(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010750
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
A45D 40/04 20060101AFI20250116BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A45D40/04 B
B65D83/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112920
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】金高 健悟
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA10
3E014PD30
3E014PE16
3E014PE17
3E014PE25
3E014PF10
(57)【要約】
【課題】扁平形状を呈する塗布材の変形および折損を抑制できる塗布容器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る塗布容器は、塗布材Mを収容する筒孔、および、塗布材Mが露出する開口10bを有する筒状部材10と、塗布材Mを前進させて開口10bから塗布材Mを突出させる繰出機構とを備える。軸線方向D1に沿って見た筒状部材10の筒孔の形状、および軸線方向D1に沿って見た塗布材Mの形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされている。塗布材Mは、短軸が延びる方向である短軸方向D3に厚みを有する。塗布材Mは、長軸方向D2および軸線方向D1に延在する扁平面M1を有する。筒状部材10は、扁平面M1に接触することによって塗布材Mを保持する保持部11を有する。保持部11は、扁平面M1に接触した状態において扁平面M1の軸線方向D1の一端側から他端側にわたって延在している。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布材を繰り出す塗布容器であって、
前記塗布材を収容する筒孔、および、前記塗布材が露出する開口を有する筒状部材と、
前記筒孔に収容された前記塗布材を前進させて前記開口から前記塗布材を突出させる繰出機構と、
を備え、
前記筒状部材の軸線が延びる方向である軸線方向に沿って見た前記筒孔の形状、および前記軸線方向に沿って見た前記塗布材の形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされており、
前記塗布材は、前記短軸が延びる方向である短軸方向に厚みを有し、
前記塗布材は、前記長軸が延びる方向である長軸方向、および前記軸線方向に延在する扁平面を有し、
前記筒状部材は、前記扁平面に接触することによって前記塗布材を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記扁平面に接触した状態において前記扁平面の前記軸線方向の一端側から他端側にわたって延在している、
塗布容器。
【請求項2】
塗布材を繰り出す塗布容器であって、
前記塗布材を収容する筒孔、および、前記塗布材が露出する開口を有する筒状部材と、
前記筒孔に収容された前記塗布材を前進させて前記開口から前記塗布材を突出させる繰出機構と、
を備え、
前記筒状部材の軸線が延びる方向である軸線方向に沿って見た前記筒孔の形状、および前記軸線方向に沿って見た前記塗布材の形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされており、
前記塗布材は、前記短軸が延びる方向である短軸方向に厚みを有し、
前記塗布材は、前記長軸が延びる方向である長軸方向、および前記軸線方向に延在する扁平面を有し、
前記筒状部材は、前記扁平面に接触することによって前記塗布材を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記筒状部材に形成されたスリットによって画成された板バネ部であり、
前記板バネ部は、前記塗布材に接触するとともに前記筒状部材の厚さ方向に沿って弾性変形する、
塗布容器。
【請求項3】
前記保持部は、前記扁平面に向かって突出する突状を呈しており、
前記筒状部材は、前記長軸方向に沿って並ぶとともに、前記短軸方向に沿って並ぶ複数の前記保持部を有し、
前記塗布材は、前記短軸方向に沿って並ぶ複数の前記保持部の間に挟み込まれる、
請求項1に記載の塗布容器。
【請求項4】
前記筒状部材は、第1構成部材と、前記第1構成部材に接合される第2構成部材とを含む、
請求項1または請求項2に記載の塗布容器。
【請求項5】
前記第1構成部材および前記第2構成部材は、前記軸線方向に直交する方向に沿って互いに接合する、
請求項4に記載の塗布容器。
【請求項6】
前記第1構成部材および前記第2構成部材は、前記軸線方向に沿って互いに接合する、
請求項4に記載の塗布容器。
【請求項7】
前記筒状部材を収容するとともに内部に第1雌螺子を有する先筒と、
前記先筒に相対回転可能に連結された後筒と、
前記後筒の内部に設けられるとともに、前記第1雌螺子に螺合する第1雄螺子、および内面に形成された第2雌螺子を有する螺子筒と、
前記螺子筒の内部において前進するとともに、前記第2雌螺子に螺合する第2雄螺子を有する移動体と、
を備え、
前記繰出機構は、
前記先筒に対して前記螺子筒が相対回転したときに前記第1雌螺子と前記第1雄螺子の螺合作用によって前記先筒に対して前記螺子筒を前進させる第1螺合部と、
前記螺子筒に対して前記後筒が相対回転したときに前記第2雌螺子と前記第2雄螺子の螺合作用によって前記螺子筒に対して前記移動体を前進させる第2螺合部と、
を有し、
前記先筒に対して前記後筒が一方向に相対回転するときに、前記螺子筒が前記後筒と同期回転するとともに前記後筒に対して前記螺子筒が前進限まで前進することによって前記筒状部材および前記塗布材が前記先筒から前方に突出し、
前記螺子筒が前記前進限に達した状態で前記先筒に対して前記後筒が前記一方向に相対回転するときに、前記螺子筒に対して前記後筒が相対回転するとともに前記螺子筒に対して前記移動体が前進することによって前記筒状部材に対して前記塗布材が繰り出される、
請求項1または請求項2に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗布材を繰り出す塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、塗布材を内部に収容するとともに塗布材が露出する開口を有する先筒を備えた塗布容器が記載されている。開口は、軸線方向に対して交差する長軸方向に延びている。先筒は、長軸方向の一方側に位置する先端から長軸方向の他方側かつ後方に向かって先筒の外側に向かって膨らむように湾曲する前縁を有する。長軸方向の他方側から見たときに、開口は、先端から後方にスリット状に延びている。先端から先筒の外側に膨らむように湾曲しながら後方に延びる外面を有する先筒の先端部には、開口の短軸方向の両側に位置する第1塗布材保持部が形成される。スリット状に延びる開口の長軸方向の一方側には第2塗布材保持部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した塗布容器では、塗布材は、先筒の先端部に設けられた第1塗布材保持部および第2塗布材保持部によって保持される。しかしながら、先筒の先端部以外の場所には塗布材が保持されない箇所がある。塗布材が扁平形状を呈する場合、上記のように塗布材が保持されない箇所が多いと塗布材が変形したり折損したりする懸念がある。特に、扁平形状の塗布材を塗布容器に装填するとき、扁平形状の塗布材を繰り出すとき、または、塗布容器を持ち運ぶときに塗布材の変形または折損が生じる可能性がある。
【0005】
本開示は、扁平形状を呈する塗布材の変形および折損を抑制できる塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一側面に係る塗布容器は、塗布材を繰り出す塗布容器である。塗布容器は、塗布材を収容する筒孔、および、塗布材が露出する開口を有する筒状部材と、筒孔に収容された塗布材を前進させて開口から塗布材を突出させる繰出機構と、を備える。筒状部材の軸線が延びる方向である軸線方向に沿って見た筒状部材の筒孔の形状、および軸線方向に沿って見た塗布材の形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされている。塗布材は、短軸が延びる方向である短軸方向に厚みを有する。塗布材は、長軸が延びる方向である長軸方向、および軸線方向に延在する扁平面を有する。筒状部材は、扁平面に接触することによって塗布材を保持する保持部を有する。保持部は、扁平面に接触した状態において扁平面の軸線方向の一端側から他端側にわたって延在している。
【0007】
この塗布容器は、塗布材を収容する筒状部材と、筒状部材に収容された塗布材を繰り出す繰出機構とを備え、繰出機構が塗布材を繰り出すことによって筒状部材から塗布材が突出する。軸線方向に沿って見た筒状部材の筒孔の形状、および軸線方向に沿って見た塗布材の形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされている。塗布材は軸線方向および長軸方向に延在する扁平面を有し、筒状部材は扁平面に接触することによって塗布材を保持する保持部を有する。塗布材の扁平面に接触する保持部は、扁平面の軸線方向の一端側から他端側にわたって延在している。よって、保持部が扁平面に接触した状態で扁平面の軸線方向の一方側から他方側にわたって延在していることにより、保持部は軸線方向の一方側から他方側にわたる広い範囲において塗布材を保持することができる。したがって、扁平形状を呈する塗布材を保持する場合であっても、保持部が扁平面の軸線方向の一方側から他方側にわたる範囲において塗布材を保持することにより、塗布材の変形および折損を抑制できる。
【0008】
(2)本開示の別の側面に係る塗布容器は、塗布材を繰り出す塗布容器である。塗布容器は、塗布材を収容する筒孔、および、塗布材が露出する開口を有する筒状部材と、筒孔に収容された塗布材を前進させて開口から塗布材を突出させる繰出機構と、を備える。筒状部材の軸線が延びる方向である軸線方向に沿って見た筒孔の形状、および軸線方向に沿って見た塗布材の形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされている。塗布材は、短軸が延びる方向である短軸方向に厚みを有する。塗布材は、長軸が延びる方向である長軸方向、および軸線方向に延在する扁平面を有する。筒状部材は、扁平面に接触することによって塗布材を保持する保持部を有する。保持部は、筒状部材に形成されたスリットによって画成された板バネ部である。板バネ部は、塗布材に接触するとともに筒状部材の厚さ方向に沿って弾性変形する。
【0009】
この塗布容器では、軸線方向に沿って見た筒状部材の筒孔の形状、および軸線方向に沿って見た塗布材の形状が長軸および短軸を有する扁平形状とされており、塗布材は軸線方向および長軸方向に延在する扁平面を有する。筒状部材は扁平面に接触することによって塗布材を保持する保持部を有し、保持部は筒状部材に形成されたスリットによって画成された板バネ部である。この板バネ部は、塗布材に接触するとともに筒状部材の厚さ方向に沿って弾性変形する。よって、弾性変形する板バネ部が扁平面に接触することにより、広い範囲において塗布材を保持することができる。したがって、扁平形状を呈する塗布材を保持する場合であっても、板バネ部が扁平面に接触して塗布材を保持することにより、適度な保持力によって塗布材を保持できるとともに塗布材の変形および折損を抑制できる。
【0010】
(3)上記(1)において、保持部は、扁平面に向かって突出する突状を呈していてもよい。筒状部材は、長軸方向に沿って並ぶとともに、短軸方向に沿って並ぶ複数の保持部を有してもよい。塗布材は、短軸方向に沿って並ぶ複数の保持部の間に挟み込まれてもよい。この場合、短軸方向に沿って並ぶ一対の保持部の間に挟まれた状態で塗布材が保持されるので、複数の保持部によって塗布材をより強固に保持できる。その結果、塗布材の変形および折損をより確実に抑制できる。
【0011】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、筒状部材は、第1構成部材と、第1構成部材に接合される第2構成部材とを含んでいてもよい。この場合、第1構成部材と第2構成部材の間に塗布材を保持することができる。よって、第1構成部材と第2構成部材の間に塗布材を介在させた状態で第1構成部材に第2構成部材を接合させることにより、筒状部材に対する塗布材の装填を容易に行うことができる。
【0012】
(5)上記(4)において、第1構成部材および第2構成部材は、軸線方向に直交する方向に沿って互いに接合してもよい。この場合、軸線方向に直交する方向に沿って互いに対向する第1構成部材および第2構成部材の間に塗布材を保持できるので、塗布材の装填および保持を容易に行うことができる。
【0013】
(6)上記(4)において、第1構成部材および第2構成部材は、軸線方向に沿って互いに接合してもよい。この場合、第2構成部材に対して第1構成部材が軸線方向に沿って接合されるので、第2構成部材に対する第1構成部材の接合を容易に行うことができる。
【0014】
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、塗布容器は、筒状部材を収容するとともに内部に第1雌螺子を有する先筒と、先筒に相対回転可能に連結された後筒と、後筒の内部に設けられるとともに、第1雌螺子に螺合する第1雄螺子、および内面に形成された第2雌螺子を有する螺子筒と、螺子筒の内部において前進するとともに、第2雌螺子に螺合する第2雄螺子を有する移動体と、を備えてもよい。繰出機構は、先筒に対して螺子筒が相対回転したときに第1雌螺子と第1雄螺子の螺合作用によって先筒に対して螺子筒を前進させる第1螺合部と、螺子筒に対して後筒が相対回転したときに第2雌螺子と第2雄螺子の螺合作用によって螺子筒に対して移動体を前進させる第2螺合部と、を有してもよい。先筒に対して後筒が一方向に相対回転するときに、螺子筒が後筒と同期回転するとともに後筒に対して螺子筒が前進限まで前進することによって筒状部材および塗布材が先筒から前方に突出してもよい。螺子筒が前進限に達した状態で先筒に対して後筒が一方向に相対回転するときに、螺子筒に対して後筒が相対回転するとともに螺子筒に対して移動体が前進することによって筒状部材に対して塗布材が繰り出されてもよい。この場合、先筒に対して後筒を一方向に相対回転させることによって塗布材を筒状部材とともに前進できるので、塗布材の繰出時における塗布材の変形および折損を抑制できる。また、螺子筒が前進限に達して先筒から筒状部材および塗布材が前方に突出した状態ではじめて筒状部材に対して塗布材が繰り出される。したがって、筒状部材に対する塗布材の繰出量を低減できるので、塗布を行うときにおける塗布材の折損をより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、扁平形状を呈する塗布材の変形および折損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(a)は、第1実施形態に係る塗布容器を示す図である。(b)は、
図1(a)の塗布容器から筒状部材および塗布材が繰り出された状態を示す図である。
【
図2】(a)は、
図1(b)の筒状部材および塗布材を拡大した図である。(b)は、
図2(a)の状態からさらに塗布材が繰り出された状態を示す図である。(c)は、
図2(b)の状態から筒状部材および塗布材を繰り戻した状態を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る塗布容器を示す断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る塗布容器を示す正面図である。
【
図5】(a)および(b)は、第1実施形態に係る塗布容器の先筒を示す断面図である。
【
図6】(a)は、第1実施形態に係る塗布容器の螺子筒を示す側面図である。(b)は、
図6(a)の螺子筒を示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る塗布容器の後筒を示す断面図である。
【
図8】(a)は、第1実施形態に係る塗布容器の移動体を示す側面図である。(b)は、
図8(a)のA-A線断面図である。
【
図9】(a)は、第1実施形態に係る塗布容器の押圧部材を示す側面図である。(b)は、
図9(a)の押圧部材を示す斜視図である。
【
図10】
図9(a)の押圧部材の後端部を拡大した斜視図である。
【
図11】(a)は、第1実施形態に係る塗布容器の筒状部材を示す斜視図である。(b)は、
図11(a)の筒状部材を示す部分断面図である。
【
図13】
図11(a)の筒状部材の後端部を拡大した斜視図である。
【
図14】軸線方向に直交する平面に沿って筒状部材を切断したときにおける筒状部材の断面図である。
【
図15】第1変形例に係る塗布容器の尾栓を示す斜視図である。
【
図16】第2変形例に係る筒状部材の第1構成部材および第2構成部材を示す斜視図である。
【
図18】軸線方向に直交する平面に沿って切断したときにおける第1構成部材および第2構成部材を示す断面図である。
【
図19】第3変形例に係る第1構成部材および第2構成部材を示す断面図である。
【
図20】第4変形例に係る塗布容器を示す分解斜視図である。
【
図21】(a)は、
図20の塗布容器の第2構成部材に塗布材を装填する様子を示す斜視図である。(b)は、
図21(a)の第2構成部材に第1構成部材を接合させる様子を示す斜視図である。(c)は、
図21(b)の第1構成部材および第2構成部材に先筒を装着させる様子を示す斜視図である。
【
図22】第5変形例に係る塗布容器の筒状部材、先筒および塗布材を示す斜視図である。
【
図23】(a)は、
図22の筒状部材の第1構成部材を示す斜視図である。(b)は、
図22の筒状部材の第2構成部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る塗布容器の実施形態について説明する。図面の説明において同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化または誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載されたものに限定されない。
【0018】
本開示において、「塗布材」とは、塗布対象である被塗布部に塗布されるものを示している。「塗布材」は、例えば、化粧料または描画材である。本実施形態では、塗布材が化粧料である例について説明する。「化粧料」は、例えば、アイブロウ、アイライナー、リップスティック、リップライナー、リップグロス、美容スティック、またはコンシーラーである。
【0019】
図1(a)は、実施形態に係る塗布容器1を示す斜視図である。
図1(b)は、塗布容器1から塗布材Mが繰り出された状態を示す斜視図である。
図1(a)および
図1(b)に示されるように、塗布容器1は、先筒2と、先筒2に連結される後筒3と、後筒3に連結されるキャップ4とを有する。
【0020】
塗布容器1では、先筒2、後筒3およびキャップ4を含め、一部の部品が筒状とされている。塗布容器1では、部品が組み立てられた状態において、複数の筒状の部品における軸線Lが延びる方向が一致する。以下では、この軸線Lが延びる方向を軸線方向D1とする。例えば、軸線方向D1は、塗布容器1の長手方向と一致する。
【0021】
「前」、「前側」および「前方」は軸線方向D1において後筒3から先筒2に向かう方向を示しており、「後」、「後側」および「後方」は軸線方向D1において先筒2から後筒3に向かう方向を示している。「径方向」は軸線Lに直交する方向を示している。「径方向外側」は径方向のうち軸線から離れる方向を示しており、「径方向内側」は径方向のうち軸線に近づく方向を示している。「回転方向」は、軸線Lを中心とする環に沿う方向(周方向)を示している。本実施形態では、塗布材Mが繰り出される方向である繰出方向が前方(前進する方向)であり、その反対方向が後方である。
【0022】
塗布容器1は、軸線方向D1に沿って延びる棒状を呈する。塗布容器1は、塗布材Mを繰り出す。例えば、塗布容器1は、塗布容器1の内部に収容された塗布材Mを繰り出す(押し出す)ペン型容器である。塗布材Mは、扁平形状をなすとともに固形状とされている。塗布材Mは、例えば、板状化粧料である。しかしながら、塗布材Mは板状描画材であってもよい。一例として、塗布材Mはアイブロウであってもよく、この場合、塗布容器1はアイブロウ塗布容器である。
【0023】
塗布容器1は、塗布材Mが露出する開口10bを有する筒状部材10を備える。先筒2には後筒3が相対回転可能に連結されている。
図2(a)、
図2(b)および
図2(c)は、先筒2、筒状部材10および塗布材Mを示す斜視図である。
図3は、塗布容器1を示す断面図である。
【0024】
図1(a)、
図1(b)、
図2(a)、
図2(b)、
図2(c)および
図3に示されるように、先筒2は、筒状部材10および塗布材Mを前方に突出させる先端開口2bを有する。筒状部材10は、塗布材Mを収容する筒孔10cを有する。筒孔10cは、開口10bから後方に延びている。塗布容器1は、筒孔10cに収容された塗布材Mを前進させて開口10bから塗布材Mを突出させる繰出機構15を有する。
【0025】
図1(a)、
図1(b)および
図2(a)に示されるように、繰出機構15では、先筒2に対して後筒3が一方向(例えば時計回り)に相対回転すると筒状部材10および塗布材Mが先筒2の先端開口2bから前方に突出する。
図2(a)および
図2(b)に示されるように、先端開口2bから筒状部材10および塗布材Mが一定量突出した状態でさらに先筒2に対して後筒3が一方向に相対回転すると、筒状部材10に対して塗布材Mが前方に繰り出される。
【0026】
図2(b)および
図2(c)に示されるように、繰出機構15では、先筒2に対して後筒3が上記一方向とは反対方向(例えば反時計回り)に相対回転すると筒状部材10および塗布材Mがともに先筒2の先端開口2bに対して後方に没入する。塗布材Mは、繰出機構15により、筒状部材10に対して前進し筒状部材10とともに後退し、かつ、筒状部材10に対して後退しない。繰出機構15については後に詳述する。
【0027】
図3に示されるように、塗布容器1は、後筒3の内部に設けられる螺子筒5と、螺子筒5の内部において移動する移動体6と、移動体6と塗布材Mの間に位置する押圧部材7と、後筒3の後側の端部を封止する尾栓8と、尾栓8に固定された塗布具9とを有する。例えば、尾栓8は、塗布具9が挿入されており挿入された塗布具9を保持する。一例として、塗布具9はスクリューブラシであり、尾栓8はブラシホルダとして機能する。
【0028】
キャップ4は、塗布具9を覆うように尾栓8に取り付けられており、尾栓8に対して着脱可能とされている。なお、キャップ4、尾栓8および塗布具9の構成は、上記の例に限られず適宜変更可能である。また、塗布容器1は、塗布具9およびキャップ4を有しない容器であってもよい。螺子筒5、移動体6および押圧部材7については後に詳述する。
【0029】
図4は、先筒2、筒状部材10および塗布材Mを前方から見た図である。
図3および
図4に示されるように、軸線方向D1に沿って見た開口10bの形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされている。軸線方向D1に沿って見た筒孔10cの形状は長軸L11および短軸L12を有する扁平形状とされており、軸線方向D1に沿って見た塗布材Mの形状は長軸L21および短軸L22を有する扁平形状とされている。
【0030】
例えば、塗布材Mの長軸L21および短軸L22のそれぞれは、筒孔10cの長軸L11および短軸L12のそれぞれに一致している。本実施形態において、「扁平形状」とは、長軸L11(長軸L21)が延びる方向である長軸方向D2への長さが、短軸L12(短軸L22)が延びる方向である短軸方向D3への長さよりも短い形状を示している。先筒2は、先端2jを有する。先端2jは、先筒2の軸線方向D1の一端であって、かつ先筒2の長軸方向D2の一端に位置する。
【0031】
例えば、前方から見たときに、先筒2は円形状を呈する。軸線方向D1に直交する先筒2の断面形状は、後筒3から先端開口2bに向かうにしたがって、円形から扁平形状に遷移している。先筒2は、先端開口2bが形成された先端部2dと、先端部2dから後筒3に向かって延びるテーパ面2fとを有する。テーパ面2fでは、先筒2の長軸方向D2への長さ、および先筒2の短軸方向D3への長さが後筒3に近づくにしたがって長くなっている。
【0032】
軸線方向D1に沿って見たときに、先端開口2bは、扁平形状(一例として、隅丸長方形状)を呈する。先端部2dは、先端開口2bが形成された平滑面2gと、平滑面2gからテーパ面2fまで延びる湾曲面2hとを有する。短軸方向D3に沿って見たときに、平滑面2gは、先端2jから離れるにしたがって先筒2の外側に膨らむように湾曲している。
【0033】
平滑面2gは、軸線方向D1に沿って見たときにおける先筒2の中心2xを通るとともに短軸方向D3に沿って延在する基準線Aに対して非対称な形状を有する。より具体的には、平滑面2gは、長軸方向D2の片側に突出する突出領域2g1を有する。一例として、突出領域2g1は、短軸方向D3に沿って延びる上底を有する台形状を呈する。軸線方向D1に沿って見たときに、湾曲面2hは、平滑面2gを囲む隅丸長方形状を呈する。湾曲面2hは、先筒2の外側に膨らむように湾曲している。
【0034】
先筒2は、先端開口2bから後方に延びる内面2kを有する。内面2kは、軸線方向D1および長軸方向D2に延在する第1内面2k1と、軸線方向D1および短軸方向D3に延在する第2内面2k2とを含む。内面2kは、短軸方向D3に沿って並ぶ一対の第1内面2k1と、長軸方向D2に沿って並ぶ一対の第2内面2k2とを含む。
【0035】
塗布材Mは、短軸方向D3に厚みを有する。塗布材Mは、軸線方向D1および長軸方向D2に延在する扁平面M1と、軸線方向D1および短軸方向D3に延在する側面M2と、塗布材Mの前側の端部に位置する先端面M3とを有する。塗布材Mは、短軸方向D3に沿って並ぶ一対の扁平面M1と、長軸方向D2に沿って並ぶ一対の側面M2とを有する。扁平面M1および側面M2は、例えば、平坦状を呈する。
【0036】
例えば、先端面M3は、軸線方向D1および長軸方向D2の双方に対して傾斜している。先端面M3は、先筒2の先端部2d(平滑面2g)に沿うように傾斜している。塗布材Mは先端部M4を有する。先端部M4は、塗布材Mの軸線方向D1の一端であって、かつ塗布材Mの長軸方向D2の一端に位置する。先端面M3は、先端部M4から斜め後方に延在している。
【0037】
筒状部材10は、先筒2の先端開口2bの内部に位置する。例えば、筒状部材10は、内面2kの一部(第2内面2k2)に接触している。軸線方向D1に沿って見たときに、筒状部材10は扁平形状を呈する。一例として、軸線方向D1に沿って見たときに、筒状部材10は、隅丸長方形状を呈する。筒状部材10は、筒孔10cにおいて塗布材Mを保持する保持部11を有する。
【0038】
保持部11は、筒孔10cを画成する筒状部材10の内周面10dから突出する突状を呈する。軸線方向D1に沿って見たときに、保持部11は三角形状を呈する。保持部11の一部(例えば頂部)は塗布材Mの扁平面M1に食い込んでいてもよい。このように、保持部11は、塗布材Mに接触することによって塗布材Mを保持する。
【0039】
例えば、筒状部材10は、複数の保持部11を有する。複数の保持部11は、長軸方向D2に沿って並んでいる。例えば、長軸方向D2に沿って並ぶ一対の保持部11のうちの一方は基準線Aから見て一方側に配置されており、長軸方向D2に沿って並ぶ一対の保持部11のうちの他方は基準線Aから見て他方側に配置されている。長軸方向D2に沿って並ぶ一対の保持部11は、基準線Aに対して互いに対称となる位置に配置されていてもよい。
【0040】
複数の保持部11は、短軸方向D3に沿って並んでいる。これにより、短軸方向D3に沿って並ぶ一対の保持部11の間に塗布材Mが挟み込まれる。以上のように保持部11が配置されていることにより、筒状部材10の筒孔10cにおいて塗布材Mを強固に保持できる。しかしながら、保持部11の形状、数および配置態様は適宜変更可能である。なお、筒状部材10については後に詳述する。
【0041】
図5(a)は、軸線方向D1および短軸方向D3に沿って延びる平面で切断したときにおける先筒2の断面図である。
図5(b)は、軸線方向D1および長軸方向D2に沿って延びる平面で切断したときにおける先筒2の断面図である。
図3、
図5(a)および
図5(b)に示されるように、先筒2は、内面2kとして形成された凹部2pを有する。凹部2pは、長軸方向D2に窪む第1凹部2p1と、短軸方向D3に窪む第2凹部2p2とを含んでいる。
【0042】
凹部2pは、長軸方向D2に沿って並ぶ一対の第1凹部2p1と、短軸方向D3に沿って並ぶ一対の第2凹部2p2とを含んでいる。軸線方向D1に直交する断面において、凹部2pは十字状を呈する。凹部2pには筒状部材10が回転方向に係合する。これにより、筒状部材10は先筒2と同期回転可能に係合する。
【0043】
先筒2は、テーパ面2fの後方において軸線方向D1に沿って延在する筒部2qを有する。例えば、筒部2qは円筒状を呈する。筒部2qは、テーパ面2fの後端に位置する段差部2rから縮径している。筒部2qは、先筒2の径方向外側に突出するとともに後筒3の内面3bに軸線方向に係合する凸部2sを有する。
【0044】
凸部2sが内面3bに係合することによって、先筒2は後筒3に軸線方向移動不能かつ相対回転可能に係合する。筒部2qは、先筒2を径方向に貫通する貫通孔2tを有する。例えば、先筒2の径方向外側から見たときに、貫通孔2tは矩形状を呈する。筒部2qは、例えば、一対の貫通孔2tを有し、一対の貫通孔2tは先筒2の径方向に沿って並んでいる。
【0045】
先筒2は、先筒2の内部に第1雌螺子2vを有する。第1雌螺子2vは、例えば、内面2kから突出するとともに回転方向に対して傾斜する方向に延在する突起である。例えば、第1雌螺子2vは、貫通孔2tの後側の端部に位置する。先筒2は、例えば、複数の第1雌螺子2vを有し、複数の第1雌螺子2vは先筒2の径方向に沿って並んでいる。
【0046】
図6(a)は、螺子筒5を示す側面図である。
図6(b)は、螺子筒5を示す斜視図である。
図3、
図6(a)および
図6(b)に示されるように、螺子筒5は、後筒3の内部に設けられる。螺子筒5は、先筒2の第1雌螺子2vに螺合する第1雄螺子5bが形成された第1筒部5cと、第1筒部5cよりも後方に位置する第2筒部5dと、第1筒部5cおよび第2筒部5dの間に位置する鍔部5fとを有する。
【0047】
第1雄螺子5bは、第1筒部5cの外周面において螺旋状を呈する。第1雄螺子5bが先筒2の第1雌螺子2vに螺合することにより、先筒2に対して螺子筒5が相対回転したときに、螺子筒5は先筒2に対して軸線方向D1に沿って一定長さだけ移動する。鍔部5fは、先筒2の後端2wと、後筒3の後述する突出部3cとの間に配置されている。
【0048】
繰出機構15は、先筒2に対して螺子筒5が相対回転したときに第1雌螺子2vと第1雄螺子5bの螺合作用によって先筒2に対して螺子筒5を前進させる第1螺合部16を有する。第1螺合部16は、第1雌螺子2vおよび第1雄螺子5bを含む。螺子筒5は、鍔部5fが突出部3cに接触する位置から鍔部5fが先筒2の後端2wに接触する位置まで前進可能とされている。鍔部5fが突出部3cに接触する螺子筒5の位置は螺子筒5の後退限であり、鍔部5fが後端2wに接触する螺子筒5の位置は螺子筒5の前進限である。
【0049】
螺子筒5は、例えば、筒状部材10の一部(一例として後端部)を収容する。第1筒部5cは、第1雄螺子5bの前方に位置する筒部5gを有する。筒部5gは、例えば、円筒状を呈する。例えば、筒部5gは、筒部5gを螺子筒5の径方向に貫通する窓部5hを有する。窓部5hには筒状部材10が軸線方向D1に係合する。これにより、筒状部材10は、螺子筒5に軸線方向移動不能かつ相対回転可能に係合する。
【0050】
第2筒部5dは、スリット5jと、スリット5jによって画成されたバネ部5kとを有する。スリット5jは、回転方向D4に延びる一対の第1スリット5j1と、一対の第1スリット5j1を互いに接続する第2スリット5j2とを含む。一対の第1スリット5j1は、軸線方向D1に沿って並んでいる。第2スリット5j2は、一対の第1スリット5j1の回転方向D4の端部間において軸線方向D1に沿って延在する。一対の第1スリット5j1および第2スリット5j2によって画成されたバネ部5kは、螺子筒5の径方向に弾性を有する。
【0051】
バネ部5kは、螺子筒5の径方向外側に突出する凸部5pを有する。凸部5pは、螺子筒5の外面5qから径方向外側に向かって斜めに延びる第1傾斜面5p1と、第1傾斜面5p1の外面5qとは反対の端部から径方向外側に向かって斜めに延在する第2傾斜面5p2と、頂面5p3と、頂面5p3から螺子筒5の径方向内側に延びる壁面5p4とを有する。バネ部5kは、凸部5pが後筒3の突出部3cに当接したときに螺子筒5の径方向に弾性変形可能とされている。
【0052】
螺子筒5は、螺子筒5の内面に形成された第2雌螺子5rを有する。第2雌螺子5rは、例えば、第2筒部5dの後端5tから螺旋状に延在している。螺子筒5は、例えば、一対の第2雌螺子5rを有し、一対の第2雌螺子5rは螺子筒5の径方向に沿って互いに対向している。螺子筒5における一対の第2雌螺子5rの間の領域は、移動体6を保持する保持部とされている。一対の第2雌螺子5rの間にはスリット5sが形成されている。このスリット5sによって、螺子筒5を樹脂成型により製造するときに金型からの離型が容易になる。
【0053】
前述したように、第2筒部5dは、一対の第2雌螺子5rの間に位置するスリット5sを有する。スリット5sは、螺子筒5の後端5tから前方に延在している。第2筒部5dは、例えば、一対のスリット5sを有し、一対のスリット5sは螺子筒5の径方向に沿って互いに対向している。
【0054】
図7は、後筒3の径方向および軸線方向D1に沿って延びる平面で切断したときにおける後筒3の断面図である。
図3および
図7に示されるように、後筒3は、平滑な外面3dを有する円筒状を呈する。後筒3は、内面3bにおいて径方向内側に突出する環状凸部3fと、内面3bにおいて環状凸部3fの後方に位置しており径方向外側に窪む環状凹部3gとを有する。環状凹部3gには、環状凸部3fを後方に乗り越えた先筒2の凸部2sが嵌合する。
【0055】
例えば、後筒3は、内面3bに複数の突出部3cを有する。複数の突出部3cは、後筒3の周方向に沿って並んでいる。例えば、突出部3cは、軸線方向D1に延びるとともに後筒3の周方向に厚みを有する板状を呈する。突出部3cは、内面3bにおいて後筒3の径方向内側に突出する第1部分3c1と、第1部分3c1の後方において第1部分3c1よりさらに径方向外側に突出する第2部分3c2とを有する。突出部3cは、さらに、第2部分3c2の後端から径方向外側に拡径するように斜めに延在する傾斜部3c3を有する。
【0056】
突出部3cには、前述した螺子筒5の凸部5p(
図6(b)参照)が回転方向に係合する。螺子筒5は、後筒3に対して一方向にのみ回転可能とされている。より具体的には、螺子筒5は、凸部5pの第1傾斜面5p1が突出部3cに接触する一方向(
図6(b)では反時計回り)には後筒3に対して回転可能とされている。
【0057】
これに対し、螺子筒5は、凸部5pの壁面5p4が突出部3cに接触する反対方向(
図6(b)では時計回り)には後筒3に対して回転しない。すなわち、後筒3に対して螺子筒5が反対方向に回転しようとすると、突出部3cに壁面5p4が当接することにより、その回転が規制される。
【0058】
後筒3は、突出部3cの後方に位置するローレット3hと、ローレット3hの後方に位置する環状凹部3jと、環状凹部3jの後方に位置する環状凸部3kとを有する。ローレット3h、環状凹部3jおよび環状凸部3kには尾栓8が係合する。ローレット3h、環状凹部3jおよび環状凸部3kに尾栓8が係合することによって、尾栓8は後筒3に軸線方向移動不能かつ同期回転可能に係合する。
【0059】
尾栓8は、移動体6を保持する第1保持部8bと、後筒3のローレット3h、環状凹部3jおよび環状凸部3kに係合する係合部8cと、塗布容器1の外方に露出する鍔部8dと、塗布具9を保持する第2保持部8fとを有する。塗布具9は、第2保持部8fから後方に突出している。
【0060】
第2保持部8fは、キャップ4に係合する外筒部8hと、外筒部8hの径方向内側に位置する内筒部8jと、外筒部8hおよび内筒部8jの間に位置する複数のリブ8kとを有する。内筒部8jは、塗布具9が挿入される穴部8gを有する。第2保持部8fは、穴部8gに塗布具9が挿入されることによって塗布具9を保持する。鍔部8dは、係合部8cと第2保持部8fとの間に位置する。
【0061】
係合部8cは、例えば、円柱状を呈する。係合部8cは、後筒3の環状凹部3jに軸線方向D1に係合する環状凸部8pと、後筒3のローレット3hに回転方向に係合する凸部8qとを有する。第1保持部8bは、棒状を呈する。第1保持部8bは、係合部8cから前方に突出している。例えば、移動体6は筒状を呈しており、第1保持部8bは移動体6に挿入されている。
【0062】
図8(a)は、移動体6を示す側面図である。
図8(b)は、
図8(a)のA-A線断面図である。
図3、
図8(a)および
図8(b)に示されるように、移動体6は、前述した螺子筒5の第2雌螺子5rに螺合する第2雄螺子6bを有する。繰出機構15は、第2雌螺子5rと第2雄螺子6bとの螺合作用によって螺子筒5に対して移動体6を前進させる第2螺合部17を有する。第2螺合部17は、第2雌螺子5rおよび第2雄螺子6bを含む。
【0063】
移動体6は、内面6dにおいて径方向外側に窪むとともに軸線方向D1に延在する凹部6fを有する。移動体6は複数の凹部6fを有し、複数の凹部6fは周方向に沿って並んでいる。凹部6fには、尾栓8の第1保持部8bが回転方向に係合する。凹部6fに第1保持部8bが回転方向に係合することにより、移動体6に尾栓8が同期回転可能に係合する。例えば、移動体6は、移動体6を径方向に貫通する窓部6gを有する。移動体6は一対の窓部6gを有し、一対の窓部6gが移動体6の径方向に沿って並んでいる。窓部6gを介して移動体6の内部に位置する第1保持部8bが視認可能とされている。
【0064】
移動体6は、第2雄螺子6bの前方に押圧部材7に連結する連結部6cを有する。連結部6cは、例えば、筒状を呈する。連結部6cは、移動体6の前端6jから後方に窪む穴部6kと、連結部6cを径方向に貫通する貫通孔6hとを有する。連結部6cは一対の貫通孔6hを有し、一対の貫通孔6hは径方向に沿って並んでいる。穴部6kは貫通孔6hに連通しており、穴部6kおよび貫通孔6hには押圧部材7が係合する。穴部6kおよび貫通孔6hに押圧部材7が係合することにより、移動体6は押圧部材7に対して軸線方向移動不能かつ相対回転可能に係合する。
【0065】
図9(a)は、押圧部材7を示す側面図である。
図9(b)は、押圧部材7を示す側面図である。
図10は、押圧部材7の後端部7bを拡大した斜視図である。
図8(b)、
図9(a)、
図9(b)および
図10に示されるように、押圧部材7の後端部7bは、移動体6に係合する部位であって、例えば、段付き円筒状を呈する。
【0066】
後端部7bは、円筒状を呈する外面7cと、外面7cにおいて突出する環状凸部7dとを有する。環状凸部7dは、周方向に延びる頂面7fと、頂面7fに対して後方かつ斜め下方に延在する傾斜面7gとを有する。移動体6の連結部6cは、穴部6kを画成する内面6pを有する。
【0067】
内面6pは、前端6jから離れるにしたがって径方向内側に斜めに延在する傾斜面6qと、傾斜面6qの前端6jとは反対の端部から後方に延びる頂面6rとを有する。穴部6kに押圧部材7の後端部7bが挿入されると、環状凸部7dが内面6pを後方に乗り越えて貫通孔6hに軸線方向D1に係合する。
【0068】
図3、
図9(a)、
図9(b)および
図10に示されるように、押圧部材7は、筒状部材10に対する回り止めとして機能する回り止め部7hと、回り止め部7hの前方に位置しており塗布材Mを押し出す押出部7jとを有する。回り止め部7hは、螺子筒5の内部において軸線方向D1に延在している。
【0069】
押圧部材7は、軸線方向D1および長軸方向D2に延在するとともに短軸方向D3に厚みを有する第1板状部7kと、第1板状部7kに交差する第2板状部7pとを有する。第2板状部7pは、軸線方向D1および短軸方向D3に延在するとともに長軸方向D2に厚みを有する。
【0070】
押圧部材7は一対の第2板状部7pを有し、一対の第2板状部7pは短軸方向D3に沿って並んでいる。各第2板状部7pは、第1板状部7kの長軸方向D2の中央に対して上方および下方のそれぞれに突出している。よって、前方から見たときに、押圧部材7は十字状を呈する。
【0071】
例えば、押圧部材7のうち第1板状部7kおよび第2板状部7pが設けられた部位が回り止め部7hであり、押圧部材7のうち第1板状部7kのみが設けられた部位が押出部7jである。回り止め部7hは、螺子筒5の内部において筒状部材10に回転方向に係合する。これにより、押圧部材7は、筒状部材10に対する回転が阻止されている。
【0072】
例えば、押出部7jの軸線方向D1への長さは、回り止め部7hの軸線方向D1への長さよりも短い。押出部7jは、回り止め部7hの前方に位置する。押出部7jは、塗布材Mに当接する先端面7qを有する。例えば、先端面7qの形状および大きさは、塗布材Mの後端面M5の形状および大きさと同一である。先端面7qおよび後端面M5のそれぞれは、長軸方向D2に延びる長軸、および短軸方向D3に延びる短軸を有する扁平形状とされている。
【0073】
次に、筒状部材10についてより詳細に説明する。
図11(a)は、筒状部材10を示す斜視図である。
図11(b)は、軸線方向D1および長軸方向D2に延びる平面で切断した筒状部材10を示す断面斜視図である。
図11(a)および
図11(b)に示されるように、筒状部材10は、螺子筒5が接続される接続部12と、塗布材Mを保持する保持筒部13と、接続部12および保持筒部13の間に位置する鍔部14とを有する。
【0074】
軸線方向D1に沿って見たときにおける保持筒部13の形状は、長軸方向D2に沿って延びる長軸、および短軸方向D3に沿って延びる短軸を有する扁平形状を呈する。前述したように、筒状部材10は、塗布材Mを保持する保持部11を有する。保持部11において、塗布材Mは軸線方向D1に沿って延在している。
【0075】
図4および
図11(b)に示されるように、保持部11は、塗布材Mの扁平面M1に接触した状態において扁平面M1の軸線方向D1の一端側から他端側にわたって延在している。「保持部が扁平面の軸線方向の一端側から他端側にわたって延在している」とは、保持部が扁平面の軸線方向の一端側から他端側に向かって延在していることを示している。
【0076】
「保持部が扁平面の軸線方向の一端側から他端側にわたって延在している」とは、保持部が扁平面の軸線方向の一端側から他端に向かって直線状に延在していることであってもよい。本実施形態では、保持部11が扁平面M1の軸線方向D1の一端側から他端側にわたって延在していることにより、短軸方向D3への長さが短い(薄い)塗布材Mであっても強固に保持できる。
【0077】
本実施形態に係る筒状部材10では、筒孔10cに上記の保持部11が形成されていることにより、短軸方向D3への長さが1mm以下である塗布材Mも強固に保持できる。例えば、塗布材Mの短軸方向D3への長さは0.5mm以上かつ1mm以下であり、塗布材Mの長軸方向D2への長さは3mm以上かつ4mm以下である。
【0078】
図11(b)の例では、保持部11が扁平面M1の前端部から後方に向かって直線状に延びている。例えば、保持部11の軸線方向D1への長さは、扁平面M1の軸線方向D1への長さの20%以上かつ50%以下である。しかしながら、保持部11の軸線方向D1への長さは、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0079】
筒状部材10は、先端10hを有する。先端10hは、筒状部材10の軸線方向D1の一端であって、かつ筒状部材10の長軸方向D2の一端に位置する。本実施形態では、長軸方向D2の一方側に位置する保持部11の軸線方向D1への長さは、長軸方向D2の他方側に位置する保持部11の軸線方向D1への長さとは異なっている。より具体的には、筒状部材10の先端10h側に位置する保持部11の長さは、筒状部材10の先端10hとは反対側に位置する保持部11の長さよりも長い。
【0080】
図12は、前方から見た筒状部材10を示す図である。
図11(a)、
図11(b)および
図12に示されるように、前方から見た保持筒部13の筒孔10cの形状は、長軸L11および短軸L12を有する扁平形状とされている。一例として、前方から見た保持筒部13の筒孔10cの形状は、長軸方向D2に延びる長辺、および短軸方向D3に延びる短辺を有する長方形状である。
【0081】
例えば、保持筒部13は、軸線方向D1および長軸方向D2に延在する第1側部13bと、軸線方向D1および短軸方向D3に延在する第2側部13cとを有する。保持筒部13は、長軸方向D2に沿って並ぶ一対の第2側部13cを有する。例えば、第2側部13cは平坦状を呈する。
【0082】
第1側部13bは、軸線方向D1および長軸方向D2に延在する平坦面13dと、平坦面13dから突出する凸部13fとを有する。平坦面13dは、筒状部材10の先端10h側に位置する第1平坦面13d1と、第1平坦面13d1から後方に延びる第2平坦面13d2とを含んでいる。第2平坦面13d2は、第1平坦面13d1よりも短軸方向D3の端部側に位置する。保持筒部13は、第1平坦面13d1と第2平坦面13d2の間に位置する段差部13gを有する。
【0083】
筒状部材10は、前述した先筒2の凹部2p(
図5(a)および
図5(b)参照)に入り込むことによって先筒2に回転方向に係合する。より具体的には、保持筒部13の第2側部13cが第1凹部2p1に入り込むとともに、保持筒部13の凸部13fが第2凹部2p2に入り込むことによって、筒状部材10は先筒2に回転方向に係合する。
【0084】
保持筒部13は一対の凸部13fを有し、一対の凸部13fは短軸方向D3に沿って並んでいる。これにより、前方から見たときに筒状部材10は十字状を呈する。凸部13fは、長軸方向D2の一方側に位置する第1部分13f1と、長軸方向D2の他方側に位置しており第1部分13f1よりも突出高さが低い第2部分13f2とを有する。
【0085】
第1部分13f1の長軸方向D2への長さは、第2部分13f2の長軸方向D2への長さよりも長い。凸部13fの長軸方向D2の中心位置は、筒状部材10の長軸方向D2の中心位置よりも長軸方向D2の片側(
図12では右側)にずれている。第2凹部2p2の長軸方向D2への中心位置は、先筒2の長軸方向D2の中心位置よりも長軸方向D2の片側(
図5(b)では下側)にずれている。したがって、短軸方向D3への向きを逆にして筒状部材10が先筒2に挿入されることを回避できる。
【0086】
図13は、接続部12および鍔部14を拡大した斜視図である。
図13に示されるように、接続部12は、鍔部14から保持筒部13とは反対方向(後方)に突出している。接続部12は、鍔部14から後方に突出する突出部12cと、突出部12cの後端12dから前方に延びており押圧部材7が通される穴部12bを有する。
【0087】
穴部12bは、長軸方向D2に突出部12cを貫通する第1穴部12fと、第1穴部12fを交差するとともに短軸方向D3に沿って延在する第2穴部12gとを含んでいる。第2穴部12gは、第1穴部12fの長軸方向D2の中央から短軸方向D3に突出している。例えば、後方から見たときに、第1穴部12fおよび第2穴部12gは、十字状を呈する。
【0088】
穴部12bには、後方から押圧部材7が挿入される。より具体的には、第1穴部12fには押圧部材7の第1板状部7k(
図9(b)参照)が挿入され、第2穴部12gには押圧部材7の第2板状部7pが挿入される。このように穴部12bに押圧部材7が挿入されることにより、押圧部材7は筒状部材10に回転方向に(同期回転可能に)係合する。
【0089】
図14は、軸線方向D1に直交する平面で切断したときにおける保持筒部13の凸部13fが形成された部分の断面図である。
図12および
図14に示されるように、筒状部材10の筒孔10cは、先端10hから後方に延びる第1筒孔部10fと、第1筒孔部10fの後方かつ筒状部材10の凸部13fが形成された部分の内側に位置する第2筒孔部10gとを含む。
【0090】
軸線方向D1に直交する平面で切断したときにおける第1筒孔部10fの断面は、長軸方向D2および短軸方向D3に延びる扁平形状を呈する。軸線方向D1に直交する平面で切断したときにおける第2筒孔部10gの断面は、十字状を呈する。例えば、第1筒孔部10fには塗布材Mの一部(前側部分)が通され、第2筒孔部10gには塗布材Mの残部(後側部分)と押圧部材7が通される。これにより、筒孔10cにおいて塗布材Mおよび押圧部材7は前進可能とされている。
【0091】
次に、塗布容器1を使用するときにおける塗布容器1の各部品の動作について
図1(a)、
図1(b)、
図2(a)~
図2(c)および
図3を参照しながら説明する。まず、先筒2に対して後筒3が一方向(例えば時計回り)に相対回転すると、螺子筒5が後筒3と同期回転するとともに螺子筒5の第1雄螺子5bと先筒2の第1雌螺子2v(第1螺合部16)の螺合作用が働いて先筒2に対して螺子筒5が前進する。
【0092】
先筒2に対して螺子筒5が前進すると、螺子筒5とともに筒状部材10および塗布材Mが前進する。前進する筒状部材10および塗布材Mは、先筒2の先端開口2bから前方に突出する。そして、螺子筒5が前進して前進限に達した状態で先筒2に対して後筒3が一方向に相対回転すると、螺子筒5に対して後筒3、尾栓8および移動体6が一方向に相対回転するとともに螺子筒5の第2雌螺子5rと移動体6の第2雄螺子6b(第2螺合部17)の螺合作用が働く。
【0093】
第2螺合部17の螺合作用が働くと、螺子筒5および筒状部材10に対して移動体6、押圧部材7および塗布材Mが前進する。これにより、筒状部材10に対して塗布材Mが前方に繰り出されて塗布材Mが使用に供される。また、先筒2に対して後筒3が一方向とは反対方向(例えば反時計回り)に回転すると、螺子筒5が後筒3と同期回転するとともに螺子筒5の第1雄螺子5bと先筒2の第1雌螺子2v(第1螺合部16)の螺合作用が働いて先筒2に対して螺子筒5が後退する。
【0094】
先筒2に対して螺子筒5が後退すると、螺子筒5とともに筒状部材10および塗布材Mが後退する。なお、前述したように、螺子筒5は後筒3に対して反対方向には回転しない(突出部3cに壁面5p4が当接する)ので、螺子筒5に対して後筒3、尾栓8および移動体6が反対方向に相対回転することはない。したがって、反対方向への回転では、第2螺合部17の螺合作用は働かないので、筒状部材10に対して塗布材Mが後方に繰り戻されることはない。
【0095】
次に、本実施形態に係る塗布容器1から得られる作用効果について説明する。
図3、
図4および
図11(b)に示されるように、塗布容器1は、塗布材Mを収容する筒状部材10と、筒状部材10に収容された塗布材Mを繰り出す繰出機構15とを備え、繰出機構15が塗布材Mを繰り出すことによって筒状部材10から塗布材Mが突出する。軸線方向D1に沿って見た筒状部材10の筒孔10cの形状、および軸線方向D1に沿って見た塗布材Mの形状は、長軸および短軸を有する扁平形状とされている。
【0096】
塗布材Mは軸線方向D1および長軸方向D2に延在する扁平面M1を有し、筒状部材10は扁平面M1に接触することによって塗布材Mを保持する保持部11を有する。塗布材Mの扁平面M1に接触する保持部11は、扁平面M1の軸線方向D1の一端側から他端側にわたって延在している。よって、保持部11が扁平面M1に接触した状態で扁平面M1の軸線方向D1の一方側から他方側にわたって延在していることにより、保持部11は軸線方向D1の一方側から他方側にわたる広い範囲において塗布材Mを保持することができる。したがって、扁平形状を呈する塗布材Mを保持する場合であっても、保持部11が扁平面M1の軸線方向D1の一方側から他方側にわたる範囲において塗布材Mを保持することにより、塗布材Mの変形および折損を抑制できる。
【0097】
本実施形態では、軸線方向D1に直交する塗布材Mの断面が扁平形状であって、軸線方向D1に直交する筒孔10cの断面は、扁平面M1の軸線方向D1の一端から他端にわたって扁平形状を呈する。すなわち、扁平面M1の軸線方向D1の全体が扁平形状を有する筒孔10cの内周面10dに対向する。したがって、筒孔10cにおける塗布材Mの振動を抑制して筒孔10cで塗布材Mをしっかりと保持できるので、塗布材Mの変形および折損をより確実に抑制できる。
【0098】
本実施形態において、保持部11は、扁平面M1に向かって突出する突状を呈する。筒状部材10は、長軸方向D2に沿って並ぶとともに、短軸方向D3に沿って並ぶ複数の保持部11を有する。塗布材Mは、短軸方向D3に沿って並ぶ複数の保持部11の間に挟み込まれる。この場合、短軸方向D3に沿って並ぶ一対の保持部11の間に挟まれた状態で塗布材Mが保持されるので、複数の保持部11によって塗布材Mをより強固に保持できる。その結果、塗布材Mの変形および折損をより確実に抑制できる。
【0099】
本実施形態において、塗布容器1は、筒状部材10を収容するとともに内部に第1雌螺子2vを有する先筒2と、先筒2に相対回転可能に連結された後筒3と、後筒3の内部に設けられるとともに、第1雌螺子2vに螺合する第1雄螺子5b、および内面に形成された第2雌螺子5rを有する螺子筒5と、螺子筒5の内部において前進するとともに、第2雌螺子5rに螺合する第2雄螺子6bを有する移動体6と、を備える。
【0100】
繰出機構15は、先筒2に対して螺子筒5が相対回転したときに第1雄螺子5bと第1雌螺子2vの螺合作用によって先筒2に対して螺子筒5を前進させる第1螺合部16と、螺子筒5に対して後筒3が相対回転したときに第2雌螺子5rと第2雄螺子6bの螺合作用によって螺子筒5に対して移動体6を前進させる第2螺合部17と、を有する。先筒2に対して後筒3が一方向に相対回転するときに、螺子筒5が後筒3と同期回転するとともに後筒3に対して螺子筒5が前進限まで前進することによって筒状部材10および塗布材Mが先筒2から前方に突出する。
【0101】
螺子筒5が前進限に達した状態で先筒2に対して後筒3が一方向に相対回転するときに、螺子筒5に対して後筒3が相対回転するとともに螺子筒5に対して移動体6が前進することによって筒状部材10に対して塗布材Mが繰り出される。この場合、先筒2に対して後筒3を一方向に相対回転させることによって塗布材Mを筒状部材10とともに前進できるので、塗布材Mの繰出時における塗布材Mの変形および折損を抑制できる。また、螺子筒5が前進限に達して先筒2から筒状部材10および塗布材Mが前方に突出した状態ではじめて筒状部材10に対して塗布材Mが繰り出される。したがって、筒状部材10に対する塗布材Mの繰出量を低減できるので、塗布を行うときにおける塗布材Mの折損をより確実に抑制できる。
【0102】
続いて、本開示に係る塗布容器における種々の変形例について説明する。まず、第1変形例に係る塗布容器について
図15を参照しながら説明する。
図15は、第1変形例に係る尾栓18を示す斜視図である。前述した実施形態では、移動体6を保持する第1保持部8bと、塗布具9を保持する第2保持部8fとを有する尾栓8について説明した。しかしながら、塗布容器は、尾栓8に代えて、塗布具9を保持する第2保持部8fを有しない尾栓18を備えていてもよい。第1変形例に係る塗布容器は、尾栓18を有するとともに、キャップ4および塗布具9を有しない。
【0103】
後述する種々の変形例に係る塗布容器の一部の構成は、前述した塗布容器1の一部の構成と同一である。第1変形例に係る塗布容器は、尾栓8に代えて尾栓18を有し、キャップ4および塗布具9を有しない点以外は塗布容器1と同一である。したがって、以下の説明では、前述した構成と同一の構成については、前述と同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0104】
尾栓18は、移動体6を保持する第1保持部18bを有する。第1保持部18bは、係合部8cから前方に延びる棒状部18cと、棒状部18cから径方向外側に突出するとともに軸線方向D1に沿って延在する凸部18dとを有する。第1保持部18bは複数の凸部18dを有し、複数の凸部18dは周方向に沿って並んでいる。
【0105】
第1保持部18bは後方から移動体6に入り込み。凸部18dは移動体6の凹部6f(
図8(b)参照)に回転方向に係合する。凸部18dは、軸線方向D1に沿って直線状に延びるとともに周方向に幅を有する。凸部18dは、凸部18dの前端18fに向かうにしたがって凸部18dの幅が狭くなる前端部18gを有する。前端部18gでは、前端18fから離隔するにしたがって凸部18dの幅が広くなっている。凸部18dが前端部18gを有することにより、移動体6への第1保持部18bの挿入を容易に行うことができる。
【0106】
次に、第2変形例に係る塗布容器について
図16~
図18を参照しながら説明する。第2変形例に係る塗布容器は、一部品からなる筒状部材10に代えて、二部品からなる筒状部材20を有する。筒状部材20は、第1構成部材21と、第1構成部材21に接合される第2構成部材22とを含む。第1構成部材21および第2構成部材22のそれぞれは前述した保持部11を有する。第1構成部材21は、前述した鍔部14および接続部12を有する。
【0107】
図16は、第1構成部材21、第2構成部材22および塗布材Mを示す斜視図である。
図17は、第1構成部材21を示す斜視図である。
図16および
図17に示されるように、第1構成部材21は、塗布材Mが載せられる第1凹部21bを有する。第1凹部21bは、塗布材Mが入り込む凹状を呈する。
【0108】
第1凹部21bは、軸線方向D1および長軸方向D2に延在する底部21cと、底部21cの長軸方向D2の両端のそれぞれから上方に延びる一対の側部21dとによって画成されている。第1凹部21bに載せられた塗布材Mは第2構成部材22に覆われ、第2構成部材22は塗布材Mを覆った状態で第1構成部材21に接合する。
【0109】
第1構成部材21および第2構成部材22は、軸線方向D1に直交する方向に沿って互いに接合する。第2変形例において、第1構成部材21および第2構成部材22は、短軸方向D3に沿って並んだ状態で互いに接合する。
図18は、第1構成部材21に第2構成部材22が接合した筒状部材20を軸線方向D1に直交する平面に沿って切断したときの断面を示している。
【0110】
図16~
図18に示されるように、第1構成部材21は第2構成部材22に接合する第1接合部23を有し、第2構成部材22は第1接合部23に接合する第2接合部24を有する。第1接合部23は、第1構成部材21の一対の側部21dのそれぞれにおいて長軸方向D2の両端側に突出している。第1接合部23は、軸線方向D1に沿って延在している。
【0111】
第1接合部23は、側部21dから斜め下方に延びる傾斜面23bと、傾斜面23bの下端から下方に延びる頂面23cと、頂面23cの下端から側部21dまで延びる下面23dとを有する。第1構成部材21は複数の第1接合部23を有し、複数の第1接合部23は軸線方向D1に沿って並んでいる。さらに、複数の第1接合部23は長軸方向D2に沿って並んでいる。
【0112】
第2構成部材22の長軸方向D2への長さ(幅)は、第1構成部材21の長軸方向D2への長さ(幅)より長い。第2構成部材22は、第1構成部材21の第1凹部21bを封止するとともに第1構成部材21を収容する第2凹部22bを有する。第2凹部22bは、軸線方向D1および長軸方向D2に延在する頂部22cと、頂部22cの長軸方向D2の両端のそれぞれから下方に延びる一対の側部22dとによって画成されている。
【0113】
第2接合部24は、軸線方向D1に沿って延在している。第2接合部24は、第2構成部材22の一対の側部22dのそれぞれにおいて長軸方向D2の中央側に突出している。第2接合部24は、頂部22cを短軸方向D3に貫通するとともに側部22dの長軸方向D2の中央側に形成された穴24bの底面24cと、底面24cの長軸方向D2の中央側の端部から下方に延びる頂面24dと、頂面24dの下端から側部22dに向かって斜め下方に延びる傾斜面24fとを有する。
【0114】
第2構成部材22は複数の第2接合部24を有し、各第2接合部24は各第1接合部23に接合する。より具体的には、第1構成部材21が第2構成部材22の第2凹部22bに入り込むときに第1接合部23の傾斜面23bが第2接合部24の傾斜面24fに当接する。そして、第1接合部23が第2接合部24を上方に乗り越えて底面24cの上に下面23dが対向した状態で第2構成部材22が第1構成部材21に接合される。
【0115】
以上、第2変形例に係る筒状部材20は、第1構成部材21と、第1構成部材21に接合される第2構成部材22とを含んでいる。この場合、第1構成部材21と第2構成部材22の間に塗布材Mを保持することができる。よって、第1構成部材21と第2構成部材22の間に塗布材Mを介在させた状態で第1構成部材21に第2構成部材22を接合させることにより、筒状部材20に対する塗布材Mの装填を容易に行うことができる。
【0116】
第2変形例において、第1構成部材21および第2構成部材22は、軸線方向D1に直交する方向に沿って互いに接合している。この場合、軸線方向D1に直交する方向に沿って互いに対向する第1構成部材21および第2構成部材22の間に塗布材Mを保持できるので、塗布材Mの装填および保持を容易に行うことができる。
【0117】
第1構成部材21は、第2構成部材22に接合する第1接合部23を有し、第2構成部材22は、第1接合部23に接合する第2接合部24を有し、第1接合部23および第2接合部24は、軸線方向D1に沿って延在している。この場合、第1接合部23および第2接合部24がともに軸線方向D1に沿って延在していることにより、第1構成部材21に対する第2構成部材22の接合を容易に行うことができる。
【0118】
第1構成部材21は、塗布材Mを収容するとともに軸線方向D1に沿って延在する第1凹部21bを有し、第2構成部材22は、塗布材Mを収容する第1凹部21bを封止するとともに第1構成部材21を収容する第2凹部22bを有する。この場合、第1構成部材21の第1凹部21bに塗布材Mを収容した状態で第1凹部21bの封止、および第2凹部22bへの第1構成部材21の収容を行える。したがって、塗布材Mの装填、および第1構成部材21に対する第2構成部材22の接合を容易に行うことができる。
【0119】
以上、第2変形例として、第1構成部材21および第2構成部材22が軸線方向D1に直交する方向に沿って互いに接合する例について説明した。しかしながら、第1構成部材および第2構成部材は、軸線方向D1に直交する方向ではなく、軸線方向D1に交差する方向(例えば、軸線方向D1に対して斜めに延びる方向)に沿って互いに接合してもよい。このように、第1構成部材および第2構成部材が接合される方向は、特に限定されない。
【0120】
図19は、第3変形例に係る第1構成部材31および第2構成部材32を有する筒状部材30を示す断面図である。
図19に示されるように、筒状部材30は、保持部11とは異なる形状の保持部33を有する点が第2変形例に係る筒状部材20とは異なる。第1構成部材31および第2構成部材32のそれぞれが塗布材Mの扁平面M1に接触する保持部33を有する。
【0121】
保持部33は、扁平面M1に接触する突状の曲面とされている。保持部33は、底部21cおよび頂部22cのそれぞれに形成されている。保持部33は、筒状部材30の長軸方向D2の中央に向かうにしたがって筒状部材30の短軸方向D3の中央側に突出している。
【0122】
以上、第3変形例に係る筒状部材30では、筒状部材30の内部において保持部33が塗布材Mの扁平面M1に接触した状態で塗布材Mを保持するので、塗布材Mを強固に保持して塗布材Mの変形および折損を抑制できる。したがって、筒状部材30からは前述した筒状部材10および筒状部材20と同様の効果が得られる。
【0123】
図20は、第4変形例に係る塗布容器41を示す分解斜視図である。塗布容器41は、前述した筒状部材10とは異なる筒状部材50を有する。筒状部材50は、先筒2に収容される第1構成部材51と、後筒3に連結された中筒42に挿入される第2構成部材52とを有する。
【0124】
第1構成部材51および第2構成部材52は、軸線方向D1に沿って互いに接合する。第1構成部材51は、後方から第2構成部材52が入り込む収容部53を有する。第2構成部材52は、収容部53に入り込む挿入部54を有する。収容部53および挿入部54は、例えば、矩形箱状を呈する。
【0125】
収容部53は、収容部53を貫通する貫通穴53bを有する。貫通穴53bは、軸線方向D1および長軸方向D2に延びる収容部53の側面部53cを短軸方向D3に貫通している。貫通穴53bは、矩形状を呈する。挿入部54は、貫通穴53bに入り込む凸部54bを有する。
【0126】
凸部54bは、軸線方向D1および長軸方向D2に延びる挿入部54の側面部54cから短軸方向D3の外側に突出している。凸部54bは、側面部54cに対して後方に向かうにしたがって径方向外側へ斜めに延びる傾斜面54b1と、傾斜面54b1の側面部54cとは反対の端部から軸線方向D1に延びる頂面54b2とを有する。
【0127】
図21(a)、
図21(b)および
図21(c)は、筒状部材50に塗布材Mを装填して塗布容器41を組み立てる手順を示す斜視図である。
図21(a)および
図21(b)に示されるように、中筒42に前方から第2構成部材52が挿入され、第2構成部材52に前方から塗布材Mが挿入される。
【0128】
このとき、塗布材Mの先端部M4が第2構成部材52から突出した状態となる。そして、
図21(b)および
図21(c)に示されるように、塗布材Mを保持する複数の保持部11が設けられている第1構成部材51が第2構成部材52に接合する。このとき、収容部53に挿入部54が入り込み、収容部53の内面に挿入部54の傾斜面54b1が当接する。そして、収容部53に対して挿入部54が前方に相対移動して凸部54bが貫通穴53bに入り込んだ状態で第2構成部材52に第1構成部材51が接合する。その後、第2構成部材52および第1構成部材51を覆うように先筒2が中筒42に装着されて塗布容器41の組み立てが完了する。
【0129】
以上、第4変形例に係る塗布容器41において、第1構成部材51および第2構成部材52は、軸線方向D1に沿って互いに接合する。この場合、第2構成部材52に対して第1構成部材51が軸線方向D1に沿って接合されるので、第2構成部材52に対する第1構成部材51の接合を容易に行うことができる。
【0130】
図22は、第5変形例に係る塗布容器61の先筒2、後筒3、筒状部材70および塗布材Mを示す斜視図である。
図23(a)は、筒状部材70を構成する第1構成部材71を示す斜視図である。
図23(b)は、筒状部材70を構成する第2構成部材72を示す斜視図である。
図22、
図23(a)および
図23(b)に示されるように、筒状部材70は、第1構成部材71と、第1構成部材71に接合される第2構成部材72とを含む。第1構成部材71および第2構成部材72は、短軸方向D3に沿って互いに接合する。
【0131】
筒状部材70は、前述した突状を呈する保持部11に代えて、塗布材Mに接触する板バネ部75を有する。塗布容器61において、板バネ部75が保持部として機能する。板バネ部75は、塗布材Mの厚さ方向(短軸方向D3)に沿って弾性変形可能とされている。例えば、板バネ部75は、第1構成部材71が有する第1板バネ部76と、第2構成部材72が有する第2板バネ部77とを含んでいる。第1板バネ部76は、スリット76bによって画成されている。スリット76bは、第1構成部材71を短軸方向D3に貫通している。
【0132】
スリット76bは、一対の第1スリット76b1と、一対の第1スリット76b1を互いに接続する第2スリット76b2とを含む。第1スリット76b1は軸線方向D1に延びており、一対の第1スリット76b1は長軸方向D2に沿って並んでいる。第2スリット76b2は、一対の第1スリット76b1の前端同士を接続するように長軸方向D2に延在している。スリット76bは、一対の第1スリット76b1と第2スリット76b2を有することにより、コの字状を呈する。
【0133】
第2板バネ部77は、第1板バネ部76と同様、第2構成部材72を短軸方向D3に貫通するスリット77bによって画成されている。スリット77bは、一対の第1スリット77b1と、一対の第1スリット77b1を互いに接続する第2スリット77b2とを含む。第1スリット77b1および第2スリット77b2の構成は、前述した第1スリット76b1および第2スリット76b2の構成と同様である。
【0134】
第1構成部材71は、軸線方向D1および長軸方向D2に延びる底部71bと、底部71bの長軸方向D2の両端から互いに同一の方向に突出する一対の側部71cとを有する。第1板バネ部76は、第1板バネ部76の軸線方向D1の中央に向かうにしたがって側部71cが突出する方向に曲面状に突出している。第2構成部材72も第1構成部材71と同様の底部72bおよび側部72cを有し、第2板バネ部77は、第2板バネ部77の軸線方向D1の中央に向かうにしたがって側部72cが突出する方向に曲面状に突出している。
【0135】
以上のように構成される筒状部材70には、前方から塗布材Mが挿入されることによって塗布材Mの装填が行われる。第1構成部材71が第2構成部材72に接合された状態において、板バネ部75の軸線方向D1の中央部分は、筒状部材70の短軸方向D3の中央側に曲面状に突出している。
【0136】
よって、筒状部材70の筒孔10cに塗布材Mを挿入すると、第1板バネ部76および第2板バネ部77に塗布材Mが当接し、塗布材Mは第1板バネ部76および第2板バネ部77を短軸方向D3の両端側に押し広げながら挿入される。塗布材Mが挿入された状態では第1板バネ部76および第2板バネ部77によって塗布材Mが短軸方向D3の両側から押さえつけられるので、筒孔10cにおいて塗布材Mを強固に保持することができる。
【0137】
以上、第5変形例に係る塗布容器61では、軸線方向D1に沿って見た筒状部材70の筒孔10cの形状、および軸線方向D1に沿って見た塗布材Mの形状が長軸および短軸を有する扁平形状とされており、塗布材Mは軸線方向D1および長軸方向D2に延在する扁平面を有する。筒状部材70は扁平面に接触することによって塗布材Mを保持する保持部を有し、保持部は筒状部材70に形成されたスリット76b,77bによって画成された板バネ部75である。板バネ部75は、塗布材Mに接触するとともに筒状部材70の厚さ方向に沿って弾性変形する。よって、弾性変形する板バネ部75が扁平面に接触することにより、広い範囲において塗布材Mを保持することができる。したがって、扁平形状を呈する塗布材Mを保持する場合であっても、板バネ部75が扁平面に接触して塗布材Mを保持することにより、適度な保持力によって塗布材Mを保持できるとともに塗布材の変形および折損を抑制できる。したがって、第5変形例に係る塗布容器61からは、前述した実施形態に係る塗布容器1等と同様の作用効果が得られる。
【0138】
なお、第5変形例では、第1構成部材71が有する第1板バネ部76、および第2構成部材72が有する第2板バネ部77によって板バネ部75が構成されている例について説明した。しかしながら、板バネ部75は、第1構成部材71および第2構成部材72のいずれかのみに形成されていてもよい。さらに、前述した筒状部材10、筒状部材20、筒状部材30、または筒状部材50が板バネ部75を有していてもよい。
【0139】
第5変形例に係る筒状部材70では、第1構成部材71および第2構成部材72は、軸線方向D1に直交する方向(短軸方向D3)に沿って互いに接合する。しかしながら、板バネ部75を有する第5変形例に係る筒状部材において、第1構成部材および前記第2構成部材は、軸線方向D1に沿って互いに接合してもよいし、軸線方向D1に交差する方向(例えば、軸線方向D1に対して斜めに延びる方向)に沿って互いに接合してもよい。このように、第5変形例においても、第1構成部材および第2構成部材が接合される方向は、特に限定されない。
【0140】
以上、本開示に係る塗布容器の実施形態および種々の変形例について説明した。しかしながら、本開示に係る塗布容器は、前述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内においてさらに変形されたものであってもよい。すなわち、本開示に係る塗布容器の各部の形状、大きさ、材料、数および配置態様は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。前述では、塗布容器の実施形態および第1~第5変形例について説明した。本開示に係る塗布容器は、実施形態および第1~第5変形例から選択された形態の一部と、当該形態とは異なる残部とが組み合わされた塗布容器であってもよい。このように、前述した実施形態および第1~第5変形例は適宜組み合わせることが可能である。
【0141】
例えば、前述した実施形態では、先筒2と、後筒3と、螺子筒5と、移動体6とを備え、繰出機構15が先筒2に対して螺子筒5を前進させる第1螺合部16と、螺子筒5に対して移動体6を前進させる第2螺合部17とを有する塗布容器1について説明した。しかしながら、塗布容器は、先筒2、後筒3、螺子筒5および移動体6の少なくともいずれかを有しない容器であってもよいし、繰出機構は、第1螺合部16および第2螺合部17の少なくともいずれかを有しない機構であってもよい。
【0142】
前述した実施形態では、先筒2に対する後筒3の一方向への相対回転によって塗布材Mの繰り出しを行う繰出機構15を有する塗布容器1について説明した。しかしながら、塗布容器は、相対回転によって繰り出しを行わない繰出機構を有する塗布容器であってもよい。すなわち、塗布容器は、相対回転に代えて、ノック式等の機械的な押出機構である繰出機構を有し、当該繰出機構によって描画材を押し出すものであってもよいし、スクイーズ式の繰出機構を備えたものであってもよい。
【0143】
前述した実施形態では、化粧料である塗布材Mを備える塗布容器1について説明した。しかしながら、塗布材は、化粧料以外のものであってもよい。例えば、塗布材は、クレヨン等の筆記用具に用いられる芯材であってもよい。このように、本開示に係る塗布容器は、化粧料に限られず、筆記用具または文房具等、種々の塗布材に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0144】
1…塗布容器、2…先筒、2b…先端開口、2d…先端部、2f…テーパ面、2g…平滑面、2g1…突出領域、2h…湾曲面、2j…先端、2k…内面、2k1…第1内面、2k2…第2内面、2p…凹部、2p1…第1凹部、2p2…第2凹部、2q…筒部、2r…段差部、2s…凸部、2t…貫通孔、2v…第1雌螺子、2w…後端、2x…中心、3…後筒、3b…内面、3c…突出部、3c1…第1部分、3c2…第2部分、3c3…傾斜部、3d…外面、3f…環状凸部、3g…環状凹部、3h…ローレット、3j…環状凹部、3k…環状凸部、4…キャップ、5…螺子筒、5b…第1雄螺子、5c…第1筒部、5d…第2筒部、5f…鍔部、5g…筒部、5h…窓部、5j…スリット、5j1…第1スリット、5j2…第2スリット、5k…バネ部、5p…凸部、5p1…第1傾斜面、5p2…第2傾斜面、5p3…頂面、5p4…壁面、5q…外面、5r…第2雌螺子、5s…スリット、5t…後端、6…移動体、6b…第2雄螺子、6c…連結部、6d…内面、6f…凹部、6g…窓部、6h…貫通孔、6j…前端、6k…穴部、6p…内面、6q…傾斜面、6r…頂面、7…押圧部材、7b…後端部、7c…外面、7d…環状凸部、7f…頂面、7g…傾斜面、7h…回り止め部、7j…押出部、7k…第1板状部、7p…第2板状部、7q…先端面、8…尾栓、8b…第1保持部、8c…係合部、8d…鍔部、8f…第2保持部、8g…穴部、8h…外筒部、8j…内筒部、8k…リブ、8p…環状凸部、8q…凸部、9…塗布具、10…筒状部材、10b…開口、10c…筒孔、10d…内周面、10f…第1筒孔部、10g…第2筒孔部、10h…先端、11…保持部、12…接続部、12b…穴部、12c…突出部、12d…後端、12f…第1穴部、12g…第2穴部、13…保持筒部、13b…第1側部、13c…第2側部、13d…平坦面、13d1…第1平坦面、13d2…第2平坦面、13f…凸部、13f1…第1部分、13f2…第2部分、13g…段差部、14…鍔部、15…繰出機構、16…第1螺合部、17…第2螺合部、18…尾栓、18b…第1保持部、18c…棒状部、18d…凸部、18f…前端、18g…前端部、20…筒状部材、21…第1構成部材、21b…第1凹部、21c…底部、21d…側部、22…第2構成部材、22b…第2凹部、22c…頂部、22d…側部、23…第1接合部、23b…傾斜面、23c…頂面、23d…下面、24…第2接合部、24b…穴、24c…底面、24d…頂面、24f…傾斜面、30…筒状部材、31…第1構成部材、32…第2構成部材、33…保持部、41…塗布容器、42…中筒、50…筒状部材、51…第1構成部材、52…第2構成部材、53…収容部、53b…貫通穴、53c…側面部、54…挿入部、54b…凸部、54b1…傾斜面、54b2…頂面、54c…側面部、61…塗布容器、70…筒状部材、71…第1構成部材、71b…底部、71c…側部、72…第2構成部材、72b…底部、72c…側部、75…板バネ部、76…第1板バネ部、76b…スリット、76b1…第1スリット、76b2…第2スリット、77…第2板バネ部、77b…スリット、77b1…第1スリット、77b2…第2スリット、A…基準線、D1…軸線方向、D2…長軸方向、D3…短軸方向、D4…回転方向、L…軸線、L11…長軸、L12…短軸、L21…長軸、L22…短軸、M…塗布材、M1…扁平面、M2…側面、M3…先端面、M4…先端部、M5…後端面。