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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025111045
(43)【公開日】2025-07-30
(54)【発明の名称】巻上機の制御装置及び巻上機
(51)【国際特許分類】
   B66D 3/24 20060101AFI20250723BHJP
   H02P 3/18 20060101ALI20250723BHJP
   B66D 3/20 20060101ALI20250723BHJP
【FI】
B66D3/24
H02P3/18 A
B66D3/20 G
B66D3/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005192
(22)【出願日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山野 京介
【テーマコード(参考)】
5H530
【Fターム(参考)】
5H530AA05
5H530BB27
5H530CC27
5H530CD40
5H530CF01
(57)【要約】
【課題】逆相反転リレーを用いることなく、巻上機の安全性と機能性とを両立させる。
【解決手段】巻上機の制御装置10は、電源102と電動機1とが接続される主回路31と、操作入力装置5が接続される操作回路32と、主回路31に設けられる主接点210と、操作回路32に設けられるコイル212及び副接点211と、を有する電源入切用電磁接触器21と、操作回路32に接続され、ロードフックが上限位置又は下限位置に到達すると電動機1に対する通電を停止させる巻過防止装置22と、を備える。入操作スイッチ50が操作されると主回路31に設けられる主接点210と操作回路32に設けられる副接点211とが閉じて、操作回路32が自己保持回路を形成する。電動機1の駆動中に巻過防止装置22が作動すると、操作回路32が形成した自己保持回路が解除されて、主接点210及び副接点211が開き、電動機1に対する通電が停止される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と電動機とが接続される第1回路と、
前記電動機の動作を指示する操作を受け付ける操作入力装置が接続される第2回路と、
前記第1回路に設けられ、開閉することにより前記電源と前記電動機との接続又は遮断を行う第1接点と、前記第2回路に設けられるコイルと、前記第2回路に設けられ、開閉することにより前記操作入力装置の前記第2回路に対する接続又は遮断を行う第2接点と、を有し、前記操作入力装置が有する第1スイッチの操作に応じて、前記電動機を駆動可能な状態にする電源入切用電磁接触器と、
前記第2回路に接続され、吊荷を引っ掛けるロードフックが前記電動機の駆動によって上限位置又は下限位置に到達すると前記電動機に対する通電を停止させる巻過防止装置と、を備え、
前記第1スイッチが操作され前記コイルが通電すると前記第1接点及び前記第2接点が閉じて、前記第2回路は通電された状態を保持する自己保持回路を形成し、
前記電動機の駆動中に前記巻過防止装置が作動すると、前記第2回路が形成した自己保持回路が解除されて、前記第1接点及び前記第2接点が開き、前記電動機に対する通電が停止される、巻上機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の巻上機の制御装置において、
前記第1スイッチは、自己復帰型スイッチであり、
前記巻過防止装置が非作動のときには、前記第1スイッチが操作されると前記第2接点が閉じた状態が保持され、
前記電動機の駆動中に前記巻過防止装置が作動した後には、前記第1スイッチが操作されている間だけ前記第2接点が閉じる、巻上機の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の巻上機の制御装置において、
前記巻過防止装置は、前記ロードフックが前記上限位置に到達すると開く第1リミットスイッチと、前記ロードフックが前記下限位置に到達すると開く第2リミットスイッチとを有し、
前記第1リミットスイッチと前記第2リミットスイッチと前記第2接点とは、前記第2回路中に直列に接続されている、巻上機の制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の巻上機の制御装置において、
前記操作入力装置は、前記ロードフックが上方向へ移動するように前記電動機の駆動を指示する第2スイッチと、前記ロードフックが下方向へ移動するように前記電動機の駆動を指示する第3スイッチと、を有し、
前記第1リミットスイッチが開いた後に、前記第1スイッチが操作された状態のまま前記第3スイッチが操作されると、前記ロードフックを下方向へ移動させる方向に前記電動機が駆動し、
前記第2リミットスイッチが開いた後に、前記第1スイッチが操作された状態のまま前記第2スイッチが操作されると、前記ロードフックを上方向へ移動させる方向に前記電動機が駆動する、巻上機の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の巻上機の制御装置において、
前記第1スイッチが操作された状態のまま前記第2スイッチ又は第3スイッチが操作されることによって前記電動機が駆動した後に前記巻過防止装置が非作動となると、前記第2接点が閉じて前記第2回路が自己保持回路を形成する、巻上機の制御装置。
【請求項6】
電源から供給される電力で駆動する電動機と、
前記電動機の動作を指示する操作を受け付ける操作入力装置と、
前記操作入力装置が受け付けた操作に応じて前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記電源と前記電動機とが接続される第1回路と、
前記操作入力装置が接続される第2回路と、
前記第1回路に設けられ、開閉することにより前記電源と前記電動機との接続又は遮断を行う第1接点と、前記第2回路に設けられるコイルと、前記第2回路に設けられ、開閉することにより前記操作入力装置の前記第2回路に対する接続又は遮断を行う第2接点と、を有し、前記操作入力装置が有する第1スイッチの操作に応じて、前記電動機を駆動可能な状態にする電源入切用電磁接触器と、
前記第2回路に接続され、前記電動機の駆動によって吊荷を引っ掛けるロードフックが上限位置又は下限位置に到達すると前記電動機に対する通電を停止させる巻過防止装置と、を有し、
前記第1スイッチが操作され前記コイルが通電すると前記第1接点及び前記第2接点が閉じて、前記第2回路は通電された状態を保持する自己保持回路を形成し、
前記電動機の駆動中に前記巻過防止装置が作動すると、前記第2回路が形成した自己保持回路が解除されて、前記第1接点及び前記第2接点が開き、前記電動機に対する通電が停止される、巻上機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻上機の制御装置及び巻上機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、三相誘導電動機を使用した巻上機が知られている。このような巻上機は、据え付け時に誤って電源と逆相接続されてしまうと、電動機の回転方向が所望の方向に対して逆となり、巻上げ及び巻下げ動作が反転してしまう。
【0003】
これらの不具合を防止するため、特許文献1には、逆相反転リレーが設けられた巻上機が開示されている。この逆相反転リレーは、逆相接続された状態を検出するとともに、電源と電動機とが正相で接続されている時には、電力をそのまま電動機に供給させ、逆相で接続されている時には、相を反転させた電力を電動機に供給させる。これにより、逆相で接続されている場合においても、正相で接続されているときと同様に電動機が動作できるようにしている。また、特許文献1の巻上機は、逆相接続時に電源供給側の電磁スイッチの接点が溶着した場合であっても、巻上げ時には巻上動作を行い、巻下げ時には巻下げ動作を行う装置を有することにより、逆相接続時における安全性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-20495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、逆相反転リレーは構造が複雑であるとともに、逆相で電源に接続された巻上機を正相に接続し直した後や、据え付け時に巻上機が正相で接続された場合には、不要となる。
【0006】
本発明では、逆相反転リレーを用いることなく、巻上機の安全性と機能性とを両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の巻上機の制御装置は、電源と電動機とが接続される第1回路と、前記電動機の動作を指示する操作を受け付ける操作入力装置が接続される第2回路と、前記第1回路に設けられ、開閉することにより前記電源と前記電動機との接続又は遮断を行う第1接点と、前記第2回路に設けられるコイルと、前記第2回路に設けられ、開閉することにより前記操作入力装置の前記第2回路に対する接続又は遮断を行う第2接点と、を有し、前記操作入力装置が有する第1スイッチの操作に応じて、前記電動機を駆動可能な状態にする電源入切用電磁接触器と、前記第2回路に接続され、吊荷を引っ掛けるロードフックが前記電動機の駆動によって上限位置又は下限位置に到達すると前記電動機に対する通電を停止させる巻過防止装置と、を備える。前記第1スイッチが操作され前記コイルが通電すると前記第1接点及び前記第2接点が閉じて、前記第2回路は通電された状態を保持する自己保持回路を形成する。前記電動機の駆動中に前記巻過防止装置が作動すると、前記第2回路が形成した自己保持回路が解除されて、前記第1接点及び前記第2接点が開き、前記電動機に対する通電が停止される。
【0008】
一実施形態の巻上機は、電源から供給される電力で駆動する電動機と、前記電動機の動作を指示する操作を受け付ける操作入力装置と、前記操作入力装置が受け付けた操作に応じて前記電動機の駆動を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記電源と前記電動機とが接続される第1回路と、前記操作入力装置が接続される第2回路と、前記第1回路に設けられ、開閉することにより前記電源と前記電動機との接続又は遮断を行う第1接点と、前記第2回路に設けられるコイルと、前記第2回路に設けられ、開閉することにより前記操作入力装置の前記第2回路に対する接続又は遮断を行う第2接点と、を有し、前記操作入力装置が有する第1スイッチの操作に応じて、前記電動機を駆動可能な状態にする電源入切用電磁接触器と、前記第2回路に接続され、前記電動機の駆動によって吊荷を引っ掛けるロードフックが上限位置又は下限位置に到達すると前記電動機に対する通電を停止させる巻過防止装置と、を有する。前記第1スイッチが操作され前記コイルが通電すると前記第1接点及び前記第2接点が閉じて、前記第2回路は通電された状態を保持する自己保持回路を形成する。前記電動機の駆動中に前記巻過防止装置が作動すると、前記第2回路が形成した自己保持回路が解除されて、前記第1接点及び前記第2接点が開き、前記電動機に対する通電が停止される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、巻上機の安全性と機能性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態の巻上機の外観側面図である。
図2】巻上機の正面外観図である。
図3】巻上機の制御構成を示す接続図である。
図4】変形例の巻上機の制御構成を示す接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態の巻上機について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下、巻上機の一例として電気チェーンブロックを用いて説明を行うが、巻上機は電気チェーンブロックに限定されるものではない。
【0012】
<全体構成>
図1は実施の形態の巻上機100の外観側面図であり,図2は実施の形態の巻上機100の正面外観図である。図3は、実施の形態の巻上機100の制御構成を示す接続図である。
【0013】
巻上機100は、巻上機本体101と、電動機1と、減速機2と、電磁ブレーキ3と、上吊具4と、操作入力装置5と、チェーンバケット6と、スプロケット7と、ロードフック8と、チェーン9と、制御装置10と、を備える。
【0014】
巻上機本体101は、直方体状であり、中央ハウジング101aと、モータハウジング101bと、減速機ハウジング101cとを有する。中央ハウジング101aは、巻上機本体101の長手方向中央部に設けられている。モータハウジング101bは、巻上機本体101の長手方向において、中央ハウジング101aの一方側に設けられている。減速機ハウジング101cは、巻上機本体101の長手方向において、中央ハウジング101aの他方側に設けられている。
【0015】
中央ハウジング101aの一方側の表面101dには、上吊具4が装着されている。巻上機100は、この上吊具4により吊り下げられた状態で使用される。中央ハウジング101aの他方側の表面101eには、チェーンバケット6が取り付けられている。チェーンバケット6は、チェーン9の一端部側を収容するチェーン収容器である。尚、以下の説明では、中央ハウジング101aの表面101d側を上方と呼び、表面101e側を下方と呼ぶことがある。
【0016】
中央ハウジング101aの内部には、巻上機本体101の長手方向に沿って延び、回転可能に支持された回転軸が設けられ、この回転軸にスプロケット7が設けられている。チェーン9は、スプロケット7に掛け渡されている。チェーン9の他端部には、ロードフック8が設けられている。このロードフック8には、荷物すなわち吊荷が引っ掛けられるようになっている。
【0017】
モータハウジング101b内には、スプロケット7を回転駆動させるための電動機1と、電動機1及び電磁ブレーキ3の動作を制御する制御装置10とが配置されている。電動機1は、ロータ、ステータ等を有する三相誘導電動機(三相モータ)であり、ケーブル12を介して電源(三相交流電源)102と接続されている。電動機1は、電源102から供給される電力によって、駆動(正回転又は逆回転)する。電動機1のロータは主軸と接続されている。
【0018】
減速機ハウジング101c内には、減速機2と、電磁ブレーキ3とが配置されている。減速機2は、複数の歯車等により構成され、電動機1の主軸に接続されている。減速機2は、電動機1の主軸の回転を減速してスプロケット7に伝達する。電磁ブレーキ3は、電動機1に取り付けられる。電磁ブレーキ3は、コイル等によって構成され、通電により発生する電磁力を用いて作動して電動機1を制動する。
【0019】
操作入力装置5は、使用者によって行われる電動機1の動作を指示する操作を受け付ける。操作入力装置5は、ケーブル11を介して巻上機本体101の内部に設けられた制御装置10と接続されている。操作入力装置5には、入操作スイッチ50と、切操作スイッチ51と、上方向操作スイッチ52と、下方向操作スイッチ53とが設けられている。
【0020】
入操作スイッチ50は、電動機1へ電力供給が行われ電動機1を駆動可能な状態にさせる際に使用者により操作されるa接点である。切操作スイッチ51は、電動機1の駆動可能な状態を終了させる際に使用者により操作されるb接点である。
【0021】
上方向操作スイッチ52は、ロードフック8を上方向へ巻上動作させる際に使用者により操作されるa接点である。上方向操作スイッチ52が押下操作されると、電動機1が正回転にて駆動しスプロケット7が正回転する。スプロケット7が正回転することにより、ロードフック8が上方、すなわち巻上方向に移動する。ロードフック8が巻上方向に移動すると、チェーン9の一端部側はチェーンバケット6に入り込む。換言すると、第2スイッチである上方向操作スイッチ52は、ロードフック8が上方向へ移動するように電動機1の駆動を指示するスイッチである。
【0022】
下方向操作スイッチ53は、ロードフック8を下方向へ巻下動作させる際に使用者により操作されるa接点である。下方向操作スイッチ53が押下操作されると、電動機1が逆回転にて駆動しスプロケット7が逆回転する。スプロケット7が逆回転することにより、ロードフック8が下方、すなわち巻下方向に移動する。ロードフック8が巻下方向に移動すると、チェーンバケット6からチェーン9が繰り出される。換言すると、第3スイッチである下方向操作スイッチ53は、ロードフック8が下方向へ移動するように電動機1の駆動を指示するスイッチである。
【0023】
上記の入操作スイッチ50、切操作スイッチ51、上方向操作スイッチ52及び下方向操作スイッチ53は、自己復帰型スイッチである。尚、以下の説明では、入操作スイッチ50を第1スイッチ、上方向操作スイッチ52を第2スイッチ、下方向操作スイッチ53を第3スイッチと呼ぶことがある。
【0024】
<制御装置10>
図3に示されるように、制御装置10は、低圧トランス20と、電源入切用電磁接触器21と、巻過防止装置22と、電磁接触器23と、主回路31と、操作回路32とを有する。主回路31は、電動機1と電源102とを接続する回路である。操作回路32は、操作入力装置5と接続される回路である。操作回路32は、低圧トランス20を介して主回路31と接続される。電源102の電力は、低圧トランス20によって電圧が下げられて操作回路32に供給される。尚、以下の説明では、主回路31を第1回路、操作回路32を第2回路と呼ぶことがある。
【0025】
<電源入切用電磁接触器21>
電源入切用電磁接触器21は、第1スイッチである入操作スイッチ50の押下操作に応じて、電動機1を駆動可能な状態にするために設けられている。電源入切用電磁接触器21は、主接点210と、副接点211と、コイル212とを有する。主接点210は、第1回路である主回路31に設けられる。主接点210は、開閉することにより電源102と電動機1との接続又は遮断を行うスイッチである。
【0026】
副接点211とコイル212とは、第2回路である操作回路32に設けられる。副接点211は、開閉することにより操作入力装置5の操作回路32に対する接続又は遮断を行うスイッチである。具体的には、副接点211は、入操作スイッチ50及び切操作スイッチ51と接続される経路32b上に、後述する上方向巻過防止装置221と、下方向巻過防止装置222と直列に設けられ、低圧トランス20の二次側の一方端と接続される。コイル212は、入操作スイッチ50と接続される経路32a上に設けられ、低圧トランス20の二次側の一方端と接続される。
【0027】
<巻過防止装置22>
巻過防止装置22は、上方向巻過防止装置221と、下方向巻過防止装置222とにより構成される。上方向巻過防止装置221と下方向巻過防止装置222とは、第2回路である操作回路32に接続される。上方向巻過防止装置221は、上方へ巻上げられ上限位置に到達したロードフック8と接触することにより、例えばレバーが所定方向に揺動することによって作動する第1リミットスイッチである。上方向巻過防止装置221は、操作回路32上の経路32bと、上方向操作スイッチ52と接続される経路32dとに設けられる。
【0028】
下方向巻過防止装置222は、下方へ巻下げられたロードフック8が下限位置に到達する際に、チェーン9の一端部側と接触することにより、例えばレバーが所定方向に揺動することによって作動する第2リミットスイッチである。下方向巻過防止装置222は、操作回路32上の経路32bと、下方向操作スイッチ53と接続される経路32cとに設けられる。すなわち、経路32bにおいて、上方向巻過防止装置221と、下方向巻過防止装置222と、電源入切用電磁接触器21の第2接点である副接点211とは直列に接続されている。
【0029】
巻過防止装置22が作動すると、操作回路32が開放される。詳細を後述するように、操作回路32の開放に伴い電動機1への通電が遮断され、電動機1の駆動が強制的に停止される。すなわち、巻過防止装置22は、電動機1の駆動によってロードフック8が上限位置又は下限位置に到達すると、電動機1への通電を停止させる。換言すると、ロードフック8は、下限位置と上限位置との間で上昇又は下降移動することができる。
【0030】
<電磁接触器23>
電磁接触器23は、上方向電磁接触器231と下方向電磁接触器232とを有する。上方向電磁接触器231と下方向電磁接触器232とは、それぞれ接点233と、コイル234とを有する。接点233は主回路31に設けられ、コイル234は操作回路32に設けられる。上方向電磁接触器231のコイル234は、経路32d上に上方向巻過防止装置221と直列に設けられ、低圧トランス20の二次側の他端と接続される。下方向電磁接触器232のコイル234は、経路32c上に下方向巻過防止装置222と直列に設けられ、低圧トランス20の二次側の他端と接続される。尚、経路32d上に上方向巻過防止装置221が接続されず、経路32c上に下方向巻過防止装置222が接続されていなくてもよい。
【0031】
<制御装置10の動作>
上記の構成を有する制御装置10の動作について説明する。巻上機100の動作開始に際して、使用者が入操作スイッチ50を押下操作すると、電源入切用電磁接触器21のコイル212が通電される。コイル212が通電されることにより、主接点210と副接点211とが閉じる。これにより、操作回路32は、低圧トランス20を介して電源102により通電された状態が保持される自己保持回路を形成する。すなわち、入操作スイッチ50の押下操作が行われていない状態であっても、操作回路32は通電された状態を維持する。このとき電動機1は、通電可能な駆動可能な状態となり、使用者により上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53が押下操作されると、電動機1が通電され、巻上機100が駆動する。
【0032】
駆動可能状態のときに上方向操作スイッチ52が押下操作されると、上方向電磁接触器231のコイル234が通電され、接点233が閉じる。これにより電動機1が通電されるとともに、電磁ブレーキ3が開放され、電動機1は上述した正回転を行う。その結果、ロードフック8が上方に巻上げられる。
【0033】
ロードフック8が上方に巻上げられ上限位置に到達すると、上方向巻過防止装置221が作動する。すなわち、第1リミットスイッチである上方向巻過防止装置221の接点が開き、操作回路32に形成された自己保持回路が解除される。このため、電源入切用電磁接触器21のコイル212への通電が遮断される。これにより、電源入切用電磁接触器21の主接点210と副接点211とが開き、電動機1に対する通電が停止される。この結果、ロードフック8が上限位置よりも上方に巻上げられることが抑制される。
【0034】
駆動可能状態のときに下方向操作スイッチ53が押下操作されると、下方向電磁接触器232のコイル234が通電され、接点233が閉じる。これにより電動機1が通電されるとともに、電磁ブレーキ3が開放され、電動機1は上述した逆回転を行う。その結果、ロードフック8が下方に巻き下げられる。
【0035】
ロードフック8が下方に巻下げられ下限位置に到達すると、下方向巻過防止装置222が作動する。すなわち、第2リミットスイッチである下方向巻過防止装置222の接点が開き、操作回路32に形成された自己保持回路が解除される。このため、電源入切用電磁接触器21のコイル212への通電が遮断される。これにより、電源入切用電磁接触器21の主接点210と副接点211とが開き、電動機1に対する通電が停止される。この結果、ロードフック8が下限位置よりも下方に巻下げられることが抑制される。
【0036】
次に、ロードフック8が上記の上限位置や下限位置に到達し、巻過防止装置22が作動した後に、使用者によって行われる操作と、巻上機100の動作について説明する。巻過防止装置22が作動した後、使用者により入操作スイッチ50が押下操作され続けた状態で、上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53が押下操作される。具体的には、ロードフック8が上限位置に到達して上方向巻過防止装置221が作動している(接点が開いている)場合には、入操作スイッチ50が押下操作され続けた状態で、ロードフック8を下方に巻下げさせるための下方向操作スイッチ53が押下操作される。
【0037】
上記の操作にて入操作スイッチ50が押下操作されている間は、電源入切用電磁接触器21のコイル212が通電され、コイル212の通電により、主接点210と副接点211とが閉じる。この状態で下方向操作スイッチ53が押下操作されると、経路32c上の下方向電磁接触器232のコイル234が通電され、接点233が閉じる。これにより電動機1が通電されるとともに、電磁ブレーキ3が開放され、電動機1は上述した逆回転にて駆動する。すなわち、電動機1は、ロードフック8を下方に巻下げる方向に駆動する。換言すると、第1リミットスイッチである上方向巻過防止装置221が開いた後に、第1スイッチである入操作スイッチ50が操作された状態のまま第3スイッチである下方向操作スイッチ53が操作されると、ロードフック8を下方向へ移動させる方向に電動機1が駆動する。
【0038】
下方に巻下げられることによりロードフック8が上限位置よりも下方に位置すると、上方向巻過防止装置221の動作が解除され、接点が閉じた状態(非作動状態)となる。この結果、操作回路32が自己保持回路を形成する。このため、入操作スイッチ50を押下操作し続けることなく、上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53が押下操作されることにより、ロードフック8の巻上げ又は巻下げが可能となる。換言すると、入操作スイッチ50が押下操作され続けた状態で下方向操作スイッチ53が押下操作されることにより、ロードフック8を一時的に動作させることが可能となる。
【0039】
ロードフック8が下限位置に到達して下方向巻過防止装置222が作動している(接点が開いている)場合には、入操作スイッチ50が押下操作され続けた状態で、ロードフック8を上方に巻上げさせるための上方向操作スイッチ52が押下操作される。この場合も、入操作スイッチ50が押下操作されている間は、電源入切用電磁接触器21のコイル212が通電され、コイル212の通電により、主接点210と副接点211とが閉じる。この状態で上方向操作スイッチ52が押下操作されると、経路32d上の上方向電磁接触器231のコイル234が通電され、接点233が閉じる。
【0040】
これにより電動機1に通電されるとともに、電磁ブレーキ3が開放され、電動機1は上述した正回転を行う。その結果、ロードフック8が上方に巻上げられる。換言すると、第2リミットスイッチである下方向巻過防止装置222が開いた後に、第1スイッチである入操作スイッチ50が操作された状態のまま第2スイッチである上方向操作スイッチ52が操作されると、ロードフック8を下方向へ移動させる方向に電動機1が駆動する。
【0041】
上方に巻上げられることによりロードフック8が下限位置よりも上方に位置すると、下方向巻過防止装置222の動作が解除され、接点が閉じた非作動状態となる。この結果、操作回路32が自己保持回路を形成する。すなわち、入操作スイッチ50を押下操作し続けることなく、上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53が押下操作されることにより、ロードフック8の巻上げ又は巻下げが可能となる。換言すると、入操作スイッチ50が押下操作され続けた状態で上方向操作スイッチ52が押下操作されることにより、ロードフック8を一時的に動作させることが可能となる。
【0042】
上述したように、巻過防止装置22が非作動のときには、第1スイッチである入操作スイッチ50が押下操作されると、副接点211が閉じた状態が保持され、操作回路32が自己保持回路を形成する。これに対して、巻過防止装置22が作動した後には、操作回路32は自己保持回路を形成せず、第1スイッチである入操作スイッチ50が押下操作されている間だけ副接点211が閉じる。そして、入操作スイッチ50が操作された状態のまま上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53が操作されることによって電動機1が駆動した後に巻過防止装置22が非作動となると、副接点211が閉じて操作回路32が再び自己保持回路を形成する。
【0043】
ロードフック8が上限位置と下限位置との間で移動可能な状態、すなわち操作回路32が自己保持回路を形成している状態のときに、切操作スイッチ51が押下操作されると、巻上機100の動作が停止する。この場合、切操作スイッチ51が押下操作されることにより、副接点211が開き、電源入切用電磁接触器21のコイル212への通電が遮断される。電源入切用電磁接触器21のコイル212への通電が遮断されることにより、電源入切用電磁接触器21の主接点210が開いて、電動機1に対する通電が停止される。
【0044】
巻上機100が据え付けられた際には、巻上機100は、図1図2に示されるように、ロードフック8が上限位置に近い位置まで巻上げられている場合が多い。このため、巻上機100を据え付け後に初めて使用するときには、入操作スイッチ50が押下操作されて自己保持回路が形成された後に下方向操作スイッチ53が押下操作され、ロードフック8が下方に巻下げられることが多い。このとき、巻上機100が電源102と逆相接続されている場合には、巻下げのための下方向操作スイッチ53が押下操作されているにも関わらず、電動機1は正回転し、ロードフック8が上方に巻上げられてしまう。
【0045】
しかし、ロードフック8が巻上げられ上下位置に到達すると、上述したように、上方向巻過防止装置221が作動する。これにより、電源入切用電磁接触器21の主接点210と副接点211とが開き、電動機1への電力供給が遮断されるとともに、操作回路32に形成された自己保持回路が解除され、ロードフック8が上限位置よりも上方に巻上げられることが抑制される。このため、巻上機100が逆相接続されている場合も、ロードフック8の過巻を抑制できる。
【0046】
また、使用者はロードフック8の巻下げを意図して下方向操作スイッチ53を押下操作したにも拘わらず、ロードフック8が巻上げられたことから、巻上機100が逆相接続されていることを認識できる。この場合、使用者は、電動機1と電源102との誤結線を正相接続となるように修正した後に、巻上機100を使用する。したがって、逆相反転リレー等の複雑な構造を制御装置10に組み込む必要がなくなる。
【0047】
上述した実施の形態によれば以下の作用効果のうちの少なくとも一つが得られる。
(1)実施の形態の制御装置10は、第1回路である主回路31と、第2回路である操作回路32と、電源入切用電磁接触器21と、操作回路32に接続された巻過防止装置22とを備えている。電源入切用電磁接触器21は、主回路31に設けられる主接点210と、操作回路32に設けられる副接点211及びコイル212とを有する。
【0048】
図4は、本実施の形態とは異なる比較例の巻上機の制御構成を示す接続図である。尚、図4に示される比較例においては、図1図3に示される本実施の形態の構成と同様又は実質的に同様な構成については同一の符号が付与されている。比較例の巻上機の制御装置10Aは、低圧トランス20と、巻過防止装置22Aと、電磁接触器23Aと、主回路31と、操作回路321と、逆相防止装置40と、を有している。ただし、制御装置10Aは、実施の形態の電源入切用電磁接触器21を有していない。また、制御装置10Aと接続される操作入力装置5Aは、上方向操作スイッチ52と下方向操作スイッチ53とを有している。
【0049】
逆相防止装置40は、電源102と電動機1とを接続する主回路31に接続されている。逆相防止装置40は、電源102と制御装置10Aとの接続が正相か逆相かを検出し、正相の場合には、操作回路321に設けられた接点41を閉じ、逆相の場合には接点41を開く。接点41が閉じると、上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53の押下操作に応じて電動機1が駆動可能となる。ただし、操作入力装置5Aは、実施の形態の入操作スイッチ50と切操作スイッチ51とを有していないため、操作回路321は自己保持回路を形成しない。
【0050】
また、巻過防止装置22Aは、上方向巻過防止装置221Aと下方向巻過防止装置222Aとを有している。上方向巻過防止装置221Aは、主回路31に設けられるリミットスイッチ223と操作回路321に設けられるリミットスイッチ224とから構成される。下方向巻過防止装置222Aは、主回路31に設けられるリミットスイッチ225と操作回路321に設けられるリミットスイッチ226とから構成される。上方向巻過防止装置221A及び下方向巻過防止装置222Aが主回路31に有するそれぞれのリミットスイッチ223,225は、主回路31に流れる電流が操作回路321を流れる電流よりも大きいため、操作回路321に設けられるリミットスイッチ224,226よりも大型の接点である。
【0051】
正相での接続が検出され接点41が閉じた後に、上方向操作スイッチ52が操作されると、電磁接触器23の上方向電磁接触器231を構成するコイル234が通電され、主回路31に設けられた上方向電磁接触器231の接点233が閉じる。これにより、上方向巻過防止装置221Aのリミットスイッチ223を介して電動機1が通電される。このとき、電磁ブレーキ3にも通電され、電磁ブレーキ3が開放され、電動機1が正回転にて駆動する。
【0052】
正相での接続が検出され接点41が閉じた後に、下方向操作スイッチ53が操作されると、電磁接触器23の下方向電磁接触器232を構成するコイル234が通電され、主回路31に設けられた下方向電磁接触器232の接点233が閉じる。これにより、下方向巻過防止装置222Aのリミットスイッチ225を介して電動機1が通電される。このとき、電磁ブレーキ3にも通電され、電磁ブレーキ3が開放され、電動機1が逆回転にて駆動する。
【0053】
電動機1の正回転によってロードフック8が上限位置に到達すると、上方向巻過防止装置221Aのリミットスイッチ223,224が開き、電動機1に対する通電が停止される。また、電動機1の逆回転によってロードフック8が下限位置に到達すると、下方向巻過防止装置222Aのリミットスイッチ225,226が開き、電動機1に対する通電が停止される。
【0054】
上記の構成及び動作を行う比較例に対して、本実施の形態の制御装置10は、逆相防止装置40、接点41を備えず、電源入切用電磁接触器21を備えている。そして、第1スイッチである入操作スイッチ50が操作されコイル212が通電すると主接点210と副接点211とが閉じて、操作回路32が自己保持回路を形成する。電動機1の駆動中に巻過防止装置22が作動すると、操作回路32が形成した自己保持回路が解除されて、主接点210及び副接点211が開き、電動機1に対する通電が停止される。
【0055】
これにより、逆相防止装置40を備えていないため、逆相に接続されている場合には、電動機1が駆動するが、巻過防止装置22によって巻上げ過ぎや巻下げ過ぎが抑えられている。このため、逆相防止装置40を設けることなく、巻上機100の故障や、吊荷の落下等が抑制され、安全性が確保される。
【0056】
また、逆相防止装置40は構造が複雑であるが、巻上機100の逆相接続を正相接続に修正した後や、巻上機100が据え付け時から正相接続された場合には不要の構成である。本実施の形態の制御装置10は正相接続された場合には不要となる逆相防止装置40を備えていないため、制御装置10及び制御装置10を備える巻上機100の製造を簡略化し、製造コストの低減に寄与することができる。
【0057】
また、本実施の形態の巻過防止装置22は、操作回路32に設けられたリミットスイッチである。そして、操作回路32が自己保持回路を解除した際には、電源入切用電磁接触器21の主接点210が開となることにより、電動機1に対する通電が停止されるので、巻過防止装置22を構成するリミットスイッチを主回路31に設ける必要がなくなる。このため、比較例のリミットスイッチのように主回路31に設けられる場合とは異なり、電動機1に通電される電流に応じて巻過防止装置22のリミットスイッチを大型化する等の対策が不要となる。
【0058】
また、巻過防止装置22が非作動のときは、電源入切用電磁接触器21の副接点211が閉じることにより、操作回路32が自己保持回路を形成している。このため、使用者が上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53を押下操作することによって、ロードフック8を巻上げ又は巻下げることが可能となり、巻上機100としての機能を発揮させることができる。
【0059】
(2)第1スイッチである入操作スイッチ50は、自己復帰型スイッチである。巻過防止装置22が非作動のときには、入操作スイッチ50が操作されると副接点211が閉じた状態が保持される。これにより、上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53の押下操作に応じて、ロードフック8を巻上げ又は巻下げ方向に移動させることが可能となる。
【0060】
また、電動機1の駆動中に巻過防止装置22が作動した後には、入操作スイッチ50が操作されている間だけ副接点211が閉じる。すなわち、操作回路32が自己保持回路を形成しなくなる。このため、使用者が意図せず上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53に触れてしまい、電動機1が駆動することが抑制されるので、安全性を確保することができる。
【0061】
(3)巻過防止装置22が有する第1リミットスイッチである上方向巻過防止装置221及び第2リミットスイッチである下方向巻過防止装置222と、電源入切用電磁接触器21の副接点211とは、第2回路である操作回路32に直列に接続されている。これにより、ロードフック8が上限位置又は下限位置に到達した場合には、コイル212への通電が停止され、主接点210及び副接点211が開くので、電動機1に対する通電を確実に停止させることができる。
【0062】
(4)上方向巻過防止装置221が開いた後に、入操作スイッチ50が押下操作された状態のまま第3スイッチである下方向操作スイッチ53が押下操作されると、ロードフック8を下方向へ移動させる方向に電動機1が駆動する。また、下方向巻過防止装置222が開いた後に、入操作スイッチ50が押下操作された状態のまま第2スイッチである上方向操作スイッチ52が押下操作されると、ロードフック8を上方向へ移動させる方向に電動機1が駆動する。これにより、巻過防止装置22により動作不可状態となった巻上機100を一時的に動作可能な状態にすることができる。
【0063】
(5)入操作スイッチ50が押下操作された状態のまま上方向操作スイッチ52又は下方向操作スイッチ53が操作されることによって電動機1が駆動した後に巻過防止装置22が非作動となると、副接点211が閉じて操作回路32が自己保持回路を形成する。これにより、巻上機100を再び、使用者の操作に応じて巻上げ又は巻下げ可能な状態にすることができる。
【0064】
本発明は上記の実施の形態で説明された内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、巻上機は電気チェーンブロックであるものに限られず、荷物用索条としてのワイヤが回転体としてのドラムに巻き付けられるようなホイストであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 電動機、5 操作入力装置、8 ロードフック、10 制御装置、21 電源入切用電磁接触器、22 巻過防止装置、31 主回路、32 操作回路、50 入操作スイッチ、51 切操作スイッチ、52 上方向操作スイッチ、53 下方向操作スイッチ、100 巻上機、101 巻上機本体、102 電源、210 主接点、211 副接点、212 コイル、221 上方向巻過防止装置、222 下方向巻過防止装置
図1
図2
図3
図4