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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011009
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/00 20060101AFI20250116BHJP
   E02B 13/02 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A01G25/00 501F
A01G25/00 501E
E02B13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174298
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2023113261
(32)【優先日】2023-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】505142964
【氏名又は名称】株式会社クボタケミックス
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】平尾 和弘
(72)【発明者】
【氏名】氏家 光晴
(72)【発明者】
【氏名】四元 友治
(72)【発明者】
【氏名】伊庭 弘貴
(57)【要約】
【課題】止水性を向上させることが可能な弁装置を提供する。
【解決手段】上下に移動することで、流体の流路を開閉可能な弁体100と、前記流路の一部を形成し、前記流路を閉じる際に前記弁体100が進入する弁室11と、前記弁室11の上方に配置され、前記流路を開く際に前記弁体100が退避する弁収容部14と、を具備する弁装置1であって、前記弁体100は、本体部110と、前記本体部110の下部に設けられ、前記弁室11の内側面との間をシール可能な第一シール部120と、前記本体部110に、前記第一シール部120から上方かつ前記流路の上流側へと延出するように設けられ、上下方向に沿って延びる前記弁収容部14の内側面との間をシール可能な第二シール部130と、を具備した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に移動することで、流体の流路を開閉可能な弁体と、
前記流路の一部を形成し、前記流路を閉じる際に前記弁体が進入する弁室と、
前記弁室の上方に配置され、前記流路を開く際に前記弁体が退避する弁収容部と、
を具備する弁装置であって、
前記弁体は、
本体部と、
前記本体部の下部に設けられ、前記弁室の内側面との間をシール可能な第一シール部と、
前記本体部に、前記第一シール部から上方かつ前記流路の上流側へと延出するように設けられ、上下方向に沿って延びる前記弁収容部の内側面との間をシール可能な第二シール部と、
を具備する弁装置。
【請求項2】
前記本体部は、
上下方向に沿った軸心を有すると共に、曲面状の側面を有する略円柱状に形成され、
前記第二シール部は、
前記本体部の側面に沿って設けられる、
請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記本体部に連結され、前記本体部を上下に移動させるための軸部材をさらに具備し、
前記軸部材は、
前記本体部の軸心よりも前記流路の上流側に偏心した位置に連結されている、
請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記弁体が前記流路を閉塞する位置に移動した際に、前記弁体を前記流路の上流側へと押圧する押圧部をさらに具備する、
請求項1に記載の弁装置。
【請求項5】
前記弁収容部に対する前記弁体の相対的な位置を調整可能な調整部をさらに具備する、
請求項1に記載の弁装置。
【請求項6】
前記第二シール部の下端部は、
前記第一シール部に形成された切欠部の内側に配置されている、
請求項1に記載の弁装置。
【請求項7】
前記第二シール部の下端部は、
前記第一シール部に密着するように配置されている、
請求項6に記載の弁装置。
【請求項8】
前記第二シール部の下端部は、
前記弁収容部の内側面から離れる方向に屈曲されている、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流路を開閉するための弁装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体の流路を開閉するための弁装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の弁装置(農地自動給水装置)は、上下に移動することで給水路を開閉することが可能な板状の止水弁を具備している。止水弁は、下側面、上流側接触面、及び、下流側接触面を有する弾性体外周部を具備している。止水弁は、給水路の一部を構成する弁室の内面に、弾性体外周部の各面を接触させることで、給水路を閉塞することができる。
【0004】
さらに止水弁は、上流側及び下流側に向かって突出したフランジを有している。止水弁は、弁室に形成された水平の段部に対して、前記フランジを上方から接触させることで、当該部分をシールすることができる。これによって、給水路の上方に形成された空間(止水弁や駆動機構等が収容された空間)への水の流入を防止することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、水平な段部をフランジでシールする構成であるため、水平な段部にゴミや泥等が堆積した場合、十分な止水性が得られないおそれがある点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6754877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の一態様は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、止水性を向上させることが可能な弁装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
本開示の一態様に係る弁装置は、上下に移動することで、流体の流路を開閉可能な弁体と、前記流路の一部を形成し、前記流路を閉じる際に前記弁体が進入する弁室と、前記弁室の上方に配置され、前記流路を開く際に前記弁体が退避する弁収容部と、を具備する弁装置であって、前記弁体は、本体部と、前記本体部の下部に設けられ、前記弁室の内側面との間をシール可能な第一シール部と、前記本体部に、前記第一シール部から上方かつ前記流路の上流側へと延出するように設けられ、上下方向に沿って延びる前記弁収容部の内側面との間をシール可能な第二シール部と、を具備するものである。
このように構成することにより、止水性を向上させることができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る前記本体部は、上下方向に沿った軸心を有すると共に、曲面状の側面を有する略円柱状に形成され、前記第二シール部は、前記本体部の側面に沿って設けられるものである。
このように構成することにより、止水性を向上させることができる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る弁装置は、前記本体部に連結され、前記本体部を上下に移動させるための軸部材をさらに具備し、前記軸部材は、前記本体部の軸心よりも前記流路の上流側に偏心した位置に連結されているものである。
このように構成することにより、本体部を後方に偏心させることで、第二シール部の弁収容部内側面への押付力が低下し、摺動抵抗を低減することができる。
【0012】
また、本開示の一態様に係る弁装置は、前記弁体が前記流路を閉塞する位置に移動した際に、前記弁体を前記流路の上流側へと押圧する押圧部をさらに具備するものである。
このように構成することにより、流路を閉塞する際に流路を流通する流体による水圧が最大となるが、第二シール部を弁収容部の内側面に押し付けることで、流路から上方(弁収容部側)への漏水を効果的に防止することができる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る弁装置は、前記弁収容部に対する前記弁体の相対的な位置を調整可能な調整部をさらに具備するものである。
このように構成することにより、弁収容部に対する弁体の相対的な位置を調整することで、適切に漏水を防止できるように、第二シール部と弁収容部の内側面との間隔や当たり具合を調整することができる。
【0014】
また、本開示の一態様に係る前記第二シール部の下端部は、前記第一シール部に形成された切欠部の内側に配置されているものである。
このように構成することにより、第二シール部が、弁収容部や弁室の内側面との摺動によって下端部から剥がれるのを抑制することができる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る前記第二シール部の下端部は、前記第一シール部に密着するように配置されているものである。
このように構成することにより、第一シール部と第二シール部とを接着することなく、流路を閉塞することができる。
【0016】
また、本開示の一態様に係る前記第二シール部の下端部は、前記弁収容部の内側面から離れる方向に屈曲されているものである。
このように構成することにより、第二シール部が、弁収容部や弁室の内側面との摺動によって下端部から剥がれるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一態様によれば、止水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る弁装置の全体的な構成を示した側面断面図。
図2】本発明の一実施形態に係る弁装置の全体的な構成を示した正面断面図。
図3】A-A断面図、及び、その一部拡大図。
図4】弁体を示す分解側面図、及び、その一部拡大図。
図5】弁体を示す分解正面図。
図6】(a)巻回部を示す拡大正面図。(b)巻回部の別例を示す拡大正面図。
図7】(a)弁体が上方へと退避して流路が開かれた状態の弁装置を示した平面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。
図8】(a)弁体が下方へと移動して流路が閉じられた状態の弁装置を示した平面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。
図9】(a)第一変形例に係る弁装置を示した側面断面模式図。(b)第二変形例に係る弁装置を示した側面断面模式図。
図10】第三変形例に係る弁装置を示した側面断面模式図、及び、その一部拡大図。
図11】(a)第四変形例に係る弁装置において、弁体が上方へと退避して流路が開かれた状態を示した平面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。
図12】(a)第四変形例に係る弁装置において、弁体が下方へと移動して流路が閉じられた状態を示した平面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。
図13】(a)第五変形例に係る弁装置を示した平面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。
図14】(a)第六変形例に係る弁装置を示した側面断面模式図。(b)第七変形例に係る弁装置を示した側面断面模式図。
図15】(a)第八変形例に係る弁装置の弁体を示した側面模式図。(b)第八変形例に係る弁装置の弁体を示した底面模式図。(c)第八変形例に係る第一シール部を示した下方斜視図。
図16】(a)第九変形例に係る弁装置を示した背面図。(b)第九変形例に係る弁装置を示した側面断面図。
図17】(a)第九変形例に係る弁装置を示した正面図。(b)第九変形例に係る弁装置の第一シール部及び第二シール部を示した上方斜視図。
図18】(a)第十変形例に係る弁装置を示した背面図。(b)第十変形例に係る弁装置を示した側面断面図。
図19】(a)第十変形例に係る弁装置を示した正面図。(b)第十変形例に係る弁装置の第一シール部及び第二シール部を示した上方斜視図。
図20】(a)第一変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(b)第二変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(c)第三変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(d)第四変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(e)第五変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(f)第六変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。
図21】(a)第一シール部と底部との間にゴミが挟まる様子を示した側面模式図。(b)第七変形例に係る第一シール部と、その下方をゴミが流通する様子を示した側面模式図。
図22】(a)第八変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(b)第九変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(c)第十変形例に係る第一シール部を示した側面模式図。(d)第十変形例に係る第一シール部を示した正面模式図。
図23】取付板を具備する弁装置、及び、用水路を示した平面模式図。
図24】(a)取付板を具備する弁装置を示した側面模式図。(b)取付板を具備する弁装置を示した正面模式図。
図25】(a)第一変形例に係る取付板を具備する弁装置を示した側面模式図。(b)第一変形例に係る取付板を具備する弁装置を示した正面模式図。
図26】(a)第二変形例に係る取付板を具備する弁装置を示した側面模式図。(b)第三変形例に係る取付板を具備する弁装置を示した側面模式図。
図27】第四変形例に係る取付板を具備する弁装置、及び、用水路を示した平面模式図。
図28】第四変形例に係る取付板を具備する弁装置、及び、用水路を示した側面模式図。
図29】第四変形例に係る取付板を具備する弁装置を示した正面模式図。
図30】電動アクチュエータを示す正面図。
図31】電動アクチュエータを示す右側面図。
図32】電動アクチュエータの内部構造を示す概略断面図。
図33】アクチュエータ本体の内部構造を正面側から見た様子を示す概略断面図。
図34】アクチュエータ本体の内部構造を右側から見た様子を示す概略断面図。
図35】取付台を示す断面図。
図36】本体ケースが備えるカバー部材を示す断面図。
図37】本体ケースが備える保持部材を示す断面図。
図38】カバー部材が閉状態のあるときの落止め部周辺部分を示す図。
図39】カバー部材が開状態のあるときの落止め部周辺部分を示す図。
図40】カバー部材が開状態のあるときの電動アクチュエータを示す正面図。
図41】カバー部材と保持部材との連結部分を示す図。
図42】カバー部材を開状態から閉状態にするときの動作を示す図。
図43】保持部材の配線を通す溝部周辺部分を示す斜視図。
図44】保持部材の配線を通す溝部周辺部分を示す図。
図45】電動アクチュエータの配線を通す通孔周辺部分を示す図。
図46】(a)側壁部の下部に形成された溝部を正面から示した図。(b)溝部の斜視図。
図47】弁収容部の上部、及び、側壁部の下部を示した拡大断面図。
図48】(a)軸受部を示した平面図。(b)軸受部を示した正面断面図。
図49】弁収容部に側壁部を取り付ける様子を示した拡大断面図。
図50】弁装置に電動アクチュエータを取り付けた状態を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0020】
以下では、本発明の一実施形態に係る弁装置1について説明する。
【0021】
図1及び図2に示す弁装置1は、流体の流路の一部を構成すること共に、当該流路を開閉するためのものである。本実施形態では、一例として、用水路から水田へと水を供給するための流路(開水路)に用いられる弁装置1を想定しているが、本発明はこれに限るものではなく、種々の流路に適用することが可能である。弁装置1は、主として弁箱10、弁体100、弁棒20、ハンドル30及び押圧部40を具備する。なお、図2では、構造の理解を助けるため、第一シール部120を、前後中央部で切断した断面で図示している。
【0022】
弁箱10は、流路の一部を形成すると共に、弁装置1を構成する各部を収容するものである。弁箱10は、主として弁室11、上流部12、下流部13及び弁収容部14を具備する。
【0023】
弁室11は、流路を閉じる際(弁体100が下降した際)に弁体100が侵入する部分である。弁室11は、上流部12及び下流部13と共に、前後に延びる円筒状に形成される。弁室11、上流部12及び下流部13は、概ね同一の内径を有している。弁室11、上流部12及び下流部13は、前後に流通する水の流路の一部を構成する。なお、図示は省略しているが、上流部12及び下流部13は、流路を形成する適宜の部材に接続されていてもよい。例えば上流部12は、用水路のパイプと接続されていてもよい。
【0024】
本実施形態では、水は前側から後側に向かって流通するものとする。上流部12は、水の流通方向において、弁室11よりも上流側に形成される。下流部13は、水の流通方向において、弁室11よりも下流側に形成される。
【0025】
弁収容部14は、流路を開く際(弁体100が上昇した際)に弁体100が退避する部分である。弁収容部14は、水の流路を形成する弁室11から分岐するように形成される。具体的には、弁収容部14は、弁室11から上方に延びる円筒状に形成される。弁収容部14の内径は、弁室11の内径と概ね同一となるように形成される。弁収容部14の内側面は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びるように形成される。弁収容部14には、ガイドレール14aが設けられる。
【0026】
図1及び図3に示すガイドレール14aは、弁体100の回転を防止するためのものである。ガイドレール14aは、上下方向に延びる長手状に形成される。ガイドレール14aは、長手方向視(平面視)において、前方が開放された略C字状(コの字状)に形成される。ガイドレール14aは、弁収容部14の内側面(本実施形態では、内側面の後部)に固定される。ガイドレール14aは、弁収容部14の上部(軸受部21近傍)から下端部に亘るように設けられる。
【0027】
弁体100は、水の流路(具体的には、弁室11)を開閉することが可能なものである。弁体100は、弁室11から弁収容部14に亘って上下に移動可能となるように配置される。弁体100は、弁収容部14に退避するように上昇することで、水の流路を開くことができる。また弁体100は、弁室11に進入するように下降することで、水の流路を閉じることができる。なお、弁体100の詳しい構成については、後述する。
【0028】
弁棒20は、弁体100を上下に昇降させるためのものである。弁棒20は略円柱状(棒状)に形成され、弁収容部14の内部において上下に延びるように配置される。弁棒20は、弁収容部14の中心(軸心上)に配置される。弁棒20は、弁収容部14の上部に設けられた軸受部21によって回転可能に支持される。弁棒20の下部(特に、軸受部21よりも下側の部分)には、雄ねじが形成されている。弁棒20の下部は弁体100(本体部110)に連結される。弁棒20の雄ねじは、弁体100に形成された雌ねじと螺合される。これによって、弁棒20の回転に伴って、弁体100を上下に昇降させることができる。
【0029】
本実施形態では、図3に示すように、弁棒20は、弁体100(本体部110)の軸心Cよりも前側(流路の上流側)に偏心した位置に連結されている。従って、弁棒20によって支持された弁体100(本体部110)は、弁収容部14内において、当該弁収容部14に対して若干後方に偏心するように配置されることになる(図2参照)。なお説明の便宜上、図3では弁棒20を軸心Cから大幅に前方へと偏心させた例を図示しているが、偏心量は特に限定するものではなく、例えば本願の実際の偏心量は図例より微小なものを想定している。
【0030】
ハンドル30は、弁棒20を回転させるための操作具である。ハンドル30は、軸受部21よりも上方において、弁棒20に固定される。ハンドル30を回転させることで、弁体100を手動で昇降させることができ、ひいては水の流路を開閉することができる。なお、本実施形態では例示していないが、弁収容部14の上部に、弁棒20を回転させるための駆動機構(例えば、弁棒20を回転させる駆動源となるモータや、モータの動作を制御するための制御部等)を設けることで、弁体100を自動的に開閉させる構成とすることも可能である。
【0031】
押圧部40は、弁体100が流路を閉塞する位置に移動した際に、弁体100を流路の上流側へと押圧するためのものである。押圧部40は、例えば頭部が曲面状に形成されたボルトにより構成される。押圧部40は、弁収容部14の下部(弁室11との接続部近傍)における後側の壁面を前後に貫通するように設けられる。押圧部40は、弁収容部14の内側から外側に挿通されて、弁収容部14に固定される。本実施形態では、押圧部40は、ガイドレール14aの内側に配置され、ガイドレール14aを貫通するように設けられる。押圧部40の前後位置(弁収容部14の内側への突出量)は、押圧部40の締め込み位置を調整することで、任意に調整することができる。
【0032】
以下では、弁体100の構成について具体的に説明する。
【0033】
図4及び図5に示す弁体100は、主として本体部110、第一シール部120及び第二シール部130を具備する。
【0034】
本体部110は、弁体100の主たる構造体を形成する部分である。本体部110は、上下方向に沿った軸心を有すると共に、曲面状の側面を有する略円柱状に形成される。本体部110は、主として拡径部111、くさび部112、巻回部113、端部押さえ部114及び挟持部115を具備する。
【0035】
拡径部111は、本体部110の上下両端部を拡径させるようにして形成された部分である。拡径部111は、本体部110の上下中途部に比べて大きい直径を有するように形成される。上下の拡径部111は、互いに同一の直径となるように形成される。拡径部111には、ガイド用切欠111a(図3参照)及びシール用切欠111b(図5参照)が形成される。
【0036】
図3に示すガイド用切欠111aは、弁箱10に設けられたガイドレール14aが通過可能となるように形成された凹部である。ガイド用切欠111aは、拡径部111の後部を切り欠くようにして形成される。ガイド用切欠111aの左右幅は、ガイドレール14aが通過可能となるように、ガイドレール14aの左右幅よりも若干大きく形成される。ガイド用切欠111aは、上下の拡径部111それぞれに形成される。ガイド用切欠111aの内側にガイドレール14aが配置されることで、本体部110(弁体100)の回転が規制される。さらに、ガイド用切欠111aおよびガイドレール14aを弁体100および弁収容部14の後部に配置することで、弁体100が押圧部40により上流側に移動することが可能な状態で回転を規制できる。
【0037】
図4に示すシール用切欠111bは、第二シール部130が配置可能となるように形成された凹部である。シール用切欠111bは、下側の拡径部111の左右両端部をそれぞれ切り欠くようにして形成される。シール用切欠111bの前後幅は、第二シール部130の前後幅よりも若干大きく形成される。
【0038】
図3及び図4に示すくさび部112は、押圧部40と当接する部分である。くさび部112は、本体部110の側面(後部)から後方に突出するように形成される。くさび部112の下部には、下から上に向かって後方に向かうような傾斜面112aが形成される。傾斜面112aを形成することによって、本体部110(弁体100)が下降する際に、下方からくさび部112に接触する押圧部40を滑らかに案内することができる。
【0039】
図4図5及び図6(a)に示す巻回部113は、第二シール部130の下端部が巻回される部分である。巻回部113は、本体部110の底面に左右一対形成される。巻回部113は、本体部110の底面の左右両端部から下方に突出するように形成される。巻回部113は、前後に所定の厚さを有する板状に形成される。巻回部113は、本体部110の前後中央に形成される。巻回部113の外側面は、正面視(図5参照)において、下方に向かって内側に傾斜するR形状(曲面状)に形成されている。また巻回部113の下端面は、第二シール部130を巻回し易いように、下方に向かって膨出するような曲面状に形成されている。巻回部113の外側面及び下端面の曲率半径は、全域に亘って一定でもよく、また、一定でなくてもよい。
【0040】
図5に示す端部押さえ部114は、巻回部113に巻回された第二シール部130の下端部を押さえるための部分である。端部押さえ部114は、板面を左右に向けた板状に形成される。端部押さえ部114は、巻回部113の左右内側に配置される。端部押さえ部114と巻回部113との間には、所定の隙間が形成される。
【0041】
図4に示す挟持部115は、第一シール部120を前後から挟むためのものである。挟持部115は、例えばL字状に屈曲された板状の部材により形成される。挟持部115は、側面視(図4参照)において、少なくとも巻回部113の前後にそれぞれ設けられる。例えば挟持部115は、左右の巻回部113と前後に対向する位置にのみ設けることも可能である。また例えば挟持部115は、左右の巻回部113と前後に対向する位置を含んで、本体部110の左端から右端に亘って左右全域に設けることも可能である。挟持部115は、互いに略垂直に形成された2つの板状部分のうち、一方の板状部分の板面を前後に向けると共に、本体部110の底面から下方に延びるように配置される。なお、説明の便宜上、図2図5等では挟持部115の図示を適宜省略している。
【0042】
図4及び図5に示す第一シール部120は、本体部110の下部に設けられ、本体部110と、弁室11の内側面と、の間をシールすることが可能なものである。第一シール部120は、前後に所定の厚さを有する板状に形成される。具体的には、第一シール部120の厚さは、前後一対の挟持部115の間隔よりやや大きくなるように形成される。また、第一シール部120の厚さは、後述する第二シール部130の幅よりも大きくなるように形成される。第一シール部120は、正面視において下方に膨出する略半円状に形成される。第一シール部120の下側面(曲面)は、弁室11(図2参照)の内側面と当接可能な形状となるように形成されている。第一シール部120は、弾性を有し、比較的硬度が低い材料(例えば、ゴムスポンジ等)により形成される。
【0043】
本実施形態の第一シール部120は、前後に3分割して形成されている。具体的には、第一シール部120は、前後一対の側部121と、一対の側部121の間に配置された中央部122と、を具備している。中央部122の左右両端の上部には、それぞれ切欠部122aが形成される。これによって第一シール部120の上部の左右両端部には、巻回部113に巻回された第二シール部130を挿入可能な凹部(切欠部122a)が形成される。
【0044】
第一シール部120は、本体部110の下部に取り付けられる。この際、切欠部122aに対して、巻回部113及び当該巻回部113に巻回された第二シール部130が挿入される。また、3分割された前後一対の側部121及び中央部122が、前後一対の挟持部115により前後から挟持されることで、一体的に固定される。
【0045】
なお、3分割された前後一対の側部121及び中央部122は、接着剤や両面テープ等を用いて互いに固定されていてもよい。また、第一シール部120の分割数は特に限定するものではなく、2分割や4分割以上で形成することも可能である。また、第一シール部120は、分割することなく一体的に構成することも可能である。また、前後一対の側部121及び中央部122の厚さは同一(均一)でも、互いに異なっていてもよい。また、前後一対の側部121及び中央部122の素材は同一でも、互いに異なっていてもよい。
【0046】
第二シール部130は、本体部110と、上下方向に沿って延びる弁収容部14の内側面と、の間をシールすることが可能なものである。第二シール部130は、概ね一定の幅を有する長手状に形成されている。第二シール部130は、弾性を有する部材(例えば、ゴムスポンジ等)により形成される。特に第二シール部130は、弁収容部14の内側面との間の摩擦を低減するために、外面皮付きのシリコンゴムスポンジ等を用いることが好ましい。第二シール部130は、本体部110において、第一シール部120から上方かつ流路の上流側へと延出するように設けられる。
【0047】
具体的には、第二シール部130の両端部(下端部)は、本体部110に形成された左右一対の巻回部113にそれぞれ巻回される。第二シール部130の下端部は、外側から内側へと巻回部113に巻回され、第二シール部130の端部が巻回部113と端部押さえ部114との間に挿入される。このように第二シール部130の下端部を、弁収容部14の内側面から離れる方向(本体部110の内側)に向かって屈曲させることで、第二シール部130の端面が弁収容部14の内側面と接触するのを防止することができ、弁収容部14との摩擦によって第二シール部130が本体部110から剥がれるのを防止することができる。また端部押さえ部114によって、第二シール部130の端部が巻回部113から外れるのを抑制することができる。これによって、第二シール部130の下端部を本体部110に対してねじ等により固定することなく、本体部110に保持することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、図6(a)に示すように、巻回部113と端部押さえ部114との間で第二シール部130の下端部を挟み込む例を示しているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図6(b)に示すように、端部押さえ部114を設けない構成とすることも可能である。この場合、図6(b)に示すように、第二シール部130の下端部の端面が左右内側を向くように、第二シール部130を巻回部113に巻回することも可能である。またこの場合、第二シール部130の下端部は巻回部113に対して接着等により固定してもよいし、第一シール部120で前後から挟み込むことで固定してもよい。
【0049】
図4に示すように、第二シール部130は、巻回部113から鉛直上方に直線的に延びるように配置される。この際、第二シール部130は、下側の拡径部111に形成されたシール用切欠111bを通過するように配置される。さらに第二シール部130は、下側の拡径部111より上側において、前方へと屈曲される。これによって、第二シール部130は、側面視曲線状に形成される。このようにして第二シール部130は、本体部110の前後中央から前端部に亘って、本体部110の前半分を囲むような平面視馬蹄状(略C字状)(図7(a)参照)に配置される。
【0050】
なお、前述のように、巻回部113に巻回された第二シール部130の下端部は、第一シール部120の切欠部122aの内側に配置される。これによって、第二シール部130が下端部から剥がれるのを防止することができる。特に本実施形態では、第二シール部130の下端部は、第一シール部120の一対の側部121によって前後から挟まれることで、第一シール部120と密着するように配置される。これによって、第一シール部120と第二シール部130との接続部分における止水性を、接着することなく向上させることができる。また本実施形態では、第一シール部120と第二シール部130とを接着剤や両面テープ等で固定(接着)させていない。このように、第一シール部120と第二シール部130とを独立させることで、ゴミ等が挟まることで破損し易い第一シール部120のみの交換が容易となる。なお、第一シール部120と第二シール部130とは、例えば上述の挟持部115によって前後から挟持されることで、互いに密着させることができる。
【0051】
以下では、上述のように構成された弁装置1が流路を閉塞する際の様子について説明する。なお、図7以降の図面では、説明の便宜上、これまで説明した弁装置1の各部を簡略化して模式的に図示している。また図7(a)、図8(a)等の一部の平面図では、第二シール部130を視認し易くするために、第二シール部130にハッチングを付している。
【0052】
まず、図7に示すように、弁体100が上方(弁収容部14)へと退避し、流路が開かれている状態について説明する。
【0053】
弁体100が上方(弁収容部14)へと退避した状態では、弁室11の内側面と、第一シール部120及び第二シール部130とが離間し、流路が解放される。
【0054】
この状態においては、前述のように弁棒20が本体部110の軸心Cに対して前側に偏心した位置に連結されているため、本体部110(弁体100)は、弁収容部14に対して若干後方に偏った位置に配置される。これによって、第二シール部130の前部と弁収容部14の内側面(特に、内側面の前側)とは、軽く接触するか、若しくは、互いに離間するように配置される。なお、図7においては、第二シール部130と弁収容部14の内側面との間に隙間がある様子を図示しているが、必ずしも隙間はなくてもよい。
【0055】
図7に示すような状態では、第二シール部130と弁収容部14との摩擦が小さくなるため、弁体100を上下に移動させるために要する駆動力を低減することができる。
【0056】
次に、図8に示すように、弁体100が下方(弁室11)へと進入し、流路が閉じられている状態について説明する。
【0057】
弁体100が下方(弁室11)へと進入した状態では、弁室11及び弁収容部14の内側面と、第一シール部120及び第二シール部130とが接触し、弁体100と弁室11及び弁収容部14との間がシールされるため、流路が閉塞される。
【0058】
この状態においては、本体部110に設けられたくさび部112が押圧部40と接触し、当該押圧部40によって本体部110が前方(流路の上流側)へと押圧される。これによって、弁棒20が若干弾性変形するなどして、本体部110が前側へと変位し、第二シール部130の前部が弁収容部14の内側面に押さえつけられる。このように、弁体100が弁室11へと進入した際には、第一シール部120及び第二シール部130によって流路を閉塞することができる。
【0059】
特に本実施形態では、くさび部112が第二シール部130の前端部と同じ高さに形成されている。これによって、くさび部112への押圧力が無駄なく第二シール部130の前端部に伝わり、第二シール部130による止水性を効果的に向上させることができる。
【0060】
なお、弁収容部14の内側面は上下方向に沿って延びるように形成されているため、当該内側面にゴミや泥等が堆積するおそれはない。これによって、第二シール部130と弁収容部14の内側面との間にゴミ等が挟まるのを抑制することができ、第二シール部130による止水性の向上を図ることができる。
【0061】
また、弁体100が最下部(流路を閉塞する位置)まで下降した時点で、はじめて押圧部40がくさび部112を前方へと押圧するように、押圧部40やくさび部112の位置や形状等を設定することが好ましい。このように構成することによって、押圧部40がくさび部112を押圧する位置までは、弁体100を小さい駆動力で昇降させることができるため、弁体100の駆動力を効果的に低減することができる。
【0062】
また、弁室11の底部にゴミ等が堆積していた場合には、第一シール部120が当該ゴミ等を抱き込むように弾性変形する。このため、弁室11の底部にゴミ等が堆積していたとしても、流路を適切に閉塞することができる。なお、このようにゴミ等を抱き込んだ際に、弁室11の内側面から離されずに止水性を保つ部分が残るように、第一シール部120の前後厚さは、ある程度大きくなるように形成することが好ましい。
【0063】
以下では、弁装置1の各種変形例について説明する。
【0064】
図9には、第一変形例に係る弁装置1A(図9(a))及び第二変形例に係る弁装置1B(図9(b))を示している。
【0065】
第一変形例に係る弁装置1A(図9(a))では、くさび部112が、第二シール部130の前端部よりも高い位置に配置されている。ここで、弁体100が押圧部40によって押圧されると、弁棒20の上部(軸受部21に支持された部分(図1参照))を支点として弁棒20の下部が前方へと弾性変形することで、弁体100が前方へ変位する。そこで、第一変形例のように、くさび部112を第二シール部130の前端部よりも高い位置(弁棒20の支点側)に配置することで、弁体100(第二シール部130)の前方への変位量を増加させることができる。これによって、効果的に第二シール部130の止水性を向上させることができる。
【0066】
第二変形例に係る弁装置1B(図9(b))では、くさび部112が、第二シール部130の前端部よりも低い位置に配置されている。第二変形例のように、くさび部112を第二シール部130の前端部よりも低い位置(弁棒20の支点と反対側)に配置することで、弁体100に作用する水圧を低い位置で受け止めることができ、ひいては弁体100の軸心の傾きを抑制することができる。これによって、水圧による弁体100の傾きによる第二シール部130前端部の後退を抑制し、止水性の向上を図ることができる。
【0067】
第一変形例及び第二変形例(図9参照)に示したように、くさび部112は任意の位置に配置することができる。また、くさび部112及び押圧部40を任意の位置に変更可能(位置調整可能)となるように構成することも可能である。
【0068】
図10には、第三変形例に係る弁装置1Cを示している。
【0069】
第三変形例に係る弁装置1Cでは、本体部110の後部に、調整部50を設けている。調整部50は、弁収容部14に対する弁体100の相対的な位置を調整可能なものである。調整部50は、例えば頭部が曲面状に形成されたボルトにより構成される。調整部50は、本体部110の上部における後側面を前後に貫通するように設けられる。調整部50は、頭部を後方に向けて配置される。これによって、弁体100が弁収容部14内に配置された状態で、調整部50の頭部が弁収容部14の後部内側面と接触する。
【0070】
本体部110に対する調整部50の締め込み位置を調整することで、本体部110から後方への調整部50の突出量を変更することができる。これによって、調整部50の頭部を弁収容部14の内側面に押し当てて、本体部110(弁体100)の前後位置を調整することができる。
【0071】
本体部110の前後位置を調整することによって、第二シール部130と弁収容部14の内側面との接触具合を任意に調整することができる。第二シール部130と弁収容部14の内側面との接触具合を適切に調整することで、流体を流通する水の漏れを適切に防止することができる。
【0072】
特に、図10に示すように、弁体100が流路を開放した状態においては、押圧部40がくさび部112に当接していないため、第二シール部130の前端部と弁収容部14の内側面との間に隙間が形成され易い。そこで調整部50によって、この隙間(第二シール部130の前端部と弁収容部14の内側面との接触具合)を適宜調整することで、流路を開放した状態(流路を締め切る前)の水圧による漏水を適切に防止することができる。
【0073】
図11及び図12には、第四変形例に係る弁装置1Dを示している。
【0074】
上記実施形態(図7及び図8等参照)では、弁収容部14の内径が、弁室11の内径と概ね同一となるように構成された弁装置1を例示したが、例えば第四変形例に係る弁装置1D(図11及び図12参照)のように、弁収容部14の内径を、弁室11の内径よりも大きくなるように形成することも可能である。
【0075】
例えば上記実施形態(図7及び図8等参照)では、弁収容部14の内径が、弁室11の内径と概ね同一となるように構成されているため、第二シール部130の左右両端部は、常に弁収容部14の内側面と接触するように構成されている。すなわち、弁体100が弁収容部14に退避して流路を開放している状態(図7参照)でも、第二シール部130の左右両端部は常に弁収容部14の内側面と接触し、圧縮されている。
【0076】
これに対して、第四変形例に係る弁装置1D(図11及び図12参照)では、弁収容部14の内径が、弁室11の内径よりも大きくなるように構成されている。第二シール部130は、流路(弁室11)を閉塞するために、弁室11の内径に応じた左右幅となるように本体部110に設けられているため、弁体100が弁収容部14に退避して流路を開放している状態(図11参照)では、第二シール部130の左右両端部と弁収容部14の内側面の間には隙間が形成され(又は、第二シール部130の左右両端部と弁収容部14の内側面とは軽く接触し)、ほとんど圧縮されることはない。このため、第四変形例に係る弁装置1Dでは、弁体100を上下に移動させる際の第二シール部130と弁収容部14の内側面との摩擦が低減されるため、弁体100を上下に移動させるための駆動力の低減を図ることができる。
【0077】
なお、第四変形例に係る弁装置1Dにおいても、弁体100が下方(弁室11)へと進入した状態では、押圧部40によってくさび部112が前方へと押圧される。これによって、弁室11及び弁収容部14の内側面と、第一シール部120及び第二シール部130とが接触し、弁体100と弁室11及び弁収容部14との間がシールされるため、流路を閉塞することができる。
【0078】
図13には、第五変形例に係る弁装置1Eを示している。
【0079】
第五変形例に係る弁装置1Eでは、弁体100を円柱状(平面視円形状)以外の形状に形成した例を示している。具体的には、第五変形例に係る弁装置1Eでは、弁体100を、平面視多角形状(図例では、前方に向かって先細りに形成された六角形状)に形成した例を示している。このように、弁体100の形状は特に限定するものではなく、流体の流路を開閉可能な任意の形状とすることが可能である。
【0080】
図14には、第六変形例に係る弁装置1F(図14(a))及び第七変形例に係る弁装置1G(図14(b))を示している。
【0081】
上記実施形態では、第二シール部130を屈曲させて本体部110の前半分を囲むように形成した例(図1等参照)を示したが、本発明はこれに限るものではなく、第二シール部130の形状は任意に変更することが可能である。
【0082】
例えば図14(a)に示した第六変形例に係る弁装置1Fにおいては、第二シール部130は、側面視逆L字状に形成されている。このように、また図14(b)に示した第七変形例に係る弁装置1Gにおいては、第二シール部130は、垂直に直線状に延びる部分(下部)と、前上方に直線状に延びる上下中途部と、水平に延びる部分(前端部)と、を具備している。
【0083】
図15には、第八変形例に係る弁装置1Hの弁体100を示している。
【0084】
第八変形例に係る弁体100では、第一シール部120は、分割されることなく、一体的に形成されている。第八変形例に係る第一シール部120は、本体部110に応じた形状に形成されている。具体的には、第一シール部120は、底面視において、本体部110と概ね同一の直径を有する円形状に形成される。第一シール部120の表面は、弁箱10(弁室11及び弁収容部14)に沿う形状となるように形成されている。特に第一シール部120の下端面は、弁体100が下降して流路を閉じる際に、弁室11の内側面と適切に当接できるような形状に形成されている。
【0085】
このように第八変形例に係る第一シール部120は、本体部110と概ね同一の前後幅(流路方向厚さ)を有する。このように構成することにより、第一シール部120の流路方向厚さを最大限確保することができる。これによって、弁体100が下降して第一シール部120が弁室11の内側面に当接する際に、第一シール部120がゴミ等を抱き込んだとしても、第一シール部120が弁室11の内側面から離されずに止水性を保つ部分が残り易くなる。なお、第一シール部120の形状はこれに限るものではなく、任意に変更することも可能である。
【0086】
図16及び図17には、第九変形例に係る弁装置1Jを示している。
【0087】
第九変形例に係る弁装置1Jは、上記実施形態(図1及び図2等参照)と同様に、弁体300を上下に昇降させることで、流体の流路を開閉することができる。以下、具体的に説明する。なお、上記実施形態(図1及び図2等参照)と共通する機能を有する部材については、説明を適宜省略する。
【0088】
弁装置1Jは、主として弁枠体210、弁体300、弁棒220及び押圧部240を具備する。
【0089】
弁枠体210は、流路の一部を形成すると共に、弁装置1を構成する各部が設けられるものである。弁枠体210は、主として仕切り部211、ガイド部212、底部213及び軸受部214を具備する。
【0090】
仕切り部211は、流路における流体の流通方向(前後方向)に対向するように配置される部分である。仕切り部211は、所定の厚さを有する板状に形成される。仕切り部211の下部には、流体が流通可能な矩形状の開口部211aが形成されている。
【0091】
ガイド部212は、弁体300(本体部310)を上下にスライド可能となるように案内するものである。ガイド部212は、仕切り部211の左右両端部の後方に1つずつ配置される。左右一対のガイド部212は、左右方向において、互いに所定の間隔を空けて配置される。ガイド部212は、前後方向において、仕切り部211との間に所定の隙間(本体部310が移動可能な隙間)を空けて配置される。なお、便宜上、図16(b)ではガイド部212の図示を省略している。
【0092】
底部213は、流路の底面を形成すると共に、仕切り部211を支持するものである。底部213は、仕切り部211の下端部から後方に延びるように形成される。
【0093】
軸受部214は、弁棒220を回転可能に支持する部分である。軸受部214は、仕切り部211の上端部の中央後部に設けられる。
【0094】
このように構成された弁枠体210において、仕切り部211の下部(開口部211a)の背後に、弁室210aが規定される。弁室210aは、流路を閉じる際に弁体300が進入する部分である。また弁枠体210において、仕切り部211の上部の背後に、弁収容部210bが規定される。弁収容部210bは、流路を開く際に弁体300が退避する部分である。
【0095】
図16に示すように、弁室210aや弁収容部210bは、必ずしも弁体300の周囲を囲むように形成される必要はなく、弁体300を配置可能な空間を規定するものであればよい。
【0096】
弁体300は、水の流路を開閉することが可能なものである。弁体300は、弁室210aから弁収容部210bに亘って上下に移動可能となるように配置される。弁体300は、仕切り部211の背後に配置される。弁体300は、主として本体部310、第一シール部320及び第二シール部330を具備する。
【0097】
本体部310は、弁体300の主たる構造体を形成する部分である。本体部310は、前後方向に板面を向けた矩形の平板状に形成される。本体部310の下端部は、後方に屈曲される。これによって本体部310は、側面視略L字状に形成される。本体部310の背面の左右両端部には、左右一対のくさび部312が形成される。
【0098】
第一シール部320は、本体部310の下部に設けられ、本体部310と、弁室210aの内側面(底部213の上面)と、の間をシールすることが可能なものである。第一シール部320は、直方体状に形成される。第一シール部320の前後幅をある程度大きく形成することにより、第一シール部320がゴミ等を抱き込んだ際の止水性を保つことができる。
【0099】
第二シール部330は、本体部310と、上下方向に沿って延びる弁収容部210bの内側面(仕切り部211の後側面)と、の間をシールすることが可能なものである。第二シール部330は、概ね一定の幅を有する長手状に形成されている。第二シール部330は、本体部310において、第一シール部320から上方かつ流路の上流側へと延出するように設けられる。
【0100】
具体的には、第二シール部330の下端部(両端部)は、第一シール部320の前上部の左右両端部に接続される。第二シール部330は、本体部310の前側面において、下端部から上方へと延びるように配置される。左右から延びる第二シール部330の上部は、本体部310の上部付近で互いに接続される。これによって第二シール部330は、正面視逆U字状に形成される。このようにして第二シール部330は、本体部310の前側面の左右両端部及び上端部に沿うように配置される。
【0101】
なお、本変形例では、第一シール部320と第二シール部330とを一体的に形成した例を示しているが、例えば上記実施形態(図5等参照)のように、第一シール部320と第二シール部330とを別体で形成することも可能である。
【0102】
弁棒220は、弁体300を上下に昇降させるためのものである。弁棒220の上部は、軸受部214によって回転可能に支持される。弁棒220の下部は、弁体300(本体部310)に連結される。弁棒220の雄ねじは、弁体300(本体部310)の雌ねじと螺合される。
【0103】
押圧部240は、弁体300が流路を閉塞する位置に移動した際に、弁体300を流路の上流側へと押圧するためのものである。押圧部240は、弁体300が流路を閉塞する位置まで下降した際に、くさび部312と接触する位置に配置される。押圧部240は、適宜の部材(不図示)に支持される。押圧部240の前後位置は、任意に調整可能となるように構成することも可能である。なお、図6(a)では、説明の便宜上、押圧部240の図示を省略している。
【0104】
このように構成された弁装置1Jでも、上記実施形態の弁装置1(図1及び図2等参照)と同様に、弁棒220を回転させて弁体300を上下に昇降させることで、流路を開閉することができる。
【0105】
第二シール部330は、第一シール部320から上方かつ流路の上流側へと延出するように設けられ、上下方向に沿って延びる仕切り部211の背面(弁収容部の内側面)との間をシールする。これによって、第二シール部330と仕切り部211との間にゴミや泥等が堆積することがなく、シール性を向上させることができる。
【0106】
弁体300が下方(弁室210a)へと進入した状態(図16及び図17に示す状態)では、仕切り部211及び底部213(弁室210a及び弁収容部210bの内側面)と、第一シール部320及び第二シール部330とが接触し、流路が閉塞される。この状態においては、くさび部312が押圧部240によって前方へと押圧される。これによって本体部310が前方へと変位し、第二シール部330が仕切り部211の背面に押さえつけられる。
【0107】
図18及び図19には、第十変形例に係る弁装置1Kを示している。
【0108】
第十変形例に係る弁装置1Kは、第九変形例に係る弁装置1Jの構成を一部変更したものである。以下では、第十変形例に係る弁装置1Kの構成のうち、第九変形例に係る弁装置1Jと異なる部分について説明し、その他の共通する部分については説明を適宜省略する。
【0109】
弁装置1Kにおけるくさび部312は、本体部310の背面の左右両端部に形成される。より具体的には、くさび部312は、ガイド部212と前後方向に対向する位置に形成される。また、くさび部312は、第九変形例(図16参照)と比較して、やや低い位置に形成される。
【0110】
弁装置1Kにおける押圧部240は、弁体300が流路を閉塞する位置まで下降した際に、くさび部312と接触する位置に配置される。押圧部240は、ガイド部212を前後に貫通するように配置され、ガイド部212に固定される。
【0111】
弁装置1Kにおける第二シール部330は、第九変形例に係る第二シール部330(図16及び図17参照)に比べて、左右幅が広くなるように形成される。第二シール部330の左右両側部は、背面視においてくさび部312と重複する位置に形成される(図18(a)参照)。これによって、くさび部312が押圧部240によって前方へと押圧された際に、第二シール部330を仕切り部211の背面に強く押さえつけることができ、止水性の向上を図ることができる。
【0112】
図20から図22までには、図4等に示した第一シール部120の変形例を示している。
【0113】
図20(a)に示す第一変形例に係る第一シール部120aには、下部に切欠部123が形成されている。切欠部123は、第一シール部120aの下部を左右に亘って切り欠くように形成される。切欠部123は、比較的前後幅が小さいスリット状に形成される。切欠部123の深さ(上下幅)は、特に限定するものではないが、第一シール部120aの下方を流通すると想定されるゴミ等の直径よりも大きく形成することが好ましい。このように2つの切欠部123を形成することで、第一シール部120aの下部は、前後方向に沿って3分割されることになる。なお、図例では2つの切欠部123を形成した例を示しているが、切欠部123の個数は特に限定するものではない。
【0114】
このように切欠部123を形成することで、第一シール部120aの下部が前後に分割されることになる。これによって、弁体100が下降した際に、分割された一の部分にゴミ等が抱き込まれて当該部分が変形したとしても、切欠部123により分割された他の部分には当該変形が伝わり難くなる。このため、ゴミ等を抱き込んだ状態であっても、止水性の低下を抑制することができる。図20及び図22に示す他の変形例についても、同様の効果(止水性の低下の抑制)を奏することができる。以下、他の変形例の構成について説明する。
【0115】
図20(b)に示す第二変形例に係る第一シール部120bは、第一変形例に係る第一シール部120aを、前後に3分割して(3つの部材を組み合わせて)形成したものである。例えば第二変形例に係る第一シール部120bは、図4等に示す第一シール部120と同様に、前後一対の側部121と、一対の側部121の間に配置された中央部122と、によって形成することができる。
【0116】
なお、具体的な説明は省略するが、図20及び図22に示す他の変形例に係る第一シール部120c等についても、第二変形例に係る第一シール部120bと同様に、複数に分割して(複数の部材を組み合わせて)形成することが可能である。この際、分割の数は特に限定するものではない。また、分割された各部材の素材は、同一でも、互いに異なっていても良い。例えば、比較的硬度の高い素材の間に、比較的硬度の低い(軟らかい)素材を配置することで、ゴミ等を抱き込んだ際の変形を軟らかい素材で吸収し、一の部材の変形が他の部材に伝達されるのを抑制することができ、止水性の低下を抑制することができる。
【0117】
図20(c)に示す第三変形例に係る第一シール部120cは、第一変形例に係る第一シール部120aの切欠部123の形状を変更したものである。具体的には、第一シール部120cの切欠部123は、下方に向かうにつれて前後幅が拡がるような形状(谷状)に形成されている。このように切欠部123の幅を拡げることで、切欠部123にゴミ等が詰まるのを抑制することができる。
【0118】
図20(d)から図20(f)には、切欠部123の形状のバリエーションを示している。例えば図20(d)に示す第四変形例に係る第一シール部120dのように、切欠部123を曲面状(側面視において、上に向かって凸の円弧状)に形成することも可能である。また図20(e)に示す第五変形例に係る第一シール部120eのように、切欠部123を、第四変形例とは異なる曲面状(側面視において、下に向かって凸の円弧状)に形成することも可能である。また図20(f)に示す第六変形例に係る第一シール部120fのように、切欠部123の前後一対の対向面のうち、一方のみを傾斜させ、他方を鉛直に延びるように形成することも可能である。このように、切欠部123の形状は任意に変更することが可能である。
【0119】
次に、ゴミ等の挟まりを回避するための第一シール部120の変形例について説明する。
【0120】
まず、図21を用いて、第一シール部120と流路(弁室11)の底部との間にゴミTが挟まることを回避するための構成の概略について説明する。
【0121】
流路を閉じるために弁体100(第一シール部120)が下降し始めた際(図21(a)の左図)に、第一シール部120の下方にゴミTが流入してきた場合を想定する。この場合、ゴミTは第一シール部120の下方を、前方から後方に向かって流通しようとするが、第一シール部120と弁室11の底部との隙間が小さくなると、当該第一シール部120と底部との間にゴミTが挟まれて引っ掛かってしまう(図21(a)の右図)。第一シール部120にゴミTが引っ掛かるのは、止水性確保の観点から好ましくない。
【0122】
そこで、ゴミTが挟まれるのを回避するために、図21(b)に示す第七変形例に係る第一シール部120gのように、第一シール部120の底面の形状を、水平ではなく、流出側(後側部分)を流入側(前側部分)よりも高くなるように形成することが考えられる。このように構成することで、第一シール部120gが下降したとしても、ゴミTが流通できる隙間を確保することができるため、第一シール部120にゴミTが引っ掛かるのを防止することができる。以下、このように第一シール部120gと弁室11の底部との間にゴミTが挟まれることを回避するための条件について具体的に説明する。
【0123】
ゴミTが第一シール部120gと弁室11の底部との間に挟まれることを回避するためには、「第一シール部120gの流入側下端を通過したゴミTが流出側下端に達するまでに、第一シール部120gと弁室11の底部との隙間(ゴミTの流路)がゴミTの高さ以下にならないこと」が条件となる。
【0124】
特に、ゴミTの高さと、第一シール部120gの流入側端部における隙間と、がほぼ同一となるタイミングで、ゴミTが第一シール部120gの流入側端部を通過すると想定した場合(図21(b)の左図参照)に、上記条件は最も厳しくなる。この場合、「第一シール部120gの流入側下端と流出側下端の上下位置の差(以下、「短縮量y」と称する)は、ゴミTが第一シール部120gの下方を通過するのに要する時間内における弁体100(第一シール部120g)の下降量以上となること」が条件となる。この条件を数式で表すと、以下のようになる。
【0125】
(数1)
y≧V1×(W/V2)
【0126】
なお、W(cm)は、第一シール部120の前後幅である。また、V1(cm/秒)は、弁体100(第一シール部120)の下降速度である。また、V2(cm/秒)は、ゴミTの速度(流体の流速)である。また、y(cm)は、短縮量(最低短縮量)である。
【0127】
上記数1を満たすように短縮量yを設定することで、第一シール部120gにゴミTが引っ掛かる(挟まる)のを回避することができる。
【0128】
また上記数式(数1)に加えて、第一シール部120の対面の前後中途部の形状は、流入側下端と流出側下端を結ぶ直線L(図21(b)参照)よりも上方に位置している(直線Lよりも下方に突出していない)必要がある。
【0129】
なお、流体の流速は、用水路の水深に関係する(用水深が深いほど速くなる)ため、ゴミTの挟まりを防止する観点からは、用水路の水深は、一般的な(通常の)水深よりも低めに(浅く)設定した流速を数1に適用するのが好ましい。また、上記数1は理論上のものであり、実際にはさらに安全率を考慮して短縮量yを設定することが望ましい。すなわち、「実際のy=y×安全率」とすることが望ましい。
【0130】
図22には、上述の条件(数1や直線L(図21参照))を満たす第一シール部120の変形例を示している。
【0131】
図22(a)に示す第八変形例に係る第一シール部120hは、第三変形例に係る第一シール部120c(図20(c)参照)の前端部(切欠部123により区切られた部分のうち、最も前側の部分)を下方に延ばして形成したものである。このように、第一シール部120hの流入側下端を下方に延ばすことで、図21(b)に示した例と同様に、ゴミTの挟まりを防止することができる。
【0132】
図22(b)に示す第九変形例に係る第一シール部120iは、第三変形例に係る第一シール部120c(図20(c)参照)の底部を、傾斜状に形成したものである。具体的には、切欠部123によって分割された第一シール部120iの下部の上下幅が、前から後に向かって段階的に短くなるように形成されている。このように、第一シール部120cの底部を、前後に亘って傾斜状に形成することも可能である。
【0133】
図22(c)及び図22(d)に示す第十変形例に係る第一シール部120jは、第一変形例に係る第一シール部120a(図20(a)参照)の前面に、板状部124を設けたものである。板状部124は、正面視(図20(d))において、第一シール部120jの本体部分(破線部分)よりも一回り大きい扇状に形成される。これによって、板状部124の外周部分は、第一シール部120jの本体部分から外側に突出するように形成される。板状部124の外周部分には、周方向に沿って複数のスリット124aが形成される。これによって、板状部124の外周部分が弁室11に接した後でもスリットから水が流れることで流入側の水圧上昇を防ぎ、板状部124の外周部分の変形を防ぐことができる。
【0134】
このように板状部124を設けることで、弁体100(第一シール部120j)が下降する際に、第一シール部120jに挟まってしまうような大型のゴミTが、第一シール部120jの下方に流入するのを防ぐことができる。
【0135】
なお、スリット124aをより密に形成し、板状部124の外周部分を、くし状、ブラシ状等に形成してもよい。また、スリット124aを必ずしも形成しなくてもよい。また、板状部124は、第一シール部120jの他の部分とは異なる材質で形成することも可能である。例えば、第一シール部120jの本体をゴムスポンジにより形成し、板状部124を通常のゴムで形成することも可能である。
【0136】
以下では、上述のような弁装置1等を、用水路2に取り付けるための構成について説明する。
【0137】
図23には、用水路2の一例を示している。用水路2は、水田(圃場)へと供給される水を案内する開水路(U字溝)である。用水路2の流通方向中途部には、水を水田へと取り入れるための掛け口部3が形成されている。掛け口部3は、用水路2と水田とを連通するように形成された開水路(U字溝)により構成される。掛け口部3の一対の側壁には、弁装置1を取り付けるための取付溝3aが形成される。取付溝3aは、掛け口部3の側壁を上下に亘って切り欠くように形成される。
【0138】
図23及び図24には、取付板60を具備する弁装置1を示している。取付板60は、弁装置1を用水路2に取り付けるためのものである。取付板60は、矩形板状に形成される。取付板60の素材は特に限定するものではないが、例えば硬質塩ビ板、発砲塩ビ板、再生プラスチック等により形成することが可能である。取付板60は、板面を前後方向(弁箱10の弁室11、上流部12及び下流部13が並ぶ方向)に向けた状態で配置される。取付板60の中央下部には、当該取付板60を前後に貫通する貫通孔61が形成される。貫通孔61の内径は、上流部12の外径と略同一となるように形成される。貫通孔61には、弁箱10の上流部12が挿通される。
【0139】
取付板60は、上流部12の後端部(弁収容部14と隣接する位置)に配置される。取付板60の上部(上流部12よりも上側)は、ボルト71によって弁収容部14に固定される。また、取付板60の下部(上流部12よりも下側)は、ボルト71によって、弁装置1の脚部11aに固定される。なお、脚部11aは、弁装置1を地面等に安定した姿勢で載置するための部材であり、弁箱10の底部に固定されている。また、取付板60を固定する際に、必要に応じてスペーサ72を用いることが可能である。
【0140】
なお、図23及び図24に示した取付板60の固定方法は一例であり、限定するものではない。例えば、ボルト71以外の固定具を用いて固定することや、接着剤等で接着することも可能である。また、取付板60の固定対象は弁収容部14や脚部11aに限定するものではなく、任意の部位に対して固定することが可能である。
【0141】
このように取付板60が固定された弁装置1は、取付板60を掛け口部3の取付溝3aに挿入することで、用水路2に取り付けることができる。具体的には、取付板60の左右両端部が、一対の取付溝3aにそれぞれ挿入される。これによって、弁装置1が掛け口部3に固定される。なおこの際、取付板60の左右両端部を、一対の取付溝3aの間隔に合わせて任意に切断してもよい。用水路2を流通する水は、弁装置1を介して水田へと供給される。弁装置1を任意に開閉することで、任意のタイミングで水田への給水を行うことができる。
【0142】
図24のような取付板60を用いて弁装置1を用水路2に取り付けた場合、弁装置1の重心(概ね弁収容部14の軸線付近)に対して、弁装置1を支持する部材(取付板60)がずれた位置に位置することになる。このような構成では、弁装置1がいわゆる片持ち支持されている状態となり、弁装置1が下端部付近を中心として前側から後側に向かって倒れる方向の力が発生する。そこで図24の例では、取付板60を可能な限り重心付近(弁収容部14付近)に配置することで、弁装置1の倒れる力を抑制している。
【0143】
なお、上述のような重心と取付板60とのずれを利用して、あえて弁装置1を傾斜させた状態で配置することも可能である。例えば弁装置1を後ろ下がりに傾斜するように配置することで、弁箱10内の水の排出を促すことができる。
【0144】
図25から図29までには、図23及び図24に示した取付板60の変形例を示している。
【0145】
図25に示す第一変形例に係る取付板60aは、受け部62を具備している。受け部62は、弁装置1を下方から支持する部分である。受け部62は、水平方向に延びる板状に形成される。受け部62は、取付板60aの下部(弁箱10よりも下方)から、後方に突出するように設けられる。受け部62には、弁箱10に設けられた脚部11aが載置される。
【0146】
このように、取付板60aは、受け部62を介して弁装置1を下方から支持することができるため、片持ち支持された弁装置1が、後ろ方向に倒れる力を抑制できる。
【0147】
図26(a)に示す第二変形例に係る取付板60bは、上流部12の前後中途部に配置される。取付板60bは、図24に示す取付板60に比べて弁収容部14や脚部11aから若干離れた位置に設けられるため、弁収容部14や脚部11aではなく、上流部12に対してボルト71で固定される。
【0148】
このように取付板60bは、上流部12の任意の位置に設けることができる。また、取付板60bは、上流部12ではなく、下流部13の任意の位置に設けることも可能である。また取付板60bは、弁室11(弁装置1の重心付近)に設けることも可能である。なお、取付板60bを弁室11に設ける場合には、円形の貫通孔61ではなく、弁室11の外形に応じた略U字状の切り欠きを形成してもよい。
【0149】
図26(b)に示す第三変形例に係る取付板60cは、上流部12に嵌め合わされるようにして取り付けられる。具体的には、取付板60cには、当該取付板60cを前後に貫通するようなパイプ63が設けられる。パイプ63は、取付板60cから後方に突出するように形成される。パイプ63の外径は、上流部12の内径と略同一となるように形成される。パイプ63は、前方から上流部12の内側に嵌め合わされ、ボルト71によって固定される。このように、取付板60cは、上流部12よりも外側(前側)に配置することも可能である。
【0150】
図27から図29までに示す第四変形例に係る取付板60dは、掛け口部3(図23参照)ではなく、パイプ4が設けられた用水路2に弁装置1を取り付けるためのものである。
【0151】
パイプ4は、用水路2の水を水田へと取り入れるためのものである。パイプ4は、用水路2の側面を前後に貫通するように設けられる。パイプ4は、用水路2から後方に突出するように形成される。パイプ4を、弁装置1の上流部12に嵌め合わせることで、弁装置1を用水路2と接続することができる。
【0152】
取付板60dは、図24に示す取付板60と同様に、ボルト71によって弁収容部14及び脚部11aに固定される。取付板60dの背面には、ブラケット64が設けられる。ブラケット64は、取付板60dの上部において、弁収容部14を挟んで左右一対設けられる。ブラケット64には、上下方向に貫通する貫通孔が形成される。ブラケット64の貫通孔には、長手方向を上下方向に向けた杭73が挿入され、固定される。杭73としては、単管パイプ等の長手状の部材を用いることができる。杭73の下部は、水田(圃場)の地中に埋設される。このように弁装置1は、取付板60dを介して支持される。第四変形例に係る取付板60dは、掛け口部3(図23参照)に取り付ける必要がないため、図23に示す取付板60と比べて、左右幅を狭く形成することができる。
【0153】
以上の如く、本実施形態に係る弁装置1は、
上下に移動することで、流体の流路を開閉可能な弁体100と、
前記流路の一部を形成し、前記流路を閉じる際に前記弁体100が進入する弁室11と、
前記弁室11の上方に配置され、前記流路を開く際に前記弁体100が退避する弁収容部14と、
を具備する弁装置1であって、
前記弁体100は、
本体部110と、
前記本体部110の下部に設けられ、前記弁室11の内側面との間をシール可能な第一シール部120と、
前記本体部110に、前記第一シール部120から上方かつ前記流路の上流側へと延出するように設けられ、上下方向に沿って延びる前記弁収容部14の内側面との間をシール可能な第二シール部130と、
を具備するものである。
このように構成することにより、止水性を向上させることができる。具体的には、第二シール部130によって上下方向に延びる弁収容部14の内側面との間をシールするため、当該第二シール部130と弁収容部14の内側面との間にゴミや泥等が堆積することがなく、シール性を向上させることができる。また、本実施形態のように、弁体100のうち、上流側にのみ第二シール部130を設けることで、第二シール部130と弁収容部14との摺動抵抗を低減することができる。
【0154】
また、前記本体部110は、
上下方向に沿った軸心を有すると共に、曲面状の側面を有する略円柱状に形成され、
前記第二シール部130は、
前記本体部110の側面に沿って設けられるものである。
このように構成することにより、止水性を向上させることができる。
【0155】
また、弁装置1は、
前記本体部110に連結され、前記本体部110を上下に移動させるための弁棒20(軸部材)をさらに具備し、
前記弁棒20は、
前記本体部110の軸心Cよりも前記流路の上流側に偏心した位置に連結されているものである。
このように構成することにより、本体部110を後方に偏心させることで、第二シール部130の弁収容部14内側面への押付力が低下し、摺動抵抗を低減することができる。
【0156】
また、弁装置1は、
前記弁体100が前記流路を閉塞する位置に移動した際に、前記弁体100を前記流路の上流側へと押圧する押圧部40をさらに具備するものである。
このように構成することにより、流路を閉塞する際に流路を流通する流体による水圧が最大となるが、第二シール部130を弁収容部14の内側面に押し付けることで、流路から上方(弁収容部14側)への漏水を効果的に防止することができる。また、前記弁体100が前記流路を閉塞する位置に移動した際に弁体100を押圧するため、それ以外の位置に弁体100が位置している時の第二シール部130と弁収容部14の内側面との摺動抵抗を低減することができる。
【0157】
また、弁装置1Cは、
前記弁収容部14に対する前記弁体100の相対的な位置を調整可能な調整部50をさらに具備するものである。
このように構成することにより、弁収容部14に対する弁体100の相対的な位置を調整することで、適切に漏水を防止できるように、第二シール部130と弁収容部14の内側面との間隔や当たり具合を調整することができる。
【0158】
また、前記第二シール部130の下端部は、
前記第一シール部120に形成された切欠部122aの内側に配置されているものである。
このように構成することにより、第二シール部130が、弁収容部14や弁室11の内側面との摺動によって下端部から剥がれるのを抑制することができる。
【0159】
また、前記第二シール部130の下端部は、
前記第一シール部120に密着するように配置されているものである。
このように構成することにより、第一シール部120と第二シール部130とを接着することなく、流路を閉塞することができる。
【0160】
また、前記第二シール部130の下端部は、
前記弁収容部14の内側面から離れる方向に屈曲されているものである。
このように構成することにより、第二シール部130が、弁収容部14や弁室11の内側面との摺動によって下端部から剥がれるのを抑制することができる。
【0161】
なお、本実施形態に係る弁棒20は、本発明に係る軸部材の実施の一形態である。
【0162】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0163】
例えば、上記実施形態では、弁体100を前方へと押圧する押圧部40を設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、押圧部40を必ずしも設ける必要はない。
【0164】
また、上記実施形態では、円柱状の弁体100の軸心Cに対して弁棒20を前側に偏心させることで、第二シール部130の前端と弁収容部14の内側面との摺動抵抗を低減させる例を示したが、例えば円柱状以外の形状に形成された弁体100であっても、同様の構成を採用することが可能である。すなわち、弁体100の形状に関わらず、第二シール部130の前端と弁収容部14の内側面との当たり具合(摺動抵抗)が適切となるような位置に弁棒20を設けることが可能である。
【0165】
また、上記実施形態では、押圧部40や調整部50をボルトにより構成した例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、押圧部40や調整部50を任意の部材(適宜の形状に形成された板材等)により構成することが可能である。
【0166】
上述の如く構成された弁装置1等は、適宜の作動装置を用いて作動させることも可能である。これによって、弁装置1等を遠隔操作したり、適宜設定されたスケジュールや水位等の検出結果に基づいて自動的に操作することが可能となる。以下では、上述の如く構成された弁装置1等を作動させるための電動アクチュエータ416の構成の一例について説明する。
【0167】
図30図32に示すように、電動アクチュエータ416は、上述の弁装置1等の送水制御装置を作動させるための装置であって、アクチュエータ本体422と、送水制御装置にアクチュエータ本体422を取り付けるための取付台424とを備える。なお電動アクチュエータ416は、上述の弁装置1に限らず、その他の給水栓、落水口等の送水制御装置の変位機構を作動させる(開閉させる)ために用いることも可能である。
【0168】
図33および図34に示すように、アクチュエータ本体422は、カバー部材432と保持部材434とで構成される本体ケース430を備える。カバー部材432は、円筒状の側壁464と、側壁464の上端部を封止する円板状の天壁466とを有している。一方、保持部材434は、底壁472と、カバー部材432の側壁464に対して下側から嵌め合わされる第1嵌合部474とを有しており、カバー部材432と保持部材434とは、互いに着脱可能である。本体ケース430の具体的構成については、後述する。
【0169】
本体ケース430の上には、太陽電池パネル436が取り付けられる。太陽電池パネル436は、金属製の保持体438によって所定角度となるように支持される。また、太陽電池パネル436は、本体ケース430に対して横方向に回転可能(つまり向く方角を変更可能)に設けられる。具体的には、本体ケース430が備えるカバー部材432の側壁464の上端部外周面には、周方向に延びる環状溝464aが形成される。一方、保持体438は、中央部に挿通孔が形成された矩形板状の取付部438aと、取付部438aの両端部から立ち上がる矩形板状の脚部438bと、脚部438bの上端部から所定角度で延出される支持部438cとを有する。そして、支持部438c上に太陽電池パネル436が固定されると共に、取付部438aの内側縁部(挿通孔の周縁部)が環状溝464aに摺動可能に嵌め入れられることによって、太陽電池パネル436が本体ケース430に回転可能に取り付けられる。また、図示は省略するが、脚部438bには、回り止め用のねじが外側から取り付けられており、このねじによって側壁464を外側から押圧することで、太陽電池パネル436の意図しない回転が防止(つまり回り止め)される。
【0170】
また、図30および図31に示すように、太陽電池パネル436は、配線440を介して、本体ケース430内に設けられる電子基板446と接続される。太陽電池パネル436に接続された配線440は、側壁464の外側面に沿って上下方向に延びるように設けられ、側壁464と共に通線路を形成する溝状の通線カバー442内、および側壁464の下端部に形成された通孔464bを通って本体ケース430内に引き込まれる。この際、配線440は、太陽電池パネル436の回転に対応可能な長さに調整され、太陽電池パネル436が向く方角によって余剰となる部分は、太陽電池パネル436と天壁466との間に形成される空間に収納可能となっている。また、保持体438の取付部438aには、ケーブルグランド444(配線保持部材)が設けられ、このケーブルグランド444によって配線440の意図しない変位が防止される。さらに、配線440には、接続部440a(コネクタ)が設けられており、この接続部440aは本体ケース430の下部に配置される(図40参照)。
【0171】
図33および図34に戻って、本体ケース430の内部には、電子基板446と、蓄電池448と、モータ450および回転軸452を含む駆動機構とが収容される。つまり、本体ケース430内に収容されるコンポーネントには、電子基板446、蓄電池448およびモータ450等の電気部品(電装部)が含まれる。また、回転軸452の一部は、本体ケース430から下方に突出するように設けられる。
【0172】
電子基板446には、図示は省略するが、CPUおよびメモリ等を含む制御部、および無線通信モジュール等を含む無線通信部などが配設される。制御部には、モータ450、操作パネル454(図40参照)、無線通信部およびセンサ端末などが電気的に接続される。制御部のCPUは、電動アクチュエータ416の全体制御を司り、モータ450等の駆動を制御する。メモリは、ROM、RAMおよびHDDなどを包括的に示したものであり、電動アクチュエータ416の動作を制御する制御プログラムを記憶したり、CPUが動作する際のワークエリアとして機能したりする。また、無線通信部は、アンテナと接続され、アンテナを介して中継機などの外部機器と無線通信を行う。
【0173】
蓄電池448は、本体ケース430内の上部に設けられ、太陽電池パネル436によって発電された電力を蓄電する。モータ450(駆動機構の駆動源)は、底壁472の底上げ部472aの上面に設けられ、蓄電池448に蓄えられた電力によって駆動される。このモータ450の出力軸450aの先端部には、上下方向に延びる回転軸452が接続される。
【0174】
回転軸452は、上端部が出力軸450aに固定される角棒状の軸本体452aと、軸本体452aに対して上下方向(軸方向)に摺動可能に外嵌めされる角筒状の可動部452bとを含む。この可動部452bの下端部には、弁装置1の弁棒20と連結されるカップリング部452cが形成される。このような回転軸452は、モータ450からの駆動力を受けて軸線回りに回転し、弁装置1の弁棒20を回転させる。弁棒20が回転により上下するタイプの送水制御装置に取り付けた場合は、上下動に伴って可動部452bが上下動することで伸縮する。また、図示は省略するが、軸本体452aの上部にボールフランジャ等の係止部が設けられると共に、可動部452bの上部に係止部と係合する丸孔等の被係止部が設けられる。そして、軸本体452aの係止部に可動部452bの被係止部が係止されることで、回転軸452は、縮んだ状態(可動部452bが上部位置にある状態)を保持可能である。これにより、電動アクチュエータ416の故障時などには、回転軸452と弁装置1の弁棒20との連結を解除した後に、ハンドル30を手で回す(つまり手を入れる)スペースを形成することができる。
【0175】
また、本体ケース430内の下部には、使用者が電動アクチュエータ416を直接操作するための操作パネル454(図40参照)および電源スイッチ456が設けられる。操作パネル454には、上昇スイッチ(ボタン)、下降スイッチおよび電子基板446の設定ダイヤル等の操作部や、電源の入切、異常の有無および動作モードの種類などを示す確認ランプ、並びに電子基板446のログ確認用の配線接続端子(配線の接続部の一例)などが適宜設けられる。
【0176】
図35に示すように、取付台424は、円筒状の側壁部460を含む。側壁部460には、回転軸452などの動作確認、上記ハンドル操作および清掃などの維持管理作業を行うための点検口460aが形成される。この点検口460aには、側壁部460の一部を構成する蓋体460bが着脱可能(開閉可能)に取り付けられる。また、側壁部460の上端部には、周方向に所定間隔で並ぶ複数の孔460cが形成される。側壁部460の下端部には、弁装置1との固定に用いられる溝部461が形成される。なお、溝部461の詳細な構成については、後述する。
【0177】
次に、図33および図34と共に図36および図37を参照して、本体ケース430の構成について具体的に説明する。上述のように、本体ケース430は、互いに着脱可能なカバー部材432と保持部材434とを備える。
【0178】
図33図34および図36に示すように、カバー部材432は、円筒状の側壁464と側壁464の上端部を封止する円板状の天壁466とを有する有頂円筒状に形成される。カバー部材432は、硬質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂によって形成される。カバー部材432の側壁464の内径は、たとえば140[mm]である。
【0179】
この実施例では、カバー部材432(延いては本体ケース430)の側壁464および天壁466は、気密構造を有するように形成される。これにより、本体ケース430の下面側(底壁側)が気密構造となっていなくても、電動アクチュエータ416が水没したときに本体ケース430内の空気は抜けなくなるので、本体ケース430内への水の浸入を防ぐことができる。つまり、電動アクチュエータ416が水没しても本体ケース430内に空気を溜めておくことができるので、水圧と本体ケース430内の気圧(内圧)とが釣り合う一定の浸水レベル(水位)で浸水を止めることができる。したがって、水没すると故障する可能性の高い電子基板446、蓄電池448およびモータ450等の電気部品については、その浸水レベルよりも上方に配置しておくことで、洪水時などに電動アクチュエータ416が水没しても、電気部品が水に濡れてしまうことを防止できる。
【0180】
ただし、この発明における「気密」とは、本体ケース430が水没しても、その部分から本体ケース430内の空気が漏れない程度に、耐用期間中は気密性および水密性が保たれることを言う。また、上記の水没時における浸水レベルを算出する際には、カバー部材432の気密構造を有する部分の下端Xが用いられ、側壁464に気密性を有さない状態の連結部または孔などがある場合には、連結部または孔などの上縁位置が下端Xとなる。この実施例では、側壁464の下端部に保持部材434をボルト止めするために形成された孔464cの上縁位置が下端Xとなる。カバー部材432の下端Xから天壁466の下面までの長さ、つまりカバー部材432の内部空間の高さ寸法は、たとえば300[mm]である。浸水レベルの算出方法については、この出願人による特開2017-193914号公報に記載されているので、参照されたい。
【0181】
また、上述のように、カバー部材432の側壁464の上端部外周面には、太陽電池パネル436の保持体438を回転可能に支持するための環状溝464aが形成される。また、側壁464の下端部には、配線440を通すための通孔464b(図30参照)が形成されると共に、側壁464に保持部材434をボルト止めするための複数の孔464cが周方向に所定間隔で並ぶように形成される。
【0182】
さらに、カバー部材432内の上部には、独立気泡スポンジ等の緩衝材によって形成された第1緩衝体468および第2緩衝体470が設けられる。第1緩衝体468は、円板状に形成されて、天壁466の下面に取り付けられる。第1緩衝体468は、蓄電池448に上側から当接する(押え付ける)ことで、蓄電池448の上下方向の動き(がたつき)を規制する。一方、第2緩衝体470は、円筒状に形成されて、側壁464の内側面上部に取り付けられる。第2緩衝体470は、蓄電池448に横側から当接することで、蓄電池448の横方向の動きを規制する。また、第1緩衝体468および第2緩衝体470のそれぞれは、カバー部材432内の空間(隙間)を埋める隙間埋め部材としても機能する。第1緩衝体468および第2緩衝体470によって本体ケース430内の隙間容積(空気)が低減されることで、水没時における本体ケース430内への浸水レベルを下げることができる。なお、第1緩衝体468と第2緩衝体470とは、個別に分割して形成されてもよいし、一体的に形成されてもよい。また、第1緩衝体468および第2緩衝体470の形状は適宜変更可能であり、たとえば、第1緩衝体468は、角板状などに形成されてもよいし、第2緩衝体470は、複数に分割されて周方向に並ぶように設けられてもよい。
【0183】
図33図34および図37に示すように、保持部材434は、円板状の底壁472を備え、アルミニウムおよびステンレス等の金属ならびに硬質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂などによって形成される。底壁472は、その中央部に有頂角筒状の底上げ部472aを有している。底上げ部472aの天壁は、水没時に想定される浸水レベルよりも上となる高さ位置に設けられ、この底上げ部472aの天壁上面にモータ450が取り付けられる。また、底上げ部472aの上部(天壁)には、空気抜き孔472bが形成されており、空気抜き孔472bには、フィルタ472cが設けられる。空気抜き孔472bは、水没時において、本体ケース430内の気圧上昇に寄与しない空気溜まりが底上げ部472aの下側(内部)に形成されることを防止する。また、通常時の通気口としても作用する。
【0184】
また、保持部材434は、底壁472の周縁部から上下方向に突出する第1嵌合部474を備える。第1嵌合部474は、カバー部材432の側壁464に対して下側から嵌め入れられる嵌合部であって、底壁472の周縁部から下方に延びる円筒状の固定部474aと、底壁472の周縁部から互いに対向するように上方に延びる2つの湾曲板状の案内部474bとを含む。固定部474aには、第1固定ボルト480(固定部材の一例)と螺合する複数の第1ボルト孔474c(孔の一例)が周方向に所定間隔をあけて形成される。カバー部材432の側壁464の下端部に固定部474aを嵌め入れると共に、側壁464に形成された孔464cを介して第1ボルト孔474cに第1固定ボルト480を締結することで、保持部材434に対してカバー部材432が固定される。一方、案内部474bは、保持部材434に対するカバー部材432の上下動(着脱)を案内する部分であると共に、蓄電池448が取り付けられる架台482の支持部(脚部)としても用いられる。
【0185】
さらに、保持部材434は、第1嵌合部474の固定部474aの下端部から外方に突出する鍔部476と、鍔部476の下面から下方に突出する短円筒状の第2嵌合部478とを備える。鍔部476は、カバー部材432の側壁464の下端を支持すると共に、取付台424の側壁部460の上端によって支持される部分である。第2嵌合部478には、第2固定ボルト484と螺合する複数の第2ボルト孔478aが周方向に所定間隔をあけて形成される。取付台424の側壁部460の上端部に第2嵌合部478を嵌め入れると共に、取付台424の孔460cを介して第2ボルト孔478aに第2固定ボルト484を締結することで、保持部材434(延いては本体ケース430)の下端部に取付台424が固定される(図32参照)。
【0186】
このような電動アクチュエータ416は、図30図32に示すように、カバー部材432の側壁464の下端部に保持部材434の第1嵌合部474を嵌め入れて第1固定ボルト480で締結した状態で使用される。つまり、通常時のカバー部材432は、保持部材434によって、駆動機構および電子基板446などの内部装置を覆う状態となる基準位置で保持される。
【0187】
ここで、本体ケース430内に配置される操作部などの内部装置の確認や操作を行ったり、配線490の接続部490aの脱着操作を行ったりする必要が生じたときには、カバー部材432を取り外して対応することも可能である。しかしながら、カバー部材432を取り外すことには手間がかかる。また、太陽電池パネル436をカバー部材432に固定しているため、カバー部材432を取り外すためには太陽電池パネル436用の配線440の接続部440aを切り離す操作を行う必要が生じる。さらに、カバー部材432に開閉可能な扉を設けることも考えられるが、これではカバー部材432(本体ケース430)の防水性が不完全となってしまう。
【0188】
そこで、この実施例では、基準位置よりも上方の開放位置でカバー部材432を保持可能な落止め部486を設けることで、カバー部材432を取り外したりカバー部材432に扉を設けたりすることなく、内部装置の確認、点検および操作などを行うことができるようにした。以下、落止め部486の構成について具体的に説明する。
【0189】
図37図39に示すように、落止め部486は、保持部材434が備える第1嵌合部474の案内部474bの一方に設けられる。落止め部486は、上下方向に延びるアーム状に形成され、その上端部には、外方に向かって突出する係止部486aが形成される。落止め部486は、下端部を支点として横方向に揺動可能に案内部474bに取り付けられており、係止部486aがカバー部材432の側壁464の内側面よりも内側に引っ込む引込位置(図38参照)と、係止部486aが側壁464の内側面よりも外側に突出する突出位置(図39参照)と変位可能である。また、落止め部486の上端部には、圧縮コイルばね等の付勢部材488が設けられる。この付勢部材488は、落止め部486を外方、つまり引込位置から突出位置に向かう方向に付勢する。
【0190】
このような落止め部486を備える電動アクチュエータ416では、第1ボルト孔474cに対する第1固定ボルト480の螺合を解除した後、カバー部材432を引き上げると、図39に示すように、側壁464の下端が落止め部486の係止部486aを通過したときに、付勢部材488に付勢力によって落止め部486が突出位置に変位する。そして、カバー部材432は、突出位置にある状態の落止め部486の係止部486aによって係止されることで、作業者がカバー部材432から手を離しても開放位置で保持される。
【0191】
図40に示すように、カバー部材432が開放位置にあるときには、本体ケース430内の下部に配置される操作パネル454および配線440,90の接続部440a,90aが外部に露出する。したがって、作業者は、カバー部材432を取り外すことなく、操作パネル454に設けられる上下スイッチ等の操作部を操作したり、確認ランプによって電動アクチュエータ416の状態を確認したりすることができる。また、作業者は、配線440,90の接続部440a,90aの切り離しおよび接続を容易に行うことができる。
【0192】
なお、カバー部材432を開放位置から基準位置に戻すときには、落止め部486を指で押さえて引込位置に移動させて、落止め部486によるカバー部材432の係止(落ち止め)を解除するとよい。落止め部486による係止が解除されると、カバー部材432は、第1嵌合部474の案内部474bに案内されながら、基準位置に戻る(下降する)ことが可能となる。
【0193】
また、この実施例では、図41に示すように、第1固定ボルト480として先端部のみにねじ山480aが形成された脱落防止ボルトを用いている。また、第1嵌合部474の固定部474aには、第1ボルト孔474cの上側に、下方に向かうに従い側壁464の内側面に近づくように傾斜する傾斜面474dが形成される。第1固定ボルト480として脱落防止ボルトを用いることで、第1ボルト孔474cに対する第1固定ボルト480の螺合を解除したときに、カバー部材432からの第1固定ボルト480の脱落が防止され、第1固定ボルト480の紛失などが防止される。また、図42に示すように、第1ボルト孔474cの上側に傾斜面474dが形成されていることから、仮に第1固定ボルト480が内側に引っ込んだ状態になっていたとしても、傾斜面474dによって外側に徐々に押し出されることで、カバー部材432の下降中に第1固定ボルト480が第1嵌合部474の固定部474aに引っ掛かることを防止できる。
【0194】
さらに、図30に示すように、水位センサ等のセンサ端末と電子基板446(制御部)とを接続する配線490を通すための通孔492は、カバー部材432の側壁464の下端と保持部材434の鍔部476との当接面に設けられる。この通孔492には、センサ端末用の配線490の他、アンテナ、カメラおよび太陽電池パネル等の本体ケース430の外部に配置される電気部品用の配線を適宜通すことができる。また、図40および図43図45に示すように、保持部材434の鍔部476の上面には、通孔492と対応する位置に、配線490を嵌め入れるための溝部494が設けられる。
【0195】
この実施例では、側壁464の下端に切欠き464dを形成すると共に、鍔部476の上面に複数(この実施例では3つ)のリブ496を形成することで、複数(この実施例では2つ)の通孔492および溝部494が設けられる。リブ496は、側壁464下端の切欠き464dに嵌め入れられる横片496aと側壁464の内面に沿って延びる縦片496bとを有するL字状に形成される。リブ496の横片496a(第1リブ)は、側壁464下端の切欠き464dと共に通孔492を形成する。通孔492(気密性を有さない部分)をカバー部材432の側壁464の下端に設けることで、カバー部材432の気密性が最大限に確保される。また、リブ496の横片496aは、保持部材434に対するカバー部材432の周方向の位置決め部としても機能する。
【0196】
一方、リブ496の縦片496b(第2リブ)のそれぞれは、下方に向かうに従って肉厚となっており、下方に向かうに従って幅が狭くなる溝部494を通孔492の奥側に形成する。この溝部494に配線490を嵌め入れておくことで、カバー部材432を開放位置に移動させたり取り外したりしたときに、配線490が動かないように位置決めしておくことができる。なお、図示は省略するが、配線490の溝部494に嵌め入れられる部分よりも内側(電子基板446側)の部分には、溝部494の幅よりも大きい外径を有するスリーブ(抜け止め部)を装着しておくとよい。これにより、仮に配線490が外側に引っ張られたとしても、このスリーブがリブ496に引っ掛かることで、配線490がそれ以上外側に引っ張られることが防止される。
【0197】
また、通孔492(リブ496間)には、連続気泡スポンジ等によって形成される変形部材498が設けられる。変形部材498は、通孔492を封止する膨張状態と、通孔492に配線490を挿通可能な圧縮状態とに変形可能である。すなわち、通孔492を使用しない場合には、変形部材498が膨張状態となって通孔492を封止することで、虫などが本体ケース430内に浸入することが適切に防止される。なお、変形部材498は、リブ496間(つまり保持部材434側)に設ける代わりに、或いはリブ496間に設けると共に、側壁464下端の切欠き464d(つまりカバー部材432側)に設けても構わない。
【0198】
以上のように、この実施例によれば、基準位置よりも上方の開放位置でカバー部材432を保持可能な落止め部486を備えるので、カバー部材432(側壁464および天壁466)を気密構造にして本体ケース430の防水性を確保した上で、カバー部材432を取り外すことなく操作部などの内部装置の確認等を容易に行うことができる。
【0199】
なお、上述の実施例では、回転軸をモータ(駆動源)と直結する直結タイプの駆動機構を用いた電動アクチュエータ416を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば減速機構付きの駆動機構を用いることも可能である。
【0200】
また、上述の実施例で示した落止め部486の構成は一例であり、落止め部486の具体的な構成は適宜変更可能である。
【0201】
以下では、上述の電動アクチュエータ416を弁装置1に取り付けるための構成について説明する。具体的には、電動アクチュエータ416の下部(側壁部460)の構成、及び、弁装置1の上部(弁収容部14及び軸受部21)の構成について、説明する。
【0202】
図35図46及び図47に示すように、側壁部460の下端部には、弁装置1との固定に用いられる溝部461が形成される。図35に示すように、溝部461は、側壁部460の周方向に等間隔(90度間隔)に3箇所形成される。以下では、3つの溝部461のうち、図35における紙面右側に形成された溝部461に着目して、溝部461の具体的な構成について説明する。
【0203】
溝部461は、側壁部460の下端部を、上方に向かって切り欠くように形成される。溝部461は、上下方向に沿って略一定の幅を有するスリット部461a、スリット部461aの上端部に形成される円形状の円形部461b、及び、円形部461bの周囲を凹ませるように形成された円形状のザグリ部461cを具備する。
【0204】
また図35及び図47に示すように、側壁部460の内側面には、内側に向かって突出する突出部463が形成される。突出部463は、側壁部460の下端部近傍(溝部461よりもやや上方)から、径方向内側に向かって突出するように形成される。突出部463は、側壁部460の周方向略全域に亘って延びるように形成される。
【0205】
なお、突出部463が形成される範囲や形状等は特に限定するものではなく、後述するように弁収容部14の上端と当接可能なものであればよい。
【0206】
図2及び図48に示すように、弁収容部14の上部には、軸受部21が設けられる。なお、図2においては、軸受部21を簡略化して図示している。また、図48においては、ハンドル30の図示を省略している。
【0207】
図48に示すように、軸受部21は、主として軸受取付台22及び軸受23を具備する。軸受取付台22は、アルミニウムおよびステンレス等の金属ならびに硬質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂などによって形成される。
【0208】
軸受取付台22は、軸受23を弁収容部14に取り付けるためのものである。軸受取付台22は、主として板状部22a及び固定部22bを具備する。
【0209】
板状部22aは、後述する軸受23が固定される部分である。板状部22aは、平面視矩形状(正方形状)に形成される。板状部22aの対角線(頂点から、対向する頂点までの距離)は、弁収容部14の内径と概ね同一となるように形成される。板状部22aの中央には、弁棒20を挿通するための貫通孔22cが形成される。
【0210】
なお、図例では板状部22aを矩形状に形成した例を示したが、板状部22aの形状は特に限定するものではない。例えば弁収容部14の内径と概ね同一の直径を有する略円形状に形成することも可能である。
【0211】
固定部22bは、軸受取付台22を弁収容部14に固定するための部分である。固定部22bは、略矩形状に形成された板状部22aの4つの頂点部分から上方に向かって延びるように形成される。これによって固定部22bは、弁収容部14の周方向において等間隔に4つ形成される。図例では、板状部22a及び固定部22bを一枚の板材により形成した例を示しているが、例えば板状部22a及び固定部22bを個別の部材で形成し、適宜の方法(例えば、溶接等)で固定することも可能である。
【0212】
固定部22bには、上下一対(2つ)の貫通孔22dが形成される。固定部22bの貫通孔22dには、後述するボルトB1・B2が締結可能となるように、雌ねじ(不図示)が形成される。また、弁収容部14には、固定部22bに形成された貫通孔22dと対向する位置に、上下一対の貫通孔14bが形成される。
【0213】
図48に示すように、軸受取付台22は、弁収容部14の内側(上端部近傍)に配置される。この状態で、固定部22bに形成された貫通孔22dと、弁収容部14に形成された貫通孔14bとの位置が合わせられる。その後、図47に示すように、弁収容部14の外側から、下側の貫通孔14bにボルトB1が挿通され、固定部22bの貫通孔22dに締結される。これによって、軸受取付台22が弁収容部14に固定される。
【0214】
図48に示す軸受23は、弁棒20を回転可能に支持する部材である。軸受23は、具体的には、ベアリングと、ベアリングを収容する収容部等により構成される。軸受23は、軸受取付台22の上面の中央部に固定される。軸受取付台22の貫通孔22cに挿通された弁棒20は、軸受23によって回転可能に支持される。
【0215】
次に、図32及び図50に示すように、弁装置1の上部に電動アクチュエータ416を取り付ける手順について説明する。
【0216】
まず、図47に示すように、弁収容部14の上側の貫通孔14bに、ボルトB2が挿通される。この際、ボルトB2は、頭部が弁収容部14の外周面と一定の間隔を空けた位置まで締め込まれる。
【0217】
次に、電動アクチュエータ416の側壁部460を、上方から弁収容部14に近づけ、側壁部460を弁収容部14の上部に被せるように配置する。この際、ボルトB2の位置と、側壁部460の溝部461との位置を合わせることで、弁収容部14に対する側壁部460の位置決めを行うことができる。
【0218】
図49に示すように、側壁部460を弁収容部14に被せると、弁収容部14の上端が、側壁部460に形成された突出部463と当接する。これによって、側壁部460が弁収容部14に支持される。この際、ボルトB2は側壁部460と接触していないため、電動アクチュエータ416の荷重がボルトB2に加わることがないため、ボルトB2の締結(回転)が阻害されることはない。
【0219】
この状態で、ボルトB2を締結することにより、電動アクチュエータ416を弁装置1(弁収容部14)に固定することができる。この際、ボルトB2の頭部は、ザグリ部461cに収容される。このように、軸受部21(固定部22b)を用いて、弁収容部14への軸受部21の固定と、弁収容部14への電動アクチュエータ416の固定を行うことができる。これによって、部品点数の削減や構成の簡略化を図ることができる。
【0220】
なお、前述のように側壁部460の溝部461は3箇所形成されているため、軸受取付台22に形成された4つの固定部22bのうち、3つの固定部22bが電動アクチュエータ416(側壁部460)の固定に用いられる。残りの1つの固定部22bは、点検口460aを閉塞する蓋体460b(図30等参照)の固定に用いることができる。例えば、蝶ボルト等を用いて、蓋体460bを固定部22bに固定することができる。
【符号の説明】
【0221】
1 弁装置
11 弁室
14 弁収容部
20 弁棒
100 弁体
110 本体部
120 第一シール部
122a 切欠部
130 第二シール部
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