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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011004
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】情報提示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
G06F3/14 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023122029
(22)【出願日】2023-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】515285051
【氏名又は名称】大上 創一
(72)【発明者】
【氏名】大上 創一
【テーマコード(参考)】
5B069
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069AA13
5B069AA15
5B069FA01
5B069FA02
5B069FA04
5B069FA08
5B069JA02
5B069JA06
(57)【要約】
【課題】時間軸に不一致がある時系列データを、一つの時間軸のテーブルとして作成する方法を提供し、重要な時系列データの理解を助けること。
【解決手段】複数の時系列データを同時に表示するテーブルを作成する方法であって、時系列データの時間軸を、個別に任意の関数で変換する行程と、変換された時系列データの時間軸とテーブルの時間軸をそろえてデータを表示する工程と、を備えることを特徴とするテーブル作成方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の時系列データを同時に表示するテーブルを作成する方法であって、
時系列データの時間軸を、個別に任意の関数で変換する行程と、
変換された時系列データの時間軸と、テーブルの時間軸をそろえて、データを表示する工程と、
を備えることを特徴とするテーブル作成方法。
【請求項2】
請求項1のテーブル作成方法において、
時系列データの時間軸を変換する関数が、非線形関数であることを特徴とするテーブル作成方法。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2のテーブル作成方法において、
時系列データの時間軸を変換する関数を、あらかじめ複数用意しておき、使用者が選択した関数で、時系列データの時間軸を変換することを特徴とするテーブル作成方法。
【請求項4】
請求項1もしくは請求項2もしくは請求項3のテーブル作成方法において、
ディスプレイ上に表示されたテーブルを、ポインティングデバイスで入力される情報を基に関数を作成し、時系列データの時間軸を再変換する工程と、
再変換された時系列データの時間軸と、テーブルの時間軸をそろえて、データをディスプレイ上に再表示する工程と、
を備えることを特徴とするテーブル作成方法。
【請求項5】
請求項4のテーブル作成方法において、
ポインティングデバイスがマウスであることを特徴とするのテーブル作成方法。
【請求項6】
請求項4のテーブル作成方法において、
ポインティングデバイスがタッチパネルであることを特徴とするのテーブル作成方法。
【請求項7】
ディスプレイ、入力手段、演算手段、記憶手段、制御手段を備え、
請求項1もしくは請求項2もしくは請求項3のアルゴリズムを備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
ディスプレイ、入力手段、演算手段、記憶手段、制御手段を備え、
請求項4のアルゴリズムを備え、
入力手段として、一つ以上のポインティングデバイスを備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
ディスプレイ、入力手段、演算手段、記憶手段、制御手段を備え、
請求項5のアルゴリズムを備え、
入力手段として、マウスを備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
ディスプレイ、入力手段、演算手段、記憶手段、制御手段を備え、
請求項6のアルゴリズムを備え、
入力手段として、タッチパネルを備えることを特徴とする情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、年表や個人史といった時系列データを、複数同時に、同じ時間軸で表示するテーブルを作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本史と世界史、個人史と現代史など、個別の時系列データを一つのテーブルとして表示することで、新たな発見や認識につながることが期待でき、対照年表やマルチ年表等として多用されている。また電子機器の発達により、そのテーブルを、パーソナルコンピュータのディスプレイやスマートホン、タブレット端末などに表示することにより、より便利に利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2008-40815)には、実施例として、社史とアニメ史と個人史を、同時に表示するテーブルを容易に作成する方法が記載されている。テーブルは、時間軸がデイスプレイの上下方向であり、左端の時間軸に合わせて社史、アニメ史、個人史のカラムが並んでいる。それぞれの時系列データは写真やテキストであり、左端の時間軸にあわせて並べられている。
【0004】
また、特許文献2(特開2007-305024)には、実施例として、芸能史と現代史を同時に表示するテーブルが記載されている。特徴として時間軸が誕生年を基準とした相対年になっており、さらに誕生年を自由に変えることができるテーブル作成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-40815号公報
【特許文献2】特開2007-305024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、ビックヒストリーと呼ばれる、ビックバンから現在までの歴史を、網羅的に研究する新しい学問分野が誕生し、世界史や人類史、気候変化など、人類が継続的に発展していくうえで、重要な時系列データが集積され、それら時系列データを臨場感をもって理解していくことが試みられている。
【0007】
歴史等の時系列データを、臨場感をもって感じられる方法として、自身がよく知っている時系列データと比較することがよく行われる。
【0008】
例えば、日本史が得意な人物が、世界史との対照年表を作成することで、日本史とのつながりで世界史を実感できるが、これは特許文献1の方法で実施可能である。
【0009】
しかしながら、対照となる自身がよく知る時系列データがない場合、この方法は効果が少ない。
【0010】
自身がよく知っている時系列データとして、個人史、中でも自身や両親等のよく知る人物の個人史が上げられるが、特許文献2では、自身の年代での音楽史と、親年代での音楽史を、年齢を時間軸としてテーブルを作成する実施例が記載されている。
【0011】
しかしながら、対照はあくまで個人史で行われるため、例えば数十億年スケールの地球史や、数分スケールの細菌の分裂サイクルなど、個人史と時間スケールに大きな差がある時系列データには適用できない。
【0012】
本発明では、時間軸に不一致がある時系列データを、一つの時間軸のテーブルとして作成する方法を提供し、重要な時系列データの理解を助けることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
複数の時系列データを同時に表示するテーブルを作成する方法であって、
時系列データの時間軸を、個別に任意の関数で変換する行程と、
変換された複数時系列データの時間軸と、テーブルの時間軸をそろえて、データを表示する工程と、
を備えることを特徴とするテーブル作成方法である。
【0014】
上記のテーブル作成方法では、個別の時系列データの一方を平安時代の歴史、他方を個人史とした場合、個人史の時間軸のみを、数百年マイナスすることで、平安時代と個人史を並べたマルチ年表が作成できる。
【0015】
また、個別の時系列データの一方を地球史、他方を個人史とした場合、個人史の時間軸のみを、誕生日を開始年(0年)とし、約1億倍し、46億年マイナスすることにすることで、地球史と個人史を並べたマルチ年表が作成できる。
【0016】
さらに、個別の時系列データの時間軸を変換する関数を、非線形にすることで、時間の進行が異なる時系列データを、一つのテーブルにまとめることができる。
【0017】
愛玩動物である猫の場合、生後1年で成猫、人でいえば20才相当まで成長し、その後は人の4倍相当の早さで成長するとされている。個人史とこの猫史を比較する場合、個人史もしくは猫史の時系列データの時間軸のみを、人と猫の成長の違いを考慮した非線形関数で変換することで、人に近い感覚で猫の一生を理解できるテーブルが作成できる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、この発明により、時間軸に不一致がある時系列データを、一つの時間軸のテーブルとして作成することができ、様々な時系列データを、臨場感をもって理解していくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のテーブルをコンピュータディスプレイ上に表示した一例を示す図である。
図2】テーブルの表示範囲等の設定を入力するウィンドウの一例を示す図である。
図3】時系列データの名称やアドレスを入力するウィンドウの一例を示す図である。
図4】時間軸を変換する関数の情報を入力するウィンドウの一例を示す図である。
図5】時系列データをディスプレイに表示するフローの一例を示す図である。
図6】ポインティングデバイスを使用して関数の情報を入力する場合のテーブルの一例を示す図である。
図7】非線形の時間軸変換関数の一例を示す図である。
図8】時間軸を、ディスプレイ上下方向に表示した一例を示す図である。
図9図8の一部の時系列データを図7の関数で変換して表示した一例を示す図である。
図10】3つの時系列データを表示した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明をコンピュータのアプリケーションとして実施する例を示す。
【0021】
図1はアプリケーションが作成したマルチ年表を、コンピュータのディスプレイに表示したものであり、表示時間軸11を画面横方向に表示し、画面左端に各時系列データの名称12を表示し、その右側のデータ表示部13に各時系列のデータを表示し、画面上部に操作入力部14を表示する。
【0022】
まず、テーブルの表示範囲等の設定を行うため、ユーザーが操作入力部14の設定ボタン18をクリックすると、入力ウィンドウ図2を表示する。
【0023】
ユーザーは、作成するテーブルの開始年と終了年を、有効範囲入力欄21に、ディスプレイに表示する時間の幅を表示幅入力欄22に、表示するメモリの幅をメモリ幅入力欄24に入力する。
【0024】
また使用する単位を表示単位入力欄23に、時間が負の場合の対応をマイナス表記欄25に、それぞれドロップメニューに用意されたパターンの中から選択する。
【0025】
ユーザーはすべての情報を入力後、決定ボタン26をクリックする。
【0026】
アプリケーションは、指定された有効範囲の時間軸のテーブルを、コンピュータメモリ上に作成し、ディスプレイに表示する。
【0027】
次に、ユーザーが、操作入力部14の個別データ指定ボタン15をクリックすると、アプリケーションは、入力ウィンドウ図3を表示する。
【0028】
ユーザーが、名称入力欄31にテーブルに表示する名称を、アドレス入力欄32に個別の時系列データファイルのアドレスを入力し、インポートボタン33をクリックすると、アプリケーションは、コンピュータメモリ上に個別データを読み込む。
【0029】
個別の時系列データは、CSV形式など、一般的な表形式の電子ファイルで、アプリケーションに供給されることが望ましい。
【0030】
先頭の数行は、ヘッダーとして、時系列データの種類や開始番号などの形式的な情報を記載し、ヘッダー以降が実質的な情報となる。
【0031】
ヘッダー以降、1列目は時間軸、2列目からは、時間軸に紐づくデータを記載するが、2列目は歴史的事項(テキストデータ)、3列目はその年の平均気温(数値データ)など、列毎に複数のデータを持つこともできる。その場合、ユーザーは実際に使用する列を、アプリケーションに指定する。
【0032】
時間軸に紐づくデータは、テキストや数値で構成されるが、画像や音声、動画などを表示したい場合は、各データが保存されているメモリやHDD、外部サイトのアドレスを記載する。
【0033】
次に、個別の時系列データの時間軸を変換する関数を、アプリケーションに指定する。
【0034】
操作入力部14の関数ボタン16をクリックすると、アプリケーションは、入力ウィンドウ図4を表示する。
【0035】
ユーザーは、必要な関数グループのブルダウンボタン45をクリックし、表示された複数の選択肢の中から、使用したい関数のチェックボックス41をクリックし、選択した関数の指定値入力欄42に数値を入力し、変換ボタン43をクリックする事で、関数を指定する。
【0036】
線形関数を用いる場合、アプリケーションは、時系列データの開始年を起点(0年)にした後、一般式Y=a×X+bで時間軸を変換する。ここでYは変換後の時間、Xは変換前の時間、aとbはユーザーが入力した指定値から計算される定数である。
【0037】
ユーザーは、時間軸上の2点、もしくは時間軸上の1点と傾きを指定することで、関数を決定する。時間軸上の1点のみの指定した場合、傾きは1となる。
【0038】
非線形関数として、常用対数関数(Y=a×logX+b)や指数関数(Y=a×10+b)などが用意されている。
【0039】
さらに図7のグラフのな非線形関数が用意されており、点と点の間は直線もしくは近似曲線で補間される。
【0040】
任意の関数を用いる場合、ユーザー関数のチェックボックスをクリックし、関数入力欄44に、指定の形式で関数を入力する。
【0041】
操作入力部14には、個別データ毎に関数ボタン16があり、ユーザーは個別データ毎に関数を指定することができる。
【0042】
個別データと変換するための関数を指定されたアプリケーションは、コンピュータメモリ上に、指定された関数で個別データの時間軸を変換した、あらたなテーブルを作成する。
【0043】
さらに、個別データ毎に図5のフローで、時系列データをディスプレイに表示する。
【0044】
ディスプレイに表示されたテーブルを見ながら、マウス操作やタッチ操作で関数を指定することができる。
【0045】
ユーザーが、操作入力部14の、変更したい個別データのリアルタイム関数変換ボタン17をクリックすると、アプリケーションは、図6のように、リアルタイム関数返還ボタン17が押された個別データに、指定枠61、62、63を表示する。
【0046】
ユーザーは、指定枠61をマウスで、ディスプレイに表示された時間軸11と平行に、左または右にドラッグすることで、線形関数の終了年を固定したまま開始年を、指定枠63を同様にすることで、開始年を固定したままで終了年を、指定枠62を同様にすることで開始年と終了年を同時に、ドラッグ量に応じた年数に相当分の値を指定したことになる。
【0047】
タッチ操作の場合、マウス操作と同様に指定枠61、62、63をタッチしながらスライドさせることにより、同様の指定ができる。
【0048】
アプリケーションは、上記のマウス操作やタッチ操作で指定された値に応じて、時系列データの時間軸の再変換と再表示を、リアルタイムに行う。
【0049】
アプリケーションは、ディスプレイの時間軸を、上下方向に表示することもできる。図8は鈴木花子とその飼い猫であった「にゃーこ」の歴史を、時間軸を変換することなく表示したものである。
【0050】
図9は、飼い猫であった「にゃーこ」の歴史を、図7に示すグラフで時間軸を変換し、開始年を飼い主にあわせて表示したものである。
【0051】
図10は、平安時代の主な出来事と、清少納言の歴史と鈴木花子の歴史を表示したものである。ただし鈴木花子の歴史の開始年のみ、清少納言の歴史の開始年と合わせて表示したものである。
【符号の説明】
【0052】
明細書内で説明しているため、ここでは省略する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10