(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025111235
(43)【公開日】2025-07-30
(54)【発明の名称】インターポーザ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20250723BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20250723BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20250723BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20250723BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20250723BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/12 F
H01L21/60 311S
H01R13/24
H01R31/06 Z
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005540
(22)【出願日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】TE Connectivity Japan合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】橋本 信一
(72)【発明者】
【氏名】白井 浩史
(72)【発明者】
【氏名】門林 寛建
【テーマコード(参考)】
5E223
5F044
【Fターム(参考)】
5E223AB41
5E223AB64
5E223AB67
5E223BB12
5E223CA21
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB84
5E223DA05
5E223DB08
5F044KK01
5F044KK17
5F044LL13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気的特性の更なる向上を図るインターポーザを提供する。
【解決手段】インターポーザにおいて、第1の信号コンタクト20Aと第2の信号コンタクト20Bは、ハウジングの複数の貫通孔のうち、コンタクトの幅方向に沿って相互に隣り合う貫通孔にそれぞれ配置され、接地コンタクト20Cは、ハウジングの複数の貫通孔のうち、信号コンタクトペア20Pの両側に位置する貫通孔に配置され、信号コンタクト及び接地コンタクトを含む複数のコンタクトは、それぞれ、貫通孔に圧入される基部21Aを有し、当該基部からハウジングの第1面より外側に延出し、先端部に第1の接点部を有する第1のコンタクトビーム22A、22Bと、基部からハウジングの第2面より外側に延出し、先端部に第2の接点部を有する第2のコンタクトビーム23A、23Bと、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電子部品のうちの第1の電子部品側を向いた第1面と、前記2つの電子部品のうちの第2の電子部品側を向いた第2面とを有するハウジング本体部と、前記第1面と前記第2面との間にて貫通する複数の貫通孔とを有する、ハウジング、および
前記貫通孔に圧入された基部と、前記基部から前記第1面より外側に延出し、先端部に前記第1の電気部品に接する第1の接点部を有する第1の信号コンタクトビームと、前記基部から前記第2面より外側に延出し、先端部に前記第2の電気部品に接する第2の接点部を有する第2の信号コンタクトビームとを備える信号コンタクトを該信号コンタクトの幅方向に沿って所定の間隔をおいて隣り合って2つ有する、信号コンタクトペア
を備え、
前記信号コンタクトは、前記基部と前記第1の信号コンタクトビームとにより構成される開口部と、前記基部と前記第2の信号コンタクトビームとにより構成される開口部とを有し、
前記2つの信号コンタクトの少なくとも一方において、前記基部および前記信号コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって局所的に突出する突出部分を有する、インターポーザ。
【請求項2】
前記信号コンタクトが複数の突出部分を有する、請求項1に記載のインターポーザ。
【請求項3】
前記突出部分が、前記第1の信号コンタクトビームと前記第2の信号コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって突出する、請求項1に記載のインターポーザ。
【請求項4】
前記突出部分が、前記基部の少なくとも一方の側から前記開口部側に向かって突出する、請求項1に記載のインターポーザ。
【請求項5】
1つの前記開口部において、複数の前記突出部分が位置する、請求項1に記載のインターポーザ。
【請求項6】
1つの前記開口部に位置する複数の前記突出部分の各々が相互に離隔する、請求項5に記載のインターポーザ。
【請求項7】
1つの前記開口部において、前記基部から突出する突出部分と、前記信号コンタクトビームから突出する突出部分の主面サイズが異なる、請求項5に記載のインターポーザ。
【請求項8】
前記基部から突出する突出部分の主面サイズが、前記信号コンタクトビームから突出する突出部分の主面サイズよりも大きい、請求項7に記載のインターポーザ。
【請求項9】
1つの前記開口部がH形の形状を有する、請求項6に記載のインターポーザ。
【請求項10】
前記信号コンタクトペアの両側に配置される接地コンタクトを更に備える、請求項1に記載のインターポーザ。
【請求項11】
前記接地コンタクトが、前記貫通孔に圧入された基部と、前記基部から前記第1面より外側に延出する第1の接地コンタクトビームと、前記基部から前記第2面より外側に延出する第2の接地コンタクトビームとを備え、前記基部および前記接地コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって局所的に突出する突出部分を有する、請求項10に記載のインターポーザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターポーザに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、2つの電子部品を電気的に接続するために、両電子部品間に設けられるインターポーザが知られている。かかるインターポーザは、複数の貫通孔を有するハウジングと、各貫通孔に挿し込まれて保持された複数のコンタクトとを備えている。
【0003】
インターポーザを構成するコンタクトは、ハウジングの貫通孔内に配置されてハウジングに保持される基部と、基部からハウジングの2つの主面にそれぞれ延出する2つのコンタクトビームとを備えている。複数のコンタクトには、その幅方向において、相互に隣り合って配置された、信号の伝送を担う2つの信号コンタクトから構成される信号コンタクトペアが含まれ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2021/0028569号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターポーザにおいては、その電気的な特性の更なる向上が望まれる。
【0006】
本開示は、かかる事情に鑑みて、電気的特性の更なる向上を図ることが可能なインターポーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示では、2つの電子部品のうちの第1の電子部品側を向いた第1面と、前記2つの電子部品のうちの第2の電子部品側を向いた第2面とを有するハウジング本体部と、前記第1面と前記第2面との間にて貫通する複数の貫通孔とを有する、ハウジング、および
前記貫通孔に圧入された基部と、前記基部から前記第1面より外側に延出し、先端部に前記第1の電気部品に接する第1の接点部を有する第1の信号コンタクトビームと、前記基部から前記第2面より外側に延出し、先端部に前記第2の電気部品に接する第2の接点部を有する第2の信号コンタクトビームとを備える信号コンタクトを該信号コンタクトの幅方向に沿って所定の間隔をおいて隣り合って2つ有する、信号コンタクトペア
を備え、
前記信号コンタクトは、前記基部と前記第1の信号コンタクトビームとにより構成される開口部と、前記基部と前記第2の信号コンタクトビームとにより構成される開口部とを有し、
前記2つの信号コンタクトの少なくとも一方において、前記基部および前記信号コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって局所的に突出する突出部分を有する、インターポーザが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示のインターポーザによれば、電気的特性の更なる向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、本開示のインターポーザを模式的に示す斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、2つの電子部品と電気的に接続可能な本開示のインターポーザを模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1Aの点線囲み部分における、本開示のインターポーザを模式的に示す部分拡大斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のA-A間から見た点線囲み部分における、本開示のインターポーザを模式的に示す部分拡大断面図である。
【
図4】
図4は、本開示のインターポーザにおける特徴的な構成を有する信号コンタクトを含むコンタクトの一例を模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示のインターポーザにおける特徴的な構成を有する信号コンタクトを含むコンタクトの別例を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示のインターポーザにおける特徴的な構成を有する信号コンタクトを含むコンタクトの別例を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のインターポーザについて説明する。
【0011】
まず、本開示のインターポーザの全体的構成についての説明を行う。その後、後述するように、本開示の特徴部分についての説明を行う。
【0012】
図1Aは、本開示のインターポーザを模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1Aの点線囲み部分における、本開示のインターポーザを模式的に示す部分拡大斜視図である。
図3は、
図2のA-A間から見た点線囲み部分における、本開示のインターポーザを模式的に示す部分拡大断面図である。
図4は、本開示のインターポーザにおける特徴的な構成を有する信号コンタクトを含むコンタクトの一例を模式的に示す斜視図である。
【0013】
図1Aに示すように、本開示のインターポーザ100は、大きく分けてハウジング10および複数のコンタクト20を備える。
【0014】
ハウジング10は、相互に対応する2つの主面(第1面11Xおよび第2面11Y)を有するハウジング本体部11と、2つの主面間(第1面11Xと第2面11Yとの間)にて貫通する複数の貫通孔12とを有する。
【0015】
上記の第1面11Xは、2つの電子部品200のうちの第1の電子部品210側を向いた面であり得る。第2面11Yは、2つの電子部品200のうちの第2の電子部品220側を向いた面であり得る(
図1B参照)。
【0016】
特に限定されるものではないが、上記の第1の電子部品210としては、一例としてIC(Integrated circuit)を挙げることができる。また、上記の第2の電子部品220としては、回路基板を挙げることができる。この場合、本開示のインターポーザ100は、回路基板とICとの間の信号伝送を仲介するものとして機能する。
【0017】
図1Aでは、一例として、ハウジング本体部11の局所部分に複数の貫通孔12が格子状に設けられている態様が示されているが、これに限定されることなく、ハウジング本体部11の大部分に対して、複数の貫通孔12が格子状に設けられてもよい。ハウジング10を構成する材料としては、絶縁性を有する材料であればよく、例えば熱可塑性樹脂材が選択され得る。
【0018】
また、
図2~
図4に示すように、複数のコンタクト20は、信号を伝送するための信号コンタクト(またはシグナルコンタクトとも称する)と、接地のための接地コンタクト20C(またはグランドコンタクトとも称する)とを含む。コンタクト20を構成する材料としては、電気伝導性を有する金属材料であればよく、例えば銅が選択され得る。
【0019】
上記の信号コンタクトは、互いに形状が同一であり得る一方、配置方向が相互に反対である第1の信号コンタクト20Aおよび第2の信号コンタクト20Bを含む。第1の信号コンタクト20Aと第2の信号コンタクト20Bは、信号コンタクトの幅方向に沿って所定の間隔をおいて隣り合って(即ち、ペアとなって)、信号コンタクトペア20Pを構成する。
【0020】
接地コンタクト20Cは、本開示のインターポーザ100の電気的特性を考慮して、相互に隣り合う信号コンタクトペア20P間と信号コンタクトペア20Pの外側に配置され得る。即ち、接地コンタクト20Cは、各信号コンタクトペア20Pの両側に配置され得る。
【0021】
接地コンタクト20Cは、
図2~
図4に示すように第1の信号コンタクト20Aおよび第2の信号コンタクト20Bと同じ形状を有してもよく、第1の信号コンタクト20Aおよび第2の信号コンタクト20Bとは異なる形状を有してもよい。
【0022】
なお、本明細書および図面にてコンタクトを説明する際にて、第1の信号コンタクトの構成要素については末尾に「A」を付し、第2の信号コンタクトの構成要素については末尾に「B」を付し、接地コンタクトの構成要素については末尾に「C」を付す。
【0023】
第1の信号コンタクト20Aと第2の信号コンタクト20Bは、上記のハウジング10の複数の貫通孔12のうち、コンタクトの幅方向に沿って相互に隣り合う貫通孔12にそれぞれ配置され得る。接地コンタクト20Cは、上記のハウジング10の複数の貫通孔12のうち、信号コンタクトペア20Pの両側に位置する貫通孔12に配置され得る。
【0024】
また、信号コンタクトおよび接地コンタクト20Cを含む複数のコンタクト20は、それぞれ、上記の貫通孔12に圧入され得る基部を有する。かかる圧入により、信号コンタクトが貫通孔内に圧入されたときに貫通孔12の内壁面に食い込んで、信号コンタクトを貫通孔12内に保持可能となる。
【0025】
これに加えて、複数のコンタクト20は、当該基部からハウジング10の第1面11Xより外側に延出し、先端部に第1の接点部を有する第1のコンタクトビームを有し得る。更には、複数のコンタクト20は、上記基部からハウジング10の第2面より外側に延出し、先端部に第2の接点部を有する第2のコンタクトビームを有し得る。
【0026】
上記の第1の電子部品210がICの場合、ICにおけるハウジング10の第1面11X側を向いた面には、信号コンタクトのそれぞれと対応する位置に形成され、かつ信号を伝送するための接続パッドが設けられている。ICが搭載されると、各信号コンタクトの第1の接点部が接続パッドに電気的に接触し得る。
【0027】
また、上記の第2の電子部品220が回路基板の場合、回路基板におけるハウジング10の第2面11Y側を向いた面には、信号コンタクトのそれぞれと対応する位置に形成され、かつ信号を伝送するための接続パッドが設けられている。本開示のインターポーザ100が回路基板に搭載されると、各信号コンタクトの第2の接点部が回路基板上の接続パッドに電気的に接触する。
【0028】
第1の信号コンタクト20Aでいえば、
図2~
図4に示すように、第1の信号コンタクト20Aは、基部21A、第1の信号コンタクトビーム22A、および第2の信号コンタクトビーム23Aを有する。
【0029】
第1の信号コンタクト20Aは、基部21Aと信号コンタクトビーム22A、23Aとにより構成される2つの開口部27A(第1の開口部27AIと第2の開口部27AII)を有する。この開口部27Aは、基部21Aとこれに連続する各信号コンタクトビームとにより囲まれる空間領域である。
【0030】
第1の信号コンタクトビーム22Aは、基部21Aからハウジング10の第1面11X(
図1Aも併せて参照)より外側に延出し、先端部28Aに上記の第1の第1の接点部24Aを有する。第2の信号コンタクトビーム23Aは、上記基部21Aからハウジング10の第2面(
図1Aの11Yに対応)より外側に延出し、先端部29Aに上記の第2の接点部25Aを有する。
【0031】
同様に、第2の信号コンタクト20Bでいえば、
図2~
図4に示すように、第2の信号コンタクト20Bは、基部21B、第1の信号コンタクトビーム22B、および第2の信号コンタクトビーム23Bを有する。
【0032】
第2の信号コンタクト20Bは、基部21Bと信号コンタクトビーム22B、23Bとにより構成される2つの開口部27B(第1の開口部27BIと第2の開口部27BII)を有する。この開口部27Bは、基部21Bとこれに連続する各信号コンタクトビームとにより囲まれる空間領域である。
【0033】
第1の信号コンタクトビーム22Bは、基部21Bからハウジング10の第1面11X(
図1Aも併せて参照)より外側に延出し、先端部28Bに上記の第1の第1の接点部24Bを有する。第2の信号コンタクトビーム23Bは、上記基部21Bからハウジング10の第2面(
図1Aの11Yに対応)より外側に延出し、先端部29Bに上記の第2の接点部25Bを有する。
【0034】
各信号コンタクト20A、20Bにおいて、開口部が存在することにより、信号コンタクト、特に信号コンタクトビームが弾性機能を有し得る。かかる弾性機能を有することで、弾性機能を有しない場合と比べて、電子部品200との上記の信号コンタクトの接触領域を大きくとることができる。具体的には、上記の信号コンタクトビームの接点部と上記接続パッドとの接触領域を大きくとることができる。これにより、電子部品200と信号コンタクトとの好適な接触が担保され、両者の電気的接続が好適に確保され得る。
【0035】
上記のとおり、本開示のインターポーザ100の全体的構成についての説明を行った上で、以下にて本開示の特徴部分についての説明を行う。
【0036】
本開示のインターポーザ100は、その構成要素であるコンタクト20、特に信号コンタクトの構成に特徴を有する。
【0037】
具体的には、本開示では、上記の2つの信号コンタクト(第1の信号コンタクト20A/第2の信号コンタクト20B)の少なくとも一方において、基部および信号コンタクトビームの少なくとも一方から、開口部(基部と信号コンタクトビームとにより囲まれる空間領域に相当)側に向かって局所的に突出する突出部分を有する。
【0038】
本開示では、上記の突出部分の存在により、かかる突出部分がない場合と比べて、信号コンタクトの領域を大きくとることができる。かかる信号コンタクトの領域の拡大により、突出部分がない場合と比べて、本開示のインターポーザ100の電気的特性の調整をしやすくなり、その結果として、インターポーザ100の電気的特性の更なる向上を図ることができる。
【0039】
これに加えて、上記の突出部分による信号コンタクトの領域の拡大により、突出部分がない場合と比べて、ハウジング本体部の貫通孔12へのコンタクトの挿入の間と貫通孔12への上記圧入の間におけるコンタクトの傾きを抑制することができる。即ち、上記の突出部分は、コンタクトの位置安定化部材(スタビライザー)として好適に機能することができる。
【0040】
一例では、
図3および
図4に示すように、第1の信号コンタクト20Aは、基部21Aと第1の信号コンタクトビーム22Aとから第1の開口部27AI側に向かって局所的に突出する突出部分26Aを有し得る。即ち、第1の開口部27AIにおいて、複数の突出部分26Aが位置する。図示する態様では、2つの突出部分26Aが第1の開口部27AIの形成領域に存在する。
【0041】
これに加えて、第1の信号コンタクト20Aは、基部21Aと第2の信号コンタクトビーム23Aとから第2の開口部27AII側に向かって局所的に突出する突出部分26Aを有し得る。即ち、第2の開口部27AIIにおいて、複数の突出部分26Aが位置する。図示する態様では、2つの突出部分26Aが第2の開口部27AIIの形成領域に存在する。
【0042】
以上のことから、
図3および
図4に示す態様では、第1の信号コンタクト20Aは複数の突出部分26Aを有し得る。第1の信号コンタクト20Aにおいて、突出部分26Aが複数存在することで、上記のインターポーザ100の電気的特性の調整をよりしやすくなる。その結果として、インターポーザ100の電気的特性を更により向上させることができる。
【0043】
更に、
図3および
図4に示すように、第2の信号コンタクト20Bは、基部21Bと第1の信号コンタクトビーム22Bとから第1の開口部27BI側に向かって局所的に突出する突出部分26Bを有し得る。即ち、第1の開口部27BIにおいて、複数の突出部分26Bが位置する。図示する態様では、2つの突出部分26Bが第1の開口部27BIの形成領域に存在する。
【0044】
これに加えて、第2の信号コンタクト20Bは、基部21Bと第2の信号コンタクトビーム23Bとから第2の開口部27BII側に向かって局所的に突出する突出部分26Bを有し得る。即ち、第2の開口部27BIIにおいて、複数の突出部分26Bが位置する。図示する態様では、2つの突出部分26Bが第2の開口部27BIIの形成領域に存在する。
【0045】
以上のことから、
図3および
図4に示す態様では、第2の信号コンタクト20Bは複数の突出部分26Bを有し得る。突出部分26Bが複数存在することで、上記のインターポーザ100の電気的特性をより調整しやすくなる。その結果として、インターポーザ100の電気的特性を更により向上させることができる。
【0046】
なお、第1の信号コンタクト20Aおよび/または第2の信号コンタクト20Bにおいて、信号コンタクトビームの弾性機能を好適に確保する観点から、1つの開口部に位置する複数の突出部分の各々は相互に離隔することが好ましい。一例では、
図3および
図4に示すように、1つの開口部27Aに2つの突出部分26Aが位置する場合、両者は相互に離隔し、かつ対向していてよい。同様に、1つの開口部27Bに2つの突出部分26Bが位置する場合、両者は相互に離隔し、かつ対向していてよい。この場合、1つの開口部自体がH形の形状を有し得る。
【0047】
特に、上記の一例のとおり、第1の信号コンタクト20Aと第2の信号コンタクト20Bとが共に複数の突出部分を有すると、全体として、信号コンタクトペアにおける突出部分の数をより多く確保することができる。
図3および
図4に示す態様では、信号コンタクトペアにおいて、計8つの突出部分を確保することができる。これにより、上記のインターポーザ100の電気的特性を更により調整しやすくなる。その結果として、インターポーザ100の電気的特性をより一層向上させることができる。
【0048】
なお、上記の突出部分が1つ以上供されているならば、
図3および
図4に示す一例に限定されることなく、例えば、上記の突出部分は、第1の信号コンタクト20Aおよび/または第2の信号コンタクト20Bにおいて、第1の信号コンタクトビームと第2の信号コンタクトビームの少なくとも一方から上記の開口部側に向かって突出してよい。
【0049】
また、当該突出部分は、第1の信号コンタクト20Aおよび/または第2の信号コンタクト20Bの基部の少なくとも一方の側から上記開口部側に向かって突出してよい。上記突出部分の数を複数確保する観点から、当該突出部分は、基部21A、21Bの両側から上記開口部側に向かってそれぞれ突出していることが好ましい。
【0050】
更に、上記のとおり、突出部分は、コンタクトの位置安定化部材(スタビライザー)として好適に機能し得るところ、コンタクトの上記突出部分につき、ハウジング10の貫通孔12の内壁面との接触面積を大きくして、同内壁面と接触しやすくする観点から、以下の構成をとることが好ましい。
【0051】
具体的には、基部から突出する突出部分と、信号コンタクトビームから突出する突出部分の主面サイズを異ならせてよい。この場合、主面サイズの大きい方の突出部分がハウジング10の貫通孔12の内壁面と接触するように配置され得る。具体的には、基部から突出する突出部分の主面サイズを、信号コンタクトビームから突出する突出部分の主面サイズよりも大きくし得る。
【0052】
以下、接地コンタクトに関する説明を行う。接地コンタクト20Cは、一例では、
図2~
図4に示すように、第1の信号コンタクト20Aおよび第2の信号コンタクト20Bと同じ形状を有し得る。
【0053】
別例では、
図5に示すように、接地コンタクト20CIは、第1の信号コンタクト20Aおよび第2の信号コンタクト20Bとは異なる形状を有してもよい。
【0054】
更なる別例では、
図6に示すように、接地コンタクト20CIIは、本開示のインターポーザ100の電気的特性の向上を考慮して、上記の信号コンタクトと同様の突出部分を有することができる。
図4に示す接地コンタクト20Cも上記の信号コンタクトと同様の突出部分を有し得る。
【0055】
図4でいえば、接地コンタクト20Cは、ハウジング10の貫通孔12に圧入された基部21Cと、基部21Cからハウジング本体部11の第1面11Xより外側に延出する第1の接地コンタクトビーム22Cと、基部21Cからハウジング本体部11の第2面11Yより外側に延出する第2の接地コンタクトビーム23Cとを備え得る。かかる構成下において、基部21Cおよび接地コンタクトビームの少なくとも一方から、接地コンタクト20Cの開口部27C側に向かって局所的に突出する突出部分26Cを有し得る。
【0056】
本開示のインターポーザ100は、上記の実施形態に限定されるものではない。本開示の範囲内において、適宜、変更がなされていてもよい。
【0057】
本開示のインターポーザは、下記態様を採り得る。
<1>
2つの電子部品のうちの第1の電子部品側を向いた第1面と、前記2つの電子部品のうちの第2の電子部品側を向いた第2面とを有するハウジング本体部と、前記第1面と前記第2面との間にて貫通する複数の貫通孔とを有する、ハウジング、および
前記貫通孔に圧入された基部と、前記基部から前記第1面より外側に延出し、先端部に前記第1の電気部品に接する第1の接点部を有する第1の信号コンタクトビームと、前記基部から前記第2面より外側に延出し、先端部に前記第2の電気部品に接する第2の接点部を有する第2の信号コンタクトビームとを備える信号コンタクトを該信号コンタクトの幅方向に沿って所定の間隔をおいて隣り合って2つ有する、信号コンタクトペア
を備え、
前記信号コンタクトは、前記基部と前記第1の信号コンタクトビームとにより構成される開口部と、前記基部と前記第2の信号コンタクトビームとにより構成される開口部とを有し、
前記2つの信号コンタクトの少なくとも一方において、前記基部および前記信号コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって局所的に突出する突出部分を有する、インターポーザ。
<2>
前記信号コンタクトが複数の突出部分を有する、<1>に記載のインターポーザ。
<3>
前記突出部分が、前記第1の信号コンタクトビームと前記第2の信号コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって突出する、<1>又は<2>に記載のインターポーザ。
<4>
前記突出部分が、前記基部の少なくとも一方の側から前記開口部側に向かって突出する、<1>~<3>のいずれかに記載のインターポーザ。
<5>
1つの前記開口部において、複数の前記突出部分が位置する、<1>~<4>のいずれかに記載のインターポーザ。
<6>
1つの前記開口部に位置する複数の前記突出部分の各々が相互に離隔する、<5>に記載のインターポーザ。
<7>
1つの前記開口部において、前記基部から突出する突出部分と、前記信号コンタクトビームから突出する突出部分の主面サイズが異なる、<5>又は<6>に記載のインターポーザ。
<8>
前記基部から突出する突出部分の主面サイズが、前記信号コンタクトビームから突出する突出部分の主面サイズよりも大きい、<7>に記載のインターポーザ。
<9>
1つの前記開口部がH形の形状を有する、<6>~<8>のいずれかに記載のインターポーザ。
<10>
前記信号コンタクトペアの両側に配置される接地コンタクトを更に備える、<1>~<9>のいずれかに記載のインターポーザ。
<11>
前記接地コンタクトが、前記貫通孔に圧入された基部と、前記基部から前記第1面より外側に延出する第1の接地コンタクトビームと、前記基部から前記第2面より外側に延出する第2の接地コンタクトビームとを備え、前記基部および前記接地コンタクトビームの少なくとも一方から前記開口部側に向かって局所的に突出する突出部分を有する、<10>に記載のインターポーザ。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示のインターポーザは、2つの電子部品を電気的に接続するために用いられる。
【符号の説明】
【0059】
200 電子部品
210 第1の電子部品
220 第2の電子部品
100 インターポーザ
10 ハウジング
11 ハウジング本体部
11X ハウジング本体部の第1面
11Y ハウジング本体部の第2面
12 貫通孔
20 コンタクト
20A 第1信号コンタクト
21A 基部
22A 第1のコンタクトビーム
23A 第2のコンタクトビーム
24A 第1のコンタクトビームの第1の接点部
25A 第2のコンタクトビームの第2の接点部
26A 第1信号コンタクトの突出部分
27A 第1のコンタクトビームの開口部
28A 第1コンタクトビームの先端部
29A 第2コンタクトビームの先端部
20B 第2信号コンタクト
21B 基部
22B 第1のコンタクトビーム
23B 第2のコンタクトビーム
24B 第1のコンタクトビームの第1の接点部
25B 第2のコンタクトビームの第2の接点部
26B 第2信号コンタクトの突出部分
27B 第1のコンタクトビームの開口部
28B 第1コンタクトビームの先端部
29B 第2コンタクトビームの先端部
20C、20CI、20CII 接地コンタクト
20P 信号コンタクトペア