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特開2025-11190情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011190
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20250116BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20250116BHJP
   G06T 11/20 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/04842
G06T11/20 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024176382
(22)【出願日】2024-10-08
(62)【分割の表示】P 2024504582の分割
【原出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2022137221
(32)【優先日】2022-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522346109
【氏名又は名称】宮川 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】宮川 英久
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA28
5E555AA33
5E555BA02
5E555BA73
5E555BB02
5E555BC18
5E555CC03
5E555DB11
5E555DB41
5E555DB52
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC14
5E555DC26
5E555DC35
5E555DD09
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】思考の中心である主題や命題などの中心要素とその周辺要素とのリンクによって思考構造を表現することができなかった。
【解決手段】思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得部と、ユーザ端末に対して、中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示部と、中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得部と、ユーザ端末に対して、第1周辺要素を中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示部と、中心要素と第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得部と、ユーザ端末に対して、第1リンクを中心要素と第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示部と、を備えた情報処理装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得部と、
ユーザ端末に対して、前記中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示部と、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示部と、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記中心要素は、思考の中心となる主題または命題を含む請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記周辺要素取得部は、さらに、前記第1周辺要素と関連する第2周辺要素を取得し、
前記周辺要素表示指示部は、さらに、前記ユーザ端末に対して、前記第2周辺要素を前記第1周辺要素の周りに表示するよう指示し、
前記リンク取得部は、さらに、前記第1周辺要素と前記第2周辺要素との間の第2リンクを取得し、
前記リンク表示指示部は、さらに、前記ユーザ端末に対して、前記第2リンクを前記第1周辺要素と前記第2周辺要素との間に表示するよう指示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1リンクおよび前記第2リンクは、複数種類のリンクを含む請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数種類のリンクは、親子関係を示すリンクと、対等な関係を示すリンクと、対立の関係を示すリンクとを含む請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ端末からの閲覧要求に応答して、前記中心要素と少なくとも1つの前記第1周辺要素と、前記中心要素と少なくとも1つの前記第1周辺要素とを結ぶ少なくとも1つの前記リンクとを含む思考構造図の表示画面を前記ユーザ端末に公開する公開部と、
前記ユーザ端末による前記思考構造図の閲覧を制限する公開範囲の情報を、前記思考構造図と対応付けて記憶する記憶部と、
前記公開範囲の情報に基づいて、前記公開部による前記思考構造図の公開を制限する制限部と、
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記中心要素に対するユーザからの投票を取得する投票結果取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記中心要素に対する投票を収集した中心要素への投票結果を表示するよう指示する投票結果表示指示部と、
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1周辺要素に対するユーザからの投票を取得する投票結果取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素に対する投票を収集した第1周辺要素への投票結果を表示する指示、および、前記第1周辺要素への投票結果を前記第1リンクの先に反映させた前記中心要素への投票結果または他の周辺要素への投票結果を表示する指示の少なくともいずれかの指示をする投票結果表示指示部と、
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1リンクに対するユーザからの投票を取得する投票結果取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクに対する投票を収集した第1リンクへの投票結果を反映させて第1リンクを表示するよう指示する投票結果表示指示部と、
をさらに備えた請求項7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記投票結果表示指示部は、2つの要素間に第1リンクを生成するか否かの投票結果を反映させて第1リンクを生成する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記投票結果をフィルタリングするフィルタリング条件を取得する条件取得部と、
前記フィルタリング条件に合致する前記投票結果を検索して、検索された前記投票結果を前記中心要素と前記第1周辺要素と前記第1リンクとの少なくとも1つの表示に反映させるフィルタリング反映部と、
をさらに備えた請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記投票結果の反映は、前記中心要素と前記第1周辺要素と前記第1リンクとの少なくとも1つの表示のサイズの変化、色の変化、透明度の変化、形状の変化、周囲の色の変化の少なくともいずれか1つにより表される請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記中心要素、前記第1周辺要素、前記第1リンク、および、前記中心要素と前記第1周辺要素と前記第1リンクとを含む思考構造図のいずれかに対するユーザからのコメントを取得するコメント取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記コメントを表示するよう指示するコメント表示指示部と、
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記コメント表示指示部は、前記ユーザ端末に対して、前記コメントが前記中心要素、前記第1周辺要素および前記第1リンクのいずれに対するコメントであるかを識別可能に表示するよう指示する請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記ユーザ端末からの、前記第1周辺要素または前記第2周辺要素を変更する指示、前記中心要素と関連する第3周辺要素を追加する指示、前記第1周辺要素または前記第2周辺要素と関連する第4周辺要素を追加する指示、前記中心要素と前記第3周辺要素との間に第3リンクを追加する指示、あるいは、前記第1周辺要素または前記第2周辺要素と前記第4周辺要素との間に第4リンクを追加する指示、を受けて、前記ユーザ端末に対する表示の指示を修正する編集部をさらに備えた請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記編集部は、前記変更の指示あるいは前記追加の指示をしたユーザが編集の権限を有するか否かを確認する編集権限確認部を含む請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記編集権限確認部は、編集の権限が限定された限定編集権限をユーザが有する場合、他の複数のユーザによる承認の投票結果に従って、前記変更の指示あるいは前記追加の指示をしたユーザの編集を承認または否認する請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得ステップと、
ユーザ端末に対して、前記中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示ステップと、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示ステップと、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項19】
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得ステップと、
ユーザ端末に対して、前記中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示ステップと、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示ステップと、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項20】
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得部と、
前記中心要素を表示する中心要素表示部と、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得部と、
前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示する周辺要素表示部と、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得部と、
前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するリンク表示部と、
を備えた情報処理システム。
【請求項21】
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得ステップと、
前記中心要素を表示する中心要素表示ステップと、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得ステップと、
前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示する周辺要素表示ステップと、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得ステップと、
前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するリンク表示ステップと、
を含む思考構造図生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、個人の思考パターンをトポロジーグラフとして表して、結合ノードとして構成要素である概念対応データを配し、結合ノード間を結合リンクで結ぶ技術が開示されている。また、引用文献2には、構造化した思考・議論プロセスに対し、複数ユーザからの分析・意見・批判を抽出して集約し、要素と要素との関連を確認する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-317070号公報
【特許文献2】特開2013-105234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術は、親ノードから子ノードに向いたリンクであり、思考の中心である主題や命題などの中心要素とその周辺要素とのリンクによって思考構造を表現することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得部と、
ユーザ端末に対して、前記中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示部と、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示部と、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得部と、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示部と、
を備えた。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得ステップと、
ユーザ端末に対して、前記中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示ステップと、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示ステップと、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示ステップと、
を含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理プログラムは、
思考の中心となる中心要素を取得する中心要素取得ステップと、
ユーザ端末に対して、前記中心要素を表示するよう指示する中心要素表示指示ステップと、
前記中心要素と関連する第1周辺要素を取得する周辺要素取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1周辺要素を前記中心要素の周りに表示するよう指示する周辺要素表示指示ステップと、
前記中心要素と前記第1周辺要素との間の第1リンクを取得するリンク取得ステップと、
前記ユーザ端末に対して、前記第1リンクを前記中心要素と前記第1周辺要素との間に表示するよう指示するリンク表示指示ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、思考構造を効果的に表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2A】第2実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図2B】第2実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図2C】第2実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の操作概要を示す図である。
図2D】第2実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末における主題入力の概要を示す図である。
図2E】第2実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末における要素入力の概要を示す図である。
図2F】第2実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末におけるリンク入力の概要を示す図である。
図2G】第2実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末における思考構造図の登録要求の概要を示す図である。
図2H】第2実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末からの編集指示の概要を示す図である。
図3A】第2実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図3B】第2実施形態に係る情報処理システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図4】第2実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバの機能構成を示すブロック図である。
図5A】第2実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図5B】第2実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図5C】第2実施形態に係る思考構造図生成テーブルの構成を示す図である。
図6】第2実施形態に係るShareBサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図7】第2実施形態に係るShareBサーバの処理手順を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る思考構造図生成処理の手順を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係るユーザ端末の機能構成を示すブロック図である。
図10】第2実施形態に係るユーザ端末の処理手順を示すフローチャートである。
図11A】第3実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の投票操作を示す図である。
図11B】第3実施形態に係る情報処理システムにおける投票によるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図11C】第3実施形態に係る情報処理システムにおける投票によるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図12A】第3実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図12B】第3実施形態に係る情報処理システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図12C】第3実施形態に係る情報処理システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図13】第3実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバの機能構成を示すブロック図である。
図14A】第3実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図14B】第3実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図14C】第3実施形態に係る投票結果集計テーブルの構成を示す図である。
図14D】第3実施形態に係る思考構造図修正テーブルの構成を示す図である。
図14E】第3実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図14F】第3実施形態に係る投票結果集計テーブルの構成を示す図である。
図15A】第3実施形態に係る投票結果表示処理の手順を示すフローチャートである。
図15B】第3実施形態に係る投票結果の集計処理の手順を示すフローチャートである。
図15C】第3実施形態に係る思考構造図への反映処理の手順を示すフローチャートである。
図15D】第3実施形態に係る思考構造図への反映処理の手順を示すフローチャートである。
図16】第3実施形態に係るユーザ端末の機能構成を示すブロック図である。
図17】第3実施形態に係るユーザ端末の処理手順を示すフローチャートである。
図18】第4実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図19】第4実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバの機能構成を示すブロック図である。
図20A】第4実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図20B】第4実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図20C】第4実施形態に係るコメント表示テーブルの構成を示す図である。
図21A】第4実施形態に係るShareBサーバの処理手順を示すフローチャートである。
図21B】第4実施形態に係るShareBサーバの処理手順を示すフローチャートである。
図22】第4実施形態に係るユーザ端末の機能構成を示すブロック図である。
図23】第4実施形態に係るユーザ端末の処理手順を示すフローチャートである。
図24A】第5実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図24B】第5実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の他の表示画面を示す図である。
図24C】第5実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の他の表示画面を示す図である。
図24D】第5実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の他の表示画面を示す図である。
図25A】第6実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の投票操作を示す図である。
図25B】第6実施形態に係る情報処理システムにおける投票の動作手順を示すシーケンス図である。
図26A】第6実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図26B】第6実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図26C】第6実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図26D】第6実施形態に係る投票結果表示処理の手順を示すフローチャートである。
図26E】第6実施形態に係る要素が適切/不適切の投票結果の集計処理の手順を示すフローチャートである。
図27A】第7実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の投票操作を示す図である。
図27B】第7実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図27C】第7実施形態に係るデータベースの構成を示す図である。
図27D】第7実施形態に係る投票結果の集計処理の手順を示すフローチャートである。
図28A】第8実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図28B】第8実施形態に係るリンク生成テーブルを示す図である。
図28C】第8実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図29】第9実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図30】第10実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図31】第11実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図32】第12実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図33】第13実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図34A】第14実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図34B】第14実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図34C】第14実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図35A】第15実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図35B】第15実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図35C】第15実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図36A】第16実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図36B】第16実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図36C】第16実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図37A】第17実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図37B】第17実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末の表示画面を示す図である。
図38】第18実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図39】第18実施形態に係る思考構造図生成テーブルの構成を示す図である。
図40A】第18実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図40B】第18実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図41A】本発明の実施形態に係る思考構造図に関する機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
図41B】本発明の実施形態に係る思考構造図に関する機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
図42】本発明の実施形態に係る情報処理システムの他の機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
図43】本発明の実施形態に係る情報処理システムの他の機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
図44】本発明の実施形態に係る情報処理システムの他の機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
図45】本発明の実施形態に係る情報処理システムの他の機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
図46】本発明の実施形態に係る情報処理システムの他の機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、明細書で使用する文言「思考構造図」は、特定の主題(subject)や命題(proposition)である中心要素について思考するための周辺要素を、中心要素と周辺要素間の関連を示すリンクで接続した情報相関図を示す。ここで、「要素」とは、ニュース、統計、辞書、wiki内容、動画、音声データ、SNS投稿、人物、生物、事象、ありとあらゆる物質、概念、思想、単語、現実や架空の存在に限らず、有形か無形かを問わず人間が認識し得る全てのものを含む概念として使用されている。また、思考構造図そのものが「要素」となり、階層化された、さらに大きな思考構造図を作ることも可能である。また、「主題」や「命題」である中心要素は、思考の中心となる題目や問題を表現している。また、「周辺要素」は、「中心要素」を導くための思考材料となる資料や情報を表現している。例えば、周辺要素は、外部サイトのニュースやwiki、画像などをインポートすることがURLの入力によってもできる。「リンク」は、中心要素と周辺要素との関連、あるいは、周辺要素と周辺要素との関連を示す接続を表現している。なお、ある「周辺要素」を思考の中心となる題目や問題として取り上げる場合には、その「周辺要素」が「中心要素」に変わり得る。また、命題は真か偽であるような平叙文によって表現される内容であり、主題は文が話題にしている対象である。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、図1を用いて説明する。情報処理装置100は、思考構造を表現するための装置である。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置100は、中心要素取得部101と、中心要素表示指示部102と、周辺要素取得部103と、周辺要素表示指示部104と、リンク取得部105と、リンク表示指示部106と、を含む。中心要素取得部101は、思考の中心となる図形要素として中心要素を取得する。中心要素表示指示部102は、ユーザ端末110に対して、中心要素を表示するよう指示する。周辺要素取得部103は、中心要素と関連する図形要素として周辺要素を取得する。周辺要素表示指示部104は、ユーザ端末110に対して、周辺要素を中心要素の周りに表示するよう指示する。リンク取得部105は、中心要素と周辺要素との間のリンクを取得する。リンク表示指示部106は、ユーザ端末110に対して、リンクを中心要素と周辺要素との間に表示するよう指示する。
【0014】
本実施形態によれば、思考構造を効果的に可視化することができる。
【0015】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態では、ユーザ端末の表示画面から中心要素データ、周辺要素データおよびリンクデータの入力を繰り返して、思考構造図を生成する構成と処理手順を説明する。また、生成された思考構造図の編集についても説明する。なお、本実施形態においては、中心要素の主題として"中世ユーロッパ"が配置され、その周辺要素として"地動説"と"ルネッサンス"と"宗教改革"とは配置された例とする。そして、その周辺要素の1つである"地動説"のさらに周辺要素である "地動説は正しい!"との命題にズームインすることで表示される、命題"地動説は正しい!"を中心とする思考構造図についての生成と公開・共有について説明する。しかし、本例に限定されるものではない。すなわち、本例では、第2階層の周辺要素の1つであった"地動説は正しい!"(命題)が主題として扱われる。このように、思考構造図中に複数の主題あるいは命題となり得る要素が含まれることもある。
【0016】
<ユーザ端末の表示画面>
(全体の思考構造図)
図2Aは、本実施形態に係るユーザ端末210の表示画面201を示す図である。表示画面201は、キャンバスとも呼ばれ、様々な要素をリンクを介して配置することで、ひと目で思考構造が分かるように表現したものである。
【0017】
表示画面201には、思考の中心となる1つの中心要素の主題202として、"中世ヨーロッパ"がある。そして、その3つの周辺要素である主題203として、"地動説"と"ルネッサンス"と"宗教改革"とがある。これら主題203も相互に、あるいは、周辺要素204(例えば、要素"活版印刷")を介してリンクしている。主題203の1つ"地動説"には、命題212の"地動説は正しい!"が周辺要素としてリンクしている。ここで、命題212の"地動説は正しい!"にズームインすることにより、命題"地動説は正しい!"を中心要素とする思考構造図が現れる。本実施形態においては、このように、1つの思考構造図そのものが「要素」となり、階層化された、さらに大きな思考構造図を作ることが可能である。
【0018】
(本実施形態で扱う思考構造図)
図2Bは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面211を示す図である。表示画面211は、表示画面201の1周辺要素である命題212の"地動説は正しい"を中心とする思考構造である。
【0019】
思考構造図を生成するユーザのユーザ端末210の表示画面211には、思考の中心となる中心要素としての命題212と、命題212と関連する複数の周辺要素213と、命題212と周辺要素213とを結ぶリンク214と、複数の周辺要素213間を結ぶリンク215と、で構成された思考構造図が表示されている。なお、リンク214、215には、矢印(三角形△)で示すリンクと、長方形(□)で示すリンクと、ひし形(◇)で示すリンクと、が含まれる。矢印(三角形△)で示すリンクは、因果関係(親子関係)すなわち片方からは作用するが、その逆は有り得ない関係の向きを示す。長方形(□)で示すリンクは、因果関係の無い、あるいは、情報の優劣が存在しないが、相互に作用しあう可能性のある関係を示す。ひし形(◇)で示すリンクは、対立しあう関係あるいは矛盾する情報を示す。なお、表示画面211におけるリンクの形状については、一例であって、思考構造図に表現基準の相違や後述の投票結果などにより変更されることもある。
【0020】
表示画面211においては、中心要素としての命題212は"地動説は正しい!"であり、命題212にリンクする周辺要素213としては、例えば、命題212を支持する周辺要素としての"コペルニクス"は因果関係の無い長方形で命題212にリンクしている。一方、命題212を支持しない周辺要素としての"エウドクソス"はひし形(◇)対立リンクでリンクしている。しかしながら、"エウドクソス"が因果関係の無い長方形で命題212にリンクしていてもよい。また、周辺要素213と互いにリンクする周辺要素213としては、例えば、周辺要素"エウドクソス"を支持する周辺要素としての"プトレマイオスの天動説"が因果関係の有る三角形でリンクしている。なお、命題212は"地動説は正しい!"は、「Yes」or「No」を問う命題であるが、例えば、「この宇宙の本当の姿は?」で「地動説」or「天動説」を問う命題であってもよい。
【0021】
なお、表示画面211において、周辺要素213を表す図形のサイズは、思考構造図を生成するユーザが考える周辺要素213の中心要素の命題212への影響度を示しており、サイズが大きいほど影響が大きい(後述する第3実施形態においては、さらに、投票数が影響する)。さらに、サイズの大きさでなく周辺要素の不透明度により中心要素への影響を示すことができる。なお、サイズや不透明度に限定されず、ユーザが容易に思考構造図の構成や、中心要素への周辺要素の影響力が視認により把握可能な表示方法が用いられる。例えば、要素を破線で表示したり、色を変えたりなどであってもよい。
【0022】
以下、図2Cを参照しながら、本実施形態におけるユーザ端末210、220からの操作概要について説明する。なお、便宜上、思考構造図を作成するユーザ端末210と、思考構造図を閲覧するユーザ端末220とを分けて説明するが、同一のユーザ端末でもよい。
【0023】
ユーザ端末210、220における表示画面205は、本実施形態のアプリケーションを起動した場合に表示されるメニューである。メニューは、構造図作成と構造図閲覧とを含む。構造図作成をユーザが選択すると、構造図の作成画面206に遷移する。一方、構造図閲覧をユーザが選択すると、当該ユーザが閲覧権限を有していれば構造図の閲覧画面216に遷移する。
【0024】
作成画面206においてユーザが構造図を作成すると、作成画面206に、構造図登録と構造図修正とのメニューが表示される。構造図登録をユーザが選択すると、構造図の登録画面207に遷移すると、閲覧権限設定と編集権限設定と投票権限設定とのメニューが表示される。権限設定が必要な場合は、閲覧権限設定と編集権限設定と投票権限設定との少なくともいずれか1つが選択されて権限の設定が受け付けられる。なお、投票権限設定は、第3実施形態に関連する権限設定である。
【0025】
閲覧画面216には、閲覧対象の構造図が表示されて、構造図編集のメニューが表示される。閲覧画面216においてユーザが構造図編集を選択すると、当該ユーザが編集権限を有していれば編集画面217に遷移する。編集画面217においては、ユーザによる編集が受け付けられる。
【0026】
一方、閲覧画面216においてユーザが1つの要素を選択すると、当該ユーザが投票権限を有していれば各要素(主題/命題、周辺要素、リンク)に対する投票を受け付ける投票画面218に遷移する。例えば、周辺要素への投票は、「主題を支持している」(主題支持)、「主題を否定している」(主題否定)、「主題に対して適切でない」(要素不適切)のユーザによる選択を受け付ける。
【0027】
次に、図2D図2Gを参照しながら、ユーザ端末210の表示画面でユーザが思考構造図を生成する動作手順を説明する。なお、図2Dから図2Fでは、ユーザ端末210としてパーソナルコンピュータの場合を示すが、ユーザ端末210はタブレットやスマートフォンなどの携帯可能な端末であってもよい。また、操作を分かり易く説明するため、タッチパネルに対する操作として示すが、マウスとキーボードとを用いたカーソル操作によっても同様に行えることは明らかである。
【0028】
(主題入力の概要)
図2Dは、本実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末210における中心要素としての主題の入力の概要を示す図である。主題の入力には、例えば、次の2つの手順があるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
1つは、表示画面221→表示画面222→表示画面224の手順である。"ShareBアプリケーション"を起動すると(あるいは、ブラウザでShareBサーバと接続すると)、表示画面221が表示されて主題設定モード(中心要素設定モード)になる。ここで、例えば、表示画面221をタブルクリックすると、"ShareBアプリケーション"は表示画面222のように画面中央に主題の入力欄をオープンする。表示画面222において、主題データをキー入力すると、表示画面224のように、主題として"地動説は正しい!"が確定して表示され、要素設定モードの表示画面に遷移する。なお、主題データの入力はキー入力に限定されず、他のアプリケーションにおける表示文のコピー入力などであってもよい。
【0030】
もう1つは、表示画面223→表示画面224の手順である。"ShareBアプリケーション"を起動すると(あるいは、ブラウザでShareBサーバと接続すると)、表示画面223が表示されて主題設定モードになる。ここで、例えば、他のアプリケーションにおける表示文を表示画面223の画面空白部に"ドラッグ&ドロップ"すると、表示画面224のように、主題として"地動説は正しい!"が確定して表示され、要素設定モードの表示画面に遷移する。
【0031】
(要素入力の概要)
図2Eは、本実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末210における周辺要素データの入力の概要を示す図である。周辺要素の入力には、例えば、次の2つの手順があるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
1つは、表示画面231→表示画面232→表示画面234の手順である。要素設定モード(周辺要素設定モード)の表示画面231において、例えば、表示画面231をタブルクリックすると、"ShareBアプリケーション"は表示画面232のように主題の周囲に周辺要素の入力欄をオープンする。表示画面232において、周辺要素をキー入力すると、表示画面234のように、周辺要素として"コペルニクス"が確定して表示され、リンク設定モードの表示画面に遷移する。なお、周辺要素の入力はキー入力に限定されず、他のアプリケーションにおける表示画像(動画を含む)や表示文のコピー入力や紐付けなどであってもよい。
【0033】
もう1つは、表示画面233→表示画面234の手順である。要素設定モードの表示画面231において、例えば、他のアプリケーションにおける表示画像(動画を含む)や表示文のコピー入力や紐付けのために、表示画面233の画面空白部に"ドラッグ&ドロップ"すると、表示画面234のように、周辺要素として"コペルニクス"が確定して表示され、リンク設定モードの表示画面に遷移する。さらに、ウェブURLをコピー入力、"ドラッグ&ドロップ"することにより、そのリンク先の情報を要素内に格納することができる。そして、表示画面234では、周辺要素としての"コペルニクス"の中心要素としての主題への影響の度合いが、影響入力部236から入力される。かかる影響の度合いが、周辺要素としての"コペルニクス"のサイズや色などにより表され、データベースに記憶される。
【0034】
(リンク入力の概要)
図2Fは、本実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末210におけるリンクデータ入力の概要を示す図である。リンクには、例えば、次の3つのリンクがあるが、これらに限定されるものではない。また、リンク入力の操作はこれらに限定されるものではない。
【0035】
リンク設定モードの表示画面241において、リンクしたい主題と周辺要素とをタッチすると、3つのリンクのいずれで接続するかの3種類のリンクを示すメニュー245が表示される。ここで、"□ 対等"が選択されると、表示画面242のように、主題"地動説は正しい!"と要素"コペルニクス"は因果関係の無いリンクで結ばれる。また、表示画面242には、リンクの強さを入力する強さ入力部246が表示される。入力されたリンクの強さは、リンクの太さや色で表され、データベースに記憶される。
【0036】
リンク設定モードの表示画面243において、リンクしたい周辺要素と周辺要素とをタッチし、メニュー245の"△ 親子関係"(因果関係)が選択されると、表示画面243のように、周辺要素と周辺要素とが因果関係の有るリンクで結ばれる。なお、因果関係(親子関係)の方向は、リンクしたい周辺要素と周辺要素とのタッチにおける順序で決定されればよいが、これに限定されるものではない。また、表示画面243には、リンクの強さを入力する強さ入力部246が表示される。入力されたリンクの強さは、リンクの太さや色で表され、データベースに記憶される。なお、3種類のリンク("△ 親子関係"、"□ 対等"、"◇ 対立")を示したがこれらに限定されず、複数種類のリンクが用意される。
【0037】
(公開範囲と編集権限との設定)
図2Gは、本実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末210における思考構造図の登録要求の概要を示す図である。本実施形態においては、思考構造図の登録要求に先立って、登録する思考構造図の他のユーザへの公開範囲と他のユーザによる編集権限とが設定可能である。
【0038】
図2Gの上図は、公開範囲の設定画面251を示す。思考構造図を生成して登録要求するユーザは、3種類の公開範囲の選択メニュー255から1つを選択する。3種類の公開範囲は、完全公開と限定公開と非公開とである。完全公開が選択されると、全てのユーザに対して閲覧可能となる。限定公開が選択されると、思考構造図の作成者が指定者として指定したメンバーのみが閲覧可能となる。なお、メンバーの指定は、個人単位であっても年代などの属性単位であってもよい。非公開が選択されると、思考構造図の作成者のみが閲覧可能となる。なお、公開範囲はこの3種類に限定されるものではない。例えば、限定公開で、公開したくないメンバーを指定してもよい。
【0039】
図2Gの下図は、編集権限の設定画面252を示す。思考構造図を生成して登録要求するユーザは、3種類の編集権限の選択メニュー256から1つを選択する。3種類の編集権限は、完全付与と限定付与と付与なしとである。完全付与が選択されると完全編集権限が与えられ、周辺要素(ノード)もリンクも、命題や主題などの中心要素も即時に追加または削除できる。なお、ここに例示した3種類の編集権限に限らず、他の編集権限を設けてもよい。例えば、完全編集権限と限定編集権限の中間の、基本的にはユーザには限定編集権限しか与えないものの、その限定編集などにおいて多くの支持を過去に集めたユーザに限り、完全編集権限を認める、という設定などが考えられる。この場合、各ユーザに隠しパラメータを設けて、ユーザの編集者としての信頼性をスコア化して格納しておき、思考構造図の生成ユーザは、スコアに応じて完全編集権限か限定編集権限を与えるかを設定できるようにする。例えば、「スコアが500以上の人間には完全編集権限を与える」などの設定をする。
【0040】
また、限定付与が選択されると限定編集権限が与えられ、周辺要素(ノード)もリンクも、命題や主題などの中心要素も即時の追加は一切できない。代わりに、編集要求は追加提案となる。「追加提案」とは、文字通り周辺要素(ノード)、リンク、命題や主題などの中心要素の追加が提案できる機能である。追加提案された要素やリンクは、例えば半透明状態で思考構造図内に表示され、他ユーザによる一定期間(例えば、48時間~168時間ほどを想定)の承認投票を待つ状態になる。承認投票の結果が一定の投票数(あるいは投票率)の水準を上回って承認された場合には、追加要求された要素などは完全に不透明で表示され、以降は既存の要素と同様の扱いになる。一方、承認投票の結果が一定の水準を下回り否認された場合には、追加要求された要素などは思考構造図内から消滅する。なお、限定編集権限においては既存の要素やリンクの削除を行うことはできない。既存の要素やリンクの削除は、既存の各要素の「信憑性が無い、関連性が薄い」に投票して、削除に対するユーザの賛同数(賛同率)が多かった場合の消滅を待つことになる。なお、"信ぴょう性が無い、関連性が薄い"に投票が集中した周辺要素と、限定編集権限において追加提案された周辺要素とは、全く異なる表示としても、同一の表示としてもよい。
【0041】
また、付与なしが選択されると編集権限なしとなり、一切の編集行為が不可能となる。このように、編集権限の付与については、思考構造図の生成者が思考構造図ごとに設定可能である。例えば、完全編集権限を生成者(自分)のみに付与し、他ユーザには一切の編集権限を与えないことも可能である。一方、生成者を含め全てのユーザが限定編集権限を持つような、公平な思考構造図の生成環境を設定することも可能である。これらの編集権限の付与設定は、全ユーザに対し可視化される。さらに、編集によって思考構造図をあり得ない構造に変更することができないように設定する機能を設けてもよい。
【0042】
生成した思考構造図の公開範囲と編集権限を設定した後、生成者はユーザ端末210から生成した思考構造図を情報処理装置(ShareBサーバ)に登録する。
【0043】
(編集指示の概要)
図2Hは、本実施形態に係る情報処理システムのユーザ端末220からの編集指示の概要を示す図である。なお、ユーザ端末220は思考構造図の編集要求をする端末として、思考構造図の生成者のユーザ端末210と異なる端末として示しているが、同じであってもよい。本実施形態においては、ユーザ(生成者)により生成されて公開され共有された思考構造図の編集について、生成したユーザが他のユーザによる編集を認めるか否かの他に、他のユーザの編集権限を制限する処理を行っている。これは、思考構造図の編集を自由に許可すると元の思考構造図があり得ない構造に変えられたり、生成したユーザの意図から逸脱したりするのを防ぐためである。なお、編集要求をしたユーザのことを認可することも可能であるが、返って編集の自由を束縛するので、本実施形態においては、各ユーザに上述のように3種類にランク分けされた編集権限をあらかじめ付与する構成を採用している。
【0044】
他のユーザ端末220における要素設定モードの表示画面261において、思考構造図に、ダブルクリックによって新たな要素を追加編集しようとした場合を説明する。ユーザ端末220を利用中のユーザIDに基づいて編集権限をチェックし、完全編集権限がある場合は、表示画面262のように、要素欄がオープンしてリンク設定モードの表示画面263に遷移する。後は、図2Dおよび図2Eの操作手順と同様の手順でユーザ端末220の画面において新たな要素が追加されて、思考構造図が編集される。なお、さらに、オープンした要素欄への設定内容(情報)を、思考構造図を生成したユーザがチェックして編集を制限することもできる。
【0045】
一方、ユーザ端末220を利用中のユーザに編集権限が無い場合、あるいは、編集権限のランクが、編集対象の思考構造図の編集許可ランクより低い場合には、表示画面264のように、"注! 編集権限ナシ"のような警告が報知される。
【0046】
また、ユーザ端末220を利用中のユーザに限定編集権限が付与されている場合、表示画面265にように、追加しようとした要素やリンクは例えば半透明(図2Hでは破線で示す)で表示されて、思考構造図への要素の追加はユーザの承認投票の結果が出るまで待機させられる。そして、投票結果が承認であれば、表示画面263のように要求した要素が追加される。一方、投票結果は否認であれば、表示画面266にように要求した要素は消滅する。
【0047】
<情報処理システムの構成>
図3Aは、本実施形態に係る情報処理システム300の構成を示すブロック図である。
【0048】
情報処理システム300は、ネットワーク320を介して接続される、情報処理装置としてのShareBサーバ310と、思考構造図を生成して投稿し、公開するユーザのユーザ端末210と、公開された思考構造図を共有して編集などを行うユーザのユーザ端末220と、を備える。ShareBサーバ310は、データベース311を有し、登録したユーザや投稿された思考構造図を蓄積し、一般に公開して共有可能とする。ユーザ端末210は、ShareBサーバ310と通信しながら、図2C図2Fの操作手順に従って思考構造図を生成して、ShareBサーバ310に投稿する。ユーザ端末220は、図2Gの操作手順に従ってShareBサーバ310に蓄積された思考構造図を閲覧し、必要であれば思考構造図の編集を要求する。なお、図3Aにおいては、説明の都合上、ユーザ端末210、220を別に描いているが、同じユーザ端末が両方の機能を提供してもよい。
【0049】
<情報処理システムの動作手順>
図3Bは、本実施形態に係る情報処理システム300の動作手順を示すシーケンス図である。
【0050】
ステップS301において、ShareBサーバ310と、(思考構造図生成ユーザの)ユーザ端末210と、(思考構造図閲覧ユーザの)ユーザ端末220とが、ShareBアプリケーションの起動、あるいは、ブラウザ接続により通信可能となる。そして、ShareBサーバ310とユーザ端末210とは、主題設定モードに遷移して中心要素としての主題の設定を待つ。
【0051】
ステップS303において、ユーザ端末210から主題の入力があると、ステップS305において、ShareBサーバ310は主題を取得してユーザ端末210の画面中央に主題を表示させ、ShareBサーバ310とユーザ端末210とは、要素設定モードに遷移して周辺要素の設定を待つ。
【0052】
ステップS307において、ユーザ端末210から周辺要素の入力があると、ステップS309において、ShareBサーバ310は要素を取得してユーザ端末210の画面の主題の周りに要素を表示させ、ShareBサーバ310とユーザ端末210とは、リンク設定モードに遷移してリンクの設定を待つ。
【0053】
ステップS311において、ユーザ端末210からリンクの入力があると、ステップS313において、ShareBサーバ310はリンクを取得してユーザ端末210の画面で選択された、主題と要素間あるいは要素と要素間にリンクを表示させる。
【0054】
なお、ステップS307~S313の要素の設定とリンクの設定は、思考構造図が完成するまで繰り返される。なお、図3Bでは、要素を追加するごとにリンクで結ぶ手順を示したが、この手順に限定されず、複数の要素を追加した後に、まとめてリンクで結ぶ手順であってもよい。また、思考構造図の完成をチェックする手順を設けてもよく、例えば、思考構造図にリンクが一切接続されていない要素が存在する場合にはエラーメッセージを表示し、それでもユーザがその要素をリンクで接続しない場合には、その要素は思考構造図の完成プロセスが完了する際に消滅するようにしてもよい。
【0055】
思考構造図が完成すると、ユーザ端末210のユーザは、ステップS315において、公開範囲と編集権限との設定をして思考構造図の投稿(登録)を指示する。ShareBサーバ310は、ステップS317において、ユーザ端末210から投稿された思考構造図を公開範囲と編集権限とを設定して格納し、その思考構造図をユーザ端末210および220に設定された公開範囲に従って公開する。ユーザ端末210および220において、公開された思考構造図が閲覧共有される。なお、ShareBサーバ310は、思考構造図の格納時または閲覧時に、要素の上をリンクが通過したり、リンク同士が交差したりして見えるなど、見づらい思考構造図については、要素やリンクの配置を自動で調整し、見やすく再配置する処理を行う。また、要素やリンクの配置を自動で調整し、見やすく再配置する処理を、思考構造図の生成中に行ってもよい。さらには、例えば過去のデータベースを参考に、新規思考構造図を作成する際に、その周辺要素の大きさやリンクの種類、周辺要素その物を主題に沿ってサーバが自動的に用意してもよい。
【0056】
ステップS321において、ユーザ端末210または220から閲覧中の思考構造図の編集(追加や変更)が要求されると、ShareBサーバ310は、ステップS323において、編集を要求したユーザに完全編集権限があるか、あるいは、編集権限のランクが充分かを確認する。編集を要求したユーザに完全編集権限がある、または、編集権限のランクが充分である場合、ShareBサーバ310は、ステップS325において、思考構造図の編集(追加や変更)を許可し、編集結果の思考構造図の表示を指示する。ユーザ端末210および220は、ステップS327において、編集された思考構造図を共有する。
【0057】
一方、編集を要求したユーザに編集権限がない、または、編集権限のランクが充分でない場合、ShareBサーバ310は、ステップS331において、編集権限ナシを報知する。ユーザ端末220は、ステップS333において、編集権限ナシをユーザに通知する(警告する)。
【0058】
また、編集を要求したユーザに限定編集権限が付与されている場合、ShareBサーバ310は、ステップS341において、編集の承認投票をユーザ端末220(およびユーザ端末210)に要請する。ユーザ端末220は、ステップS343において、編集の承認投票をユーザに依頼する。そして、承認投票があれば、ユーザ端末220は、ステップS345において、承認投票をShareBサーバ310に通知する。また、承認投票の要請を受ければ、ユーザ端末210は、ステップS347において、編集の承認投票をユーザに依頼する。そして、承認投票があれば、ユーザ端末210は、ステップS349において、承認投票をShareBサーバ310に通知する。
【0059】
ShareBサーバ310は、ステップS351において、ユーザ端末220(およびユーザ端末210)からの承認投票を集計し、ステップS353において、編集承認か編集否認かを判定する。そして、ShareBサーバ310は、ステップS355において、判定結果に従った処理、編集承認であればステップS325の処理/編集否認であればステップS331の処理、を行う。
【0060】
<ShareBサーバの機能構成>
図4は、本実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバ310の機能構成を示すブロック図である。
【0061】
ShareBサーバ310は、通信制御部401と、主題取得部402と、主題表示指示部412と、周辺要素取得部403と、周辺要素表示指示部413と、リンク取得部404と、リンク表示指示部414と、データベース311と、を備える。また、ShareBサーバ310は、思考構造図生成部405と、閲覧要求受信部406と、思考構造図公開部407と、思考構造図編集指示受信部408と、編集権限確認部409と、編集権限報知部410と、思考構造図登録分411と、を備える。なお、図4においては、複雑さを避けるために、主題表示指示部412、周辺要素表示指示部413およびリンク表示指示部414の入力については簡略化されている。また、ShareBサーバ310は、承認投票集計部415と、承認投票判定部416と、を備える。
【0062】
通信制御部401は、ネットワーク320を介したユーザ端末210および220との通信を制御する。主題取得部402は、ユーザ端末210から送信された中心要素としての主題を取得する。主題表示指示部412は、取得された主題をユーザ端末210の所定位置(例えば、画面中央)への表示を指示する。周辺要素取得部403は、ユーザ端末210から送信された周辺要素を取得する。周辺要素表示指示部413は、取得された周辺要素をユーザ端末210の所定位置(例えば、主題の周り)への表示を指示する。リンク取得部404は、ユーザ端末210から送信されたリンクをその種類と共に取得する。リンク表示指示部414は、取得されたリンクをその種類に従ってユーザ端末210の所定位置(例えば、主題と周辺要素間、あるいは、周辺要素と周辺要素間)への表示を指示する。
【0063】
データベース311は、ShareBサーバ310が処理に必要なデータ、パラメータやプログラム、および、主題と周辺要素とリンクとを含む思考構造図を格納する。
【0064】
思考構造図生成部405は、思考構造図生成テーブル451を有し、取得されたあるいは格納された主題と周辺要素とリンクとを用いて思考構造図を生成する。閲覧要求受信部406は、ユーザ端末220からの思考構造図の閲覧要求を受信する。思考構造図公開部407は、思考構造図の閲覧要求に応答して思考構造図を設定された公開範囲を考慮してユーザ端末210および220に公開する。なお、思考構造図公開部407は、公開範囲の情報に基づいて、思考構造図公開部407による思考構造図の公開を制限する公開制限部を有する。
【0065】
思考構造図編集指示受信部408は、ユーザ端末210および220からの思考構造図の編集指示を受信する。編集権限確認部409は、思考構造図の編集を指示したユーザの編集権限を確認する。編集権限確認部409は、ユーザが完全編集権限を付与されている場合は、思考構造図の編集を許可する。一方、編集権限確認部409は、思考構造図の編集を指示したユーザに編集権限がない場合、あるいは、編集権限のレベルが思考構造図の編集権限レベルより低い場合に、編集権限報知部410に編集権限ナシをユーザ端末220からユーザに報知させる。また、編集権限確認部409は、ユーザが限定編集権限を付与されている場合は、編集権限報知部410に承認投票をユーザ端末220からユーザに報知させる。承認投票集計部415は、所定時間内のユーザ端末220(およびユーザ端末210)からの承認投票を集計する。承認投票判定部416は、承認投票の集計からユーザ端末220から要求された編集の承認か否認かを判定する。承認投票判定部416は、編集承認であれば思考構造図生成部405に編集を確定するよう指示し、編集否認であれば編集を消滅するよう指示する。
【0066】
(データベース)
図5Aおよび図5Bは、本実施形態に係るデータベース311の構成を示す図である。データベース311は、ShareBサーバ310が処理に必要なデータ、パラメータやプログラム、および、主題と要素とリンクとを含む思考構造図を格納する。データベース311には、主題格納部510と、周辺要素格納部520と、リンク格納部530と、公開範囲/編集権限登録部540と、が含まれる。なお、図5Aはユーザ端末210、220から取得したデータであり、図5Aには、ユーザ登録などの基本的な格納データについては図示を省いている。
【0067】
主題格納部510は、思考構造図を生成するユーザID511とユーザ端末210の端末ID512とに対応付けて、ユーザ端末210で設定された中心要素としての主題513を格納する。なお、主題513には、主題の表示される表示画面上の位置が含まれてもよい。
【0068】
周辺要素格納部520は、思考構造図を生成するユーザID521とユーザ端末210の端末ID522とに対応付けて、ユーザ端末210で設定された周辺要素523と、周辺要素523に関連する主題524とを格納する。なお、周辺要素523には、周辺要素の表示される表示画面上の位置が含まれてもよい。
【0069】
リンク格納部530は、思考構造図を生成するユーザID531とユーザ端末210の端末ID532とに対応付けて、ユーザ端末210で設定されたリンク533と、リンク533で結ばれる主題534、周辺要素535および周辺要素536と、リンク533のリンク種類537と、を格納する。また、リンク格納部530は、リンク533に関連する主題538を格納する。なお、主題534、周辺要素535および周辺要素536からはリンク533で結ばれる2つが選択される。また、リンク533には、リンクの表示される表示画面上の位置が含まれてもよいし、リンクの位置は、リンク533で結ばれる2つの位置から調整されてもよい。
【0070】
公開範囲/編集権限登録部540は、ユーザID541に対応付けて、編集権限の有無542と、編集権限のランク543と、公開範囲544と、を格納する。
【0071】
さらに、データベース311には、編集権限のランク543と比較される閾値、あるいは、各思考構造図の編集閾値などが格納されていてもよい。
【0072】
図5Bは、データベース311に格納された思考構造図記憶部570の構成を示す図である。なお、図5Bには1つの思考構造図の構成を示すが、登録された多くの思考構造図が格納されている。
【0073】
思考構造図記憶部570には、思考構造図ID571に対応付いて、この思考構造図を登録したユーザID572と、思考構造図を構成する要素573とを記憶する。要素573としては、要素名の主題、周辺要素、リンクと、それぞれの要素を表す主題データ記憶部580,周辺要素データ記憶部590,リンクデータ記憶部500へのポインタとが記憶される。なお、図5Bにおいて、編集処理の履歴を保持したい場合は、編集結果の要素573に対応してユーザID572に登録したユーザIDとは別に編集したユーザIDを記録することができる。
【0074】
主題データ記憶部580は、主題の内容581と表示情報582とリンク先周辺要素583などを記憶する。表示情報582には、主題の表示位置と形状とサイズと色などが含まれる。リンク先周辺要素583には、例えば、周辺要素Aとリンクaで結ばれていることや、周辺要素Bとリンクbで結ばれていることが記憶されている。
【0075】
周辺要素データ記憶部590(周辺要素A)は、周辺要素Aの内容591と表示情報592とリンク先要素593などを記憶する。表示情報592には、周辺要素Aの表示位置と形状とサイズと色などが含まれる。リンク先要素593には、例えば、主題とリンクaで結ばれていることが記憶されている。なお、周辺要素Bとの間にリンクがある場合は、周辺要素Bとリンク名とが記憶される。
【0076】
リンクデータ記憶部500(リンクa)は、リンクaの内容501と表示情報502とリンク情報503などを記憶する。表示情報502には、リンクaの表示位置と形状とサイズと色などが含まれる。リンク情報503には、例えば、このリンクが親子関係を表すリンクであり、方向は親が主題で子が周辺要素Aであることが記憶される。なお、リンクの関係が対等あるいは対立であれば、それがリンク情報503に記憶される。
【0077】
(思考構造図生成テーブル)
図5Cは、本実施形態に係る思考構造図生成テーブル451の構成を示す図である。思考構造図生成テーブル451は、思考構造図生成部405が、取得されたあるいは格納された中心要素としての主題と周辺要素とリンクとを用いて思考構造図を生成する場合に用いられる。
【0078】
思考構造図生成テーブル451は、生成された思考構造図の属性を示す属性テーブル550と、思考構造図の構成を示す構成テーブル560と、を含む。属性テーブル550は、思考構造図を生成したユーザID551とユーザ端末の端末ID552に対応付けて、思考構造図ID553と、生成年月日554と、設定された公開範囲555と、設定された編集権限556と、を記憶する。構成テーブル560は、思考構造図ID561に対応付けて、主題562と、各主題562と関連する周辺要素563と、を記憶する。主題562は主題の内容と表示位置とを含む。周辺要素563は、周辺要素の内容と、表示位置と、主題とのリンクおよびリンクの種類と、他の周辺要素とのリンクおよびリンクの種類と、を含む。なお、主題562にリンクしない周辺要素563は、「主題とのリンク」および「リンク種類」のデータは有意でない。また、1つの周辺要素563が複数の主題562にリンクする場合は、同じ周辺要素が複数の「主題とのリンク」および「リンク種類」を有することになる。
【0079】
<ShareBサーバのハードウェア構成>
図6は、本実施形態に係るShareBサーバ310のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0080】
図6で、CPU(Central Processing Unit)610は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図4の構成要素を実現する。ROM(Read Only Memory)620は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース630は、ネットワーク320を介してユーザ端末210および220との通信を制御する。
【0081】
RAM(Random Access Memory)640は、CPU610が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM640には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。ユーザID(端末ID)641は、ShareBサーバ310と通信中のユーザまたはユーザ端末のIDである。主題642は、ユーザ端末から受信した中心要素としての主題のデータである。周辺要素643は、ユーザ端末から受信した周辺要素のデータである。リンク644は、ユーザ端末から受信したリンクのデータである。思考構造図生成テーブル451は、図6Bで説明した思考構造図生成部405が思考構造図を生成するために用いるテーブルである。思考構造図データ645は、生成されユーザに共有される思考構造図のデータである。編集権限コメント646は、ユーザに思考構造図の編集権限がない、あるいは、編集権限のレベルが低い場合に、ユーザに報知するためのコメントである。また、編集権限コメント646には、編集の承認投票を要請するコメントも含まれる。送受信データ647は、ネットワーク320を介してユーザ端末210および220と送受信するデータである。
【0082】
ストレージ650には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。データベース311は、合成データを蓄積するデータベースであり、図5Aにように、主題/周辺要素/リンクのそれぞれの格納部510~530と、公開範囲/編集権限登録部540と、を含む。
【0083】
ストレージ650には、以下のプログラムが格納される。ShareBサーバの処理プログラム651は、ShareBサーバ310の全体を制御するプログラムである。主題/周辺要素/リンク取得モジュール652は、ユーザ端末からの主題、周辺要素およびリンクの設定を取得するモジュールである。思考構造図生成モジュール653は、取得した主題、周辺要素およびリンクを用いて思考構造図を生成するモジュールである。思考構造図共有モジュール654は、ユーザ端末からの閲覧要求に応じて思考構造図を公開し、ユーザによる思考構造図の共有を図るモジュールであり、公開範囲の判定処理も含まれる。思考構造図編集モジュール655は、ユーザによる思考構造図の編集を行うモジュールであり、編集権限の判定処理も含まれる。
【0084】
なお、図6のRAM640やストレージ650には、ShareBサーバ310が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
【0085】
<ShareBサーバの処理手順>
図7は、本実施形態に係るShareBサーバ310の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、図6のCPU610がRAM640を使用して実行し、図4の構成要素を実現する。
【0086】
ShareBサーバ310は、ステップS711において、思考構造図の生成であるか否かを判定する。思考構造図の生成であれば、ステップS713において、思考構造図生成処理を実行する。
【0087】
思考構造図の生成でなければ、ShareBサーバ310は、ステップS721において、思考構造図の閲覧であるか否かを判定する。思考構造図の閲覧であれば、ShareBサーバ310は、ステップS722において、閲覧ユーザに閲覧権限があるか否かを判定する。閲覧権限がなければ、ShareBサーバ310は、ステップS724において、閲覧権限無しを閲覧ユーザに報知する。閲覧権限があれば、ShareBサーバ310は、ステップS723において、閲覧を要求された対応する思考構造図を取得する。そして、ShareBサーバ310は、ステップS725において、思考構造図の共有処理(アクセス権のある端末で共有)として思考構造図を公開する。
【0088】
思考構造図の生成でなく思考構造図の閲覧でなければ、ShareBサーバ310は、ステップS731において、思考構造図の編集であるか否かを判定する。思考構造図の編集であれば、ShareBサーバ310は、ステップS733において、編集を要求したユーザのユーザIDを取得する。そして、ShareBサーバ310は、ステップS735において、取得したユーザIDから編集対象の思考構造図に対する編集権限をチェックする。ShareBサーバ310は、ステップS737において、編集権限のチェック結果から完全権限が与えられていれば、ステップS739において、思考構造図の編集処理を実行して編集結果を共有する。また、編集権限ナシであれば、ShareBサーバ310は、ステップS741において、編集権限ナシをユーザ端末からユーザに報知する。また、限定編集権限が与えられていれば、ShareBサーバ310は、ステップS743において、編集承認に対する投票結果により編集処理を行う。すなわち、編集承認の投票結果であれば編集部分を確定する。一方、編集否認の投票結果であれば編集部分を消滅させる。
【0089】
(思考構造図生成処理)
図8は、本実施形態に係る思考構造図生成処理S713の手順を示すフローチャートである。
【0090】
ShareBサーバ310は、ステップS801において、ユーザ端末210から中心要素としての主題の受信を待つ。主題の受信があると、ShareBサーバ310は、ステップS803において、受信した主題をデータベース311に保存して、ユーザ端末210の表示画面の所定位置(例えば、画面中央)への表示を指示する。
【0091】
ShareBサーバ310は、ステップS805において、ユーザ端末210から周辺要素の受信を待つ。周辺要素の受信があると、ShareBサーバ310は、ステップS807において、受信した周辺要素をデータベース311に保存して、ユーザ端末210の表示画面の所定位置(例えば、主題の周り)への表示を指示する。
【0092】
ShareBサーバ310は、ステップS809において、ユーザ端末210からリンクの受信を待つ。リンクの受信があると、ShareBサーバ310は、ステップS811において、受信したリンクをデータベース311に保存して、ユーザ端末210の表示画面の所定位置(例えば、主題と周辺要素間、あるいは、周辺要素と周辺要素間)への表示を指示する。なお、図8では、要素を追加するごとにリンクで結ぶ手順を示したが、この手順に限定されず、複数の要素を追加した後に、まとめてリンクで結ぶ手順であってもよい。
【0093】
ShareBサーバ310は、ステップS813において、思考構造図の生成を終了したか否かを判定する。思考構造図の生成が終了していない場合は、ShareBサーバ310は、ステップS801に戻って、ステップS805~S811の周辺要素およびリンクの設定を繰り返す。思考構造図の生成が終了すれば、ShareBサーバ310は、ステップS815において、思考構造図が完全か不完全かをチェックする。例えば、思考構造図の構造に不合理(例えば一切リンクが結ばれていない宙ぶらりんの要素があるか無いかなど)な部分が一切無いかなどをチェックする。そして、ShareBサーバ310は、ステップS817において、思考構造図が不完全かを判定し、不完全であれば、ステップS801に戻って、ステップS801~S811の主題、周辺要素およびリンクの設定を繰り返す。
【0094】
思考構造図が完全であれば、ShareBサーバ310は、ステップS819において、編集権限および公開範囲をユーザ端末210から受信して、生成された思考構造図に設定する。そして、ShareBサーバ310は、ステップS821において、編集権限および公開範囲が設定された思考構造図を登録する。なお、ShareBサーバ310は、ステップS821において、登録前に思考構造図を見やすくするために、要素やリンク等を再配置する処理を行ってもよい。また、図8においては、思考構造図が完全な場合に編集権限および公開範囲が設定されたが、思考構造図の生成中に設定したり変更したり、あるいは、思考構造図の生成後に変更できるようにしてもよい。
【0095】
<ユーザ端末の機能構成>
図9は、本実施形態に係るユーザ端末210、220の機能構成を示すブロック図である。
【0096】
ユーザ端末210は、通信制御部901と、入出力インタフェース902と、を備える。通信制御部901は、ネットワーク320を介して、ShareBサーバ310との通信を制御する。入出力インタフェース902には、本実施形態では表示部921と操作部922とが接続されている。表示部921は、思考構造図を生成する場合や閲覧、編集する場合に、表示画面を表示する。また、ユーザ端末210の状態を報知する。また、操作部922は、思考構造図を生成する場合や閲覧、編集する場合に、ユーザの入力、操作を受け付ける。なお、本実施形態では、ユーザ端末210としてスマートフォンやタブレットなどを用いる場合、表示部921と操作部922とがタッチパネルとして一体化されている。
【0097】
また、ユーザ端末210は、主題取得部903と、主題送信部904と、周辺要素取得部905と、周辺要素送信部906と、リンク取得部907と、リンク送信部908と、思考構造図受信部909と、思考構造図表示指示部910と、を備える。なお、図9には、図示の煩雑さを避けるために、主題、周辺要素、リンクの表示部921への表示を指示する機能部は省略されている。また、ユーザ端末210は、編集権限/公開範囲取得部917と、思考構造図登録要求部918と、を備える。
【0098】
主題取得部903は、操作部922から入力された中心要素としての主題を取得する。そして、主題送信部904は、取得された主題をShareBサーバ310に送信する。周辺要素取得部905は、操作部922から入力された周辺要素を取得する。そして、周辺要素送信部906は、取得された周辺要素をShareBサーバ310に送信する。リンク取得部907は、操作部922から入力されたリンクを取得する。そして、リンク送信部908は、取得されたリンクをShareBサーバ310に送信する。思考構造図受信部909は、生成中あるいは生成完了後の思考構造図をShareBサーバ310から受信する。思考構造図表示指示部910は、受信した思考構造図の表示を表示部921へ指示する。なお、思考構造図受信部909と思考構造図表示指示部910と表示部921とが、中心要素表示部、周辺要素表示部およびリンク表示部として機能する。編集権限/公開範囲取得部917は、生成された思考構造図の編集権限および公開範囲を操作部922から取得する。思考構造図登録要求部918は、取得した編集権限および公開範囲を対応付けて思考構造図を送信して投稿(登録)をShareBサーバ310に要求する。
【0099】
さらに、ユーザ端末210は、思考構造図閲覧要求取得部911と、思考構造図閲覧要求部912と、思考構造図編集指示取得部913と、思考構造図編集送信部914と、編集権限受信部915と、編集権限報知部916と、を備える。思考構造図閲覧要求取得部911は、操作部922からの操作により思考構造図の閲覧要求を取得する。そして、思考構造図閲覧要求部912は、閲覧要求をShareBサーバ310に送信する。なお、閲覧要求に応じた思考構造図は、思考構造図受信部909および思考構造図表示指示部910により表示部921に表示される。思考構造図編集指示取得部913は、操作部922からの操作により思考構造図の編集要求を取得する。そして、思考構造図編集送信部914は、編集要求をShareBサーバ310に送信する。編集権限受信部915は、思考構造図の編集要求に対して、ユーザの編集権限が満たされない場合に、編集権限ナシを受信する。そして、編集権限報知部916は、編集権限ナシを表示部921からユーザに報知する。
【0100】
<ユーザ端末の処理手順>
図10は、本実施形態に係るユーザ端末210、220の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザ端末210、220のCPUがRAMを使用して実行し、図9の構成要素を実現する。以下、ユーザ端末210を代表させて説明する。
【0101】
ユーザ端末210は、ステップS1011において、思考構造図の生成であるか否かを判定する。思考構造図の生成であれば、ユーザ端末210は、ステップS1013において、思考構造図生成の画面表示を行う(図2C参照)。ユーザ端末210は、ステップS1015において、入力された主題をShareBサーバ310に送信して、表示画面に表示する。ユーザ端末210は、ステップS1017において、入力された周辺要素をShareBサーバ310に送信して、表示画面に表示する。ユーザ端末210は、ステップS1019において、入力されたリンクをShareBサーバ310に送信して、表示画面に表示する。なお、周辺要素を追加するごとにリンクで結ぶ手順を示したが、この手順に限定されず、複数の周辺要素を追加した後に、まとめてリンクで結ぶ手順であってもよい。
【0102】
ユーザ端末210は、ステップS1021において、思考構造図の生成が完了か否かをユーザの指示により判定する。思考構造図の生成が完了してなければ、ユーザ端末210は、ステップS1015に戻って、思考構造図の生成が完了するまで、ステップS1015、S1017およびS1019において主題と要素とリンクの入力を繰り返す。思考構造図の生成が完了すれば、ユーザ端末210は、ステップS1023において、編集権限と公開範囲の設定を受け付ける。そして、ユーザ端末210は、ステップS1025において、編集権限と公開範囲の設定を付した思考構造図を思考構造図の共有のためShareBサーバ310に投稿して保存する。
【0103】
思考構造図の生成でなければ、ユーザ端末210は、ステップS1031において、思考構造図の閲覧であるか否かを判定する。思考構造図の閲覧であれば、ユーザ端末210は、ステップS1033において、ShareBサーバ310からの閲覧権限が満たされているか否かの結果を待つ。閲覧権限が付与されていれば、ユーザ端末210は、ステップS1035において、閲覧対象の思考構造図を受信して表示する。閲覧権限が付与されてなければ、ユーザ端末210は、ステップS1037において、閲覧権限ナシを報知する。ユーザ端末210は、ステップS1039において、思考構造図の編集指示があったか否かを判定する。思考構造図の編集指示がなければ、処理を終了する。
【0104】
思考構造図の編集指示があれば、ユーザ端末210は、ステップS1041において、ShareBサーバ310からの編集権限が満たされているか否かの結果を待つ。完全編集権限または限定編集権限が付与されていれば、ユーザ端末210は、ステップS1043において、思考構造図の編集を入力する。編集権限がなければ、ユーザ端末210は、ステップS1045において、編集権限ナシをユーザに報知する。
【0105】
なお、限定編集権限の場合、ユーザ端末210は、ステップS1039において、思考構造図の編集を入力した後、ShareBサーバ310からの入力した編集が承認投票になったことを通知されて、承認か否認かを待つ。また、自ら承認投票をすることができる。これらの処理は、承認投票の結果を待つので、思考構造図生成処理および思考構造図閲覧処理と並行に行われてよいが、図10においては省略している。
【0106】
本実施形態によれば、思考構造図を公開するユーザのユーザ端末210において、容易に思考構造図を生成することができ、他のユーザのユーザ端末220で共有することができる。
【0107】
また、思考構造図の公開において、公開範囲の設定に基づいて公開を制限するので、思考構造図の種類によって公共に利用されるものか、特殊な限られた範囲で利用されるものかを柔軟に選択することができる。また、共有された思考構造図の編集において、編集権限の設定に基づいて編集を制限するので、不必要な思考構造図の編集を抑制することができる。特に、限定編集権限においては、ユーザによる承認投票によって編集を承認するか否認するかが決定されるので、公正でかつ多数のユーザの合意に基づいた思考構造図を生成することができる。
【0108】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態と比べると、表示された主題や要素に対するユーザの投票に対応して思考構造図を変化させる点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。なお、以下のユーザによる投票操作は、第2実施形態において、生成ユーザが生成して登録した思考構造図に対して行われても、あるいは、登録後にユーザにより編集された思考構造図に対して行われてもよい。また、要素のサイズやリンクの強度などが設定されていない思考構造図の投票用モデルが提供されて、思考構造図の投票用モデルに対して行われてもよい。かかる思考構造図の投票用モデルが、ユーザにより登録あるいは編集されたものであってもよい。
【0109】
<ユーザ端末からの投票操作>
図11Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末1110、1120の投票操作を示す図である。
【0110】
図11Aの上図は、ユーザ端末1110でユーザが生成した思考構造図の表示画面1111を示している。ユーザ端末1110の表示画面1111においては、中心要素としての主題212と、周辺要素213と、リンク214とによる思考構造が表示されている。そして、周辺要素213の周囲にはユーザによる投票結果を表示するための環1112が表示される。しかし、まだユーザによる投票は行われていないので、周辺要素213のサイズに大小はなく(重要度は同じ)、主題212にも環1112にも投票結果に主題支持率/主題否定率に対応する色付けは行われていない。
【0111】
図11Aの中央図は、ユーザが周辺要素213である「エウドクソス」を投票先として選択した状態を示している。エウドクソスの説明をするウィンドウ1101が開き、エウドクソスの説明と共に、「主題を支持している」(以下、主題支持)、「主題を否定している」(以下、主題否定)、「主題に対し適切でない」(あるいは「信ぴょう性がない」:以下、要素不適切)のいずれかに投票するソフトボタンが表示される。なお、他の周辺要素を投票先に選択した場合にも、その周辺要素の説明と共に、同じソフトボタンが表示される。
【0112】
図11Aの下図は、ユーザが「主題を否定する」に投票した状態を示している。投票結果は、ShareBサーバ1210に送信されてデータベース1211に蓄積される。そして、蓄積された投票結果に従って周辺要素の表示(サイズ、形状、色など)が変更されると共に、周辺要素とリンクで関連付けられた他の周辺要素や主題に反映され、リンクにも反映される。
【0113】
<ユーザ端末の表示画面>
図11Bは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末1110、1120の表示画面1111の投票を反映した変化を示す図である。
【0114】
図11Bの中央図は、図11Aに相当する、まだユーザによる投票は行われていない状態を示している。
【0115】
図11Bの上図は、ユーザによる投票が行われて、投票結果としてコペルニクスの周辺要素に対して主題支持投票が多かった場合の思考構造図の表示画面1141である。表示画面1141には、思考構造図を閲覧したユーザからの中心要素としての主題212や周辺要素213の対する主題支持/主題否定/不適切などの投票結果として、総投票数から不適切票を減算した票と投票の割合(率)とが表示されている。総投票数から不適切票を減算した票が、各周辺要素213のサイズによって表されている。すなわち、サイズが大きいコペルニクスの周辺要素213には総投票数から不適切票を減算した票が多く、主題212への影響が大きいことが現れている。一方、サイズが小さいレギオモンタヌスの周辺要素213には主題支持/主題否定を含めて投票が少ない、あるいは、要素不適切との投票が多く、主題212への影響が小さいことが現れている。その他の周辺要素213にも多くの投票はなく、サイズは小さい。
【0116】
また、投票の割合(率)において、主題212には、主題支持(格子状)1113と主題否定(網点)1114との投票の割合が、例えば異なる色で表示されている(各図中、色の違いは模様の違いで示される)。各周辺要素213には要素図形(例えば、円)の周囲の環1112に主題支持1113と主題否定1114との投票の割合が、主題の異なる色に対応付けて表示されている。なお、各周辺要素213への投票は、リンク214で関連付けられた主題212や他の周辺要素213に反映される。要素間で投票を反映させるか否かは、リンク214の設定時などに選択してもよい。また、リンク214への投票は、視認しやすく見た目に思考構造図に影響を及ぼすので、その形状は周辺要素に応じて決定されるのが望ましい。例えば、思考構造図の生成時、もしくは編集時にユーザが「対等(長方形□)」と設定したが、その後の投票の結果、リンクで結ばれる2つの周辺要素の内の一方が「地動説支持」の投票結果になり、他方が「天動説支持」の投票結果になった場合には、その間のリンクは「対立(ひし形◇)」のリンクに形状が自動的に変更される、などが考えられる。なお、リンク214の設定時に周辺要素に応じてその形状が決定されるか、リンク214を設定したユーザによりその形状が選択されてもよい。また、リンク214への投票の影響は、不透明度への影響として表現する方法に限らず、リンクの形状や破線などの視認により把握可能な様々な表示方法が考えられる。
【0117】
図11Bの上図の表示画面1141から、主題212においては、主題支持1113の割合が多いことが分かる。さらに、主題212において主題支持1113の割合が多い原因が、コペルニクスの周辺要素213への肯定的な関心によるものであり、他の周辺要素213への投票結果が主題212についての思考に余り影響しないことが、表示画面1141を一目見ることで理解できる。例えば、表示画面1141はニュートン以後の"地動説は正しい!"を主題とする思考構造をよく表しており、天動説の支持派は益々減少しているというのが現状であり、表示画面1141からその思考を構造的に把握することができる。
【0118】
図11Bの下図は、ユーザに投票が行われて、投票結果としてエウドクソスの周辺要素において主題否定投票が多かった場合の思考構造図の表示画面1151である。表示画面1151には、思考構造図を閲覧したユーザからの中心要素としての主題212や周辺要素213の対する主題支持/主題否定/要素不適切などの投票結果として、総投票数から不適切票を減算した票と、主題支持/主題否定投票の割合(率)とが表示されている。総投票数から不適切票を減算した票は、各周辺要素213のサイズによって表されている。すなわち、サイズが大きいエウドクソスの周辺要素213には主題支持/主題否定を含めて多くの投票があり、一方、要素不適切の投票が少なく、主題212への影響が大きいことが現れている。一方、サイズが小さいコペルニクスの周辺要素213には主題支持/主題否定を含めて投票が少ない、あるいは、要素不適切の投票が多く、主題212への影響が小さいことが現れている。なお、主題支持/主題否定を含めた投票がおなじであっても、要素不適切の投票が多い要素と少ない要素は識別可能に表示される。すなわち、投票結果が示す思考構造図での要素の重要度に対応するサイズで表示されるが、例えば、「総投票数から不適切票の減算値」、「適切票と不適切票との差や比」、さらに「支持票と否定票との和」などを参照して重要度を現すことになる。
【0119】
図11Bの下図の表示画面1151において、例えば、エウドクソスの周辺要素213のサイズが大きく、コペルニクスの周辺要素213のサイズが小さく、その結果、主題212では主題支持1113が主題否定1114より少ないことが示されている場合を分析する。この場合は、ユーザの関心はエウドクソスの方がコペルニクスよりも大きく、かつ、エウドクソスへの関心は肯定的な関心であることが分かる。この結果は、ニュートン以前の例えば、ガリレオ裁判当時の人々の思考構造ではないかと思われる。現在の投票結果において正しい投票が行われれば、このような結果にはならないが、図11Bの下図の表示画面1151から、"地動説は正しい!"が否定される時代の思考構造を推測することもできる。
【0120】
以上のように、図11Bにおいて、上図と下図とを比較すると、主題への支持/否定の結果に至る思考構造と投票結果とを一目で把握することができる。また、ユーザの生成した思考構造図の構造と投票を示すサイズや色とから思考傾向の分析との整合性が取れる場合には、この思考構造図が、多数が共有する思考構造をよく表していると評価でき、今後の思考構造図の生成に有効に活用できることとなる。
【0121】
本実施形態において、中心要素としての主題212(あるいは、命題)への投票は賛否の投票であり、周辺要素やリンクへの投票は、賛否の投票ではなく、情報の属性や重要度を決める投票となる。例えばコペルニクスの周辺要素213を見て、ユーザが「この周辺要素は地動説を支持している」と感じれば「この周辺要素は地動説を支持している」に票を投じる。一方、もし「この周辺要素は天動説を支持している」と感じれば「この周辺要素は天動説を支持している」に票を投じる。その比率に応じて周囲の円グラフである環1112と、その周辺要素から延びるリンク214の色や形状などが決定される。図11Bにおいては、地動説支持側のコペルニクスの周辺要素からのリンクは、格子状に示されており、天動説支持側のエウドクソスの周辺要素からのリンクは、網点状に示されている。また「この周辺要素は天動説を支持している」への投票も「この周辺要素は地動説を支持している」への投票も、周辺要素のサイズを拡大させる効果があり、この周辺要素への関心の度合い、すなわち、主題212への影響度を示している。なお、さらに関心の度合いを不透明度で示す場合であって、不透明度が下がっている場合には、投票数の増加により不透明度を上げ、実体化させる効果がある。
【0122】
また、ユーザが「この周辺要素は信憑性が薄い」、あるいは、「この周辺要素はこの中心要素としての主題(あるいは、命題)と関連性が薄い」と感じて、そのように投票すれば、この周辺要素はサイズが縮小される、最低サイズまで縮小されている状態ではさらに不透明度が下がって行く。そして、不透明度が最低の状態になり、一定期間が過ぎるとその要素は消滅する。なお、効率的に視認可能な方法でその周辺要素の重要性の低さや信ぴょう性の低さが示される方法であれば、「サイズが縮小される」や「不透明度が下がる」という表示方法に限らず、その他の表示方法であってもよい。
【0123】
このように、中心要素としての命題(あるいは、主題)への投票は各ユーザの主題支持/主題否定であり、投票数に対応する周辺要素の大きさは思考構造図における重要性を表したものである。かかる投票による、周辺要素やリンクの変化は、思考構造図が示す中心要素に対する思考構造を、より普遍的な思考構造に近づけ、より見やすく整理整頓させる効果がある。また、思考構造図の投票による変化は、ユーザから思考構造への直感的な理解を得られるものである。
【0124】
(フィルタリング処理)
図11Cに、フィルタリング処理をした思考構造図のユーザ端末1110、1120への表示を示す。
【0125】
図11Cの中央図の表示画面1141は、図11Bの上図と同様である。ここで、ユーザの投票結果を反映させた表示画面1141の思考構造図に対して、種々の条件で投票結果に対してフィルタリングを行う。図11Cの上下左右の図は、それぞれ異なる条件によってフィルタリングした結果、変化した思考構造図を示している。
【0126】
図11Cの左右の表示画面1161、1181は、投票したユーザの国籍によってフィルタリングした結果である。左の表示画面1161はA国の国籍を有するユーザの投票を検索して投票結果を反映させた思考構造図である。右の表示画面1181はB国の国籍を有するユーザの投票を検索して投票結果を反映させた思考構造図である。一方、図11Cの上限の表示画面1171、1191は、投票したユーザが信仰する宗教によってフィルタリングした結果である。上の表示画面1171は宗教aを信仰するユーザの投票を検索して投票結果を反映させた思考構造図である。下の表示画面1191は宗教bを信仰するユーザの投票を検索して投票結果を反映させた思考構造図である。
【0127】
このように、種々の条件でユーザの投票をフィルタリングすることで、設定された条件下での思考構造図の変化や相違を知ることができる。フィルタリングの条件は、ユーザの属性に係る他の条件(年齢や性別など)に限定されず、投票期間や投票時間、地理的な条件など、思考構造を分析するために必要なあらゆる条件が含まれる。
【0128】
<情報処理システムの構成>
図12Aは、本実施形態に係る情報処理システム1200の構成を示すブロック図である。
【0129】
情報処理システム1200には、思考構造図の閲覧をして、その主題や周辺要素やリンクに投票が可能なユーザ端末1120と、ユーザ端末1120からの投票を集計して思考構造図に反映させる情報処理装置としてのShareBサーバ1210とが、ネットワーク320を介して接続される。
【0130】
<情報処理システムの動作手順>
図12Bは、本実施形態に係る情報処理システム1200の動作手順を示すシーケンス図である。また、図12Bでは、図3Bにおける思考構造図の編集については省略しているが、思考構造図の編集も含まれる。
【0131】
ユーザ端末1110,1120からは、ステップS1221において、閲覧している思考構造図の主題や要素に対して投票が行われる。投票結果を受信したShareBサーバ1210は、ステップS1223において、各思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクに対する投票結果を集計する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1225において、投票の集計結果の統計値(例えば、投票総数や支持と否定の割合)を、主題や各周辺要素や各リンクの表示に反映させて、ユーザ端末1110および1120に送信する。ユーザ端末1110および1120は、ステップS1227において、投票が反映された思考構造図を共有する。
【0132】
図12Cは、本実施形態に係る情報処理システムの動作手順を示すシーケンス図である。図12Cは、投票結果のフィルタリング処理を示している。
【0133】
ステップS1231において、ユーザ端末1110から、フィルタリング条件として投票したユーザの年代が指示される。ShareBサーバ1210は、ステップS1233において、データベースに蓄積された投票結果から年代別に集計を行う。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1235において、年代別の統計値を主題、周辺要素およびリンクに反映させて、思考構造図をユーザ端末1110に送信する。ユーザ端末1110は、ステップS1237において、受信した年代別の思考構造図を表示する。
【0134】
ステップS1241において、ユーザ端末1120から、フィルタリング条件として投票したユーザの信仰する宗教が指示される。ShareBサーバ1210は、ステップS1243において、データベースに蓄積された投票結果から信仰宗教別(さらに、宗派別)に集計を行う。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1245において、信仰宗教別の統計値を主題、周辺要素およびリンクに反映させて、思考構造図をユーザ端末1120に送信する。ユーザ端末1120は、ステップS1247において、受信した信仰宗教別の思考構造図を表示する。
【0135】
ステップS1251において、ユーザ端末1110から、フィルタリング条件として投票したユーザの性別が指示される。ShareBサーバ1210は、ステップS1253において、データベースに蓄積された投票結果から性別に集計を行う。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1255において、性別の統計値を主題、周辺要素およびリンクに反映させて、思考構造図をユーザ端末1110に送信する。ユーザ端末1110は、ステップS1257において、受信した性別の投票結果を反映した思考構造図を表示する。
【0136】
<ShareBサーバの機能構成>
図13は、本実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバ1210の機能構成を示すブロック図である。また、図13において、図4の思考構造図の編集に関する機能要素は省略されている。
【0137】
ShareBサーバ1210は、投票結果取得部1307と、投票結果集計部1308と、思考構造図修正部1309と、データベース1211と、を備える。投票結果取得部1307は、ユーザ端末1120からの思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクへの投票結果を取得する。投票結果には、投票したユーザの識別子(ユーザID)、思考構造図の識別子(思考構造図ID)、主題や各周辺要素や各リンクの識別子(要素ID)、主題支持/主題否定/不適切のフラグなど、が含まれる。投票結果集計部1308は、投票結果集計テーブル1381を有し、取得した統計結果を思考構造図ごとに、主題や周辺要素やリンクごとに集計して統計値(総数や率など)を算出する。思考構造図修正部1309は、思考構造図修正テーブル1391を有し、集計した結果を、思考構造図生成部405による思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクの生成に反映させる。すなわち、投票総数は周辺要素のサイズや不透明度など、あるいはリンクの色や不透明度などに、率は識別可能な表示(周辺要素の場合は、周囲の弧の長さなどで)で表される(図11A図11C参照)。これらの表示方法は閲覧の際に視認可能な方法であれば、ここに例示された物に限らず様々な方法が考えられる。そして、思考構造図公開部407は、投票があった場合には投票結果を反映させた投票結果表示指示部としても機能する。なお、図13には図示しないが、閲覧において、投票結果の集計条件を変えるフィルタリング処理を実行する場合、ShareBサーバ1210は、投票結果をフィルタリングするフィルタリング条件を取得する条件取得部を有する。そして、思考構造図修正部1309は、フィルタリング条件に対応して集計した投票結果に応じて、思考構造図に含まれる主題と周辺要素とリンクとの少なくとも1つの表示に反映させるフィルタリング反映部として機能する。
【0138】
(データベース)
図14Aは、本実施形態に係るデータベース1211の構成を示す図である。データベース1211は、ShareBサーバ1210が処理に必要なデータ、パラメータやプログラム、および、主題と周辺要素とリンクとを含む思考構造図を格納する。
【0139】
データベース1211は、図5Aの主題格納部510、周辺要素格納部520、リンク格納部530、編集権限登録部540に加えて、投票結果格納部1450を有する。投票結果格納部1450は、ユーザ端末1120からの投票結果およびその集計結果を蓄積する。投票結果格納部1450は、思考構造図ID1451に対応付けて、中心要素としての主題への投票1452と周辺要素への投票1453と、リンクへの投票1454と、を記憶する。主題への投票1452は、例えば、主題の内容と、主題への主題支持投票数と、主題への主題否定投票数と、主題への主題不適切投票数と、を含む。また、周辺要素への投票1453は、例えば、複数の周辺要素について、周辺要素の内容と、周辺要素における主題への主題支持投票数と、周辺要素における主題への主題否定投票数と、周辺要素への要素不適切投票数と、を含む。また、リンクへの投票1454は、例えば、複数のリンクについて、リンクの内容と、リンクへのリンク必要投票数と、リンクへのリンク不要投票数と、リンクへのリンク種類投票数と、を含む。なお、投票結果格納部1450の構成は、図14Aに限定されない。1つの思考構造図に複数の主題がある場合は、1つの思考構造図ID1451に対応付けて複数の主題への投票1452が記憶される。
【0140】
図14Bは、本実施形態に係るデータベース1211に格納された思考構造図記憶部1470の構成を示す図である。なお、図14Bには1つの思考構造図の構成を示すが、登録された多くの思考構造図が格納されている。
【0141】
主題データ記憶部1410は、投票結果1414と投票結果表示情報1415とを記憶する。投票結果1414には、主題支持票に関する情報と、主題否定票に関する情報と、主題不適切票に関する情報とが記憶される。投票結果表示情報1415には、例えば、主題の表示形状の領域内を主題支持率と主題否定率とに色分けして表示するための情報などが記憶される。
【0142】
周辺要素データ記憶部1420は、要素属性1424と、投票結果1425と、投票結果表示情報1426とを記憶する。要素属性1424は、周辺要素Aへの投票結果が、リンクで接続する例えば主題に対して、そのまま反映されるか/逆に反映されるかを表す情報である。本実施形態の投票方式では、そのまま反映される「順関係」に固定されている。投票結果1425には、例えば周辺要素Aで投票された主題支持票に関する情報および主題否定票に関する情報と、要素不適切票に関する情報とが記憶される。投票結果表示情報1426には、例えば、周辺要素Aの表示形状の周囲(円の場合は円周)を主題支持率と主題否定率とに色分けして表示するための情報などが記憶される。
【0143】
リンクデータ記憶部1430は、投票結果1434と、投票結果表示情報1435とを記憶する。投票結果1434には、例えば、リンク必要票に関する情報およびリンク不要票に関する情報と、リンク種類への投票に関する情報とが記憶される。リンク種類への投票としては、例えば、親子関係、対等、対立などが含まれる。なお、親子関係、対等、対立などが、当該リンクaにより結ばれる要素への投票結果から選択されてもよい。投票結果表示情報1435には、例えば、リンクa表示するための表示形状や太さ、不透明度などの情報が記憶される。
【0144】
(投票結果集計テーブル)
図14Cは、本実施形態に係る投票結果集計テーブル1381の構成を示す図である。投票結果集計テーブル1381は、投票結果集計部1308がユーザ端末1120から取得した投票結果を集計するために使用される。
【0145】
投票結果集計テーブル1381は、思考構造図ID1461に対応付けて、中心要素としての主題への投票集計1462と、周辺要素への投票集計1463と、リンクへの投票集計1464と、を記憶する。主題への投票集計1462は、例えば、主題の内容と、主題への投票総数と、主題への主題不適切投票数と、主題有効投票数と、主題支持投票率と、主題否定投票率と、を記憶する。ここで、主題有効投票数は、投票総数から主題不適切投票数を差し引いた投票数である。また、主題支持投票率は、主題への主題支持投票数を主題有効投票数で除した値である。また、主題否定投票率は、主題への主題否定投票数を主題有効投票数で除した値である。また、周辺要素への投票集計1463は、例えば、周辺要素の内容と、周辺要素への投票総数と、周辺要素への要素不適切投票数と、要素有効投票数と、主題支持投票率と、主題否定投票率と、を記憶する。ここで、要素有効投票数は、投票総数から要素不適切投票数を差し引いた投票数である。また、主題支持投票率は、周辺要素での主題支持投票数を要素有効投票数で除した値である。また、主題否定投票率は、周辺要素での主題否定投票数を要素有効投票数で除した値である。また、リンクへの投票集計1464は、例えば、リンクの内容と、リンクへの投票総数と、リンクへのリンク必要投票数と、リンク不要投票数と、リンク必要投票率と、リンク種類投票率と、を記憶する。ここで、リンク必要投票率は、リンクへの必要投票数を、必要投票数と不必要投票数との和で除した値である。例えば、周辺要素の大きさや不透明度などは、「要素有効投票数」と「要素不適切投票数」の比率や票数差などで決定される。また、リンクの不透明度などは、リンク必要投票率などで決定される。なお、投票結果集計テーブル1381の構成は、図14Cに限定されない。1つの思考構造図に複数の主題がある場合は、1つの思考構造図ID1461に対応付けて複数の主題の投票集計1462が記憶される。
【0146】
図14Cにおいては、主題と各要素と各リンクの間の関連は図示されていないが、周辺要素への投票は、リンクで関連付けられた主題や他の周辺要素の投票に反映されてもよい。また、周辺要素に接続されるリンクの投票に反映されてもよい。例えば、周辺要素に「不適切」の投票が多く集まり、その周辺要素の不透明度などに影響を及ぼしている場合には、それに接続されるリンクもまた不透明度などが下がる。あるいは、リンクでつながる2つの周辺要素の一方の投票結果と、他方の投票結果が相反する場合、リンクを、対立を表す形状や色に変化させる。
【0147】
(投票結果表示テーブル)
図14Dは、本実施形態に係る思考構造図修正テーブル1391の構成を示す図である。思考構造図修正テーブル1391は、思考構造図修正部1309が投票結果の集計に対応して思考構造図を修正するために使用される。
【0148】
思考構造図修正テーブル1391は、思考構造図ID1471に対応付けて、主題の表示情報1472と、周辺要素への表示情報1473と、リンクへの表示情報1474と、を記憶する。主題への表示情報1472は、例えば、主題の内容と、(主題有効投票数-主題不適切投票数)と、主題の表示サイズと、主題支持投票率と、主題支持率の表示サイズと、主題否定投票率と、主題否定率の表示サイズと、を記憶する。ここで、主題の表示サイズは、図11A図11Cでは変化しない例を示したが、例えば、思考構造図に複数の主題がある場合には、変化するのが望ましい。その変化は、表示サイズに限らず、不透明度などその他の視認可能な表現手法が用いられてもよい。また、主題支持率の表示サイズおよび主題否定率の表示サイズは、図11A図11Cでは変化しない主題の表示サイズ内での面積の比率で表現されている。
【0149】
また、周辺要素への表示情報1473は、例えば、複数の周辺要素について、周辺要素の内容と、(要素有効投票数-要素不適切投票数)と、周辺要素の表示サイズや不透明度などと、主題支持投票率と、主題支持率の表示サイズと、主題否定投票率と、主題否定率の表示サイズと、を記憶する。ここで、周辺要素の表示サイズは、図11A図11Cでは円の大きさが(要素有効投票数-要素不適切投票数)の数に応じで変化し、周辺要素の不透明度は最小円になった後に透明になっていく(図示せず)。なお、表現方法は、周辺要素の表示サイズや不透明度に限らず、その他の視認可能な表現手法が用いられてもよい。また、周辺要素における主題支持率の表示サイズおよび主題否定率の表示サイズは、図11A図11Cでは円の周囲の弧のそれぞれの色の長さの比率で表現されている(図11A図11Cでは、色の違いは模様の違いで示されている)。しかしながら、表示サイズは、円の周囲の弧のそれぞれの色の長さの比率に限定されず、その他の視認可能な表現手法が用いられてもよい。また、リンクの表示情報1474は、その色が周辺要素の投票結果により変化すると共に、必要投票率や(必要投票数-不要投票数)が不透明度やその形状で表現される。さらに、不透明度や形状に限定されず、その他の視認可能な表現手法が用いられてもよい。なお、思考構造図修正テーブル1391の構成は、図14Dに限定されない。リンクの形状選択が投票により決定されてもよい。例えば、投票において、閲覧ユーザに「因果関係無し・対等□」「親子△」「対立◇」の選択肢から選ばせ、直接各リンクに投票させる方法でもよい。また、リンクの両端に位置する2つの周辺要素の属性(「地動説は正しい!を支持している」や「地動説は正しい!を支持していない」などの各周辺要素への閲覧ユーザによる投票の結果として決定される属性)によって、「対等□」から「対立◇」に、あるいは、「対立◇」から「対等□」に変化する方法も考えられる。
【0150】
図14Eは、図11Cおよび図12Cに示したフィルタリング処理をする場合の、データベース1211の構成を示す図である。なお、データベース1211の構成は、図14Eに限定されない。
【0151】
図14Eのデータベース1211は、図14Aの主題格納部510、周辺要素格納部520、リンク格納部530、編集権限登録部540、投票結果格納部1450に加えて、フィルタリング用格納部1480を有する。フィルタリング用格納部1480は、思考構造図ID1481に対応付けて、この思考構造図に投票したユーザID(投票元)1482と、フィルタリング条件となるユーザ属性1483や投票期間1484などと、投票結果である主題への投票1485と周辺要素への投票1486とリンクへの投票1487と、を格納する。なお、フィルタリング用格納部1480の構成は、図14Eに限定されない。例えば、投票の公正さを維持するため、同一のユーザ端末からの重複投票を無効化するようにフィルタリングをすることなどもできる。
【0152】
フィルタリング条件が設定された場合には、フィルタリング条件を検索キーとしてユーザ属性1483や投票期間1484などをサーチして、フィルタリング条件に一致する投票内容を収集する。そして、その収集内容に従って、思考構造図を変化させる。
【0153】
図14Fは、フィルタリング条件に一致する投票内容を収集した投票結果集計テーブル1381の構成を示す図である。フィルタリング時に、図14C図14Fに置き換えられる。思考構造図修正部1309は、この投票結果集計テーブル1381を参照して、思考構造図修正テーブル1391を用いて思考構造図を変化させる。
【0154】
投票結果集計テーブル1381は、思考構造図ID1461に対応付けて、収集指示1491および収集対象1492を記憶する。この収集指示1491および/または収集対象1492がフィルタリング条件に相当する。各フィルタリング条件に基づいて収集された投票は、図14Cと同様の構成である。
【0155】
<ShareBサーバの処理手順>
図15Aは、本実施形態のShareBサーバ1210の処理手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートは、図6のCPU610がRAM640を使用して実行し、図13の構成要素を実現する。
【0156】
ステップS725における思考構造図の閲覧後に、ShareBサーバ1210は、ステップS1519において、フィルタリングした集計を行うか(ユーザ端末からの要求があるか)を判定する。フィルタリングした集計を行う場合は、ShareBサーバ1210は、図15DのステップS1591に進む。
【0157】
思考構造図の生成でも閲覧でもない場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1511において、ユーザ端末1120からの投票結果の取得か否かを判定する。投票結果の取得であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1513において、取得した投票結果の集計処理を実行する。ShareBサーバ1210は、ステップS1515において、投票結果の思考構造図への反映処理を実行する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1517において、反映後の思考構造図の共有処理(アクセス権のある端末で共有)を行う。
【0158】
(投票結果の集計処理)
図15Bは、本実施形態に係る投票結果の集計処理S1513の手順を示すフローチャートである。
【0159】
ShareBサーバ1210は、ステップS1520において、ユーザ端末1120から取得した投票情報に含まれる投票対象の思考構造図IDを取得する。ShareBサーバ1210は、ステップS1521において、投票対象が中心要素としての主題か否かを判定する。投票対象が主題であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1523において、主題の総投票数に1を加える。次に、ShareBサーバ1210は、ステップS1525において、投票内容が主題の支持か/主題の否定か/主題が不適切か、を判定する。主題の支持であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1527において、支持投票数に1を加えて、ステップS1529において、支持投票率(=支持投票数/有効総数)を算出する。主題の否定であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1531において、否定投票数に1を加えて、ステップS1533において、否定投票率(=否定投票数/有効総数)を算出する。主題が不適切との投票であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1535において、不適切投票数に1を加えて、ステップS1537において、有効総数や有効投票率を算出する。ここで、有効総数は(=総投票数-不適切投票数)であり、有効投票率は(=有効総数/総投票数)である。
【0160】
投票対象が主題でない場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1541において、投票対象が周辺要素か否かを判定する。投票対象が周辺要素であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1543において、対象要素の総投票数に1を加える。次に、ShareBサーバ1210は、ステップS1545において、主題におけるステップS1525からS1537の処理と同様の処理を周辺要素に対して行う。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1547において、周辺要素への投票結果の、主題あるいは他の周辺要素、リンクなどへの反映処理を行う。また、投票対象が主題でなく周辺要素でもない場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1551において、投票対象がリンクか否かを判定する。投票対象がリンクであれば、ShareBサーバ1210は、ステップS1553において、対象リンクの総投票数に1を加える。次に、ShareBサーバ1210は、ステップS1555において、主題におけるステップS1525からS1537の処理と同様の処理をリンクに対して行う。なお、リンクへの投票においては、「親子△」「対等□」「対立◇」などのリンクの形状を選択する投票が行われてもよい。そして、ShareBサーバ1210は、オプションとして、ステップS1557において、リンクへの投票結果の、主題あるいは周辺要素、他のリンクへの反映処理を行ってもよい。また、反映処理は、思考構造図の生成時、あるいは既存の思考構造図の編集時に、反映させるか否かを決めてもよい。なお、図15Bには図示していないが、主題への投票結果を他の主題や、周辺要素あるいはリンクに対して反映させるデータ反映処理が追加されてもよい。
【0161】
(思考構造図への反映処理)
図15Cは、本実施形態の思考構造図への反映処理S1515の手順を示すフローチャートである。
【0162】
ShareBサーバ1210は、ステップS1561において、投票を主題の表示に反映させるか否かを判定する。主題への投票があって主題の表示に反映させる場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1562において、主題への投票の有効総数または有効投票率を取得する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1563において、投票の有効総数または有効投票率に対応する主題の表示サイズを設定する。ShareBサーバ1210は、ステップS1564において、主題への主題支持投票率および主題否定投票率を取得する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1565において、主題における主題支持率の表示サイズおよび主題否定率の表示サイズを設定する。ShareBサーバ1210は、ステップS1566において、主題の表示サイズを修正し(本例では修正なし)、主題の支持率の表示サイズおよび主題の否定率の表示サイズを修正し、主題の表示画像を生成する。なお、ステップS1562~S1566において、投票結果の主題表示への反映をサイズ以外で表す場合は、他の視認可能な表示変化の設定であってもよい。
【0163】
投票が主題への投票でない場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1571において、周辺要素への投票であって投票を周辺要素の表示に反映させるか否かを判定する。周辺要素の表示に反映させる場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1572において、対象要素への投票の有効総数または有効投票率を取得する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1573において、投票の有効総数または有効投票率に対応する対象要素の表示サイズあるいは不透明度を設定する。ShareBサーバ1210は、ステップS1574において、対象要素における主題支持投票率および主題否定投票率を取得する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1575において、対象要素における主題支持率の表示サイズおよび主題否定率の表示サイズを設定する。ShareBサーバ1210は、ステップS1576において、対象要素の表示サイズを修正し、対象要素の主題支持率の表示サイズおよび主題否定率の表示サイズを修正し、対象要素の表示画像を生成する。なお、ステップS1572~S1576において、投票結果の周辺要素表示への反映をサイズや不透明度以外で表す場合は、他の視認可能な表示変化の設定であってもよい。
【0164】
投票が主題への投票でも周辺要素への投票でもない場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1581において、リンクへの投票であって投票をリンクの表示に反映させるか否かを判定する。リンクの表示に反映させる場合、ShareBサーバ1210は、ステップS1582において、リンクへの必要投票率または不要投票率を取得する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1583において、投票の有効総数または有効投票率などに対応する対象リンクの表示の不透明度を設定する。なお、投票結果のリンク表示への反映を不透明度以外で表す場合は、他の視認可能な表示変化であってもよい。ShareBサーバ1210は、ステップS1584において、対象リンクの種類として形状や色を取得する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1585において、対象リンクにおける色を設定する。もしくは、ShareBサーバ1210は、ステップS1584において、対象リンクが接続する対象周辺要素の主題支持投票率および主題否定投票率を取得し、ステップS1585において、対象周辺要素の主題支持投票率および主題否定投票率に基づいて、対象リンクにおける色を設定してもよい。そして、さらにステップS1587において、対象リンクの形状への投票結果、あるいは、対象リンクで結ばれる要素への投票結果に対応して、リンクの形状を設定する。
【0165】
図15Dは、図15AのステップS1519でYESの場合のフィルタリング処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0166】
ShareBサーバ1210は、ステップS1591において、フィルタリング処理のためにユーザ端末1110、1120から設定されたフィルタ条件の受信を待つ。フィルタ条件を受信すると、ShareBサーバ1210は、ステップS1593において、受信したフィルタ条件を記憶する。ShareBサーバ1210は、ステップS1595において、フィルタ条件に合致する投票をデータベース1211から検索して収集する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1513において、図15Bに示した投票の集計処理をフィルタ条件に合致した投票に対して実行する。次に、ShareBサーバ1210は、ステップS1515において、フィルタ条件に合致した投票の集計結果を用いて図15Cに示した思考構造図への反映処理を実行する。
【0167】
<ユーザ端末の機能構成>
図16は、本実施形態に係るユーザ端末1110、1120の機能構成を示すブロック図である。また、ユーザ端末1110、1120は同様の機能を有するのでユーザ端末1110を代表させて説明する。また、図16では、図9の思考構造図の編集に関連する機能は省略している。
【0168】
ユーザ端末1110は、投票内容取得部1613と投票内容送信部1614とを備える。投票内容取得部1613は、操作部922からユーザが入力した主題や各周辺要素や各リンクなどへの投票内容を取得する。投票内容送信部1614は、ユーザID、閲覧中の思考構造図ID、投票対象の主題ID、投票対象の周辺要素ID、投票対象のリンクID、投票内容、などを含む情報をShareBサーバ1210に送信する。
【0169】
<ユーザ端末の処理手順>
図17は、本実施形態に係るユーザ端末1110、1120の処理手順を示すフローチャートである。なお、図17においては、図10の思考構造図の編集指示については省略している。
【0170】
ユーザ端末1110は、ステップS1745において、フィルタリング条件が入力されたか否かを判定する。フィルタリング条件が入力された場合、ユーザ端末1110は、ステップS1747において、ShareBサーバ1210からフィルタリング結果の思考構造図を受信して表示する。フィルタリング条件が入力されない場合、ユーザ端末1110は、ステップS1737に進む。
【0171】
ユーザ端末1110は、ステップS1737において、投票入力であるか否かを判定する。投票入力であれば、ユーザ端末1110は、ステップS1739において、投票内容を取得して、投票対象(思考構造図ID、主題ID、周辺要素ID、リンクIDなど)および投票内容をShareBサーバ1210に送信する。そして、ユーザ端末1110は、ステップS1741において、閲覧中の思考構造図に投票が反映した応答を待って、応答があると、ステップS1743において、投票が反映された思考構造図を受信して表示する。なお、図17では、投票したユーザ端末の動作を示したが、投票したユーザ端末とは異なるユーザ端末での思考構造図への反映は、ステップS1741およびS1743が、ステップS1747に続けて別途に処理されることで実現できる。
【0172】
なお、投票においては、同じユーザが大量に投票したり、同じグループ内の多人数が投票したりして、投票結果が偏ってしまうことを避けるために、同じユーザや同じグループの重複する投票を禁止する、あるいは、投票数の上限を設けるなどの制御をするのが望ましい。一方で、より多くの投票を得るために、かかる制限を解除することもできる。また、この投票に関する制御と、公開範囲や編集範囲などを組み合わせることで、より公正なユーザの意向を反映した思考構造図の生成を術現することができる。また、第1周辺要素または第2周辺要素への投票は必ずしも中心要素投票結果へ影響を及ぼすとは限らない。すなわち、ある周辺要素への投票が、リンクで結ばれた他の周辺要素に影響を及ぼす設定もできる。一方、第1周辺要素または第2周辺要素への投票結果はあくまで第1周辺要素または第2周辺要素の情報の方向性を整理整頓するために独立して用いられ、その結果が中心要素投票結果へ影響を及ぼさない構成も考えられる。これらの設定を、思考構造図を生成したユーザ、または、思考構造図を閲覧編集するユーザが、思考構造図生成時、あるいは編集時、あるいは閲覧時に、任意に切り替えられるようにすることもできる。
【0173】
また、フィルタリングにおいて、例えば中心要素の賛否の比率、周辺要素の大きさや不透明度、リンクの形状や太さなどの変更およびそれらに影響を及ぼす情報のフィルタリングは、例えば、同一のユーザ端末からの投票無効化、性別、出身地などにより行ってもよい。また、フィルタリング機能を、思考構造図を表示する際に設けてもよい。また、思考構造図の生成ユーザあるいは情報処理装置が設定を切り替えることにより、閲覧ユーザの属性を参照して、フィルタリング機能の実施の有無や内容、あるいは、フィルタリングの対象者である閲覧ユーザなどに対するフィルタリングを切り替えることもできる。フィルタリング機能では、「投票者の性別」「投票者の出身地」「投票者の年齢」などの各ユーザの属性により各周辺要素・主題・命題などへの投票を再集計して画面に表示している思考構造図に反映させる。
【0174】
本実施形態によれば、ユーザによる主題や要素への投票結果が思考構造図に反映するので、極端に片寄らない普遍的な思考構造図を得ることができる。また、多数のユーザの投票結果が思考構造図の構造に反映されるので、集合知を形作る効果や論理的思考回路を多くのユーザで共有できるという効果もある。その結果、公正でより正確な集合知を形作ることができる。
【0175】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態および第3実施形態と比べると、表示された主題や周辺要素に紐付いたコメントを入力して表示する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態または第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0176】
<ユーザ端末の表示画面>
図18は、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末1810の表示画面1811を示す図である。
【0177】
ユーザ端末1810の表示画面(キャンバス)1811には、閲覧表示された思考構造図に対するユーザのコメント欄1812が表示されている。なお、図18のコメント欄1812に示すように、コメント欄の各ユーザが、中心要素である命題や主題に対して賛成と反対のどちらに票を投じたかが解るように、コメント欄のコメントやユーザ名の周囲や背景に、賛否に対応した色(図内の1112、1113の色に対応した色)を付けている。コメント欄のコメントに紐ついた要素には、コメントが(ユーザの主題に対する)投票として関連付けられ反映されてもよい。なお、コメント欄1812は思考構造図と一体であっても、思考構造図とは独立した、例えば、SNSなどによって投稿されたコメントであってもよい。しかしながら、コメント欄の各コメントは、閲覧中の思考構造図の主題や各要素との紐付けが明らかとなるように表示されるのが望ましい。また、コメント欄のコメントは、中心要素や周辺要素に応じて紐ついたタグ付けあるいは関連付けが可能になっており、コメントにマウスオーバした際に対応した中心要素や周辺要素やリンクなどがハイライトされる。なお、既存コメントに対する返信も可能であり、その際にはコメントの親子関係が視認しやすく表示される。さらに、メディアやURLリンクは、ワンクリック(ワンタップ)で当該思考構造図に新規周辺要素(あるいは中心要素)として取り込むことができるボタンが添えられている。コメントが各オブジェクト(中心要素、周辺要素、リンクなど)に紐づけられており(プルダウンメニュー1813にて選択)、表示画面1811内の、それぞれ対応した各オブジェクトにマウスオーバーすると、同時にそのオブジェクトに紐づけられたコメント(スレッド)がハイライトされる。その逆も同じような処理になる。それぞれのリンクに対して専用のタグ(チャンネル)が存在してもよいし、あるいはリンクに対するコメントはそのリンクの両端に位置する二つの要素それぞれに対応したタグ(チャンネル)を両方とも選択する事で代用されてもよい。返信コメントにはさらに他の要素やリンクなどと関連付けて、新たなタグ(チャンネル)を追加することはできる。ユーザのコメントをLLM(大規模言語モデル)で言語処理して、各要素に対する投票として扱ってもよい。
【0178】
例えば、1つの思考構造図内に、N個のノード(周辺要素)が存在している場合には(N+1)個のタグ(あるいは、チャンネル)が存在し、ユーザはその中からどれかのタグ(チャンネル)を選択しコメントする。この内、1個のタグ(チャンネル)は、主題・命題そのもの全般に対してコメントをする時に使用される。主題・命題が複数ある場合には、その分増えて、主題・命題の数がM個であれば、(N+M)個のタグが必要になる。なお、タグ(チャンネル)は複数選択することが可能だが、既存のコメントに返信する場合はその返信先コメント(親コメント)のタグ(チャンネル)は強制的にその返信コメント(子コメント)にも付与される。例えば、複数の周辺要素の関連性について言及したいときなどは、複数のタグを1つのコメントに対して設定する。
【0179】
なお、ユーザ端末から取得したユーザのコメントを解析して、情報の重要度の違いを識別可能に表す少なくとも2つの図形要素(中心要素や周辺要素)を含み、コメントを表現する情報相関図を生成してもよい。そしてコメントを他のユーザに伝達するため、他のユーザが操作するユーザ端末に情報相関図を表示するよう指示してもよい。
【0180】
<ShareBサーバの機能構成>
図19は、本実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバ1910の機能構成を示すブロック図である。また、図19において、図4の思考構造図の編集に関する機能要素および図13の投票に関する機能要素は省略されている。
【0181】
ShareBサーバ1910は、コメント取得部1908と、コメント表示指示部1909と、データベース1911と、を備える。コメント取得部1908は、ユーザ端末1120からの思考構造図に対するあるいは主題や各周辺要素や各リンクへのコメントを取得する。コメントには、コメントしたユーザの識別子(ユーザID)、思考構造図の識別子(思考構造図ID)、主題や各周辺要素の識別子や各リンクの識別子(要素ID)、コメント内容、などが含まれる。コメント表示指示部1909は、コメント表示テーブル1991を有し、取得したコメントを、思考構造図生成部405による思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクの生成と結び付け、かつ、主題や各周辺要素や各リンクの生成に反映させる。
【0182】
(データベース)
図20Aは、本実施形態に係るデータベース1911の構成を示す図である。データベース1911は、ShareBサーバ1910が処理に必要なデータ、パラメータやプログラム、および、中心要素としての主題と周辺要素とリンクとを含む思考構造図を格納する。
【0183】
データベース1911は、主題格納部510、周辺要素格納部520、リンク格納部530、編集権限登録部540、投票結果格納部1450に加えて、コメント格納部2060を有する。コメント格納部2060は、ユーザ端末1810、1820から入力されたコメントを収集して蓄積する。コメント格納部2060は、コメントID2061に対応付けて、コメントが入力されたタイムスタンプ2062と、コメントを入力したユーザID2063と、を記憶する。そして、コメントが対象とする思考構造図ID2064と、対象とする主題2065と、対象とする周辺要素2066と、対象リンク2067と、コメント内容2068と、コメント欄からの投票があれば投票内容2069と、を記憶する。なお、コメント内容2068は、コメント内容へのポインタであってもよい。ここで、コメント内容2068は、リンク先の外部サイト(ニュースサイト、Wikipedia(登録商標)、SNSなど)や、画像、動画、音声などのメディア(ユーザのPCからアップロードされたもの、インターネット上からリンクされたもの、両方を含む)などが含まれる。すなわち、Twitter(登録商標)に投稿できるものと同等の種類、内容の物、あるいはそれ以外のメディアがコメントとして投稿できる。なお、コメント格納部2060の構成は、図20Aに限定されない。
【0184】
図20Bは、本実施形態に係るデータベース1911に格納された思考構造図記憶部1470およびコメント記憶部2070の構成を示す図である。なお、図20Bには1つの思考構造図の構成を示すが、登録された多くの思考構造図が格納されている。
【0185】
コメント記憶部2070に記憶されたユーザ入力コメントは、思考構造図記憶部1470の主題、周辺要素、リンクに紐付けられている。コメント記憶部2070は、コメントが対象とする周辺要素やリンクを識別する識別マーク2071を記憶する(主題が複数の場合は、主題の識別マークも)。そして、主題または各周辺要素/リンクに対応して、複数の表示されるコメントのパラメータが記憶される。コメントのパラメータとしては、時系列に並んだタイムスタンプ2072と、ユーザIDおよび端末ID2073と、コメント内容2074と、コメント内容へのリンク先2075と、コメントに関連付いた支持/否定/不適切の種別2076と、などを記憶する。なお、コメント記憶部2070の構成は、図20Bに限定されない。
【0186】
(コメント表示テーブル)
図20Cは、本実施形態に係るコメント表示テーブル1991の構成を示す図である。コメント表示テーブル1991は、コメント表示指示部1909がユーザ端末1810、1820から取得したコメントを思考構造図と共に表示するために使用される。なお、図20Cは、思考構造図に1つの主題がある場合を示しており、これに限定されない。また、コメント表示テーブル1991の構成は、図20Cに限定されない。
【0187】
コメント表示テーブル1991は、思考構造図ID2081とその主題2082に対応付けて、複数の周辺要素/リンク2083と、コメントが対象とする周辺要素やリンクを識別する識別マーク2084とを記憶する。そして、主題2082または各周辺要素/リンク2083に対応して、複数の表示されるコメントのパラメータが記憶される。コメントのパラメータとしては、時系列に並んだタイムスタンプ2085と、ユーザIDおよび端末ID2086と、コメント内容2087と、コメント内容へのリンク先2088と、コメントに関連付いた支持/否定/不適切の種別2089と、を記憶する。
【0188】
<ShareBサーバの処理手順>
図21Aおよび図21Bは、本実施形態に係るShareBサーバ1910の処理手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートは、図6のCPU610がRAM640を使用して実行し、図19の構成要素を実現する。
【0189】
ShareBサーバ1910は、ステップS2111において、ユーザ端末1810からのコメントの取得か否かを判定する。コメントの取得であれば、ShareBサーバ1910は、ステップS2113において、コメントをしたユーザID(端末ID)を取得する。ShareBサーバ1910は、ステップS2115において、コメント対象の思考構造図、主題、周辺要素、リンクを取得する。ShareBサーバ1910は、ステップS2117において、コメント内容を、コメント対象の思考構造図、主題、周辺要素、リンクに紐付けてコメントリストに挿入する。そして、ShareBサーバ1910は、ステップS2119において、対象となる思考構造図のコメント欄を更新して、思考構造図と共にユーザ端末1810、1820に表示させる。ShareBサーバ1910は、ステップS2120において、コメント欄から投票を取得するか否かを判定する。投票を取得すると判定した場合、ShareBサーバ1910は、図21BのステップS2121に進む。
【0190】
図21Bで、ShareBサーバ1910は、ステップS2121において、コメント欄の投票用ウィンドウからの投票か否かを判定する。投票用ウィンドウからの投票であれば、ShareBサーバ1910は、ステップS2123において、投票内容を取得する。なお、投票用ウィンドウは、第3実施形態(図11Aなど)、第6実施形態(図25Aなど)および第7実施形態(図27Aなど)と類似であってもよいし、コメント欄に対応した他の形式であってもよい。ShareBサーバ1910は、ステップS2125において、投票内容を思考構造図、主題、周辺要素、リンクに対応して、データベース1911に反映する。そして、ShareBサーバ1910は、ステップS2127において、投票により更新された思考構造図を生成して表示の指示をする。
【0191】
一方、投票用ウィンドウからの投票でなければ、ShareBサーバ1910は、ステップS2131において、コメント欄のコメントを分析して投票とするか否かを判定する。コメントを分析して投票とする場合、ShareBサーバ1910は、ステップS2133において、対象のコメントを取得する。そして、ShareBサーバ1910は、ステップS2135において、コメントから対応する投票内容の有無を分析する。なお、コメントからの対応する投票内容の分析は、文書認識などによりなされるが、ここでは詳説は省略する。ShareBサーバ1910は、ステップS2137において、投票内容が有るか否かを判定して、投票内容が有ればステップS2125に進んで、投票内容を思考構造図,主題,周辺要素、リンクに対応して、データベース1911に反映する。
【0192】
<ユーザ端末の機能構成>
図22は、本実施形態に係るユーザ端末1810、1820の機能構成を示すブロック図である。また、ユーザ端末1810、1820は同様の機能を有するのでユーザ端末1810を代表させて説明する。また、図22では、図9の思考構造図の編集に関連する機能および図16の主題や周辺要素への投票に関連する機能は省略している。
【0193】
ユーザ端末1810は、コメント取得部2213と、コメント送信部2214と、コメント欄受信部2215と、コメント欄表示指示部2216と、を備える。コメント取得部2213は、閲覧中の思考構造図に対する操作部922から入力されたコメントを取得する。コメント送信部2214は、取得したコメント内容に、コメントを入力したユーザID、コメント対象の思考構造図ID、主題ID、周辺要素ID、などを付与して、ShareBサーバ1910に送信する。コメント欄受信部2215は、閲覧中の思考構造図に対応する、更新されたコメント欄をShareBサーバ1910から受信する。コメント欄表示指示部2216は、閲覧中の思考構造図と共に関連付いたコメント欄を表示部921に表示させる。
【0194】
<ユーザ端末の処理手順>
図23は、本実施形態に係るユーザ端末1810、1820の処理手順を示すフローチャートである。なお、図23においては、図10の思考構造図の編集指示および図17の投票入力については省略している。
【0195】
ユーザ端末1810は、ステップS2337において、コメント入力であるか否かを判定する。コメント入力であれば、ユーザ端末1810は、ステップS2339において、コメント内容を取得して、コメント対象(思考構造図ID、主題ID、周辺要素IDなど)およびコメント内容をShareBサーバ1910に送信する。そして、ユーザ端末1810は、ステップS2341において、閲覧中の思考構造図に対応するコメント欄にコメントが反映した応答を待って、応答があると、ステップS2343において、コメントが反映されたコメント欄を受信して表示する。なお、図23では、コメントしたユーザ端末の動作を示したが、コメントしたユーザ端末とは異なるユーザ端末でのコメント欄への反映は、ステップS2341およびS2343がステップS1035に続けて別途に処理されることで実現できる。
【0196】
なお、コメント欄に添付されたリンクや画像などから周辺要素を生成し、思考構造図内に新規要素として追加して表示することもできる。この場合にも、編集権限が考慮されるのが望ましい。また、コメント欄に、思考構造図に新規周辺要素(あるいは中心要素)として取り込むことができるボタンが添えられる構成であってもよい。
【0197】
本実施形態によれば、ユーザによる主題や要素やリンクへの投票結果における詳細な内容を確認することができる。また、思考構造図の編集の提案や、追加すべき周辺要素、結ぶべきリンクなどについて、ユーザの集合知を形作る建設的な議論ができるという効果もある。
【0198】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第4実施形態と比べると、主題としての命題への投票が3分岐である点を含む点で異なる。なお、3分岐ではなく、4分岐、5分岐...とその分岐数に特に限界はない。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0199】
<ユーザ端末の表示画面>
図24Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末2410の表示画面2411を示す図である。ユーザ端末2410の表示画面2411においては、主題2412が3つの選択肢を有している。3つの選択肢は、各要素の内容から関連付けられる。なお、選択肢は限定されず、複雑となってユーザにとって思考構造への理解が不可能にならない限り、3つを超えてもよい。また、思考構造図の編集時に、思考構造図の内容から必要があれば選択肢を追加することも可能である。
【0200】
図24Bは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末2420の他の表示画面2421を示す図である。ユーザ端末2420の他の表示画面2421においては、図24Aの3つの選択肢に加えて、周辺要素2422における投票に"情報が適切でない"との指示2423が可能である。なお、"情報が適切でない"を"無意味(信ぴょう性が薄い、関連性に乏しい)"に含ませてもよい。
【0201】
図24Cは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末2420の他の表示画面2431、2433を示す図である。図24Cにおいては、ユーザのピンチアウト操作2432によって、表示画面2433から思考構造図の一部を拡大した表示画面2431が表示される。この操作は、思考構造図の要素が多数あって複雑である場合、あるいは、複数の主題があって複雑である場合に、対象を思考構造図の一部に絞るために有用である。図2Aのズームインに相当する。逆に、図24Cにおいては、ユーザのピンチイン操作2434によって、表示画面2431から思考構造図を縮小した表示画面2433が表示される。この操作は、一部の思考構造図が全体の思考構造図のどこに位置しているかを知りたい場合、あるいは、他の部分とどう接続しているかを知りたい場合に、対象を思考構造図の全体に向かって展開するために有用である。
【0202】
図24Dは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末2420の他の表示画面を示す図である。図24Dにおいては、2つの要素を1つのグループとして紐付ける。ユーザが2つの周辺要素を含む閉曲線2444を描くことで、2つの周辺要素が1つのグループとなる。以降は、1つのグループとして簡略化された操作が実現される。なお、グループとする要素は3つ以上であってもよいし、主題を含んでもよい。複数の主題を含む思考構造図であれば複数の主題を含むグループであってもよい。また、グループにはそのグループを象徴する名称を付けて、名称によってグループ単位の操作をすることもできる。なお、図24Dにはグループ化を閉曲線2444で示したが、開曲線であってもよい。例えば、なげなわのように、両端を交差させるなどして閉じさせず、両端を自動的に直線で結び、操作対象を囲うような方法も適用できる。
【0203】
本実施形態によれば、二者択一では掴めないより繊細な思考を表現する思考構造図を得ることができる。また、思考構造図の一部分を拡大して詳細な構造を閲覧して操作対象にしたり、思考構造図を縮小して広い範囲あるいは全体の構造を閲覧して操作対象にしたりすることができる。また、思考構造図の一部の複数の要素をグループとしてまとめて、1つの要素として提示することができる。
【0204】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第3実施形態と比べると、各要素やリンクへの投票が、適切か/不適切かに投票する第1段投票(要素の存否に係る投票)と、支持か/否定かに投票する第2段投票(要素内容の認否に係る投票)に分かれている点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態および第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0205】
なお、本実施形態では第1段投票と第2段投票との2段階投票の例を示すが、あらかじめ確定した思考構造図が提供されていて、要素の存否に係る第1段投票を省いて直接に要素内容の認否に係る第2段投票のみを実施する構成であってもよい。
【0206】
<ユーザ端末からの投票操作>
図25Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末1110、1120の投票操作を示す図である。
【0207】
図25Aの中央図は、ユーザが周辺要素213である「エウドクソス」を投票先として選択した状態を示している。エウドクソスの説明をするウィンドウ2501が開き、エウドクソスの説明と共に、「主題に対して適切である」(以下、主題適切)、「主題に対して適切でない」(以下、主題不適切)のいずれかに投票するソフトボタンが表示される。なお、他の周辺要素を投票先に選択した場合にも、その周辺要素の説明と共に、同じソフトボタンが表示される。
【0208】
図25Aの下図は、中央図のウィンドウ2501においてユーザが「主題に対して適切である」に投票した状態を示している。新たなウィンドウ2502が開いて、「主題を支持している」(以下、主題支持)、「主題を否定している」(以下、主題否定)のいずれかに投票するソフトボタンが表示される。ユーザによる投票結果は、ShareBサーバ1210に送信されてデータベース2611に蓄積される。そして、蓄積された投票結果に従って周辺要素の表示(サイズ、形状、色など)が変更されると共に、周辺要素とリンクで関連付けられた他の周辺要素や主題に反映され、リンクにも反映される。
【0209】
なお、図25Aにおいては、適切か/不適切かに投票する第1段投票と、支持か/否定かに投票する第2段投票とを連続する操作として説明したが、第1段投票と第2段投票とが独立して実施されて、それぞれ独立して集計され、思考構造図に反映されてもよい。この場合は、投票前に第1段投票か第2段投票かが選択される。また、適切か/不適切かに投票する第1段投票が終了して、基礎の思考構造図が確定した後に、支持か/否定かに投票する第2段投票を開始して、基礎の思考構造図を変更する構成にしてもよい。この場合に、第1段投票を専門家に委ね、第2段投票を一般に開放するなどの組み合わせも考えられる。
【0210】
<情報処理システムの動作手順>
図25Bは、本実施形態に係る情報処理システム2500の動作手順を示すシーケンス図である。図25Bでは、図3Bおよび図12BにおけるステップS301~S315については省略している。また、図3Bの編集処理も省略しているが、思考構造図の編集も含まれる。
【0211】
ユーザ端末1110,1120からは、ステップS2521において、閲覧している思考構造図の主題や要素やリンクに対して、適切か/不適切かに投票する第1段投票が行われる。投票結果を受信したShareBサーバ2510は、ステップS2523において、各思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクに対する第1段投票結果を集計する。そして、ShareBサーバ2510は、ステップS2525において、第1段投票の集計結果の統計値(例えば、投票総数や適切と不適切の割合)を、思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクの表示に反映させて、ユーザ端末1110および1120に送信する。ユーザ端末1110および1120は、ステップS2527において、第1段投票が反映された思考構造図を共有する。
【0212】
ユーザ端末1110,1120からは、ステップS2531において、閲覧している第1段投票を反映した思考構造図の主題や要素に対する支持/否定、あるいは、リンクに対するリンク種類の投票を含む第2段投票が行われる。投票結果を受信したShareBサーバ2510は、ステップS2533において、各思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクに対する第2段投票結果を集計する。そして、ShareBサーバ2510は、ステップS2535において、第2段投票の集計結果の統計値(例えば、投票総数や支持と否定の割合、種類の順位)を、思考構造図の主題や各周辺要素や各リンクの表示に反映させて、ユーザ端末1110および1120に送信する。ユーザ端末1110および1120は、ステップS2537において、第2段投票が反映された思考構造図を共有する。
【0213】
(データベース)
図26Aおよび図26Bは、本実施形態に係るデータベース2611の構成を示す図である。データベース2611は、ShareBサーバ2510が処理に必要なデータ、パラメータやプログラム、および、主題と周辺要素とリンクとを含む思考構造図を格納する。
【0214】
データベース2611は、図5Aの主題格納部510、周辺要素格納部520、リンク格納部530、編集権限登録部540に加えて、第1段投票結果格納部2650と第2段投票結果格納部2660とを有する。
【0215】
第1段投票結果格納部2650は、ユーザ端末1120からの第1段投票結果およびその集計結果を蓄積する。投票結果格納部2650は、思考構造図ID1451に対応付けて、中心要素としての主題への第1段投票2652と周辺要素への第1段投票2653と、リンクへの第1段投票2654と、を記憶する。主題への第1段投票2652は、例えば、主題の内容と、主題への主題適切投票数と主題への主題不適切投票数とを含む。また、周辺要素への第1段投票2653は、例えば、複数の周辺要素について、周辺要素の内容と、周辺要素における要素適切投票数と周辺要素における要素不適切投票数とを含む。また、リンクへの第1段投票1454は、例えば、複数のリンクについて、リンクの内容と、リンクへのリンク必要投票数とリンクへのリンク不要投票数とを含む。なお、第1段投票結果格納部2650の構成は、図26Aに限定されない。1つの思考構造図に複数の主題がある場合は、1つの思考構造図ID1451に対応付けて複数の主題への第1段投票2652が記憶される。
【0216】
第2段投票結果格納部2660は、ユーザ端末1120からの第2段投票結果およびその集計結果を蓄積する。第2段投票結果格納部2660は、思考構造図ID1451に対応付けて、中心要素としての主題への第2段投票2662と周辺要素への第2段投票2663と、リンクへの第2段投票2664と、を記憶する。主題への第2段投票2662は、例えば、主題の内容と、主題への主題支持投票数と主題への主題否定投票数とを含む。また、周辺要素への第2段投票2663は、例えば、複数の周辺要素について、周辺要素の内容と、周辺要素における主題への主題支持投票数と周辺要素における主題への主題否定投票数とを含む。また、リンクへの第2段投票2664は、例えば、複数のリンクについて、リンクの内容とリンクへのリンク種類投票数とを含む。なお、第2段投票結果格納部2660の構成は、図26Bに限定されない。1つの思考構造図に複数の主題がある場合は、1つの思考構造図ID1451に対応付けて複数の主題への第2段投票2662が記憶される。
【0217】
図26Cは、本実施形態に係るデータベース2611に格納された思考構造図記憶部2670の構成を示す図である。なお、図14Bには1つの思考構造図の構成を示すが、登録された多くの思考構造図が格納されている。
【0218】
主題データ記憶部2610は、第1段投票結果2613と第2段投票結果2614とを記憶する。第1段投票結果2613には、例えば、主題の適切票と主題の不適切票に関する情報とが記憶される。第2段投票結果2614には、例えば、主題支持票に関する情報と主題否定票に関する情報とが記憶される。
【0219】
周辺要素データ記憶部2620は、第1段投票結果2624と第2段投票結果2625とを記憶する。第1段投票結果2624には、例えば、要素の適切票と要素の不適切票とに関する情報が記憶される。第2段投票結果2625には、例えば、周辺要素Aで投票された主題支持票に関する情報および主題否定票に関する情報が記憶される。
【0220】
リンクデータ記憶部2630は、第1段投票結果2633と第2段投票結果2634とを記憶する。第1段投票結果2633には、例えば、リンク必要票に関する情報およびリンク不要票に関する情報が記憶される。第2段投票結果2634には、リンク種類への投票としては、例えば、親子関係、対等、対立などが含まれる。なお、親子関係、対等、対立などが、当該リンクaにより結ばれる要素への投票結果から選択されてもよい。
【0221】
<ShareBサーバの処理手順>
図26Dは、本実施形態のShareBサーバ2510の処理手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートは、図6のCPU610がRAM640を使用して実行し、図25Bの処理を実行する構成要素を実現する。
【0222】
ShareBサーバ2510は、ステップS2611において、ユーザ端末1120からの要素が適切か不適切かの第1段投票結果の取得か否かを判定する。第1段投票結果の取得であれば、ShareBサーバ2510は、ステップS2612において、取得した第1段投票結果の集計処理を実行する。ShareBサーバ2510は、ステップS2613において、第1段投票結果の思考構造図への反映処理を実行する。そして、ShareBサーバ2510は、ステップS1517において、第1段投票結果を反映後の思考構造図の共有処理(アクセス権のある端末で共有)を行う。
【0223】
ShareBサーバ2510は、ステップS2614において、ユーザ端末1120からの主題に対して支持か否定かの第2段投票結果の取得か否かを判定する。第2段投票結果の取得であれば、ShareBサーバ2510は、ステップS2615において、取得した第2段投票結果の集計処理を実行する。ShareBサーバ2510は、ステップS2616において、第2段投票結果の思考構造図への反映処理を実行する。そして、ShareBサーバ2510は、ステップS1517において、第1段投票結果および/または第2段投票結果を反映後の思考構造図の共有処理(アクセス権のある端末で共有)を行う。なお、ShareBサーバ2510は、ステップS1519において、フィルタリングした集計を行うか(ユーザ端末からの要求があるか)を判定する。フィルタリングした集計を行う場合は、ShareBサーバ2510は、図15DのステップS1591に進む。
【0224】
(第1段投票結果の集計処理)
図26Eは、本実施形態に係る第1段投票結果の集計処理S2612の手順を示すフローチャートである。
【0225】
投票対象が主題である場合、ShareBサーバ2510は、ステップS2625において、第1段投票内容が、主題が適切か不適切かを判定する。主題が適切の投票であれば、ShareBサーバ2510は、ステップS2627において、適切投票数に1を加えて、ステップS2629において、適切投票率(=適切投票数/有効総数)を算出する。主題が不適切の投票であれば、ShareBサーバ2510は、ステップS2635において、不適切投票数に1を加えて、ステップS2637において、不適切投票率(=不適切投票数/有効総数)を算出する。
【0226】
投票対象が主題でなく周辺要素である場合、ShareBサーバ2510は、ステップS2645において、主題におけるステップS2625からS2637の処理と同様の周辺要素が適切か不適切かの処理を周辺要素に対して行う。そして、ShareBサーバ2510は、ステップS1547において、周辺要素への第1段投票結果の、主題あるいは他の周辺要素、リンクなどのデータへの反映処理を行う。
【0227】
また、投票対象が主題でなく周辺要素でもなくリンクである場合、ShareBサーバ2510は、ステップS2655において、主題におけるステップS2625からS2637の処理と同様のリンクの適切か不適切かの処理をリンクに対して行う。そして、ShareBサーバ2510は、オプションとして、ステップS1557において、リンクへの投票結果の、主題あるいは周辺要素、他のリンクへの反映処理を行ってもよい。
【0228】
なお、図26DにおけるステップS2615の支持/否定投票の集計処理手順は、図15Bおよび図26Eを参照すれば当業者には自明であるので、重複する説明を省略する。また、図26DにおけるステップS2613やS2616の投票結果の表示される思考構造図への反映処理手順は、図15Cを参照すれば当業者には自明であるので、重複する説明を省略する。
【0229】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第3実施形態と比べると、周辺要素での投票が「主題」に関する投票でなく、「周辺要素」の内容に対する投票である点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0230】
<ユーザ端末からの投票操作>
図27Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末1110、1120の投票操作を示す図である。
【0231】
図27Aの中央図は、ユーザが周辺要素213である「エウドクソス」を投票先として選択した状態を示している。エウドクソスの説明をするウィンドウ2701が開き、エウドクソスの説明と共に、「エウドクソスは正しい」(以下、要素支持)、「エウドクトスは間違い」(以下、要素否定)、「主題に対し適切でない」(以下、要素不適切)のいずれかに投票するソフトボタンが表示される。なお、他の周辺要素を投票先に選択した場合にも、その周辺要素の説明と共に、同じソフトボタンが表示される。
【0232】
図27Aの下図は、ユーザが「エウドクトスは間違い」に投票した状態を示している。投票結果は、ShareBサーバ1210に送信されてデータベース2711に蓄積される。そして、蓄積された投票結果に従って周辺要素の表示(サイズ、形状、色など)が変更されると共に、周辺要素とリンクで関連付けられた他の周辺要素や主題に反映されてもよい。また、投票された周辺要素に接続されたリンクにも反映されてもよい。
【0233】
(データベース)
図27Bは、本実施形態に係るデータベース2711の構成を示す図である。データベース2711は、ShareBサーバ1210が処理に必要なデータ、パラメータやプログラム、および、主題と周辺要素とリンクとを含む思考構造図を格納する。この構成はあくまで一例であり、構成はこれに限定されない。
【0234】
データベース2711は、図5Aの主題格納部510、周辺要素格納部520、リンク格納部530、編集権限登録部540に加えて、投票結果格納部2750を有する。投票結果格納部2750は、ユーザ端末1120からの投票結果およびその集計結果を蓄積する。投票結果格納部2750は、思考構造図ID1451に対応付けて、周辺要素への投票2753は、例えば、複数の周辺要素について、周辺要素の内容と、周辺要素の内容への要素支持投票数と、周辺要素の内容への要素否定投票数と、周辺要素への要素不適切投票数と、を含む。
【0235】
図27Cは、本実施形態に係るデータベース2711に格納された思考構造図記憶部2770の構成を示す図である。なお、図27Cには1つの思考構造図の構成を示すが、登録された多くの思考構造図が格納されている。
【0236】
周辺要素データ記憶部2720は、要素属性2724と、投票結果2725と、投票結果表示情報2726とを記憶する。要素属性2724は、周辺要素Aへの投票結果が、リンクで接続する例えば主題に対して、そのまま反映されるか(以下、「順関係」)/逆に反映されるか(以下、「逆関係」)を表す情報である。本実施形態の投票方式では、思考構造図の作成時および編集時のリンク設定や、周辺要素やリンクへの投票結果などから、「順関係」か「逆関係」かが決定されて記憶される。なお、要素属性2724には、100%「順関係」と100%「逆関係」の中間の関係が「比率」によって決められてもよい。この「比率」は、思考構造図の作成時および編集時にユーザが設定しても、ユーザの投票結果などから決められてもよい。投票結果2725には、周辺要素Aで投票された要素支持票に関する情報および要素否定票に関する情報と、要素不適切票に関する情報とが記憶される。投票結果2725は、要素属性2724に応じてリンク先の主題や他の周辺要素に反映される。投票結果表示情報2726には、投票結果2725に基づいて生成された投票結果の表示情報が記憶される。この、投票結果の表示情報は、周辺要素の内容に対するユーザの「正しい」、「間違い」、「不適切」の投票結果に対応する。
【0237】
なお、図27Cにおいては、周辺要素データ記憶部2720に要素属性2724を記憶する例を示したが、リンクデータ記憶部1430のリンク情報503や投票結果1434に記憶されたリンクが繋ぐ両要素の関係を参照して、投票結果の反映時に「順関係」や「逆関係」を決定してもよい。
【0238】
(投票結果の集計処理)
図27Dは、本実施形態に係る投票結果の集計処理S1513の手順を示すフローチャートである。
【0239】
投票対象が主題である場合、ShareBサーバ1210は、ステップS2725において、投票内容が、主題が正しいか/主題が間違いか/主題が不適切か、を判定する。主題が正しいであれば、ShareBサーバ1210は、ステップS2727において、正しいとの投票数を表す正投票数に1を加えて、ステップS2729において、正投票率(=正投票数/有効総数)を算出する。主題が間違いであれば、ShareBサーバ1210は、ステップS2731において、間違いとの投票数を表す間違投票数に1を加えて、ステップS2733において、間違投票率(=間違投票数/有効総数)を算出する。主題が不適切との投票であれば、ShareBサーバ1210は、ステップS2735において、不適切投票数に1を加えて、ステップS2737において、有効総数や有効投票率を算出する。ここで、有効総数は(=総投票数-不適切投票数)であり、有効投票率は(=有効総数/総投票数)である。
【0240】
投票対象が主題でなく周辺要素である場合、ShareBサーバ1210は、ステップS2745において、主題におけるステップS2725からS2737の処理と同様の処理を周辺要素に対して行う。ShareBサーバ1210は、ステップS2746において、周辺要素の要素属性2724、あるいは、リンク先要素593や投票結果2725を参照するなどして、リンク先への反映を「順関係」とするか「逆関係」とするかを決定する。そして、ShareBサーバ1210は、ステップS1547において、要素属性2724に応じて、周辺要素への投票結果の主題あるいは他の周辺要素、リンクなどへの反映処理を行う。なお、反映処理は、思考構造図の生成時、あるいは既存の思考構造図の編集時などに、反映させるか否かを決めてもよい。
【0241】
また、投票対象が主題でなく周辺要素でもない場合、ShareBサーバ1210は、ステップS2755において、主題におけるステップS2725からS2737の処理と同様の処理をリンクに対して行う。そして、ShareBサーバ1210は、オプションとして、ステップS1557において、リンクへの投票結果の、主題あるいは周辺要素、他のリンクへの反映処理を行ってもよい。
【0242】
本実施形態によれば、周辺要素への投票を、周辺要素の内容からユーザが直感的に判断しやすいものにすることができる。
【0243】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第7実施形態が「要素」を主役とし「中心要素(主題、命題)←周辺要素」を繋ぐ「リンク」という構造であったのに対して、「リンク」を中心として「要素」間をどのようにリンクするかを投票により設定する構造である点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第7実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から第7実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0244】
(ユーザ端末の表示画面)
図28Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面2810を示す図である。図28Aは、リンク生成枠2811内の要素2812と要素2813との関連性を示すリンク2814こそを主題あるいは命題とした思考構造図の生成を示す。本実施形態では、思考構造図を作成する上でのリンクの妥当性を問う投票ではなく、「様々な周辺情報を鑑みるに要素Aと要素Bには関連性があるのでは?」という形態の思考構造図を生成する。
【0245】
(リンク生成テーブル)
図28Bは、本実施形態に係るリンク生成テーブル2820を示す図である。リンク生成テーブル2820は、リンク生成枠2811が生成された場合に、リンク生成枠2811内の要素2812と要素2813とのリンク2814を生成するために使用される。このリンク生成テーブルの構成はあくまで一例であり、リンク生成テーブルの構成はこれに限定されない。
【0246】
リンク生成テーブル2820は、関連性が見いだされるか否かの投票対象であるリンクID(識別子)2821に対応付けて、リンク生成枠内の一方の要素(A)2822と他方の要素(B)2823とを記憶する。なお、リンク生成の投票には、投票期間が設定される。あるいは、永続的に議論されるリンクであれば、投票期間は限定されない。そして、投票内容として、例えば、要素間のリンク要否への投票2824と、リンク方向への投票2825と、リンク内容への投票2826とを記憶する。リンク要否への投票2824には、リンクが必要とする投票数と、リンクは必要無いとする投票数と、投票終了時あるいは現在の投票結果と、が記憶される。なお、投票結果によるリンク生成は、過半数により生成可否を決定してもよいし、率に対応する太さや濃さのリンクを生成してもよい。また、必要数に対応する太さや濃さのリンクを生成してもよいし、必要投票数から不必要投票数を差し引いた数に対応する太さや濃さのリンクを生成してもよい。リンク方向への投票2825には、要素Aから要素Bへの方向の投票数と、要素Bから要素Aへの方向の投票数と、投票終了時あるいは現在の投票結果と、が記憶される。なお、リンク方向への投票3225には、リンクが対立関係(◇)か対等関係(□)かなど他の形状に関連する投票も含まれる。リンク方向の表示は、投票数の結果を反映した方向の確かさを判別可能に表示してもよい。リンク内容への投票2826には、リンク内容をaとする投票数と、リンク内容をbとする投票数と、他の内容の投票数と、投票終了時あるいは現在の投票結果と、が記憶される。リンク内容の表示は、最大投票数の内容であっても、投票数の上から順に複数の内容であっても、さらに他の表示形式であってもよい。
【0247】
<情報処理装置の処理手順>
図28Cは、本実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、情報処理装置のCPUがRAMを使用して実行する。
【0248】
情報処理装置は、ステップS2801において、リンク生成枠が設定されたか否かを待つ。リンク生成枠が設定されたならば、情報処理装置は、ステップS2803において、リンク生成枠内にある要素の識別子(ID)を取得する。情報処理装置は、ステップS2805において、リンク生成に関する投票画面を生成してユーザ端末に送信する。そして、情報処理装置は、ステップS2807において、ユーザ端末からの投票の受信を待つ。
【0249】
ユーザ端末からの投票を受信すると、情報処理装置は、ステップS2809において、受信した投票をリンク生成テーブル2820の対応する投票数に加算する。情報処理装置は、ステップS2811において、リンク生成テーブル2820の投票結果に基づいて、リンクを生成してあるいは生成せずに、思考構造図に反映させる。情報処理装置は、ステップS2813において、投票期間が終了したか否かを判定する。投票期間が終了でなければ、情報処理装置は、ステップS2807に戻って、次の投票を待つ。なお、永続的なリンクによる関連性への投票であって、投票期間が設定されていない場合は、ステップS2813は「思考構造図の閲覧?」に置き換えられ、ステップS2813の終了後は再度、ステップS2807に戻って投票を待つことになる。
【0250】
本実施形態によれば、ユーザの投票によって要素間の関連性を問い、テーマに沿ってリンクで繋ぐか否かやリンク方法、リンク内容を決定することができる。
【0251】
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第8実施形態に加えて、ニュースノードなどの情報を含む「要素」をクリック(もしくはマウスオーバなど)することで詳細を確認できるウィンドウがポップアップする構造を含む点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第8実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から第8実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0252】
(ユーザ端末の表示画面)
図29は、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面2910を示す図である。情報要素2911にマウスオーバー(もしくはクリックなど)をすると、同じ場所の左にあるような記事詳細を確認できるウィンドウ2912がポップアップする。すなわち、ノード(要素)にマウスオーバで記事の文章がポップアップ表示する。さらにSNSなどの反応がランダム抽出されて複数件表示されてもよい。
【0253】
本実施形態によれば、思考構造図の各要素の内容を段階的に知ることができる。すなわち、各要素のサイズが投票で小さくなった時であっても、素早く各要素の詳細内容を知ることができる。小さくなってない場合も省略されていない大元の詳細情報をすばやく確認できる。
【0254】
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第9実施形態に加えて、全体の構成を縮小されたサムネイル画面によって表示する構造を含む点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第9実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から第9実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0255】
(ユーザ端末の表示画面)
図30は、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面3010を示す図である。図30においては、全体の構成を縮小されたサムネイル画面3012によって表示する。すなわち、図30のように、サムネイル3011ボタンの指示や他の操作(例えば、画面上のタブルタッチなど)により、画面隅に思考構造図全体がサムネイル画面3012で表示され、例えば赤色の枠3013などで「どこの部分を表示しているか」を明示する。サムネイル画面3012は、枠3013の外側でかつ、サムネイル画面3012の内側をクリック(タッチ操作)するなどで消えるようにすればよい。すなわち、思考構造図のキャンバス(思考構造図の表示エリア)にズームインした際には、「思考構造図の全体のどの部分を現在表示しているか」が解るようにすべく、縮小表示された全体図の中に赤枠で現在表示中のエリアを示したサムネイルが思考構造図の隅に小さく表示される。
【0256】
本実施形態によれば、思考構造図の全体や部分を自在に把握することができる。すなわち、思考構造図の全体や部分を自在に把握し、素早く見たい部分へ移動することが可能になる。
【0257】
[第11実施形態]
次に、本発明の第11実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第10実施形態と異なり、リンクを方向(矢印)や形状などと簡単なリンクを表すコメントとで表示する構造を含む点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第10実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から10実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0258】
(ユーザ端末の表示画面)
図31は、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面3110を示す図である。図31のように、表示画面3110の思考構造図において、リンク3111、3112は、矢印に小さなコメントを付して、矢印に特殊な名称、特殊な意味合いを持たせている。例えば、要素が「人間」だった場合には、「師弟関係」、「友人関係」、「夫婦」、「元同僚」と記載することで、思考構造図の編集者がリンクに特殊な意味を持たせられるようにする。なお、必ずしも人物関係に留まらず、「重力の作用」、「通電性」、「(三角形の線を用いつつ)進化」「捕食関係」といった物も含まれる。
【0259】
本実施形態によれば、必ずしも思考に関連しない簡単な要素間の関連性を設定できる。
【0260】
[第12実施形態]
次に、本発明の第12実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第11実施形態と異なり、中心要素となる主題(命題)が図示されず、また、要素間を2つ以上のリンクで結ぶ構造を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第11実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から第11実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0261】
(ユーザ端末の表示画面)
図32は、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面3210を示す図である。
【0262】
例えば、図32において、表示されない「明治維新(幕末)」を主題として、「西郷隆盛」を1つの要素に据えた際に、「幕府」や「天皇」、「尊王攘夷運動」、「大政奉還」、「王政復古」、「坂本龍馬」、「戊辰戦争」、「西南戦争」、「薩摩藩」、「上野にある西郷像」、「城山決戦」などが要素としてリンクにより結ばれる。その中で「坂本龍馬」との間は「同盟関係・盟友」と名称づけられたリンク3212で結ばれる。「薩摩藩」からの「西郷隆盛」へのリンク3213は「下級藩士」であるが、「西郷隆盛」からの「薩摩藩」へのリンク3214は「藩政改革」という名称になる。これは、2種類の異なるリンクが、2つの要素の間に逆方向のベクトルとして結ばれる一例である。例えば、「Aさん」からの「Bさん」のリンクは「恋心」であるが、「Bさん」からの「Aさん」のリンクは「無関心」である場合なども、本実施形態ではその思考構造図を作成可能である。
【0263】
また、「西郷隆盛」と「城山決戦」の間には「戦死」というリンク3215が成立する。これは、必ずしも「人物」と「人物」のみがリンクされるわけではない一例であり、ここでは「人物」と「歴史上の出来事」がリンクされている。また、「西郷隆盛」と「別府晋介」の間には「介錯をした」というリンク3217が成立する。しかし、ここは諸説があり、「西郷隆盛」は自害したと意見が分かれるので、そこの部分において部分的に投票機能が設定されてもよい。
【0264】
この一連の機能において、「要素」には「人物」などに限らず、有形・無形問わずありとあらゆる要素が設定可能である。そして、特定の2つの要素の間には「ベクトル」を伴う複数のリンクが設定可能であり、それぞれのリンクには「関係値を示す固有の名称」などが設定可能である。部分的に「要素」や「リンク」に投票が可能であるが、各要素は投票を伴わない場合は、各要素の閲覧数や、思考構造図の作成者の任意の設定や、リンクや要素(ノード)の自動配置機能などに応じて各要素の大きさを変更することが可能である。すなわち、思考構造図により情報の整理整頓あるいは統合という機能を果たすことである。
【0265】
要素の種類に応じて各要素の形状を変更することにより、見やすい思考構造図を作るのに貢献できる。例えば、「西郷隆盛」の思考構造図においては「城山決戦」や「薩摩藩」といった「人物以外の要素」を長方形で表示することが、見やすい思考構造図を作成する場合に大きな役割を果たす。また、見やすい思考構造図を作成する際に、リンクの形状のみならず、色やその他視認可能な表現方法の様々な方法を用いることで変更可能であり、例えば、同盟関係を青で表示し、主従関係を赤で表示してもよい。
【0266】
本実施形態によれば、要素やリンクの内容を限定することなく、思考構造図による表現範囲を大幅に拡大することができる。
【0267】
すなわち、本実施形態においては、要素に、選択肢を伴う問いかけではなく、人物や動物、現象、宗教、歴史上の出来事、ありとあらゆる事象を据えることができる。要素間を接続する各リンクにその関係性を説明する名称を付けることができる。また、2つの要素の間に2つ以上のリンクを接続することも可能である。また、要素のグループ化機能を使って「薩摩藩」や「徳川幕府」といったグループ化も可能である。各要素は投票でなく、各要素の閲覧数や、思考構造図の作成者の任意の設定、リンクや要素(ノード)の自動配置機能などに応じて各要素の大きさを変更することも可能であり、見やすい思考構造図を作り上げることができる。
【0268】
[第13実施形態]
次に、本発明の第13実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第12実施形態と異なり、3次元の思考構造図を表示する構造を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第12実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から第12実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0269】
(ユーザ端末の表示画面)
図33は、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末210の表示画面3310を示す図である。
【0270】
要素は円形であるのが一番効率よいが、必ずしも「円形」である必要はない。また、思考構造図がモニタ上などで見る2次元的な表現に限定されるわけでもない。図33のように、3次元的な表示も可能である。3次元CGを用いてモニタで表示する形でも、VRやARなどを使った実際に触れられる(という感覚で操作のできる)思考構造図でもよい。その際には要素は球体になったり、六角形になったり、他の形状になってもよい。3次元表示の可能なモニタも既に存在しており、ホログラムによる実施も可能である。
【0271】
図33においては、3次元の思考構造図の3311、3312、3313が、ユーザの指示により回転している様子を示している。
【0272】
本実施形態によれば、思考構造図の要素の関連性をより豊富に表現することができ、さらに、ユーザの視点を変化することもできる。また、第2から第12実施形態にような2次元的な表示においては、リンク同士が交差するなどの問題が発生するが、3次元表示によれば複雑な思考構造図を明快に表現できる。
【0273】
[第14実施形態]
次に、本発明の第14実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第13実施形態と異なり、思考構造図の他例として政策作りの思考構造を示す点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第13実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。また、第2実施形態から第13実施形態に記載の技術の適用も容易に可能であり、同様の効果を奏する。
【0274】
(ユーザ端末の表示画面)
図34Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末3410の表示画面を示す図である。
【0275】
図34Aは1つの政策目標への各課題の関連を示す構造図である。図34Aにおいて、上記実施形態における"主題"が1つの政策目標3412に相当し、各"周辺要素"が関連分野の各課題3413に相当する。ここで、各課題3413に対する推進意見が格子模様3414("支持:賛成意見"に相当)で表現され、抑制意見が斜線模様3415("否定:反対意見"に相当)で示されている。これらの推進意見および抑制意見は、第3実施形態におけるユーザの投票によって表明される。図34Aでは、下位の課題への投票結果の上位の課題への反映度合は、思考構造図の生成時に、もしくは編集時にユーザの任意で設定されてもよいし、自動で設定されてもよい。また、意見の集約時に実時間で反映度合を調整してもよい。
【0276】
図34Bは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末3410の他の表示画面3422を示す図である。ユーザ端末3410の表示画面3422は、下位の課題の投票結果3416が上位の投票に反映する様子を示している。上位の課題に行くほど投票結果への反映が小さくなる。
【0277】
図34Cは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末3410の他の表示画面3433を示す図である。ユーザ端末3410の表示画面3433は、1つの課題3417で合意形成がされた場合を示している。なお、合意形成は、元の課題を維持しても課題を変更してもよい。課題が変更された場合には、上位の課題とのリンクも修正される。合意形成や多数決で決定した課題3417は、識別可能に表示される(本実施形態では半透明で表示されているが、未達成タスクと明瞭に区別できれば表示形態は限定されない)。
【0278】
なお、本実施形態において、第3実施形態に記載したフィルタリング機能を使用すれば、例えば、政党のマニフェストに関する思考構造図の場合に、「出産・育児手当てを払いましょう」という政策が要素としてあったとして、「投票者の性別」で「女性」をフィルタリングしたり、あるいは若年層のみに限ってフィルタリングしたりすればその要素は非常に大きく表示される。あるいは「年金政策」という要素があったとして、仮に〇〇党が「年金支給額を増やします」と意思表示していた場合には、高齢者のみに限ってフィルタリングすれば「この要素は〇〇党支持である」の得票数が大幅に増え、「〇〇党支持」の要素として表示される。しかし、若年層にのみ限ってフィルタリングすれば「この要素は〇〇党不支持である」の得票数が大幅に増え、「〇〇党不支持」の要素として再表示される。
【0279】
本実施形態によれば、本発明の技術思想を他の分野である政策作りなどにおける構造化に適用できる。なお、本実施形態では政策作りについて説明したが、大きな項目から小さな項目へと枝分かれする情報や思考の管理であればこれに限定されない。例えば、予算管理や一個人のマインドマップでもよい。本実施形態によれば、情報をカテゴリ別に分類することで、ユーザが一目で複雑な情報が理解できるよう見やすく整理整頓することができる。
【0280】
[第15実施形態]
次に、本発明の第15実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態から第5実施形態と比べると、本発明の技術思想を、開発の進捗状況の把握などのタスクマネージメント(管理)に適用する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0281】
<ユーザ端末の表示画面>
(開発の進捗状況)
図35Aは、ユーザ端末3510の表示画面3511を示す図である。表示画面3511には対戦ゲーム開発プロジェクトの進捗状況を示す構造図が表示されている。プロジェクト全体の進捗状況アイコン3512を"主題"として表示し、特定の要素開発を請け負った各グループやメンバーのタスク3513を各"周辺要素"として表示する。各グループやメンバーのタスク3513の進捗度合は、格子模様3514("肯定:達成度合"に相当)または斜線模様3515("否定:未達成度合"に相当)で示される。下位のタスクの進捗度合が上位のタスクの進捗度合にそのまま影響する。すなわち、下位の全タスクが開発を終了した時点で、上位の開発タスクが終了することになる。
【0282】
図35Bは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末3510の表示画面3522を示す図である。ユーザ端末3510の表示画面3522は、下位のタスクの進捗度合の増加3516が上位の進捗状況に反映する様子を示している。上位のタスクに行くほど進捗度合への反映が小さくなる。
【0283】
図35Cは、本実施形態に係る情報処理システムにおけるユーザ端末3510の表示画面3533を示す図である。ユーザ端末3510の表示画面3533は、1つのグループ(メンバー)のタスク3517の進捗度合が100%(完了)となった場合を示している。完了したタスク3517は、識別可能に表示される。本実施形態では半透明で表示されているが、未達成タスクと明瞭に区別できれば表示形態は限定されない。
【0284】
本実施形態によれば、プロジェクトの進捗状況をわかりやすく可視化できる。
【0285】
[第16実施形態]
次に、本発明の第16実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、上記実施形態と比べると、企業の相対評価を可視化する点で異なる。その他の構成および動作は、他の実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0286】
<ユーザ端末の表示画面>
(企業の評価)
図36Aは、本実施形態に係る情報処理システムにおける複数企業の評価結果の対比を表したユーザ端末3610の表示画面3611を示す図である。
【0287】
表示画面3611は、複数の乗用車ブランドの価格と信頼性との評価結果を要素として、それぞれ縦軸と横軸とに取って配置した2次元のグラフである。また、各乗用車ブランドの要素のサイズは、その売上を示している。
【0288】
表示画面3611において、複数の乗用車ブランドの要素の1つである企業アイコン3612をクリックすると、図36Bの表示画面3622が表示される。
【0289】
表示画面3622は、選択された企業の評価を思考構造的に表す。表示画面3622においては、企業の評価を決める要素として、例として5つの大要素(売上額、車の燃費、安全性、環境対策、社内環境)をリンクさせている。さらに、大要素に関連する小要素がリンクしている。表示画面3622では、乗用車ブランド要素(主題)と大きな要素と小さな要素との3階層しか示していないが、さらに詳細な要素を多階層にリンクしてもよい。
【0290】
操作性、乗り心地や、社員の働きやすさなどについては、ユーザ端末3610から各要素の肯定的評価や否定的評価への投票の集計結果が影響する。必ずしも投票に限らず、統計等のその他の要因によって決定されてもよい。
【0291】
図36Cは、本実施形態に係るユーザ端末3610の表示画面3633における評価結果の修正操作例を示す図である。
【0292】
表示画面3633において、乗用車ブランド要素の2次元グラフ上での位置を移動して、価格と信頼性とを変更することが可能である。しかしながら、その移動距離は、その乗用車ブランド要素への投票総数に反比例する。このように、図36Bのような細かな評価要素を集計する構成であっても、図36Cのように、乗用車ブランド要素へ全体評価(投票)を反映させる構成であってもよい。
【0293】
なお、本実施形態では会社の評価について説明したが、評価対象は企業の評価と同様の属性を持つものであればこれに限定されない。例えば、食品や薬品でもよい。本実施形態によれば、登場するそれぞれの周辺要素を比較し、パラメータ付けをし、ユーザが一目で複雑な情報が理解できるよう見やすく整理整頓することができる。また、図36A図36Bに示された実施形態は必ずしもセットで用いられる必要は無く、それぞれ単独で用いることも可能である。例えば図36Bは単体で用いることで家計管理などにおける構造化に適用できる。
【0294】
[第17実施形態]
次に、本発明の第17実施形態に係る情報処理システムについて説明する。上記第2実施形態から第7実施形態が「中心要素(主題、命題)←周辺要素」という構造であったのに対して、本実施形態は、「中心要素(主題、命題)→選択肢←周辺要素」という構造である点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第7実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0295】
<ユーザ端末の表示画面>
図37Aは、ユーザ端末3710の表示画面3711を示す図である。表示画面3711は、初期の思考構造図を示している。
【0296】
表示画面3711においては、主題("本日の昼ごはんは何にする?")3712の周囲に4つの選択肢3713を生成すると、4つの選択肢3713に共通する共通周辺要素が自動生成されて表示される。表示画面3711では、選択肢3713は、"イタリア料理"、"ファーストフード"、"和食"、"食べない"の4つである。表示画面3711では、"食事時間"と"料金"と"栄養"が共通周辺要素3714であり、さらに栄養の下位に"カロリー"が共通周辺要素3715として自動表示される。このように構成することで、思考構造図を作成するユーザによる操作を簡素化している。共通周辺要素はユーザの任意で追加・削除されてもよい。
【0297】
図37Bは、完成時の思考構造図を表示した表示画面3721を示す図である。表示画面3721では、各選択肢3713に独自にリンクする独自周辺要素として、店までの距離を示す周辺要素3724などが追加され表示される。その他、周辺要素3724として、「栄養(栄養学の見地からの情報)」、「当日の気分」、「前日の食事の種類」、「食事に充てられる昼休みの時間の長さ」、「イタリア料理の利点」、「ファーストフードの準備時間の早さ」などを追加してもよい。周辺要素3724に、さらに下位の周辺要素3725をリンクさせてもよい。表示画面3721においては、例えば、周辺要素3714である「栄養」に下位の周辺要素3725である「カロリー」、「脂肪」、「ビタミン」などをリンクさせている。ユーザは、表示画面3721を参照して、選択肢3713に投票する。その際に1813に紐付けられた情報を提供する周辺要素3714や、さらに下位の周辺要素1815を参照する。選択肢3713への投票結果は、選択肢3713のサイズによって表現される。すなわち、「中心要素(主題、命題)→選択肢←周辺要素」という構造である。
【0298】
このように、本実施形態の「中心要素(主題、命題)→選択肢←要素」型の思考構造図の場合、それぞれの選択肢3713に対し「独立した独占的な周辺要素3714」を持つことができる。例えば、"オリーブは身体によい"という周辺要素があれば、これは明らかに選択肢の"イタリア料理"にしか関連性が無いので、思考構造図としては"イタリア料理"という選択肢3713に"オリーブは身体によい"という周辺要素3714が直結しているほうが見やすくなる。また、同一要素の比較、順位表示、具体的なパラメータ表示ができ、視覚的に効率的な比較が可能になる。
【0299】
本実施形態によれば、複数の共通したパラメータを持つであろう選択肢を「共通周辺要素」として各「選択肢要素」の子要素として接続し、比較・検討できる。他の思考構造図の場合には、各選択肢が複数の共通したパラメータを持つケースは一般的ではない。例えば「地動説は正しい!」と「天動説は正しい!」はそれぞれの意見を支持する別個の周辺要素はあれど、同一のパラメータにおいて競い合う、という状況は考えづらい。本実施形態を他の実施形態と差別化するポイントになる。
【0300】
本実施形態では、画面は下記の4種類のノードとリンクで構成される。
中心要素 検討事項、議題がそれにあたる
選択肢要素 中心要素の検討事項に応じた選択肢を示したもの
共通周辺要素 各選択肢要素において共通したカテゴリを示したもの
独自周辺要素 その選択肢要素においてのみ適用できる特殊な要素
【0301】
この4種類の要素(ノード)それぞれの種類に応じて、色や形状が異なり、見やすい思考構造図となるのが望ましい。共通周辺要素については「値段」と「栄養バランス」、「待ち時間」などなどでそれぞれ別の色や形状などが付与されており、一目見ただけで比較・検討できるようにしてもよい。同じ周辺要素があり、それぞれの選択肢において比較されるべきである。「値段」「栄養バランス」「味」「店までの距離」「待ち時間」「体調」「好き嫌い」...など、共通するパラメータにおいて比較・検討できる。
【0302】
同じ周辺要素に関しては一つをマウスオーバーすると、他の同様の周辺要素もハイライトされる。周辺要素の大きさ(必ずしも大きさでなくてもよい)もしくは周辺要素の周囲の円グラフに数値化されたパラメータとして表示される。例えば大きさは「検討事項におけるその要素の重要性」、円グラフは「数値化されたパラメータ」(例:「値段」という要素は重要なので比較的大きく、円グラフは「平均的な価格」を示す、など)を指し示す、といった使い方もできる。周辺要素をクリックすると、その周辺要素における各選択肢要素の順位が表示される構成でもよい。あるいは各周辺要素は同一内容の物(共通周辺要素)ごとに色味や形状が決定されていて(「食事時間」のノードは黄色、など)、それぞれのノード内に具体的な数値が入力されていてもよい。それぞれの同一内容の周辺要素ごとに順位に応じたスコアが設定され、その順位に応じたスコアの合計値が表示されてもよい。
【0303】
本実施形態の思考構造図を作成した際には、それぞれの選択肢要素の周辺に自動的に複数の共通周辺要素が生成される。その内の一つの周辺要素に入力した内容(ここでの内容とは「値段」「栄養バランス」「味」などの共通カテゴリのことであり、その要素に格納される「値」ではない)は、それ以外の選択肢要素に接続された同一の周辺要素にも同じ内容が入力される。例えば、「本日の昼ごはん」という検討事項を中心要素に据えた思考構造図を作成しようと考えた場合に、自動的に作成された空白の共通周辺要素には「値段」というカテゴリ内容を与える。そうするとその共通周辺要素に対応した他の選択肢要素に接続された共通周辺要素にも「値段」というカテゴリ内容が付与される。独自周辺要素は「独自要素(あるいは○○のメリット、という表記でもよい)」と銘打たれた周辺要素の子要素として接続される。ポジティブな要素かネガティブな要素かを思考構造図生成時に設定できても良く、後に説明する「影響度が高い」/「影響度が低い」の投票結果を踏まえて、各選択肢要素の評価に影響を及ぼしてもよい。
【0304】
影響度を投票で決定することもできる(影響度は要素の大きさなどの方法で視覚的に明示される)。つまり、「影響度が高い」/「影響度が低い」の選択肢に投票させることにより、各周辺要素はその影響度が決定され、それが周辺要素の大きさに反映されてもよい。円グラフの部分はパラメータの値を示すので、実際に数値を直接入力してもよいし、あるいは「A~E」の五段階評価(必ずしも五段階でなくてもよい。六段階でも三段階でもよい。)を入力する(例えば「栄養バランス」であれば五段階評価の方が好ましい)などしてもよい。食事時間や料金などは固定額なので、それらは要素周辺の円グラフで表示される(各ノード内にその数値が表示されてもよい)。栄養バランスであれば「A~E」の五段階評価が円グラフで表示されてもよい(円弧を5分割して、上のランク程「肯定」の色合いの比率が増える、など)。
【0305】
各周辺要素はそのカテゴリや性格に応じて、固定化されたパラメータを持つ場合と、閲覧ユーザの投票を以ってそのパラメータが決する場合の両方が考えられる。例えば、「値段」というカテゴリの周辺要素であれば、それはそのレストランでの平均的な食事価格を入力すれば良く、そこに閲覧ユーザ間での議論の余地は無いので固定化されたパラメータとなる。一方で「味」というカテゴリの周辺要素であれば、それはそれぞれのレストランに対するそれぞれの閲覧ユーザの評価は当然異なるわけで、その際には「A~E」の五段階評価(必ずしも五段階でなくてもよい。六段階でも三段階でもよい)を選択肢として入力し、それを集計しパラメータを決定することも考えられる。
影響度×各周辺要素の周囲にある円グラフに格納された値=その周辺要素のスコア
【0306】
階層化された周辺要素の投票結果・パラメータの集計にはタスクマネジメントの様な下位の周辺要素への結果が上位の周辺要素に影響を及ぼしていく(ただし、上位に行くに従って、その影響度は下がっていく)ような方法が用いられてもよい。
【0307】
各周辺要素のスコアの合計値が各選択肢要素の大きさに反映される。その上で、検討事項によっては閲覧ユーザによる各選択肢要素への投票も行われてもよい。それは外周の円グラフに現れる。もちろん、逆に大きさが投票結果、円グラフが各周辺要素のスコアの合計値であってもよい。
【0308】
思考構造図に記載の情報を表に変換する事も可能であり、逆に最初に表を作り、それが自動的に思考構造図に変換されてもよい。例えば、下記のような表を入力すると、自動的に思考構造図が作成される構成でもよい
主題 |選択肢要素 |評価項目 |
| | |
本日の昼ご飯は何にするか |イタリア料理 |栄養 |
|ファストフード|料金 |
|和食 |待ち時間 |
| |店までの距離 |
| | |
| | |
【0309】
[第18施形態]
次に、本発明の第18実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、選択肢要素を配置する点で上記実施形態と異なる。その他の構成および動作は同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0310】
<ShareBサーバの機能構成>
図38は、本実施形態に係る情報処理装置としてのShareBサーバ3810の機能構成を示すブロック図である。
【0311】
ShareBサーバ3810は、選択肢要素取得部3803と、選択肢要素表示指示部3813と、データベース3811と、思考構造図生成部3805と、を備える。選択肢要素取得部3803は、ユーザがユーザ端末から入力した選択肢要素を受信して取得し、データベース3811に主題に関連付けて格納する。選択肢要素表示指示部3813は、取得した選択肢要素を中心要素としての主題の表示位置とリンクにより紐付いた位置に表示するようユーザ端末に指示する。データベース3811は、データベース311の内容に加えて選択肢要素を格納する。思考構造図生成部3805は、思考構造図生成テーブル3851を有し、主題と選択肢要素と周辺要素とリンクとを関連付けて配置することにより思考構造図を生成する。
【0312】
なお、本実施形態では、選択肢要素を周辺要素と区別して説明したが、選択肢要素を中心要素としての主題にリンクする第1周辺要素と見なし、選択肢要素にリンクする周辺要素を第2周辺要素と見なすこともできる。その場合は、思考構造図が表現する内容は違っているが、中心要素と第1周辺要素および第2周辺要素との各要素の構造は同様であると見なしてもよい。
【0313】
(思考構造図生成テーブル)
図39は、本実施形態に係る思考構造図生成テーブル3851の構成を示す図である。思考構造図生成テーブル3851は、共通周辺要素を記憶する共通要素テーブル3950と思考構造図の構成を示す構成テーブル3960とを含む。
【0314】
共通周辺要素を記憶する共通要素テーブル3950は、複数の選択肢要素に関する共通周辺要素を生成して表示するために使用される。共通周辺要素を記憶する共通要素テーブル3950は、主題内容3951に対応付けて選択肢要素の組3952を記憶する。そして、選択肢要素の組3952のそれぞれに対応付けて共通周辺要素3953を記憶する。共通周辺要素3953には、周辺要素の内容と、選択肢要素とのリンクと、を含む。
構成テーブル3960は、思考構造図ID561に対応付けて、中心要素としての主題562と関連する選択肢要素3963と、選択肢要素3963と関連する周辺要素3964と、を記憶する。選択肢要素3963は、選択肢要素の内容と、表示位置と、主題とのリンクと、を含む。選択肢要素の選択に参照される周辺要素3964は、周辺要素の内容と、表示位置と、選択肢要素とのリンクと、を含む。
【0315】
(思考構造図生成処理の手順)
図40Aは、本実施形態に係る思考構造図生成処理の手順を示すフローチャートである。ShareBサーバ3810は、ステップS4001において、選択肢要素の設定を受信したか否かを判定する。選択肢要素の設定を受信した場合、ShareBサーバ3810は、ステップS4003において、選択肢要素を設定してデータベースに保存し、設定したユーザ端末の思考構造図への追加表示を指示する。ShareBサーバ3810は、ステップS4005において、複数の選択肢要素に共通の共通周辺要素が共通要素テーブル3950に格納されているか否かを検索して、格納されていれば共通周辺要素と選択肢要素とのリンクとを取得する。そして、ShareBサーバ3810は、ステップS4007において、共通周辺要素と選択肢要素とのリンクとを思考構造図生成テーブル3851の構成テーブル3960に格納し、データベースに保存して、設定したユーザ端末の思考構造図への追加表示を指示する。
【0316】
(投票結果の集計処理および思考構造図への反映処理の手順)
図40Bは、本実施形態に係る投票結果の集計処理の手順および思考構造図への反映処理の手順(図15のAのS1513およびS1515に対応)を示すフローチャートである。
【0317】
ShareBサーバ3810は、ステップS4041において、投票対象が選択肢要素か否かを判定する。投票対象が選択肢要素であれば、ShareBサーバ3810は、ステップS4043において、対象要素である選択肢要素の総投票数に1を加える。次に、ShareBサーバ3810は、ステップS4045において、ステップS1525からS1537の処理と同様の処理を選択肢要素に対して行う。ShareBサーバ3810は、ステップS4047において、選択肢要素への投票結果の、主題あへの反映処理を行ってもよい。なお、反映処理は、思考構造図の生成・編集時などに、反映させるか否かを決めてもよい。
【0318】
ShareBサーバ3810は、ステップS4071において、選択肢要素への投票であって投票を選択肢要素の表示に反映させるか否かを判定する。選択肢要素の表示に反映させる場合、ShareBサーバ3810は、ステップS4072において、対象要素である選択肢要素への投票の有効総数を取得する。そして、ShareBサーバ3810は、ステップS4073において、投票の有効総数に対応する対象選択肢要素の表示サイズあるいは不透明度などを設定する。ShareBサーバ3810は、ステップS4074において、対象選択肢要素の肯定投票率および否定投票率を取得する。そして、ShareBサーバ3810は、ステップS4075において、対象選択肢要素における肯定率の表示サイズおよび否定率の表示サイズを設定する。ShareBサーバ3810は、ステップS4076において、対象選択肢要素の表示サイズを修正し、対象選択肢要素の肯定率の表示サイズおよび否定率の表示サイズを修正し、対象選択肢要素の表示画像を生成する。
【0319】
本実施形態によれば、ユーザが思考構造図から一目で情報を整理してその思考傾向を把握することができる。特に、「選択肢要素」「共通周辺要素」を設ける事で、同一のパラメータを複数共有する性質の似通った選択肢の情報を整理整頓し、比較・検討する一助となる。
【0320】
なお、各要素について、種別に応じて別の形状や色を付与することにより、見やすい思考構造図を作成可能である。共通周辺要素に関しては、同一の物の一つにマウスオーバーをすると、他の選択肢要素に接続された同一の共通周辺要素も一緒にハイライトされる構成でもよい(例えば、ファストフードに接続された「料金」の周辺要素にマウスオーバーすると、イタリア料理や和食に接続された「料金」の周辺要素も一緒にハイライトされる)。例えば、要素の大きさは「検討事項におけるその要素の重要性」、円グラフは「数値化されたパラメータ」を指し示す、といった使い方もできる。共通周辺要素をクリックすると、その共通周辺要素における各選択肢要素の順位が表示されてもよい。各周辺要素は同一内容の物(共通周辺要素)ごとに色味や形状が決定され(「食事時間」のノードは黄色、など)、それぞれのノード内に具体的な数値が入力されていてもよい。
【0321】
共通周辺要素ごとに順位に応じたスコアが設定され、その順位に応じたスコアの合計値と、独自周辺要素に設定されたスコアの合計値が選択肢要素の大きさや円グラフに影響を及ぼしてもよい。自動生成ではない、ユーザの任意による共通周辺要素の生成の場合は、一つの共通周辺要素に「料金」というカテゴリテーマを入力した場合には、他の選択肢要素に接続された同一の共通周辺要素に同じく「料金」というカテゴリテーマが入力される。独自周辺要素はポジティブな要素かネガティブな要素かを思考構造図生成時(編集時)に設定できても良く、後に説明する「影響度が高い」/「影響度が低い」の投票結果を踏まえて、各選択肢要素の評価に影響を及ぼしてもよい。
【0322】
[他の実施形態]
なお、上記実施形態において、周辺要素は必ずしも円形である必要はなく、中心要素も角丸長方形である必要はなく、種々の形状が採用可能である。ただし、周辺要素と中心要素との形状など、思考構造図内において、各要素がその機能に応じて視認しやすく識別可能であることが望ましい。各要素(ノード)を結ぶ線(リンク)は必ずしも上記実施形態で図示されたような直線である必要はなく、曲線であることや、線同士が交わる重なる等の状況においては特殊な線形や、ユーザのマウスの挙動に応じて、リンクの形状・表示方法等に特殊な形態が用いられる。例えば、特定のノードにマウスオーバしているときに、そのノードに接続されるリンク以外は透明度が上がる、あるいはそのノードに接続されるリンクがハイライトされる等、ありとあらゆる可能性が考えられる。さらに、リンクは、「Y字型」や、「十字型」、「大字型」などの3つ以上の要素を結ぶリンクであってもよい。図41A~Cは、思考構造図に関する機能とその具体的内容を表にまとめたものである。図42図46は上記システムの他の機能とその具体的内容を表にまとめたものである。
【0323】
グループ化された周辺要素群をまとめて大きな一つの周辺要素と看做し、グループごとに投票などを可能にしてもよい。選択肢が3つ以上ある場合は「AかBかC」と一つだけを選択する物の他に、A、B、Cの序列を決めてもよい。円グラフを120度ずつ分割し、投票させてもよい(その際には下の部分に「情報の信憑性」投票をできるようにする、もしくはピンチイン)。3つ以上の選択肢(4、5、6...)にも思考構造図は対応している。複数の思考構造図を一つのキャンバスに表示することも可能である。それらの思考構造図は必ずしもリンクしている必要は無い。それらをまとめてリンクし大きな命題・主題を設定することも可能である。思考構造図のスクリーンショット等を、他SNSに簡単に表示させる機能を備えてもよい。タグのみならず、ノードの種類によるノードの検索を行ってもよい。同一もしくは類似ノードを思考構造図内に持つ思考構造図を検索できる機能を有してもよい。同一もしくは類似思考構造図を検索・比較できる機能を有してもよい。各ノードを特殊クリックすると、そのノードに関する議論のみ抽出し、スレッド式コメント欄を表示する機能を備えてもよい。
【0324】
思考構造図そのものを別の思考構造図の中心要素、あるいは周辺要素として格納することもできる。ノードをクリック、マウスオーバーなどする事で詳細確認ウィンドウ(SNSなどの反応付き)が表示されてもよい。新規思考構造図作成時に「おすすめの記事・情報」としてニュースサイトなどの情報を情報要素候補として持ってきてくれる自動処理機能、同じ(もしくは非常に近い)情報ノードを持つ、別の議題の思考構造図との連結や比較、参照などを勧めてもよい。各情報要素に対して横断検索できてもよい。リンク・要素(ノード)を自動配置する機能を有してもよい。情報要素として用いられたニュースなどの文章の一部をハイライトしてもよい。思考構造図の表示方法も必ずしも2次元的な表示に留まらない。3次元的な表示やホログラム、VR、ARなどによる表示をしてもよい。ブラウザ拡張機能・アプリを用いて、ワンタッチでの思考構造図に戻る・気に入ったニュースソースの取り込み機能を備えてもよい。
【0325】
各思考構造図について異なる公開設定が可能でもよく、各思考構造図のアクセス権限の管理を行ってもよい。登録ユーザのみに解放されたスレッド形式のコメント投稿機能(登録ユーザ以外でも閲覧は可能)、各コメントと思考構造図構成要素を対応させるタグ機能などを備えてもよい。また、各コメントにマウスオーバーなどで対応した思考構造図構成要素と同じタグを持つコメントがハイライトされる機能(逆に構成要素にマウスオーバー(など)をするとそれに対応したコメントがハイライトされる)を備えてもよい。
【0326】
コメント内でウェブリンク、画像などのアップロードなどを可能にし、その思考構造図を編集する権限のあるユーザはそのコメントのリンクや画像などをドラッグアンドドロップや、「思考構造図に追加する機能を持つボタン」をクリックすることで思考構造図に追加できる機能を備えてもよい。
【0327】
画面外からの画像・URLなどのドラッグアンドドロップ→構成要素への変換が可能でもよい。複数の画像を同時にドラッグアンドドロップした際には「単一の周辺要素とする」か「それぞれを独立した周辺要素とする」かを選択可能でもよい。構成要素は主題に近ければ近いほど大きくなり、末端に行くほど小さく表示される機能を備えてもよい。思考構造図の構成要素は自動的にタグ化され、コメントウィンドウでのコメントをする際のタグ付けに反映される機能を備えてもよい。思考構造図の構成要素へのコメント機能(画面右側のコメントスレッドに表示される)、マウスオーバー(もしくは、ロングタップ)などすると、その構成要素へのコメントがポップアップ表示され、それをクリックすると画面右側のコメントスレッドの中の該当コメントへスクロールする機能を備えてもよい。
【0328】
構成要素をクリックなどすると、その構成要素の詳細確認ウィンドウが開き、それと同時にコメント欄においてはその当該構成要素のタグを持つコメント以外のコメントが省略され、その当該構成要素について閲覧ユーザが投稿したコメントのみが表示される(それに加えて、主題そのものに対応したタグを持つコメントも同時に表示される可能性あり。重要なのは当該構成要素に関連したコメントを抽出し、それ以外を一時的に省略表示する)ようになる機能を備えてもよい。
【0329】
ズームアウトすると、基本的には普通に縮小されていき、ある一定以上縮小されると各思考構造図の主題・グループ名などが表示される。その状態では各思考構造図を構成要素と見立てて、他の思考構造図と結びつけ、スケールの大きな思考構造図編集が可能になる機能を備えてもよい。年齢・性別・地域などで、同一IPからの投票もあえて受け付け、それを複数回カウントしてもよい。しかしながら,フィルタリング機能で「同一IPからの投票を一回とカウントする」オプションを用意してもよい。投票ユーザを投票内容(賛成・反対)に応じてグループ分けし、ハイライトする機能を有してもよい。
【0330】
上記実施形態によって、本願発明を適用した種々の分野の処理とその効果を説明したが、例えば、集合図の生成、イメージボード上の資料の整理整頓、フローチャートの作成などにも適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0331】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0332】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に供給され、内蔵されたプロセッサによって実行される場合にも適用可能である。本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるサーバも、プログラムを実行するプロセッサも本発明の技術的範囲に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の技術的範囲に含まれる。
【0333】
この出願は、2022年08月30日に出願された日本出願特願2022-137221を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図25A
図25B
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27A
図27B
図27C
図27D
図28A
図28B
図28C
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図34C
図35A
図35B
図35C
図36A
図36B
図36C
図37A
図37B
図38
図39
図40A
図40B
図41A
図41B
図42
図43
図44
図45
図46