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特開2025-10893ドラフトローラのクリーニング装置用部材及びクリーニング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010893
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ドラフトローラのクリーニング装置用部材及びクリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   D01H 5/64 20060101AFI20250116BHJP
   D01H 5/62 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
D01H5/64
D01H5/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113187
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】森田 晃弘
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056BC01
4L056BC02
4L056BC06
4L056BC24
4L056BC26
4L056BC27
4L056BG04
4L056BG12
4L056BG26
4L056BG29
4L056BG38
4L056FA09
(57)【要約】
【課題】ドラフトローラの外周面にかかる力を分散させ、局所的な接触を軽減することができるドラフトローラのクリーニング装置用部材及びクリーニング装置を提供する。
【解決手段】スクレーパ200は、バックボトムローラ14aに対向配置され対向面202と、対向面202から突出し、幅方向d1に離間して設けられた2つの接触部204と、を備える。接触部204のそれぞれは、高さHより幅Aの方が大きい第1部分210と、少なくとも高さ方向d2の一方において第1部分210に接続された第2部分220とを有する。第2部分220の接続部222の幅Bは、第1部分210の幅Aの30%以上50%以下である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺方向及び短辺方向に延びるクリーニング装置用部材であって、
ドラフトローラに対向配置される対向面と、
前記対向面から突出し、前記長辺方向に対応する幅方向に離間して設けられた2つの接触部と、を備え、
前記接触部のそれぞれは、前記短辺方向に対応する高さ方向における高さより前記幅方向における幅の方が大きい第1部分と、少なくとも前記高さ方向の一方において前記第1部分に接続された第2部分とを有し、
前記第1部分に対する前記第2部分の接続部の前記幅方向における幅は、前記第1部分の前記幅方向における幅の30%以上50%以下である、ドラフトローラのクリーニング装置用部材。
【請求項2】
前記幅方向において、2つの前記第2部分の離間距離は、2つの前記第1部分の離間距離に対して2倍以上2.5倍以下である、請求項1に記載のドラフトローラのクリーニング装置用部材。
【請求項3】
前記接触部のそれぞれにおいて、前記第2部分は、前記幅方向において前記第1部分の中央よりも外側に配置されている、請求項1又は2に記載のドラフトローラのクリーニング装置用部材。
【請求項4】
前記第1部分の第1表面及び前記第2部分の第2表面は、前記幅方向に直交する断面において、同一の曲率半径と同一の中心を有する円弧状をなす、請求項1~3の何れか一項に記載のドラフトローラのクリーニング装置用部材。
【請求項5】
前記接触部のそれぞれにおいて、前記第2部分は、前記高さ方向の両方において前記第1部分に接続されており、前記接触部のそれぞれが略十字形状をなす、請求項1~4の何れか一項に記載のドラフトローラのクリーニング装置用部材。
【請求項6】
前記対向面と前記接触部は一体的に形成されている、請求項1~5の何れか一項に記載のドラフトローラのクリーニング装置用部材。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載のドラフトローラのクリーニング装置用部材と、
前記クリーニング装置用部材の前記対向面とは反対側に取り付けられるカバー部材と、
前記クリーニング装置用部材と前記カバー部材との間に配置された1つ又は2つの磁石と、を備えるクリーニング装置。
【請求項8】
2つの前記磁石が、前記幅方向に離間して配置されている、請求項7に記載のクリーニング装置。
【請求項9】
1つの前記磁石が、前記幅方向の中央に配置されている、請求項7に記載のクリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラフトローラのクリーニング装置用部材及びクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紡績機のドラフト装置において、ドラフトローラに取り付けられるクリーニング装置が知られている。特許文献1,2に記載されるように、クリーニング装置は、磁石ケースと、磁石ケースに収容される磁石と、磁石ケースに取り付けられる樹脂製のスクレーパ(又は接触部材)とを備える。クリーニング装置は、磁石の磁力により、ドラフトローラに着脱可能に取り付けられる。スクレーパは、ドラフトローラの外周面に押し付けられる。スクレーパは、ドラフトローラの外周面に付着した繊維を除去する。
【0003】
特許文献1に記載されたクリーニング装置では、接触部材はドラフトローラに対向する面を有しており、当該面に、軸方向に延びる平行な細長い2つの凸部が設けられる。特許文献2に記載されたクリーニング装置では、スクレーパはドラフトローラに対向する面を有しており、当該面に、ドラフトローラの回転方向に延びる4本の細長い凸部が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-101797号公報
【特許文献2】特開2017-226940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドラフトローラのボトムローラは、例えば鉄等の金属により形成される。ドラフト装置の稼働時間の経過と共にボトムローラの表面の摩耗が進行していくことがある。特許文献1と2のクリーニング装置では凸部が細長いため、クリーニング装置によりドラフトローラの表面にかかる力が局所的になることがある。
【0006】
本発明は、ドラフトローラの表面にかかる力を分散させ、局所的な接触を軽減することができるドラフトローラのクリーニング装置用部材及びクリーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るドラフトローラのクリーニング装置用部材は、長辺方向及び短辺方向に延びる。クリーニング装置用部材は、ドラフトローラに対向配置される対向面と、対向面から突出し、長辺方向に対応する幅方向に離間して設けられた2つの接触部と、を備え、接触部のそれぞれは、短辺方向に対応する高さ方向における高さより幅方向における幅の方が大きい第1部分と、少なくとも高さ方向の一方において第1部分に接続された第2部分とを有し、第1部分に対する第2部分の接続部の幅方向における幅は、第1部分の幅方向における幅の30%以上50%以下である。
【0008】
このクリーニング装置用部材によれば、幅方向に離間する2つの接触部のそれぞれにおいて、第1部分に接続される第2部分が設けられる。第1部分に対する第2部分の接続部の幅は、第1部分の幅の30%以上50%以下であり、接続部の幅が広い。よって、ドラフトローラの表面にかかる力は、第1部分と第2部分の全体の広い範囲にわたって分散する。これにより、ドラフトローラの表面に対する局所的な接触を軽減することができる。
【0009】
幅方向において、2つの第2部分の離間距離は、2つの第1部分の離間距離に対して2倍以上2.5倍以下であってもよい。この場合、2つの第2部分が十分に離間しているので、スライバが通るために必要な間隔が確実に確保される。
【0010】
接触部のそれぞれにおいて、第2部分は、幅方向において第1部分の中央よりも外側に配置されていてもよい。この場合、2つの第2部分を離間させやすくなり、スライバが通るために必要な間隔を確保しやすい。
【0011】
第1部分の第1表面及び第2部分の第2表面は、幅方向に直交する断面において、同一の曲率半径と同一の中心を有する円弧状をなしてもよい。この場合、第2部分の第2表面が、第1部分の第1表面とともに安定してドラフトローラの表面に接触する。よって、より好適に力が分散する。
【0012】
接触部のそれぞれにおいて、第2部分は、高さ方向の両方において第1部分に接続されており、接触部のそれぞれが略十字形状をなしてもよい。この場合、ドラフトローラに対する接触面積を大きくすることができ、力の分散効果も高められる。
【0013】
対向面と接触部は一体的に形成されていてもよい。この場合、接触部がドラフトローラからの摩擦力を受けても、対向面に対する接触部の位置がずれるようなことがない。
【0014】
本発明の別の態様に係るクリーニング装置は、上記の何れかのドラフトローラのクリーニング装置用部材と、クリーニング装置用部材の対向面とは反対側に取り付けられるカバー部材と、クリーニング装置用部材とカバー部材との間に配置された1つ又は2つの磁石と、を備える。
【0015】
このクリーニング装置によれば、磁石の磁力により、クリーニング装置用部材の接触部が、ドラフトローラの外周面に押し付けられる。ドラフトローラの表面にかかる力は、第1部分と第2部分の全体の広い範囲にわたって分散するので、ドラフトローラの表面に対する局所的な接触を軽減することができる。
【0016】
クリーニング装置において、2つの磁石が、幅方向に離間して配置されていてもよい。この場合、2つの接触部に対応して、2つの磁石によって適切な位置又は領域で適切な押圧力を付与することができる。
【0017】
クリーニング装置において、1つの磁石が、幅方向の中央に配置されていてもよい。この場合、クリーニング装置は、1つの磁石によって、2つの接触部を介して押圧力を付与することができる。構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ドラフトローラの表面にかかる力は、第1部分と第2部分の全体の広い範囲にわたって分散するので、ドラフトローラの表面に対する局所的な接触を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態に係る紡績機の正面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るクリーニング装置が適用されたドラフト装置の平面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るクリーニング装置が適用されたドラフト装置の側面図である。
図4図4は、クリーニング装置の分解斜視図である。
図5図5は、図4のクリーニング装置において第1部分及び第2部分を幅方向に直交する平面で切断した断面図である。
図6図6は、図4中のクリーニング装置用部材の正面図である。
図7図7は、図6のクリーニング装置用部材における接触部の外形を示す正面図である。
図8図8は、変形例に係るクリーニング装置用部材における接触部の外形を示す正面図である。
図9図9は、別の変形例に係るクリーニング装置用部材における接触部の外形を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1に示されるように、紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、玉揚台車(図示省略)と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。ある紡績ユニット2において糸Yが切断されたり、何らかの理由によって糸Yが切れたりした場合、糸継台車3は、当該紡績ユニット2に対して糸継動作を行う。玉揚台車は、ある紡績ユニット2においてパッケージPが満巻きになった場合、パッケージPを玉揚げし、新しいボビンBを当該紡績ユニット2に供給する。
【0022】
第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2において発生した繊維屑及び糸屑等を回収する回収装置等が収容されている。第2エンドフレーム5には、紡績機1の各部に供給される圧縮空気(空気)の空気圧を調整して、空気を各部へと供給する空気供給部と、紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。第2エンドフレーム5には、機台制御装置51と、表示画面52と、入力キー53と、が設けられている。表示画面52及び入力キー53に代えてタッチパネル画面が設けられてもよい。
【0023】
機台制御装置51は、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示画面52は、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力キー53又はタッチパネル画面に表示されるボタンを用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。
【0024】
各紡績ユニット2は、糸Yの走行方向において上流側から順に、ドラフト装置6と、空気紡績装置7と、糸監視装置8と、テンションセンサ9と、糸貯留装置11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。ユニットコントローラ10は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、紡績ユニット2の動作を制御する。
【0025】
ドラフト装置6は、スライバ(繊維束)Sをドラフトして繊維束Fを生成する。空気紡績装置7は、ドラフト装置6により生成された繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。より詳細には(ただし、図示省略)、空気紡績装置7は、紡績室と、繊維案内部と、旋回空気流発生ノズルと、中空ガイド軸体と、を有している。繊維案内部は、上流側のドラフト装置6から供給された繊維束Fを紡績室内に案内する。旋回空気流発生ノズルは、繊維束Fが走行する経路の周囲に配置されている。旋回空気流発生ノズルから空気が噴射されることにより、紡績室内に旋回空気流が発生する。この旋回空気流によって、繊維束Fを構成する複数の繊維の各繊維端が反転されて旋回させられる。中空ガイド軸体は、糸Yを紡績室内から空気紡績装置7の外部に案内する。
【0026】
糸監視装置8は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yの情報を監視して、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置8は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8は、糸欠陥として、例えば、糸Yの太さ異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。糸監視装置8は、糸切れ等も検出する。テンションセンサ9は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8及び/又はテンションセンサ9の検出結果に基づきユニットコントローラ10が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において、糸Yが切断される。具体的には、空気紡績装置7への空気の供給が停止されて、糸Yの生成が中断されることにより、糸Yが切断される。或いは、別途設けられたカッタにより糸Yが切断されるようにしてもよい。
【0027】
ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、糸Yにワックスを付与する。
【0028】
糸貯留装置11は、空気紡績装置7と巻取装置13との間において、糸Yを貯留する。糸貯留装置11は、外周面に糸Yが巻かれることにより糸Yを貯留する糸貯留ローラを備えている。糸貯留装置11は、空気紡績装置7から糸Yを安定して引き出す機能、糸継台車3による糸継動作時等に空気紡績装置7から送り出される糸Yを滞留させて糸Yが弛むのを防止する機能、及び糸貯留装置11よりも下流側の糸Yのテンションの変動が空気紡績装置7に伝わるのを防止する機能を有している。
【0029】
巻取装置13は、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。
【0030】
糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸Yが切断されたり、何らかの理由によって糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2まで走行して、糸継動作を行う。
【0031】
上述したドラフト装置6について、より詳細に説明する。図2及び図3に示すように、ドラフト装置6は、スライバSの走行方向において上流側から順に、バックローラ対14と、サードローラ対15と、ミドルローラ対16と、フロントローラ対17と、を有している。
【0032】
バックローラ対14は、スライバSをドラフトするドラフトローラとして、スライバSを走行させる走行経路Rを挟んで対向するバックボトムローラ(ボトムローラ)14a及びバックトップローラ14bを有している。サードローラ対15は、スライバSをドラフトするドラフトローラとして、走行経路Rを挟んで対向するサードボトムローラ(ボトムローラ)15a及びサードトップローラ15bを有している。
【0033】
ミドルローラ対16は、走行経路Rを挟んで対向するミドルボトムローラ16a及びミドルトップローラ16bを有している。ミドルボトムローラ16aには、エプロンベルト18aが架けられている。ミドルトップローラ16bには、エプロンベルト18bが架けられている。フロントローラ対17は、スライバSをドラフトするドラフトローラとして、走行経路Rを挟んで対向するフロントボトムローラ17a及びフロントトップローラ17bを有している。バックボトムローラ14a、サードボトムローラ15a、ミドルボトムローラ16a、及びフロントボトムローラ17aは、第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ又は各紡績ユニット2に設けられた駆動モータにより回転駆動される。
【0034】
複数のローラ対14,15,16及び17は、ケンス(図示省略)から供給されたスライバSをドラフトしつつ上流側から下流側に走行させる。以下、走行経路Rに沿った方向を「ドラフト方向」という。ドラフト方向における上流側を単に「上流側」といい、ドラフト方向における下流側を単に「下流側」という。
【0035】
バックボトムローラ14aは、バックローラハウジング61に回転可能に支持されている。サードボトムローラ15aは、サードローラハウジング62に回転可能に支持されている。ミドルボトムローラ16aは、ミドルローラハウジング63に回転可能に支持されている。フロントボトムローラ17aは、フロントローラハウジング64に回転可能に支持されている。各ローラハウジング61,62,63及び64は、機台フレーム20に取り付けられている。各ボトムローラ14a,15a,16a及び17aは、下流側に位置するローラほど速くなるように互いに異なる回転速度で回転させられる。
【0036】
各トップローラ14b,15b,16b及び17bは、ドラフトクレードル65に回転可能に支持されている。各トップローラ14b,15b,16b及び17bは、各ボトムローラ14a,15a,16a及び17aに所定圧力で接触させられて従動回転させられる。各ボトムローラ14a,15a,16a及び17aは、例えば鉄製又はその他の金属製である。各トップローラ14b,15b,16b及び17bは、例えばゴム製である。
【0037】
ドラフトクレードル65は、各トップローラ14b,15b,16b及び17bが各ボトムローラ14a,15a,16a及び17aに所定圧力で接触する位置と、各トップローラ14b,15b,16b及び17bが各ボトムローラ14a,15a,16a及び17aから離間する位置とに、支軸67を中心として回動可能に設けられている。ドラフトクレードル65は、隣り合う一対の紡績ユニット2のそれぞれが備えるドラフト装置6の各トップローラ14b,15b,16b及び17bを回転可能に支持している。
【0038】
バックローラ対14よりも上流には、案内部材71が配置されている(図1では省略)。案内部材71には、スライバSが通される貫通孔71aが設けられている。案内部材71は、ケンス(図示省略)から供給されたスライバSを走行経路R上に案内する。
【0039】
サードローラ対15とミドルローラ対16との間には、規制部材72が配置されている(図1では省略)。規制部材72には、スライバSが通される貫通孔72aが設けられている。規制部材72は、スライバSの幅を貫通孔72aの幅に規制する。
【0040】
バックボトムローラ14aには、クリーニング装置100が設けられている(図1では省略)。クリーニング装置100は、バックボトムローラ14aの外周面14c(図5参照)に付着した繊維を除去する。サードボトムローラ15aにも、バックボトムローラ14aと同様に、サードボトムローラ15aの外周面14cに付着した繊維を除去するクリーニング装置100が設けられている。
【0041】
各ボトムローラ14a,15a及び16aに対して各トップローラ14b,15b及び16bの反対側には、繊維回収装置80が配置されている(図1では省略)。図3に示されるように、繊維回収装置80は、本体部81を備えている。本体部81には、吸引路82が設けられている。また、本体部81には、吸引口83が設けられている。なお、図3では、吸引口83を図示するために、本体部81の一部を破断して示している。吸引口83は、ドラフト装置6に対して1つのみ設けられており、サードボトムローラ15aに対向している。
【0042】
吸引路82の下流側(吸引口83とは反対側の端部)には、吸引管90が接続されている。吸引管90は、吸引空気流を発生させるブロワ(図示省略)に接続されている。これにより、ドラフト装置6において発生した繊維片は、吸引口83から吸引され、吸引路82及び吸引管90を通って、ブロワ近傍に設けられた繊維排出装置(図示省略)に至る。
【0043】
次に、クリーニング装置100の詳細について説明する。以下では、バックボトムローラ14aに設けられたクリーニング装置100を例に説明する。サードボトムローラ15aに設けられたクリーニング装置100は、バックボトムローラ14aに設けられたクリーニング装置100と同じ構成を有している。図4は、クリーニング装置100の分解斜視図である。図5は、クリーニング装置100を幅方向に直交する平面で切断した断面図である。
【0044】
本明細書において、「幅方向」との語は、ドラフト装置6におけるバックボトムローラ14a等のローラ(回転体)の「軸方向」を意味する。「高さ方向」との語は、ドラフト装置6におけるバックボトムローラ14a等のローラ(回転体)の「回転方向」に対応し、スクレーパ200の正面視において(すなわち外周面14cの中心Xからスクレーパ200を見て)その回転方向が投影された直線状の方向を意味する。スクレーパ200は、正面視において、長辺方向及び短辺方向に延びている。上記幅方向は長辺方向に対応し、上記高さ方向は短辺方向に対応する。図4以降の各図には、幅方向d1及び高さ方向d2の少なくとも何れか一方が併記される。幅方向d1及び高さ方向d2は互いに直交する。
【0045】
図4及び図5に示すように、クリーニング装置100は、スクレーパ(クリーニング装置用部材)200と、スクレーパ200の背面側に取り付けられる押圧ベース部160とを備えている。押圧ベース部160は、カバー部材110と、内ヨーク120と、2つの磁石(押圧部)140とを有する。クリーニング装置100は、押圧ベース部160に内蔵された磁石140の磁力によって、バックボトムローラ14aに取り付けられている。スクレーパ200の対向面202が、バックボトムローラ14aに対向配置される。
【0046】
カバー部材110は、磁石140を収容するケースである。カバー部材110は、バックボトムローラ14aに対向する側が開放する箱状に形成されている。カバー部材110は、一対のアーム112と、一対の把持部113と、4つの係合部114と、2つのネジ115とを備えている。カバー部材110は、例えば樹脂製である。
【0047】
スクレーパ200は、樹脂製である。スクレーパ200は、押圧ベース部160に嵌合するベース部201を有する。ベース部201は略長方形状を呈し、幅方向(長辺方向)に長く延びる。ベース部201の背面(後述の接触部204が設けられている側とは反対側の面)には、幅方向d1に延在する一対の係合板部206が設けられている。
【0048】
箱状のカバー部材110には、金属製のベース板111が取り付けられている。ベース板111には、ネジ115を挿通可能な孔が形成されている。一対のアーム112は、幅方向d1におけるベース板111の両端部から、それぞれ外側に向かって延びている。ここで、図2に示すように、バックローラハウジング61の上面には、ストッパ66が設けられている。オペレータは、ドラフト装置6が停止している状態において、クリーニング装置100をバックボトムローラ14aに取り付ける。このとき、バックボトムローラ14aの回転方向dr(図5参照)においてアーム112をストッパ66よりも上流側に配置し、バックボトムローラ14aを回転方向drに回転することにより、アーム112がストッパ66の先端部に当接する。これにより、バックボトムローラ14aと一体に回転しようとするクリーニング装置100の回転が防止される。クリーニング装置100は、バックボトムローラ14aの回転方向drの所定位置において留まる(静止する)。
【0049】
一対の把持部113は、バックボトムローラ14aに取り付けられたクリーニング装置100を取り外す際に、オペレータによって把持される部位である。一対の把持部113は、幅方向d1におけるベース板111の両端部にそれぞれ設けられている。また、把持部113は、ベース板111から、バックボトムローラ14aの回転方向drの下流側に向かって延びている。
【0050】
4つの係合部114は、それぞれ、一対の係合板部206に設けられた4つの係合孔206aに係合する。スクレーパ200は、カバー部材110にスナップフィットにより固定される。カバー部材110は、スクレーパ200の対向面202とは反対側に取り付けられる。スクレーパ200はスナップフィットによりカバー部材110に固定されているため、スクレーパ200をカバー部材110に対して容易に着脱することができる。したがって、スクレーパ200が摩耗した場合は、使用済みのスクレーパ200を新しいスクレーパ200に用意に交換できる。
【0051】
内ヨーク120は、バックボトムローラ14a側に向けて磁石140の磁力が作用するように、磁石140の磁力が作用する方向を変化させる。内ヨーク120は、断面が略U字形状を有する部材である。内ヨーク120は、略U字形状の開放部がスクレーパ200(言い換えるとバックボトムローラ14a)を向くように配置されている。ベース板111及び内ヨーク120が、2つのネジ115によってカバー部材110に固定される。ベース板111及び内ヨーク120は、ネジ115以外の取付具によってカバー部材110に固定されていてもよい。
【0052】
2つの磁石140は、スクレーパ200とカバー部材110との間に配置されている。2つの磁石140は、例えば、カバー部材110に収容される。2つの磁石140は、磁力により磁石140がバックボトムローラ14aに引き寄せられる作用によって、スクレーパ200をバックボトムローラ14aの外周面14cに向けて押圧する。磁石140は、金属製の内ヨーク120に磁力により吸着されて固定されており、幅方向d1においては樹脂板とナットで位置決めされている。
【0053】
スクレーパ200は、バックボトムローラ14aの幅方向d1に沿って延在し、回転するバックボトムローラ14aの外周面14cに磁石140の磁力によって押し付けられる。スクレーパ200は、バックボトムローラ14aの外周面14cに押し付けられることにより、バックボトムローラ14aの外周面14cに付着する繊維を除去する。スクレーパ200は、バックボトムローラ14aに連続的に当接する結果、摩耗することがある。スクレーパ200が摩耗した場合、スクレーパ200は、カバー部材110から取り外されて交換される。
【0054】
ベース部201の対向面202には、幅方向d1に離間する2つの接触部204が設けられている。2つの接触部204のそれぞれは、対向面202から突出する。2つの接触部204は、例えば、幅方向d1に直交する中央面に関して面対称に形成されている。スクレーパ200において、対向面202を含むベース部201、係合板部206、及び2つの接触部204が、例えば、射出成型等によって一体成形されている。つまり、対向面202と2つの接触部204は一体的に成形されている。
【0055】
図6に示すように、ベース部201における回転方向drの下流側の端部には、低壁部207が設けられている。低壁部207は、ベース部201における幅方向d1の略中央部を含む位置に設けられている。対向面202には、2つの接触部204の間に、中間平坦部203が形成されている。中間平坦部203は低壁部207に連続する。中間平坦部203及び低壁部207は、幅方向d1において、バックローラ対14がスライバSをドラフトする際にバックボトムローラ14aの外周面14cに巻き付いた繊維が通過する領域を含む位置に設けられている。
【0056】
図4図6に示すように、スクレーパ200は、バックボトムローラ14aの外周面14cに付着した繊維を除去するためのエッジ部208を備える。エッジ部208は、ベース部201においてバックボトムローラ14aの回転方向drの上流側の端部に設けられている。エッジ部208は、幅方向d1(スクレーパ200の長辺方向)に、直線状に延びている。エッジ部208は、バックボトムローラ14aの外周面14cに対して、幅方向d1に沿って線接触している。図4及び図5に示すように、接触部204は、低壁部207の幅方向d1の両側に形成された突出部205に連続する。接触部204は、エッジ部208に届くことなく途中で終端しており、接触部204とエッジ部208との間には、2つの凹部209が形成されている。凹部209の表面は、対向面202に滑らかに(段差無く)接続している。
【0057】
図4図6に示すように、2つの接触部204のそれぞれは、正面視において例えば矩形の第1部分210と、高さ方向d2の両方において第1部分210に接続された2つの第2部分220とを有する。2つの第2部分220のそれぞれも、正面視において例えば矩形である。接触部204のそれぞれは略十字状をなしている。
【0058】
図5に示すように、第1部分210の第1表面210a及び第2部分220の第2表面220aは、幅方向d1に直交する断面において、同一の曲率半径と同一の中心を有する円弧状をなす。第1表面210aと第2表面220aの曲率の中心は、スクレーパ200がバックボトムローラ14aに当接している状態で、バックボトムローラ14aの中心Xに略一致する。すなわち、第1部分210及び第2部分220は、バックボトムローラ14aの外周面14cにフィットするよう、外周面14cと同一の曲率半径を有する。第1表面210a及び第2表面220aは、1つの円筒(仮想の円筒)の円筒面の一部をなす接触面である。
【0059】
スクレーパ200では、面状の突出部である第2部分220が、押圧力を分散させる観点で有効に機能する。以下、接触部204における第1部分210及び第2部分220の形状及び配置に関する特徴について説明する。図7は、スクレーパ200における接触部204の外形を示す正面図である。図7に示される外形線は、接触部204が対向面202から立ち上がるテーパ状の斜面を除き、その斜面と、第1表面210a及び第2表面220aとの交線(稜線)に相当する。
【0060】
図7に示すように、第1部分210において、高さ方向d2における高さHより、幅方向d1における幅Aの方が大きい。第1部分210に対する第2部分220の接続部222の幅方向d1における幅Bは、第1部分210の幅Aの30%以上50%以下である。
【0061】
スクレーパ200の幅方向d1において、2つの第2部分220の離間距離Dは、2つの第1部分210の離間距離Cに対して2倍以上2.5倍以下である。2つの第2部分220は、幅方向d1において大きく離間する。この構成により、スライバSが通るために必要な間隔が確実に確保されている。
【0062】
また、2つの磁石140が、幅方向d1に離間して、2つの接触部204(特に第1部分210)に対応する位置に配置されている。言い換えると、各磁石140は、正面視において、各第1部分210の少なくとも一部に重なるように配置されている。この構成により、クリーニング装置100は、2つの接触部204に対応して、2つの磁石140によって適切な位置又は領域で適切な押圧力を付与することができる。
【0063】
2つの接触部204のそれぞれにおいて、第2部分220は、第1部分210の幅方向d1において中央部よりも外側に配置されている。この構成により、2つの第2部分220を離間させやすくなり、スライバSが通るために必要な間隔を確保しやすい。
【0064】
本実施形態のバックボトムローラ14aのクリーニング装置100によれば、幅方向d1に離間する2つの接触部204のそれぞれにおいて、第1部分210に接続される第2部分220が設けられる。第1部分210に対する第2部分220の接続部222の幅Bは、第1部分210の幅Aの30%以上50%以下であり、接続部222の幅が広い。よって、バックボトムローラ14aの外周面14cにかかる力は、第1部分210と第2部分220の全体の広い範囲にわたって分散する。これにより、バックボトムローラ14aの外周面14cに対する局所的な接触を軽減することができる。
【0065】
第1表面210a及び第2表面220aが、幅方向d1に直交する断面において、同一の曲率半径と同一の中心を有する円弧状をなしている。これにより、第2部分220の第2表面220aが、第1部分210の第1表面210aとともに安定してバックボトムローラ14aの外周面14cに接触する。よって、より好適に力が分散する。
【0066】
接触部204のそれぞれが略十字形状をなしている。これにより、バックボトムローラ14aに対する接触面積を大きくすることができ、力の分散効果も高められる。
【0067】
対向面202と接触部204は一体的に形成されている。これにより、接触部204がバックボトムローラ14aからの摩擦力を受けても、対向面202に対する接触部204の位置がずれるようなことがない。
【0068】
このクリーニング装置100によれば、磁石140の磁力により、スクレーパ200の接触部204が、バックボトムローラ14aの外周面14cに押し付けられる。バックボトムローラ14aの外周面14cにかかる力は、第1部分210と第2部分220の全体の広い範囲にわたって分散するので、バックボトムローラ14aの外周面14cに対する局所的な接触を軽減することができる。
【0069】
スクレーパ200がサードボトムローラ15aに適用される場合も、上記したのと同様の作用効果が奏される。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。
【0071】
1つの磁石140が、幅方向d1の中央に配置されていてもよい。1つの磁石140が、正面視において、2つの第1部分210の少なくとも一部に重なるように配置される。この場合、クリーニング装置100は、2つの接触部204に対応して、1つの磁石140によって2つの接触部204を介してバックボトムローラ14a(又はサードボトムローラ15a)に押圧力を付与することができる。構成を簡素化できる。
【0072】
幅方向d1において、2つの第2部分220の離間距離Dが、2つの第1部分210の離間距離Cに対して2倍未満であってもよく、2.5倍より大きくてもよい。
【0073】
接触部204は、種々の変形形態を採り得る。例えば、図8に示されるように、十字状ではなくそれぞれ略T字状をなす2つの接触部204を有するスクレーパ200Aが採用されてもよい。このスクレーパ200Aにおいても、第1部分210において、高さHより、幅Aの方が大きい。第1部分210に対する第2部分220の接続部222の幅Bは、第1部分210の幅Aの30%以上50%以下である。また、2つの第2部分220の離間距離Dは、2つの第1部分210の離間距離Cに対して2倍以上2.5倍以下である。
【0074】
図9に示されるように、2つの接触部204のそれぞれは十字状をなしているが、第1部分210の高さHが一定でなくてよい。具体的には、幅方向d1において、第1部分210のうち、スクレーパ200Bの中央側に位置する端を第1端とし、第1端の反対側(すなわち、スクレーパ200の外側)に位置する端を第2端とする。この場合、第1部分210の第1端の高さHaは、第2端の高さHよりも小さい。このスクレーパ200Bにおいても、第1部分210において、高さH,Haより、幅Aの方が大きい。第1部分210に対する第2部分220の接続部222の幅Bは、第1部分210の幅Aの30%以上50%以下である。また、2つの第2部分220の離間距離Dは、2つの第1部分210の離間距離Cに対して2倍以上2.5倍以下である。
【0075】
これらのスクレーパ200A,200Bにおいても、スクレーパ200と同様の作用効果が奏される。上記の他にも、第2部分220が、高さ方向d2において第1部分210の一方のみに接続していてもよい。第2部分220が、高さ方向d2において第1部分210から離れるにしたがって幅方向d1の幅が広がってもよい。第2部分220の幅方向d1における外側の外形線(稜線)は、高さ方向d2に対して傾斜していてもよい。第2部分220の幅方向d1における内側の外形線(稜線)についても、スライバSの引っ掛かりを防止できる限り(スライバSの通過をスムーズに許容できる限り)において、高さ方向d2に対して傾斜していてもよい。
【0076】
ドラフトローラに対する接触部204の接触面積が増すと、スクレープ力は減少し得る。接触部204の表面積、或いは第2部分220の第2表面220aの面積は、樹脂材料の寿命との兼ね合いで決めればよい。
【0077】
空気紡績装置は、上記の構成に代えて、互いに反対方向に繊維束に撚りを与える一対のエアージェットノズルを備えていてもよい。
【0078】
紡績ユニット2では、糸貯留装置11が空気紡績装置7から糸Yを引き出す機能を有していたが、デリベリローラとニップローラとにより空気紡績装置7から糸Yが引き出されてもよい。デリベリローラとニップローラにより空気紡績装置7から糸Yを引き出す場合、糸貯留装置11の代わりに、吸引空気流を用いたスラックチューブ及び/又は機械的なコンペンセータ等を設けてもよい。
【0079】
紡績ユニット2では、糸継装置26により2つの糸端を接続する構成に代えて、パッケージPからの糸Yを空気紡績装置7に挿入し、ドラフト装置6のドラフト動作と空気紡績装置7の紡績動作を開始することにより、空気紡績装置7からの糸YとパッケージPの糸Yとを接続(ピーシング)してもよい。
【0080】
紡績機1では、機台高さ方向において、上側で供給された糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側で供給された糸が上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
【0081】
紡績機1では、ドラフト装置6のボトムローラの少なくとも一つ及びトラバースガイド23が、第2エンドフレーム5からの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。しかし、紡績ユニット2の各部(例えば、ドラフト装置、紡績装置、巻取装置等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。
【0082】
糸Yの走行方向において、テンションセンサ9が糸監視装置8よりも上流側に配置されてもよい。ユニットコントローラ10は、1つの紡績ユニット2ごとに設けられてもよい。紡績ユニット2において、ワキシング装置12、テンションセンサ9及び糸監視装置8は、省略されてもよい。糸Yにワックスを付与しない場合には、ワキシング装置12を省略せずに、ワキシング装置12からワックスのみを取り外してもよい。
【0083】
図1では、紡績機1は、チーズ形状のパッケージPを巻き取るように図示されているが、コーン形状のパッケージを巻き取ることも可能である。コーン形状のパッケージの場合、糸Yのトラバースにより糸Yの弛みが発生するが、当該弛みは、糸貯留装置11により吸収することができる。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…紡績機、6…ドラフト装置、7…空気紡績装置、13…巻取装置、14…バックローラ対、14a…バックボトムローラ(ドラフトローラ)、14c…外周面、15…サードローラ対、15a…サードボトムローラ(ドラフトローラ)、16…ミドルローラ対、17…フロントローラ対、100…クリーニング装置、110…カバー部材、140…磁石、200,200A,200B…スクレーパ(クリーニング装置用部材)、202…対向面、204…接触部、210…第1部分、220…第2部分、222…接続部、S…スライバ(繊維束)、F…繊維束、Y…糸、P…パッケージ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9