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特開2025-11013熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011013
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20250116BHJP
   G01K 1/14 20210101ALI20250116BHJP
【FI】
B29C65/02
G01K1/14 L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206997
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】202310841165.0
(32)【優先日】2023-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521488738
【氏名又は名称】浙江普莱得電器股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG PRULDE ELECTRIC APPLIANCE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Industrial Development Park, Xiaoshun Town, Jindong District Jinhua, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】楊誠昊
【テーマコード(参考)】
2F056
4F211
【Fターム(参考)】
2F056CL01
4F211AA04
4F211AD03
4F211AG01
4F211AH54
4F211AP05
4F211AR06
4F211AR11
4F211TA01
4F211TN24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱風加熱装置の温度異常処理方法を提供する。
【解決手段】温度異常処理方法は、工程S100、第1時間間隔Δt1内における温度検出素子の温度上昇がΔT1に達した場合、温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が発生したと判断し、工程S200を実行する;工程S200、制御モジュールがカウントダウンを開始し、第2時間間隔Δt2内における温度検出素子の温度上昇がΔT2に達した場合、温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が持続していると判断し、工程S300を実行する;工程S300、制御モジュールが保護プログラムを実行する;を含む。温度検出素子の2回の動的温度上昇信号に基づいて、装置に温度異常の状況が確かに発生したかどうかを判断し、判断の正確性を大幅に高めることができる。温度異常が発生していないとき、加熱器は正常に加熱する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱風加熱装置が筐体、制御モジュール、前記筐体内に設けられる熱風コンポーネント、電力供給に用いられる電力供給要素及び加熱温度の検出に用いられる温度検出素子を含み、前記熱風コンポーネントがモータ、前記モータが駆動するファン及び通電して熱量を生成する加熱器を含み、前記モータが前記ファンを回転させ、前記加熱器が生成する熱量を送風口を介して前記筐体から送り、物体を加熱するのに用いられる熱風気流を形成し、前記電力供給要素、前記モータ及び前記加熱器がいずれも前記制御モジュールに制御され、前記温度検出素子の信号が前記制御モジュールに接続される、前記熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法であって、以下の
工程S100、第1時間間隔Δt1内における前記温度検出素子の温度上昇がΔT1に達した場合、前記温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、前記制御モジュールは温度異常が発生したと判断し、工程S200を実行する;
工程S200、前記制御モジュールがカウントダウンを開始し、第2時間間隔Δt2内における前記温度検出素子の温度上昇がΔT2に達した場合、前記温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、前記制御モジュールは温度異常が持続していると判断し、工程S300を実行する;
工程S300、前記制御モジュールが保護プログラムを実行する;を含むことを特徴とする熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法。
【請求項2】
前記制御モジュールが実行する前記保護プログラムが、前記電力供給要素に前記加熱器への電力供給を停止するように命令するものであることを特徴とする、請求項1に記載の温度異常処理方法。
【請求項3】
工程S400をさらに含み、
工程S400、第3時間間隔Δt3内における前記温度検出素子の温度低下がΔT3に達した場合、前記温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、前記制御モジュールは温度異常が解除されたと判断し、前記電力供給要素に前記加熱器へ電力供給するように命令することを特徴とする、請求項1に記載の温度異常処理方法。
【請求項4】
前記温度検出素子が熱平衡温度値Tpを有し、工程S400において、前記温度検出素子の実際温度値が前記熱平衡温度値Tpを超えている場合、前記温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、前記制御モジュールは温度異常が持続していると判断し、前記制御モジュールが前記温度検出素子の前記実際温度値をリアルタイムで取得して、最大実際温度値Tmaxを記録し、第3時間間隔Δt3内における前記温度検出素子の前記最大実際温度値Tmaxからの温度低下がΔT3に達した場合、前記温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、前記制御モジュールは温度異常が解除されたと判断することを特徴とする、請求項3に記載の温度異常処理方法。
【請求項5】
前記温度検出素子が前記加熱器の温度を検出するのに用いられることを特徴とする、請求項1に記載の温度異常処理方法。
【請求項6】
前記温度検出素子が前記モータ及び前記加熱器の間に設けられることを特徴とする、請求項5に記載の温度異常処理方法。
【請求項7】
前記モータの電源接続回路に分圧素子を直列接続することを特徴とする、請求項1に記載の温度異常処理方法。
【請求項8】
ΔT1が2℃~5℃であり;及び/又は、前記第1時間間隔Δt1が2秒~4秒であることを特徴とする、請求項1に記載の温度異常処理方法。
【請求項9】
ΔT2が2℃~5℃であり;及び/又は、前記第2時間間隔Δt2が2秒~4秒であることを特徴とする、請求項1に記載の温度異常処理方法。
【請求項10】
ΔT3が3℃~6℃であり;及び/又は、前記第3時間間隔Δt3が1秒~3秒であることを特徴とする、請求項3に記載の温度異常処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱装置の動作方法の技術分野に関し、特に熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートガンは空気を加熱して熱風を形成するのに用いられる加熱工具であり、数種の使用機能を有する。具体的には、ヒートガンはさびを取る、金属表面の古い塗料を除去する、自着シールを除去する、プラスチックチューブを加熱して湾曲させる、湿った木材を乾燥させる、包装フィルム又は包装チューブを加熱して熱収縮させる、金属を接続するのに用いられるポリエチレンを加熱して収縮させる、溶接物を加熱して軟化させるなどに用いることができ、熱風を利用して素子を溶接するか、又は取り除くこともできる。
【0003】
ヒートガンが過熱して損傷するのを防止するため、既存のヒートガンは一般的に固定の上限温度値を1つ設けており、電熱線の加熱温度が上限温度値に達すると、電力供給要素が電熱線への電力供給を停止し、電熱線に加熱を停止させる。しかし、ヒートガンの送風口が短時間で詰まり、熱風を速やかに排出することができなくなるか、又はその他の状況により熱風を速やかに排出することができなくなると、電熱線の温度は上昇し、電熱線の加熱温度は容易に上限温度値に達して加熱が停止する。熱風を速やかに排出することができない状況が迅速に解除された場合、電熱線は再び通電して加熱を行う。この状況では、ヒートガンは電熱線の実際温度値に基づいて加熱を停止する必要があるかどうかを判断することしかできず、送風が詰まっているかどうかの具体的な状況に基づいて具体的に判断することができない。判断の正確性を高めるのに不利であり、ヒートガンの動作効果を保証するのも不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記既存技術に存在する欠点及び不足を解決するため、本発明は熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法を提供する。動的検出方法を採用して、温度異常の状況が確かに出現しているかどうかを判断し、温度異常が確かに出現している状況下で制御モジュールが加熱器に加熱を停止させる。温度異常の状況に対する判断の正確性を高め、装置の動作効果を高めるのに有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術目的を実現するため、本発明が提供する熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法は、熱風加熱装置が筐体、制御モジュール、筐体内に設けられる熱風コンポーネント、電力供給に用いられる電力供給要素及び加熱温度の検出に用いられる温度検出素子を含む。熱風コンポーネントはモータ、モータが駆動するファン及び通電して熱量を生成する加熱器を含み、モータはファンを回転させ、加熱器が生成する熱量を送風口を介して筐体から送り、物体を加熱するのに用いられる熱風気流を形成する。電力供給要素、モータ及び加熱器はいずれも制御モジュールに制御され、温度検出素子の信号は制御モジュールに接続される。該温度異常処理方法は以下の工程を含む。
工程S100、第1時間間隔Δt1内における温度検出素子の温度上昇がΔT1に達した場合、温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が発生したと判断し、工程S200を実行する。
工程S200、制御モジュールがカウントダウンを開始し、第2時間間隔Δt2内における温度検出素子の温度上昇がΔT2に達した場合、温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が持続していると判断し、工程S300を実行する。
工程S300、制御モジュールが保護プログラムを実行する。
【0006】
好ましくは、該制御モジュールが実行する保護プログラムは、電力供給要素に加熱器への電力供給を停止するように命令するものである。
【0007】
好ましくは、該温度異常処理方法は工程S400をさらに含む。
工程S400、第3時間間隔Δt3内における温度検出素子の温度低下がΔT3に達した場合、温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が解除されたと判断し、電力供給要素に加熱器へ電力供給するように命令する。
【0008】
好ましくは、該温度検出素子は熱平衡温度値Tpを有し、工程S400において、温度検出素子の実際温度値が熱平衡温度値Tpを超えている場合、温度検出素子がフィードバックした信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が持続していると判断する。制御モジュールは温度検出素子の実際温度値をリアルタイムで取得して、最大実際温度値Tmaxを記録する。第3時間間隔Δt3内における温度検出素子の最大実際温度値Tmaxからの温度低下がΔT3に達した場合、温度検出素子がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュールは温度異常が解除されたと判断する。
【0009】
好ましくは、該温度検出素子は加熱器の温度を検出するのに用いられる。
【0010】
好ましくは、該温度検出素子はモータ及び加熱器の間に設けられる。
【0011】
好ましくは、該モータの電源接続回路に分圧素子を直列接続する。
【0012】
好ましくは、ΔT1は2℃~5℃であり;及び/又は、該第1時間間隔Δt1は2秒~4秒である。
【0013】
好ましくは、ΔT2は2℃~5℃であり;及び/又は、該第2時間間隔Δt2は2秒~4秒である。
【0014】
好ましくは、ΔT3は3℃~6℃であり;及び/又は、該第3時間間隔Δt3は1秒~3秒である。
【発明の効果】
【0015】
上記技術案を採用すると、本発明は以下のような利点を有する。
1、本発明が提供する温度異常処理方法は、温度検出素子に第1時間間隔内で温度上昇の状況が出現した場合、温度検出素子の温度信号に基づいて、制御モジュールが装置に温度異常の状況が発生したと判断する。温度検出素子の温度がさらに上昇しなかったとき、温度異常の状況が速やかに解除されたことを表し、このとき、加熱器は加熱を続ける。温度検出素子に第2時間間隔内で引き続き温度上昇の状況が出現したとき、温度検出素子の温度信号に基づいて、制御モジュールは装置の温度異常の状況が持続していると判断し、制御モジュールがこれにより保護プログラムを実行する。保護プログラムにより、制御モジュールは電力供給要素に加熱器への電力供給を停止するように命令することができる。装置に温度異常が確かに出現している状況で、加熱器が加熱を続けることにより、装置が過熱して損傷する状況を防止し、装置の使用の安全性を高める。
【0016】
本発明が提供する温度異常処理方法は、温度検出素子の2回の動的温度上昇信号に基づいて、装置に温度異常の状況が確かに発生したかどうかを判断し、判断の正確性を大幅に高めることができる。温度異常の状況が確かに発生していないとき、加熱器は正常に加熱し、装置の動作効果を保証することができる。
【0017】
2、第3時間間隔内における温度検出素子の温度低下状況が所定の要求を満たすとき、装置内部の熱量を順調に排出することができ、温度異常の状況がすでに解除されたことを表す。このとき、制御モジュールが電力供給要素に加熱器へ電力供給するように命令し、加熱器は正常に加熱することができる。制御モジュールが温度異常の状況が解除されたかどうかを判断する根拠を合理的に設定し、判断の正確性を高め、さらには装置の動作安定性を保証する。
【0018】
3、温度検出素子の実際温度値が熱平衡温度値Tpを超えているとき、温度検出素子の実際温度値に基づいて、制御モジュールは温度異常の状況が持続していると判断する。制御モジュールは温度検出素子の実際温度値をリアルタイムで取得して、最大実際温度値Tmaxを記録する。第3時間間隔内における温度検出素子の最大実際温度値Tmaxからの温度低下がΔT3に達した場合、温度異常の状況が解除されたことを表す。温度検出素子の動的温度低下信号に基づいて、制御モジュールは装置の温度異常の状況が確かに解除されたかどうかを判断し、これは判断の正確性を高めるのに有利である。
【0019】
4、温度検出素子は加熱器の温度を検出するのに用いられ、温度検出素子の検出対象を合理的に設定し、加熱温度を検出する正確性を高め、これにより温度異常の判断の正確性を高めることができる。温度検出素子は好ましくはモータ及び加熱器の間に設けられ、温度検出素子をできる限り加熱器に近づけて設置することができ、加熱温度を検出する正確性をさらに高めるのに有利である。
【0020】
5、モータの電源接続回路に分圧素子を直列接続し、分圧素子により電力供給要素がモータに供給する電圧を調整し、さらにはモータの回転速度を調整し、モータの回転速度を装置の加熱レベルと適応させる。
【0021】
6、温度上昇ΔT1、温度上昇ΔT2、第1時間間隔Δt1、第2時間間隔Δt2の大きさを合理的に設定する。加熱温度に正常な変動が出現する状況で、制御モジュールが判断ミスをする状況が発生するのを防止し、加熱温度に比較的大きな変動が出現している状況で、制御モジュールが依然として速やかに処理を行わない状況も防止し、判断の正確性を保証するのと同時に装置の動作安定性を保証する。
【0022】
7、温度低下ΔT3及び第3時間間隔Δt3の大きさを合理的に設定する。温度検出素子に合理的な時間間隔内で合理的な温度低下幅を出現させ、温度異常が確かに解除されたかどうかを制御モジュールが判断する正確性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施例1における熱風加熱装置の全体概要図である。
図2図2は、実施例1における熱風コンポーネントの分解図である。
図3図3は、実施例1における部分的な熱風コンポーネント及び温度検出素子の配置概要図である。
図4図4は、実施例1における電源接続の概要図である。
図5図5は、実施例1における温度異常処理方法のフローチャートである。
図6図6は、実施例1における正常な状況での温度検出素子の温度変化概要図である。
図7図7は、実施例1における温度異常の状況での温度検出素子の温度変化概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図及び具体的な実施例を組み合わせて本発明についてさらに説明する。以下を理解する必要がある。下記の「上」、「下」、「左」、「右」、「縦方向」、「横方向」、「内」、「外」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」などの指示方位又は位置関係の語句は、単に図に示す方位又は位置関係に基づいている。本発明の記載及び記載の簡略化を便利にするためにすぎず、示す装置/素子が特定の方位を有するか、又は特定の方位で構成及び操作しなければならないと指示又は示唆するのではない。従って本発明に対する制限と理解することはできない。
【0025】
実施例1
図1から図7に示すように、本発明の実施例1が提供する熱風加熱装置に用いられる温度異常処理方法について、熱風加熱装置は筐体100、制御モジュール200、筐体100内に設けられる熱風コンポーネント300、電力供給に用いられる電力供給要素400及び加熱温度の検出に用いられる温度検出素子500を含む。熱風コンポーネント300はモータ310、モータ310が駆動するファン320及び通電して熱量を生成する加熱器330を含み、モータ310はファン320を回転させ、加熱器330が生成する熱量を送風口340を介して筐体100から送り、物体を加熱するのに用いられる熱風気流を形成する。電力供給要素400、モータ310及び加熱器330はいずれも制御モジュール200に制御され、温度検出素子500の信号は制御モジュール200に接続される。
【0026】
温度異常処理方法は以下の工程を含む。
工程S100、第1時間間隔Δt1内における温度検出素子500の温度上昇がΔT1に達した場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が発生したと判断し、工程S200を実行する。
工程S200、制御モジュール200がカウントダウンを開始し、第2時間間隔Δt2内における温度検出素子500の温度上昇がΔT2に達した場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が持続していると判断し、工程S300を実行する。
工程S300、制御モジュール200が保護プログラムを実行する。
【0027】
図1に示すように、本実施例の熱風加熱装置について、ヒートガンを例として説明する。筐体100はハンドル110を形成し、ハンドル110の前側に装置を起動するためのボタン120が設けられ、筐体100に加熱強度を調節するための調節器130が設けられる。図2に示すように、熱風コンポーネント300はさらに支持具350、コネクタ360、支持フレーム370及びスリーブ380を含み、支持具350は共に固定される支持体351及び支持カバー352を含む。ファン320は支持体351及び支持カバー352が取り囲んで形成する空洞内に回転可能に設けられ、ファン320は支持具350を介してモータ310の前端に設けられ、モータ310により駆動される。加熱器330は電熱線を採用し、電熱線を支持フレーム370に巻き付ける。スリーブ380は支持フレーム370に外嵌され、支持フレーム370の後端はコネクタ360を介して支持具350と固定され、送風口340はスリーブ380の前端に設けられる。ヒートガンが作動すると、加熱器330が通電して熱量を生成し、モータ310がファン320を回転させ、後ろから前に流動する気流を形成する。気流は加熱器330が生成する熱量を伴って、送風口340から吹き出され、熱風気流を形成する。
【0028】
図3に示すように、温度検出素子500は加熱器330の温度を検出するのに用いられる。検出の正確性を高めるため、本実施例において、温度検出素子500は好ましくはモータ310及び加熱器330の間に設けられ、温度検出素子500をできる限り加熱器330の近くに設置する。具体的に、本実施例の温度検出素子500は好ましくはサーミスタを採用し、温度検出素子500をコネクタ360の前側に設けることができる。当然であるが、温度検出素子500は、温度に基づいて抵抗値が相応に変化することができるその他の電子素子を採用することもできる。
【0029】
図4に示すように、電力供給要素400は制御モジュール200を介してモータ310及び加熱器330に電力供給する。熱風加熱装置の熱風強度の調整を便利にするため、モータ310の電源接続回路に分圧素子390を直列接続する。分圧素子390により、電力供給要素400がモータ310に供給する電圧を調整することができ、これによりモータ310がファン320を回転させる回転速度を調整する。本実施例において、分圧素子390は好ましくは可変抵抗器を採用し、分圧素子390をできる限り温度検出素子500の近くに設置する。当然であるが、分圧素子390はその他の分圧作用を示すことができる構造、例えば分圧回路などを採用することもできる。
【0030】
本実施例において、制御モジュール200が実行する保護プログラムは、好ましくは制御モジュール200が電力供給要素400に加熱器330への電力供給を停止するように命令するものである。温度異常が確かに出現している状況で、加熱器330が加熱を続け、装置が過熱して損傷する状況を防止する。
【0031】
本実施例における温度異常処理方法は工程S400をさらに含む。
工程S400、第3時間間隔Δt3内における温度検出素子500の温度低下がΔT3に達した場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が解除されたと判断し、電力供給要素400に加熱器330へ電力供給するように命令する。
【0032】
温度検出素子500は熱平衡温度値Tpを有し、工程S400において、温度検出素子500の実際温度値が熱平衡温度値Tpを超えている場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が持続していると判断する。制御モジュール200は温度検出素子500の実際温度値をリアルタイムで取得して、最大実際温度値Tmaxを記録する。第3時間間隔Δt3内における温度検出素子500の最大実際温度値Tmaxからの温度低下がΔT3に達した場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が解除されたと判断する。
【0033】
図4に示すように、電力供給要素400が加熱器330に供給する電圧が大きくなると、加熱器330が生成する熱量は増加し、熱風気流の温度は上昇する。電力供給要素400が加熱器330に供給する電圧が小さくなると、加熱器330が生成する熱量は減少し、熱風気流の温度は低下する。
【0034】
温度検出素子500は熱平衡状態を有し、温度検出素子500が熱平衡状態にあるとき、抵抗値は変化せず、このとき、温度検出素子500の温度がすなわち熱平衡温度値Tpである。図6に示すように、装置が正常な動作状態のとき、モータ310はファン320を回転させ、加熱器330は通電して熱量を生成し、加熱器330の温度は次第に上昇する。温度検出素子500の温度は加熱器330の温度上昇に伴って、熱平衡温度値Tpまでゆっくりと上昇して保持される。
【0035】
図5図7に示すように、送風口340が詰まって熱風気流を排出することができない、又はモータ310が故障し、ファン320を回転させて熱風気流を形成することができないなどの状況が装置に出現したとき、熱風コンポーネント300の温度が上昇し、温度検出素子500の温度も第1時間間隔Δt1内でTaからTbに上昇する。このとき温度検出素子500の温度上昇ΔT1(ΔT1=Tb-Ta)に基づいて、制御モジュール200は装置に温度異常の状況が発生したと判断する。判断ミスを防止するため、制御モジュール200はカウントダウンを開始し、カウントダウンの過程において、電力供給要素400は引き続き加熱器330に電力供給を行う。温度異常の状況が速やかに解除された場合、熱風コンポーネント300の熱量は速やかに排出され、加熱器330の温度は低下し、温度検出素子500の温度はこれに伴って低下し、熱平衡温度値Tpまで戻る。温度異常の状況が速やかに解除されない場合、加熱器330の熱量を依然として排出することができず、加熱器330の温度は上昇し、温度検出素子500の温度はこれに伴って上昇し、第2時間間隔Δt2内でTbからTcに上昇する。このとき温度検出素子500の温度上昇ΔT2(ΔT2=Tc-Tb)に基づいて、制御モジュール200は装置の温度異常の状況が持続していると判断し、制御モジュール200は電力供給要素400に加熱器330への電力供給を停止するように命令し、加熱器330は加熱を停止する。
【0036】
温度異常の状況が加熱器330の加熱停止後も一貫して持続する場合、分圧素子390が生成する熱量が温度検出素子500の温度を熱平衡温度値Tpまで上昇させる。この過程において、温度検出素子500の実際温度値が熱平衡温度値Tpを超えている場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が持続していると判断する。制御モジュール200は温度検出素子500の実際温度値をリアルタイムで取得して、最大実際温度値Tmaxを記録する。第3時間間隔Δt3内における温度検出素子500の最大実際温度値Tmaxからの温度低下がΔT3(ΔT3=Td-Te)に達した場合、温度検出素子500がフィードバックした温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が解除されたと判断し、制御モジュール200は電力供給要素400に加熱器330へ電力供給するように命令する。
【0037】
本実施例において、ΔT1(ΔT1=Tb-Ta)は2℃~5℃であり、Δt1は2秒~4秒である。具体的に、ΔT1は3℃に設定され、Δt1は3秒に設定される。
【0038】
本実施例において、ΔT2(ΔT2=Tc-Tb)は2℃~5℃であり、Δt2は2秒~4秒である。具体的に、ΔT2は3℃に設定され、Δt2は3秒に設定される。
【0039】
本実施例において、ΔT3(ΔT3=Td-Te)は3℃~6℃であり、Δt3は1秒~3秒である。具体的に、ΔT3は5℃であり、Δt3は2秒である。
【0040】
温度検出素子500の熱平衡温度値Tpが80℃と仮定すると、温度検出素子500の温度が3秒(Δt1)内で80℃(Ta)から83℃(Tb)又は83℃以上まで上昇したとき、温度検出素子500の温度信号に基づいて、制御モジュール200は装置に温度異常の状況が出現したと判断する。制御モジュール200が3秒(Δt2)のカウントダウンを開始し、温度検出素子500の温度が3秒(Δt2)内で83℃(Tb)から86℃(Tc)又は86℃以上まで引き続き上昇した場合、制御モジュール200は装置に温度異常の状況が確かに出現していると判断し、制御モジュール200は電力供給要素400に加熱器330への電力供給を停止するように命令する。温度異常が出現している状況で、温度検出素子500の最大実際温度値Tmaxが90℃であると仮定すると、温度検出素子500が2秒(Δt3)内で90℃(Tmax/Td)から85℃(Te)又は85℃以下まで低下したとき、温度検出素子500の温度信号に基づいて、制御モジュール200は温度異常が解除されたと判断し、制御モジュール200は電力供給要素400に引き続き加熱器330へ電力供給するように命令することができる。
【0041】
当然であるが、温度検出素子500の熱平衡温度値Tpを78℃、79℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃など、その他合理的な大きさに設定することもできる。
【0042】
本実施例が提供する温度異常処理方法は、温度検出素子500の2回の動的温度上昇信号に基づいて、装置に温度異常の状況が確かに発生したかどうかを判断し、判断の正確性を大幅に高めることができる。温度異常の状況が確かに発生していないとき、加熱器330は正常に加熱し、加熱効率及び装置の動作効果を保証することができる。
【0043】
本実施例において、ヒートガンに温度異常の状況を示すためのインジケータが設けられる。インジケータはインジケータランプが点滅する方式を採用してユーザに知らせることも、ディスプレイに温度異常の合図を光らせる方式を採用してユーザに知らせることも、音声などその他の合理的な方式により、ユーザに知らせることもできる。
【0044】
当然であるが、熱風加熱装置の電力供給要素400は、電池を採用して電力供給することも、商用電源に接続して電力供給することもできる。熱風加熱装置に電池を採用して電力供給するとき、電池は電池ホルダによりハンドル110の底部に分解可能に取り付けることができる。
【0045】
当然であるが、Δt1を2秒、2.5秒、3.5秒、4秒など、その他の合理的な時間の長さに設定することもできる。
【0046】
当然であるが、ΔT1(ΔT1=Tb-Ta)を2℃、2.5℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5℃など、その他の合理的な大きさに設定することもできる。
【0047】
当然であるが、Δt2を2秒、2.5秒、3.5秒、4秒など、その他の合理的な時間の長さに設定することもできる。
【0048】
当然であるが、ΔT2(ΔT2=Tc-Tb)を2℃、2.5℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5℃など、その他の合理的な大きさに設定することもできる。
【0049】
当然であるが、Δt3を1秒、1.2秒、1.5秒、1.7秒、2.1秒、2.3秒、2.5秒、2.7秒、3秒など、その他の合理的な時間の長さに設定することもできる。
【0050】
当然であるが、ΔT3(ΔT3=Td-Te)を3℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5.5℃、6℃など、その他の合理的な大きさに設定することもできる。
【0051】
当然であるが、熱風加熱装置はドライヤなど、熱風気流を出力するのに用いられるその他の装置でもよい。相応して、熱風コンポーネント300の具体的な構造も上記の記載及び図に示すものに限定されず、装置の具体的な型に基づいて決定することができる。
【0052】
当然であるが、装置が過熱することによる、取付の隠れた危険を防止するため、加熱器330の電源接続回路にヒューズを直列接続することができる。加熱器330の温度が予め設定した安全加熱値に達したとき、ヒューズが溶断され、加熱器330の電源接続回路が切断される。
【0053】
上記好ましい実施例以外に、本発明はその他の実施方式も有する。当業者は本発明に基づいて各種の変更及び変形を行うことができ、本発明の主旨を逸脱しなければ、いずれも本発明の特許請求の範囲で定義した範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0054】
100 筐体
110 ハンドル
120 ボタン
130 調節器
200 制御モジュール
300 熱風コンポーネント
310 モータ
320 ファン
330 加熱器
340 送風口
350 支持具
351 支持体
352 支持カバー
360 コネクタ
370 支持フレーム
380 スリーブ
390 分圧素子
400 電力供給要素
500 温度検出素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7