(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010963
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】保冷バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/20 20060101AFI20250116BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A45C11/20 F
A45C13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113292
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】大塚 裕之
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CA01
3B045CD03
3B045EA02
3B045EB11
3B045FC02
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC02
(57)【要約】
【課題】真空断熱パネルを備える保冷バッグにおいて、真空断熱パネルの耐衝撃性を高める。
【解決手段】
保冷バッグ1は、袋体2と、断熱ユニット4とを備える。袋体2は、第1断熱材28cが内包された外袋28と、防水性を有し外袋28の内側で収納空間を形成する防水袋30とを有する。防水袋30は、外袋28の内側で収納空間を形成する。断熱ユニット4は、外袋28と防水袋30との間に着脱可能に装着される。断熱ユニット4は、真空断熱パネル41と、真空断熱パネル41の周縁41cを覆う第1保護部材42と、真空断熱パネル41の外側面41aを覆う第2保護部材43と、真空断熱パネル41の内側面41bを覆う第3保護部材43と、第1~第3保護部材42~44を収納する収納袋46とを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1断熱材が内包された外袋と、防水性を有し前記外袋の内側で収納空間を形成する防水袋と、を有する袋体と、
真空断熱パネルと、前記真空断熱パネルの周縁を覆う第1保護部材と、前記真空断熱パネルの外側面を覆う第2保護部材と、前記真空断熱パネルの内側面を覆う第3保護部材と、前記第1~第3保護部材を収納する収納袋とを有し、前記外袋と前記防水袋の間に着脱可能に装着される断熱ユニットと、
を備える、
保冷バッグ。
【請求項2】
前記断熱ユニットは、面ファスナーを介して前記袋体に着脱可能に装着される、
請求項1に記載の保冷バッグ。
【請求項3】
前記袋体は、前記外袋と前記防水袋の間に配置され、第2断熱材が内包された内袋をさらに有し、
前記断熱ユニットは、前記外袋と前記内袋の間に着脱可能に装着される、
請求項1又は2に記載の保冷バッグ。
【請求項4】
前記第2保護部材と前記第3保護部材のうち少なくとも一方は、断熱部材である、
請求項1又は2に記載の保冷バッグ。
【請求項5】
前記袋体は、第1底面と第2底面とを有する底部と、前記第1底面と前記第2底面とを継ぎ合わせる継ぎ合わせ部とを有し、
継ぎ合わせ部は、前記底部の中央に位置する、
請求項1又は2に記載の保冷バッグ。
【請求項6】
前記断熱ユニットは、前記第2保護部材及び前記第3保護部材の少なくとも一方を前記真空断熱パネルとともに挟んで配置される芯部材をさらに有する、
請求項1又は2記載の保冷バッグ。
【請求項7】
前記袋体は、底部と、前記底部から起立する対向する二つの側部とを有し、
前記断熱ユニットは、前記底部と、前記二つの側部とに配置される、
請求項1又は2に記載の保冷バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空断熱パネルを備える保冷バッグが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
真空断熱パネルを備える保冷バッグにおいて、真空断熱パネルの断熱性能を維持するには、真空断熱パネルを衝撃から保護して、真空断熱パネルの損傷を防止することが好ましい。
【0005】
本発明の課題は、真空断熱パネルを備える保冷バッグにおいて、真空断熱パネルの耐衝撃性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点の保冷バッグは、袋体と、断熱ユニットとを備える。袋体は、第1断熱材が内包された外袋と、防水性を有し外袋の内側で収納空間を形成する防水袋とを有する。断熱ユニットは、外袋と防水袋との間に着脱可能に装着される。断熱ユニットは、真空断熱パネルと、真空断熱パネルの周縁を覆う第1保護部材と、真空断熱パネルの外側面を覆う第2保護部材と、真空断熱パネルの内側面を覆う第3保護部材と、第1~第3保護部材を収納する収納袋とを有する。
【0007】
この保冷バッグでは、真空断熱パネルの外面が第1~第3保護部材によって全体的に覆われるので、真空断熱パネルの耐衝撃性を高めることができる。さらに第1断熱材によって断熱ユニットの耐衝撃性を高めることができる。また、断熱ユニットは、外袋と防水袋との間に着脱可能に装着されるので、例えば、袋体を製造した後で、断熱ユニットを袋体に装着できる。このため、保冷バッグの生産性が向上する。また、袋体から断熱ユニットを取り外すことができるので、袋体を折りたたんだ状態で保冷バッグを保管することが可能になるとともに、保冷バッグのメンテナンスがしやすい。
【0008】
本発明の第1観点に従う第2観点の保冷バッグの断熱ユニットは、面ファスナーを介して袋体に着脱可能に装着される。この場合は、保冷バッグにおいて、断熱ユニットを容易に着脱できる。
【0009】
本発明の第1観点又は第2観点に第3観点の保冷バッグの袋体は、外袋と防水袋の間に配置され、第2断熱材が内包された内袋をさらに有し、断熱ユニットは、外袋と内袋の間に着脱可能に装着される。この場合は、断熱ユニットが第1断熱材と第2断熱材の間に配置されることになるので、断熱ユニットの耐衝撃性をさらに高めることができる。
【0010】
本発明の第1観点から第3観点のいずれか1つに従う第4観点の保冷バッグの第2保護部材と第3保護部材のうち少なくとも一方は、断熱部材である。この場合は、保冷バッグの保冷効果を高めることができる。
【0011】
本発明の第1から第4観点のいずれか1つに従う第5観点の保冷バッグの袋体は、第1底面と第2底面とを有する底部と、第1底面と第2底面とを継ぎ合わせる継ぎ合わせ部とを有し、継ぎ合わせ部は、底部の中央に位置する。この場合は、継ぎ合わせ部が袋体2の内側から袋体2の外側に水分を排出させるための水抜きとして機能する。
【0012】
本発明の第1観点から第5観点のいずれか1つに従う第6観点の保冷バッグの断熱ユニットは、第2保護部材及び第3保護部材の少なくとも一方を真空断熱パネルとともに挟んで配置される芯部材をさらに有する。この場合は、断熱ユニットに曲げ力が作用して真空断熱パネルが損傷することを芯部材の剛性によって防止することができる。
【0013】
本発明の第1観点から第6観点のいずれか1つに従う第7観点の保冷バッグの袋体は、底部と、底部から起立する対向する二つの側部とを有し、断熱ユニットは、袋体の底部と、袋体の二つの側部とに配置される。この場合は、保冷バッグの保冷効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、真空断熱パネルを備える保冷バッグにおいて、真空断熱パネルの耐衝撃性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図6】防水袋の表地と裏地との着脱を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1から
図5に示すように、本発明の一実施形態を採用した保冷バッグ1は、袋体2と、断熱ユニット4とを備えている。
【0017】
袋体2は、柔軟性を有している。袋体2は、上部21と、底部22と、前側部23と、後側部24と、左側部25と、右側部26とを有する。上部21は、物品を出し入れするための開口を有する。開口は、スライドファスナー21aによって開閉可能である。スライドファスナー21aは、左右方向に延びている。スライドファスナー21aには、止水処理が施されている。
図1に示すように、左右方向における上部21の寸法は、左右方向における底部22の寸法よりも大きい。
【0018】
底部22は、略矩形状に形成されている。底部22は、上部21の下方に位置する。底部22は、第1底面22aと、第2底面22bと、継ぎ合わせ部22cとを有する。第1底面22aは、第2底面22bと前後方向に並ぶ。第2底面22bは、第1底面22aの前方に配置されている。継ぎ合わせ部22cは、縫製処理によって第1底面22aと第2底面22bとを継ぎ合わせる。継ぎ合わせ部22cは、底部22の中央に位置しており、左右方向に延びている。継ぎ合わせ部22cは、袋体2の内側から袋体2の外側に水分を排出させるための水抜きとして機能する。
【0019】
前側部23は、底部22の前端から起立して上部21まで延びている。前側部23は、左側部25と右側部26とに接続されている。後側部24は、底部22の後端から起立して上部21まで延びている。後側部24は、前側部23と前後方向に対向する。後側部24は、左側部25と右側部26とに接続されている。左側部25は、底部22の左端から起立して上部21まで延びている。右側部26は、底部22の右端から起立して上部21まで延びている。右側部26は、左側部25と左右方向に対向する。
【0020】
ここで、
図1~
図4に示すように、保冷バッグ1は、ベルト5,6と、被係止部材7,8と、取手9と、複数のDリング10とを備えている。
【0021】
ベルト5は、左側部25の外面に配置されている。ベルト5の一端は、左側部25に固定されており、ベルト5の他端は自由端である。ベルト5は、係止部材5aを含む。係止部材5aは、ベルト5の自由端に配置されている。係止部材5aは、例えば、バックル(ここでは、雄バックル)である。係止部材5aは、ベルト5に対して位置の調整が可能である。ベルト6は、右側部26の外面に配置されている。ベルト6は、ベルト5と左右対称な位置に配置されている。ベルト6は、係止部材6aを含む。ベルト6は、ベルト5と同様の構成である。
【0022】
被係止部材7は、上部21の左端に配置されている。被係止部材7は、係止部材5aと係合可能である。被係止部材7は、例えば、バックル(ここでは、雌バックル)である。
図4に示すように、被係止部材7が係止部材5aに係止された状態では、上部21の左端は、下方に折り曲げられた状態で保持される。被係止部材8は、上部21の右端に配置されている。被係止部材8は、係止部材6aと係合可能である。被係止部材8が係止部材6aに係止された状態では、上部21の右端は、下方に折り曲げられた状態で保持される。
【0023】
取手9は、前側部23と後側部24にそれぞれ配置されており、例えば、面ファスナーによって互いに連結可能である。複数のDリング10は、取手9の両端付近に配置されている。複数のDリング10は、図示しない肩ベルトを連結可能である。
【0024】
図5に示すように、袋体2は、外袋28と、内袋29と、防水袋30を有する。外袋28は、袋状に形成されており、上方に向かって開口している。外袋28は、表地28aと、裏地28bと、第1断熱材28cとを有する。表地28a及び裏地28bは、柔軟性を有している。表地28aは、袋体2の外表面を構成する。表地28aは、例えば、ナイロン製である。表地28aは、ポリエステル製であってもよい。裏地21bは、表地28aの内側に配置されている。裏地28bは、表地28aに縫製されている。裏地28bは、例えば、ポリエステル製である。裏地28bは、ナイロン製であってもよい。
【0025】
第1断熱材28cは、外袋28に内包されている。第1断熱材28cは、表地28aと裏地28bの間に配置されている。第1断熱材28cは、例えば、シート材であり、ポリエチレン樹脂発泡材である。第1断熱材28cは、ポリウレタンなどの樹脂発泡材であってもよい。第1断熱材28cは、表地28aに積層されている。
【0026】
図5に示すように、内袋29は、袋状に形成されており、上方に向かって開口している。内袋29は、外袋28の内側で収納空間を形成する。内袋29は、外袋28と防水袋30の間に配置されている。内袋29は、面ファスナー34を介して外袋28に着脱可能に装着されている。面ファスナー34は、外袋28の裏地28bの表面と、内袋29の外側面とに設けられている。
【0027】
内袋29は、表地29aと、裏地29bと、第2断熱材29cとを有する。表地29a及び裏地29bは、柔軟性を有している。表地29a及び裏地29bは、例えば、ポリエステル製である。表地29a及び裏地29bは、ナイロン製であってもよい。裏地29bは、表地29aの内側に配置されている。裏地29bは、表地29aに縫製されている。
【0028】
第2断熱材29cは、内袋29に内包されている。第2断熱材29cは、表地29aと裏地29bの間に配置されている。第2断熱材29cは、例えば、シート材であり、ポリエチレン樹脂発泡材である。第2断熱材29cは、ポリウレタンなどの樹脂発泡材であってもよい。
【0029】
図5及び
図6に示すように、防水袋30は、袋状に形成されており、上方に向かって開口している。防水袋30は、内袋29の内側で収納空間を形成する。防水袋30は、外袋28に着脱可能に装着されている。詳細には、防水袋30は、スライドファスナー21aの裏側付近に配置される面ファスナーを介して、外袋28の裏地28bに着脱可能に装着される。防水袋30は、防水性を有する。防水袋30は、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)或いはPVC(ポリ塩化ビニル)などの素材で形成されている。
【0030】
防水袋30は、表地31と、裏地32とを有する。表地31は、面ファスナー35,36を介して裏地32に装着されている。面ファスナー35は、表地31の開口31aの内周縁と、裏地32の開口32aの外周縁とに設けられている。裏地32の開口32aの外周縁は、面ファスナー35を介して表地31の開口31aの内周縁に装着される。面ファスナー36は、表地31の開口31aの外周縁の一部と、裏地32のフラップ部32bとに設けられている。フラップ部32bは、表地31の開口31aの外周縁の一部を覆うように配置される。フラップ部32bは、面ファスナー36を介して表地31の開口31aの外周縁に装着される。なお、防水袋30は、1枚の生地で構成されてもよい。
【0031】
断熱ユニット4は、外袋28と防水袋30の間に着脱可能に装着される。本実施形態では、断熱ユニット4は、外袋28と内袋29の間に着脱可能に装着される。断熱ユニット4は、面ファスナー37を介して外袋28に着脱可能に装着されている。断熱ユニット4は、面ファスナー38を介して内袋29に着脱可能に装着されている。断熱ユニット4は、底部22と前側部23と後側部24とに配置されている。
【0032】
図5及び
図8に示すように、断熱ユニット4は、真空断熱パネル41と、第1保護部材42と、第2保護部材43と、第3保護部材44と、芯部材45と、収納袋46とを有する。
【0033】
真空断熱パネル41は、略矩形状に形成されている。真空断熱パネル41は、外側面41aと、内側面41bと、周縁41cとを有する。外側面41aは、外袋28に面している。内側面41bは、外側面41aと反対側の面であり、内袋29に面している。周縁41cは、外側面41aと内側面41bの間とを接続する面であり、外側面41aと内側面41bの間に位置する。本実施形態では、周縁41cは、外側面41aの外縁から内側面41bの外縁に向かって延びる4つの側面を含む。真空断熱パネル41の厚み方向は、外側面41a及び内側面41bと直交する。
【0034】
第1保護部材42は、真空断熱パネル41の周縁41cを覆う。第1保護部材42は、真空断熱パネル41の周縁41cの全体を覆う。第1保護部材42は、例えば、ポリエチレン樹脂発泡材である。
図7に示すように、第1保護部材42は、真空断熱パネル41を嵌め込むための孔42aを有する。孔42aは、矩形状であり、外側面41aと同程度の大きさである。孔42aは、第1保護部材42を真空断熱パネル41の厚み方向に貫通している。第1保護部材42の孔42aに真空断熱パネル41を嵌め込むことによって、真空断熱パネル41の周縁41cは、第1保護部材42に覆われる。第1保護部材42は、第2保護部材43と第3保護部材44の間に配置されている。なお、
図8では、図面を見易くするために、第1保護部材42の図示が省略されている。
【0035】
第2保護部材43は、真空断熱パネル41の外側面41aを覆う。第2保護部材43は、真空断熱パネル41の外側面41aの全体を覆う。第2保護部材43は、断熱部材であり、例えば、ポリエチレン樹脂発泡材である。で形成されている。第2保護部材43は、第1保護部材42と真空断熱パネル41の厚み方向に対向する。第2保護部材43の厚みは、真空断熱パネル41の厚みと同程度である。
【0036】
第3保護部材44は、真空断熱パネル41の内側面41bを覆う。第3保護部材44は、真空断熱パネル41の内側面41bの全体を覆う。第3保護部材44は、断熱部材であり、例えば、ポリエチレン樹脂発泡材である。第3保護部材44は、第1保護部材42と真空断熱パネル41の厚み方向に対向する。第3保護部材44の厚みは、真空断熱パネル41の厚みと同程度である。なお、第1~第3保護部材42~44は、ポリウレタンなどの樹脂発泡材であってもよい。
【0037】
芯部材45は、第2保護部材43及び第3保護部材44の少なくとも一方を真空断熱パネル41とともに挟んで配置される。本実施形態では、芯部材45は、第2保護部材43及び第3保護部材44の両方を真空断熱パネル41とともに挟んで配置される。芯部材45は、板状の部材である。芯部材45の厚みは、第2保護部材43の厚みよりも薄い。
【0038】
芯部材45は、第1芯部材45aと、第2芯部材45bとを有する。第1芯部材45aは、第2保護部材43の外側に配置されている。第1芯部材45aは、第2保護部材43の外側面を覆う。第2芯部材45bは、第3保護部材44の外側に配置されている。第2芯部材45bは、第3保護部材44の外側面を覆う。真空断熱パネル41と、第1保護部材42と、第2保護部材43と、第3保護部材44とは、真空断熱パネル41の厚み方向において、第1芯部材45aと第2芯部材45bに挟まれている。
【0039】
収納袋46は、第1~第3保護部材42~44を収納する。収納袋46は、袋本体46aと、蓋部46bとを有する。袋本体46aは、袋状に形成されている。袋本体46aは、開口部46cを有する。開口部46cは、真空断熱パネル41と、第1保護部材42と、第2保護部材43と、第3保護部材44と、芯部材45とを収納袋46に入れるための開口である。
【0040】
収納袋46の内寸は、真空断熱パネル41と、第1保護部材42と、第2保護部材43と、第3保護部材44と、芯部材45とを収納した状態において、これらの部材がぴったり収まるように設定されている。真空断熱パネル41と、第1保護部材42と、第2保護部材43と、第3保護部材44と、芯部材45とは、収納袋46に収納された状態において、互いに密着している。
【0041】
蓋部46bは、開口部46cを開閉する。蓋部46bの一端は、袋本体46aの第1面46dに固定されており、蓋部46bの他端は自由端である。蓋部46bの自由端は、開口部46cを塞いだ状態において、面ファスナー50により袋本体46aの第2面46eに固定される。袋本体46aの第1面46d及び第2面46eは、矩形状に形成されており、真空断熱パネル41の厚み方向と直交する方向に延びている。
【0042】
面ファスナー37は、外袋28の裏地28bと、収納袋46の第1面46dに設けられている。面ファスナー38は、内袋29の表地29aと、収納袋46の第2面46eに設けられている。
【0043】
上記構成の保冷バッグ1では、真空断熱パネル41の外面が第1~第3保護部材42~44によって全体的に覆われるので、真空断熱パネル41の耐衝撃性を高めることができる。さらに、断熱ユニット4は、第1断熱材28cと第2断熱材29cの間に配置されることになるので、第1断熱材28cと第2断熱材29cによって断熱ユニット4の耐衝撃性を高めることができる。また、断熱ユニット4は、外袋28と内袋29との間に着脱可能に装着されるので、例えば、袋体2を製造した後で、断熱ユニット4を袋体2に装着できる。このため、保冷バッグ1の生産性が向上する。また、袋体2から断熱ユニット4を取り外すことができるので、袋体2を折りたたんだ状態で保冷バッグ1を保管することが可能になるとともに、保冷バッグ1のメンテナンスがしやすい。さらに、外袋28には第1断熱材28cが内包されているので、外袋28は、単体として簡易的な保冷バッグとして使用することができる。また、冬季などの保冷性が必要ない場合は、断熱ユニット4を取り外して保冷バッグ1を利用することによって、袋体2に断熱ユニット4が装着されている場合と比べて、保冷バッグ1の収納空間を拡大して、さらには保冷バッグ1を軽量化して使用することができる。
【0044】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
第1~第3保護部材42~44は、発泡ポリエチレンや発泡ウレタンなどの樹脂発泡材で形成されてもよい。
【0046】
前記実施形態では、第1保護部材42は、第2保護部材43及び第3保護部材44と一体であったが、第1保護部材42は、第2保護部材43及び第3保護部材44の一方と一体であってもよい。
【0047】
第2保護部材43及び第3保護部材44は、断熱部材でなくてもよい。芯部材45は、省略されてもよい。断熱ユニット4は、例えば、底部22のみに配置されてもよいし、左側部25と右側部26とに配置されてもよい。芯部材45は、底部22に配置される断熱ユニット4の第2保護部材43の外側にのみ配置されてもよい。
【0048】
内袋29は、省略されてもよい。この場合、断熱ユニット4は、外袋28にのみ装着されてもよいし、防水袋30の表地31の外面に面ファスナーを設けて、外袋28と防水袋30とに着脱可能に装着されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 保冷バッグ
2 袋体
4 断熱ユニット
22 底部
22c 継ぎ合わせ部
28 外袋
28c 第1断熱材
29 内袋
29c 第2断熱材
41 真空断熱パネル
42~44 第1~第3保護部材