(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010774
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】電動機のロータ構造
(51)【国際特許分類】
H02K 1/276 20220101AFI20250116BHJP
【FI】
H02K1/276
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112977
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100116001
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】上野 駿
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622CA02
5H622CA07
5H622CB03
5H622CB05
5H622PP03
5H622PP11
(57)【要約】
【課題】電動機の製造時においてロータコアにおける磁石埋設孔への磁石の円滑な挿入を確保できることで、製造効率の低下を防止でき、また、磁石の表面と磁石埋設孔の内面との接触面積を低減することで、電動機の作動時における渦電流損を抑制することができる電動機のロータ構造を提供する。
【解決手段】回転軸2の中心を通る軸線Cに沿って貫通した状態で延びる複数の磁石埋設孔8を有するロータコア7と、複数の磁石埋設孔8にそれぞれ挿入された状態で埋設された複数の磁石9と、を備え、各磁石埋設孔8は、磁石8を挟持した状態で保持する第1保持面11及び第2保持面12を有し、第1保持面11及び第2保持面12は、保持した磁石8に対して、軸線Cに直交する任意断面において点接触するとともに、軸線Cに沿って連続するように形成された第1当接部11a及び第2当接部12aをそれぞれ有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が貫通しかつ当該回転軸に固定されたロータを備えた電動機のロータ構造であって、
前記回転軸の中心を通る軸線に沿って貫通した状態で延びる複数の磁石埋設孔を有するロータコアと、
前記複数の磁石埋設孔にそれぞれ挿入された状態で埋設された複数の磁石と、
を備え、
前記複数の磁石埋設孔の各々は、埋設された前記磁石を間にして互いに対向し、当該磁石を挟持した状態で保持する第1保持面及び第2保持面を有しており、
前記第1保持面及び第2保持面は、保持した前記磁石に対して、前記軸線に直交する任意の断面である任意断面において点接触するとともに、前記軸線に沿って連続するように形成された第1当接部及び第2当接部をそれぞれ有していることを特徴とする電動機のロータ構造。
【請求項2】
前記第1当接部は、1つ又は複数の第1当接部で構成され、
前記第2当接部は、1つ又は複数の第2当接部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機のロータ構造。
【請求項3】
前記第1保持面及び前記第2保持面は、前記任意断面において、前記軸線側である径方向内側、及び前記軸線と反対側である径方向外側の一方に凸に湾曲する円弧状に形成され、その凸方向の外側に位置する凸状外側面、及び凸方向の内側に位置する凸状内側面としてそれぞれ構成されており、
前記磁石は、前記任意断面において、全体が前記一方に凸に湾曲する円弧状に形成されるとともに、前記凸状外側面に対向する外側対向磁石面、及び前記凸状内側面に対向する内側対向磁石面を有しており、
前記凸状外側面は、前記外側対向磁石面よりも曲率半径が大きく設定されることにより、当該凸状外側面の頂部が単一の前記第1当接部として機能し、
前記凸状内側面は、前記内側対向磁石面よりも曲率半径が小さく設定されることにより、当該凸状内側面の頂部が単一の前記第2当接部として機能することを特徴とする請求項1に記載の電動機のロータ構造。
【請求項4】
前記複数の磁石埋設孔の各々は、前記第1保持面と前記第2保持面によって前記磁石を挟持する方向に対してほぼ直交する方向において当該磁石を両側から挟持するように、前記任意断面において点接触するとともに、前記軸線に沿って連続するように形成された2つの係止部を、さらに有していることを特徴とする請求項1に記載の電動機のロータ構造。
【請求項5】
前記複数の磁石埋設孔は、2以上の前記磁石埋設孔を一組として、前記軸線を中心とする所定角度ごとに一組ずつ配置されており、
前記各組の磁石埋設孔は、前記軸線を中心とする周方向、及び/又は前記軸線の径方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機のロータ構造。
【請求項6】
前記複数の磁石埋設孔の各々には、1つ又は複数の磁石が埋設されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電動機のロータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機のロータ構造に関し、特にロータコアに磁石が埋め込まれた埋込磁石同期モータ(IPMSM)に適用されるロータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロータ構造として、例えば特許文献1及び2に記載されたものが知られている。特許文献1のロータ構造では、各々が円環状に形成された薄板状の多数の電磁鋼板を、同心状に積層して構成されたロータコアと、このロータコアに埋設された複数の磁石とを有している。ロータコアには、磁石を埋設するための磁石埋設孔が、ロータコアの軸線方向に貫通して延び、所定形状の横断面を有している。一方、磁石は、ロータコアの軸線方向とほぼ同じ長さを有し、横断面が矩形状に形成されている。
【0003】
各磁石埋設孔に磁石が埋設されたロータを有するモータにおいて、ロータが高速で回転することにより、ロータの磁石に渦電流が発生しやすくなる。特に、上記のロータ構造では、磁石の表面と、磁石埋設孔の内面とが面接触することで、両者の接触面積が大きくなり、その結果、ロータにおいて大きな渦電流ループが生じ、その渦電流による損失(以下「渦電流損」という)が増大するおそれがある。
【0004】
一方、特許文献2では、上記のような渦電流損を低減するために、ロータコアを次のように構成している。すなわち、このロータコアは、各々が円環状に形成された薄板状の電磁鋼板から成る複数の第1コア部材及び第2コア部材を積層して構成されている。具体的には、第1コア部材は、磁石の横断面よりも一回り大きい第1磁石孔を有する一方、第2コア部材は、上記の第1磁石孔に対応する位置に設けられ、内方に突出する複数の凸部が形成された第2磁石孔を有している。そして、ロータコアは、例えば、多数の第1コア部材と、ロータコアの軸線方向の中央付近に配置された1枚の第2コア部材とを積層して構成されている。
【0005】
上記の多数の第1コア部材による第1磁石孔と、上記の1枚の第2コア部材による第2磁石孔とによって、ロータコアに磁石を埋設するための磁石埋設孔が形成され、この磁石埋設孔に磁石が埋設された状態では、第2コア部材における第2磁石孔の複数の凸部のみが磁石に接する。これにより、特許文献2のロータ構造では、特許文献1の場合に比べて、磁石の表面と磁石埋設孔の内面との接触面積が小さくなり、モータ作動時の渦電流損が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-182358号公報
【特許文献2】特開2013-110827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献2のロータ構造では、モータ製造時において、ロータコアの磁石埋設孔に磁石を挿入して埋設する際に、次のような問題がある。すなわち、磁石埋設孔の一方の開口から磁石の端部を挿入し、その磁石を磁石埋設孔にさらに押し込むと、第2コア部材における第2磁石孔の凸部に当たることで、磁石が磁石埋設孔への挿入途中に引っ掛かってしまうことがある。この場合には、ロータコアの磁石埋設孔への磁石の挿入工程に手間がかかり、モータの製造効率が低下するおそれがある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、電動機の製造時においてロータコアにおける磁石埋設孔への磁石の円滑な挿入を確保できることで、製造効率の低下を防止でき、また、磁石の表面と磁石埋設孔の内面との接触面積を低減することで、電動機の作動時における渦電流損を抑制することができる電動機のロータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、回転軸が貫通しかつ回転軸に固定されたロータを備えた電動機のロータ構造であって、回転軸の中心を通る軸線に沿って貫通した状態で延びる複数の磁石埋設孔を有するロータコアと、複数の磁石埋設孔にそれぞれ挿入された状態で埋設された複数の磁石と、を備え、複数の磁石埋設孔の各々は、埋設された磁石を間にして互いに対向し、磁石を挟持した状態で保持する第1保持面及び第2保持面を有しており、第1保持面及び第2保持面は、保持した磁石に対して、軸線に直交する任意の断面である任意断面において点接触するとともに、軸線に沿って連続するように形成された第1当接部及び第2当接部をそれぞれ有していることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、回転軸に固定されたロータを備えた電動機のロータ構造において、複数の磁石埋設孔を有するロータコアと、それらの磁石埋設孔にそれぞれ挿入されることによって埋設された複数の磁石とを備えている。複数の磁石埋設孔の各々は、回転軸の中心を通る軸線に沿って貫通した状態で延びており、埋設された磁石を間にして互いに対向する第1保持面及び第2保持面を有している。また、これらの第1保持面及び第2保持面は、保持した磁石に対して、上記軸線に直交する任意の断面である任意断面において点接触するとともに、軸線に沿って連続するように形成された第1当接部及び第2当接部をそれぞれ有している。
【0011】
電動機の製造時において、ロータコアの磁石埋設孔に磁石を挿入する場合、磁石埋設孔の一方の開口に対し、磁石の端部を挿入する。この場合、磁石埋設孔の第1保持面の第1当接部と、第2保持面の第2当接部が磁石の表面の端部に接する。そして、磁石を磁石埋設孔に押し込むことにより、第1保持面及び第2保持面の両当接部、すなわち第1当接部及び第2当接部が磁石の表面に接した状態のまま、磁石全体が磁石埋設孔に挿入される。このように、電動機の製造時において、ロータコアにおける磁石埋設孔への磁石の円滑な挿入を確保することができ、それにより、電動機の製造効率の低下を防止することができる。
【0012】
また、磁石がロータコアに埋設された状態では、軸線に直交する任意断面において、磁石の表面に対し、磁石埋設孔における第1保持面の第1当接部及び第2保持面の第2当接部が点接触する。これにより、磁石が磁石埋設孔の内面に面接触する場合に比べて、磁石の表面と磁石埋設孔の内面との接触面積を大幅に低減することができ、その結果、電動機の回転時において、渦電流損を抑制することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動機のロータ構造において、第1当接部は、1つ又は複数の第1当接部で構成され、第2当接部は、1つ又は複数の第2当接部で構成されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1保持面及び第2保持面が1つの当接部を有する場合には、複数の当接部を有する場合に比べて、磁石の表面と磁石埋設孔の内面との接触面積を最小にすることができる。また、第1保持面及び第2保持面の少なくとも一方が複数の当接部を有する場合には、磁石埋設孔への磁石の挿入時に、その磁石を、複数の当接部で支えながら、比較的安定して挿入することができる。なお、第1保持面の第1当接部及び第2保持面の第2当接部の数は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の電動機のロータ構造において、第1保持面及び第2保持面は、任意断面において、軸線側である径方向内側、及び軸線と反対側である径方向外側の一方に凸に湾曲する円弧状に形成され、その凸方向の外側に位置する凸状外側面、及び凸方向の内側に位置する凸状内側面としてそれぞれ構成されており、磁石は、任意断面において、全体が一方に凸に湾曲する円弧状に形成されるとともに、凸状外側面に対向する外側対向磁石面、及び凸状内側面に対向する内側対向磁石面を有しており、凸状外側面は、外側対向磁石面よりも曲率半径が大きく設定されることにより、凸状外側面の頂部が単一の第1当接部として機能し、凸状内側面は、内側対向磁石面よりも曲率半径が小さく設定されることにより、凸状内側面の頂部が単一の第2当接部として機能することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、第1保持面及び第2保持面は、軸線に直交する任意断面において、上記の径方向内側及び径方向外側の一方に凸に湾曲する円弧状に形成され、上記の凸状外側面及び凸状内側面としてそれぞれ構成されている。また、磁石は、任意断面において、上記の第1保持面(凸状外側面)及び第2保持面(凸状内側面)を有する磁石埋設孔と同様、全体が凸に湾曲する円弧状に形成され、凸状外側面及び凸状内側面にそれぞれ対向する外側対向磁石面及び内側対向磁石面を有している。そして、凸状外側面が外側対向磁石面よりも曲率半径が大きく設定される一方、凸状内側面が内側対向磁石面よりも曲率半径が小さく設定されている。これにより、磁石埋設孔において、凸状外側面の頂部を単一の第1当接部として機能させることができるとともに、凸状内側面の頂部を単一の第2当接部として機能させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の電動機のロータ構造において、複数の磁石埋設孔の各々は、第1保持面と第2保持面によって磁石を挟持する方向に対してほぼ直交する方向において磁石を両側から挟持するように、任意断面において点接触するとともに、軸線に沿って連続するように形成された2つの係止部を、さらに有していることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、複数の磁石埋設孔の各々は、上記2つの係止部をさらに有している。これらの係止部は、各磁石埋設孔の第1保持面と第2保持面によって磁石を挟持する方向に対してほぼ直交する方向において磁石を両側から挟持するように、軸線に直交する任意断面において点接触するとともに、軸線に沿って連続するように形成されている。各磁石埋設孔が前述した第1保持面の第1当接部及び第2保持面の第2当接部に加えて、上記2つの係止部を有することにより、磁石埋設孔に埋設される磁石は、四方から支持される。これにより、磁石を磁石埋設孔に挿入する際には、磁石を円滑に挿入することができるとともに、磁石埋設孔に埋設された磁石を、安定した状態に保持することができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の電動機のロータ構造において、複数の磁石埋設孔は、2以上の磁石埋設孔を一組として、軸線を中心とする所定角度ごとに一組ずつ配置されており、各組の磁石埋設孔は、軸線を中心とする周方向、及び/又は軸線の径方向に配置されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、2以上の磁石埋設孔を一組として、軸線を中心とする所定角度ごとに一組ずつ、磁石埋設孔がロータコアに配置されている。この場合、一組の磁石埋設孔の各々が、軸線を中心とする周方向に配置され、各磁石埋設孔に磁石を埋設することにより、ロータの周方向において、所定角度ごとに磁極を設定することができる。また、一組の磁石埋設孔の各々が、軸線の径方向に配置され、各磁石埋設孔に磁石が埋設されること、すなわち磁石が径方向に複数層で配置されることにより、ロータの各磁極のリラクタンストルクを容易に大きくすることができる。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載の電動機のロータ構造において、複数の磁石埋設孔の各々には、1つ又は複数の磁石が埋設されていることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、複数の磁石埋設孔の各々に1つの磁石を埋設する場合、各磁石埋設孔に磁石を1つずつ挿入し、全ての磁石埋設孔に磁石を比較的容易に埋設することができる。また、複数の磁石埋設孔の各々に、複数の磁石を埋設する場合、それらの磁石が単一である場合に比べて、電動機の回転時に発生する渦電流を小さくすることができ、それにより、渦電流損を抑制することができる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態によるロータ構造を適用したモータを説明するための図であり、(a)はモータを模式的に示す図、(b)は(a)のモータをA-A線に沿って切断したときのロータ及びシャフトを部分的に示す断面図、(c)は(b)で示すロータの右側の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【
図2】ロータコアの磁石埋設孔への磁石の挿入方法を説明するための図であり、(a)は
図1(c)と同様の磁石埋設孔を示す拡大図、(b)は(a)の磁石及び磁石埋設孔をB-B線に沿って切断したときの断面図であり、磁石埋設孔の開口に磁石の先端部が挿入された状態を示し、(c)は(b)に示す状態から磁石が押し込まれ、磁石埋設孔への磁石の挿入が完了した状態を示す。
【
図3】本発明の第2実施形態によるロータ構造を説明するための図であり、
図1(b)及び(c)に対応し、ロータの一部を示す断面図、並びに右側の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【
図4】本発明の第3実施形態によるロータ構造を説明するための図であり、
図1(b)及び(c)に対応し、ロータの一部を示す断面図、並びに右側の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【
図5】本発明の第4実施形態によるロータ構造を説明するための図であり、
図1(b)及び(c)に対応し、ロータの一部を示す断面図、並びに右側の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【
図6】本発明の第5実施形態によるロータ構造を説明するための図であり、
図1(b)及び(c)に対応し、ロータの一部を示す断面図、並びに右側の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【
図7】本発明の第6実施形態によるロータ構造を説明するための図であり、
図1(b)及び(c)に対応し、ロータの一部を示す断面図、並びに右側の複数の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【
図8】本発明の第7実施形態によるロータ構造を説明するための図であり、
図1(b)及び(c)に対応し、ロータの一部を示す断面図、並びに複数の磁石及び磁石埋設孔を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態によるロータ構造を適用したモータを模式的に示している。
図1(a)及び(b)に示すように、このモータ1(電動機)は、埋込磁石同期モータ(IPMSM)であり、所定の長さ及び径を有するシャフト2(回転軸)と、このシャフト2が貫通しかつこのシャフト2に固定されたロータ3と、ロータ3の外周を囲んだ状態で設けられたステータ4と、上記のロータ3及びステータ4を覆うとともに、内周面にステータ4を固定するフレーム5とを備えている。なお、以下の説明では、シャフト2の中心を通り、シャフト2の長さ方向に延びる線を、「軸線C」というものとする。
【0026】
図1(b)は、同図(a)のモータ1をA-A線に沿って切断したときのロータ3及びシャフト2を部分的に示している。同図(b)に示すように、ロータ3は、中心部にシャフト2が貫通した状態で固定されたロータコア7と、このロータコア7に設けられた複数(
図1(b)では2つのみ図示)の磁石埋設孔8にそれぞれ埋設された複数(
図1(b)では2つのみ図示)の永久磁石9(以下、単に「磁石」という)とを備えている。
【0027】
ロータコア7は、多数の薄板状の電磁鋼板から成るコア部材7aを積層して構成されている。具体的には、各コア部材7aは、中央部にシャフト2が貫通するシャフト孔7bを有し、平面形状がドーナツ状に形成されている。また、各コア部材7aには、
図1(b)及び(c)に示す所定形状を有する複数の磁石埋設孔8が形成されている。
【0028】
図1(b)に示すように、ロータコア7には、軸線Cを中心とする所定角度(例えば60度)ごとに、2つの磁石埋設孔8、8を一組として、これらの磁石埋設孔8、8が、周方向に配置されている。そして、各磁石埋設孔8には、磁石9が挿入された状態で埋設されている。なお、
図1(b)に示す2つの磁石埋設孔8、8は左右対称であるので、以下の説明では、右側の磁石埋設孔8を中心に説明するものとする。
【0029】
図1(c)は、同図(b)で示すロータ3の右側の磁石9及び磁石埋設孔8を拡大して示している。なお、同図(c)に示す磁石9については、図示の便宜上、二点鎖線で示している。
【0030】
図1(c)に示すように、磁石埋設孔8は、ロータコア7の径方向の外側(
図1(c)の上側)に位置する外側保持面11(第1保持面)と、径方向の内側(
図1(c)の下側)に位置する内側保持面12(第2保持面)とを有し、これらの外側保持面11と内側保持面12が、磁石9を間にして互いに対向している。また、これらの外側保持面11及び内側保持面12は、磁石埋設孔8の内方に凸に湾曲する円弧状に形成されており、それぞれの頂部11a(第1当接部)及び頂部12a(第2当接部)が、軸線Cに直交する任意の断面である任意断面において磁石9に点接触するとともに、軸線Cに沿って連続するように形成されている。
【0031】
また、磁石埋設孔8には、内側保持面12の左右両側に、内方に突出し、上記外側保持面11と内側保持面12によって磁石9を挟持する方向に対してほぼ直交する方向(
図1(c)の左右方向)において、磁石9を両側から挟持する左係止部13L及び右係止部13Rを有している。これらの左係止部13L及び右係止部13Rは、任意断面において磁石9に点接触するとともに、軸線Cに沿って連続するように形成されている。
【0032】
磁石9は、
図1(a)に示すように、ロータコア7の軸線方向の長さとほぼ同じ長さを有し、
図1(b)及び(c)に示すように、横断面が矩形状に形成され、所定サイズを有する直方体状に形成されている。また、
図1(c)に示すように、磁石9は、ロータコア7の径方向の外側及び内側にそれぞれ位置する外側磁石面9a及び内側磁石面9b、並びにこれらに連なる左側磁石面9c及び右側磁石面9dを有している。そして、磁石9が磁石埋設孔8に埋設された状態では、磁石9の外側磁石面9a、内側磁石面9b、左側磁石面9c及び右側磁石面9dにそれぞれ、磁石埋設孔8の頂部11a、頂部12a、左係止部13L及び右係止部13Rが、任意断面において点接触しており、軸線Cの長さ方向においては線接触している。
【0033】
ここで、
図2を参照して、ロータコア7の磁石埋設孔8への磁石9の挿入方法を説明する。
図2(a)は、上述した
図1(c)に対応する磁石9及び磁石埋設孔8を示しており、同図(b)は(a)の磁石9及び磁石埋設孔8をB-B線に沿って切断したときの断面図であり、磁石埋設孔8の開口に磁石9の先端部が挿入された状態を示している。
【0034】
図2(b)に示すように、磁石9を磁石埋設孔8に挿入する際には、まず、磁石9の先端部を、磁石埋設孔8の一方(
図2(b)では左方)の開口に挿入する。この場合、磁石9の先端部において、外側磁石面9a及び内側磁石面9bが、磁石埋設孔8の外側保持面11及び内側保持面12の頂部11a及び12aにそれぞれ接するとともに、左側磁石面9c及び右側磁石面9dが、磁石埋設孔8の左係止部13L及び右係止部13Rにそれぞれ接する。
【0035】
そして、
図2(b)に示す状態から、白抜き矢印で示すように、磁石9を磁石埋設孔8に押し込み、同図(c)に示すように、磁石9全体を磁石埋設孔8に挿入することにより、磁石9の挿入が完了する。この磁石埋設孔8への磁石9の挿入の際には、磁石9の外側磁石面9a、内側磁石面9b、左側磁石面9c及び右側磁石面9dがそれぞれ、磁石埋設孔8における外側保持面11の頂部11a、内側保持面12の頂部12a、左係止部13L及び右係止部13Rに接することで、磁石9が磁石埋設孔8によって四方から支持されながら挿入される。
【0036】
また、上記のように、磁石9を磁石埋設孔8に挿入した後、磁石埋設孔8の磁石9との隙間に合成樹脂を充填してもよい。この場合、上記の隙間に、溶融した合成樹脂を充填し、硬化させることで、磁石9を磁石埋設孔8内の所定位置に、より安定して保持することができ、特にモータ1の回転時において、磁石9に発生しやすい曲げ応力を抑制することで、磁石9の損傷を防止することができる。
【0037】
以上のように、第1実施形態のロータ構造によれば、モータ1の製造時において、ロータコア7における磁石埋設孔8への磁石9の円滑な挿入を確保することができ、それにより、磁石の挿入時に引っ掛かりが生じる従来と異なり、モータ1の製造効率の低下を防止することができる。また、磁石が磁石埋設孔の内面に面接触する従来に比べて、磁石9の表面と磁石埋設孔8の内面との接触面積を大幅に低減することができ、その結果、モータ1の回転時において、渦電流損を抑制することができる。
【0038】
図3は、本発明の第2実施形態によるロータ構造を示している。なお、以下の各実施形態の説明では、上述した第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略するものとする。
【0039】
図3に示すように、この第2実施形態では、磁石埋設孔8Aの外側保持面11及び内側保持面12がいずれも、内方に凸に湾曲する2つの円弧を有し、それぞれの頂部が、磁石9に接触している。具体的には、磁石埋設孔8Aの外側保持面11における2つの頂部11b、11b、及び内側保持面12における2つの頂部12b、12bが、任意断面において、磁石9の外側磁石面9a及び内側磁石面9bにそれぞれ点接触している。
【0040】
上記の第2実施形態のロータ構造によれば、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、磁石埋設孔8Aへの磁石9の挿入の際には、磁石9の外側磁石面9aが2つの頂部11b、11bで、内側磁石面9bが2つの頂部12b、12bで支えられながら、比較的安定して挿入することができる。
【0041】
図4は、本発明の第3実施形態によるロータ構造を示している。同図に示すように、この第3実施形態では、磁石埋設孔8Bの外側保持面11が、内方に凸に湾曲する8つの円弧を有する一方、内側保持面12が、内方に凸に湾曲する2つの円弧を有しており、各円弧の頂部が、磁石9に接触している。具体的には、磁石埋設孔8Bの外側保持面11における8つの頂部11c、及び内側保持面12における2つの頂部12cが、任意断面において、磁石9の外側磁石面9a及び内側磁石面9bにそれぞれ点接触している。
【0042】
上記の第3実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、磁石埋設孔8Bへの磁石9の挿入の際には、磁石9の外側磁石面9aが8つの頂部11cで、内側磁石面9bが2つの頂部12c、12cで支えられながら、より一層安定して挿入することができる。
【0043】
図5は、本発明の第4実施形態によるロータ構造を示している。同図に示すように、この第4実施形態では、磁石埋設孔8Cが全体として、軸線C側である径方向内側(
図5の下側)に凸に湾曲するように形成されている。具体的には、磁石埋設孔8Cの外側保持面11(凸状内側面)及び内側保持面12(凸状外側面)はいずれも、径方向内側に凸に湾曲する円弧状に形成され、所定の曲率半径を有している。
【0044】
一方、第4実施形態の磁石10は、前述した第1~第3実施形態の断面が矩形状の磁石9と異なり、
図5に示すように、全体として、軸線C側である径方向内側に凸に湾曲する円弧状に形成されている。具体的には、磁石10は、径方向の内側にいずれも凸に湾曲する外側磁石面10a(内側対向磁石面)及び内側磁石面10b(外側対向磁石面)、並びにこれらに連なる左側磁石面10c及び右側磁石面10dを有している。
【0045】
また、磁石10の外側磁石面10a及び内側磁石面10bは、磁石埋設孔8Cの外側保持面11及び内側保持面12にそれぞれ対向し、所定の曲率半径を有している。具体的には、磁石埋設孔8Cの内側保持面12は、磁石10の内側磁石面10bよりも曲率半径が大きく設定され、また、磁石埋設孔8Cの外側保持面11は、磁石10の外側磁石面10aよりも曲率半径が小さく設定されている。
【0046】
上記のように構成された磁石埋設孔8Cに磁石10を挿入し、埋設した状態では、磁石埋設孔8Cの外側保持面11における頂部11d及び内側保持面12における頂部12dが、任意断面において、磁石10の外側磁石面10a及び内側磁石面10bにそれぞれ点接触している。
【0047】
上記の第4実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。また、本実施形態では、磁石10について、q軸磁束線に沿った磁石配置にできるため、リラクタンストルクを大きくすることができる。
【0048】
図6は、本発明の第5実施形態によるロータ構造を示している。同図に示すように、この第5実施形態では、上述した第4実施形態と異なり、各磁石埋設孔8D及び磁石20が全体として、軸線Cと反対側である径方向外側(
図6の上側)に凸に湾曲するように形成されている。
【0049】
この第5実施形態の磁石埋設孔8Dでは、外側保持面11(凸状外側面)及び内側保持面12(凸状内側面)はいずれも、径方向外側に凸に湾曲する円弧状に形成され、所定の曲率半径を有している。
【0050】
一方、第5実施形態の磁石20は、径方向外側にいずれも凸に湾曲する外側磁石面20a(外側対向磁石面)及び内側磁石面20b(内側対向磁石面)、並びにこれらに連なる左側磁石面20c及び右側磁石面20dを有している。
【0051】
また、磁石20の外側磁石面20a及び内側磁石面20bは、磁石埋設孔8Dの外側保持面11及び内側保持面12にそれぞれ対向し、所定の曲率半径を有している。具体的には、磁石埋設孔8Dの外側保持面11は、磁石20の外側磁石面20aよりも曲率半径が大きく設定され、また、磁石埋設孔8Dの内側保持面12は、磁石20の内側磁石面20bよりも曲率半径が小さく設定されている。
【0052】
上記のように構成された磁石埋設孔8Dに磁石20を挿入し、埋設した状態では、磁石埋設孔8Dの外側保持面11における頂部11e及び内側保持面12における頂部12eが、任意断面において、磁石20の外側磁石面20a及び内側磁石面20bにそれぞれ点接触している。
【0053】
上記の第5実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。また、本実施形態では、磁石20について、マグネットトルクの有効活用を図ることができる。
【0054】
図7は、本発明の第6実施形態によるロータ構造を示している。同図に示すように、この第6実施形態では、上述した第1~第5実施形態と異なり、磁石9を径方向に複数層(本実施形態では2層)で配置したものである。
【0055】
図7に示すように、この第6実施形態のロータ3は、第1実施形態の左右2つの磁石埋設孔8、8と同様の左右2つの外側磁石埋設孔8E、8Eと、これらの外側磁石埋設孔8E、8Eよりも径方向内側に配置された左右2つの内側磁石埋設孔8F、8Fとを有しており、各外側磁石埋設孔8Eには1つの磁石9が埋設され、各内側磁石埋設孔8Fには2つの磁石9、9が埋設されている。
【0056】
具体的には、各外側磁石埋設孔8Eは、内方に凸に湾曲する円弧状の外側保持面11及び内側保持面12を有し、それぞれの頂部11f及び12fが、任意断面において、磁石9の外側磁石面9a及び内側磁石面9bに点接触している。
【0057】
また、左右2つの内側磁石埋設孔8F、8Fは、径方向に延びかつ径方向外側に向かって互いに間隔が広がるよう、ほぼV字状に形成されている。各内側磁石埋設孔8Fは、外側保持面11及び内側保持面12を有している。これらの外側保持面11及び内側保持面12はいずれも、内方に凸に湾曲する2つの円弧を有し、外側保持面11の2つの頂部11g、11g及び内側保持面12の2つの頂部12g、12gが、任意断面において、2つの磁石9、9の外側磁石面9a及び内側磁石面9bにそれぞれ点接触している。
【0058】
さらに、内側磁石埋設孔8Fは、内側保持面12の左右両側に、内方に突出する左係止部13L及び右係止部13Rを有しており、任意断面において、左係止部13Lが径方向内側の磁石9の左側磁石面9cに点接触するとともに、右係止部13Rが径方向外側の磁石9の右側磁石面9dに点接触している。
【0059】
なお、内側磁石埋設孔8Fに埋設された2つの磁石9、9は、互いに接した状態で埋設されている。
【0060】
以上の第6実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、この第6実施形態のロータ3では、複数の磁石9が、径方向に複数層で配置されているので、ロータ3の各磁極のリラクタンストルクを容易に大きくすることができる。また、各内側磁石埋設孔8Fに、2つの磁石9、9が埋設されているので、それらの磁石が単一である場合に比べて、モータ1の回転時に発生する渦電流を小さくすることができ、それにより、渦電流損を抑制することができる。
【0061】
図8は、本発明の第7実施形態を示している。同図に示すように、この第7実施形態では、上述した第6実施形態と同様、磁石9を径方向に複数層(本実施形態では2層)で配置したものである。
【0062】
図8に示すように、この第7実施形態のロータ3は、外側磁石埋設孔8Gと、この外側磁石埋設孔8Gよりも径方向内側に配置された左右2つの内側磁石埋設孔8H、8Hとを有しており、外側磁石埋設孔8G及び各内側磁石埋設孔8Hにはいずれも、3つの磁石9、9、9が埋設されている。
【0063】
具体的には、外側磁石埋設孔8Gは、全体的に径方向内側に凸に湾曲するように形成されている。また、外側磁石埋設孔8Gは、内方に凸に湾曲する円弧状の外側保持面11及び3つの内側保持面12、12、12を有している。各内側保持面12の頂部12h、及びこれに対向する外側保持面11の頂部11hが、任意断面において、各磁石9の内側磁石面9b及び外側磁石面9aにそれぞれ点接触している。
【0064】
さらに、外側磁石埋設孔8Gは、各内側保持面12の左右両側に、内方に突出する左係止部13L及び右係止部13Rを有しており、これらの左係止部13L及び右係止部13Rが、任意断面において、対応する磁石9の左側磁石面9c及び右側磁石面9dにそれぞれ点接触している。
【0065】
一方、左右2つの内側磁石埋設孔8H、8Hは、径方向に湾曲しながら延び、ほぼU字状に形成されている。各内側磁石埋設孔8Hは、内方に凸に湾曲する円弧状の外側保持面11及び3つの内側保持面12、12、12を有している。各内側保持面12の頂部12j、及びこれに対向する外側保持面11の頂部11jが、任意断面において、各磁石9の内側磁石面9b及び外側磁石面9aにそれぞれ点接触している。
【0066】
さらに、内側磁石埋設孔8Hは、各内側保持面12の左右両側に、内方に突出する左係止部13L及び右係止部13Rを有しており、これらの左係止部13L及び右係止部13Rが、任意断面において、対応する磁石9の左側磁石面9c及び右側磁石面9dにそれぞれ点接触している。
【0067】
以上の第7実施形態によれば、上述した第1及び第6実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、この第7実施形態のロータ3では、外側磁石埋設孔8G及び内側磁石埋設孔8Hにいずれも、3つの磁石9が埋設されているので、それらの磁石が単一である場合に比べて、モータ1の回転時に発生する渦電流をより一層小さくすることができ、それにより、渦電流損をより一層抑制することができる。また、本実施形態では、前述した第4及び第5実施形態の円弧状の磁石10及び20と同様、複数の磁石9について、q軸磁束線に沿った磁石配置にできるため、V字状に配置した場合に比べて、リラクタンストルクや効率を向上させやすくすることができる。
【0068】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、上述した実施形態では、断面が矩形状の磁石9及び円弧状の磁石10、20を例示したが、本発明のロータ構造における磁石は、上記形状の磁石に限定されるものではなく、種々の形状のものを採用することが可能であり、例えば、一方が平坦で他方が円弧状のいわゆる蒲鉾形状や、円弧状の外側磁石面及び内側磁石面において、両磁石面の曲率半径や円弧中心が互いに異なる形状(例えば三日月形状)のものを採用することも可能である。
【0069】
また、実施形態で示したロータ3、ロータコア7、磁石埋設孔8、8A~8H、及び磁石9、10、20の形状やサイズ、個数などの細部の構成は、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 モータ(電動機)
2 シャフト(回転軸)
3 ロータ
7 ロータコア
8 第1実施形態の磁石埋設孔
8A 第2実施形態の磁石埋設孔
8B 第3実施形態の磁石埋設孔
8C 第4実施形態の磁石埋設孔
8D 第5実施形態の磁石埋設孔
8E 第6実施形態の外側磁石埋設孔
8F 第6実施形態の内側磁石埋設孔
8G 第7実施形態の外側磁石埋設孔
8H 第7実施形態の内側磁石埋設孔
9 永久磁石(磁石)
9a 外側磁石面
9b 内側磁石面
9c 左側磁石面
9d 右側磁石面
10 第4実施形態の磁石
10a 外側磁石面(内側対向磁石面)
10b 内側磁石面(外側対向磁石面)
10c 左側磁石面
10d 右側磁石面
11 外側保持面(第1保持面、凸状内側面、凸状外側面)
11a~11j 外側保持面の頂部(第1当接部)
12 内側保持面(第2保持面、凸状外側面、凸状内側面)
12a~12j 内側保持面の頂部(第2当接部)
13L 左係止部
13R 右係止部
20 第5実施形態の磁石
20a 外側磁石面(外側対向磁石面)
20b 内側磁石面(内側対向磁石面)
20c 左側磁石面
20d 右側磁石面
C 軸線