(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010956
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】成形型ユニット
(51)【国際特許分類】
H02K 15/0414 20250101AFI20250116BHJP
H02K 15/04 20250101ALI20250116BHJP
【FI】
H02K15/04 A
H02K15/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113281
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】中川 修
【テーマコード(参考)】
5H615
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB02
5H615BB05
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP14
5H615QQ03
5H615QQ06
5H615QQ12
5H615SS04
5H615SS10
(57)【要約】
【課題】複数の成形型を容易かつ迅速に交換可能にしてセグメントコイルの製造における生産性をより向上させる。
【解決手段】成形型ユニットは、ベース部材と、ベース部材に固定された固定型と、第1方向に沿って固定型に対して接近離間可能となるようにベース部材により支持され、固定型と協働して線材に第1曲げ方向の曲げ部を成形する第1可動型と、第1方向と直交する第2方向に沿って固定型に対して接近離間可能となるようにベース部材により支持され、固定型と協働して線材に第2曲げ方向の曲げ部を成形する第2可動型と、ベース部材により第2方向に沿って移動自在に支持され、線材の固定型並びに第1、第2可動型から両側に突出する部分を折り曲げる一対の線材曲げ部材とを含み、第1、第2可動型並びに一対の線材曲げ部材は、成形型ユニットの配置スペースに設置された対応する駆動装置に連結される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状の線材に複数の曲げ部を成形してセグメントコイルを製造するための成形型ユニットであって、
ベース部材と、
前記ベース部材に固定された固定型と、
第1方向に沿って前記固定型に対して接近離間可能となるように前記ベース部材により移動自在に支持され、前記固定型と協働して前記線材に第1曲げ方向の前記曲げ部を成形する第1可動型と、
前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記固定型に対して接近離間可能となるように前記ベース部材により移動自在に支持され、前記固定型と協働して前記線材に第2曲げ方向の前記曲げ部を成形する第2可動型と、
前記ベース部材により前記第2方向に沿って移動自在に支持され、前記線材の前記固定型並びに前記第1および第2可動型から両側に突出する部分を折り曲げる一対の線材曲げ部材とを備え、
前記第1および第2可動型並びに前記一対の線材曲げ部材は、前記成形型ユニットの配置スペースに設置された対応する駆動装置に連結される成形型ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直線状の線材に複数の曲げ部を成形してセグメントコイルを製造するための成形型ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直線状の導体線を成形してコイルエンド部の両側に一対の直線状脚部を有するステータコイルのセグメントコイルを成形するコイル成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このコイル成形装置は、コイルエンド部の成形面を有する固定型と、固定型の成形面と協働する成形面を有する可動型と、コイルエンド部および直線状脚部の成形時に導体線を支持する支持部を有し、可動型と独立に移動可能な一対の成形ピンと、固定型の成形面を挟んでその両側に回動可能に配置される一対の曲げ型とを含む。更に、当該コイル成形装置は、成形ピン送り機構と、可動型駆動機構と、曲げ型駆動機構とを含む。成形ピン送り機構は、一対の成形ピンを、支持部上に導体線が供給される供給位置から、固定型の成形面に導体線を押付保持する成形位置へ、可動型の移動方向と直交する方向に移動させる。可動型駆動機構は、一対の成形ピンが成形位置にあるときに、可動型を駆動して一対の成形ピン間に位置する導体線を加工させる。曲げ型駆動機構は、可動型駆動機構と連動して、一対の曲げ型を一対の成形ピン周りに回動させて、直線状脚部を曲げ加工する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ステータコイルは、互いに異なる形状を有する複数種類のセグメントコイルにより形成され、ステータコイルのサイズが変われば、セグメントコイルのサイズや形状も変化する。このため、コイル成形装置の製造対象となるセグメントコイルが変更になった場合には、当該コイル成形装置を継続して可動させるために、少なくとも固定型および可動型を交換する必要がある。しかしながら、上記従来のコイル成形装置は、極めて複雑な構造を有しており、固定型や可動型等の交換に手間と時間とを要する。
【0005】
そこで、本開示、複数の成形型を容易かつ迅速に交換可能にしてセグメントコイルの製造における生産性をより向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の成形型ユニットは、直線状の線材に複数の曲げ部を成形してセグメントコイルを製造するための成形型ユニットであって、ベース部材と、前記ベース部材に固定された固定型と、第1方向に沿って前記固定型に対して接近離間可能となるように前記ベース部材により移動自在に支持され、前記固定型と協働して前記線材に第1曲げ方向の前記曲げ部を成形する第1可動型と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記固定型に対して接近離間可能となるように前記ベース部材により移動自在に支持され、前記固定型と協働して前記線材に第2曲げ方向の前記曲げ部を成形する第2可動型と、前記ベース部材により前記第2方向に沿って移動自在に支持され、前記線材の前記固定型並びに前記第1および第2可動型から両側に突出する部分を折り曲げる一対の線材曲げ部材とを含み、前記第1および第2可動型並びに前記一対の線材曲げ部材が、前記成形型ユニットの配置スペースに設置された対応する駆動装置に連結されるものである。
【0007】
本開示の成形型ユニットによれば、複数の成形型を容易かつ迅速に交換可能にしてセグメントコイルの製造における生産性をより向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の成形型ユニットを示す斜視図である。
【
図2】本開示の成形型ユニットを用いて製造されるセグメントコイルの一例を示す平面図である。
【
図3】本開示の成形型ユニットを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示の成形型ユニット10を示す斜視図である。同図に示す成形型ユニット10は、
図2に例示するセグメントコイル1を製造するのに用いられる。セグメントコイル1は、当該セグメントコイル1とは異なる形状をもった図示しない他の複数のセグメントコイルと共に、電気自動車(BEV)やハイブリッド車両(HEV,PHEV)の走行駆動源および/または発電機として用いられる三相交流電動機のステータ(図示省略)に含まれるステータコイルを形成するものである。
【0011】
図2に示すように、セグメントコイル1は、それぞれ直線状に延在する2つ(一対)の脚部2,3と、当該2つの脚部2,3を繋ぐ渡り線部4と、渡り線部4に形成された凸部5およびクランク部6とを含む。セグメントコイル1の脚部2,3は、ステータコアの互いに異なるスロットに差し込まれる。そして、ステータコアに組み付けられた複数のセグメントコイル1等の対応する脚部2,3の先端部同士を電気的接合(溶接)することで複数(3つ)のステータコイルが形成される。
【0012】
本実施形態において、セグメントコイル1は、例えばエナメル樹脂等からなる絶縁被膜が表面に成膜された断面矩形状の線材である平角線(例えば銅線等の導電材)を成形型ユニット10を用いて略U字状に曲げ加工することにより形成される。
図2に示すように、セグメントコイル1は、成形型ユニット10によりフラットワイズ方向(第1曲げ方向)に曲げられた複数のフラットワイズ曲げ部f1およびf2と、成形型ユニット10によりエッジワイズ方向(第2曲げ方向)に曲げられた複数のエッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4,e5およびe6とを含む。フラットワイズ方向は、平角線の断面の長辺と略直交する方向であり、エッジワイズ方向は、平角線の断面の短辺と略直交する方向である。
図2に示すように、フラットワイズ曲げ部f1およびf2により渡り線部4のクランク部6が形成される。また、エッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4により渡り線部4の凸部5が形成される。更に、エッジワイズ曲げ部e5は、一方の脚部2と渡り線部4とを繋ぐ肩部を形成し、エッジワイズ曲げ部e6は、他方の脚部3と渡り線部4とを繋ぐ肩部を形成する。
【0013】
成形型ユニット10は、
図1に示すように、ベースプレート11および支持フレーム12を含むベース部材15と、固定型20と、第1可動型30と、第2可動型40と、一対の線材曲げ部材50とを含む。ベース部材15のベースプレート11は、金属により平板状に形成されている。支持フレーム12は、金属により形成されており、
図1におけるz軸方向に延在するようにベースプレート11上に固定される。
【0014】
固定型20は、
図3に示すように、平角線にフラットワイズ曲げ部f1およびf2を成形すると共に上記渡り線部4を湾曲させるためのフラットワイズ成形面21と、平角線にエッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4,e5およびe6を成形するためのエッジワイズ成形面22とを有する。フラットワイズ成形面21は、フラットワイズ曲げ部f1,f2の成形部が部分的に凸になっている凹面である、ただし、フラットワイズ成形面21は、フラットワイズ曲げ部f1,f2の成形部が部分的に凹んだ凸面であってもよい。エッジワイズ成形面22は、エッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4,e5およびe6に対応した複数の曲面を含む。固定型20は、フラットワイズ成形面21が上方を向くようにベースプレート11の表面(上面)に固定される。これにより、固定型20のフラットワイズ成形面21は、
図1および
図3におけるxy平面に沿って延在する。また、エッジワイズ成形面22は、
図1および
図3におけるz軸方向に延びると共にxy平面と交差。
【0015】
第1可動型30は、
図3に示すように、平角線にフラットワイズ曲げ部f1およびf2を成形すると共に上記渡り線部4を湾曲させるためのフラットワイズ成形面31を含む。フラットワイズ成形面31は、フラットワイズ曲げ部f1,f2の成形部が部分的に凹んだ凸面である、ただし、フラットワイズ成形面31は、フラットワイズ曲げ部f1,f2の成形部が部分的に凸になっている凹面であってもよい。第1可動型30は、
図1および
図3におけるz軸方向(第1方向)に沿ってベースプレート11上の固定型20に対して接近離間可能となるようにベース部材15の支持フレーム12により移動自在に支持される。すなわち、支持フレーム12には、
図1に示すように、スライダ34をz軸方向すなわち上下方向(本実施形態では、鉛直方向)に摺動自在に支持する直動ガイド35が固定されており、第1可動型30は、フラットワイズ成形面31が固定型20のフラットワイズ成形面21と対向するようにスライダ34に固定される。
【0016】
第2可動型40は、平角線にエッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4を成形するためのエッジワイズ成形面42を含む。第2可動型40は、
図1および
図3におけるz軸方向と直交するx軸方向(第2方向)に沿ってベースプレート11上の固定型20に対して接近離間可能となるように当該ベースプレート11により移動自在に支持される。すなわち、ベースプレート11には、
図1に示すように、スライダ44をx軸方向に摺動自在に支持する図示しない直動ガイドが固定されており、第2可動型40は、エッジワイズ成形面42が固定型20のエッジワイズ成形面22と対向するように当該スライダ44に固定される。これにより、第2可動型40のエッジワイズ成形面42は、
図1および
図3におけるz軸方向に延びると共にxy平面と交差。
【0017】
一対の線材曲げ部材50は、固定型20のエッジワイズ成形面22と共に平角線にエッジワイズ曲げ部e5,e6を成形する成形ローラ51をそれぞれ含む。各線材曲げ部材50は、成形ローラ51がベースプレート11上の固定型20の対応する側部に対して接近離間可能となるように当該ベースプレート11により移動自在に支持される。すなわち、ベースプレート11には、
図1に示すように、それぞスライダ54をx軸方向に摺動自在に支持する一対の直動ガイド55が固定されており、各線材曲げ部材50は、成形ローラ51が固定型20のエッジワイズ成形面22の対応する部分(側面)と対向するように当該スライダ54に固定される。
【0018】
上述のように構成される成形型ユニット10は、工場のセグメントコイル製造ステーション(配置スペース)のユニット固定箇所に固定される。また、
図3に示すように、成形型ユニット10の第1可動型30は、セグメントコイル製造ステーションに設置された駆動装置としての第1アクチュエータ300に連結される。第1アクチュエータ300は、例えば流体圧シリンダあるいは電動モータ等を含むものであり、第1可動型30を
図1および
図3におけるz軸方向に進退移動させる。更に、成形型ユニット10の第2可動型40は、セグメントコイル製造ステーションに設置された駆動装置としての第2アクチュエータ400に連結される。第2アクチュエータ400は、例えば流体圧シリンダあるいは電動モータ等を含むものであり、第2可動型40を
図1および
図3におけるx軸方向に進退移動させる。
【0019】
また、成形型ユニット10の一対の線材曲げ部材50は、セグメントコイル製造ステーションに設置された駆動装置としての第3アクチュエータ500に連結される。第3アクチュエータ500は、例えば流体圧シリンダあるいは電動モータ等を含むものであり、一対の線材曲げ部材50を
図1および
図3におけるx軸方向に進退移動させる。第1、第2および第3アクチュエータ300,400,500は、何れも図示しない制御装置により制御される。なお、第2および第3アクチュエータ400,500の代わりに、第2可動型40と一対の線材曲げ部材50とを連動してx軸方向に進退移動させるアクチュエータ(駆動装置)がセグメントコイル製造ステーションに設置されてもよい。
【0020】
成形型ユニット10を用いたセグメントコイル1の製造に際して、図示しない制御装置は、第1可動型30をz軸方向に沿って初期位置から所定距離だけ固定型20に接近させるように第1アクチュエータ300を制御し、フラットワイズ成形面21および31を平角線の短辺方向の厚みよりも大きい所定の間隔をおいて対向させる。また、制御装置は、平角線をフラットワイズ成形面21および31の間に供給するように図示しない線材供給装置を制御する。更に、制御装置は、第1可動型30をz軸方向に沿って固定型20に更に接近させるように第1アクチュエータ300を制御する。これにより、固定型20のフラットワイズ成形面21と第1可動型30のフラットワイズ成形面31との協働により、直線状の平角線にフラットワイズ曲げ部f1およびf2が成形されると共に、当該平角線の渡り線部4に対応した部分が湾曲させられる。本実施形態において、第1アクチュエータ300は、フラットワイズ成形面21および31のフラットワイズ曲げ部f1およびf2(クランク部6)の成形部(荷重中心)の真上に位置するように配置されている。これにより、固定型20および第1可動型30の撓みによるフラットワイズ曲げ部f1およびf2(クランク部6)の成形精度の悪化を良好に抑制することができる。
【0021】
次いで、制御装置は、平角線(クランク部6)が固定型20および第1可動型30により保持された状態(絶縁皮膜が引き摺られない状態)で、第2可動型40をx軸方向に沿って初期位置から所定距離だけ固定型20に接近させるように第2アクチュエータ400を制御する。これにより、第2可動型40のエッジワイズ成形面42が固定型20のフラットワイズ成形面21と第1可動型30のフラットワイズ成形面31とのz軸方向における隙間に侵入する。そして、第2可動型40のエッジワイズ成形面42と固定型20のエッジワイズ成形面22との協働により、平角線にエッジワイズ曲げ部e1,e2,e3およびe4が成形される。本実施形態において、第2アクチュエータ400は、エッジワイズ成形面22および42の加工中心(荷重中心)と正対するように配置されている。これにより、固定型20および第2可動型40の撓みによるエッジワイズ曲げ部e1,e2,e3およびe4の成形精度の悪化を良好に抑制することができる。
【0022】
更に、制御装置は、平角線が固定型20並びに第1および第2可動型30,40により保持された状態で、一対の線材曲げ部材50をx軸方向に沿って固定型20に接近する方向に所定距離だけ移動させるように第3アクチュエータ500を制御する。これにより、各線材曲げ部材50は、平角線の固定型20並びに第1および第2可動型30,40から両側に突出する部分の対応する一方を折り曲げ、平角線の端部を固定型20のエッジワイズ成形面22(側面)に押し付けていく。この結果、平角線にエッジワイズ曲げ部e5,e6、すなわち直線状に延びる2つの脚部2,3が形成され、1つのセグメントコイル1の製造が完了する。本実施形態において、第3アクチュエータ500は、エッジワイズ成形面22および一対の線材曲げ部材50の加工中心(荷重中心)と正対するように配置されている。これにより、固定型20および一対の線材曲げ部材50の撓みによるエッジワイズ曲げ部e5,e6の成形精度の悪化を良好に抑制することができる。
【0023】
以上説明したように、成形型ユニット10は、直線状の平角線(線材)に複数のフラットワイズ曲げ部f1,f2および複数のエッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4,e5,e6を成形してセグメントコイル1を製造するのに用いられるものであり、ベース部材15と、固定型20と、第1可動型30と、第2可動型40と、一対の線材曲げ部材50とを含む。固定型20は、ベース部材15のベースプレート11に固定される。第1可動型30は、z軸方向(第1方向)に沿って固定型20に対して接近離間可能となるようにベース部材15の支持フレーム12により移動自在に支持される。第2可動型40は、z軸方向と直交するx軸方向(第2方向)に沿って固定型20に対して接近離間可能となるようにベース部材15のベースプレート11により移動自在に支持される。一対の線材曲げ部材50は、ベース部材15のベースプレート11によりx軸方向に沿って移動自在に支持される。そして、第1および第2可動型30,40並びに一対の線材曲げ部材50は、成形型ユニット10の配置スペースであるセグメントコイル製造ステーションに設置された対応する第1,第2または第3アクチュエータ300,400,500に連結される。第1可動型30は、対応する駆動装置に駆動され、固定型20と協働して平角線にフラットワイズ方向(第1曲げ方向)のフラットワイズ曲げ部f1,f2を成形する。第2可動型40は、対応する駆動装置に駆動され、固定型20と協働して平角線にエッジワイズ方向(第2曲げ方向)エッジワイズ曲げ部e1,e2,e3,e4を成形する。一対の線材曲げ部材50は、対応する駆動装置に駆動され、それぞれ平角線の固定型20並びに第1および第2可動型30,40から両側に突出する部分の対応する一方を折り曲げる。
【0024】
これにより、上記ステータコイルを形成するセグメントコイル1や他のセグメントコイルごとに、成形型ユニット10を用意しておくことで、コイル製造ステーションの製造対象が上記セグメントコイル1から他のセグメントコイルに変更になったときに、成形型ユニット10を交換(段替え)することで、固定型20、第1および第2可動型30、一対の線材曲げ部材50といった複数の成形型を容易かつ迅速に一括して交換することができるので、セグメントコイル1等の製造における生産性をより向上させることが可能になる。また、成形型ユニット10を含む製造設備では、固定型20、第1および第2可動型30,40並びに一対の線材曲げ部材50の撓みの影響を良好に低減することできるので、セグメントコイル1の成形精度を良好に確保すると共に、特に可動型の撓みを抑制する支持構造を簡略化して設備の小型化を図ることができる。
【0025】
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本開示の発明は、セグメントコイルの製造産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 セグメントコイル、10 成形型ユニット、15 ベース部材、20 固定型、21,31 フラットワイズ成形面、22,42 エッジワイズ成形面、30 第1可動型、40 第2可動型、50 線材曲げ部材、51 成形ローラ、300 第1アクチュエータ、400 第2アクチュエータ、500 第3アクチュエータ、e1,e2,e3,e4,e5,e6 エッジワイズ曲げ部、f1,f2 フラットワイズ曲げ部。