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▶ アンフェノール イースト アジア エレクトロニック テクノロジー (シェンチェン) カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011066
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】一体型封止電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20250116BHJP
   H01R 24/60 20110101ALI20250116BHJP
   H01R 13/6474 20110101ALI20250116BHJP
【FI】
G06F1/18 E
H01R24/60
H01R13/6474
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024110925
(22)【出願日】2024-07-10
(31)【優先権主張番号】202321801117.0
(32)【優先日】2023-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311045011.7
(32)【優先日】2023-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202322241812.2
(32)【優先日】2023-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515298350
【氏名又は名称】アンフェノール イースト アジア エレクトロニック テクノロジー (シェンチェン) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amphenol East Asia Electronic Technology (Shen Zhen) Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チン,ジミン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,チューチィ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA14
5E021FB02
5E021FC19
5E021LA10
5E223AA11
5E223AB65
5E223BA01
5E223BA07
5E223CB24
5E223CD01
5E223DB08
5E223DB11
5E223EB04
5E223EB13
(57)【要約】
【課題】小さな空間内での確実な嵌合/装着が可能な確実に封止されたハイブリッドコネクタを可能にする一体型封止電気コネクタ。
【解決手段】コネクタは、伝導性要素を一列に並べて保持するハウジングを含む。ハウジングは、本体と、本体から嵌合方向に延在する舌部と、本体の側面部から延在するブラケットと、を有する。各伝導性要素は、舌部によって保持される嵌合部分を有する。フレームが、基板に装着するために、ハウジングに部分的に埋め込まれ、ハウジングの外側に部分的に配設される。フレーム及びブラケットは、基板に装着するためのねじを受け入れるように構成された整列された穴を有する。いくつかの伝導性要素は電力を伝送し、均一な厚さを有し、他の伝導性要素は信号を伝送し、嵌合部分においてより小さい厚さを有する。前方封止部及び後方封止部は、ハウジング及び伝導性要素の粗面表面にそれぞれ取り付けられる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横列方向に整列された複数の第1の端子と、
前記複数の第1の端子と前記横列方向に整列された複数の第2の端子と、備え、
前記複数の第1の端子の各々は、前記第1の端子の長さに沿って、前記横列方向に直交する垂直方向において同じ厚さを有し、
前記複数の第2の端子の各々は、前記第2の端子の残りの部分よりも前記垂直方向において厚さがより小さい部分を有する、端子アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の第1の端子は、電力を伝送するように構成され、
前記複数の第2の端子は、信号を伝送するように構成されている、請求項1に記載の端子アセンブリ。
【請求項3】
前記端子アセンブリは、USB-C規格に従って構成され、
前記複数の第1の端子の各々は、5A~10Aの範囲の電流を搬送するように構成され、
前記複数の第2の端子の各々は、毎秒5Gbps~80Gbpsの範囲の速度で信号を伝送するように構成されている、請求項2に記載の端子アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の第1の端子の各々は、0.1mm~0.35mmの範囲の第1の厚さを有し、
前記複数の第2の端子の各々について、
前記厚さがより小さい部分は、0.01mm~0.10mmの範囲の厚さを有し、
前記第2の端子の残りの部分は、0.1mm~0.25mmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の端子アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の第2の端子の各々は、他の部品と嵌合するために構成された嵌合部分を含み、前記第2の端子の前記嵌合部分は、前記厚さがより小さい部分を含む、請求項1に記載の端子アセンブリ。
【請求項6】
前記複数の第2の端子の各々は、前記嵌合部分の反対側にあり、基板への表面装着のために構成されたテール部分を含む、請求項5に記載の端子アセンブリ。
【請求項7】
前記複数の第1の端子及び前記複数の第2の端子の各々は、白金、ロジウム-ルテニウム、及びパラジウムのうちの1つ以上のめっき層を含む、請求項6に記載の端子アセンブリ。
【請求項8】
前記複数の第1の端子及び前記複数の第2の端子の各々は、前記テール部分に隣接する粗面部分を含み、それぞれの前記端子の前記粗面部分は、封止部材を前記端子の前記粗面部分に取り付けることができるように、それぞれの前記端子の他の部分よりも高い表面粗さを有する、請求項6に記載の端子アセンブリ。
【請求項9】
本体と、前記本体から嵌合方向に延在する舌部と、前記本体の側面部から延在するブラケットと、を含む、ハウジングと、
前記ハウジングによって一列に並べて保持された複数の伝導性要素であって、前記複数の伝導性要素の各々は、前記ハウジングの前記舌部によって保持された嵌合部分と、前記ハウジングから延在するテール部分と、を含む、複数の伝導性要素と、
前記ハウジングの前記本体に埋め込まれた第1の部分と、前記ハウジングの外側に配設された第2の部分と、前記ハウジングの前記ブラケットに埋め込まれた第3の部分と、を含む、フレームと、
を備える、電気コネクタ。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記本体と前記舌部との間に配設され、前記ハウジングの他の部分よりも高い粗さを有する表面を有する溝を含み、
前記ハウジングの前記溝の前記表面には、封止部材が取り付けられている、請求項9に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記溝は、前記ハウジングの周縁部分に沿って配設されている、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記ブラケットは、前記ハウジングの前記本体の第1の側面部から延在する第1のブラケットであり、
前記ハウジングは、前記第1の側面部の反対側の前記ハウジングの前記本体の第2の側面部から延在する第2のブラケットを含み、
前記封止部材は、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間に配設されている、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットの各々は、穴を含み、
前記フレームの前記第3の部分は、前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットの前記穴と整列された穴を含む、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記封止部材は、第1の封止部材であり、
前記ハウジングの前記本体は、キャビティを含み、
前記電気コネクタは、前記ハウジングの前記本体の前記キャビティ内に配設され、前記ハウジングの前記本体の前記キャビティを通過する前記複数の伝導性要素の部分に取り付けられた第2の封止部材を備える、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前記ハウジングの前記本体の前記キャビティを通過する前記複数の伝導性要素の前記部分は、それぞれの伝導性要素の他の部分よりも高い粗さを有する表面を有する、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項16】
前記複数の伝導性要素は、各々がその長さに沿って均一な厚さを有する第1の端子と、前記嵌合部分において前記テール部分よりも小さい厚さを有する第2の端子と、を含む、請求項9に記載の電気コネクタ。
【請求項17】
電気コネクタを製造するための方法であって、
複数の伝導性要素を設けることと、
前記複数の伝導性要素の少なくとも一部の上にアセンブリハウジングを成形することと、
前記アセンブリハウジングにフレームを配設することと、
前記フレームの一部分の上にコネクタハウジングを成形することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数の伝導性要素は、第1の列に整列された第1の複数の伝導性要素であり、
前記方法は、第2の複数の伝導性要素を前記第1の列に平行な第2の列に配設してから、前記フレームを前記アセンブリハウジング上に配設することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コネクタハウジングは、前記コネクタハウジングの周方向の周囲に溝を含み、
前記方法は、
前記ハウジングの前記溝の表面を粗面化することと、
前記ハウジングの前記溝に封止部材を形成することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記封止部材は、前方封止部材であり、
前記ハウジングは、前記複数の伝導性要素が通過するキャビティを含み、
前記方法は、前記ハウジングの前記キャビティ内で、前記キャビティを通過する前記複数の伝導性要素の周囲に後方封止部材を形成することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年8月18日に出願された中国特許出願第202322241812.2号の優先権及び利益を主張する。本出願はまた、2023年8月18日に出願された中国特許出願第202311045011.7号の優先権及び利益を主張する。本出願はまた、2023年7月10日に出願された中国特許出願第202321801117.0号の優先権及び利益を主張する。これらの出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本出願は、電子アセンブリを相互接続するように構成された電気コネクタを含むものなどの、相互接続システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気コネクタは、多くの電子システムで使用されている。プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)などの別個の電子サブアセンブリとしてシステムを製造することは、一般的に、より容易であり、費用効果がより高く、こうしたシステムは、電気コネクタと共に接合され得る。分離可能なコネクタを有することは、異なる製造業者によって製造された電子システムの構成要素が容易に組み立てられることを可能にする。分離可能なコネクタはまた、システムが組み立てられた後に、欠陥のある構成要素を交換するか、又はより高性能の構成要素でシステムをアップグレードするために、構成要素を容易に交換することを可能にする。
【0004】
いくつかの電子サブアセンブリを接合するための周知の構成は、1つのプリント回路基板をバックプレーンとして機能させることである。周知のバックプレーンは、多くのコネクタが装着され得るPCBである。バックプレーン内の導電トレースをコネクタ内の信号導体に電気的に接続し得、それによって、信号を、コネクタ間でルーティングし得る。「ドーターボード(daughterboard)」、「ドーターカード(daughtercard)」、又は「中間基板(midboard)」と呼ばれる他のプリント回路基板は、バックプレーンを介して接続され得る。例えば、ドーターカードの上に、コネクタも装着され得る。ドーターカード上に装着されたコネクタは、バックプレーン上に装着されたコネクタに差し込まれ得る。このようにして、信号は、コネクタ及びバックプレーンを介して、ドーターカード間でルーティングされ得る。ドーターカードは、バックプレーン内へと直角に差し込まれ得る。したがって、これらの用途に使用されるコネクタは、直角屈曲を含み得、「直角コネクタ」と呼ばれることが多い。
【0005】
コネクタはまた、電子アセンブリを相互接続するための他の構成で、使用され得る。場合によっては、電子構成要素を搭載し、かつドーターボードを相互接続する、「マザーボード」と呼ばれる別のプリント回路基板に、1つ以上のプリント回路基板が接続される場合もある。このような構成では、マザーボードに接続されたプリント回路基板は、ドーターボードと呼ばれ得る。ドーターボードは、マザーボードよりも小さい場合が多く、マザーボードに平行に整列されることもある。この構成に使用されるコネクタは、「スタッキングコネクタ(stacking connector)」又は「メザニンコネクタ(mezzanine connector)」と呼ばれることが多い。他のシステムでは、ドーターボードは、マザーボードに対して垂直であり得る。
【0006】
コネクタはまた、マザーボードが、プロセッサと、プロセッサとプリンタ又はメモリデバイスなどの周辺機器との間でデータを渡すように構成されたバスと、を有し得るコンピュータにおいて使用され得る。コネクタは、マザーボードに装着され、バスに接続され得る。これらのコネクタの嵌合インターフェースは、多くの場合、ケーブルを介して周辺機器に取り付けられるコネクタが、マザーボード上のコネクタ内へと挿入されるように、コンピュータ用の筐体の開口部から露出され得る。この構成により、周辺機器をコンピュータに容易に接続することができる。
【0007】
周辺機器の可用性を高めるために、バス、及びバスを介して周辺機器を物理的に接続するために使用されるコネクタが規格化され得る。このようにして、多数の製造業者から入手可能な多数の周辺機器が存在し得る。これらの製品はいずれも規格に準拠したものである限り、規格に準拠したバスを有するコンピュータにおいて使用され得る。このような規格の例としては、コンピュータで一般的に使用されるユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)が挙げられる。規格は、複数の改訂を経て、経時的に、コンピュータに期待されるより高い性能に適合してきた。例えば、ポータブル電子デバイスは、USBコネクタをUSBプラグコネクタと接続することによる充電及び/又は別の電子デバイスとのデータ交換などの様々な目的のために、USBタイプCコネクタを含むことが多い。
【0008】
いくつかのUSBコネクタは、耐水性である。これらのコネクタは、コンピュータの筐体の外側からの水が、コネクタのために残された開口部を通ってコンピュータの筐体に入ることを遮断する、封止部を含み得る。
【発明の概要】
【0009】
本開示の態様は、一体型封止電気コネクタに関する。
【0010】
いくつかの実施形態は、端子アセンブリに関する。端子アセンブリは、横列方向に整列された複数の第1の端子であって、複数の第1の端子の各々は、第1の端子の長さに沿って横列方向に直交する垂直方向において同じ厚さを有する、複数の第1の端子と、複数の第1の端子と横列方向に整列された複数の第2の端子であって、複数の第2の端子の各々は、垂直方向において第2の端子の残りの部分よりも厚さがより小さい部分を含む、複数の第2の端子と、を備えてもよい。
【0011】
任意選択的に、複数の第1の端子は、電力を伝送するように構成され、複数の第2の端子は、信号を伝送するように構成されている。
【0012】
任意選択的に、端子アセンブリは、USB-C規格に従って構成され、複数の第1の端子の各々は、5A~10Aの範囲の電流を搬送するように構成され、複数の第2の端子の各々は、毎秒5Gbps~80Gbpsの範囲の速度で信号を伝送するように構成されている。
【0013】
任意選択的に、複数の第1の端子の各々は、0.1mm~0.35mmの範囲の第1の厚さを有し、複数の第2の端子の各々について、厚さがより小さい部分は、0.01mm~0.10mmの範囲の厚さを有し、第2の端子の残りの部分は、0.1mm~0.25mmの範囲の厚さを有する。
【0014】
任意選択的に、複数の第2の端子の各々は、別の構成要素と嵌合するために構成された嵌合部分を含み、第2の端子の嵌合部分は、厚さがより小さい部分を含む。
【0015】
任意選択的に、複数の第2の端子の各々は、嵌合部分の反対側にあり、基板への表面装着のために構成されたテール部分を含む。
【0016】
任意選択的に、複数の第1の端子及び複数の第2の端子の各々は、白金、ロジウム-ルテニウム、及びパラジウムのうちの1つ以上のめっき層を含む。
【0017】
任意選択的に、複数の第1の端子及び複数の第2の端子の各々は、テール部分に隣接する粗面部分を含み、それぞれの端子の粗面部分は、封止部材を端子の粗面部分に取り付けることができるように、それぞれの端子の他の部分よりも高い表面粗さを有する。
【0018】
いくつかの実施形態は、電気コネクタに関する。電気コネクタは、本体と、本体から嵌合方向に延在する舌部と、本体の側面部から延在するブラケットと、を含むハウジングと、ハウジングによって一列に並べて保持された複数の伝導性要素であって、複数の伝導性要素の各々は、ハウジングの舌部によって保持された嵌合部分と、ハウジングから延在するテール部分と、を含む、複数の伝導性要素と、ハウジングの本体に埋め込まれた第1の部分と、ハウジングの外側に配設された第2の部分と、ハウジングのブラケットに埋め込まれた第3の部分と、を含む、フレームと、を備え得る。
【0019】
任意選択的に、ハウジングは、本体と舌部との間に配設され、ハウジングの他の部分よりも高い粗さを有する表面を有する溝を含み、封止部材は、ハウジングの溝の表面に取り付けられている。
【0020】
任意選択的に、溝は、ハウジングの周縁部分に沿って配設されている。
【0021】
任意選択的に、ブラケットは、ハウジングの本体の第1の側面部から延在する第1のブラケットであり、ハウジングは、ハウジングの本体の第1の側面部とは反対側の第2の側面部から延在する第2のブラケットを含み、封止部材は、第1のブラケットと第2のブラケットとの間に配設されている。
【0022】
任意選択的に、第1のブラケット及び第2のブラケットの各々は、穴を含み、フレームの第3の部分は、第1のブラケット及び第2のブラケットの穴と整列された穴を含む。
【0023】
任意選択的に、封止部材は、第1の封止部材であり、ハウジングの本体は、キャビティを含み、電気コネクタは、ハウジングの本体のキャビティ内に配設され、ハウジングの本体のキャビティを通過する複数の伝導性要素の部分に取り付けられた第2の封止部材を含む。
【0024】
任意選択的に、ハウジングの本体のキャビティを通過する複数の伝導性要素の部分は、それぞれの伝導性要素の他の部分よりも高い粗さを有する表面を有する。
【0025】
任意選択的に、複数の伝導性要素は、各々がその長さに沿って均一な厚さを有する第1の端子と、嵌合部分においてテール部分よりも小さい厚さを有する第2の端子と、を含む。
【0026】
いくつかの実施形態は、電気コネクタを製造するための方法に関する。本方法は、複数の伝導性要素を設けることと、複数の伝導性要素の少なくとも一部の上にアセンブリハウジングを成形することと、アセンブリハウジングにフレームを配設することと、フレームの一部分の上にコネクタハウジングを成形することと、を含んでもよい。
【0027】
任意選択的に、複数の伝導性要素は、第1の列に整列された第1の複数の伝導性要素であり、本方法は、第1の列に平行な第2の列に第2の複数の伝導性要素を配設してから、フレームをアセンブリハウジング上に配設することを含む。
【0028】
任意選択的に、コネクタハウジングは、コネクタハウジングの周方向の周囲に溝を含み、本方法は、ハウジングの溝の表面を粗面化することと、ハウジングの溝に封止部材を形成することと、を含む。
【0029】
任意選択的に、封止部材は、前方封止部材であり、ハウジングは、複数の伝導性要素が通過するキャビティを含み、本方法は、ハウジングのキャビティ内で、キャビティを通過する複数の伝導性要素の周囲に後方封止部材を形成することを含む。
【0030】
いくつかの実施形態は、端子アセンブリに関する。端子アセンブリは、第1の厚さを有し、電力を伝送するように構成された第1の端子と、信号を伝送するように構成された第2の端子と、を含んでもよく、各第2の端子の少なくとも一部分は、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有するように構成されている。
【0031】
任意選択的に、第1の厚さは、0.1mm~0.35mmの範囲である。
【0032】
任意選択的に、第2の端子は、薄肉化加工が施された減肉部分を有するように構成され、減肉部分は、第2の厚さとしての厚さを有し、第2の端子は、減肉部分以外の部分で0.1mm~0.25mmの範囲の厚さを有するように構成され、減肉部分は、0.01mm~0.10mmの範囲の減肉厚さを有するように構成されている。
【0033】
任意選択的に、第1の端子は、嵌合部分及びテール部分を含み、第2の端子は、嵌合部分及びテール部分を含み、第2の端子の嵌合部分は、減肉部分を含み、第1の端子の嵌合部分は、均一な厚さを有するように構成されている。
【0034】
任意選択的に、第1の端子は、5A~10Aの範囲の電流を搬送することができるように構成され、第2の端子は、毎秒5Gbps~80Gbpsの範囲の速度で信号を伝送することができるように構成されている。
【0035】
任意選択的に、第1の端子及び第2の端子の各々には、耐食性めっき層が設けられ、めっき層の材料は、白金、ロジウム-ルテニウム、及びパラジウムのいずれかであってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態は、電気コネクタに関する。電気コネクタは、ハウジング及び端子アセンブリを含んでもよく、複数の第1の端子及び複数の第2の端子が設けられ、電気コネクタの高さ方向に互いに上下に配列された2列の端子を形成し、ハウジングは、2列の端子を固定するために2列の端子の外側にスリーブ接続されている。
【0037】
任意選択的に、2列の端子のうちの一方の列の端子は、複数の第1の端子のうちのいくつか及び複数の第2の端子のうちのいくつかによって形成される第1の列の導電性要素として構成され、2列の端子のうちの他方の列の端子は、複数の第1の端子のうちの他の端子及び複数の第2の端子のうちの他の端子によって形成される第2の列の導電性要素として構成され、第1の列の導電性要素と第2の列の導電性要素とは、電気コネクタの高さ方向において互いに対向して配設されている。
【0038】
任意選択的に、第1の列の導電性要素を形成する複数の第2の端子のうちの少なくともいくつか及び第2の列の導電性要素を形成する複数の第2の端子のうちの少なくともいくつかは、薄肉化加工が施された減肉部分を有するように構成され、第1の列の導電性要素を形成し、減肉部分を有する第2の端子と、第2の列の導電性要素を形成し、減肉部分を有する第2の端子とは、高さ方向において互いに整列されている。
【0039】
任意選択的に、端子アセンブリは、第1の列の導電性要素と第2の列の導電性要素との間に位置するシールドを備え、シールドは、第1の列の導電性要素及び第2の列の導電性要素からそれぞれ高さ方向に所定の距離だけ離間されている。
【0040】
任意選択的に、ハウジングは、端子アセンブリハウジングを含み、端子アセンブリハウジングは、第1の端子及び第2の端子を収容するためのハウジング部分を画定し、第1の端子のテール部分及び第2の端子のテール部分は、射出成形によって端子アセンブリハウジングのハウジング部分に成形される。
【0041】
任意選択的に、シールドは、第1の列の導電性要素及び第2の列の導電性要素を形成する第1の端子のテール部分及び第2の端子のテール部分と一緒に射出成形によって端子アセンブリハウジングのハウジング部分に成形される。
【0042】
任意選択的に、電気コネクタは、第1の封止部材を更に備え、溝がハウジングの周縁部分に沿って設けられ、第1の封止部材は、溝の内部に設けられている。
【0043】
任意選択的に、電気コネクタは、第2の封止部材を更に備え、ハウジングには、端子アセンブリの上面に直交する穴の深さ方向を有するキャビティが設けられ、第2の封止部材は、キャビティの内部に設けられている。
【0044】
任意選択的に、ハウジングには、溝の溝底に、第1の封止部材とハウジングとの間の接着力を高めるための第1の粗面部分が設けられ、端子アセンブリには、キャビティを穴の深さ方向に端子アセンブリ上に投影した領域に、第2の封止部材と端子アセンブリとの間の接着力を高めるための第2の粗面部分が設けられている。
【0045】
任意選択的に、第1の封止部材は、弾性変形可能な部材であり、第1の封止部材は、第1の封止部材が電気コネクタに適合された電子デバイスの装着部分と接触するときに弾性変形し、電子デバイスの装着部分と締まり嵌めを形成するように構成されている。
【0046】
任意選択的に、第1の封止部材は、ハウジングの嵌合端部の周囲に周方向に連続的に延在する環状形状を有するように構成され、第1の封止部材は、ハウジングの溝とのポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されている。
【0047】
任意選択的に、第2の封止部材は、実質的に正方形形状を有するように構成され、第2の封止部材は、ハウジングのキャビティとのポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されている。
【0048】
任意選択的に、電気コネクタは、フレームを更に備え、フレームは、ハウジング内に埋め込まれる第1の部分と、ハウジングの外側に配設される第2の部分と、第1の部分の両側から延在することによって形成される第3の部分と、を有し、ハウジングには、その両側から延在するブラケットが形成され、フレームの第3の部分は、ブラケット内に埋め込まれている。
【0049】
任意選択的に、フレームが端子アセンブリハウジング及び端子アセンブリに対して所定の位置に位置付けられるように、第1の部分を収容するための収容部分は、端子アセンブリハウジングのテール端部の近傍に設けられている。
【0050】
任意選択的に、ブラケットを接続するハウジングの中央部分にキャビティが形成され、第2の封止部材がキャビティ内に配列される前に、第1の端子及び第2の端子のうちの対応する一方がキャビティを通って露出されている。
【0051】
任意選択的に、ハウジングの嵌合部分には、中央部分から所定の位置に溝が形成されている。
【0052】
いくつかの実施形態は、電気コネクタを製造するための方法に関する。本方法は、複数の第1の端子及び複数の第2の端子を設け、複数の第1の端子のうちのいくつか及び複数の第2の端子のうちのいくつかによって第1の列の導電性要素を形成し、複数の第1の端子のうちの他の端子及び複数の第2の端子のうちの他の端子によって第2の列の導電性要素を形成する工程01)と、シールドを設ける工程02)と、第1の列の導電性要素及びシールドを第1の射出成形金型内に配置し、第1の射出成形を実行して、第1の成形部材を形成する工程03)と、第2の列の導電性要素を第1の成形部材上に組み立て、第2の列の導電性要素を第1の成形部材に対して所定の位置に位置付ける工程04)と、フレームを設け、フレームを第1の成形部材及び第2の列の導電性要素に対して所定の位置に位置付け、フレーム、第2の列の導電性要素、及び第1の成形部材を第2の射出成形金型内に配置し、第2の射出成形を実行して第2の成形部材を形成することであって、第2の成形部材は、ハウジングを含む、工程05)と、を含む。
【0053】
任意選択的に、工程03)において、第2の列の導電性要素を組み立てるための装着スロットは、第1の列の導電性要素を位置付けるシールドの側とは反対の第1の成形部材の側に一体成形される。
【0054】
任意選択的に、装着スロットは、第1の成形部材の嵌合端部側に近い複数の第1のスロットと、第1の成形部材のテール端部側に近い複数の第3のスロットと、電気コネクタの嵌合方向において複数の第1のスロットと複数の第3のスロットとの間に設けられた複数の第2のスロットと、を含み、複数の第1のスロットの各々、複数の第2のスロットの各々、及び複数の第3のスロットの各々は、第2の列の導電性要素を形成する端子のうちの対応する1つを収容して位置付けるために、電気コネクタの嵌合方向において1対1の対応関係で互いに整列されている。
【0055】
任意選択的に、工程03)において形成される第1の成形部材は、端子アセンブリハウジングを含み、収容部分は、端子アセンブリハウジングの側に設けられ、端子アセンブリハウジングの上には、第1の列の導電性要素が配列され、第1の成形部材のテール端部に近い。
【0056】
任意選択的に、工程05)において、フレームを設けることは、フレームの中央部分としての第1の部分と、嵌合方向において第1の部分から電気コネクタのテール端部に向かって延在する第2の部分と、電気コネクタの高さ方向に沿って電気コネクタの幅方向の第1の部分の両側から張り出した第3の部分であって、第3の部分は、第1の部分と平行な脚部を有するL字状の段部が形成されている、第3の部分と、を有するフレームを構成することを含み、第2の部分は、収容部分に収容されて、フレームを第1の成形部材及び工程04)で一緒に組み立てられた第2の列の導電性要素に対して所定の位置に位置付ける。
【0057】
任意選択的に、工程05)において、第2の射出成形を実行して第2の成形部材を形成する間に、支持部分は、ハウジングのテール端部の近傍に形成され、溝は、支持部分から所定の距離で支持部分の嵌合側に形成され、キャビティは、電気コネクタの高さ方向で支持部分の2つの対向する表面に形成される。
【0058】
任意選択的に、本方法は、電気コネクタ、溝、及びキャビティを粗面化して、粗面部分を形成することを更に含む。
【0059】
任意選択的に、本方法は、溝の粗面部分及び/又はキャビティの粗面部分に接着剤を塗布して、溝内に第1の封止部材を形成すること、及び/又はキャビティ内に第2の封止部材を形成することを更に含む。
【0060】
任意選択的に、工程03)において、第1の列の導電性要素は、電気コネクタの高さ方向においてシールドから離間されている。
【0061】
任意選択的に、工程04)において、第2の列の導電性要素は、第2の列の導電性要素が電気コネクタの高さ方向において第1の列の導電性要素から離間され、シールドが第1の列の導電性要素と第2の列の導電性要素との間に位置付けられるように、第1の成形部材に対して所定の位置に位置付けられている。
【0062】
これらの技法は、単独で、又は任意の好適な組み合わせで使用され得る。前述の概要は、例解として提供されており、限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
添付の図面は、一定の縮尺で描画されていない場合がある。図面では、様々な図に例解される同一又はほぼ同一の構成要素のそれぞれは、同様の数字によって表され得る。明確にするために、全ての図面において全ての構成要素に符号が付されているわけではない場合がある。図面は以下の通りである。
図1】いくつかの実施形態による、図6の電気コネクタの端子の列の斜視図である。
図2】いくつかの実施形態による、図1の端子の列の端子の側面概略図である。
図3】いくつかの実施形態による、図1の端子の列の第1の端子及び第2の端子の斜視図である。
図4】いくつかの実施形態による、端子アセンブリハウジングを非表示とした、図6の電気コネクタの2列の端子の間に設けられたシールドを備える端子アセンブリの斜視図である。
図5】いくつかの実施形態による、電気コネクタの底面図である。
図6】いくつかの実施形態による、図5の電気コネクタの上面斜視図である。
図7】いくつかの実施形態による、図6の電気コネクタの底面斜視図である。
図8】いくつかの実施形態による、図6の電気コネクタの部分分解斜視図である。
図9】いくつかの実施形態による、端子アセンブリハウジング及びフレームを示す、コネクタハウジングを非表示とした図5の電気コネクタの斜視図である。
図10A】いくつかの実施形態による、第1の粗面部分及び第2の粗面部分を示す、図6の電気コネクタの上面図である。
図10B】いくつかの実施形態による、第1の粗面部分及び第2の粗面部分を示す、図6の電気コネクタの底面図である。
図11】いくつかの実施形態による、電気コネクタを製造する方法の工程03)を示す、図6の電気コネクタの第1の列の端子の底面斜視図である。
図12】いくつかの実施形態による、電気コネクタを製造する方法の工程04)を示す、図6の電気コネクタの第1の列及び第2の列の端子の底面斜視概略図である。
図13】いくつかの実施形態による、電気コネクタを製造する方法の工程04)を示す、図12の第1及び第2の列の端子の別の底面斜視図である。
図14】いくつかの実施形態による、電気コネクタを製造する方法の工程05)を示す、図6の電気コネクタの上面斜視図である。
図15】いくつかの実施形態による、電気コネクタを製造する方法の06)を示す、図6の電気コネクタの上面斜視図である。
図16】いくつかの実施形態による、図6の電気コネクタの端子の第1の列(A)における1つの第2の端子及び端子の第2の列(B)における1つの第2の端子の側面図である。
【0064】
参照符号:1-電気コネクタ、10-第1の端子、20-第2の端子、21-薄肉部分、100-端子アセンブリ、101-第1の列の導電性要素、102-第2の列の導電性要素、110-シールド、200-ハウジング、210-溝、220-キャビティ、230-第1の粗面部分、240-第2の粗面部分、250-ブラケット、260-端子アセンブリハウジング、261-第1のスロット、262-第2のスロット、263-第3のスロット、264-収容部分、270-支持部分、300-第1の封止部材、400-第2の封止部材、500-フレーム、510-第1の部分、520-第2の部分、530-第3の部分。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明者らは、1つ以上の手法で改良された、改良された電気コネクタを作製するための技法を認識及び理解しており、その技法は、それらが、製造するのに単純かつ費用効果が高く、頑丈であり、環境条件に耐え、高電力周辺デバイスと共に使用するのに好適であることを含む。これらの技法は、いくつかの実施例では、USB-Cフォームファクタにおけるコネクタに適用され得る。
【0066】
そのような電気コネクタは、一体化封止部を有してもよい、かつ/又は高電力伝送(例えば、5~10A)のためのより厚い端子と、高速信号伝送(例えば、5~80Gbps)のためのより薄い端子との両方を有してもよい。コネクタの強度は、外側シェル及び基板ホルダの両方として機能する単一の一体型構成要素(例えば、金属フレーム)を有することによって強化されてもよく、これはコネクタハウジング内に部分的に埋め込まれる。コネクタは、コネクタの前方及び後方の両方に封止部材(例えば、液体射出成形(liquid injection molding、LIM)プロセスによって形成される)を有することによって耐水性であってもよい。封止部材は、ハウジング/端子の他の部分よりも高い表面粗さを有するように処理されたハウジング/端子の表面に取り付けられてもよい。封止部材は、液体シリコーンから形成されてもよい。そのような構成は、高さが低減されているが、機械的に信頼できる構造を有し、IPX8浸漬試験の等級を達成するハイブリッドコネクタを提供してもよい。
【0067】
本開示のいくつかの態様は、電気コネクタを製造する方法に関する。本方法は、下列の端子及びシールドの周囲にアセンブリハウジングを成形することと、上列の端子をアセンブリハウジング上に組み立てることと、金属フレームを所定の位置に配設することと、次いでコネクタハウジングをその上に成形することと、を含んでもよい。本方法は、選択された領域がVDI24~VDI39の範囲の表面粗さを有し得るように、ハウジング及び端子の選択された領域を、例えば、レーザで粗面化することと、前面LIM及び背面LIMを同時に配設することと、を更に含んでもよい。このような構成は、製造プロセスを簡略化することができ、コストを低減することができる。
【0068】
本開示の態様によれば、コネクタは、伝導性要素を一列に並べて保持するハウジングを備えてもよい。ハウジングは、本体と、本体から嵌合方向に延在する舌部と、本体の側面部から延在するブラケットと、を有してもよい。各伝導性要素は、舌部によって保持される嵌合部分を有してもよい。フレームは、例えば、基板に装着するために、ハウジングに部分的に埋め込まれ、ハウジングの外側に部分的に配設されてもよい。フレーム及びブラケットは、例えば、基板に装着するためのねじを受け入れるように構成された整列された穴を有してもよい。いくつかの伝導性要素は、電力を伝送するように構成され、均一な厚さを有してもよく、他の伝導性要素は、信号を伝送するように構成され、嵌合部分において伝導性要素の残りの部分よりも小さい厚さを有してもよい。前方封止部及び後方封止部はそれぞれ、ハウジング及び伝導性要素の粗面表面に取り付けられてもよい。そのような技法は、小さな空間内での信頼できる嵌合/装着が可能な確実に封止されたハイブリッドコネクタを可能にし得る。
【0069】
本開示の態様によれば、本出願において提供される端子アセンブリでは、電力を伝送するように構成された第1の端子は、第1の厚さを有してもよく、信号を伝送するように構成された第2の端子は、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有してもよい。例えば、第2の端子の一部分は、第1の端子の第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有してもよい。別の実施例として、第2の端子は、従来の信号端子と比較してより薄くてもよい。そのような技法は、高速伝送のためのコネクタを可能にしてもよく、既存のUSBタイプC端子構造に関する問題を軽減する。
【0070】
次に、本出願のいくつかの実施形態によって提供される端子アセンブリについて、図面を参照して詳細に説明する。説明を明確かつ簡潔にするために、図において、水平方向X、嵌合方向Y、及び垂直方向Zをそれぞれ示すために、X、Y、及びZ方向が使用される場合がある。水平方向X、嵌合方向Y、及び垂直方向Zは、互いに直交し得る。水平方向Xは、本出願の電気コネクタの幅方向を指し得る。嵌合方向Yは、電気コネクタの別の適合された電気コネクタへの接続方向、例えば、電気コネクタが対応する適合された電気コネクタと嵌合される嵌合方向を指し得る。垂直方向Zは、電気コネクタの高さ方向(例えば、厚さ方向)を指し得る。
【0071】
本出願のいくつかの実施形態によれば、例えば、USBタイプCコネクタの高速信号伝送に対応するために、図1及び図2に示すように、コネクタの端子アセンブリ100は、第1の厚さを有し、電力を伝送するように構成された第1の端子10と、信号を伝送するように構成された第2の端子20と、を含んでもよく、第2の端子20の各々の少なくとも一部分は、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する。
【0072】
例えば、第1の端子10は、電力を伝送するための端子、例えば、電流端子として機能し、第2の端子20は、信号を伝送するための端子、例えば、信号端子として機能する。第1の端子10は、第1の厚さである厚さを有する。第1の厚さは、0.1mm~0.35mmの範囲であり、第1の端子10が5A~10Aの範囲の電流を搬送することを可能にする。
【0073】
第2の端子20は、信号を伝送するための端子として機能する。図示した例示的な実施形態では、第2の端子20に薄肉化加工を施した後、第2の端子20は、いくつかの位置で他の位置よりも薄い厚さを有し、薄肉部分21が形成されている。薄肉部分21は、第2の厚さである厚さを有する。第2の端子20は、薄肉部分以外の部分で0.1mm~0.25mmの厚さを有し、薄肉部分21は、0.01mm~0.10mmの範囲のより小さい厚さを有し、第2の端子20が毎秒5G~80Gの高速伝送することを可能とする。例えば、薄肉部分は、第2の端子の残りの部分の厚さよりも小さい0.01mm~0.10mmの厚さを有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、図3に示すように、第1の端子10は、嵌合部分11及びテール部分12を含んでもよい。第2の端子20は、嵌合部分22及びテール部分23を含んでもよい。第2の端子20の嵌合部分22は、薄肉部分21を有し、薄肉部分21は、第2の端子20の嵌合部分22の他の部分の厚さHよりも小さい厚さhを有する。第1の端子の嵌合部分11は、その長さ方向に均一な厚さを有する。
【0075】
第1の端子及び第2の端子の各々は、垂直方向、例えば、電気コネクタの高さ方向Zにおける第1の端子及び第2の端子の各々の厚さである厚さを有する。
【0076】
いくつかの実施例では、第2の端子20の薄肉部分21は、スタンピング成形プロセスなどのスタンピングプロセスによって形成される。スタンピングプロセスは、スタンピング設備(プレス)及びツール(ダイ)により、圧力をパネル金属又は非金属に印加して、分離又は塑性変形を有するようにする、したがって、特定の形状、サイズ及び性能要件を有する製品を得る製造技術であることを理解されたい。
【0077】
「嵌合」という表現は、本出願の説明で使用される場合、コネクタが対応する嵌合コネクタに接続されたときに嵌合コネクタに面するコネクタの端部を指してもよく、一方、「テール」という表現は、コネクタが対応する嵌合コネクタに接続されたときに嵌合コネクタから離れて面するコネクタの端部を指してもよいことを理解されたい。例えば、「嵌合」及び「テール」は、それぞれ、嵌合方向におけるコネクタの両端部を示してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、端子アセンブリ100は、一列に並べて設けられた複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20を含む。図示した例示的な実施形態では、端子アセンブリ100は、2列の端子を含み、各列は、複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20を含む。図4に示すように、2列の端子のうちの第1の列の端子は、第1の端子10及び第2の端子20の両方を含んでもよい。2列の端子のうちの第2の列の端子もまた、第1の端子10及び第2の端子20の両方を含んでもよい。いくつかの実施形態では、2列の端子のいずれかを形成する対応する第1の端子10及び第2の端子20は、アレイ状に配列されてもよい。
【0079】
本出願の例示的な実施形態によれば、図5に示すように、端子アセンブリは、合計2列の端子、例えば、図5において端子アセンブリの厚さ方向に離間した端子の列A及び端子の列Bを備え、図5の上方位置に位置する端子の列は、右から左にA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11及びA12として示され、図5の下方位置に位置する端子の列は、左から右にB1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11及びB12として示される。
【0080】
図示した例示的な実施形態では、端子の列A及び端子の列Bの各々は、第1の端子10及び第2の端子20を含み、第1の端子10及び第2の端子20は、並んで設けられて端子の列を形成する。第1の端子10としての端子A4、A5、A6、A9及びB4、B5、B6、B9は、定格電流5A~10Aを提供するために0.1mm~0.35mmの厚さを有する。第2の端子20としての端子A1、A2、A3、A7、A8、A10、A11、A12及びB1、B2、B3、B7、B8、B10、B11、B12は、5G~80Gの高速信号伝送を提供するために0.1mm~0.25mmまでの厚さを有する。
【0081】
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、第2の端子20は、0.10mm~0.25mmの範囲の端子材料の厚さで最初に形成されてもよい。高周波構造要件をより良好に満たすために、第2の端子20は、0.01mm~0.10mmの薄肉化された深さで薄肉化加工を施されてもよい。任意選択の例示的な実施形態では、第2の端子20のうちの4つが薄肉化加工を施されてもよい。図1を参照すると、第2の端子20である列Aの端子のうちのA2、A3、A10、及びA11は、薄肉化加工が施されている。
【0082】
図示した例示的な実施形態では、列Aの端子と列Bの端子とは、垂直方向Z(端子アセンブリの高さ方向)に互いに整列されている。任意選択の例示的な実施形態では、列Aの端子のうちの薄肉化加工を施された第2の端子20は、列Bの端子のうちの薄肉化加工を施された第2の端子20と垂直方向Zで整列されている。図示した例示的な実施形態では、列Aの端子において第2の端子20としてのA2、A3、A10及びA11が薄肉化加工を施されることに対応して、列Bの端子において第2の端子20としてのB2、B3、B10、B11が薄肉化加工を施され、端子A2、A3、A10及びA11は、B11、B10、B3及びB2とそれぞれ互いに垂直方向Zに整列されている。いくつかの実施形態では、列Aの端子において第2の端子に薄肉化加工を施すことにより形成された凹部と、列Bの端子において第2の端子に薄肉化加工を施すことにより形成された凹部とは、垂直方向Zにおいて対向して設けられている。図16を参照すると、一例として、列Aの端子において端子A2に薄肉化加工を施すことにより形成された凹部は、列Bの端子に垂直方向Zで対向するように設けられ、列Bの端子において端子B11に薄肉化加工を施すことにより形成された凹部は、列Aの端子に垂直方向Zで対向するように設けられている。
【0083】
任意選択的に、第1の端子10及び第2の端子20は、耐食性のめっき層が設けられ、めっき層の材料は、白金、ロジウム-ルテニウム及びパラジウムのうちのいずれか1つである。例えば、第1の端子10及び第2の端子20の端子表面は、耐食性効果を満たすために、白金めっき層、ロジウム-ルテニウムめっき層、又はパラジウムめっき層などの特殊なめっき層で処理される。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1の端子10及び第2の端子20の表面は、電気めっきによって白金、ロジウム-ルテニウム、及びパラジウムで処理されて、対応するめっき層が形成され、それによって、対応する端子の耐食性を改善しながら、均一で、緻密で、良好に結合された金属表面を形成する。
【0085】
本出願の例示的な実施形態により提供される端子アセンブリ100によって、電力を伝送するための第1の端子10は、第1の厚さとしての厚さを有し、信号を伝送するための第2の端子20は、第1の厚さよりも小さい第2の厚さとしての厚さを有する。例えば、第2の端子20の一部分は、第1の端子10の厚さよりも小さい厚さを有し、第2の端子20は、従来の信号端子と比較してより薄く、高速伝送の要求を満たすことができ、USBタイプC端子構造が高速信号伝送を満たすことができないという従来技術に存在する技術的問題を軽減する。
【0086】
図5及び図6に示すように、本出願の実施形態の別の態様に従って電気コネクタ1が提供され、電気コネクタ1は、5Gセル方式電話、タブレットPC、アダプタ、通信デバイス、ネットワークデバイス、ルーティング、及びノートブックPC、電子タバコなどに適用可能であり得る。一例として、電気コネクタ1は、USBタイプCコネクタであってもよい。
【0087】
図示した例示的な実施形態では、本出願による電気コネクタ1は、ハウジング及び端子アセンブリを含んでもよい。端子アセンブリは、先の実施形態において上述したような端子アセンブリ100であってもよい。先の実施形態において説明したように、端子アセンブリ100では、第1の端子10及び第2の端子20は、両方とも複数設けられ、互いに上下に配列された2列の端子を形成する。図示した例示的な実施形態では、電気コネクタ1のハウジング200は、2列の端子を固定するために2列の端子の外側にスリーブ接続されている。
【0088】
例えば、電気コネクタ1は、端子アセンブリ100及びハウジング200を含み、ハウジング200は、端子アセンブリ100の外側部分の少なくとも一部分の上にスリーブ接続され、端子アセンブリ100は、複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20を含み、第1の端子10及び第2の端子20は、細長い帯形状を有するように形成されている。図4に示すように、第1の端子10及び第2の端子20のうちのいくつかは、端子グループの列、例えば、第1の列の導電性要素101を形成するように配列され、第1の端子10及び第2の端子20のうちの他の端子は、端子グループの別の列、例えば、第2の列の導電性要素102を形成するように配列されている。
【0089】
本出願の例示的な実施形態によれば、2列の端子のうちの一方の列の端子は、複数の第1の端子10のうちのいくつか及び複数の第2の端子20のうちのいくつかによって形成される第1の列の導電性要素101として構成され、2列の端子のうちの他方の列の端子は、複数の第1の端子10のうちの他の端子及び複数の第2の端子20のうちの他の端子によって形成される第2の列の導電性要素102として構成されている。
【0090】
図示した例示的な実施形態では、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102は、電気コネクタ1の厚さ方向Zにおいて互いに離間され、ハウジング200としてのプラスチック部材は、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102の外側に成形されている。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102は、互いに対向して配列されている。いくつかの実施形態では、第1の端子10は、嵌合部分11及びテール部分12を含んでもよい。第2の端子20は、嵌合部分22及びテール部分23を含んでもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、端子アセンブリ100は、絶縁端子アセンブリハウジングと、絶縁端子アセンブリハウジングと一体成形された複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20と、を含む。第1の端子10のいくつか及び第2の端子20のいくつかは、水平方向Xに一列に並べて設けられて第1の列の導電性要素101を形成し、第1の端子10の他の端子及び第2の端子20の他の端子は、水平方向Xに一列に並べて設けられて第2の列の導電性要素102を形成する。第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102は、第1の列の導電性要素101を形成する第2の端子20の少なくとも一部分及び第2の列の導電性要素102を形成する第2の端子20の少なくとも一部分が薄肉化加工を施された薄肉部分を有し、第1の列の導電性要素101を形成し、薄肉部分を有する第2の端子20及び第2の列の導電性要素102を形成し、薄肉部分を有する第2の端子20が、高さ方向Zに沿って互いに上下に整列されるように、電気コネクタ1の厚さ方向Zに互いに対向して配列されている。
【0093】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、端子アセンブリ100は、電気コネクタ1の厚さ方向Zにおいて第1の列の導電性要素101と第2の列の導電性要素102との間に設けられたシールド110を更に備える。シールド110は、電気コネクタ1の高さ方向Zにおいて、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102からそれぞれ所定の距離だけ離間されている。シールド110は、2列の導電性端子間の信号干渉を遮蔽するように構成されている。
【0094】
いくつかの実施形態では、ハウジング200は、端子アセンブリハウジング260を含み、端子アセンブリハウジング260は、第1の端子10及び第2の端子20を収容するための部分により画定されてもよい。端子アセンブリ100の第1の端子10の嵌合部分11及び第2の端子20の嵌合部分22の各々は、射出成形によって端子アセンブリハウジング260のハウジング部分に成形される。
【0095】
いくつかの実施形態では、シールド110は、一体成形部材を形成するために、第1の端子10のテール部分12及び/又は第2の端子20のテール部分23と一緒に射出成形によって端子アセンブリハウジングのハウジング部分に成形されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、シールド110は、プレートとして形成されてもよい。任意選択的に、プレートとして形成されたシールド110は、第1の列の導電性要素101と第2の列の導電性要素102との間に、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102に対してそれぞれ平行に設けられてもよい。
【0097】
図6図8を参照すると、電気コネクタ1は、第1の封止部材300を備える。ハウジング200の周方向に沿って溝210が設けられており、第1の封止部材300は、溝210の内部に設けられている。
【0098】
例えば、溝210は、ハウジング200の周縁部分に沿って配設されている。第1の封止部材300は、LIMプロセス(液体射出成形)によって溝210内に形成され、第1の封止部材300は、溝210を充填して、電気コネクタ1の前方封止の効果を達成する。
【0099】
本出願による例示的な実施形態では、溝210は、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102を形成する端子のテール部分に近いハウジング200の領域に設けられている。
【0100】
いくつかの実施形態では、溝210は、レーザ彫刻加工(レーザ加工としても知られる)又は放電加工(図10A図10Bを参照)によって溝210の溝底を粗面化することによって、粗面部分を形成するように粗面化される。溝210のいわゆる「溝底」は、溝を構成する底壁及び底壁に接続された2つの側壁の表面を含む。例えば、溝210の溝面にエンボス加工又はローレット加工を施して粗面部分を形成してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1の封止部材300は、以下のように形成されてもよい。所定の大きさ及び形状について第1の封止部材300と一致する接着剤形成ツールを用いて、接着剤形成ツールに溝210の加工しようとする粗面部分を配置することと、粗面部分にハウジング200の周方向に接着剤を塗布すること。いくつかの実施例では、接着剤は、時間加圧式塗布法、ピストンポンプ塗布法、スクリュー定量ポンプ塗布法のうちの1つによって接着剤形成ツール内において塗布される。
【0102】
任意選択的に、接着剤形成ツールは、接着剤を収容し、接着剤は、UV接着剤、シリコーン、エポキシ樹脂接着剤のうちの1つから選択されてもよい。
【0103】
本出願による例示的な実施形態では、電気コネクタ1は、第2の封止部材400を更に備え、ハウジング200には、端子アセンブリ100の上面に直交する穴の深さ方向を有するキャビティ220が設けられ、第2の封止部材400は、キャビティ220内に設けられている。
【0104】
例えば、キャビティ220は、ハウジング200全体にわたって設けられている。例えば、キャビティ220は、ハウジング200の両側に設けられ、2つのキャビティ220は、互いに対向して設けられ、端子アセンブリ100は、2つのキャビティ220の間に位置し、第2の封止部材400は、LIMプロセスによってキャビティ220内に形成され、キャビティ220は、第2の封止部材400によって封止され、電気コネクタの後方封止効果を実現する。
【0105】
図6図8を参照すると、本出願のいくつかの実施形態では、ハウジング200は、ハウジング200のテール端部の近傍に形成された支持部分270を含んでもよい。支持部分270は、電気コネクタ1が適合された対応する電気コネクタと嵌合されるときに、嵌合方向Yにおける電気コネクタ1の過剰な移動を停止するための停止部分として構成されてもよい。
【0106】
図示した例示的な実施形態では、キャビティ220は、電気コネクタ1の厚さ方向Zにおいて支持部分270の2つの対向する表面に設けられている。第2の封止部材400が設けられない場合、第1の列の導電性要素101及び第2の列の導電性要素102を形成する端子のテール部分の一部は、キャビティ200を介して電気コネクタ1の外部から視認可能であってもよい。
【0107】
図示した例示的な実施形態では、溝210は、支持部分270から所定の距離に設けられ、支持部分270の嵌合側に位置し、それにより、電気コネクタ1が嵌合方向Yにおいて適合された対応する電気コネクタと嵌合されるとき、溝210内に設けられた第1の封止部材300が適合された対応する電気コネクタの係合部分と最初に接触して、電気コネクタ1の前方封止効果を実現する。
【0108】
例えば、キャビティ220の内面は、溝210と同様に、レーザ彫刻加工(レーザ加工ともいう)若しくは放電加工のいずれかにより粗面化されて、粗面部分を形成してもよいか、又は、溝210の外面にエンボス加工若しくはローレット加工を施して粗面部分を形成する。
【0109】
いくつかの実施形態では、第2の封止部材400は、以下のように形成される。所定の大きさ及び形状について第2の封止部材400と一致する接着剤形成ツールを用いて、接着剤形成ツールに溝220の加工しようとする粗面部分を配置することと、キャビティ220の内周面の粗面部分に接着剤を塗布すること。
【0110】
いくつかの実施形態では、粗面部分22は、斜線パターン、格子パターン、又は所定の記号パターンのうちの少なくとも1つによって形成されたパターンを含む。例えば、所定の記号パターンは、ユニオンジャック形状、H形状、又はX形状のうちの少なくとも1つを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の封止部材300は、支持部分270に近いハウジング200の外周面の周囲で周方向に連続的に延在する環状形状を有するように構成されている。任意選択的に、封止部材300は、溝とのポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されている。
【0112】
いくつかの実施形態では、キャビティ220は、正方形の開口断面形状を有するように構成されてもよく、したがって、第2の封止部材400は、実質的に正方形の形状を有し、キャビティ220とのポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されている。
【0113】
本出願で使用される「ポジティブフィット」という用語は、2つの嵌合構成要素が、形状及び位置に関して、互いに当接して緊密に嵌合する関係を指し得ることを理解されたい。
【0114】
いくつかの実施形態では、第1の封止部材300及び/又は第2の封止部材400は、弾性変形可能な部材であってもよい。第1の封止部材300及び第2の封止部材400は、第1の封止部材300及び第2の封止部材400が適合された対応する電子デバイスの装着部分(例えば、電子デバイスの適合されたコネクタのシェルの一部分)と接触している場合に弾性変形し、嵌合方向Yに直交する方向において、電子デバイスの装着部分と締まり嵌めを形成するように構成されている。一実施例では、封止部材は、紫外線硬化型接着剤(UV接着剤)、シリコーン、又はエポキシ樹脂接着剤から作製されてもよい。紫外線硬化型接着剤は、紫外線照射により速やかに硬化して弾性接着フィルムとなり、高い接着強度、耐振動性、耐高温性、及び良好な耐久性などを特徴とする。
【0115】
本出願の例示的な実施形態による電気コネクタ1によって、特に、溝210及び/又はキャビティ220に粗面部分が形成されている実施形態では、粗面部分が、封止部材300、400とハウジング200の対応する溝210、キャビティ220との間の接触面の表面粗さを増大させるので、ハウジングに対する封止部材の接着力が改善され、電気コネクタ1の封止性能が確保される。
【0116】
上記の技術的解決策によって、第1の封止部材及び/又は第2の封止部材とハウジングとの間の非常に密接な取り付けを提供することができ、粗面部分が設けられたコネクタのハウジングの外部側壁は、ハウジングの他の部分の表面粗さよりも高い表面粗さを有し、それによって、第1の封止部材及び/又は第2の封止部材と主ハウジングの粗面部分との間の接着力を大幅に改善し、封止部材が脱落するリスクを低減する。したがって、電子デバイスの装着部分にコネクタを装着するときに、コネクタと電子デバイスの装着部分との間に、継ぎ目なし封止部が生成され、水蒸気/埃が電子デバイスの内部に入るリスクを低減することができる。
【0117】
任意選択的に、図6に示すように、第1の封止部材300及び第2の封止部材400のハウジング200への接着力を高めるために、ハウジング200には溝210の溝底に第1の粗面部分230が設けられ、端子アセンブリ100にはキャビティ220を端子アセンブリ100に穴の深さ方向に投影した領域に第2の粗面部分240が設けられ、第1の粗面部分230及び第2の粗面部分240は、レーザ加工によって形成されて表面粗さを高め、第1の封止部材300及び第2の封止部材400の接着力を高めて防水要求を満たす。
【0118】
いくつかの実施形態では、封止部は、前方封止部材及び後方封止部材を含んでもよい。LIMの接着力は、レーザなどで取り付け面を粗面化することによって増大させてもよい。そのような構成は、コネクタがIPX8浸漬試験を満足することを可能にし得る。
【0119】
本出願によるいくつかの実施形態では、図6図8に示すように、電気コネクタ1は、フレーム500を更に含んでもよい。フレーム500は、ハウジング200の強度を増加させるように構成されてもよい。フレーム500は、ハウジング200の支持部分270に埋め込まれた第1の部分510と、ハウジング200の外側に配設された第2の部分520と、第1の部分510の両側から延在して形成された第3の部分530と、を有する。電気コネクタ1の幅方向Xにおいて、ブラケット250は、ハウジング200の支持部分270の両側から延在して形成されている。ブラケット250は、ねじ山付き穴を有してもよい。フレーム500の第3のフレーム部530は、ブラケット250に埋め込まれている。
【0120】
第1の部分510、第2の部分520、及び第3の部分530は、互いに接続されていることに留意されたい。例えば、第1の部分510、第2の部分520、及び第3の部分530は、単一のシートから打ち抜かれるなどして一体的に形成されてもよい。例えば、第1の部分510は、インサート成形を使用してハウジング200に埋め込まれ、第3の部分530は、インサート成形を使用してブラケット250に埋め込まれ、第2の部分520は、ハウジング200上に配設され、製品の強度を高め、耐落下性を向上させ、製品の製造を簡略化する。
【0121】
本出願の例示的な実施形態により提供される電気コネクタ1によって、第1の封止部材300及び第2の封止部材400は、LIMを使用することによって一体的に成形され、電気コネクタの防水要件を満たし、より単純なプロセスをもたらし、更に、レーザ加工を使用して第1の粗面部分230及び第2の粗面部分240を形成し、表面粗さを増加させ、封止部材の接着力を増加させて防水要求を満たし、フレーム500の第1の部分及び第3の部分は、ハウジング200に埋め込まれてハウジング200の強度を向上させる。
【0122】
本出願の更に別の態様による実施形態は、電気コネクタ1を製造するための方法を提供する。
【0123】
本出願の例示的な実施形態によれば、電気コネクタ1を製造するための方法は、複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20を設け、複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20によってそれぞれ第1の列の導電性要素101(下方列の端子)及び第2の列の導電性要素102(上方列の端子を形成する工程01)を含んでもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、工程01)において、複数の第1の端子10及び複数の第2の端子20は、各列がアレイ状に配列された第1の端子10及び第2の端子20を含むように、一列に並べて配列される。
【0125】
いくつかの実施形態では、図1及び図4を参照すると、工程01)は、複数の第1の端子10のうちのいくつか及び複数の第2の端子20のうちのいくつかをアレイ状に配列することによって第1の列の導電性要素101を形成することと、複数の第1の端子10のうちの他の端子及び複数の第2の端子20のうちの他の端子をアレイ状に配列することによって第2の列の導電性要素102を形成することと、を含んでもよい。
【0126】
本方法は、シールド(110)を設ける工程02)を含んでもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、工程02)は、プレートとして形成されたシールド110を設けることを含んでもよい。
【0128】
本方法は、第1の列の導電性要素101(下方列の端子)及びシールド110(中間シールドプレート)を第1の射出成形金型内に配置し、第1の射出成形物を形成して、第1の成形部材M1を形成する工程03)を含んでもよく、図11に示すように、第1の列の導電性要素101及びシールド110は、電気コネクタ1の厚さ方向Zにおいて互いに離間されている。
【0129】
図11及び図12を参照すると、いくつかの実施形態では、工程03)において、第2の列の導電性要素102を組み立てるための装着スロットは、第1の列の導電性要素101を位置付けるシールド110の側面部とは反対の第1の成形部材M1の側面部上に一体成形されてもよい。図11は、第2の列の導電性要素102が組み立てられていない第1の成形部材M1の状態を示す。図12は、第2の列の導電性要素102を第1の成形部材M1に組み立てた後の第1の成形部材M1の状態を示す。
【0130】
図示した例示的な実施形態では、第1の成形部材M1は、第1の列の導電性要素101(下方列の端子)及びシールド110(中間シールドプレート)の周囲に射出成形によって形成された端子アセンブリハウジング260を含む。端子アセンブリハウジング260は、第1の列の導電性要素101を位置付けるシールド110の側面部とは反対の第1の成形部材M1の側面部に、第2の列の導電性要素102を組み立てるための装着スロットを有するように構成されている。
【0131】
いくつかの実施形態では、図11に示すように、装着スロットは、端子アセンブリ100(/第1の成形部材M1)の嵌合端部側に近い複数の第1のスロット261と、端子アセンブリ100(/第1の成形部材M1)のテール端部側に近い複数の第3のスロット263と、電気コネクタ1の嵌合方向Yに沿って複数の第1のスロット261と複数の第3のスロット263との間に設けられた複数の第2のスロット262と、を含んでもよい。第1のスロット261、第2のスロット262及び第3のスロット263は、同じ数を有してもよく、電気コネクタ1の嵌合方向Yに互いに整列された対応する第1のスロット261、第2のスロット262及び第3のスロット263は、第2の列の導電性要素102を形成する端子のうちの1つを収容し、位置付けるために使用される。
【0132】
本方法は、図12に示されるように、第2の列の導電性要素102を第1の成形部材M1上に組み立て、第2の列の導電性要素102が第1の列の導電性要素101から電気コネクタ1の高さ方向Zに互いに離間され、シールド110が第1の列の導電性要素101と第2の列の導電性要素102との間に位置するように、第2の列の導電性要素(上方列の端子)を第1の成形部材M1に対して位置付ける工程04)を含んでもよい。
【0133】
本方法は、図14に示すように、第1の列の導電性要素(上方列の端子)及び第1の成形部材M1を第2の射出成形金型に配置し、フレーム500を補強部材として設け、フレーム500を第1の成形部材M1及び工程04)で組み立てられた第2の列の導電性要素102に対して所定の位置に位置付け、その後、組み立てられた補強部材(フレーム500)、第2の列の導電性要素102、及び第1の成形部材M1を金型コアとして第2の射出成形(オーバー射出成形)を実行し、第2の成形部材M2を形成する工程05)を含んでもよい。
【0134】
本出願の例示的な実施形態によれば、第2の成形部材M2は、一緒に組み立てられた第1の成形部材M1、第2の列の導電性要素102、及びフレーム500、並びにフレーム500をオーバー射出成形することによって形成される。第2の成形部材M2は、ハウジング200を含む。二段階射出成形によって、フレーム500は、ハウジング200の内部に埋め込まれ、それによって、電気コネクタにより大きな剛性を提供する。
【0135】
図示した例示的な実施形態では、補強部材としてのフレーム500は、図8に示すように、フレーム500の中央部分としての第1の部分510と、第1の部分510から電気コネクタ1の嵌合方向Yに電気コネクタ1のテール端部に向かって延在する第2の部分520と、第1部分510の両側から電気コネクタ1の厚さ方向Zに沿って電気コネクタ1の幅方向Xに第1部分510の両側から第2の列の導電素子102側に向かって張り出した第3部分530であって、第1の部分510と平行な脚部を有するL字状の段部が形成された、第3の部分530と、を有するように構成されてもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、工程03)において、フレーム500の第2の部分520を収容するための収容部分264(図8参照)は、端子アセンブリハウジング260の側に設けられてもよく、端子アセンブリハウジング260の上には、第1の列の導電性要素101が設けられ、工程04)において一緒に組み立てられた第1の成形部材M1及び第2の列の導電性要素102に対して所定の位置にフレーム500を位置付けるために、第1の成形部材M1を形成する間に、第1の成形部材M1のテール端部の近くにある。
【0137】
いくつかの実施形態では、第2の成形部材M2を形成するために二次射出成形(オーバー射出成形)を実行する間、フレーム500の第1の部分510は、成形によって第2の成形部材M2によって形成されたハウジング200内に埋め込まれてもよく、第2の部分520は、ハウジング200の外側に露出される。フレーム500の第3の部分530は、成形によって第2の成形部材M2によって形成されたハウジング200内に埋め込まれて、電気コネクタ1のブラケット250を形成してもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、第2の成形部材M2を形成するために二次射出成形(オーバー射出成形)を実行する間に、支持部分270は、ハウジング200のテール端部近くに成形によって形成されてもよい。フレーム500の第1の部分510は、ハウジング200の支持部分270に埋め込まれている。
【0139】
いくつかの実施形態では、第2の成形部材M2を形成するために二次射出成形(オーバー射出成形)を実行する間に、図14に示すように、溝210は、ハウジング200の支持部分270から所定の距離で支持部分270の嵌合端部側に形成されてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、図14に示すように、第2の成形部材M2を形成するために二次射出成形(オーバー射出成形)を実行する間に、キャビティ220は、電気コネクタ1の厚さ方向Zにおいてハウジング200の支持部分270の2つの対向する表面上に形成されてもよい。
【0141】
任意選択的に、溝210の溝表面及びキャビティ220の内面は、レーザ彫刻加工(レーザ加工とも呼ばれる)、又は放電加工、又はエンボス加工若しくはローレット加工によって粗面化されて、粗面化部分を形成してもよい。例示的な実施形態では、図10A図10Bに示すように、第1の粗面部分230は、溝210の溝表面上に形成されてもよい。第2の粗面部分240は、キャビティ220を端子アセンブリ100に穴の深さ方向に投影した領域に設けられてもよい。
【0142】
本方法は、図10及び図15に示すように、第1の粗面部分230及び第2の粗面部分240にそれぞれ接着剤を塗布し、接着剤を硬化させて、第1の粗面部分230及び第2の粗面部分240にそれぞれ第1の封止部材300及び第2の封止部材400を形成する工程06)を含んでもよい。
【0143】
本出願の電気コネクタを製造する方法は、上記の特定の実施形態において説明される方法に限定されず、説明される個々の工程は、非網羅的なリストのみを伴い、特定の順序を有さず、工程の順序は、実際の必要に応じて当業者によって調整され得ることを理解されたい。
【0144】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、本開示で説明されている。
【0145】
態様1.端子アセンブリ(例えば、100)であって、端子アセンブリは、第1の厚さを有し、電力を伝送するように構成された第1の端子(例えば、10)と、信号を伝送するように構成された第2の端子(例えば、20)と、を備え、各第2の端子(例えば、20)の少なくとも一部分は、第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有するように構成されている、端子アセンブリ。
【0146】
態様2.第1の厚さは、0.1mm~0.35mmの範囲である、態様1又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0147】
態様3.第2の端子(例えば、20)は、薄肉化加工を施された薄肉部分(例えば、21)を有するように構成され、薄肉部分(例えば、21)は、第2の厚さとしての厚さを有するように構成され、第2の端子(例えば、20)は、薄肉部分(例えば、21)以外の部分で0.1mm~0.25mmの範囲の厚さを有するように構成され、薄肉部分(例えば、21)は、0.01mm~0.10mmの範囲のより小さい厚さを有するように構成されている、態様1又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0148】
態様4.第1の端子(例えば、10)は、嵌合部分(例えば、11)及びテール部分(例えば、12)を含み、第2の端子(例えば、20)は、嵌合部分(例えば、22)及びテール部分(例えば、23)を含み、第2の端子(例えば、20)の嵌合部分(例えば、22)は、薄肉部分(例えば、21)を含み、第1の端子(例えば、10)の嵌合部分(例えば、11)は、均一な厚さを有するように構成されている、態様3又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0149】
態様5.第1の端子(例えば、10)は、5A~10Aの範囲の電流を搬送することができるように構成され、第2の端子(例えば、20)は、毎秒5Gbps~80Gbpsの範囲の速度で信号を伝送することができるように構成されている、態様1又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0150】
態様6.第1の端子(例えば、10)及び第2の端子(例えば、20)の各々は、耐食性のめっき層が設けられ、めっき層の材料は、白金、ロジウム-ルテニウム、及びパラジウムのうちのいずれか1つである、態様1又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0151】
態様7.電気コネクタであって、電気コネクタは、ハウジング(例えば、200)と、態様1~6のいずれか1つ又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ(例えば、100)と、を備え、複数の第1の端子(例えば、10)及び複数の第2の端子(例えば、20)が設けられ、電気コネクタの高さ方向(Z)に互いに上下に配列された2列の端子を形成し、ハウジング(例えば、200)は、2列の端子を固定するために、2列の端子の外側にスリーブ接続されている、電気コネクタ。
【0152】
態様8.2列の端子のうちの一方の列の端子は、複数の第1の端子(例えば、10)のうちのいくつかと複数の第2の端子(例えば、20)のうちのいくつかとによって形成される第1の列の導電性要素(例えば、101)として構成され、2列の端子のうちの他方の列の端子は、複数の第1の端子(例えば、10)のうちの他の端子と複数の第2の端子(例えば、20)のうちの他の端子とによって形成される第2の列の導電性要素(例えば、102)として構成され、第1の列の導電性要素(例えば、101)と第2の列の導電性要素(例えば、102)とは、電気コネクタの高さ方向において互いに対向して配設されている、態様7又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0153】
態様9.第1の列の導電性要素(例えば、101)を形成する複数の第2の端子のうちの少なくともいくつか及び第2の列の導電性要素(例えば、102)を形成する複数の第2の端子のうちの少なくともいくつかは、薄肉化加工が施された薄肉部分を有するように構成され、第1の列の導電性要素(例えば、101)を形成する薄肉部分を有する第2の端子と、第2の列の導電性要素(例えば、102)を形成する薄肉部分を有する第2の端子とは、高さ方向において互いに整列されている、態様8又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0154】
態様10.端子アセンブリ(例えば、100)は、第1の列の導電性要素(例えば、101)と第2の列の導電性要素(例えば、102)との間に位置するシールド(例えば、110)を備え、シールド(例えば、110)は、第1の列の導電性要素(例えば、101)及び第2の列の導電性要素(例えば、102)からそれぞれ高さ方向に所定の距離だけ離間されている、態様8若しくは9又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0155】
態様11.ハウジング(例えば、200)は、端子アセンブリハウジング(例えば、260)を含み、端子アセンブリハウジング(例えば、260)は、第1の端子(例えば、10)及び第2の端子(例えば、20)を収容するためのハウジング部分を画定し、第1の端子(例えば、10)のテール部分(例えば、12)及び第2の端子(例えば、20)のテール部分(例えば、23)は、射出成形によって端子アセンブリハウジング(例えば、260)のハウジング部分に成形される、態様7~9のいずれか1つ又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0156】
態様12.シールド(例えば、106)は、第1の列の導電性要素及び第2の列の導電性要素を形成する第1の端子のテール部分(例えば、12)及び第2の端子(例えば、20)のテール部分(例えば、23)と一緒に射出成形によって端子アセンブリハウジング(260)のハウジング部分に成形される、態様11又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0157】
態様13.電気コネクタは、第1の封止部材(例えば、300)を更に備え、ハウジング(例えば、200)の周縁部分に沿って溝(例えば、210)が設けられ、第1の封止部材(例えば、300)は、溝(例えば、210)の内側に設けられている、態様7又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0158】
態様14.電気コネクタは、第2の封止部材(例えば、400)を更に備え、ハウジング(例えば、200)には、端子アセンブリ(例えば、100)の上面に直交する穴の深さ方向を有するキャビティ(例えば、220)が設けられ、第2の封止部材(例えば、400)は、キャビティ(例えば、220)の内部に設けられている、態様13又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0159】
態様15.ハウジング(例えば、200)には、溝(例えば、210)の溝底に、第1の封止部材(例えば、300)とハウジング(例えば、200)との間の接着力を増大させるための第1の粗面部分(例えば、230)が設けられ、端子アセンブリ(例えば、100)には、キャビティ(例えば、220)を端子アセンブリ(例えば、100)に穴の深さ方向に投影した領域に、第2の封止部材(例えば、400)と端子アセンブリ(例えば、100)との間の接着力を高めるための第2の粗面部分(例えば、240)が設けられている、態様14又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0160】
態様16.第1の封止部材(例えば、300)は、弾性変形可能な部材であり、第1の封止部材(例えば、300)は、第1の封止部材(例えば、300)が電気コネクタに適合された電子デバイスの装着部分と接触するときに弾性変形し、電子デバイスの装着部分と締まり嵌めを形成するように構成されている、態様13又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0161】
態様17.第1の封止部材(例えば、300)は、ハウジング(例えば、200)の嵌合端部の周囲に周方向に連続して延在する環状形状を有するように構成され、第1の封止部材(例えば、300)は、ハウジング(例えば、200)の溝(例えば、210)とポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されている、態様13又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0162】
態様18.第2の封止部材(例えば、400)は、実質的に正方形の形状を有するように構成され、第2の封止部材(例えば、400)は、ハウジング(例えば、200)のキャビティとポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されている、態様14又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0163】
態様19.電気コネクタは、フレーム(例えば、500)を更に備え、フレーム(例えば、500)は、ハウジング(例えば、200)に埋め込まれた第1の部分(例えば、510)と、ハウジング(例えば、200)の外側に配設された第2の部分(例えば、520)と、第1の部分(例えば、510)の両側から延在することによって形成された第3の部分(例えば、530)と、を含み、ハウジング(例えば、200)には、その両側から延在するブラケット(例えば、250)が形成され、フレーム(例えば、500)の第3の部分(例えば、530)は、ブラケット(例えば、250)に埋め込まれている、態様14又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0164】
態様20.第1の部分(例えば、510)を収容するための収容部分(例えば、264)は、フレーム(例えば、500)が端子アセンブリハウジング(例えば、260)及び端子アセンブリ(例えば、100)に対して所定の位置に位置付けられるように、端子アセンブリハウジング(例えば、260)の末端の近傍に設けられていることを特徴とする、態様19又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0165】
態様21.ブラケット(例えば、250)を接続するハウジング(例えば、200)の中央部分には、キャビティ(例えば、220)が形成され、第2の封止部材(例えば、400)がキャビティ(例えば、220)内に配列される前に、第1の端子(例えば、10)及び第2の端子(例えば、20)のうちの対応する端子がキャビティ(例えば、220)を通って露出されている、態様19又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0166】
態様22.ハウジング(例えば、200)の嵌合部分には、中央部分から所定の位置に溝(例えば、210)が形成されている、態様21又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0167】
態様23.態様7~22のいずれか1つ又は任意の他の態様に記載の電気コネクタを製造するための方法であって、方法は、複数の第1の端子(例えば、10)及び複数の第2の端子(例えば、20)を設け、複数の第1の端子(例えば、10)のうちのいくつか及び複数の第2の端子(例えば、20)のうちのいくつかによって第1の列の導電性要素(例えば、101)を形成し、複数の第1の端子(例えば、10)のうちの他の端子及び複数の第2の端子(例えば、20)のうちの他の端子によって第2の列の導電性要素(例えば、102)を形成する工程01)と、シールド(例えば、110)を設ける工程02)と、第1の列の導電性要素(例えば、101)及びシールド(例えば、110)を第1の射出成形金型内に配置し、第1の射出成形を実行して、第1の成形部材(例えば、M1)を形成する工程03)と、第2の列の導電性要素(例えば、102)を第1の成形部材(例えば、M1)上に組み立てて、第2の列の導電性要素(例えば、102)を第1の成形部材(例えば、M1)に対して所定の位置に位置付ける工程04)と、フレーム(例えば、500)を設け、フレーム(例えば、500)を第1の成形部材(例えば、M1)及び第2の列の導電性要素(例えば、102)に対して所定の位置に位置付け、フレーム(例えば、500)、第2の列の導電性要素(例えば、102)、及び第1の成形部材(例えば、M1)を第2の射出成形金型内に配置し、第2の射出成形を実行して、ハウジング(例えば、200)を含む第2の成形部材(例えば、M2)を形成する工程05)と、を含む、方法。
【0168】
態様24.工程03)において、第2の列の導電性要素(例えば、102)を組み立てるための装着スロットは、第1の列の導電性要素(例えば、101)を位置付けるシールド(例えば、110)の側面部とは反対の第1の成形部材(例えば、M1)の側面部に一体的に成形される、態様23又は任意の他の態様に記載の方法。
【0169】
態様25.装着スロットは、第1の成形部材(例えば、M1)の嵌合端側に近い複数の第1のスロット(例えば、261)と、第1の成形部材(例えば、M1)の後端側に近い複数の第3スロット(例えば、263)と、電気コネクタ(例えば、1)の嵌合方向(Y)において複数の第1のスロット(例えば、261)と複数の第3のスロット(例えば、263)との間に設けられた複数の第2のスロット(例えば、262)と、を含み、複数の第1のスロット(例えば、261)の各々、複数の第2スロット(例えば、262)の各々、及び複数の第3スロット(例えば、263)の各々は、第2の列の導電性要素(例えば、102)を形成する端子のうちの対応する1つを収容し、位置付けるために、電気コネクタ(例えば、1)の嵌合方向(Y)において1対1の対応関係で互いに整列されている、態様24又は任意の他の態様に記載の方法。
【0170】
態様26.工程03)において形成される第1の成形部材(例えば、M1)は、端子アセンブリハウジング(例えば、260)を含み、収容部分(例えば、264)は、端子アセンブリハウジング(例えば、260)の側に設けられ、端子アセンブリハウジングの上に第1の列の導電性要素(例えば、101)が配列され、第1の成形部材(例えば、M1)のテール端部に近い、態様23又は任意の他の態様に記載の方法。
【0171】
態様27.工程05)において、フレーム(例えば、500)を設けることは、フレーム(例えば、500)を、フレーム(例えば、500)の中央部分としての第1の部分(例えば、510)と、第1の部分(例えば、510)から嵌合方向(Y)に電気コネクタ(例えば、1)のテール端部に向かって延在する第2の部分(例えば、520)と、第1の部分(例えば、510)の電気コネクタ(例えば、1)の幅方向(X)の両側から電気コネクタ(例えば、1)の高さ方向(Z)に張り出した第3の部分(例えば、530)と、を有するように構成することを含み、第3の部分(例えば、530)には、第1の部分(例えば、510)と平行な脚部を有するL字状の段部が形成され、第2の部分(例えば、520)は、収容部分(例えば、264)に収容されて、フレーム(例えば、500)を、工程04)で一緒に組み立てられた第1の成形部材(例えば、M1)及び第2の列の導電性素子(例えば、102)に対して所定の位置に位置付ける、態様26又は任意の他の態様に記載の方法。
【0172】
態様28.工程05)において、第2の射出成形を実行して、第2の成形部材(例えば、M2)を形成する間に、支持部分(例えば、270)は、ハウジング(例えば、200)のテール端部の近傍に形成され、溝(例えば、210)は、支持部分(例えば、270)から所定の距離で支持部分(例えば、270)の嵌合側に形成され、キャビティ(例えば、220)は、電気コネクタ(例えば、1)の高さ方向(Z)における支持部分(例えば、270)の2つの対向する表面に形成される、態様23又は任意の他の態様に記載の方法。
【0173】
態様29.方法は、電気コネクタ、溝(例えば、210)、及びキャビティ(例えば、220)を粗面化して、粗面部分を形成することを更に含む、態様28又は任意の他の態様に記載の方法。
【0174】
態様30.方法は、溝の粗面部分及び/又はキャビティの粗面部分に接着剤を塗布して、溝内に第1の封止部材(例えば、300)及び/又はキャビティ内に第2の封止部材(例えば、400)を形成することを更に含む、態様29又は任意の他の態様に記載の方法。
【0175】
態様31.工程03)において、第1の列の導電性要素(例えば、101)は、電気コネクタ(例えば、1)の高さ方向(Z)においてシールド(例えば、110)から離間されている、態様23又は任意の他の態様に記載の方法。
【0176】
態様32.工程04)において、第2の列の導電性要素(例えば、102)は、第2の列の導電性要素が電気コネクタ(例えば、1)の高さ方向(Z)において第1の列の導電性要素(例えば、101)から離間され、シールド(例えば、110)が第1の列の導電性要素(例えば、101)と第2の列の導電性要素(例えば、102)との間に位置するように、第1の成形部材(例えば、M1)に対して所定の位置に位置付けられている、請求項31に記載の方法。
【0177】
態様33.端子アセンブリ(例えば、100)は、横列方向に整列された複数の第1の端子(例えば、10)であって、複数の第1の端子の各々は、第1の端子の長さに沿って横列方向に直交する垂直方向に同じ厚さを有する、複数の第1の端子と、横列方向に複数の第1の端子と整列された複数の第2の端子(例えば、20)であって、複数の第2の端子の各々は、垂直方向において第2の端子の残りの部分よりも小さい厚さを有する部分(例えば、21)を含む、複数の第2の端子と、を備える。
【0178】
態様34.複数の第1の端子は、電力を伝送するように構成され、複数の第2の端子は、信号を伝送するように構成されている、態様33又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0179】
態様35.端子アセンブリは、USB-C規格に従って構成され、複数の第1の端子の各々は、5A~10Aの範囲の電流を搬送するように構成され、複数の第2の端子の各々は、毎秒5Gbps~80Gbpsの範囲の速度で信号を伝送するように構成されている、態様34又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0180】
態様36.複数の第1の端子の各々は、0.1mm~0.35mmの範囲の第1の厚さを有し、複数の第2の端子の各々について、厚さがより小さい部分は、0.01mm~0.10mmの範囲の厚さを有し、第2の端子の残りの部分は、0.1mm~0.25mmの範囲の厚さを有する、態様33又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0181】
態様37.複数の第2の端子の各々は、別の構成要素と嵌合するように構成された嵌合部分を含み、第2の端子の嵌合部分は、厚さがより小さい部分を含む、態様33又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0182】
態様38.複数の第2の端子の各々は、嵌合部分の反対側にあり、基板への表面装着のために構成されたテール部分を含む、態様37又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0183】
態様39.複数の第1の端子及び複数の第2の端子の各々は、白金、ロジウム-ルテニウム、及びパラジウムのうちの1つ以上のめっき層を含む、態様38又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0184】
態様40.複数の第1の端子及び複数の第2の端子の各々は、テール部分に隣接する粗面部分(例えば、240)を含み、それぞれの端子の粗面部分は、封止部材を端子の粗面部分に取り付けることができるように、それぞれの端子の他の部分よりも高い表面粗さを有する、態様38又は任意の他の態様に記載の端子アセンブリ。
【0185】
態様41.電気コネクタは、本体と、本体から嵌合方向に延在する舌片と、本体の側面部から延在するブラケットと、を含むハウジングと、ハウジングによって一列に並べて保持された複数の伝導性要素であって、複数の伝導性要素の各々は、ハウジングの舌部によって保持された嵌合部分と、ハウジングから延在するテール部分と、を含む、複数の伝導性要素と、ハウジングの本体に埋め込まれた第1の部分(例えば、510)と、ハウジングの外側に配設された第2の部分(例えば、520)と、ハウジングのブラケット(例えば、250)に埋め込まれた第3の部分(例えば、530)と、を含む、フレーム(例えば、500)と、を備える。
【0186】
態様42.ハウジングは、本体と舌部との間に配設され、ハウジングの他の部分よりも高い粗さを有する表面を有する溝(例えば、210)を含み、封止部材(例えば、400)は、ハウジングの溝の表面に取り付けられている、態様41又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0187】
態様43.溝は、ハウジングの周縁部分に沿って配設されている、態様42又は任意の他の態様の電気コネクタ。
【0188】
態様44.ブラケットは、ハウジングの本体の第1の側面部から延在する第1のブラケットであり、ハウジングは、ハウジングの本体の第1の側面部とは反対側の第2の側面部から延在する第2のブラケットを含み、封止部材は、第1のブラケットと第2のブラケットとの間に配設されている、態様42又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0189】
態様45.第1のブラケット及び第2のブラケットの各々は、穴を含み、フレームの第3の部分は、第1のブラケット及び第2のブラケットの穴と整列された穴を含む、態様44又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0190】
態様46.封止部材は、第1の封止部材であり、ハウジングの本体は、キャビティ(例えば、220)を含み、電気コネクタは、ハウジングの本体のキャビティ内に配設され、ハウジングの本体のキャビティを通過する複数の伝導性要素の部分に取り付けられた第2の封止部材(例えば、300)を備える、態様42又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0191】
態様47.ハウジングの本体のキャビティを通過する複数の伝導性要素の部分は、それぞれの伝導性要素の他の部分よりも高い粗さを有する表面を有する、態様42又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0192】
態様48.複数の伝導性要素は、各々がその長さに沿って均一な厚さを有する第1の端子(例えば、10)と、嵌合部分においてテール部分よりも小さい厚さを有する第2の端子(例えば、20)と、を含む、態様41又は任意の他の態様に記載の電気コネクタ。
【0193】
態様49.電気コネクタを製造するための方法であって、複数の伝導性要素を設けることと、複数の伝導性要素(例えば、10、20)の少なくとも一部の上にアセンブリハウジング(例えば、260)を成形することと、アセンブリハウジングにフレーム(例えば、500)を配設することと、フレームの一部分の上にコネクタハウジング(例えば、200)を成形することと、を含む、方法。
【0194】
態様50.複数の伝導性要素は、第1の列に整列された第1の複数の伝導性要素であり、方法は、第1の列に平行な第2の列に第2の複数の伝導性要素を配設してから、フレームをアセンブリハウジング上に配設することを含む、態様49又は任意の他の態様に記載の方法。
【0195】
態様51.コネクタハウジングは、コネクタハウジングの周方向の周囲に溝(例えば、210)を含み、方法は、ハウジングの溝の表面を粗面化することと、ハウジングの溝内に封止部材(例えば、400)を形成することと、を含む、態様49又は任意の他の態様に記載の方法。
【0196】
態様52.封止部材は、前方封止部材であり、ハウジングは、複数の伝導性要素が通過するキャビティ(例えば、220)を含み、方法は、ハウジングのキャビティ内で、キャビティを通過する複数の伝導性要素の周囲に後方封止部材(例えば、300)を形成することを含む、態様51又は任意の他の態様に記載の方法。
【0197】
いくつかの実施形態の上記のいくつかの態様を説明してきたが、様々な変更、修正、及び改善が、当業者にとって容易に着想されることを理解されたい。このような変更、修正、及び改善は、本開示の一部であることが意図され、本発明の趣旨及び範囲内にあることが意図される。本教示を様々な実施形態及び実施例と併せて説明してきたが、本教示がこのような実施形態又は実施例に限定されることは意図されていない。それどころか、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替例、変更例、及び等価物を包含する。
【0198】
実施例として、多くの創造的な態様が、直角コネクタを参照して上述されてきたが、本開示の態様は直角コネクタに限定されないことが理解されるべきである。創造的特徴のいずれも、単独で、又は1つ以上の他の創造的特徴と組み合わされるかにかかわらず、垂直コネクタなどの他のタイプの電気コネクタにも使用され得る。
【0199】
更に、本発明のいくつかの利点が示され得るが、本発明の全ての実施形態が全ての記載された利点を含むわけではないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態は、有利なものとして説明される任意の特徴を実装しない場合がある。したがって、前述の説明及び図面は、単なる例である。
【0200】
また、説明される技術は、方法として具現化され得、その少なくとも一実施例が提供されている。方法の一部として実行される動作は、任意の好適な方式で順序付けられ得る。したがって、例解的な実施形態では連続した動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、例解されたものとは異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得る。
【0201】
定義され、使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味に優先すると理解されるべきである。
【0202】
本開示の説明において、「前(front)」、「後(rear)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「横方向(transverse direction)」、「垂直方向(vertical direction)」、「直交(perpendicular)」、「水平(horizontal)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」などの配向語によって示される配向及び位置関係は、本開示の説明を容易にし、説明を簡略化するために、添付の図面に基づいて示されると理解されるべきである。反対の記載がない限り、これらの配向語は、特定の装置又は要素が、具体的な方向に、具体的に位置、及び構築、及び動作されなければならないことを示す又は暗示するものではなく、したがって、本開示に対する限定として理解されるべきではない。「内側(inside)」及び「外側(outside)」という配向語は、各構成要素自体の輪郭に対する内側及び外側を指す。
【0203】
説明を容易にするために、「~上(on)」、「上方(above)」、「上面上(on a upper surface of)」及び「上(upper)」などの空間的に相対的な用語は、1つ以上の構成要素又は特徴と、添付図面に示される他の構成要素又は特徴との間の、空間的な位置関係を表すために、使用され得る。空間的に相対的な用語は、添付の図面に示される構成要素の配向を含むだけではなく、使用中又は動作中の異なる配向もまた含むことを理解されたい。
【0204】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに留意されたい。本明細書で使用される場合、単数形の表現は、特に指示がない限り、複数形の表現を含む。加えて、「含む(including)」及び/又は「備える(comprising)」という用語が本明細書で使用される場合、それは、特徴、ステップ、動作、部品、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在を示すこともまた理解されたい。
【0205】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、反対に明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0206】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/又は(and/or)」という句は、このように結合された要素の「いずれか又は両方(either or both)」、例えば、結合的に存在する場合もあれば、分離的に存在する場合もある要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」で列挙された複数の要素は、同じように、例えば、このように結合された要素のうちの「1つ以上(one or more)」と解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に識別される要素以外の他の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB(A and/or B)」への言及は、「備える(comprising)」などのオープンエンド言語と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)、などを指し得る。
【0207】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「又は」は、先に定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離した場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、例えば、いくつかの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、任意選択的に、追加の列挙されていない項目を含むものとして解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」又は「のうちの正確に1つ(exactly one of)」などの反対のことを明確に示す用語だけが、又は特許請求の範囲で使用される場合は「からなる(consisting of)」が、いくつかの要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。全般的に、使用される場合、「又は」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正確に1つ」などの排他性の用語によって先行される場合のみ、排他的代替物(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない(one or the other but not both)」)を示すものとして解釈されるものとする。特許請求の範囲において使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許法の分野において使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0208】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ(at least one)」という句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙された各及び全ての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しないと理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が言及する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されたこれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」(又は等価的に「A又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A or B)」、又は等価的に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and/or B)」)は、一実施形態では、任意選択的に2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわち、Bの存在を伴わないA(及び任意選択的にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、任意選択的に2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわち、Aの存在を伴わないB(及び任意選択的にA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、任意選択的に2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわちA、並びに任意選択的に2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわち、B(及び任意選択的に他の要素を含む)、などを指し得る。
【0209】
特許請求の範囲において、並びに上記の明細書において、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「携持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」などのような移行句は全て、オープンエンドであること、例えば、含むがそれに限定されないことを意味することを理解されたい。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、明確に列挙されたステップ又はユニットに限定される必要はなく、代わりに、明確に列挙されていない、又はこれらのプロセス、方法、製品、若しくはデバイスに固有の他のステップ又はユニットを、含み得る。「~からなる(consisting of)」及び「~から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ、クローズド又は半クローズドの移行句であるものとする。
【0210】
特許請求の範囲は、その旨が述べられていない限り、記載される順序又は要素に限定されるものとして読まれるべきではない。添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって、形態及び詳細の様々な変更を行われ得ると理解されたい。以下の特許請求の範囲及び等価物の趣旨及び範囲内にある全ての実施形態が、特許請求される。
【0211】
上記明細書と同様に、本特許請求の範囲においても、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの順序の用語の使用は、それ自体では、いかなる優先性、先行性、又はある要素の別のものに対する順序、若しくは方法の動作が行われる時間的順序を意味するものでなく、単に、要素を区別するために、特定の名前を有するある要素を(順序の用語の使用がなければ)同じ名前を有する別の要素から区別するためのラベルとして使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】