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特開2025-1128真空遮断器の自閉力測定装置及び自閉力測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001128
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】真空遮断器の自閉力測定装置及び自閉力測定方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/668 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
H01H33/668 Z
H01H33/668 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100548
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】水上 翔一朗
(72)【発明者】
【氏名】土井 達也
【テーマコード(参考)】
5G026
【Fターム(参考)】
5G026KA03
(57)【要約】
【課題】自閉力の測定精度を高めること。
【解決手段】真空遮断器(1)は、真空容器(11)内に収納された可動接点(12)及び固定接点(14)を有する主回路部(10)と、可動接点を支持する可動側ロッド(15)と、可動側ロッドに連結されて接圧ばね(35)を有する接圧調整部(23)とを備えている。主回路部の自閉力を測定する自閉力測定装置(100)は、接圧調整部に装着され、接圧ばねから可動側ロッドに付与される弾性力を除去する接圧除去部(101)と、接圧調整部の連結リンク(31)に接触することで自閉力が作用する受け部材(116)と、受け部材に作用する自閉力を測定するセンサ(115)とを備えている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器内に収納された可動接点及び固定接点を有する真空バルブと、
前記可動接点を支持する可動側ロッドと、
前記可動側ロッドに連結される接圧調整部と、
前記接圧調整部に連結されるリンク機構を介してばね部材の弾性力を伝達し、前記固定接点に対し前記可動接点を接離する接離方向に駆動する操作機構とを備えた真空遮断器にて、前記真空バルブの自閉力を測定する自閉力測定装置であって、
前記接圧調整部は、前記可動側ロッドに連結される連結リンクと、前記連結リンク及び前記可動側ロッドを介して前記可動接点及び前記固定接点に接圧を付与する接圧ばねとを有し、
前記接圧調整部に装着され、前記接圧ばねから前記可動側ロッドに付与される弾性力を除去する接圧除去部と、
前記連結リンクに接触することで前記自閉力が作用する受け部材と、
前記受け部材に作用する前記自閉力を測定するセンサとを備えていることを特徴とする真空遮断器の自閉力測定装置。
【請求項2】
前記接圧ばねは、コイルばねにより構成され、
前記接圧除去部は、前記接圧ばねの軸線方向両側に配置される一対の挟持部材と、
前記一対の挟持部材に前記接圧ばねを挟み込む力を加える挟持力付与部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の真空遮断器の自閉力測定装置。
【請求項3】
前記受け部材に作用する前記自閉力を前記センサに伝達する自閉力伝達部を更に備え、
前記自閉力伝達部は、前記接圧調整部に装着されて前記センサを支持するセンサ支持体と、
前記センサに接触することで前記自閉力を加える接触部材と、
前記可動側ロッドと平行に延出して前記受け部材と前記接触部材とを連結する連結部材とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空遮断器の自閉力測定装置。
【請求項4】
前記自閉力伝達部は、前記受け部材と前記接触部材との距離を調整可能な調整部を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の真空遮断器の自閉力測定装置。
【請求項5】
前記可動側ロッドは、前記真空遮断器にて絶縁性ガスが充填される内部空間を形成する隔壁を貫通し、
前記センサは、前記隔壁と前記受け部材との間に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空遮断器の自閉力測定装置。
【請求項6】
真空容器内に収納された可動接点及び固定接点を有する真空バルブと、
前記可動接点を支持する可動側ロッドと、
前記可動側ロッドに連結される接圧調整部と、
前記接圧調整部に連結されるリンク機構を介してばね部材の弾性力を伝達し、前記固定接点に対し前記可動接点を接離する接離方向に駆動する操作機構とを備えた真空遮断器にて、前記真空バルブの自閉力を測定する自閉力測定方法であって、
前記接圧調整部は、前記可動側ロッドに連結される連結リンクと、前記連結リンク及び前記可動側ロッドを介して前記可動接点及び前記固定接点に接圧を付与する接圧ばねとを有し、
前記接圧調整部に接圧除去部を装着し、前記接圧ばねから前記可動側ロッドに付与される弾性力を除去する接圧除去ステップと、
前記連結リンクに接触して前記自閉力が作用するよう受け部材を装着し、該受け部材に作用する前記自閉力が加わるようセンサを装着する装着ステップと、
前記受け部材に作用する前記自閉力を前記センサにて測定する測定ステップとを備えていることを特徴とする真空遮断器の自閉力測定方法。
【請求項7】
前記装着ステップの実施後、前記測定ステップの実施前に、前記自閉力の反対方向に前記受け部材を変位する変位ステップを更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の真空遮断器の自閉力測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉接点を有する真空遮断器の自閉力測定装置及び自閉力測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、真空遮断器における真空バルブ内の真空度を確認するための真空度確認装置を開示している。真空遮断器は、閉極位置において可動接点を固定接点へ一定の接圧で押し当てる接圧ばねを備えている。真空度確認装置を構成する荷重測定装置は、真空バルブを閉極する方向に移動させることで荷重を測定し、真空バルブに真空度の低下が発生していないかを確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6771329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、荷重測定装置にて真空バルブを移動させる際、接圧ばねや開放ばねが弾性変形し得る状態になっている。このため、特許文献1では、測定条件によって接圧ばねにおける弾性変形の状態が変化する他、自閉力と、自閉力に対する過大な開放ばね荷重との差分を測定しており、自閉力の真空度を確認する精度が低くなる、という問題がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、自閉力の測定精度を高めることができる真空遮断器の自閉力測定装置及び自閉力測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一態様の真空遮断器の自閉力測定装置は、真空容器内に収納された可動接点及び固定接点を有する真空バルブと、前記可動接点を支持する可動側ロッドと、前記可動側ロッドに連結される接圧調整部と、前記接圧調整部に連結されるリンク機構を介してばね部材の弾性力を伝達し、前記固定接点に対し前記可動接点を接離する接離方向に駆動する操作機構とを備えた真空遮断器にて、前記真空バルブの自閉力を測定する自閉力測定装置であって、前記接圧調整部は、前記可動側ロッドに連結される連結リンクと、前記連結リンク及び前記可動側ロッドを介して前記可動接点及び前記固定接点に接圧を付与する接圧ばねとを有し、前記接圧調整部に装着され、前記接圧ばねから前記可動側ロッドに付与される弾性力を除去する接圧除去部と、前記連結リンクに接触することで前記自閉力が作用する受け部材と、前記受け部材に作用する前記自閉力を測定するセンサとを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明における一態様の真空遮断器の自閉力測定方法は、前記真空遮断器にて、前記真空バルブの自閉力を測定する自閉力測定方法であって、前記接圧調整部に接圧除去部を装着し、前記接圧ばねから前記可動側ロッドに付与される弾性力を除去する接圧除去ステップと、前記連結リンクに接触して前記自閉力が作用するよう受け部材を装着し、該受け部材に作用する前記自閉力が加わるようセンサを装着する装着ステップと、前記受け部材に作用する前記自閉力を前記センサにて測定する測定ステップとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接圧除去部によって接圧ばねの弾性変形を規制し、ばね部材の弾性力が作用しない位置で、センサにより自閉力を測定することができる。言い換えると、接圧ばね及びばね部材の影響を受けない状態で自閉力の測定を行えるようにし、自閉力の測定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る自閉力測定装置が用いられる真空遮断器の部分概略斜視図である。
図2図1の縦断面図である。
図3】前記自閉力測定装置の一部と前記真空遮断器の一部とを分解して示す縦断面図である。
図4】前記自閉力測定装置の一部と前記真空遮断器の一部とを示す縦断面図である。
図5図5Aは、挟持部材の平面形状を説明する図であり、図5Bは、受け部材及び接触部材の平面形状を説明する図である。
図6】前記真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。
図7】自閉力が作用した状態を示す図6と同様の縦断面図である。
図8】第2の実施の形態に係る自閉力測定装置と真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。
図9】第2の実施の形態に係る自閉力測定装置と真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。
図10】第3の実施の形態に係る自閉力測定装置と真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。
図11】第3の実施の形態に係る自閉力測定装置と真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る自閉力測定装置が用いられる真空遮断器について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
【0011】
本発明は、例えば、キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS:Cubicle-Type Gas Insulated Switchgear、以下では単に「開閉装置」という)を構成する真空遮断器に適用される。しかしながら、本発明が適用される開閉装置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る自閉力測定装置が用いられる真空遮断器の部分概略斜視図である。なお、図1にて自閉力測定装置は不図示である。図1に示すように、真空遮断器1は、密閉した内部空間を形成し、SF6ガス等の絶縁性ガスが充填される金属製の筐体2を備えている。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は各図において矢印で示した方向を基準として用いる。
【0013】
図1では、筐体2の一部として上下方向に沿って設けられる隔壁2aを図示しており、隔壁2aの後方を絶縁性ガスが充填される内側の空間として形成し、前方を大気が存在する外側としている。また、筐体2は、隔壁2aの前面から前方に延出し、左右方向に直交する方向に向けられた仕切壁2bを備えている。
【0014】
図2は、図1の縦断面図である。図2に示すように、真空遮断器1は、筐体2の内側に設けられた三相の主回路部10(真空バルブ)を備えている。三相の主回路部10は、概ね同一構造とされて図2の紙面直交方向(左右方向)に並んで設けられ、図2及び後述する図3図4図6図7では、三相の主回路部10のうちの1つを簡略化して図示している。
【0015】
主回路部10は、セラミック等によって形成される絶縁筒からなる真空容器11(図2にて二点鎖線で簡略にして図示)と、真空容器11内に収容された可動接点12及び固定接点14とを有している。可動接点12及び固定接点14は、真空容器11の内部で接離可能に設けられる。可動接点12及び固定接点14によって開閉接点が構成される。
【0016】
主回路部10では、可動接点12及び固定接点14が図2に示す離間状態(開極状態)で通電を遮断(開路)し、接触状態(閉極状態、図4参照)で通電(閉路)するものである。なお、図2では、可動接点12及び固定接点14の距離が最も大きくなる最大開極時の状態を示している。可動接点12は、前後方向に延出する可動側ロッド15に支持される。可動側ロッド15は、絶縁部材により構成され絶縁ロッドと称されることもある。可動側ロッド15は、筐体2の隔壁2aの前面に装着されるガスシール16を貫通している。
【0017】
ガスシール16は、後面が隔壁2aの前面に当接するよう装着される円板状のフランジ部16aと、フランジ部16aの前面から前方に突出する突出筒部16bとを備えている。フランジ部16a及び突出筒部16bの前後方向に延出する中心軸位置には、可動側ロッド15が挿通される挿通穴が形成され、挿通穴の内部には、可動側ロッド15の外周面に摺動可能に当接するOリング(不図示)が設けられる。かかるOリングによって、可動側ロッド15との間の気密が維持され、隔壁2aの内外での気密も維持される。
【0018】
図1及び図2に示すように、真空遮断器1は、固定接点14に対し可動接点12を接離する接離方向(前後方向)に駆動する操作機構20を更に備えている。本実施の形態では、かかる接離方向が前後方向と平行となる。操作機構20は、リンク機構21と、中心軸が概ね前後方向に延出して配置される遮断ばね22(ばね部材)と、可動側ロッド15の前端側とリンク機構21との間に設けられる接圧調整部23とを備えている。なお、操作機構20においては、遮断ばね22、接圧調整部23及びリンク機構21の順に説明する。
【0019】
遮断ばね22は、後端(一端)が第1ホルダ27によって保持され、前端(他端)が第2ホルダ28によって保持される。第1ホルダ27は、ブラケット29を介して隔壁2aに支持される。遮断ばね22は、引張コイルばねにより構成され、図1に示す状態から前後方向の長さを伸長することで、第2ホルダ28を後方に移動する方向の弾性力を蓄勢する。
【0020】
接圧調整部23は、隔壁2aの外側となる前方の空間にて、三相に応じて3箇所に設けられる。接圧調整部23は、リンク機構21の後述する第1レバー51と、可動側ロッド15とを連結するよう前後方向に沿って設けられる。
【0021】
接圧調整部23は、可動側ロッド15の前端側にピン31aを介して連結される連結リンク31を備えている。また、接圧調整部23は、連結リンク31の前端側と第1レバー51とに連結される接圧ばねロッド34と、接圧ばねロッド34が内側に挿入される圧縮コイルばねにより構成される接圧ばね35と、固定側ばね抑え36及び可動側ばね抑え37とを備えている。
【0022】
連結リンク31は、前後方向に延出する多角形柱状のリンク本体32と、リンク本体32の前方に支持される押圧体33とを備えている。リンク本体32の前端側は、接圧ばねロッド34の後端側を左右方向から挟むように二股に分割した形状に設けられている(図1参照)。
【0023】
押圧体33は、リンク本体32の前端側を左右方向に貫通して設けられる接続ピン33aと、接続ピン33aを介して回転可能に支持される一対のローラ33b(図2では一方を不図示)とを備えている。接続ピン33aは、リンク本体32に対して相対移動不能に支持された状態となる。よって、リンク本体32及び押圧体33を含む連結リンク31、可動側ロッド15及び可動接点12がユニットUとして一体となって前後方向に移動される。
【0024】
接圧ばねロッド34は、リンク機構21の後述する第1レバー51に連結されて後方に延出する第1ロッド39と、第1ロッド39の後端側に連結されて後方に延出する第2ロッド40とを備えている。第1ロッド39及び第2ロッド40は、前後方向に平行となるよう同軸上に位置し、また、可動側ロッド15に対しても同軸上に位置する。
【0025】
第1ロッド39は、前後両側にナット部材41、42が螺合して設けられ、後側のナット部材42によって、固定側ばね抑え36の前後方向への移動が規制される。第1ロッド39における前後両側のナット部材41、42の間には、ナット状に形成される膨出部39aが形成されている。よって、接圧ばねロッド34にて、第1ロッド39には、膨出部39aの前後両側に縮径して凹んだ形状をなす部分が形成される。
【0026】
図3は、第1の実施の形態に係る真空遮断器の一部と後述する自閉力測定装置の一部とを分解して示す縦断面図である。図3に示すように、第1ロッド39の後端側には雄ねじが形成される一方、第2ロッド40の前端側には雌ねじ穴が形成され、第1ロッド39及び第2ロッド40がねじ結合されている。第2ロッド40は、接圧ばね35に挿入される。また、第2ロッド40は、接圧ばね35の前端(一端)側に設けられる固定側ばね抑え36に挿入され、接圧ばね35の後端(他端)側に設けられる可動側ばね抑え37にも挿入される。各ばね抑え36、37は、接圧ばね35の弾性力を受け、該弾性力によって可動側ばね抑え37は前後方向に変位可能に設けられる。
【0027】
接圧ばね35は、固定接点14から可動接点12が離れて開極した状態で自然長より所定長さ圧縮され、この状態から閉極した状態で更に圧縮されて可動接点12と固定接点14と間の接圧を付与可能に設けられる。
【0028】
第2ロッド40の後端側には、前後方向に延出する長孔40aが形成されている。長孔40aは、左右方向に開通するとともに、押圧体33の接続ピン33aが挿入されている。これにより、長孔40a及び接続ピン33aを介して、第2ロッド40と連結リンク31とが連結される。また、長孔40a内にて接続ピン33aが前後方向に移動され、長孔40a及び接続ピン33aによって、接圧ばねロッド34に対し、前記ユニットUが前後方向に相対移動可能となる。
【0029】
図3に二点鎖線で示すように、可動側ばね抑え37の後面は押圧体33のローラ33bの前端に接触している。これにより、可動側ばね抑え37を介して、接圧ばね35の弾性力がローラ33bに伝達されてユニットUを前方に付勢する。そして、連結リンク31及び可動側ロッド15を介して接圧ばね35の弾性力が可動接点12と固定接点14と間の接圧として付与可能に設けられる。
【0030】
図1に戻り、リンク機構21は、開閉軸50と、第1レバー51と、第2レバー52とを備えている。開閉軸50は、左右方向に延出しており、両端が軸受(不図示)を介して回転可能に支持される。
【0031】
第1レバー51は、3つの接圧調整部23における接圧ばねロッド34の前端側にそれぞれ設けられる。第1レバー51は、先端側にてピン51aを介して接圧ばねロッド34の前端側に回転可能に連結される。また、第1レバー51の基端側は、開閉軸50に固定して支持される。
【0032】
第2レバー52は、3箇所設けられる第1レバー51のうち、左右方向にて中央の第1レバー51の右側近傍に設けられる。第2レバー52の基端側は、開閉軸50に固定して支持される。第2レバー52は、先端側にてピン52aを介して第2ホルダ28の前端側に回転可能に連結される。
【0033】
リンク機構21にて、遮断ばね22の弾性力により第2ホルダ28を後方に移動すると、第1レバー51、第2レバー52及び開閉軸50を図2にて時計方向に回動し、接圧ばねロッド34及びユニットUを前方に移動して固定接点14から可動接点12を離間する。よって、操作機構20においては、遮断ばね22の弾性力がリンク機構21を介して伝達することで可動接点12及び固定接点14が開極される。
【0034】
ここで、真空遮断器1の運用にあっては、定期的な真空度確認試験の実施が推奨されている。本実施の形態にて、主回路部10は外部気体との圧力差により、常時、可動接点12が閉じる方向(後方向)に変位しようとする自閉力と呼ばれる荷重が作用している。かかる自閉力は、可動接点12が固定接点14から離れた状態にて、可動接点12及び可動側ロッド15を含むユニットUに作用する。よって、本実施の形態では、ユニットUに作用する自閉力を自閉力測定装置100によって測定している。自閉力の測定結果を分析することによって主回路部10の真空度を確認できるので、真空遮断器1の運用にあたり、定期的な自閉力の測定(真空度の確認)を実施することが推奨されている。
【0035】
続いて、上記真空遮断器1に用いられる自閉力測定装置100について、図3に加え、図4から図7を参照して説明する。図4は、第1の実施の形態に係る真空遮断器の一部と自閉力測定装置の一部とを示す縦断面図である。
【0036】
図3及び図4に示すように、自閉力測定装置100は、接圧調整部23に装着される接圧除去部101を備えている。接圧除去部101は、接圧ばね35の軸線方向となる前後方向両側に配置される一対の挟持部材102、103と、一対の挟持部材102、103に接圧ばね35を挟み込む力を加える挟持力付与部104とを備えている。挟持部材102、103は板状に形成される。
【0037】
図5Aは、挟持部材の平面形状を説明する図である。図5Aに示すように前後方向から見て、各挟持部材102、103は、門形形状に形成される。更に述べると、挟持部材102、103は、方形状に形成され、下端中央部を開放しつつ上方に延出するスロット状の受容部106を備えている。受容部106の形状や大きさは、挟持部材102、103に応じて適宜調整される。更に、挟持部材102、103は、四隅それぞれの近傍に挿通穴107が形成される。
【0038】
図3及び図4に戻り、前側の挟持部材102は、受容部106内に後側のナット部材42を上方から受容しつつ、後面が固定側ばね抑え36の前面に接触するよう設けられる。後側の挟持部材103は、受容部106内に第2ロッド40を上方から受容しつつ、前面が可動側ばね抑え37の後面に接触するよう設けられる。
【0039】
挟持力付与部104は、前後の挟持部材102、103それぞれに上述のように4箇所形成される挿通穴107(図3及び図4では2つ不図示)と、挿通穴107に挿通されるボルト109とを備えて構成される。ボルト109は、挿通穴107に応じて4本設けられ(図3及び図4では2本不図示)、前後方向に平行に延出するよう配設される。前後の挟持部材102、103は、4本のボルト109を介して連結される。
【0040】
前側の挟持部材102に形成される挿通穴107は、ボルト109の雄ねじより若干大きい外径に形成され、内部でボルト109が空回りするよう形成される。後側の挟持部材102に形成される挿通穴107は、ボルト109の雄ねじに螺合する雌ねじ穴とされ、ボルト109と螺合するように形成される。よって、前側の挟持部材102の前面側に位置するボルト109の頭部を回転操作することで、ボルト109が送りねじとして作用し、前側の挟持部材102に対して後側の挟持部材102が離間接近する前後方向に変位する。
【0041】
このように、挟持力付与部104は、ボルト109の回転操作によって前後の挟持部材102、103の離間距離を調整でき、該調整によって接圧ばね35が圧縮するよう挟み込む力を加えることができる。かかる挟み込む力を加えることで、可動側ばね抑え37が後方に変位してローラ33bから離れ(図4参照)、接圧ばね35の弾性力が連結リンク31及び可動側ロッド15に加わらなくなる。これにより、接圧調整部23に接圧除去部101を装着し、挟持力付与部104を操作することによって、接圧ばね35から可動側ロッド15に付与される弾性力を除去可能となる。
【0042】
図6は、第1の実施の形態に係る真空遮断器の一部と自閉力測定装置とを示す縦断面図である。自閉力測定装置100は、接圧調整部23に装着される接圧除去部101の装着後、接圧調整部23に装着されるセンサ115、受け部材116及び自閉力伝達部118を更に備えている。
【0043】
センサ115は、ロードセル等によって構成され、後方に向かって作用する自閉力を測定する。センサ115は、接圧調整部23における第1ロッド39に装着されるセンサ支持体119を介して支持されている。
【0044】
センサ支持体119は、上述した挟持部材102、103と同様に門形形状に形成され、下端中央部を開放しつつ上方に延出するスロット状の受容部120を備えている。センサ支持体119における受容部120の上方形成縁周りは、第1ロッド39の膨出部39aと後側のナット部材42との間に嵌合した状態となる。この状態で、センサ支持体119は、第1ロッド39及びナット部材42によって上方向以外の方向への変位が規制され、第1ロッド39に着脱自在に装着される。
【0045】
自閉力伝達部118は、上述したセンサ支持体119と、受け部材116と類似した構成となる接触部材122と、可動側ロッド15と平行となる前後方向に延出して受け部材116と接触部材122とを連結する連結部材124とを備えている。受け部材116及び接触部材122は板状に形成される。連結部材124は、ボルトによって構成される。
【0046】
図5Bは、受け部材及び接触部材の平面形状を説明する図である。図5Bに示すように前後方向から見て、受け部材116及び接触部材122は、図5Aの各挟持部材102、103と同様に門形形状に形成される。よって、受け部材116及び接触部材122は、方形状に形成され、下端中央部を開放しつつ上方に延出するスロット状の受容部126を備えている。受容部126の形状や大きさは、適宜調整される。更に、受け部材116及び接触部材122は、四隅それぞれの近傍に挿通穴127が形成される。
【0047】
図6に戻り、受け部材116は、受容部126内に連結リンク31のリンク本体32を上方から受容しつつ、前面が連結リンク31のローラ33bの後端に接触するよう設けられる。接触部材122は、受容部126内に前側のナット部材41を上方から受容しつつ、後面がセンサ115の前端に接触するよう設けられる。
【0048】
連結部材124は、挿通穴127に応じて4本設けられ(図6では2本不図示)、前後方向に平行に延出するよう配設される。受け部材116及び接触部材122は、4本の連結部材124を介して連結され、受け部材116、接触部材122及び4本の連結部材124によって一体となる構造物となる。
【0049】
接触部材122に形成される挿通穴127は、連結部材124の雄ねじより若干大きい外径に形成され、内部で連結部材124が空回りするよう形成される。受け部材116に形成される挿通穴127は、連結部材124の雄ねじに螺合する雌ねじ穴とされ、連結部材124と螺合するように形成される。よって、接触部材122の前面側に位置する連結部材124の頭部を回転操作することで、連結部材124が送りねじとして作用し、接触部材122に対して後側の受け部材116が離間接近する前後方向に変位する。
【0050】
連結部材124の回転操作によって受け部材116及び接触部材122の離間距離を調整でき、受け部材116の前面にローラ33bの後端が接触し、且つ、接触部材122の後面にセンサ115の前端が接触した状態を維持できる。言い換えると、接触部材122及び受け部材116によって、センサ115とローラ33bとの間の構成を前後方向から挟んで自閉力伝達部118を接圧調整部23周辺に保持させた状態にできる。ここにおいて、受け部材116及び接触部材122に形成される挿通穴127と、連結部材124とによって、受け部材116及び接触部材122の距離を調整可能な調整部が構成されている。
【0051】
この状態から、連結部材124の回転操作によって受け部材116及び接触部材122を接近させると、図7に示すように受け部材116が前方に変位し、受け部材116に接触するローラ33bが前方に押し込まれて変位する。ローラ33bは、自閉力が作用するユニットUの一部であるので、受け部材116に自閉力(図7にて白抜き矢印で図示)が作用する。
【0052】
受け部材116は連結部材124及び接触部材122と一体となるので、受け部材116に作用する自閉力は、自閉力伝達部118にて連結部材124及び接触部材122からセンサ115に伝達される。センサ115では、接触部材122から自閉力(図7にて白抜き矢印で図示)が加わり、受け部材116に作用する自閉力を測定可能となる。
【0053】
続いて、真空遮断器1の主回路部10による自閉力の測定方法について説明する。なお、自閉力の測定は、三相に対応する3つの主回路部10それぞれで同様に実施されるので、以下では、左右3つ並ぶ主回路部10のうちの1つの主回路部10の測定方法について説明する。
【0054】
まず、事前準備として、所定の電流経路と主回路部10との接続を遮断した状態とし、且つ、図2に示すように、可動接点12及び固定接点14を開極した離間状態とする。このとき、不図示のラッチ機構等を介し、リンク機構21の開閉軸50の回転が規制され、第1レバー51及び接圧ばねロッド34の変位も規制された状態とする。なお、以下では、開極状態とした場合の測定方法を説明するが、不図示の投入ばねに蓄勢力による開閉軸50の回転及び接圧ばねロッド34の変位が規制されていれば、閉極状態においても同様に測定できる。
【0055】
本実施の形態における自閉力の測定方法は、接圧除去ステップ、設置ステップ、変位ステップ、測定ステップの順に実施される。
【0056】
接圧除去ステップは、図3に示す状態から、図4に示すように接圧ばね35の前後両側に接圧除去部101の挟持部材102、103を配置し、ボルト109の回転操作によって前後の挟持部材102、103を接近させて接圧ばね35が圧縮させる。これにより、接圧除去部101が接圧調整部23に装着されるとともに、可動側ばね抑え37が後方に変位してローラ33bから離れ、接圧ばね35の弾性力が連結リンク31及び可動側ロッド15を含むユニットUに加わらなくなる。従って、接圧ばね35から可動側ロッド15に付与される弾性力が除去される。
【0057】
接圧除去ステップの実施後、装着ステップが実施される。装着ステップは、図6に示すように、センサ支持体119を介して第1ロッド39にセンサ115を装着する。これと前後して、連結リンク31におけるローラ33bの後方に受け部材116を配置し、センサ115の前方に接触部材122を配置した状態とする。その後、連結部材124の回転操作によって受け部材116と接触部材122とを接近させ、受け部材116の前面にローラ33bの後端が接触し、且つ、接触部材122の後面にセンサ115の前端が接触した状態を維持する。この状態で、ローラ33bに接触して自閉力が作用するよう受け部材116が装着され、且つ、受け部材116に作用する自閉力が加わるようセンサ115が装着される。
【0058】
装着ステップの実施後、変位ステップが実施される。変位ステップは、図7に示すように、連結部材124の回転操作を更に進め、受け部材116と接触部材122とをより接近させる。これにより、自閉力の作用方向と反対方向となる前方に受け部材116が変位され、自閉力が受け部材116及びセンサ115に作用するようになる。なお、装着ステップによって、自閉力が受け部材116及びセンサ115に作用するようになれば、変位ステップの実施を省略してもよい。
【0059】
変位ステップの実施後、測定ステップが実施される。測定ステップは、受け部材116に作用し、自閉力伝達部118を介して伝達する自閉力をセンサ115にて測定する。
【0060】
このように、第1の実施の形態によれば、センサ115により自閉力を測定するときに、接圧除去部101によって接圧ばね35の弾性変形を規制することができる。また、連結リンク31のローラ33bに受け部材116を接触させて自閉力を作用可能としたので、遮断ばね22や投入ばね(不図示)の弾性力が作用しない位置で、センサ115により自閉力を測定することができる。これにより、接圧ばね35や、遮断ばね22、投入ばねの影響を受けない状態で自閉力の測定を行うことができ、自閉力の測定精度を高めることができる。
【0061】
また、第1の実施の形態では、センサ115による自閉力の測定にて、自閉力の伝達経路にリンク機構21を含むことを回避できる。これにより、リンク機構21の摩擦等による自閉力の伝達ロスを抑制することができ、これによっても自閉力の測定精度を高めることができる。
【0062】
更に、三相に対応する3つの主回路部10それぞれで自閉力の測定を行えるので、三相を一括して測定する方法に比べ、自閉力の測定精度を高めることができる。
【0063】
また、自閉力測定装置100を接圧調整部23の周辺に装着して測定できるので、自閉力測定装置100を小型化でき、自閉力測定装置100の着脱時における連結部材124やボルト109へのアクセスを容易化できる。更に、遮断ばね22の着脱を省略して測定できるので、作業性を良好にすることができる。
【0064】
更に、第1の実施の形態では、接圧除去部101が挟持力付与部104で一対の挟持部材102、103を挟み込み、また、受け部材116と接触部材122とでセンサ115やローラ33bを挟み込んでいる。これにより、自閉力測定装置100の構成の簡略化を図ることができ、接圧調整部23への自閉力測定装置100の着脱を容易に行うことができる。
【0065】
また、連結部材124の回転操作によって受け部材116と接触部材122との距離を調整可能としたので、上述した変位ステップにより受け部材116及びセンサ115に自閉力が作用する状態に容易に調整することができる。
【0066】
続いて、本発明の前記以外の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、説明する実施の形態より前に記載された実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。
【0067】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態について図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9は、第2の実施の形態に係る自閉力測定装置と真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。図8は、測定の準備段階を示し、図9は、測定中の状態を示す。図8及び図9に示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の受け部材116の大きさ及びセンサ115の設置位置を変更し、自閉力伝達部118を省略している。
【0068】
第2の実施の形態における自閉力測定装置100は、センサ115が接圧調整部23の後部近傍に配置され、隔壁2aと受け部材130との間に挟まれて配置される。受け部材130は、連結リンク31におけるローラ33bの後方に設けられ、後面がセンサ115の前端に接触した状態で保持されている。受け部材130の上下幅は、ローラ33bの上下幅より若干大きく形成される。
【0069】
第2の実施の形態におけるセンサ支持体133は、前面側でセンサ115の後面側を支持している。センサ支持体133は、送りねじ軸134及びスペーサ136を介して隔壁2aに支持される。送りねじ軸134にはナット137が螺合され、ナット137は、センサ支持体133の後面に接触するよう設けられる。送りねじ軸134の後端側は、スペーサ135に支持される。なお、センサ115、受け部材130、センサ支持体133は、送りねじ軸134及びスペーサ136の上下方向の中心位置は揃って配置される。
【0070】
以上の構成において、図8に示す状態からナット137を回転操作することで、センサ支持体133、センサ115及び受け部材130が前方に変位される。この変位によって、受け部材130がローラ33bに接触し、ローラ33bから受け部材130及びセンサ115に後方への自閉力が作用し、センサ115で自閉力を測定可能となる。
【0071】
第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、自閉力の測定精度を高めることができる。また、隔壁2aと受け部材130との間にセンサ115を配置できるので、隔壁2a前方の僅かなスペースに自閉力測定装置100を配置して測定を行うことができる。
【0072】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態について図10及び図11を参照して説明する。図10及び図11は、第3の実施の形態に係る自閉力測定装置と真空遮断器の一部と前記自閉力測定装置とを示す縦断面図である。図10は、測定の準備段階を示し、図11は、測定中の状態を示す。図10及び図11に示すように、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態の受け部材116の大きさ及びセンサ115の設置位置を変更し、自閉力伝達部118を省略している。
【0073】
第3の実施の形態における自閉力測定装置100は、受け部材140の上下幅がローラ33bの上下幅より相当大きく形成され、受け部材140の上端側にねじ軸141が貫通して設けられる。ねじ軸141の後端と隔壁2aとの間にはスペーサ143が介在され、ねじ軸141における受け部材140の後方にナット144が螺合している。ナット144を回転操作して前方へ変位することで、受け部材140が前方に押し付けられ、ローラ33bの後端に受け部材140の前面が接触する。これにより、ローラ33bの後端から受け部材140に自閉力が作用する。また、ナット144が回転操作されると、ねじ軸141の後端がスペーサ143に押し付けられる。よって、図10に示すように、ねじ軸141及びナット144によって、受け部材140及びスペーサ143が突っ張って保持された状態となる。
【0074】
この状態で、図11に示すように、受け部材140とスペーサ143との間にセンサ115を挿入して配置する。その後、ナット144を回転操作して後方へ変位し、受け部材140からナット144を離すことで、自閉力によってローラ33bとスペーサ143とにより、受け部材140及びセンサ115が挟み込まれて保持される。これにより、センサ115が隔壁2aと受け部材140との間に挟まれて配置され、また、ローラ33bから受け部材140及びセンサ115に後方への自閉力が作用し、センサ115で自閉力を測定可能となる。
【0075】
第3の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、自閉力の測定精度を高めることができる。また、第2の実施の形態と同様に、隔壁2aと受け部材140との間にセンサ115を配置できるので、隔壁2a前方の僅かなスペースに自閉力測定装置100を配置して測定を行うことができる。
【0076】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、向きなどについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0077】
上記実施の形態では、挟持部材102や受け部材116を前後方向に変位する構成として、ボルト109や連結部材124のねじ構造を用いたが、これに限定されるものでなく、例えば、アクチュエータ等の直動機構を用いてもよい。
【0078】
また、受け部材116、130、140に接触する連結リンク31の構成は、ローラ33bに限られず、例えば、リンク本体32の後端にする等、受け部材116、130、140に自閉力が作用する限りにおいて変更してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 :真空遮断器
2a :隔壁
11 :真空容器
12 :可動接点
14 :固定接点
15 :可動側ロッド
20 :操作機構
21 :リンク機構
22 :遮断ばね(ばね部材)
23 :接圧調整部
31 :連結リンク
35 :接圧ばね
100 :自閉力測定装置
101 :接圧除去部
102 :挟持部材
103 :挟持部材
104 :挟持力付与部
115 :センサ
116 :受け部材
118 :自閉力伝達部
119 :センサ支持体
122 :接触部材
124 :連結部材(調整部)
127 :挿通穴(調整部)
130 :受け部材
140 :受け部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11