IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ギャズトランスポルト エ テクニギャズの特許一覧

特開2025-11058ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備
<>
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図1
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図2
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図3
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図4
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図5
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図6
  • 特開-ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011058
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】ドーム構造を含む液化ガスを貯蔵するための設備
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20250116BHJP
   F17C 3/04 20060101ALI20250116BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
F17C13/00 302E
F17C3/04 A
B63B25/16 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024109389
(22)【出願日】2024-07-08
(31)【優先権主張番号】2307358
(32)【優先日】2023-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ガエル トス
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル イヴェール
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB04
3E172AB05
3E172BA06
3E172BD02
3E172CA03
3E172CA10
3E172DA03
3E172DA13
3E172DA17
3E172DA20
3E172DA90
3E172EB19
3E172KA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液化天然ガス貯蔵タンクの天井壁を貫通するドーム構造において、二次断熱バリア内に存在するガスを、ドーム構造の二次空間に循環させる。
【解決手段】液化ガス貯蔵設備は、耐力構造と、密閉断熱タンクと、ドーム構造とを備え、前記ドーム構造は、前記耐力構造に形成される開口(27)を通過する内側ドラムと、前記内側ドラムの周りに配置され、前記耐力構造の環状部(34)の周りで前記耐力構造に固定される外側ドラム(26)と、前記二次空間内に現れる二次排出ダクトとを含み、前記耐力構造の前記環状部(34)は、前記環状通路部の周りに分布され、かつ、前記二次断熱バリアから前記二次空間までのガスの循環を許容する複数の貫通開口(38)を有する、液化ガス貯蔵設備。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐力構造(1)と、
厚さ方向に連続性を有し、少なくとも、前記耐力構造(1)に寄りかかる二次断熱バリア(12)、および前記二次断熱バリア(12)に寄りかかる二次密閉メンブレン(14)を有する上壁を含み、液化ガスを貯蔵するための密閉断熱タンクと、
ドーム構造(25)と、
を備え、
前記ドーム構造(25)は、
前記耐力構造(1)に形成される開口(27)を通過し、前記タンクの前記上壁を通過する内側ドラム(29)と、
前記内側ドラム(29)の周りに配置され、径方向に前記内側ドラム(29)との間に二次空間(52)を形成する外側ドラム(26)であって、前記二次空間(52)は、前記開口(27)に形成され、前記内側ドラム(29)の径方向外側に位置する環状通路部により前記二次断熱バリア(12)に接続し、前記外側ドラム(26)は、前記環状通路部の境界を設定する前記耐力構造(1)の環状部(34)の周りで前記耐力構造(1)に固定される外側ドラム(26)と、
前記二次空間(52)内に現れる二次排出ダクト(61)を有し、前記二次断熱バリア(12)より流体を排出するための二次排出装置と、
を含み、
前記耐力構造(1)の前記環状部(34)は、前記環状通路部の周りに分布され、かつ、前記二次断熱バリア(12)から前記二次空間(52)までのガスの循環を許容する複数の貫通開口(38)を有する、液化ガス貯蔵設備。
【請求項2】
前記二次断熱バリア(12)は、前記環状通路部に面し、前記内側ドラム(29)の外側に配置され、少なくとも1つの多孔質材料製要素(36)を含む、請求項1に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項3】
前記外側ドラム(26)および前記内側ドラム(29)は、上部固定装置(31)および下部固定装置(32)によって互いに固定され、
前記二次排出ダクト(61)は、前記二次空間(52)内において、前記上部固定装置(31)および前記下部固定装置(32)の間に現れ、
前記下部固定装置(32)には、前記下部固定装置(32)を通るガスの循環を許容する通路(47,48,49)が装備される、請求項1または2に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項4】
前記下部固定装置(32)は、下方に広がって前記内側ドラム(29)に固定されるテーパー付き支持要素(53)と、前記テーパー付き支持要素(53)に固定され、かつ、径方向外側に突出するサポートカラー(54)と、前記外側ドラム(26)に固定され、かつ、径方向において前記外側ドラム(26)の内側に向かって突出する環状フランジ(55)とを有し、
前記サポートカラー(54)は、前記環状フランジ(55)によって支持される、請求項3に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項5】
前記テーパー付き支持要素(53)は、穴(47,48)を有する、請求項4に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項6】
前記サポートカラー(54)および前記環状フランジ(56)の間において、フィラーブロック(56)が配置され、
前記フィラーブロック(56)は、前記下部固定装置(32)を通る前記ガスの循環を許容するスリット(49)を有する、請求項4または5に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項7】
前記サポートカラー(54)および前記環状フランジ(56)の間において、フィラーブロック(56)が配置され、
前記フィラーブロック(56)は、前記下部固定装置(32)を通る前記ガスの循環を許容する、互いに間隔を開けて設けられた複数の部品で構成される、請求項4または5に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項8】
前記上壁は、前記二次密閉メンブレン(14)に寄りかかる一次断熱バリア(15)と、前記一次断熱バリア(15)に寄りかかり、前記タンク内の前記液化ガスに接触することを目的とする一次密閉メンブレン(17)とを有し、
前記内側ドラム(29)は、前記一次密閉メンブレン(17)にしっかりと溶接されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項9】
前記内側ドラム(29)の周りに配置され、前記二次密閉メンブレン(14)にしっかり結合される下端を有するシース(57)であって、前記シース(57)および前記内側ドラム(29)の間に、前記一次断熱バリア(15)に接続する一次空間(58)を形成するように前記内側ドラム(29)にしっかり結びついたシース(57)と、
前記一次空間(58)内に現れる一次排出ダクト(59)および一次イナートダクト(60)と、をさらに備える、請求項8に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項10】
前記シース(57)内に断熱パッキン(40)が収容され、
前記パッキン(40)は、環状の形状を有し、
前記パッキン(40)は、
それぞれが前記一次排気ダクト(59)および前記一次イナートダクト(60)に結合される貫通口を備える、ポリマー発泡体製の少なくとも2つのセグメント(41,42)と、
ポリマー発泡体製の隣接する2つの前記セグメント(41,42)のそれぞれの間の空間に圧入される、少なくとも一つの多孔質材料製セグメント(43,44)と、
を備える、請求項9に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項11】
前記ポリマー発泡体製のセグメント(41,42)は、ポリウレタンフォームで作られる、請求項10に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項12】
前記多孔質材料製セグメント(43,44)は、グラスウール、ロックウール、およびポリエステル詰め物の中から選択される一つの材料で作られる、請求項10または11に記載の液化ガス貯蔵設備。
【請求項13】
液化ガスを輸送するために、請求項1から12のいずれか一項に記載の前記液化ガス貯蔵設備を含む船舶(70)。
【請求項14】
液化ガスのための輸送システムであって、
前記輸送システムは、
請求項13に記載の船舶(70)と、
前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンク(71)を浮体式または陸上の貯蔵設備(77)に連結するように配置される断熱パイプ(73,79,76,81)と、
液化ガスのフローを、前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンクから前記浮体式または陸上の貯蔵設備へ、あるいは前記浮体式または陸上の貯蔵設備から前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンクへ前記断熱パイプを通じて駆動するためのポンプと、
を備える、輸送システム。
【請求項15】
請求項13に記載の船舶(70)に関する荷積みまたは荷降ろしの方法であって、液化ガスが断熱パイプ(73,79,76,81)を通じて、前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンク(71)から浮体式または陸上の貯蔵設備(77)へ、または前記浮体式または陸上の貯蔵設備(77)から前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンク(71)へ運搬される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば-50℃と0℃の間の範囲内にある温度を有する液化石油ガス(LPGとも呼ばれる)、あるいは大気圧で約-162℃の液化天然ガス(LNG)を輸送するための設備のような、液化ガスの貯蔵および/または輸送のための設備の分野に関する。
【0002】
これらの設備は、陸上または浮体構造物上に設置することができる。浮体構造物の場合、設備は液化ガスの輸送、または浮体構造物の推進用の燃料として機能する液化ガスの受け入れを目的とすることができる。
【0003】
本発明は、より具体的には、タンク、および前記タンクの天井壁を貫通するドーム構造を備える上述のタイプの設備に関する。
【背景技術】
【0004】
国際公開第2019/030447号には、液化天然ガス貯蔵タンクの天井壁を貫通するドーム構造を開示している。ドーム構造は、タンクの内部空間とタンクの外側に配置された蒸気収集器との間に通路を画定する。ドーム構造は、二重船殻およびタンクの天井壁を貫通し、天井壁の一次密閉メンブレンにしっかりと溶接された内部ドラムを備えている。前記内側ドラムの周囲に配置された外側ドラムは、二重船殻の内殻に固定されている。ドーム構造はまた、外側ドラムと内側ドラムとの間において、半径方向に配置され、二次密閉メンブレンにしっかりと結合されるシースを備える。シースと内側ドラムとの間には、一次断熱バリアに連通する一次空間が形成される。一次排気装置は一次空間に結合されており、タンクの一次断熱バリアからガスを排出することができ、一次密閉メンブレンを過圧から保護することができる。ドーム構造はまた、一次空間内に出現する一次イナートダクト(primary inerting duct)を備える。シース全周周りの一次空間には高分子発泡体からなる断熱パッキンが収納されている。断熱パッキンには貫通通路が設けられており、一次排気装置のダクトと一次断熱バリアとの接続が可能となっている。
【0005】
内殻は、シースの周囲に、二次断熱バリア内に存在するガスを、外ドラムの半径方向内側に形成されるドーム構造の二次空間に循環させる環状通路を有する。二次排気装置が二次空間に結合されており、二次断熱バリアからガスを排出することができ、二次密閉メンブレンを過圧から保護することができる。ドーム構造はまた、二次空間内に出現する二次イナートダクトを備える。環状通路に面して、二次断熱バリアはシースの周囲全体にグラスウールを含む。
【0006】
このようなドーム構造は完全に満足できるものではない。実際、本発明者らは、二次断熱バリアに少量の水分を含むイナートガスが二次断熱バリアに侵入すると、その中に含まれる水分が外装の全周に配置されたグラスウールに吸収され、氷の形で固化する可能性が高いことを発見した。このような状況では、氷がグラスウールを通るガスの循環を妨げ、その結果、二次断熱バリアからのガスの排出に影響を与える。
【0007】
また、タンクが冷却されると、一次空間に配置された高分子発泡断熱パッキンが収縮して隙間が生じ、一次空間の断熱性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0008】
本発明の基礎となる1つのアイデアは、二次断熱バリアから確実にガスを排出することを可能にする二次排気装置を備えた、上述のタイプのドーム構造を備える液化ガスの貯蔵のための設備を提案することである。
【0009】
1つの態様によれば、本発明は、液化ガス貯蔵設備を提供し、前記液化ガス貯蔵設備は、耐力構造と、厚さ方向に連続性を有し、少なくとも、前記耐力構造に寄りかかる二次断熱バリア、および前記二次断熱バリアに寄りかかる二次密閉メンブレンを有する上壁を含み、液化ガスを貯蔵するための密閉断熱タンクと、ドーム構造とを備え、前記ドーム構造は、前記耐力構造に形成される開口を通過し、前記タンクの前記上壁を通過する内側ドラムと、前記内側ドラムの周りに配置され、径方向に前記内側ドラムとの間に二次空間を形成する外側ドラムであって、前記二次空間は、前記開口に形成され、前記内側ドラムの径方向外側に位置する環状通路部により前記二次断熱バリアに接続し、前記外側ドラムは、前記環状通路部の境界を設定する前記耐力構造の環状部の周りで前記耐力構造に固定される外側ドラムと、前記二次空間内に現れる二次排出ダクトを有し、前記二次断熱バリアより流体を排出するための二次排出装置と、を含み、前記耐力構造の前記環状部は、前記環状通路部の周りに分布され、かつ、前記二次断熱バリアから前記二次空間までのガスの循環を許容する複数の貫通開口を有する。
【0010】
したがって、そのような貫通開口部は、ガスが二次断熱バリアから二次空間まで循環するための追加の経路を提供する。したがって、仮に、環状通路部に面して配置された多孔質材料に氷が形成されて、開口部の環状通路部を通るガスの流通が遮断されたとしても、二次断熱バリアから二次空間までガスが十分に循環することはまだ可能である。
【0011】
上述の第一の態様から独立して実装される可能性がある第二の態様によれば、本発明は、また液化ガス貯蔵設備を提供し、前記液化ガス貯蔵設備は、耐力構造と、厚さ方向に連続性を有し、少なくとも、前記耐力構造に寄りかかる二次断熱バリア、前記二次断熱バリアに寄りかかる二次密閉メンブレン、前記二次密閉メンブレンに寄りかかる一次断熱バリア、および前記一次断熱バリアに寄りかかる一次密閉メンブレンを有する上壁を含み、液化ガスを貯蔵するための密閉断熱タンクと、ドーム構造とを備え、前記ドーム構造は、前記耐力構造に形成される開口を通過し、前記タンクの前記上壁を通過し、かつ、前記一次密閉メンブレンにしっかり溶接される内側ドラムと、前記内側ドラムの周りに配置され、前記耐力構造に形成された前記開口の周りで前記耐力構造に固定される外側ドラムと、前記内側ドラムの周りに配置され、前記二次密閉メンブレンにしっかり結合される下端を有するシースであって、前記シースおよび前記内側ドラムの間に、前記一次断熱バリアに接続する一次空間を形成するように前記内側ドラムにしっかり結びついたシースと、前記一次空間内に現れる一次排出ダクトおよび一次イナートダクトと、前記シース内に収容され、環状の形状を有する断熱パッキンであって、前記パッキンは、それぞれが一次排気ダクトおよび一次イナートダクトに結合される貫通口を備える、ポリマー発泡体製の少なくとも2つのセグメントと、ポリマー発泡体製の隣接する2つの前記セグメントのそれぞれの間の空間に圧入される、少なくとも一つの多孔質材料製セグメントと、を備える。
【0012】
複数の実施形態によれば、第1の態様または第2の態様に関連して、そのような液化ガス貯蔵設備は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0013】
一つの実施形態によれば、二次排気ダクトは外側ドラムを通過する。
【0014】
一つの実施形態によれば、二次排気ダクトはバルブに接続されており、このバルブはデフォルトでは閉じており、一次断熱バリア内の圧力が所定の閾値圧力を超えると開く。
【0015】
一つの実施形態によれば、ドーム構造は、二次空間内に現れる二次イナートダクトを備える。
【0016】
一つの実施形態によれば、二次イナートダクトは外側ドラムを通過する。
【0017】
一つの実施形態によれば、二次イナートダクトは、コンプレッサーによって窒素などのイナートガスのリザーバーおよび/または発生器に接続されている。
【0018】
一つの実施形態によれば、二次断熱バリアは、複数のマスチックビーズを介して耐力構造に当接する二次断熱パネルを備え、前記複数のマスチックビーズは、二次断熱パネルと耐力構造との間のギャップを画定する。これにより、貫通開口部からのガスの排出がさらに容易になる。
【0019】
一つの実施形態によれば、二次断熱バリアは、内側ドラムの外側に配置され、環状通路部分に面する、多孔質材料で作られた1つまたは複数の要素を備える。これにより、二次断熱バリアから二次空間へのガスの循環が促進され、多孔質材料でできた要素内に氷が形成されなくなる。
【0020】
一つの実施形態によれば、外側ドラムと内側ドラムは上部固定装置と下部固定装置によって互いに固定されており、排気ダクトは上部固定装置と下部固定装置の間の二次空間に現れ、下部固定装置には、前記底部固定装置を通るガスの循環を可能にする通路が備えられている。
【0021】
一つの実施形態によれば、底部固定装置は、下方に広がって内側ドラムに固定されたテーパー付き支持要素と、テーパー付き支持要素に固定され半径方向外側に突出するサポートカラーと、外側ドラムに固定され半径方向外側に突出する環状フランジとを備える。前記外側ドラムの内部、サポートカラーは環状フランジによって支持されている。
【0022】
一つの実施形態によれば、テーパー状のサポート要素には穴がある。
【0023】
一つの実施形態によれば、テーパー付き支持要素に形成された少なくとも2つの穴は、一次断熱バリアと接続する一次空間内に現れる一次排気ダクトおよび一次イナートダクトによってそれぞれ通過される。
【0024】
一つの実施形態によれば、フィラーブロックがサポートカラーと環状フランジの間に挿入される。
【0025】
一つの実施形態によれば、フィラーブロックにはスリットがあり、底部固定装置を通るガスの循環を可能にする。
【0026】
他の実施形態によれば、サポートカラーと環状フランジとの間に介在するフィラーブロックは、それらの間に隙間を有する複数の部品から構成されており、前記底部固定装置を通るガスの循環を可能にする。
【0027】
一つの実施形態によれば、上壁は、二次密封メンブレンに当接する一次断熱バリアと、一次断熱バリアに当接し、タンク内に貯蔵された液化ガスと接触するように意図された一次密封メンブレンとを有する。
【0028】
一つの実施形態によれば、内側のドラムは一次密閉メンブレンにしっかりと溶接されている。
【0029】
一つの実施形態によれば、液化ガス貯蔵設備は、前記内側ドラムの周囲に配置されるシースであって、前記シースが二次密閉メンブレンにしっかりと結合される下端を備え、前記シースは、前記シースおよび前記内側ドラムの間に一次空間を形成するように前記内側ドラムにしっかりと連結され、前記一次空間が一次断熱バリアと接続しているシースと、前記一次空間内に現れる一次排気ダクトおよび一次イナートダクトとを備える。
【0030】
一つの実施形態によれば、一次排気ダクトはバルブに接続されており、このバルブはデフォルトでは閉じており、一次断熱バリア内の圧力が所定の閾値圧力を超えると開く。
【0031】
一つの実施形態によれば、一次イナートダクトは、コンプレッサーによって窒素などのイナートガスのリザーバーおよび/または発生器に接続されている。
【0032】
一つの実施形態によれば、断熱パッキンがシース内に収容されており、前記断熱パッキンは環状の形状を有し、ポリマー発泡体で作られた少なくとも2つのセグメントであって、各セグメントが、一次排気ダクトおよび一次イナートダクトに結合された貫通オリフィスを備える。そして、ポリマー発泡体製の隣接する2つのセグメント間に形成された各空間に、多孔質材料で作られた少なくとも1つのセグメントが圧入されている。
【0033】
このような構造は、ポリマー発泡体で作られた2つのセグメントに形成されたオリフィスが多孔質材料の細孔のように氷によって閉塞されにくいため、一次断熱バリアと一次イナートおよび排気ダクトとの間でガスを確実に循環させることができるという点で有利である。さらに、多孔質材料からなる角セグメントを圧縮状態で装着することにより、高分子発泡体からなる角セグメントの熱収縮を補償することができ、優れた断熱性能が得られる。
【0034】
一つの実施形態によれば、ポリマー発泡体製のセグメントはポリウレタンフォームで製造される。
【0035】
一つの実施形態によれば、多孔質材料で作られたセグメントは、グラスウール、ロックウール、ポリエステル綿の中から選択された材料で製造される。
【0036】
このような設備は、例えばLNGを貯蔵するための陸上貯蔵設備の一部を形成することができ、あるいは浮体構造物、沿岸構造物、または深海構造物、特にメタンタンカー船、浮体式貯蔵・再ガス化装置(FSRU)に設置することができる。遠隔浮遊生産貯蔵ユニット(FPSO)など。このようなタンクは、あらゆる種類の船舶の燃料貯蔵所としても機能する。
【0037】
一つの実施形態によれば、液化ガスを輸送するための容器は、上記のタイプの液化ガス貯蔵設備を備える。
【0038】
一つの実施形態によれば、本発明は、液化ガスの移送システムも提供し、このシステムは、上述の船舶と、前記船舶の液化ガス貯蔵設備の前記タンクを浮体式または陸上の貯蔵設備に接続するように配置された断熱パイプラインと、前記浮体式または陸上の貯蔵設備から前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンクへ、あるいは前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンクから前記浮体式または陸上の貯蔵設備へ、前記断熱パイプラインを通る液化ガスの流れを駆動するためのポンプとを備える。
【0039】
一つの実施形態によれば、本発明はまた、そのような船舶に積み込みまたは積み降ろしするための方法も提供し、この方法では、液化ガスが、断熱されたパイプラインを通じて、浮体式または陸上の貯蔵設備から前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンクへ、または前記船舶の前記液化ガス貯蔵設備の前記タンクから前記浮体式または陸上の貯蔵設備へ輸送される。
【0040】
本発明、そして本発明のその他の目的、詳細、特徴、および利点は、下記の限定されない図面および添付図面に記載の符号により、本発明の特定の実施形態に関する以下の説明において、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、液化ガスを貯蔵するための密閉断熱タンクを支持することを目的とした支持構造の概略斜視図であり、ここで、ドーム構造は示されていない。
図2図2はタンク壁の多層構造の模式図である。
図3図3は、一実施形態による、密閉断熱タンクの天井壁を通過するドーム構造の断面図である。
図4図4は、図3におけるタンクの天井壁とドーム構造の詳細図である。
図5図5は、図3および図4に示すドーム構造のシースの内側に配置されることを意図した、有利な実施形態による断熱パッキンの斜視図である。
図6図6は、図3および図4に示すドーム構造において内側ドラムを外側ドラムに固定することを可能にする底部固定装置の上面図である。
図7図7は、液化天然ガス貯蔵タンクと、このタンクの積み降ろしのためのターミナルとを備える船舶の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1に関して、液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクが固定される耐力構造1が説明されている。耐力構造1は、例えば船舶の二重船殻によって形成される。二重船殻は、外殻19と、外殻19の内側に配置される内殻18とを備える。耐力構造1は、略多面体の形状を有する。それは、ここでは八角形である前部および後部の2つの壁を有し、図1ではそのうち後部耐力壁2のみが示されている。前部壁2および後部壁2は、例えば船舶の締切壁であり、船舶の長手方向に対して横方向に延びている。また、耐力構造1は、上部耐力壁3、底部耐力壁4、および側方耐力壁5,6,7,8,9,10を備える。液化ガスを貯蔵するための密閉断熱タンクは、それぞれ耐力構造1の耐力壁2,3,5,6,7,8,9,10の1つに対して固定された複数のタンク壁を備え、従って、液化ガスを収容するための内部空間を画定している。
【0043】
図2に示すように、タンクの各壁は、壁の厚さ方向に外側から内側に向かって連続して、耐力構造1に固定された断熱要素13を備える二次断熱バリア12と、二次断熱バリア12の断熱要素13に固定された二次密閉メンブレン14と、二次断熱バリア12の断熱要素13または耐力構造1に固定され、かつ、二次密閉メンブレン14に寄りかかる断熱要素16を含む一次断熱バリア15と、一次断熱バリア15の断熱要素16に固定され、タンク内に含まれる液化ガスと接触するように意図された一次密閉メンブレン17とを備える。
【0044】
タンクに貯蔵することを意図した液化ガスは、特に、エタン、液化天然ガス(LNG)、すなわち、主にメタンと1つ以上の他の炭化水素を含むガス状混合物、または液化石油ガス(LPG)であり得る。すなわち、本質的にプロパンとブタンを含む石油の精製から得られる炭化水素の混合物である。
【0045】
図3および図4に示される実施形態では、二次断熱バリア12の断熱要素は、カバープレート22と、剛性を有し、例えば合板で作られている底板23との間に挟まれた、例えばポリウレタン製の断熱ポリマー発泡体21の層を備える二次断熱パネル20である。
【0046】
二次密閉メンブレン14は、隆起した縁部を有する連続シートのストレーキによって形成される。各ストレーキは、二次断熱パネル20のカバープレート上に載っている平らな中央部分、およびタンクの内部に向かって突出する2つの隆起した縁を有する。これらのストレーキは、二次断熱パネル20のカバープレート22上に形成された溝に固定された溶接支持体上に、その隆起した端部によって溶接される。ストレーキは、例えば、Invar(登録商標)、すなわち、鉄およびニッケルの合金で製造され、その膨張係数は、通常1.2×10-6-1から2.0×10-6-1の間となる。鉄およびマンガンによる合金を使用することも可能であり、その膨張係数は典型的には7×10-6-1から10×10-6-1までの程度である。
【0047】
一次断熱バリア15の断熱要素は、例えば合板で作られた剛性のカバープレートと底板との間に挟まれた、例えばポリウレタンで作られた断熱ポリマー発泡体の層を備える一次断熱パネル24である。
【0048】
一次密閉メンブレン17は、複数の波形金属シートをそれらの縁に沿って重ね溶接して組み立てることによって得られる。波形状は、タンクの内部に向かって突出する。波形金属シートは、一次断熱パネル24のカバープレートに形成された皿穴に固定されたアンカーストリップ上に固定される。波形金属シートは、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムで製造される。
【0049】
あるいは、タンクの壁は、出願人が開発したMark V、Mark III(登録商標)およびNO96(登録商標)のような製品をそれぞれ対象とする国際公開第14/057221、仏国特許出願公開第2691520号明細書、および仏国特許出願公開第2877638号明細書に記載されている技術に従って製造することもできる。
【0050】
図3および図4を参照して、一実施形態に係るドーム構造25を以下のように説明する。ドーム構造25は、タンクの天井壁の厚さ方向に延びる円筒形の外側ドラム26を備えている。外側ドラム26は、外殻19に形成された開口を通過する。外側ドラム26の下端は、内殻18に形成された開口部27の周りで内殻18にしっかりと溶接される。従って、内殻18は、開口部27に隣接し、かつ、外側ドラム26の半径方向内側に配置されている環状部分34を備える。
【0051】
外側ドラム26の上部構造は、取り外し可能なカバー28によってしっかりと閉じられる。
【0052】
ドーム構造25はまた、外側ドラム26の内側に配置された内側ドラム29を備える。内側ドラム29は、外側ドラム26と同心であり、内殻18に形成された開口部27を通過する。内側ドラム29は、タンクの上壁も通過する。内側ドラム29は、タンクの内部空間に対する一次断熱バリア15の密閉性を確保するために、一次密閉メンブレン17にしっかりと溶接される底端を備える。内側ドラム29は、その両端がそれぞれ開いている。外側ドラム26および内側ドラム29は、上部固定装置31および下部固定装置32によって互いに固定されている。
【0053】
上部固定装置31は、内側ドラム29に固定され、かつ、内側ドラム29の周りで半径方向外側に突出するサポートカラー50と、外側ドラム26に溶接され、かつ、半径方向において、その内側に向かって突出する環状フランジ51とを備える。サポートカラー50は、環状フランジ51に寄りかかっている。サポートカラー50および環状フランジ51は、互いにしっかりと溶接されている。したがって、二次空間52は、外側ドラム26と内側ドラム29との間の、前記サポートカラー50および環状フランジ51の下に形成される。上部固定装置31の下には、断熱材65の層が、内側ドラム29の外延にわたって均一に分布されている。
【0054】
図示の実施形態では、内側ドラム29は、図3に可視の補償装置を介してサポートカラー50に固定されており、内側ドラム29が収縮または拡張することを許容している。ここでの補償装置は、複数のベローズ(bellows)を有し、一方では内側ドラム29に固定され、他方ではサポートカラー50に固定された金属管を備える。
【0055】
底部固定装置32は、下方に広がり、かつ、内側ドラム29の周りで内側ドラム29に溶接されるテーパー付き支持要素53を備える。底部固定装置32は、テーパー付き支持要素53の半径方向外側のエッジに溶接され、かつ、半径方向外側に突出するサポートカラー54を備える支持リングも備える。底部固定装置32はまた、外側ドラム26に溶接され、かつ、その内側に向かって半径方向に突出する環状フランジ55を備える。サポートカラー54は、図示の実施形態に示すように、前記サポートカラー54と前記環状フランジ55との間に介在するフィラーブロック56を介して、直接的または間接的に環状フランジ55上に載置される。フィラーブロック56は、例えば木製である。これは、例えばボルト締めおよび/または樹脂または接着剤の手段による接着によって、サポートカラー54および環状フランジ55に対して固定される。有利的に、フィラーブロック56の厚さは、タンクの天井壁の厚さ方向における外側ドラム26に対する内側ドラム29の製造公差および/または位置決め公差を吸収するように決定される。
【0056】
また、ドーム構造25は、内側ドラム29と同心であり、内側ドラム29を貫通するダクト33を備える。このダクト33は特に、タンク内に貯蔵された液化ガスの蒸気相をタンクの内部空間からドーム構造25の上端に位置する収集ゾーン35に導くことを可能にする。ドーム構造25は、外側ドラム26の壁をしっかりと通過し、収集ゾーン35に現れる少なくとも1つの蒸気収集ダクト63も備える。したがって、1つまたは複数の蒸気収集ダクト63は、収集ゾーン35と、図示されていないが、ドーム構造25の外側に配置される蒸気収集器との間で蒸気を導くことができる。
【0057】
また、ドーム構造25は、図3および図4に見られるシース57を備え、これは外側ドラム26と同心であり、外側ドラム26と内側ドラム29との間の半径方向に配置される。シース57も内殻18に形成された開口部27を通過する。シース57の上端は、内側ドラム29にもしっかりと溶接されている上部環状プレート30にしっかりと溶接されている。シース57の下端は二次密閉メンブレン14にしっかりと溶接されている。したがって、一次空間58は、シース57と内側ドラム29との間に形成される。環状通路は、内側ドラム29とシース57との間に形成され、これにより、一次断熱バリア15内に存在する流体が通過し、一次空間58に向かって循環できるが、またはその逆もできる。
【0058】
ドーム構造25は、一次空間58内に現れる排気ダクト59を備える。排気ダクト59は、デフォルトでは閉じられており、一次断熱バリア15内の圧力が所定の閾値を超えると開く、図示しないバルブに連結されている。したがって、排気ダクト59は、一次断熱バリア15内に現れる可能性のある過圧力から一次密閉メンブレン17を保護することを目的としている。有利には、排気ダクト59は、内側ドラム29の周囲に巻き付く螺旋状のゾーンを備えており、これにより、前記排気ダクト59の熱収縮および熱拡張を許容する。
【0059】
ドーム構造25はまた、一次空間58の内部にも現れるイナートダクト60を備える。イナートダクト60は、コンプレッサーによって窒素などのイナートガスのリザーバーおよび/またはジェネレータに連結されており、一次断熱バリア15内にイナートガスを循環させることを可能にする。
【0060】
さらに、シース57は二重船殻の内殻18に溶接されていないため、開口部27は、前記シース57と内殻18との間において、二次断熱バリア12内に存在する流体が二次空間52に向けて循環することを許容する環状通路部を有する。二次排気ダクト61およびイナートダクト62は、外側ドラム26をしっかりと通過して二次空間52に現れる。二次排気ダクト61は、デフォルトでは閉じられており、二次断熱バリア12内の圧力が所定の閾値を超えると開くバルブに連結されている。したがって、二次断熱バリア12内に現れる可能性のある過圧から二次密閉メンブレン14を保護することが可能になる。イナートダクト62は、コンプレッサーによって窒素などのイナートガスのリザーバーおよび/またはジェネレータに連結されており、二次断熱バリア12内でイナートガスを循環させることを可能にする。
【0061】
本実施形態では、二次断熱バリア12は、シース57と内殻18との間に形成される環状通路部に面してシース57の全周に配置された多孔質材料36からなる1つ以上の要素を備える。多孔質材料36で作製された要素は、グラスウール、ロックウール、およびポリエステル詰め物の中から選択される1つの材料で製造され、好ましくはグラスウールで製造される。このような多孔質材料からなる要素36がシース57と内殻18との間に形成される環状通路部に面して存在する目的は、二次断熱バリア12から二次空間52へのガスの循環を促進することである。一方、そのような材料には湿気を吸収するという欠点があり、これにより氷が形成され、上述のガスの循環が妨げられる可能性がある。
【0062】
また、図4に示すように、開口部27に隣接する内殻18の環状部34は、開口部27の周りに分散された複数の開口38を備える。開口38は貫通開口であり、すなわち、それらは、内殻18を通過し、従って、二次断熱バリア12内に存在するガスがドーム構造25の二次空間52に向かって循環することを可能にする。二次断熱バリア12の二次断熱パネル20は、複数のマスチックビーズ39を介して内殻18に寄りかかる。特に、これらのマスチックビーズ39は、内殻18の平坦度の欠陥を中和することを可能にする。また、それらは、二次断熱パネル20と内殻18との間において、ガスの通過を促進する隙間を形成する効果を有する。
【0063】
有利な一つの実施形態によれば、特に図6に示されるように、前記サポートカラー54と前記環状フランジ55との間に介在するフィラーブロック56もスリット49を有する。したがって、このようなスリット49は、底部固定装置32を通るガスの通過を容易にする。あるいは、フィラーブロック56は、底部固定装置32を通るガスの通過を可能にする間隔を有するいくつかの部品から構成される。また、図6では、テーパー付き支持要素53は、底部固定装置32を通るガスの循環を可能にし、それぞれ排気ダクト59およびイナートダクト60を通過させる穴47,48を有する。
【0064】
図5について、有利な実施形態によれば、シース57内に収容される断熱パッキン40の構造が以下に説明される。本実施形態では、断熱パッキン40は環状である。これは、ポリマー発泡体製の2つのセグメント41,42と、多孔質材料製の2つのセグメント43,44とを備える。ポリマー発泡体製の2つのセグメント41,42はそれぞれ、天井壁の厚さ方向にポリマー発泡体製のセグメント41,42を通過する貫通オリフィス45,46を備える。図4に示すように、貫通オリフィス45は排気ダクト59に結合され、一方、貫通オリフィス46はイナートダクト60に結合される。したがって、ガスは、一次断熱バリア15と排気ダクト59またはイナートダクト60との間において、貫通オリフィス45,46を介して循環することにより、多孔質材料を通る場合のようにガスの循環が氷によって遮断されることが回避される。
【0065】
また、多孔質材料製の2つのセグメント43,44は、ポリマー発泡体製の2つのセグメント41,42の間に形成される2つの空間の一方と他方にそれぞれ配置される。それらがシース57内に収容される際、多孔質材料製の2つのセグメント43,44はそれぞれ、ポリマー発泡体製の2つのセグメント41,42の間に圧入されている。換言すれば、それらは、ポリマー発泡体41,42製のセグメントの熱収縮を補償するために膨張できる圧縮状態で配置されている。
【0066】
多孔質材料製のセグメント43,44は、グラスウール、ロックウール、およびポリエステル綿の中から選択される一つの材料で製造され、好ましい材料はグラスウールである。
【0067】
示された実施形態では、一次断熱バリア15は、内側ドラム29とシース57との間に形成される環状通路に面して、内側ドラム29の周囲全体に配置された多孔質材料37で製造された1つまたは複数の要素を備える。
【0068】
図7を参照すると、メタンタンカー船舶70の断面図は、船舶の二重船殻72に取り付けられたほぼ角柱状の密封断熱タンク71を示している。タンク71の壁は、タンク内に含まれるLNGと接触することを目的とした一次密閉メンブレンと、一次密閉メンブレンおよび船舶の二重船殻72の間に配置された二次密閉メンブレンと、一次密閉メンブレンおよび二次密閉メンブレンの間、そして二次密閉メンブレンおよび二重船殻72の間のそれぞれに配置された2つの断熱バリアとを備える。
【0069】
それ自体知られているように、船舶の最上甲板に配置された積込み/積降ろしパイプライン73は、適切なコネクタによって海上または港湾ターミナルに結合され、タンク71との間でLNGの貨物を移送することができる。
【0070】
図7は、荷積みおよび荷降ろしステーション75、水中ダクト76および陸上施設77を含む海上ターミナルの一例を示す。荷積みおよび荷降ろしステーション75は、可動アーム74と、可動アーム74を支持するタワー78とを含む固定式オフショア設備である。可動アーム74は、荷積み/荷降ろしパイプ73に接続できる断熱の可撓性チューブ79の束を担持する。転向可能な可動アーム74は、あらゆるメタンタンカーの様式に適合する。非図示の接続ダクトがタワー78内に延伸する。荷積みおよび荷降ろしステーション75は、メタンタンカー70から陸上施設77への荷降ろしおよび陸上施設77からメタンタンカー70への荷積みの両方を可能にする。陸上施設77は、液化ガス貯蔵タンク80と、水中ダクト76を介して荷積みおよび荷降ろしステーション75に接続される接続ダクト81とを有する。水中ダクト76は、荷積みおよび荷降ろしステーション75と陸上施設77との間で液化ガスを長距離、例えば5kmにわたって移送することを可能にし、これにより荷積みおよび荷降ろし中において、メタンタンカー船70を海岸から遠く離れたところに留まることを可能にする。
【0071】
船舶70上のポンプおよび/または地上設備77に装備されたポンプおよび/または積み降ろしステーション75に装置されたポンプは、液化ガスを移送するための必要な圧力を生成するように用いられる。
【0072】
本発明は、いくつかの特定の実施形態に関連して説明してきたが、本発明がそれらに決して限定されるものではなく、条件を満たす限り、説明された手段のすべての技術的等価物およびそれらの組み合わせは、本発明の範囲内に包含されることは明らかである。
【0073】
「含む(comprise)」又は「備える(include)」の用語及びこれらの活用形の使用は、請求項に記載されたものに加えて、他の要素又は他の工程の存在を除外するものではない。
【0074】
各請求項において、括弧内の参照符号は、請求項の限定を構成するものとして理解されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】