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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025112860
(43)【公開日】2025-08-01
(54)【発明の名称】同軸コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/50 20110101AFI20250725BHJP
【FI】
H01R24/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007373
(22)【出願日】2024-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】木村 晃
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB02
5E223AB31
5E223AB65
5E223AC21
5E223AC23
5E223AC28
5E223BA12
5E223BA17
5E223BA18
5E223CA13
5E223CD01
5E223CD02
5E223CD05
5E223DB09
5E223DB22
5E223GA08
5E223GA11
5E223GA22
5E223GA32
(57)【要約】
【課題】工具類を使用することなく基板への取り付けを行える同軸コネクタを提供すること。
【解決手段】
基板受容部25の内下面253は、第1面253Rと第2面253Fと有する。第1面253Rと第2面253Fとの間には段差253Sが設けられている。グランド端子340は、第1ばね部351、上側接点353、第2ばね部355及び下側接点357を有する。グランド部材32がシェル24に取り付けられた取付状態において、少なくとも上側接点353と下側接点357とは基板受容部25内に位置する。基板50を基板受容部25に挿入した後、グランド部材32をシェル24に取り付けると、下側接点357が第1面253R上から第2面253F上に移動し、それによって上側接点353が上方に移動して基板50のグランド層54に接触すると共に基板50を上方に押し上げて、基板50の信号線52を信号コンタクト22の後側接触部223に接触させる。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に取り付け可能な同軸コネクタであって、
前記基板は、その上面に信号線が形成されており、かつその下面にグランド層が形成されており、
前記同軸コネクタは、前側組立体と、前記前側組立体に対して前後方向において後方から取り付け可能な後側組立体とを備えており、
前記前側組立体は、信号コンタクトと、金属製のシェルと、前記信号コンタクトと前記シェルとを絶縁する内側インシュレータとを備えており、
前記シェルには、後方に向けて開いている基板受容部が形成されており、
前記基板受容部は、前記前後方向と直交する上下方向において互いに対向する内上面と内下面とを有しており、
前記内下面には、第1面と第2面とが設けられており、
前記第1面は、前記前後方向において前記第2面よりも後方に位置しており、
前記第1面は、前記上下方向において前記第2面よりも下方に位置しており、前記第1面と前記第2面との間には段差が設けられており、
前記信号コンタクトは、後側接触部を有しており、
前記後側接触部は、前記前後方向に沿って延びており、かつ前記基板受容部内に少なくとも部分的に露出しており、
前記後側組立体は、金属製のグランド部材を備えており、
前記グランド部材は、グランド外周部とグランド端子とを有しており、
前記グランド外周部は、前記シェルの外周を覆うように前記シェルに後方から取り付け可能であり、
前記グランド端子は、前記グランド外周部から延びると共に弾性変形可能な第1ばね部と、前記第1ばね部に支持された上側接点と、前記上側接点から延びると共に弾性変形可能な第2ばね部と、前記第2ばね部に支持された下側接点とを有しており、
前記グランド部材が前記シェルに取り付けられた取付状態において、少なくとも前記上側接点と前記下側接点とは前記基板受容部内に位置しており、
前記基板を前記グランド外周部に通すと共に、前記基板受容部に挿入した後、前記グランド部材を後方から前記シェルに取り付けることにより、前記グランド部材の前記下側接点が前記第1面上から前記段差を乗り越えて前記第2面上に移動し、それによって前記上側接点が上方に移動して前記基板の前記グランド層に接触すると共に前記基板を上方に押し上げて、前記基板の前記信号線を前記信号コンタクトの前記後側接触部に接触させる
同軸コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の同軸コネクタであって、
前記下側接点が前記第1面上に位置しているとき、前記上下方向における前記上側接点と前記内上面との間の距離サイズは、前記基板の厚みサイズよりも大きい
同軸コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の同軸コネクタであって、
前記後側組立体は、前記グランド部材を保持する外側インシュレータを更に備えており、
前記外側インシュレータには、前記前後方向に貫通した挿入口が形成されており、
前記基板は前記挿入口を通すことで、前記グランド外周部に通すことができ、
前記挿入口は、前記基板が挿入されたとき、前記前後方向及び前記上下方向の双方と直交する横方向と前記上下方向とにおいて前記基板の位置決めをしつつ、前記前後方向において前記基板の移動をガイドし、
前記上側接点は、前記上下方向において、前記挿入口よりも下方に位置している
同軸コネクタ。
【請求項4】
請求項1に記載の同軸コネクタであって、
前記下側接点は、前記上側接点よりも前記前後方向において後方に位置している
同軸コネクタ。
【請求項5】
請求項1に記載の同軸コネクタであって、
前記内側インシュレータは、前記後側接触部と前記シェルとの間に位置する補強部を有している
同軸コネクタ。
【請求項6】
請求項1に記載の同軸コネクタであって、
前記後側組立体は、前記前後方向において第1位置から第2位置に向けて移動可能なように、前記前側組立体に取り付けられており、
前記第1位置は、前記前後方向において前記第2位置よりも後方に位置しており、
前記グランド外周部には、前記前後方向と直交する直交面内において内側に向かって突出した突出部が形成されており、
前記シェルには、前記直交面内において内側に向かってそれぞれ凹んだ第1凹部と第2凹部とが設けられており、
前記第1凹部は、前記前後方向において前記第2凹部よりも後方に位置しており、
前記後側組立体が前記第1位置にあるとき、前記突出部は前記第1凹部に受け止められており、
前記後側組立体を前記第2位置に移動させると、前記突出部は前記第1凹部から前記第2凹部に向けて移動し、前記第2凹部に受け止められ、そこにおいて、前記グランド外周部と前記シェルとは接続される
同軸コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載の同軸コネクタであって、
前記突出部は、上側突出部と下側突出部とを有しており、
前記第1凹部は、上側第1凹部と下側第1凹部とを有しており、
前記第2凹部は、上側第2凹部と上側第2凹部とを有しており、
前記後側組立体が前記第2位置にあるとき、前記上側突出部は前記上側第2凹部に受け止められ、そこにおいて前記グランド外周部は前記シェルと接続されており、
前記後側組立体が前記第2位置にあるとき、前記下側突出部は前記下側第2凹部に受け止められ、そこにおいても前記グランド外周部は前記シェルと接続されている
同軸コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸コネクタに関し、特に基板に取り付け可能な同軸コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板に取り付け可能な同軸コネクタの一例を開示している。
【0003】
図25及び図26を参照すると、特許文献1の同軸コネクタ90は、フランジ92を備えている。フランジ92は、水平部921と垂直部923とを有している。フランジ92の水平部921には、ねじ孔925が形成されている。同軸コネクタ90は、また、コネクタ芯線94を備えている。
【0004】
図25及び図26に示されるように、同軸コネクタ90が基板96に取り付けられたとき、水平部921のねじ孔925には、基板96の貫通孔961を通したねじ981が螺合する。また、このとき、コネクタ芯線94は、はんだ983を用いて基板96の回路パターン963に接続固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-99283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の同軸コネクタ90は、基板96に取り付けられる際、基板96へのねじ止めとはんだ付けとを行う必要がある。換言すると、特許文献1の同軸コネクタ90を基板96へ取り付けるには、工具類が必要である。そのため、工具類を使用することなく基板96への取り付けを行える同軸コネクタ90が求められている。
【0007】
本発明は、工具類を使用することなく基板への取り付けを行える同軸コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の同時コネクタとして、基板に取り付け可能な同軸コネクタであって、
前記基板は、その上面に信号線が形成されており、かつその下面にグランド層が形成されており、
前記同軸コネクタは、前側組立体と、前記前側組立体に対して前後方向において後方から取り付け可能な後側組立体とを備えており、
前記前側組立体は、信号コンタクトと、金属製のシェルと、前記信号コンタクトと前記シェルとを絶縁する内側インシュレータとを備えており、
前記シェルには、後方に向けて開いている基板受容部が形成されており、
前記基板受容部は、前記前後方向と直交する上下方向において互いに対向する内上面と内下面とを有しており、
前記内下面には、第1面と第2面とが設けられており、
前記第1面は、前記前後方向において前記第2面よりも後方に位置しており、
前記第1面は、前記上下方向において前記第2面よりも下方に位置しており、前記第1面と前記第2面との間には段差が設けられており、
前記信号コンタクトは、後側接触部を有しており、
前記後側接触部は、前記前後方向に沿って延びており、かつ前記基板受容部内に少なくとも部分的に露出しており、
前記後側組立体は、金属製のグランド部材を備えており、
前記グランド部材は、グランド外周部とグランド端子とを有しており、
前記グランド外周部は、前記シェルの外周を覆うように前記シェルに後方から取り付け可能であり、
前記グランド端子は、前記グランド外周部から延びると共に弾性変形可能な第1ばね部と、前記第1ばね部に支持された上側接点と、前記上側接点から延びると共に弾性変形可能な第2ばね部と、前記第2ばね部に支持された下側接点とを有しており、
前記グランド部材が前記シェルに取り付けられた取付状態において、少なくとも前記上側接点と前記下側接点とは前記基板受容部内に位置しており、
前記基板を前記グランド外周部に通すと共に、前記基板受容部に挿入した後、前記グランド部材を後方から前記シェルに取り付けることにより、前記グランド部材の前記下側接点が前記第1面上から前記段差を乗り越えて前記第2面上に移動し、それによって前記上側接点が上方に移動して前記基板の前記グランド層に接触すると共に前記基板を上方に押し上げて、前記基板の前記信号線を前記信号コンタクトの前記後側接触部に接触させる
同軸コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は第2の同軸コネクタとして、第1の同軸コネクタであって、
前記下側接点が前記第1面上に位置しているとき、前記上下方向における前記上側接点と前記内上面との間の距離サイズは、前記基板の厚みサイズよりも大きい
同軸コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は第3の同軸コネクタとして、第2の同軸コネクタであって、
前記後側組立体は、前記グランド部材を保持する外側インシュレータを更に備えており、
前記外側インシュレータには、前記前後方向に貫通した挿入口が形成されており、
前記基板は前記挿入口を通すことで、前記グランド外周部に通すことができ、
前記挿入口は、前記基板が挿入されたとき、前記前後方向及び前記上下方向の双方と直交する横方向と前記上下方向とにおいて前記基板の位置決めをしつつ、前記前後方向において前記基板の移動をガイドし、
前記上側接点は、前記上下方向において、前記挿入口よりも下方に位置している
同軸コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は第4の同軸コネクタとして、第1の同軸コネクタであって、
前記下側接点は、前記上側接点よりも前記前後方向において後方に位置している
同軸コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は第5の同軸コネクタとして、第1の同軸コネクタであって、
前記内側インシュレータは、前記後側接触部と前記シェルとの間に位置する補強部を有している
同軸コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は第6の同軸コネクタとして、第1の同軸コネクタであって、
前記後側組立体は、前記前後方向において第1位置から第2位置に向けて移動可能なように、前記前側組立体に取り付けられており、
前記第1位置は、前記前後方向において前記第2位置よりも後方に位置しており、
前記グランド外周部には、前記前後方向と直交する直交面内において内側に向かって突出した突出部が形成されており、
前記シェルには、前記直交面内において内側に向かってそれぞれ凹んだ第1凹部と第2凹部とが設けられており、
前記第1凹部は、前記前後方向において前記第2凹部よりも後方に位置しており、
前記後側組立体が前記第1位置にあるとき、前記突出部は前記第1凹部に受け止められており、
前記後側組立体を前記第2位置に移動させると、前記突出部は前記第1凹部から前記第2凹部に向けて移動し、前記第2凹部に受け止められ、そこにおいて、前記グランド外周部と前記シェルとは接続される
同軸コネクタを提供する。
【0014】
さらに、本発明は第7の同軸コネクタとして、第6の同軸コネクタであって、
前記突出部は、上側突出部と下側突出部とを有しており、
前記第1凹部は、上側第1凹部と下側第1凹部とを有しており、
前記第2凹部は、上側第2凹部と上側第2凹部とを有しており、
前記後側組立体が前記第2位置にあるとき、前記上側突出部は前記上側第2凹部に受け止められ、そこにおいて前記グランド外周部は前記シェルと接続されており、
前記後側組立体が前記第2位置にあるとき、前記下側突出部は前記下側第2凹部に受け止められ、そこにおいても前記グランド外周部は前記シェルと接続されている
同軸コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一側面による同軸コネクタは、上記構成を備えることにより、工具類を使用することなく基板へ取り付けを行うことができる。
【0016】
また、本発明の一側面による同軸コネクタは、基板を貫通して下面のグランド層に電気的に接続されるネジやビアを用いることなく、基板の下面のグランド層をシェルに電気的に接続することができる。あるいは、本発明の一側面による同軸コネクタは、基板がフィルム状である場合、基板を部分的に折り返して基板下面のグランド層を部分的に基板上面側へ露出させることなく、基板下面のグランド層をシェルに電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態による同軸コネクタと基板とを示す斜視図である。同軸コネクタの前側組立体と後側組立体とは互いに分離している。同軸コネクタは基板に取り付けられていない。
図2】本発明の一実施の形態による同軸コネクタと基板とを示す別の斜視図である。
図3図1に示される同軸コネクタを示す分解斜視図である。
図4図3の同軸コネクタを示す別の分解斜視図である。
図5図1に示される同軸コネクタに含まれる前側組立体を示す斜視断面図である。切断面は、同軸コネクタに含まれる信号コンタクトの中心軸を通り、横方向(X方向)と直交する面である。
図6図5の前側組立体に含まれる後側シェルを示す斜視断面図である。
図7図6の後側シェルを示す縦断面図である。
図8図3の同軸コネクタに含まれる信号コンタクトを示す斜視図である。
図9図3の同軸コネクタに含まれる内側インシュレータを示す斜視図である。
図10図5の前側組立体に含まれる内側インシュレータを示す斜視断面図である。
図11図3の同軸コネクタに含まれるグランド部材を示す斜視図である。
図12図11のグランド部材を示す斜視断面図である。切断面は、横方向(X方向)と直交し、グランド部材を二等分する面である。
図13図12のグランド部材を示す縦断面図である。
図14図1に示される同軸コネクタを示す縦断面図である。切断面は、同軸コネクタに含まれる信号コンタクトの中心軸を通り、横方向(X方向)と直交する面である。後側組立体は第1位置に位置している。
図15図14の同軸コネクタを示す別の縦断面図である。後側組立体は第2位置に位置している。
図16図1の同軸コネクタと基板とを示す部分縦断面図である。切断面は、横方向(X方向)と直交する面であり、同軸コネクタに含まれるグランド部材の連結部の横方向端面の一方を含む面である。後側組立体は第1位置に位置している。
図17図14の同軸コネクタと基板とを示す縦断面図である。基板の一端部は、同軸コネクタの基板受容部に挿入されている。後側組立体は第1位置に位置している。
図18図16の同軸コネクタと基板とを示す別の部分断面図である。後側組立体は第2位置に位置している。
図19図17の同軸コネクタと基板とを示す別の縦断面図である。後側組立体は第2位置に位置している。
図20図18の同軸コネクタと基板とを示す背面図である。同軸コネクタの外側インシュレータは省略されている。
図21図18の同軸コネクタと基板とを示す斜視断面図である。同軸コネクタの外側インシュレータは省略されている。
図22図19の同軸コネクタと基板とを示す斜視断面図である。同軸コネクタの外側インシュレータは省略されている。
図23図15の同軸コネクタを示す正面図である。
図24】本発明の一実施の形態による同軸コネクタに含まれるグランド部材の変形例を示す縦断面図である。切断面は、横方向(X方向)と直交し、グランド部材を二等分する面である。
図25】特許文献1に記載された同軸コネクタを示す平面図である。コネクタは基板に取り付けられている。
図26図25の同軸コネクタを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施の形態による同軸コネクタ10は、前側組立体20と後側組立体30とを備えている。前後方向において前側組立体20が後側組立体30の前方に位置しているとき、後側組立体30は、前側組立体20に対して後方から取り付け可能である。また、本実施の形態による同軸コネクタ10は、基板50に取り付け可能である。基板50は、前後方向において後方から同軸コネクタ10に挿入可能である。本実施の形態において、前後方向はY方向である。-Y方向が前方であり、+Y方向が後方である。
【0019】
図1及び図2に示されるように、基板50の上面には信号線52が形成されている。本実施の形態において、信号線52は、前後方向と直交する横方向において、基板50の中央に位置し、前後方向に延びている。本実施の形態において、横方向はX方向である。また、基板50の下面には、グランド層54が形成されている。グランド層54は、ベタパターンでもよいし、所定幅を有するグランドラインパターンでもよい。グランド層54は、上下方向において信号線52と重なり、横方向において信号線52の幅よりも広い幅を持つ。本実施の形態において、基板50は、フレキシブル基板である。ただし、本発明はこれに限られない。本発明において、基板50は、リジッド基板であってもよい。また、基板50の上面には、信号線52の他に他の導体パターン、例えばグランドパターンが形成されていてもよい。グランドパターンは、信号線52を挟むように、信号線52の横方向両側に信号線52から離れて形成されてもよい。
【0020】
図3及び図4を参照すると、前側組立体20は、信号コンタクト22と、シェル24と、内側インシュレータ28とを備えている。本実施の形態において、信号コンタクト22及びシェル24の夫々は、金属製である。内側インシュレータ28は、絶縁樹脂製である。本実施の形態において、シェル24は、前側シェル24Fと後側シェル24Rとからなる。ただし、本発明はこれに限られない。シェル24は、単一物として構成されてもよい。
【0021】
図5に示されるように、信号コンタクト22は、内側インシュレータ28に保持される。また、内側インシュレータ28は、シェル24に保持される。詳しくは、内側インシュレータ28は、後側シェル24R内に略全体が収容されるとともに、前側シェル24Fと後側シェル24Rに部分的に挟まれる。後側シェル24Rは、前側シェル24Fに圧入される。このように、本実施の形態においてシェル24を二体構成としたことにより、内側インシュレータ28を容易かつ確実に保持することができる。内側インシュレータ28は、信号コンタクト22とシェル24との間を絶縁する。
【0022】
図3及び図4に示されるように、後側組立体30は、グランド部材32と外側インシュレータ36とを備えている。外側インシュレータ36は、グランド部材32を保持する。グランド部材32は、金属製である。外側インシュレータ36は、絶縁樹脂製である。外側インシュレータ36の後壁361には、基板50を挿入するための挿入孔363が形成されている。挿入孔363は、前後方向において後壁361を貫通している。ただし、外側インシュレータ36は、本発明において必須ではない。換言すると、後側組立体30は、グランド部材32のみからなるものであってもよい。しかしながら、後側組立体30が外側インシュレータ36を備えることで、グランド部材32に直接触れることなくグランド部材32を取り扱うことができる。
【0023】
図5から図7に示されるように、シェル24には、基板50を部分的に受容する基板受容部25が形成されている。本実施の形態において、基板受容部25は、後側シェル24Rに形成されている。基板受容部25は、後方に向けて開いている。本実施の形態において、基板受容部25は、横方向にも開いている。ただし、本発明はこれに限られない。基板受容部25は、横方向において閉じていてもよい。しかしながら、基板受容部25が横方向において開いている方が製造容易である。
【0024】
図7に示されるように、基板受容部25は、前後方向及び上下方向の双方と直交する上下方向において、互いに離れて対向する内上面251と内下面253とを有している。換言すると、シェル24又は後側シェル24Rは、上下方向において互いに離れて対向し、基板受容部25を部分的に規定する内上面251と内下面253とを有している。本実施の形態において、内上面251は、上下方向と直交する面である。また、シェル24又は後側シェル24Rは、基板受容部25の前端を規定する前面255を有している。本実施の形態において、前面255は、前後方向と直交する面である。なお、本実施の形態において、上下方向はZ方向である。+Z方向が上方であり、-Z方向が下方である。
【0025】
図7から理解されるように、内下面253には、第1面253Rと第2面253Fとが設けられている。本実施の形態において、第1面253Rと第2面253Fの夫々は、上下方向と直交する面である。第1面253Rは、前後方向において第2面253Fよりも後方に位置している。また、第1面253Rは、上下方向において第2面253Fよりも下方に位置している。そして、第1面253Rと第2面253Fとの間には、段差253Sが設けられている。本実施の形態において、段差253Sは、第1面253Rと第2面253Fとの間を連続的につなぐ斜面である。ただし、本発明はこれに限られない。段差253Sは、第1面253Rと第2面253Fとの間を連続的につなぐ面であって、前後方向と直交する垂直面であってもよい。
【0026】
図7に示されるように、後側シェル24R又はシェル24には、前後方向と直交する直交面内において内側に向かってそれぞれ凹んだ第1凹部261と第2凹部263とが設けられている。前後方向において、第1凹部261は、第2凹部263よりも後方に位置している。本実施の形態において、第1凹部261は、上側第1凹部261Uと下側第1凹部261Lとを有しており、第2凹部263は、上側第2凹部263Uと下側第2凹部263Lとを有している。上側第1凹部261Uと上側第2凹部263Uとは、後側シェル24Rの後方上部に形成されており、下側第1凹部261Lと下側第2凹部263Lとは、後側シェル24Rの後方下部に形成されている。本実施の形態において、第1凹部261及び第2凹部263は、横方向に延び、上下方向内側へ凹んだ溝である。第1凹部261は、台形の断面形状を有している。第1凹部261は、矩形の断面形状を有していてもよい。第2凹部263は、矩形の断面形状を有している。第1凹部261及び第2凹部263の夫々の内後面は、前後方向と直交する面である。
【0027】
図8に示されるように、信号コンタクト22は、前側接触部221と、後側接触部223と、中央部225とを有している。前側接触部221は、すり割り型のソケットコンタクト部を有している。ソケットコンタクト部は、前後方向において前方へ開いている。後側接触部223は、円柱形状を有している。後側接触部223、前後方向に沿って後方へ延びている。中央部225は、前側接触部221と後側接触部223とを互いに連結している。前側接触部221、中央部225及び後側接触部223は、前後方向に連続して延びている。
【0028】
図9を参照すると、内側インシュレータ28は、主部281と、主部281から後方へ突出する補強部283とを有している。主部281は、前後方向に延びる仮想軸に関して回転対象の形状を有している。補強部283は、前後方向に延びる仮想軸に関して回転対象な円筒の半分に等しい形状を有している。
【0029】
図10に示されるように、主部281は、前後方向に沿って主部281を貫通するコンタクト収容部285を有している。また、補強部283は、コンタクト収容部285に連続して前後方向に延びるコンタクト収容溝287を有している。
【0030】
図10に加え図5から理解されるように、内側インシュレータ28の主部281のコンタクト収容部285は、信号コンタクト22の中央部225を収容するとともに後側接触部223の一部を収容する。また、内側インシュレータ28の補強部283のコンタクト収容溝287は、信号コンタクト22の後側接触部223を部分的に収容する。補強部283は、主部281から突出している後側接触部223の部分の上部を覆っている。ただし、本発明において補強部283は必須ではない。しかしながら、補強部283は、シェル24と後側接触部223との間に位置し、信号コンタクト22の後側接触部223の変形を防止するとともにシェル24と信号コンタクト22との絶縁を確実にする。
【0031】
図5に示されるように、信号コンタクト22を保持した内側インシュレータ28は、シェル24に保持される。内側インシュレータ28の主部281から後方へ突出している後側接触部223の部分の下部は、基板受容部25の前面255よりも後方へ延びており、基板受容部25内に露出している。このように、本実施の形態において、後側接触部223は、基板受容部25内に少なくとも部分的に露出している。
【0032】
図11及び図12を参照すると、グランド部材32は、グランド外周部320と、少なくとも一つのグランド端子340とを有している。グランド外周部320は、下板部331、一対の側板部333及び一対の上板部335を有している。グランド外周部320は、前後方向に沿って見たとき概略レーストラック形状を有している。グランド端子340は、前後方向に沿って見たとき、グランド外周部320の内側に位置している。
【0033】
図11に加えて図4を参照すると、グランド外周部320は、後方へ突出する少なくとも一つの被保持部337を有している。本実施の形態において、被保持部337の数は4個である。詳しくは、下板部331には2個の被保持部337が、上板部335の夫々には1個の被保持部337が形成されている。また、グランド外周部320には、前後方向と直交する直交面内において内側に向かって突出した突出部339が形成されている。本実施の形態において、突出部339は、下板部331に形成された下側突出部339Lと上板部335に形成された上側突出部339Uとを含む。また、本実施の形態において、突出部339は、グランド外周部320に切り起こし形成されたランスである。下側突出部339Lの夫々は、斜め上後方へ延びており、上側突出部339Uの夫々は、斜め下後方へ延びている。突出部339は、シェル24に対する位置決めと電気的接続の機能を担う。
【0034】
図11に示されるように、本実施の形態において、少なくとも一つのグランド端子340の数は3個である。図12及び図13から理解されるように、グランド端子340の夫々は、グランド外周部320から延びている。本実施の形態において、グランド端子340は、グランド外周部320の下板部331から延びている。
【0035】
図11図12及び図20から理解されるように、グランド端子340の夫々は、基部341を有している。図13に示されるように、基部341は、グランド外周部320から上方へ延びている。図11に示されるように、基部341は、連結部343によって連結されている。連結部343は、基部341の上端から前方へ延びている。図13図16及び図18から理解されるように、連結部343の横方向における両端部の夫々は、外側インシュレータ36に設けられた保持溝367に部分的に挿入され、保持される。
【0036】
図13に示されるように、グランド端子340の夫々は、さらに、第1ばね部351と、上側接点353と、第2ばね部355と、下側接点357とを有している。
【0037】
図13に示されるように、第1ばね部351は、連結部343の前縁から前方へ延びている。第1ばね部351は、弾性変形可能であり、上側接点353を支持している。本実施の形態において、上側接点353は、第1ばね部351の表面の一部である。上側接点353は、上下方向において下側接点357よりも上方に位置しており、上下方向において上方へ向いている。第1ばね部351の弾性変形により、上側接点353は、少なくとも上下方向に移動可能である。
【0038】
図13に示されるように、第2ばね部355は、上側接点353から前方へ延びた後下方へ延び、さらに前後方向において後方へ延びている。第2ばね部355は、弾性変形可能であり、下側接点357を支持している。本実施の形態において、下側接点357は、第2ばね部355の表面の一部である。下側接点357は、上下方向において、下方へ向いている。第2ばね部355の弾性変形により、下側接点357は、少なくとも上下方向に移動可能である。下側接点357は、上側接点353よりも前後方向において後方に位置している。この構成により、前後方向において後側組立体30のサイズを小さくすることができる。
【0039】
図14及び図15から理解されるように、グランド部材32は、外側インシュレータ36に保持される。図4に示されるように、外側インシュレータ36には、グランド部材32の被保持部337に夫々対応する保持孔365が設けられている。グランド部材32の被保持部337を対応する保持孔365に挿入することにより、グランド部材32は外側インシュレータ36に保持され、後側組立体30を構成する。
【0040】
図3及び図4から理解されるように、グランド部材32は、シェル24の後方からシェル24に取り付け可能である。くわしくは、グランド部材32のグランド外周部320は、前後方向直交する面内においてシェル24の外周を覆うようにシェル24に取り付け可能である。本実施の形態において、グランド部材32は、シェル24に取り付けられている。換言すると、本実施の形態において、後側組立体30は前側組立体20に取り付けられている。ただし、本発明はこれに限られない。同軸コネクタ10が基板50に取り付けられていないとき、グランド部材32又は後側組立体30は、シェル24又は前側組立体20から取り外された状態であってもよい。
【0041】
図14及び図15から理解されるように、後側組立体30は、前後方向において第1位置(図14)から第2位置(図15)へ向けて移動可能なように、前側組立体20に取り付けられる。ここで、第1位置は前後方向において第2位置よりも後方に位置している。
【0042】
図14に示されるように、後側組立体30が第1位置に位置しているとき、グランド部材32の突出部339は、後側シェル24Rの第1凹部261に受け止められている。詳しくは、上側突出部339Uは、上側第1凹部261U内に部分的に位置しており、下側突出部339Lは、下側第1凹部261L内に部分的に位置している。後側組立体30が第1位置に位置しているとき、後側組立体30が前側組立体20に対して後方へ移動しようとすると、突出部339が第1凹部261の内後面に突き当たる。これにより、後側組立体30は、前側組立体20に対して後方へ移動することができない。
【0043】
図14及び図15に示されるように、後側組立体30が第1位置にあるか第2位置にあるかにかかわらず、グランド部材32がシェル24に取り付けられた取付状態において、グランド端子340の少なくとも上側接点353と下側接点357とは基板受容部25内に位置している。
【0044】
図14に示されるように、後側組立体30が第1位置にあるとき、下側接点357は、基板受容部25の内下面253の第1面253Rに対向している。下側接点357は、第1面253Rに接していてもよいし、第1面253Rから離れていてもよい。本実施の形態において、下側接点357は、第1面253Rから離れている。いずれにせよ、後側組立体30が第1位置にあるとき、下側接点357は、第1面253R上又は上方に位置している。また、上側接点353は、基板受容部25の内上面251に対向している。上側接点353は、内上面251に接していてもよいし、内上面251から離れていてもよい。しかしながら、上側接点353が内上面251から離れているほうが、基板50の挿入に要する挿入力を小さくすることができるので好ましい。特に、上下方向において、上側接点353の位置を外側インシュレータ36の挿入孔363よりも下方にすることで、基板50の挿入に要する挿入力をゼロにすることができる。
【0045】
図14及び図15から理解されるように、後側組立体30を第1位置から第2位置に移動させると、グランド部材32の突出部339は、弾性変形し後側シェル24Rの第1凹部261から出て第2凹部263へ移動し、第2凹部263に受け止められる。詳しくは、上側突出部339Uは、上側第2凹部263U内に受け止められ、下側突出部339Lは、下側第2凹部263L内に受け止められる。後側組立体30が第2位置に位置しているとき、後側組立体30が前側組立体20に対して後方へ移動しようとすると、突出部339が第2凹部263の内後面に突き当たる。これにより、後側組立体30は前側組立体20に対して後方へ移動することができない。
【0046】
図15から理解されるように、後側組立体30が第2位置に位置するとき、突出部339と第2凹部263とは互いに接触し、それによってグランド外周部320とシェル24とが電気的に接続される。シェル24がグランド部材32に接続されることで、同軸コネクタ10の高周波特性が向上する。また、グランド端子340を複数備えたことで、シェル24とグランド部材32との間の接続経路が増大し、同軸コネクタ10の高周波特性がさらに向上する。
【0047】
図14及び図15から理解されるように、後側組立体30が第1位置から第2位置へ移動するとき、下側接点357は、段差253Sを乗り越えて、基板受容部25の内下面253の第2面253Fに乗り上げる。これにより、第2ばね部355は弾性変形し、第1ばね部351の一端を上方へ押し上げる。その結果、第1ばね部351は弾性変形し、上側接点353を上方へ押し上げる。上下方向において、上側接点353と信号コンタクト22の後側接触部223との距離は、基板50の厚み以下に設定される。このとき、上側接点353は、信号コンタクト22の後側接触部223と接触していてもよい。
【0048】
図16及び図17に示されるように、同軸コネクタ10の基板受容部25に基板50が挿入されると、基板50の一端が基板受容部25の前面255に突き当たる。この状態から、後側組立体30を第2位置へ移動させることにより、図18及び図19に示されるように、同軸コネクタ10は基板50に取り付けられる。
【0049】
図17図19及び図20から理解されるように、外側インシュレータ36の挿入孔363は、基板50が基板受容部25に挿入されるとき、上下方向及び横方向の夫々において基板50の位置決めを行い、前後方向において基板50の移動をガイドする。このとき、基板50は、外側インシュレータ36の挿入孔363を通すことで、グランド外周部320に通すことができる。これにより、グランド外周部320は、基板50の周囲を部分的に囲う。また、基板受容部25の前面255は、基板50に対する突き当て面として機能し、前後方向において基板50の位置決めを行う。
【0050】
図17から理解されるように、後側組立体30が第1位置にあるとき、上側接点353と内上面251との距離サイズが基板50の厚みサイズよりも大きければ、基板受容部25への基板50の挿入はゼロ挿入力で行うことができる。上側接点353と内上面251との距離サイズが基板50の厚みサイズよりも小さくても、シェル24から第1ばね部351及び第2ばね部355に働く上向きの力は、後側組立体30が第2位置にあるときより第1の位置にあるときの方が小さい。したがって、後側組立体30が第1位置にあるとき、基板受容部25への基板50の挿入は、比較的小さい挿入力で行うことができる。
【0051】
図19図21及び図22に示されるように、後側組立体30が第2位置にあるとき、上側接点353は基板50のグランド層54に接触し、基板50を上方に押し上げる。これにより、基板50の信号線52は、信号コンタクト22の後側接触部223に押し付けられ、電気的に接続される。なお、基板50の上面にグランドパターンが形成されている場合、グランドパターンは、基板受容部25の内上面251に押し付けられ、シェル24に電気的に接続される。こうして、同軸コネクタ10は、ネジや半田といった工具類を使用することなく、基板50に取り付けられる。また、グランド層54にグランド端子340を接触させるために、基板50を部分的に折り返す必要もない。
【0052】
上記説明において、後側組立体30は前側組立体20に取り付けられていた。しかしながら、後側組立体30は、前側組立体20から取り外された状態であってもよい。その場合、同軸コネクタ10の基板50への取り付けは以下のように行われる。
【0053】
まず、基板50を外側インシュレータ36の挿入孔363へ挿入し、基板50をグランド外周部320に通す。後側組立体30が外側インシュレータ36を有していない場合には、基板50をグランド部材32のグランド外周部320に通す。続いて、基板50の一端部を基板受容部25に挿入する。次に、グランド部材32を後方からシェル24に取り付ける。または、後側組立体30を前側組立体20に後方から取り付ける。このとき、基板50の一端が基板受容部25の前面255に突き当てる。これにより、同軸コネクタ10は、図16及び図17に示される状態となる。その後、後側組立体30を第1位置から第2位置へ移動させると、グランド部材32がシェル24に対して前方へ移動する。その結果、図18から図22に示されるように、グランド部材32の下側接点357が第1面253R上から段差253Sを乗り越えて第2面253F上に移動する。また、上側接点353が上方に移動して基板50のグランド層54に接触すると共に基板50を上方に押し上げ、基板50の信号線52を信号コンタクト22の後側接触部223に接触させる。こうして、同軸コネクタ10は、ネジや半田といった工具類を使用することなく基板50に取り付けられる。また、グランド層54にグランド端子340を接触させるために、基板50を部分的に折り返す必要もない。
【0054】
図23を参照すると、後側組立体30が前側組立体20に取り付けられた状態において、または、グランド部材32がシェル24に取り付けられた取付状態において、グランド部材32の上板部335と後側シェル24Rの上面との間には隙間241が存在する。また、グランド部材32の下板部331と後側シェル24Rの下面との間にも隙間243がある。この構成により、同軸コネクタ10を前後方向に沿って前方から見たとき、グランド部材32の突出部339を視認することができる。この構成において、薄板状の治具(図示せず)を前方から隙間241,243に挿入することにより、突出部339を押し上げ又は押し下げることができる。その結果、突出部339を第2凹部263から出すことができ、後側組立体30を第2位置から第1位置へ移動させることができる。その結果、同軸コネクタ10を基板50から取り外すことができる。
【0055】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形、変更が可能である。
【0056】
例えば、上記実施の形態において、外側インシュレータ36が上下方向及び横方向において基板50の位置決めを行うように構成されているが、グランド端子340及びシェル24の一方又は両方に位置決めの機能を持たせてもよい。特に、外側インシュレータ36を持たない同軸コネクタ10の場合、グランド端子340及びシェル24の一方又は両方に位置決めの機能を持たせることが好ましい。
【0057】
また、上記実施の形態の形態において、下側接点357は、上側接点353よりも前後方向において後方に位置している。しかしながら、本願発明において、下側接点357は、図24に示されるように、上側接点353よりも前後方向において前方に位置していてもよい。この場合、第2ばね部355は上側接点353から前後方向において前方へ延びている。この構成の方が図13に示される構成に比べて、上側接点353に強い上向きの力を与えることができる。これは、基板50がリジッド基板の場合に有効である。
【符号の説明】
【0058】
10 同軸コネクタ
20 前側組立体
22 信号コンタクト
221 前側接触部
223 後側接触部
225 中央部
24 シェル
24F 前側シェル
24R 後側シェル
241、243 隙間
25 基板受容部
251 内上面
253 内下面
253R 第1面
253F 第2面
253S 段差
255 前面
261 第1凹部
261U 上側第1凹部
261L 下側第1凹部
263 第2凹部
263U 上側第2凹部
263L 下側第2凹部
28 内側インシュレータ
281 主部
283 補強部
285 コンタクト収容部
287 コンタクト収容溝
30 後側組立体
32 グランド部材
320 グランド外周部
331 下板部
333 側板部
335 上板部
337 被保持部
339 突出部
339U 上側突出部
339L 下側突出部
340 グランド端子
341 基部
343 連結部
351 第1ばね部
353 上側接点
355 第2ばね部
357 下側接点
36 外側インシュレータ
361 後壁
363 挿入孔
365 保持孔
367 保持溝
50 基板
52 信号線
54 グランド層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26