(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025108385
(43)【公開日】2025-07-23
(54)【発明の名称】電流センサの発熱及び電力消費を低減するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20250715BHJP
G01R 19/32 20060101ALI20250715BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20250715BHJP
【FI】
G01R15/20
G01R19/32
G01R19/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024228406
(22)【出願日】2024-12-25
(31)【優先権主張番号】202410041282.3
(32)【優先日】2024-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ハン、リャンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、チャンチャン
(72)【発明者】
【氏名】アイ、レイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジェンハオ
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ジー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヤンヤン
【テーマコード(参考)】
2G025
2G035
【Fターム(参考)】
2G025AA08
2G025AB02
2G025AB14
2G025AC01
2G035AA03
2G035AD01
2G035AD10
2G035AD20
2G035AD28
2G035AD44
2G035AD65
2G035AD66
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電流センサの発熱及び消費電力を低減する方法及び装置。
【解決手段】磁心と、磁心のエアギャップ内に構成されたホール効果センサと、ホール効果センサに結合された増幅器と、増幅器に結合されたドライバと、(i)コア本体の周りに延在するワイヤコイルと、(ii)ドライバに結合された第1の端部と、(iii)サンプリング抵抗器に結合された第2の端部とを含む二次巻線と、ドライバから二次巻線へのフィードバック電流を可能にするように構成されたスイッチと、スイッチに結合されたコントローラユニットであって、(i)サンプリング抵抗器に関連付けられたサンプリング電圧に基づいてデジタル信号を受信し、(ii)1つ以上の閾値を超えるデジタル信号を少なくとも含む動作条件データに基づいて1つ以上の制御信号を生成し、(iii)1つ以上の制御信号をスイッチに送信するように構成されたコントローラユニットと、を備える、方法及び装置。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流センサであって、
(i)コア本体と、(ii)前記コア本体に沿ったエアギャップとを含む磁心と、
前記エアギャップ内に構成された磁気トランスデューサと、
前記磁気トランスデューサに結合された増幅器と、
前記コア本体の周りに延在するワイヤコイルを含む二次巻線と、
前記増幅器と前記二次巻線との間に結合されたスイッチであって、制御信号に基づいて連続モード又はパルスモードで動作することによって前記増幅器と前記二次巻線との間の回路経路を開閉するように構成されたスイッチと、を備える、電流センサ。
【請求項2】
装置であって、
(i)コア本体と、(ii)前記コア本体に沿ったエアギャップとを含む磁心と、
前記エアギャップ内に構成されたホール効果センサと、
前記ホール効果センサに結合された増幅器と、
前記増幅器に結合されたドライバと、
(i)前記コア本体の周りに延在するワイヤコイルと、(ii)前記ドライバに結合された第1の端部と、(iii)サンプリング抵抗器に結合された第2の端部とを含む二次巻線と、
前記ドライバから前記二次巻線へのフィードバック電流を可能にするように構成されたスイッチと、
前記スイッチに結合されたコントローラユニットであって、(i)前記サンプリング抵抗器に関連付けられたサンプリング電圧に基づいてデジタル信号を受信し、(ii)1つ以上の閾値を超える前記デジタル信号を少なくとも含む動作条件データに基づいて1つ以上の制御信号を生成し、(iii)前記1つ以上の制御信号を前記スイッチに送信するように構成されたコントローラユニットと、を備える、装置。
【請求項3】
電流センサを制御するための方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、前記電流センサに関連付けられた動作条件データを受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記動作条件データに基づいて、1つ以上の閾値を超えたことを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の閾値に基づいて動作モードを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記動作モードに基づいて制御信号タイプを決定することと、
前記制御信号タイプに基づいて制御信号を生成することと、を含み、(i)前記制御信号は、連続モード制御信号又はパルスモード制御信号のうちの1つを含み、(ii)前記電流センサに関連付けられたスイッチによって受信され、前記動作モードで動作するように前記電流センサを構成するために用いられる、電流センサを制御するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な実施形態は、電流センサに関し、より詳細には、発熱及び電力消費を制御するために電流センサの動作を変化させることに関する。
【背景技術】
【0002】
電流センサは、様々な産業用途及び自動車用途で使用される。例えば、電流の監視は、電気自動車の安全性、性能、及び効率の観点から不可欠である。しかしながら、電流センサは、電気自動車などの高電流又は高電圧用途で使用される場合、過熱や高電力消費の傾向がある。出願人は、従来の電流センサに関連付けられた多くの技術的課題及び困難を認識している。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載される様々な実施形態は、電流センサを制御するための構成要素、装置、及びシステムに関する。
【0004】
本開示の様々な実施形態によれば、電流センサが提供される。いくつかの実施形態では、電流センサは、(i)コア本体と、(ii)コア本体に沿ったエアギャップとを含む磁心と、エアギャップ内に構成された磁気トランスデューサと、磁気トランスデューサに結合された増幅器と、コア本体の周りに延在するワイヤコイルを含む二次巻線と、増幅器と二次巻線との間に結合されたスイッチであって、制御信号に基づいて連続モード又はパルスモードで動作することによって増幅器と二次巻線との間の回路経路を開閉するように構成されたスイッチと、を備える。
【0005】
いくつかの実施形態では、増幅器は、磁気トランスデューサから出力電圧を受け取り、フィードバック電流を含む増幅電圧を発生するように構成される。いくつかの実施形態では、スイッチは、回路経路を介して増幅器から二次巻線へのフィードバック電流を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、連続モードは、より高い測定精度に関連付けられる。いくつかの実施形態では、パルスモードは、より低い電力消費又はより低い動作温度に関連付けられる。いくつかの実施形態では、制御信号は、閉値又は開値のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、連続モードは、定常の閉値を含む連続モード制御信号を含む制御信号に基づいてスイッチを動作させることを含む。いくつかの実施形態では、パルスモードは、複数の交互の開値及び閉値を含むパルスモード制御信号を含む制御信号に基づいてスイッチを動作させることを含む。
【0006】
別の実施形態によれば、装置が提供される。いくつかの実施形態では、装置は、(i)コア本体と、(ii)コア本体に沿ったエアギャップとを含む磁心と、エアギャップ内に構成されたホール効果センサと、ホール効果センサに結合された増幅器と、増幅器に結合されたドライバと、(i)コア本体の周りに延在するワイヤコイルと、(ii)ドライバに結合された第1の端部と、(iii)サンプリング抵抗器に結合された第2の端部とを含む二次巻線と、ドライバから二次巻線へのフィードバック電流を可能にするように構成されたスイッチと、スイッチに結合されたコントローラユニットであって、(i)サンプリング抵抗器に関連付けられたサンプリング電圧に基づいてデジタル信号を受信し、(ii)1つ以上の閾値を超えるデジタル信号を少なくとも含む動作条件データに基づいて1つ以上の制御信号を生成し、(iii)1つ以上の制御信号をスイッチに送信するように構成されたコントローラユニットと、を備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、装置は、コントローラユニットに結合された温度センサを更に備え、温度センサは、サンプリング抵抗器の温度を表すデータ信号を生成し、データ信号をコントローラユニットに送信するように構成される。いくつかの実施形態では、動作条件データは、データ信号を含む。いくつかの実施形態では、スイッチは、コントローラユニットと増幅器との間に構成される。いくつかの実施形態では、スイッチは、コントローラユニットとドライバとの間に構成される。いくつかの実施形態では、スイッチは、ドライバと二次巻線との間に構成される。
【0008】
別の実施形態によれば、電流センサを制御するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のプロセッサによって、電流センサに関連付けられた動作条件データを受信することと、1つ以上のプロセッサによって、動作条件データに基づいて、1つ以上の閾値を超えたことを決定することと、1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の閾値に基づいて動作モードを決定することと、1つ以上のプロセッサによって、動作モードに基づいて制御信号タイプを決定することと、制御信号タイプに基づいて制御信号を生成することと、を含み、(i)制御信号は、連続モード制御信号又はパルスモード制御信号のうちの1つを含み、(ii)電流センサに関連付けられたスイッチによって受信され、動作モードで動作するように電流センサを構成するために用いられる。
【0009】
いくつかの実施形態では、動作条件データは、温度データ、電流測定値、又は電流周波数値を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の閾値は、一次電流閾値、温度閾値、又は一次電流周波数閾値を含む。いくつかの実施形態では、方法は、一次電流閾値よりも高い一次電流又は温度閾値よりも高い温度の検出に基づいて、動作モードとしてパルスモードを決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、一次電流閾値又は温度閾値のうちの1つ以上に対する一次電流周波数閾値の優先順位付けに基づいて、動作モードとして連続モードを決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の閾値は、一次電流閾値、温度閾値、又は一次電流周波数閾値よりも優先する安全閾値を含む。いくつかの実施形態では、パルスモード制御信号は、調整可能な位相又はデューティサイクルのうちの1つ以上を含む。
【0010】
前述の実例となる概要、並びに本開示の他の例示的な目的及び/又は利点、並びにそれが達成される方法は、以下の発明を実施するための形態及びその添付図面において更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図示の実施形態の説明は、添付の図面と併せて読むことができる。特に記載がない限り、図の簡略化及び明確化のために、図面に示される要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことが理解されよう。例えば、特に記載のない限り、要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。本開示の教示を組み込む実施形態は、本明細書に提示される図に関連して示され、説明される。
【
図2】本開示の様々な実施形態による例示的な電流センサを示す。
【
図3A】本開示の様々な実施形態による例示的な連続モード制御信号を示す。
【
図3B】本開示の様々な実施形態による例示的なパルスモード制御信号を示す。
【
図4A】本開示の様々な実施形態による例示的な電流センサ装置のブロック図である。
【
図4B】本開示の様々な実施形態による代替的で例示的な電流センサ装置のブロック図である。
【
図4C】本開示の様々な実施形態による別の代替的な電流センサ装置のブロック図である。
【
図5】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電流センサを制御するための例示的な方法の例示的なフロー図である。
【
図6】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電力消費を最適化するための例示的なタイミング図を示す。
【
図7】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電流センサ温度を最適化するための例示的なタイミング図を示す。
【
図8】本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電力消費及び電流センサ温度の両方を最適化するための例示的なタイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本開示のいくつかの実施形態について添付図面を参照しながら以下により詳細に説明するが、本開示の全てではなくいくつかの実施形態を示すものである。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0013】
本明細書で使用される場合、「前部」、「後部」、「頂部」などの用語は、下で提供される実施例において、ある特定の構成要素又は構成要素の一部分の相対的位置を記述するために、説明目的で使用される。更に、本開示の観点から当業者に明らかになるように、「実質的に」及び「およそ」という用語は、参照される要素又は関連する説明が、適用可能な工学公差内の精度であることを示す。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「備える(comprising)」は、限定するものではないが、含むことを意味しており、特許文脈で典型的に使用される手法で解釈されるべきである。「備える(comprises)」、「含む(includes)」、及び「有する(having)」などのより広範な用語の使用は、「からなる(consisting of)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「から実質的に構成される(comprised substantially of)」などのより狭い用語へのサポートを行うことを理解されたい。
【0015】
語句「一実施形態では」、「一実施形態によると」及び同様の語句は、その語句に続く特定の特徴、構造又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ること、及び本開示の2つ以上の実施形態に含まれ得る(重要なことに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態に言及しない)ことを一般に意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、語「例」又は「例示的な」は、「一例、事例、又は実例としての役割を果たすこと」を意味する。「例示的な」として本明細書に説明される任意の実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解釈されなくてよい。
【0017】
本明細書が、構成要素又は特徴を「含んでもよい/有してもよい」、「含む/有することができる」、「含み/有し得る」、「含む/有するべきである」、「含む/有するであろう」、「好ましくは含む/有する」、「場合により含む/有する」、「典型的には含む/有する」、「任意選択的に含む/有する」、「例えば含む/有する」、「多くの場合、含む/有する」又は「含む/有するかもしれない」(又は他のそのような言葉)と述べる場合、特定の構成要素又は特徴は、含まれる又は特徴を有する必要はない。そのような構成要素又は特徴は、いくつかの実施形態に任意選択的に含まれてもよく、又は除外されてもよい。
【0018】
閉ループ電流センサは、一次回路(例えば、被測定回路)と一次回路の一次電流を測定するためのセンサ出力との間にガルバニック絶縁及び電気的絶縁(例えば、電気的接触なし)を提供する電流測定技術を備え得る。
【0019】
図1は、例示的な電流センサ100を示す。
図1に示すように、電流センサ100は、閉ループ電流センサを含む。電流センサ100は、二次巻線108で包まれた磁心104を備える。電流センサ100は、磁心104のエアギャップ内に構成された磁気トランスデューサ106を更に備える。磁気トランスデューサ106は、増幅器110に結合される。磁気トランスデューサ106は、エアギャップ内の磁気トランスデューサ106を囲む磁場の存在下で電圧出力(例えば、ホール電圧)を生成するように構成される。磁場は、一次電流112を搬送する導体102を磁心104の内部に挿入することによって引き起こされ得る。電圧出力は、一次電流112に比例する磁気トランスデューサ106を取り囲む磁場の磁束密度に基づき得る。
【0020】
磁気トランスデューサ106によって生成された電圧出力は、増幅器110によって増幅され、フィードバック電流116に変換され得る。二次巻線108は、二次巻線108の第1の端部で増幅器110に結合され、二次巻線108が一次電流112に関連付けられた磁場に対抗する磁場を生成し得るようにフィードバック電流116を受け取り、それにより、以下の条件が生成されるように二次巻線108の第2の端部で二次電流114を生成する。
IPNP=ISNs
方程式1
ここで、IPは一次電流112を表し得、ISは二次電流114を表し得、NPは導体102に関連付けられた一次巻線の数を表し得、NSは二次巻線108の数を表し得る。したがって、一次電流112は、二次電流114の導出に基づいて決定され得る。既知の抵抗値を含むサンプリング抵抗器118は、二次巻線108の第2の端部に結合される。二次電流114は、サンプリング抵抗器118の両端のサンプリング電圧120を受け取り、オームの法則(例えば、V=IR)を使用することによって決定され得る。一次電流112は、方程式1を使用して二次電流114に基づいて決定され得る。
【0021】
熱は、二次電流114を受け取ることの副産物としてサンプリング抵抗器118において生成され得る。サンプリング抵抗器118で生成される熱の量は、ジュールの法則にしたがって、電流のアンペア数の二乗及び抵抗値に比例し得る。したがって、一次電流112が大きいほど、二次電流114及びサンプリング抵抗器118における関連する熱出力は大きくなり得る。そのため、より大きな二次電流114は、フィードバック電流116を生成するために増幅器110によるより大きな電力消費を必要とし得る。過熱及び高い電力消費は、一般に、電気自動車などの用途において、監視されて、最小限にすることが望ましいパラメータである。
【0022】
本開示の様々な例示的な実施形態は、電流センサにおけるそのような技術的な課題及び困難を克服し、様々な技術的な進歩及び改善を提供する。本開示の様々な例によれば、電流センサ性能を向上させるための例示的な電流センサの構成要素が開示される。いくつかの実施形態では、閉ループ電流センサは、熱及び電力消費の条件及び要件に基づいて閉ループ電流センサの回路を開く又は閉じるのいずれかを行なうように構成されたスイッチを備える。いくつかの実施形態では、スイッチは、1つ以上の閾値及び/又は1つ以上の最適化目標に基づいて、例えばコントローラユニットによって、連続モード又はパルスモードのいずれかで動作するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の閾値は、一次電流閾値、温度閾値、及び一次電流周波数閾値を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の最適化目標は、最適な電力消費調整、最適な発熱調整、又は全体的な調整を含む。
【0023】
図2は、本開示の様々な実施形態による例示的な電流センサ200を示す。電流センサ200は、磁心204のコア本体に沿ったエアギャップ内に磁気トランスデューサ206(例えば、ホール効果センサ)を含む閉ループセンサを備える。磁心204は、ナノ結晶材料及びフェロニッケル材料(例えば、トロイドコア)などの強磁性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、磁心204は、円環体、又は口語的にドーナツ(donut)又はドーナツ(doughnut)として知られる、リング部分と内部空隙とを含む形状を備える。磁心204の内部空隙は、磁気トランスデューサ206によって検出可能な磁束を生成し得る導体202によって搬送される一次電流212の検出用に構成され得る。
【0024】
磁気トランスデューサ206は、増幅器210(例えば、演算増幅器)に結合される。電圧出力(例えば、ホール電圧)は、磁気トランスデューサによって検出された磁束に基づいて、磁気トランスデューサ206によって生成され得る。増幅器210は、磁気トランスデューサ216から電圧出力を受け取り、フィードバック電流216を含む増幅電圧信号を生成し得る。フィードバック電流216は、二次巻線の第1の端部において受け取られ、二次巻線208を通じて駆動され得る。二次巻線208は、磁心204のコア本体の周りに延在するワイヤコイルを備え得る。いくつかの実施形態では、二次巻線208は、磁心204の外部の周りに巻かれたワイヤの螺旋コイルを備える。例えば、二次巻線208は、磁心204の周りにNs個の巻数を備え得る。二次巻線208は、銅線又は電流を伝導するのに適した任意の導体を備え得る。
【0025】
二次巻線208によって受け取られたフィードバック電流216は、一次電流212によって生成された磁束を打ち消す対抗する磁場を生成し得、それによって、二次巻線208の第2の端部において、一次電流212に比例する二次電流214をもたらす。サンプリング抵抗器218(例えば、シャント抵抗器)は、二次巻線208の第2の端部に結合される。二次電流214は、サンプリング抵抗器218の両端のサンプリング電圧220を受信して、サンプリング電圧220を、サンプリング抵抗器218の既知の抵抗値に基づいて二次電流214の値を決定するために使用可能なデジタル信号に変換することによって決定し得る。二次電流214は、一次電流212を導出及び決定するために使用され得る。
【0026】
電流センサ200は、増幅器210と二次巻線208との間に構成されるスイッチ222を更に備える。スイッチ222は、フィードバック電流216が増幅器210から二次巻線208に伝送されることを可能にする回路経路(例えば、増幅器210と二次巻線208との間)を開閉し、それによって、電流センサ200の動作(例えば、オン又オフ)を切り替えるように構成され得る。本開示の種々の実施形態によると、スイッチ222は、例えばコントローラユニットから受信される制御信号に基づいて、連続モード又はパルスモードのいずれかで動作するように構成される。いくつかの実施形態では、電流センサ200は、より高い測定精度(例えば、サンプリング電圧220に関連付けられた交流電流(AC))が望まれる場合に連続モードで動作するように構成される。いくつかの他の実施形態では、電流センサ200は、より低い電力消費又はより低い動作温度が望まれる場合にパルスモードで動作するように構成される。スイッチ222によって送受信され得る連続モード制御信号及びパルスモード制御信号の例が、
図3A及び
図3Bに示される。
【0027】
図3Aは、本開示の様々な実施形態による例示的な連続モード制御信号を示す。
図3Aに示すように、電流センサ(例えば、スイッチ222)の動作を切り替えるように構成されたスイッチは、それぞれ、閉スイッチ状態又は開スイッチ状態に関連付けられた「閉」値又は「開」値を含む制御信号を介して制御可能である。本開示の様々な実施形態によれば、閉スイッチ状態は、閉位置にあるスイッチを備え、それによって、電流センサ(例えば、電流センサ200)を「オン」又は有効(例えば、閉回路)にする。逆に、開スイッチ状態は、開位置にあるスイッチを備え、それによって、電流センサを「オフ」又は無効(例えば、開回路)にする。
図3A及び
図3Bに示すように、「閉」値は非ゼロ値を含み、「開」値はゼロ値を含む。しかしながら、他の実施形態では、「閉」値はゼロ値を含み得るし、「開」値は非ゼロ値を含み得る。「閉」値及び「開」値は、任意に指定され得、本明細書で開示される値に限定されない。
【0028】
図3Aに更に示すように、連続モード制御信号は、所与の期間にわたって定常の「閉」値を含む。
図3Aに示すように、定常の「閉」値は、スイッチによって受信され得、その間、スイッチに関連付けられた電流センサは、連続モード中で動作するように指示される。連続モードの間、定常の「閉」値は、増幅器210からの出力(例えば、フィードバック電流216)が連続的に二次巻線208に伝送されることを可能し得、二次電流214を決定するための電流センサ200の連続動作及び連続的な読み取りを可能にし得る。
【0029】
図3Bは、本開示の様々な実施形態による例示的なパルスモード制御信号を示す。
図3Bに示すように、パルスモード制御信号は、所与の期間にわたって交互の「閉」値及び「開」値を含む。
図3Bに示すように、交互の「閉」値及び「開」値は、スイッチによって受信され得、その間、スイッチに関連付けられた電流センサは、パルスモードで動作するように指示される。パルスモードの間、電流センサに関連付けられたスイッチは、開位置と閉位置との間を遷移し、増幅器210からの出力(例えば、フィードバック電流216)が二次巻線208に周期的に伝送されることを可能にし得、それによって、二次電流214を決定するための電流センサ200の周期的動作及び周期的な読み取りを可能にし得る。
【0030】
図4Aは、本開示の様々な実施形態による例示的な電流センサ装置400Aのブロック図である。電流センサ装置400Aは、磁心402と、磁心402のコア本体に沿ったエアギャップ内に構成されたホール効果センサ404とを備える。一次電流410を搬送する導体材料を磁心402によって画定される内部空隙に挿入することにより、ホール効果センサ404によって検出可能な磁束を引き起こし得る。ホール効果センサ404は、一次電流410の量に比例する磁束の強度に比例する電圧出力(例えば、ホール電圧)を生成し得る。ホール効果センサ404から出力された電圧は、二次巻線412の第1の端部から二次巻線412の第2の端部まで二次巻線412を通るフィードバック電流を駆動するためにドライバ408によって使用される増幅電圧を生成するために増幅器406によって増幅され得る。二次巻線412は、フィードバック電流が二次巻線412を通して駆動されるとゼロ磁束が実現され得るように、磁心の一部の周りに巻かれる。
【0031】
サンプリング抵抗器422は、二次巻線412の第2の端部に直列に構成される。電圧信号は、サンプリング抵抗器422の両端から(例えば、並列に)取得されて増幅器414によって増幅され得る。増幅器414からの増幅電圧は、アナログ-デジタル変換器416によって、コントローラユニット418への入力に適したデジタル電圧信号に変換され得る。コントローラユニット418は、1つ以上の結合プログラム可能論理回路(complex programmable logic device:CPLD)、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コプロセッシングエンティティ、特定用途向け命令セットプロセッサ(application-specific instruction-set processor:ASIP)、マイクロコントローラ、及び/又はコントローラを備え得る。
【0032】
更に、コントローラユニット418は、1つ以上の他の処理装置又は回路として具体化され得る。回路という用語は、ハードウェア全体の実施形態、又はハードウェア及びコンピュータプログラム製品の組み合わせを指し得る。したがって、コントローラユニット418は、集積回路、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(programmable logic array:PLA)、ハードウェアアクセラレータ、他の回路などとして具現化され得る。
【0033】
したがって、理解されるように、コントローラユニット418は、特定の使用のために構成され得るか、又は揮発性若しくは不揮発性媒体に記憶されるか、若しくは他の方法でコントローラユニット418にアクセス可能な命令を実行するように構成され得る。こうして、ハードウェア若しくはコンピュータプログラム製品によってか、又はそれらの組み合わせによって構成されるかに関わらず、コントローラユニット418は、それに応じて構成されるとき、本開示の実施形態によるステップ又は動作を行うことが可能であり得る。
【0034】
本開示の様々な実施形態によれば、デジタル電圧信号は、サンプリング抵抗器422の両端で取得された(サンプリング)電圧を含む。サンプリング抵抗器422の既知の値が与えられると、コントローラユニット418は、アナログ-デジタル変換器416からデジタル電圧信号を受信し、一次電流410の値を決定するために二次電流を決定し得る。したがって、コントローラユニット418は、サンプリング抵抗器422の両端で取得された電圧に基づいて一次電流410を決定するように構成され得る。
【0035】
電源電圧スイッチ420Aは、増幅器406とコントローラユニット418との間に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラユニット418は、電源電圧スイッチ420Aに制御信号を送信することによって、電流センサ装置400Aの動作モードを構成し得る。電源電圧スイッチ420Aは、増幅器406の電源電圧に結合され、増幅器406のオン/オフを切り替えるように(例えば、連続モード制御信号及びパルスモード制御信号を介して)コントローラユニット418によって制御され得る。
【0036】
図4Bは、本開示の様々な実施形態による代替的で例示的な電流センサ装置400Bのブロック図である。
図4Bに示すように、電源電圧スイッチ420Bは、電流センサ装置400Bの動作モードを構成するために、ドライバ408とコントローラユニット418との間に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラユニット418は、電源電圧スイッチ420Bに制御信号を送信することによって、電流センサ装置400Bの動作モードを構成し得る。電源電圧スイッチ420Bは、ドライバ408の電源電圧に結合され、ドライバ408のオン/オフを切り替えるように(例えば、連続モード制御信号及びパルスモード制御信号を介して)コントローラユニット418によって制御され得る。
【0037】
図4Cは、本開示の様々な実施形態による別の代替的な電流センサ装置400Cのブロック図である。
図4Cに示すように、アナログスイッチ420Cは、電流センサ装置400Cの動作モードを構成するために、ドライバ408と二次巻線412との間に構成される。いくつかの実施形態では、コントローラユニット418は、アナログスイッチ420Cに制御信号を送信することによって、電流センサ装置400Cの動作モードを構成し得る。アナログスイッチ420Cは、二次巻線412へのフィードバック電流駆動を駆動するために使用されるドライバ408と二次巻線412との間の経路を開閉するように(例えば、連続モード制御信号及びパルスモード制御信号を介して)コントローラユニット418によって制御され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、コントローラユニット418は、サンプリング抵抗器422などの構成要素の温度に基づいて、電流センサ装置400A、400B、及び400Cのうちのいずれかを構成する動作モードを決定し得る。
図4A、
図4B、及び
図4Cに更に示すように、電流センサ装置400A、400B、及び400Cは、温度センサ424を更に備える。温度センサ424は、サンプリング抵抗器422の温度を監視するように構成され得る。温度センサ424は、サンプリング抵抗器422の温度を表すデータ信号を生成し得る。温度センサ424によって生成された信号は、サンプリング抵抗器422の温度が温度閾値を超えるか否かを決定するために、コントローラユニット418に送受信され得る。いくつかの例示的な実施形態では、コントローラユニット418は、サンプリング抵抗器422が温度閾値を超える温度で動作しているという決定に基づいて、パルスモードで動作するように電流センサ装置400A、400B、及び400Cを構成し得る。
【0039】
本開示の種々の実施形態によると、電流センサ装置400A、400B、又は400Cのうちの1つ以上は、1つ以上の動作閾値に基づいて連続モード又はパルスモードのいずれかで動作する。いくつかの実施形態では、(二次電流の決定及び導出に基づいて)電流センサ装置400A、400B、又は400Cのうちの1つ以上によって決定された一次電流が、定義された閾値よりも高い場合、電流センサ装置400A、400B又、は400Cのうちの1つ以上は、電力消費を低減するためにパルスモードで動作するように、コントローラユニット418などの処理装置によって構成され得る。いくつかの他の実施形態では、動作温度(例えば、温度センサ424を使用して決定される)が温度閾値よりも高い場合、電流センサ装置400A、400B、又は400Cのうちの1つ以上は、発熱を低下させるためにパルスモードで動作するように処理装置によって構成される。いくつかの追加の実施形態では、AC電流を含む一次電流の周波数が、電流センサ装置400A、400B、又は400Cのうちの1つ以上によって閾値よりも高いと決定された場合、電流センサ装置400A、400B、又は400Cのうちの1つ以上は、連続モードで動作するように処理装置によって構成され、それによって、一次電流の正確な決定を保証するために十分なサンプリングレートを提供する。
【0040】
ここで
図5を参照すると、これは、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電流センサを制御するための例示的な方法を例示する例示的なフロー図である。フローチャートの各ブロック、及びフローチャートの中のブロックの組み合わせは、ハードウェア、ファームウェア、回路、及び/又は1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアの実行に関連付けられた他のデバイスなどの様々な手段によって実装され得ることに留意されたい。例えば、
図5に記載のステップ/動作のうちの1つ以上は、コンピュータプログラム命令によって具現化され得、コンピュータプログラム命令は、本開示の一実施形態を採用する装置の非一時的メモリによって記憶され、装置(限定はされないが、コントローラユニット418など)内のプロセッサ構成要素によって実行され得る。例えば、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読記憶メモリに記憶された命令が製品を作り出し、その実行がフローチャートブロックに指定された機能を実装するように、特定の方法で機能するようにプロセッサ構成要素に指示し得る。
【0041】
図5では、例示的な方法500は、(例えば、本明細書に図示され説明されるように)電流センサに関連付けられたコンピューティング装置によって実行され得る。ステップ502において、電流センサに関連付けられた動作条件データが受信される。いくつかの実施形態においては、動作条件データは、温度データ、電流測定値、又は電流周波数値を含む。温度データは、(例えば、二次電流を決定して、二次電流に基づいて一次電流を導出/決定するために)電圧読み取り値が取得されるサンプリング抵抗器など、電流センサ内の1つ以上の構成要素の温度に関連付けられ得る。電流測定値は、決定された二次電流又は導出/決定された一次電流に関連付けられ得る。電流周波数値は、導出/決定されるAC電流を含む一次電流の周波数(例えば、電流が1秒当たりに方向を変えるレート)に関連付けられ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、ステップ502に続いて、例示的な方法は、ステップ504に進み、ここで、動作条件データは、1つ以上の閾値を超えたか否かを決定又は検出するために分析される。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上の閾値は、一次電流閾値TH_IP、温度閾値TH_temp、又は一次電流周波数閾値TH_freqを含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、ステップ504に続いて、閾値を超えていない場合、動作条件データは、ステップ502及びステップ504を介して、1つ以上の閾値を超えることに関して、受信及び監視され続け得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、ステップ504に続いて、1つ以上の閾値を超えている場合、例示的な方法は、ステップ506に進み、ここで、1つ以上の超過閾値に基づいて、動作モードが決定される。例えば、電流センサによって決定された一次電流が一次電流閾値(例えば、600A)よりも高い場合、電流センサは、電力消費を低下させるためにパルスモードに入るように構成され得る。別の例では、電流センサ(又はその構成要素)の温度が温度閾値(例えば、158F又は70℃)よりも高い場合、電流センサは、発熱を低下させるためにパルスモードに入るように構成され得る。更に別の例では、一次電流周波数(例えば、AC電流を含む一次電流の周波数)が周波数閾値(例えば、400Hz)よりも高い場合、電流センサは、検知精度を提供するために一次電流周波数で動作する一次電流を捕捉することができる連続モードに入るように構成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、動作モードを決定することは、最適化目標を決定することを更に含む。複数の閾値を超えた場合に、最適化目標が決定され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の超過閾値は、電流センサがどの動作モードで動作するべきかを決定する際に優先され得る。例えば、電流センサは、電力消費及び電流センサ温度を低減するためにパルスモードで構成され得るが、測定精度は、電力消費及び/又は電流センサ温度よりも優先され得る。すなわち、電流センサは、電力消費及び/又は電流センサの温度閾値を超えているにも関わらず、周波数閾値を超えている一次電流周波数に基づいて、連続モードで構成され得る。
【0046】
いくつかの他の実施形態では、1つ以上の閾値は、1つ以上の安全閾値を更に備える。安全閾値は、非安全閾値よりも優先される閾値を含み得る。例えば、一次電流閾値TH_IP、温度閾値TH_temp、又は一次電流周波数閾値TH_freqは、非安全閾値を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、安全閾値は、一次電流周波数閾値TH_freqよりも優先する安全温度閾値又は過電流閾値を含む。したがって、安全温度閾値又は過電流閾値を超える場合には、電流センサは、パルスモード、又は電流センサのスイッチ状態が開位置に構成されるモードで構成され得る。
【0047】
図6は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電力消費を最適化するための例示的なタイミング図を表す。電力消費を最適化することは、決定された一次電流及び一次電流周波数を監視することを含み得る。電力消費を最適化することは、決定された一次電流及び/又は一次電流周波数が、それぞれ、一次電流閾値TH_IP及び/又は一次電流周波数閾値TH_freqを超えるか超えないかに基づいて、パルスモード又は連続モードのいずれかで動作するように電流センサを構成することを更に含み得る。
【0048】
図6に示すように、電流センサは、(i)決定された一次電流が一次電流閾値TH_IPを超えないこと、及び(ii)一次電流周波数が一次電流周波数閾値TH_freqを超えないことに基づいて(例えば、T
0の前、T
1~T
2、及びT
5の後)、連続モードに構成される。決定された一次電流のみが一次電流閾値TH_IPを超えた場合、電流センサは、電力消費を低減するためにパルスモード(例えば、T
0~T
1、T
2~T
3、及びT
4~T
5)で動作するように構成され得る。一次電流周波数が一次電流周波数閾値TH_freqを超えると、電流センサは、電流センサが一次電流周波数(例えば、T
3~T
4)において動作する一次電流を捕捉することができるように、(例えば、決定された一次電流が一次電流閾値TH_IPを超えるか超えないかに関わらず)連続モードで動作するように構成され得る。
【0049】
図7は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電流センサ温度を最適化するための例示的なタイミング図を示す。電流センサ温度を最適化することは、電流センサ温度及び一次電流周波数を監視することを含み得る。電流センサ温度を最適化することは、電流センサ温度及び/又は一次電流周波数が、それぞれ、温度閾値TH_temp及び/又は一次電流周波数閾値TH_freqを超えるか超えないかに基づいて、パルスモード又は連続モードのいずれかで動作するように電流センサを構成することを更に含み得る。
【0050】
図7に示すように、電流センサは、(i)電流センサ温度が温度閾値TH_tempを超えないこと、及び(ii)一次電流周波数が一次電流周波数閾値TH_freqを超えないことに基づいて(例えば、T
0の前、T
1~
2,、及びT
5の後)、連続モードに構成され得る。電流センサ温度のみが温度閾値TH_tempよりも高い場合、電流センサは、発熱を低下させるためにパルスモード(例えば、T
0~T
1、T
2~T
3、及びT
4~T
5)で動作するように構成され得る。一次電流周波数が一次電流周波数閾値TH_freqを超えると、電流センサは、電流センサが一次電流周波数(例えば、T
3~T
4)において動作する一次電流を捕捉することができるように、(例えば、電流センサ温度が温度閾値TH_tempを超えるか超えないかに関わらず)連続モードで動作するように構成され得る。
【0051】
図8は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、電力消費及び電流センサ温度の両方を最適化するための例示的なタイミング図を示す。電力消費及び電流センサ温度を同時に最適化することは、決定された一次電流、電流センサ温度、及び一次電流周波数を監視することを含み得る。電力消費及び電流センサ温度の両方を最適化することは、決定された一次電流、電流センサ温度、及び/又は一次電流周波数のうちの1つ以上が、それぞれ、一次電流閾値TH_IP、温度閾値TH_temp、及び/又は一次電流周波数閾値TH_freqを超えるか超えないかに基づいて、パルスモード又は連続モードのいずれかで動作するように電流センサを構成することを更に含み得る。
【0052】
図8に示すように、電流センサは、(i)決定された一次電流が一次電流閾値TH_IPを超えないこと、(ii)電流センサ温度が温度閾値TH_tempを超えないこと、及び(iii)一次電流周波数が一次電流周波数閾値TH_freqを超えないことに基づいて(例えば、T0の前、T1~T2、T3~T4、及びT7の後)、連続モードに構成される。電流センサは、(i)決定された一次電流が一次電流閾値TH_IPを超えるか、又は(ii)電流センサ温度が温度閾値TH_tempを超えるかのうちの1つ以上に基づいて、パルスモードに構成される。一次電流周波数が一次電流周波数閾値TH_freqを超えると、電流センサは、電流センサが一次電流周波数(例えば、T
5~T
6)において動作する一次電流を捕捉することができるように、(例えば、決定された一次電流が一次電流閾値TH_IPを超えるか超えないか、又は電流センサ温度が温度閾値TH_tempを超えるか超えないかに関わらず)連続モードで動作するように構成され得る。
【0053】
図5に戻ると、いくつかの実施形態では、ステップ506に続いて、例示的な方法は、ステップ508に進み、ここで、決定された動作モードに基づいて制御信号タイプが決定される。本開示の様々な実施形態によれば、制御信号タイプは、連続モード制御信号又はパルスモード制御信号のいずれかであると決定され得る。例えば、連続モード制御信号は、連続モードに対して決定され得るし、パルスモード制御信号は、パルスモードに対して決定され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、ステップ508に続いて、決定された制御信号タイプが連続モード制御信号である場合、例示的な方法は、ステップ510に進み、ここで、連続モード制御信号が生成される。いくつかの実施形態では、連続モード制御信号は、所与の期間にわたって定常の「閉」値を含む。生成された連続モード制御信号は、スイッチによって受信され、連続的に動作して一次電流を決定するための読み取り値を持続的に取得する電流センサの動作を制御するのに用いられ得る。いくつかの実施形態では、ステップ510に続いて、例示的な方法はステップ502に進む。
【0055】
いくつかの実施形態では、ステップ508に続いて、決定された制御信号タイプがパルスモード制御信号である場合、例示的な方法は、ステップ512に進み、ここで、パルスモード制御信号が生成される。いくつかの実施形態では、パルスモード制御信号は、所与の期間にわたって、交互の「閉」値及び「開」値を含む。生成されたパルスモード制御信号は、スイッチによって受信され、周期的時間間隔で動作して周期的時間間隔の間に一次電流を決定するための読み取り値を取得する電流センサの動作を制御するのに用いられ得る。いくつかの実施形態では、パルスモード制御信号に関連付けられた位相及び/又はデューティサイクルは、所要の最適化目標(例えば、電力消費の低下、発熱の低下、又はその両方)及び所要の検知精度も実現するように調整され得る。いくつかの実施形態では、ステップ512に続いて、例示的な方法はステップ502に進む。
【0056】
本開示は、開示される特定の実施形態に限定されるものではないこと、並びに修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。特定の用語が本明細書で用いられているが、特に記載のない限り、これらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【外国語明細書】