快適性を向上することができる。
【0035】
クッション部3は、貫通孔7の周囲に、クッション部3の厚さが漸減するテーパー部3eを有するのが望ましい。このようなテーパー部3eは、使用者Pの頭部を安定して支持することができる。
【0036】
図9は、仮眠用枕1を斜め下から見た斜視図である。
図1及び
図9に示されるように、本実施形態の本体4は、タイマー(図示省略)と、タイマーにより振動する振動部(図示省略)とを含む覚醒機構8を有している。覚醒機構8は、例えば、操作部8aを操作することでタイマーをセット可能である。タイマー及び振動部は、例えば、電源8b(
図4に示す)から電気が供給される。電源8bとしては、例えば、乾電池や充電池が挙げられる。このような覚醒機構8は、使用者Pを任意の時間経過後に覚醒させることができる。
【0037】
図9に示されるように、本体4は、クッション部3を覆う布状のカバー9を有するのが望ましい。本実施形態のカバー9は、弾性変形可能な芯材が内蔵されたリング部9aを有している。リング部9aは、貫通孔7よりも大きい外径を有するのが望ましい。このようなリング部9aは、貫通孔7に対して抜け止め機能を有している。
【0038】
本実施形態のカバー9は、貫通孔7を介して着脱自在に取り付けられている。カバー9は、例えば、リング部9aを本体4のベース2側に位置させた状態で、その他の布状部分を貫通孔7から使用者P側に挿通する。これにより、貫通孔7を挿通した布状部分は、本体4の外周側を介してベース2側に回し込むことで、本体4を包み込むことができる。このようなカバー9は、取り外して洗濯することができるので、常に清潔な状態を維持することができ、使用者Pの快適性を向上させることができる。
【0039】
本実施形態のベース2の底面2aは、滑り止め機構を有している。滑り止め機構としては、例えば、凹凸構造を有するゴム材料を含む滑り止めシートが挙げられる。このような滑り止め機構は、仮眠用枕1が机Dの上で意図せず動くことを抑制し、うつ伏せ状態での枕使用時の安定性を向上することができる。
【0040】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0041】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0042】
[本発明1]
机の上に載置可能な仮眠用枕であって、
前記机に載置するためのベースと、
クッション部を含む本体と、
前記本体を、前記ベースに対して角度調整可能に保持するための角度調整機構とを含み、
前記本体の前記クッション部は、うつ伏せ状態での枕使用時に、使用者の頭部を支持するための第1支持部と、前記第1支持部に連なりかつ前記使用者の胸部を支持可能な第2支持部とを含み、
前記第1支持部は、前記第2支持部の反対側に第1端を有し、
前記第2支持部は、前記第1支持部の反対側に第2端を有し、
前記角度調整機構は、前記うつ伏せ状態での枕使用時に、前記第2端が前記ベースの底面よりも下方に位置する角度まで調整可能である、
仮眠用枕。
【0043】
[本発明2]
前記角度調整機構は、前記ベースと前記本体とに内蔵された角度調整金具を含む、本発明1に記載の仮眠用枕。
【0044】
[本発明3]
前記第1支持部は、前記うつ伏せ状態での枕使用時に、前記使用者の呼吸をサポートするための貫通孔を含み、
前記貫通孔は、長径と短径とを有する楕円形状である、本発明1又は2に記載の仮眠用枕。
【0045】
[本発明4]
前記長径は、前記短径の1.2倍以上、2.0倍以下である、本発明3に記載の仮眠用枕。
【0046】
[本発明5]
前記角度調整機構は、前記ベースと前記本体との角度を、少なくとも、-5°以上、40°以下の範囲で調整可能である、本発明1ないし4のいずれかに記載の仮眠用枕。
【0047】
[本発明6]
前記本体は、タイマーと、前記タイマーにより振動する振動部とを含む覚醒機構を有する、本発明1ないし5のいずれかに記載の仮眠用枕。
【0048】
[本発明7]
前記角度調整機構は、前記本体を回動支点軸回りに傾動させるものであり、
前記回動支点軸は、前記第1端から前記第2端まで延びる前記クッション部の前記第2端側に寄せて配置されている、本発明1ないし6のいずれかに記載の仮眠用枕。
【0049】
[本発明8]
前記回動支点軸と前記第2端との距離は、100mm以上、200mm以下である、本発明7に記載の仮眠用枕。
【0050】
[本発明9]
前記ベースの前記底面は、滑り止め機構を有する、本発明1ないし8のいずれかに記載の仮眠用枕。
【0051】
[本発明10]
前記角度調整機構は、椅子の背もたれを前記第1支持部と前記ベースとで挟み込む角度に調整可能である、本発明1ないし9のいずれかに記載の仮眠用枕。
【符号の説明】
【0052】
1 仮眠用枕
2 ベース
2a 底面
3 クッション部
3a 第1支持部
3b 第2支持部
3c 第1端
3d 第2端
4 本体
5 角度調整機構