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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011044
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】危険運転防止のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/04 20130101AFI20250116BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20250116BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20250116BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20250116BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250116BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20250116BHJP
   B60K 28/06 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
B60R25/04
G05B9/02 Z
G06F21/32
G06F21/60 340
G06Q50/10
G08B21/00 U
B60K28/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024107730
(22)【出願日】2024-07-03
(31)【優先権主張番号】18/346,521
(32)【優先日】2023-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】524253009
【氏名又は名称】ディーワイエム センス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ヘラー ドール
(72)【発明者】
【氏名】メロン エヤル
【テーマコード(参考)】
3D037
5C086
5H209
5L050
【Fターム(参考)】
3D037FA03
3D037FA04
3D037FA34
3D037FB09
3D037FB16
5C086AA22
5C086AA43
5C086BA22
5C086CA01
5C086CA09
5C086CA28
5C086CB26
5C086CB36
5C086FA02
5C086FA11
5C086FA17
5H209AA10
5H209DD08
5H209FF05
5H209GG08
5H209HH21
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不適切な運転者が車両を運転することを防止するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システム100は、第1センサと、第1センサと通信し、第1センサの読取値に基づいて運転者の身元を判定する運転者認識モジュールと、第2センサと、第2センサと通信し、第2センサの読取値に基づいて運転者の状態を判定する運転者状態判定モジュールと、運転者認識モジュール及び運転者状態判定モジュールと通信し、運転者の判定された身元及び判定された状態に基づいて、所定の動作セットのうちの1つ以上の動作を判定し、かつ、実行する危険運転防止モジュールと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスを制限又は防止するシステムであって、
第1センサと、
前記第1センサと通信し、前記第1センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの身元を判定するように構成されたユーザ認識モジュールと、
第2センサと、
前記第2センサと通信し、前記第2センサの1つ以上の読取値に基づいて前記ユーザの状態を判定するように構成された状態判定モジュールと、
前記ユーザ認識モジュール及び前記状態判定モジュールと通信し、装置又は建物のうちの少なくとも一方への前記ユーザのアクセスを許可、制限又は防止するように構成され、前記ユーザの判定された身元、前記ユーザの判定された状態、及び所定のルールセットのうちの少なくとも1つに基づいてアクセスを許可、制限又は防止するように構成されたアクセスモジュールと
を含む、システム。
【請求項2】
前記第2センサ及び前記状態判定モジュールは、ウェアラブル要素内に含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ウェアラブル要素は、前記第1センサ及び前記ユーザ認識モジュールを更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1センサは、顔認識、音声認識及び指紋認識のうちの少なくとも1つを行うように構成されたセンサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2センサの1つ以上の読取値は、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記状態判定モジュールは、前記1つ以上のスペクトル測定値に基づいて、前記ユーザの、ホルモンレベル、アルコールレベル、合法薬物レベル又は違法薬物レベルのうちの少なくとも1つを判定するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記装置は、車両、重機、医療機器又は電動工具のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクセスモジュールは、前記装置のスタートボタンと通信し、前記スタートボタンの操作を無効化することにより前記装置へのアクセスを防止するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記アクセスモジュールは、前記装置の1つ以上の操作システムと通信し、前記装置の1つ以上の操作モードの最大範囲を制限するか、又は前記装置の1つ以上の操作モードの所定のセットのみに操作を限定することにより、前記装置へのアクセスを制限するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記建物は、工場、学校、スタジアム、空港又は手術室のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記アクセスモジュールは、前記建物の制御可能なアクセスポイントと通信し、前記アクセスポイントの前記ユーザへの開放を無効化することにより前記建物へのアクセスを防止するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザの判定された状態に関して第三者に警告を出すように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
アクセスを制限又は防止する方法であって、
ユーザ認識モジュールにより、第1センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの身元を判定するステップと、
状態判定モジュールにより、第2センサの1つ以上の読取値に基づいて前記ユーザの状態を判定するステップと、
アクセスモジュールにより、前記ユーザの判定された身元、前記ユーザの判定された状態、及び所定のルールセットのうちの少なくとも1つに基づいて、装置又は建物のうちの少なくとも一方への前記ユーザのアクセスを許可、制限又は防止するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記第2センサの1つ以上の読取値は、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2センサの1つ以上の読取値に基づいて前記ユーザの状態を判定するステップは、前記1つ以上のスペクトル測定値に基づいて、前記ユーザの、ホルモンレベル、アルコールレベル、合法薬物レベル又は違法薬物レベルのうちの少なくとも1つを判定するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記装置は、車両、重機、医療機器又は電動工具のうちの少なくとも1つである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
スタートボタンの操作を無効化することにより、前記装置へのアクセスを防止するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記装置の1つ以上の操作モードの最大範囲を制限するか、又は、前記装置の1つ以上の操作モードの所定のセットのみに操作を限定するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
制御可能なアクセスポイントの前記ユーザへの開放を無効化することにより前記建物へのアクセスを防止するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザの判定された状態に関して第三者に警告を出すステップを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮特許出願第62/695,049号(出願日:2018年7月8日)の利益を主張する、PCT国際公開第2020/012461号として2020年1月16日に公開され、「System and Method for Hazardous Driving Prevention」という発明の名称を有し、国際出願日が2019年7月7日であるPCT国際特許出願第PCT/IL2019/050752号の国内段階出願である米国特許出願第17/258,457号(出願日:2021年1月7日)の一部継続出願であり、これらの全ての出願は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本発明は、安全運転システムの分野に関し、より詳細に、不適切な運転者が車両を運転することを防止するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の安全運転システムは限定的であり、典型的に、運転者が車両を使用する状態にあるか否かを考慮する際に、運転者のいくつかのパラメータしか考慮しない。
【0004】
複数の要因を使用して不適切な運転者の運転を阻止するシステムが必要と長年感じられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、車両の無許可及び/又は危険使用を防止するシステムを提供し、本システムは、第1センサと、第1センサと通信し、第1センサの読取値に基づいて運転者の身元を判定するように構成された運転者認識モジュールと、第2センサと、第2センサと通信し、第2センサの読取値に基づいて運転者の状態を判定するように構成された運転者状態判定モジュールと、運転者認識モジュール及び運転者状態判定と通信し、運転者の判定された身元、運転者の判定された状態、及び所定のルールセットに基づいて、所定の動作セットのうちの1つ以上の動作を判定及び実行するように構成された危険運転防止モジュールと、を含んでもよく、所定の動作セットは、運転者が車両を使用することを許可することと、運転者が特定の制限下で車両を使用することを許可することと、運転者の判定された状態に応じて運転者、乗客及び第三者のうちの少なくとも一方に警告を出すこととのうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、第1センサは、指紋認識センサ、顔認識センサ及び音声認識センサからなる群から選択される。
【0007】
幾つかの実施形態では、第2センサは、合法薬物のレベルを測定するセンサ、違法薬物のレベルを測定するセンサ、及びホルモンのレベルを測定するセンサからなる群から選択される。
【0008】
幾つかの実施形態では、運転者の状態とともに運転者の身元を判定して、身元及び状態が同一の運転者に対して判定されていることを確保するように、第1センサと第2センサとは動作可能に連結される。
【0009】
幾つかの実施形態では、危険運転防止モジュールは、運転者の判定された身元に基づいて運転者を分類して運転者の分類を取得し、運転者の判定された状態と運転者の分類とに基づいて、1つ以上の動作を判定及び実行するように構成される。
【0010】
幾つかの実施形態では、危険運転防止モジュールは、車両を運転している運転者が、運転が許可される運転者であることを保証するために、運転者を再識別するように構成される。
【0011】
幾つかの実施形態では、システムは、運転者状態判定モジュール及び危険運転防止モジュールと通信するセルフテストモジュールを含み、セルフテストモジュールは、運転者がセルフテスト結果をシステムのログに保存することなく、運転者状態判定モジュール及び危険運転防止モジュールを使用してセルフテストを実行できるようにするように構成される。
【0012】
本発明の別の態様は、車両の無許可及び/又は危険使用を防止する方法を提供してもよく、本方法は、第1センサの読取値に基づいて運転者の身元を判定するステップと、第2センサの読取値に基づいて運転者の状態を判定するステップと、運転者の判定された身元、運転者の判定された状態、及び所定のルールセットに基づいて、所定の動作セットのうちの1つ以上の動作を判定及び実行するステップと、を含んでもよく、所定の動作セットは、運転者が車両を使用することを許可することと、運転者が特定の制限下で車両を使用することを許可することと、運転者の判定された状態に応じて運転者、乗客及び第三者のうちの少なくとも一方に警告を出すこととのうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、本方法は、運転者の判定された身元に基づいて運転者を分類して運転者の分類を取得するステップと、運転者の判定された状態と運転者の分類とに基づいて、1つ以上の動作を判定及び実行するステップとを更に含んでもよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、本方法は、車両を運転している運転者が、運転が許可される運転者であることを保証するために、運転者を再識別するステップを更に含んでもよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、本方法は、運転者がセルフテスト結果をシステムのログに保存することなく、セルフテストを実行できるようにするステップを更に含んでもよい。
【0016】
1つ以上の実施形態によれば、第1センサと、第1センサと通信し、第1センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの身元を判定するように構成されたユーザ認識モジュールと、第2センサと、第2センサと通信し、第2センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの状態を判定するように構成された状態判定モジュールと、ユーザ認識モジュール及び状態判定モジュールと通信し、装置又は建物のうちの少なくとも一方へのユーザのアクセスを許可、制限又は防止するように構成され、判定されたユーザの身元、判定されたユーザの状態、及び所定のルールセットのうちの少なくとも1つに基づいてアクセスを許可、制限又は防止するように構成されたアクセスモジュールと、を含む、アクセスを制限又は防止するシステムも提供される。
【0017】
幾つかの実施形態によれば、第2センサ及び状態判定モジュールは、ウェアラブル要素に含まれる。
【0018】
幾つかの実施形態によれば、ウェアラブル要素は、第1センサ及びユーザ認識モジュールを更に含む。
【0019】
幾つかの実施形態によれば、第1センサは、顔認識、音声認識及び指紋認識のうちの少なくとも1つを行うように構成されたセンサである。
【0020】
幾つかの実施形態によれば、第2センサの1つ以上の読取値は、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値を含む。
【0021】
幾つかの実施形態によれば、状態判定モジュールは、1つ以上のスペクトル測定値に基づいて、ユーザの、ホルモンレベル、アルコールレベル、合法薬物レベル、及び違法薬物レベルのうちの少なくとも1つを判定するように構成される。
【0022】
幾つかの実施形態によれば、装置は、車両、重機、医療機器及び/又は電動工具のうちの少なくとも1つである。
【0023】
幾つかの実施形態によれば、アクセスモジュールは、装置のスタートボタンと通信し、スタートボタンの操作を無効化することにより、装置へのアクセスを防止するように構成される。
【0024】
幾つかの実施形態によれば、アクセスモジュールは、装置の1つ以上の操作システムと通信し、装置の1つ以上の操作モードの最大範囲を制限するか、又は装置の1つ以上の操作モードの所定のセットのみに操作を限定することにより、装置へのアクセスを制限するように構成される。
【0025】
幾つかの実施形態によれば、建物は、工場、学校、スタジアム、空港及び/又は手術室のうちの1つである。
【0026】
幾つかの実施形態によれば、アクセスモジュールは、建物の制御可能なアクセスポイントと通信し、アクセスポイントのユーザへの開放を無効化することにより建物へのアクセスを防止するように構成される。
【0027】
幾つかの実施形態によれば、システムは、判定されたユーザの状態に応じて第三者に警告を出すように構成される。
【0028】
1つ以上の実施形態によれば、アクセスを制限又は防止する方法は、ユーザ認識モジュールにより、第1センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの身元を判定するステップと、状態判定モジュールにより、第2センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの状態を判定するステップと、アクセスモジュールにより、判定されたユーザの身元、判定されたユーザの状態、及び所定のルールセットのうちの少なくとも1つに基づいて、装置又は建物のうちの少なくとも一方へのユーザのアクセスを許可、制限又は防止するステップと、を含む。
【0029】
幾つかの実施形態によれば、第2センサの1つ以上の読取値は、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値を含む。
【0030】
幾つかの実施形態によれば、第2センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの状態を判定するステップは、1つ以上のスペクトル測定値に基づいて、ユーザの、ホルモンレベル、アルコールレベル、合法薬物レベル又は違法薬物レベルのうちの少なくとも1つを判定するステップを含む。
【0031】
幾つかの実施形態によれば、装置は、車両、重機、医療機器及び/又は電動工具のうちの少なくとも1つである。
【0032】
幾つかの実施形態は、スタートボタンの操作を無効化することにより、装置へのアクセスを防止するステップを含む。
【0033】
幾つかの実施形態は、装置の1つ以上の操作モードの最大範囲を制限するか、又は、装置の1つ以上の操作モードの所定のセットのみに操作を限定するステップを含む。
【0034】
幾つかの実施形態は、制御可能なアクセスポイントのユーザへの開放を無効化することにより建物へのアクセスを防止するステップを含む。
【0035】
幾つかの実施形態は、判定されたユーザの状態に応じて第三者に警告を出すステップを含む。
【0036】
本発明のこれらの、追加の、及び/若しくは他の態様並びに/又はこれらの、追加の、及び/若しくは他の利点は、以下の詳細な説明において記載されており、詳細な説明から推論でき、及び/又は本発明の実践により学習できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
以下、本発明の実施形態をよりよく理解し、どのように実施するかを示すために、添付図面を単純に例示的に参照する。図面では、同じ符号は、全体を通して、対応する要素又は部分を表す。
【0038】
図1】本発明の幾つかの実施形態に係る、車両の無許可及び/又は危険使用を防止するシステムの概略ブロック図である。
図2】本発明の幾つかの実施形態に係る、車両の無許可及び/又は危険使用を防止する方法のフローチャートである。
図3】本発明の幾つかの実施形態に係る、アクセスを制限又は防止するシステムの概略図である。
図4A】本発明の幾つかの実施形態に係るスペクトル測定値の例を示す。
図4B】本発明の幾つかの実施形態に係るスペクトル測定値の例を示す。
図4C】本発明の幾つかの実施形態に係るスペクトル測定値の例を示す。
図4D】本発明の幾つかの実施形態に係るスペクトル測定値の例を示す。
図5】皮膚色素(メラニン)と酸素化された血液(酸化ヘモグロビン)がどのようにスペクトル測定値に影響を与えるかを示す。
図6】ある特徴がどのようにスペクトル測定値に影響を与えるかを示す。
図7】本発明の幾つかの実施形態に係る、アクセスを制限又は防止する方法のフローチャートである。
図8】本発明の実施形態とともに使用されてもよいコンピューティング装置のブロック図である。
【0039】
当然のことながら、説明の簡略化及び明瞭化のために、図に示される要素は、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、一部の要素の寸法は、明瞭化のために他の要素に比べて大きく描かれている可能性がある。更に、適切と考えられる場合に、図面を跨いで参照番号を繰り返して、対応又は類似する要素であることを示している場合もある。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明では、本発明の様々な態様が説明される。解説の目的のために、特定の構成及び詳細が、本発明の徹底した理解をもたらすために論述される。しかしながら、本発明が、本明細書において提示される特定の詳細なしに実践され得るということは、当業者には更に明らかであろう。更に、周知の特徴は、本発明を不明瞭にしないために、省略又は単純化されていることがある。図面を具体的に参照することに伴い、図示される明細は、単に、例としてのものであり、本発明の例示的な論考の目的のためのものであり、本発明の原理及び概念的態様の、最も有用で容易に理解される説明であると確信されるものを提供するために提示されるということが強調される。これに関連して、本発明の基本的な理解のために必要な程度以上に詳細に本発明の構造的詳細を示す意図はなく、図面と一緒の説明は、本発明の幾つかの形態がどのようにして実際に具現化され得るかを当業者に対して明らかにするものである。
【0041】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用において、以下の説明において明らかにされるか又は図面において例示される構成要素の構築の詳細及び配置に制限されないことが理解される。本発明は、様々な方式で実践又は実行され得る他の実施形態、及び開示された実施形態の組み合わせに適用可能である。また、本明細書内で用いられる表現及び専門用語は、説明の目的のためであり、制限するものとして見なされるべきではないことを理解されたい。
【0042】
特に別段の定めのない限り、以下の議論から明らかであるように、本明細書全体にわたって、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「判定」、「向上」などの用語を利用した議論は、コンピューティングシステムのレジスタ及び/又はメモリ内の電気的な量などの物理的な量として表されるデータを操作し、及び/又はそれをコンピューティングシステムのメモリ、レジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内の物理的な量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータ若しくはコンピューティングシステム、又は同様の電子コンピューティング装置のアクション及び/又はプロセスを指す。開示されるモジュール又はユニットのいずれも、少なくとも部分的にコンピュータプロセッサによって実装され得る。
【0043】
本発明の幾つかの態様は、車両の無許可及び/又は危険使用を防止するシステムを提供してもよい。幾つかの実施形態では、システムは、センサ及び/又は他の情報ソースを使用して、車両が操作される前に運転者を識別し、及び/又は運転者の状態を判定することができる。幾つかの実施形態では、システムは、運転者の行動の複数のレベル及び/又は形式の制御を可能にしてもよい。例えば、システムは、危険レベルに基づいて車両の操作を阻止し、及び/又は防止してもよい。幾つかの実施形態では、システムは、測定値における可能な誤差、運転者の個人的な要因、外的条件(例えば、時間、天気、及び/又は位置)などを考慮してもよい。例えば、幾つかの条件で、システムは、車両の使用を防止するための処置を取ることができる。幾つかの実施形態では、システムは、運転者の状況を第三者に警告してもよい。幾つかの実施形態では、システムは、状態を運転者及び/若しくは乗客に警告し、かつ/又はオプション及び/若しくは提案を提供してもよい。
【0044】
様々な実施形態では、システムは、車両の操作前、車両の操作中、及び/又は車両の操作後に、車両の運転者を識別してもよい。例えば、システムは、許可の運転者が移動(外出)を開始した後に無許可の運転者に車両を渡すことを防止することができる。例えば、システムは、移動の開始時に承認されなかった運転者による車両の駐車及び/又はエンジン停止を防止することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、システムは、車両のユーザの個人化された制御及び/又は監視を可能にしてもよい。例えば、システムは、車両の運転者の状態、運転者の身元及び/又は運転者の動作の影響に関する複数のカスタマイズ可能なオプションを含んでもよい。システムは、例えば、運転者の身元、運転者の状態、及び外的状況などを考慮して、運転者の車両へのアクセスの個人化された制御を可能にしてもよい。例えば、システムは、法的権限、運転者の後見人及び/又は車両所有者により、車両の使用の制御を促進してもよい。
【0046】
図1に示すように、図1は、本発明の幾つかの実施形態に係る、車両の無許可及び/又は危険使用を防止するシステム100の概略ブロック図である。
【0047】
幾つかの実施形態によれば、システム100は、1つ以上のセンサ110、運転者識別モジュール120、運転者状態判定モジュール130、危険運転防止モジュール140、ユーザインタフェース150、ストレージモジュール160及び電源170を含んでもよい。
【0048】
幾つかの実施形態によれば、センサ110は、運転者識別モジュール120及び運転者状態判定モジュール130と通信してもよい。
【0049】
運転者識別モジュール120は、センサ110の読取値を受信し、当該読取値に基づいて車両の潜在的な運転者の身元を判定してもよい。運転者状態判定モジュール130は、センサ110の読取値を受信することと、当該読取値に基づいて、潜在的な運転者の状態を判定することとを含んでもよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、システム100は、運転者を識別する異なるセンサと、運転者の状態を判定する異なるセンサとを含んでもよい。例えば、システム100は、運転者を識別する1つ以上の第1センサ112と、運転者の状態を判定する1つ以上のセンサ114とを含んでもよい。第1センサ112は、例えば、指紋認識、顔認識、音声認識などのためのセンサであってもよい。第2センサ114は、例えば、合法薬物(例えば、アルコール及び/若しくは処方薬及び/若しくは鎮痛薬)並びに/若しくは違法薬物(例えば、大麻及び/若しくはコカイン)のレベル、ホルモンのレベル(例えば、運転者が怒っているか若しくは疲れている兆候)並びに/又は人が運転に適合しない他の兆候を測定するセンサであってもよい。
【0051】
第1センサ112は、運転者識別モジュール120と通信してもよく、第2センサ114は、運転者状態判定モジュール130と通信してもよい。センサ110と識別モジュール120及び運転者状態判定モジュール130との間の通信は、有線であってもよく、無線であってもよい。例えば、運転者を識別するための第1センサ112は、(実際には自分を識別する運転者が存在することが明らかになるように)ローカル接続及び/又はハードワイヤード接続を介して運転者識別モジュール120に接続される必要があってもよい。他の例では、運転者を識別するための第1センサは、車両の操作に必要な機器(例えば、キー、イグニションスイッチ/ボタン、ステアリングホイール、ギアスティックなど)に接続されてもよい。機器の選択は、ユーザの好みに基づいて行われてもよい。
【0052】
幾つかの実施形態では、第1センサ112と第2センサ114とは、動作可能に連結されてもよい。例えば、運転者を識別するための指紋センサ(例えば、第1センサ112)は、運転者の血中アルコール濃度(例えば、運転者状態)を判定するための血中アルコールセンサ(例えば、第2センサ114)に接続されてもよい。このようにして、運転者の身元は運転者の状態とともに判定されて、承認された運転者が、例えば、血中アルコール及び/又は薬物含量が陰性であると検査されたものであることを確保することができる。
【0053】
様々な実施形態では、第1センサ112及び/又は第2センサ114は非侵襲センサである。様々な実施形態では、第1センサ112及び/又は第2センサ114は、ブレサライザーではない(例えば、呼気サンプルを分析するように構成されたセンサではない)。
【0054】
危険運転防止モジュール140は、運転者識別モジュール120及び運転者状態判定モジュール130と通信してもよい。危険運転防止モジュール140は、判定された暫定的な(protentional)運転者の身元、判定された暫定的な運転者の状態、及び所定のルールセットに基づいて、複数の動作のうち1つ以上の動作を判定及び実行してもよい。例えば、ルールは、無許可の運転者及び/又は著しく衰弱しているという信頼性の高いデータがある運転者に対して、危険運転防止モジュール140は、ロック装置を作動させて車両へのアクセスを防止することができると定めてもよい。例えば、不明瞭な場合には、危険運転防止モジュール130は、状況を第三者に通知するメッセージを送信してもよい(例えば、ネットワークを介してメッセージを送信してもよい)。他の場合には、例えば、運転者が許可されているが衰弱のボーダーライン(境界線)にある可能性がある場合には、危険運転防止モジュール140は、運転者及び/若しくは乗客に対して警告を発してもよく、かつ/又は運転者が疑わしい状態で運転したことを(例えば、内部メモリ上で及び/若しくはネットワークを介したメッセージで)注意するが、運転者に移動を継続させてもよい。また、上記動作を組み合わせてもよい。
【0055】
幾つかの実施形態では、危険運転防止モジュール140は、運転者識別モジュール110により判定された運転者の身元に基づいて潜在的な運転者を分類してもよい。例えば、幾つかの運転者は、何らかの条件で運転することを許可されなくてもよい。幾つかの運転者は、特定の条件(例えば、許可の同伴者の存在下、緊急状況、及び/又は、特別許可が発行された場合)でのみ運転を許可されてもよい。幾つかの運転者は、特定の領域及び/又は特定の条件下(特定の時間、よい天気など)で運転を許可されてもよい。幾つかの運転者は、より一般的な条件で運転を許可されてもよい。幾つかの運転者は、とりあえず信用するという扱い(the benefit of the doubt)がされなくてもよい(例えば、運転者が運転に適合するか否かという問題があれば、例えば、車両のイグニッション及び/又は燃料ポンプをロックすることにより、運転者による運転を防止することができる)。幾つかの運転者は、とりあえず信用するという扱いがされてもよい(例えば、運転者が運転に適合するか否かという問題があれば、運転者が自由に運転してもよく、かつ/又はシステムは運転者による運転を防止することはしない)。幾つかの運転者は、とりあえず信用するという扱いが限定的にされてもよい(例えば、運転者が運転に適合するか否かという問題があれば、例えば、運転者に警告を出すことにより、及び/又は運転者の状態を記録することにより、及び/又は第三者にメッセージを送信することにより、運転者は運転を思い止まらされてもよいが、運転を防止されることはない)。幾つかの状況で、好ましいユーザであっても(例えば、1つ及び/又は複数のセンサが、高レベルの衰弱及び/又は高い信頼性の衰弱及び/又は違法状態、例えば、違法に高い血中アルコールを指示すれば)、運転を防止されてもよい。また、上記動作を組み合わせてもよい。例えば、ある運転者は、ある場所及び/若しくは時間にとりあえず信用するという扱いがされてもよく、他の場所及び/若しくは時間にはとりあえず信用するという扱いがされなくてもよく、かつ/又はあるセンサ結果に対してとりあえず信用するという扱いがされてもよく、かつ/若しくは他のセンサ結果に対してはとりあえず信用するという扱いがされなくてもよく、かつ/又は、幾つかのユーザは、他のユーザよりも多くのテストを行うように要求されてもよく、かつ/若しくは、他のユーザよりも頻繁にテストを行うように要求されてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、1つ以上のアクチュエータ142及び/又は1つ以上の出力装置144を含んでもよい。アクチュエータ142及び/又は出力装置144は、アクチュエータ142及び/又は出力装置144を制御するように構成され得る危険運転防止モジュール140と通信してもよい。例えば、アクチュエータ142は、車両システム(例えば、車両プロセッサ)と通信してもよく、車両の無許可利用を防止するために危険運転防止モジュール140によって使用されてもよい(例えば、特定の速度以上の加速度を許容しないことにより使用を完全に防止し及び/又は使用を制限する)。他の例では、出力装置144は、様々な危険状態及び/又は行動を運転者、乗客、及び/又は第三者に警告するために危険運転防止モジュール140によって使用されてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態によれば、システム100は、ユーザインタフェース150を含んでもよい。危険運転防止モジュール140は、ユーザインタフェース150に接続されてもよく、これにより、ユーザ(例えば、車両群の管理者及び/又は親及び/又は車両所有者)が、例えば、運転者がどのように(例えば、センサ110の読取値に基づいて)運転者識別モジュール120及び/又は運転者状態判定モジュール130により特徴付けられるかを変更することにより、システム100を調整することが可能になる。
【0058】
幾つかの実施形態によれば、システム100は、ストレージモジュール160(例えば、コンピュータ可読メモリ)を含んでもよい。ストレージモジュール160は、運転者識別モジュール120、運転者状態判定モジュール130及び危険運転防止モジュール140と通信してもよい。
【0059】
幾つかの実施形態では、ストレージモジュール160は、センサ110からの読取値(例えば、センサの出力)を記憶してもよい。幾つかの実施形態では、ストレージモジュール160は、システム100のユーザの身元に関するデータ(例えば、許可の運転者の指紋及び/又は顔データ)を記憶してもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、ストレージモジュール160は、ポリシーを含んでもよい。ポリシーは、例えば、運転者が運転を許可される、制限される、警告を出される等についてのセンサレベルの閾値を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ポリシーを更新してもよい。例えば、管理者は、ポリシーを永久に及び/又は一時的に変更することが可能であってもよい(例えば、許可の運転者が衰弱したとテストされた場合には、無許可の運転者に一時的な承認を与えて運転を許可するようにしてもよい(例えば、許可の運転者を家に送り届ける))。一時的な承認は、条件付けられてもよい(例えば、許可は、許可の運転者の家への1回の移動のみに対するものであってもよい)。例えば、幾つかの管理者は、厳しいポリシーを遵守し、状態(例えば、アルコールレベル)が境界線上であっても、及び/又は法的制限内にあっても、危険状態を回避してもよい。他の例では、幾つかの管理者は、違法行動の可能性が高い場合(例えば、アルコール法的制限を超える運転)を除き、干渉することなく、あまり厳しくないポリシーを遵守してもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、ストレージモジュール160は、移動情報を記憶してもよい。移動情報は、例えば、速度、位置、時間などを含んでもよい。
【0062】
様々な実施形態では、ストレージモジュール160は、移動及び/又は運転者の詳細を有するログを記憶してもよい。例えば、ログは、車両識別、車両の時間及び/又は位置、速度、運転者の身元、運転者の状態(例えば、センサ出力)を含んでもよい。例えば、保険は、ログを使用してリスク及び/又は保険料率を決定してもよい。例えば、ログは、運転統計データを導出し、及び/又はポリシーを改善して事故を減少させるために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、ログは、特に例えば、公用車(例えば、バス)及び/又は商用車両(例えば、トラック及び/又はタクシー)及び/又は危険貨物を運搬する車両の場合、法律機関により収集されてもよい。例えば、ログは、事故の場合に、賠償金を決定するために使用されてもよい。例えば、ログは、ローカルメモリ及び/又はリモートメモリに記憶されてもよい。
【0063】
様々な実施形態では、ストレージモジュール160に記憶された少なくとも一部のデータ/情報を保護してもよい。例えば、運転者は、メモリのコンテンツを変更するためにアクセスしなくてもよい。
【0064】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、外部ネットワーク90と通信してもよい。危険運転防止モジュール140は、外部ネットワークからデータ/情報(例えば、道路情報、地理位置情報データなど)を受信してもよい。
【0065】
様々な実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、運転者の携帯電話のセンサ及び/若しくはネットワーク接続並びに/又は運転者の携帯電話のプロセッサ及び/若しくは電池及び/若しくはメモリを使用してもよい。例えば、携帯電話は、システム100との接続を調整するアプリケーションを含んでもよい。
【0066】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、例えば、セルラーネットワークの専用無線送受信機を含んでもよい。危険運転防止モジュール140は、外部装置を介してネットワークに接続されてもよい。例えば、危険運転防止モジュール140は、パーソナルコンピューティング装置(例えば、外部通信用の携帯電話)を使用してもよい。例えば、許可の運転者は、運転前及び/又は運転中に運転者の携帯電話をシステムに接続するように要求されてもよい。例えば、システム100は、配線接続された携帯電話ドックを含んでもよい。危険運転防止モジュール140は、無線接続(例えば、ブルートゥース(登録商標))を介して携帯電話に接続されてもよい。他の例では、システム100の付加的な選択的安全機能は、ユーザが運転している際に運転者の携帯電話がドッキングし(しまい込み)、及び/又はスクリーンオフにし、及び/又はタッチに敏感ではないように要求されることを含んでもよい。例えば、システムは、携帯電話がドッキングされない限り、及び/又はそのスクリーンがオフにされることを報告しない限り、様々な影響(例えば、運転の防止、第三者への通知、警告ブザーなど)を使用してもよい。幾つかの実施形態では、システム100の少なくとも一部のモジュールは、ネットワーク接続を介して、ソフトウェアアップデート及び/又はユーザサポートを受信してもよい。
【0067】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、情報を送信し、情報を受信し、動作要求を送信し、及び/又は第三者から命令を受信してもよい。例えば、第三者は、車両所有者及び/又は管理者を含んでもよい。例えば、社用車及び/又は賃貸車両の場合、管理者は、車両所有者を含んでもよい。例えば、自家用車の場合、第三者は、一家の主、親及び/又は配偶者を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第三者は、機関、例えば、警察及び/又は緊急要員を含んでもよい。任意選択で、第三者は、保険業者を含んでもよい。例えば、保険会社は、システムのインストール及び/又は保険会社がデータを受信することに同意した顧客の保険料を下げることに同意することができる。例えば、第三者に送信された情報は、車両の時間及び位置、速度、運転者の身元、運転者の状態(例えば、センサ出力及び/又は衰弱レベル)を含んでもよい。
【0068】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、車両の運転者情報システムに接続されてもよい。例えば、運転者が衰弱しているように見える場合、車両の警告灯及び/又は車両の音響システムを使用して、運転者及び/又は乗客に現在の運転を推奨しないことを伝えることができる。例えば、シートベルト警告灯及び/又はブザー及び/又は類似のものが、薬物及び/又はアルコールの影響下での運転を思い止まらせる(阻止する)ために使用されてもよい。
【0069】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、運転を回避するオプションをユーザに提示してもよい。例えば、オプションは、口頭で(車両のスピーカ及び/又は携帯電話を介して)提示され、及び/又はメッセージ(例えば、セルラーネットワークメッセンジャーサービス(例えば、SMS、Whatsappなど)を介して送信されるメッセージ)として提示され、及び/又は(例えば、車両の画面及び/又はPCD上で提示される)通知として提示されてもよい。例えば、代替輸送源は、所望の位置及び時間に関するタクシー及びバスの推奨などの商業輸送のオプションを含んでもよい。幾つかの実施形態では、危険運転防止モジュール140は、位置をネットワーク上に掲示して、近くの他の運転者の輸送及び/又はヘルプを要求することができる。例えば、ネットワークは、閉じたネットワークを含んでもよく、例えば、運転者の仲間及び/又は車両所有者に関連付けられた者のメンバーを含んでもよい。幾つかの実施形態では、要求は、パブリックネットワーク、例えば、立ち往生した及び/又は衰弱した運転者のために乗車を手配するライドシェアネットワーク及び/又は交通安全ネットワークを介して送信されてもよい。幾つかの実施形態では、危険運転防止モジュール140は、レッカー移動サービス、警察、救急車などのような公共又は民間サービスから援助を求めてもよい。
【0070】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、車両を運転している運転者が、実際には、移動の開始時に承認された運転者であることを保証することができる。例えば、ユーザの運転を承認した後、危険運転防止モジュール140は、センサ110(例えば、第1センサ112を使用する)と運転者識別モジュール120を使用してユーザに自分の身元を確認するように要求してもよい。例えば、移動中及び/又は移動後に、危険運転防止モジュール140は、許可の運転者が自分の身元を確認することを要求してもよい。許可の運転者が車両の近くにいない場合、及び/又はローカルセンサに自分の身元を識別していない場合、システムは、処置を取ることができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、承認された運転者が移動中に自分を識別できなかった場合、危険運転防止モジュール140は、警告を発してもよく、かつ/又は車両を駐車して車両を閉じるための限られた時間を与えてもよい。幾つかの実施形態では、危険運転防止モジュール140は、承認された運転者が自分を識別するまで、(例えば、車両を閉じること、及び/若しくは緊急点滅灯を点灯することを防止することによって)ユーザが車両を格納することを防止することができ、かつ/又はシステムが、承認された運転者が車両を閉じる前に自分を再識別できないときに第三者に通知することができる。幾つかの実施形態では、車両の一定の機能は、承認された運転者を再識別する必要があってもよい。例えば、承認された運転者が存在せず及び/又は車両が閉じられるときに存在しなかった場合、給油口カバーがロックされて、是正処置がとられるまで給油を防止することができる。幾つかの実施形態では、承認された運転者が自分を再識別せずに車両が閉じられた場合、承認された運転者は、是正処置がとられるまで、車両を再度使用することを防止されてもよく、及び/又は車両群内の任意の車両を使用することを防止されてもよい。幾つかの実施形態では、承認された運転者が自分を再識別せずに車両が閉じられた場合、その車両は、是正処置がとられるまで、1人以上の運転者がその車両を使用することを防止するようにロックされてもよい。例えば、運転者が、自分を再識別することが危険ではない時、例えば、車両が停止している間に、運転者が自分を識別するための要求が設定されてもよい。
【0072】
様々な実施形態では、危険運転防止モジュール140は、パスワード及び/又は第1センサ112により自分を識別することを運転者に要求してもよい。例えば、第1センサ112は、指紋検出器を含んでもよく、及び/又は顔認識及び/又は音声認識によって識別してもよい。第1センサ112は、外部装置上にあってもよく、及び/又は危険運転防止モジュール140は、ローカルネットワーク(例えば、運転者の携帯電話からのBluetooth)を介して運転者が識別されたという確認を待ってもよい。幾つかの実施形態では、第1センサ112は、車両内に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態では、他のセンサが、運転者を識別し、及び/又は衰弱を意味する運転者の行動の変化を判別するために使用されもよい。例えば、危険運転防止モジュール140は、車両センサ(例えば、エアバッグの速度計及び/若しくは加速度計)並びに/若しくは運転者の支援センサ(例えば、MobileEye)などの外部センサ並びに/若しくは携帯電話センサ(例えば、指紋リーダ、カメラ及び/若しくは顔認識ソフトウェア、IR検出器、マイクロフォン及び/若しくは音声認識ソフトウェアなど)からデータを受信してもよく、かつ/又は、それらのセンサに取り付けられてもよい。幾つかの実施形態では、上記センサのいずれも、車両内に取り付けられるか又は他の装置に取り付けられた専用センサであってもよい。
【0073】
幾つかの実施形態によれば、危険運転防止モジュール140は、運転者の行動及び/又は車両を監視し、データを使用して、運転者が承認された人ではないこと及び/又は運転者が衰弱しているということを意味する変化を判別することができる。任意選択で、危険運転防止モジュール140は、人工知能を使用してデータを解釈してもよい。このように、自分を再識別することを運転者に要求することにより、他の運転者に対する承認に基づいて、承認されていないユーザの運転を阻止することができる。任意選択で、データは、車両性能に関する要因などの他の要因を判定するために使用される。
【0074】
幾つかの実施形態によれば、システム100は、セルフテストモジュール170を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、システム100の少なくとも一部のモジュールを「内密」に使用することを可能にしてもよい。例えば、ユーザは、自分をテストして、例えば、自分のアルコールレベルを判定することができる。セルフテストモジュール170は、第三者に通知せずに、及び/又はストレージモジュール160に結果を記憶せずに、ユーザセンサ110及び/又は危険運転防止モジュール140を使用するように構成されてもよい。
【0075】
任意選択で、セルフテストモジュール170は、「許容されるアルコールレベルを超える前に、どれだけ飲むことができるか」、「血中アルコールを許容可能なレベルに戻すにはどのくらい待たなければならないか」などの有用な情報を提供してもよい。幾つかの実施形態では、セルフテストモジュール170は、ユーザが携帯電話センサ(例えば、赤外検出器)を使用して、そのような判定(低い精度又は信頼性を有する可能性がある)を行うことを可能にすることができる。幾つかの実施形態では、ユーザは、自動車に取り付けられたセンサを使用して非記録測定を行う。幾つかの実施形態では、システム100のセンサ110は、ポータブルであってもよい。例えば、血液レベルセンサ及び/又は無線データ送信機は、車両キーに取り付けられてもよい。例えば、ユーザは、鍵を持ち歩き、自分及び/又は同僚の血中アルコールテストの結果を自分の携帯電話で受信することができてもよい。任意選択で、セルフテストモジュール180は、潜在的な運転者が衰弱について識別及び/又はテストされる場合、キー及び/又はセンサが自動車に近づくことを要求する。
【0076】
幾つかの実施形態によれば、システム100は、電源180を含んでもよい。幾つかの実施形態では、電源180は、センサ110、運転者識別モジュール120、運転者状態判定モジュール130、危険運転防止モジュール140、ユーザインタフェース150、ストレージモジュール160及びセルフテストモジュール170に接続され、それらに電力を供給するように適合してもよい。他の実施形態では、システム100の少なくとも一部のモジュールは、車両の電池から電力を受け取ってもよく、及び/又は専用電池を有してもよい。
【0077】
様々な実施形態によれば、システム100のモジュールのそれぞれ(例えば、運転者識別モジュール120、運転者状態判定モジュール130、危険運転防止モジュール140、ストレージモジュール160、セルフテストモジュール170)は、その自体のコンピューティング装置、1つの(例えば、共有)コンピューティング装置、運転者のパーソナルコンピューティング装置(例えば、携帯電話)、クラウド又はコンピューティング装置の組み合わせに実装されてもよい。
【0078】
幾つかの実施形態によれば、システム100は、改造されて既存の車両とともに使用されてもよい。システム100の柔軟なルールにより、システム100が一連の簡易なセンサ及び/又は利用可能なセンサとともに使用されることに適するようになってもよい。例えば、柔軟な意思決定プロセスにより、信頼性が高くはないセンサを用いて有効なシステムを実現することが可能になってもよい。任意選択で、これにより、高価なインストール及び/又は高価な高精度センサを必要とせずに、システム100を既存及び/又は低価値の車両に適合させることが容易になる。例えば、自動車にインストールされにくく、かつ移動中に運転者を識別する高価なセンサ及び/又は目立つセンサを必要とせず、様々なステージで及び/又は移動の終了時に運転者を検査することにより、運転者がシステムを騙す(1人がテストに合格し、次に別の人に運転させる)ことを回避することができてもよい。
【0079】
図2に示すように、図2は、本発明の幾つかの実施形態に係る、車両の無許可使用及び/又は危険使用を防止する方法200のフローチャートである。
【0080】
方法200は、方法200を実施するように構成されてもよいシステム100により実施されてもよい。なお、方法200は、図2に示すフローチャート及び対応する説明に限定されない。例えば、様々な実施形態では、方法200は、例示された各ブロック又はステージを進むか、又は例示及び説明されるものと全く同じ順序で進む必要はない。
【0081】
幾つかの実施形態によれば、方法200は、第1センサの読取値に基づいて運転者の身元を判定するステップ(ステージ210)を含んでもよい。例えば、第1センサは、図1に関連して上述した第1センサ112と類似してもよい。運転者の身元は、例えば、図1に関連して上述したような運転者身元判定モジュール120を使用して判定されてもよい。
【0082】
幾つかの実施形態によれば、方法200は、第2センサの読取値に基づいて運転者の状態を判定するステップ(ステージ220)を含んでもよい。例えば、第2センサは、図1に関連して上述した第2センサ114と類似してもよい。運転者の状態は、例えば、図1に関連して上述したような運転者状態判定モジュール130を使用して判定されてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態によれば、方法200は、運転者の判定された身元、運転者の判定された状態、及び所定のルールセットに基づいて、所定の動作セットのうち1つ以上の動作を判定及び実行するステップ(ステージ230)を含んでもよい。例えば、図1に関連して上述したような危険運転防止モジュール140を使用して、1つ以上の動作の判定及び実行を利用してもよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、所定の動作セットは、(例えば、図1に関して上述したように)運転者が車両を使用することを許可することと、特定の制限の下で運転者が車両を使用することを許可することと、運転者の判定された状況を運転者、乗客及び第三者のうちの少なくとも一方に警告を出すこととのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0085】
幾つかの実施形態では、方法200は、(例えば、図1に関して上述したような危険運転防止モジュール140によって)運転者の判定された身元に基づいて運転者を分類して運転者の分類を取得するステップと、運転者の判定された状態と運転者の分類とに基づいて、1つ以上の動作を判定及び実行するステップとを含んでもよい。
【0086】
幾つかの実施形態では、方法200は、(例えば、図1に関して上述したような危険運転防止モジュール140及び運転者身元判定モジュール120によって、第1センサ112を使用して)車両を運転している運転者が、運転が許可される運転者であることを保証するために、運転者を再識別するステップを含んでもよい。
【0087】
幾つかの実施形態では、方法200は、(例えば、図1に関して上述したようなセルフテストモジュール180を使用して)運転者がセルフテスト結果をシステムのログに保存することなく、セルフテストを実行できるようにするステップを含んでもよい。
【0088】
有利には、開示されたシステム及び方法は、運転者の様々な生理的パラメータ(例えば、アルコールレベル、薬物レベル、ホルモンなど)を測定することにより、運転者の状態の客観的かつリアルタイムな判定を提供し、かつ、運転者が安全に車両を操作できるか否かという客観的かつリアルタイムな判定とを提供することができる。
【0089】
開示されたシステム及び方法は、医学(例えば、医師の状況を判定する)、建設業界、法律業界などのような様々な追加の分野で実現されてもよい。任意選択で、当該システム及び方法は、例えば、患者の状況などを判定するために、病院の救急科で実現されてもよい。
【0090】
幾つかの実施形態は、アクセスを制限又は防止するシステムを含む。本発明の幾つかの実施形態によれば、アクセスを制限又は防止するシステムは、運転以外の場面に使用されてもよい。例えば、アクセスを制限又は防止するシステムは、装置及び/又は建物へのアクセスを許可、制限又は防止するために使用されてもよい。
【0091】
1つの実施形態は、不適切なユーザ(例えば、薬物及び/若しくはアルコールの影響を受けるユーザ、又は高ストレスなどの不適切な情緒状態にあるユーザ)が上述したタイプの車両以外の他のタイプの車両を操作することを防止してもよい。例えば、本発明の実施形態に係るシステムは、不適切なユーザが、例えば、航空機(例えば、飛行機、ヘリコプター、無人航空機「UAV」、例えば、ドローンなど)、水上船(例えば、ボート、船、ジェットスキー、潜水器など)、水陸両用機、ホバークラフト、鉄道車両(例えば、列車、路面電車、モノレール、リニアモーターカーなど)、及び/又は宇宙船を操作することを防止又は制限することができる。
【0092】
本発明の実施形態に係るシステムは、不適切なユーザなどのユーザが、シザーリフト、フォークリフト、ブルドーザー、クレーン(タワークレーン、移動式クレーン、クローラなど)、掘削機、ホイールローダ、圧縮機、コンクリートミキサー車、トンネル掘削機、シュレッダー、伐採設備(スキッダー、フェラーバンチャ、枝払い機など)などの(これらに限定されない)重機を操作することを防止又は制限することができる。一般に重機と考えられ、本明細書の例に記載されていない他のタイプの機械の操作も、本発明の実施形態によって制限又は防止される可能性がある。
【0093】
本発明の実施形態に係るシステムは、不適切なユーザなどのユーザが、例えば、チェーンソー、電気ドリル、丸鋸、ネイルガン、ベルト式の研磨機などの(これらに限定されない)電動工具を操作することを防止又は制限することができる。
【0094】
本発明の実施形態に係るシステムは、不適切なユーザなどのユーザが、例えば、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナ、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ(CATスキャナとも呼ばれる)、陽電子放射断層撮影法(PET)スキャナ、X線機器、心電図(ECG)機器、脳波図(EEG)機器などの(これらに限定されない)医療機器を操作することを防止又は制限することができる。
【0095】
本発明の実施形態に係るシステムは、不適切なユーザなどのユーザが、例えば、空港、スタジアム(例えば、競技場、コンサートホールなど)、工場、学校(例えば、高校、単科大学、大学など)などの(これらに限定されない)建物にアクセスすることを防止又は制限することができる。本発明の実施形態に係るシステムは、不適切なユーザなどのユーザが、例えば、鉱山、採石場、建設現場、手術室(例えば、手術を実行する場所)などの(これらに限定されない)他の環境にアクセスすることを防止又は制限することができる。
【0096】
図3は、アクセスを制限又は防止するシステム300のブロック図を示す。システム300は、第1センサ310を含んでもよい。第1センサ310は、顔認識、音声認識及び/又は指紋認識のうちの少なくとも1つのために構成されたセンサであってもよい。例えば、第1センサ310は、ユーザの顔又は指紋を撮像するように構成されたカメラなどの撮像センサであってもよい。幾つかの実施形態では、第1センサ310は、ユーザの音声又は話されたフレーズを記録するように構成されたマイクロフォンなどのオーディオセンサであってもよい。
【0097】
また、システム300は、ユーザ認識モジュール320を含んでもよい。ユーザ認識モジュールは、集積回路(IC)、チップ又はコンピュータプロセッサなどのハードウェア要素であってもよい。幾つかの実施形態では、ユーザ認識モジュール320は、1つのコード又はスクリプトなどのソフトウェア要素を実行するプロセッサ(例えば、図8におけるプロセッサ805)であってもよい。ユーザ認識モジュール320は、第1センサ310と通信してもよい。ユーザ認識モジュール320は、第1センサ310の1つ以上の読取値に基づいてユーザの身元を判定するように構成されてもよい。例えば、ユーザ認識モジュール320は、ユーザ識別情報のデータベース(例えば、顔、指紋及び/又は声紋のデータベース)にリモートでアクセスし、第1センサ310の1つ以上の読取値とのデータベースにおける一致に基づいてユーザの身元を検索するように構成されてもよい。
【0098】
また、システム300は、第2センサ330を含んでもよい。第2センサ330は、第1センサ310と統合されてもよく、独立してもよい。第2センサ330は、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値を取得するように構成されてもよい。例えば、第2センサ330は、電磁放射線の1つ以上の入射波長をユーザのサンプル領域(例えば、手首、指先など)に放射し、反射信号を測定することができる。
【0099】
システム300は、状態判定モジュール340を含んでもよい。状態判定モジュール340は、第2センサ330と通信してもよい。状態判定モジュール340は、第2センサ330の1つ以上の読取値に基づいてユーザの状態を判定するように構成されてもよい。例えば、状態判定モジュール340は、第2センサ330による1つ以上のスペクトル測定値に基づいて、ユーザの、ホルモンレベル、アルコールレベル、合法薬物レベル及び/又は違法薬物レベルのうちの少なくとも1つを判定するように構成されてもよい。例えば、状態判定モジュール340は、ユーザが血中アルコールレベルの法的制限を超えているか否かを判定してもよい。
【0100】
本発明の実施形態は、1つ以上の特定の又は設定された波長を使用して特定化学薬品を検出することができる。例えば、エタノール(例えばアルコール)の検出について、本発明の実施形態は、波長1250nm~1500nm及び/若しくは2000nm~2500nmの波長として特定された、又は1250nm~1500nm及び/若しくは2000nm~2500nmの波長を有する電磁放射線を使用又は検出することができる。特定された波長範囲内の電磁放射線が存在したり、閾値の上又は下に存在したりする場合、ユーザのアクセスを防止するなどの処置をとることができる。例えば、被験者の指が指定された波長で照射される可能性があり、リターン信号が測定され、予想される信号の違い(例えば、水又は血液などのベースラインと比較して異なる)が測定され、予想される信号の違いは、血液中にアルコールが存在することを示す可能性がある。
【0101】
図4A~4Dは、本発明の幾つかの実施形態に係るスペクトル測定値の例を示す。図4A~4Dにおいて、X軸は、光の波長(nm)を示し、Y軸は、相対吸光度を示す。
【0102】
図4Aは、100%水溶液(ライン420)、95%エタノール溶液(ライン430)、200滴の水と1滴の95%エタノールとの混合溶液(ライン410)、200滴の水と2滴の95%エタノールとの混合溶液(ライン401)を示す。このように、1滴の95%エタノールと混合した200滴の水と、2滴の95%エタノールと混合した200滴の水と、100%の水とのスペクトルシグネチャにはわずかな違いがあることが分かる。
【0103】
これらの違いは、図4Bに拡大して示され、ここでは、95%エタノール溶液の調整スケール(ライン430)が使用され、図の右側に示される。
【0104】
本発明の実施形態では、実際に、相関測定ラインの下の面積と水ライン(例えば、水ライン410は対照として使用される)の下の面積とを比較する積分方法に基づいてアルコールレベルを判定することができる。
【0105】
図4Cは、100%水溶液(ライン420)、75%エタノール溶液(ライン440)及び95%エタノール溶液(ライン430)を示す。図4Dは、図4Cの拡大図を示す。このように、エタノール(例えば、アルコール)は、スペクトルシグネチャが水のスペクトルシグネチャとは異なり、かつパーセント濃度によって異なる。本発明の実施形態では、(例えば、第2センサ330によって)このようなスペクトルシグネチャを検出し、(例えば、状態判定モジュール340を使用して)検出された1つ以上のスペクトル読取値に基づいて、アルコールレベルを判定することができる。
【0106】
図5は、皮膚色素(メラニン)と酸素化された血液(酸化ヘモグロビン)がどのようにスペクトル測定値に影響を与えるかを示す。第2センサ330は、メラニン及び/又は酸化ヘモグロビンの1つ以上のスペクトル読取値に対する影響を除去するように構成又は較正されてもよい。
【0107】
図6は、ある特徴がどのようにスペクトル測定値に影響を与えるかを示す。例えば、水(600)と、メラノソーム(610)、脱酸素化血液(620)、皮膚(630)、酸素含有血(640)及び脂肪(650)とを比較する。第2センサ330は、このような特徴の1つ以上のスペクトル読取値に対する影響を除去するように構成又は較正されてもよい。
【0108】
状態判定モジュール340は、大麻(マリフアナ)又はアヘン剤(例えば、ヘロイン)のレベルを判定するように構成されてもよい。
【0109】
状態判定モジュール340は、コルチゾール、メラトニン及び/又はアドレナリンなどのホルモンレベルを判定するように構成されてもよい。幾つかのホルモン(例えば、コルチゾール)は、ユーザのストレスを示す可能性があり、ストレス下にあるユーザが特定のタイプの装置(例えば、車両、重機、医療機器、電動工具など)を操作したり、特定の建物(例えば、学校、手術室、空港、スタジアム、工場など)に入ったりすることを防止(又は制限)することが望まれる場合がある。
【0110】
システム300は、アクセスモジュール350を含んでもよい。アクセスモジュール350は、ユーザ認識モジュール320及び/又は状態判定モジュール340と通信してもよい。アクセスモジュール350は、装置及び/又は建物(若しくは建物内の特定の部屋などの他の環境、例えば病院内の手術室、若しくは鉱山若しくは建設現場などの環境)のうちの少なくとも一方へのユーザのアクセスを許可、制限又は防止するように構成されてもよい。アクセスモジュール350は、判定されたユーザの身元、判定されたユーザの状態、及び/又は所定のルールセットのうちの少なくとも1つに基づいて、アクセスを許可、制限又は防止するように構成されてもよい。
【0111】
例えば、ユーザは、自分の身元に基づいてアクセスを防止される可能性があり、ユーザの身元は、判定することができ、かつユーザが承認されたリスト(例えば、アクセスモジュール350と通信するリモートサーバ、例えば、クラウドサーバ上のデータベース内に維持されるリスト)に表示されるか否かを判定することができ、例えば、ユーザが病院Aに登録されている医師であれば、当該ユーザは、病院A内の手術室にアクセスすることを許可されるが、病院Aに登録されている受付係であるユーザは、病院A内の手術室にアクセスすることを許可されない(例えば、アクセスを防止される)。しかし、責任と患者の安全性の問題のため、コルチゾールなどのホルモンレベルが高い(例えば、ストレスを示す)と判定された病院Aの登録医師は、ユーザがストレス下で手術を実行することに適さない可能性があるため、手術室にアクセスすることを防止されてもよい。
【0112】
同様に、アクセスモジュール350は、会社Bでフォークリフト運転者として登録されたユーザのみがフォークリフトを操作することを許可し、登録されていないユーザがフォークリフトを操作することを防止してもよい。しかし、状態判定モジュール340により違法薬物による影響を受けていると判定された登録フォークリフト運転者は、アクセスモジュール350により、フォークリフトを操作することを防止されてもよい。
【0113】
幾つかの実施形態では、アクセスモジュール350は、装置のスタートボタンと通信し、スタートボタンの操作を無効化することにより、装置へのアクセスを防止するように構成されてもよい。例えば、アクセスモジュール350は、(例えば、相手先ブランド名製造企業(original equipment manufacturer)「OEM」によって)装置内に統合されるか又は装置の外部に取り付けられる電子制御ボードの一部であってもよく、(例えば、「オン」機能を無効化することにより)装置の操作を防止するために制御信号を送信するように構成されてもよい。
【0114】
幾つかの実施形態は、装置又は建物への制限されたユーザアクセスを可能にすることができる(例えば、完全には防止しない)。例えば、アクセスモジュール350は、装置の1つ以上の操作システムと通信してもよく、装置の1つ以上の操作モードの最大範囲を制限するか又は装置の1つ以上の操作モードの所定のセットのみに操作を限定することにより、装置へのアクセスを制限するように構成されてもよい。操作システムは、テレマティックスシステム、例えば、車両のテレマティックスシステムを含んでもよい。
【0115】
装置関連の一例として、チェーンソーは、(オフ時のゼロ速度に加えて)高速、中速、低速などの1つ以上の異なる速度を有してもよい。所定のルールセットは、血中アルコールレベルが0.0%のユーザが全ての速度にアクセスできることと、血中アルコールレベルが0.05%のユーザが中速と低速にしかアクセスできない(例えば、利用可能な速度の全開を制限する)ことと、血中アルコールレベルが0.08%(例えば、法的中毒閾値)のユーザがチェーンソーを操作することを全く防止されることとを規定することができ、例えば、アクセスモジュールは、チェーンソーのスタートボタンと通信し、(例えば、制御回路、電子ボード、妨害信号などを介して)スタートボタンの操作を無効化することによりチェーンソーの操作を防止するように構成される。
【0116】
装置関連の他の例として、所定のルールセットは、目まいという一般的な副作用を有する可能性のある合法薬物のレベルに基づいて、シザーリフトの異なる操作モードを制限してもよい。例えば、ユーザの目まいを引き起こす薬物のレベルが所定のルールセット内に予め定められた所定の閾値の上にある場合、シザーリフトの最大延長高さは制限される可能性がある。
【0117】
建物関連の例として、アクセスモジュール350は、建物の制御可能なアクセスポイントと通信してもよく、当該アクセスポイントを制御してもよく、ユーザがアクセスポイントを開くことを防止又は無効化すること(例えば、ユーザがドアを開けることを防止すること、可動バリアが動くことを防止することなど)により、建物へのアクセスを防止するように構成されてもよい。例えば、健康及び安全上の問題のため、(例えば、状態判定モジュール340によって)違法薬物の所定の閾値(閾値がゼロ許容ポリシーに対応する最小値として予め定められてもよい)の上にあると判定されたユーザは、工場に入ることを防止されてもよい。制御可能なアクセスポイントは、ドア、ロック、ラッチ、リフト(例えば、エレベータ)、回転式ゲート、改札口などであってもよい(これらに限定されない)。本発明の実施形態に係る、アクセスを防止するシステムは、インストール時にこのような制御可能なアクセスポイントと統合されるか、又はアクセスポイントのインストール後に改造されてもよい。例として、システムは、指紋スキャナ(例えば、第1センサ310)と、ユーザの指先の血流から反射された1つ以上の波長のスペクトル測定値を取得するように構成されたスペクトル測定装置(例えば、第2センサ)を有する組み合わせられた指ベースのシステムとして具現化されてもよい。このようなシステムは、空港などの、通常指紋を採取する可能性がある場所に設けられてもよい。本発明の実施形態は、航空機に搭乗することが許可される前に乗客が酔っ払っているか、又は他の点で中毒になっているなど、ユーザの状態を判定するさらなる利点を提供することができる。
【0118】
本発明の幾つかの実施形態によれば、システム300は、判定されたユーザの状態に関して第三者に警告を出すように構成されてもよい。例えば、システム300は、判定されたユーザの状態に関して雇用主、マネージャ、警察機関、セキュリティ機関、保険会社などに警告を出してもよい。また、システム300は、(例えば、ユーザ認識モジュール320によって判定されたような)判定されたユーザの身元を、判定されたユーザの状態とともに第三者に送信してもよい。
【0119】
システム300は、例えば、電子メール通知、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、警告音、警報、ブザー、点滅光などの方法で第三者に警告を出してもよい。システム300は、例えば、タイムスタンプ、ネットワーク通信などの他の機能のための1つ以上の追加プロセッサを含んでもよい。
【0120】
幾つかの実施形態では、システム300は、ウェアラブル要素を含んでもよい。例えば、システム300の1つ以上の要素は、スマートウォッチ、パッチ、ステッカーなどのうちの一部として含まれてもよい。
【0121】
例えば、幾つかの実施形態では、第2センサ及び状態判定モジュールは、ウェアラブル要素に備えられる(含まれる)。例えば、ユーザの手首の近くに装着されたスマートウォッチは、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値を含む1つ以上の読取値(連続的な読取値である場合がある)を取得することができる。状態判定モジュールは、第2センサと通信してもよく、第2センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの状態を判定してもよい。システムの固定部分は、第1センサ、ユーザ認識モジュール及びアクセスモジュールを含んでもよく、(例えば、Bluetooth、Wi-Fiなどを介して)ウェアラブル要素と通信してもよい。例えば、ユーザは、第1センサ及びユーザ認識モジュールにより判定された身元を有することにより、(例えば、建物へ入るため、又は重機などの装置を操作するために)システムの固定部分へのアクセスの試みを開始してもよい。アクセスモジュールは、ユーザのアクセスを許可、制限又は防止するために、ウェアラブル要素から(例えば、状態判定モジュールから)データを要求してもよい。
【0122】
幾つかの実施形態では、ウェアラブル要素は、第1センサ及びユーザ認識モジュールを更に含んでもよく、例えば、ウェアラブル要素は、第1センサ、第2センサ、ユーザ認識モジュール及び状態判定モジュールを含んでもよい。システムの固定部分は、ユーザのアクセスを許可、制限又は防止するために、ウェアラブル要素から(例えば、状態判定モジュール及び/又はユーザ認識モジュールから)データを要求してもよいアクセスモジュールを含んでもよい。
【0123】
幾つかの実施形態では、ユーザ認識モジュール320は、ユーザの携帯電話の1つ以上のセンサ及び/若しくはネットワーク接続、並びに/又はユーザの携帯電話のプロセッサ及び/若しくは電池及び/若しくはメモリを使用してもよい。例えば、第1センサ310は、ユーザの携帯電話の指紋センサ、ユーザの携帯電話のカメラ及び/又はユーザの携帯電話のマイクロフォンであってもよい。ユーザ認識モジュール320は、ユーザの携帯電話の一部であってもよい。携帯電話は、システム300との接続を調整するアプリケーション又はアプリ、例えば、ユーザの身元を判定し、かつこれをアクセスモジュール350に送信するアプリケーションを含んでもよい。
【0124】
幾つかの実施形態では、ユーザの携帯電話は、第1センサ310及びユーザ認識モジュール320を含んでもよく、ユーザのウェアラブル要素(例えば、ユーザの携帯電話と通信するスマートウォッチ)は、第2センサ330及び状態判定モジュール340を含んでもよい。携帯電話及びウェアラブル要素は、いずれもアクセスモジュール350と通信(例えば、Bluetooth、Wi-Fiなどの無線通信)してもよい。
【0125】
或いは、ウェアラブル要素は、第2センサ330を含んでもよく、ウェアラブル要素の任意のプロセッサと比較して、携帯電話のプロセッサからより大きな計算能力を得ることができるように、ユーザの携帯電話は、第1センサ310、ユーザ認識モジュール320及び状態判定モジュール340を含んでもよい。ユーザの携帯電話とウェアラブル要素とは、互いに通信してもよく(例えば、これにより、ウェアラブル要素内の第2センサ330が1つ以上の読取値を携帯電話内の状態判定モジュール340に送信することができる)、携帯電話は、アクセスモジュール350と通信(例えば、Bluetooth、Wi-Fiなどの無線通信)してもよい。
【0126】
本発明の態様は、また、方法として具現化されてもよい。図7は、本発明の幾つかの実施形態に係る、アクセスを制限又は防止する方法700のフローチャートを示す。
【0127】
方法700は、ユーザ認識モジュール(例えば、図3に示すユーザ認識モジュール320)により、第1センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの身元を判定するステップ(ステップ710)を含んでもよい。第1センサは、図3に示す第1センサ310と同様であってもよく、顔認識、音声認識及び/又は指紋認識のうちの少なくとも1つのために構成されてもよい。
【0128】
方法700は、状態判定モジュール(例えば、図3に示す状態判定モジュール340)により、第2センサの1つ以上の読取値に基づいてユーザの状態を判定するステップ(ステップ720)を含んでもよい。第2センサは、図3に示す第2センサ320と同様であってもよい。ユーザの状態を判定するステップは、第2センサにより、1つ以上の特定の波長での1つ以上のスペクトル測定値に基づいて、ユーザの、ホルモンレベル、アルコールレベル、合法薬物レベル及び/又は違法薬物レベルのうちの少なくとも1つを判定するステップを含んでもよい。
【0129】
方法700は、アクセスモジュール(例えば、図3に示すアクセスモジュール350)により、判定されたユーザの身元、判定されたユーザの状態、及び所定のルールセットのうちの少なくとも1つに基づいて、装置又は建物のうちの少なくとも一方へのユーザのアクセスを許可、制限又は防止するステップ(ステップ730)を含んでもよい。装置は、本明細書に開示された装置又は車両のうちの1つであってもよいが、これらに限定されず、建物は、本明細書に記載された建物又は環境のうちの1つであってもよいが、これらに限定されない。
【0130】
幾つかの実施形態では、方法700は、装置の1つ以上の操作モードの最大範囲を制限するか、又は、装置の1つ以上の操作モードの所定のセットのみに操作を限定するステップを含む。例えば、本明細書で説明するように、ユーザが目まいという副作用を引き起こす合法薬物の閾値レベルの上にあるレベルを有すると判定された場合、シザーリフトの最大高さは、(例えば、アクセスモジュールを介して)制限されてもよい。
【0131】
幾つかの実施形態では、方法700は、制御可能なアクセスポイントのユーザへの開放を無効化することにより建物へのアクセスを防止するステップを含む。無効化は、アクセスモジュールの制御信号により実行されてもよく、引き起こされてもよい。
【0132】
幾つかの実施形態では、方法700は、判定されたユーザの状態に関して第三者に警告を出すステップを含む。警告及び第三者の性質は、本明細書で前述したとおりであってもよい。
【0133】
本発明の実施形態は、装置のテレマティックスシステム、例えば、車両のテレマティックスシステムに接続されてもよい。本発明の実施形態は、潜在的にテレマティックスシステムを介して車両群管理システムと通信してもよい。
【0134】
システムの実施形態は、装置及び/又は建物のクラウド管理システム(例えば、建物管理システムBMS)と通信してもよい。
【0135】
本発明の幾つかの実施形態は、建物内の通信システム又はサイト管理システムに接続されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、ユーザが建物又は建物内の領域にアクセスすることを防止される場合、建物通信システム(例えば、拡声装置)を介して通信を送信してもよい。
【0136】
図8は、本発明の実施形態とともに使用されてもよい例示的なコンピューティング装置のブロック図を示す。コンピューティング装置800は、例えば、中央処理ユニットプロセッサ(CPU)、チップ又は任意の適切なコンピューティング装置であってもよいコントローラ又はコンピュータプロセッサ805、オペレーティングシステム815、メモリ820、ストレージ830、入力装置835、及び例えばコンピュータデスクトップシステムに表示するコンピュータディスプレイ又はモニタなどの出力装置840を含んでもよい。
【0137】
本明細書に開示されるように、ユーザ認識モジュール320、状態判定モジュール340及び/又はアクセスモジュール350のいずれも、プロセッサ、例えば、プロセッサ805として具現化されてもよい。
【0138】
オペレーティングシステム815は、コンピューティング装置800の調整、スケジューリング、調停若しくは管理操作、例えば、プログラムの実行のスケジューリングに関するタスクを実行するためのコードであってもよく、又は当該コードを含んでもよい。メモリ820は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、揮発性若しくは不揮発性のメモリ、若しく又は他の適切なメモリユニット若しくはストレージユニットであってもよく、又はこれらを含んでもよい。メモリ820の少なくとも一部は、クラウド上にオンラインで格納されたデータストレージを含んでもよい。メモリ820は、複数の異なるメモリユニットであってもよく、又はそれらを含んでもよい。メモリ820は、例えば、本明細書に開示された方法を実行する命令(例えば、コード825)を記憶してもよい。メモリ820は、データベースなどのデータストアを使用してもよい。
【0139】
実行可能なコード825は、任意のアプリケーション、プログラム、プロセス、タスク又はスクリプトであってもよい。実行可能コード825は、おそらくオペレーティングシステム815の制御の下でコントローラ805により実行されてもよい。例えば、実行可能コード825は、例えば、ユーザのアクセスを防止又は制限するために、本明細書に開示された方法を実行する1つ以上のアプリケーションであってもよく、当該アプリケーションを実行してもよい。本明細書に開示されるように、方法700は、コンピューティング装置800又はコンピューティング装置800の組み合わせにより実行されてもよい。幾つかの実施形態では、2つ以上のコンピューティング装置800又は装置800の構成要素を使用してもよい。2つ以上のプロセッサ805は、例えば、ソフトウェア又はコードを実行することにより、本発明の実施形態を実現するように構成されてもよい。
【0140】
ストレージ830は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)装置若しくは他の適切なリムーバブル及び/若しくは固定ストレージユニットであってもよく、又はそれを含んでもよい。本明細書で説明するデータは、ストレージ830に記憶されてもよく、ストレージ830から、コントローラ805により処理され得るメモリ820にロードされてもよい。ストレージ830は、クラウドストレージを含んでもよい。ストレージ830は、データベースにデータを記憶するように構成されてもよい。
【0141】
入力装置835は、マウス、キーボード、タッチスクリーン若しくはパッド、若しくは任意の適切な入力装置又は装置の組み合わせであってもよく、又はそれらを含んでもよい。また、入力装置は、指紋リーダ、マイクロフォン(例えば音声認識用)、及び/又はカメラ(例えば顔認識用)を含んでもよい。出力装置840は、1つ以上のディスプレイ、スピーカ及び/若しくは任意の他の適切な出力装置又は出力装置の組み合わせを含んでもよい。出力装置は、ロック、ラッチ、ドア、可動バリアなどの操作を無効化又は防止するためのアクチュエータを含んでもよい。任意の適切な入出力(I/O)装置、例えば、有線若しくは無線ネットワークインタフェースカード(NIC)、モデム、プリンタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)装置が、コンピューティング装置800に接続されてもよく、又は外部ハードドライブが、入力装置835及び/若しくは出力装置840に含まれてもよい。
【0142】
本発明の実施形態は、プロセッサ若しくはコントローラによって実行されると本明細書に開示された方法を実行するコンピュータ実行可能命令などの命令を符号化し、含むか若しくは記憶する、コンピュータ若しくはプロセッサの非一時的な可読媒体、又はコンピュータ若しくはプロセッサの非一時的な記憶媒体(例えば、メモリ、ディスクドライブ又はUSBフラッシュメモリ)などの1つ以上の物品(例えば、メモリ820又はストレージ830)を含んでもよい。
【0143】
例えば、幾つかの実施形態では、アクセスを防止又は制限するシステムは、1つ以上のコンピューティング装置800を含んでもよい。コンピューティング装置は、携帯電話などの装置又はスマートウォッチ及びパッチなどのウェアラブル要素を含んでもよい。例示的な実施形態は、
・ユーザを識別し、アルコール、薬物、ホルモンなどのレベルを測定し、アクセスを制御してもよく、アフターマーケットでインストールされてもよいコンピューティング装置800を含む、独立した一体型システムと、
・ユーザを識別し、アルコール、薬物、ホルモンなどのレベルを測定し、アクセスを制御してもよく、OEMにより装置又は建物内に統合されてもよいコンピューティング装置800を含む、独立した一体型システムと、
・システムであって、システムのコンピューティング装置800に接続された外部ユーザ識別装置(例えば、携帯電話)を含み、コンピューティング装置がアルコール、薬物、ホルモンなどのレベルを測定し、アクセスを制御するように構成される、システムと、
・(例えば、アプリケーション又はアプリを介して無線で)ユーザを識別し、アルコール、薬物、ホルモンなどのレベルを測定し、アクセスを制御するように構成された携帯電話(例えば、コンピューティング装置が携帯電話である)内に統合された、独立した一体型システムと、
・(例えば、アプリケーション又はアプリを介して無線で)ユーザを識別し、アルコール、薬物、ホルモンなどのレベルを測定し、アクセスを制御するように構成されたウェアラブル要素(例えば、コンピューティング装置がスマートウォッチ又はボディパッチである)内に統合された、独立した一体型システムと、
・アルコール、薬物、ホルモンなどのレベルを測定するように構成されたウェアラブル要素に接続された外部ユーザ識別装置(例えば、携帯電話)を含むシステムであって、アクセスが、携帯電話、ウェアラブル要素、又は装置若しくは建物にインストールされた第3コンピューティング装置のうちの1つによって制御されてもよいシステムと
を含んでもよい。
したがって、本発明の実施形態によるシステムは、コンピューティング装置800及び/又は携帯電話及び/又はウェアラブル要素を含んでもよい。
【0144】
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又は部分図を参照して上述される。フローチャート図及び/又は部分図の各部分、並びにフローチャート図及び/又は部分図内の部分の組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施され得ることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供することができ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又は部分図又はそれらの部分に指定された機能/作用(行為)を実行するための手段を作成する。
【0145】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他の装置に特定の様式で機能するように命令することができるコンピュータ可読媒体内に記憶することができ、その結果、コンピュータ可読媒体内に記憶された命令は、フローチャート及び/又は部分図又はそれらの部分に指定された機能/作用を実施する命令を含む製品を生成する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他の装置上にロードされ(読み込まれ)て、コンピュータ実施プロセスを生成するためにコンピュータ、他のプログラム可能装置、又は他の装置上で一連の動作工程が実施されるようにすることができ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行する命令が、フローチャート及び/又は部分図又はそれらの部分に指定された機能/作用を実施するためのプロセスを提供する。
【0146】
前述のフローチャート及び図は、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能性のある実装形態の構造、機能性、及び動作を例示する。この点について、フローチャート又は部分図における各部分は、特定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの部分を表し得る。いくつかの代替的な実装形態において、部分に記される機能は、図に記される順から外れて発生し得るということにも留意されたい。例えば、連続して示される2つの部分は、実際には、実質的に同時に実行され得るか、又は部分は、時には、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行され得る。部分図及び/又はフローチャート図の各部分、並びに部分図及び/又はフローチャート図内の部分の組み合わせは、特定された機能若しくは作用を実施する専用ハードウェアベースのシステム、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実施され得ることにも留意されたい。
【0147】
上の説明において、実施形態は、本発明の例又は実装形態である。「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、又は「幾つかの実施形態」の様々な表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。本発明の様々な特徴は、単一の実施形態の文脈において説明され得るが、この特徴はまた、別個に、又は任意の好適な組み合わせで提供され得る。反対に、本発明は、明確性のために別個の実施形態の文脈において本明細書内で説明され得るが、本発明はまた、単一の実施形態において実施され得る。本発明の特定の実施形態は、上に開示された異なる実施形態からの特徴を含み得、特定の実施形態は、上に開示された他の実施形態からの要素を組み込み得る。特定の実施形態の文脈における本発明の要素の開示は、特定の実施形態のみにそれらの使用を限定するものと見なされるべきではない。更に、本発明は、様々な方式で実行又は実践され得ること、及び本発明は、上の説明で概説されるもの以外の特定の実施形態において実施され得ることが理解される。
【0148】
本発明は、それらの図又は対応する説明に限定されない。例えば、フローは、例示された各ボックス若しくは状態を進むか、又は例示若しくは説明されるものと全く同じ順序で進む必要はない。本明細書内で使用される技術用語及び科学用語の意味は、別途定義のない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるものとする。本発明は限られた数の実施形態に対して説明されているが、これらは、本発明の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、むしろ好ましい実施形態のうちの幾つかの例証として解釈されるべきである。他の可能な変更、変形及び適用も本発明の範囲内にある。したがって、本発明の範囲は、これまでの記載によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの法律上の均等物によって限定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】