(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010892
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】容器セット、及び包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20250116BHJP
B65D 33/02 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
B65D77/06 H
B65D33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113183
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西田 隼也
(72)【発明者】
【氏名】楫 大輝
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AB11
3E064AB23
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA37
3E064BA55
3E064FA04
3E064GA01
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS10
3E067AA04
3E067AB81
3E067AB99
3E067BA01C
3E067BA12B
3E067BB01C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB25B
3E067BC07B
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB27
3E067EE40
3E067EE59
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】容器ホルダーに収納容器を係止しやすくする容器セットを提供する。
【解決手段】容器ホルダー(50)と、天面部(10)とにより構成される容器セット(2)であって、容器ホルダー(50)は、シート部材(60)と、シート部材(60)の外壁面に装着されたフィルム部材(70)と、を備え、シート部材(60)は、開口部(59)を形成する壁面において孔(65)を有しており、天面部(10)は、収納容器(20に装着される装着部(12)と、装着部(12)を装着した収納容器(20)が容器ホルダー(50)の開口部(59)内に収容されるときに、シート部材(60)の内面に少なくとも一部が当接する側壁(13)と、側壁(13)から外側に向かって突起する突起部(16)と、を備え、突起部(16)はそれぞれ、孔(65)において容器ホルダー(50)に係止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器を収容する筒状の容器ホルダーと、該容器ホルダーの開口部に装着される天面部とにより構成される容器セットであって、
前記容器ホルダーは、
前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、
前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、
前記容器本体は、前記開口部を形成する壁面において1以上の孔を有しており、
前記天面部は、
前記収納容器に装着される装着部と、
前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器本体の内面に少なくとも一部が当接する側壁と、
前記側壁から外側に向かって突起する1以上の突起部と、を備え、
前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止する、容器セット。
【請求項2】
前記1以上の孔は、前記フィルム部材により覆われている、請求項1に記載の容器セット。
【請求項3】
前記1以上の突起部は、前記1以上の孔の位置にて前記フィルム部材と接触する、請求項1または2に記載の容器セット。
【請求項4】
前記1以上の突起部は、前記フィルム部材を凸状に押し上げる、請求項1または2に記載の容器セット。
【請求項5】
前記1以上の突起部の少なくとも1つは、前記1以上の孔を画定する孔縁が挿入される溝を有し、
前記容器本体は、可撓性を有する、請求項1または2の容器セット。
【請求項6】
前記1以上の突起部は、前記側壁の下方に位置する、請求項1または2の容器セット。
【請求項7】
前記側壁は、前記容器本体の内面に当接する当接部と、前記当接部から前記容器本体の中心方向に傾斜する傾斜部と、を含み、
前記1以上の突起部は前記傾斜部に設けられている、請求項1または2の容器セット。
【請求項8】
収納容器と、
前記収納容器を収容する筒状の容器ホルダーと、
前記容器ホルダーの開口部に装着される天面部と、を備え、
前記容器ホルダーは、
前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、
前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、
前記容器本体は、前記開口部を形成する壁面において1以上の孔を有しており、
前記天面部は、
前記収納容器に装着される装着部と、
前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器本体の内面に少なくとも一部が当接する側壁と、
前記側壁から外側に向かって突起する1以上の突起部と、を備え、
前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止する、包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器セット、及び包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
収納容器を装着して用いる容器ホルダーが知られている。
【0003】
特許文献1は、袋容器ホルダーを開示する。該袋容器ホルダーは、載置部と、載置部から立設する立設部と、立設部の第1端部から載置部の直上部分に張り出して設けられた、U字状切欠き部を備える張出し係止部とを含む。張出し係止部の下方の部分が、袋容器の着脱空間部となっている。載置部から立設して、下端部邪魔板部が設けられており、下端部邪魔板部の裏面側に、袋容器の下端部を装着させる下端部装着部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-047928号公報(2018年3月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の袋容器ホルダーは、袋容器ホルダーと係止部とが一体形成されている。そのため、袋容器ホルダーに袋容器を装着させる場合、袋容器ホルダーの下端部装着部に袋容器の下端部を一旦装着させたうえで、袋容器ホルダーのU字状切欠き部に対して袋容器の液出口部材を斜め下方から人手により係止させる必要がある。
【0006】
本開示の一態様は、容器ホルダーに収納容器を係止しやすくする、容器セット及び包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る容器セットは、収納容器を収容する筒状の容器ホルダーと、該容器ホルダーの開口部に装着される天面部とにより構成される容器セットであって、前記容器ホルダーは、前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、前記容器本体は、前記開口部を形成する壁面において1以上の孔を有しており、前記天面部は、前記収納容器に装着される装着部と、前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器本体の内面に少なくとも一部が当接する側壁と、前記側壁から外側に向かって突起する1以上の突起部と、を備え、前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る包装容器は、収納容器と、前記収納容器を収容する筒状の容器ホルダーと、前記容器ホルダーの開口部に装着される天面部と、を備え、前記容器ホルダーは、前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、前記容器本体は、前記開口部を形成する壁面において1以上の孔を有しており、前記天面部は、前記収納容器に装着される装着部と、前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器本体の内面に少なくとも一部が当接する側壁と、前記側壁から外側に向かって突起する1以上の突起部と、を備え、前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、容器ホルダーに収納容器を係止しやすくする、容器セット及び包装容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示に係る包装容器の使用例を説明するための図である。
【
図2】本開示に係る天面部を説明するための図である。
【
図3】本開示に係る天面部を説明するための図である。
【
図4】本開示に係る天面部を説明するための図である。
【
図5】本開示に係るシート部材を説明するための図である。
【
図6】本開示に係るシート部材及びフィルム部材から容器ホルダーを得る方法を説明するための図である。
【
図7】容器ホルダーの孔に突起部が係止される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した
図1等を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本開示に係る包装容器1の使用例を説明するための図である。
【0012】
なお、本開示の一実施形態について説明するうえで、以下について付言する。「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上上限値YYY以下を意味する。「上」、「下」は、重力方向を下側、重力方向と反対側を上側とする。「内」は、ある物の内部の側をいう。「外」は、ある物の外部の側をいう。
【0013】
(適用例)
理解の容易のため、最初に
図1を参照しつつ、本開示に係る包装容器1の使用例を説明する。
【0014】
図1の参照番号100に示す図を参照して、包装容器1は、容器セット2及び収納容器20から構成されている。容器セット2は、天面部10及び容器ホルダー50から構成されている。したがって、包装容器1は、天面部10、収納容器20、及び容器ホルダー50から構成されている。
【0015】
以下の説明では、天面部10と容器ホルダー50とは別個の物品であるとして説明する。しかしながら、天面部10は、容器ホルダー50の開口部59の蓋体として機能する、容器ホルダー50の部品であるともいえる。
【0016】
最初に、容器ホルダー50から説明する。容器ホルダー50は、内部が中空の筒状に形成されており、その内部に収納容器20を収容するための収容空間57を有する。筒状とは、容器ホルダー50の断面が、円形、多角形(四角形、六角形等)、楕円形、又はオーバル形などの様々な形状を含んでよい。容器ホルダー50は、上端近傍に2つの孔65a及び孔65bを有する。孔65a及び孔65bを区別しないときは孔65と称する。孔65については後述する。容器ホルダー50は、下端に、収納容器20を載置可能な底面部58を有してよい。
【0017】
図5及び
図6を参照して後述するが、容器ホルダー50は、収納容器20を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材(容器本体)60と、シート部材60の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材70と、を備える。前述の孔65はシート部材60に形成されている。フィルム部材70は、シート部材60の外壁面に装着されたときに、孔65に対応する位置に孔を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0018】
次に、収納容器20は、一般的な収納容器であってよく、収納物を排出するための排出部21を有する。排出部21は、排出口を有する。排出部21は、筒状であり、その外壁面にはキャップを取り付けるための溝が形成されてもよい。例えば、収納容器20は、洗剤、シャンプー、リンス、食品類などを収納する。収納容器20は、排出口を有する専用のキャップを用いて収納物を排出してもよいし、該キャップを用いることなく、収納物を排出してもよい。
【0019】
図1に示す例では、収納容器20は、軟包材容器であって、天マチ及び底マチを有しており、天マチの面内中央に排出部21が取り付けられている。排出部21は、スパウトである。排出部21は、スパウトのような樹脂成型品であってよいし、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
図1の例では、収納容器20は、シャンプー又はリンスなどの容器として使用される、ポンプ機能を有するシャンプーディスペンサー(シャンプーボトル)である。
【0020】
次に、
図1の参照番号110に示す図を参照して、天面部10は、収納容器20に装着される。以下の例では、天面部10は、収納容器20の排出部21に装着されるものとして説明する。
【0021】
続いて、
図1の参照番号120に示す図を参照して、天面部10が収納容器20の排出部21に装着された状態で、図中の(A)に示す方向から収納容器20が容器ホルダー50の収容空間57に挿入される。容器ホルダー50は、収納容器20を収容可能な形状(高さ、幅、又は開口形状等)を有しておればよい。
【0022】
そして、
図1の参照番号130に示す図を参照して、天面部10が容器ホルダー50の開口部59に装着される。このとき、詳細は後述するが、天面部10は側壁に突起部16を有しており、突起部16が容器ホルダー50の孔65に挿入されるように天面部10を開口部59に装着する。孔65は、天面部10が容器ホルダー50に装着されたときに突起部16が挿入される位置、大きさに形成されている。
【0023】
次に、
図1の参照番号140に示す図を参照して、天面部10が容器ホルダー50の開口部59に装着され、かつ、突起部16が孔65に挿入された状態で、天面部10を左方向に回転させる。突起部16には溝17が形成されており、天面部10の回転によって、孔65を画定する孔縁が溝17に挿入される。これにより、突起部16は、容器ホルダー50に係止される。
【0024】
以上により、容器ホルダー50及び天面部10によって収納容器20が保持された状態が完了する。
【0025】
この状態では、収納容器20が容器ホルダー50の開口部59に装着され、かつ、突起部16が孔65に係止される。これにより、例えば、収納容器20のポンプヘッド22のみを把持して、包装容器1を上方へ持ち上げたとしても、天面部10及び収納容器20が容器ホルダー50から脱落する事態を軽減できる。あるいは、容器ホルダー50の胴部を把持した状態で容器ホルダー50の上下を反転させたとしても、天面部10及び収納容器20が容器ホルダー50から脱落する事態を軽減できる。
【0026】
図1では、参照番号140に示す図を参照して、天面部10を左方向に回転させて、孔65を画定する孔縁が突起部16に形成された溝17に挿入される構成を説明した。しかしながら、天面部10が溝17を有していない場合であっても、突起部16と孔65の形状が略同形の場合など、突起部16を孔65に挿入することにより突起部16が孔65に係止される構成も考えられる。このような構成も本開示に含まれる。
【0027】
以上、本開示に係る包装容器1の使用例を説明した。続いて、天面部10及び容器ホルダー50の詳細をそれぞれ説明する。
【0028】
(天面部(1))
本開示に係る天面部10を
図2により説明する。
図2は、本開示に係る天面部10を説明するための図である。参照番号200は天面部10の斜視図を示す。参照番号210は天面部10の背面図を示す。参照番号220は天面部10の側面図を示す。
【0029】
図2の各図を参照して、天面部10は、装着部12、側壁13、及び突起部16を備える。天面部10は、装着部12、側壁13、及び突起部16が射出成型等によって一体成型されてもよい。天面部10は、弾性変形が可能であってよい。このとき、天面部10は、側壁13から装着部12の方向に外部からの圧力が加わったときに、側壁13を装着部12から遠ざける方向に押す反発力を生じさせる。天面部10が生じさせる反発力によって、特に容器ホルダー50の内径が天面部10の外径よりも小さい場合には、天面部10の側壁13が容器ホルダー50の内面により強く押し付けられる。これにより、天面部10は、容器ホルダー50から外れにくくなり、容器ホルダー50の開口部59に係止されやすくなる。このことは、本開示の天面部(後述の天面部30、天面部40など)に共通する。以下の説明では、天面部10は、射出成型等によって一体成型されており、前述の反発力を有するように構成されているものとする。
【0030】
装着部12は、収納容器20の排出部21に装着される。
図2の参照番号200に示す図を参照して、装着部12は、平面視で円形である側壁13の一部が切り欠かれた部分であり、収納容器20の排出部21を挿入可能に形成されている。装着部12は、第1段12a、第2段12b、及び壁面12cにより構成される。
【0031】
第1段12aは、側壁13から天面部10の中心に向かって排出部21の挿入幅を狭くする。第1段12aは、天面部10において必須ではないものの、収納容器20の排出部21を装着部12に挿入しやすくする。第2段12bは、排出部21の外径よりも僅かに大きく形成されており、装着部12に挿入された排出部21を係止する。第2段12bは、天面部10の中心である点Cを囲むように設けられており、排出部21を係止する係止部として機能する。
【0032】
壁面12cは、第1段12a及び第2段12bを構成する板状部材に対して立設された湾曲壁であり、第1段12a及び第2段12bの周囲の一部を囲むように立設されている。壁面12cは、1以上のリブ14を介して側壁13と連結する。
【0033】
リブ14は、側壁13と壁面12cとを連結し、天面部10の強度を高める補強材として機能する。但し、リブ14は、天面部10に設けられていなくてもよい。
図2に示す例では、リブ14は、3つ存在し、一つは平面視で壁面12cの凸形状の頂点と側壁13とを連結し、そこから両側に90度の位置に他の2つが存在し、壁面12cと側壁13とを連結する。しかしながら、リブ14の位置は特に限定されない。リブ14は、1つ以上の任意の数があってよい。天面部10の天面全体が樹脂成型されている場合と比べて、リブ14は、天面部10の製造に要する樹脂量を大幅に削減するという効果をもたらす。したがって、本開示に係る天面部は、世界的な潮流であるSDGs(持続可能な開発目標)が求める持続循環経済に沿うものであり、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。
【0034】
側壁13は、排出部21に装着部12を装着した収納容器20が容器ホルダー50の収容空間57内に収容されるときに、容器ホルダー50を構成するシート部材60(後述)の内面に少なくとも一部が当接する。側壁13は、一例として、第1側壁13a、第2側壁13b、及び第3側壁13cにより構成されている。以下、
図2の参照番号220に示す図を参照して各部について説明する。
【0035】
第1側壁13aは、側壁13の上端に位置する。天面部10が開口部59に装着されたとき、第1側壁13aは、その下面が容器ホルダー50の開口部59の上端部に載置され、天面部10の開口部59内への落下を防止する。ただし、収納容器20の外径と開口部59の内径とが略同径である場合など、天面部10が開口部59内へ落下しない場合も想定される。そのため、側壁13は、必ずしも第1側壁13aを含んでいなくてもよい。第1側壁13aは、その下方において、第2側壁13bと連結する。
【0036】
第2側壁13bは、容器ホルダー50の開口部59の内面に当接する。第2側壁13bは、例えば、5mm~20mmの長さであってよい。第2側壁13bは、その下方において、第3側壁13cと連結する。
【0037】
第3側壁13cは、容器ホルダー50の開口部59への天面部10の装着を容易にするため、口径が小さくなるように開口部59の中心方向に傾斜する。第3側壁13cは、その下端において、例えば、第2側壁13bの外周径よりも約10mm小さい外周径を有する。第3側壁13cには突起部16a及び突起部16bが設けられている。突起部16a及び突起部16bを区別しないときは突起部16と称する。
【0038】
側壁13は、第3側壁13cを含んでいなくてよい。側壁13が第3側壁13cを含んでいないとき、突起部16は、第2側壁13bに設けられてよい。
【0039】
側壁13は、次のようにも説明される。側壁13は、容器本体60の内面に当接する当接部(第2側壁13b)と、該当接部から容器本体60の中心方向に傾斜する傾斜部(第3側壁13c)とを含み、突起部16は、該傾斜部に設けられている。
【0040】
突起部16は、
図2の例において、突起部16a及び突起部16bにより構成される。突起部16は、側壁13(第2側壁13b又は第3側壁13c)から外側に向かって突起する。突起部16は、1つであってよいが、好ましくは複数であり、さらに好ましくは、容器ホルダー50の開口部59に対応する仮想的な円の円周において等間隔に配置される。これにより、収納容器20の荷重を容器ホルダー50に均等(略均等)に分散でき、収納容器20を容器ホルダー50に安定的に収容できる。
【0041】
突起部16は、好ましくは、側壁13の下方に位置する。これは、突起部16は孔65において係止されるところ、突起部16が側壁13の下方に位置することに起因して、シート部材60の上端から孔65までの距離が長く設けられる。これにより、シート部材60の上端と孔65との間のシート部材60の裂けの発生を軽減できる。
【0042】
図2にXYZ座標を示す。
図2の参照番号210に示す図を参照して、一例として、突起部16aは、側壁13からX軸方向(図面で左方向)となる外側に突起し、かつ、Y軸下方向に折れ曲がる。これにより、突起部16aと側壁13との間には溝17aが形成される。突起部16bは、点Cを挟み、突起部16aと対向する位置において、側壁13からX軸方向(図面で右方向)となる外側に突起し、かつ、Y軸上方向に折れ曲がる。これにより、突起部16bと側壁13との間には溝17bが形成される。溝17a及び溝17bを区別しないときは溝17と称する。突起部16は、側壁13との間に溝17を有する構成に限定されず、突起部16自身に溝17が形成されていてもよい。このように、突起部16の存在によって溝17が形成されることを、突起部16は溝17を有する、とも表現しうる。
【0043】
突起部16は、溝17を有することにより、以下の効果を奏する。
図1の参照番号140に示す図も参照して、天面部10が容器ホルダー50の開口部59に装着され、かつ、突起部16が孔65に挿入された状態で、天面部10を左方向(時計回り)に回転させる。突起部16は溝17を有るため、天面部10の回転によって、シート部材60の孔65を画定する孔縁が溝17に挿入される。これにより、突起部16の溝17には、容器ホルダー50の軸方向(
図1の上下方向)に対して垂直な方向から孔65の孔縁が挿入され、突起部16は孔65において容器ホルダー50(又は、シート部材60)に係止される。天面部10を右方向(時計回りと反対方向)に回転させることによってシート部材60の孔65を画定する孔縁が溝17に挿入されるように突起部16が溝17を有してもよい。
【0044】
前述の構成によれば、容器ホルダー50の軸方向と同じ方向に収納容器20のポンプヘッド22を引っ張ったとしても、突起部16とシート部材60との係止は解除されにくい。また、孔65を画定する孔縁の厚みよりも僅かに溝17の幅を大きくするといった工夫により、突起部16とシート部材60との係止をさらに強くできる。
【0045】
図2の参照番号210に示す図においてY軸方向へ延びる、突起部16の折れ曲がり部分は、容器本体の孔65を通過して、孔65の周縁において、容器本体60の外側(より具体的には、容器本体60とフィルム70との間)に位置することになる。これにより、容器本体60が可撓性を有する場合に、突起部16が孔65から外れる方向に容器本体60が変形するのを抑制でき、その結果、突起部16の孔65からの脱落も抑制できる。
【0046】
突起部16の孔65への係止については、
図7を参照して改めて説明する。
【0047】
(天面部(2))
本開示に係る天面部30を
図3により説明する。
図3は、天面部30を説明するための図である。参照番号300は天面部30の斜視図を示す。参照番号310は天面部30の平面図を示す。参照番号320は天面部30の側面図を示す。
【0048】
図3を参照して、天面部30は、装着部32、側壁33、及び突起部36を備える。ここで、装着部32及び側壁33はそれぞれ、天面部10の装着部12及び側壁13と同じであってよい。そのため、装着部32及び側壁33についての説明は省略し、以下では突起部36について説明する。
【0049】
図3にXYZ座標を示す。
図3の参照番号300及び320に示す図を参照して、天面部30において、突起部36aは、Z軸下方向となる外側に向かって側壁33から突起する。突起部36aと側壁33との間には溝37aが形成される。突起部36bもまた、Z軸下方向となる外側に向かって側壁33から突起する。突起部36bと側壁33との間には溝37bが形成される。溝37a及び溝37bを区別しないときは溝37と称する。突起部36は、側壁33との間に溝37を有する構成に限定されず、突起部36自身に溝37が形成されていてもよい。このように、突起部36の存在によって溝37が形成されることを、突起部36は溝37を有する、と表現しうる。
【0050】
突起部36は、溝37を有することにより、以下の効果を奏する。天面部30が容器ホルダー50の開口部59に装着され、かつ、突起部36が孔65に挿入された状態で、天面部30を下方向(重力方向)に押し込む。突起部36は溝37を有るため、天面部30を下方向に押し込む動作によって、シート部材60の孔65を画定する孔縁が溝37に挿入される。これにより、突起部36は、孔65において容器ホルダー50に係止される。孔65を画定する孔縁の厚みよりも僅かに溝37の幅を大きくするといった工夫により、突起部36とシート部材60との係止をさらに強くできる。
【0051】
(天面部(3))
本開示に係る天面部40を
図4により説明する。
図4は、天面部40を説明するための図である。参照番号400は天面部40の斜視図を示す。参照番号410は天面部40の平面図を示す。参照番号420は天面部40の側面図を示す。
【0052】
天面部40は、装着部42、側壁43、リブ44、及び突起部46を備える。以下、各構成について説明する。
【0053】
(装着部)
図4の参照番号400及び410に示す図を参照して、装着部42は、収納容器20の排出部21に装着される。
図4の例では、装着部42は、収納容器20の排出部21に嵌合するように平面視でC形状に形成されており、切り欠かれた部分から収納容器20の排出部21(不図示)が挿入される。装着部42は、弾力性を有してよく、切り欠かれた部分から排出部21が挿入されるときに、その切り欠きが広がり、排出部21を挿入しやすくできる。
【0054】
装着部42は、排出部21に対応する形状を有するのが好ましい。例えば、排出部21の断面が円形の場合、装着部42は、排出部21に装着される部分が円形に構成される。排出部21の断面が四角形の場合、装着部42は、排出部21に装着される部分が四角形に構成される。
【0055】
図4の参照番号400及び420に示す図を参照して、装着部42は、より広い面積で排出部21と接するように壁面42aを有してよい。装着部42は、壁面42aを有することにより、排出部21をより安定的に装着でき、かつ、C形状を維持しやすくできる。
【0056】
装着部42は、壁面42aの下側に段42bを有してよい。段42bは、装着部42が排出部21を装着したときに、排出部21の下側に当接し、排出部21を保持する段(面)である。段42bは、壁面42aから、壁面42aに対して垂直方向に延在する。その延在する長さは適宜に調整されてよい。
【0057】
装着部42は、リブ44を介して側壁43と連結する。
【0058】
(側壁)
側壁43は、排出部21に装着部42を装着した収納容器20が筒状の容器ホルダー50の開口部59内に収容されるときに、容器ホルダー50の開口部59に係止される。側壁43は、互いに分離した少なくとも2つの側壁により構成される。少なくとも2つの側壁43は、容器ホルダー50の開口部59に対応する仮想的な円の円周において等間隔に配置される。従って、
図4の例では、2つの側壁43は、装着部42を挟んで反対側に位置する。側壁43が互いに分離した3つの側壁により構成されている場合、3つの側壁は、容器ホルダー50の開口部59に対応する仮想的な円の円周において等間隔(120度の間隔)に配置される。これにより、収納容器20の荷重が容器ホルダー50に均等(略均等)に分散され、収納容器20は、容器ホルダー50に安定的に収容される。
【0059】
なお、少なくとも2つの側壁43は、必ずしも、容器ホルダー50の開口部59に対応する仮想的な円の円周において等間隔に配置される必要はなく、適宜の間隔を有するように設計されてよい。
【0060】
図4の参照番号420に示す図を参照して、側壁43は、第1側壁43a、第2側壁43b、及び第3側壁43cを備える。以下、各部について説明する。
【0061】
第1側壁43aは、収納容器20の排出部21に装着部42を装着した収納容器20が容器ホルダー50の開口部59内に収容されるときに、容器ホルダー50の開口縁に載置される。第1側壁43aは、その下方において、第2側壁43bと連結する。
【0062】
第2側壁43bは、第1側壁43aが容器ホルダー50の開口縁上に載置されたときに、容器ホルダー50の内壁面に接する。容器ホルダー50がテーブル等に起立したときに、第2側壁43bは、好ましくは、容器ホルダー50の内壁面と平行(略平行)に、かつ、該内壁面に密着する。これにより、側壁43は、より強く容器ホルダー50に係止される。第2側壁43bは、例えば、5mm~20mmの長さであってよい。第2側壁43bは、その下方において、第3側壁43cと連結する。
【0063】
第3側壁43cは、天面部40の開口部59への装着を容易にするため、口径が小さくなるように開口部59の中心方向に傾斜する。第3側壁43cは、その下端において、例えば、第2側壁43bの外周径よりも約10mm小さい外周径を有する。第3側壁43cには突起部46a及び突起部46bが設けられている。突起部46a及び突起部46bを区別しないときは突起部46と称する。
【0064】
側壁43は、第3側壁43cを含んでいなくてよい。側壁43が第3側壁43cを含んでいないとき、突起部46は、第2側壁43bに設けられる。
【0065】
突起部46は、第2側壁43bに設けられてもよいし、第2側壁43bと第3側壁43cとの境界部分に設けられてもよい。以下の説明では、突起部46は第3側壁43cに設けられているものとする。突起部46は、突起部46a及び突起部46bにより構成される。突起部46は、側壁43から外側に向かって突起する。
図4では記載していないが、突起部46は、シート部材60の孔65を画定する孔縁を挿入するための溝が形成されていてもよい。
【0066】
図1において、天面部10に代えて天面部40が使用されているものとして、天面部40は、突起部46を有することにより以下の効果を奏する。
【0067】
天面部40を容器ホルダー50の開口部59に装着した状態で、さらに、突起部46を孔65に挿入する。孔65は、一例として、突起部46より僅かに大きく形成されており、挿入された突起部46と固く嵌り合う。
【0068】
これにより、例えば、収納容器20のポンプヘッド22のみを把持して、収納容器20を上方へ持ち上げたとしても、天面部40及び収納容器20が容器ホルダー50から脱落する事態を軽減できる。あるいは、容器ホルダー50の胴部を把持した状態で容器ホルダー50の上下を反転させたとしても、天面部40及び収納容器20が容器ホルダー50から脱落する事態を軽減できる。このように、側壁43は、より固く容器ホルダー50に係止されるために突起部46を有する。
【0069】
なお、
図4の参照番号420に示す図を参照して、突起部46aは、Y軸方向の一方の側に折れ曲がる折れ曲がり部(不図示)を有してよい。突起部46bは、Y軸方向の他方の側に折れ曲がる折れ曲がり部(不図示)を有してよい。この構成によると、容器本体60が可撓性を有する場合に、突起部46が孔65から外れる方向に容器本体60が変形するのを抑制でき、その結果、突起部46の孔65からの脱落も抑制できる。折れ曲がり部は、突起部46ではなく、第1側壁43aに設けられてもよい。
【0070】
以上、様々な形状を有する天面部を説明した。本開示は、前述の天面部に限定されず、同様の機能を有する他の天面部も含む。また、突起部に形成される溝は、容器ホルダー50の孔縁を挿入することが可能であれば、その位置、方向、大きさなどは特に限定されない。
【0071】
(リブ)
図4の各図を参照して、リブ44は、装着部42と側壁43とを連結するための部材である。リブ44は、装着部42及び/又は側壁43と別々の部材で構成されてもよいし、装着部42及び側壁43と一体に形成されてもよい。ここでは、リブ44は、射出成型などにより、装着部42及び側壁43と一体に形成されているものとする。
【0072】
図4において、リブ44は、装着部42を挟んで2つ存在する。2つのリブ44は、限定されないが、C状に形成された装着部42の切り欠かれた部分の両端を結ぶ線の中心と、装着部42の中心を結ぶ線に対して、線対称に設けられている。より具体的に、一対のリブ44は、装着部42の切り欠かれた部分の両端を結ぶ線の中心と、装着部42の中心を結ぶ線に対して線対称に形成されるとともに、その線に対して直交する方向に延びている。また、2つのリブ44は、伸びる方向(リブ44の延長線)が装着部42の中心を通り、かつ装着部42の中心に対して点対称に設けられている。
【0073】
また、リブ44は、平面視したときの幅よりも、正面視したときの高さの方が大きいことが好ましい。これは、リブ44に対しては幅方向よりも高さ方向への負荷が付与されやすく、その負荷が付与されやすい方向の強度を高めるためである。
【0074】
リブ44は、装着部42と側壁43とを連結する機能を発揮するのであればその形状は問わない。しかしながら、リブ44は、負荷が付与されやすい方向の強度を高めるために、橋梁などに採用されるアーチ構造を有してもよい。アーチ構造は、曲げが発生しにくく、撓み挙動が小さいといった特徴が知られている。リブ44は、アーチ構造を有することにより耐荷特性を高め、収納容器20がポンプ機能を有する場合においても、ユーザから印加される下向きの負荷に対する強度を保つことができる。
【0075】
(容器ホルダー)
次に、本開示に係る容器ホルダー50について説明する。容器ホルダー50は、シート部材60及びフィルム部材70により構成される。以下、シート部材60及びフィルム部材70を
図5、
図6により説明する。
【0076】
(シート部材)
図5は、本開示に係るシート部材60を説明するための図である。参照番号500はシート部材60の立面図を示す。参照番号510はシート部材60の展開図を示す。参照番号520はシート部材60の斜視図を示す。
【0077】
図5の各図を参照して、シート部材60は、収納容器20を収容するための収容空間67を有し、筒状に形成される。シート部材60は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。シート部材60は、後述するフィルム部材70の応力によって変形可能な程度の剛性を有してよい。一例として、シート部材60は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。シート部材60は、肉厚があるほど容器ホルダー50の強度を高めることができる。シート部材60は、例えば、肉厚が100μm~400μmであってよい。好ましくは、シート部材60は、肉厚が200μm~300μmである。
【0078】
図5の参照番号510に示す図を参照して、シート部材60は、筒状に形成される前の状態においては、正方形、矩形、台形、又は扇形等の形状を有してよい。シート部材60は、筒状に形成されたときに、多角柱、円柱形又は円錐台形等の形状を有してよい。以下の説明では、シート部材60は、筒状に形成される前の状態では扇形であり、筒状に形成された後では円錐台形であるものとする。
【0079】
なお、扇形とは、一組の円弧とその両端に引いた半径とで囲まれた図形をいうものとする。また、本明細書では、扇形というときは、略扇形の形状を含むものとする。このことは、シート部材60が、筒状に形成される前の状態においては、正方形、矩形、又は台形等の形状を有する場合、及び、筒状に形成されたときに、円柱形又は円錐台形等の形状を有する場合についても同様である。
【0080】
以下、シート部材60について具体的に説明する。
【0081】
参照番号500に示す図を参照して、シート部材60は、第1端部62a及び第2端部62bを有する。第1端部62a及び第2端部62bは何れも円弧の一部に相当する形状であり、第1端部62aは第2端部62bよりも短い。
【0082】
シート部材60は、第1端部62aから第2端部62bに至る、折罫線又はハーフカット線等により構成される折れ曲がり線62cを有してもよい。シート部材60は、折れ曲がり線62cを1以上有してよい。
図5の例では、シート部材60は、折れ曲がり線62cを1つ有する。シート部材60は、折れ曲がり線62cを有することにより、シート部材60を折り畳みやすくできる。これにより、シート部材60の運搬又は梱包等、及び、容器ホルダー50の製造等が効率的に行える。
【0083】
参照番号510に示す図を参照して、シート部材60は、側端62d及び側端62eを有する。側端62d及び側端62eは、シート部材60が折れ曲がり線62cで折り畳まれたときに互いに重なり合ってよい。
【0084】
シート部材60は、側端62d(又は、側端62e)の中央付近に接着片64を有してよい。接着片64は、シート部材60と一体となってシート部材60の側端62d(又は、側端62e)から延在し、その延在部の少なくとも一部に接着部が設けられることによって形成されてよい。接着片64は、折れ曲がり線62cにおいて折り畳まれた側端62d及び側端62eを互いに接着する。接着片64は、側端62dと側端62eとを重ね合わせて接着してもよいし、側端62dと側端62eとの間に距離を設けてシート部材60を筒状に形成してもよい。側端62dと側端62eとの間に距離を設けてシート部材60を筒状に形成する場合、シート部材60は筒状の一部をなす、と表現できる。接着片64の接着部は、ホットメルト接着剤、接着テープ、又は糊等であってよい。
【0085】
シート部材60は、第1端部62aと第2端部62bとの間であって、シート部材60の開口端を構成する第2端部62bの近傍に孔65を有する。孔65は、天面部10の突起部16、天面部30の突起部36、又は天面部40の突起部46を係止できるよう、その大きさ、形状、又は位置が決められる。
【0086】
参照番号520に示す図は、側端62d及び側端62eが接着片64によって互いに接着され、シート部材60が筒状に形成された後の様子を示す。接着片64は、第1端部62aと第2端部62bとの中央付近に位置し、第1端部62a及び第2端部62bに至るまでは延在していなくてよい。
【0087】
前述の説明では、シート部材60は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、可撓性を有する。シート部材60は、可撓性を有することにより、天面部10の側壁の形状に合わせて、シート部材60(特に、シート部材60の開口部)の形状を柔軟に変化させられる。それゆえ、容器ホルダー50は、様々な形状の天面部に対して適用可能となる。
【0088】
とはいえ、シート部材60は、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代えて、同様の形状及び機能を有する他の素材(プラスチック、金属、木材、紙、フィルム、ガラス、又はこれらの組み合わせなど)が採用されてもよい。一例として、シート部材60は、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代えて、プラスチック又はガラスの成形品が使用されてもよい。
【0089】
(フィルム部材)
次に、本開示に係るフィルム部材70と、シート部材60及びフィルム部材70から容器ホルダー50を得る方法を
図6により説明する。
図6は、シート部材60及びフィルム部材70から容器ホルダー50を得る方法を説明するための図である。
【0090】
参照番号600に示す図は、筒状に形成されたシート部材60が収容空間67を内部に有し、その収容空間67にマンドレル80(芯)が挿入される様子を示す。一例として、マンドレル80は、上方に向かうにつれ縮径する。シート部材60は、第2端部62b側からマンドレル80に挿入される。
【0091】
参照番号610に示す図は、フィルム部材70が、マンドレル80に挿入されたシート部材60に被せられる様子を示す。フィルム部材70は、シート部材60の外壁面(側面)に装着される、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮した部材である。なお、フィルム部材70は、シュリンクフィルム、ストレッチフィルム、巻付けラベル、又はタックラベル等であってよい。フィルム部材70は、筒状のシート部材60に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。以下では、フィルム部材70は、シュリンクフィルムであるものとして説明する。
【0092】
筒状のフィルム部材70は、その一端の内面と他端の外面とが接着剤又は溶着によって接合(センターシール)されてよい。フィルム部材70は、その厚みが、特に限定されないが、一例として10~120μmであってよい。フィルム部材70がシュリンクラベルの場合、フィルム部材70の厚みは、例えば、12~60μmが好ましい。
【0093】
シュリンクラベルは、少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムである。熱収縮するフィルムとは、室温下(例えば、23℃)では収縮しないが、熱収縮温度(例えば、80℃~100℃)に加熱されると所定方向において収縮する性質を有するフィルムをいう。少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムとは、少なくとも第1方向において、熱収縮性を有するフィルムである。加熱は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法を採用することができる。フィルム部材70の収縮率は、シュリンクフィルムの第1方向の、90℃、10秒における熱収縮率が、例えば15~90%であり、好ましくは20~85%である。また、シュリンクフィルムの第2方向の、90℃、10秒における熱収縮率は、-3~15%であり、好ましくは-1~10%である。
【0094】
第1方向とは、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、フィルムの面内において第1方向と直交する方向である。例えば、筒状のフィルム部材70では、筒状形状の長軸方向(筒状のフィルム部材70の軸方向)を第2方向、その第2方向に直交する方向(周方向)を第1方向と規定することができる。
【0095】
フィルム部材70は、上述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。フィルム部材70の材料としては、例えば、合成樹脂フィルム、不織布フィルム、又は発泡樹脂フィルムなどが挙げられる。フィルム部材70は、前述した材料から選ばれる少なくとも1つを含む積層フィルムであってもよい。積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムの積層物であってもよいが、その全てが熱収縮性を有するフィルムからなる積層物が好ましい。
【0096】
好ましくは、フィルム部材70として、合成樹脂フィルム又は合成樹脂層を有する積層フィルムが用いられ、さらに好ましくは、単層の合成樹脂フィルム又は複層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の合成樹脂フィルムは、単一の合成樹脂層からなるフィルムであり、複層の合成樹脂フィルムは、2つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムである。
【0097】
合成樹脂フィルム(合成樹脂層)の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムの材質も特に限定されず、従来公知の合成樹脂を用いたものが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムは、それ自体、断熱効果を期待できる。
【0098】
フィルム部材70は、シュリンクラベルではなく、熱を必要としない、自己伸縮性のあるストレッチラベルであってもよい。フィルム部材70は、シュリンクラベル又はストレッチラベルの機能により、シート部材60の外形を保持することができる。
【0099】
フィルム部材70は、分断線(ミシン目等)を有してもよい。容器ホルダー50は、フィルム部材70の分断線が分断されることで、シート部材60の形状を、筒状から扁平状に変形可能である。言い換えると、シート部材60は、元の形状に戻すように構成されうる。シート部材60は、人又は機械の手を介して元の形状に戻る構成であってもよいし、自然と元の形状に戻る構成であってもよい。
【0100】
フィルム部材70は、シート部材60と接着部を介して互いに接着されてもよい。この場合、フィルム部材70は、シート部材60と一体化される。
【0101】
フィルム部材70は、デザイン印刷を施されることで、容器ホルダー50の加飾性を向上させることができる。具体的に、フィルム部材70は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等を施されることにより、樹脂成型品に直接印刷する場合と比較して容器ホルダー50の加飾性を向上させることができる。
【0102】
参照番号620に示す図は、フィルム部材70がシート部材60に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレル80の軸心方向において、フィルム部材70は、シート部材60よりも長く、シート部材60の第1端部62a(不図示)から突き出ている。
【0103】
参照番号630に示す図は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法によってフィルム部材70を熱収縮させた後の、容器ホルダー50が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー50は、熱収縮したフィルム部材70がシート部材60の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材70が容器ホルダー50の底面部58の一部を形成している。容器ホルダー50は、フィルム部材70を熱収縮させることにより、シート部材60の外形を保持することができる。
【0104】
容器ホルダー50は、シート部材60の軸方向における一対の端部間において、底面部58に向けて径寸法が漸次縮径する縮径部56を有してもよい。これにより、容器ホルダー50は、縦(高さ)方向に複数スタッキングできる。この構成によれば、容器ホルダー50は、複数の容器ホルダー50を縦(高さ)方向にスタッキングして収納及び運搬でき、重ねた容器ホルダーの数量だけ収納効率及び運搬効率を高めることができる。ただし、容器ホルダー50は、縮径部56を有していなくてもよい。
【0105】
容器ホルダー50は、必ずしも底面部58を有している必要はない。すなわち、天面部10等は、底面部58を有さない筒状の容器ホルダー50の開口部に装着され、容器ホルダー50の天面を構成する部品であってもよい。容器ホルダー50が底面部58を有していない場合には、参照番号620に示す工程にて、シート部材60及びフィルム部材70は、マンドレル80の軸心方向において、マンドレル80の上面から突き出る必要はない。
【0106】
容器ホルダー50は、シート部材60およびフィルム部材70以外の構成を有するものであってもよく、開口部を有する筒状部を備えたものであれば、特に限定されない。
【0107】
以上によれば、容器ホルダー50は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができる。それゆえ、本開示に係る容器ホルダーは、世界的な潮流であるSDGs(持続可能な開発目標)が求める持続循環経済に沿うものであり、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。
【0108】
さらに、容器ホルダー50は、以下の効果を奏する。
【0109】
同じ形状で異なるフレーバー又は期間限定品のような多種多様な収納容器に使用する容器ホルダーを考える。樹脂成型により製造された従来の容器ホルダーの場合、その容器ホルダーに対して収納容器の収納物に関連する情報を直接印刷すると、収納容器の売れ行きが低下すると容器ホルダーの在庫が増える。
【0110】
これに対して容器ホルダー50では、収納容器の収納物に関連する情報をフィルム部材70に印刷できる。つまり、収納容器の収納物に応じてフィルム部材70のラベルデザインを変更し、そのフィルム部材70をシート部材60に装着すればよい。これにより、容器ホルダー50自体の在庫を従来よりも大幅に軽減できる。
【0111】
さらに、従来の容器ホルダーは、樹脂成型のための金型を必要とするが、容器ホルダー50は、シート部材60とフィルム部材70とで簡単に製造できるため、従来必要であった金型が不要となる。
【0112】
このように、容器ホルダーは、種々の効果を奏することができる。
【0113】
(突起部の孔への係止)
次に、天面部10を一例に、天面部10の突起部16が容器ホルダー50の孔65に係止される様子を
図7により説明する。
図7は、容器ホルダー50の孔65に突起部16が係止される様子を示す図である。参照番号700に示す図は、突起部16が有する溝17に容器ホルダー50の孔65が挿入された様子を示す斜視図である。参照番号710に示す図は、突起部16が有する溝17に容器ホルダー50の孔65の孔縁66が挿入された様子を示す断面図である。なお参照番号700に示す図では、理解のしやすさのためフィルム部材70は図示していない。
【0114】
図7の参照番号700、及び
図1の参照番号140に示す図を参照して、天面部10が容器ホルダー50の開口部59に装着され、かつ、突起部16が孔65に挿入された状態で、天面部10を左方向(時計回り)に回転させる。突起部16は溝17を有するため、天面部10の回転によって、シート部材60の孔65を画定する孔縁66が溝17に挿入される。これにより、突起部16は、孔65において容器ホルダー50(又は、シート部材60)に係止される。
【0115】
次に、
図7の参照番号710に示す図を参照して、シート部材60は孔65を有するものの、フィルム部材70は、孔65に対応する位置に孔を有していない。つまり、孔65は、フィルム部材70に覆われている。このため、突起部16は、溝17に孔縁66が挿入された状態でフィルム部材70を凸状に押し上げることがあり、これによりフィルム部材70に凸状部70aを形成する。以上の構成によれば、包装容器1のユーザは、突起部16が孔65に係止していることを凸状部70aが形成されていることを通して視認できる。
【0116】
また、突起部16は、凸状部70aが形成されたことにより生ずるフィルム部材70の内側の窪みに入り込むため、その窪みから外れにくくなり、より強くフィルム部材70に係止される。このとき、突起部16は容器ホルダー50の内側に向かってフィルム部材70から押圧されるため、突起部16の先端の折れ曲がった部分が、フィルム部材70と孔縁66との間で固く挟持されることにもなる。これにより、突起部16は、さらに強く孔縁66及びフィルム部材70に係止される。
【0117】
なお、突起部16は、必ずしも、フィルム部材70に凸状部70aを形成するほどにフィルム部材70に押し付けられなくともよい。つまり、突起部16は、フィルム部材70に接触していればよい。突起部16がフィルム部材70に接触するということは、突起部16が孔65に挿入された状態となっていることになる。これにより、突起部16は、フィルム部材70との間に摩擦力を生じさせ、容器ホルダー50との係止を強めることができる。
【0118】
また、前述したように、孔65は、フィルム部材70に覆われていてもよい。これにより、孔65に合わせてフィルム部材70に開口を設ける必要がなく、容器ホルダー50の構造を簡素化できる。
【0119】
また、フィルム部材70は、孔65を覆う位置に印刷層(不図示)を有してよい。これにより、容器ホルダー50を外側から視認したときに孔65の存在が印刷層により見えにくくなるため、容器セットの審美性、デザイン性を高めることもできる。印刷層は、酸化チタン等の白色顔料又はアルミペースト等の銀色顔料などを含む遮蔽印刷層であってよく、これにより、孔65を見えなくできる。
【0120】
以上、天面部10を一例に、天面部10の突起部16が容器ホルダー50の孔65において係止される構成について説明した。該構成については、本開示に係る他の天面部についても同様に考えることができる。
【0121】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る容器セットは、収納容器を収容する筒状の容器ホルダーと、該容器ホルダーの開口部に装着される天面部とにより構成される容器セットであって、前記容器ホルダーは、前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、前記容器本体は、前記開口部を形成する壁面において1以上の孔を有しており、前記天面部は、前記収納容器に装着される装着部と、前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器本体の内面に少なくとも一部が当接する側壁と、前記側壁から外側に向かって突起する1以上の突起部と、を備え、前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止する。
【0122】
前記の構成によれば、本開示の態様1に係る容器セットは、容器ホルダーの開口部内に収納容器が収容されるときに天面部の側壁の少なくとも一部が容器本体の内面に当接することから、容器ホルダーの収容空間内への収納容器の収容が容易である。さらに、1以上の突起部はそれぞれ、1以上の孔の何れかにおいて容器ホルダーに係止される。これにより、落下したときに容器セットが地面から受ける衝撃等によって容器ホルダーと天面部との係止が解除される事態を軽減できる。
【0123】
本開示の態様2に係る容器セットは、前記の態様1において、前記1以上の突起部が、複数存在し、前記容器ホルダーの前記開口部に対応する仮想的な円の円周において互いに等間隔に配置される。
【0124】
前記の構成によれば、前記1以上の突起部は、複数存在しており、前記収納容器の荷重を前記容器ホルダーに均等(略均等)に分散できる。これにより、収容容器は、容器ホルダーに安定的に収容される。
【0125】
本開示の態様3に係る容器セットは、前記の態様1または2において、前記1以上の孔が、前記フィルム部材により覆われている。
【0126】
前記の構成によれば、前記1以上の孔を前記フィルム部材で塞ぎつつ、前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止できる。これにより、前記1以上の孔に合わせてフィルム部材に開口を設ける必要がなく、容器ホルダーの構造を簡素化できる。
【0127】
本開示の態様4に係る容器セットは、前記の態様3において、前記フィルム部材は、前記1以上の孔を覆う位置に印刷層を有する。
【0128】
前記の構成によれば、容器ホルダーを外側から視認したときに前記1以上の孔の存在が前記印刷層により見えにくくなるため、容器セットの審美性、デザイン性を高めることもできる。
【0129】
本開示の態様5に係る容器セットは、前記の態様3または4において、前記1以上の突起部は、前記1以上の孔の位置にて前記フィルム部材と接触する。
【0130】
前記の構成によれば、前記フィルム部材と前記1以上の突起部との間に摩擦力が生じ、前記1以上の突起部は、前記1以上の孔及び前記フィルム部材によって、より強く係止される。
【0131】
本開示の態様6に係る容器セットは、前記の態様5において、前記1以上の突起部は、前記フィルム部材を凸状に押し上げる。
【0132】
前記の構成によれば、前記1以上の突起部が前記1以上の孔に係止していることを視認できる。
【0133】
本開示の態様7に係る容器セットは、前記の態様1から6の何れかにおいて、前記1以上の突起部の少なくとも1つが、前記1以上の孔を画定する孔縁が挿入される溝を有する。
【0134】
前記の構成によれば、前記溝に孔縁が挿入されるため、前記1以上の突起部と前記容器本体との係止を解除しにくくできる。
【0135】
本開示の態様8に係る容器セットは、前記の態様7において、前記溝には、前記容器ホルダーの軸方向に対して垂直な方向から前記孔縁が挿入される。
【0136】
前記の構成によれば、容器ホルダーの軸方向と同じ方向に収納容器を移動させようした場合においても、前記1以上の突起部と前記容器本体との係止を解除しにくくできる。
【0137】
本開示の態様9に係る容器セットは、前記の態様1から8の何れかにおいて、前記1以上の突起部が、前記側壁の下方に位置する。
【0138】
前記の構成によれば、容器本体の上端から1以上の孔までの距離が長くなる。したがって、容器本体の上端と1以上の孔との間の容器本体の裂けの発生を軽減できる。
【0139】
本開示の態様10に係る容器セットは、前記の態様1から9の何れかにおいて、前記容器本体が、可撓性を有する。
【0140】
前記の構成によれば、天面部の側壁の形状に合わせて、容器本体(特に、開口部)の形状を柔軟に変化させられる。それゆえ、本態様に係る容器ホルダーは、様々な形状の天面部に対して適用可能となる。例えば、前記の態様7との関係では、溝に孔縁が挿入されることよって可撓性の容器本体の変形を抑制できる。
【0141】
本開示の態様11に係る容器セットは、前記の態様1から10の何れかにおいて、前記天面部が、前記側壁から前記装着部の方向に外部からの圧力が加わったときに、前記側壁を前記装着部から遠ざける方向に押す反発力を生じさせる。
【0142】
前記の構成によれば、天面部が生じさせる反発力によって、天面部の側壁が容器本体の内面により強く押し付けられる。これにより、容器ホルダーから天面部を外れにくくできる。
【0143】
本開示の態様12に係る容器セットは、前記の態様1から11の何れかにおいて、前記フィルム部材が、シュリンクフィルム、ストレッチフィルム、巻付けラベル、又はタックラベルである。
【0144】
前記の構成によれば、様々な種類のフィルムがフィルム部材として適用できる。これにより、本態様に係る容器ホルダーは、それぞれの種類のフィルムに応じた特性を有することができる。
【0145】
本開示の態様13に係る容器セットは、前記の態様1から12の何れかにおいて、前記側壁は、前記容器本体の内面に当接する当接部と、前記当接部から前記容器本体の中心方向に傾斜する傾斜部と、を含み、前記1以上の突起部は前記傾斜部に設けられている。
【0146】
前記の構成によれば、容器本体の上端から1以上の孔までの距離が長くなる。したがって、容器本体の上端と1以上の孔との間の容器本体の裂けの発生を軽減できる。
【0147】
本開示の態様14に係る包装容器は、本開示の一態様に係る包装容器は、収納容器と、前記収納容器を収容する筒状の容器ホルダーと、前記容器ホルダーの開口部に装着される天面部と、を備え、前記容器ホルダーは、前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、前記容器本体は、前記開口部を形成する壁面において1以上の孔を有しており、前記天面部は、前記収納容器に装着される装着部と、前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器本体の内面に少なくとも一部が当接する側壁と、前記側壁から外側に向かって突起する1以上の突起部と、を備え、前記1以上の突起部はそれぞれ、前記1以上の孔の何れかにおいて前記容器ホルダーに係止する。
【0148】
前記の構成によれば、態様1に係る容器セットと同様の効果を期待でき、包装容器としての信頼性を高めることができる。
【0149】
本開示の態様に係る天面部は、収納容器を収容する筒状の容器ホルダーの開口部に装着される天面部であって、前記容器ホルダーは、前記開口部を形成する壁面において複数の孔を有しており、前記天面部は、前記収納容器の排出部に装着される装着部と、前記排出部に前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器ホルダーの内面に少なくとも一部が当接する側壁と、前記側壁から外側に向かって突起し、前記複数の孔の何れかにそれぞれ係止する複数の突起部と、を備える。
【0150】
前記の構成によれば、態様1に係る容器セットと同様の効果を奏しうる天面部を提供できる。
【0151】
本開示の態様に係る容器ホルダーは、収納容器に取り付けられた天面部を装着する容器ホルダーであって、前記天面部は、前記収納容器の排出部に装着される装着部と、前記排出部に前記装着部を装着した前記収納容器が前記容器ホルダーの開口部内に収容されるときに、前記容器ホルダーの内面に少なくとも一部が当接する側壁と、前記側壁から外側に向かって突起する複数の突起部と、を備えており、前記容器ホルダーは、前記収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす容器本体と、前記容器本体の外壁面に装着された、筒状のフィルム部材と、を備え、前記容器本体は、前記天面部が前記容器ホルダーの前記開口部に装着されたときに、前記複数の突起部を係止する複数の孔を有する。
【0152】
前記の構成によれば、態様1に係る容器セットと同様の効果を奏しうる容器ホルダーを提供できる。
【0153】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0154】
1 包装容器
2 容器セット
10、30、40 天面部
12、32、42 装着部
13、33、43 側壁
13a、43a 第1側壁
13b 43b 第2側壁
13c 43c 第3側壁
14、44 リブ
16、16a、16b、36、36a、36b、46、46a、46b 突起部
20 収納容器
21 排出部
50 容器ホルダー
59 開口部
60 シート部材
66 孔縁
70 フィルム部材
70a 凸状部