(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025106889
(43)【公開日】2025-07-17
(54)【発明の名称】管理システム、制御装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20250710BHJP
【FI】
G06Q50/43
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000471
(22)【出願日】2024-01-05
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 雄亮
(57)【要約】
【解決手段】本開示の管理システム10は、利用者USRによって所持される利用者端末200と、複数の原動機付自転車の各々に備えられる制御装置300と、を有し、制御装置は、利用者端末と制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部312と、利用者端末と制御装置との間で所定の通信が確立されていない場合は原動機に対する動作の制限を維持し、利用者端末と制御装置との間で所定の通信が確立されたことに基づいて原動機に対する動作の制限を解除する原動機制御部316と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原動機付自転車を貸与される貸与先によって指定される利用者によって所持される可搬通信端末である利用者端末と、
複数の前記原動機付自転車の各々に備えられ、前記利用者端末と通信可能であるとともに前記原動機付自転車の原動機を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記利用者端末と前記制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部と、
前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合は前記原動機に対する動作の制限を維持し、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されたことに基づいて前記原動機に対する動作の前記制限を解除する原動機制御部と、
を備える、管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理システムであって、
複数の前記原動機付自転車を管理するための管理装置をさらに有し、
前記制御装置は、前記原動機付自転車の走行履歴に関する情報である履歴関連情報を記録する記録部をさらに有し、
前記管理装置は、
前記記録部によって記録された前記履歴関連情報を、前記利用者端末を介して取得する取得部と、
前記取得部によって取得される前記履歴関連情報に基づいて、前記貸与先に提供するための提供情報を生成する提供情報生成部と、
を備える、管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の管理システムであって、
前記履歴関連情報には、前記原動機付自転車の位置を示す情報と、前記原動機付自転車の走行速度を示す情報と、前記原動機付自転車の加減速を示す情報とのうちの少なくとも1つが含まれる、管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の管理システムであって、
前記原動機付自転車は、複数の動作モードを選択的に実行可能であり、
前記履歴関連情報には、前記動作モードを示す情報が含まれる、管理システム。
【請求項5】
請求項2に記載の管理システムであって、
前記管理装置は、前記利用者が利用規則に違反しているか否かを前記履歴関連情報に基づいて判定する規則違反判定部をさらに備え、
前記提供情報には、前記規則違反判定部による判定の結果を示す情報が含まれる、管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の管理システムであって、
前記利用規則には、前記原動機付自転車の制限速度が定められており、
前記履歴関連情報には、前記原動機付自転車の走行速度を示す情報が含まれ、
前記走行速度が前記制限速度を超えている場合、前記規則違反判定部は、規則違反があったと判定する、管理システム。
【請求項7】
請求項5に記載の管理システムであって、
前記管理装置は、前記規則違反判定部により規則違反があったと判定された場合に、前記規則違反を犯した前記利用者によって利用される前記原動機付自転車の機能を制限するための制御を実行する制限部をさらに備える、管理システム。
【請求項8】
請求項2に記載の管理システムであって、
前記管理装置は、前記貸与先に貸与される複数の前記原動機付自転車の各々の識別情報と、前記貸与先を示す情報である貸与先情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶処理部をさらに備える、管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の管理システムであって、
前記記憶処理部は、前記利用者を示す情報である利用者情報と、前記利用者によって利用される前記原動機付自転車の前記識別情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させる、管理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の管理システムであって、
前記原動機付自転車は、特定小型原動機付自転車である、管理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の管理システムであって、
前記貸与先は、企業または団体である、管理システム。
【請求項12】
貸与先に貸与される原動機付自転車の原動機を制御する制御装置であって、
前記貸与先によって指定される利用者によって所持される可搬通信端末である利用者端末と制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部と、
前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合は前記原動機に対する動作の制限を維持し、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されたことに基づいて前記原動機に対する動作の前記制限を解除する原動機制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項13】
貸与先に貸与される原動機付自転車の原動機を制御装置によって制御する制御方法であって、
前記貸与先によって指定される利用者によって所持される可搬通信端末である利用者端末と前記制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定ステップと、
前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合に実行され、前記原動機に対する動作の制限を維持する制限維持ステップと、
前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立された場合に実行され、前記原動機に対する動作の前記制限を解除する制限解除ステップと、
を有する、制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の制御方法を前記制御装置に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けてシェアリングに関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
特許文献1には、原動機付自転車(特定小型原動機付自転車)が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近時では、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る技術が待望されている。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、管理システムであって、複数の原動機付自転車を貸与される貸与先によって指定される利用者によって所持される可搬通信端末である利用者端末と、複数の前記原動機付自転車の各々に備えられ、前記利用者端末と通信可能であるとともに前記原動機付自転車の原動機を制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記利用者端末と前記制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部と、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合は前記原動機に対する動作の制限を維持し、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されたことに基づいて前記原動機に対する動作の前記制限を解除する原動機制御部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様は、貸与先に貸与される原動機付自転車の原動機を制御する制御装置であって、前記貸与先によって指定される利用者によって所持される可搬通信端末である利用者端末と制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部と、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合は前記原動機に対する動作の制限を維持し、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されたことに基づいて前記原動機に対する動作の前記制限を解除する原動機制御部と、を備える。
【0009】
本開示の第3の態様は、貸与先に貸与される原動機付自転車の原動機を制御装置によって制御する制御方法であって、前記貸与先によって指定される利用者によって所持される可搬通信端末である利用者端末と前記制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定ステップと、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合に実行され、前記原動機に対する動作の制限を維持する制限維持ステップと、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立された場合に実行され、前記原動機に対する動作の前記制限を解除する制限解除ステップと、を有する。
【0010】
本開示の第4の態様は、プログラムであって、本開示の制御方法を前記制御装置に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管理システム、管理装置、制御方法およびプログラムは、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る管理システムを例示する図である。
【
図5】
図5は、管理方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明における原動機付自転車には、特定小型原動機付自転車が含まれる。細則の説明は割愛するが、日本の道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)によると、特定小型原動機付自転車は、少なくとも次の要件(1)~(4)を満たす原動機付自転車である(特許文献1も参照)。(1)車両の長さが、190cm以下である。(2)車両の幅が、60cm以下である。(3)車両に備えられる電動機の定格出力が、0.6kW以下である。(4)車両の最高速度が、20km/h以下である。また、これも細則の説明は割愛するが、要件(1)~(4)に加えて次の要件(5)、(6)を満たす特定小型原動機付自転車(特例特定小型原動機付自転車)は、歩道を走行し得る。(5)歩道を走行する場合に、車両に備えられた最高速度表示灯が点滅する。(6)車両の最高速度が、6km/h以下である。
【0014】
以下の説明における貸与者は、例えば、複数の原動機付自転車を所有するシェアリングサービス事業者である。また、以下の説明における貸与先は、貸与者から複数の原動機付自転車を貸与される者である。貸与先は、例えば、企業、団体等である。団体には、例えば地方公共団体(自治体)が含まれる。貸与先に貸与された原動機付自転車は、貸与先によって指定される利用者によって利用される。利用者は、例えば、企業の従業員、団体の職員等であるが、これに限定されない。利用者は、職務(通勤)のために原動機付自転車を利用してもよいし、私用のために原動機付自転車を利用してもよい。
【0015】
上述したような原動機付自転車の利用には、少なくとも、次に説明される課題がある。すなわち、貸与された原動機付自転車が適切に利用されているか否かを把握することは、貸与先、貸与者等にとって難しいという課題がある。例えば、企業の従業員が通勤中に原動機付自転車の利用規則を遵守しているか否かを把握することは、当該企業、貸与者等にとって難しいという課題がある。
【0016】
以上の予備的説明を踏まえ、以下に一実施形態が説明される。
【0017】
(一実施形態)
図1は、一実施形態に係る管理システム10を例示する図である。
【0018】
管理システム10は、貸与者によって貸与先に貸与される複数の原動機付自転車12を管理するためのシステムである。管理システム10によって管理される複数の原動機付自転車12の各々は、例えば特定小型原動機付自転車である。特定小型原動機付自転車は、原動機付自転車免許を要することなく運転され得る。複数の原動機付自転車12のうちの少なくとも1つは、特例特定小型原動機付自転車であってもよい。複数の原動機付自転車12の各々には、電動機(原動機)と、当該原動機に対する電力供給源であるバッテリ16と、表示灯(最高速度表示灯)とが備えられる。原動機、表示灯の図示は省略する。
【0019】
図1に示すように、管理システム10は、管理サーバ(管理装置)100と、複数の利用者端末(端末装置)200と、複数の制御装置300とを有する。管理サーバ100は、複数の原動機付自転車12を管理するためのサーバ(コンピュータ)である。管理サーバ100は、例えばデータセンタに備えられるが、これに限定されない。利用者端末200は可搬通信端末である。可搬通信端末には、例えばスマートフォン、タブレット端末等が含まれる。複数の利用者USRの各々が、利用者端末200を所持する。利用者端末200は、インターネット等のネットワークNWを介して管理サーバ100と通信可能である。また、利用者端末200は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて制御装置300と通信可能である。管理サーバ100と利用者端末200との通信は基地局、ルータ等を介して行われ得る。これに対し、利用者端末200と制御装置300との通信は、基地局、ルータ等を介さずに行われ得る。管理サーバ100と、利用者端末200とのより詳しい説明は、後述する。
【0020】
【0021】
制御装置300は、原動機付自転車12に備えられる不図示の原動機、表示灯等を制御する装置である。制御装置300には、例えばECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータが含まれる。制御装置300は、通信部302と、演算部304と、記憶部306とを備える。
【0022】
通信部302は、制御装置300に備えられる1以上の不図示の通信モジュールを含む。当該通信モジュールは、利用者端末200と通信可能なモジュールである。通信部302と利用者端末200とは、例えば近距離無線通信を行う。
【0023】
演算部304は、制御装置300に備えられる不図示の演算回路を含む。当該演算回路には、CPU(Central Processing Unit)等の不図示のプロセッサが備えられる。当該演算回路には少なくとも1つのプロセッサが備えられ得る。当該演算回路には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路が備えられてもよい。
【0024】
記憶部306は、制御装置300に備えられる1以上の不図示のメモリを含む。記憶部306には、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとが含まれ得る。
【0025】
演算部304には、履歴関連情報記録部(記録部)308と、履歴関連情報提出部310と、通信状態判定部312と、制御部314とが備えられる。履歴関連情報記録部308と、履歴関連情報提出部310と、通信状態判定部312と、制御部314とは、記憶部306(メモリ)によって記憶されるプログラムを演算部304(プロセッサ)が実行することによって、実現される。演算部304に備えられるASIC、FPGA等の集積回路によって、履歴関連情報記録部308と、履歴関連情報提出部310と、通信状態判定部312と、制御部314とのうちの少なくとも一部が実現されてもよい。
【0026】
通信状態判定部312は、利用者端末200と、制御装置300(通信部302)との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する。所定の通信は、履歴関連情報記録部308によって記録される履歴関連情報を制御装置300(通信部302)から利用者端末200に発信可能であることを確認するための通信である。履歴関連情報記録部308、履歴関連情報等のより詳しい説明は後述する。所定の通信は、例えば上述した近距離無線通信を用いて行われる。所定の通信は、例えば利用者端末200に対して利用者USRが所定の指示(通信開始指示)を行うことにより、試行される。
【0027】
制御部314は、原動機付自転車12の全体の制御を司る。例えば、制御部314は、原動機付自転車12に備えられる表示灯、原動機等を制御して、原動機付自転車12を駆動させる。
【0028】
図2に示すように、制御部314は、原動機制御部316を有する。原動機制御部316は、通信状態判定部312による判定の結果に基づいて、原動機に対する動作を制限するか否かを決定する。利用者端末200と制御装置300との間で所定の通信が確立されていない場合は、原動機制御部316は、原動機に対する動作を制限する。所定の通信が確立されていない場合、原動機制御部316は、例えば、バッテリ16から原動機への電力供給を制限する。原動機に対する動作が制限されることにより、原動機付自転車12を走行させることが制限される。
【0029】
利用者端末200と制御装置300との間で所定の通信が確立された場合は、原動機制御部316は、当該所定の通信が確立されたことに基づいて、原動機に対する動作の制限を解除する。例えば、利用者端末200と制御装置300との間で所定の通信が確立された場合、原動機制御部316は、バッテリ16から原動機への電力供給を許容する。これにより、原動機付自転車12を走行させることが許容される。
【0030】
制御部314(原動機制御部316)は、原動機付自転車12に備えられる不図示の操作部が操作されることに応じて、第1動作モード(車道走行モード)と第2動作モード(歩道走行モード)とを切り替え可能であってもよい。第1動作モードは、原動機付自転車12の最高速度が20km/hに制限される動作モードである。第2動作モードは、原動機付自転車12の最高速度が6km/hに制限される動作モードである。動作モード(第1動作モード、第2動作モード)の切り替えを指示するために操作される上記の操作部には、例えば原動機付自転車12に備えられる不図示の操作パネル、スイッチ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
履歴関連情報記録部308は、履歴関連情報を記録(取得)する。履歴関連情報は、原動機付自転車12の走行履歴に関する情報である。履歴関連情報には、原動機付自転車12に備えられる不図示のセンサによって、当該原動機付自転車12の走行中に得られるセンサデータが含まれ得る。例えば、原動機付自転車12の走行経路(位置)を示す情報と、当該原動機付自転車12の走行速度を示す情報と、当該原動機付自転車12の加減速等を示す情報とが、履歴関連情報に含まれ得る。原動機付自転車12の走行経路(位置)を示す情報は、当該原動機付自転車12に備えられる不図示のGNSS(Global Navigation Satellite System)センサの出力信号に基づいて取得され得る。原動機付自転車12の走行速度を示す情報は、当該原動機付自転車12に備えられる車速センサの検出信号に基づいて取得され得る。原動機付自転車12の加減速を示す情報は、当該原動機付自転車12に備えられるアクセルグリップの操作量を検出するセンサ、制動レバーの操作量を検出するセンサ等の検出信号に基づいて取得され得る。
【0032】
また、上述したように、原動機付自転車12には、動作モード(第1動作モード、第2動作モード)を任意に切り替え可能とする機能が備えられてもよい。これに関連し、履歴関連情報には、原動機付自転車12の走行中における当該原動機付自転車12の動作モードを示す情報であるモード情報が含まれてもよい。モード情報は、例えば制御部314から履歴関連情報記録部308に供給され得る。
【0033】
履歴関連情報記録部308は、取得した履歴関連情報を記憶部306に記憶させる。これにより、履歴関連情報が記録される。
【0034】
履歴関連情報提出部310は、履歴関連情報記録部308によって記録された履歴関連情報を、利用者端末200に向けて提出(発信)する。制御装置300と利用者端末200との間で上述した所定の通信が行われている場合は、履歴関連情報提出部310は、履歴関連情報記録部308によって記録された履歴関連情報を利用者端末200にいつでも提出し得る。履歴関連情報提出部310は、所定の通信が行われている期間にわたって履歴関連情報を逐次提出し続けてもよいし、あらかじめ決められた発信条件が成立した場合に限って履歴関連情報を提出してもよい。
【0035】
上述の提出条件には、例えば、原動機付自転車12(制御装置300)の電源がオフされることが含まれ得る。すなわち、原動機付自転車12の電源がオフされる場合に、履歴関連情報提出部310は、履歴関連情報記録部308によって記録された履歴関連情報を利用者端末200に提出してもよい。その場合、履歴関連情報提出部310による履歴関連情報の提出は、原動機付自転車12を停止させるための処理である停止処理に含まれ得る。また、履歴関連情報提出部310による履歴関連情報の提出が行われる提出条件には、例えば、所定の通信が終了(切断)されることが含まれてもよい。すなわち、所定の通信が切断される場合に、履歴関連情報提出部310は、履歴関連情報記録部308によって記録された履歴関連情報を利用者端末200に提出してもよい。その場合、履歴関連情報提出部310による履歴関連情報の提出は、所定の通信を切断するための処理である切断処理に含まれ得る。本実施形態では、少なくとも所定の通信が終了(切断)される場合に履歴関連情報提出部310による履歴関連情報の提出が行われる場合を説明する。
【0036】
【0037】
上述したように、利用者端末200は、利用者USR(
図1参照)によって所持される可搬通信端末である。利用者端末200は、端末通信部202と、端末演算部204と、端末記憶部206と、端末表示部214と、端末操作部216とを備える。
【0038】
端末表示部214は、利用者USRに対して情報を適宜表示し得る不図示の表示装置を含む。当該表示装置は、例えば、不図示の表示素子を備える。
【0039】
端末操作部216は、利用者USRが利用者端末200に対して情報、指示等を与え得る不図示の入力装置を含む。当該入力装置は、例えばボタン、操作盤等を備える。当該入力装置は、端末表示部214と一体的に備えられるタッチパネル等のポインティングデバイスを備えてもよい。
【0040】
端末通信部202は、利用者端末200に備えられる不図示の1以上の通信モジュールを含む。端末通信部202は、第1端末通信部2021と、第2端末通信部2022とを有する。
【0041】
第1端末通信部2021には、制御装置300に備えられる通信部302と通信を行うための通信モジュールが含まれる。当該通信モジュールは、例えば近距離無線通信を行うためのモジュールである。上述した所定の通信は、第1端末通信部2021を介して行われる。
【0042】
第2端末通信部2022には、ネットワークNWを介して管理サーバ100と通信を行うための通信モジュールが含まれる。
【0043】
端末演算部204は、利用者端末200に備えられる不図示の演算回路を含む。当該演算回路には、CPU等の不図示のプロセッサが備えられる。当該演算回路には少なくとも1つのプロセッサが備えられ得る。当該演算回路には、ASIC、FPGA等の集積回路が備えられてもよい。
【0044】
端末記憶部206は、利用者端末200に備えられる1以上の不図示のメモリを含む。端末記憶部206には、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとが含まれ得る。
【0045】
端末演算部204には、履歴関連情報受付部208と、履歴関連情報供給部210と、端末通信制御部212とが備えられる。履歴関連情報受付部208と、履歴関連情報供給部210と、端末通信制御部212とは、端末記憶部206(メモリ)によって記憶されるプログラムを端末演算部204(プロセッサ)が実行することによって、実現される。端末演算部204に備えられるASIC、FPGA等の集積回路によって、履歴関連情報受付部208と、履歴関連情報供給部210と、端末通信制御部212とのうちの少なくとも一部が実現されてもよい。
【0046】
端末通信制御部212は、端末通信部202を制御して、上述した所定の通信を行う。所定の通信が確立された場合は、上述したように、原動機制御部316による原動機に対する動作の制限が解除される。端末通信制御部212は、例えば、利用者USRが利用者端末200に対して上述の通信開始指示を出した場合に、所定の通信を試行する。
【0047】
端末通信制御部212は、端末操作部216を介して行われる利用者USRの指示(通信終了指示)に基づいて、所定の通信を終了させてもよい。利用者USRは、例えば原動機付自転車12を駐車した場合に、端末操作部216を介して通信終了指示を出すことができる。所定の通信が終了すると、上述した原動機制御部316は、原動機に対する動作の制限を開始(再開)する。また、所定の通信が終了する場合には、上述したように制御装置300(履歴関連情報提出部310)から利用者端末200に履歴関連情報が提出される。なお、上述したように、所定の通信には近距離無線通信が用いられ得る。この場合、利用者端末200(利用者USR)と制御装置300(原動機付自転車12)とがある程度(所定距離)以上離れることで、所定の通信は終了(切断)され得る。
【0048】
履歴関連情報受付部208は、制御装置300(履歴関連情報提出部310)から提出される履歴関連情報を受け付ける。換言すれば、履歴関連情報受付部208は、制御装置300から履歴関連情報を取得する。履歴関連情報受付部208は、第1端末通信部2021を制御することにより、履歴関連情報提出部310から提出される履歴関連情報を受け付けることができる。
【0049】
また、履歴関連情報受付部208は、制御装置300(履歴関連情報提出部310)から提出された履歴関連情報を、端末記憶部206に記憶させる。履歴関連情報受付部208は、履歴関連情報と、原動機付自転車12の識別情報とを関連付けて端末記憶部206に記憶させてもよい。なお、原動機付自転車12の識別情報は、履歴関連情報を提出した履歴関連情報提出部310から、履歴関連情報受付部208に供給され得る。
【0050】
履歴関連情報供給部210は、端末記憶部206によって記憶された履歴関連情報を、管理サーバ100に供給(発信)する。履歴関連情報供給部210は、第2端末通信部2022を制御することにより、ネットワークNWを介して管理サーバ100に履歴関連情報を供給することができる。
【0051】
履歴関連情報供給部210は、端末記憶部206によって記憶された履歴関連情報を、管理サーバ100に逐次供給するが、これに限定されない。すなわち、履歴関連情報供給部210は、履歴関連情報受付部208によって取得された履歴関連情報を管理サーバ100に逐次供給するが、これに限定されない。例えば、履歴関連情報供給部210は、あらかじめ決められた時刻が到来した場合に、端末記憶部206によって記憶されている履歴関連情報を管理サーバ100に自動的に供給してもよい。また、例えば、利用者端末200(端末通信部202)がLAN(Local Area Network)を介して管理サーバ100と通信可能である場合に、履歴関連情報供給部210は、端末記憶部206によって記憶された履歴関連情報を管理サーバ100へと発信してもよい。なお、LANは
図1のネットワークNWに含まれ得る。利用者USRが利用者端末200を操作することにより、当該利用者端末200から管理サーバ100へと履歴関連情報を発信することを指示できるようにしてもよい。
【0052】
【0053】
管理サーバ100は、サーバ通信部(通信部)102と、サーバ演算部(演算部)104と、サーバ記憶部(記憶部)106とを備える。
【0054】
サーバ通信部102は、管理サーバ100に備えられる1以上の不図示の通信モジュールを含む。当該通信モジュールは、ネットワークNWを介して利用者端末200と通信可能なモジュールである。
【0055】
サーバ演算部104は、管理サーバ100に備えられる不図示の演算回路を含む。当該演算回路には、CPU等の不図示のプロセッサが備えられる。当該演算回路には少なくとも1つのプロセッサが備えられ得る。当該演算回路には、ASIC、FPGA等の集積回路が備えられてもよい。
【0056】
サーバ記憶部106は、管理サーバ100に備えられる1以上の不図示のメモリを含む。サーバ記憶部106には、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとが含まれ得る。サーバ記憶部106には、ネットワークNWを介してサーバ演算部104(プロセッサ)がアクセス可能な外部ストレージが含まれてもよい。
【0057】
サーバ演算部104には、履歴関連情報取得部(取得部)108と、記憶処理部110と、規則違反判定部112と、駐車比率取得部114と、スケジュール提案部116と、提供情報生成部118と、情報提供部120と、制限部122とが備えられる。履歴関連情報取得部108と、記憶処理部110と、規則違反判定部112と、駐車比率取得部114と、スケジュール提案部116と、提供情報生成部118と、情報提供部120と、制限部122とは、サーバ記憶部106(メモリ)によって記憶されるプログラムをサーバ演算部104(プロセッサ)が実行することによって、実現される。サーバ演算部104に備えられるASIC、FPGA等の集積回路によって、履歴関連情報取得部108と、記憶処理部110と、規則違反判定部112と、駐車比率取得部114と、スケジュール提案部116と、提供情報生成部118と、情報提供部120と、制限部122とのうちの少なくとも一部が実現されてもよい。
【0058】
履歴関連情報取得部108は、利用者端末200から履歴関連情報を取得する。すなわち、履歴関連情報取得部108は、制御装置300によって記録された履歴関連情報を、利用者端末200を介して制御装置300から取得する。
【0059】
また、上述したように、利用者端末200は、履歴関連情報と、原動機付自転車12の識別情報とを関連付け得る。この場合、履歴関連情報取得部108は、履歴関連情報とともに、当該履歴関連情報に関連付けられた識別情報をさらに取得し得る。
【0060】
記憶処理部110は、貸与先に貸与される複数の原動機付自転車12の各々の識別情報と、貸与先を示す情報である貸与先情報とを関連付けてサーバ記憶部106にあらかじめ記憶させる。記憶処理部110は、例えば貸与者によって貸与先に原動機付自転車12が貸与された場合に、貸与者の要求に応じて識別情報と貸与先情報との関連付けを行い得る。
【0061】
また、記憶処理部110は、履歴関連情報取得部108によって取得された履歴関連情報を、サーバ記憶部106に記憶させる。上述したように、原動機付自転車12の識別情報と、貸与先情報とは、あらかじめ関連付けられ得る。履歴関連情報取得部108は、履歴関連情報とともに、当該履歴関連情報に関連付けられた識別情報をさらに取得し得る。したがって、記憶処理部110は、履歴関連情報取得部108によって取得された履歴関連情報を、識別情報に基づいて、貸与先情報に関連付け得る。これにより、サーバ記憶部106は、貸与先に貸与された原動機付自転車12の履歴関連情報を、当該貸与先を示す貸与先情報と関連付けて記憶し得る。
【0062】
記憶処理部110は、利用者USRを示す情報である利用者情報と、当該利用者USRによって利用される原動機付自転車12の識別情報とをあらかじめ関連付けてサーバ記憶部106に記憶させてもよい。記憶処理部110は、例えば貸与者によって貸与先に原動機付自転車12が貸与された後に、貸与者の要求に応じて、利用者情報と識別情報との関連付けを行い得る。この場合、記憶処理部110は、履歴関連情報取得部108によって取得された履歴関連情報を、識別情報に基づいて、利用者情報に関連付け得る。これにより、サーバ記憶部106は、利用者USRによって利用される原動機付自転車12の履歴関連情報を、当該利用者USRを示す貸与先情報と関連付けて記憶し得る。
【0063】
規則違反判定部112は、履歴関連情報取得部108によって取得された履歴関連情報に基づいて、原動機付自転車12の利用に関する規則違反の有無を判定する。
【0064】
例えば、利用規則には、原動機付自転車12の制限速度が定められ得る。また、履歴関連情報には、原動機付自転車12の走行速度を示す情報が含まれ得る。したがって、規則違反判定部112は、原動機付自転車12の走行速度があらかじめ決められた制限速度を超えているか否かを、履歴関連情報に基づいて判定し得る。原動機付自転車12の走行速度が制限速度を超えている場合は、規則違反判定部112は、規則違反があったと判定し得る。
【0065】
原動機付自転車12が特定小型原動機付自転車である場合における制限速度は、例えば最大20km/hである。仮に、特定小型原動機付自転車である原動機付自転車12の走行速度が20km/hを超えていた場合、規則違反判定部112は、当該原動機付自転車12に対して不適切な改造が行われた可能性があると判定してもよい。動作モードが第1動作モード(車道走行モード)に設定されている原動機付自転車12の走行速度が20km/hを超えていた場合も、規則違反判定部112は、当該原動機付自転車12に対して不適切な改造が行われた可能性があると判定し得る。
【0066】
原動機付自転車12が特例特定小型原動機付自転車(歩道走行モード)である場合における制限速度は、例えば最大6km/hである。特例特定小型原動機付自転車である原動機付自転車12の走行速度が6km/hを超えていた場合、規則違反判定部112は、当該原動機付自転車12に対して不適切な改造が行われた可能性があると判定してもよい。動作モードが第2動作モード(歩道走行モード)に設定されている原動機付自転車12の走行速度が6km/hを超えていた場合も、規則違反判定部112は、当該原動機付自転車12に対して不適切な改造が行われた可能性があると判定し得る。
【0067】
制限部122は、規則違反判定部112により規則違反があったと判定された場合に、規則違反を犯した利用者USRによって利用される原動機付自転車12の機能を制限するための制御を実行する。具体的には、例えば、制限部122は、原動機付自転車12の上限車速を通常よりも小さい車速に制限する。制限部122は、原動機付自転車12が通常利用している駐輪場から所定距離以上離れた場所に位置している場合に、上限車速を制限する制御を実施してもよい。この場合における駐輪場は、後述する所定場所20であってもよい。また、制限部122は、原動機付自転車12の起動自体を制限してもよい。具体的には、制限部122は、原動機付自転車12が通常利用している駐輪場に位置している場合に、当該原動機付自転車12の起動自体を制限してもよい。なお、制限部122は、例えば、規則違反を犯した利用者USRの利用者端末200を監視するとともに、当該利用者端末200と制御装置300との所定の通信が試行された場合には、制御装置300に制限指令を送る。当該制限指令は、例えば規則違反を犯した利用者USRの利用者端末200を介して制限部122から制御装置300に送られるが、これに限定されない。制御装置300(原動機制御部316)は、受信した制限指令に基づいて、原動機付自転車12の機能を制限する。このようにして、制限部122は、原動機付自転車12の機能を制限することができる。
【0068】
駐車比率取得部114は、貸与総数に対する駐車数の割合である駐車比率を取得する。貸与総数は、一の貸与先に貸与される原動機付自転車12の総数である。駐車数は、当該一の貸与先によって指定される所定場所20(
図1も参照)に駐車されている原動機付自転車12の数である。所定場所20は、例えば貸与先によって管理される駐車場(駐輪場)、広場等であるが、これらに限定されない。所定場所20には、バッテリ16を充電可能な充電設備22が備えられてもよい。駐車比率は、駐車数を貸与総数で割った商として算出され得る。
【0069】
上述したように、履歴関連情報には、原動機付自転車12の位置を示す情報が含まれ得る。当該位置を示す情報に基づいて、駐車比率取得部114は、原動機付自転車12が所定場所20に駐車されたか否かを把握し得る。駐車比率取得部114は、所定の算出期間のうちに複数の利用者端末200から提出された履歴関連情報に基づいて、駐車数を取得し得る。その場合、駐車比率取得部114は、所定の算出期間毎に駐車比率を取得してもよい。所定の算出期間は、例えば1日(24時間)であるが、これに限定されない。例えば所定の算出期間は、1時間でもよいし、2~23時間でもよい。
【0070】
スケジュール提案部116は、駐車比率取得部114によって取得される駐車比率に基づいて、所定場所20において行われる複数の原動機付自転車12に対するメンテナンス作業の実施スケジュール案を作成する。例えば、スケジュール提案部116は、1週間のうちの駐車比率が最も高い曜日を、曜日毎に取得された複数の駐車比率に基づいて特定する。スケジュール提案部116は、特定された曜日を、メンテナンス作業の実施候補日として決定する。スケジュール提案部116は、特定された曜日のうち駐車比率が最も高い時間帯を、メンテナンス作業の実施時間帯候補として決定してもよい。
【0071】
提供情報生成部118は、履歴関連情報取得部108によって取得される履歴関連情報に基づいて、管理サーバ100から貸与先に提供するための情報である提供情報を生成する。
【0072】
提供情報生成部118は、例えば、履歴関連情報に基づいて、原動機付自転車12の走行経路、最高速度等を示す情報を含む提供情報を生成する。提供情報生成部118は、当該提供情報に、原動機付自転車12を利用した利用者USRを示す利用者情報をさらに含めてもよい。
【0073】
提供情報生成部118は、駐車比率取得部114により取得される駐車比率を示す情報を含む提供情報を生成してもよい。また、提供情報生成部118は、スケジュール提案部116により提案されるメンテナンス作業の実施スケジュールを含む提供情報を生成してもよい。
【0074】
提供情報生成部118は、規則違反判定部112による判定の結果を示す情報を含む提供情報を生成してもよい。提供情報生成部118は、当該提供情報に、規則違反を犯した利用者USRを示す利用者情報をさらに含めてもよい。制限部122によって原動機付自転車12の機能が制限された場合は、提供情報生成部118は、当該原動機付自転車12の機能が制限されたことを示す情報を提供情報に含めてもよい。
【0075】
情報提供部120は、提供情報生成部118によって生成された提供情報を、貸与先に提供するための処理を実行する。例えば、情報提供部120は、貸与先によって所有される表示端末400(
図1も参照)に提供情報を表示させてもよいし、貸与先によって所有されるEメールアドレス宛に、提供情報を含むEメールを送信してもよい。なお、貸与先によって所有される表示端末400は、例えばパーソナルコンピュータであるが、スマートフォン、タブレット端末等でもよい。また、提供情報は、貸与先のみならず貸与者に提供されてもよい。換言すれば、表示端末400には、貸与者によって所持される端末が含まれてもよい。
【0076】
【0077】
管理システム10(コンピュータシステム)に備えられる1以上のプロセッサが、メモリに記憶される所定のプログラムを実行することにより、
図5に示す管理処理(管理方法)が実行され得る。
図5に示すように、管理方法は、制御処理(制御方法)S10と、情報管理処理(情報管理方法)S20とを含む。
【0078】
制御処理S10は、制御装置300に備えられるプロセッサ(演算部304)が、メモリ(記憶部306)に記憶される所定のプログラム(制御プログラム)を実行することにより、実行され得る。制御処理S10は、通信状態判定ステップS11と、制限維持ステップS12と、制限解除ステップS13と、履歴関連情報記録ステップ(記録ステップ)S14と、履歴関連情報提出ステップ(提出ステップ)S15とを有する。
【0079】
通信状態判定ステップS11では、制御装置300(通信部302)と利用者端末200(端末通信部202)との間で所定の通信が確立されたか否かを、通信状態判定部312が判定する。所定の通信は、例えば近距離無線通信を用いて行われる。
【0080】
制御装置300と利用者端末200との間で所定の通信が確立されていない場合は(S11:NO)、制限維持ステップS12が実行される。制御装置300と利用者端末200との間で所定の通信が確立された場合は(S11:YES)、制限解除ステップS13が実行される。
【0081】
制限維持ステップS12では、原動機制御部316が、原動機付自転車12に備えられる原動機に対する動作の制限を維持する。原動機に対する動作の制限は、制御装置300と利用者端末200との間で所定の通信が確立されたと通信状態判定ステップS11において判定されるまで、維持される。
【0082】
制限解除ステップS13では、原動機制御部316が、所定の通信が確立されたことに基づいて、原動機に対する動作の制限を解除する。これにより、原動機付自転車12を走行させることが許容される。
【0083】
次に、履歴関連情報記録ステップS14に移行して、履歴関連情報記録部308が、履歴関連情報を記録する。
【0084】
次に、履歴関連情報提出ステップS15に移行して、履歴関連情報提出部310が、利用者端末200に履歴関連情報を提出する。履歴関連情報提出ステップS15は、例えば、制御装置300と利用者端末200との間で行われていた所定の通信が終了する場合に自動的に実行される。利用者USRは、例えば原動機付自転車12を自宅、所定場所20等に駐車した後に利用者端末200を操作することにより、所定の通信を終了させることができる。
【0085】
こうして、制御処理S10は終了する。なお、
図5では図示を省略したが、履歴関連情報提出ステップS15の後には、原動機制御部316の原動機に対する動作の制限が再開され得る。
【0086】
情報管理処理S20は、制御処理S10の終了後に実行され得る。情報管理処理S20は、管理サーバ100に備えられるプロセッサ(サーバ演算部104)が、メモリ(サーバ記憶部106)に記憶される所定のプログラム(管理プログラム)を実行することにより、実行され得る。情報管理処理S20は、履歴情報取得ステップ(取得ステップ)S21と、駐車比率取得ステップS22と、スケジュール提案ステップS23と、規則違反判定ステップS24と、制限ステップS25と、提供情報生成ステップS26と、情報提供ステップS27とを有する。
【0087】
履歴情報取得ステップS21では、履歴関連情報取得部108が、利用者端末200を介して制御装置300から履歴関連情報を取得する。すなわち、履歴情報取得ステップS21では、履歴関連情報提出ステップS15において制御装置300から利用者端末200に提出された履歴関連情報が、履歴関連情報取得部108によって取得される。
【0088】
駐車比率取得ステップS22では、駐車比率取得部114が、駐車比率を取得する。なお、駐車比率取得ステップS22は、上述した所定の算出期間毎に実行されてもよい。換言すれば、駐車比率取得ステップS22は、履歴関連情報が履歴関連情報取得部108によって取得される度に実行されなくてもよい。
【0089】
スケジュール提案ステップS23では、スケジュール提案部116が、駐車比率取得ステップS22の実行結果に基づいて、メンテナンス作業の実施スケジュールを提案する。
【0090】
規則違反判定ステップS24は、規則違反判定部112が、履歴関連情報に基づいて、原動機付自転車12の利用者USRが利用規則に違反しているか否かを判定する。規則違反判定ステップS24では、例えば、利用者USRによって利用された原動機付自転車12の走行速度が制限速度を超えていたか否かが判定される。
【0091】
原動機付自転車12の利用者USRが利用規則に違反していた場合は(S24:YES)、制限ステップS25が実行される。原動機付自転車12の利用者USRが利用規則に違反してない場合は(S24:NO)、制限ステップS25はスキップされる。
【0092】
制限ステップS25では、制限部122が、規則違反を犯した利用者USRによって利用される原動機付自転車12の機能を制限するための制御を実行する。これにより、当該利用者USRによる原動機付自転車12の利用が制限される。なお、制限部122によって制限された機能は、上述した制限解除ステップS13において解除されない。したがって、所定の通信が成立した場合であっても、規則違反を犯した利用者USRによる原動機付自転車12の利用は制限される。
【0093】
提供情報生成ステップS26では、提供情報生成部118が、履歴関連情報に基づいて提供情報を生成する。提供情報には、上述した実施スケジュールを示す情報が含まれてもよいし、規則違反判定ステップS24における判定結果を示す情報が含まれてもよい。
【0094】
情報提供ステップS27では、情報提供部120が、提供情報生成ステップS26により生成された提供情報を、貸与先に提供する。情報提供ステップS27では、貸与者に提供情報が提供されてもよい。なお、情報提供ステップS27は、貸与先または貸与者による要求(提供要求)に応じて実行されるようにしてもよい。こうして、
図5の管理方法は終了する。
【0095】
本実施形態の管理システム10は、例えば以下に説明される作用効果を奏する。
【0096】
原動機制御部316は、制御装置300と利用者端末200との間で所定の通信が確立されない場合は、原動機付自転車12に備えられる原動機に対する動作の制限を行う。その一方で、制御装置300と利用者端末200との間で所定の通信が確立された場合は、原動機制御部316は、原動機付自転車12を利用することを許容する。これにより、原動機付自転車12は、当該原動機付自転車12に備えられる制御装置300(履歴関連情報提出部310)から利用者端末200に履歴関連情報が提出され得る状態でのみ、走行することができる。そのため、原動機付自転車12が利用者USRによって利用される場合には、管理サーバ100は、利用者端末200を介して履歴関連情報を確実に取得し得る。その結果、管理サーバ100(提供情報生成部118)による提供情報の生成が確実に実行され得るとともに、当該提供情報が貸与者、貸与先等に確実に提供され得る。貸与者、貸与先等は、管理サーバ100から提供される提供情報を参照して、原動機付自転車12が利用者USRによって適切に利用されているか否かを把握し得る。
【0097】
また、上述したように、原動機制御部316は、制御装置300と利用者端末200との間で所定の通信が確立されない場合に原動機付自転車12の動作を制限することができる。これにより、貸与者によって指定される利用者USRではない者による原動機付自転車12の不正利用を防止することができる。
【0098】
貸与先は、提供情報生成部118によって生成される提供情報を参照することにより、利用者USRが原動機付自転車12を適切に利用しているか否かを容易に監視し得る。その結果、企業、団体等の貸与先は、貸与された原動機付自転車12を適切に管理し得る。例えば、提供情報には、履歴関連情報に基づいて、原動機付自転車12の走行速度を示す情報が含まれる。貸与先は、原動機付自転車12の走行速度を示す提供情報を参照することにより、速度違反の有無を判断することができる。また、例えば特定小型原動機付自転車の走行速度があらかじめ決められた制限速度(20km/h)を超えていた場合に、貸与者は、当該特定小型原動機付自転車に不適切な改造が施された可能性があると判断し得る。
【0099】
記憶処理部110は、複数の原動機付自転車12の各々の識別情報と、貸与先を示す情報である貸与先情報とを関連付けて、サーバ記憶部(記憶部)106に記憶させる。これにより、例えば、貸与者によって複数の貸与先の各々に複数の原動機付自転車12が貸与される場合に、提供情報生成部118は、貸与先毎に提供情報を生成することができる。より具体的には、提供情報生成部118は、例えば第1の貸与先である企業に貸与された複数の原動機付自転車12の走行履歴関連情報に基づいて、当該企業に提供する提供情報を生成することができる。また、提供情報生成部118は、例えば第2の貸与先である団体に貸与された複数の原動機付自転車12の走行履歴関連情報に基づいて、当該団体に提供する提供情報を生成することができる。
【0100】
記憶処理部110は、原動機付自転車12を利用する利用者USRを示す利用者情報と、当該利用者USRによって利用される原動機付自転車12の識別情報とを関連付けて、サーバ記憶部(記憶部)106に記憶させる。これにより、提供情報生成部118は、利用者情報と識別情報との関連を示す情報を提供情報に含めることができる。その結果、貸与者は、例えば、不適切な改造が施された可能性のある原動機付自転車12を利用している利用者USRを容易に特定することができる。
【0101】
駐車比率取得部114は、貸与総数に対する駐車数の割合である駐車比率を取得する。駐車数は、所定場所20に駐車されている原動機付自転車12の数である。駐車数は、履歴関連情報に基づいて把握され得る。駐車比率を示す情報は、提供情報に含まれ得る。これにより、貸与者は、例えば複数の原動機付自転車12を管理するために用いる一つの参考資料として、駐車比率を利用し得る。
【0102】
スケジュール提案部116は、駐車比率に基づいて、メンテナンス作業の実施スケジュールを提案する。スケジュール提案部116は、例えば一週間のうち、駐車比率が最も高い曜日をメンテナンス作業の実施候補日として提案する。スケジュール提案部116によって提案される実施スケジュールを示す情報は、提供情報に含まれ得る。これにより、貸与者は、より多くの原動機付自転車12が所定場所20に駐車されている日(曜日)、時間帯に、メンテナンス作業を実施し得る。
【0103】
規則違反判定部112は、履歴関連情報に基づいて、利用者USRが利用規則に違反しているか否かを判定する。規則違反判定部112による判定の結果を示す情報は、提供情報に含まれ得る。これにより、貸与者は、利用者USRによる規則違反の有無を容易に把握し得る。
【0104】
例えば、規則違反判定部112は、原動機付自転車12の走行速度が、利用規則により定められる制限速度を超えているか否かを判定する。これにより、貸与者は、原動機付自転車12の制限速度違反の有無を容易に把握し得る。
【0105】
制限部122は、規則違反判定部112により規則違反があったと判定された場合に、規則違反を犯した利用者USRによって利用される原動機付自転車12の機能を制限するための制御を実行する。具体的には、例えば、制限部122は、原動機付自転車12の上限車速を通常よりも小さい車速に制限する。制限部122は、原動機付自転車12の起動自体を制限してもよい。これにより、不正利用を犯した利用者USRによって原動機付自転車12が利用されることを制限することができる。
【0106】
所定場所20には、原動機付自転車12のバッテリ16を充電可能な充電設備22が備えられてもよい。これにより、所定場所20への原動機付自転車12の持ち込みが、利用者USRに促され得る。所定場所20への原動機付自転車12の持ち込みが促されることにより、駐車比率の向上に資する。その結果、より多くの原動機付自転車12に対してメンテナンス作業が実施され得る。
【0107】
また、所定場所20に充電設備22が備えられるので、例えばバッテリ16の充電設備22を所有していない者であっても原動機付自転車12を利用することが可能になる。その結果、原動機付自転車12の利用の普及が促される。
【0108】
一実施形態は、下記のように変形してもよい。下記の変形例では、実施形態と重複する説明は適宜割愛する。また、下記の変形例に用いられる図は、実施形態において説明した構成と同一の構成については同一の符号を付す。
【0109】
(変形例1)
制御装置300(履歴関連情報提出部310)と利用者端末200(履歴関連情報供給部210)との通信方式は近距離無線通信に限定されない。例えば、制御装置300と利用者端末200とは、制御装置300と利用者端末200とを物理的に接続する接続機器を介して通信してもよい。接続機器には、例えばコネクタ、ケーブル等が含まれる。
【0110】
(変形例2)
制御装置300(履歴関連情報記録部308)は、原動機付自転車12の利用者USRがヘルメットを所持(着用)しているか否かを判定してもよい。例えば、ヘルメットに、GNSSセンサが備えられる。当該GNSSセンサの検出信号に基づいて、履歴関連情報記録部308は、利用者USRがヘルメットを所持(着用)しているか否かを判定してもよい。
【0111】
(変形例3)
管理サーバ100に備えられる履歴関連情報取得部108は、ネットワークNWを介して、貸与される原動機付自転車12以外の車両に関するデータを取得してもよい。例えば履歴関連情報取得部108は、一般車両のフローティングカーデータ(FCDデータ)を取得してもよい。
【0112】
規則違反判定部112は、FCDデータと履歴関連情報とに基づいて、規則違反の有無を判定してもよい。例えば、規則違反判定部112は、FCDデータと履歴関連情報とに基づいて、原動機付自転車12の付近を当該原動機付自転車12と同じ進行方向に向かって走行していた一般車両の有無を判定する。また、規則違反判定部112は、例えば、信号機が設置されている場所において当該一般車両が停止(一時停止)した場合に、原動機付自転車12が走行を継続していたか否かを、FCDデータと履歴関連情報とに基づいて判定する。なお、信号機が設置されている場所の有無は、例えばサーバ記憶部106にあらかじめ記憶される地図情報に基づいて把握され得る。信号機が設置されている場所で一般車両が一時停止していた一方で原動機付自転車12は走行を継続していた場合、当該原動機付自転車12の利用者USRが信号無視をした可能性がある。この場合、規則違反判定部112は、利用者USRが規則違反(交通規則違反)をしたと判定し得る。
【0113】
(変形例4)
交通規則に関して規則違反をした利用者USRがいる場合、情報生成部は、原動機付自転車12の安全運転講習に関する情報を、提供情報に含めてもよい。これにより、安全運転講習に関する情報が貸与先に提供される。貸与先は、交通規則に違反した利用者USRに対して、安全運転講習への参加を促すことができる。なお、安全運転講習に関する情報は、利用者USRによって所持される通信端末(利用者端末200)に向けて発信されてもよい。
【0114】
(変形例5)
制御装置300に備えられる通信状態判定部312は、当該制御装置300に対して所定の通信を試行している利用者端末200が、当該制御装置300にあらかじめ対応付けられた利用者端末200であるか否かを判定してもよい。制御装置300に対応付けられた利用者端末200を示す情報は、例えば当該制御装置300に備えられる記憶部306によって、あらかじめ記憶される。
【0115】
通信状態判定部312は、制御装置300にあらかじめ対応付けられた利用者端末200ではない利用者端末200によって試行される所定の通信を拒絶してもよい。これにより、利用者USRと、当該利用者USRによって利用可能な原動機付自転車12との対応関係が、一意に決められる。その結果、例えば、サーバ記憶部106によって記憶される利用者USRの利用者情報と原動機付自転車12の識別情報との対応関係が一意に定められる。利用者情報と識別情報との対応関係が一意に定められることにより、利用者USR、原動機付自転車12を管理することが、貸与者、貸与先等にとってより容易になる。
【0116】
なお、制御装置300に対して所定の通信を試行している利用者端末200が当該制御装置300にあらかじめ対応付けられた利用者端末200であるか否かを判定する機能は、利用者端末200に備えられてもよい。例えば、利用者端末200の端末通信制御部212が、当該利用者端末200と、制御装置300との対応関係に基づいて、所定の通信を行うか否かを判定してもよい。当該判定は、ネットワークNWを介して利用者端末200と通信可能な管理サーバ100によって実行されてもよい。例えば、管理サーバ100に備えられる規則違反判定部112が、当該判定を実行してもよい。
【0117】
(変形例6)
所定の通信が確立された後には、利用者端末200と制御装置300との間の所定の通信が直ちに終了されてもよい。つまり、制御装置300から利用者端末200に履歴関連情報を提出可能な状態であることが確認できた場合は、所定の通信が直ちに終了されてもよい。所定の通信が速やかに終了されることで、当該所定の通信を維持するために利用者端末200、制御装置300等によって消費されるエネルギ(電力)が抑制される。
【0118】
所定の通信が確立された後に当該所定の通信が直ちに終了される場合、当該所定の通信が終了した後においても、原動機制御部316は、バッテリ16から原動機への電力供給を許容する状態を維持してもよい。また、この場合、原動機制御部316は、例えば所定の通信が確立されてから、原動機付自転車12の電源がオフされるまでの期間にわたって、バッテリ16から原動機への電力供給を許容する状態を維持してもよい。当該電源がオフされてから、次に当該電源がオンされた場合は、原動機制御部316は、原動機に対する動作の制限を実行し得る。
【0119】
所定の通信が確立された後に当該所定の通信が直ちに終了される場合、原動機付自転車12が走行する前に所定の通信が終了され得る。すなわち、有意な履歴関連情報が履歴関連情報記録部308によって取得される前に、所定の通信が終了され得る。これを踏まえ、制御装置300(履歴関連情報提出部310)は、所定の通信が終了した時点では履歴関連情報を提出しなくてもよい。その場合、制御装置300(通信部302)は、例えば所定の通信が終了された後、且つ原動機付自転車12の電源がオフされる場合に、履歴関連情報を利用者端末200に提出するための通信(近距離無線通信)を自動的に試行してもよい。これにより、所定の通信が確立された後に当該所定の通信が直ちに終了される場合であっても、履歴関連情報が利用者端末200に提出される。
【0120】
(複数の変形例の組み合わせ)
前述された複数の変形例は、矛盾しない範囲内において適宜組み合わされてもよい。
【0121】
上記実施形態によれば、管理システム10、制御装置300、制御処理S10およびプログラムは、原動機付自転車12の利用者USRによる適切な利用を促し得る。
【0122】
上記実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0123】
(付記1)
本開示の管理システム(10)は、複数の原動機付自転車(12)を貸与される貸与先によって指定される利用者(USR)によって所持される可搬通信端末である利用者端末(200)と、複数の前記原動機付自転車の各々に備えられ、前記利用者端末と通信可能であるとともに前記原動機付自転車の原動機を制御する制御装置(300)と、を有し、前記制御装置は、前記利用者端末と前記制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部(312)と、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合は前記原動機に対する動作の制限を維持し、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されたことに基づいて前記原動機に対する動作の前記制限を解除する原動機制御部(316)と、を備える。これにより、例えば原動機付自転車が利用される場合には履歴関連情報が確実に利用者端末に提出され得るので、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る。
【0124】
(付記2)
付記1に記載の管理システムであって、複数の前記原動機付自転車を管理するための管理装置(100)をさらに有し、前記制御装置は、前記原動機付自転車の走行履歴に関する情報である履歴関連情報を記録する記録部(308)をさらに有し、前記管理装置は、前記記録部によって記録された前記履歴関連情報を、前記利用者端末を介して取得する取得部(108)と、前記取得部によって取得される前記履歴関連情報に基づいて、前記貸与先に提供するための提供情報を生成する提供情報生成部(118)と、を備えてもよい。これにより、貸与先に情報が提供されるため、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る。
【0125】
(付記3)
付記2に記載の管理システムであって、前記履歴関連情報には、前記原動機付自転車の位置を示す情報と、前記原動機付自転車の走行速度を示す情報と、前記原動機付自転車の加減速を示す情報とのうちの少なくとも1つが含まれてもよい。これにより、貸与先は、利用者によって原動機付自転車がどのように利用されたのかを具体的に把握し得る。
【0126】
(付記4)
付記2に記載の管理システムであって、前記原動機付自転車は、複数の動作モードを選択的に実行可能であり、前記履歴関連情報には、前記動作モードを示す情報が含まれてもよい。これにより、貸与先は、利用者によって原動機付自転車がどのように利用されたのかを具体的に把握し得る。
【0127】
(付記5)
付記2に記載の管理システムであって、前記管理装置は、前記利用者が利用規則に違反しているか否かを前記履歴関連情報に基づいて判定する規則違反判定部(112)をさらに備え、前記提供情報には、前記規則違反判定部による判定の結果を示す情報が含まれてもよい。これにより、貸与者は、利用者による規則違反の有無を容易に把握し得る。
【0128】
(付記6)
付記5に記載の管理システムであって、前記利用規則には、前記原動機付自転車の制限速度が定められており、前記履歴関連情報には、前記原動機付自転車の走行速度を示す情報が含まれ、前記走行速度が前記制限速度を超えている場合、前記規則違反判定部は、規則違反があったと判定してもよい。これにより、貸与者は、原動機付自転車の制限速度違反の有無を容易に把握し得る。
【0129】
(付記7)
付記5に記載の管理システムであって、前記管理装置は、前記規則違反判定部により規則違反があったと判定された場合に、前記規則違反を犯した前記利用によって利用される前記原動機付自転車の機能を制限するための制御を実行してもよい。これにより、不正利用を犯した利用者によって原動機付自転車が利用されることを制限することができる。
【0130】
(付記8)
付記2に記載の管理システムであって、前記管理装置は、前記貸与先に貸与される複数の前記原動機付自転車の各々の識別情報と、前記貸与先を示す情報である貸与先情報とを関連付けて記憶部(106)に記憶させる記憶処理部(110)をさらに備えてもよい。これにより、提供情報生成部は、貸与先毎に提供情報を生成することができる。
【0131】
(付記9)
付記8に記載の管理システムであって、前記記憶処理部は、前記利用者を示す情報である利用者情報と、前記利用者によって利用される前記原動機付自転車の前記識別情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。これにより、貸与者は、原動機付自転車を適切に利用していない利用者を容易に特定することができる。
【0132】
(付記10)
付記1に記載の管理システムであって、前記原動機付自転車は、特定小型原動機付自転車であってもよい。
【0133】
(付記11)
付記1に記載の管理システムであって、前記貸与先は、企業または団体であってもよい。
【0134】
(付記12)
本開示の制御装置(300)は、貸与先に貸与される原動機付自転車(12)の原動機を制御する制御装置であって、前記貸与先によって指定される利用者(USR)によって所持される可搬通信端末である利用者端末(200)と制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定部(312)と、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合は前記原動機に対する動作の制限を維持し、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されたことに基づいて前記原動機に対する動作の前記制限を解除する原動機制御部(316)と、を備える。これにより、例えば原動機付自転車が利用される場合には履歴関連情報が確実に利用者端末に提出され得るので、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る。
【0135】
(付記13)
本開示の制御方法(S10)は、貸与先に貸与される原動機付自転車(12)の原動機を制御装置(300)によって制御する制御方法であって、前記貸与先によって指定される利用者(USR)によって所持される可搬通信端末である利用者端末(200)と前記制御装置との間で所定の通信が確立されたか否かを判定する通信状態判定ステップ(S11)と、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立されていない場合に実行され、前記原動機に対する動作の制限を維持する制限維持ステップ(S12)と、前記利用者端末と前記制御装置との間で前記所定の通信が確立された場合に実行され、前記原動機に対する動作の前記制限を解除する制限解除ステップ(S13)と、を有する。これにより、例えば原動機付自転車が利用される場合には履歴関連情報が確実に利用者端末に提出され得るので、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る。
【0136】
(付記14)
本開示のプログラムは、付記13に記載の制御方法を前記制御装置に実行させる。これにより、例えば原動機付自転車が利用される場合には履歴関連情報が確実に利用者端末に提出され得るので、原動機付自転車の利用者による適切な利用を促し得る。
【0137】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本開示の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0138】
10…管理システム
12…原動機付自転車
100…管理サーバ(管理装置)
106…サーバ記憶部(記憶部)
108…履歴関連情報取得部(取得部)
110…記憶処理部
112…規則違反判定部
118…提供情報生成部
122…制限部
200…利用者端末(端末装置)
300…制御装置
306…記憶部
308…履歴関連情報記録部(記録部)
312…通信状態判定部
316…原動機制御部
USR…利用者