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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011256
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】動物給水バルブ
(51)【国際特許分類】
   A01K 39/02 20060101AFI20250116BHJP
   A01K 7/06 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
A01K39/02
A01K7/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024180426
(22)【出願日】2024-10-15
(62)【分割の表示】P 2020570977の分割
【原出願日】2019-03-14
(31)【優先権主張番号】62/686,338
(32)【優先日】2018-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520493946
【氏名又は名称】アヴィディティ サイエンス, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AVIDITY SCIENCE, LLC
【住所又は居所原語表記】819 Bakke Avenue, Waterford, WI 53185, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】ハルステッド, マイケル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】グルーリッヒ, マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ファウラー, レベッカ エム.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】プラトーン, ペーター エス.
【テーマコード(参考)】
2B102
【Fターム(参考)】
2B102AA03
2B102AA13
2B102CA31
2B102CA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ごみがバルブの下流端に入り当該バルブを作動位置にしたままにすることを防止する動物給水バルブの提供。
【解決手段】動物給水バルブは上流端(18)、下流端(14)、それらの間に延在する内腔を有するハウジング(12)、少なくとも部分的に前記内腔内に位置するバルブ要素およびバルブアクチュエータ(46)および前記バルブ要素の上流の前記内腔内に配設されるプラグを含み、プラグは当該プラグの長さに沿って延在する格子構造を含む。バルブアクチュエータ(46)はステムヘッドから下流に延出して前記ハウジング(12)の出口を貫通するステム本体を備えるステムを有する。前記ダイアフラムは第一および第二の環状隆起およびそれらの間に配設される溝を備える封止表面を含む。前記ステムの下流端にはキャップおよびディスクを有するステムハット(134)が結合される。ディスクは前記出口の上流の箇所で前記ステムから径方向に延出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流端、下流端、および、内部に形成され、該上流端から該下流端まで延在する縦の内腔を有するハウジング、
少なくとも部分的に前記内腔内に位置するバルブ要素およびバルブアクチュエータ、および
前記バルブ要素の前記上流端で前記内腔内に配設されるプラグであって、前記焼結プラグの長さ方向に延在する格子構造を有するプラグ
を含む動物給水バルブ。
【請求項2】
前記プラグの上流端は前記ハウジングの前記上流端と面一である、請求項1の動物給水バルブ。
【請求項3】
前記格子構造は20マイクロメートルから100マイクロメートルまでの大きさを有する細孔を含む、請求項1の動物給水バルブ。
【請求項4】
前記格子構造は50マイクロメートルの大きさを有する細孔を含む、請求項3の動物給水バルブ。
【請求項5】
前記プラグの前記長さは2~8mmである、請求項1の動物給水バルブ。
【請求項6】
プラグは焼結金属プラグを含む、請求項5の動物給水バルブ。
【請求項7】
上流端、下流端、および、内部に形成され、該上流端から該下流端まで延在する内腔を有するハウジング、
前記内腔内に配設され、前記内腔を下流部と上流部に分離するダイアフラムであって、
ステムシート、および
封止表面
とを含むダイアフラム、
ステムヘッド、および該ステムヘッドから下流に延出するステム本体を有するステムであって、該ステムヘッドが前記ステムシート内に配設されかつ前記ダイアフラムによって包囲されるステム
を含む動物給水バルブにおいて、
該バルブは、前記ステムの作動により前記封止表面が開放され、前記内腔の前記上流部から前記内腔の前記下流部へ液体が流れることを可能にするように構造的かつ動作的に構成される、動物給水バルブ。
【請求項8】
前記封止表面は、少なくとも第一および第二の環状隆起、および該第一の隆起と該第二の隆起の間に位置する少なくとも一つの環状溝を含み、各隆起が独立して前記内腔の前記下流部から前記内腔の前記上流部を封止することができる、請求項7の動物給水バルブ。
【請求項9】
前記少なくとも第一および第二の環状隆起の幅は前記少なくとも一つの環状溝の幅に等しい、請求項8の動物給水バルブ。
【請求項10】
前記ダイアフラムは外側カラーおよび内側カラーを含み、前記封止表面は該内側カラーの下流表面上に配設される、請求項7の動物給水バルブ。
【請求項11】
前記ダイアフラムは、軸方向に該ダイアフラムに貫通形成され、かつ前記外側カラーと前記内側カラーの間で該ダイアフラム周りに円周方向に離間する複数の孔を含む、請求項7の動物給水バルブ。
【請求項12】
ステムヘッドおよび該ステムヘッドから延出するステム本体を含むように前記ステムを成形すること、および
外側カラー、内側カラー、および前記ステムヘッドの外周縁および内側の軸方向の端部を包囲するステムシートを含むようにダイアフラムを成形すること
を含む、動物給水バルブを形成する方法。
【請求項13】
前記ダイアフラムを成形することは、少なくとも第一および第二の環状隆起および該第一の隆起と該第二の隆起の間に位置する少なくとも一つの環状溝を備える封止表面を有するように前記内側カラーを成形することを含む、請求項12の方法。
【請求項14】
前記ダイアフラムを成形することは、前記ダイアフラム周りに円周方向に離間する複数の孔を形成することを含む、請求項12の方法。
【請求項15】
出口、入口、および、内部に形成されかつ該出口から該入口まで延在する内腔を有するハウジング、
前記内腔内に位置するバルブ要素、
前記バルブ要素と協働関係で前記ハウジング内に配設され、前記ハウジングの前記出口を貫通するステム、
前記ステムの下流端に結合されるステムハットであって、キャップ、および前記出口の上流側に隣接する箇所で前記ステムから径方向に延出するディスクを有するステムハット
を含む動物給水バルブ。
【請求項16】
前記ディスクの直径は前記出口の直径よりも大きい、請求項15の動物給水バルブ。
【請求項17】
前記ディスクの前記直径は、前記ステムの最大偏向時に該ディスクの外縁が前記出口の横方向外側に留まるような大きさにされる、請求項15の動物給水バルブ。
【請求項18】
前記ステムは2.7°まで径方向に偏向させることができる、請求項17の動物給水バルブ。
【請求項19】
前記ディスクは、前記出口から0.001インチから0.005インチまで軸方向に離間する、請求項15の動物給水バルブ。
【請求項20】
前記ステムはポリマー材料を含み、前記ステムハットはステンレス鋼材料を含む、請求項15の動物給水バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年6月18日に出願された米国仮出願第62/686,338号に対する優先権を主張するものであり、これにより、当該仮出願の全内容を参照によって本出願に明示的に援用する。
【0002】
本発明は、概して動物給水バルブに関し、より具体的には、当該バルブ内の上流および下流の汚染問題を防ぐための改善した流動特性およびろ過能力を有する動物給水バルブに関する。
【背景技術】
【0003】
動物によって作動される給水バルブはよく知られている。そのようなバルブの一つが、2016年9月6日にEdstrom Industries, Inc.(現在のAvidity Science, LLC)らに発行された米国特許第9,433,190号(「当該Avidity Science特許」)に開示されている。当該Avidity Science特許に開示されたバルブは、細長い縦の内腔によって接続される入口と出口を有するハウジング、前記内腔内に位置するダイアフラム、前記内腔内かつ前記ダイアフラムと前記出口の間に配置されるバルブシート、および、比較的幅の広いバルブステムヘッドおよび当該バルブヘッドから前記内腔内へと下流に延在する比較的幅の狭い細長いレバーとを有するバルブステムを含む。前記バルブヘッドは、エラストマーOリングの形状の前記バルブシートが前記バルブヘッドの下流側表面に作用し、前記ダイアフラムが前記バルブヘッドの上流側表面に作用することによって所定の位置に保持される。前記レバーは、動物によって選択的に偏向可能であり、前記バルブシートに対して前記バルブヘッドを着座位置から非着座位置へと枢動して、水流が前記ダイアフラムを通り、前記縦の内腔を通り、前記出口を出ることを可能にする。
【0004】
当該Avidity Science特許に開示されたバルブは非常に良好に機能するが、いくつかの欠点を呈している。
【0005】
例えば、当該Avidity Science特許の前記バルブシートは、前記レバーの偏向を制限する。また、前記ダイアフラム、バルブシート、およびバルブステムヘッドは、それらの間にごみが詰まりやすく、結果的に、前記バルブステムヘッドが前記バルブシートに完全には着座しなくなる。すなわち、一つのごみが、前記バルブシートと前記バルブステムヘッドの間に堆積する可能性があり、それが前記バルブステムヘッドと前記バルブシートの間の開口を維持することになるため、前記ダイアフラムとバルブシートを通って水が流れてしまう。
【0006】
当該Avidity Science特許に開示されたバルブは、前記ハウジングの上流端に配設されるインラインフィルタを含む。当該インラインフィルタは、場合によりスクリーンメッシュ、繊維、または焼結金属であると説明されている。このようなフィルタは、大抵0.1mm厚であり、水を通すための単層の開口を備える。したがって、前記開口内に数個のごみまたは一つのごみでも詰まると、前記フィルタを通り、したがって前記バルブを通る水流が著しく制限される可能性がある。
【0007】
また、当該Avidity Science特許は、動物が前記バルブに敷料を詰め込むことを防止する一方で動物による引き裂きにも強いシールドを設けることが望ましいことを認めているが、開示されたシールドはなおも敷料が当該シールドにくっつき、水流が妨げられやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、効果的だが、前記バルブを通る水流を制限しかねない制限を受けにくい、改善したろ過作用を有する動物給水バルブの必要性が存在する。
【0009】
さらに、前記ステムヘッドが非着座位置に留まっていないことを保証するために、堆積したごみに強いダイアフラムとステムの設計を有する動物給水バルブの必要性が生じている。すなわち、ダイアフラムが二つ以上の封止表面を有して封止冗長性をもたらし、前記ダイアフラムと前記ステムヘッドの間に堆積したごみによって前記封止表面が適切に着座することおよび水流を完全に遮断することを妨げられないことを保証する必要性がある。
【0010】
また、ごみがバルブの下流端に入り、当該バルブを作動位置にしたままにすることをより確実に防止する動物給水バルブの必要性が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、動物給水バルブは、上流端、下流端、および、内部に形成されかつ当該上流端から当該下流端まで延在する内腔を有するハウジングを含む。前記内腔内にはバルブ要素およびバルブアクチュエータが位置する。当該給水バルブは、前記ハウジングの前記上流端と前記バルブ要素の間で前記内腔内に配設されるプラグも含む。当該プラグは、当該プラグの長さ方向に延在する格子構造を含む。前記プラグの上流端は、前記ハウジングの前記上流端と面一でよい。
【0012】
前記格子構造は、20マイクロメートルと100マイクロメートルの間の大きさにした細孔を含んでよい。より具体的には、前記格子構造は、50マイクロメートルの大きさにした細孔を含んでよい。
【0013】
前記プラグの前記長さは2~8mmでよい。より具体的には、前記プラグの前記長さは4mmでよい。
【0014】
本発明の別の態様によれば、動物給水バルブは、上流端、下流端、および、内部に形成されかつ当該上流端から当該下流端まで延在する内腔を有するハウジングを含む。前記内腔内にはバルブ要素およびバルブアクチュエータが位置する。前記バルブ要素は、前記内腔を上流部と下流部に分離するように構成されるエラストマーダイアフラムを含み、前記バルブアクチュエータは、ステムヘッドおよび当該ステムヘッドから下流に延出するステム本体を有する比較的剛性のステムを含む。前記ステムヘッドは、前記ダイアフラムのステムシート内に配設され、前記ダイアフラムによって包囲される。
【0015】
前記ダイアフラムは外側カラーおよび内側カラーを含んでよい。前記内側カラーは、前記内腔の前記下流部から前記内腔の前記上流部を封止するように構成される封止表面を有し、前記ステムの作動により当該封止が開放され、前記内腔の前記上流部から前記内腔の前記下流部へ液体が流れることを可能にするようになっている。
【0016】
前記封止表面は、二つ以上の隆起および当該隆起間に形成される少なくとも一つの溝を有してよい。各隆起は個別に前記内腔の前記下流部から前記内腔の前記上流部を封止することができる。
【0017】
前記ダイアフラムは、当該ダイアフラム周りに円周方向に離間しかつ当該ダイアフラムを貫通する複数の孔を含んでよい。当該複数の孔の各々は、前記外側カラーと前記内側カラーの間に位置する。
【0018】
本発明のさらに別の態様によれば、動物給水バルブを形成する方法は、1)ステムヘッドおよび当該ステムヘッドから延出するステム本体を含むようにステムを成形すること、および2)外側カラー、内側カラー、および前記ステムヘッドを包囲するためのステムシートを含むようにエラストマーダイアフラムを成形することを含む。
【0019】
本発明の別の態様によれば、動物給水バルブは、出口、入口、および、内部に形成されかつ当該出口から当該入口まで延在する内腔を有するハウジングを含む。前記内腔内にはバルブ要素およびバルブアクチュエータが位置する。当該バルブアクチュエータは、前記ハウジング内に配設されかつ前記ハウジングの前記出口を貫通するステム、および当該ステムの下流端に結合されるシールドを含む。当該シールドハットは、直径が減少した外側キャップおよび直径が増大した内側ディスクを有する。当該ディスクは、前記出口の上流側に隣接する箇所で前記ステムから径方向に延出する。
【0020】
前記ディスクの直径は前記出口の直径よりも大きい。さらに、前記ディスクの前記直径は、前記シールドの外縁が前記ステムの偏向中に前記出口の横方向外側に留まるような大きさにされる。前記ステムは、おおよそ2°よりも大きくかつ2.7°まで、またはそれ以上偏向されてよい。
【0021】
本発明の他の目的、特徴および利点は、本明細書、特許請求項および図面を再検討した後に明らかになるだろう。詳細な説明および例は、本発明の理解を深めるものではあるが、添付の特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の好ましい例示的な実施形態を添付の図面に示すが、類似の参照番号は全体を通して類似の部分を示している。
図1】本発明の一実施形態に係る、動物給水バルブの斜視図である。
図2図1の動物給水バルブの側面図である。
図3図2の線3‐3に沿って切り取られた、図2の動物給水バルブの側断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る、図1の動物給水バルブとともに使用するための、組み合わせたステムとダイアフラムの斜視図である。
図5図4の組み合わせたステムとダイアフラムの分解斜視図である。
図6図4の組み合わせたステムとダイアフラムの側面図である。
図7図6の線7‐7に沿って切り取られた、組み合わせたステムとダイアフラムの断面図である。
図8図7の「8」で指定した、組み合わせたステムとダイアフラムの一部の拡大部分断面図である。
図9図1の動物給水バルブとともに使用するためのプラグの端面図である。
図10図9のプラグの格子構造の拡大図である。
図11】前記動物給水の下流部の拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本特許請求項によって規定される本発明にしたがって様々な動物給水バルブが構成され得る。当該バルブは、比較的小型で、マウスの給水用に設計され得る、または、より大型で、ラット、モルモットなどの給水用に設計され得る。これらは、さらに大型で、豚などの家畜に給水するように設計され得る。したがって、ここでは、比較的小型で、実験用マウスなどの小動物の給水に理想的に適した本発明の例示的な実施形態を説明するが、本発明は当該説明される実施形態のいずれかに限られるものではないことを理解すべきである。特に、本出願にて記述される寸法はいずれも例示であって、必ずしも決定的なものではない。
【0024】
まず図1から図3を参照すると、動物給水バルブ10の斜視図、側面図、および断面図が示されている。動物給水バルブ10は、出口16と関連する下流端14および入口20と関連する上流端18を有するハウジング12を含む。バルブ10のバルブ端部14および18を縦方向に内腔42が貫通する。上流端18と下流端14の間の内腔42内にはバルブ要素50およびアクチュエータ46が設けられる。バルブ要素50の上流の内腔42内にはプラグ118が設けられる。ハウジング12の下流端14付近にはシールド134が設けられる。
【0025】
図3の給水バルブ10の側断面図に示すように、ハウジング12は、バルブ本体22、バルブ本体22の上流端26に結合されるバルブキャップ24、およびバルブ本体22の下流端30に結合されるバルブガード28を含んでよい。本発明の様々な実施形態において、バルブ本体22、バルブキャップ24、およびバルブガード28は、螺嵌方式、スナップフィット方式など介して互いに結合してよい。バルブ本体22とバルブキャップ24は、バルブ本体22の外表面34とバルブキャップ24の内表面36の間に配設されるOリング32を介して封止してよい。同様に、バルブ本体22とバルブガード28は、バルブ本体22の外表面34とバルブガード28の内表面40の間に配設されるOリング38を介して封止してよい。
【0026】
図3は、さらに、バルブ本体22の下流端30がバルブガード28内に延出し、バルブガード28と重複して包囲されることを示している。上記のように、Oリング38がバルブ本体22の外表面34とバルブガード28の内表面40の間に配設されてよいのがこの重複部分内である。同様に、バルブ本体22の上流端26は、バルブキャップ24内に延出し、バルブキャップ24と重複して包囲されることが示されている。上記のように、Oリング32がバルブ本体22の外表面24とバルブキャップ24の内表面26の間に配設されてよいのがこの重複部分内である。また、図3は、バルブ本体20の外表面24、バルブガード28の内表面40、およびバルブキャップ24の内表面26が、個別に、それぞれのOリング38、32を受容し、効果的な封止を保証するような輪郭にされてよいことを示す。
【0027】
内腔42は、ハウジング12の縦方向に延在し、ハウジング12の入口20から出口16まで延在する。図3に示すように、内腔42は、内腔42の長さに沿って直径が変化してよい。本発明の上記代表的な実施形態は、内腔42の直径が内腔42の長さに沿う段差の変化によって変化していることを示しているが、内腔42は、内腔42の長さの全体またはその一部に沿って先細りさせてもよいことも考えられる。本発明のさらに他の実施形態では、内腔42は、バルブ本体22の全長にわたって一貫した直径を維持してもよいと考えられる。
【0028】
本発明の他の実施形態では、ハウジング12は、バルブ本体22が内部に配設された状態で、バルブキャップ24に直接結合されるバルブガード28を含んでよい。本発明のさらに他の実施形態では、ハウジング12は、任意の数の互いに結合される別体の部分を含んでもよい。
【0029】
図1および図3に示すように、ハウジング12の出口16は、ハウジング12の下流端14に凹設してよい。バルブガード28は、出口16からハウジング12の下流端14まで延在するフレア形状の払拭表面44を含んでよい。バルブステム46の形状のバルブアクチュエータ46は、下記でさらに詳細に説明するが、ハウジング12の内腔42内に配設され、下流方向に延出し、出口16を貫通する。本発明の上記代表的な実施形態では、ステム46の下流端48が、ハウジング12の下流端14の手前で終端する。言い換えれば、ステム46の下流端48は、ハウジング12の下流端14から内方に離間する。本発明の他の実施形態では、ステム46の下流端48は、ハウジング12の下流端14を越えて延出してよく、またはハウジング12の下流端14と面一でもよい。
【0030】
本実施形態では、バルブ要素50は、バルブキャップ24の内表面36とバルブ本体22の上流端26の間に配設されるダイアフラム50を含む。なおも図1および図3を参照すると、ステム46は、ダイアフラム50内に配設される上流端52から先に記述した下流端48までが内腔42を通って延在している。本発明の一部の実施形態では、ステム46の大きさは、上流端52でより大きく、下流端48でより小さくなるように先細りしてよい。ステム46は、1°の角度で先細りしてよい。ステム46の下流端48の直径は、0.040インチから0.080インチに及ぶ直径、より典型的には約0.6インチの直径を有してよいと考えられる。
【0031】
次に図4から図8を参照すると、ステム46およびダイアフラム50がより詳細に示されている。ステム46は比較的剛性である。ステム46は、ステンレス鋼などの金属から形成され得る。本発明の本実施形態では、ステム46は、温度変化に強く、かつ塩素、酸、オートクレーブなどと関連する化学反応に強いポリマー材料から形成されている。適切なポリマーの例としては、R-5100RADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン、R-5800RADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン、およびHU1004ULTEM(商標)ポリエーテルイミドが挙げられる。
【0032】
ダイアフラム50は、医療グレードシリコーンなどのエラストマー材料、または、精製水、塩素、酸、およびオートクレーブと関連する化学反応に耐えるのに適した任意の他の材料からなってよい。ダイアフラム50の外表面54は、図3に示すようにバルブキャップ24の内表面36と接触しているダイアフラム50の上流端56から、バルブ本体22の上流端26と接触しているダイアフラム50の下流端58まで延在する。ダイアフラム50の中心部60は、ダイアフラム50の上流端56から内方に離間して凹設した上流面62、およびダイアフラム50の下流端58から内方に離間して凹設した下流面64を含む。すなわち、ダイアフラム50の中心部60の厚みは、ダイアフラム50の外表面54の厚み未満である。例えば、ダイアフラム50の外表面54は、0.119インチから0.131インチの厚みでよく、ダイアフラム50の中心部60は、0.102インチから0.106インチの厚みでよい。
【0033】
中心部60は、さらに、中心部60を貫通し、中心部60周りに円周方向に離間した複数の孔66を含む。本発明の上記代表的な実施形態は、ダイアフラム50の中心部60を通るように形成され、45°の間隔で離間した八(8)個の孔を示しているが、本発明の他の実施形態は、45°以外の間隔で離間した八(8)個よりも多いまたは少ない孔を含んでもよい。本発明のさらに他の実施形態では、孔66は、変化する間隔で離間してもよい。本発明の一実施形態において、孔66は、1°の角度で上流から下流まで先細りさせてよい。言い換えれば、各孔66は、中心部60の上流面62により大きな直径を有し、中心部60の下流面64により小さな直径を有してよい。
【0034】
ダイアフラム50は、さらに、図5および図7に示す、外側カラー68および内側カラー70を含む。外側カラー68は、ダイアフラム50の外表面54と整列し、ダイアフラム50の下流端58と整列する下流端72から、ダイアフラム50の上流端56と整列する上流端74まで延在する。図3にさらに示すように、外側カラー68は、バルブキャップ24の内表面36と接触している外側カラー68の上流端74から、バルブ本体22の上流端26を越えた箇所に配設される外側カラー68の下流端72まで延在する。その結果、ダイアフラム50の外側カラー68の下流端72は、バルブ本体22の上流端26との重複部分76に沿ってバルブキャップ24の内表面36とバルブ本体22の外表面34の間に配設される。
【0035】
内側カラー70は、外側カラー68から内方に離間し、外側カラー68と同心円状に整列する。例えば、外側カラー68は、0.360インチから0.368インチの外径および0.307インチから0.313インチの内径を有してよく、内側カラー70は、0.218インチから0.222インチの外径および0.154インチの内径を有してよい。内側カラー70は、ダイアフラム50の中心部60の下流面64から軸方向に離間した下流端78を含む。図3および図7に示すように、内側カラー70の下流端78は、外側カラー68の下流端72よりもさらに上流に位置する。
【0036】
本発明の他の実施形態では、内側カラー70の下流端78は、外側カラー68の下流端72と軸方向に整列してもよい。本発明のさらに他の実施形態では、内側カラー70の下流端78は、外側カラー68の下流端72よりも下流にあってもよい。
【0037】
図3は、内側カラー70の下流端78が、バルブ本体22の上流端26上の段差から形成される表面と接触している様子を描いている。内側カラー70の下流端78は、内腔42の下流部86から内腔42の上流部84を封止するために封止表面82を含む。図8は、内側カラー70の封止表面82の拡大図を示す。封止表面82は、環状溝90を介して互いに離間する二つの軸方向に延出する環状隆起88を含む。本発明の上記代表的な実施形態では、溝90の幅は隆起88の幅と同じである。溝90の幅と隆起88の幅は各々0.009インチでよい。さらに、溝90の深さは0.006インチでよい。また、本発明の上記代表的な実施形態は、二つの隆起88および一つの介在溝90の使用を示すが、本発明の他の実施形態は、任意数の隆起88およびそれらに付随する介在溝90を使用してもよいと考えられる。
【0038】
隆起88は、多点封止表面82を生じる。すなわち、封止表面82の各隆起88は、バルブ本体22の上流端26との独立した封止を生じる。したがって、各隆起88は独立してバルブ本体22の上流端26に接触して、内腔42の上流部84から内腔42の下流部86を封止することができる。多点封止表面82は、一つのごみがダイアフラム50とバルブ本体22の間の内側カラー70に詰まっても適切な封止が行われることを可能にする封止冗長性をもたらす。すなわち、一つのごみが一方の隆起88とバルブ本体22の上流端26によって形成される封止表面との間、または溝90内に詰まっても、他方の隆起88は、バルブ本体22の上流端26の封止表面と接触することを妨げず、そして、内腔42の上流部84から内腔42の下流部86を封止する。
【0039】
ダイアフラム50は、ステム46の上流端52を受容するためのステムシート96も含む。図5に示すように、ステム46は、ステム46の上流端52にあり、ステムシート96内に配設されるステムヘッド98を含む。ステム46は、ステムヘッド98からステム46の下流端48まで延在するステム本体100も含む。ステムヘッド98は、ステム本体100よりも大きな直径を有し、ダイアフラム50のステムシート96内に配設される。さらに上述したように、ステム本体100は、より大きな直径の上流からより小さな直径の下流まで先細りする。本発明の一実施形態において、ステム46の長さは1.175インチでよい。ステム46の下流端48は、0.020インチの半径を有する丸みのある縁を含んでよいことも考えられる。
【0040】
図7および図8は、さらに、ステムヘッド98がステムシート96内に配設されている断面図を描いている。ステムヘッド98は、第一の直径を有する基部102および基部102の下流であって第二の直径を有する段差部104を含む。基部102の直径は段差部104の直径よりも大きい。下流に移動すると、ステムヘッド98の段差部104は、ステムヘッド98の段差部104の直径未満の直径を有するステム本体100まで下がる。本発明の一実施形態において、基部102の直径は、0.199インチから0.201インチに及んでよく、段差部104の直径は0.120インチでよい。
【0041】
本発明の代替的な実施形態では、ステムヘッド98は、基部102の直径から段差部104の直径まで先細りしてもよい。本発明のさらに他の実施形態では、ステムヘッド98は、段差部104を有さずに基部102を含んでもよい。
【0042】
図8に示すように、ダイアフラム50はステムヘッド98を包囲して、ダイアフラム50のステムシート96内にステムヘッド98を固定する。ダイアフラム50は、内側カラー70の下流端78に隣接する箇所108にて内側カラー70から径方向内方に延出する環状延出部106を含む。延出部106は、ステムヘッド98の基部102の直径とステムヘッド98の段差部104の直径のオフセットを模倣する。すなわち、ダイアフラム50の延出部106は、基部102の直径と段差部104の直径の差の半分に等しい距離にある内側カラー70から径方向内方に延出する。したがって、ダイアフラム50は、ステムヘッド98の外表面110と接触したままになり、ダイアフラム50のステムシート96内にステムヘッド98を固定する。
【0043】
ステム46およびダイアフラム50は、まずステム46を形成し、次にステムヘッド98の周りにダイアフラム50を形成する共成形工程において形成してよい。第一の成形ステップでは、ステム46が、ステムヘッド98およびステム本体100に関して上記のように成形される。ステムヘッド98の先に述べた基部102および段差部104は、成形されたステム46に付随するバリが最小限になるという利点を含む。
【0044】
図5に描くように、ステムヘッド98は、ステムヘッド98の外表面110周りに円周方向に離間する窪み112を含む。これらの窪み112の利点は下記でさらに述べる。本発明の上記代表的な実施形態は、ステムヘッド98の外表面110周りに円周方向に離間する八(8)個の窪み112の使用を描いているが、本発明の様々な実施形態は、任意数の窪み112を含んでよいと考えられる。
【0045】
第二の成形ステップでは、ダイアフラム50は、ステムヘッド98を包囲するように成形される。結果的に生じるダイアフラム50は、先に述べた外側カラー68、内側カラー70、延出部106、中心部60、および孔66を含む。ダイアフラム50の成形中、ダイアフラム50の材料は、当該材料がステムヘッド98の両側に流れ、ステムヘッド98を適切に包囲してステムヘッド98をステムシート96内に固定するように、ステムヘッド98の窪み112を通過することができる。この共成形工程の結果、ダイアフラム50は、なおもシームのない単一部品で形成されながら、ステムヘッド98を包囲することができる。図4に示すように、ダイアフラム50の中心部60は、中心部60の中心に配設されるさらなる孔154も含んでよい。これらの孔154は、ダイアフラム50の製造性を改善し、形成後の金型からのダイアフラム50の離型を補助するように構成される。
【0046】
使用時、任意の方向へのステム46の枢動により、バルブ本体22の上流端26によって形成される前記封止表面から離れる方向へのダイアフラム50の移動が生じる。特に、ステム46の作動により、バルブ本体22の上流端26からの内側カラー70の封止表面82の変位が生じ、内腔42の上流部84から内腔42の下流部86および動物へと水が流れる。図3図5および図7は、さらに、ダイアフラム50の孔66が、外側カラー68と内側カラー70の間の箇所に配設されている様子を示す。ダイアフラム50の上流端56からダイアフラム50の下流端58へ液体が移動する際、この液体は孔66に通される。したがって、ステム46が任意の方向に枢動されるとき、内側カラー70の一部がバルブ本体22の上流端26から変位し、内腔42の上流部84からダイアフラム50の孔66を通り、内腔42の下流部86へと水が流れる。
【0047】
ステムヘッド98を包囲するダイアフラム50を使用することによって、ダイアフラム50は、バルブキャップ24とバルブ本体22の間の封止を完成する。その結果、Oリングがステムヘッド98にてステム46を包囲する必要がない。他の動物給水バルブにみられるOリングを省くことによって、ステム46は、流動力および作動力のより大きな制御および一貫性をもって枢動するより広い支点を有する。例えば、本発明のバルブ10は、ステムヘッドにOリングを含む同等の動物給水バルブと関連する力が±4~12グラムであるのとは対照的に、±2グラムの力から作動する。さらに、本発明の結果的に生じる流れは、ステムヘッドにOリングを含む同等の動物給水バルブと関連する±20~60mLとは対照的に、±15mLの範囲を有する。したがって、本発明の改善したダイアフラム50とステム46の設計により、より一貫した流れとなり、流動変動性が低減する。
【0048】
再び図3を参照すると、ハウジング12の上流端18と関連するバルブキャップ24の上流端116は、動物給水システムのドッキング機構(図示せず)と、またはタンク、バッグなどの別の水源と嵌合するように構成されるシャンクの形状を呈する。前記バルブ要素にゴミが入ることを抑制するために、前記バルブ要素を形成するダイアフラム50の上流の内腔42には透水プラグ118が配設される。本実施形態では、プラグ118は、バルブ10が前記ドッキング機構または他の水源から切断されるときに入口20で内腔42にゴミが入ることを防止するためにバルブキャップ24の上流端116内に配設される焼結金属プラグである。焼結金属プラグ118は、バルブキャップ24の上流端116にて内腔42内に圧入される、またはその他の方法で保定されるステンレス鋼部材を含んでよい。あるいは、プラグ118は、温度変化、周囲材料の熱膨張、および、塩素、酸、オートクレーブなどと関連する化学反応に強いポリマー材料を含んでもよい。例示的なポリマーとしては、R-5100RADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン、R-5800RADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン、およびHU1004ULTEM(商標)ポリエーテルイミドが挙げられる。図9は、給水バルブ10の入口20からハウジング12の下流端12内に配置されるプラグ118の端面図を描いている。
【0049】
なおも図3を参照すると、内腔42は、ハウジング12の上流端18に配設されるプラグ区間122を含んでよい。プラグ区間122の直径は、真隣りの区間124の直径よりも大きくてよい。その結果、プラグ区間122の直径が隣接区間124の直径に変化するので、プラグ区間122の下流端128には径方向の段差126が形成される。本発明の一実施形態において、プラグ118は、プラグ118の下流端130が、プラグ区間122の下流端128にある段差126の箇所になるように、または段差126に隣接するように圧入される。すなわち、段差126は、プラグ118がそれ以上内腔42に押し込まれることを防止する固有のストッパとして作用する。本発明の他の実施形態では、プラグ118の下流端130は、段差126から離間してもよい。
【0050】
プラグ118は、一般的に使用されるメッシュおよびフィルタと関連する0.1mmの厚みとは対照的に、2~8mmの長さを有してよい。より具体的には、本発明の実施形態は、4mm長のプラグ118を含んでよい。2mm未満または8mmよりも大きい長さを有するプラグ118も本発明では考えられる。
【0051】
図10は、プラグ118の拡大図であり、焼結プラグ118の格子構造132を描いている。格子構造132は、20マイクロメートルから80マイクロメートルに及ぶ大きさのごみを補足するために20マイクロメートルと80マイクロメートルの間の大きさの細孔を有するように構成される。より具体的には、本発明の上記代表的な実施形態は、50マイクロメートルの大きさのごみの侵入を防ぐために約50マイクロメートルの大きさにした細孔を有する格子構造132を有するプラグ118を含む。
【0052】
2~8mmの長さに沿ってプラグ118の格子構造132を延在させることにより、プラグ118は、プラグ118の下流端130にて液体の圧力と流れを安定させて一貫した流れにする多経路の多段ろ過作用をもたらす。また、プラグ118の長さにより、多階層の細孔を有する格子構造132がもたらされる。すなわち、もし前記細孔の一つをごみが塞いだとしても、格子構造132には、格子構造132の長さに沿って水が流過するための数千とまではいかなくても数百の細孔があるため、プラグ118を通る流れは事実上影響を受けることはないだろう。
【0053】
プラグ118は、バルブ10のオートクレーブ中に蒸気圧を発生させることができる。このような圧力により、補足したごみのほとんどまたは全てがプラグ118から除去されることができる。例えば、0.1mm厚のメッシュとは対照的に、プラグ118の長さに沿って格子構造132を延在させることによって、当該プラグ内ではオートクレーブ中に圧力が高められ、プラグ118の格子構造132内に補足されたごみを押し出すことができる。
【0054】
本発明の上記代表的な実施形態では、プラグ118の上流端120は、バルブキャップ24の上流端116と面一に整列される。本発明の様々な実施形態において、プラグ118の上流端120は、バルブキャップ24の上流端116を越えて延出してもよいし、バルブキャップ24の上流端116と面一でもよいし、バルブキャップ24の上流端116から埋め込まれてもよい。上記したように、プラグ118は、ステンレス鋼、またはR-5100RADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン、R-5800RADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン、およびHU1004ULTEM(商標)ポリエーテルイミドなどであるがそれらの限定されないポリマーを含んでよい。その結果、プラグ118は、本発明の様々な実施形態において多様な工程によって上記の格子構造132を含むように形成してよい。例えば、プラグ118は、焼結工程を通して、または3D印刷工程を通して形成してよい。
【0055】
ここで図11を参照すると、出口16、ステム46、およびシールドをよりよく描写するために、給水バルブ10の下流端14の拡大断面が示されている。この実施形態の当該シールドは、ステム46の下流端48に取り付けられるステムハット134を含む。ステムハット134は、ステンレス鋼または類似の材料から形成してよい。例えば、ステムハット134は、316Lステンレス鋼を含んでよい。ステムハット134は、ステムハット134の下流端138に配設されるキャップ136、およびステムハット134の上流端に配設されるディスク140を含む。キャップ136は、閉塞した外端および開放した内端を有する中空の円筒形要素である。ステムキャップ136は、ステム46の下流端48を覆い、かつステム46の下流端48に結合されるように構成される。例えば、ステム46の下流端48は、ステムキャップ136の前記開放した内端からステムキャップ136に挿入され、ステムハット134のキャップ136に圧入されてよい。
【0056】
ステムハット134は、ステムハット134の上流端142に配設されるディスク140も含む。ステムハット134は、ハウジング12の出口16の上流側146に隣接する箇所144でステム46から径方向に延出するように構成される。例えば、ディスク140の下流表面150は、出口16から上流に0.001インチと0.005インチの間で軸方向に離間してよい。上記の軸方向離間により、この実施形態のステム46は、前記払拭表面の上流縁156またはバルブ本体22の下流端30と接触することなく、任意の方向に2°から2.7°までまたはそれ以上上方に偏向または枢動することができる。
【0057】
ディスク140は、出口16の直径よりも大きな直径を有する。さらに、ディスク140は、ディスク140の外縁148が、ステム46の偏向中に出口16の横方向外側に留まるような大きさにされる。すなわち、ステム46が最大限に偏向されるとき、ディスク140は、出口16を覆うように配置されたままである。その結果、ステムハット134は、ごみが出口16に入ることからバルブ10を保護する。
【0058】
ディスク140が出口16から上流に配設されるため、液体は、出口16から出る前にディスク140を通り抜けてよい。例えば、バルブ10によって分配される液体は、出口16まで移動するために、ディスク140の上流表面152に沿い、ディスク140の外縁148に沿い、かつディスク140の下流表面150に沿って移動する必要がある。当該液体はそうして出口16から出る。ここで、当該液体は、ステムハット134に沿って、またはハウジング12の下流端14におけるフレア形状の払拭表面44に沿って自由に移動する。有利なことに、当該液体は、このとき、洗い流し効果によってバルブガード28のフレア形状の払拭表面44に沿って位置するいずれのごみも押し退けることができる。払拭表面44も、バルブ作動中およびその結果生じる径方向のディスクの移動中にディスク140の外表面からごみを払拭する。
【0059】
また、ステムハット134のディスク140は、動物がステム46の下流端48を押すことによってステム46およびダイアフラム50が軸方向に移動することを防止するように作用する。もし動物がステム46の下流端48を押した場合、ディスク140の上流表面152は、ステム46およびダイアフラム50が縦軸に沿って上流に実質的に移動する前に、バルブ本体22の下流端30と接触することになる。したがって、ステムハット134は、ステム46の下流端48を押すことによるバルブ本体22との前記ダイアフラムの封止に影響を及ぼす動物による損傷または取り扱い上の損傷のおそれも予防する。
【0060】
本発明の他の実施形態および使用法は、本願に開示された本発明の明細書および実施からの考察から当業者には明らかになるだろう。本発明は、本願にて図示および説明された具体的な材料、方法、製法、動作/分析条件などに限定されず、後続の特許請求の範囲内にある本発明の変形形態を包含することを了解する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口、入口、および、内部に形成されかつ該出口から該入口まで延在する内腔を有するハウジング、
前記内腔内に位置するバルブ要素、
前記バルブ要素と協働関係で前記ハウジング内に配設され、前記ハウジングの前記出口を貫通するステムであって、該ステムは、前記バルブ要素を作動し、そこを通じて、液体を流すよう偏向可能であり
前記ステムの下流端に結合され、ステムの偏向で移動するステムハットであって、キャップ、および前記出口の上流に隣接する箇所で前記ステムから径方向に延出するディスクを有するステムハット
を含む動物給水バルブ。
【請求項2】
前記ディスクの直径は前記出口の上流端の直径よりも大きい、請求項の動物給水バルブ。
【請求項3】
前記ディスクの前記直径は、前記ステムの最大偏向時に該ディスクの外縁が前記出口の横方向外側に留まるような大きさにされる、請求項の動物給水バルブ。
【請求項4】
前記ディスクは、前記ステムが偏向する時、前記バルブ要素によって分配される液体が、出口まで移動するために、前記ディスクの上流表面に沿い、該ディスクの外縁に沿い、そして、該ディスクの下流表面に沿って移動するように形成される、請求項3の動物給水バルブ。
【請求項5】
前記ステムは2.7°まで径方向に偏向させることができる、請求項の動物給水バルブ。
【請求項6】
前記ディスクは、前記出口の上流端から軸方向に離間する、請求項の動物給水バルブ。
【請求項7】
前記軸方向の離間は、0.001インチから0.005インチまでである、請求項6の動物給水バルブ。
【請求項8】
前記ステムハットは、ステンレス鋼材料、又は、該ステンレス鋼材料と類似の材料を含む、請求項の動物給水バルブ。
【請求項9】
前記ステムハットは、単一要素からなる、請求項8の動物給水バルブ。
【請求項10】
前記ディスクは、前記ステムが偏向される時、液体が、出口から出る前に前記ディスクを通り抜けるように、前記出口から上流に配設され、
また、前記ステムの最大偏向時に、前記ディスクが、出口を覆うように配置されたままとなるように、前記ディスクは、該ディスクの外縁が、ステムの偏向中に出口の横方向外側に留まるような大きさにされる、請求項1の動物給水バルブ。