(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011085
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(plasminogen activator inhibitor 1)(PAI-1)阻害剤(inhibitor)およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20250116BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20250116BHJP
A61K 31/341 20060101ALI20250116BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20250116BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20250116BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20250116BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P17/00
A61K31/341
A61K8/49
A61Q5/00
A61P17/02
A61P9/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024158484
(22)【出願日】2024-09-12
(62)【分割の表示】P 2021514401の分割
【原出願日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】62/731,074
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519180208
【氏名又は名称】エイリオン セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・エデルソン
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C083AC841
4C083AC842
4C083CC31
4C083EE24
4C084AA17
4C084MA52
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4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA921
4C084ZA922
4C084ZC411
4C084ZC412
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA03
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA89
4C086ZA92
4C086ZC41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】毛髪の白髪化、ケロイド、強皮症を含む、特定の皮膚科学的状態の処置および/または予防のための方法を提供する。
【解決手段】プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤を含むか、またはデリバリーする組成物を提供すること、PAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように組成物を対象の部位に投与することであって、部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有したことがある、投与することを含む、方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚科学的状態を処置する方法であって、
プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤を含むかまたはデリバリーする組成物を提供すること、
PAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように組成物を対象の部位に投与することであって、部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有したことがある、投与すること
を含む、方法。
【請求項2】
投与することが、皮膚表面の部位に局所的に塗布することによるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
投与することが、組成物を皮膚表面に一定期間維持することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
投与することが注射によるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
皮膚科学的状態を処置する方法であって、
プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤を含むかまたはデリバリーする組成物を提供すること、
PAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように組成物を対象に投与することであって、対象の部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有したことがある、投与すること
を含む、方法。
【請求項6】
投与することが経口投与によるものである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一定期間後、残存する組成物を部位から除去することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
組成物を投与する工程が、組成物を部位に擦り込むことを含む、請求項3、4または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
一定期間が少なくとも1分である、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
一定期間が少なくとも1時間である、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
一定期間が1~10分の範囲内である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
PAI-1阻害剤が、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、金属、ポリマー、治療抗体およびこれらの組合せからなる群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
核酸がsiRNAであるかまたはこれを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸、5-クロロ-2-{[{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}安息香酸、ベンゾピラン化合物、ブタジエン、スピロノラクトン、イミダプリル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI、カプトプリルまたはエナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(AIIRA)、デフィブロチド(ポリデオキシリボヌクレオチド)およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液であるかまたはこれを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
PAI-1阻害剤を含む組成物がフォームであるかまたはこれを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
PAI-1阻害剤を含む組成物がエマルジョンを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
エマルジョンがナノエマルジョンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
浸透処置を投与する工程をさらに含む、請求項1~3または7~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
浸透処置が非刺激性化学剤であるかまたはこれを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
浸透処置が電場または磁場の投与であるかまたはこれを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
浸透処置がマイクロニードリングであるかまたはこれを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
浸透処置がレーザー処置であるかまたはこれを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
PAI-1阻害剤が、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に部位に浸透する、請求項1~3または7~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
PAI-1阻害剤が、投与の約5~約60分、約5~約12分、約5~約15分または約15~約30分以内に部位に浸透する、請求項1~3または7~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
PAI-1阻害剤が、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または24時間以内に部位に浸透する、請求項1~3または7~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
PAI-1阻害剤が、投与の約1~約12時間、約8~約12時間または12時間~約24時間以内に部位に浸透する、請求項1~3または7~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
組成物の経時的な1回より多くの投与を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
PAI-1阻害剤を含む各投与が特定の期間によって隔てられる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
特定の期間が、基準処置レジメンを投与するための特定の期間と比べて長い、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
皮膚科学的状態が毛髪の白髪化であるかまたはこれを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
毛髪が白髪である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
組成物が懸濁液、フォーム、ローション、クリーム、ゲル、オイル、粉末、湿布薬または液滴として製剤化されている、請求項1~3または7~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
皮膚科学的状態の発生または進行を予防する方法であって、
プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤を含むかまたはデリバリーする組成物を提供すること、
組成物を対象の部位に局所的に投与することであって、部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有した皮膚表面である、投与すること、および
PAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように、組成物を一定期間部位に放置すること
を含む、方法。
【請求項36】
一定期間後、残存する組成物を部位から除去することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
組成物を投与する工程が、組成物を部位に擦り込むことを含む、請求項25または請求項36に記載の方法。
【請求項38】
一定期間が、約1~約10分、約5~約60分、約5~約12分、約5~約15分または約15~約30分、約1~約12時間、約8~約12時間または12~約24時間の範囲内である、請求項35~37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
PAI-1阻害剤が、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、金属、ポリマー、治療抗体およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項35~37のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
核酸がsiRNAであるかまたはこれを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸、5-クロロ-2-{[{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}安息香酸、ベンゾピラン化合物、ブタジエン、スピロノラクトン、イミダプリル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI、カプトプリルまたはエナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(AIIRA)、デフィブロチド(ポリデオキシリボヌクレオチド)およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液であるかまたはこれを含む、請求項35~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
PAI-1阻害剤を含む組成物がフォームであるかまたはこれを含む、請求項35~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
PAI-1阻害剤を含む組成物がエマルジョンを含む、請求項35~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
エマルジョンがナノエマルジョンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
浸透処置を投与する工程をさらに含む、請求項35~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
浸透処置が非刺激性化学剤であるかまたはこれを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
浸透処置が電場または磁場の投与であるかまたはこれを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
浸透処置がマイクロニードリングであるかまたはこれを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
浸透処置がレーザー処置であるかまたはこれを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
PAI-1阻害剤が、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に部位に浸透する、請求項35~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
PAI-1阻害剤が、投与の約5~約60分、約5~約12分、約5~約15分または約15~約30分以内に部位に浸透する、請求項35~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
PAI-1阻害剤が、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または24時間以内に部位に浸透する、請求項35~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
PAI-1阻害剤が、投与の約1~約12時間、約8~約12時間または12時間~約24時間以内に部位に浸透する、請求項35~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
PAI-1阻害剤を含む組成物の経時的な1回より多くの投与を含む、請求項35~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
PAI-1阻害剤を含む各投与が特定の期間によって隔てられる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
特定の期間が、基準処置レジメンを投与するための特定の期間と比べて長い、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
皮膚科学的状態が毛髪の白髪化であるかまたはこれを含む、請求項35~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
毛髪が白髪ではない、請求項35~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
組成物が、懸濁液、フォーム、ローション、クリーム、ゲル、オイル、粉末、湿布薬または液滴として製剤化されている、請求項35~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
治療有効量のPAI-1阻害剤および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項63】
局所的投与のために製剤化されている、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
治療有効量が、約0.1%w/w~約5%w/w、約0.1%~約10%w/w、約0.1%~約15%w/w、約0.1%w/w~約20%w/wまたは約1%w/w~約5%w/wである、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
経口投与のために製剤化されている、請求項62に記載の組成物。
【請求項66】
治療有効量が、約10mg/日~約100mg/日、約10mg/日~約200mg/日、約10mg/日~約300mg/日、約10mg/日~約400mg/日、約10mg/日~約500mg/日、約10mg/日~約600mg/日、約10mg/日~約700mg/日、約10mg/日~約800mg/日、約10mg/日~約900mg/日または約10mg/日~約1000mg/日である、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
PAI-1阻害剤が、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、金属、ポリマー、治療抗体およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項62~66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
核酸がsiRNAであるかまたはこれを含む、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸、5-クロロ-2-{[{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}安息香酸、ベンゾピラン化合物、ブタジエン、スピロノラクトン、イミダプリル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI、カプトプリルまたはエナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(AIIRA)、デフィブロチド(ポリデオキシリボヌクレオチド)およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項67に記載の組成物。
【請求項70】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸である、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液であるかまたはこれを含む、請求項62~70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項72】
PAI-1阻害剤を含む組成物がフォームであるかまたはこれを含む、請求項62~70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項73】
PAI-1阻害剤を含む組成物がエマルジョンを含む、請求項62~70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項74】
エマルジョンがナノエマルジョンである、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液、フォーム、ローション、クリーム、ゲル、オイル、粉末、湿布薬または液滴として製剤化されている、請求項62~74のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項76】
PAI-1阻害剤を含む組成物、および部位への投与後にPAI-1阻害剤を含む組成物をカバーするのに使用されるパッチを含む、キット。
【請求項77】
PAI-1阻害剤を含む組成物がパッチに組み込まれる、請求項76に記載のキット。
【請求項78】
パッチがマイクロニードルを含む、請求項76または請求項77に記載のキット。
【請求項79】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液であるかまたはこれを含む、請求項76~78のいずれか一項に記載のキット。
【請求項80】
PAI-1阻害剤を含む組成物がフォームであるかまたはこれを含む、請求項76~78のいずれか一項に記載のキット。
【請求項81】
PAI-1阻害剤を含む組成物がエマルジョンを含む、請求項76~78のいずれか一項に記載のキット。
【請求項82】
エマルジョンがナノエマルジョンである、請求項81に記載のキット。
【請求項83】
PAI-1阻害剤を含む組成物、PAI-1阻害剤を含む組成物の対象の部位への浸透を容易にするためのデバイス、および組成物を部位に投与するための説明書を含む、キット。
【請求項84】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液であるかまたはこれを含む、請求項83に記載のキット。
【請求項85】
PAI-1阻害剤を含む組成物がフォームであるかまたはこれを含む、請求項83に記載のキット。
【請求項86】
PAI-1阻害剤を含む組成物がエマルジョンであるかまたはこれを含む、請求項83に記載のキット。
【請求項87】
エマルジョンがナノエマルジョンである、請求項86に記載のキット。
【請求項88】
デバイスがブラシまたはコームである、請求項83~87のいずれか一項に記載のキット。
【請求項89】
デバイスがパッチ、ローラーまたはペンである、請求項83~88のいずれか一項に記載のキット。
【請求項90】
PAI-1阻害剤を含む組成物が、懸濁液、フォーム、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲルまたは液滴として製剤化されている、請求項76~89のいずれか一項に記載のキット。
【請求項91】
治療有効量のPAI-1阻害剤を含む組成物であって、組成物が、1または複数の白髪を含む動物に投与されたとき、
(i)複数の白髪の数の低減、
(ii)1または複数の白髪ではない毛髪の白髪化の予防、および
(iii)1または複数の白髪ではない毛髪の白髪化の発症の遅延
の少なくとも1つを達成することを特徴とする、組成物。
【請求項92】
局所的投与のために製剤化されている、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
治療有効量が、約0.1%w/w~約5%w/w、約0.1%~約10%w/w、約0.1%~約15%w/w、約0.1%w/w~約20%w/wまたは約1%w/w~約5%w/wである、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
経口投与のために製剤化されている、請求項91に記載の組成物。
【請求項95】
治療有効量が、約10mg/日~約100mg/日、約10mg/日~約200mg/日、約10mg/日~約300mg/日、約10mg/日~約400mg/日、約10mg/日~約500mg/日、約10mg/日~約600mg/日、約10mg/日~約700mg/日、約10mg/日~約800mg/日、約10mg/日~約900mg/日または約10mg/日~約1000mg/日である、請求項94に記載の組成物。
【請求項96】
PAI-1阻害剤が、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、金属、ポリマー、治療抗体およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項91~95のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項97】
核酸がsiRNAであるかまたはこれを含む、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸、5-クロロ-2-{[{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}安息香酸、ベンゾピラン化合物、ブタジエン、スピロノラクトン、イミダプリル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI、カプトプリルまたはエナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(AIIRA)、デフィブロチド(ポリデオキシリボヌクレオチド)およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項96に記載の組成物。
【請求項99】
PAI-1阻害剤が、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸である、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液であるかまたはこれを含む、請求項91~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項101】
PAI-1阻害剤を含む組成物がフォームであるかまたはこれを含む、請求項91~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項102】
PAI-1阻害剤を含む組成物がエマルジョンを含む、請求項91~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項103】
エマルジョンがナノエマルジョンである、請求項102に記載の組成物。
【請求項104】
PAI-1阻害剤を含む組成物が懸濁液、フォーム、ローション、クリーム、ゲル、オイル、粉末、湿布薬または液滴として製剤化されている、請求項91~103のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項105】
皮膚科学的状態が毛髪の白髪化である、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
1種または複数の他の活性剤を投与することをさらに含み、1種または複数の他の活性剤が、ケイヒ酸アミドプロピルトリモニウムクロリド、固体脂質ナノ粒子、l-シスチン、l-メチオニン、メラトニンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
皮膚科学的状態がケロイドである、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
1種または複数の他の活性剤を投与することをさらに含み、1種または複数の他の活性剤が、加圧療法、シリコーンゲルシーティング、病変内トリアムシノロンアセトニド(TAC)、凍結外科手術、放射線照射、レーザー療法、IFN、5-FU、高圧酸素療法(HBOT)を使用した高用量の酸素、凍結療法、外科的切除、局所的薬剤およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
皮膚科学的状態が強皮症である、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
1種または複数の他の活性剤を投与することをさらに含み、1種または複数の他の活性剤が、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、NSAID、COX-2阻害剤、鎮痛剤、低用量コルチコステロイド、麻酔薬、制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害剤、運動促進剤、ソマトスタチンアゴニスト、抗生物質、プロスタグランジン誘導体、トレプロスチニル、イロプロスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、IP受容体アゴニスト、ホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)阻害剤、抗線維化剤、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫抑制薬、アルキル化剤、ピロカルピンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
皮膚科学的状態がレイノー現象である、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
1種または複数の他の活性剤を投与することをさらに含み、1種または複数の他の活性剤が、カルシウムチャネルブロッカー、アルファブロッカー、ニトログリセリン、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン再取込み阻害剤、三硝酸グリセリル、タダラフィル、イチョウエキス、SLx-2101、セントジョーンズワート、ファスジル、シロスタゾール、イロプロスト、リラキシン、トレプロスチニルジエタノールアミン、シルデナフィル、アトルバスタチン、イマチニブメシル酸塩、トレプロスチニルジエタノールアミンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項111に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2018年9月13日出願の米国仮出願第62/731,076号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の白髪化(graying)または他の皮膚科学的状態は、多くの場合大きな不安を助長する。多くの人々は、特に白髪化が時期尚早に現れた場合、白髪を隠すために労をいとわない。以前に利用可能な治療は大部分が不十分であることが証明されており、したがって新規の処置選択肢が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、とりわけ、特に毛髪の白髪化を含むある特定の皮膚科学的状態の処置および/または予防のための新規の技術(例えば、方法、キット、組成物など)を提供する。中でも、本開示は、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤が、ある特定の皮膚科学的状態の処置および/または予防、例えば毛髪の白髪化の処置および/または予防に有用である可能性があるという洞察を提供する。
【0004】
当業者は、PAI-1の過剰発現が、血餅の生理的分解である線維素溶解に本質的な、プラスミノーゲンからプラスミンへの変換の阻止に関連付けられることを認識する。本開示は、PAI-1がまた、ある特定の皮膚科学的状態に関連付けられうるという洞察を提供する。本開示は、毛髪の白髪化を含むある特定の皮膚科学的状態の処置および/または予防のための新規の技術(例えば、方法、キット、組成物など)を提供する。代替的にまたはさらに、一部の実施形態では、提供される技術は、ケロイド、強皮症およびレイノー現象などの皮膚科学的状態の処置および/または予防に利用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態では、本開示は、皮膚科学的状態を処置する方法であって、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤を含むかまたはデリバリーする組成物を提供すること、PAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように組成物を対象の部位に投与することであって、部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有したことがある、投与することを含む方法を提供する。さらにまたは代替的に、一部の実施形態では、本開示は、皮膚科学的状態を処置する方法であって、PAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように提供される組成物を対象に投与することであって、対象の部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有したことがある、投与することを含む方法を提供する。
【0006】
一部の実施形態では、本開示は、皮膚科学的状態の発生または進行を予防する方法であって、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害剤を含むかまたはデリバリーする組成物を提供すること、組成物を対象の部位に局所的に投与することであって、部位が、それぞれがその中に位置する毛髪を有する複数の毛包を含有するかまたは含有したことがある皮膚表面である、投与すること、およびPAI-1阻害剤が対象にデリバリーされるように、組成物を一定期間にわたって部位に放置することを含む方法を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、本開示は、皮膚科学的状態の発生または進行を処置および/または予防するための新規の技術を提供する。一部の実施形態では、皮膚科学的状態は、毛髪の白髪化であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、皮膚科学的状態は、ケロイドであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、皮膚科学的状態は、強皮症であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、皮膚科学的状態は、レイノー病であるかまたはこれを含む。
【0008】
一部の実施形態では、本開示は、治療有効量のPAI-1阻害剤を含むおよび/またはデリバリーする新規の組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、治療有効量のPAI-1阻害剤および薬学的に許容される担体を含むおよび/またはデリバリーする新規の組成物を提供する。一部の実施形態では、w/wでの治療有効量は、約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、約0.1%~約20%または約1%~約5%である。一部の実施形態では、治療有効量は、約10mg/日~約100mg/日、約10mg/日~約200mg/日、約10mg/日~約300mg/日、約10mg/日~約400mg/日、約10mg/日~約500mg/日、約10mg/日~約600mg/日、約10mg/日~約700mg/日、約10mg/日~約800mg/日、約10mg/日~約900mg/日または約10mg/日~約1000mg/日である。
【0009】
一部の実施形態では、提供される新規の組成物は、少なくとも1種の皮膚科学的状態を患うかまたは罹患しやすい動物に投与されたとき、(i)動物における少なくとも1種の皮膚科学的状態の処置、(ii)動物における少なくとも1種の皮膚科学的状態の進行の遅延、遅滞または予防の少なくとも1つを達成することを特徴とする。ある特定の詳細な実施形態では、例えば皮膚科学的状態が毛髪の白髪化であるかまたはこれを含むとき、提供される新規の組成物は、そのような毛髪の白髪化を患うかまたは罹患しやすい動物に投与されたとき、(i)白髪(例えば、投与部位におよび/または付近に存在する)の数の低減、(ii)1または複数の白髪ではない毛髪(例えば、投与部位におよび/または付近に存在する)の白髪化の予防、ならびに(iii)1または複数の白髪ではない毛髪(例えば、投与部位におよび/または付近に存在する)の白髪化の発症の遅延の少なくとも1つを達成することを特徴としてもよい。
【0010】
一般的に、本開示による組成物の投与は、種々の経路のいずれによってもよい。一部の実施形態では、投与は局所的である。一部の実施形態では、投与は注射による。一部の実施形態では、投与は経口である。
【0011】
一部の実施形態では、投与は全身デリバリーを達成する。一部の実施形態では、投与は局部的デリバリーを達成する。
【0012】
一部の実施形態では、投与は、組成物を一定期間にわたって部位にまたは部位上に維持することであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、投与は、組成物を部位に擦り込むことであるかまたはこれを含む。
【0013】
一部の実施形態では、組成物は、少なくとも1分間の一定期間にわたって部位にまたは部位上に維持される。一部の実施形態では、一定期間は少なくとも1時間である。一部の実施形態では、一定期間は1~10分間の範囲内である。一部の実施形態では、一定期間は約1~約10分間、約5~約60分間、約5~約12分間、約5~約15分間または約15~約30分間、約1~約12時間、約8~約12時間または12~約24時間の範囲内である。
【0014】
一部の実施形態では、皮膚科学的状態を処置する提供される方法は、投与された組成物をその投与部位から除去すること(例えば、一定期間後に残存しうる組成物を除去すること)を含んでもよい。一部の実施形態では、そのような除去することは、すすぐことまたは拭き取ること(例えば、一部の実施形態では湿潤であってもよく、または一部の実施形態では乾燥であってもよいワイプを使用して)であるかまたはこれを含む。
【0015】
一部の実施形態では、本開示によって組成物が投与される部位は、皮膚表面にあってもよい。一部の実施形態では、部位は毛包であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、部位は毛髪を含む。一部の実施形態では、部位は、筋肉または筋肉群を覆う皮膚であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、部位は無毛である。一部の実施形態では、部位は胴にある。一部の実施形態では、部位は背中にある。一部の実施形態では、部位は胸部にある。一部の実施形態では、部位は臀部にある。一部の実施形態では、部位は股にある。一部の実施形態では、部位は鼠径部にある。一部の実施形態では、部位は頭部にある。一部の実施形態では、部位は頭皮にある。一部の実施形態では、部位は顔にある。一部の実施形態では、部位は首にある。一部の実施形態では、部位は胸元にある。一部の実施形態では、部位は腋下にある。一部の実施形態では、部位は腋窩にある。一部の実施形態では、部位は手にある。一部の実施形態では、部位は足にある。一部の実施形態では、部位は腕にある。一部の実施形態では、部位は脚にある。一部の実施形態では、部位は以前に毛髪または毛包を有したが、もはや毛髪または毛包を有さない。一部の実施形態では、部位は毛包を有する。一部の実施形態では、部位に存在する毛包は、通常の構造(structure)および/または密度を有する。一部の実施形態では、部位は毛髪を有する。一部の実施形態では、そのような毛髪は白髪であるが、一部の実施形態では、そのような毛髪は白髪ではない。
【0016】
一部の実施形態では、本開示によって使用されるPAI-1阻害剤は、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、金属またはこれらの組合せであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、ポリマー(例えば、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド)であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、抗体(例えば、抗PAI-1抗体)であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、核酸であるかまたはこれを含む(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAなどのオリゴヌクレオチドである)。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、小分子であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸、5-クロロ-2-{[{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}安息香酸、ベンゾピラン化合物、ブタジエン、スピロノラクトン、イミダプリル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI、例えばカプトプリルまたはエナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(AIIRA)、デフィブロチド(ポリデオキシリボヌクレオチド)またはこれらの任意の組合せであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸であるかまたはこれを含む。
【0017】
一部の実施形態では、本開示は、PAI-1阻害剤を含むおよび/またはデリバリーする組成物を提供するおよび/または利用する。一部の実施形態では、そのような組成物は、懸濁液であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、そのような組成物は、フォームであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、そのような組成物は、エマルジョン、例えばナノエマルジョンであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、そのような組成物は、懸濁液、フォーム、ローション、クリーム、ゲル、オイル(oil)、粉末、湿布薬または液滴として製剤化される。
【0018】
一部の実施形態では、皮膚科学的状態を処置する提供される方法は、浸透(penetrating)処置を投与する工程を含む。一部の実施形態では、浸透処置は、非刺激性化学剤であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、浸透処置は、電場または磁場の投与であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、浸透処置は、マイクロニードリングであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、浸透処置は、レーザー処置であるかまたはこれを含む。
【0019】
一部の実施形態では、提供される技術は、PAI-1阻害剤の投与部位への浸透を補助する。一部の実施形態では、提供されるPAI-1阻害剤(例えば、本明細書に記載される組成物中のまたはからの)は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内にその投与部位に浸透する。一部の実施形態では、提供されるPAI-1阻害剤は、投与の約5~約60分、約5~約12分、約5~約15分または約15~約30分以内に投与部位に浸透する。一部の実施形態では、提供されるPAI-1阻害剤は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または24時間以内に投与部位に浸透する。一部の実施形態では、提供されるPAI-1阻害剤は、投与の約1~約12時間、約8~約12時間、または12時間~約24時間以内に投与部位に浸透する。
【0020】
一部の実施形態では、本開示によると、皮膚科学的状態の処置および/または予防の方法は、PAI-1阻害剤組成物の経時的な2回以上の投与を含む。一部の実施形態では、組成物の2回以上の投与の投与は、特定の期間によって隔てられる。本開示によると、一部の実施形態では、組成物を投与するための特定の期間は、基準処置レジメンを投与するための特定の期間より長くてもよい。
【0021】
ある特定の実施形態では、PAI-1阻害剤を含むかまたはデリバリーする組成物を含むキットが本明細書に開示される。
【0022】
一部の実施形態では、提供されるキットはパッチを含む。一部の実施形態では、パッチは、投与された組成物をカバーするために、投与のために準備(arrange)、構築および/または利用される。代替的にまたはさらに、一部の実施形態では、パッチはPAI-1阻害剤を含むおよび/またはデリバリーする組成物を含有してもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、パッチはマイクロニードルを含む。
【0023】
一部の実施形態では、提供されるキットは、組成物の対象の部位への浸透を容易にするためのデバイスを含む。一部のそのような実施形態では、提供されるデバイスは、ブラシ、コーム、パッチ、ローラー、ペンなどであってもよく、またはこれを含んでもよい。
【0024】
一部の実施形態では、提供されるキットは、本明細書に記載される組成物を投与するための説明書を含む。一部の実施形態では、本開示は、皮膚科学的状態を処置するかまたは発生を予防するための併用療法および/または処置を投与することへの洞察を提供する。一部の実施形態では、併用療法または処置は、本明細書に記載されるPAI-1阻害剤を1種または複数の他の活性剤と組み合わせて投与することを含む。一部の実施形態では、例えば毛髪の白髪化には、1種または複数の他の活性剤は、ケイヒ酸アミドプロピルトリモニウムクロリド、固体脂質ナノ粒子、l-シスチン、l-メチオニン、メラトニンおよびこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、例えばケロイドには、1種または複数の他の活性剤は、加圧療法、シリコーンゲルシーティング、病変内トリアムシノロンアセトニド(TAC)、凍結外科手術、放射線照射、レーザー療法、IFN、5-FU、高圧酸素療法(HBOT)を使用した高用量の酸素、凍結療法、外科的切除、局所的薬剤およびこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、例えば強皮症には、1種または複数の他の活性剤は、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、NSAID、COX-2阻害剤、鎮痛剤、低用量コルチコステロイド、麻酔薬、制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害剤、運動促進剤、ソマトスタチンアゴニスト、抗生物質、プロスタグランジン誘導体、トレプロスチニル、イロプロスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、IP受容体アゴニスト、ホスホジエステラーゼ(Phosphosdiesterase)タイプ5(PDE5)阻害剤、抗線維化剤、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫抑制薬、アルキル化剤、ピロカルピンおよびこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、例えばレイノー病またはレイノー現象には、1種または複数の他の活性剤は、カルシウムチャネルブロッカー、アルファブロッカー、ニトログリセリン、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、選択的セロトニン再取込み阻害剤、三硝酸グリセリン、タダラフィル、イチョウエキス、SLx-2101、セントジョーンズワート、ファスジル、シロスタゾール、イロプロスト、リラキシン、トレプロスチニルジエタノールアミン、シルデナフィル、アトルバスタチン、イマチニブメシル酸塩、トレプロスチニルジエタノールアミンおよびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0025】
定義
本出願では、別段状況から明らかでない限り、(i)「a」という用語は「少なくとも1つ」を意味すると理解されてもよく、(ii)「または」という用語は「および/または」を意味すると理解されてもよく、(iii)「含む(comprising)」および「含む(including)」という用語は、それら単独でまたは1つもしくは複数のさらなる成分または工程とともに提示されるかにかかわらず、挙げられた成分または工程を包含すると理解されてもよく、かつ(iv)「約」および「およそ」という用語は、当業者に理解される標準的なばらつきを許容すると理解されてもよく、さらに(v)範囲が提供されるとき、端点が含まれる。
【0026】
約:「約」という用語は、値に言及して本明細書で使用されるとき、状況において言及された値と同様の値を指す。一般的に、状況に詳しい当業者は、その状況において「約」によって包含される変動の適切な程度を認識する。例えば、一部の実施形態では、「約」という用語は、言及された値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下の範囲内の値の範囲を包含してもよい。
【0027】
投与:本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、典型的に組成物であるかまたは組成物に含まれる薬剤のデリバリーを達成するための組成物の対象またはシステムへの投与を指す。当業者は、対象、例えばヒトへの投与に適切な環境で利用されてもよい種々の経路を認識する。例えば、一部の実施形態では、投与は眼内、経口、非経口、局所的などであってもよい。一部の特定の実施形態では、投与は気管支(例えば、気管支注入によって)、頬側、皮膚(例えば、真皮への局所的投与、皮内、皮膚間、経皮などの1つまたは複数であってもよく、またはこれを含んでもよい)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、特定の臓器内(例えば、肝内)、粘膜、鼻腔、経口、直腸、皮下、舌下、局所的、気管(例えば、気管内注入によって)、膣、硝子体などでありうる。一部の実施形態では、投与は単回用量のみを含んでもよい。一部の実施形態では、投与は一定数の用量の塗布を含んでもよい。一部の実施形態では、投与は断続的(例えば、時間的に隔てられた複数の用量)および/または周期的(例えば、共通の期間によって隔てられた個々の用量)投薬である投薬を含んでもよい。一部の実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間にわたる連続投薬(例えば、灌流)を含んでもよい。
【0028】
薬剤:一般的に、本明細書で使用される「薬剤」という用語は、例えばポリペプチド、核酸、糖類、脂質、小分子、金属またはこれらの組合せもしくは複合体を含む、任意の化学物質のクラスの化合物または実体を指すように使用されうる。適切な環境では、当業者には状況から明らかなように、用語は、細胞もしくは生物またはそれらの画分、抽出物もしくは成分であるかまたはこれを含む実体を指すように利用されてもよい。代替的にまたはさらに、状況によって明らかなように、用語は、天然に見出されるおよび/または天然から得られるという点で天然の産物を指すように使用されうる。一部の場合では、ここでも状況から明らかなように、用語は、人の手の行為によって設計される、操作されるおよび/もしくは生産されるならびに/または天然に見出されないという点で人工である1種または複数の実態を指すように使用されうる。一部の実施形態では、薬剤は、単離されたまたは純粋な形態で利用されてもよく、一部の実施形態では、薬剤は粗製形態で利用されてもよい。一部の実施形態では、潜在的な薬剤は、例えばそれらの範囲内で活性剤を同定するかまたは特徴付けるためにスクリーニングされうる収集物またはライブラリーとして提供されてもよい。一部の場合では、「薬剤」という用語は、ポリマーであるかまたはこれを含む化合物または実体を指してもよく、一部の場合では、用語は、1つまたは複数のポリマー部分を含む化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、「薬剤」という用語は、ポリマーではないかつ/あるいは任意のポリマーおよび/または1つもしくは複数の特定のポリマー部分を実質的に含まない化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、用語は、任意のポリマー部分を欠くかまたは実質的に含まない化合物または実体を指してもよい。
【0029】
アゴニスト:当業者は、「アゴニスト」という用語が、その存在、レベル、程度、種類または形態が、別の薬剤(すなわち、アゴナイズされる薬剤)のレベルまたは活性の増加に相関する薬剤の状態または事象を指すように使用されうることを認識する。一般的に、アゴニストは、例えば小分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、金属および/または関連する活性化活性を示す任意の他の実体を含む任意の化学物質のクラスの薬剤であってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、アゴニストは直接的(この場合、アゴニストは、その影響をその標的に対して直接発揮する)であってもよく、一部の実施形態では、アゴニストは間接的(この場合、アゴニストはその標的に結合する以外で、例えば標的のレベルまたは活性が変化するように、標的の調節因子と相互作用することによってその影響を発揮する)であってもよい。
【0030】
アンタゴニスト:当業者は、本明細書で使用される「アンタゴニスト」という用語が、その存在、レベル、程度、種類または形態が、別の薬剤(すなわち、阻害される薬剤または標的)のレベルまたは活性の減少に相関する薬剤の状態または事象を指すように使用されうることを認識する。一般的に、アンタゴニストは、例えば小分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、金属および/または関連する阻害活性を示す任意の他の実体を含む任意の化学物質のクラスの薬剤であってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、アンタゴニストは直接的(この場合、アンタゴニストは、その影響をその標的に対して直接発揮する)であってもよく、一部の実施形態では、アンタゴニストは間接的(この場合、アンタゴニストはその標的に結合する以外で、例えば標的のレベルまたは活性が変化するように、標的の調節因子と相互作用することによってその影響を発揮する)であってもよい。
【0031】
動物:本明細書で使用される場合、動物界の任意のメンバーを指す。一部の実施形態では、「動物」はいずれかの性別であり、任意の発達段階にあるヒトを指す。一部の実施形態では、「動物」は任意の発達段階にある非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類および/またはブタ)である。一部の実施形態では、動物として、これらに限定されないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚、昆虫および/または寄生虫が挙げられる。一部の実施形態では、動物は、遺伝子導入動物、遺伝子操作された動物および/またはクローンであってもよい。
【0032】
生物学的活性剤:本明細書で使用される場合、「生物学的活性剤」という語句は、生物系および/または生物において活性を有する任意の物質を指す。例えば、生物に投与されたとき、その生物に生物学的効果を有する物質は生物学的活性であるとみなされる。一部の実施形態では、物質(例えば、ポリペプチド、核酸、抗体など)が生物学的活性である場合、物質全体の少なくとも1種の生物学的活性を共有するその物質の一部分が、典型的に「生物学的活性」部分と称される。
【0033】
担体:本明細書で使用される場合、それを用いて組成物が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤または媒体を指す。一部の例示的な実施形態では、担体は、例えば水、および例えばピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などの石油、動物、植物または合成起源の油を含む油などの滅菌液体を含みうる。一部の実施形態では、担体は1種または複数の固体成分であるかまたはこれを含む。
【0034】
化粧品製剤:「化粧品製剤」という用語は、化粧品特性を有する1種または複数の薬剤を含有する、局所的に塗布される組成物を指すように本明細書で使用される。いくつかの例を挙げると、化粧品製剤は、皮膚軟化剤、栄養ローション型エマルジョン、クレンジングローション、クレンジングクリーム、乳液、エモリエントローション、マッサージクリーム、エモリエントクリーム、化粧下地、口紅、フェイシャルパックまたはフェイシャルゲル、シャンプー、リンス、ボディクレンザー、ヘアトニックもしくは石鹸などの洗浄製剤ならびに/またはローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチ、デオドラント、制汗剤および/もしくはスプレーなどの皮膚用組成物であってもよい。
【0035】
組成物:当業者は、本明細書で使用される「組成物」という用語が、1種または複数の特定の成分を含む個別の物理的実体を指すように使用されうることを認識する。一般的に、別段指定されない限り、組成物は任意の形態、例えば気体、ゲル、液体、固体などのものであってもよい。
【0036】
含む:1種または複数の列挙された要素または工程を「含む」と本明細書に記載される組成物または方法は非制限的であり、つまり列挙された要素または工程は本質的であるが、他の要素または工程が組成物または方法の範囲内で加えられてもよい。冗長さを回避するために、1種または複数の列挙された要素または工程を「含む(comprising)」(または「含む(comprises)」と記載される任意の組成物または方法は、同じ列挙された要素または工程「から本質的になる(consisting essentially of)」(または「から本質的になる(consists essentially of)」)対応するより限定的な組成物または方法も説明する、つまり、組成物または方法は列挙された本質的な要素または工程を含み、かつ組成物または方法の基本的および新規の特徴に重大な影響を及ぼさないさらなる要素または工程も含みうることも理解される。1種または複数の列挙された要素または工程「を含む」かまたは「から本質的になる」と本明細書に記載される任意の組成物または方法は、任意の他の列挙されない要素または工程を除外した、列挙された要素または工程「からなる(consisting of)」(または「からなる(consists of)」)対応するより限定的かつ制限的な組成物または方法も説明することも理解される。本明細書に開示される任意の組成物または方法では、任意の列挙される本質的な要素または工程の公知のまたは開示される等価物はその要素または工程と置換されてもよい。
【0037】
クリーム:「クリーム」という用語は、典型的に皮膚への塗布のために製剤化された展着性組成物を指す。クリームは典型的に、油および/または脂肪酸ベースのマトリックスを含有する。本発明によって製剤化されたクリームは、ナノ粒子を含有してもよく、かつ局所的適用時に皮膚を通る実質的に完全な浸透(例えば、そのようなナノ粒子の)が可能であってもよい。そのようなクリームは、組み込まれた材料(例えば、例えば1種または複数の公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤)の担体として作用することもできる。
【0038】
分散媒:本明細書で使用される「分散媒」という用語は、粒子(例えば、空のナノ粒子ならびに/または1種もしくは複数の公知の治療剤および/もしくは独立して活性な生物学的活性剤を含有するナノ粒子)が分散された液体媒質を指す。一般的に、分散液は、少なくとも2種の非混和性材料が組み合わされるときに形成される。「水中油」分散液は、油状粒子が水性分散媒内に分散したものである。「油中水」分散液は、水性粒子が油状分散媒内に分散したものである。当業者は、分散液が、任意の2種の非混和性媒質から形成可能であり、かつ水性媒質と油状媒質の組合せに厳密に限定されないことを認識する。したがって、「分散媒」という用語は、「水性」および「油状」カテゴリーを指すことが一般的であるにもかかわらず、任意の分散媒に広範に適用される。
【0039】
剤形または単位剤形:当業者は、「剤形」という用語が、対象に投与するための活性剤(例えば、治療または診断剤)の物理的に個別の単位を指すために使用されうることを認識する。典型的に、それぞれのそのような単位は、所定数量の活性剤を含有する。一部の実施形態では、そのような数量は、適切な母集団に投与されたとき、所望のまたは有益な結果と相関することが決定された投薬レジメンによる(すなわち、治療投薬レジメンによる)投与に適切な単位投与量(またはその全分率)である。当業者は、特定の対象に投与される治療組成物または治療剤の全量が、1または複数の担当医によって決定され、かつ複数の剤形の投与を伴ってもよいことを認識する。
【0040】
投薬レジメン:当業者は、「投薬レジメン」という用語が、典型的には一定期間によって隔てられ、対象に個々に投与される一連の単位用量(典型的には1より多い)を指すように使用されうることを認識する。一部の実施形態では、所与の治療剤は、1または複数の用量を含みうる推薦投薬レジメンを有する。一部の実施形態では、投薬レジメンは、それぞれが他の用量から時間的に隔てられた複数の用量を含む。一部の実施形態では、個々の用量は、同じ長さの期間だけ互いに隔てられ、一部の実施形態では、投薬レジメンは、複数の用量および個々の用量を隔てる少なくとも2つの異なる期間を含む。一部の実施形態では、投薬レジメン内のすべての用量は同じ単位投薬量のものである。一部の実施形態では、投薬レジメン内の異なる用量は、異なる量のものである。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の投薬量の第1の用量に続き、第1の投薬量とは異なる第2の投薬量の1または複数のさらなる用量を含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の投薬量の第1の用量に続き、第1の投薬量と同じ第2の投薬量の1または複数のさらなる用量を含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、適切な母集団全体に投与されたとき、所望のまたは有益な結果と相関する(すなわち、治療投薬レジメンである)。
【0041】
賦形剤:本明細書で使用される場合、例えば所望の稠度または安定化効果をもたらすかまたは寄与するために医薬組成物に含まれてもよい非治療剤を指す。一部の実施形態では、好適な医薬賦形剤として、例えばデンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを挙げることができる。
【0042】
インビトロ(in vitro):本明細書で使用される用語「インビトロ」は、多細胞生物内ではなく人工的な環境、例えば試験管または反応容器、細胞培養物などにおいて生じる事象を指す。
【0043】
インビボ(in vivo):本明細書で使用される場合、ヒトおよび非ヒト動物などの多細胞生物内で生じる事象を指す。細胞ベースの系の状況では、用語は、生細胞(例えば、インビトロ系とは対照的に)内で生じる事象を指すように使用されてもよい。
【0044】
マクロエマルジョン:本明細書で使用される「マクロエマルジョン」という用語は、少なくとも一部の液滴が数百ナノメートル~マイクロメートルサイズの範囲の直径を有するエマルジョンを指す。当業者によって理解されるように、マクロエマルジョンは、直径が300nmより大きい液滴によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本開示によって利用されるマクロエマルジョン組成物は、1種もしくは複数の大きな薬剤または1種もしくは複数の生物学的活性剤を含む。一部の実施形態では、マクロエマルジョン組成物に含まれる大きな薬剤は、生物学的活性剤でありうる。当業者は、本開示によって使用されるマクロエマルジョン組成物が、例えば化学的または機械的手段を含む任意の利用可能な手段によって調製されてもよいことを認識する。一部の実施形態では、マクロエマルジョン中の液滴は、約301nmから約1000μmの範囲内のサイズを有する。一部の実施形態では、マクロエマルジョンは、約301nmから約1000μmの間のサイズ分布の液滴を有する。一部の実施形態では、マクロエマルジョン中の液滴は、約500nmから約5000μmの範囲内のサイズを有する。一部の実施形態では、マクロエマルジョンは、約500nmから約5000μmの間のサイズ分布の液滴を有する。
【0045】
ナノエマルジョン:本明細書で使用される「ナノエマルジョン」という用語は、少なくとも一部の液滴がナノメートルサイズの範囲の直径を有するエマルジョンを指す。当業者によって理解されるように、ナノエマルジョンは、直径が300nm以下の液滴によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本開示によって利用されるナノエマルジョン組成物は、1種もしくは複数の大きな薬剤または1種もしくは複数の生物学的活性剤を含む。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物に含まれる大きな薬剤が生物学的活性剤であってもよい。当業者は、本開示によって使用されるナノエマルジョン組成物が、例えば化学的または機械的手段を含む任意の利用可能な手段によって調製されてもよいことを認識する。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の液滴は、約1nmから約300nmの範囲内のサイズを有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンは、約1nmから約300nmの間のサイズ分布の液滴を有する。
【0046】
ナノ粒子:本明細書で使用される場合、「ナノ粒子」という用語は、アメリカ国立科学財団によって定義される通り300nm未満の直径を有する固体粒子を指す。一部の実施形態では、ナノ粒子は、アメリカ国立衛生研究所によって定義される通り100nm未満の直径を有する。
【0047】
ナノ粒子組成物:本明細書で使用される場合、「ナノ粒子組成物」という用語は、少なくとも1つのナノ粒子を含有する任意の物質を指す。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、ナノ粒子の均一な収集物である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、分散液またはエマルジョンである。一般的に、分散液またはエマルジョンは、少なくとも2種の非混和性材料が組み合わされるときに形成される。「水中油」分散液は、油状粒子(または疎水性もしくは非極性)が水性分散媒内に分散したものである。「油中水」分散液は、水性(または親水性もしくは極性)粒子が油状分散媒内に分散したものである。当業者は、分散液が、任意の2種の非混和性媒質から形成可能であり、かつ水性媒質と油状媒質の組合せに厳密に限定されないことを認識する。したがって、「分散媒」という用語は、「水性」および「油状」カテゴリーを指すことが一般的であるにもかかわらず、任意の分散媒に広範に適用される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物はナノエマルジョンである。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物はミセルを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は安定である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、ナノ粒子と併せてデリバリーされる1種または複数の生物学的活性剤を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、空のナノ粒子組成物である(例えば、任意の公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤を含有しない)。
【0048】
医薬組成物:本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、活性剤が1種または複数の薬学的に許容される担体とともに製剤化されている組成物を指す。一部の実施形態では、活性剤は、適切な母集団に投与されたときに所定の治療効果を達成する統計的に有意な確率を示す治療レジメンでの投与に適切な単位投薬量で存在する。一部の実施形態では、医薬組成物は、以下:経口投与、例えば水薬(水性または非水性溶液または懸濁液)、錠剤、例えば頬側、舌下および全身吸収を標的とするもの、ボーラス、粉末、顆粒、舌へ塗布するためのペースト、例えば滅菌溶液もしくは懸濁液または持続放出製剤としての、例えば皮下、筋内、静脈内または硬膜外注射による非経口投与、例えば皮膚、肺または口腔に適用されるクリーム、軟膏または制御放出パッチまたはスプレーとしての局所的適用、ペッサリー、クリームまたはフォームとしての膣内または直腸内、舌下、眼内、経皮または鼻腔、肺および他の粘膜表面へ、に適合されるものを含む、固体または液体形態での投与のために特別に製剤化されてもよい。
【0049】
浸透増強剤または浸透処置:本明細書で使用される場合、「浸透増強剤」または「浸透処置」という用語は、その存在またはレベルが、その非存在下で観察されるものに比べ、目的の薬剤の皮膚を超える浸透の増加と相関する薬剤を指す。一部の実施形態では、浸透増強剤は、皮膚構造を分解および/または破壊することを特徴とする。一部の実施形態では、浸透増強剤は、化学剤(例えば、例えば化学物質または酵素)であるかまたはこれを含む。例えば、1種または複数の角質層成分を損傷、破壊および/または分解しうる化学剤として、例えば短鎖アルコール、長鎖アルコールまたはポリアルコールなどのアルコール、尿素、アミノ酸またはそれらのエステル、アミド、AZONE(登録商標)、AZONE(登録商標)の誘導体、ピロリドンまたはピロリドンの誘導体などのアミンおよびアミド、テルペンおよびテルペンの誘導体、脂肪酸およびそれらのエステル、大環状化合物、テンシドまたはスルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、デシルメチルスルホキシドなど)、アニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、ポリオール、精油および/またはヒアルロニダーゼを挙げることができる。一部の実施形態では、浸透増強剤は、薬剤が皮膚に適用されたときに炎症性および/またはアレルギー性反応が生じるという点で刺激物質でありうる。一部の実施形態では、浸透増強剤は、刺激物質ではない。一部の実施形態では、浸透増強剤は、皮膚構造を損傷、破壊または分解しないにもかかわらず、その存在またはレベルが、その非存在下で観察されるものに比べ、目的の薬剤の皮膚を超える浸透の増加と相関する化学剤であってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、コペプチド、担体分子および担体ペプチドは、皮膚構造を損傷、破壊および/または分解しない浸透増強剤でありうる。一部の実施形態では、コペプチド、担体分子および担体ペプチドは、皮膚を刺激しない浸透増強剤でありうる。「浸透増強剤」という用語は、機械的デバイス(例えば、針、メスなど)またはその等価物(例えば、他の損傷性処置)を包含しない。また、当業者は、ナノ粒子またはエマルジョンなどの構造体が化学剤ではなく、したがってその存在が構造体と関連付けられうる目的の薬剤の皮膚浸透の増強と相関する場合でも、化学的浸透増強剤ではないことを認識する。
【0050】
薬学的に許容される担体:本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、対象化合物の1つの臓器または身体の部分から別の臓器または身体の部分への搬送または輸送に関与する液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤または溶媒カプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物または媒体を意味する。各担体は、製剤の他の原料と適合性があり、患者に有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として働くことができる材料の一部の例として、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン、セルロース、ならびにナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体、粉末トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、カカオバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、pH緩衝液、ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物ならびに医薬製剤において利用される他の非毒性の適合性物質が挙げられる。
【0051】
予防するまたは予防:本明細書で使用される場合、疾患、障害および/または状態の発生に関連して使用されるとき、疾患、障害および/または状態を発病するリスクを低減させることならびに/あるいは疾患、障害または状態の1つもしくは複数の特徴または症状の発症を遅延させることを指す。予防は、疾患、障害または状態の発症が予め定義された期間にわたって遅延された場合に完全であるとみなされてもよい。
【0052】
自己投与:「自己投与」という用語は、本明細書で使用される場合、対象が、医学的監視を要することなく組成物を自身に投与する能力を有する状況を指す。本発明の一部の実施形態では、自己投与は、臨床環境の外部で実施されてもよい。ほんの一例を挙げると、本発明の一部の実施形態では、化粧用フェイシャルクリームは、対象によって自宅で投与されてもよい。
【0053】
小分子:本明細書で使用される場合、「小分子」という用語は、低分子量の有機および/または無機化合物を意味する。一般的に、「小分子」は、サイズが約5キロダルトン(kD)未満である分子である。一部の実施形態では、小分子は、約4kD、3kD、約2kDまたは約1kD未満である。一部の実施形態では、小分子は、約800ダルトン(D)、約600D、約500D、約400D、約300D、約200Dまたは約100D未満である。一部の実施形態では、小分子は、約2000g/mol未満、約1500g/mol未満、約1000g/mol未満、約800g/mol未満または約500g/mol未満である。一部の実施形態では、小分子はポリマーではない。一部の実施形態では、小分子はポリマー部分を含まない。一部の実施形態では、小分子はタンパク質もしくはポリペプチドではない、および/またはこれを含まない(例えば、オリゴペプチドまたはペプチドではない)。一部の実施形態では、小分子はポリヌクレオチドではない、および/またはこれを含まない(例えば、オリゴヌクレオチドではない)。一部の実施形態では、小分子は多糖類ではない、および/またはこれを含まない、例えば一部の実施形態では、小分子は糖タンパク質、プロテオグリカン、糖脂質などではない。一部の実施形態では、小分子は脂質ではない。一部の実施形態では、小分子はモジュレート剤である(例えば、阻害性薬剤または活性化剤である)。一部の実施形態では、小分子は生物学的活性である。一部の実施形態では、小分子は検出可能である(例えば、少なくとも1つの検出可能部分を含む)。一部の実施形態では、小分子は治療剤である。本開示を読む当業者は、本明細書に記載されるある特定の小分子化合物が、例えば結晶形態、塩の形態、保護された形態、プロドラッグ形態、エステル形態、異性体形態(例えば、光学および/または構造異性体)、同位体形態などの種々の形態のいずれかで提供および/または利用されてもよいことを認識する。当業者は、ある特定の小分子化合物が、1種または複数の立体異性体の形態で存在しうる構造を有することを認識する。一部の実施形態では、そのような小分子は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態で本開示によって利用されてもよく、または立体異性体の混合物の形態であってもよい。一部の実施形態では、そのような小分子は、ラセミ混合物の形態で本開示によって利用されてもよい。当業者は、ある特定の小分子化合物が、1種または複数の互変異性体の形態で存在しうる構造を有することを認識する。一部の実施形態では、そのような小分子は、個々の互変異性体の形態、または互変異性体形態の間を相互変換する形態で本開示によって利用されてもよい。当業者は、ある特定の小分子化合物が、同位体置換(例えば、Hに対して2Hまたは3H、12Cに対して11C、13Cまたは14C、14Nに対して13Nまたは15N、16Oに対して17Oまたは18O、XXCに対して36Cl、XXFに対して18F、XXXIに対して131Iなど)を許容する構造を有することを認識する。一部の実施形態では、そのような小分子は、1種または複数の同位体修飾された(modified)形態またはその混合物として本開示によって利用されてもよい。一部の実施形態では、特定の小分子化合物への言及は、その化合物の特定の形態に関する場合がある。一部の実施形態では、特定の小分子化合物は、塩の形態(例えば、化合物に応じて酸付加または塩基付加塩形態)で提供および/または利用されてもよい。一部のそのような実施形態では、塩の形態は、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。一部の実施形態では、小分子化合物が天然に存在するかまたは見出されるものである場合、その化合物は、それが天然に存在するかまたは見出されるものとは異なる形態で本開示によって提供および/または利用されてもよい。当業者は、一部の実施形態では、目的の基準調製物(例えば、生物学的または環境的供給源などの目的の供給源由来の一次試料における)に存在する絶対または相対(例えば、化合物の別の形態を含む調製物の別の成分に対して)量の化合物または形態とは異なる絶対または相対量の化合物またはその特定の形態を含有する特定の小分子化合物の調製物が、基準調製物または供給源に存在する通りの化合物とは顕著に異なることを認識する。したがって、一部の実施形態では、例えば、小分子化合物の単一の立体異性体の調製物は、化合物のラセミ混合物とは異なる形態の化合物であるとみなされてもよく、小分子化合物の特定の塩は、化合物の別の塩の形態とは異なる形態とみなされてもよく、二重結合の1つの配座異性体((Z)または(E))を含有する化合物の形態のみを含有する調製物は、二重結合の他の配座異性体((E)または(Z))を含有するものとは異なる形態の化合物とみなされてもよく、1種または複数の原子が、基準調製物に存在するものとは異なる同位体である調製物は、異なる形態とみなされてもよい、などである。
【0054】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、生物、典型的には哺乳動物(例えばヒト、一部の実施形態では出生前のヒトの形態を含む)を指す。一部の実施形態では、対象は、関連する疾患、障害または状態を患う。一部の実施形態では、対象は疾患、障害または状態に罹患しやすい。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の1つもしくは複数の症状または特徴を示す。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の症状または特徴を示さない。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害または状態のリスクの1つもしくは複数の特有の特徴を有するか、あるいは疾患、障害または状態への易罹患性を有する者である。一部の実施形態では、対象は患者である。一部の実施形態では、対象は、診断および/または治療が投与されるおよび/または投与された個体である。
【0055】
症状が低減される:本明細書で使用される場合、「症状が低減される」という用語は、特定の疾患、障害、または状態の1つまたは複数の症状の大きさ(例えば、強度、重症度など)および/または頻度が低減される場合を指す。明確性のために、特定の症状の発症の遅延は、その症状の頻度の低減の1つの形態とみなされる。
【0056】
治療剤:本明細書で使用される場合、「治療剤」という用語は、対象に投与されたときに治療効果を有するかつ/または所望の生物学的および/もしくは薬理学的効果を惹起する任意の薬剤を指す。
【0057】
治療有効量:本明細書で使用される場合、そのために投与される所望の効果を生じる量を意味する。一部の実施形態では、用語は、治療投薬レジメンによって疾患、障害および/または状態を患うかまたは罹患しやすい集団に投与されたとき、疾患、障害および/または状態を処置するのに十分な量を指す。一部の実施形態では、治療有効量は、疾患、障害および/または状態の1つまたは複数の症状の発生率および/または重症度を低減させるかつ/または発症を遅延させる量である。当業者は、「治療有効量」という用語が、実際には特定の個体において首尾良い処置が達成されることを必要としないことを認識する。むしろ、治療有効量は、そのような処置を必要とする患者に投与されたとき、有意な数の対象において特定の所望の薬理学的応答をもたらす量であってもよい。一部の実施形態では、治療有効量への言及は、1つまたは複数の特定の組織(例えば、疾患、障害または状態に冒された組織)または流体(例えば、血液、唾液、血清、汗、涙、尿など)において測定される量への言及であってもよい。当業者は、一部の実施形態では、特定の薬剤または治療の治療有効量が、単回用量で製剤化および/または投与されてもよいことを認識する。一部の実施形態では、治療有効な薬剤は、例えば投薬レジメンの一部として複数の用量で製剤化および/または投与されてもよい。
【0058】
処置:本明細書で使用される場合、「処置」(また「処置する」または「処置すること」)という用語は、特定の疾患、障害および/または状態の1つまたは複数の症状、特色および/または原因の発症を部分的にまたは完全に軽減する、改善する、緩和する、阻害する、遅延させる、重症度を低減させるおよび/または発生率を低減させる治療の任意の投与を指す。一部の実施形態では、そのような処置は、関連する疾患、障害および/もしくは状態の兆候を示さない対象ならびに/または疾患、障害および/もしくは状態の初期の兆候のみを示す対象のものであってもよい。代替的にまたはさらに、そのような処置は、関連する疾患、障害および/または状態の1つまたは複数の確立された兆候を示す対象のものであってもよい。一部の実施形態では、処置は、関連する疾患、障害および/または状態を患うと診断された対象のものであってもよい。一部の実施形態では、処置は、関連する疾患、障害および/または状態の発病リスクの増加と統計的に相関する1つまたは複数の易罹患性要因を有することが既知の対象のものであってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0059】
プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)
プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI-1)は、SERPINE1遺伝子によってコードされるセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)タンパク質である。PAI-1は、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)およびウロキナーゼ(uPA)の主要なインヒビターであることから、当初は身体の恒常状態の維持へのその関与のために公知であった。PAI-1の上昇は、臓器の線維症および複数の臓器系(例えば、心臓、肺、肝臓、腎臓および皮膚)における疾患と関連付けられることも報告されている。
【0060】
一部の実施形態では、本開示は、PAI-1阻害剤が毛髪の白髪化、強皮症、ケロイドなどの皮膚科学的状態の処置および/または予防に特に有用でありうるという認識を包含する。毛髪の成長サイクルおよび生理学は周知であり理解されているが、毛髪の白髪化のための有効な予防または処置技術は現在のところ存在しない。一部の実施形態では、提供される方法および/または組成物は、標的化療法を提供する。例えば、一部の実施形態では、提供される方法および組成物は、1種または複数のPAI-1阻害剤を含む驚くほど有効な治療を提供する。任意の特定の理論に束縛されることを望むことなく、一部の実施形態では、本明細書に記載されるPAI-1阻害剤の投与は毛包幹細胞(HFSC)を刺激する可能性があり、そのような刺激は、毛髪の白髪化の処置または予防に寄与する可能性があることが提案される。
【0061】
一部の実施形態では、提供される方法、キットおよび組成物は、エマルジョンであってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、提供される方法、キットおよび組成物は、マクロエマルジョンであってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、提供される方法、キットおよび組成物は、ナノエマルジョンであってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、提供される方法、キットおよび組成物は、併用療法または処置を含み、例えば一部の実施形態では、提供される組成物は、1種または複数のさらなる処置と組み合わせて投与されてもよい。一部の実施形態では、1種または複数のさらなる処置は、公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤などの他の活性剤および/または治療法(例えば、1種もしくは複数のPAI-1阻害剤または他の薬剤)であるかまたはこれを含む。
【0062】
疾患、障害および状態
本発明は、ある特定の皮膚疾患、障害および/または状態を処置するおよび/または予防するための技術を提供する。一部の実施形態では、本発明は、皮膚の表皮および/または真皮レベルに関連付けられる疾患、障害または状態を処置するおよび/または予防するための技術を提供する。
【0063】
一部の実施形態では、本発明は、毛髪の白髪化、ケロイド、強皮症、レイノー病(またはレイノー現象)および/またはこれらの組合せの1つまたは複数を処置するおよび/または予防するための技術を提供する。一部の実施形態では、本発明は、毛髪の白髪化を処置するおよび/または予防するための技術を提供する。
【0064】
毛髪の白髪化
一部の実施形態では、本発明は、皮膚科学的状態を処置するおよび/または予防するための技術を提供する。一部の実施形態では、本発明は、毛髪の白髪化を処置するおよび/または予防するための技術を提供する。
【0065】
毛髪の白髪化のための現行の治療は、これらに限定されないが、UVブロッカーの担体としてのケイヒ酸アミドプロピルトリモニウムクロリドおよび固体脂質ナノ粒子などの光保護剤、l-シスチンおよびl-メチオニンによる経口補給、ならびに局所的メラトニンを含む。早発性の毛髪の白髪化に対して最も一般的に使用される処置または解決策は、一時的毛髪着色剤の使用である。本発明による医薬組成物は、単独ならびに/または毛髪の白髪化の症状および/もしくは原因を処置するために使用されるこれらの治療との組合せで、毛髪の白髪化の処置のために投与されてもよい。
【0066】
一部の実施形態では、毛髪の白髪化の処置および/または予防のために提供される組成物は、懸濁液へと製剤化されている。
【0067】
一部の実施形態では、毛髪の白髪化の処置および/または予防のために本明細書で開示される組成物は、懸濁液、フォーム、クリーム、湿布薬、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナーなどへと製剤化されている。
【0068】
一部の実施形態では、毛髪の白髪化の処置および/または予防のために本明細書で開示される組成物は、冒された部位(例えば、頭皮、毛包、顔、首、背中、腕、胸部など)へ局部投与される。
【0069】
開示される組成物および/または製剤の投与は、多くの経路のいずれか1つによってもよい。一部の実施形態では、投与は局所的である。一部の実施形態では、投与は経口である。一部の実施形態では、投与は注射による。
【0070】
一部の実施形態では、投与は全身デリバリーを達成する。一部の実施形態では、投与は局部的デリバリーを達成する。
【0071】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%の毛髪の白髪化の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%の毛髪の白髪化の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の毛髪の白髪化の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、懸濁液中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0072】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%の毛髪の白髪化の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%の毛髪の白髪化の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の毛髪の白髪化の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、ナノ粒子組成物またはナノエマルジョン組成物またはエマルジョン組成物またはフォーム製剤またはクリーム製剤またはオイルもしくはローション製剤またはゲルまたはシャンプーまたはコンディショナー中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0073】
ケロイド
ケロイドは、皮膚傷害の部位に形成する増殖性の瘢痕組織である。特定の実施形態では、皮膚傷害の部位は、外科的切開部または外傷部位である。盛り上がった瘢痕である肥厚性瘢痕とは異なり、ケロイドは元の創傷の境界を超えて成長する。ケロイドは、皮膚傷害の部位での肉芽組織または3型コラーゲンの過剰成長から生じる。ケロイドは、堅いゴム状の病変でありうる。一部の実施形態では、ケロイドは、光沢のある線維状結節でありうる。ケロイドは良性腫瘍であり伝染性ではないが、疼痛、そう痒を伴うことがあり、皮膚の動きに影響を及ぼしうる。アフリカ系アメリカ人およびラテンアメリカ人の推定15%がケロイドを有する。
【0074】
有効な処置は存在しないものの、ケロイドのための現行の治療は、加圧療法、シリコーンゲルシーティング、病変内トリアムシノロンアセトニド(TAC)、凍結外科手術、放射線照射、レーザー療法、IFN、5-FU、高圧酸素療法(HBOT)を使用した高用量の酸素、凍結療法および外科的切除ならびに多数のエキスおよび局所的薬剤を含む。現在のところ、処置の最も一般的な形態は外科的切除である。しかし、最も良好な処置は、既知の素因を有する患者における予防である。本発明による医薬組成物は、単独ならびに/またはケロイドの症状および/もしくは原因を処置するために使用されるこれらの治療との組合せで、ケロイドの処置のために投与されてもよい。
【0075】
一部の実施形態では、ケロイドの処置および/または予防のために提供される組成物は、懸濁液へと製剤化されている。
【0076】
一部の実施形態では、ケロイドの処置および/または予防のために提供される組成物は、懸濁液、フォーム、クリーム、湿布薬、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナーなどへと製剤化されている。
【0077】
一部の実施形態では、ケロイドの処置および/または予防のために提供される組成物は、冒された部位(例えば、頭皮、毛包、顔、首、背中、腕、胸部など)へ局部投与される。
【0078】
開示される組成物および/または製剤の投与は、多数の経路のいずれか1つによってもよい。一部の実施形態では、投与は局所的である。一部の実施形態では、投与は経口である。一部の実施形態では、投与は注射による。
【0079】
一部の実施形態では、投与は全身デリバリーを達成する。一部の実施形態では、投与は局部的デリバリーを達成する。
【0080】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%のケロイドの1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%のケロイドの1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上のケロイドの1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、懸濁液中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0081】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%のケロイドの1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%のケロイドの1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上のケロイドの1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、ナノ粒子組成物またはナノエマルジョン組成物またはエマルジョン組成物またはフォーム製剤またはクリーム製剤またはオイルもしくはローション製剤またはゲルまたはシャンプーまたはコンディショナー中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0082】
強皮症
強皮症または全身性硬化症は、一般的に、とりわけ線維症または硬化、血管変性および自己抗体を特徴とする慢性の全身性自己免疫疾患とみなされる。
【0083】
一部の実施形態では、強皮症は、一般的に細胞外マトリックスタンパク質の皮膚および内臓への過剰な蓄積、血管傷害および免疫異常を特徴とする結合組織疾患ともみなされる。
【0084】
この疾患の臨床所見の多くは、血管リモデリングの誤調節に関与すると考えられる。強皮症の最も初期の症状の1つは、微小血管傷害である。この微小血管傷害は、内皮細胞の活性化を増大させると考えられる。活性化した内皮細胞は接着分子を発現し、これにより毛細血管透過性が変化し、炎症細胞が内皮を通って遊走して血管壁に捕捉されると考えられる。免疫の活性化は、内皮細胞の崩壊をもたらす持続的な内皮の活性化の持続に寄与すると考えられる。このプロセスは、強皮症患者に一般的に観察される血管の弾性の損失および狭窄に寄与すると考えられる。さらに、微小血管傷害は、線維芽細胞の活性化および強皮症の関連する顕著な症状の多くに寄与すると考えられる、真皮の単核細胞の血管周囲浸潤に寄与すると考えられる。線維症が増加するにつれ、透過性が減少する。結果として、抗体が患部組織に浸透することがさらに難しくなる。したがって、抗CCL2抗体の親和性は、抗体の局部化を維持するために特に重要になる。
【0085】
この疾患の臨床所見の多くは、一般的に線維芽細胞の誤調節に関与すると考えられる。線維芽細胞の主な機能は、細胞外マトリックスの前駆体を継続的に分泌することにより、結合組織の構造的な完全性を維持することである。線維芽細胞は、多くの組織の構造的な枠組み(間質)を付与し、創傷治癒において重要な役割を果たし、かつ動物の結合組織の最も一般的な細胞である。線維芽細胞は形態学的に不均質であり、それらの位置および活性に応じて多様な外観を有する。
【0086】
2つの主要な形態の強皮症:限局型全身性硬化症/強皮症およびびまん性全身性硬化症/強皮症が存在する。限局型皮膚強皮症では、皮膚の線維症は、典型的にその区域に限局する。限局型皮膚強皮症を有する患者は典型的に、血管機能障害を経験する。限局型強皮症を有する患者では、皮膚および臓器線維症は、典型的に緩徐に進行する。びまん性強皮症を有する患者は、典型的に、限局型強皮症より急速に進行する皮膚および臓器の線維症ならびに/または広範な炎症ならびに/または限局型強皮症において見られるものより重度の内臓の関与を経験する。
【0087】
肺線維症を引き起こす間質性肺疾患は、強皮症関連死の主要な原因であると一般的に考えられる(Ludwicka-Bradley, A., et al. Coagulation and autoimmunity in scleroderma interstitial lung disease. Semin Arthritis Rheum, 41(2), 212-22, 2011)。強皮症関連死を引き起こすさらなる合併症は、これらに限定されないが、がん、心不全、肺高血圧、腎不全および吸収不良、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0088】
強皮症は、最も一般的には皮膚症状を診察することによって診断される。診断のための検査は、これらに限定されないが、皮膚の目視および/または人手による診察、血圧検査、胸部x線、肺CT、心エコー図、尿検査、皮膚生検ならびに抗核抗体検査、抗トポイソメラーゼ抗体検査、抗セントロメア抗体検査、抗U3抗体検査、抗RNA抗体検査、他の種類の抗体検査を含む血液検査、血沈検査ならびにリウマチ因子を含む。強皮症のための公知の治療法は現在のところ存在しない。投与される処置は、疾患の症状を処置するように設計される。処置は、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、NSAID、COX-2阻害剤、鎮痛剤、低用量コルチコステロイド、麻酔薬、制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害剤、運動促進剤、ソマトスタチンアゴニスト、抗生物質、プロスタグランジン誘導体、トレプロスチニル、イロプロスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、IP受容体アゴニスト、ホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)阻害剤、抗線維化剤、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫抑制薬、アルキル化剤、ピロカルピンおよびこれらの組合せを含む。
【0089】
一部の実施形態では、強皮症の処置および/または予防のために提供される組成物は、懸濁液へと製剤化されている。
【0090】
一部の実施形態では、強皮症の処置および/または予防のために提供される組成物は、懸濁液、フォーム、クリーム、湿布薬、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナーなどへと製剤化されている。
【0091】
一部の実施形態では、強皮症の処置および/または予防のために提供される組成物は、冒された部位(例えば、頭皮、毛包、顔、首、背中、腕、胸部など)へ局部投与される。
【0092】
開示される組成物および/または製剤の投与は、多数の経路のいずれか1つによってもよい。一部の実施形態では、投与は局所的である。一部の実施形態では、投与は経口である。一部の実施形態では、投与は注射による。
【0093】
一部の実施形態では、投与は全身デリバリーを達成する。一部の実施形態では、投与は局部的デリバリーを達成する。
【0094】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%の強皮症の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%の強皮症の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の強皮症の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、懸濁液中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0095】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%の強皮症の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%の強皮症の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の強皮症の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、ナノ粒子組成物またはナノエマルジョン組成物またはエマルジョン組成物またはフォーム製剤またはクリーム製剤またはオイルもしくはローション製剤またはゲルまたはシャンプーまたはコンディショナー中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0096】
レイノー現象
レイノー現象またはレイノー病は、手指および足指の血管攣縮性状態である。手指の皮膚は、典型的に風邪または情動ストレスに応答して変色し(多くの場合この順序で、白色、青色および/または赤色)、疼痛を伴う。重度のレイノー現象は、皮膚、ならびに最終的には手指および/または足指の壊死を引き起こし、「自然脱落」を引き起こす可能性がある。レイノー現象患者の爪は、脆性になることがある。この状態は、強皮症および/または関節リウマチなどの結合組織疾患を伴うことが多い。
【0097】
本発明による医薬組成物は、単独ならびに/またはレイノー現象の症状および/もしくは原因を処置するために使用される他の薬剤との組合せで、レイノー現象の処置のために投与されてもよい。一部の実施形態では、そのような薬剤は、カルシウムチャネルブロッカー(例えばニフェジピンなど)、アルファブロッカー(例えばヒドララジンなど)、ニトログリセリン、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えばロサルタンなど)、選択的セロトニン再取込み阻害剤(例えばフルオキセチンなど)、三硝酸グリセリル、タダラフィル、イチョウエキス、SLx-2101、セントジョーンズワート、ファスジル、シロスタゾール、イロプロスト、リラキシン、トレプロスチニルジエタノールアミン、シルデナフィル、アトルバスタチン、イマチニブメシル酸塩、トレプロスチニルジエタノールアミンおよび/またはこれらの組合せを含む。
【0098】
一部の実施形態では、レイノー病の処置および/または予防のために提供される組成物は、懸濁液へと製剤化されている。
【0099】
一部の実施形態では、レイノー病の処置および/または予防のために本明細書で開示される組成物は、懸濁液、フォーム、クリーム、湿布薬、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナーなどへと製剤化されている。
【0100】
一部の実施形態では、レイノー病の処置および/または予防のために本明細書で開示される組成物は、冒された部位(例えば、鼻、唇、耳、乳頭、手指、足指、頭皮、顔、首、背中、腕、胸部など)へ局部投与される。
【0101】
開示される組成物および/または製剤の投与は、多数の経路のいずれか1つによってもよい。一部の実施形態では、投与は局所的である。一部の実施形態では、投与は経口である。一部の実施形態では、投与は注射による。
【0102】
一部の実施形態では、投与は全身デリバリーを達成する。一部の実施形態では、投与は局部的デリバリーを達成する。
【0103】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%のレイノー現象の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%のレイノー現象の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上のレイノー現象の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、懸濁液中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0104】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約25%のレイノー現象の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約30%のレイノー現象の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上のレイノー現象の1つまたは複数の症状の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な量の、ナノ粒子組成物またはナノエマルジョン組成物またはエマルジョン組成物またはフォーム製剤またはクリーム製剤またはオイルもしくはローション製剤またはゲルまたはシャンプーまたはコンディショナー中の少なくとも1種の治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む。
【0105】
PAI-1阻害剤
PAI-1阻害剤は、PAI-1の過剰発現に関連付けられる医学的状態または疾患を処置するかまたは予防するために使用することができる。PAI-1阻害剤は、抗体、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物、小分子、金属、ポリマー、治療抗体またはこれらの任意の組合せでありうる。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤はsiRNAである。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は、ベンゾピラン化合物、ブタジエン、スピロノラクトン、イミダプリル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI、カプトプリルまたはエナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(AIIRA)、デフィブロチド(ポリデオキシリボヌクレオチド)およびこれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤はベンゾピラン化合物である。
【0106】
一部の実施形態では、PAI-1阻害剤は小分子であってもよい。例えば、PAI-1阻害剤は、5-クロロ-2-{[(2-{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}-2-オキソエトキシ)アセチル]アミノ安息香酸である。別の例では、PAI-1阻害剤は、5-クロロ-2-{[{[3-(フラン-3-イル)フェニル]アミノ}(オキソ)アセチル]アミノ}安息香酸である。例示的なPAI-1阻害剤を以下の表1に列記する。
【0107】
【0108】
組成物および製剤
本明細書で述べられるように、本発明は、投与のための1種または複数のPAI-1阻害剤を含む組成物を提供するおよび/または利用する。一部の実施形態では、投与は、マイクロニードル皮膚コンディショニング(MSC)との組合せである。一部の実施形態では、提供される組成物は、局所的および/または経皮デリバリー(例えば、ローション、クリーム、湿布薬、軟膏、粉末、ゲル、液滴などとして)のために製剤化されてもよい。一部の実施形態では、提供される組成物は、ナノエマルジョンであってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、提供される組成物は、マクロエマルジョンであってもよく、またはこれを含んでもよい。
【0109】
ナノ粒子組成物は種々の状況で有用であり、それを必要とする患者への治療剤(例えば、PAI-1阻害剤)の投与を含む医学的用途の状況において特に有用および/または有効であることが証明されている。ナノ粒子組成物は、治療剤の局所的投与の状況において特に有用および/または有効であることが証明されている(例えば、2008年4月17日にWO08/045107として発行され、「BOTULINUM NANOEMULSIONS」と題する2006年12月1日出願のPCT特許出願第PCT US06/46236号、2008年6月12日にWO08/070538として発行され、「AMPHIPHILIC ENTITY NANOPARTICLES」と題する2007年11月30日出願のPCT特許出願第PCT US07/86018号および/または2009年12月30日にWO09/158687として発行され、「DERMAL DELIVERY」と題する2009年6月26日出願のPCT特許出願第PCT US09/48972号を参照されたく、これらのすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0110】
一部の実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、本明細書に記載される特定の成分および/または相対量の成分を有する。一部の実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、それらを区別するおよび/または定義する特定の構造的および/または機能的特質を有する。一部の実施形態では、一般的にナノ粒子組成物に関連付けられてきた例示的な特質(例えば、物理的、構造的および/または機能的特質)が以下の段落に記載される。一部の実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、これらの特質の1つまたは複数を有する。一部の実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、これらの特質のいずれも有さない。
【0111】
一般的に、ナノ粒子組成物は、少なくとも1つのナノ粒子を含む任意の組成物である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、少なくとも1種の公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)を含む。公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤は、1つまたは複数のナノ粒子によってカプセル化されるかまたは完全に包囲されてもよく、ナノ粒子の界面と会合されてもよく、かつ/または1つもしくは複数のナノ粒子の外表面に吸着されてもよい。公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤は、ナノ粒子および/またはナノ粒子組成物に共有結合されてもされなくてもよく、公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤は、吸着力によってナノ粒子および/またはナノ粒子組成物に付着されてもされなくてもよい。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、空のナノ粒子(例えば、任意の公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤を含有しないナノ粒子)を含む。
【0112】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は安定である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は均一である。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の最小直径と最大直径の間の差異は、およそ600nm、およそ550nm、およそ500nm、およそ450nm、およそ400nm、およそ350nm、およそ300nm、およそ250nm、およそ200nm、およそ150nmまたはおよそ100nm、およそ90nm、およそ80nm、およそ70nm、およそ60nm、およそ50nm以下のnmを超えない。
【0113】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約1000nm、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nm、約80nm、約50nm以下より小さい直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。
【0114】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約10nmから約600nmの範囲の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約10nm~約300nm、約10nm~約200nm、約10nm~約150nm、約10nm~約130nm、約10nm~約120nm、約10nm~約115nm、約10nm~約110nm、約10nm~約100nmまたは約10nm~約90nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、1nm~1000nm、1nm~600nm、1nm~500nm、1nm~400nm、1nm~300nm、1nm~200nm、1nm~150nm、1nm~120nm、1nm~100nm、1nm~75nm、1nm~50nmまたは1nm~25nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、1nm~15nm、15nm~200nm、25nm~200nm、50nm~200nm、または75nm~200nmの直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。
【0115】
一部の実施形態では、全粒子分布が粒径サイズの特定の範囲内に包含される。一部の実施形態では、全粒子分布の50%、25%、10%、5%または1%未満が粒径サイズの特定の範囲外にある。一部の実施形態では、全粒子分布の1%未満が粒径サイズの特定の範囲外にある。ある特定の実施形態では、ナノ粒子組成物は、300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nmまたは25nmより大きい直径を有する粒子を実質的に含まない。一部の実施形態では、全粒子分布の50%、25%、10%、5%または1%未満が300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nmまたは25nmより大きい直径を有する。
【0116】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nmまたは約50nmを下回る平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、平均粒子サイズは、約10nmから約300nm、約50nmから約250、約60nmから約200nm、約65nmから約150nmまたは約70nmから約130nmの範囲内である。一部の実施形態では、平均粒子サイズは約80nmおよび約110nmである。一部の実施形態では、平均粒子サイズは約90nmおよび約100nmである。
【0117】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子の大部分は、特定のサイズ未満または特定の範囲内の直径を有する。一部の実施形態では、大部分は、組成物中の粒子の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%以上より多い。
【0118】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、600nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が600nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が600nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が600nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は10nmから600nmの範囲内の直径を有する。
【0119】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、500nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が500nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が500nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が500nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は10nmから500nmの範囲内の直径を有する。
【0120】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、400nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が400nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が400nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が400nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は10nmから400nmの範囲内の直径を有する。
【0121】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、300nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が300nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が300nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が300nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は10nmから300nmの範囲内の直径を有する。
【0122】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、200nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が200nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が200nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が200nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は10nmから200nmの範囲内の直径を有する。
【0123】
一部の実施形態では、提供される組成物は、150nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、提供される組成物中のナノ粒子の50%未満が150nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が150nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が150nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、提供される組成物中のナノ粒子は10nmから150nmの範囲内の直径を有する。
【0124】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、120nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。特に、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が120nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の25%未満が120nmを超える直径を有する。一部の実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%以下未満が120nmを超える直径を有する。さらに、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は10nmから120nmの範囲内の直径を有する。
【0125】
一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、10nmから150nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、10nmから120nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから120nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから110nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから100nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから90nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから80nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから70nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから60nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから50nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから40nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の大部分は、20nmから30nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。
【0126】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、10nmから120nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから120nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから110nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから100nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから90nmの間の直径を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから80nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから70nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから60nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから50nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから40nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大部分は、20nmから30nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。
【0127】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約50%が、10nmから40nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約90%が、10nmから80nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約90%が、10nmから90nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約95%が、10nmから110nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約95%が、10nmから120nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、提供される組成物中の粒子の約95%が、10nmから150nmの間の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。
【0128】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の総容量の約50%は、10nmから40nmの間の直径を有するナノ粒子を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の総容量の約90%は、10nmから80nmの間の直径を有するナノ粒子を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の総容量の約95%は、10nmから110nmの間の直径を有するナノ粒子を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の総容量の約95%は、10nmから120nmの間の直径を有するナノ粒子を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、提供される組成物中のすべての粒子の総容量の約95%は、10nmから150nmの間の直径を有するナノ粒子を含むかまたはからなる。
【0129】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物はエマルジョンまたは分散液であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、「水中油」分散液(すなわち、油状粒子が水性分散媒内に分散した分散液)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は、「油中水」分散液(すなわち、水性粒子が油状分散媒内に分散した分散液)である。
【0130】
一部の実施形態では、提供される組成物は、毒性溶媒を必要としない。対照的に、組成物中のナノ粒子の形成を誘発するための多くの従来の戦略は、毒性(典型的には有機)溶媒を利用する。一部の実施形態では、提供される組成物は、ポリマーを必要としない。対照的に、ナノ粒子構造体を含有する組成物を調製するための多くの従来の戦略は、ポリマーを必要とする。
【0131】
一部の実施形態では、提供される組成物は、他のナノ粒子組成物より良好な組織吸収および/または良好な生体適合性を有する。例えば、一部の実施形態では、提供される組成物は、均一ではない、1種もしくは複数の毒性(例えば、有機)溶媒を利用するおよび/または1種もしくは複数のポリマーを利用するナノ粒子組成物より良好な組織吸収および/または良好な生体適合性を有する。
【0132】
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物は安定である。一部の実施形態では、安定なナノ粒子組成物は、平均粒子サイズ、最大粒子サイズ、粒子サイズの範囲および/または粒子サイズの分布(すなわち、指定サイズを上回るおよび/またはサイズの指定範囲外の粒子のパーセンテージ)が一定期間維持されるものである。一部の実施形態では、一定期間は少なくとも約1時間であり、一部の実施形態では、一定期間は約5時間、約10時間、約1日、約1週間、約2週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約8ヶ月、約10ヶ月、約12ヶ月、約24ヶ月以上である。一部の実施形態では、一定期間は、約1日~約24ヶ月、約2週間~約12ヶ月、約2ヶ月~約5ヶ月などの範囲内である。例えば、ナノエマルジョン粒子の集団が長期保管、温度の変化および/またはpHの変化に供され、集団中のナノ粒子の大部分が述べられた範囲(すなわち、例えばおよそ10nmから約120nmの間)内の直径を維持する場合、ナノ粒子組成物は安定である。一部のそのような集団では、大部分は約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、約99.9%より大きく、または約99.9%より大きく純粋である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が少なくとも1種の公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤を含む場合、ナノ粒子組成物は、公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)の濃度が、指定された一連の条件下で、指定された一定期間にわたって組成物中で維持される場合安定とみなされる。
【0133】
本明細書に記載される通り、提供される組成物は、種々の化粧品および/または医療用途に有用である。そのような組成物は、目的の疾患、障害または状態のために当業者によって容易に決定されうるように、任意の適切な経路によって対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、利用されてもよい経路として、経口(PO)、静脈内(IV)、筋内(IM)、動脈内、髄内、髄腔内、皮下(SQ)、脳室内、経皮、皮膚間、皮内、直腸(PR)、膣、腹腔内(IP)、胃内(IG)、局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによって)、粘膜、鼻腔内、頬側、経腸、硝子体ならびに/または舌下投与、気管内注入、気管支注入および/もしくは吸入によって、経口スプレー、鼻腔スプレーおよび/もしくはエアロゾルとして、および/もしくは門脈カテーテルによって、ならびに/または前述のいずれかの組合せのうちの1つまたは複数を挙げることができる。ほとんどの実施形態では、本明細書に記載される通り、投与は局所的、非経口または経口である。
【0134】
提供される組成物の製剤は、当技術分野において理解される任意の適切な方法によって調製されてもよい。一般的に、そのような調製方法は、提供される組成物を1種または複数の賦形剤と会合させ、次いで必要なおよび/または望ましい場合、投与に適切な形態に、例えば単回または複数用量単位としてまたはこれらの中に成形および/または包装する工程を含む。
【0135】
一部の実施形態では、組成物は、単回単位用量としておよび/または複数の単回単位用量として、バルクで調製、包装および/または販売されてもよい。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、所定量の提供される組成物を含む医薬組成物の個別の量である。提供される組成物の量は、一般的に対象に投与される提供される組成物の投与量、および/または例えば、そのような投与量の2分の1もしくは3分の1などの、そのような投与量の好都合な分率に等しい。
【0136】
一部の実施形態では、組成物(例えば、薬学的におよび/または化粧品として適切な組成物)に使用される適切な賦形剤は、例えば特定の所望される剤形に適合する溶媒、分散媒、造粒媒、希釈剤または他の液体媒体、分散または懸濁助剤、表面活性剤および/または乳化剤、等張剤、増粘剤または乳化薬剤、保存剤、固体バインダー、潤滑剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤などの1種または複数の賦形剤を含みうる。一部の実施形態では、カカオバターおよび/または坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および/または芳香剤などの賦形剤が利用されてもよい。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, A. R. Gennaro (Lippincott, Williams & Wilkins, Baltimore, MD, 2005; 参照により本明細書に組み込まれる)は、医薬組成物の製剤化に使用される種々の賦形剤およびその調製のための公知の技術を開示している。
【0137】
一部の実施形態では、適切な賦形剤(例えば、薬学的におよび/または化粧品として許容される賦形剤)は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%純粋である。一部の実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局によって承認される。一部の実施形態では、賦形剤は医薬品グレードである。一部の実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方および/または他の国際薬局方の基準に適合する。
【0138】
一部の実施形態では、提供される組成物は、クリーム、湿布薬、軟膏、オイル、フォーム、スプレー、ローション、液体、粉末、増粘ローションまたはゲルとして製剤化されている(例えば、本明細書に記載される経皮デリバリーのために製剤化される)。特定の例示的なそのような製剤は、例えば皮膚軟化剤、栄養ローション型エマルジョン、クレンジングローション、クレンジングクリーム、乳液、エモリエントローション、マッサージクリーム、エモリエントクリーム、化粧下地、フェイシャルパックまたはフェイシャルゲル、シャンプー、リンス、ボディクレンザー、ヘアトニックもしくは石鹸などの洗浄製剤またはローション、軟膏、ゲル、クリーム、湿布薬、パッチ、デオドラントもしくはスプレーなどの皮膚用組成物などの化粧品製剤製品として調製されてもよい。
【0139】
本開示は、エマルジョン技術が、本明細書に記載されるPAI-1阻害剤に対してを含め、目的の薬剤に対して安定化の利点を提供しうるという認識を包含する。さらに、マクロとナノの両方のエマルジョンを使用して、皮膚科学的状態の処置としてのPAI-1阻害剤の投与のための製剤が調製されてもよい。一部の特定の実施形態では、製剤は局所的製剤であってもよい。一部の特定の実施形態では、製剤は注射用製剤であってもよい。一部の特定の実施形態では、製剤は経口製剤であってもよい。
【0140】
一部の実施形態では、提供される組成物は、提供されるナノエマルジョン組成物を含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、クリームおよび/またはローション製剤である。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、ナノエマルジョン組成物を含む。一部の実施形態では、組成物は、提供されるナノエマルジョン組成物を含むがクリームおよび/またはローション製剤ではない。一部の実施形態では、好適な組成物は、クリームおよび/またはローションへと製剤化されるが、ナノエマルジョン組成物を含まない。
【0141】
一部の実施形態では、提供される組成物は、提供されるナノエマルジョン組成物と、例えば局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによる)投与のための1種または複数の薬学的に許容される賦形剤の混合物を含む。
【0142】
エマルジョン
一部の実施形態では、PAI-1阻害剤の投与およびデリバリーのための驚くほど有効な技術が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本開示は、毛髪の白髪化を含む種々の皮膚科学的状態のためのそのようなPAI-1阻害剤の局所的、経口および/または注射用製剤および組成物を教示する。一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象へのPAI-1阻害剤製剤および/または組成物の投与によって1つまたは複数の皮膚科学的状態を処置するおよび/または予防する方法を教示する。一部の実施形態では、製剤および/または組成物はエマルジョンを含む。
【0143】
さらに、本開示は、ある特定の液体ナノエマルジョン技術が、ボツリヌス菌および/または抗体薬剤などの非常に大きい分子に対しても著しい経皮デリバリー特質をもたらすと実証されていることを認識している。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2012/0328701号、米国特許公開第2012/0328702号、第8,318,181号および米国特許第8,658,391号を参照されたい。これらの液体ナノエマルジョンは、固体ナノ粒子薬物デリバリー、特にGomaaによって述べられるように、固体ナノ粒子が皮膚に浸透することができず、毛包に蓄積するのみである経皮薬物デリバリーよりはるかに優れている。これらの液体ナノエマルジョンはまた、少なくとも34ヶ月間安定であり、この観点からもこれらは商業的に実用可能である。
【0144】
マクロエマルジョン
一部の実施形態では、本発明は、皮膚科学的状態、例えば毛髪の白髪化の治療目的で特に有効かつ/または有用なPAI-1阻害剤を含むマクロエマルジョン組成物を利用する。一部の実施形態では、特定のマクロエマルジョン組成物は、それを必要とする対象へのPAI-1阻害剤の局所的、経口および/または注射剤投与に特に有効かつ/または有用である。一部の実施形態では、マクロエマルジョン組成物は、1種または複数のPAI-1阻害剤から構成されてもよい。
【0145】
一部の実施形態では、マクロエマルジョンは、皮膚への局所的投与に好適な組成物へと製剤化されてもよい。一部の実施形態では、局所的投与に好適な組成物は、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲルまたは液滴でありうる。
【0146】
一部の実施形態では、マクロエマルジョン製剤は、水、中鎖トリグリセリド、スパン65、ポリソルベート80、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含む。一部の実施形態では、マクロエマルジョン製剤は、水、中鎖トリグリセリド、スパン65およびポリソルベート80を含む。
【0147】
一部の実施形態では、提供される組成物は、提供されるマクロエマルジョン組成物と1種または複数の薬学的に許容される賦形剤の混合物を含む。一部の実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、提供されるマクロエマルジョン組成物および/または生理食塩水の混合物を含む。
【0148】
一部の実施形態では、提供される組成物は、1種または複数のPAI-1阻害剤を含むマクロエマルジョン組成物を含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、クリームおよび/またはローション製剤である。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はマクロエマルジョン組成物を含む。一部の実施形態では、組成物は、提供されるマクロエマルジョン組成物を含むがクリームおよび/またはローション製剤ではない。一部の実施形態では、好適な組成物は、クリームおよび/またはローションへと製剤化されるがマクロエマルジョン組成物を含まない。
【0149】
一部の実施形態では、提供される組成物は、提供されるマクロエマルジョン組成物と、例えば局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによる)投与のための1種または複数の薬学的に許容される賦形剤の混合物を含む。
【0150】
一部の実施形態では、マクロエマルジョンは、局所的投与に好適な組成物に製剤化されてもよい。一部の実施形態では、局所的投与に好適な組成物は、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲルまたは液滴であってもよい。一部の実施形態では、マクロエマルジョンは、注射用組成物へと製剤化されてもよい。一部の実施形態では、注射用組成物は滅菌であってもよい。
【0151】
マクロエマルジョン製剤は、活性剤および/またはPAI-1阻害剤などの治療剤を安定化させるように作用することができる。マクロエマルジョン製剤は、それら自体の中でまたはそれら自体が活性剤の経皮デリバリーを達成すると必ずしも予期されるものではないが、本開示は、本明細書に記載されるマイクロニードル技術と組み合わされたとき、マクロエマルジョン組成物への組込みによってもたらされうる安定化の向上が、経皮デリバリーの相乗的増強を達成することを包含する。
【0152】
ナノエマルジョン
一部の実施形態では、本発明は、皮膚科学的状態、例えば毛髪の白髪化の治療目的で特に有効かつ/または有用なPAI-1阻害剤を含むナノエマルジョン組成物を利用する。一部の実施形態では、特定のナノエマルジョン組成物は、それを必要とする対象へのPAI-1阻害剤の局所的、経口および/または注射剤投与に特に有効かつ/または有用である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物は、1種または複数のPAI-1阻害剤から構成されてもよい。
【0153】
一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、油および界面活性剤を約0.1:1~約2:1の間の範囲の比で含む。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、油および界面活性剤を約0.1:1~約1:1の比で含む。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、油および界面活性剤を約0.5:1~約1:1の比で含む。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、油および界面活性剤を約0.5:1~約1:1.5の比で含む。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、油および界面活性剤を約0.1:1、約0.15:1、約0.2:1、約0.25:1、約0.3:1、約0.35:1、約0.4:1、約0.45:1、約0.5:1、約0.5:1、約0.55:1、約0.6:1、約0.65:1、約0.7:1、約0.75:1、約0.8:1、約0.85:1、約0.9:1、約0.95:1または約1:1の比で含む。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、油および界面活性剤を約0.67:1の比で含む。
【0154】
一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)および界面活性剤は、0.01から20の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)および界面活性剤は、0.1から20の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)および界面活性剤は、0.5から10の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)および界面活性剤は、0.5から1の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)の界面活性剤に対する比は、およそ0.01:1、およそ0.02:1、およそ0.03:1、およそ0.04:1、およそ0.05:1、およそ0.06:1、およそ0.07:1、およそ0.08:1、およそ0.0:1、およそ0.1:1、およそ0.2:1、およそ0.3:1、およそ0.4:1、およそ0.5:1、およそ1:1、およそ2:1、およそ3:1、およそ4:1、およそ5:1、およそ6:1、およそ7:1、およそ8:1、およそ9:1またはおよそ10:1である。一部の実施形態では、界面活性剤の水に対する比は、およそ0.5:1、およそ1:1、およそ2:1、およそ3:1、およそ4:1、およそ5:1、およそ6:1、およそ7:1、およそ8:1、およそ9:1、およそ10:1、およそ11:1、およそ12:1、およそ13:1、およそ14:1、およそ15:1、およそ16:1、およそ17:1、およそ18:1、およそ19:1またはおよそ20:1である。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)および界面活性剤は、0.5から2の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)の界面活性剤に対する比は、およそ0.5~1、およそ1:1またはおよそ2:1である。一部の実施形態では、界面活性剤の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)に対する比は、およそ0.5~1、およそ1:1またはおよそ2:1である。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)の界面活性剤に対する比は、およそ1:1である。一部の実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)の界面活性剤に対するそのような比を利用する組成物は、油中水エマルジョンを含む。
【0155】
一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物内の液滴は、約10nm~約300nm、約10nm~約200nm、約10nm~約150nm、約10nm~約130nm、約10nm~約120nm、約10nm~約115nm、約10nm~約110nm、約10nm~約100nmまたは約10nm~約90nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物内の液滴は、1nm~300nm、1nm~200nm、1nm~150nm、1nm~120nm、1nm~100nm、1nm~75nm、1nm~50nmまたは1nm~25nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物内の液滴は、1nm~15nm、15nm~200nm、25nm~200nm、50nm~200nm、または75nm~200nmの直径(例えば、平均および/または中位径)を有する。
【0156】
一部の実施形態では、全液滴分布が液滴径サイズの特定の範囲内に包含される。一部の実施形態では、全液滴分布の50%、25%、10%、5%または1%未満が液滴径サイズの特定の範囲外にある。一部の実施形態では、全液滴分布の1%未満が液滴径サイズの特定の範囲外にある。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物は、300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nmまたは25nmより大きい直径を有する液滴を実質的に含まない。一部の実施形態では、全液滴分布の50%、25%、10%、5%または1%未満が300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nmまたは25nmより大きい直径を有する。
【0157】
一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物内の液滴は、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nmまたは約50nmを下回る平均液滴サイズを有する。一部の実施形態では、平均液滴サイズは、約10nmから約300nm、約50nmから約250、約60nmから約200nm、約65nmから約150nmまたは約70nmから約130nmの範囲内である。一部の実施形態では、平均液滴サイズは約80nmおよび約110nmである。一部の実施形態では、平均液滴サイズは約90nmおよび約100nmである。
【0158】
[0159]一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、-80mVから+80mVの間の範囲のゼータ電位を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、-50mVから+50mVの間の範囲のゼータ電位を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、-25mVから+25mVの間の範囲のゼータ電位を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、-10mVから+10mVの間の範囲のゼータ電位を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、約-80mV、約-70mV、約-60mV、約50mV、約-40mV、約-30mV、約-25mV、約-20mV、約-15mV、約-10mVまたは約-5mVのゼータ電位を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、約+50mV、約+40mV、約+30mV、約+25mV、約+20mV、約+15mV、約+10mVまたは約+5mVのゼータ電位を有する。一部の実施形態では、ナノエマルジョンの液滴は、約0mVであるゼータ電位を有する。
【0159】
一部の実施形態では、水性分散媒および界面活性剤は、約8:1から約9:1の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒および界面活性剤は、約8:1、約8.1:1、約8.2:1、約8.3:1、約8.4:1、約8.5:1、約8.6:1、約8.7:1、約8.8:1、約8.9:1、約9:1などの比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒および界面活性剤は、約8.7:1の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒および界面活性剤は、約8.8:1の比で利用される。
【0160】
一部の実施形態では、水性分散媒および油は、約12:1から約14:1の間の範囲の比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒および界面活性剤は、約12:1、約12.1:1、約12.2:1、約12.3:1、約12.4:1、約12.5:1、約12.6:1、約12.7:1、約12.8:1、約12.9:1、約13:1、約13.1:1、約13.2:1、約13.3:1、約13.4:1、約13.5:1、約13.6:1、約13.7:1、約13.8:1、約13.9:1、約14:1などの比で利用される。一部の実施形態では、水性分散媒および界面活性剤は、約13.1:1の比で利用される。
【0161】
一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、0%から50%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、0%から40%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、0%から30%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、0%から20%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、0%から10%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、0%から5%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、5%から10%の間、10%から15%の間、15%から20%の間、20%から25%の間、25%から30%の間、35%から40%の間または45%から50%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、10%から20%の間、10%から30%の間、10%から40%の間または10%から50%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、20%から30%の間、20%から40%の間、20%から50%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは、30%から40%の間または30%から50%の間の範囲である。一部の実施形態では、ナノエマルジョン中の油のパーセントは40%から50%の間の範囲である。
【0162】
一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ1%、およそ2%、およそ3%、およそ4%、およそ5%、およそ6%、およそ7%、およそ9%、およそ10%、およそ11%、およそ12%、およそ13%、およそ14%、およそ15%、およそ16%、およそ17%、およそ18%、およそ19%、およそ20%、およそ21%、およそ22%、およそ23%、およそ24%、およそ25%、およそ26%、およそ27%、およそ28%、およそ29%、およそ30%、およそ31%、およそ32%、およそ33%、およそ34%、およそ35%、およそ36%、およそ37%、およそ38%、およそ39%、およそ40%、およそ41%、およそ42%、およそ43%、およそ44%、およそ45%、およそ46%、およそ47%、およそ48%、およそ49%またはおよそ50%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ10%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ9%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ8%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ7%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ6%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ5%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ4%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ3%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ2%である。一部の実施形態では、油のパーセントはおよそ1%である。
【0163】
一部の実施形態では、ナノエマルジョン製剤は、水、中鎖トリグリセリド、ポリソルベート80、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含む。一部の実施形態では、ナノエマルジョン製剤は、水、中鎖トリグリセリドおよびポリソルベート80を含む。
【0164】
一部の実施形態では、ナノエマルジョンは、局所的投与に好適な組成物へと製剤化されてもよい。一部の実施形態では、局所的投与に好適な組成物は、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲルまたは液滴でありうる。一部の実施形態では、ナノエマルジョンは注射用組成物へと製剤化されてもよい。一部の実施形態では、注射用組成物は滅菌であってもよい。
【0165】
これらの組成物は、局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによる)投与によるそれを必要とする対象への薬剤のデリバリーに使用されうるという点で特に有用である。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによる)投与によってそれを必要とする対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、クリームおよび/またはローション製剤へと製剤化されてもよい。一部の実施形態では、ナノエマルジョン組成物を含む提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、対象への局所的投与のために有用および/または有効であってもよい。一部の実施形態では、提供されるナノエマルジョン組成物は、医薬組成物の調製のためにクリーム製剤(例えば、提供されるクリーム製剤)中の1種または複数のクリーム成分および/または生理食塩水と混和されてもよい。
【0166】
本発明は、エマルジョン組成物(例えば、マクロエマルジョン組成物およびナノエマルジョン組成物)が対象に投与するためのクリームおよび/またはローション製剤へと製剤化されてもよいという認識を包含する。本発明は、提供されるクリームおよび/またはローション製剤が、本明細書に記載されるものなどの対象に投与するためのエマルジョンを製剤化するために特に有用でありうるという認識を包含する。
【0167】
局所的製剤
本明細書に記載される組成物は、局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによる)投与によるそれを必要とする対象へのPAI-1阻害剤のデリバリーに使用されうるという点で特に有用である。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤を含む提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、局所的(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、湿布薬、ゲル、液滴などによる)投与によってそれを必要とする対象に投与される。一部の実施形態では、局所的製剤は、本明細書に記載されるマクロエマルジョンを含む。一部の実施形態では、局所的製剤は、本明細書に記載されるナノエマルジョンを含む。
【0168】
一部の実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、精製水、メチルパラベン、鉱物油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化ワックスおよびプロピルパラベンを含む。一部の実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、精製水、鉱物油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリンおよび乳化ワックスを含む。
【0169】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される特定のクリームおよび/またはローション製剤を提供する。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は水を含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はメチルパラベンを含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は鉱物油を含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、ミリスチン酸イソプロピルを含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は白色ワセリンを含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は乳化ワックスを含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はプロピルパラベンを含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はパラベンを含まない。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はメチルパラベンを含まない。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はプロピルパラベンを含まない。
【0170】
一部の実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、局所的および/または経皮投与に有用であってもよい。本発明は、一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤が、例えば投与部位に位置する毛包へのPAI-1阻害剤のデリバリーに特に有用でありうるという認識を包含する。一部の実施形態では、処置される部位は、以前に毛髪または毛包を有したが、もはや毛髪または毛包を有さないものを含む。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、それを必要とする対象への局所的デリバリーのために製剤化される。一部の実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、局所的デリバリーによってそれを必要とする対象に投与される。
【0171】
一部の実施形態では、提供される組成物は、化粧品として許容される成分とともに製剤化される。例えば、一部の実施形態では、提供される組成物は、水、さらに任意の化粧品として許容される溶媒、特に、単独でまたは混合物中で使用される、1~8個の炭素原子を有するアルカノールなどのモノアルコール(エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールのような)、アルキレングリコールなどのポリアルコール(グリセリン、エチレングリコールおよびプロピレングリコールのような)ならびにモノ、ジおよびトリエチレングリコールモノアルキルエーテルなどのグリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテルとともに製剤化される。そのような成分は、例えば全組成物の重量に対して最大60重量%、70重量%、80重量%または90重量%ほどの比率で存在してもよい。
【0172】
一部の実施形態では、局所的投与のための提供される組成物は、組成物が投与される対象に望ましいまたは適切な外観特質を付与する1種または複数の化粧品として許容される成分を含む(例えば、脂性皮膚を有する対象への投与に特に望ましいまたは適切でありうるマットな外観)。
【0173】
一部の実施形態では、提供される組成物は、例えば脂性皮膚を有する個体に特に所望されうるマットな製品を得るために、少なくとも1種の化粧品として許容される充填剤材料とともに製剤化される。
【0174】
一部の実施形態では、1種または複数のPAI-1阻害剤は、局所的投与に好適な組成物へと製剤化される。例示的なPAI-1阻害剤は、本明細書に記載されるものを含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、全身デリバリーが達成されるようにマイクロニードル皮膚コンディショニング(MSC)と組み合わせて製剤化およびデリバリーされてもよい。一部の実施形態では、提供される組成物は、局部的であるが全身ではないデリバリーが達成されるように製剤化および/またはデリバリーされてもよい。
【0175】
一部の実施形態では、局所的製剤に好適な組成物は、浸透増強剤を含む。一部の実施形態では、浸透増強剤は、皮膚構造および/または皮膚を分解、破壊および/または損傷する。一部の実施形態では、浸透増強剤は、皮膚構造および/または皮膚を分解、破壊および/または損傷しない。一部の実施形態では、浸透増強剤は刺激物質である。一部の実施形態では、浸透増強剤は刺激物質ではない。
【0176】
一部の実施形態では、提供される組成物は、例えばパッチなどのデバイスに組み込まれてもよい。種々の経皮パッチ構造体が当技術分野で公知であり、当業者は、提供される組成物が、種々のそのような構造体のいずれかに容易に組み込まれうることを認識する。一部の実施形態では、経皮パッチは、皮膚に投与されるパッチの片側から伸長する複数の針を含んでもよい。
【0177】
当業者は、提供される組成物が、例えばパッチなどのデバイスに組み込まれてもよいことを認識する。種々の経皮パッチ構造体が当技術分野で公知であり、当業者は、提供される組成物が、種々のそのような構造体のいずれかに容易に組み込まれうることを認識する。一部の実施形態では、経皮パッチは、皮膚に投与されるパッチの片側から伸長する複数の針を含んでもよく、針はパッチから伸長し、皮膚の角質層を通って突出する。一部の実施形態では、針は血管を破裂させない。一部の実施形態では、針は皮膚の真皮中の神経に達するほど十分深く貫通しない。
【0178】
一部の実施形態では、経皮パッチは接着剤を含む。接着パッチの一部の例は周知である(例えば、すべて参照により本明細書に組み込まれる、米国意匠特許296,006および米国特許6,010,715、5,591,767、5,008,110、5,683,712、5,948,433および5,965,154を参照されたい)。接着パッチは、一般的に患者の皮膚に投与される接着層、提供される組成物を保持するための貯蔵部(depot)またはリザーバ、および貯蔵部からの提供される組成物の漏出を予防する外面を有することを特徴とする。パッチの外面は非接着性であってもよい。
【0179】
本発明によると、提供される組成物は、長期間安定であり続けるようにパッチに組み込まれる。例えば、一部の実施形態では、提供される組成物は、活性剤を安定化させ、薬剤がマトリックスおよびパッチから拡散することを許容するポリマーマトリックスに組み込まれてもよい。提供される組成物はまた、パッチが皮膚に投与されると、提供される組成物が皮膚を通して拡散しうるようにパッチの接着層に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、接着層は熱活性化されてもよく、ここで接着剤は、薬剤が皮膚を通して拡散するように約37℃の温度によって徐々に液化する。接着剤は、37℃未満において保管された場合に粘着性であり続けることが可能であり、皮膚に投与されると、接着剤は液化するとともにその粘着性を失う。
【0180】
一部の実施形態では、提供される組成物は、提供される組成物がパッチに印加される圧力によってパッチを出てマイクロニードルおよび角質層を通って導かれるように、パッチの貯蔵部内に提供されてもよい。マイクロニードルの例示的な実施形態は上記に記載される。提供される組成物の皮内投与に使用するための好適なデバイスとして、米国特許第4,886,499号、第5,190,521号、第5,328,483号、第5,527,288号、第4,270,537号、第5,015,235号、第5,141,496号および第5,417,662号に記載されるものなどのデバイスが挙げられる。皮内組成物は、PCT公開WO99/34850およびその機能的均等物に記載されるものなどの、針の皮膚への有効な貫通長さを制限するデバイスによって投与されてもよい。
【0181】
一部の実施形態では、例えば提供される組成物の効果を長引かせるために、提供される組成物の皮膚への吸収を緩徐化させることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、これは水溶性が低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成されうる。この場合、提供される組成物の吸収速度は溶解速度に依存し、溶解速度は、ひいては結晶サイズおよび結晶形態に依存しうる。一部の実施形態では、提供される組成物のポリマーに対する比および利用される特定のポリマーの性質に応じて、提供される組成物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。
【0182】
注射用製剤
注射用調製物、例えば滅菌注射用水性または油性懸濁液は、好適な分散剤、湿潤剤および/または懸濁剤を使用して公知の技術によって製剤化されてもよい。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤および/または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液および/またはエマルジョン、例えば1,3-ブタンジオール中溶液としてであってもよい。利用されてもよい許容される媒体および溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液がある。溶媒または懸濁媒として滅菌の不揮発性油が従来利用されている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無菌不揮発性油が利用されてもよい。オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用されてもよい。
【0183】
注射用製剤は、例えば細菌保持フィルターによる濾過によって、および/または使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒質に溶解または分散されうる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌されてもよい。
【0184】
提供される組成物の効果を長引かせるために、皮下または筋内注射からの提供される組成物の吸収を緩徐化させることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、投与は全身デリバリーを達成する。一部の実施形態では、投与は局部的デリバリーを達成する。これは、水溶性が低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成されうる。この場合、提供される組成物の吸収速度は溶解速度に依存し、溶解速度は、ひいては結晶サイズおよび結晶形態に依存しうる。代替的に、非経口投与される提供される組成物形態の吸収の遅延は、提供される組成物を油媒体に溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、提供される組成物のマイクロカプセル化マトリックスをポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に形成することによって作製される。提供される組成物のポリマーに対する比および利用される特定のポリマーの性質に応じて、提供される組成物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤は、提供される組成物を、身体組織と適合性があるリポソームまたはマイクロエマルジョンに封入することによって調製される。
【0185】
経口製剤
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤を含む。そのような固体剤形では、提供される組成物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性の薬学的に許容される賦形剤ならびに/または充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、バインダー(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア)、保水剤(例えば、グリセロール)、崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム)、溶解抑制剤(例えば、パラフィン)、吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)ならびに潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
【0186】
ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質および/または硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として、同様の種類の固体組成物が利用されてもよい。錠剤、糖衣剤、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬品製剤化技術において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製されてもよい。これらは乳白剤を含んでもよく、かつ提供される組成物のみを、または優先的には腸管のある特定の部分で、適宣遅延様式で放出する組成物のものであってもよい。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として、同様の種類の固体組成物が利用されてもよい。
【0187】
投与
本発明は、本明細書に記載される提供される組成物(例えば、提供されるエマルジョン組成物、クリームおよび/またはローション製剤、提供されるエマルジョン組成物とクリームおよび/またはローション製剤との組合せなど)のいずれかを使用して、毛髪の白髪化を含む皮膚科学的状態または障害を処置するための技術を提供する。一部の実施形態では、提供される組成物は、MSCとの組合せで投与される。
【0188】
本明細書に記載される通り、本発明は、例えば化粧品および/または医療用途を含む種々の用途のために、提供される組成物を対象に投与する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、提供される組成物をそれを必要とする対象に投与することにより、表皮および/または真皮構造(例えば、汗腺、皮脂腺、毛包など)の活性に関連付けられる疾患、障害および/または状態を処置するおよび/または予防する方法を提供する。
【0189】
部位
本開示によると、PAI-1阻害剤は、部位における皮膚科学的状態の処置および/または予防のために目的の部位に投与されてもよい。
【0190】
本発明の技術は、ヒトおよび獣医学使用の両方に好適である。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤の局所的、経口および/または注射剤投与から利益を得る本明細書に記載の任意の皮膚科学的障害を患う対象が、開示される技術によって処置されてもよい。
【0191】
MSCの任意の好適な部位が好適な投与部位である。一部の実施形態では、投与部位は対象の筋肉または筋肉群を覆う皮膚である。一部の実施形態では、部位は無毛である。一部の実施形態では、部位は胴にある。一部の実施形態では、部位は背中にある。一部の実施形態では、部位は胸部にある。一部の実施形態では、部位は臀部にある。一部の実施形態では、部位は股にある。一部の実施形態では、部位は鼠径部にある。一部の実施形態では、部位は頭部にある。一部の実施形態では、部位は頭皮にある。一部の実施形態では、部位は顔にある。一部の実施形態では、部位は首にある。一部の実施形態では、部位は胸元にある。一部の実施形態では、部位は腋下にある。一部の実施形態では、部位は腋窩にある。一部の実施形態では、部位は手にある。一部の実施形態では、部位は足にある。一部の実施形態では、部位は腕にある。一部の実施形態では、部位は脚にある。一部の実施形態では、部位は以前に毛髪または毛包を有したが、もはや毛髪または毛包を有さない。
【0192】
一部の実施形態では、目的の部位は毛包を有する。一部の実施形態では、毛包は通常の構造および/または密度を有する。一部の実施形態では、毛包は毛髪を含まない。一部の実施形態では、毛包は毛髪を含む。一部の実施形態では、毛髪を有する毛包のパーセンテージは約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上である。
【0193】
一部の実施形態では、毛包内の毛髪は灰色ではない。一部の実施形態では、毛包内の毛髪は灰色である。一部の実施形態では、白髪のパーセンテージは約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上である。
【0194】
一部の実施形態では、部位は皮膚状態に冒されている。
【0195】
一部の実施形態では、MSCに使用されるマイクロニードルの長さは、処置部位の皮膚の厚さに基づいて調整される。
【0196】
一部の実施形態では、MSCは、マイクロニードル(MN)またはMNアレイの1回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの2回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの3回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの4回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの5回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの6回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの7回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの8回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの9回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの10回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの11回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの12回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの13回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの14回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの15回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの16回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの17回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの18回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの19回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイの20回の押圧を含む。一部の実施形態では、MSCは、MNまたはMNアレイを皮膚の上で1回または複数回回転させることを含む。一部の実施形態では、MNアレイは押圧の間に回転される。一部の実施形態では、MNアレイは押圧の間に回転されない。一部の実施形態では、押圧は同じ部位に行われる。一部の実施形態では、押圧は重複する部位に行われる。一部の実施形態では、押圧は異なる部位に行われる。一部の実施形態では、押圧はMNアレイのスタンピングによって行われる。一部の実施形態では、押圧はマイクロニードルローラーを部位の上で1回または複数回回転させることによって行われる。確立されたMNの慣例によると、一部の実施形態では、MNアレイの皮膚への押圧は1秒未満持続し、または代替的には一部の実施形態では、押圧は1秒より長く持続し、例えば30秒以上、60秒以上、2分以上、5分以上、10分以上、30分以上などにわたって持続してもよい。
【0197】
対象
一般的に、対象は、生物、典型的には哺乳動物(例えばヒト、一部の実施形態では、出生前のヒトの形態を含む)である。一部の実施形態では、対象は雄である。一部の実施形態では、対象は雌である。一部の実施形態では、対象はヒトである。特定の実施形態では、ヒト対象は少なくとも10歳である。一部の実施形態では、対象は毛髪を有さない。一部の実施形態では、対象は毛髪を有する。一部の実施形態では、対象は低い毛包密度を有する。一部の実施形態では、対象は高い毛包密度を有する。一部の実施形態では、対象は着色された毛髪を有する。一部の実施形態では、対象は関連する疾患、障害または状態(例えば、毛髪の白髪化などの皮膚科学的状態など)を患う。一部の実施形態では、対象は疾患、障害または状態(例えば、毛髪の白髪化などの皮膚科学的状態など)に罹患しやすい。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害または状態(例えば、毛髪の白髪化などの皮膚科学的状態など)の1つもしくは複数の症状または特徴を示す。一部の実施形態では、対象は疾患、障害または状態(例えば、毛髪の白髪化などの皮膚科学的状態など)の症状または特徴を示さない。一部の実施形態では、対象は疾患、障害または状態(例えば、毛髪の白髪化などの皮膚科学的状態など)への易罹患性の1つもしくは複数の特有の特徴またはリスクを有する者である。一部の実施形態では、対象は患者である。一部の実施形態では、対象は診断および/または治療が投与されるおよび/または投与された個体である。
【0198】
本発明の技術は、ヒトおよび獣医学使用の両方に好適である。一部の実施形態では、PAI-1阻害剤の局所的、経口および/または注射剤投与から利益を得る本明細書に記載の任意の皮膚科学的障害を患う対象が、開示される技術によって処置されてもよい。
【0199】
経路
一般的に、経路は、適切な作用部位への治療有効量のデリバリーを達成するように選択される。任意の特定の理論に束縛されることを望むことなく、一部の実施形態では、作用部位は、毛包を含む部位であってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、投与部位は対象の筋肉または筋肉群を覆う皮膚である。一部の実施形態では、部位は無毛である。一部の実施形態では、部位は胴にある。一部の実施形態では、部位は背中にある。一部の実施形態では、部位は胸部にある。一部の実施形態では、部位は臀部にある。一部の実施形態では、部位は股にある。一部の実施形態では、部位は鼠径部にある。一部の実施形態では、部位は頭部にある。一部の実施形態では、部位は頭皮にある。一部の実施形態では、部位は顔にある。一部の実施形態では、部位は首にある。一部の実施形態では、部位は胸元にある。一部の実施形態では、部位は腋下にある。一部の実施形態では、部位は腋窩にある。一部の実施形態では、部位は手にある。一部の実施形態では、部位は足にある。一部の実施形態では、部位は腕にある。一部の実施形態では、部位は脚にある。
【0200】
一部の実施形態では、本発明は、これらに限定されないが、経口(PO)、静脈内(IV)、筋内(IM)、動脈内、髄内、髄腔内、皮下(SQ)、脳室内、経皮、皮膚間、皮内、直腸(PR)、膣、腹腔内(IP)、胃内(IG)、局所的および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、湿布薬、軟膏、粉末、ゲル、液滴などによって)、粘膜、鼻腔内、頬側、経腸、硝子体および/または舌下投与、気管内注入、気管支注入および/または吸入によって、経口スプレー、鼻腔スプレーおよび/またはエアロゾルとして、および/または門脈カテーテルによって、および/またはこれらの組合せを含む任意のデリバリー経路によって提供される組成物を投与する方法を提供する。
【0201】
一部の実施形態では、提供される方法は、提供される組成物の対象の皮膚への局所的、経皮または皮内投与を含む。一部の実施形態では、そのような経路は局部的デリバリーを達成する。
【0202】
一部の特定の実施形態では、提供される方法は、PAI-1阻害剤を含むエマルジョン組成物の局所的投与を含む。一部の特定の実施形態では、エマルジョン組成物はマクロエマルジョンである。一部の特定の実施形態では、エマルジョン組成物はナノエマルジョンである。一部の特定の実施形態では、MSCによってまたは併せた局所的。
【0203】
一部の実施形態では、活性剤または生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に皮膚に浸透する。
【0204】
一部の実施形態では、生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に皮膚の層に浸透する。
【0205】
一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に皮膚の上層に浸透する。
【0206】
一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。
【0207】
レジメン
一般的に、レジメンは、適切な作用部位への治療有効量のデリバリーを達成するように選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物および製剤は、それを必要とする対象に、適切な作用部位に単回用量で投与されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物および製剤は、それを必要とする対象に、適切な作用部位に複数用量で投与されてもよい。例えば、本明細書に記載される組成物および製剤は、有効量の生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)のデリバリーを達成するのに十分な、本明細書に記載される複数の投与経路(例えば、局所的、経口、注射によって)のいずれか1つによって投与されうる。
【0208】
一部の実施形態では、特定の活性剤(例えば、1種または複数のPAI-1阻害剤)の投薬レジメンは、例えば、治療を受ける対象において、目的の1種もしくは複数の組織または流体において特定の所望される薬物動態プロファイルまたは他の曝露のパターンを達成するために、断続的または連続的(例えば、灌流または他の徐放系によって)投与を含んでもよい。
【0209】
一部の実施形態では、組合せで投与される異なる薬剤は、異なるデリバリー経路によっておよび/または異なるスケジュールに従って投与されてもよい。代替的にまたはさらに、一部の実施形態では、第1の活性剤の1つまたは複数の用量が1種または複数の他の活性剤と実質的に同時に、かつ一部の実施形態では共通の経路によって、かつ/または単一の組成物の一部として投与される。
【0210】
所与の治療レジメンの経路および/または投薬スケジュールを最適化するときに考慮されるべき要因として、例えば処置される特定の適応症、対象の臨床状態(例えば、年齢、全体的な健康、以前受けた治療および/またはそれに対する応答)、薬剤のデリバリー部位、薬剤の性質(例えば、抗体または他のポリペプチドベースの化合物)、薬剤の投与モードおよび/または経路、併用療法の有無ならびに医療従事者に公知の他の要因を挙げることができる。例えば、がんの処置では、処置される適応症の関連する特色は、例えばがんの種類、段階、位置の1つまたは複数を含みうる。
【0211】
一部の実施形態では、特定の医薬組成物および/または利用される投薬レジメンの1つまたは複数の特色は、例えば、所望される治療効果または応答(例えば、PAI-1遺伝子または遺伝子産物の阻害)を最適化させるために経時的に修正されてもよい(例えば、任意の個々の用量中の活性剤の量の増加または減少、用量間の時間間隔の延長または短縮)。
【0212】
一般的に、本発明による活性剤の種類、量および投薬頻度は、1種または複数の適切な薬剤が哺乳動物、好ましくはヒトに投与されるときに適用される安全性および有効性の要件によって規定される。一般的に、投薬のそのような特色は、特定の、かつ典型的には治療の非存在下で観察されるものと比べて検出可能な治療応答をもたらすように選択される。
本発明の状況では、例示的な望ましい治療応答は、これらに限定されないが、PAI-1遺伝子および/または遺伝子産物の阻害、関連する皮膚科学的状態の程度および/または有病率の阻害および/または低減を含みうる。例えば、皮膚科学的状態は、本明細書に記載されるものである。特定の例では、皮膚科学的状態は毛髪の白髪化である。そのような基準は、種々の免疫学的、細胞学的および文献に開示される他の方法のいずれかによって容易に評価されうる。
【0213】
一部の実施形態では、活性剤の有効量(および/または単位用量)は、少なくとも約0.01ng/kg体重、少なくとも約0.01μg/kg体重、少なくとも約0.05μg/kg体重、少なくとも約0.1μg/kg体重、少なくとも約1μg/kg体重、少なくとも約2.5μg/kg体重、少なくとも約5μg/kg体重、少なくとも約10μg/kg体重、少なくとも約100μg/kg体重、少なくとも約1mg/kg体重、少なくとも約10mg/kg体重、少なくとも約100mg/kg体重、少なくとも約200mg/kg体重、少なくとも約300mg/kg体重、少なくとも約400mg/kg体重、および約500mg/kg体重以下であってもよい。当業者は、一部の実施形態では、そのような指針が活性剤の分子量に応じて調整されてもよいことを理解する。投与量はまた、投与経路、処置サイクルに応じて、または結果として、増大する用量でのPAI-1アンタゴニストおよび/またはさらなる治療剤の投与に関連して最大耐用量および用量制限毒性(もしあれば)を決定するために使用されうる用量漸増プロトコールに変化してもよい。結果として、医薬組成物内のそれぞれの薬剤の相対量は変化してもよく、例えばそれぞれの組成物は、0.001%から100%(w/w)の間の対応する薬剤を含んでもよい。
【0214】
一部の実施形態では、「治療有効量」または「治療有効用量」は、状態の進行を完全にもしくは部分的に阻害する、または状態の1つもしくは複数の症状を少なくとも部分的に軽減するPAI-1アンタゴニスト、または2種以上のPAI-1アンタゴニストの組合せ、またはPAI-1アンタゴニストと1種もしくは複数のさらなる治療剤の組合せの量である。一部の実施形態では、治療有効量は、予防的有効な量であってもよい。一部の実施形態では、治療有効な量は、患者のサイズおよび/または性別、処置される状態、状態の重症度および/または求められる結果に依存しうる。一部の実施形態では、治療有効量は、患者の少なくとも1つの症状の改善をもたらすPAI-1アンタゴニストの量を指す。一部の実施形態では、所与の患者に関して、治療有効量は当業者に公知の方法によって決定されてもよい。
【0215】
一部の実施形態では、PAI-1アンタゴニストの毒性および/または治療有効性は、例えば最大耐用量(MTD)およびED50(最大応答の50%を生じる有効用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定されてもよい。典型的に、毒性効果と治療効果の間の用量比が治療指数である。一部の実施形態では、この比はMTDとED50の間の比として表されうる。そのような細胞培養物アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトに使用するためのある範囲の投与量を製剤化するのに使用することができる。
【0216】
一部の実施形態では、投与量は、患部組織または代替組織における阻害の1つまたは複数の薬力学的マーカーに対するPAI-1アンタゴニストの効果をモニタリングすることによって導かれてもよい。例えば、細胞培養物または動物実験を使用して、薬力学的マーカーの変化に必要とされる用量間の関係を決定してもよく、かつ治療有効性のために必要とされる用量が、細胞培養物または動物実験または初期段階の臨床試験において決定されてもよい。一部の実施形態では、PAI-1アンタゴニストの投与量は、好ましくは毒性をあまりまたは全く伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。一部の実施形態では、投与量は、例えば用いられる剤形および/または利用される投与経路に応じてそのような範囲内で変化してもよい。正確な製剤、投与経路および投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択されうる。急性発症または重篤な状態の処置では、急速な応答を得るためにMTDに近い投与量の投与が必要とされる場合がある。
【0217】
一部の実施形態では、投薬量および/または間隔は、例えば、例えば治療有効性を達成するために必要とされる期間にわたって所望の効果または最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分な活性部分の血漿中レベルをもたらすように個々に調整されてもよい。一部の実施形態では、特定のPAI-1アンタゴニストのMECは、例えばインビトロデータおよび/または動物実験から推定されてもよい。MECを達成するのに必要な投与量は、個体の特徴および投与経路に依存する。一部の実施形態では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)アッセイまたはバイオアッセイを使用して血漿中濃度を決定してもよい。
【0218】
一部の実施形態では、投薬間隔はMEC値を使用して決定されうる。ある特定の実施形態では、PAI-1アンタゴニストは、所望される症状の改善が達成されるまで、時間の10~90%、好ましくは30~90%の間、最も好ましくは50~90%の間にわたってMECを超える血漿中レベルを維持するレジメンを使用して投与されるべきである。他の実施形態では、異なるMEC血漿中レベルが異なる時間の長さにわたって維持される。局部的投与または選択的取込みの場合、薬物の有効な局部的濃度は、血漿中濃度に関連しない可能性がある。
【0219】
当業者は、種々の投与レジメンから選択することができ、かつ特定のPAI-1アンタゴニストの有効量が、処置される対象、対象の体重、苦痛の重症度、投与様式および/または処方を行う医師の判断に依存しうることを理解する。
【0220】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約20%の関連する皮膚科学的状態の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、少なくとも約25%を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、少なくとも約30%の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって投与される少なくとも1種の提供される組成物の投与を含む。
【0221】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも約20%の関連する皮膚科学的状態の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、少なくとも約25%を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、少なくとも約30%の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによってMSCとの組合せで投与される、少なくとも1種の提供される組成物の投与を含む。
【0222】
一部の実施形態では、本発明は、組成物が投与される患者の集団の特定のパーセンテージにおける、少なくとも約20%の関連する皮膚科学的状態の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、組成物が投与される患者の集団の特定のパーセンテージにおける、少なくとも約25%を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、組成物が投与される患者の集団の特定のパーセンテージにおける、少なくとも約30%の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、一部の実施形態では、組成物が投与される患者の集団の特定のパーセンテージにおける、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%以上の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによって、MSCとの組合せで投与されてもよい少なくとも1種の提供される組成物の投与を含む。一部の実施形態では、組成物が投与される患者の集団の特定のパーセンテージは、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約100%である。いくつかの例示的な例を挙げると、一部の実施形態では、本発明は、組成物が投与される患者の集団の少なくとも約50%における、少なくとも約20%の関連する皮膚科学的状態の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによる、少なくとも1種の提供される組成物の投与を含む。一部の実施形態では、本発明は、組成物が投与される患者の集団の少なくとも約50%における、少なくとも約30%の関連する皮膚科学的状態の程度および/または有病率の低減を達成するのに十分な投薬レジメンによる、少なくとも1種の提供される組成物の投与を含む。
【0223】
本発明は、MSCと組み合わされてもよい、本明細書に記載される提供される組成物(例えば、提供されるエマルジョン組成物、クリームおよび/またはローション製剤、提供されるエマルジョン組成物とクリームおよび/またはローション製剤の組合せなど)を患者に投与することにより、状態または障害を処置するための技術を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される、MSCと組み合わされてもよい提供されるエマルジョン組成物を含有する組成物を患者に局所的に投与することにより、状態または障害を処置するための技術を提供する。
【0224】
一部の実施形態では、活性剤または生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に皮膚に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に皮膚に浸透する。
【0225】
一部の実施形態では、生物学的活性剤(例えば、PAI-1阻害剤)は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に皮膚の層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に皮膚の層に浸透する。
【0226】
一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に皮膚の上層に浸透する。
【0227】
一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約60分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約12分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5~約15分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約15~約30分以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約1時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約2時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約3時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約4時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約5時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約6時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約7時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約8時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約12時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。一部の実施形態では、生物学的活性剤は、投与の約24時間以内に角質層、皮膚小孔、毛包および/または皮脂腺を含む皮膚の上層に浸透する。
【0228】
浸透増強処置
本発明によると、一部の実施形態では、提供される組成物は、公知の浸透増強剤および/または浸透増強処置法などの1種または複数の浸透増強処置(例えば、化学剤、レーザー処置、マイクロニードリング、身体マッサージなど)と組み合わせて投与され、例えばPAI-1阻害剤の生物学的バリア(例えば、皮膚)を超える浸透を容易にしてもよい。一部の実施形態では、提供される組成物は、1種または複数のそのような他の浸透増強剤を含む。一部の実施形態では、そのような他の浸透増強剤は、個別の組成物の一部として提供される。一部の実施形態では、浸透増強処置は、2種以上の異なる浸透増強処置剤および/または浸透増強処置法の同時の投与を含む。一部の実施形態では、浸透増強処置は、例えばレーザー処置と組成物の同時の投与による、2種以上の異なる浸透増強処置剤および/または浸透増強処置法への同時の曝露を含む。
【0229】
一部の実施形態では、浸透増強剤は、化学剤であるかまたはこれを含む。例えば、1種または複数の角質層成分を損傷する、破壊するおよび/または分解しうる化学剤として、例えば短鎖アルコール、長鎖アルコールまたはポリアルコールなどのアルコール、尿素、アミノ酸またはそれらのエステル、アミド、AZONE(登録商標)、AZONE(登録商標)の誘導体、ピロリドンまたはピロリドンの誘導体などのアミンおよびアミド、テルペンおよびテルペンの誘導体、脂肪酸およびそれらのエステル、大環状化合物、テンシドまたはスルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、デシルメチルスルホキシドなど)、アニオン性、カチオン性および非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、ポリオール、精油および/またはヒアルロニダーゼを挙げることができる。一部の実施形態では、浸透増強剤は、薬剤が皮膚に投与されたときに炎症性および/またはアレルギー性反応が生じるという点で刺激物質でありうる。一部の実施形態では、浸透増強剤は、刺激物質ではない。一部の実施形態では、浸透増強剤は、皮膚構造を損傷、破壊または分解しないにもかかわらず、その存在またはレベルが、その非存在下で観察されるものに比べ、目的の薬剤の皮膚を超える浸透の増加と相関する化学剤であってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、コペプチド、担体分子および担体ペプチドは、皮膚構造を損傷、破壊および/または分解しない浸透増強剤でありうる。一部の実施形態では、コペプチド、担体分子および担体ペプチドは、皮膚を刺激しない浸透増強剤でありうる。「浸透増強剤」という用語は、機械的デバイス(例えば、針、メスなど)またはその等価物(例えば、他の損傷性処置)を包含しない。また、当業者は、ナノ粒子またはエマルジョンなどの構造体が化学剤ではなく、したがってその存在が構造体と関連付けられうる目的の薬剤の皮膚浸透の増強と相関する場合でも、化学的浸透増強剤ではないことを認識する。一部の実施形態では、浸透増強剤はアルコールであるかまたはこれを含む。
【0230】
一部の実施形態では、浸透増強処置法は、マイクロニードリングであるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、浸透増強処置法は、レーザー処置であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、浸透増強処置法は、身体マッサージであるかまたはこれを含む。例えば、一部の実施形態では、組成物は、部位のレーザー処置を実施する前または後に投与されてもよい。一部の実施形態では、浸透増強処置法は、電場または磁場の投与であるかまたはこれを含む。
【0231】
マイクロニードリング:
一部の特定の実施形態では、本開示によって使用されるマイクロニードル(MN)アレイは、皮下組織および皮下針の使用に一般的に関連付けられる不利点のいくつかを克服するため、および患者の安楽およびコンプライアンスを向上させるために開発された、最小限に侵襲性のシステムであるかまたはそれと特色を共有する。そのような不利点として、例えば、医療専門家が針の正確な行き先を目視できないことによる、皮下組織針に伴う針先の誤配置の可能性が挙げられ、そのような針の誤配置は、不正確に注射されたときに有害反応をもたらす可能性がある。MNは、そのような問題を生じにくい。MNの他の利点は、出血を引き起こさず、MNによって生じる孔からの病原体の導入を最小限に抑え、かつ経皮投薬の変動性を排除する可能性があることである。他の利点は、自己投与が可能であること、針刺し損傷事故のリスクの低減、伝播感染のリスクの低減、および処分が容易であることである。一部の実施形態では、MNは、パッチまたはデバイス(例えば、スタンプ、ローラー、アレイ、アプリケータ、ペン)などの支持体の片側にアセンブルされる複数の微小突出物である。
【0232】
一部の実施形態では、本開示によって使用されるMNは、皮膚接触を向上させ、皮膚への貫通を容易にするためにアレイ状に設計および/または構築されてもよい。一部の実施形態では、利用されるMNは、皮膚に挿入されたときに神経との接触を最小限に抑えると同時に、依然として薬物のデリバリーに効率的な経路を作成するのに好適な長さ、幅および形状のものである。Alkilani, A. Z., et al., “Transdermal drug delivery: Innovative pharmaceutical developments based on disruption of the barrier properties of the stratum corneum.” Pharmaceutics. 7:438-470 (2015)。
【0233】
一部の実施形態では、好適なMNは、ソリッド、コーティング、多孔質、溶解性、中空またはヒドロゲルMNであってもよい。ソリッドMNは、皮膚に微小孔を作成し、それにより薬物製剤の輸送を増加させる(例えば、「ポークアンドパッチ(poke and patch)」方法)。コーティングMNは、コーティングされた薬物の皮膚への急速溶解を可能にする(例えば「コートアンドポーク(coat and poke)」方法)。溶解性MNは、マイクロニードル内に組み込まれた薬物の急速および/または制御放出を可能にする。中空MNは、皮膚に穿刺し、マイクロニードルの穴からの製剤の能動的注入または拡散に続いて組成物の放出を可能にする(例えば、「ポークアンドフロー(poke and flow)」方法)。溶解性MNの場合、MNは薬物貯蔵部として作用し、溶解性MNの場合は溶解またはヒドロゲルMNの場合は膨潤によって放出されるまで、薬物組成物を保持することができる(例えば、「ポークアンドリリース(poke and release)」方法)。しかし、本明細書に既に記載されたように、多くの実施形態では、活性剤は1つまたは複数のマイクロニードルによる注射によってデリバリーされない。つまり、多くの実施形態では、そのような実施形態によって利用される任意のマイクロニードルは、生物学的活性剤のデリバリーを達成するいかなる様態でも生物学的活性剤によってコーティングされず、それが装填されず、またはそれとともに製作されない。代替的に、一部の実施形態では、本明細書に記載されるように、本開示によって利用されるMN(MSCであるか他のものであるかにかかわらず)は、生物学的活性剤が本明細書に記載されるマクロまたはナノエマルジョン組成物中に製剤化される場合に生物学的活性剤を含むおよび/またはデリバリーしてもよい。したがって、ここに記載される本明細書を読む当業者によって認識されるように、生物学的活性剤をデリバリーするマイクロニードルによる皮膚の処置(例えば、マイクロニードルからの注射によって、マイクロニードルコーティングの放出によって、または溶解するマイクロニードルからの放出によって)は、マイクロニードル皮膚コンディショニングではない。
【0234】
一部の実施形態では、マイクロニードルは、マイクロニードルの長さの全体にわたって一貫した直径を有する。一部の実施形態では、マイクロニードルの直径は、マイクロニードルの基端において最も長い。一部の実施形態では、マイクロニードルは、マイクロニードルの基部の遠位端において細く先細りする。一部の実施形態では、マイクロニードルはソリッドであってもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは中空であってもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは管状であってもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは一端で密封されてもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは、マイクロニードルアレイの一部である。一部の実施形態では、マイクロニードルは、約1μm~約4,000μmの間の長さを有してもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは、約1μm~約2,000μmの間の長さを有してもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは、約50μm~約400μmの間の長さを有してもよい。一部の実施形態では、マイクロニードルは、約800μm~約1500μmの間の長さを有してもよい。
【0235】
一部の実施形態では、本開示によって使用されるMNは、これらに限定されないが、マイクロ成形プロセスまたはレーザーを含む技術を使用して様々な材料から製作されてもよい。一部の実施形態では、MNはポリマー、金属、セラミック、半導体、有機物、複合体またはシリコンを含む種々の種類の生体適合性材料を使用して製造されてもよい。一部の実施形態では、皮膚内に切り離されて溶解するように設計されない限り、マイクロニードルは、皮膚に挿入されるおよび/または挿入後に皮膚から除去される間にインタクトであり続けるため、および薬物をデリバリーするため、または生物学的流体を収集するための機械的強度を有する。一部の実施形態では、MNは、インタクトな除去まで最大数日間定位置に残存することが可能である。一部の実施形態では、マイクロニードルは、標準的な技術を使用して滅菌可能であってもよい。一部の実施形態では、MNは生分解性である。一部の実施形態では、MNはポリマー材料を含む。一部の実施形態では、ポリマー材料は、ポリL乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート、ポリ乳酸-co-グリコール酸(PLGA)、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルピロリドン(PVP)、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマー、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、マルトース、デキストリン、ガラクトース、デンプン、ゼラチンまたはこれらの組合せを含む。
【0236】
生物学的活性剤の経皮デリバリーのための、生物学的活性剤を含む組成物と組み合わせて使用される好適なMNアレイおよびMSCデバイスとして、例えば米国特許6,334,856、6,503,231、6,908,453、8,257,324および9,144,671に記載されるものなどのデバイスが挙げられる。
【0237】
併用療法または処置
本発明によると、提供される組成物は、1種または複数のさらなる処置と組み合わせて投与されてもよい。一部の実施形態では、1種または複数のさらなる処置は、公知の治療剤および/または独立して活性な生物学的活性剤などの他の活性剤および/または治療法(例えば、1種もしくは複数のPAI-阻害剤または他の薬剤)であるかまたはこれを含む。一部の実施形態では、例えば、提供される組成物は、1種または複数のそのような他の活性剤を含む。一部の実施形態では、そのような他の活性剤は、個別の組成物の一部として提供される。一部の実施形態では、併用療法は、1種もしくは複数の用量または2種以上の他の活性剤および/もしくは治療法の単位の同時投与を含む。一部の実施形態では、併用療法は、例えば重複する投薬レジメンによる、2種以上の他の活性剤および/または治療法への同時の曝露を含む。
【0238】
一部の実施形態では、提供される組成物は、例えば関連する疾患、障害および/または状態の状況で本明細書において考察されるように、関連する皮膚科学的もしくは他の疾患、障害および/または状態の処置に有用な1種もしくは複数の他の活性剤を含むかまたは組み合わせて投与される。
【0239】
キット
一部の実施形態では、本発明は、本発明による1種もしくは複数のPAI-1阻害剤を含む1種もしくは複数のエマルジョン組成物、および/または1種もしくは複数のマイクロニードルデバイスを含む医薬品パックまたはキットを提供する。一部の実施形態では、医薬品パックまたはキットは、提供される組成物を、医薬組成物の1種または複数のさらなる原料が充填されてもよい1つまたは複数の容器内に含有する調製物または医薬組成物を含む。一部の実施形態では、医薬品パックまたはキットは、併用療法に使用するための、さらなる承認された治療剤を含む。一部の実施形態では、医薬製品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定される形態での、ヒトの投与のための製造、使用または販売が機関によって承認されたことを反映する通知がそのような容器に付随してもよい。
【0240】
PAI-1阻害剤などの治療試薬および/または活性剤を含むキットが提供される。ほんの1つの非限定的な例として、提供される組成物は、局所的製剤として提供され、治療として投与されてもよい。状態または障害、例えば皮膚の真皮レベルに関連付けられるものを患うかまたはリスクにある個体への投与のための、それらの薬学的用量または説明書がキット内に提供されてもよい。
【0241】
一部の実施形態では、キットは、(i)提供される組成物、および(ii)少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、および適宣(iii)皮膚への投与のための少なくとも1つのシリンジ、スパチュラ、スワブ、および(iv)使用説明書を含んでもよい。
【0242】
一部の実施形態では、キットは、(i)提供される組成物、および(ii)少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、および適宣(iii)注射用デバイス(例えば、シリンジおよび針、マイクロニードルアレイ、ヘアブラシなど)、ならびに(iv)使用説明書を含んでもよい。
【0243】
当業者は、局所的投与のための本発明の組成物が、皮膚軟化剤、栄養ローション型エマルジョン、クレンジングローション、クレンジングクリーム、乳液、エモリエントローション、マッサージクリーム、エモリエントクリーム、化粧下地、フェイシャルパックまたはフェイシャルゲル、シャンプー、リンス、ボディクレンザー、ヘアトニックもしくは石鹸などの洗浄製剤、またはローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチ、もしくはスプレーなどの皮膚用組成物などの化粧品製剤を有しうることを認識する。一部の実施形態では、局所的投与のための組成物は、粘膜への投与のために製剤化されない(例えば、粘膜への投与に不適切である、および/または適切な量の大きな薬剤を粘膜にまたは粘膜を超えてデリバリーするように製剤化されない)。
【実施例0244】
[実施例1]毛髪の白髪化に対する局所的PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の局所的製剤(例えば、表1を参照されたい)の局所的投与後に、男性において局所的PAI-1阻害剤製剤の局所的研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による局所的処置後に毛髪の色の変化を測定することにより、PAI-1阻害剤の局所的製剤がヒトにおける毛髪の白髪化を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0245】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルの毛包密度ならびに様々な数および/または密度の白髪を有する対象を有する。第2の群の各対象の頭皮を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤製剤により、1日2回6ヶ月間局所的に処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。頭皮への局所的調製物の投与は約5分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象の頭皮を空の製剤によって1日2回6ヶ月間局所的に処置し、これらを対照とする。
【0246】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位における白髪の密度の低減である。処置部位における白髪の数を2つの方法によって測定する:1)処置された区域の写真を撮影し、毛髪の色の変化を観察する、または2)各対象の頭皮の狭い部位における白髪の数を測定する白髪密度試験。頭皮の狭い部位は、研究開始前に選択する。
【0247】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および白髪密度試験方法を利用する。これに続き、各対象の頭皮の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。白髪密度試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、白髪密度試験によってまたは写真から観察してのいずれかで計数される白髪の平均量は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象の頭皮の写真は、平均して4週ごとに白髪の総数の視認可能な低減を示す。白髪密度試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の頭皮の選択された部位における白髪の数の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位における白髪の視認可能な低減または頭皮の選択された部位における白髪の密度の低減を示さなかった。
【0248】
この研究は、PAI-1阻害剤の局所的製剤の局所的投与は、ヒトにおいて白髪の数を低減させ、毛髪の白髪化を逆転させることを確立する。
【0249】
[実施例2]毛髪の白髪化に対する経口PAI-1阻害剤製剤の効果
男性においてPAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与の研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による経口処置後に毛髪の色の変化を測定することにより、PAI-1阻害剤の経口製剤がヒトにおける毛髪の白髪化を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0250】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルの毛包密度ならびに様々な数および/または密度の白髪を有する対象を有する。第2の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化されたPAI-1阻害剤の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与する。第1の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化された空の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与し、これらは対照として機能する。
【0251】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置による白髪の密度の低減である。対象の頭皮の白髪の数を2つの方法によって測定する:1)頭皮の写真を撮影し、毛髪の色の変化を観察する、または2)各対象の頭皮の狭い部位における白髪の数を測定する白髪密度試験。頭皮の狭い部位は、研究開始前に選択する。
【0252】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および白髪密度試験方法を利用する。これに続き、各対象の頭皮の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。白髪密度試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、白髪密度試験によってまたは写真から観察してのいずれかで計数される白髪の平均量は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象の頭皮の写真は、平均して4週ごとに白髪の総数の視認可能な低減を示す。白髪密度試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の頭皮の選択された部位における白髪の数の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位における白髪の視認可能な低減または頭皮の選択された部位における白髪の密度の低減を示さなかった。
【0253】
この研究は、PAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与は、ヒトにおいて白髪の数を低減させ、毛髪の白髪化を逆転させることを確立する。
【0254】
[実施例3]毛髪の白髪化に対する注射用PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の滅菌注射用製剤(例えば、表1を参照されたい)の注射による投与後に、ヒトにおいて注射用PAI-1阻害剤製剤の研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による処置後に毛髪の色の変化を測定することにより、PAI-1阻害剤の注射用製剤がヒトにおける毛髪の白髪化を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0255】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルの毛包密度ならびに様々な数および/または密度の白髪を有する対象を有する。第2の群の各対象の頭皮を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤注射用製剤により、1日2回6ヶ月間処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。頭皮への注射用調製物の投与は約5~10分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象の頭皮を空の注射用製剤によって1日2回6ヶ月間処置し、これらを対照とする。
【0256】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置による白髪の密度の低減である。処置部位における白髪の数を2つの方法によって測定する:1)処置された区域の写真を撮影し、毛髪の色の変化を観察する、または2)各対象の頭皮の狭い部位における白髪の数を測定する白髪密度試験。頭皮の狭い部位は、研究開始前に選択する。
【0257】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および白髪密度試験方法を利用する。これに続き、各対象の頭皮の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。白髪密度試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、白髪密度試験によってまたは写真から観察してのいずれかで計数される白髪の平均量は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象の頭皮の写真は、平均して4週ごとに白髪の総数の視認可能な低減を示す。白髪密度試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の頭皮の選択された部位における白髪の数の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位における白髪の視認可能な低減または頭皮の選択された部位における白髪の密度の低減を示さなかった。
【0258】
この研究は、PAI-1阻害剤の注射用製剤の注射投与は、ヒトにおいて白髪の数を低減させ、毛髪の白髪化を逆転させることを確立する。
【0259】
[実施例4]ケロイドに対する局所的PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の局所的製剤(例えば、表1を参照されたい)の局所的投与後に、ヒトにおいて局所的PAI-1阻害剤製剤の局所的研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による局所的処置後にケロイドのサイズの変化を測定することにより、PAI-1阻害剤の局所的製剤がヒトにおけるケロイドを有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0260】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なサイズおよび様々な数のケロイドを有する対象を有する。第2の群の各対象のケロイド部位を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤製剤により、1日2回6ヶ月間局所的に処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。頭皮への局所的調製物の投与は約5分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象のケロイド部位を空の製剤によって1日2回6ヶ月間局所的に処置し、これらを対照とする。
【0261】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位におけるケロイドのサイズの低減および/または知覚される疼痛の低減である。処置部位におけるケロイドのサイズの低減を測定し、処置された区域の写真を撮影して、ケロイドのサイズの変化を観察する。また、患者に、知覚される疼痛を1~5の疼痛スケール(1-疼痛なし、2-軽度の疼痛、3-中等度の疼痛、4-重度の疼痛、5-極度に重度の疼痛)でスコア付けするように要求する。
【0262】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および疼痛スコア付け試験方法を利用する。これに続き、各対象のケロイド部位の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。疼痛スコア試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、測定されるまたは写真から観察されるケロイドの平均サイズは対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象のケロイド部位の写真は、平均して4週ごとにケロイドのサイズの視認可能な低減を示す。疼痛スコア試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の部位における知覚される疼痛の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位におけるケロイドのサイズの視認可能な低減または知覚される疼痛の低減を示さなかった。
【0263】
この研究は、PAI-1阻害剤の局所的製剤の局所的投与は、ヒトにおけるケロイドを処置し、ケロイドのサイズおよびケロイドによって知覚される疼痛を低減させることを確立する。
【0264】
[実施例5]ケロイドに対する経口PAI-1阻害剤製剤の効果
ヒトにおけるPAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による経口処置後にケロイドのサイズの変化を測定することにより、PAI-1阻害剤の経口製剤がヒトにおけるケロイドを有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0265】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なサイズおよび様々な数のケロイドを有する対象を有する。第2の群の各対象のケロイド部位には、75mgカプセルとして製剤化されたPAI-1阻害剤の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与する。第1の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化された空の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与し、これらは対照として機能する。
【0266】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の投与によるケロイドのサイズの低減および/または知覚される疼痛の低減である。ケロイドのサイズの低減を測定し、処置された区域の写真を撮影して、ケロイドのサイズの変化を観察する。また、患者に、知覚される疼痛を1~5の疼痛スケール(1-疼痛なし、2-軽度の疼痛、3-中等度の疼痛、4-重度の疼痛、5-極度に重度の疼痛)でスコア付けするように要求する。
【0267】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および疼痛スコア付け試験方法を利用する。これに続き、各対象のケロイド部位の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。疼痛スコア試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、測定されるまたは写真から観察されるケロイドの平均サイズは対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象のケロイド部位の写真は、平均して4週ごとにケロイドのサイズの視認可能な低減を示す。疼痛スコア試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の部位における知覚される疼痛の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、ケロイドのサイズの視認可能な低減または知覚される疼痛の低減を示さなかった。
【0268】
この研究は、PAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与は、ヒトにおけるケロイドを処置し、ケロイドのサイズおよびケロイドによって知覚される疼痛を低減させることを確立する。
【0269】
[実施例6]ケロイドに対する注射用PAI-1阻害剤製剤の効果
ヒトにおいてPAI-1阻害剤の注射用製剤の投与研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による注射処置後にケロイドのサイズの変化を測定することにより、PAI-1阻害剤の注射用製剤がヒトにおけるケロイドを有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0270】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なサイズおよび様々な数のケロイドを有する対象を有する。第2の群の各対象のケロイド部位を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤注射用製剤により、1日2回6ヶ月間処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。ケロイド部位への注射用調製物の投与は約5分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象のケロイド部位を空の注射用製剤によって1日2回6ヶ月間処置し、これらを対照とする。
【0271】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置によるケロイドのサイズの低減および/または知覚される疼痛の低減である。処置部位におけるケロイドのサイズの低減を測定し、処置された区域の写真を撮影して、ケロイドのサイズの変化を観察する。また、患者に、知覚される疼痛を1~5の疼痛スケール(1-疼痛なし、2-軽度の疼痛、3-中等度の疼痛、4-重度の疼痛、5-極度に重度の疼痛)でスコア付けするように要求する。
【0272】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および疼痛スコア付け試験方法を利用する。これに続き、各対象のケロイド部位の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。疼痛スコア試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、測定されるまたは写真から観察されるケロイドの平均サイズは対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象のケロイド部位の写真は、平均して4週ごとにケロイドのサイズの視認可能な低減を示す。疼痛スコア試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の部位における知覚される疼痛の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位におけるケロイドのサイズの視認可能な低減または知覚される疼痛の低減を示さなかった。
【0273】
この研究は、PAI-1阻害剤の注射用製剤の投与は、ヒトにおけるケロイドを処置し、ケロイドのサイズおよびケロイドによって知覚される疼痛を低減させることを確立する。
【0274】
[実施例7]強皮症に対する局所的PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の局所的製剤(例えば、表1を参照されたい)の局所的投与後に、ヒトにおいて局所的PAI-1阻害剤製剤の局所的研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による局所的処置後に強皮症病変の平方センチメートルの数(面積)を測定することにより、PAI-1阻害剤の局所的製剤がヒトにおける皮膚強皮症(腕および脚の)の1つまたは複数の症状を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0275】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルの皮膚強皮症(腕および脚の)ならびに様々な数および/または密度の強皮症病変を有する対象を有する。第2の群の各対象の強皮症病変を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤製剤により、1日2回6ヶ月間局所的に処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。病変への局所的調製物の投与は約5分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象の部位を空の製剤によって1日2回6ヶ月間局所的に処置し、これらを対照とする。
【0276】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減である。処置部位における強皮症病変の平方センチメートル数を2つの方法によって測定する:1)処置された区域の写真を撮影し、病変の数もしくは病変のサイズの変化を観察する、または2)各対象の選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数を測定する病変面積試験。対象の測定される部位は、研究開始前に選択される。
【0277】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および病変面積試験方法を利用する。これに続き、各対象の病変を有する部位の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。病変面積試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、写真から観察される病変の平均量または病変面積試験によって測定される病変の平均面積は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象の部位の写真は、平均して4週ごとに病変の面積の視認可能な低減を示す。病変面積試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位における病変の視認可能な低減または選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減を示さなかった。
【0278】
この研究は、PAI-1阻害剤の局所的製剤の局所的投与は、ヒトにおける皮膚強皮症(腕および脚の)の1つまたは複数の症状を低減させることを確立する。
【0279】
[実施例8]強皮症に対する経口PAI-1阻害剤製剤の効果
ヒトにおけるPAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による経口処置後に強皮症病変の平方センチメートルの数(面積)を測定することにより、PAI-1阻害剤の経口製剤がヒトにおける皮膚強皮症(腕および脚の)の1つまたは複数の症状を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0280】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルの皮膚強皮症(腕および脚の)ならびに様々な数および/または密度の強皮症病変を有する対象を有する。第2の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化されたPAI-1阻害剤の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与する。第1の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化された空の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与し、これらは対照として機能する。
【0281】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減である。処置部位における強皮症病変の平方センチメートル数を2つの方法によって測定する:1)頭皮の写真を撮影し、病変の数もしくは病変のサイズの変化を観察する、または2)各対象の選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数を測定する病変面積試験。対象の測定される部位は、研究開始前に選択される。
【0282】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および病変面積試験方法を利用する。これに続き、各対象の病変を有する部位の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。病変面積試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、写真から観察される病変の平均量または病変面積試験によって測定される病変の平均面積は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象の部位の写真は、平均して4週ごとに病変の面積の視認可能な低減を示す。病変面積試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位における病変の視認可能な低減または選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減を示さなかった。
【0283】
この研究は、PAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与は、ヒトにおける皮膚強皮症(腕および脚の)の1つまたは複数の症状を低減させることを確立する。
【0284】
[実施例9]強皮症に対する注射用PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の滅菌注射用製剤(例えば、表1を参照されたい)の注射による投与後に、ヒトにおいて注射用PAI-1阻害剤製剤の研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による処置後の強皮症病変の平方センチメートルの数(面積)により、PAI-1阻害剤の注射用製剤がヒトにおける皮膚強皮症(腕および脚の)の1つまたは複数の症状を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0285】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルの皮膚強皮症(腕および脚の)ならびに様々な数および/または密度の強皮症病変を有する対象を有する。第2の群の各対象の強皮症病変を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤注射用製剤により、1日2回6ヶ月間処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。頭皮への注射用調製物の投与は約5~10分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象の部位を空の製剤によって1日2回6ヶ月間局所的に処置し、これらを対照とする。
【0286】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減である。処置部位における強皮症病変の平方センチメートル数を2つの方法によって測定する:1)処置された区域の写真を撮影し、病変の数もしくは病変のサイズの変化を観察する、または2)各対象の選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数を測定する病変面積試験。対象の測定される部位は、研究開始前に選択される。
【0287】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて写真および病変面積試験方法を利用する。これに続き、各対象の病変を有する部位の写真を処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に得る。病変面積試験もまた、処置開始後4週間ごと、および6ヶ月の研究終了時に実施する。研究により、ベースラインでは、写真から観察される病変の平均量または病変面積試験によって測定される病変の平均面積は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象の部位の写真は、平均して4週ごとに病変の面積の視認可能な低減を示す。病変面積試験もまた、平均して4週ごとに、処置群に属する各対象の選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減を示す。対照的に、対照群の対象は、処置部位における病変の視認可能な低減または選択された部位における強皮症病変の平方センチメートル数の低減を示さなかった。
【0288】
この研究は、PAI-1阻害剤の注射用製剤の注射投与は、ヒトにおける皮膚強皮症(腕および脚の)の1つまたは複数の症状を低減させることを確立する。
【0289】
[実施例10]レイノー現象に対する局所的PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の局所的製剤(例えば、表1を参照されたい)の局所的投与後に、ヒトにおいて局所的PAI-1阻害剤製剤の局所的研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による局所的処置後の、最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数を測定することにより、PAI-1阻害剤の局所的製剤がヒトにおけるレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0290】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルのレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を有する対象を有する。第2の群の各対象のレイノー病によって冒された部位を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤製剤により、1日2回6ヶ月間局所的に処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。冒された部位への局所的調製物の投与は約5分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象の冒された部位を空の製剤によって1日2回6ヶ月間局所的に処置し、これらを対照とする。
【0291】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位における最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数の低減である。最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および処置部位における最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数を、1)1~5の疼痛スケール(1-疼痛なし、2-軽度の疼痛、3-中等度の疼痛、4-重度の疼痛、5-極度に重度の疼痛)および/または2)各対象の処置部位におけるレイノー病の疼痛エピソードの数によって測定する。
【0292】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて、対象は、この4週間にわたって経験したレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を記録する。後続の各対象の最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数は、処置開始後4週間ごとおよび6ヶ月の研究終了時に得る。研究により、ベースラインでは、レイノー病に伴う全体的な疼痛の平均的な量およびレイノー病の疼痛エピソードの数は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象では、平均して4週ごとに最後の来院以降のレイノー病の全体的な疼痛スコアおよびレイノー病の疼痛エピソードの数の低減が観察される。対照的に、対照群の対象は、最後の来院以降の全体的な疼痛スコアの低減または最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数の低減を示さなかった。
【0293】
この研究は、PAI-1阻害剤の局所的製剤の局所的投与は、ヒトにおけるレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を低減させることを確立する。
【0294】
[実施例11]レイノー現象に対する経口PAI-1阻害剤製剤の効果
ヒトにおけるPAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による経口処置後の、最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数を測定することにより、PAI-1阻害剤の経口製剤が、ヒトにおけるレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0295】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルのレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を有する対象を有する。第2の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化されたPAI-1阻害剤の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与する。第1の群の各対象には、75mgカプセルとして製剤化された空の経口調製物を1日3回6ヶ月間投与し、これらは対照として機能する。
【0296】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置後の、対象における最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数の低減である。最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および処置部位における最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数を、1)1~5の疼痛スケール(1-疼痛なし、2-軽度の疼痛、3-中等度の疼痛、4-重度の疼痛、5-極度に重度の疼痛)および/または2)各対象の処置部位におけるレイノー病の疼痛エピソードの数によって測定する。
【0297】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて、対象は、この4週間にわたって経験したレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を記録する。後続の各対象の最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数は、処置開始後4週間ごとおよび6ヶ月の研究終了時に得る。研究により、ベースラインでは、レイノー病に伴う全体的な疼痛の平均的な量およびレイノー病の疼痛エピソードの数は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象では、平均して4週ごとに最後の来院以降のレイノー病の全体的な疼痛スコアおよびレイノー病の疼痛エピソードの数の低減が観察される。対照的に、対照群の対象は、最後の来院以降の全体的な疼痛スコアの低減または最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数の低減を示さなかった。
【0298】
この研究は、PAI-1阻害剤の経口製剤の経口投与は、ヒトにおけるレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を低減させることを確立する。
【0299】
[実施例12]レイノー現象に対する注射用PAI-1阻害剤製剤の効果
PAI-1阻害剤の滅菌注射用製剤(例えば、表1を参照されたい)の注射による投与後に、ヒトにおいて注射用PAI-1阻害剤製剤の研究を実施する。研究は、PAI-1阻害剤による処置後の、最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数を測定することにより、PAI-1阻害剤の注射用製剤が、ヒトにおけるレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を有意に低減させるかどうかを試験するように設計される。
【0300】
研究は、それぞれ25名のヒト対象からなる2つの群を含む。いずれの群も、様々なレベルのレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を有する対象を有する。第2の群の各対象のレイノー病によって冒された部位を、PAI-1阻害剤が一定濃度にある一定容量のPAI-1阻害剤の注射用製剤によって1日2回6ヶ月間処置する。製剤中のPAI-1阻害剤の濃度は5%w/wである。部位への注射用調製物の投与は約5~10分かかり、その後懸濁液を約8~12時間部位に放置する。第1の群の対象の部位を空の製剤によって1日2回6ヶ月間局所的に処置し、これらを対照とする。
【0301】
そのような処置の予測される効果は、PAI-1阻害剤製剤処置の部位における最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数の低減である。最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および処置部位における最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数を、1)1~5の疼痛スケール(1-疼痛なし、2-軽度の疼痛、3-中等度の疼痛、4-重度の疼痛、5-極度に重度の疼痛)および/または2)各対象の処置部位におけるレイノー病の疼痛エピソードの数によって測定する。
【0302】
PAI-1阻害剤処置前のベースラインにおいて、対象は、この4週間にわたって経験したレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を記録する。後続の各対象の最後の来院以降のレイノー病に伴う全体的な疼痛および最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数は、処置開始後4週間ごとおよび6ヶ月の研究終了時に得る。研究により、ベースラインでは、レイノー病に伴う全体的な疼痛の平均的な量およびレイノー病の疼痛エピソードの数は、対照群と処置群でおよそ同等であることが見出される。処置群の対象では、平均して4週ごとに最後の来院以降のレイノー病の全体的な疼痛スコアおよびレイノー病の疼痛エピソードの数の低減が観察される。対照的に、対照群の対象は、最後の来院以降の全体的な疼痛スコアの低減または最後の来院以降のレイノー病の疼痛エピソードの数の低減を示さなかった。
【0303】
この研究は、PAI-1阻害剤の注射用製剤の注射投与は、ヒトにおけるレイノー病に伴う全体的な疼痛およびレイノー病の疼痛エピソードの数を低減させることを確立する。
【0304】
均等物
当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態の多くの均等物を認識する、または単なる日常的な実験を使用して確かめることができる。本発明の範囲は、上記の詳細な説明に限定されることを意図せず、以下の特許請求の範囲に記載される通りである。