(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011228
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】IL-12及び抗FAP抗体を含む融合タンパク質、並びにその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 19/00 20060101AFI20250116BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250116BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20250116BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250116BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20250116BHJP
C07K 14/54 20060101ALN20250116BHJP
C07K 16/18 20060101ALN20250116BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20250116BHJP
C12N 15/24 20060101ALN20250116BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20250116BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20250116BHJP
C12N 5/10 20060101ALN20250116BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20250116BHJP
【FI】
C07K19/00
A61P35/00
A61P35/02
A61K39/395 U
A61K39/395 T
A61K39/395 E
A61P37/04
C07K14/54
C07K16/18
C12N15/13
C12N15/24
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N5/10
C12P21/08
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024178237
(22)【出願日】2024-10-10
(62)【分割の表示】P 2023501232の分割
【原出願日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100229
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523005531
【氏名又は名称】カナプ セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KANAPH THERAPEUTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100211199
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 さやか
(72)【発明者】
【氏名】キム, ドンゴン
(72)【発明者】
【氏名】リュ, スミン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ダヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ドンス
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジフン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ビョン チュル
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE06
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA90X
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE01
4H045AA10
4H045BA09
4H045BA41
4H045DA02
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA10
4H045GA15
4H045GA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗がん効果を有する新規融合タンパク質を提供する。
【解決手段】IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質を提供する。該融合タンパク質は、IL-12による抗がん効果を示す。特に、抗FAP抗体が1つの抗体で実現された場合、腫瘍において高度に発現するFAPを特異的に標的とし、IL-12を腫瘍部位に特異的に局在させることによって、がんを効率的に処置することができる。したがって、該融合タンパク質は、抗がん処置のための医薬組成物として利用することができ、そのため、高い産業上の利用可能性を有する。
【選択図】
図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、
FAP(線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)に特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体と
を含む融合タンパク質。
【請求項2】
前記IL-12又はその前記バリアントが、IL-12A(p35)又はそのバリアント;及びIL-12B(p40)又はそのバリアントを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記IL-12又はその前記バリアントが、以下の構造式(I)又は(II):
N’-Y-[リンカー(1)]o-Z-C’ (I)
N’-Z-[リンカー(1)]o-Y-C’ (II)
[前記構造式(I)及び(II)中、
N’は、前記融合タンパク質のN末端であり、
C’は、前記融合タンパク質のC末端であり、
Yは、前記IL-12A又はその前記バリアントであり、
Zは、前記IL-12B又はその前記バリアントであり、
前記リンカー(1)は、ペプチドリンカーであり、
oは、0又は1である]
を含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記IL-12B(p40)の前記バリアントが、配列番号74のアミノ酸配列におけるK258A、K260A、K263A、及びK264Aからなる群から選択される少なくとも1つの置換によって得られたアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記IL-12B(p40)が、配列番号74又は配列番号86のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記IL-12B(p40)の前記バリアントが、配列番号77、配列番号79、配列番号89又は配列番号91のアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記IL-12A(p35)が、配列番号75又は配列番号87のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記IL-12が、配列番号73、配列番号76、配列番号78、配列番号85、配列番号88又は配列番号90のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
FAPに特異的に結合する前記抗原結合部位が、
配列番号96のHCDR1、配列番号97のHCDR2及び配列番号98のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号99のLCDR1、配列番号100のLCDR2及び配列番号101のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号104のHCDR1、配列番号105のHCDR2及び配列番号106のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号107のLCDR1、配列番号108のLCDR2及び配列番号109のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号127のHCDR1、配列番号128のHCDR2及び配列番号129のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号130のLCDR1、配列番号131のLCDR2及び配列番号132のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号133のHCDR1、配列番号134のHCDR2及び配列番号135のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号136のLCDR1、配列番号137のLCDR2及び配列番号138のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号139のHCDR1、配列番号140のHCDR2及び配列番号141のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号142のLCDR1、配列番号143のLCDR2及び配列番号144のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号145のHCDR1、配列番号146のHCDR2及び配列番号147のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号148のLCDR1、配列番号149のLCDR2及び配列番号150のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号151のHCDR1、配列番号152のHCDR2及び配列番号153のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号154のLCDR1、配列番号155のLCDR2及び配列番号156のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号157のHCDR1、配列番号158のHCDR2及び配列番号159のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号160のLCDR1、配列番号161のLCDR2及び配列番号162のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号163のHCDR1、配列番号164のHCDR2及び配列番号165のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号166のLCDR1、配列番号167のLCDR2及び配列番号168のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号169のHCDR1、配列番号170のHCDR2及び配列番号171のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号172のLCDR1、配列番号173のLCDR2及び配列番号174のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号175のHCDR1、配列番号176のHCDR2及び配列番号177のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号178のLCDR1、配列番号179のLCDR2及び配列番号180のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号181のHCDR1、配列番号182のHCDR2及び配列番号183のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号184のLCDR1、配列番号185のLCDR2及び配列番号186のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号187のHCDR1、配列番号188のHCDR2及び配列番号189のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号190のLCDR1、配列番号191のLCDR2及び配列番号192のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号193のHCDR1、配列番号194のHCDR2及び配列番号195のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号196のLCDR1、配列番号197のLCDR2及び配列番号198のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号199のHCDR1、配列番号200のHCDR2及び配列番号201のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号202のLCDR1、配列番号203のLCDR2及び配列番号204のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号205のHCDR1、配列番号206のHCDR2及び配列番号207のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号208のLCDR1、配列番号209のLCDR2及び配列番号210のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号211のHCDR1、配列番号212のHCDR2及び配列番号213のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号214のLCDR1、配列番号215のLCDR2及び配列番号216のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号217のHCDR1、配列番号218のHCDR2及び配列番号219のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号220のLCDR1、配列番号221のLCDR2及び配列番号222のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号223のHCDR1、配列番号224のHCDR2及び配列番号225のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号226のLCDR1、配列番号227のLCDR2及び配列番号228のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号229のHCDR1、配列番号230のHCDR2及び配列番号231のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号232のLCDR1、配列番号233のLCDR2及び配列番号234のLCDR3を含む軽鎖可変領域;
配列番号235のHCDR1、配列番号236のHCDR2及び配列番号237のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号238のLCDR1、配列番号239のLCDR2及び配列番号240のLCDR3を含む軽鎖可変領域;又は
配列番号241のHCDR1、配列番号242のHCDR2及び配列番号243のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号244のLCDR1、配列番号245のLCDR2及び配列番号246のLCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
FAPに特異的に結合する前記抗原結合部位が、
配列番号102の重鎖可変領域及び配列番号103の軽鎖可変領域;
配列番号110の重鎖可変領域及び配列番号111の軽鎖可変領域;
配列番号248の重鎖可変領域及び配列番号249の軽鎖可変領域;
配列番号250の重鎖可変領域及び配列番号251の軽鎖可変領域;
配列番号252の重鎖可変領域及び配列番号253の軽鎖可変領域;
配列番号254の重鎖可変領域及び配列番号255の軽鎖可変領域;
配列番号256の重鎖可変領域及び配列番号257の軽鎖可変領域;
配列番号258の重鎖可変領域及び配列番号259の軽鎖可変領域;
配列番号260の重鎖可変領域及び配列番号261の軽鎖可変領域;
配列番号262の重鎖可変領域及び配列番号263の軽鎖可変領域;
配列番号264の重鎖可変領域及び配列番号265の軽鎖可変領域;
配列番号266の重鎖可変領域及び配列番号267の軽鎖可変領域;
配列番号268の重鎖可変領域及び配列番号269の軽鎖可変領域;
配列番号270の重鎖可変領域及び配列番号271の軽鎖可変領域;
配列番号272の重鎖可変領域及び配列番号273の軽鎖可変領域;
配列番号274の重鎖可変領域及び配列番号275の軽鎖可変領域;
配列番号276の重鎖可変領域及び配列番号277の軽鎖可変領域;
配列番号278の重鎖可変領域及び配列番号279の軽鎖可変領域;
配列番号280の重鎖可変領域及び配列番号281の軽鎖可変領域;
配列番号282の重鎖可変領域及び配列番号283の軽鎖可変領域;
配列番号284の重鎖可変領域及び配列番号285の軽鎖可変領域;
配列番号286の重鎖可変領域及び配列番号287の軽鎖可変領域;
配列番号72のscFv;又は
配列番号84のscFv
を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記第1の単量体が、FAPに特異的に結合する抗原結合部位をさらに含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
前記第1の単量体が、以下の構造式(III)又は(IV):
N’-X-[リンカー(2)]p-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(3)]q-(T)r-C’ (III)
N’-(T)r-[リンカー(2)]q-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(3)]p-X-C’ (IV)
[前記構造式(III)及び(IV)中、
N’は、前記融合タンパク質のN末端であり、
C’は、前記融合タンパク質のC末端であり、
Xは、前記構造式(I)又は(II)であり、
Tは、FAPに特異的に結合する前記抗原結合部位であり、
前記リンカー(2)及び(3)は、ペプチドリンカーであり、
p、q及びrは、各々独立的に、0又は1である]
を含む、請求項3に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記リンカーが、(G4S)nリンカーを含み、nが、1~10の整数のうちのいずれか1つである、請求項3又は12に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
前記第1の単量体のFc領域が、ヒトIgG1又はマウスIgG2aに由来する、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
前記第1の単量体のFcが、ノブ構造又はホール構造を含む、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
前記第2の単量体が、FAPに特異的に結合する抗原結合部位をさらに含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
FAPに特異的に結合する前記抗原結合部位が、Fab、scFv、Fv、又はその断片である、請求項16に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
FAPに特異的に結合する、追加的に結合した前記抗原結合部位が、前記第2の単量体のN末端又はC末端に結合している、請求項16に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
前記第2の単量体が、以下の構造式(V):
N’-(R)s-[リンカー(4)]t-Q-[リンカー(5)]u-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(6)]v-(W)a-C’ (V)
[前記構造式(V)中、
N’は、前記融合タンパク質のN末端であり、
C’は、前記融合タンパク質のC末端であり、
Rは、FAPに特異的に結合する前記抗原結合部位であり、
Qは、FAPに特異的に結合する前記抗原結合部位であり、
Wは、FAPに特異的に結合するscFv;又は構造式(I)若しくは(II)の前記IL-12又はその前記バリアントであり、
前記リンカー(4)~(6)は、ペプチドリンカーであり、
s、t、u及びvは、各々独立的に、0又は1である]
を含む、請求項3に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
前記構造式(V)が、以下の構造式(V’)及び(V”):
N’-(R’)s-[リンカー(4)]t-Q’-[リンカー(5)]u-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(6)]p-(W)a-C’ (V’)
N’-(R”)s-[リンカー(4)]t-Q”-[リンカー(7)]x-(W)b-C’ (V”)
[前記構造式(V’)及び(V”)中、
R’は、可変領域及びCH1領域を含む、FAPに特異的に結合する抗体の重鎖領域、又は前記抗体の軽鎖領域であり、
R”は、FAPに特異的に結合する抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、前記抗体の重鎖領域であり、
ここで、R’及びR”は、互いに結合して、前記抗体の可変領域を形成し、前記可変領域は、FAPに特異的に結合し、
Q’は、可変領域及びCH1領域を含む、FAPに特異的に結合する抗体の重鎖領域、又は前記抗体の軽鎖領域であり、
Q”は、FAPに特異的に結合する抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、前記抗体の重鎖領域であり、
ここで、Q’及びQ”は、互いに結合して、前記抗体の可変領域を形成し、前記可変領域は、FAPに特異的に結合し、
R’及びQ’は各々、可変領域及びCH1領域を含む、前記抗体の重鎖領域、又は前記抗体の軽鎖領域であり、
R”及びQ”は各々、前記抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、前記抗体の重鎖領域であり、
ここで、R’及びR”;並びにQ’及びQ”は、互いに結合して、前記抗体の可変領域を形成し、前記可変領域は、FAPに特異的に結合し、
Wは、FAPに特異的に結合するscFvであり、
前記リンカー(4)、(5)及び(7)は、ペプチドリンカーであり、
s、t、u、x、a及びbは、各々独立的に、0又は1である]
を含む、請求項19に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
構造式(III)及び構造式(V);構造式(IV)及び構造式(V);構造式(III)及び構造式(III);構造式(IV)及び構造式(IV);又は構造式(V)及び構造式(V)を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
前記第2の単量体が、配列番号102のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号103のアミノ酸配列からなる軽鎖;又は配列番号110のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号111のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項23】
前記第2の単量体のFcが、ノブ構造又はホール構造を含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項24】
がんを予防する又は処置するための医薬組成物であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の融合タンパク質を活性成分として含む医薬組成物。
【請求項25】
前記がんが、胃がん、肝臓がん、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、皮膚がん、骨がん、多発性骨髄腫、神経膠腫、卵巣がん、膵臓がん、子宮頸がん、甲状腺がん、喉頭がん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、脳腫瘍、神経芽腫、網膜芽細胞腫、頭頸部がん、唾液腺がん及びリンパ腫からなる群から選択されるいずれか1つである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
請求項1に記載の第1の単量体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項27】
請求項26に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項28】
請求項1に記載の第2の単量体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項29】
請求項28に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項30】
請求項27又は29に記載のベクターが導入された形質転換細胞。
【請求項31】
融合タンパク質を製造する方法であって、
i)請求項30に記載の形質転換細胞を培養するステップと、
ii)第1の単量体及び第2の単量体を含む融合タンパク質を回収するステップと
を含む方法。
【請求項32】
がんを処置する又は予防するための方法であって、
IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質を対象に投与するステップ
を含む方法。
【請求項33】
がんを処置するための、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質の使用。
【請求項34】
がんを処置するための医薬を製造するための、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IL-12又はそのバリアントと、抗FAP抗体とを含む新規融合タンパク質、及び該融合タンパク質を含む抗がん医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン-12(IL-12)は、代表的な炎症性サイトカインであり、細胞性免疫応答の有効な誘導に極めて重要な役割を果たす。IL-12は、ジスルフィド結合によって連結された40kDa(p40)及び35kDa(p35)サブユニットを含むヘテロ二量体タンパク質であり、活性化したマクロファージ、単球、樹状細胞及び活性化したBリンパ球によって産生される。IL-12は、ヘルパーT1細胞免疫を増強し、細胞性Tリンパ球の細胞傷害を増加させ、血管新生を阻害することができる。一般に、IL-12は、T細胞及びNK細胞におけるIFN-γ産生を活性化する。
【0003】
IL-12の局所発現は、腫瘍細胞をT細胞媒介性細胞傷害に対して感受性にし、腫瘍成長阻害及び液性免疫の確立をもたらす。しかしながら、IL-12の臨床応用における欠点は、投与時に、サイトカイン関連毒性が全身に生じ得ることである。これらの臨床結果は、がんを処置するための単独治療剤としてのIL-12の限界を示す。
【0004】
他方で、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP)は、活性化した線維芽細胞に発現するゼラチナーゼである。FAPは、前立腺がん及び膵臓がんを含む様々なヒト癌腫のがん関連線維芽細胞において90%を超えて発現することが知られている。したがって、近年、FAP発現細胞を標的とする免疫療法の開発への関心が急速に高まっている(Fang J.ら、Mol.Ther.Oncolytics.、3:16007、2016)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明者らは、抗がん効果を有する新規融合タンパク質を開発するために研究した。結果として、本発明者らは、IL-12及び抗FAP抗体を含む融合タンパク質が、全身毒性を低減すると同時に高められた抗がん活性を有することを見出し、それにより、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質が提供される。
【0007】
本発明の別の態様では、がんを予防する又は処置するための医薬組成物であって、融合タンパク質を活性成分として含む医薬組成物が提供される。
【0008】
本発明の別の態様では、第1の単量体をコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0009】
本発明の別の態様では、第2の単量体をコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0010】
本発明の別の態様では、ポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。
【0011】
本発明の別の態様では、ベクターが導入された形質転換細胞が提供される。
【0012】
本発明の別の態様では、融合タンパク質を製造する方法であって、i)形質転換細胞を培養するステップと、ii)第1の単量体及び第2の単量体を含む融合タンパク質を回収するステップとを含む方法が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、がんを処置する又は予防するための方法であって、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質を対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、がんを処置するための、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質の使用が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の態様では、がんを処置するための医薬を製造するための、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質の使用が提供される。
【発明の効果】
【0016】
IL-12と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位とを含む融合タンパク質は、IL-12による抗がん効果を示し得る。加えて、抗FAP抗体が1つの抗体で実現された場合、IL-12は、高いFAP発現を有する腫瘍に特異的に蓄積され、それにより、全身毒性を低減し、腫瘍特異的な抗がん効果を示すことが見出された。つまり、腫瘍において高度に発現するFAPを特異的に標的とし、IL-12を腫瘍部位に特異的に局在させることによって、がんを効率的に処置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】SDS-PAGEを用いた一実施形態に従って、T1.01、T1.02、T1.03、T1.04、T1.05、T1.06及びT1.07を同定することによって得られた結果を示す図である。
【
図2】SDS-PAGEを用いた一実施形態に従って、T1.08、T1.09、T1.10、T1.11、T1.12、T1.13、T1.14及びT1.15を同定することによって得られた結果を示す図である。
【
図3】SDS-PAGEを用いた一実施形態によるT1.16、T1.17、T1.18、T1.19及びT1.21を同定することによって得られた結果を示す図である。
【
図4】SDS-PAGEを用いた一実施形態に従って、T1.01m、T1.02m、T1.03m、T1.04m、T1.05m、T1.06m及びT1.07mを同定することによって得られた結果を示す図である。
【
図5】SDS-PAGEを用いた一実施形態に従って、T1.08m、T1.09m、T1.10m、T1.11m、T1.12m、T1.13m及びT1.15mを同定することによって得られた結果を示す図である。
【
図6】SDS-PAGEを用いた一実施形態に従って、T1.16m、T1.17m、T1.18m、T1.19m、T1.20m、T1.21m及びT1.22mを同定することによって得られた結果を示す図である。
【
図7】表面プラズモン共鳴分析法による組換えヒトFAP(rhFAP)に対するT1.01及びT1.02の結合親和性を示すグラフである。
【
図8】表面プラズモン共鳴分析法による組換えヒトFAPに対するT1.03の結合親和性を示すグラフである。
【
図9】表面プラズモン共鳴分析法による組換えヒトFAPに対するT1.04及びT1.05の結合親和性を示すグラフである。
【
図10】表面プラズモン共鳴分析法による組換えヒトFAPに対するT1.06及びT1.07の結合親和性を示すグラフである。
【
図11】表面プラズモン共鳴分析法による組換えヒトFAPに対するT1.08及びT1.09の結合親和性を示すグラフである。
【
図12】表面プラズモン共鳴分析法による組換えヒトFAPに対するT1.10及びT1.11の結合親和性を示すグラフである。
【
図13】表面プラズモン共鳴分析法による組換えマウスFAPに対するT1.01m及びT1.02mの結合親和性を示すグラフである。
【
図14】表面プラズモン共鳴分析法による組換えマウスFAPに対するT1.03mの結合親和性を示すグラフである。
【
図15】フローサイトメトリーによるHEK293-hFAP細胞及びHEK293細胞に対するT1.12、T1.01、T1.02及びT1.03の結合親和性を示すグラフである。
【
図16】フローサイトメトリーによるB16F10-mFAP細胞及びB16F10細胞に対するT1.12m、T1.01m、T1.02m及びT1.03mの結合親和性を示すグラフである。
【
図17】酵素結合免疫吸着検定法によるIL-12受容体β1に対するT1.01、T1.02、T1.03及びT1.12の結合親和性を示すグラフである。
【
図18】HEKブルーレポーター細胞における吸光度を介してT1.01m、T1.02m、T1.03m及びT1.12mのIL-12活性を同定することによって得られた結果を示すグラフである。
【
図19】ヒトT細胞のシグナル伝達能力を介したT1.01、T1.02、T1.03及びT1.12のIL-12活性を示すグラフである。
【
図20】ヒトT細胞のシグナル伝達能力を介した低分子量ヘパリン(LMWH)の存在下におけるT1.01、T1.02及びT1.03のIL-12活性を示すグラフである。
【
図21】T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03によってヒトT細胞がサイトカインIFN-γを分泌する能力を測定することによって得られた結果を示すグラフである。
【
図22】T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03によってヒトNK細胞がサイトカインIFN-γを分泌する能力を測定することによって得られた結果を示すグラフである。
【
図23】マウスFAP過剰発現線維芽細胞NIH-3T3及び大腸がん細胞株CT26を同時注入したマウス腫瘍モデルの腫瘍サイズの変化を測定することによって、T1.01m及びT1.02mによる腫瘍成長阻害能力を示すグラフである。
【
図24】マウスFAP過剰発現線維芽細胞NIH-3T3及び大腸がん細胞株CT26を同時注入したマウス腫瘍モデルにおいて、T1.01m及びT1.02mによる腫瘍成長阻害能力を同定するために、各対象について腫瘍サイズを測定することによって得られた結果を示すグラフである。
【
図25】マウス腫瘍モデル移植マウスFAP過剰発現大腸がん細胞株CT26において、各対象についての腫瘍サイズの変化を測定することによって、各濃度に対してT1.01m及びT1.02mを投与することによる腫瘍成長阻害能力を示すグラフである。
【
図26】マウスFAP過剰発現線維芽細胞NIH-3T3及び大腸がん細胞株CT26を同時注入したマウス腫瘍モデルにおいて、T1.01m処理によって完全奏効が達成された、マウスへのCT26細胞及び4T1細胞移植による腫瘍再誘発モデルの構築後のCT26腫瘍サイズの変化を示すグラフである。
【
図27】マウスFAP過剰発現線維芽細胞NIH-3T3及び大腸がん細胞株CT26を同時注入したマウス腫瘍モデルにおいて、T1.01m処理によって完全奏効が達成された、マウスへのCT26細胞及び4T1細胞移植による腫瘍再誘発モデルの構築後の4T1腫瘍サイズの変化を示すグラフである。
【
図28】マウスFAP過剰発現CT26細胞を移植したマウスモデルにおいて、各対象の腫瘍サイズを測定することにより、各対象にT1.01m、T1.02m及びT1.03mを投与することによる腫瘍成長阻害能力を示すグラフである。
【
図29】マウスFAP過剰発現CT26細胞を移植したマウスモデルにおいて、各対象の腫瘍サイズの変化を測定することにより、各濃度についてT1.03mを投与することによる各対象についての腫瘍成長阻害能力を示すグラフである。
【
図30】マウスFAP過剰発現B16F10細胞を移植したマウスモデルにおいて、各対象の腫瘍サイズの変化を測定することにより、各濃度についてT1.03mを投与することによる腫瘍成長阻害能力を示すグラフである。
【
図31】マウスFAP過剰発現線維芽細胞NIH-3T3及び肺がん細胞株LLC1を同時注射したマウスモデルにおいて、各対象についての腫瘍サイズの変化を測定することにより、各濃度に対してT1.03mを投与することによる腫瘍成長阻害能力を示すグラフである。
【
図32】マウスFAP過剰発現線維芽細胞NIH-3T3及び肺がん細胞株LLC1を同時注射したマウスモデルにおいて、T1.16m、T1.17m、T1.03m、又はT1.16mとT1.17mの組合せの投与後10日目の時点での腫瘍サイズを測定することによって得られた結果を示すグラフである。
【
図33】抗FAP/IL-12融合タンパク質(左から1番目;図中、左は抗FAP単量体であり、右はIL-12を含む単量体である)、二重可変ドメインを有する抗FAP/IL-12融合タンパク質(2番目)、FAP特異的一本鎖可変断片(scFv)が結合された抗FAP/IL-12二重抗体(3番目及び4番目)、及びIL-12がFcのC末端に結合された抗FAP/IL-12融合タンパク質(5番目)の概略図を示す。
【
図34】FAP特異的Fab/FAP特異的一本鎖可変断片(scFv)及びIL-12融合タンパク質(左)、FAP特異的Fab及びIL-12を含む融合タンパク質二量体(中央)、並びにFAP特異的一本鎖可変断片(scFv)及びIL-12を含む融合タンパク質二量体(右)の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
IL-12及び抗FAP抗体を含む融合タンパク質
本発明の一態様では、IL-12又はそのバリアントと、FAP(線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)に特異的に結合する抗原結合部位とを含む融合タンパク質が提供される。詳細には、融合タンパク質は、免疫グロブリンFc領域を含んでもよい。ここで、IL-12又はそのバリアントは、低いヘパリン結合能を有するバリアントであってもよい。
【0019】
一実施形態では、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質が提供される。
【0020】
別の実施形態では、IL-12又はそのバリアントと、FAPに特異的に結合する抗原結合部位とを含む融合タンパク質二量体が提供される。
【0021】
IL-12又はそのバリアント
本明細書で使用される場合、「IL-12」という用語は、2つの別個の遺伝子、IL-12A及びIL-12Bによってそれぞれコードされるp35及びp40サブユニットから構成されるヘテロ二量体サイトカインである。IL-12は、マクロファージなどの抗原提示細胞によって産生され、活性化したT細胞及びNK細胞の細胞表面の受容体に結合する。IL-12は、T細胞及びNK細胞の増殖を促進し、T細胞、NK細胞及びマクロファージの細胞傷害効果を増強する。加えて、IL-12は、IFN-γ、TNF-α及びGM-CSFの産生を誘導し、Th1細胞の活性化を誘導するように作用する。他方で、IL-12は、IL-12Rβ1及びIL-12Rβ2によって形成されるヘテロ二量体受容体であるIL-12受容体に結合する。
【0022】
本明細書で使用される場合、IL-12の「バリアント」という用語は、野生型IL-12タンパク質の機能と類似又は同一の機能を有するアミノ酸配列を含む。詳細には、IL-12を構成するp35及びp40サブユニットのアミノ酸配列は、野生型と比較して置換、挿入又は欠失を有してもよい。
【0023】
IL-12又はそのバリアントは、IL-12A(p35)又はそのバリアント、及びIL-12B(p40)又はそのバリアントを含み得る。
【0024】
加えて、IL-12又はそのバリアントは、IL-12A又はそのバリアント;及びIL-12B又はそのバリアントがペプチドリンカーによって結合された構造を含み得る。
【0025】
一実施形態では、IL-12又はそのバリアントは、以下の構造式(I)又は(II):
N’-Y-[リンカー(1)]o-Z-C’ (I)
N’-Z-[リンカー(1)]o-Y-C’ (II)
[構造式(I)及び(II)中、
N’は、融合タンパク質のN末端であってもよく、
C’は、融合タンパク質のC末端であってもよく、
Yは、IL-12A又はそのバリアントであってもよく、
Zは、IL-12B又はそのバリアントであってもよく、
リンカー(1)は、ペプチドリンカーであってもよく、
oは、0又は1であってもよい]
を含む融合タンパク質であってもよい。
【0026】
IL-12又はそのバリアントの一実施形態は、IL-12B又はそのバリアント、ペプチドリンカー、及びIL-12A又はそのバリアントがN末端から順に結合した構造であってもよい。加えて、IL-12又はそのバリアントの一実施形態は、IL-12A又はそのバリアント、ペプチドリンカー、及びIL-12B又はそのバリアントがN末端から順に結合した構造であってもよい。
【0027】
本明細書で使用される場合、「IL-12A」という用語は、IL-12の35kDaサブユニット(p35)であり、IL-12Aは、ジスルフィド結合を介してIL-12の40kDaサブユニット(p40)に結合して、活性サイトカインを生成する。
【0028】
IL-12Aのアミノ酸配列は、GenBank受託番号AAK84425に記載されたものであってもよい(マウスp35のアミノ酸配列については、GenBank受託番号AAA39292を参照)。加えて、IL-12A(p35)遺伝子は、IL-12Aサブユニットをコードする配列であり、GenBank受託番号AF404773に記載された配列の中のコード配列(CDS)に対応するヌクレオチド配列であってもよい(マウス配列については、GenBank受託番号M86672を参照)。
【0029】
本明細書で使用される場合、IL-12Aの「バリアント」という用語は、野生型IL-12Aタンパク質の機能と類似又は同一の機能を有するアミノ酸配列を含む。詳細には、IL-12Aの「バリアント」とは、IL-12Aのアミノ酸配列が野生型と比較して置換、挿入又は欠失を有することを意味する。詳細には、IL-12Aバリアントは、IL-12Aの断片であってもよく、配列番号122の1番目~22番目のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列を有してもよい。より詳細には、IL-12Aのバリアントは、配列番号75のアミノ酸配列を有してもよい。
【0030】
加えて、本発明の一実施形態で使用されるIL-12Aは、ヒトIL-12Aとしての配列番号75のアミノ酸配列であってもよい。一実施形態では、マウスIL-12Aは、配列番号87のアミノ酸配列であってもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「IL-12B」という用語は、IL-12の40kDaサブユニット(p40)を指し、IL-12Bは、ジスルフィド結合を介してIL-12の35kDaサブユニット(p35)に結合して、IL-12を形成し、また、IL-23のサブユニットp19に結合して、IL-23を形成する。他方で、IL-12Bは、ナチュラルキラー細胞刺激因子2とも呼ばれる。
【0032】
「IL-12B」のアミノ酸配列は、GenBank受託番号AAD56386に記載されたものであってもよい(マウスp40のアミノ酸配列については、GenBank受託番号AAA39296を参照)。加えて、IL-12B(p40)遺伝子は、IL-12Bサブユニットをコードする配列であり、GenBank受託番号AF180563に記載された配列の中のコード配列(CDS)に対応するヌクレオチド配列であってもよい(マウス配列については、GenBank受託番号M86671を参照)。
【0033】
加えて、本発明の一実施形態で使用されるIL-12Bは、ヒトIL-12Bであってもよく、詳細には、IL-12Bは、配列番号74のアミノ酸配列であってもよい。一実施形態では、マウスIL-12Bは、配列番号86のアミノ酸配列を有してもよい。
【0034】
本明細書で使用される場合、IL-12Bの「バリアント」という用語は、野生型IL-12Bタンパク質の機能と類似又は同一の機能を有するアミノ酸配列を含む。詳細には、IL-12Bの「バリアント」とは、IL-12Bのアミノ酸配列が野生型と比較して置換、挿入又は欠失を有することを意味する。
【0035】
詳細には、IL-12Bバリアントは、配列番号121の1番目~22番目のアミノ酸が欠失したものであってもよい。より詳細には、IL-12Bバリアントは、配列番号74の配列において1~8個のアミノ酸が置換されたものであってもよい。加えて、IL-12Bバリアントは、配列番号123の1番目~22番目のアミノ酸が欠失したものであってもよい。より詳細には、IL-12Bバリアントは、配列番号86の配列において最大1~8個のアミノ酸が置換されたものであってもよい。
【0036】
IL-12B(p40)のバリアントは、IL-12のヘパリン結合に関与するアミノ酸が置換されたものであってもよい。
【0037】
一実施形態では、IL-12B(p40)のバリアントは、IL-12Bにおけるヘパリンへのリシン(K)結合が別のアミノ酸で置換された形態であってもよい。詳細には、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号74の258番目、260番目、263番目及び264番目のリシンが他のアミノ酸で置換された形態であってもよい。詳細には、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号74のアミノ酸配列におけるK258A、K260A、K263A、及びK264Aからなる群から選択される少なくとも1つの置換によって得られたアミノ酸配列を含み得る。詳細には、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号74のアミノ酸配列におけるK258A及びK263Aの置換によって得られたアミノ酸配列を含み得るか、又は配列番号74のアミノ酸配列におけるK260A及び/又はK264Aの突然変異をさらに含み得る。
【0038】
一実施形態では、IL-12B(p40)のバリアントは、IL-12Bにおけるヘパリンへのアルギニン(R)又はリシン(K)結合が別のアミノ酸で置換された形態であってもよい。詳細には、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号86の254番目のアルギニン並びに/又は255番目、256番目及び260番目のリシンが他のアミノ酸で置換された形態であってもよい。詳細には、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号86のアミノ酸配列におけるR254A、K255A、K256A及びK260Aからなる群から選択される少なくとも1つの置換によって得られたアミノ酸配列を含み得る。詳細には、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号86のアミノ酸配列におけるR254A及びK260Aの置換によって得られたアミノ酸配列を含み得るか、又は配列番号86の配列におけるK255A及び/又はK256Aの突然変異をさらに含み得る。
【0039】
一実施形態では、IL-12B(p40)のバリアントは、配列番号77、配列番号79、配列番号89又は配列番号91のアミノ酸配列を含み得る。
【0040】
一実施形態では、ヒトIL-12Bバリアントは、以下の構造式A:
[構造式A]
X1-L-X2
[式中、X1は、配列番号125のアミノ酸配列であり、
X2は、配列番号126のアミノ酸配列であり、
Lは、V-A1-A2-Q-A3-K*-A4-A5-A6-A7-K*-A8からなるアミノ酸配列である]
からなってもよい。
A1は、R又はQであり、A2は、V、A又はIであり、A3は、G又はR*であり、A4は、S、N又はK*であり、A5は、K*、N又はEであり、A6は、R又はKであり、A7は、E、M又はTであり、A8は、K*又はEである。
「*」が付された少なくとも1つのアミノ酸残基は、A、G、I、L、M、F、P及びVからなる群から選択される非極性アミノ酸残基で置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0041】
一実施形態では、IL-12B(p40)のバリアントは、がん細胞に対する殺滅効果を維持すると同時にIL-12のサイトカイン関連毒性を低減するために、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の置換を含み得る。
FAP及びFAPに特異的に結合する抗原結合部位
本明細書で使用される場合、「FAP(線維芽細胞活性化タンパク質)」という用語は、細胞表面に発現し、様々な腫瘍型の腫瘍細胞の環境又は様々な腫瘍型の腫瘍細胞において提示されるタンパク質である、線維芽細胞活性化タンパク質を指す。FAPは、腫瘍微小環境においてがん関連線維芽細胞(CAF)の表面に選択的に過剰発現することが知られている。
【0042】
加えて、FAPは、酵素触媒ドメインが位置するC末端細胞外ドメインを有する2つのN-グリコシル化サブユニットを含有するホモ二量体であり、FAPのグリコシル化形態は、プロリル後ジペプチジルペプチダーゼ及びゼラチナーゼ活性の両方を有する。
【0043】
他方で、FAPは、約170kDaの膜結合ゼラチナーゼであるプロリルエンドペプチダーゼである。プロリルエンドペプチダーゼFAPは、特異的なアミノ酸配列を認識し、切断することができる。したがって、FAPは、FAPα、セパラーゼ、又は循環抗プラスミン切断酵素とも称される。
【0044】
FAPのアミノ酸配列は、GenBank受託番号AAC51668に記載されたものであってもよく、ヒトFAPは、モノクローナル抗体(mAb)F19の使用によって培養線維芽細胞において最初に同定された(国際特許出願公開第WO93/05804号を参照)。FAPは、多くのがんにおいて発現し、正常組織における限定された発現に起因して、様々な癌腫のイメージング、診断及び処置のための有望な抗原性標的として利用される。
【0045】
FAPは、細胞によって天然に又はFAP遺伝子をトランスフェクトした細胞に発現される、ヒトFAPの任意のバリアント、アイソフォーム及び種ホモログを含む。本発明の抗体は、がん細胞(腫瘍細胞又は腫瘍間質の細胞)の膜又は細胞表面に存在するFAPに結合することができ、ADCC又は他のエフェクターにより媒介されるがん細胞の殺滅を引き起こすことができる。加えて、本発明の抗体は、FAPの酵素活性(例えば、セリンペプチダーゼ、ゼラチナーゼ、コラゲナーゼ活性)、FAPにより媒介されるECM分解、及びFAPにより媒介される細胞の浸潤又は遊走を遮断するために使用することができる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」という用語は、非特異的相互作用と明らかに異なる結合を指す。特異的な結合は、結合活性を有さない標的と類似の対照分子との競合によって決定することができる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「抗原結合部位(エピトープ)」という用語は、抗体の可変領域における特異的な抗原結合部位と相互作用する決定基を指す。抗原結合部位は、特異的な構造特性及び特異的な電荷特性を通常は有する一群の分子、例えばアミノ酸又は糖側鎖である。FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、FAPに特異的に抗原-抗体結合が可能な分子の総称であり得る。
【0048】
加えて、抗体又はその断片は、FAPに特異的に結合することが可能な抗原結合ドメインを含有する限り任意の形態で使用することができる。
【0049】
抗原結合部位は、結合に直接関与しない他のアミノ酸、又は抗原結合部位のアミノ酸残基によって効果が遮断されるアミノ酸を含み得る。
【0050】
詳細には、抗原結合部位は、FAPに特異的に結合する抗体又はその断片であってもよい。
【0051】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原結合部位を含有する分子、及び抗原結合部位を含有する免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片を指す。免疫グロブリン分子は、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、IgY又はそのサブクラスの免疫グロブリン分子であってもよい。抗体は、合成抗体、モノクローナル抗体、単一ドメイン抗体、単鎖抗体、組換えにより産生された抗体、多特異性抗体(二特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、scFv(例えば単一特異性及び二特異性等を含む)、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及びこれらの抗体の抗原結合断片を含むが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用される場合、「抗体断片」という用語は、抗体の一部、例えばF(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、Fv、scFvであり得る。構造にかかわらず、抗体断片は、無傷抗体によって認識されるのと同じ抗原に結合する。
【0053】
一実施形態では、FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、配列番号96のHCDR1、配列番号97のHCDR2及び配列番号98のHCDR3を含む重鎖可変領域;並びに配列番号99のLCDR1、配列番号100のLCDR2及び配列番号101のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。ここで、一実施形態では、FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、配列番号102の重鎖可変領域及び配列番号103の軽鎖可変領域を有してもよい。
【0054】
加えて、一実施形態では、FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、配列番号104のHCDR1、配列番号105のHCDR2及び配列番号106のHCDR3を含む重鎖可変領域;並びに配列番号107のLCDR1、配列番号108のLCDR2及び配列番号109のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。ここで、一実施形態では、FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、配列番号110の重鎖可変領域及び配列番号111の軽鎖可変領域を有してもよい。
【0055】
一実施形態では、FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、scFvであってもよい。ここで、scFvは、上記の重鎖及び軽鎖CDRを含んでもよい。一実施形態では、FAPに特異的に結合するscFvは、配列番号72又は配列番号84のアミノ酸配列を有してもよい。
【0056】
加えて、FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、公知の抗FAP抗体又はその断片を含み得る。抗FAP抗体又はその断片とは、限定することなく、当業者に公知の抗体を指し得る。
【0057】
抗FAP抗体又はその断片は、NG-641、AMG-506/MP-0310、RG-7827の28H1、RG-7827の4B9、OMTX-705、3F2、4G8、3D9、4B3、19G1、20G8、5B8、5F1、14B3、16F1、16F8、O3C9、29B11、O2D7及び23C10からなる群から選択される少なくとも1つの可変領域を含み得る。
【0058】
別の例では、抗体として、韓国特許出願公開第KR20200037826A号、米国特許出願公開第US2020-0385488A1号、米国特許第US3,924,445B2号、米国特許第US9,011,847B2号又は米国特許出願公開第US2017-007716A1号に開示された抗FAP抗体又はその断片を使用することができる。
【0059】
一実施形態では、抗FAP抗体は、NG-641の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号127のHCDR1、配列番号128のHCDR2及び配列番号129のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号130のLCDR1、配列番号131のLCDR2及び配列番号132のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号248の重鎖可変領域、及び配列番号249の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0060】
一実施形態では、抗FAP抗体は、28H1の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号133のHCDR1、配列番号134のHCDR2及び配列番号135のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号136のLCDR1、配列番号137のLCDR2及び配列番号138のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号250の重鎖可変領域、及び配列番号251の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0061】
一実施形態では、抗FAP抗体は、4B9の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号139のHCDR1、配列番号140のHCDR2及び配列番号141のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号142のLCDR1、配列番号143のLCDR2及び配列番号144のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号252の重鎖可変領域、及び配列番号253の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0062】
一実施形態では、抗FAP抗体は、OMTX-705の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号145のHCDR1、配列番号146のHCDR2及び配列番号147のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号148のLCDR1、配列番号149のLCDR2及び配列番号150のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号254の重鎖可変領域、及び配列番号255の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0063】
一実施形態では、抗FAP抗体は、3F2の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号151のHCDR1、配列番号152のHCDR2及び配列番号153のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号154のLCDR1、配列番号155のLCDR2及び配列番号156のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号256の重鎖可変領域、及び配列番号257の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0064】
一実施形態では、抗FAP抗体は、4G8の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号157のHCDR1、配列番号158のHCDR2及び配列番号159のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号160のLCDR1、配列番号161のLCDR2及び配列番号162のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号258の重鎖可変領域、及び配列番号259の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0065】
一実施形態では、抗FAP抗体は、3D9の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号163のHCDR1、配列番号164のHCDR2及び配列番号165のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号166のLCDR1、配列番号167のLCDR2及び配列番号168のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号260の重鎖可変領域、及び配列番号261の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0066】
一実施形態では、抗FAP抗体は、4B3の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号169のHCDR1、配列番号170のHCDR2及び配列番号171のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号172のLCDR1、配列番号173のLCDR2及び配列番号174のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号262の重鎖可変領域、及び配列番号263の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0067】
一実施形態では、抗FAP抗体は、19G1の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号175のHCDR1、配列番号176のHCDR2及び配列番号177のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号178のLCDR1、配列番号179のLCDR2及び配列番号180のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号264の重鎖可変領域、及び配列番号265の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0068】
一実施形態では、抗FAP抗体は、20G8の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号181のHCDR1、配列番号182のHCDR2及び配列番号183のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号184のLCDR1、配列番号185のLCDR2及び配列番号186のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号266の重鎖可変領域、及び配列番号267の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0069】
一実施形態では、抗FAP抗体は、5B8の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号187のHCDR1、配列番号188のHCDR2及び配列番号189のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号190のLCDR1、配列番号191のLCDR2及び配列番号192のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号268の重鎖可変領域、及び配列番号269の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0070】
一実施形態では、抗FAP抗体は、5F1の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号193のHCDR1、配列番号194のHCDR2及び配列番号195のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号196のLCDR1、配列番号197のLCDR2及び配列番号198のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号270の重鎖可変領域、及び配列番号271の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0071】
一実施形態では、抗FAP抗体は、14B3の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号199のHCDR1、配列番号200のHCDR2及び配列番号201のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号202のLCDR1、配列番号203のLCDR2及び配列番号204のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号272の重鎖可変領域、及び配列番号273の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0072】
一実施形態では、抗FAP抗体は、16F1の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号205のHCDR1、配列番号206のHCDR2及び配列番号207のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号208のLCDR1、配列番号209のLCDR2及び配列番号210のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号274の重鎖可変領域、及び配列番号275の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0073】
一実施形態では、抗FAP抗体は、16F8の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号211のHCDR1、配列番号212のHCDR2及び配列番号213のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号214のLCDR1、配列番号215のLCDR2及び配列番号216のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号276の重鎖可変領域、及び配列番号277の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0074】
一実施形態では、抗FAP抗体は、O3C9の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号217のHCDR1、配列番号218のHCDR2及び配列番号219のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号220のLCDR1、配列番号221のLCDR2及び配列番号222のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号278の重鎖可変領域、及び配列番号279の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0075】
一実施形態では、抗FAP抗体は、22A3の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号223のHCDR1、配列番号224のHCDR2及び配列番号225のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号226のLCDR1、配列番号227のLCDR2及び配列番号228のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号280の重鎖可変領域、及び配列番号281の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0076】
一実施形態では、抗FAP抗体は、29B11の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号229のHCDR1、配列番号230のHCDR2及び配列番号231のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号232のLCDR1、配列番号233のLCDR2及び配列番号234のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号282の重鎖可変領域、及び配列番号283の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0077】
一実施形態では、抗FAP抗体は、O2D7の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号235のHCDR1、配列番号236のHCDR2及び配列番号237のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号238のLCDR1、配列番号239のLCDR2及び配列番号240のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号284の重鎖可変領域、及び配列番号285の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0078】
一実施形態では、抗FAP抗体は、23C10の可変領域を含んでもよい。詳細には、抗体は、配列番号241のHCDR1、配列番号242のHCDR2及び配列番号243のHCDR3を含む重鎖可変領域、並びに配列番号244のLCDR1、配列番号245のLCDR2及び配列番号246のLCDR3を含む軽鎖可変領域を含んでもよい。加えて、抗FAP抗体は、配列番号286の重鎖可変領域、及び配列番号287の軽鎖可変領域を含んでもよい。
【0079】
一実施形態では、抗FAP抗体は、AMG-506/MP-0310であってもよい。詳細には、抗体は、配列番号247のアミノ酸配列を含み得る。
【0080】
抗FAP抗体は、がん細胞に存在するFAPに特異的に結合し、がん細胞の死滅を誘導し得る限り任意の抗体を使用することができる。
第1の単量体の構造
第1の単量体は、IL-12又はそのバリアントを含む。
【0081】
第1の単量体は、FAPに特異的に結合する抗原結合部位をさらに含んでもよい。
【0082】
一実施形態では、第1の単量体は、IL-12又はそのバリアントと、Fc領域断片又はそのバリアントとを含んでもよい。
【0083】
一実施形態では、第1の単量体は、IL-12又はそのバリアントと、Fc領域断片又はそのバリアントと、FAPに特異的に結合する抗原結合部位とを含んでもよい。
【0084】
第1の単量体は、以下の構造式(III)又は(IV):
N’-X-[リンカー(2)]p-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(3)]q-(T)r-C’ (III)
N’-(T)r-[リンカー(2)]q-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(3)]p-X-C’ (IV)
[構造式(III)及び(IV)中、
N’は、融合タンパク質のN末端であってもよく、
C’は、融合タンパク質のC末端であってもよく、
Xは、構造式(I)又は(II)であってもよく、
Tは、FAPに特異的に結合する抗原結合部位であってもよく、
リンカー(2)及び(3)は、ペプチドリンカーであってもよく、
p、q及びrは、各々独立的に、0又は1であってもよい]
を含み得る。
【0085】
一実施形態では、rが0である場合、第1の単量体は、IL-12又はそのバリアント及びFc領域断片又はそのバリアントがペプチドリンカーによって連結された融合タンパク質の形態であってもよい。
【0086】
ここで、第1の単量体は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号15、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号32のアミノ酸配列を含み得る。
【0087】
ここで、構造式(III)中、rが1である場合、第1の単量体は、抗FAP抗体の単量体がIL-12又はそのバリアントに結合した形態であってもよい。
【0088】
ここで、構造式(III)中、rが1である場合、第1の単量体は、配列番号292、配列番号293、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号302又は配列番号303のアミノ酸配列を含み得る。
【0089】
ここで、構造式(IV)中、rが1である場合、第1の単量体は、配列番号294、配列番号295、配列番号300又は配列番号301のアミノ酸配列を含み得る。
【0090】
一実施形態では、rが1である場合、構造式(III)は、以下の構造式(III’)及び(III”):
N’-X-[リンカー(2)]p-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(3)]q-(T’)-C’ (III’)
N’-(T”)-C’ (III”)
[構造式(III’)及び(III”)中、
T’は、可変領域及びCH1領域を含む、FAPに特異的に結合する抗体の重鎖領域、又は抗体の軽鎖領域であり、
T”は、FAPに特異的に結合する抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、抗体の重鎖領域であり、
ここで、T’及びT”は、互いに結合して、抗体の可変領域を形成し、該可変領域は、FAPに特異的に結合し、
リンカー(2)~(3)は、ペプチドリンカーであり、
p及びqは、各々独立的に、0又は1であり、
N’、X及びC’は、上に定義したとおりである]
を含み得る。
一実施形態では、rが1である場合、構造式(IV)は、以下の構造式(IV’)及び(IV”):
N’-(T’)-[リンカー(2)]q-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(3)]p-X-C’ (IV’);及び
N’-(T”)-C’ (IV”)
[構造式(IV’)及び(IV”)中、
T’は、可変領域及びCH1領域を含む、FAPに特異的に結合する抗体の重鎖領域、又は抗体の軽鎖領域であり、
T”は、FAPに特異的に結合する抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、抗体の重鎖領域であり、
ここで、T’及びT”は、互いに結合して、抗体の可変領域を形成し、該可変領域は、FAPに特異的に結合し、
リンカー(2)~(3)は、ペプチドリンカーであり、
p及びqは、各々独立的に、0又は1であり、
N’、X及びC’は、上に定義したとおりである]
を含み得る。
【0091】
ここで、第1の単量体は、配列番号10及び配列番号2;配列番号11及び配列番号2;配列番号27及び配列番号19;配列番号28及び配列番号19;配列番号294及び配列番号2;配列番号295及び配列番号2;配列番号300及び配列番号19;又は配列番号301及び配列番号19のアミノ酸配列を含み得る。
第2の単量体の構造
第2の単量体は、FAPに特異的に結合する抗原結合部位をさらに含んでもよい。
【0092】
一実施形態では、第2の単量体は、第1のFAP結合部位と、第2のFAP結合部位とを含んでもよい。
【0093】
FAPに特異的に結合する抗原結合部位は、Fab、scFv、Fv、又はその断片であってもよい。ここで、第1のFAP結合部位は、Fabであってもよく、第2のFAP結合部位は、Fv又はscFvであってもよい。
【0094】
第2のFAP結合部位は、第2の単量体のN末端又はC末端に結合していてもよい。詳細には、第2のFAP結合部位は、重鎖のC末端、軽鎖のC末端、又は可変領域のN末端に追加的に結合していてもよい。
【0095】
第2の単量体は、以下の構造式(V):
N’-(R)s-[リンカー(4)]t-Q-[リンカー(5)]u-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(6)]v-(W)a-C’ (V)
[構造式(V)中、
N’は、融合タンパク質のN末端であってもよく、
C’は、融合タンパク質のC末端であってもよく、
R及びQは、FAPに特異的に結合する抗原結合部位であってもよく、
Wは、FAPに特異的に結合するscFv;又は構造式(I)若しくは(II)のIL-12又はそのバリアントであってもよく、
リンカー(4)、(5)及び(6)は各々、ペプチドリンカーであってもよく、
s、t、u、v及びaは、各々独立的に、0又は1であってもよい]
を含み得る。
【0096】
一実施形態では、構造式(V)は、配列番号1、配列番号2、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号14、配列番号18、配列番号19、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号31、配列番号294、配列番号295、配列番号300及び配列番号301からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。
【0097】
一実施形態では、構造式(V)は、以下の構造式(V’)及び(V”):
N’-(R’)s-[リンカー(4)]t-Q’-[リンカー(5)]u-Fc領域断片又はそのバリアント-[リンカー(6)]p-(W)a-C’ (V’)
N’-(R”)s-[リンカー(4)]t-Q”-[リンカー(7)]x-(W)b-C’ (V”)
[構造式(V’)及び(V”)中、
R’は、可変領域及びCH1領域を含む、FAPに特異的に結合する抗体の重鎖領域、又は抗体の軽鎖領域であってもよく、
R”は、FAPに特異的に結合する抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、抗体の重鎖領域であってもよく、
ここで、R’及びR”は、互いに結合して、抗体の可変領域を形成してもよく、該可変領域は、FAPに特異的に結合し、
Q’は、可変領域及びCH1領域を含む、FAPに特異的に結合する抗体の重鎖領域、又は抗体の軽鎖領域であってもよく、
Q”は、FAPに特異的に結合する抗体の軽鎖領域、又は可変領域及びCH1領域を含む、抗体の重鎖領域であってもよく、
ここで、Q’及びQ”は、互いに結合して、抗体の可変領域を形成してもよく、該可変領域は、FAPに特異的に結合し、
Wは、FAPに特異的に結合するscFv;又は構造式(I)若しくは(II)のIL-12又はそのバリアントであってもよく、
リンカー(4)、(5)、(6)及び(7)は各々、ペプチドリンカーであってもよく、
s、t、u、x、a及びbは、各々独立的に、0又は1であってもよい]
を含み得る。
【0098】
一実施形態では、構造式(V’)は、配列番号1、配列番号6、配列番号8、配列番号14、配列番号18、配列番号23、配列番号25、配列番号31、配列番号294、配列番号295、配列番号300又は配列番号301であってもよい。
【0099】
一実施形態では、構造式(V”)は、配列番号2、配列番号7、配列番号9、配列番号19、配列番号24又は配列番号26であってもよい。
【0100】
一実施形態では、第2の単量体は、配列番号102のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号103のアミノ酸配列からなる軽鎖;又は配列番号110のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号111のアミノ酸配列からなる軽鎖を含み得る。
【0101】
加えて、WがscFvである場合、Wは、配列番号72又は配列番号84のアミノ酸配列を有してもよい。
【0102】
ペプチドリンカー
本明細書で使用される場合、「ペプチドリンカー」という用語は、融合タンパク質において物理化学的距離を設けるため又はドメイン間を接続するために使用されるペプチドを指す。リンカーは、免疫グロブリンのヒンジ領域を含んでもよい。
【0103】
ペプチドリンカー(1)~(7)とは、アミノ酸から構成されるペプチドリンカーを指す。詳細には、ペプチドリンカー(2)又は(5)は、5~80個の連続するアミノ酸、7~70個の連続するアミノ酸、又は10~60個の連続するアミノ酸、又は12~50個のアミノ酸からなってもよい。ペプチドリンカーは、(G4S)n(ここで、nは、1~10の整数である)を含み得る。ここで、(G4S)n中、nは各々、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であってもよい。
【0104】
一実施形態では、ペプチドリンカー(1)は、配列番号93、配列番号94又は配列番号95のアミノ酸配列からなるペプチドリンカーであってもよい。
【0105】
ペプチドリンカー(2)又は(5)は、5~80個の連続するアミノ酸、7~70個の連続するアミノ酸、又は10~60個の連続するアミノ酸、又は12~50個のアミノ酸からなってもよい。一実施形態では、ペプチドリンカー(2)は、30個のアミノ酸からなってもよい。加えて、ペプチドリンカー(2)は、少なくとも1つのシステインを含んでもよい。詳細には、ペプチドリンカー(2)は、1つ、2つ又は3つのシステインを含んでもよい。加えて、ペプチドリンカー(2)は、免疫グロブリンのヒンジに由来し得、(G4S)n(ここで、nは、1~10の整数である)をさらに含み得る。詳細には、ペプチドリンカー(2)は、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119及び配列番号120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列からなるヒンジ領域を含んでもよい。
【0106】
加えて、ペプチドリンカー(3)、(4)、(6)及び(7)は、1~30個の連続するアミノ酸、5~20個の連続するアミノ酸、又は10~15個の連続するアミノ酸からなってもよい。ペプチドリンカーは、(G4S)n(ここで、nは、1~10の整数である)を含み得る。ここで、(G4S)n中、nは各々、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であってもよい。
【0107】
加えて、詳細には、ペプチドリンカー(2)、(3)又は(5)は、配列番号93又は配列番号94を含み得る。
【0108】
本発明の一実施形態では、ペプチドリンカー(2)又は(5)は、配列番号118又は120のアミノ酸配列を含むペプチドリンカーであってもよい。
Fc領域又はその断片
ここで、上記の免疫グロブリン断片は、免疫グロブリンのFc領域であってもよい。免疫グロブリンのFc領域は、野生型Fcドメイン及びFcドメインバリアントであり得る。ここで、Fc領域は、IgG、IgA、IgE、IgD又はIgMのFc領域であってもよい。詳細には、Fc領域は、IgG1又はIgG2aに由来し得る。
【0109】
本明細書で使用される場合、「Fcドメインバリアント」という用語は、グリコシル化パターンに関して野生型Fcドメインと異なるか、野生型Fcドメインと比較して高いグリコシル化を有するか、野生型Fcドメインと比較して低いグリコシル化を有するか、又は脱グリコシル化形態を有する形態を指し得る。加えて、「Fcドメインバリアント」には、非グリコシル化Fcドメインが含まれる。Fcドメイン又はそのバリアントは、宿主の培養条件又は遺伝子操作によって、調整された数のシアル酸、フコシル化、又はグリコシル化を有するように構成され得る。
【0110】
加えて、免疫グロブリンのFcドメインのグリコシル化は、化学的方法、酵素的方法、及び微生物を使用する遺伝子工学的方法などの従来の方法によって修飾することができる。加えて、Fcドメインバリアントは、免疫グロブリンIgG、IgA、IgE、IgD又はIgMのそれぞれのFc領域の混合形態であってもよい。加えて、Fcドメインバリアントは、Fcドメインのいくつかのアミノ酸が他のアミノ酸で置換された形態であってもよい。
【0111】
置換及び/又は付加によって導入される「アミノ酸」は、リシン(K)、アラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)及びバリン(V)からなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
【0112】
加えて、Fc領域は、ノブ構造又はホール構造を含んでもよい。
【0113】
本明細書で使用される場合、「ノブ-イントゥ-ホール」という用語は、異なる領域に特異的に結合する抗体、例えば二特異性抗体、多特異性抗体、又はヘテロ二量体抗体を製造するための設計戦略である。一般に、この技法は、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げるようにノブがホール内に配置され得るように、第1のポリペプチドの界面(例えば、第1の抗体重鎖の第1のCH3ドメイン)のノブ及び第2のポリペプチドの界面(例えば、第2の抗体重鎖の第2のCH3ドメイン)の対応するホールを導入することを伴う。
【0114】
「ノブ」は、第1のポリペプチドの界面(例えば、第1の抗体重鎖の第1のCH3ドメイン)からの小さいアミノ酸側鎖をより大きい側鎖(例えば、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン又はトリプトファン)で置き換えることによって構築される。ノブにおける同じ又は類似のサイズの相補的な「ホール」は、第2のポリペプチドの界面(例えば、第2の抗体重鎖の第2のCH3ドメイン)からの大きいアミノ酸側鎖をより小さい側鎖(例えば、アラニン、セリン、バリン、又はトレオニン)で置き換えることによって作製される。ノブ及びホールは、ポリペプチドをコードする核酸を変化させることによって、例えば、部位特異的突然変異誘発又はペプチド合成によって作製することができる。
【0115】
一実施形態では、IgG1のノブ構造は、配列番号13又は288であってもよく、ホール構造は、配列番号12又は289であってもよい。ノブ構造又はホール構造は、配列番号304のアミノ酸配列の146番目、148番目及び187番目のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された形態であってもよい。詳細には、本発明の一実施形態では、ノブ構造又はホール構造は、配列番号304のアミノ酸配列がT146W、T146S、L148A及びY187Aで置換された形態であってもよい。詳細には、ノブ構造は、配列番号304のアミノ酸配列がT146Wで置換された形態であってもよく、ホール構造は、配列番号304のアミノ酸配列がT146S、L148A及びY148Vで置換された形態であってもよい。
【0116】
他方で、本発明の一実施形態では、IgG2aのノブ構造は、配列番号30又は290であってもよく、ホール構造は、配列番号29又は291であってもよい。ノブ構造又はホール構造は、配列番号305のアミノ酸配列の152番目、154番目及び193番目のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された形態であってもよい。詳細には、本発明の一実施形態では、ノブ構造又はホール構造は、配列番号305のアミノ酸配列がT152W又はT152S、M154A及びY193Vで置換された形態であってもよい。詳細には、ノブ構造は、配列番号305のアミノ酸配列がT152Wで置換された形態であってもよく、ホール構造は、配列番号305のアミノ酸配列がT152S、M154A及びY193Vで置換された形態であってもよい。
【0117】
一実施形態では、Fcドメインバリアントは、DANG突然変異又はNG突然変異を含み得る。ここで、「DANG突然変異」とは、ヒトIgG1又はマウスIgG2aにおけるエフェクター機能を除去するためのD265A/N297G突然変異を指す。
【0118】
IgG分子におけるFc領域によって媒介されるエフェクター機能は、C1q結合、補体依存性細胞傷害、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、ファゴサイトーシス、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の下方調節などを含む。一般に、これらのエフェクター機能は、Fc領域と結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)との結合を必要とする。
【0119】
エフェクター機能は、非変異Fc領域のアミノ酸配列の置換によって変更することができ、エフェクター機能が変更されたFc領域は、例えば、C1q結合及び/又はFcR結合を修飾し、それにより、CDC活性及び/又はADCC活性を変更することによって設計することができる。つまり、「DANG突然変異」とは、抗体産生中に望ましくないエフェクター機能が生じないように、Fc領域によって媒介されるエフェクター機能がIgG分子から除去されることを意味する。
【0120】
一実施形態では、DANG突然変異は、配列番号289のヒトIgG1におけるアミノ酸がD45A/N77Gで置換された形態であってもよい。加えて、DANG突然変異は、配列番号291のマウスIgG2aにおけるアミノ酸がD51A/N83Gで置換された形態であってもよい。
融合タンパク質の構造
融合タンパク質は、抗体であってもよい。詳細には、抗体は、ノブ-イントゥ-ホール構造を含むヘテロ二量体抗体であってもよい。
【0121】
融合タンパク質は、構造式(III)及び構造式(V);又は構造式(IV)及び構造式(V)を含み得る。
より詳細には、融合タンパク質の一実施形態は、下記の(i)又は(ii)の第1の単量体と、下記の(iii)、(iv)、(v)又は(vi)の第2の単量体とを含んでもよい:
第1の単量体の例:
(i)rが0である場合、構造式(III)
(ii)rが1である場合、構造式(IV)
第2の単量体の例:
(iii)s、a及びbが0である場合、構造式(V’)及び構造式(V”)
(iv)sが1であり、a及びbが0である場合、構造式(V’)及び構造式(V”)
(v)s及びbが0であり、aが1である場合、構造式(V’)及び構造式(V”)
(vi)bが1であり、s及びaが0である場合、構造式(V’)及び構造式(V”)。
【0122】
一実施形態では、融合タンパク質は、上記の(i)を含む第1の単量体と、上記の(iii)を含む第2の単量体とを含んでもよい(
図33の左から1番目)。ここで、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21及び配列番号22からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3;配列番号1、配列番号2及び配列番号4;配列番号1、配列番号2及び配列番号5;配列番号18、配列番号19及び配列番号20;配列番号18、配列番号19及び配列番号21;又は配列番号18、配列番号19及び配列番号22を含み得る。
【0123】
一実施形態では、融合タンパク質は、上記の(i)を含む第1の単量体と、上記の(iv)を含む第2の単量体とを含んでもよい(
図33の左から2番目)。ここで、融合タンパク質は、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号20、配列番号22、配列番号23及び配列番号24からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号3、配列番号6及び配列番号7;配列番号5、配列番号6及び配列番号7;配列番号20、配列番号23及び配列番号24;又は配列番号22、配列番号23及び配列番号24を含み得る。
【0124】
一実施形態では、融合タンパク質は、上記の(i)を含む第1の単量体と、上記の(v)を含む第2の単量体とを含んでもよい(
図33の左から3番目)。ここで、融合タンパク質は、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号8、配列番号19、配列番号20、配列番号22及び配列番号25からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号2、配列番号3及び配列番号8;配列番号2、配列番号5及び配列番号8;配列番号19、配列番号20及び配列番号25;又は配列番号19、配列番号22及び配列番号25を含み得る。
【0125】
一実施形態では、融合タンパク質は、上記の(i)を含む第1の単量体と、上記の(vi)を含む第2の単量体とを含んでもよい(
図33の左から4番目)。ここで、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号18、配列番号20、配列番号22及び配列番号26からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号3及び配列番号9;配列番号1、配列番号5及び配列番号9;配列番号18、配列番号20及び配列番号26;又は配列番号18、配列番号22及び配列番号26を含み得る。
【0126】
一実施形態では、融合タンパク質は、上記の(ii)を含む第1の単量体と、上記の(iii)を含む第2の単量体とを含んでもよい(
図33の左から5番目)。ここで、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号2、配列番号10、配列番号11、配列番号18、配列番号19、配列番号27及び配列番号28からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号2及び配列番号10;配列番号1、配列番号2及び配列番号11;配列番号18、配列番号19及び配列番号27;又は配列番号18、配列番号19及び配列番号28を含み得る。
【0127】
加えて、一実施形態では、IL-12又はそのバリアントと、FAPに特異的に結合する抗原結合部位とを含む融合タンパク質二量体は、構造式(III)の単量体及び構造式(V)の単量体を含む融合タンパク質二量体であってもよい(
図34の左)。ここで、構造式(III)中、rは、1であり、構造式(V)中、s、a及びtは、0である。ここで、構造式(V)は、(V’)及び(V”)を含み得る。ここで、(V’)及び(V”)中、s、a、t及びbは、0である。加えて、二量体のFc領域は、異なる融合タンパク質が互いに結合することができるノブ-イントゥ-ホール構造を有する。
【0128】
詳細には、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号2、配列番号18、配列番号19、配列番号292、配列番号293、配列番号298及び配列番号299からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号1、配列番号2及び配列番号292;配列番号1、配列番号2及び配列番号293;配列番号18、配列番号19及び配列番号298;又は配列番号18、配列番号19及び配列番号299を含み得る。
【0129】
加えて、IL-12又はそのバリアントと、FAPに特異的に結合する抗原結合部位とを含む融合タンパク質二量体は、構造(V)の構造を含む融合タンパク質二量体であってもよい(
図34の中央)。ここで、融合タンパク質二量体は、(V’)及び(V”)を含み得る。ここで、構造式(V)中、s及びtは、0であり、aは、1である。加えて、(V’)及び(V”)中、s、t及びbは、0であり、aは、1である。加えて、融合タンパク質二量体は、構造式(IV)の構造を含む融合タンパク質二量体であってもよい。ここで、構造式(IV)中、rは、1である。
【0130】
詳細には、融合タンパク質は、配列番号2、配列番号19、配列番号294、配列番号295、配列番号300及び配列番号301からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含み得る。詳細には、融合タンパク質は、配列番号2及び配列番号294;配列番号2及び配列番号295;配列番号19及び配列番号300;又は配列番号19及び配列番号301を含み得る。
【0131】
一実施形態では、IL-12又はそのバリアントと、FAPに特異的に結合する抗原結合部位とを含む融合タンパク質二量体は、構造式(III)の構造を含む融合タンパク質二量体であってもよい(
図34の右)。ここで、構造式(III)中、rは、1である。
【0132】
詳細には、融合タンパク質は、配列番号296、配列番号297、配列番号302又は配列番号303を含み得る。
【0133】
本明細書における多特異性融合タンパク質は、化学修飾された形態であってもよい。一実施形態では、融合タンパク質は、グリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解切断及び/又は細胞性リガンド若しくは他のタンパク質への結合によって化学修飾することができる。これらの化学修飾の多くは、公知の技法によって行うことができる。
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド
本発明の別の態様では、第1の単量体をコードするポリヌクレオチド又は第2の単量体をコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0134】
一実施形態では、第1の単量体のポリペプチドは、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号10、配列番号11、配列番号15、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号27、配列番号28、配列番号32、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号296、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号302、又は配列番号303と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。
【0135】
一実施形態では、第1の単量体をコードするポリヌクレオチドは、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号45、配列番号46、配列番号50、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号62、配列番号63、又は配列番号67と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%の同一性を有してもよい。
【0136】
一実施形態では、第2の単量体のポリペプチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号14、配列番号18、配列番号19、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号31、配列番号294、配列番号295、配列番号300又は配列番号301と約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。
【0137】
一実施形態では、第2の単量体をコードするポリヌクレオチドは、配列番号36、配列番号37、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号49、配列番号53、配列番号54、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61又は配列番号66と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%の同一性を有してもよい。
【0138】
ポリヌクレオチドは、シグナル配列又はリーダー配列をコードする核酸をさらに含んでもよい。本明細書で使用される場合、「シグナル配列」という用語は、標的タンパク質の分泌を指示するシグナルペプチドを指す。シグナルペプチドは、宿主細胞において翻訳され、次いで切断される。詳細には、シグナル配列は、小胞体(ER)膜を通過するタンパク質の輸送を開始するアミノ酸配列である。
【0139】
シグナル配列は、その特性について当技術分野で周知である。このようなシグナル配列は、典型的には、16~30個のアミノ酸残基を含有し、このようなアミノ酸残基よりも多い又は少ないアミノ酸残基を含有してもよい。典型的なシグナルペプチドは、3つの領域、すなわち、塩基性のN末端領域、中心の疎水性領域、及びより極性のC末端領域から構成される。中心の疎水性領域は、膜脂質二重層を介した未成熟ポリペプチドの輸送中にシグナル配列を固定化させる4~12個の疎水性残基を含有する。
【0140】
開始後、シグナル配列は、シグナルペプチダーゼとして一般に知られている細胞性酵素によってERの内腔において切断される。ここで、シグナル配列は、tPa(組織プラスミノーゲンアクチベーター)、HSV gDs(単純ヘルペスウイルス糖タンパク質Dのシグナル配列)、又は成長ホルモンの分泌シグナル配列であってもよい。好ましくは、哺乳動物などを含む高等真核細胞において使用される分泌シグナル配列を使用することができる。加えて、野生型シグナル配列を使用することができるか、又は宿主細胞において高い発現頻度を有するコドンで置換されたシグナル配列を使用することができる。
【0141】
ポリヌクレオチドを有するベクター
本発明の別の態様では、ポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。
【0142】
ベクターは、宿主細胞に導入して、宿主細胞のゲノムと組み換え、挿入することができる。又は、ベクターは、エピソームとして自律的に複製することができるポリヌクレオチド配列を含有する核酸手段と理解される。ベクターは、直鎖状核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウイルスベクター、及びそのアナログを含む。ウイルスベクターの例は、レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルスを含むが、これらに限定されない。
【0143】
詳細には、ベクターは、プラスミドDNA、ファージDNAなど;及び商業的に開発されたプラスミド(pUC18、pBAD、pIDTSAMRT-AMPなど)、大腸菌(E.coli)由来のプラスミド(pYG601BR322、pBR325、pUC118、pUC119など)、枯草菌(Bacillus subtilis)由来のプラスミド(pUB110、pTP5など)、酵母由来のプラスミド(YEp13、YEp24、YCp50など)、ファージDNA(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAPなど)、動物ウイルスベクター(レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルスなど)、昆虫ウイルスベクター(バキュロウイルスなど)を含み得る。ベクターは、宿主細胞によりタンパク質の異なる発現レベル及び修飾を示すことから、目的に最も好適な宿主細胞を選択し、使用することが好ましい。
【0144】
本明細書で使用される場合、「遺伝子発現」又は標的タンパク質の「発現」という用語は、DNA配列の転写、mRNA転写物の翻訳、及び融合タンパク質産物又はその断片の分泌を意味すると理解される。有用な発現ベクターは、RcCMV(Invitrogen、Carlsbad)又はそのバリアントであり得る。発現ベクターは、哺乳動物細胞における標的遺伝子の連続的転写を促進するためのヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、及び転写後のRNAの安定性レベルを高めるためのウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列を含有してもよい。
融合タンパク質を発現する形質転換細胞
本発明の別の態様では、ベクターが導入された形質転換細胞が提供される。
【0145】
形質転換細胞の宿主細胞は、原核細胞、真核細胞、及び哺乳動物、植物、昆虫、真菌、又は細菌起源の細胞を含み得るが、これらに限定されない。原核細胞の例として、大腸菌を使用することができる。加えて、真核細胞の例として、酵母を使用することができる。加えて、哺乳動物細胞については、CHO細胞、F2N細胞、CSO細胞、BHK細胞、Bowes黒色腫細胞、HeLa細胞、911細胞、AT1080細胞、A549細胞、HEK293細胞、HEK293T細胞などを使用することができる。しかしながら、哺乳動物細胞は、これらに限定されず、哺乳動物宿主細胞として使用できることが当業者に知られている任意の細胞を使用することができる。
【0146】
加えて、宿主細胞への発現ベクターの導入には、CaCl2沈殿、CaCl2沈殿においてジメチルスルホキシド(DMSO)などの還元剤を使用することによって効率が高められたHanahan法、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、原形質融合、炭化ケイ素繊維を使用する撹拌、アグロバクテリウムにより媒介される形質転換、PEGを使用する形質転換、硫酸デキストラン、リポフェクタミン(lipofectamine)、又は乾燥/阻害により媒介される形質転換などを使用することができる。
【0147】
上記のとおり、治療剤としての融合タンパク質の性質の最適化又は他の任意の目的のために、当業者に公知の方法によって、宿主細胞が保有するグリコシル化関連遺伝子を操作することによって、融合タンパク質のグリコシル化パターン(例えば、シアル酸、フコシル化、グリコシル化)を調整することができる。
融合タンパク質を製造する方法
本発明の別の態様では、融合タンパク質を製造する方法であって、i)形質転換細胞を培養するステップと、ii)第1の単量体及び第2の単量体を含む融合タンパク質を回収するステップとを含む方法が提供される。
【0148】
形質転換細胞を培養する方法は、当技術分野で周知の方法を使用して実施することができる。詳細には、培養は、バッチプロセスで実施するか、又はフェッドバッチ若しくは反復フェッドバッチプロセスで連続的に実施することができる。
融合タンパク質の使用
本発明の別の態様では、がんを予防する又は処置するための医薬組成物であって、融合タンパク質を活性成分として含む医薬組成物が提供される。
【0149】
ここで、がんは、胃がん、肝臓がん、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、皮膚がん、骨がん、多発性骨髄腫、神経膠腫、卵巣がん、膵臓がん、子宮頸がん、甲状腺がん、喉頭がん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、脳腫瘍、神経芽腫、網膜芽細胞腫、頭頸部がん、唾液腺がん及びリンパ腫からなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
【0150】
医薬組成物の好ましい用量は、患者の状態及び体重、疾患の重症度、薬物の形態、投与の経路及び持続時間により変動し、当業者が適切に選択することができる。本発明の腫瘍を処置する又は予防するための医薬組成物において、活性成分は、活性成分が腫瘍を処置する活性又は、特に、がんに対する治療効果を示し得る限り、用途、剤形、配合目的などに応じた任意の量(有効量)で含有され得る。活性成分の通常の有効量は、組成物の総重量を基準として、0.001重量%~20.0重量%の範囲内で決定される。ここで、「有効量」という用語は、疾患の状態を改善する又は処置する効果を誘導すること、特に、がんの状態を改善する又は処置する効果を誘導することが可能な活性成分の量を指す。このような有効量は、当業者の常識の範囲内で実験的に決定することができる。
【0151】
本明細書で使用される場合、「処置」という用語は、治療的処置及び予防的処置の両方を意味するために使用することができる。ここで、予防とは、対象の病態又は疾患が軽減される又は緩和されることを意味するために使用することができる。一実施形態では、「処置」という用語は、ヒトを含む、哺乳動物における疾患を処置するための適用又は任意の形態の投与の両方を含む。加えて、「処置」という用語は、疾患の進行を阻害する又は遅らせることを含み、疾患が部分的に若しくは完全に軽減されるように低下した若しくは失われた機能を回復する若しくは修復する;非効率的なプロセスを刺激する;又は重度の疾患を軽減するという意味を含む。
【0152】
バイオアベイラビリティなどの薬物動態パラメーター及びクリアランス速度などの基礎的なパラメーターもまた、有効性に影響を及ぼし得る。したがって、「増強された有効性」(例えば、有効性の改善)は、増強された薬物動態パラメーター及び増強された有効性に起因する可能性があり、クリアランス速度及び試験動物又はヒト対象における腫瘍の処置又は改善などのパラメーターを比較することによって測定することができる。
【0153】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」又は「薬学的有効量」という用語は、問題の疾患を予防する又は処置するのに有効な化合物又は組成物の量であって、医学的処置に適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で疾患を処置するのに十分であり、副作用を引き起こさない量を指す。有効量のレベルは、患者の健康状態、疾患の型及び重症度、薬物の活性、薬物に対する患者の感度、投与方式、投与時間、投与経路及び排泄速度、処置の持続時間、配合又は同時に使用される薬物、並びに医学分野で周知の他の因子を含む因子により決定することができる。一実施形態では、治療有効量とは、がんを処置するのに有効な薬物の量を指す。
【0154】
ここで、医薬組成物は、薬学的に許容できる担体をさらに含んでもよい。薬学的に許容できる担体は、患者への送達に好適な非毒性物質である限り、任意の担体であり得る。蒸留水、アルコール、脂肪、ワックス、及び不活性固体は、担体として含有され得る。薬学的に許容できるアジュバント(緩衝剤、分散剤)もまた、医薬組成物に含有され得る。
【0155】
詳細には、活性成分に加えて薬学的に許容できる担体を含めることによって、医薬組成物は、投与経路により、当技術分野で公知の従来の方法を使用して、非経口製剤に調製することができる。ここで、「薬学的に許容できる」という用語は、担体が、活性成分の活性を阻害しないと同時に、適用される(処方される)対象が適応できるよりも大きな毒性を有さないことを意味する。
【0156】
医薬組成物が非経口製剤に調製される場合、非経口製剤は、当技術分野で公知の方法に従って、好適な担体を用いて、注射剤、経皮パッチ、経鼻吸入剤、又は坐剤の形態の調製物にすることができる。注射剤にされる場合、滅菌水、エタノール、グリセロール若しくはプロピレングリコールなどのポリオール、又はこれらの混合物を好適な担体として使用することができ、等張液、例えばリンゲル液、トリエタノールアミンを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)又は注射用滅菌水、及び5%デキストロースなどを好ましくは使用することができる。医薬組成物の製剤化は、当技術分野で公知であり、詳細には、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第19版、1995)などを参照することができる。同文献は、本明細書の一部と考えられる。
【0157】
医薬組成物の好ましい用量は、患者の状態、体重、性別、年齢、患者の重症度、及び投与経路により、1日当たり0.01μg/kg~10g/kg、又は0.01mg/kg~1g/kgの範囲であり得る。用量は、1日1回投与することができるか又は1日数回に分割することができる。このような用量は、本発明の範囲をいかなる面でも限定すると考えられるべきではない。
【0158】
医薬組成物を適用する(処方する)ことができる対象は、哺乳動物及びヒトであり、ヒトが特に好ましい。活性成分に加えて、本出願の医薬組成物は、腫瘍に対する治療効果を有することが知られている任意の化合物又は天然抽出物をさらに含有してもよい。
【0159】
本発明の別の態様では、がんを処置するための、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質の使用が提供される。
【0160】
本発明の別の態様では、がんを処置するための医薬を製造するための、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質の使用が提供される。
【0161】
本発明のさらに別の態様では、がんを処置する又は予防するための方法であって、IL-12又はそのバリアントを含む第1の単量体と、FAPに特異的に結合する抗原結合部位を含む第2の単量体とを含む融合タンパク質を対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0162】
ここで、対象は、がんに罹患している対象であってもよい。加えて、対象は、哺乳動物、好ましくはヒトであってもよい。
【0163】
融合タンパク質又は融合タンパク質二量体の投与経路、用量、及び投与頻度は、患者の状態及び副作用の有無により変動する可能性があり、そのため、融合タンパク質又は融合タンパク質二量体は、様々な方法及び量で対象に投与することができる。最適な投与方法、用量、及び投与頻度は、当業者が適切な範囲内で選択することができる。加えて、融合タンパク質又は融合タンパク質二量体は、処置される疾患に関する治療効果が知られている他の薬物又は生理活性物質と組み合わせて投与することができるか、又は他の薬物との組合せ調製物の形態で製剤化することができる。
【実施例0164】
これ以降、本発明を以下の実施例によってより詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は、本発明を例示するためのものにすぎず、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
【0165】
調製例1.抗FAP/IL-12 IgG1 DANG、ヒト融合タンパク質の概要
【0166】
【表1】
[seq1]は、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列及びヒトIgG1 Fcで構成され、エフェクター機能はDANG突然変異(D265A、N297G)によって除去され、ノブ構造がT366W突然変異によって形成される。
【0167】
[seq2]は、ヒト抗FAP軽鎖配列で構成される。
【0168】
[seq3]は、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域配列、及びリンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトインターロイキン12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びヒトIgG1 Fcで構成され、エフェクター機能はDANG突然変異(D265A、N297G)によって除去され、ホール構造がT366S、L368A及びY407V突然変異によって形成される。
【0169】
[seq4]は、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与する280番目及び285番目のアミノ酸であるリシン(K)がアラニン(A)に突然変異された配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びヒトIgG1 FcホールDANGで構成される。
【0170】
[seq5]は、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与する280番目、282番目、285番目及び286番目のアミノ酸であるリシン(K)がアラニン(A)に突然変異された配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びヒトIgG1 FcホールDANGで構成される。
【0171】
[seq6]は、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、及びヒトIgG1 FcノブDANGで構成される。
【0172】
[seq7]は、ヒト抗FAP軽鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒト抗FAP軽鎖配列で構成される。
【0173】
[seq8]は、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、ヒトIgG1 FcノブDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒト抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0174】
[seq9]は、ヒト抗FAP軽鎖配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒト抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0175】
[seq10]は、ヒト抗FAP重鎖配列、ヒトIgG1 FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0176】
[seq11]は、ヒト抗FAP重鎖配列、ヒトIgG1 FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0177】
[seq12]は、ヒトIgG1 FcホールDANGのみで構成される。
【0178】
[seq13]は、ヒトIgG1 FcノブDANGのみで構成される。
【0179】
[seq14]は、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列及びヒトIgG1 Fc DANGで構成される。
【0180】
[seq15]は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIl-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びヒトIgG1 Fc DANGで構成される。
【0181】
[seq16]は、ヒト抗CD20抗体の重鎖配列及びヒトIgG1 FcノブDANGで構成される。
【0182】
[seq17]は、ヒト抗CD20抗体の軽鎖配列である。
【0183】
[seq292]は、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS及びヒトIgG1 FcホールDANG、リンカー GGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS及びヒト抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0184】
[seq293]は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びヒトIgG1 FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒト抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0185】
[seq294]は、ヒト抗FAP重鎖配列、ヒトIgG1 Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0186】
[seq295]は、ヒト抗FAP重鎖配列、ヒトIgG1 Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0187】
[seq296]は、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS及びヒトIgG1 Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒト抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0188】
[seq297]は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒトIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS及びヒトIgG1 Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヒト抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びヒト抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0189】
T1.01(seq1、seq2、seq3)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列とヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0190】
T1.02(seq1、seq2、seq4)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0191】
T1.03(seq1、seq2、seq5)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0192】
T1.04(seq3、seq6、seq7)は、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)型のヒト抗FAP配列と、ヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0193】
T1.05(seq5、seq6、seq7)は、DVD-Ig型のヒト抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0194】
T1.06(seq2、seq3、seq8)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列の一本鎖可変断片(scFv)が重鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列と、ヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0195】
T1.07(seq2、seq5、seq8)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列のscFvが重鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0196】
T1.08(seq1、seq3、seq9)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列のscFvが軽鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列と、ヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0197】
T1.09(seq1、seq5、seq9)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列のscFvが軽鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0198】
T1.10(seq1、seq2、seq10)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列と、ヒトIL-12配列が重鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成する抗体である。
【0199】
T1.11(seq1、seq2、seq11)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列が重鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成する抗体である。
【0200】
T1.12(seq1、seq2、seq12)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0201】
T1.13(seq3、seq13)は、ヒトIL-12配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0202】
T1.14(seq4、seq13)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するヒトIL-12配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0203】
T1.15(seq5、seq13)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列のみを有するノブ-イントゥ-ホールル構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0204】
T1.16(seq2、seq14)は、ヒトFAPを標的とするヒト抗FAP抗体である。
【0205】
T1.17(seq15)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列のみを有するFc融合タンパク質である。
【0206】
T1.18(seq3、seq16、seq17)は、ヒトCD20を標的とするヒト抗CD20配列と、ヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0207】
T1.19(seq4、seq16、seq17)は、ヒトCD20を標的とするヒト抗CD20配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0208】
T1.20(seq5、seq16、seq17)は、ヒトCD20を標的とするヒト抗CD20配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0209】
T1.21(seq12、seq16、seq17)は、ヒトCD20を標的とするヒト抗CD20配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0210】
T1.23(seq1、seq2、seq292)は、ヒト抗FAP配列と、ヒト抗FAP配列のscFvがC末端に連結されているヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0211】
T1.24(seq1、seq2、seq293)は、ヒト抗FAP重鎖配列と、ヒト抗FAP配列のscFvがC末端に連結されている、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0212】
T1.25(seq2、seq294)は、ヒトIL-12配列が重鎖のC末端に連結されているヒト抗-FAP配列を含有するFc融合タンパク質二量体である。
【0213】
T1.26(seq2、seq295)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列が重鎖のC末端に連結されているヒト抗FAP配列を含有するFc融合タンパク質二量体である。
【0214】
T1.27(seq296)は、ヒト抗FAP配列のscFvがC末端に連結されているヒトIL-12配列を含有するFc融合タンパク質二量体である。
【0215】
T1.28(seq297)は、ヒト抗FAP配列のscFvがC末端に連結されている、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するヒトIL-12配列で構成されるFc融合タンパク質二量体である。
【0216】
[seq1]抗hu FAP HC hu IgG1 FcノブDANG
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0217】
[seq2]抗hu FAP LC
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0218】
[seq3]hu scIL-12-hu IgG1 FcホールDANG
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0219】
[seq4]hu scIL-12 mut1-hu IgG1 FcホールDANG
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASKREAKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0220】
[seq5]hu scIL-12 mut2-hu IgG1 FcホールDANG
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASAREAADRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0221】
[seq6](抗hu FAP VH)2-hu IgG1 FcノブDANG
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0222】
[seq7](抗hu FAP VL)2
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0223】
[seq8]抗hu FAP HC hu IgG1 FcノブDANG-抗hu FAP scFv
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIK
【0224】
[seq9]抗hu FAP LC-抗hu FAP scFv
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIK
【0225】
[seq10]抗hu FAP HCP hu IgG1 FcホールDANG-hu scIL-12
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSIWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS
【0226】
[seq11]抗hu FAP HC hu IgG1 FcホールDANG-hu scIL-12 mut2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSIWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASAREAADRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS
【0227】
[seq12]hu IgG1 FcホールDANG
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0228】
[seq13]hu IgG1 FcノブDANG
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0229】
[seq14]抗hu FAP HC hu IgG1 Fc DANG
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0230】
[seq15]hu scIL-12 mut2-hu IgG1 Fc DANG
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASAREAADRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0231】
[seq16]抗hu CD20 HC hu IgG1 FcノブDANG
QVQLQQPGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGRGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARSTYYGGDWYFNVWGAGTTVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0232】
[seq17]抗hu CD20 LC
QIVLSQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVSYIHWFQQKPGSSPKPWIYATSNLASGVPVRFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWTSNPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0233】
[seq292]hu scIL-12-hu IgG1 FcホールDANG-抗hu FAP scFv
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIK
【0234】
[seq293]hu scIL-12 mut2-hu IgG1 FcホールDANG-抗hu FAP scFv
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASAREAADRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIK
【0235】
[seq294]抗hu FAP HCP hu IgG1 Fc DANG-hu scIL-12
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSIWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS
【0236】
[seq295]抗hu FAP HC hu IgG1 Fc DANG-hu scIL-12 mut2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSIWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASAREAADRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS
【0237】
[seq296]hu scIL-12-hu IgG1 Fc DANG-抗hu FAP scFv
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIK
【0238】
[seq297]hu scIL-12 mut2-hu IgG1 Fc DANG-抗hu FAP scFv
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGASAREAADRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCSGGGGSGGGGSGGGGSRNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNASGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVAVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYGSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKTSRYTFTEYTIHWVRQAPGQRLEWIGGINPNNGIPNYNQKFKGRVTITVDTSASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARRRIAYGYDEGHAMDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLYSRNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIFWASTRESGVPDRFSGSGFGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYFSYPLTFGQGTKVEIK
【0239】
調製例2.抗FAP/IL-12 IgG2a DANG、マウス融合タンパク質の概要
【0240】
【0241】
[seq18]は、マウス抗FAP重鎖可変領域配列及びマウスIgG2a Fcで構成され、エフェクター機能はDANG突然変異(D265A、N297G)によって除去され、ノブ構造はT321W突然変異によって形成される。
【0242】
[seq19]は、マウスの抗FAP軽鎖配列で構成される。
【0243】
[seq20]は、マウスIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びマウスIgG2a Fcで構成され、エフェクター機能はDANG突然変異によって除去され、ホール構造はT321S、M323A、Y362V突然変異によって形成される。
【0244】
[seq21]は、マウスIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与する277番目及び282番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異される配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びマウスIgG2a FcホールDANGで構成される。
【0245】
[seq22]は、マウスIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与する276番目のアミノ酸のアルギニン(R)、並びに277番目、278番目及び282番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異される配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びマウスIgG2a FcホールDANGで構成される。
【0246】
[seq23]は、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、及びマウスIgG2a FcノブDANGで構成される。
【0247】
[seq24]は、マウス抗FAP軽鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖配列で構成される。
【0248】
[seq25]は、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、マウスIgG2a FcノブDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0249】
[seq26]は、マウス抗FAP軽鎖配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0250】
[seq27]は、マウス抗FAP重鎖配列、マウスIgG2a FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウスIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0251】
[seq28]は、マウス抗FAP重鎖配列、マウスIgG2a FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12のp40(ベータ)領域配列 、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウスIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0252】
[seq29]は、マウスIgG2a FcホールDANGのみで構成される。
【0253】
[seq30]は、マウスIgG2a FcノブDANGのみで構成される。
【0254】
〔seq31〕は、マウス抗FAP重鎖可変領域及びマウスIgG2a Fc DANGで構成される。
【0255】
[seq32]は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びマウスIgG2a Fc DANGで構成される。
【0256】
[seq33]は、マウス抗CD20抗体18B12の重鎖可変領域配列及びマウスIgG2aノブDANGで構成される。
【0257】
[seq34]は、マウス抗CD20抗体18B12の軽鎖配列で構成される。
【0258】
[seq35]は、マウスIgG2a Fc DANGのみで構成される。
【0259】
[seq298]は、マウスIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS及びマウスIgG2a FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0260】
[seq299]は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS及びマウスIgG2a FcホールDANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0261】
[seq300]は、マウス抗FAP重鎖配列、マウスIgG2a Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウスIL-12 p35(アルファ)で構成される。
【0262】
[seq301]は、マウス抗FAP重鎖配列、マウスIgG1 Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12のp40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウスIL-12 p35(アルファ)領域配列で構成される。
【0263】
[seq302]は、マウスIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS及びマウスIgG2a Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0264】
[seq303]は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12 p40(ベータ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウスIL-12 p35(アルファ)領域配列、リンカーGGGGSGGGGS、及びマウスIgG2a Fc DANG、リンカーGGGGSGGGGSGGGGS、マウス抗FAP重鎖可変領域配列、リンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS、及びマウス抗FAP軽鎖可変領域配列で構成される。
【0265】
T1.01m(seq18、seq19、seq20)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列とマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0266】
T1.02m(seq18、seq19、seq21)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0267】
T1.03m(seq18、seq19、seq22)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列がノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0268】
T1.04m(seq20、seq23、seq24)は、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)型のマウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列とマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0269】
T1.05m(seq22、seq23、seq24)は、DVD-Ig型のマウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列よ、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0270】
T1.06m(seq19、seq20、seq25)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列の一本鎖可変断片(scFv)が重鎖のC末端に含まれるマウス抗FAP配列と、マウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0271】
T1.07m(seq19、seq22、seq25)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列のscFvが重鎖のC末端に含まれるマウス抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0272】
T1.08m(seq18、seq20、seq26)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列のscFvが軽鎖のC末端に含まれるマウス抗FAP配列とマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0273】
T1.09m(seq18、seq22、seq26)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列のscFvが軽鎖のC末端に含まれるマウス抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0274】
T1.10m(seq18、seq19、seq27)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列と、マウスIL-12配列が重鎖のC末端に連結されているマウス抗FAP配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成する抗体である。
【0275】
T1.11m(seq18、seq19、seq28)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列とが重鎖のC末端に連結されているマウス抗FAP配列がノブ-イントゥ-ホール構造を形成する抗体である。
【0276】
T1.12m(seq18、seq19、seq29)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0277】
T1.13m(seq20、seq30)は、マウスIL-12配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0278】
T1.14m(seq21、seq30)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するマウスIL-12配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0279】
T1.15m(seq22、seq30)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0280】
T1.16m(seq19、seq31)は、マウスFAPを標的とするマウス抗FAP抗体である。
【0281】
T1.17m(seq32)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列のみを有するFc融合タンパク質二量体である。
【0282】
T1.18m(seq20、seq33、seq34)は、マウスCD20を標的とするマウス抗CD20(18B12)配列と、マウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0283】
T1.19m(seq21、seq33、seq34)は、マウスCD20を標的とするマウス抗CD20(18B12)配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0284】
T1.20m(seq22、seq33、seq34)は、マウスCD20を標的とするマウス抗CD20配列と、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0285】
T1.21m(seq29、seq33、seq34)は、マウスCD20を標的とするマウス抗CD20配列のみを有するノブ-イントゥ-ホール構造のエフェクター機能が除去されている抗体である。
【0286】
T1.22m(seq35)は、エフェクター機能が除去されているマウスFc配列のみを有するタンパク質である。
【0287】
T1.23m(seq18、seq19、seq298)は、マウス抗FAP配列と、マウス抗FAP配列のscFvがC末端に連結されているマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホール構造を形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0288】
T1.24m(seq18、seq19、seq299)は、マウスの抗FAP重鎖配列と、マウスの抗FAP配列のscFvがC末端に連結されている、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列とがノブ-イントゥ-ホールを形成し、エフェクター機能が除去されている二特異性抗体である。
【0289】
T1.25m(seq19、seq300)は、マウスIL-12配列が重鎖のC末端に連結されているマウス抗FAP配列を含有するFc融合タンパク質二量体である。
【0290】
T1.26m(seq19、seq301)は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列が重鎖のC末端に連結されている、マウス抗FAP配列を含有するFc融合タンパク質二量体である。
【0291】
T1.27m(seq302)は、マウス抗FAP配列のscFvがC末端に連結されているマウスIL-12配列を含有するFc融合タンパク質二量体である。
【0292】
T1.28m(seq303)は、マウス抗FAP配列のscFvがC末端に連結されている、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するマウスIL-12配列で構成されるFc融合タンパク質二量体である。
【0293】
[seq18]抗mu FAP HC mu IgG2a FcノブDANG
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLWCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0294】
[seq19]抗mu FAP LC
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWK
IDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
【0295】
[seq20]mu scIL-12-mu IgG2a FcホールDANG
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0296】
[seq21]mu scIL-12 mut1-mu IgG2a FcホールDANG
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRAKEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0297】
[seq22]mu scIL-12 mut2-mu IgG2a FcホールDANG
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQAAAEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0298】
[seq23](抗mu FAP VH)2、mu IgG2a FcノブDANG
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLWCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0299】
[seq24](抗mu FAP VL)2
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
【0300】
[seq25]抗mu FAP HC mu IgG2a FcノブDANG-抗mu FAP scFv
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLWCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGKGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
【0301】
[seq26]抗mu FAP LC-抗mu FAP scFv
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNECGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
【0302】
[seq27]抗mu FAP HC mu IgG2a FcホールDANG-mu scIL-12
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGGSGGGGSGGGGSMWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSA
【0303】
[seq28]抗mu FAP HC mu IgG2a FcホールDANG-mu scIL-12 mut2
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGGSGGGGSGGGGSMWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQAAAEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSA
【0304】
[seq29]mu IgG2a FcホールDANG
EPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0305】
[seq30]mu IgG2a FcノブDANG
EPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLWCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0306】
[seq31]抗mu FAP HC mu IgG2a Fc DANG
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0307】
[seq32]mu scIL-12 mut2-mu IgG2a Fc DANG
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQAAAEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0308】
[seq33]抗mu CD20 HC mu IgG2a FcノブDANG
QVQLQQPGAELVRPGTSVKLSCKASGYTFTSYWMHWIKQRPGQGLEWIGVIDPSDNYTKYNQKFKGKATLTVDTSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYFCAREGYYGSSPWFAYWGQGTLVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLWCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0309】
[seq34]抗mu CD20 LC
QIVMSQSPAILSASPGEKVTMTCRARSSVSYIHWYQQKPGSSPKPWIYATSNLASGVPGRFSGSGSGTSYSLTITRVEAEDAATYYCQQWSSKPPTFGGGTKLEIKRTDAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
【0310】
[seq35]mu IgG2a Fc DANG
EPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
【0311】
[seq298]mu scIL-12-mu IgG2a FcホールDANG-抗mu FAP scFv
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
【0312】
[seq299]mu scIL-12 mut2-mu IgG2a FcホールDANG-抗mu FAP scFv
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQAAAEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLSCAVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMVSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
【0313】
[seq300]抗mu FAP HC mu IgG2a Fc DANG-mu scIL-12
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGGSGGGGSGGGGSMWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSA
【0314】
[seq301]抗mu FAP HC mu IgG2a Fc DANG-mu scIL-12 mut2
QVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGGSGGGGSGGGGSMWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQAAAEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSA
【0315】
[seq302]mu scIL-12-mu IgG2a Fc DANG-抗mu FAP scFv
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
【0316】
[seq303]mu scIL-12 mut2-mu IgG2a Fc DANG-抗mu FAP scFv
MWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQAAAEKMAETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRSGGGGSGGGGSGGGGSRVIPVSGPARCLSQSRNLLKTTDDMVKTAREKLKHYSCTAEDIDHEDITRDQTSTLKTCLPLELHKNESCLATRETSSTTRGSCLPPQKTSLMMTLCLGSIYEDLKMYQTEFQAINAALQNHNHQQIILDKGMLVAIDELMQSLNHNGETLRQKPPVGEADPYRVKMKLCILLHAFSTRVVTINRVMGYLSSAGGGGSGGGGSEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVAVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYGSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGGGGSGGGGSGGGGSQVQLQQSGAELARPGASVNLSCKASGYTFTNNGINWLKQRTGQGLEWIGEIYPRSTNTLYNEKFKGKATLTADRSSNTAYMELRSLTSEDSAVYFCARTLTAPFAFWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSGVNFMHWYQQKSGTSPKRWIFDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
【0317】
製造例1.融合タンパク質の製造
試薬及び装置を下記の表3及び4に記載する。
【0318】
【0319】
【0320】
合成したDNA断片をPCRで増幅し、PCR産物をゲルで精製した。制限酵素EcoRI及びBamHIによってpTT5ベクターを切断し、次にゲルを精製した。各PCR産物及び直鎖状ベクターを、In-Fusionキットを用いて連結した。生成したベクターをECOS101 DH5αコンピテント細胞に形質転換し、細胞を100μg/mlアンピシリンを含有する2×YT寒天プレート上で培養した。操作プロセスは全て、標準的な形質転換プロトコルに従って行われた。陽性組換え体をコロニーPCRにより同定し、組換えプラスミドについて配列検証配列決定を行った。単一のコロニーを選択し、種培養物を、100μg/mlアンピシリンを含有する2×YT培地5mlに接種した。37℃で8時間振とう培養した。
【0321】
その後、種培養物を200mlの選択的2×YT培地中で1:1,000の比で希釈した。37℃で16時間振とう培養した。細菌細胞を4℃、4,700rpmで10分間の遠心分離により回収した。細菌ペレットを12mlのRES-EF緩衝剤に再懸濁した。その後、12mlのLYS-EF緩衝剤を添加し、密封管を激しく反転させて完全に混合し、次に室温で5分間インキュベートした。12mlのNEU-EF緩衝剤を溶解物に添加し、激しく反転して完全に及び迅速に混合した。
【0322】
ニュークリオボンド(NucleoBond)(商標)Xtraカラムフィルターに溶解物を注入する前に、溶解物チューブを3回反転させて沈殿物の均一な懸濁液を調製し、フィルターが詰まらないようにした。その後、ニュークリオボンド(商標)Xtraカラムフィルター及びニュークリオボンド(商標)Xtraカラムを、10mlのフィルター洗浄緩衝剤FIL-EFで洗浄した。ニュークリオボンド(商標)Xtraカラムフィルターは、カラムを引き抜いたり、反転させたりして取り除いた。ニュークリオボンド(商標)Xtraカラムを90mlの洗浄緩衝剤ENDOで洗浄した。
【0323】
ニュークリオボンド(商標)Xtraカラムを45mlの洗浄緩衝剤WASH-EFで洗浄した。プラスミドDNAを15mlの溶出緩衝剤ELUで溶出した。溶出液を50mlの遠心チューブに回収した。室温で10.5mlのイソプロパノールを添加して、溶出されたプラスミドDNAを沈殿させた。ボルテックス後、混合物を2分間放置した。
【0324】
その後、5mlの70%エタノールをペレットに添加した。ピペットチップを用いてエタノールを注意深く完全にチューブから除去した。ペレットを室温(20℃)で乾燥させた。その後、DNAペレットを1,000μlのH2Oで溶解した。
【0325】
製造例2.細胞トランスフェクション及びタンパク質発現
製造例2.1.細胞トランスフェクション
使用する材料及び試薬を下記の表5に示す。
【0326】
【0327】
完全培地を含む293F種子株を、130rpm、37℃、及び8%CO2のインキュベーターシェーカー中で維持した。0.3~0.4×106細胞/mlの濃度で培養し、培地を2~3日ごとに交換した。トランスフェクションの24時間前に、293F細胞の新しい継代数を2.6×106細胞/mlで調製した。調製した細胞を、130rpm、37℃、及び8%CO2のインキュベーターシェーカー中で培養した。トランスフェクション当日、新鮮な培地を用いて細胞密度を5.0×106細胞/mlに調整した。3Lシェーカーフラスコ中で総体積1Lで行った。0.4mgのHC及び0.6mgのLCプラスミドを50mlのOPTI MEM Iで希釈し、0.22μmフィルターを通してろ過した。その後、2mgのPEIを50mlのOPTI MEM Iで希釈し、トランスフェクション試薬を調製した。
【0328】
希釈したPEIをDNA混合物に添加し、直ちに混合した。その後、室温で15分間培養した。DNA-PEI混合物を、2.6×106細胞/mlで調製した293F細胞に添加した。その後、細胞を130rpm、37℃、及び8%CO2のインキュベーターシェーカー中で24時間連続的に培養した。トランスフェクション24時間後、培養溶液の1/20に10%ペプトンを添加し、最終濃度を0.5%にした。その後、細胞を130rpm、37℃、及び8%CO2のインキュベーターシェーカー中で連続的に培養した。細胞密度/生存率を測定し、トランスフェクション後2~5日間、毎日記録した。トランスフェクションの7日後又は細胞生存率が70%未満の場合に、精製のために細胞を回収した。
【0329】
製造例2.2.タンパク質精製
タンパク質の精製に用いる試薬、緩衝剤の組成、及び装置については下記の表6~8に示す。
【0330】
【0331】
【0332】
【0333】
Mabselect sureカラムを用いてタンパク質を精製した。具体的には、2,000×g、4℃、20分間の遠心分離により上清を回収した。その後、上清をSartopore2フィルターでろ過した。緩衝剤Aで平衡化した5mlのMabSelect Sureカラムに、清澄化した上清をロードした。その後、A280吸光度がベースラインに達するまで、カラムを緩衝剤Aで洗浄した。カラムを10CV緩衝剤Bで洗浄した。カラムを10CV緩衝剤Aで洗浄した。結合タンパク質を6CV緩衝剤Cで溶離し、1/6体積の緩衝剤Dを添加して、溶出物質を中和した。SDS-PAGE及びSEC-HPLC分析を行った。その後、HICカラムを用いてタンパク質を精製した。次に、タンパク質を緩衝剤Eに対して4℃で一晩透析した。緩衝剤Eで平衡化したHICカラムに上清をロードした。その後、A280吸光度がベースラインに達するまで、カラムを緩衝剤Eで洗浄した。結合タンパク質を勾配溶出(10CV緩衝剤F0%~40%)により溶出させた。結合タンパク質を2CV 100%緩衝剤Fで溶出させ、SDS-PAGE分析を行った。
【0334】
精製されたタンパク質をプールし、次に、タンパク質を4℃で最終緩衝剤に対して一晩透析した。その後、SDS-PAGE及びSEC-HPLC分析を行った。
【0335】
その結果、
図1~
図6に示されるように、一実施形態のヒトタンパク質及びマウスタンパク質を精製したことが判明した。
【0336】
製造例3.二特異性抗体生成の改善
製造例3.1 ヒトIL-12を含む融合タンパク質の生成における改善の同定
ヒトIL-12突然変異によるヒト抗FAP/IL-12二特異性抗体の生成の変化を下記の表9に示す。括弧はタンパク質の生成規模、単位はLを示す。括弧の前の数値は、精製されたタンパク質量を生成規模で除した1リットルあたりの生成量である。
【0337】
【0338】
上記の表9に示されるように、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異数が増加するにつれて、プロテインAカラム(MabSelect Sureカラム)を介して精製されたタンパク質の量が増加した。280番目及び285番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異した二特異性抗体T1.02は、T1.01と比較して生成が改善されたことが判明した。280番目、282番目、285番目及び286番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異した二特異性抗体T1.03は、T1.01と比較して生成が約2.5倍改善されたことが判明した。
【0339】
製造例3.2.マウスIL-12を含む融合タンパク質の生成における改善の同定
以下の表10は、マウスIL-12突然変異によるマウス抗FAP/IL-12二特異性抗体の生成の変化を示す。
【0340】
【0341】
上記の表10に示されるように、マウスIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異数が増加するにつれて、プロテインAカラム(MabSelect Sureカラム)を介して精製されたタンパク質の量が増加した。
【0342】
各々の表では、プロテイン質Aカラムを通過した後のタンパク質の量は、総タンパク質生成量を生産スケールで叙することによって比較した。277番目及び282番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異した二特異性抗体T1.02m、並びに276番目のアミノ酸のアルギニン(R)がアラニン(A)に突然変異し、277番目、278番目及び282番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異した二特異性抗体T1.03mは、T1.01m及びT1.02mと比較してタンパク質の生成が徐々に改善されたことが判明した。さらに、CHO細胞株を用いたT1.03mの生成は、HEK293細胞株を用いた生成と比較して約13倍改善されることが判明した。
製造例4.細胞株及び細胞株の培養
ヒト胚性腎線維芽細胞であるHEK293細胞にIL-12受容体遺伝子及びSTAT4誘導性SEAPレポーター遺伝子で形質転換したHEK-Blue IL-12細胞株をInvivogen(San Diego、USA)から入手した。HEK-Blue IL-12細胞を、10% FBS(GIBCO)、100μg/mlノルモシン及び1×HEK-Blue選択を含有するDMEM(GIBCO)中に維持した。
【0343】
ヒト胚性腎線維芽細胞株HEK293、マウス大腸がん細胞株CT26-WT、マウス黒色腫細胞株B16F10及びマウス線維芽細胞株NIH3T3をATCC(American Type Culture Collection、Manasas、VA、USA)から入手した。HEK293細胞、B16F10細胞及びNIH3T3細胞を、10%FBS(GIBCO)を現有するDMEM(GIBCO)に維持した。ヒトFAP(線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)をHEK293細胞で過剰発現させた細胞株(HEK293-hFAP)を、ヒトFAP遺伝子を送達することができるレンチウイルスを用いて調製した。HEK293-hFAP細胞を、10%FBS(GIBCO)及び5μg/mlピューロマイシンを含有するDMEM(GIBCO)に維持した。
【0344】
マウスFAP(線維芽細胞活性化タンパク質アルファ)をCT26-WT細胞、B16F10細胞及びNIH3T3細胞で過剰発現された細胞株(CT26-mFAP、B16F10-mFAP、及びNIH3T3-mFAP)を、マウスFAP遺伝子を送達可能なレンチウイルスを用いて調製した。CT26-mFAP細胞を、10%FBS(GIBCO)及び10μg/mlピューロマイシンを含有するRPMI-1640(GIBCO)に維持した。B16F10-mFAP細胞を、10%FBS(GIBCO)及び10μg/mlピューロマイシンを含有するDMEM(GIBCO)に維持した。NIH3T3-mFAP細胞を、10%FBS(GIBCO)及び5μg/mlピューロマイシンを含有するDMEM(GIBCO)に維持した。
【0345】
製造例5.ヒト免疫細胞の単離及び活性化
韓国赤十字社より治験審査委員会(IRB)の承認を得て血液パックを入手し、末梢血単核細胞(PBMC)を単離及び凍結した。解凍したPBMCを正の選択法に供し、ヒトNK細胞をEasy sep(Stem cell、Vancuver、BC、CA)キットを用いて単離した。単離したNK細胞を、50IU/ml組換えヒトIL-2(rhIL-2、R&D systems、Minnesota、USA)を含有するRPMI-1640(GIBCO)及び10%FBSで活性化し、維持した。
【0346】
解凍したPBMCを負の選択法に供し、ヒトT細胞をEasy sep(Stem cell)キットを用いて単離した。ヒトT細胞を、1μg/ml抗CD3(OKT3、Invitrogen)で被覆したプレート上で培養し、72時間活性化した。ヒトT細胞を、10%FBS(GIBCO)を含有するRPMI-1640(GIBCO)に維持した。
【0347】
実施例1.融合タンパク質の結合親和性の同定
実施例1.1.組換えヒトFAPに対する融合タンパク質の結合の同定
組換えヒトFAPへのT1.01、T1.02及びT1.03の結合は、表面プラズモン共鳴(SPR)によって同定された。
【0348】
具体的には、CM5チップの表面を、50nMのNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)と200nMのEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)との1:1混合物で活性化し、抗ヒトIgG(Fc)抗体25μg/mlを10μl/分の速度で400秒間固定化した。残りの活性エステル基を1Mエタノールアミンでブロックした。T1.01、T1.02及びT1.03を2μg/mlに希釈し、抗ヒトIgG(Fc)抗体とともに固定化したCM5チップ上で反応させた。組換えヒトFAPを1×HBS-EP+緩衝液中で200nMに希釈し、連続希釈により希釈した。希釈した組換えヒトFAPを30μl/分の速度で反応させた。会合及び解離時間はそれぞれ180秒及び400秒であった。解離後、60秒間安定化を行い、次に、30μl/分の速度で10mMグリシン(pH1.5)溶液で30秒間再生を行った。
【0349】
結果として、
図7及び8に示されるように、T1.01、T1.02及びT1.03は組換えヒトFAPに特異的に結合し得ることが判明した。
【0350】
組換えヒトFAPへのT1.04、T1.05、T1.06、T1.07、T1.08、T1.09、T1.10及びT1.11の結合は、表面プラズモン共鳴(SPR)によって同定された。CM5チップの表面を、50nM NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)と200nM EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)の1:1混合物で活性化し、25μg/mlの抗ヒトIgG(Fc)抗体を10μl/分の速度で400秒間固定化した。残りの活性エステル基を1Mエタノールアミンでブロックした。
【0351】
具体的には、ヒトタンパク質T1.04、T1.05、T1.06、T1.07、T1.08、T1.09、T1.10、及びT1.11をそれぞれ1μg/ml、1μg/ml、1μg/ml、1μg/ml、0.5μg/ml、0.5μg/ml、0.5μg/ml、及び1μg/mlに希釈し、抗ヒトIgG(Fc)抗体固定化CM5チップ上で反応させた。組換えヒトFAPを1×HBS-EP+緩衝液中で25nM又は50nMに希釈し、連続希釈により希釈した。希釈した組換えヒトFAPを30μl/分の速度で反応させた。会合及び解離時間はそれぞれ180秒及び400秒であった。解離後、60秒間安定化を行い、次に、30μl/分の速度で10mMグリシン(pH1.5)溶液で30秒間再生を行った。
【0352】
結果として、表11並びに
図9及び
図10に示されるように、T1.04、T1.05、T1.06及びT1.07は、組換えヒトFAPに結合して、FAPを特異的に標的化し得ることが判明した。さらに、表12並びに
図11及び12に示されるように、T1.08、T1.09、T1.10及びT1.11は、組換えヒトFAPに結合して、FAPを特異的に標的化し得ることが判明した。
【0353】
【0354】
【0355】
実施例1.2.組換えマウスFAPへのマウスタンパク質の結合の同定
組換えマウスFAPへのT1.01m、T1.02m及びT1.03mの結合を表面プラズモン共鳴(SPR)によって同定した。
【0356】
CM5チップの表面を、50nM NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)と200nM EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)の1:1混合物で活性化し、25μg/mlの抗マウスIgG(Fc)抗体を10μl/分の速度で400秒間固定化した。残りの活性エステル基を1Mエタノールアミンでブロックした。T1.01m、T1.02m及びT1.03mを2μg/mlに希釈し、抗マウスIgG(Fc)抗体と固定化したCM5チップ上で反応させた。組換えマウスFAPを1×HBS-EP+緩衝液中で200nMに希釈し、連続希釈により希釈した。希釈した組換えマウスFAPを30μl/分の速度で反応させた。会合及び解離時間はそれぞれ180秒及び400秒であった。解離後、60秒間安定化を行い、次に、30μl/分の速度で10mMグリシン(pH1.5)溶液で30秒間再生を行った。
【0357】
結果として、
図13及び14に示されるように、T1.01m、T1.02m及びT1.03mは、組換えマウスFAPに結合して、FAPを特異的に標的化し得ることが判明した。
【0358】
実施例1.3.FAP発現細胞への結合の同定
HEK293及びHEK293-hFAP細胞へのT1.12、T1.01、T1.02及びT1.03の結合の程度を同定した。
【0359】
具体的には、細胞株を1×105細胞/100μlのFACS緩衝液中に懸濁させ、T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03の各1μgで処理することによって調製した。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄した。細胞を抗ヒトIgG抗体(Biolegend)で染色した。陰性対照は抗ヒトIgG抗体(Biolegend)のみで染色した。染色細胞の発現率をBD LSRを用いて測定し、FlowJoソフトウェアを用いて分析した。
【0360】
結果として、
図15に示されるように、T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03は、99%以上ヒトFAP発現細胞株に結合することが判明した。これらの結果は、一実施形態の融合タンパク質が、ヒトFAP発現細胞株に結合して、FAPを特異的に標的化し得ることを示す。
【0361】
さらに、B16F10及びB16F10-mFAP細胞へのT1.12m、T1.01m、T1.02m及びT1.03mの結合の程度を同定した。
【0362】
具体的には、細胞株を、1×105細胞/100μlのFACS緩衝液中に懸濁させて調製し、各T1.12m、T1.01m、T1.02m及びT1.03mの1μgで処理した。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄した。細胞を抗マウスIgG2a抗体(Biolegend)で染色した。陰性対照は、抗マウスIgG2a抗体(Biolegend)のみで染色した。染色細胞の発現率をBD LSRを用いて測定し、FlowJoソフトウェアを用いて分析した。
【0363】
結果として、
図16に示されるように、T1.12m、T1.01m、T1.02m及びT1.03mが99%以上FAP発現細胞株に結合することが判明した。これらの結果は、一実施形態の融合タンパク質が、マウスFAP発現細胞株に結合して、FAPを特異的に標的化し得ることを示す。
【0364】
実施例1.4.組換えヒトIL-12受容体への融合タンパク質の結合の同定
融合タンパク質のIL-12が作用のためにIL-12受容体に結合しなければならないことを考慮すると、T1.01、T1.02、T1.03及びT1.12が組換えヒトIL-12受容体に結合することが判明した。
【0365】
T1.01、T1.02及びT1.03をプレート上に固定化し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた組換えヒトIL-12受容体タンパク質を結合させた。具体的には、以下のステップを行った:
【0366】
(i)T1.01、T1.02、T1.03及びT1.12を5μg/mlで懸濁し、連続希釈により希釈した。希釈したT1.01、T1.02、T1.03及びT1.12を96ウェル免疫プレートに等分し、24時間処理した。
【0367】
(ii)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、1%BSA(ウシ血清アルブミン、Sigma)溶液で1時間ブロッキングを行った。
【0368】
(iii)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次に1nMのIL-12受容体ベータ1-ビオチン(IL-12Rβ1-ビオチン;Acrobiosystems、Newark、USA)で2時間処理した。
【0369】
(iv)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次にストレプトアビジン-HRPで20分間処理した。
【0370】
(v)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次に基質溶液で20分間処理した。
【0371】
(vi)ウェルを停止溶液で処理し、450nmで吸光度を測定した。
【0372】
結果として、
図17に示されるように、T1.01、T1.02及びT1.03は、濃度依存的に組換えヒトIL-12受容体タンパク質に結合することが判明した。対照としてT1.12を用いた。
【0373】
実施例2.シグナル伝達を誘導する融合タンパク質の能力の同定
実施例2.1.IL-12認識細胞におけるシグナル伝達能力の同定
IL-12が、シグナル伝達メディエーターであるSTAT4(シグナル伝達兼転写活性化因子4)のリン酸化を誘導することによってシグナル伝達を開始することが知られていることを考慮し、IL-12がIL-12受容体に結合した場合、IL-12受容体を発現する細胞を認識するIL-12における一実施形態の融合タンパク質のシグナル伝達能力を評価した。
【0374】
具体的には、IL-12認識細胞であるHEK-Blue IL-12細胞株を2.8×105細胞/mlに希釈し、180μl/ウェルで分注した。組換えヒトIL-12、T1.01m、T1.02m、T1.03m及びT1.12mを4nMで懸濁し、連続希釈により希釈した。HEK-Blue IL-12細胞を、希釈された組換えヒトIL-12、T1.01m、T1.02m、T1.03m及びT1.12mで処理した。24時間の処理後、細胞上清を回収し、96ウェルプレート中でQUANTI-Blue Solution(Invivogen)と混合した。レポーター発現レベルは、分光光度計(Thermo Fisher)を用いて620nmで測定した。
【0375】
結果として、
図18に示されるように、IL-12、T1.01m、T1.02m及びT1.03m処理群の場合、IL-12が認識され、STAT4がリン酸化を誘導することによりレポーター遺伝子を発現することが、620nmの吸光度によって同定された。対照的に、対照T1.12mは、IL-12認識細胞をT1.12mで処理した場合、IL-12を認識しなかったことが同定された。これらの結果は、一実施形態の融合タンパク質が、シグナル伝達を誘導するためにIL-12受容体に特異的に結合することを示す。
【0376】
実施例2.2.ヒトT細胞におけるシグナル伝達能力の同定
IL-12がヒトT細胞のIL-12受容体に結合した場合、IL-12が、シグナル伝達メディエーターであるSTAT4のリン酸化を誘導することによってシグナル伝達を開始するかどうかを同定するために、抗CD3(OKT3、Invitrogen)で活性化されたヒトT細胞を、AlphaLISA SureFire Ultra p-STAT4(Tyr693)アッセイキット(PerkinElmer、Massachusetts、USA)を用いて分析した。
【0377】
具体的には、ヒトタンパク質IL-12、T1.01、T1.02、T1.03及びT1.12を100ng/mlで懸濁し、連続希釈によって希釈した。抗CD3(OKT3、Invitrogen)で活性化されたヒトT細胞を、希釈された組換えヒトIL-12、T1.01、T1.02、T1.03及びT1.12で処理した。2時間の処理後、細胞を溶解し、p-STAT4(リン酸化STAT4)を検出する試薬(PerkinElmer)で処理した。p-STAT4は、分光光度計を用いて680nmの励起波長及び615nmの発光波長で検出された。
【0378】
結果として、
図19に示されるように、組換えヒトIL-12で処理された群の半最大有効濃度(EC50)は8.945pMであり、T1.01で処理された群のEC50は14.48pMであり、T1.02で処理された群のEC50は56.51pMであり、T1.03で処理された群のEC50は147.2pMであることが示された。対照的に、対照であるT1.12で処理された群では、リン酸化STAT4は検出されなかった。
【0379】
これらの結果は、IL-12突然変異がT細胞シグナル伝達能力を減弱させたことを示す。
【0380】
実施例2.3.ヒトT細胞における低分子量ヘパリンによる融合タンパク質のシグナル伝達能力の変化の同定
次に、抗CD3(OKT3、Invitrogen)及びAlphaLISA SureFire Ultra p-STAT4(Tyr693)アッセイキットで活性化したヒトT細胞を用いて、低分子量ヘパリンによるIL-12突然変異(IL-12 mut1)融合タンパク質のシグナル伝達能力の増強を同定した。
【0381】
特に、シグナル伝達メディエーターであるSTAT4のリン酸化の誘導が、減弱したIL-12 mut2がヒトT細胞のIL-12受容体に結合した場合に減弱されたかどうかを観察することにより、ヒトT細胞における低分子量ヘパリン(LMWH)の有無によるシグナル伝達能力が同定された。
【0382】
具体的には、組換えヒトIL-12、T1.01、T1.02及びT1.03を100ng/mlで懸濁し、連続希釈によって希釈した。活性化されたヒトT細胞を、低分子量ヘパリンとともに、希釈された組換えヒトIL-12、T1.01、T1.02及びT1.03で処理した。2時間の処理後、細胞を溶解し、p-STAT4を検出するための試薬(PerkinElmer)で処理した。p-STAT4は、分光光度計を用いて680nmの励起波長及び615nmの発光波長で検出された。
【0383】
結果として、
図20に示されるように、T1.01及び低分子量ヘパリンで処理された群の半最大有効濃度(EC50)は、T1.01で処理された群と比較して9.4倍増加し、T1.02及び低分子量ヘパリンで処理された群の半最大有効濃度(EC50)は、T1.02で処理された群と比較して5.5倍増加し、T1.03及び低分子量ヘパリンで処理された群の半最大有効濃度(EC50)はT1.03で処理された群と比較して4倍増加した。
【0384】
これらの結果は、IL-12突然変異(IL-12 mut2)を既存のIL-12突然変異(IL-12 mut1)に添加した場合、低分子量ヘパリンの添加によるシグナル伝達能力の増強の程度が低減し、IL-12は効果的に減弱されたことを示す。
【0385】
実施例3.融合タンパク質のサイトカイン分泌能の同定
実施例3.1.サイトカイン測定用の酵素免疫測定法
サイトカイン測定では、-20℃で保存した上清について、次のステップで酵素免疫測定法(ELISA、R&D systems)を行った:
(i)捕捉抗体を分析証明書(CoA)に従って希釈し、96ウェルプレート上に24時間被覆した。
【0386】
(ii)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、1%BSA(ウシ血清アルブミン、Sigma)溶液で1時間ブロッキングを行った。
【0387】
(iii)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次に試料を2時間処理した。
【0388】
(iv)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次に検出抗体を分析証明書に従って希釈し、ウェルに等分し、次に、ウェルをそれで2時間処理した。
【0389】
(v)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次にストレプトアビジン-HRPで20分間処理した。
【0390】
(vi)ウェルを洗浄溶液で洗浄し、次に基質溶液で20分間処理した。
【0391】
(vii)ウェルを停止溶液で処理し、450nmで吸光度を測定した。
【0392】
実施例3.2.ヒトT細胞におけるサイトカイン分泌能の同定
主要な免疫応答であるIFN-γ(インターフェロン-ガンマ)分泌がヒトT細胞をIL-12で処理した場合に起こることを考慮し、ヒトT細胞を組換えヒトIL-12、T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03で処理した場合のIFN-γ分泌能力を評価した。
【0393】
具体的には、抗CD3(OKT3、Invitrogen)で活性化されたヒトT細胞を5×105細胞/mlに希釈し、200μl/ウェルで96ウェルプレートに分注した。組換えヒトIL-12、T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03を10nMに希釈し、20μl/ウェルで分注した。48時間の処理後、細胞上清を回収し、試料を-80℃で保存した。
【0394】
結果として、
図21に示されるように、組換えヒトIL-12で処理された試料は、平均1,640pg/mlのIFN-γを有し、T1.01で処理された試料は、平均1,115pg/mlのIFN-γを有し、T1.02で処理された試料は、平均845pg/mlのIFN-γを有し、T1.03で処理された試料は、平均607pg/mlのIFN-γを有することが判明した。対照的に、対照としてT1.12で処理された試料はIFN-γを有しないことが判明した。
【0395】
これらの結果は、T1.01、T1.02及びT1.03がヒトT細胞に作用してIFN-γ分泌を誘導することを示す。
【0396】
実施例3.3.ヒトNK細胞におけるサイトカイン分泌能力の同定
主要な免疫応答であるIFN-γ(インターフェロン-ガンマ)分泌が、ヒトNK細胞をIL-12で処理した場合に起こることを考慮し、本発明者らは、組換えヒトIL-2(R&D systems)で活性化されたヒトNK細胞を組換えヒトIL-12、T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03で処理した場合のIFN-γ分泌能力を評価した。
【0397】
具体的には、組換えヒトIL-2(R&D systems)で活性化されたヒトNK細胞を5×105細胞/mlに希釈し、200μl/ウェルで96ウェルプレートに分注した。組換えヒトIL-12、T1.12、T1.01、T1.02及びT1.03を10nMに希釈し、20μl/ウェルで分注した。処理の24時間後、細胞上清を回収し、試料を-80℃で保存した。
【0398】
結果として、
図22に示されるように、組換えヒトIL-12で処理された試料は、平均180pg/mlのIFN-γを有し、T1.01で処理された試料は、平均205pg/mlのIFN-γを有し、T1.02で処理された試料は、平均133pg/mlのIFN-γを有し、T1.03で処理された試料は、平均80pg/mlのIFN-γを有することが判明した。対照的に、対照としてT1.12で処理された試料はIFN-γを有しないことが判明した。これらの結果は、T1.01、T1.02及びT1.03がヒトNK細胞に作用してIFN-γ分泌を誘導することを示す。
【0399】
実施例4.大腸がん動物モデルにおける融合タンパク質の抗がん効果の評価
実施例4.1.FAP発現線維芽細胞の同時注入による大腸がん動物モデルにおける抗がん効果の評価
融合タンパク質は、抗FAP配列構造及びIL-12配列構造を有する二重抗体の形態であり、多くの腫瘍微小環境に存在する線維芽細胞においてFAPが過剰発現されることを考慮し、マウス線維芽細胞株NIH3T3細胞においてマウスFAPを過剰発現させた後、マウス大腸がん細胞株CT26と1:1で同時注入された腫瘍動物モデルにおいて、腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0400】
マウス大腸がん細胞株であるCT26及びマウス線維芽細胞株であるNIH-3T3を使用して、FAP発現腫瘍動物モデルを調製した。次に、NIH-3T3をFAP発現細胞株として調製した。
【0401】
具体的には、培養中のNIH-3T3細胞及びCT26細胞を過剰発現するマウスFAPを、それぞれ1×106細胞/50μlの濃度でハンクス平衡塩溶液(HBSS、Gibco)に再懸濁し、細胞を1:1の比で混合し、次に、1ccシリンジ(25G)を用いて、6週齢BALB/cマウスの右側腹の皮下領域に各マウスあたり100μlを移植して、FAP発現線維芽細胞を同時注射した動物モデルを得た。腫瘍サイズは、腫瘍の短軸及び長軸を測定することによりデジタルバーニアキャリパーを用いて測定し、腫瘍サイズは、(短軸、mm)2×(長軸、mm)×0.5の算出式を用いて週2回測定した。
【0402】
次に、薬物の有効性評価では、腫瘍サイズが100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分けた。各実験群は10匹からなり、対照として、50μgのT1.24mの各100μlを3日間隔で3回腹腔内投与した。試験群では、腫瘍成長阻害能力を評価するために、10μg及び50μgのT1.02m、及び50μgのT1.01mの各100μlをそれぞれ、3日間隔で3回腹腔内投与した。
【0403】
結果として、
図23に示されるように、14日目の腫瘍サイズを比較した場合、T1.02mの10μg及び50μgを投与された群は、対照としてT1.24mを50μgを投与された群と比較して、それぞれ93.2%及び92.7%の優れた腫瘍成長阻害能力を有することが判明した。さらに、50μgのT1.01mを投与された群は、50μgのT1.24mを対照として投与された群と比較して91.9%の腫瘍成長阻害を有することが観察された。
【0404】
さらに、
図24に示されるように、投与の24日後に、対照と比べてT1.01m及びT1.02mを投与された群で完全奏効の対象が観察された。
【0405】
これらの結果は、一実施形態の融合タンパク質が、大腸がん動物モデルにおいて優れた抗がん効果を有することを示す。
【0406】
実施例4.2.FAP発現大腸がん動物モデルにおける抗がん効果の評価
大腸がんの場合、腫瘍細胞自体におけるFAPの高発現を考慮し、抗がん効果を評価するために、マウス大腸がん細胞株CT26細胞においてマウスFAPの過剰発現を誘導した腫瘍モデルにおいて腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0407】
マウスFAP発現腫瘍動物モデルを調製するために、マウス大腸がん細胞株CT26においてFAP過剰発現を誘導した。具体的には、培養中のFAP過剰発現CT26細胞をハンクス平衡塩類溶液(HBSS、Gibco)に再懸濁し、次に1ccシリング(25G)を用いて、6週齢BALB/cマウスの左背側の皮下領域に各マウスあたり100μlの1×106腫瘍細胞を移植して、マウスFAP発現大腸がん動物モデルを得た。腫瘍サイズは、腫瘍の短軸及び長軸を測定することによりデジタルバーニアキャリパーを用いて測定し、腫瘍サイズは、(短軸、mm)2×(長軸、mm)×0.5の算出式を用いて週2回測定した。
【0408】
次に、薬物の有効性評価では、腫瘍の大きさが100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分けた。各実験群は8匹の動物からなり、対照として、50μgのT1.24mの各100μlを3日間の間隔で4回腹腔内投与した。試験群では、10μg及び100μgのT1.01mの各100μl、並びに2μg、10μg及び100μgのT1.02mをそれぞれ4回、3日間隔で腹腔内投与して、腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0409】
結果として、
図25に示されるように、10μg及び100μgのT1.01mを投与された群は、対照として50μgのT1.24mを投与された群と比較して、腫瘍成長阻害能力がそれぞれ84.9%及び85.6%高いことが判明した。さらに、T1.24mを対照として投与された群と比較して、T1.02mを投与された群は、用量ごとに80.1%、90.5%及び89.8%の高い腫瘍成長阻害能力を有することが観察された。
【0410】
さらに、投与30日後には、各投与群において腫瘍成長阻害とともに完全奏効(CR)の対象が存在することが示され、投与に応じた体重変化は観察されなかった。これらの結果は、一実施形態の融合タンパク質が、大腸がん動物モデルにおいて優れた抗がん効果を有することを示す。
【0411】
実施例4.3.融合タンパク質による完全奏効マウスにおける再発固形がんの成長阻害の評価
融合タンパク質処置後に長期免疫応答を誘導することにより腫瘍再発を阻害し得るかどうかを評価するために、線維芽細胞NIH-3T3及びCT26細胞を同時注入した腫瘍モデルにT1.01mを投与することによって、完全奏効が達成された対象において腫瘍再攻撃を行った。処置歴のないBALB/cマウスを対照マウスとした。
【0412】
対照マウス、及びT1.01mの投与により完全奏効が達成されたマウスの左側腹部に4T1細胞を皮下注射し、右側腹部にCT26細胞を皮下注射して、腫瘍再発モデルを得た。
【0413】
具体的には、FAPを過剰発現する線維芽細胞NIH-3T3とCT26細胞とを同時注入されたモデルにおいて、T1.01mの投与により完全奏効が示されたマウスにおいて腫瘍再発モデルが誘導された。CT26細胞及び4T1細胞をそれぞれ1×106細胞/100μlの濃度でハンクス平衡塩類溶液(HBSS、Gibco)に懸濁し、CT26細胞を1ccシリンジ(25G)を用いてマウスの右側腹の皮下領域に移植した。腫瘍形成及び成長は、同じマウスの左側腹部への4T1細胞の皮下移植によって評価された。
【0414】
結果として、
図26及び27に示されるように、移植された4T1腫瘍とCT26腫瘍はいずれも処置歴なしの対照マウスにおいて成長し、一方、T1.01mの投与後に完全奏効が達成されたマウスにおいては、4T1腫瘍は成長したが、CT26腫瘍の成長は阻害されたことが判明した。これらの結果は、一実施形態の融合タンパク質が腫瘍再発を阻害し得ることを示す。
【0415】
実施例4.4.融合タンパク質のIL-12アミノ酸変異による活性の減少の評価
IL-12による免疫系の過剰な活性化によるインビボでの毒性を低減させるために、本発明者らは、ヘパリンに結合するアミノ酸配列の突然変異を含有するIL-12配列構造を用いて、IL-12受容体への結合をブロックすることにより活性の減少を誘導し、これを腫瘍動物モデルによって同定した。
【0416】
抗FAP抗体のうち、ヘパリン結合に関与するアミノ酸が突然変異したT1.02m及びT1.03mをT1.01mと比較し、リン酸緩衝食塩水(PBS)を対照として使用した。次に、T1.02mは、抗FAP配列構造とともに、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(2つ)を含有するマウスIL-12配列構造を有する。T1.03mは、抗FAP配列構造とともに、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有するIL-12配列構造を有する融合タンパク質である。
【0417】
アミノ酸突然変異の有無及び程度に応じたIL-12活性の変化を評価するために、5×105細胞/100μlの濃度でPBSに再懸濁することにより、FAP過剰発現マウス大腸がんCT26を調製し、5週齢雌BALB/cマウスに細胞を移植することにより調製した腫瘍動物モデルにおいて腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0418】
具体的には、モデルにおける腫瘍サイズが100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分けた。各実験群は8匹の動物からなり、100μlのリン酸緩衝食塩水(PBS)を対照の尾静脈注射により1回投与し、T1.01m、T1.02m及びT1.03mの各々を10μgの用量で1回静脈内投与した。
【0419】
結果として、
図28に示されるように、T1.01m、T1.02m及びT1.03m投与群の全てが、投与後15日で、対照と比較して優れた腫瘍成長阻害能力を有することが判明した。
【0420】
さらに、マウス抗FAP配列とともに、ヘパリン結合に関与するアミノ酸のIL-12含有突然変異(4つ)を有するT1.03mを投与された群では、T1.01mが投与された群と比較して、腫瘍成長阻害能力が低減することが判明した。これらの結果は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含むマウスIL-12配列構造を有するT1.03mを投与された群では、他の実験群及び対照と比較して、IL-12活性が低減したことを示す。
【0421】
実施例4.5.IL-12アミノ酸突然変異融合タンパク質の単回投与時の抗がん効果の評価
ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有する配列構造によりIL-12活性が低減した融合タンパク質の抗がん効果を評価するために、FAP過剰発現マウス大腸がん細胞株CT26を移植した腫瘍モデルにおいて腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0422】
具体的には、6週齢BALB/cマウスの右背側腹部に腫瘍細胞を移植し、動物モデルの腫瘍サイズが70~100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分け、投与を行った。対照としてPBSを投与し、試験群として100μlのT1.03mを2μg、10μg及び100μgの用量で1回静脈内投与した。腫瘍サイズは、実施例4.1と同じ方法で測定した。
【0423】
結果として、
図29に示されるように、2μg、10μg及び100μgのT1.03mを投与された群は、対照と比較して高い腫瘍成長阻害能力を有することが観察された。試験期間中、体重に変化は観察されなかった。これらの結果は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有する配列構造によりIL-12活性を低減させたT1.03mが、ある種の濃度以上で優れた抗がん効果を有することを示す。
【0424】
実施例5.黒色腫動物モデルにおける融合タンパク質の抗がん効果の評価
融合タンパク質の免疫活性化による抗がん効果を同定するために、免疫細胞浸潤が少ないことが公知であるマウスメラノーマ細胞株B16F10にマウスFAPを過剰発現させ、次にC57BL/6Jマウスに移植し、腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0425】
具体的には、培養細胞をハンクス平衡塩溶液(HBSS、Gibco)に再懸濁し、次に、6週齢C57BL/6Jマウスの左側腹部の皮下領域に、各マウスあたり100μlの1×106腫瘍細胞を移植した。
【0426】
次に、薬物の有効性評価では、腫瘍サイズが70~100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分けた。対照としてPBSを投与し、試験群としてT1.03mを10μg及び100μgの用量で1回静脈内投与した。
【0427】
結果として、
図30に示されるように、10μg及び100μgのT1.03mで投与された両群は、対照と比較して高い腫瘍成長阻害能力を有することが観察された。試験期間中、体重に変化は観察されなかった。これらの結果は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有する配列構造によりIL-12活性を低減させたT1.03mが、黒色腫動物モデルにおいてさえ優れた抗がん効果を有することを示す。
【0428】
実施例6.肺がん動物モデルにおける融合タンパク質の抗がん効果の評価
実施例6.1.肺がん動物モデルにおけるIL-12アミノ酸突然変異融合タンパク質の抗がん効果の評価
腫瘍周囲の微小環境に存在する線維芽細胞にFAPが過剰発現していることを考慮し、マウス線維芽細胞株NIH-3T3にFAPを過剰発現させ、次に、マウス肺がん細胞株LLC1を1:1の比で同時注入し、腫瘍動物モデルを調製し、腫瘍成長阻害能力を評価した。
【0429】
具体的には、FAPを過剰発現するNIH-3T3細胞株及びLLC1細胞を、それぞれ1×106細胞/50μlの濃度でハンクス平衡塩類溶液(HBSS、Gibco)に再懸濁し、細胞を1:1の比で混合し、次に、各マウス100μlを1ccシリンジ(25G)を用いて6週齢C57BL/6Jマウスの右側腹の皮下領域に移植した。
【0430】
次に、薬物の有効性評価では、腫瘍の大きさが70~100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分けた。対照としてPBSを投与し、試験群としてT1.03mを10μg及び100μgの用量で1回静脈内投与した。
【0431】
結果として、
図31に示されるように、10μg又は100μgのT1.03mで投与された両群は、対照と比較して優れた腫瘍成長阻害能力を有することが観察された。試験期間中、体重に変化は観察されなかった。これらの結果は、ヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異(4つ)を含有する配列構造によりIL-12活性を低減させたT1.03mが腫瘍微小環境の標的因子を認識し、それにより肺がん動物モデルにおいてさえ優れた抗がん効果を有することを示す。
【0432】
実施例6.2.融合タンパク質の同時注入による肺がん動物モデルにおけるがん標的化効果の評価
抗FAP配列構造とIL-12配列構造とがノブ-イン-ホール構造を形成する二重抗体型融合タンパク質のがん標的化による抗がん効果を比較するために、NIH-3T3過剰発現FAP、マウス線維芽細胞株、及びLLC1、マウス肺がん細胞株を1:1の比で同時注入した動物モデルにおいて、腫瘍成長阻害能力を同定した。
【0433】
具体的には、薬物の有効性評価では、腫瘍サイズが70~100mm3に達した場合、マウスを無作為に群に分けた。対照として、PBSを週2回腹腔内投与した。T1.16m又はT1.17mを単独投与した群、T1.16m及びT1.17mを併用投与した群(T1.16m+T1.17m)、及びT1.03mを投与した群を試験群として用いて、腫瘍成長阻害能力を評価した。抗FAP及びIL-12の二量体であるT1.16m及びT1.17mをそれぞれ0.01μgの用量で週2回腹腔内投与し、単量体融合タンパク質であるT1.03mを0.02μgの用量で週2回腹腔内投与して腫瘍成長阻害能力を観察した。
【0434】
結果として、
図32に示されるように、T1.03mで投与された群は、対照と比較して、投与後10日目の時点で優れた腫瘍成長阻害能力を有することが観察された。T1.16m又はT1.17mを単独投与した群と各併用投与群を比較し、T1.03mを単独で投与した群は、腫瘍成長阻害能力が極めて良好であることが見出された。これらの結果は、1つの実施形態の融合タンパク質の相乗効果が、FAPのみが標的とされる場合、又はがん標的をもたないIL-12と比較した場合と比較して有意であることを示す。
上記の表9に示されるように、ヒトIL-12 p40(ベータ)領域におけるヘパリン結合に関与するアミノ酸の突然変異数が増加するにつれて、プロテインAカラム(MabSelect Sureカラム)を介して精製されたタンパク質の量が増加した。258番目及び263番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異した二特異性抗体T1.02は、T1.01と比較して生成が改善されたことが判明した。258番目、260番目、263番目及び264番目のアミノ酸のリシン(K)がアラニン(A)に突然変異した二特異性抗体T1.03は、T1.01と比較して生成が約2.5倍改善されたことが判明した。