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特開2025-11019ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011019
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
H01L21/304 644Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068415
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】112125709
(32)【優先日】2023-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】524152894
【氏名又は名称】亜亜科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林恩寧
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157BA04
5F157BA07
5F157BA14
5F157CC00
(57)【要約】
【課題】ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置を提供する。
【解決手段】ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置はベース、水槽、一つ以上のローラー、一つ以上のローラー駆動装置、二つの昇降式スクレーパー機構および水受けトレーを備える。一つ以上のローラーは水槽内に装着され、一部分が水槽を超えて外部に露出する。二つの昇降式スクレーパー機構は水槽の表の左右両側に位置するようにベースに装着され、それぞれスクレーパー、集水槽および昇降駆動装置を有する。スクレーパーは集水槽の上方に配置される。集水槽は昇降駆動装置に配置される。昇降駆動装置はベースに装着されたうえで集水槽およびスクレーパーを駆動し、昇降させる。水受けトレーは水槽、二つのスクレーパーおよび二つの集水槽の下方に位置するようにベースに配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、水槽、一つ以上のローラー、一つ以上のローラー駆動装置、二つの昇降式スクレーパー機構および水受けトレーを備え、
前記水槽は前記ベースに配置され、上向きの開口部および水を収容するための内部を有し、
一つ以上の前記ローラーは長軸の前後方向の両端によって前記水槽に装着され、一部分が前記水槽内に位置し、一部分が前記開口部の上方に露出し、前記水槽を超え、
一つ以上の前記ローラー駆動装置は前記ベースに装着され、かつ一つ以上の前記ローラーに連結されたうえで一つ以上の前記ローラーを駆動し、回転させ、
二つの前記昇降式スクレーパー機構は前記水槽の表の左右両側に位置するように前記ベースに装着され、それぞれスクレーパー、集水槽および昇降駆動装置を有し、前記スクレーパーは前記集水槽の上方に配置され、前記集水槽は前記昇降駆動装置に配置され、前記昇降駆動装置は前記ベースに装着されたうえで前記集水槽および前記スクレーパーを昇降させ、
前記水受けトレーは前記水槽、二つの前記スクレーパーおよび二つの前記集水槽の下方に位置するように前記ベースに配置されることを特徴とするウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項2】
それぞれの前記昇降式スクレーパー機構において、前記集水槽は前記スクレーパーに沿って垂れ落ちた水をキャッチすることを特徴とする請求項1に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項3】
前記水受けトレーは二つの前記昇降式スクレーパー機構および前記水槽から垂れ落ちた水をキャッチすることを特徴とする請求項1に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項4】
前記水槽は二つの導水用ひさしを有し、二つの前記導水用ひさしは前記水槽の両側から下へ伸びて形成され、それぞれ末端部が前記昇降式スクレーパー機構の前記集水槽の上方に位置し、
それぞれの前記集水槽は水受け用ひさしを有し、前記水受け用ひさしは前記水槽に向かって前記集水槽から上かつ斜めに伸びて形成され、先端部が前記導水用ひさしの下方に位置することを特徴とする請求項1に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項5】
それぞれの前記導水用ひさしの長手方向の長さは一つ以上の前記ローラーの長さより大きく、
それぞれの前記集水槽の長手方向の長さは前記導水用ひさしの長手方向の長さより大きいことを特徴とする請求項4に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項6】
前記ローラーの数は二つであり、二つの前記ローラーは平行であり、
前記ローラー駆動装置の数は二つであり、二つの前記ローラー駆動装置は二つの前記ローラーに連結されたうえで二つの前記ローラーを互いに反対方向に回転させ、それに対し、頂部から見れば二つの前記ローラーは向き合って回転することを特徴とする請求項1に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項7】
一つ以上の前記ローラーはスポンジから構成されることを特徴とする請求項1に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【請求項8】
それぞれの前記昇降式スクレーパー機構において、前記スクレーパーは最高位置と最低位置との間を昇降し、前記最高位置に据えられる時に前記スクレーパーの頂部が前記水槽より高く、前記最低位置に据えられる時に前記スクレーパーの頂部が前記最高位置かつ前記ローラーの頂部より低いことを特徴とする請求項1に記載のウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハー検査後の洗浄技術に関し、詳しくはウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウエハー検査工程において、ブルーフィルムの屈折率に近い液体媒体をウエハー底部のブルーフィルムに使用することによって鮮明な画像効果を生じる。検査が完了した後、ブルーフィルムの上の液体媒体を洗浄する。特許文献1により掲示されたウエハー検査設備の洗浄装置はウエハーをローラーに対して移動させる同時にローラーに水を付け、続いて水が付けてあるローラーでウエハー底部のブルーフィルムを擦って洗浄し、ブルーフィルムの表面の水をスクレーパーで拭き取るものである。
【0003】
実際にブルーフィルムを洗浄する際、ウエハー底部のブルーフィルムに付いた媒体をきれいに取るために一回だけでなく数回で洗浄しなければならない。それに対し、特許文献1により掲示された技術は単一方向に移動する方式によってローラーに水を付け、水が付けてあるローラーでウエハー底部のブルーフィルムを擦って洗浄し、続いてスクレーパーで水を拭き取ることであるため、ウエハーをローラーに対して移動させるステップが終わった後、ウエハーを上に移動させ、洗浄前の位置に戻さなければ次のステップ即ち洗浄作業が進行できない。またウエハーを次の洗浄前の位置に移動するまでの間に洗浄作業はしないため、全体行程において時間が無駄になるだけでなく、効率がよくない。言い換えれば、特許文献1により掲示された技術は現状のニーズを満足させず、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許I630668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置を提供することを主な目的とする。ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置はウエハーを往復移動させると同時にウエハー底部のブルーフィルムを洗浄することによって洗浄効率を向上させるものであるため、先行技術を上回る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置はベース、水槽、一つ以上のローラー、一つ以上のローラー駆動装置、二つの昇降式スクレーパー機構および水受けトレーを備える。水槽はベースに配置され、上向きの開口部および水を収容するための内部を有する。一つ以上のローラーは長軸の前後方向の両端によって水槽に装着され、一部分が水槽内に位置し、一部分が開口部の上方に露出し、水槽を超える。一つ以上のローラー駆動装置はベースに装着され、かつ一つ以上のローラーに連結されたうえで一つ以上のローラーを駆動し、回転させる。二つの昇降式スクレーパー機構は水槽の表の左右両側に位置するようにベースに装着され、それぞれスクレーパー、集水槽および昇降駆動装置を有する。スクレーパーは集水槽の上方に配置される。集水槽は昇降駆動装置に配置される。昇降駆動装置はベースに装着されたうえで集水槽およびスクレーパーを昇降させる。水受けトレーは水槽、二つのスクレーパーおよび二つの集水槽の下方に位置するようにベースに配置される。
【0007】
上述した構造特徴により、本発明はウエハーを往復移動させると同時にウエハー底部のブルーフィルムを洗浄し、洗浄効率を向上させることができるため、先行技術を上回る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態によるウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置を前方から見た平面図である。
図3】本発明の一実施形態によるウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置を上から見た平面図である。
図4】本発明の一実施形態によるウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置の作動状態を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態によるウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置の別の作動状態を示す模式図である。
図6】本発明の一実施形態によるウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置の一つ以上ローラーを前方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の技術特徴を図面に基づいて説明する。
【0010】
(一実施形態)
図1から図5に示すように、本発明の一実施形態において、ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置10はベース11、水槽21、二つのローラー31、二つのローラー駆動装置41、二つの昇降式スクレーパー機構51および水受けトレー61から構成される。
【0011】
水槽21はベース11に配置され、上向きの開口部22を有する。洗浄用水(図中未表示)は水槽21の内部に収容される。
【0012】
二つのローラー31は長軸の前後方向の両端によって水槽21に装着され、一部分が水槽21内に位置し、一部分が開口部22の上方に露出し、水槽21を超える。本実施形態において、二つのローラー31は水を吸収できるスポンジから構成され、それぞれ頂部でウエハー91の底部のブルーフィルム92を擦って洗浄する。
【0013】
二つのローラー駆動装置41はベース11に装着され、かつ二つのローラー31に連結されたうえで二つのローラー31を駆動し、回転させる。二つのローラー31を駆動する際、ローラー31の回転方向は実際のニーズに応じて決められる。一般的に言えば、二つのローラー31の回転方向は逆である。頂部から見れば二つのローラー31が向き合って回転する。上述した状態下でウエハー91を二つのローラー31に対して左右に移動させても、ローラー31の頂部は回転して最後のウエハー91を脱離させる切線方向がウエハー91の移動方向と逆である。またローラー31が回転する際、頂部の切線方向さえウエハー91の移動方向と逆であれば、二つのローラー31を同じ方向に回転させるように制御してもよい。本実施形態において、ローラー駆動装置41はモーターである。
【0014】
二つの昇降式スクレーパー機構51は水槽21の表の左右両側に位置するようにベース11に装着され、それぞれスクレーパー52、集水槽54および昇降駆動装置56を有する。スクレーパー52は集水槽54の上方に配置される。スクレーパー52で拭き取った水は集水槽54に落下する。集水槽54は昇降駆動装置56に配置される。昇降駆動装置56はベース11に装着されたうえで集水槽54およびスクレーパー52を昇降させる。本実施形態において、昇降駆動装置56はエアシリンダーである。
【0015】
水受けトレー61は二つの昇降式スクレーパー機構51および水槽21から垂れ落ちる水をキャッチするためにベース11かつ水槽21、二つのスクレーパー52および二つの集水槽54の下方に配置される。実際に洗浄作業が進む際、水受けトレー61はまんべんなく垂れ落ちた水を確実にキャッチできるため、水滴が水受けトレー61の外に落ちることはない。
【0016】
本実施形態において、水槽21は二つの導水用ひさし24を有する。二つの導水用ひさし24は水槽21の両側から下へ伸びて形成され、それぞれ末端部が昇降式スクレーパー機構51の集水槽54の上方に位置する。それぞれの集水槽54は水受け用ひさし541を有する。水受け用ひさし541は水槽21に向かって集水槽54から上かつ斜めに伸びて形成され、先端部が導水用ひさし24の下方に位置する。それぞれの導水用ひさし24の長手方向の長さは二つのローラー31の長さより大きい。それぞれの集水槽54の長手方向の長さは導水用ひさし24の長手方向の長さより大きい。上述した構造特徴により、ウエハー91の底部のブルーフィルム92から水滴が水槽21の外に垂れ落ちれば、それぞれの導水用ひさし24は垂れ落ちた水滴をキャッチして集水槽54へ誘導する。続いてそれぞれの水受け用ひさし541は導水用ひさし24から垂れ落ちた水滴をキャッチする。導水用ひさし24および水受け用ひさし541が配置されなかった場合、垂れ落ちた水滴は水受けトレー61によってキャッチされる。
【0017】
本実施形態において、昇降式スクレーパー機構51のスクレーパー52は昇降駆動装置56の駆動力によって最高位置Hと最低位置Lとの間を昇降する。昇降式スクレーパー機構51のスクレーパー52が最高位置Hに据えられる際、スクレーパー52の頂部は水槽21より高い。昇降式スクレーパー機構51のスクレーパー52が最低位置Lに据えられる際、スクレーパー52の頂部は最高位置Hかつローラー31の頂部より低い。上述した構造特徴により、ウエハー91のブルーフィルム92を洗浄する際、スクレーパー52が最高位置Hに据えられれば、ブルーフィルム92の上の水を拭き取ることができる。スクレーパー52が最低位置Lに据えられれば、ブルーフィルム92に接触せず、水を拭き取ることはしない。
【0018】
以上は本実施形態の構造についての説明である。続いて本実施形態の作動状態について解説する。
【0019】
図4に示すように、ウエハー検査工程において、まずウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置10に対してウエハー91を左から右に移動させる。ウエハー91の移動方式は従来の技術であるため、説明を省略する。続いて、ウエハー91の底部のブルーフィルム92を二つのローラー31に接触させるか、ウエハー91を下げて二つのローラー31に押し付けることによってブルーフィルム92を洗浄する。このとき二つのローラー31はブルーフィルム92を擦って洗浄し、かつ逆方向に相対的に回転することによって摩擦および洗浄効果を向上させる。右側の昇降式スクレーパー機構51のスクレーパー52は最高位置Hまで上昇し、二つのローラー31で洗浄したブルーフィルム92の水を拭き取る。左側の昇降式スクレーパー機構51のスクレーパー52はブルーフィルム92の水を拭き取らず、最低位置Lに維持される。拭き取った水はスクレーパー52に沿って集水槽54に流れ込む。またブルーフィルム92から垂れ落ちた水滴は大部分が導水用ひさし24を介して集水槽54へ流動し、僅かの部分が水受けトレー61に落下する。左から右に移動したウエハー91の洗浄作業はウエハー91が右側のスクレーパー52を完全に通るまで持続する。
【0020】
図5に示すように、続いて、ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置10に対してウエハー91を右から左に移動させる。その前に右側のスクレーパー52を最低位置Lまで降下させ、左側のスクレーパー52を最高位置Hまで上昇させる。続いて、二つのローラー31でブルーフィルム92を擦って洗浄する。このとき右側のスクレーパー52はブルーフィルム92の水を拭き取らず、最低位置Lに維持される。左側のスクレーパー52はブルーフィルム92の水を拭き取る。
【0021】
図4および図5に示すように、左右に往復移動することによって複数回の洗浄作業を進行することができる。つまり、本発明はウエハー91を往復移動させるたびにブルーフィルム92を洗浄し、洗浄効率を向上させることができるため、先行技術を上回る。
【0022】
図6に示すように、本発明は二つのローラー31およびそれに対応する二つのローラー駆動装置41に限らず、一つのローラー31’とそれに対応する一つのローラー駆動装置(図中未表示)だけ使用してもよい。ローラー31’が回転する際、頂部の切線方向さえウエハー91の移動方向と逆であれば、ローラー31’でブルーフィルム92を擦って洗浄する作業を確保することができる。
【0023】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0024】
10:ウエハー底部のブルーフィルムを洗浄する装置
11:ベース
21:水槽
22:開口部
24:導水用ひさし
31、31’:ローラー
41:ローラー駆動装置
51:昇降式スクレーパー機構
52:スクレーパー
54:集水槽
541:水受け用ひさし
56:昇降駆動装置
61:水受けトレー
91:ウエハー
92:ブルーフィルム
H:最高位置
L:最低位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6