(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010901
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ポリオール組成物、ポリウレタンフォーム用組成物及び発泡体
(51)【国際特許分類】
C08G 18/42 20060101AFI20250116BHJP
C08G 18/16 20060101ALI20250116BHJP
C08G 18/18 20060101ALI20250116BHJP
C08G 18/20 20060101ALI20250116BHJP
C08G 18/50 20060101ALI20250116BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20250116BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20250116BHJP
【FI】
C08G18/42 008
C08G18/16
C08G18/18
C08G18/20
C08G18/50 021
C08G18/00 H
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113201
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(74)【代理人】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】関 浩之
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034AA04
4J034AA06
4J034BA07
4J034BA08
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(57)【要約】
【課題】被着体への接着性に優れ、低温環境で収縮が抑制される発泡体を与え、更に、貯蔵安定性に優れるポリウレタンフォーム用組成物並びにその調製に用いるポリオール組成物を提供する。
【解決手段】本発明のポリオール組成物は、発泡剤及びポリイソシアネートと組み合わせて、ポリウレタンフォームの製造に用いるポリウレタンフォーム用組成物を調製するために用いられ、ポリオールと、触媒とを含有し、ポリオールは、芳香族ポリエステルポリオールを含み、触媒は、芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンから選ばれた少なくとも1種と、イミダゾール化合物とを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール組成物、発泡剤及びポリイソシアネートを組み合わせて、ポリウレタンフォームの製造に用いるポリウレタンフォーム用組成物の調製に用いられるポリオール組成物であって、
前記ポリオール組成物は、ポリオールと、触媒とを含有し、
前記ポリオールは、芳香族ポリエステルポリオールを含み、
前記触媒は、芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンから選ばれた少なくとも1種と、イミダゾール化合物とを含むポリオール組成物。
【請求項2】
前記芳香族ポリエステルポリオールの含有割合が、前記ポリオールに対して30質量%以上である請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項3】
前記ポリオールがアミン系ポリオールを含む請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項4】
前記ポリオール組成物が、前記発泡剤を含有し、該発泡剤がハロゲン化オレフィンを含む請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項5】
前記発泡剤が更に水を含む請求項4に記載のポリオール組成物。
【請求項6】
前記水の含有量が、前記ポリオールの含有量を100質量部とした場合に3~7質量部である請求項5に記載のポリオール組成物。
【請求項7】
前記触媒が更に3級アミンを含む請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項8】
請求項1に記載のポリオール組成物と、発泡剤と、ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物とが組み合わされてなるポリウレタンフォーム用組成物。
【請求項9】
請求項8に記載のポリウレタンフォーム用組成物を発泡させて得られた発泡体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体への接着性に優れ、低温環境で収縮が抑制される発泡体(ポリウレタンフォーム)を与えるポリウレタンフォーム用組成物並びにその調製に用いられるポリオール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂発泡体として、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム等が知られている。例えば、ポリウレタンフォームは、断熱性、物体への接着性、防音性等に優れることから、広く利用されている。
ポリウレタンフォームからなる断熱層(断熱材)を形成する場合、一般に、ポリオールと、発泡剤と、必要に応じて、触媒、整泡剤等の各種助剤とを含有するポリオール組成物(プレミックス液)、及び、ポリイソシアネートを含有するポリイソシアネート組成物を混合した後、得られた混合液、即ち、ポリウレタンフォーム用組成物を被着体の表面に塗布し、形成された塗膜においてポリオール及びポリイソシアネートを反応させ、発泡・硬化させる方法が適用される。
【0003】
ポリウレタンフォームの製造方法又はそれに用いられる組成物として、以下の技術が知られている。
特許文献1には、ポリオールとポリイソシアネートとを、第1級アミノ基を少なくとも1つ含む炭素環式化合物および第1級アミノ基を少なくとも1つ含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化合物、触媒、並びに発泡剤としての炭素数4~6の炭化水素および水の存在下に反応させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法が開示されている。
特許文献2には、ポリイソシアネート成分(X)とポリオール含有成分(Y)とから調製される2液反応型ウレタン樹脂組成物であって、ポリオール含有成分(Y)が、ポリオール成分(a)、触媒(b)、整泡剤(c)、1級アミノ基または2級のアミノ基を有するアミン化合物(d)および二酸化炭素(e)を含み、硬化した際の前記2液反応型ウレタン樹脂組成物が、連続気泡性軟質ポリウレタンフォームであり、該ポリウレタンフォームのJIS A 1405-2:2007により測定される63ヘルツから5000ヘルツの平均吸音率が30%以上であり、かつ、所定の方法で測定される液だれ長さが、300mm以内である、2液反応型ウレタン樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献3には、ポリオール、発泡剤、及び触媒を含有するポリオール組成物とポリイソシアネートとを反応かつ発泡させるポリウレタンフォームの製造方法であって、該発泡剤が沸点30℃以下のハイドロフルオロオレフィンを含み、かつ反応前に該ポリオール組成物の温度を30℃以下にすることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-172359号公報
【特許文献2】特開2019-178207号公報
【特許文献3】特開2022-30314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリウレタンフォームを、例えば、断熱用に用いる場合、壁、天井等の被着体と一体化させることが一般的である。このような一体化物が、例えば、氷点下の低温環境で用いられる場合には、ポリウレタンフォーム層が収縮しないことが必要となる。
また、例えば、スプレー塗工を利用して、壁、天井等に、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物からなるポリウレタンフォーム用組成物を供給しながら発泡・硬化させてポリウレタンフォームを形成させつつ接着させて、ポリウレタンフォームからなる断熱層を有する一体化物を得る工法が採用されることがある。この場合、ポリウレタンフォーム層の被着体への接着性が必要となる。また、このような2液型のポリウレタンフォーム用組成物は、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物を混合した時点でポリオールとポリイソシアネートとの反応が開始されるため、均一な発泡セルを有する発泡体(ポリウレタンフォーム)を製造するために、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物の混合開始から発泡が開始されるまでの時間(以下、「クリームタイム」という)、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物の混合開始から、増粘が起こってゲル強度が出始めるまでの時間(樹脂化時間。以下、「ゲルタイム」という)、並びに、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物の混合開始から発泡が終了するまでの時間(以下、「ライズタイム」という)が測定されたときに、クリームタイムとゲルタイムとの時間差、及び、ゲルタイムとライズタイムとの時間差が、いずれも0~2秒間であると、ポリウレタンフォーム用組成物の貯蔵安定性に特に優れるとされていた。
【0006】
本発明は、被着体への接着性に優れ、低温環境で収縮が抑制される発泡体(ポリウレタンフォーム)を与え、更に、貯蔵安定性に優れるポリウレタンフォーム用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなポリウレタンフォーム用組成物の調製に用いられるポリオール組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下に示される。
[1]ポリオール組成物、発泡剤及びポリイソシアネートを組み合わせて、ポリウレタンフォームの製造に用いるポリウレタンフォーム用組成物の調製に用いられるポリオール組成物であって、
上記ポリオール組成物は、ポリオールと、触媒とを含有し、
上記ポリオールは、芳香族ポリエステルポリオールを含み、
上記触媒は、芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンから選ばれた少なくとも1種と、イミダゾール化合物とを含むポリオール組成物。
[2]上記芳香族ポリエステルポリオールの含有割合が、上記ポリオールに対して30質量%以上である上記[1]に記載のポリオール組成物。
[3]上記ポリオールがアミン系ポリオールを含む上記[1]に記載のポリオール組成物。
[4]上記ポリオール組成物が、上記発泡剤を含有し、該発泡剤がハロゲン化オレフィンを含む上記[1]に記載のポリオール組成物。
[5]上記発泡剤が更に水を含む上記[4]に記載のポリオール組成物。
[6]上記水の含有量が、上記ポリオールの含有量を100質量部とした場合に3~7質量部である上記[5]に記載のポリオール組成物。
[7]上記触媒が更に3級アミンを含む上記[1]に記載のポリオール組成物。
[8]上記[1]に記載のポリオール組成物と、ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物とが組み合わされてなるポリウレタンフォーム用組成物。
[9]上記[8]に記載のポリウレタンフォーム用組成物を発泡させて得られた発泡体。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリウレタンフォーム用組成物を用いると、被着体への接着性に優れ、低温環境で収縮が抑制される発泡体(ポリウレタンフォーム)を得ることができる。また、組成物の貯蔵安定性に優れるため、本発明のポリウレタンフォーム用組成物を被着体に塗工した後、発泡・硬化を経て、発泡体の、被着体への接着性が発揮され、例えば、スプレー塗工等を利用した迅速作業による、建築物の内外壁材、パネル等における断熱、金属サイディング、冷蔵庫等における断熱、ビル、マンション、冷凍倉庫等の躯体壁面、天井、屋根等における断熱又は結露防止、輸液パイプ等の断熱等に用いられる部材形成に好適である。
本発明のポリオール組成物は、このような発泡体(ポリウレタンフォーム)を与えるポリウレタンフォーム用組成物の製造原料として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を説明する。ここで示す事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要で、ある程度以上に本発明の構成的な詳細を示すことを意図しておらず、本記載によって本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
本発明のポリオール組成物は、このポリオール組成物と、ハロゲン化オレフィンを含む発泡剤と、ポリイソシアネートとを組み合わせて、被着体に塗工して、被着体への接着性に優れたウレタン樹脂からなる発泡体を形成するポリウレタンフォーム用組成物の調製に用いる組成物である。そして、本発明のポリオール組成物は、芳香族ポリエステルポリオールを含むポリオール(以下、「ポリオール成分」という)と、芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンから選ばれた少なくとも1種並びにイミダゾール化合物を含む触媒とを含有する。本発明のポリオール組成物は、後述するように、ポリオール成分及び触媒以外に、他の成分を含有することができる。
【0011】
本発明のポリオール組成物を構成するポリオール成分は、芳香族ポリエステルポリオールを含み、必要により、他のポリオール(後述)を含むことができる。
【0012】
芳香族ポリエステルポリオールは、好ましくはフタル酸又はその無水物と、ジオールとを用いて得られた縮合反応生成物からなるポリエステルポリオールである。尚、フタル酸は、o-フタル酸及びテレフタル酸のいずれでもよい。また、ジオールは、脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオールのいずれでもよいが、好ましくは脂肪族ジオールである。
【0013】
脂肪族ジオールは、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。直鎖状ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール等が挙げられる。分岐状ジオールとしては、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
【0014】
本発明のポリオール組成物に含まれる芳香族ポリエステルポリオールは、1種のみでも、2種以上でもよい。本発明に係る芳香族ポリエステルポリオールは、o-フタル酸又はその無水物と、ジオールとから形成されたポリエステルポリオール(以下、「第1ポリエステルポリオール」という)、及び、テレフタル酸と、ジオールとから形成されたポリエステルポリオール(以下、「第2ポリエステルポリオール」という)から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0015】
第1ポリエステルポリオールにおける芳香族部分の含有割合(以下、「芳香族濃度」ともいう)、即ち、第1ポリエステルポリオールを構成する芳香環の質量比率は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10~35質量%、更に好ましくは15~25質量%である。
また、第2ポリエステルポリオールにおける芳香族部分の含有割合(芳香族濃度)は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10~35質量%、更に好ましくは15~25質量%である。
【0016】
本発明のポリオール組成物において、第1ポリエステルポリオール及び第2ポリエステルポリオールを併用することができる。第1ポリエステルポリオール及び第2ポリエステルポリオールの含有割合を、それぞれ、P1及びP2とし、P1及びP2の合計を100質量%とすると、含有割合P1及びP2は、それぞれ、好ましくは100~0質量%及び0~100質量%、より好ましくは95~30質量%及び5~70質量%、更に好ましくは90~50質量%及び10~50質量%である。これにより、本発明のポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物の貯蔵安定性に優れる。
【0017】
本発明のポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量%とすると、芳香族ポリエステルポリオールの含有割合の下限は、ポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物を用いた場合に、被着体への接着性に優れ、低温環境で収縮が抑制される発泡体が得られることから、好ましくは30質量%、より好ましくは40質量%、更に好ましくは50質量%である。また、上限は、通常、100質量%、好ましくは90質量%、より好ましくは80質量%である。
【0018】
上記ポリオール成分が、必要に応じて含むことができる他のポリオールとしては、アミン系ポリオール、脂肪族多価アルコール(脂肪族炭化水素の誘導体)、芳香族多価アルコール(芳香族炭化水素の誘導体)、天然油脂系ポリオール(ヒマシ油等)、ポリエーテルポリオール(グリセリン系ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオール、シュクロース系ポリエーテルポリオール、ソルビトール系ポリエーテルポリオール等)、ポリエーテルエステルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール、ポリジエンポリオール等が挙げられる。これらのうち、アミン系ポリオールを含むことが好ましい。
【0019】
上記アミン系ポリオールは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれかの構造を有するものであり、より好ましくは3級アミン構造を有するポリオールである。本発明においては、ウレタン反応性を有しつつ、ウレタン結合の形成を促進する触媒として作用させることができることから、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオール、トルエンジアミン系ポリエーテルポリオール等が好ましく、これらのうち、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールが特に好ましい。
【0020】
エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールは、好ましくはエチレンジアミンのアルキレンオキサイド付加物であり、このアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。アルキレンオキサイドは、これらのうちの1種のみ又は2種以上が用いられたものとすることができる。アルキレンオキサイドとしては、硬質フォームの物性、及び、原料の価格の観点から、プロピレンオキシドを含むことが好ましい。この場合、プロピレンオキシドの使用量の割合は、アルキレンオキサイドの全体に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
エチレンジアミン系ポリエーテルポリオールの水酸基価は、得られる発泡体の機械的強度の観点から、好ましくは400mgKOH/g以上である。
【0021】
本発明のポリオール組成物を構成する触媒は、芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンから選ばれた少なくとも1種と、イミダゾール化合物とを含み、必要により、他の触媒(後述)を含むことができる。イミダゾール化合物は、ウレタン結合の形成を促進するウレタン化触媒(樹脂化触媒)である。
【0022】
芳香族第1級アミンは特に限定されず、含まれるアミノ基の数も限定されない。本発明においては、複数のアミノ基(-NH2)を有する化合物が好ましく、例えば、1,4-ジアミノベンゼン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,6-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、1-メチル-3,5-ビス(メチルチオ)-2,4-ジアミノベンゼン、1-メチル-3,5-ビス(メチルチオ)-2,6-ジアミノベンゼン、1,3,5-トリエチル-2,4-ジアミノベンゼン、1,3,5-トリイソプロピル-2,4-ジアミノベンゼン、1-メチル-3,5-ジエチル-2,4-ジアミノベンゼン、1-メチル-3,5-ジエチル-2,6-ジアミノベンゼン、1-メチル-3,5-ジエチル-2,4-トルエンジアミン、1-メチル-3,5-ジエチル-2,6-トルエンジアミン、3,5-ジチオメチル-2,4-ジアミノトルエン、4,6-ジメチル-2-エチル-1,3-ジアミノベンゼン、3,5,3’,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’-テトライソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,5-ジエチル-3’,5’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,4,6-トリエチル-m-フェニレンジアミン、3,5-ジイソプロピル-2,4-ジアミノトルエン、3,5-ジ-sec-ブチル-2,6-ジアミノトルエン、3-エチル-5-イソプロピル-2,4-ジアミノトルエン、4,6-ジイソプロピル-m-フェニレンジアミン、4,6-ジ-tert-ブチル-m-フェニレンジアミン、4,6-ジエチル-m-フェニレンジアミン、3-イソプロピル-2,6-ジアミノトルエン、5-イソプロピル-2,4-ジアミノトルエン、4-イソプロピル-6-メチル-m-フェニレンジアミン、4-イソプロピル-6-tert-ブチル-m-フェニレンジアミン、4-エチル-6-イソプロピル-m-フェニレンジアミン、4-メチル-6-tert-ブチル-m-フェニレンジアミン、4,6-ジ-sec-ブチル-m-フェニレンジアミン、4-エチル-6-tertブチル-m-フェニレンジアミン、4-エチル-6-sec-ブチル-m-フェニレンジアミン、4-エチル-6-イソブチル-m-フェニレンジアミン、4-イソプロピル-6-イソブチル-m-フェニレンジアミン、4-イソプロピル-6-sec-ブチル-m-フェニレンジアミン、4-tert-ブチル-6-イソブチル-m-フェニレンジアミン、4-シクロペンチル-6-エチル-m-フェニレンジアミン、4-シクロヘキシル-6-イソプロピル-m-フェニレンジアミン、4,6-ジシクロペンチル-m-フェニレンジアミン、2,2’,6,6’-テトラエチル-4,4’-メチレンビスアニリン、2,2’,6,6’-テトライソプロピル-4,4’-メチレンビスアニリン、2,2’,6,6’-テトラ-sec-ブチル-4,4’-メチレンビスアニリン、2,2’-ジメチル-6,6’-ジ-tert-ブチル-4,4’-メチレンビスアニリン、2,2’-ジ-tert-ブチル-4,4’-メチレンビスアニリン、2-イソプロピル-2’,6’-ジエチル-4,4’-メチレンビスアニリン等が挙げられる。
【0023】
芳香族第2級アミンは特に限定されず、含まれる-NHR基(Rは有機基)の数も限定されない。本発明においては、複数の-NHR基を有する化合物が好ましく、例えば、4,4’-メチレンビス(N-メチルアニリン)、4,4’-メチレンビス[N-(1-メチルプロピル)アニリン]、N,N’-ジ-iso-プロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N’-ジ-sec-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N’-ジ-iso-プロピル-2,4-ジアミノトルエン、N,N’-ジ-sec-ブチル-2,4-ジアミノトルエン等が挙げられる。
【0024】
本発明においては、芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンのうちの一方のみが含まれる、又は、両方が含まれるポリオール組成物とすることができる。これらの芳香族第1級アミン及び芳香族第2級アミンのうち、アミノ基が付いている炭素に隣接する炭素の少なくとも一方に置換基が付いた構造のものが好ましい。また、本発明のポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物の臭気及び貯蔵安定性の観点から、芳香族第1級アミンを用いることが好ましい。
【0025】
本発明のポリオール組成物において、芳香族第1級アミン及び/又は芳香族第2級アミンの含有量の合計の割合は、本発明のポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物の貯蔵安定性の観点から、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~8質量部、更に好ましくは1~6質量部である。
芳香族第1級アミン及び/又は芳香族第2級アミンを含有することにより、本発明のポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物を貯蔵安定性試験に供し、試験前と試験後の、クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイムの変化量を見た場合、これらをいずれも0~5秒間とすることができるので、貯蔵安定性に優れたポリウレタンフォーム用組成物を得ることができる。
【0026】
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0027】
本発明のポリオール組成物において、イミダゾール化合物の含有割合は、本発明のポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物を用いた場合に、被着体への接着性に優れることから、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは0.1~7質量部、より好ましくは0.3~5質量部、更に好ましくは0.5~3質量部である。
【0028】
本発明に係る触媒は、他の触媒として、更に、他の樹脂化触媒、イソシアヌレート環の生成を促進するイソシアヌレート化触媒(三量化触媒)等を含むことができる。
【0029】
他の樹脂化触媒としては、カルボン酸金属塩、3級アミン等が挙げられる。
【0030】
カルボン酸金属塩としては、カルボン酸のカルボキシ基を構成する水素原子が、Sn、Pb、Zn、Fe、Cu、Ni、Co、Mn、Zr又はBiに置換されてなる化合物が好ましく用いられる。具体的なカルボン酸金属塩としては、酢酸錫、酪酸錫、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、オクタン酸第一錫、ジラウリン酸第一錫、ジパルミチン酸第一錫、ジステアリン酸第一錫、ジオレイン酸第一錫、ビス(ネオデカン酸)錫、ステアリン酸錫、安息香酸錫等のカルボン酸錫;酢酸鉛、酪酸鉛、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オレイン酸鉛、オクタン酸鉛、ネオデカン酸鉛、ラウリン酸鉛、ステアリン酸鉛、安息香酸鉛等のカルボン酸鉛;酢酸亜鉛、酪酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、安息香酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛;酢酸鉄、酪酸鉄、オクチル酸鉄、ナフテン酸鉄、オレイン酸鉄、オクタン酸鉄、ネオデカン酸鉄、ラウリン酸鉄、ステアリン酸鉄、安息香酸鉄等のカルボン酸鉄;酢酸銅、酪酸銅、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オクタン酸銅、ネオデカン酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅等のカルボン酸銅;酢酸ニッケル、酪酸ニッケル、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オレイン酸ニッケル、オクタン酸ニッケル、ネオデカン酸ニッケル、ラウリン酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、安息香酸ニッケル等のカルボン酸ニッケル;酢酸コバルト、酪酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オレイン酸コバルト、オクタン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ラウリン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、安息香酸コバルト等のカルボン酸コバルト;酢酸マンガン、酪酸マンガン、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オレイン酸マンガン、オクタン酸マンガン、ネオデカン酸マンガン、ラウリン酸マンガン、ステアリン酸マンガン、安息香酸マンガン等のカルボン酸マンガン;酢酸ジルコニウム、酪酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オレイン酸ジルコニウム、オクタン酸ジルコニウム、ネオデカン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、安息香酸ジルコニウム等のカルボン酸ジルコニウム;酢酸ビスマス、酪酸ビスマス、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、オクタン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ラウリン酸ビスマス、ステアリン酸ビスマス、安息香酸ビスマス等のカルボン酸ビスマス等が挙げられる。
【0031】
3級アミンとしては、N,N-ジメチルブチルアミン、N,N-ジメチルヘキシルアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N,N-ジメチルデシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン等のN,N-ジメチルアルキルアミン類;2-(ジメチルアミノ)エチルアミン、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン等の(ジメチルアミノ)アルキルアミン類;N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、(ジメチルアミノ)アセトニトリル、N,N,N’-トリメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、1-(ジメチルアミノ)ピロール、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、4-ジメチルアミノトルエン、ジメチルアニリン、4-ジメチルアミノアニリン、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチルモルホリン、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル等が挙げられる。
【0032】
本発明において、樹脂化触媒は、カルボン酸金属塩及び3級アミンを含むことが好ましく、樹脂化触媒としては、イミダゾール化合物、カルボン酸金属塩及び3級アミンを組み合わせてなることが特に好ましい。
【0033】
カルボン酸金属塩及び3級アミンを用いる場合、これらの含有量の合計の割合は、本発明のポリオール組成物を含有するポリウレタンフォーム用組成物を用いた場合に、被着体への接着性に優れることから、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~7質量部、更に好ましくは1~5質量部である。
【0034】
イソシアヌレート化触媒(三量化触媒)としては、第四級アンモニウム塩、脂肪酸アルカリ金属塩、含窒素芳香族化合物、第三級アンモニウム塩等が挙げられる。用いられるイソシアヌレート化触媒は、1種のみでも、2種以上でもよい。
【0035】
第四級アンモニウム塩のカチオン部である第四級アンモニウム基としては、テトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、ヘプチルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、ノニルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウム、ウンデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム等の脂肪族アンモニウム基;(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム等のヒドロキシアンモニウム基;1-メチル-1-アザニア-4-アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム、1,1-ジメチル-4-メチルピペリジニウム、1-メチルモルホリニウム、1-メチルピペリジニウム等の脂環式アンモニウム基等が挙げられる。
【0036】
第四級アンモニウム塩のアニオン部としては、ギ酸イオン、酢酸イオン、オクタン酸イオン、蓚酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸イオン、グルタル酸イオン、アジピン酸イオン、安息香酸イオン、トルイル酸イオン、エチル安息香酸イオン、メチル炭酸イオン、フェノールイオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、リン酸エステルイオン、ハロゲン化物イオン、OH-、CO3
2-、HCO3
-等が挙げられる。
【0037】
脂肪酸アルカリ金属塩としては、オクチル酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
含窒素芳香族化合物としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等が挙げられる。
第三級アンモニウム塩としては、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0038】
本発明において、イソシアヌレート化触媒(三量化触媒)は、脂肪酸アルカリ金属塩又は第四級アンモニウム塩を含むことが好ましい。
【0039】
イソシアヌレート化触媒(三量化触媒)を用いる場合、ポリオール成分のヒドロキシ基と、ポリイソシアネートのイソシアネート基との反応によりイソシアヌレート環の生成が促進されることから、その使用量(合計)は、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~7質量部、更に好ましくは1~5質量部である。
【0040】
本発明のポリオール組成物は、上記のように、ポリオール成分及び触媒以外に、他の成分を含有することができる。他の成分としては、発泡剤、整泡剤、相溶化剤、難燃剤、ホルムアルデヒド捕捉剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、抗菌剤、腐食防止剤、着色剤等が挙げられる。
【0041】
本発明において、被着体への接着性に優れ、低温環境で収縮が抑制される発泡体の製造に用いるポリウレタンフォーム用組成物は、発泡剤として、ハロゲン化オレフィンを含むことが好ましい。この発泡剤は、ハロゲン化オレフィン以外に、ハイドロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、水等の他の発泡剤を含むことができる。本発明のポリオール組成物は、ポリウレタンフォーム用組成物に含まれる全量の発泡剤が含まれる組成物であってもよいし、発泡剤の一部又は全てを含有しない組成物であってもよい。
【0042】
上記ハロゲン化オレフィンは、好ましくは、ハロゲン原子として、塩素原子、フッ素原子等を含む、炭素原子数が2~6個程度の不飽和炭化水素誘導体であり、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロクロロフルオロオレフィン等が挙げられる。
【0043】
ハイドロフルオロオレフィンとしては、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)等のペンタフルオロプロペン類;1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ye)等のテトラフルオロプロペン類;3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)等のトリフルオロプロペン類;テトラフルオロブテン(HFO-1345)類;ペンタフルオロブテン異性体(HFO-1354)類;1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)等のヘキサフルオロブテン異性体(HFO-1336)類;ヘプタフルオロブテン異性体(HFO-1327)類;ヘプタフルオロペンテン異性体(HFO-1447)類;オクタフルオロペンテン異性体(HFO-1438)類;ノナフルオロペンテン異性体(HFO-1429)類等が挙げられる。
【0044】
また、ハイドロクロロフルオロオレフィンとしては、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、ジクロロトリフルオロプロペン(HCFO-1223)、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd)、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zb)、2-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xe)、2-クロロ-2,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xc)、3-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233ye)、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yc)、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)等が挙げられる。
【0045】
本発明のポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物において、ハロゲン化オレフィンの含有量は、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは10~50質量部、より好ましくは15~45質量部、更に好ましくは20~40質量部である。
【0046】
他の発泡剤として用いることができるハイドロカーボン及びハイドロフルオロカーボンは、以下に例示される。
【0047】
ハイドロカーボンとしては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ネオヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、シクロペンタン等が挙げられる。
【0048】
ハイドロフルオロカーボンとしては、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)、及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC4310mee)、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等が挙げられる。
【0049】
他の発泡剤は、上記の通りであるが、本発明に係る発泡剤は、ハロゲン化オレフィンと水とからなることが好ましい。本発明のポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物において、水の含有量は、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは3~7質量部、より好ましくは3.5~6.5質量部、更に好ましくは4~6質量部である。
【0050】
整泡剤は、ノニオン系、アニオン系及びカチオン系のいずれの化合物でもよいが、ノニオン系整泡剤を含むことが好ましい。用いられる整泡剤は、1種のみでも、2種以上でもよい。
具体的な整泡剤としては、オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサンオキシアルキレン共重合体等のシリコーン系化合物や、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸エステル、ラウリル脂肪酸エチレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0051】
本発明において、整泡剤は、シリコーン系化合物を含むことが好ましい。
本発明のポリオール組成物が整泡剤を含有する場合、その含有量は、ポリオール組成物を構成する全てのポリオール成分の合計を100質量部とすると、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは1~7質量部、更に好ましくは2~5質量部である。
【0052】
相溶化剤としては、ノニオン系界面活性剤、プロピレンカーボネート等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルエーテル等が挙げられる。
【0053】
難燃剤としては、有機リン酸エステル、リン酸塩、スズ酸塩、ハロゲン化合物(有機リン酸エステルを除く)、ホウ素化合物、金属水酸化物、赤リン、リン酸エステルアミド、ホスホニトリル化合物、有機ホスホン酸化合物、有機ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、トリアジン化合物、環状モノウレイド、環状ジウレイド、アミジン化合物等が挙げられる。用いられる難燃剤は、1種のみでも、2種以上でもよい。
【0054】
本発明のポリオール組成物を製造する方法は、所定の原料を混合する方法とすることができ、特に限定されない。
【0055】
本発明のポリウレタンフォーム用組成物は、上記本発明のポリオール組成物と、発泡剤と、ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物とが組み合わされてなる組成物である。
【0056】
本発明に係るポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートを含む一方、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応しない成分を含んでもよい組成物である。尚、このポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートのみからなるものであってもよい。
【0057】
ポリイソシアネートは、ポリオール組成物中のポリオール成分と反応することにより、ポリウレタン(樹脂)を生成させるものであり、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である。
【0058】
ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体又はカルボジイミド変性体等が挙げられる。ポリイソシアネート組成物に含まれるポリイソシアネートは、1種のみでも2種以上でもよい。
【0059】
芳香族ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0060】
本発明において、ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートを含むことが好ましい。
ポリイソシアネート組成物を構成するポリイソシアネートの合計に対する、芳香族ポリイソシアネートの含有割合の下限は、好ましくは80質量%、より好ましくは90質量%である。
【0061】
ポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート以外に、上記本発明のポリオール組成物に含まれてもよいとした他の成分のうち、発泡剤等の、ポリイソシアネートと反応しない成分を含有することができる。
【0062】
本発明に係るポリイソシアネート組成物に含まれるポリイソシアネートは、ポリオール組成物に含まれるポリオール成分と反応して、被着体への接着性に優れる発泡体を与える成分であり、本発明のポリウレタンフォーム用組成物におけるポリオール及びポリイソシアネートの間には、好ましい含有割合がある。本発明においては、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール成分のヒドロキシ基との当量比(NCO/OH)が、好ましくは70~400、より好ましくは100~250、更に好ましくは120~200となるように、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物が構成される。
【0063】
本発明のポリウレタンフォーム用組成物を製造する方法は、少なくとも、ポリオール成分、触媒、発泡剤及びポリイソシアネートが含まれるように、原料を混合する方法であれば、特に限定されない。原料を混合する場合には、例えば、高速撹拌機、衝突混合機等を用いることができる。
【0064】
本発明において、例えば、いずれも5℃~15℃の間で一定温度とした、ポリオール成分、触媒及び発泡剤を含有するポリオール組成物と、ポリイソシアネート組成物とを混合してポリウレタンフォーム用組成物とする場合、混合開始から発泡が開始されるまでの時間であるクリームタイムを、好ましくは7秒以下、より好ましくは3~6秒間とすることができる。また、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物の混合開始から、増粘が起こってゲル強度が出始めるまでの時間であるゲルタイムを、好ましくは4~15秒間、より好ましくは5~13秒間とすることができる。更に、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物の混合開始から発泡が終了するまでの時間であるライズタイムを、好ましくは6~20秒間、より好ましくは8~17秒間とすることができる。
【0065】
本発明のポリウレタンフォーム用組成物を、例えば、被着体に塗布してその表面で発泡・硬化させた場合には、被着体への接着性に優れた発泡体を得ることができる。また、本発明の発泡体は、独立気泡率の高い硬質発泡体(硬質ポリウレタンフォーム)であり、例えば、断熱材として好適に用いることができる。
【0066】
本発明の発泡体を製造する方法は、特に限定されず、用途に応じて、従来、公知の方法を適用することができる。例えば、ポリウレタンフォーム用組成物を被着体に塗工し、板状に発泡・硬化させるラミネート連続発泡法;ポリウレタンフォーム用組成物を被着体における所定の空間部に注入して、発泡・硬化させる注入発泡法;ポリウレタンフォーム用組成物を、スプレーガンを用いて被着体に吹き付けて発泡・硬化させるスプレー発泡法等が挙げられる。尚、発泡剤が、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物のいずれにも含有されずに、スプレー発泡法を採用する場合には、現場において、発泡機等により、予め、全ての原料を混合してポリウレタンフォーム用組成物が調製される。また、形成される発泡体が当接する被着面の構成材料は、特に限定されず、無機材料(金属、無機化合物等)、有機材料(高分子等)又はこれらを含む複合材料とすることができる。
被着体の表面に厚肉のポリウレタンフォーム層を形成する場合には、塗り重ねが容易なスプレー発泡法が好ましく適用される。
【実施例0067】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。尚、下記の記載において、「部」及び「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
【0068】
1.組成物の製造原料
実施例及び比較例で用いたポリウレタンフォーム用組成物の原料を以下に示す。
【0069】
1-1.ポリオール
1-1-1.芳香族ポリエステルポリオール
(1)無水フタル酸系ポリエステルポリオール(O-芳香族エステル)
エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル社製「マキシモールRDK-133」(商品名)を用いた。芳香族濃度は23%である。
(2)テレフタル酸系ポリエステルポリオール(P-芳香族エステル)
エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル社製「マキシモールRFK-505」(商品名)を用いた。芳香族濃度は22%である。
【0070】
1-1-2.脂肪族ポリエステルポリオール
エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル社製コハク酸系ポリエステルポリオール「マキシモールSDK-145」(商品名)を用いた。芳香族濃度は0%である。
【0071】
1-1-3.アミン系ポリオール
(1)エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール1
AGC社製「EXCENOL 750ED」(商品名)を用いた。開始剤に付加されたアルキレンオキサイドの100質量%がプロピレンオキシドである。
(2)エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール2
AGC社製「EXCENOL 500ED」(商品名)を用いた。開始剤に付加されたアルキレンオキサイドの100質量%がプロピレンオキシドである。
【0072】
1-2.触媒
1-2-1.芳香族第1級アミン
2,6-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン(DETDA)又は4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタンを用いた。
1-2-2.芳香族第2級アミン
4,4’-メチレンビス[N-(1-メチルプロピル)アニリン]を用いた。
1-2-3.脂肪族1級アミン
テトラエチレンペンタミンを用いた。
1-2-4.三量化触媒
日本化学産業社製オクチル酸カリウム「プキャット15G」(商品名)又は花王社製第四級アンモニウム塩「カオーライザーNo.420」(商品名)を用いた。
【0073】
1-2-5.樹脂化触媒
(1)イミダゾール系触媒
花王社製「カオーライザーNo.350」(商品名)を用いた。
(2)3級アミン
エボニック・ジャパン社製N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン「ポリキャット12」(商品名)を用いた。
(3)カルボン酸金属塩
東栄化工社製オクチル酸鉛「ヘキソエート鉛20%」(商品名)を用いた。
【0074】
1-3.整泡剤
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製シリコーン系整泡剤「NiaxTM Silicone L-6100」(商品名)を用いた。
【0075】
1-4.難燃剤(TCPP)
ワンシャン社製有機リン酸エステル「トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート」(商品名)を用いた。
【0076】
1-5.発泡剤
(1)ハロゲン化オレフィン1
Honeywell社製1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン「HCFO-1233zd」(商品名)を用いた。
(2)ハロゲン化オレフィン2
Chemours社製1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン「HFO-1336mzz」(商品名)を用いた。
(3)水
【0077】
1-6.ポリイソシアネート
万華化学ジャパン社製ポリメリックMDI「Wannate PM-130」(商品名)を用いた。
【0078】
2.ポリウレタンフォーム用組成物の製造及び評価
上記の原料を用いて、ポリウレタンフォーム用組成物を製造した。その後、該組成物を用いて発泡体を作製し、各種評価を行った。
【0079】
実施例1
100部のO-芳香族エステルと、1部の芳香族第1級アミン「DETDA」と、1.5部のオクチル酸カリウム(三量化触媒)と、2部のイミダゾール系触媒と、1.5部の3級アミンと、1部のオクチル酸鉛と、2部の整泡剤と、20部の難燃剤と、30部のハロゲン化オレフィン1と、4部の水とを撹拌、混合し、ポリオール組成物を得た(表1参照)。
その後、得られたポリオール組成物(合計167部)と、ポリイソシアネート167部とを撹拌、混合して、ポリウレタンフォーム用組成物を得た。
【0080】
次に、得られたポリウレタンフォーム用組成物を用いて、JIS A 9526(2022)に準ずる方法、即ち、ポリウレタンフォーム用組成物をコンクリート板に吹き付けて硬化させることにより発泡体(ポリウレタンフォーム)を製造した。その後、コンクリート板への発泡体の接着性の評価を行った。また、形成された発泡体から、所定サイズの試験片を作製し、寸法安定性の評価を行った。更に、ポリウレタンフォーム用組成物の貯蔵安定性についても評価した。これらの結果を表1に併記した。
【0081】
(1)接着性
0℃及び10℃の各温度雰囲気下、コンクリート板にポリウレタンフォーム用組成物の吹き付けを行い、3分経過後に、コンクリート板からはみ出した発泡体端部を、コンクリート板に沿ってカッターで切断し、コンクリート板と発泡体との接着面付近の剥離状態を目視で観察して、下記基準から、接着性を評価した。
◎:両温度でコンクリート板からの発泡体の剥離が認められなかった。
〇:10℃ではコンクリート板からの発泡体の剥離が認められないが、0℃では発泡体の剥離が接着面積の30%未満で認められた。
△:10℃ではコンクリート板からの発泡体の剥離が認められないが、0℃では発泡体の剥離が接着面積の30%以上で認められた。
×:10℃ではコンクリート板からの発泡体の剥離が接着面積の30%以上で認められ、0℃では発泡体の剥離が接着面積の30%以上で認められた。
【0082】
(2)寸法安定性
100mm(縦)×100mm(横)×25mm(厚さ)のサイズとした試験片を、-30℃の環境下、48時間静置し、その後、-30℃の試験片の縦、横及び厚さの寸法をノギスで測定し、その測定値を用いて、下記式から平均寸法変化率(収縮率)を算出し、下記基準で寸法安定性を評価した。
寸法変化率(%)=〔((試験後の寸法)-(試験前の寸法))/(試験前の寸法)〕
×100
◎:寸法変化率が-3%~+3%であった。
○:寸法変化率が-5%以上-3%未満又は+3%を超えて+5%以下であった。
△:寸法変化率が-10%以上-5%未満又は+5%を超えて+10%以下であった。
×:寸法変化率が-10%未満又は+10%を超えた。
【0083】
(3)貯蔵安定性
表1に示す実施例1の合計167部のポリオール組成物(以下、「A液」という)と、167部のポリイソシアネート(以下、「B液」という)とを、それぞれ、耐圧容器に入れて、60℃に保持された恒温槽内にて120時間静置した。その後、A液及びB液を均一に混合する貯蔵安定性試験を行い、混合開始から発泡が終了するまでの各段階の反応時間(クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイム)を測定した。この測定されたクリームタイム(ゲルタイム、ライズタイム)と、恒温槽内での静置を経ることなく混合されて、測定されたクリームタイム(ゲルタイム、ライズタイム)とを比較した。
◎:クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイムの時間の変化量が、いずれも2秒以内であった。
○:クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイムの時間の変化量が、少なくとも1つが2秒を超え、いずれも3秒以内であった。
△:クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイムの時間の変化量が、少なくとも1つが3秒を超え、いずれも5秒以内であった。
×:クリームタイム、ゲルタイム及びライズタイムの少なくとも1つが5秒を超えた。
【0084】
実施例2~16及び比較例1~5
原料の種類及び使用量を表1、表2及び表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリウレタンフォーム用組成物及びポリウレタンフォームを製造した。その後、各種評価を行った(表1~表3参照)。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
表1~表3から以下のことが分かる。
実施例1~16は、本発明の構成を有するポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物の例であり、コンクリートへの接着性に優れ、-30℃の環境下で収縮が抑制され寸法安定性に優れる発泡体を得ることができた。また、組成物の貯蔵安定性にも優れていた。一方、比較例1は、芳香族第1級アミン又は芳香族第2級アミンを含有しないポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物を用いた例であり、得られた発泡体の接着性及び寸法安定性が十分ではなかった。比較例2は、芳香族第1級アミン又は芳香族第2級アミンに代えて脂肪族第1級アミンを含有するポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物を用いた例であり、貯蔵安定性が十分ではなく、得られた発泡体の寸法安定性も十分ではなかった。比較例3及び4は、芳香族ポリエステルポリオールの代わりに脂肪族ポリエステルポリオールを含有するポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物用いた例であり、得られた発泡体は、コンクリートへの接着性及び寸法安定性が十分ではなかった。また、比較例5は、触媒としてイミダゾール化合物を含有しないポリオール組成物を含むポリウレタンフォーム用組成物を用いた例であり、得られた発泡体は、コンクリートへの接着性及び寸法安定性が十分ではなかった。
本発明のポリウレタンフォーム用組成物は、建築物の内外壁材、パネル等における断熱、金属サイディング、冷蔵庫等における断熱、ビル、マンション、冷凍倉庫等の躯体壁面、天井、屋根等における断熱又は結露防止、輸液パイプ等の断熱に用いる発泡体形成に好適である。本発明のポリウレタンフォーム用組成物は、例えば、コンクリート等からなる被着部への高い接着性が要求される用途に、特に有用である。