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特開2025-112152電動車両の制御方法及び電動車両システム
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  • 特開-電動車両の制御方法及び電動車両システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025112152
(43)【公開日】2025-07-31
(54)【発明の名称】電動車両の制御方法及び電動車両システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 1/00 20060101AFI20250724BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250724BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250724BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20250724BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250724BHJP
【FI】
B60L1/00 L
B60L50/60
B60L58/12
B60L58/16
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
H02J7/00 302C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006278
(22)【出願日】2024-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅木 志保
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA11
5G503CB06
5G503CB11
5G503DA07
5G503DA08
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125BB05
5H125BB09
5H125BC25
5H125BC29
5H125EE22
5H125EE23
5H125EE25
5H125EE29
(57)【要約】
【課題】弱電バッテリのバッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させる電動車両の制御方法及び電動車両システムを提供する。
【解決手段】駆動モータ3及び補機6に電力を供給する強電バッテリ1と、強電バッテリ1と補機6との間に介在し、強電バッテリ1からの電力を変換して補機6に供給するDC/DCコンバータ4と、補機6に電力を供給する弱電バッテリ5と、を備える電動車両の制御方法が提供される。この電動車両の制御方法では、弱電バッテリ5の劣化状態に基づき、強電バッテリ1からの電力を、弱電バッテリ5の電圧よりも高い第1の電圧値Vに変換するようにDC/DCコンバータ4を制御する通常電圧制御と、強電バッテリ1からの電力を第1の電圧値Vよりも低い電圧値Vに変換するようにDC/DCコンバータ4を制御する低電圧制御と、DC/DCコンバータ4を停止する停止制御のいずれかを実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータ及び補機に電力を供給する強電バッテリと、前記強電バッテリと前記補機との間に介在し、前記強電バッテリからの電力を変換して補機に供給するDC/DCコンバータと、前記補機に電力を供給する弱電バッテリと、を備える電動車両の制御方法であって、
前記弱電バッテリの劣化状態に基づき、前記強電バッテリからの電力を、前記弱電バッテリの電圧よりも高い第1の電圧値に変換するように前記DC/DCコンバータを制御して、前記強電バッテリからのみ前記補機に電力を供給する通常電圧制御と、前記強電バッテリからの電力を前記第1の電圧値よりも低い電圧値に変換するように前記DC/DCコンバータを制御して、前記強電バッテリからのみ、または前記強電バッテリと前記弱電バッテリの両方から前記補機に電力を供給する低電圧制御と、前記DC/DCコンバータを停止して、前記弱電バッテリからのみ前記補機に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両の制御方法であって、
前記弱電バッテリの劣化状態は、前記弱電バッテリのSOC、電流、電圧、温度、充放電電力量、充放電積算時間及び稼働時間の少なくとも一つ以上に基づき推定する、
電動車両の制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動車両の制御方法であって、
前記強電バッテリのSOCと、前記弱電バッテリの劣化状態とに基づき、前記通常電圧制御と、前記低電圧制御と、前記停止制御のいずれかを実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電動車両の制御方法であって、
前記補機に供給されている電流値が、前記弱電バッテリの出力電流に基づき設定される所定の電流値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記補機に供給されている電流値が、前記所定の電流値よりも小さい場合、前記弱電バッテリの劣化状態に基づき、前記通常電圧制御と、前記低電圧制御と、前記停止制御のいずれかを実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項5】
請求項3に記載の電動車両の制御方法であって、
前記強電バッテリのSOCが所定の値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記強電バッテリのSOCが前記所定の値より小さい場合、前記弱電バッテリの劣化状態に基づき、前記低電圧制御と、前記停止制御のいずれかを実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項6】
請求項3に記載の電動車両の制御方法であって、
前記弱電バッテリの劣化状態は、前記弱電バッテリのSOC、電流、電圧、温度、充放電電力量、充放電積算時間及び稼働時間の少なくとも一つ以上に基づき算出される劣化率であり、
前記弱電バッテリの劣化率が第1の所定値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記弱電バッテリの劣化率が前記第1の所定値より小さく、且つ、前記強電バッテリのSOCが所定の値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記弱電バッテリの劣化率が前記第1の所定値より小さく、且つ、前記強電バッテリのSOCが前記所定の値より小さい場合、
前記弱電バッテリの劣化率が、前記第1の所定値より小さい第2の所定値以上のときは、前記低電圧制御を実行し、
前記弱電バッテリの劣化率が、前記第2の所定値より小さいときは、前記停止制御を実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電動車両の制御方法であって、
前記補機に供給されている電流値が、前記弱電バッテリの出力電流に基づき設定される所定の電流値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記補機に供給されている電流値が、前記所定の電流値よりも小さい場合、
前記弱電バッテリの劣化率が第1の所定値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記弱電バッテリの劣化率が前記第1の所定値より小さく、且つ、前記強電バッテリのSOCが所定の値以上の場合、前記通常電圧制御を実行し、
前記弱電バッテリの劣化率が前記第1の所定値より小さく、且つ、前記強電バッテリのSOCが前記所定の値より小さい場合、
前記弱電バッテリの劣化率が、前記第1の所定値より小さい第2の所定値以上のときは、前記低電圧制御を実行し、
前記弱電バッテリの劣化率が、前記第2の所定値より小さいときは、前記停止制御を実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項8】
駆動モータ及び補機に電力を供給する強電バッテリと、
前記強電バッテリと前記補機との間に介在し、前記強電バッテリからの電力を変換して補機に供給するDC/DCコンバータと、
前記補機に電力を供給する弱電バッテリと、
前記DC/DCコンバータを制御するコントローラと、を備える電動車両システムであって、
前記コントローラは、前記弱電バッテリの劣化状態に基づき、前記強電バッテリからの電力を前記弱電バッテリの電圧よりも高い第1の電圧値に変換するように前記DC/DCコンバータを制御して、前記強電バッテリからのみ前記補機に電力を供給する通常電圧制御と、前記強電バッテリからの電力を前記第1の電圧値よりも低い電圧値に変換するように前記DC/DCコンバータを制御して、前記強電バッテリからのみ、または前記強電バッテリと前記弱電バッテリの両方から前記補機に電力を供給する低電圧制御と、前記DC/DCコンバータを停止して、前記弱電バッテリからのみ前記補機に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する、
電動車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の制御方法及び電動車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、補機に電力を供給する弱電バッテリ(補機用バッテリ)と、DC/DCコンバータを介して弱電バッテリに充電用電力を供給するとともに、補機に電力を供給する充電器と、を備える電気自動車用電源装置が開示されている。この電気自動車用電源装置では、弱電バッテリのSOCが所定の範囲にある場合、DC/DCコンバータを停止し、充電器から弱電バッテリ及び補機への電力供給を停止する。従って、この場合、補機には、弱電バッテリのみから電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-80689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電気自動車用電源装置では、弱電バッテリのSOCが所定の範囲にある場合、常にDC/DCコンバータを停止し、弱電バッテリから補機に電力を供給する。このため、弱電バッテリの劣化が進行し易く、バッテリ上がり等を誘発する虞がある。
【0005】
一方、車両駆動モータ用の強電バッテリから補機に電力を供給することも可能であるが、例えば強電バッテリのSOCが小さい場合等において、強電バッテリから補機に電力を供給すると、車両の航続距離(1回の充電で走行できる距離)が減少する虞がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みたものであり、弱電バッテリのバッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させる電動車両の制御方法及び電動車両システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、駆動モータ及び補機に電力を供給する強電バッテリと、強電バッテリと補機との間に介在し、強電バッテリからの電力を変換して補機に供給するDC/DCコンバータと、補機に電力を供給する弱電バッテリと、を備える電動車両の制御方法が提供される。この電動車両の制御方法では、弱電バッテリの劣化状態に基づき、強電バッテリからの電力を、弱電バッテリの電圧よりも高い第1の電圧値に変換するようにDC/DCコンバータを制御して、強電バッテリからのみ補機に電力を供給する通常電圧制御と、強電バッテリからの電力を第1の電圧値よりも低い電圧値に変換するようにDC/DCコンバータを制御して、強電バッテリからのみ、または強電バッテリと弱電バッテリの両方から補機に電力を供給する低電圧制御と、DC/DCコンバータを停止して、弱電バッテリからのみ補機に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、弱電バッテリの劣化状態に基づき、強電バッテリからのみ補機に電力を供給する通常電圧制御と、強電バッテリからのみ、または強電バッテリと弱電バッテリの両方から補機に電力を供給する低電圧性制御と、弱電バッテリからのみ補機に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する。このように、弱電バッテリの劣化状態に応じて電圧制御を実行するため、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させることができる。即ち、弱電バッテリが劣化している場合には通常電圧制御を実行して弱電バッテリのバッテリ上がり等を防止することができ、弱電バッテリが劣化していない場合や劣化が少ない場合には、停止制御または低電圧制御を実行して、航続距離を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態による電動車両の制御方法が用いられる電動車両システムの概略構成図である。
図2図2は、充放電電力量と劣化率のマップである。
図3図3は、充放電積算時間と劣化率のマップである。
図4図4は、本実施形態の電圧制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態による電動車両の制御方法が用いられる電動車両システム100の概略構成図である。図1に示すように、電動車両システム100は、強電バッテリ1、駆動モータ2、駆動輪3、DC/DCコンバータ4、弱電バッテリ5、補機6、コントローラ10を含む。なお、電動車両システム100は、電動車両に搭載されるが、ここでいう電動車両には、BEV(Battery Electric Vehicle)のみならず、HEV(Hybrid Electric Vehicle)等も含む。
【0012】
強電バッテリ1は、駆動モータ2に接続されており、車両の駆動時等に不図示のインバータを介して駆動用の電力を駆動モータ2に供給する。また、車両の制動時において、強電バッテリ1には、駆動モータ2で発生した回生電流がインバータを介して供給され、これにより強電バッテリ1が充電される。また、強電バッテリ1は、後述するDC/DCコンバータ4を介して弱電バッテリ5及び補機6にも電力供給可能に接続されている。即ち、強電バッテリ1は、弱電バッテリ5に充電用の電力を供給し、補機6に、補機6を駆動するための電力を供給する。このように、強電バッテリ1は、駆動モータ2、弱電バッテリ5、及び補機6に電力を供給可能に構成されている。
【0013】
駆動モータ2は、シャフトを介して駆動輪3に連結されており、強電バッテリ1からの電力供給を受け、回転駆動する。駆動モータ2において発生した回転トルクは、シャフトを介して駆動輪3に伝達され、これにより電動車両は走行する。
【0014】
DC/DCコンバータ4は、強電バッテリ1と、弱電バッテリ5及び補機6との間に介在している。詳細には、DC/DCコンバータ4は、強電バッテリ1に接続するラインと、分岐して弱電バッテリ5と補機6とに接続するラインとに接続されている。DC/DCコンバータ4は、後述するコントローラ10の制御に基づき、強電バッテリ1からの電力(直流電圧)を変換して、弱電バッテリ5及び補機6に供給する。
【0015】
弱電バッテリ5は、強電バッテリ1よりも電圧の低いバッテリであり、補機6に電力を供給する。弱電バッテリ5は、補機6と、強電バッテリ1とに分岐接続するラインに接続されており、弱電バッテリ5と強電バッテリ1との間には、DC/DCコンバータ4が介在している。DC/DCコンバータ4が停止された場合、または、強電バッテリ1から出力される電力が、DC/DCコンバータ4により弱電バッテリ5よりも低い電圧に降圧される場合、弱電バッテリ5から補機6に電力が供給される。一方、強電バッテリ1から出力される電力が、DC/DCコンバータ4により弱電バッテリ5よりも高い電圧に調整されている場合、強電バッテリ1の電力が弱電バッテリ5に供給され、弱電バッテリ5が充電される。なお、弱電バッテリ5には、弱電バッテリ5のSOC、電流、電圧、温度等を検出可能な各種センサが備えられており、各種センサにより検出された値は、後述のコントローラ10に送信される。
【0016】
補機6は、例えば、ワイパー、ライト、エアーコンディショナー、オーディオ等の機器を含む。補機6は、強電バッテリ1、弱電バッテリ5の一方、または両方からの電力供給を受けて作動する。なお、強電バッテリ1(DC/DCコンバータ4)と弱電バッテリ5とを接続するラインから分岐して補機6に接続されるライン上には、補機6に供給される電流を検出する不図示の電流センサが備えられている。当該電流センサにより検出された電流値は、後述のコントローラ10に送信される。
【0017】
コントローラ10は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備え、後述する各処理を実行可能となるようにプログラムされたコンピュータにより構成される。なお、コントローラ10を、各処理を分散して実行する複数のコンピュータハードウェアにより構成することも可能である。
【0018】
コントローラ10は、DC/DCコンバータ4の動作を制御し、強電バッテリ1から出力される電力の電圧を所望の電圧に変換する電圧制御を実行する。具体的には、弱電バッテリ5の劣化状態に基づき、以下で説明する通常電圧制御、低電圧制御、停止制御のいずれかを実行する。
【0019】
通常電圧制御は、弱電バッテリ5の劣化が最も進行している場合に用いられる制御である。通常電圧制御において、コントローラ10は、強電バッテリ1からの電力を、弱電バッテリ5の電圧よりも高い所定の電圧値(第1の電圧値)Vに変換するようにDC/DCコンバータ4を制御する。これにより、補機6には、強電バッテリ1のみから電力が供給される。従って、弱電バッテリ5の劣化の進行が抑制される。また、通常電圧制御においては、強電バッテリ1から弱電バッテリ5にも電力が供給され、弱電バッテリ5が充電される。
【0020】
なお、本実施形態では、強電バッテリ1が満充電に近い状態等、強電バッテリ1のSOCに余裕がある場合には、弱電バッテリ5の劣化状態にかかわらず通常電圧制御が実行される。即ち、強電バッテリ1のSOCに余裕がある通常状態では、通常電圧制御が実行される。これにより、弱電バッテリ5の劣化の進行がより抑制される。一方、強電バッテリ1のSOCが少ない場合には、弱電バッテリ5の劣化がそれほど進行していないときは、低電圧制御または停止制御を実行することで、強電バッテリ1から補機6への電力供給を抑制する。これにより、車両の航続距離が向上する。強電バッテリ1のSOCに余裕があるか否かは、例えば、強電バッテリ1のSOCに閾値(所定の値)SOCthを設け、強電バッテリ1のSOCが閾値SOCth以上であるか否かにより判断する。
【0021】
また、本実施形態では、補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ith以上の場合にも、弱電バッテリ5の劣化状態にかかわらず通常電圧制御が実行される。ここで所定の電流値Ithは、弱電バッテリ5の出力電流に基づき、弱電バッテリ5から通常出力し得る電流値以下に設定される。例えば、補機6に含まれるワイパー等のアクチュエータが作動している場合、補機6には、所定の電流値Ithよりも大きな電流が供給されている。この場合に、弱電バッテリ5のみから補機6に電力を供給するようにすると、電力不足となり、アクチュエータの応答遅れが発生する虞がある。従って、補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ith以上の場合、通常電圧制御を実行し、強電バッテリ1から補機6に電力を供給する。これにより、補機6への供給電力不足が防止され、アクチュエータの応答遅れを防止することができる。
【0022】
低電圧制御は、弱電バッテリ5が劣化しつつある場合に用いられる制御である。低電圧制御において、コントローラ10は、強電バッテリ1からの電力を、第1の電圧値Vよりも低い電圧値(以下、低電圧制御電圧値とも言う)Vに変換するようにDC/DCコンバータ4を制御する。ここで低電圧制御電圧値Vが、弱電バッテリ5の電圧よりも大きい場合、補機6には、強電バッテリ1からのみ電力が供給される。これにより、弱電バッテリ5の劣化の進行が抑制される。一方、低電圧制御電圧値Vが、弱電バッテリ5の電圧以下の場合、補機6には、強電バッテリ1と弱電バッテリ5の両方から電力が供給される。この場合、弱電バッテリ5のSOCが減少し、弱電バッテリ5の電圧が低電圧制御電圧値Vよりも低くなると、弱電バッテリ5から補機6への電力供給がなくなり、補機6には、強電バッテリ1のみから電力が供給される。即ち、弱電バッテリ5の電力は、弱電バッテリ5の電圧が低電圧制御電圧値Vよりも小さくなるまでの間だけ、使用される。これにより、弱電バッテリ5の劣化の進行が抑制される。なお、低電圧制御において、低電圧制御電圧値Vを具体的に何Vに設定するかは、例えば補機6の作動状態等に基づき決定することができる。
【0023】
停止制御は、弱電バッテリ5が劣化していない場合に用いられる制御である。停止制御において、コントローラ10は、DC/DCコンバータ4を停止させる。これにより、補機6には、弱電バッテリ5からのみ電力が供給される。停止制御を実行することで、強電バッテリ1から補機6への電力供給が停止されるため、例えば、強電バッテリ1のSOCが少ない場合等に、航続距離を向上させることができる。
【0024】
なお、本実施形態において、弱電バッテリ5の劣化状態は、弱電バッテリ5のSOC、電流、電圧、温度、充放電電力量、充放電積算時間及び稼働時間の少なくとも一つ以上に基づき推定することができる。詳細には、例えば、弱電バッテリ5の満充電時の電圧と劣化率、弱電バッテリ5の充放電電力量と劣化率、充放電積算時間と劣化率、稼働時間と劣化率、弱電バッテリ5のバッテリ温度と劣化率のマップのいずれか1つ以上を用いて推定する。図2は、充放電電力量と劣化率のマップの一例であり、図3は、充放電積算時間と劣化率のマップの一例である。例えば、図2において、繰り返しの充放電電力量(ライフタイム積算値)が300kWhである場合、弱電バッテリ5の劣化率dは50%であり、図3において、充放電積算時間が10000hである場合、弱電バッテリ5の劣化率dは10%である。本実施形態では、このようにして、推定された弱電バッテリ5の劣化率dが、第1の閾値(第1の所定値)d以上の場合、通常電圧制御を実行し、弱電バッテリ5の劣化率dが、第1の閾値dより小さく、且つ第1の閾値dより小さい第2の閾値(第2の所定値)d以上の場合、低電圧制御を実行する。即ち、弱電バッテリ5の劣化が最も進行している場合に通常電圧制御を実行し、弱電バッテリ5が劣化しつつある場合に低電圧制御を実行する。また、弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値(第2の所定値)dより小さく、弱電バッテリ5がほとんど劣化していない場合には、停止制御を実行する。但し、上記した弱電バッテリ5の劣化状態の推定方法は一例であり、これに限られるものではない。
【0025】
以上の通り、電動車両システム100は、強電バッテリ1からのみ補機6に電力を供給する通常電圧制御、強電バッテリ1からのみ、または強電バッテリ1と弱電バッテリ5の両方から補機6に電力を供給する低電圧制御、または弱電バッテリ5からのみ補機6に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する。
【0026】
ところで、電動車両システムにおいて、補機への電力供給を常に弱電バッテリから行うものとすると、弱電バッテリの劣化が進行し易く、バッテリ上がり等を誘発する虞がある。一方、駆動モータ用の強電バッテリから補機に電力を供給することも可能であるが、例えば強電バッテリのSOCが小さい場合等において、強電バッテリから補機に電力を供給すると、車両の航続距離が減少してしまう虞がある。
【0027】
これに対し、本実施形態においては、弱電バッテリ5の劣化状態に基づき、強電バッテリ1からのみ補機6に電力を供給する通常電圧制御と、強電バッテリ1からのみ、または強電バッテリ1と弱電バッテリ5の両方から補機6に電力を供給する低電圧性制御と、弱電バッテリ5からのみ補機6に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する。このように、弱電バッテリ5の劣化状態に応じて電圧制御を実行するため、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させることができる。即ち、弱電バッテリ5が劣化している場合には通常電圧制御を実行して弱電バッテリ5のバッテリ上がり等を防止することができ、弱電バッテリ5が劣化していない場合や劣化が少ない場合には、停止制御または低電圧制御を実行して、航続距離を向上させることができる。
【0028】
図4は、電圧制御を説明するフローチャートである。以下の制御は、いずれもコントローラ10により、所定時間ごとに繰り返し実行される。また、コントローラ10は、各種センサにより検出された検出値を、適宜、取得する。
【0029】
イグニッションスイッチがオンにされる等して、電動車両システム100が起動された状態(起動状態)になると、コントローラ10は、電圧制御を開始する。ここでの起動状態とは、強電バッテリ1からDC/DCコンバータ4及び駆動モータ2への電力供給が可能となっている状態であり、エアーコンディショナー、オーディオ等の補機6のみが作動しているような状態(アクセサリモード)は含まれない。なお、アクセサリモードにおいては、弱電バッテリ5のみから補機6に電力が供給される。
【0030】
ステップS11において、コントローラ10は、本実施形態では、補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ithより小さいか否かを判断する。前述の通り、所定の電流値Ithは、弱電バッテリ5の出力電流に基づき設定される。補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ith以上の場合、コントローラ10は、ステップS18の処理を実行する。一方、補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ithより小さい場合、コントローラ10は、ステップS12の処理を実行する。
【0031】
補機6に、所定の電流値Ithよりも大きな電流が供給されている場合、コントローラ10は、ステップS18において、強電バッテリ1からの電力を、弱電バッテリ5の電圧よりも高い第1の電圧値Vに変換するようにDC/DCコンバータ4を制御する。即ち、通常電圧制御を実行する。これにより、強電バッテリ1からDC/DCコンバータ4を介して、弱電バッテリ5に充電電力が供給され、補機6に作動用の電力が供給される。このように、補機6に所定の電流値Ith以上の電流が供給されている場合には、通常電圧制御を実行し、強電バッテリ1から補機6に電力を供給する。これにより、アクチュエータの応答遅れを防止することができる。通常電圧制御を実行すると、コントローラ10は、再度、ステップS11からの処理を実行する。
【0032】
一方、補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ith以下の場合、コントローラ10は、ステップS12において、弱電バッテリ5の劣化状態を推定する。具体的には、前述の通り、弱電バッテリ5のSOC、電流、電圧、温度、充放電電力量、充放電積算時間及び稼働時間の少なくとも一つ以上に基づき、弱電バッテリ5の劣化率dを推定する。弱電バッテリ5の劣化率dを推定すると、コントローラ10は、ステップS13の処理を実行する。
【0033】
ステップS13において、コントローラ10は、推定した弱電バッテリ5の劣化率dが、第1の閾値dより小さいか否かを判断する。第1の閾値dは、例えば、これ以上弱電バッテリ5を使用すると、バッテリ上がり等を誘発する虞があるような値であり、実験等により予め設定することができるが、これに限られない。弱電バッテリ5の劣化率dが、第1の閾値d以上の場合、コントローラ10は、ステップS18の処理、即ち、通常電圧制御を実行する。これにより、弱電バッテリ5の劣化の進行が抑制される。通常電圧制御を実行すると、コントローラ10は、再度、ステップS11からの処理を実行する。
【0034】
一方、ステップS13において、弱電バッテリ5の劣化率dが、第1の閾値dより小さい場合、コントローラ10は、ステップS14の処理を実行する。
【0035】
ステップS14において、コントローラ10は、強電バッテリ1のSOCに余裕があるか否かを判断する。具体的には、強電バッテリ1のSOCが、閾値SOCthより小さいか否かを判断する。ここでの閾値SOCthは、補機6への電力供給源を強電バッテリ1から弱電バッテリ5に切り替えることで、ある程度航続距離が向上する(例えば、航続距離に有意な差が生じる)ようなSOCの値であり、実験等により予め設定しておくことができる。強電バッテリ1のSOCが、閾値SOCth以上であり、強電バッテリ1のSOCにある程度余裕がある場合、コントローラ10は、ステップS18の処理、即ち、通常電圧制御を実行する。これにより、弱電バッテリ5の使用頻度が減少し、弱電バッテリ5の劣化の進行がより抑制される。通常電圧制御を実行すると、コントローラ10は、再度、ステップS11からの処理を開始する。
【0036】
一方、強電バッテリ1のSOCが、閾値SOCthより小さい場合、コントローラ10は、ステップS15の処理を実行する。
【0037】
ステップS15において、コントローラ10は、推定した弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値dより小さいか否かを判断する。第2の閾値dは、例えば、バッテリ上がり等を誘発するほどではないが、弱電バッテリ5が劣化しつつあるような値であり、実験等により予め設定することができる。弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値dより小さい場合、コントローラ10は、ステップS16の処理を実行する。一方、弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値d以上の場合、コントローラ10は、ステップS17の処理を実行する。
【0038】
弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値dより小さい場合、即ち、弱電バッテリ5がほとんど劣化していない場合、コントローラ10は、ステップS16において、DC/DCコンバータ4を停止する停止制御を実行する。これにより、補機6には、弱電バッテリ5からのみ電力が供給される。ステップS16において、強電バッテリ1のSOCは閾値SOCthより小さいため(ステップS14参照)、弱電バッテリ5からのみ補機6に電力供給し、強電バッテリ1から補機6への電力供給を停止することで、車両の航続距離が向上する。ステップS16において、停止制御を実行すると、コントローラ10は、再度、ステップS11からの処理を実行する。
【0039】
弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値d以上である場合、即ち、弱電バッテリ5が劣化しつつある場合、コントローラ10は、ステップS17において、強電バッテリ1からの電力を第1の電圧値Vよりも低い低電圧制御電圧値Vに変換するようにDC/DCコンバータ4を制御する、低電圧制御を実行する。これにより、低電圧制御電圧値Vが、弱電バッテリ5の電圧よりも大きい場合、補機6には、強電バッテリ1からのみ電力が供給され、低電圧制御電圧値Vが、弱電バッテリ5の電圧以下の場合、補機6には、強電バッテリ1と弱電バッテリ5の両方から電力が供給される。ステップS17において、強電バッテリ1のSOCは閾値SOCthより小さいため(ステップS14参照)、弱電バッテリ5の電圧が低電圧制御電圧値V以上である間は、強電バッテリ1と弱電バッテリ5の両方から補機6に電力供給することで、強電バッテリ1から補機6への電力供給が抑制され、車両の航続距離が向上する。一方、低電圧制御電圧値Vが、弱電バッテリ5の電圧よりも大きい場合、補機6には、強電バッテリ1からのみ電力が供給されるため、弱電バッテリ5の劣化が抑制される。なお、前述の通り、低電圧制御電圧値Vを具体的に何Vに設定するかは、例えば補機6の作動状態等に基づき決定することができる。ステップS17において、低電圧制御を実行すると、コントローラ10は、再度、ステップS11からの処理を実行する。
【0040】
なお、コントローラ10による電圧制御は、イグニッションスイッチがオフにされるなどして、電動車両システム100が起動状態ではなくなると、随時終了する。
【0041】
上記した実施形態の電動車両の制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
【0042】
本実施形態の電動車両の制御方法によると、弱電バッテリ5の劣化状態に基づき、強電バッテリ1からのみ補機6に電力を供給する通常電圧制御と、強電バッテリ1からのみ、または強電バッテリ1と弱電バッテリ5の両方から補機6に電力を供給する低電圧性制御と、弱電バッテリ5からのみ補機6に電力を供給する停止制御のいずれかを実行する。このように、弱電バッテリ5の劣化状態に応じて電圧制御を実行するため、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させることができる。即ち、弱電バッテリ5が劣化している場合には通常電圧制御を実行して弱電バッテリ5のバッテリ上がり等を防止することができ、弱電バッテリ5が劣化していない場合や劣化が少ない場合には、停止制御または低電圧制御を実行して、航続距離を向上させることができる。
【0043】
本実施形態の電動車両の制御方法によると、強電バッテリ1のSOCと、弱電バッテリ5の劣化状態とに基づき、通常電圧制御と、低電圧制御と、停止制御のいずれかを実行する。このように、強電バッテリ1のSOCと、弱電バッテリ5の劣化状態とに応じて電圧制御を実行するため、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離をより向上させることができる。即ち、強電バッテリ1のSOCに余裕がある場合は、強電バッテリ1から補機6へ電力供給する通常電圧制御を実行することで、弱電バッテリ5の劣化の進行を抑制することができる。一方、強電バッテリ1のSOCが少なく、且つ弱電バッテリ5の劣化がそれほど進行していないときは、低電圧制御または停止制御を実行することで、強電バッテリ1から補機6への電力供給を抑制し、車両の航続距離を向上させることができる。
【0044】
本実施形態の電動車両の制御方法によると、補機6に供給されている電流値Iが、弱電バッテリ5の出力電流に基づき設定される所定の電流値Ith以上の場合、通常電圧制御を実行する。これにより、補機6への供給電力不足が防止され、アクチュエータの応答遅れを防止することができる。
【0045】
本実施形態の電動車両の制御方法によると、強電バッテリ1のSOCが閾値(所定の値)SOCth以上の場合、通常電圧制御を実行し、強電バッテリ1のSOCが閾値(所定の値)SOCthより小さい場合、弱電バッテリ5の劣化状態に基づき、低電圧制御と、停止制御のいずれかを実行する。即ち、強電バッテリ1のSOCが閾値(所定の値)SOCth以上であって、強電バッテリ1のSOCに余裕がある場合は、強電バッテリ1から補機6へ電力供給する通常電圧制御を実行する。これにより、弱電バッテリ5の劣化の進行がより抑制される。一方、強電バッテリ1のSOCが、所定の閾値SOCthより小さく、強電バッテリ1のSOCが少ない場合は、弱電バッテリ5の劣化がそれほど進行していないときは、低電圧制御または停止制御を実行する。これにより強電バッテリ1から補機6への電力供給が抑制され、車両の航続距離が向上する。従って、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離をより向上させることができる。
【0046】
本実施形態の電動車両の制御方法によると、弱電バッテリ5の劣化状態は、弱電バッテリ5のSOC、電流、電圧、温度、充放電電力量、充放電積算時間及び稼働時間の少なくとも一つ以上に基づき算出される劣化率dである。そして、弱電バッテリ5の劣化率dが第1の閾値(第1の所定値)d以上の場合、通常電圧制御を実行する。弱電バッテリ5の劣化率dが第1の閾値(第1の所定値)dより小さく、且つ、第1の閾値(第1の所定値)dより小さい第2の閾値(第2の所定値)d以上のときは、低電圧制御を実行する。また、弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値(第2の所定値)dより小さいときは、停止制御を実行する。即ち、弱電バッテリ5の劣化が最も進行している(即ち、d?d)場合に通常電圧制御を実行し、弱電バッテリ5が劣化しつつある(即ち、d≦d<d)場合に低電圧制御を実行し、弱電バッテリ5がほとんど劣化していない(即ち、d<d)場合には、停止制御を実行する。これにより、弱電バッテリ5の劣化の進行を抑制し、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させることができる。
【0047】
本実施形態の電動車両の制御方法によると、補機6に供給されている電流値Iが、弱電バッテリ5の出力電流に基づき設定される所定の電流値Ith以上の場合、通常電圧制御を実行する。補機6に供給されている電流値Iが、弱電バッテリ5の出力電流に基づき設定される所定の電流値Ithより小さい場合、弱電バッテリ5の劣化率dが第1の閾値(第1の所定値)d以上の場合、通常電圧制御を実行する。また、弱電バッテリ5の劣化率dが第1の閾値(第1の所定値)dより小さく、且つ、強電バッテリ1のSOCが閾値(所定の値)SOCth以上の場合、通常電圧制御を実行する。弱電バッテリ5の劣化率dが第1の閾値(第1の所定値)dより小さく、且つ、強電バッテリ1のSOCが閾値(所定の値)SOCthより小さい場合、弱電バッテリ5の劣化率dが、第1の閾値(第1の所定値)dより小さい第2の閾値(第2の所定値)d以上のときは、低電圧制御を実行し、弱電バッテリ5の劣化率dが、第2の閾値(第2の所定値)dより小さいときは、停止制御を実行する。これにより、アクチュエータの応答遅れを防止するとともに、弱電バッテリ5の劣化の進行を抑制し、バッテリ上がり等を防止しつつ、航続距離を向上させることができる。
【0048】
なお、本実施形態のように、強電バッテリ1のSOCに余裕がある場合には、弱電バッテリ5の劣化状態にかかわらず通常電圧制御を実行することが好ましいが、必ずしもこれに限られない。即ち、弱電バッテリ5の劣化状態のみに基づき、通常電圧制御、低電圧制御、または停止制御のいずれかを実行してもよい。
【0049】
また、本実施形態のように、補機6に供給されている電流値(実電流)Iが、所定の電流値Ith以上の場合には、弱電バッテリ5の劣化状態にかかわらず通常電圧制御を実行することが好ましいが、必ずしもこれに限られない。即ち、弱電バッテリ5の劣化状態のみに基づき、通常電圧制御、低電圧制御、または停止制御のいずれかを実行してもよい。
【0050】
また、図1で示した電動車両システム100の概略構成図は一例であり、必ずしもこれに限られない。即ち、強電バッテリ1がDC/DCコンバータ4を介して補機6に電力供給可能であり、弱電バッテリ5が補機6に電力供給可能に構成されていれば、それ以外の構成は適宜変更することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0052】
1、強電バッテリ,2、駆動モータ,3、駆動輪,4、DC/DCコンバータ,5、弱電バッテリ,6、補機,10、コントローラ,100、電動車両システム
図1
図2
図3
図4