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特開2025-11035ロボットアレイインクジェットプリンティング用のカメラ較正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011035
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ロボットアレイインクジェットプリンティング用のカメラ較正
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20250116BHJP
   G06T 7/80 20170101ALI20250116BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
B25J13/08 A
G06T7/80
B41J2/01 109
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024098593
(22)【出願日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】18/338,553
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハーディー, ウィラレット
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー, アンソニー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン, フィリップ ローレンス
【テーマコード(参考)】
2C056
3C707
5L096
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB46
2C056EC07
2C056EC35
2C056FB01
2C056FB09
2C056FB10
3C707AS13
3C707BS10
3C707KS03
3C707KS07
3C707KS09
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT02
3C707KT05
3C707KT09
3C707KV11
3C707KV20
3C707KX19
3C707LV04
3C707LV05
3C707MT04
3C707NS11
5L096AA06
5L096BA05
5L096DA02
5L096FA62
5L096FA66
5L096FA69
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラを較正する方法を対象とする。
【解決手段】本用途は、ロボットに取り付けられたプリントヘッドアセンブリでの使用を対象とする。1つの用途は、民間航空機の表面などの大きな物体にインクジェットプリントするためのシステムを提供する。この用途は、ロボットの動きに対してカメラを較正することを行う。この較正は、インクジェットシステムによって印刷された1以上の較正アーチファクトを使用して実現される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラ(30)を較正する方法であって、
1以上の制御ポイント(61)を含む較正アーチファクト(60)をプリントすることであって、前記較正アーチファクト(60)はロボット(40)に結合されたプリントヘッドアセンブリ(20)を用いてプリントされ、前記較正アーチファクト(60)は物体(100)上の既知の位置にプリントされる、較正アーチファクト(60)をプリントすること、
前記ロボット(40)を用いて、前記プリントヘッドアセンブリ(20)に結合されたカメラ(30)を移動させ、前記較正アーチファクト(60)の画像データをキャプチャすること、
前記画像データから前記較正アーチファクト(60)を検出すること、
前記画像データがキャプチャされたときの前記ロボット(40)の位置に基づいて、前記較正アーチファクト(60)の検出された位置を特定すること、及び
前記較正アーチファクト(60)の既知の位置と前記較正アーチファクト(60)の前記検出された位置とに基づいて、前記カメラ(30)を較正することを含む、方法。
【請求項2】
前記較正アーチファクト(60)が、既知の制御ポイント位置に配置された1以上の制御ポイント(61)を含み、前記方法は、
前記カメラ(30)によってキャプチャされた前記画像データから前記制御ポイント(61)の検出された位置を特定すること、及び
前記較正アーチファクト(60)の前記制御ポイント(61)の前記位置と前記較正アーチファクト(60)の前記制御ポイント(61)の前記検出された位置とに基づいて、前記カメラ(30)を較正することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロボット(40)が前記プリントヘッドアセンブリ(20)を前記物体(100)の上で移動させるための走査経路を生成すること、及び
前記ロボット(40)が前記走査経路に沿って前記プリントヘッドアセンブリ(20)を移動させている間に、前記較正アーチファクト(60)の前記画像データをキャプチャすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記較正アーチファクト(60)を前記既知の位置にプリントする前に、計測システム(50)を用いて前記物体(100)の表面の三次元スキャンをキャプチャすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記物体(100)の前記三次元スキャンに基づく計測座標系内の前記ロボット(40)の移動を特定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プリントヘッドアセンブリ(20)の工具中心点(26)に基づいて、前記ロボット(40)の前記位置を特定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記工具中心点(26)と前記カメラ(30)との間の前記プリントヘッドアセンブリ(20)上の既知の距離に基づいて、前記カメラ(30)を較正することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記較正アーチファクト(60)は、第1の較正アーチファクト(60)であり、前記方法は、
前記物体(100)上の既知の位置に、更なる較正アーチファクト(60)をプリントすること、
前記更なる較正アーチファクト(60)の更なる画像データをキャプチャすること、及び
前記較正アーチファクト(60)の前記既知の位置と前記較正アーチファクト(60)の前記画像データがキャプチャされたときの前記工具中心点(26)との間の差に基づいて、前記ロボット(40)に対して前記カメラ(30)を較正することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記較正アーチファクト(60)の前記画像データをキャプチャすることは、ラインスキャンカメラ(30)を用いて前記画像データをキャプチャすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラ(30)を較正する方法であって、
計測システム(50)によって物体(100)の三次元スキャンに基づく座標系(99)内の前記物体(100)の寸法を特定すること、
ロボット(40)に結合されたプリントヘッドアセンブリ(20)を用いて、前記物体(100)に較正アーチファクト(60)をプリントすることであって、前記較正アーチファクト(60)は前記座標系(99)内の前記物体(100)上の既知の位置にプリントされる、前記物体(100)に較正アーチファクト(60)をプリントすること、
前記ロボット(40)が前記物体(100)の上を移動している間に、前記座標系(99)内の前記ロボット(40)の動きを監視すること、
前記ロボット(40)を用いてカメラ(30)を前記物体(100)の上で移動させ、前記較正アーチファクト(60)の画像データをキャプチャすること、
前記画像データが前記カメラ(30)によってキャプチャされたときの前記ロボット(40)の位置に基づいて、前記較正アーチファクト(60)の前記画像データがキャプチャされたときの前記プリントヘッドアセンブリ(20)の工具中心点(26)の位置を特定すること、及び
前記較正アーチファクト(60)の前記既知の位置と前記較正アーチファクト(60)の前記画像データがキャプチャされたときの前記工具中心点(26)との間の差に基づいて、前記ロボット(40)に対して前記カメラ(30)を較正することを含む、方法。
【請求項11】
前記物体(100)に前記較正アーチファクト(60)をプリントする前に、前記計測システム(50)の前記座標系(99)内の前記ロボット(40)を較正することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記較正アーチファクト(60)を設計し、前記較正アーチファクト(60)内に1以上の制御ポイント(61)を含めることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記較正アーチファクト(60)は、第1の較正アーチファクト(60)であり、前記方法は、
前記物体(100)上の既知の位置に、更なる較正アーチファクト(60)をプリントすること、
前記更なる較正アーチファクト(60)の画像データをキャプチャすること、及び
前記較正アーチファクト(60)の前記既知の位置と前記較正アーチファクト(60)の前記画像データがキャプチャされたときの前記工具中心点(26)との間の差に基づいて、前記ロボット(40)に対して前記カメラ(30)を較正することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ロボット(40)に対して前記カメラ(30)を較正することは、前記工具中心点(26)と前記プリントヘッドアセンブリ(20)上の前記カメラ(30)の位置との間の既知の距離を考慮することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
物体にプリントするためのインクジェットプリンティングシステムであって、
複数のインクジェットプリントヘッド(22、23、24、25)を備えるプリントヘッドアセンブリ(20)であって、ロボット(40)に取り付けられるように構成されたプリントヘッドアセンブリ(20)と、
前記物体に対して前記プリントヘッドアセンブリ(20)を移動させるために、前記プリントヘッドアセンブリ(20)と前記ロボット(40)とに動作可能に接続された制御ユニット(90)であって、処理回路(91)を備える制御ユニット(90)とを備え、前記処理回路(91)は、
1以上の制御ポイント(61)を含む較正アーチファクト(60)を既知の位置にプリントすること、
前記ロボット(40)を動作させ、前記プリントヘッドアセンブリ(20)に結合されたカメラ(30)を前記物体の上で移動させ、前記較正アーチファクト(60)の画像データをキャプチャすること、
前記画像データから前記較正アーチファクト(60)を検出すること、
前記画像データがキャプチャされたときの前記ロボット(40)の位置に基づいて、前記較正アーチファクト(60)の検出された位置を特定すること、及び
前記較正アーチファクト(60)の前記既知の位置と前記較正アーチファクト(60)の前記検出された位置とに基づいて、前記カメラ(30)を較正すること、を実行するように構成されている、インクジェットプリンティングシステム。
【請求項16】
前記制御ユニット(90)は、前記プリントヘッドアセンブリ(20)の工具中心点(26)に基づいて、前記プリントヘッドアセンブリ(20)の位置を監視するように更に構成されている、請求項15に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項17】
前記制御ユニット(90)は、前記カメラ(30)と前記プリントヘッドアセンブリ(20)の工具中心点(26)との間の既知の距離に基づいて、前記較正アーチファクト(60)の前記検出された位置を特定するように更に構成されている、請求項15に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項18】
前記物体の三次元形状を特定する計測システム(50)を更に備える、請求項15に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項19】
前記制御ユニット(90)は、メモリ回路(92)内に記憶された一連の較正アーチファクトに基づいて、前記較正アーチファクト(60)を特定するように更に構成されている、請求項15に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項20】
入力デバイス(98)とディスプレイ(97)とを備えたユーザインターフェース(96)を更に備え、前記ユーザインターフェース(96)は、前記カメラ(30)の前記較正の一態様を制御するために、前記処理回路(91)に信号を送信するように構成されている、請求項15に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、インクジェットプリンティングの分野に関し、特に、インクジェットプリンティングのエラーを検出することにおいて使用されるカメラ較正に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] インクジェットプリンティング装置は、大きな表面にプリントするように構成され得る。プリンティングの文脈には、非限定的に、民間航空機の胴体、主翼、及び飛行操縦部材などの、様々な航空機部品へのプリンティングが含まれる。その他の文脈には、非限定的に、大きな装置部品(例えば、フレーム、ワークベッド)や産業機械が含まれる。
【0003】
[0003] インクジェットプリンティング装置は、ロボットに取り付けられたインクジェットプリントヘッドアセンブリを含む。一例では、プリントヘッドアセンブリが、幾つかの個別のプリントヘッドを有するプリントヘッドハウジングを含む。各インクジェットプリントヘッドは、シアン、イエロー、マゼンタ、及びブラックなどの、異なる色のインクを吐出する。プリントヘッドは、ロボットがプリンティング中に表面にわたりプリントヘッドアセンブリを移動させるときに制御される。
【0004】
[0004] 大きなスケールのインクジェットプリンティングの問題は、プリントされる表面の一部分又は全体にわたり延在するようにサイズ決定される大きなロボットの必要性である。プリントヘッドアセンブリは、ロボットの一端に取り付けられ、そのサイズの結果として高い動的な荷重を受ける。インクジェットプリンティングは、目に見える欠陥が生じる前に、インク付加における誤差の許容範囲が非常に小さい。カメラを使用して、インクジェットプリンティングを監視し、目に見える誤差を検出する。カメラは、目に見えるプリンティング欠陥を最小限に抑えるために、局所的な低遅延の視覚的監視を提供するように較正されるべきである。カメラは、非限定的に、インク付加の重複パス間のノズル停止やモーションシステムのエラーなどの、インクジェットプリンティングにおける様々なエラーを特定するように構成されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一態様は、ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラを較正する方法を対象とする。該方法は、1以上の制御ポイントを含む較正アーチファクトをプリントすることであって、較正アーチファクトはロボットに結合されたプリントヘッドアセンブリを用いてプリントされ、較正アーチファクトは物体上の既知の位置にプリントされる、較正アーチファクトをプリントすること、ロボットを用いて、プリントヘッドアセンブリに結合されたカメラを移動させ、較正アーチファクトの画像データをキャプチャすること、画像データから較正アーチファクトを検出すること、画像データがキャプチャされたときのロボットの位置に基づいて、較正アーチファクトの検出された位置を特定すること、及び、較正アーチファクトの既知の位置と較正アーチファクトの検出された位置とに基づいて、カメラを較正することを含む。
【0006】
[0006] 別の一態様では、較正アーチファクトが、既知の制御ポイント位置に配置された1以上の制御ポイントを含み、該方法は、カメラによってキャプチャされた画像データから制御ポイントの検出された位置を特定すること、及び、較正アーチファクトの既知の制御ポイント位置と較正アーチファクトの制御ポイントの検出された位置とに基づいて、カメラを較正することを更に含む。
【0007】
[0007] 別の一態様では、該方法が、ロボットがプリントヘッドアセンブリを物体の上で移動させるための走査経路を生成すること、及び、ロボットが走査経路に沿ってプリントヘッドアセンブリを移動させている間に、較正アーチファクトの画像データをキャプチャすることを更に含む。
【0008】
[0008] 別の一態様では、該方法が、較正アーチファクトを既知の位置にプリントする前に、計測システムを用いて物体の表面の三次元スキャンをキャプチャすることを更に含む。
【0009】
[0009] 別の一態様では、該方法が、物体の三次元スキャンに基づく計測座標系内のロボットの移動を特定することを更に含む。
【0010】
[0010] 別の一態様では、該方法が、プリントヘッドアセンブリの工具中心点に基づいて、ロボットの位置を特定することを更に含む。
【0011】
[0011] 別の一態様では、該方法が、工具中心点とカメラとの間のプリントヘッドアセンブリ上の既知の距離に基づいて、カメラを較正することを更に含む。
【0012】
[0012] 別の一態様では、較正アーチファクトが第1の較正アーチファクトであり、該方法は、物体上の既知の位置に更なる較正アーチファクトをプリントすること、更なる較正アーチファクトの更なる画像データをキャプチャすること、及び、較正アーチファクトの既知の位置と較正アーチファクトの画像データがキャプチャされたときの工具中心点との間の差に基づいて、ロボットに対してカメラを較正することを更に含む。
【0013】
[0013] 別の一態様では、較正アーチファクトの画像データをキャプチャすることが、ラインスキャンカメラを用いて画像データをキャプチャすることを含む。
【0014】
[0014] 一態様は、ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラを較正する方法を対象とする。該方法は、計測システムによって物体の三次元スキャンに基づく座標系内の物体の寸法を特定すること、ロボットに結合されたプリントヘッドアセンブリを用いて、物体に較正アーチファクトをプリントすることであって、較正アーチファクトは座標系内の物体上の既知の位置にプリントされる、物体に較正アーチファクトをプリントすること、ロボットが物体の上を移動している間に、座標系内のロボットの動きを監視すること、ロボットを用いてカメラを物体の上で移動させ、較正アーチファクトの画像データをキャプチャすること、画像データがカメラによってキャプチャされたときのロボットの位置に基づいて、較正アーチファクトの画像データがキャプチャされたときのプリントヘッドアセンブリの工具中心点の位置を特定すること、及び、較正アーチファクトの既知の位置と較正アーチファクトの画像データがキャプチャされたときの工具中心点との間の差に基づいて、ロボットに対してカメラを較正することを含む。
【0015】
[0015] 別の一態様では、該方法が、物体に較正アーチファクトをプリントする前に、計測システムの座標系内のロボットを較正することを更に含む。
【0016】
[0016] 別の一態様では、該方法が、較正アーチファクトを設計し、較正アーチファクト内に1以上の制御ポイントを含めることを更に含む。
【0017】
[0017] 別の一態様では、較正アーチファクトが第1の較正アーチファクトであり、該方法は、物体上の既知の位置に更なる較正アーチファクトをプリントすること、更なる較正アーチファクトの画像データをキャプチャすること、及び、較正アーチファクトの既知の位置と較正アーチファクトの画像データがキャプチャされたときの工具中心点との間の差に基づいて、ロボットに対してカメラを較正することを更に含む。
【0018】
[0018] 別の一態様では、ロボットに対してカメラを較正することが、工具中心点とプリントヘッドアセンブリ上のカメラの位置との間の既知の距離を考慮することを含む。
【0019】
[0019] 一態様は、物体にプリントするためのインクジェットプリンティングシステムを対象とする。インクジェットプリンティングシステムは、複数のインクジェットプリントヘッドを備えるプリントヘッドアセンブリを備える。プリントヘッドアセンブリは、ロボットに取り付けられるように構成されている。制御ユニットが、物体に対してプリントヘッドアセンブリを移動させるために、プリントヘッドアセンブリとロボットに動作可能に接続されている。制御ユニットは、処理回路を備える。処理回路は、1以上の制御ポイントを含む較正アーチファクトを既知の位置にプリントすること、ロボットを動作させ、プリントヘッドアセンブリに結合されたカメラを物体の上で移動させ、較正アーチファクトの画像データをキャプチャすること、画像データから較正アーチファクトを検出すること、画像データがキャプチャされたときのロボットの位置に基づいて、較正アーチファクトの検出された位置を特定すること、及び、較正アーチファクトの既知の位置と較正アーチファクトの検出された位置とに基づいて、カメラを較正すること、を実行するように構成されている。
【0020】
[0020] 別の一態様では、制御ユニットが、プリントヘッドアセンブリの工具中心点に基づいて、プリントヘッドアセンブリの位置を監視するように構成されている。
【0021】
[0021] 別の一態様では、制御ユニットが、カメラとプリントヘッドアセンブリの工具中心点との間の既知の距離に基づいて、較正アーチファクトの検出された位置を特定するように構成されている。
【0022】
[0022] 別の一態様では、計測システムが、物体の三次元形状を特定する。
【0023】
[0023] 別の一態様では、制御ユニットが、メモリ回路内に記憶された一連の較正アーチファクトに基づいて、較正アーチファクトを特定するように構成されている。
【0024】
[0024] 別の一態様では、ユーザインターフェースが、入力デバイスとディスプレイを備える。ユーザインターフェースは、カメラの較正の一態様を制御するために、処理回路に信号を送信するように構成されている。
【0025】
[0025] 上述の特徴、機能、及び利点は、様々な態様において単独で実現することができ、又は、更に別の複数の態様において組み合わせることができるが、これらの詳細は、以下の説明及び添付図面を参照することによって確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】[0026] 物体、並びに、物体を測定し、カメラを較正するように構成された計測システム及び制御ユニットの斜視図である。
図2】[0027] 物体のインクジェットプリンティング用のロボットに結合されたプリントヘッドアセンブリの概略図である。
図3】[0028] プリントヘッドアセンブリの斜視図である。
図4A】[0029] 較正アーチファクトの概略図である。
図4B】[0030] 較正アーチファクトの概略図である。
図5】[0031] ロボットに対してカメラを較正する方法のフローチャートである。
図6】[0032] ロボットに対してカメラを較正する方法のフローチャートである。
図7】[0033] ロボットに対してカメラを較正する方法のフローチャートである。
図8】[0034] カメラの較正の工程を制御する制御ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0035] 本出願は、インクジェットプリンティングのための、特に、民間航空機の表面などの大きな物体にプリントするためのシステムを提供する。該出願は、インクジェットシステムによってプリントされた1以上の較正アーチファクトの使用を介して、共に取り付けられたロボットインクジェットシステムの動きに関して、プリントヘッドアセンブリに結合された1以上のカメラを較正することを提供する。
【0028】
[0036] 該出願は、ロボット全体の動作の座標フレーム内の既知の位置における1以上の較正アーチファクトの付加及び特定による、ロボットに取り付けられたインクジェットプリントヘッドに関する、カメラの内部特性、外部特性、及びインク色認識の測定のための方法論を提供する。幾つかの実施例では、較正アーチファクトが、物体にプリントされ、対象ロボットインクジェットシステム用の運動座標系内の正確に知られている位置にある1以上の制御ポイントを含む。この配置により、カメラとロボットインクジェットエンドエフェクタの外部座標系間の関係の特定における誤差の程度が大幅に減少する。この較正は、ロボットインクジェットシステムに対してカメラの位置を特定することによって、正確で低遅延なインクジェットプリンティングの欠陥検出及び修正プロセスをサポートし、ラインスキャン画像内で特定された欠陥の位置を特定し、的を絞った修正手順をサポートするための手段を提供する。
【0029】
[0037] インクジェットプリンティングシステム及び方法を使用して、様々な異なる物体100にプリントすることができる。図1は、民間航空機を含む物体100の一例を示す。幾つかの実施例では、図1の組み立てられた航空機などの物体が組み立てられた後で、プリンティングが行われる。他の複数の実施例では、より大きなアセンブリに後に組み込まれ得るか(又は組み込まれ得ない)より小さな部品から構成される物体100に、プリンティングが行われる。航空機アセンブリを使用して、プリントされ、次いで、組み立てられるより小さな物体100の複数の例は、非限定的に、垂直及び水平安定板、エンジンハウジング、及び胴体の部分を含む。
【0030】
[0038] 計測システム50が、物体100の寸法を測定する。計測システム50は、物体100の測定を行うための1以上の機器を含む。幾つかの実施例では、計測システム50が、物体100上の1以上の光学ポイント及び/又はアーチファクトの部分を特定することによって、物体100を正確に測定する1以上のレーザートラッカーを含む。幾つかの実施例では、計測システム50が、プローブを用いて表面上の離散点を検知することによって、物体100の幾何学的形状寸法を測定する座標測定機(CMM)を含む。2つ以上の機器を有する計測システム50では、機器が同じでも異なってもよい。幾つかの実施例では、計測システム50が、寸法を特定するためのコンピュータ処理能力を有する制御ユニットを含む。更に又は代替的に、計測システム50は、較正プロセスを監督する制御ユニット90と動作可能に接続される。
【0031】
[0039] 計測システム50の測定値を使用して、物体100上の位置を特定するための座標系99を規定する。この座標系99は、カメラ30の較正、物体100のインクジェットプリンティング、及び/又はロボット40の移動中に、制御ユニット90によって使用される。
【0032】
[0040] 図2は、物体100のプリンティング中にインクジェットプリントヘッドアセンブリ20を移動させるように構成されたロボット40を示す。ロボット40は、1以上のリンケージ42を支持するベース41を含む。ベース41は、固定された位置に配置されるように構成され得るか、又は車輪を含み得るか若しくは他の方法で物体100に対して移動可能であり得る。関節ジョイント43が、リンケージ42及び/又はインクジェットプリントヘッドアセンブリ20の間の相対移動を提供する。ロボット40のサイズ、形状、及び移動能力は、プリントジョブの必要性に応じて変化し得る。
【0033】
[0041] プリントヘッドアセンブリ20は、ロボット40の一端に取り付けられている。図3は、プリントヘッドアセンブリ20をより詳細に示す。プリントヘッドアセンブリ20は、ハウジング21を含む。インクジェットプリントヘッド22、23、24、25は、ハウジング21内に取り付けられ、各々が、プリンティングにおいて使用され得るフルカラーパレットを生成するために、異なる色のインクを吐出するように構成されている。幾つかの実施例では、プリントヘッドが、シアンプリントヘッド22、イエロープリントヘッド23、マゼンタプリントヘッド24、及びブラックプリントヘッド25を含む。これは、典型的なプリントヘッド配置である。その場合、プリントヘッドアセンブリ20は、シアンプリントヘッド22を前縁にして、イエロープリントヘッド23、マゼンタプリントヘッド24が続き、及びブラックプリントヘッド25を後縁にして、通常のプリント方向に物体100の上を通過し、当該技術分野において知られているやり方でパターンの色を生成するために、インクをカラーシーケンスで吐出する。本開示によるプリントヘッドアセンブリ20の特定の一実施態様に応じて、代替的なカラーシーケンス及び/又は代替的なベースカラーが使用され得る。プリントヘッドアセンブリ20は、工具中心点(TCP)26を含む。TCP26は、座標系99内のプリントヘッドアセンブリ20の位置を特定するために使用される原点として役立つ。
【0034】
[0042] プリンティング中、ロボット40は、1以上の軸に沿うことを含んで様々なやり方でプリントヘッドアセンブリ20を移動させる。移動の1つの種類は、プリント方向においてハウジング21の横から横への移動に対応する第1の軸(例えば、X軸)に沿った移動である。正のX方向は、シアンプリントヘッド22が物体の上を最初に通過する、プリントヘッド22、23、24、25が一列に並んで移動する方向である。第2の軸(例えば、Y軸)は、プリントヘッドアセンブリ20の移動の上下方向である。第3の軸(例えば、Z軸)は、プリントされている物体100の表面に垂直な物体100に向かって及び物体100から離れるプリントヘッドアセンブリ20の移動を表す。ロボット40は、様々なやり方で、ロール、ピッチ、及びヨーを含む様々な回転自由度でプリントヘッドアセンブリ20を更に回転させることもできる。
【0035】
[0043] 1以上のカメラ30が、物体100からの画像をキャプチャするために、プリントヘッドアセンブリ20に取り付けられる。様々な種類のカメラ30を使用して、画像データをキャプチャすることができる。幾つかの実施例では、カメラ30が、2次元画像を生成するように構成された単一のセンサ要素を含む。一実施例は、プリントヘッドアセンブリ20が物体100の上を通過するときに、一度に一列のピクセルをキャプチャするラインスキャンカメラ30である。ラインスキャンカメラ30は、TCP26に対して既知の位置においてプリントヘッドアセンブリ20に配置される。この位置は、以下でより詳細に説明されることとなるように、カメラ30の較正中に使用される。図3は、プリントヘッドアセンブリ20に結合された単一のカメラ30を有する一実施例を含む。他の複数の実施例では、2つ以上のカメラ30がプリントヘッドアセンブリ20に結合される。これらの実施例では、カメラ30が同じであっても異なってもよい。
【0036】
[0044] 制御ユニット90は、物体100にプリントするために、様々な方向及び回転に沿ってプリントヘッドアセンブリ20を移動させるように、ロボット40を制御する。幾つかの実施例では、制御ユニット90が、動きを監視するために、プリントヘッドアセンブリ20上の位置を使用する。一実施例では、制御ユニット90がTCP26を使用する。TCP26は、位置を特定するときのベース基準点を提供する。他の複数の実施例では、制御ユニット90が、プリントヘッドアセンブリ20の位置を監視するときに、異なるポイントを追跡する。様々な実施例では、プリントヘッドアセンブリ20の動きを監視するために使用される位置は、カメラ30から既知の位置に配置される。既知の位置は、カメラ30からの距離が知られている。
【0037】
[0045] インクジェットプリンティングプロセス中、制御ユニット90は、物体100の目に見えるプリンティング欠陥がないか監視する。正確な監視を行うために、カメラ30は、ロボット40の動きに対して較正される。較正プロセスは、プリントヘッドアセンブリ20によって物体100にプリントされる1以上の較正アーチファクト60を使用する。較正アーチファクト60は、座標系99内の既知の位置に配置される。プリンティング後、ロボット40は、1以上のアーチファクト60を検出するために、カメラ30を物体の上で移動させる。キャプチャされた画像データに基づいて検出された1以上の位置は、カメラ30を較正するために1以上の既知の位置と比較される。
【0038】
[0046] 較正アーチファクト60は、プリントヘッドアセンブリ20によって物体100にプリントされるように構成されている。較正中に使用される較正アーチファクト60の数は、単一の較正アーチファクト60から複数の較正アーチファクト60まで変化し得る。複数の較正アーチファクト60が使用されるときに、較正アーチファクト60は、同じであっても異なってもよい。
【0039】
[0047] 較正アーチファクト60は、1以上の制御ポイント61を含む。制御ポイント61は、カメラ30によってキャプチャされた画像データの解析中に検出され得る、較正アーチファクト60上の特定の識別可能なポイントである。制御ポイント61を有する較正アーチファクト60は、試験に応じて変更が可能であり、ロバストピクセルオフセットからマイナーピクセルオフセットまでの範囲であってよい。図4Aは、矩形ボックスを含む較正アーチファクト60の一実施例である。制御ポイント61は、角部と中心点とのうちの1以上に配置される。図4Bは、一対の直線を含む別の較正アーチファクト60を示す。制御ポイント61は、線の交点に配置されている。較正アーチファクト60は、プリントヘッド22、23、24、25の色域内の様々な色でプリントされ得る。較正アーチファクト60は、アライメントと色認識とのうちの1以上を較正するためのものである。
【0040】
[0048] 該方法は、任意の数の異なる形態の較正アーチファクト60を使用して実施され得る。幾つかの実施例では、較正が、インクの色域の要素を、知覚されるインクの色の較正に組み込む。
【0041】
[0049] 図5は、プリントヘッドアセンブリ20を移動させるために使用されるロボット40に対して、カメラ30を較正する方法を示す。計測システム50が、物体100を測定し、座標系99を規定する(ブロック200)。幾つかの実施例では、これが、1以上の計測機器を有する計測システム50を使用して、物体100の表面の3Dスキャンを収集することを含む。
【0042】
[0050] 1以上の較正アーチファクト60が、プリントヘッドアセンブリ20を用いて物体100にプリントされる(ブロック202)。幾つかの実施例では、これが、ロボット40を使用して、プリントヘッドアセンブリ20を物体100の上で移動させることを含む。プリントヘッドアセンブリ20は、物体100上の既知の位置に1以上の較正アーチファクト60をプリントする。幾つかの実施例では、較正アーチファクト60が物体100にプリントされた後で、計測システム50によって位置が特定される。1以上の計測機器は、物体100をスキャンし、物体100上の位置を検出する。幾つかの実施例では、較正アーチファクト60が、物体100上の特定の識別可能なポイントにプリントされる。複数の実施例は、非限定的に、航空機の主翼及び胴体の交差部分や主翼の先端を含む。
【0043】
[0051] 較正アーチファクト60が、物体100にプリントされた後で、プリントヘッドアセンブリ20を物体100に沿って移動させ、較正アーチファクト60の上を移動させることとなる走査経路が開発される(ブロック204)。走査経路は、較正アーチファクト60がカメラ30によってキャプチャされ得るように、ロボット40がカメラ30を較正アーチファクト60の上に移動させることを可能にする。走査経路の数及び構成は、カメラ30が移動中に較正アーチファクト60をキャプチャできることを条件に、変化し得る。
【0044】
[0052] 較正アーチファクト60がプリントされ、走査経路が規定された後で、ロボット40は、プリントヘッドアセンブリ20を走査経路に沿って移動させる(ブロック206)。ロボット40は、プリントヘッドアセンブリ20を、各軌跡に沿って最小限の角度偏向で、様々な姿勢及び深度で物体100の上を移動させる。移動中、制御ユニット90は、ロボット40の動きとプリントヘッドアセンブリ20の位置とを監視する。位置情報は、計測システム50によって規定された座標系99において参照される。幾つかの実施例では、プリントヘッドアセンブリ20の位置が、TCP26に基づく。位置に加えて、制御ユニット90は、ロボット40とプリントヘッドアセンブリ20の移動のタイミングを監視する。したがって、制御ユニット90は、プリントヘッドアセンブリ20が較正アーチファクト60の上を含む物体100上の様々な位置の上を移動する位置及び時間を監視する。
【0045】
[0053] カメラ30は、プリントヘッドアセンブリ20が物体100の上を移動するときに、較正アーチファクト60を含む画像データをキャプチャする。幾つかの実施例では、カメラ30が、物体100の画像データを継続的にキャプチャする。幾つかの実施例では、カメラ30が物体100にわたり移動されるときに、カメラ30が、様々な頻度で画像データを記録するなど、定期的に画像データをキャプチャする。画像データがキャプチャされた対応する時刻も、画像データに関連付けられる。
【0046】
[0054] 制御ユニット90は、画像データを受け取り、較正アーチファクト60を特定する(ブロック208)。幾つかの実施例では、特定が、較正アーチファクト60の1以上の制御ポイント61を特定することを含む。
【0047】
[0055] 制御ユニット90は、ロボット40の動きに基づいて、較正アーチファクト60の検出された位置を特定する(ブロック210)。検出された位置は、較正アーチファクト60がカメラ30によって画像データ内にキャプチャされたときの、プリントヘッドアセンブリ20の位置を対応させることによって特定される。例えば、較正アーチファクト60が、時刻Xにおいて撮像された画像フレーム内にキャプチャされている場合、制御ユニット90は、時刻Xにおけるプリントヘッドアセンブリ20の位置を特定する。次いで、較正アーチファクト60の位置は、その時刻におけるプリントヘッドアセンブリ20の位置と同一視される。幾つかの実施例では、これが、制御ポイント61が画像データ内にキャプチャされた時刻を含む。幾つかの実施例では、プリントヘッドアセンブリ20の位置が、TCP26の位置と同一視される。
【0048】
[0056] 幾つかの実施例では、検出された位置が、TCP26とカメラ30との間のプリントヘッドアセンブリ20上のオフセット距離を考慮することを更に含む。幾つかの実施例では、これが、制御ユニット90がカメラ30の位置をTCP26と同一視することに必要である。一実施例では、制御ユニット90が、画像データから1以上のフレームを選択する。フレームの各々について、制御ユニット90は、カメラ30の位置がTCP26に等しいと最初に決める。次いで、制御ユニット90は、較正アーチファクト60の検出された位置を特定するために、TCP26とカメラ30との間のオフセット距離を考慮する。
【0049】
[0057] 次いで、カメラ30は、較正アーチファクト60の既知の位置と較正アーチファクト60の検出された位置とに基づいて較正される(ブロック212)。この2つの位置の間の差は、制御ユニット90がロボット40に対してカメラ30を較正することを可能にする。
【0050】
[0058] 幾つかの実施例では、カメラ30の較正が、従来の最適化方法を使用して、カメラパラメータを特定する。較正パラメータは、1以上の内的パラメータ及び/又は外的パラメータを含み得る。幾つかの実施例では、制御ユニット90が、プリントヘッドアセンブリ20の全体的なアライメント、各個別のプリントヘッド22、23、24、25のアライメント、各個別のプリントヘッド22、23、24、25の動作(例えば、プリントヘッドが適正に働いているか)、及び様々な色域態様を特定し得る。
【0051】
[0059] 図6は、ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラ30を較正する別の方法を示す。該方法は、1以上の制御ポイント61を有する較正アーチファクト60をプリントすることを含む(ブロック250)。較正アーチファクト60は、ロボット40に結合されたプリントヘッドアセンブリ20を用いてプリントされる。較正アーチファクト60は、物体100上の既知の位置にプリントされる。プリントヘッドアセンブリ20に結合されたカメラ30は、ロボット40を用いて移動される(ブロック252)。カメラ30は、較正アーチファクト60の画像データをキャプチャする。
【0052】
[0060] 画像データが解析され、較正アーチファクト60が検出される(ブロック254)。較正アーチファクト60の検出された位置は、画像データがキャプチャされたときのロボット40の位置に基づいて特定される(ブロック256)。カメラ30は、較正アーチファクト60の既知の位置と較正アーチファクト60の検出された位置とに基づいて較正される(ブロック258)。
【0053】
[0061] 図7は、ロボットインクジェットプリンティングと共に使用されるカメラ30を較正する方法を示す。該方法は、計測システム50によって物体100の三次元スキャンに基づく座標系99内の物体100の寸法を特定することを含む(ブロック280)。較正アーチファクト60は、ロボット40に結合されたプリントヘッドアセンブリ20を用いて、物体100にプリントされる(ブロック282)。較正アーチファクト60は、座標系99内の物体100上の既知の位置にプリントされる。
【0054】
[0062] ロボット40の位置は、ロボット40が物体100の上を移動するときに、座標系99内で監視される(ブロック284)。ロボット40に結合されたカメラ30は、物体100の上を移動し、較正アーチファクト60を含む画像データをキャプチャする(ブロック286)。較正アーチファクト60の画像データがキャプチャされたときに、工具中心点26の位置が特定される(ブロック287)。この位置は、画像データがカメラ30によってキャプチャされたときのロボット40の位置に基づく。カメラ30は、較正アーチファクト60の既知の位置と較正アーチファクト60の画像データがキャプチャされたときの工具中心点26との間の差に基づいて、ロボット40に対して較正される(ブロック288)。
【0055】
[0063] 幾つかの実施例では、プリントヘッドアセンブリ20が、画像データをキャプチャする単一のカメラ30を含む。他の複数の実施例では、プリントヘッドアセンブリ20が、各々が画像データをキャプチャする2つ以上のカメラ30を含む。カメラ30の位置は追跡され、カメラ30によってキャプチャされた画像データは、上述されたように解析される。較正アーチファクト60の検出された位置は、異なるカメラ30のうちの1以上からの画像データに基づいて特定される。
【0056】
[0064] 幾つかの実施例では、較正プロセスが、制御ユニット90によって実行される。幾つかの実施例では、制御ユニット90が、プリントヘッドアセンブリ20及び/又はロボット40に結合される。他の複数の実施例では、制御ユニット90が、ロボット40及びプリントヘッドアセンブリ20から離れて遠隔に配置される。
【0057】
[0065] 図8で示されているように、制御ユニット90は、メモリ回路92内に記憶されたプログラム命令93に従って動作する処理回路91を含む。処理回路91は、1以上の回路、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを含む。処理回路91は、必要とされる機能を提供するための様々な量のコンピューティング能力を含み得る。
【0058】
[0066] メモリ回路92は、本明細書で説明される技法のうちの1以上を実装するように処理回路91を構成する、コンピュータプログラム製品などのプログラム命令93を記憶した非一過性のコンピュータ可読記憶媒体を含む。メモリ回路92は、例えば、リードオンリーメモリやフラッシュメモリなどの様々なメモリデバイスを含み得る。メモリ回路92は、図8で示されているような別個の構成要素であり得るか、又は処理回路91に組み込まれ得る。代替的に、処理回路91は、例えば、処理回路91が専用でありプログラム不可能である少なくとも幾つかの実施形態に従って、メモリ回路92を省略し得る。
【0059】
[0067] インターフェース回路94は、システムの構成要素のうちの1以上から信号を送信及び/又は受信することを行う。構成要素には、非限定的に、ロボット40、プリントヘッドアセンブリ20、及びカメラ30が含まれる。インターフェース回路94は、構成要素との間の一方向通信又は双方向通信を提供し得る。
【0060】
[0068] 通信回路95は、制御ユニット90と遠隔ノード(例えば、オペレータ装置、サーバ、データベース)との間の通信を提供する。通信回路95は、1以上の遠隔ノードとの間のデータの送受信を行う。クロック89を使用して、ロボット40及び/又はプリントヘッドアセンブリ20の移動のタイミングを追跡する。
【0061】
[0069] ユーザインターフェース96は、ユーザが動作中にシステムの1以上の態様を制御できるようにする。ユーザインターフェース96は、非限定的に、キーパッド、タッチパッド、ローラーボール、及びジョイスティックなどの、1以上の入力デバイス98を含む。ユーザインターフェース96はまた、試験に関する情報を表示し及び/又はオペレータが処理回路91にコマンドを入力するための1以上のディスプレイ97も含む。
【0062】
[0070] 幾つかの実施例では、制御ユニット90が、較正システムの全動作を制御する。更に又は代替的に、構成要素のうちの1以上は、ユーザによって制御され得る。
【0063】
[0071] 本出願は、インクジェットプリンティング、特に、物体100の一部又は全体にわたって延在するようにサイズ決定された大きなロボット40を使用する大きなスケールのインクジェットプリンティングの問題点を考慮する。本出願は、目に見える欠陥が生じる前のインク付加における非常に低い誤差の許容範囲を含むインクジェットプリンティングの問題点に対処する。1以上のカメラ30は、インクジェットプリンティングを監視し、目に見える誤差を検出する。カメラ30の較正は、目に見えるプリンティング欠陥を最小限に抑えるために、局所的な低遅延の視覚的監視を提供する。カメラ30は、非限定的に、インク付加の重複パス間のノズル停止やモーションシステムのエラーなどの、インクジェットプリンティングにおける様々なエラーを特定するように構成されている。
【0064】
[0072] 幾つかの実施例では、複数の異なる較正アーチファクト60が、メモリ回路92内に記憶される。較正アーチファクト60の各々は、カメラ較正の異なる一態様を検出するために適用可能である。制御ユニット90は、カメラ較正の所望の一態様に基づいて、物体100にプリントされた1以上の較正アーチファクト60を特定する。一実施例では、制御ユニット90が、較正の一態様に関するユーザからの入力を受け取り、その入力に基づいて適用可能な1以上の較正アーチファクト60をプリントする。
【0065】
[0073] 本発明は、本発明の本質的な特性から逸脱しない限り、本明細書で具体的に説明された方法とは異なる他の方法で実施することが可能である。本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味及び均等性の範囲内にある全ての変更は、そこに含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】