(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010706
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】UPSシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20250116BHJP
H02B 1/30 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
H02J9/06
H02B1/30 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112842
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】本田 和磨
(72)【発明者】
【氏名】鳴島 じゅん
【テーマコード(参考)】
5G015
5G016
【Fターム(参考)】
5G015FA10
5G015GA01
5G015GA11
5G015GB06
5G015HA02
5G015HA03
5G015HA18
5G015JA05
5G015JA32
5G015JA52
5G016AA07
(57)【要約】
【課題】
UPSシステムにおいて、列盤時の幅寸法を低減する技術を提供すること。
【解決手段】
UPSシステムは、外部から電力が入力される入力盤と、外部の負荷装置に電力を供給する出力盤と、入力盤から電力が入力し、出力盤に電力を出力するUPS装置と、を備える。UPS装置は、複数の変換器盤と、UPSインタフェース盤と、備え、複数の変換器盤およびUPSインタフェース盤は、一方向に並べて設けられる。UPSインタフェース盤は、入力盤、および、複数の変換器盤に電気的に接続され、入力盤から電力が入力する構成である。ここで、入力盤または出力盤の一方は、UPS装置の背面側に配置され、入力盤または出力盤の他方は、UPS装置の側面側に配置される。或いは、入力盤および出力盤は、UPS装置の背面側に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から電力が入力される入力盤と、
外部の負荷装置に電力を供給する出力盤と、
前記入力盤から電力が入力し、前記出力盤に電力を出力するUPS装置と、
を備え、
前記UPS装置は、
複数の変換器盤と、UPSインタフェース盤と、備え、
前記の複数の変換器盤および前記UPSインタフェース盤は、
一方向に並べて設けられ、
前記UPSインタフェース盤は、
前記入力盤、および、前記の複数の変換器盤に電気的に接続され、前記入力盤から電力が入力する構成であり、
前記入力盤は、前記UPS装置の背面側に配置され、前記出力盤は、前記UPS装置の側面側に配置される、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のUPSシステムであって、
前記UPSインタフェース盤は、前記入力盤から入力する電力を前記変換器盤に供給しないで前記出力盤に出力する電路を開閉するバイパススイッチを備える、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のUPSシステムであって、
前記UPSインタフェース盤は、前記一方向の一端側に設けられ、
前記UPS装置と前記入力盤は、前記UPSインタフェース盤の背面側と前記入力盤の背面側で電路を介して接続され、
前記UPS装置と前記出力盤は、前記UPSインタフェース盤の側面側で電路を介して接続される、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項4】
外部から電力が入力される入力盤と、
外部の負荷装置に電力を供給する出力盤と、
前記入力盤から電力が入力し、前記出力盤に電力を出力するUPS装置と、
を備え、
前記UPS装置は、
複数の変換器盤と、UPSインタフェース盤と、備え、
前記の複数の変換器盤および前記UPSインタフェース盤は、
一方向に並べて設けられ、
前記UPSインタフェース盤は、
前記入力盤、および、前記の複数の変換器盤に電気的に接続され、前記入力盤から電力が入力する構成であり、
前記出力盤は、前記UPS装置の背面側に配置され、前記入力盤は、前記UPS装置の側面側に配置される、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のUPSシステムであって、
前記UPSインタフェース盤は、前記入力盤から入力する電力を前記変換器盤に供給しないで前記出力盤に出力する電路を開閉するバイパススイッチを備える、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のUPSシステムであって、
前記UPSインタフェース盤は、前記一方向の一端側に設けられ、
前記UPS装置と前記出力盤は、前記UPSインタフェース盤の背面側と前記出力盤の背面側で電路を介して接続され、
前記UPS装置と前記入力盤は、前記UPSインタフェース盤の側面側で電路を介して接続される、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項7】
外部から電力が入力される入力盤と、
外部の負荷装置に電力を供給する出力盤と、
前記入力盤から電力が入力し、前記出力盤に電力を出力するUPS装置と、
を備え、
前記UPS装置は、
複数の変換器盤と、UPSインタフェース盤と、備え、
前記の複数の変換器盤および前記UPSインタフェース盤は、
一方向に並べて設けられ、
前記UPSインタフェース盤は、
前記入力盤、および、前記の複数の変換器盤に電気的に接続され、前記入力盤から電力が入力する構成であり、
前記入力盤および前記出力盤は、前記UPS装置の背面側に配置される、
ことを特徴とするUPSシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のUPSシステムであって、
前記UPSインタフェース盤は、前記入力盤から入力する電力を前記変換器盤に供給しないで前記出力盤に出力する電路を開閉するバイパススイッチを備える、
ことを特徴とするUPSシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UPSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
UPS(Uninterruptible Power Supply)装置を備え、停電時などに電力を供給可能なUPSシステムが知られている。特許文献1は、この種のシステムを開示する。
【0003】
特許文献1には、「無停電電源装置盤容器1a、3aの背面側同士並びに無停電電源装置盤容器2a、4aの背面側同士を対向させると共に無停電電源装置盤容器1a-3a、2a-4a同士を電気的に接続する配線接続スペース13、24を確保した状態で無停電電源装置1、3、2、4を設置し、また無停電電源装置盤容器5a及び出力盤容器8aの背面側同士を対向させると共に無停電電源装置盤容器5a及び出力盤容器8a同士を電気的に接続する配線接続スペース58を確保した状態で無停電電源装置5及び出力盤8を設置してある。」との記載がある。
【0004】
また、特許文献1には、「各無停電電源装置本体1b~5bは、いずれも
図3に示すようにコンバータCNと、インバータINと、チョッパCPと、第1、第2、第3のコンデンサC1、C2、C3と、第1、第2、第3のリアクトルL1、L2、L3と、第1、第2の遮断器CB1、CB2と、第1、第2、第3の接触器M1、M2、M3と、バイパス回路BPと、第1、第2のスイッチング素子S1、S2とを備えている。」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
UPSシステムでは、列盤時の幅寸法が大きくなり、例えば、設置スペースの観点から設置場所が限定され得る。そのため、列盤時の幅寸法を低減したいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、一例として、下記のUPSシステムが提供される。すなわち、UPSシステムは、外部から電力が入力される入力盤と、外部の負荷装置に電力を供給する出力盤と、入力盤から電力が入力し、出力盤に電力を出力するUPS装置と、を備える。このUPS装置は、複数の変換器盤と、UPSインタフェース盤と、備える。そして、前記の複数の変換器盤およびUPSインタフェース盤は、一方向に並べて設けられる。また、UPSインタフェース盤は、入力盤、出力盤、および、前記の複数の変換器盤に電気的に接続され、入力盤から電力が入力する構成である。そして、入力盤あるいは出力盤の一方は、UPS装置の背面側に配置され、他方はUPS装置の側面側に配置される。また、上記と同様の入力盤と、出力盤と、UPS装置と、を備え、入力盤および出力盤の両方が、UPS装置の背面側に配置されるUPSシステムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の変換器盤に横並びに配置され、これらの複数の変換器盤に並列接続され、入力盤から電力が入力するUPSインタフェース盤を用いてUPS装置を構成することで、UPS装置において変換基盤の構造の簡素化を図ることができ、これにより、列盤時の幅寸法を抑制することができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】UPSシステムにおける列盤構成の一例を示す図である。
【
図2】UPSシステムの電気的な構造を説明するための図である。
【
図7】UPSシステムにおける列盤構成の一例を示す図である。
【
図8】UPSシステムにおける列盤構成の一例を示す図である。
【
図9】UPSシステムにおける列盤構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0011】
先ず、
図1を参照しながら、UPSシステムの概要について説明する。UPSシステムは、停電時などに電力を供給可能なシステムである。UPSシステム1aは、入力盤2と、出力盤4と、UPS装置3と、を備える。入力盤2は、外部から電力が入力する盤であり、この例では、UPS装置3の背面側の位置に、入力盤2の背面とUPS装置3の背面を向かい合わせて配置される。出力盤4は、外部の負荷装置に電力を出力する盤であり、この例では、UPS装置3の側面側(詳細には、UPS装置3のUPSインタフェース盤の側面側)に配置される。
【0012】
UPS装置3は、例えば、通常時に電力を蓄え、停電時において蓄えた電力を出力する装置である。本実施形態では、UPS装置3は、複数の変換器盤31と、外部との電力の入出力を行うUPSインタフェース盤37と、を備え、これらの盤(31、37)は、一方向に並べられている。なお、入力盤2、出力盤4、および、UPS装置3の具体的な構造例を後で詳しく説明する。
【0013】
また、本実施形態では、それぞれの盤(2、4、31、37)は、内部にアクセスするための開閉扉を正面側に備える。従って、UPSシステムを利用するユーザは、開閉扉を開けて内部にアクセスし、例えば、所定の操作、メンテナンス等の作業を行うことができる。UPSシステムでは、各盤の開閉扉が正面側を向いているため、作業性が高くなっている。
【0014】
次に、
図2を参照しながら、UPSシステムの電気的な構成の一例を説明する。
【0015】
入力盤2は、UPSシステム1aの外部の交流電源12からUPS装置3へ電力を供給する構成であり、本実施形態では、交流電源12側から順に、遮断機21と、変圧器22と、を備える。遮断機21は、電力を供給するかしないかを切り替えるスイッチである。例えば、所定値以上の電力が流れる場合、遮断機21は、電力の供給を遮断する。変圧器22は、交流電力の電圧の高さを適切な値に調整する機器である。入力盤2は、交流電源12から入力された交流電力を変圧器22で調整し、UPS装置3に供給する。なお、入力盤2は、例えば1つの盤で構成されてもよいし、複数の盤で構成されてもよい。
【0016】
上記したように、UPS装置3は、複数の変換器盤31と、UPSインタフェース盤37と、を備える。ここで、UPSインタフェース盤37は、入力盤2と、出力盤4と、に接続され、UPS装置3において電力の入出力を行う盤である。また、本実施形態では、UPSインタフェース盤37は、各変換器盤31に並列的に接続されており、各変換器盤31に電力を出力することができる。
【0017】
それぞれの変換器盤31は、コンバータ32と、インバータ33と、チョッパ34と、を備える。変換器盤31は、通常時において、コンバータ32(詳細には、AC/DCコンバータ)にて蓄電池13を充電しながらインバータ33に直流電力を供給する。そして、変換器盤31は、インバータ33にて直流電力を所定の電圧や周波数の交流電流に変換し(すなわち、インバータ33にてより安定した交流電力に変換し)、UPSインタフェース盤37に出力する。
【0018】
変換器盤31は、チョッパ34(詳細には、チョッパ回路)を通して蓄電池13に電力を供給する。ここで、交流電源12から電力が供給される時において、チョッパ34は降圧チョッパとして動作し、チョッパ34を通して蓄電池13が充電される。また、変換器盤31は、チョッパ34を通して、蓄電池13の電力をインバータ33に供給することができる。すなわち、停電時において、チョッパ34は昇圧チョッパとして動作し、変換器盤31は、チョッパ34を通してインバータ33に電力を供給する。
【0019】
なお、蓄電池13は、適宜の箇所に設置することができる。蓄電池13は、例えば、変換器盤31の下方(地下、地中など)に設置されてもよい。
【0020】
UPSインタフェース盤37は、入力遮断機38と、バイパススイッチ39と、を備える。入力遮断機38は、電路を開閉する装置である。例えば、入力盤2から所定値以上の電力が流れる場合、入力遮断機38は、電力の供給を遮断する。バイパススイッチ39は、入力された電力を変換器盤31に供給しないで出力盤4に供給する電路に設けられる。バイパススイッチ39は、この電路を切り替えるスイッチであり、後述するように、運転モードを切り替える際に使用される。
【0021】
本実施形態では、UPS装置3において、UPSインタフェース盤37が端(詳細には、出力盤4側の端)に配置されている。そして、UPS装置3と入力盤2は、UPSインタフェース盤37の背面側と入力盤の背面側で電路を介して接続され、UPS装置3と出力盤4は、UPSインタフェース盤37の側面側で電路を介して接続されている。これにより、バイパススイッチ39が導通する場合における入力盤2と出力盤4の間の経路の短縮が図られている。また、変換器盤31が並べて配置され、変換器盤31が並列接続されており、定格容量増加が図られている。
【0022】
出力盤4は、UPSシステムの外部の負荷装置11に電力を供給する構成であり、本実施形態では、出力遮断器41と、出力分岐開閉器42と、を備える。出力遮断器41は、電路を開閉する装置である。例えば、UPS装置3から所定値以上の電力が流れる場合、出力遮断機41は、電力の供給を遮断する。出力分岐開閉器42は、出力遮断器41の下流側に配置され、分岐する各電路を開閉する装置である。
【0023】
次に、
図2に示す電流経路を参照しながら、UPSシステムの運転モードについて説明する。ここで、UPSシステム1aは、通常運転モード、停電運転モード、および、バイパス運転モードの何れかで運転することができる。
【0024】
通常運転モードは、交流電源12から電力が供給可能な通常時における運転モードであり、通常運転時には、入力盤2からコンバータ32とインバータ33を通して出力盤4に電力が供給される。また、同時にチョッパ34を通して蓄電池13に充電が行われる。通常運転モードでは、バイパススイッチ39は電路を遮断し、変換器盤31に電流が流れる。
【0025】
停電運転モードは、交流電源12から電力の供給ができない停電時における運転モードであり、停電運転時には、蓄電池13からチョッパ34とインバータ33を通して出力盤4に電力が供給される。
【0026】
バイパス運転モードは、バイパススイッチ39が電路を遮断せず、この電路に電流が流れる。すなわち、バイパス運転モードは、この電路を介して入力盤2から出力盤4に電力を供給し、変換器盤31に電力を供給しない運転モードである。バイパス運転モードは、蓄電池13に充電を行わないときに使用される。
【0027】
次に、
図3を参照しながら、従来構成の一例との比較について説明する。なお、同様の説明は省略する。
【0028】
図3は、UPS装置の従来構成の一例を示す。このUPS装置3pは、コンバータ32と、インバータ33と、チョッパ34と、入力遮断機38pと、バイパススイッチ39pと、を含む盤31pを複数備え、それぞれの盤31pは、一方向に並べて配置される。
【0029】
これに対し、本実施形態では、
図2に示すように、UPS装置3は、1つの盤(UPSインタフェース盤37)に外部電力を直接的に供給し、この盤37を介して、この盤37に並列接続された他の盤31(変換器盤)に電力を供給するように構成されている。また、並列接続された盤31では、入力遮断機、および、スイッチングデバイスが省略されている。
【0030】
すなわち、従来構成では変換器1セット(コンバータ32、インバータ33、チョッパ34)に対してそれぞれ遮断器38pとバイパススイッチ39pを備えていたが、それらを一つの盤にまとめることで、簡素化、小型化が実現し、UPS装置の幅寸法の低減を図ることができる。
【0031】
次に、
図4-
図5を参照しながら、UPS装置の変形の一例について説明する。なお、同様の構成の説明は省略する。
【0032】
図2に示すUPS装置は、UPS装置において、UPSインタフェース盤37側の端部から出力盤4に電力が出力される構成であったが、
図4に示す例では、変換器盤31側の端部から出力盤に電力が出力される構成となっている。
【0033】
図4の構成は、
図2に示す構成と同様に、UPS装置の構造の簡素化、小型化を実現し、UPS装置の幅寸法を低減するという効果を有する。ただし、
図2の場合と比較して、バイパススイッチ39が配置された経路が長くなる。
【0034】
図2に示すUPS装置では、UPS装置において、UPSインタフェース盤37は一端側に設けられたが、
図5に示す例では、UPSインタフェース盤37は、変換器盤31の間に設けられる。UPSインタフェース盤37は、一例として、列盤構造における中央に配置される。
【0035】
図5の構成は、
図2に示す構成と同様に、UPS装置の構造の簡素化、小型化を実現し、UPS装置の幅寸法を低減するという効果を有する。
【0036】
次に、
図6-
図7を参照しながら、従来の列盤構成の一例との比較について説明する。
図6に示すように、従来の列盤構成は、一例として、横並びであるが、本発明に関する列盤構成は、
図7に示すように、一例として、UPS装置3の背面側に入力盤2が配置され、横並びの列盤構成ではない。従って、幅寸法の低減が図られている。
【0037】
また、UPSシステムでは、UPS装置の盤外または盤内に、入力盤-UPSインタフェース盤間の配線を通す必要がある。UPS装置の盤外にこの配線を通す場合、絶縁のためのバスダクト51が必要となり、高コスト化につながる。また、UPS装置の盤内にこの配線を通す場合、銅バー52などを通すためのスペースが必要となり、盤の寸法が増大する。ここで、
図7に示すように、本発明に関する列盤構成では、UPS装置3の背面と入力盤2の背面が向かい合って配置されるので、入力盤-UPSインタフェース盤間の配線を通す場合であっても、幅方向に盤の寸法が増大することを抑制することができる。
【0038】
次に、
図8-
図9を参照しながら、本発明に関する他の列盤構成の一例を説明する。
【0039】
図8に示すように、UPSシステム1bは、UPS装置3の背面側に入力盤2を配置し、UPS装置3の側面側に出力盤4を配置し、入力盤2の側面側に出力盤4を配置しない列盤構成であってもよい。
【0040】
また、
図9に示すように、UPSシステム1cは、UPS装置3の背面側に入力盤2および出力盤4を配置する列番構成であってもよい。ここで、UPS装置3(詳細には、UPSインタフェース盤)と入力盤2の接続を容易にする観点から、UPSインタフェース盤の背面に入力盤2が配置されることが好ましい。
【0041】
上記の説明によれば、一例として、下記のUPSシステムが提供される。すなわち、UPSシステム(1a、1b)は、外部から電力が入力される入力盤2と、外部の負荷装置に電力を供給する出力盤4と、入力盤2から電力が入力し、出力盤4に電力を出力するUPS装置3と、を備える。ここで、UPS装置3は、複数の変換器盤31と、UPSインタフェース盤37と、備え、複数の変換器盤31およびUPSインタフェース盤37は、一方向に並べて設けられる。UPSインタフェース盤37は、入力盤2、および、複数の変換器盤31に電気的に接続され、入力盤2から電力が入力する構成である。入力盤2は、UPS装置3の背面側に配置され、出力盤4は、UPS装置3の側面側に配置される。
【0042】
このようにすれば、UPS装置において、入力盤から電力が入力され、並列的に接続された変換器盤に電力を出力するUPSインタフェース盤を、変換器盤と並べて配置し、それぞれの変換器盤に設けられる遮断機、バイパス回路、バイパス回路を制御する機器などを、UPSインタフェース盤にまとめた構成としたので、変換器盤が、該遮断機などを含まない簡素な構造となり、幅寸法の低減を図ることが可能となる。
【0043】
また、一例として、上記の一例と同様の構成を備え、入力盤2および出力盤4がUPS装置3の背面側に配置されるUPSシステム1cが提供されてもよい。
【0044】
この場合であっても、上記の一例と同様の観点から、幅寸法の低減を図ることができる。
【0045】
以上、実施形態などについて説明されたが、本発明は前述した内容に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した内容は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、例えば、構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をしてもよい。
【0046】
例えば、UPS装置3の背面側に入力盤2を配置する例が説明されたが、入力盤2と出力盤4の配置を入れ替えて、UPS装置3の背面側に出力盤4を配置し、UPS装置3の側面側に入力盤2を配置するUPSシステムが提供されてもよい。このような構成であっても、UPS装置の構造を簡素化し、幅寸法の低減を図ることができる。また、UPS装置3において、UPSインタフェース盤37が一端側に配置され、UPS装置3と出力盤4が、UPSインタフェース盤37の背面側と出力盤4の背面側で電路を介して接続され、UPS装置3と入力盤2が、UPSインタフェース盤37の側面側で電路を介して接続されることで、バイパススイッチ39を介して導通する入力盤2と出力盤4の間の経路の短縮が図られる。ただし、この構成では、入力盤-UPSインタフェース盤間の配線を通すことによる、幅方向での盤の寸法の増大が考えられる。
【0047】
UPSシステムにおいて、ユーザが操作に用いる操作部が盤(2、4、31、37)の中に設けられ、ユーザが手動で操作部を操作することで、機器の制御を行ってもよい。この操作部は、例えば、ON/OFFを切り替えるスイッチを含む構成であってもよい。
【0048】
また、機器は、状況に応じて自動で動作するように構成されてもよい。例えば、電流計が設けられ、機器は、電流値の状況に応じて自動で動作する構成であってもよい。
【0049】
また、UPSシステムには、処理部が備えられ、処理部による機器の自動制御が実現されてもよい。この処理部は、例えば、プロセッサ、プログラム等のデータを格納する記憶装置等を用いて適宜に構成することができる。また、UPSシステムには、この自動制御に用いるセンサ等が適宜に設けられてもよい。
【0050】
例えば、UPSインタフェース盤37は、入力遮断機38またはバイパススイッチ39のうちの少なくとも一つを含む構成であってもよい。ここで、バイパススイッチ39が省略される場合、入力された電力を変換器盤31に供給しないで出力盤4に供給する電路の省略が可能であり、UPS装置3は、通常運転または停電運転を行う。
【0051】
蓄電池13の充電を適切に行い、停電時に蓄電池13の電力を適切に出力することができれば、変換器盤31の構成は、適宜に変更されてもよい。変換器盤31では、例えば、コンバータ32、インバータ33、チョッパ34、から適宜の構成が省略されてもよい。また、各変換器盤31で省略可能であり、インタフェース盤37に配置することができる構成を、インタフェース盤37に配置し、UPS装置全体の幅寸法の低減を図ってもよい。
【0052】
入力盤2、UPS装置3、および、出力盤4の間で適切な接続ができればよく、例えば、UPS装置3の背面側で入力盤2(または、出力盤4)を近接させて配置させることができる。ここで、UPS装置3の背面側の配置間隔は、例えば、5[mm]とすることができる。
【0053】
UPS装置3は、UPSインタフェース盤37を介して入力盤2と出力盤4との間で電力の入出力を行うことができればよく、入力盤2と出力盤4を接続する配線の位置を適宜に決めることができる。
【符号の説明】
【0054】
1a UPSシステム
1b UPSシステム
1c UPSシステム
2 入力盤
3 UPS装置
4 出力盤