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特開2025-1129サービス享受者及び提供者マッチングシステム、サーバ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001129
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】サービス享受者及び提供者マッチングシステム、サーバ及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241225BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100550
(22)【出願日】2023-06-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和5年6月6日に株式会社EDO SYSTEMのウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】523196389
【氏名又は名称】株式会社EDO SYSTEM
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕介
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】
建設機材等の特殊車両の輸送に係る運転を希望するサービス享受者と当該運転を行うサービス提供者との対応付けを可能とするシステムの提供等を目的とする。
【解決手段】
自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者のマッチングシステムであって、管理装置は、サービス提供者用情報端末から送信されるサービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させるスケジュール情報記憶制御手段と、記憶されたサービス提供者のスケジュール情報を、サービス享受者用情報端末に表示させるスケジュール情報表示制御手段と、サービス享受者用情報端末からの要求に応じて、サービス提供者のスケジュール情報を更新するスケジュール情報更新制御手段と、を備えるサービス享受者及び提供者マッチングシステムにより、課題を解決した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己所有特殊車両の自己所有車両への積み込み及び積み降ろし及び/又は自己所有車両を運転して自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、所定の特殊技能資格を有し、予め登録されている運転者であって、前記一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者と、の間の対応付けを行うマッチングシステムであって、
管理装置と、サービス提供者用情報端末と、サービス享受者用情報端末と、を備え、
前記管理装置は、
前記サービス提供者用情報端末から送信されるサービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させるスケジュール情報記憶制御手段と、
記憶されたサービス提供者のスケジュール情報を、サービス享受者用情報端末に表示させるスケジュール情報表示制御手段と、
サービス享受者用情報端末からの要求に応じて、サービス提供者のスケジュール情報を更新するスケジュール情報更新制御手段と、を備えることを特徴とするサービス享受者及び提供者マッチングシステム。
【請求項2】
前記サービス享受者用情報端末は、希望するサービス内容を指定するサービス提供内容指定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のサービス享受者及び提供者マッチングシステム。
【請求項3】
予め登録されている前記サービス提供者の登録情報には、当該サービス提供者が有する特殊技能の資格情報が含まれており、
前記スケジュール情報表示制御手段は、選択操作により前記資格情報の表示制御について実行可能であることを特徴とする請求項1に記載のサービス享受者及び提供者マッチングシステム。
【請求項4】
前記特殊技能の資格情報に基づいて、サービス享受者の希望する作業に対応可能なサービス提供者を検索する機能を有することを特徴とする請求項3に記載のサービス享受者及び提供者マッチングシステム。
【請求項5】
自己所有特殊車両の自己所有車両への積み込み及び積み降ろし及び/又は自己所有車両を運転して自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、所定の特殊技能資格を有し、予め登録されている運転者であって、前記一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者と、の間の対応付けを行うマッチングシステムのサーバであって、
前記サーバは、
サービス提供者用情報端末から送信されるサービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させるスケジュール情報記憶制御手段と、
記憶されたサービス提供者のスケジュール情報を、サービス享受者用情報端末に表示させるスケジュール情報表示制御手段と、
サービス享受者用情報端末からの要求に応じて、サービス提供者のスケジュール情報を更新するスケジュール情報更新制御手段と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項6】
自己所有特殊車両の自己所有車両への積み込み及び積み降ろし及び/又は自己所有車両を運転して自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、所定の特殊技能資格を有し、予め登録されている運転者であって、前記一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者と、の間の対応付けを行う管理装置が実行する方法であって、
サービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させる工程と、
記憶された前記サービス提供者のスケジュール情報を、管理装置に接続された端末の表示画面に表示させる工程と、
サービス享受者からの要求に応じた操作指令により、前記サービス提供者のスケジュール情報を更新する工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機材等の特殊車両の輸送に係る運転を希望するサービス享受者と当該運転を行うサービス提供者との対応付けを可能とするサービス享受者及び提供者マッチングシステム、サーバ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機材のレンタルを業とする会社が、顧客から建設機材を貸借したいと依頼されたものの、当該建設機材が顧客の作業場から離れた営業所にしかない場合には、これを保持する営業所から顧客の作業場に近い営業所に当該建設機材を運搬する必要性が生じる。これを避けるために、全営業所に多数の建設機材を配備することは、遊休資産を生じさせることに繋がるため、好ましくなく、運搬の必要性は頻繁に生じる。運搬の必要が生じた場合、通常、運搬は運送業者へ依頼することになる。
このことに関して、特許文献1には、建設機材を荷物の対象とした運搬において、適当な指定輸送業者に対して荷物の輸送を依頼するためのシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-163833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば、ミニバックホーの貸借依頼がされた場合、トラックに積み込む際にはミニバックホーを動かさなければならないところ、運送業者がミニバックホーを扱うことのできる特殊技能資格を有する者を確保できない場合には、対応することができない。特許文献1に記載のシステムは、何らこのような点に目を向けていない。また、例えば、大型油圧ショベルの貸借依頼がされた場合、これを動かすことのできる運転者を確保できたとしても、運送業者が大型油圧ショベルを運搬できる大型の輸送車両を所有していなければ、やはり対応することができない。このようなことから、特に、急な貸借依頼については、対象の建設機材を保有しているにも関わらず、建設機材の運搬手配ができないがために、依頼を断らざるを得ない状況が発生している。
【0005】
一方、レンタルを業とする会社は、建設機材の一環での貸借対象として、或いは、貸借対象とは別に、輸送車両を自己所有していることが少なくない。ここで、営業所に勤務する社員に建設機材を運搬させれば良いとの考えがあるかもしれないが、現実的ではない。効率的な営業業務が阻害される虞があることに加えて、営業所に勤務する社員は、大型の輸送車両を運転することはできても、特殊車両の運転資格を有していないことが少なくないからである。
【0006】
このようなことから、実際に貸借することのできる建設機材に余裕があり、それを輸送する手段もあるのに、それを扱う者が居ない、かつ、運送業者にも依頼を引き受けて貰えないという事態が生じる。レンタルを業とする会社にとっては、遊休資産が存在している以外の何ものでもないし、貸借依頼をしたい顧客にとっても、希望する工事等の遅延が発生するものであり、トータルでの経済的損失は計り知れないものとなる。
【0007】
このように、実際に貸借することのできる建設機材に余裕があり、それを輸送する手段もあるのだから、それを運転する者が確保できればとの要望があるものの、それを実現できる手段はなかった。建設機材を扱うことのできる特殊技能資格保持者を見つけることは容易いことではないからである。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、建設機材等の特殊車両の輸送に係る運転を希望するサービス享受者と当該運転を行うサービス提供者との対応付けを可能とするシステムの提供等を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、自己所有特殊車両の自己所有車両への積み込み及び積み降ろし及び/又は自己所有車両を運転して自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、所定の特殊技能資格を有し、予め登録されている運転者であって、前記一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者と、の間の対応付けを行うマッチングシステムであって、管理装置と、サービス提供者用情報端末と、サービス享受者用情報端末と、を備え、前記管理装置は、前記サービス提供者用情報端末から送信されるサービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させるスケジュール情報記憶制御手段と、記憶されたサービス提供者のスケジュール情報を、サービス享受者用情報端末に表示させるスケジュール情報表示制御手段と、サービス享受者用情報端末からの要求に応じて、サービス提供者のスケジュール情報を更新するスケジュール情報更新制御手段と、を備えることを特徴とするサービス享受者及び提供者マッチングシステムによって、前述の課題を解決するものである。
【0010】
ここで、「自己所有特殊車両」とは、油圧ショベルやブルドーザー等、公道を自走できないものであり、「自己所有車両」とは、典型的には輸送トラックであるが、散水車やクレーン車等の特殊車両も含まれる。両車両の違いは、公道を走行可能なナンバープレートの有無である。このため、「一連の作業サービス」には、積み込み及び積み降ろし作業が含まれる場合もあれば、単に、運転作業だけの場合もあることになる。「特殊技能資格」とは、例えば、(小型、中型又は大型の)油圧ショベル等の特殊免許を指すが、大型トラック、ダンプカー、タンクローリー等の運転が可能な大型自動車第一種免許が排除されるものではない。
【0011】
また、本発明は、自己所有特殊車両の自己所有車両への積み込み及び積み降ろし及び/又は自己所有車両を運転して自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、所定の特殊技能資格を有し、予め登録されている運転者であって、前記一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者と、の間の対応付けを行うマッチングシステムのサーバであって、前記サーバは、サービス提供者用情報端末から送信されるサービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させるスケジュール情報記憶制御手段と、記憶されたサービス提供者のスケジュール情報を、サービス享受者用情報端末に表示させるスケジュール情報表示制御手段と、サービス享受者用情報端末からの要求に応じて、サービス提供者のスケジュール情報を更新するスケジュール情報更新制御手段と、を備えることを特徴とするサーバによっても、前述の課題を解決するものである。
【0012】
さらに、本発明は、自己所有特殊車両の自己所有車両への積み込み及び積み降ろし及び/又は自己所有車両を運転して自己所有車両及び/又は特殊車両を他所に輸送する一連の作業サービスの享受を希望するサービス享受者と、所定の特殊技能資格を有し、予め登録されている運転者であって、前記一連の作業サービスの提供を希望するサービス提供者と、の間の対応付けを行う管理装置が実行する方法であって、サービス提供者のスケジュール情報を、記憶手段に記憶させる工程と、記憶された前記サービス提供者のスケジュール情報を、管理装置に接続された端末の表示画面に表示させる工程と、サービス享受者からの要求に応じた操作指令により、前記サービス提供者のスケジュール情報を更新する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする方法によっても、前述の課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
前述した特徴を有する本発明によれば、建設機材等の特殊車両の輸送に係る運転を希望するサービス享受者と当該運転を行うサービス提供者との対応付けを可能とし、これによって、建設機材が遊休資産となってしまう事態を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの全体構成を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの機能ブロックを示す説明図である。
図3】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス享受者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス享受者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。
図5】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス享受者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス提供者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス享受者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。
【0016】
(マッチングシステムの全体構成)
まず、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの全体構成を示す説明図である。本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステム100は、図1に示すように、サーバである管理装置1、サービス提供者用情報端末2及びサービス享受者用情報端末3から構成され、サーバである管理装置1とサービス提供者用情報端末2及びサービス享受者用情報端末3とはインターネット通信網及び/又は携帯電話通信網で接続されている。さらに、管理装置1を操作するための情報処理装置4もインターネット通信網及び/又は携帯電話通信網で接続されている。
【0017】
サーバである管理装置1は、サービス提供者用情報端末2及びサービス享受者用情報端末3から情報を受け取り、サービス享受者とサービス提供者との対応付けに必要な情報の収集、蓄積及び処理を行い、また、サービス提供者用情報端末2及びサービス享受者用情報端末3の画面表示のために必要となる処理や、これらの端末に適宜に通知処理を行うものである。
【0018】
サービス提供者用情報端末2及びサービス享受者用情報端末3は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末であってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよい。サービス提供者用情報端末2とサービス享受者用情報端末3とが同じ機器である必要はなく、例えば、サービス提供者用情報端末2がスマートフォンであって、サービス享受者用情報端末3がパーソナルコンピュータであってよい。また、サービス提供者用情報端末2は、多くのサービス提供者が使用するところ、一部のサービス提供者がスマートフォンを使用し、別のサービス提供者がパーソナルコンピュータを使用するという態様であってもよい。サービス享受者用情報端末3についても同様である。
【0019】
スマートフォンである場合、サービス提供者用情報端末2は、タッチディスプレイ2aの他に、カメラ2bを備えている。カメラ2bは、サービス提供者の認証に際して、用いられてもよい。
【0020】
情報処理装置4は、管理装置(サーバ)1にアクセスして、各種データが集積された管理者画面を閲覧したり、登録情報を適宜編集したりすることが可能とされている。情報処理装置4は、汎用PCを用いるようにされているが、スマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末であってもよい。
【0021】
(マッチングシステムの機能構成)
次に、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの機能について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの機能ブロックを示す説明図である。
【0022】
管理装置1は、図2において機能ブロックとして示されるように、スケジュール情報記憶制御手段11、スケジュール情報表示制御手段12、スケジュール情報更新制御手段13、スケジュール更新通知制御手段14、ドライバーDB15から構成される。図2において、各制御手段とドライバーDB15は、同一サーバ内に設置される態様で示されているが、DBについて、外部サーバに設置されていてもよい。つまり、管理装置1は、単一のサーバ内に置かれる必要はない。また、管理装置1としての機能は、必ずしもサーバに設置する必要もなく、運用上問題がないのであれば、ネットワークに繋がれた普通のパーソナルコンピュータに、当該機能の全部を担わせてもよいし、DB部だけをサーバに置くことも可能である。このようなサービス享受者及び提供者マッチングシステムは、SaaS(Software as a Service)として構築されても、クライアントサーバーモデルとして構築されても、どちらでも構わないが、サービス提供者であるドライバーは、輸送作業により、常に移動していることが殆どであるため、情報処理端末を操作することによって、スケジュール管理をどこでも行えるよう構成するのが好ましい。
【0023】
スケジュール情報記憶制御手段11は、後記するサービス提供者用情報端末2から受信した新規スケジュール情報を記憶手段に記憶させるための制御を行う。例えば、ある運転者が特定の日に運転のサービスを提供できる旨を示すスケジュールが、サービス提供者から伝えられて、当該情報を記憶手段に記憶する処理を行う。一旦、作成されたスケジュールには、スケジュール参加機能を利用して、他の者が当該スケジュールに参加することが可能とされている。
【0024】
スケジュール情報表示制御手段12は、記憶されているスケジュール情報をサービス提供者用情報端末2やサービス享受者用情報端末3の表示装置に表示させるための制御を行う。例えば、運転サービスを希望するサービス享受者が、運転者のスケジュールが空いていることを確認するために、必要な操作を行って、スケジュールを閲覧するための処理を行う。また、必要な場合に、管理者が操作する情報処理装置4の表示装置にもスケジュール情報を表示させるための制御を行う。
【0025】
スケジュール情報更新制御手段13は、記憶されているスケジュール情報を更新するための制御を行う。例えば、運転者のスケジュールが空いていることを確認したサービス享受者が、当該スケジュール(この場合は、運転予定無しの空きスケジュールである)について、スケジュール参加機能を利用することによって、空きスケジュールという情報を、運搬予定スケジュールという情報に上書きするとともに、希望する作業内容を追加して書き込むための処理を行う。この他、スケジュールの更新は、別の手段により、サービス享受者から運転サービスの希望を伝えられた管理者が、情報処理装置4を操作することによって、行うようにしてもよい。たとえば、サービス享受者が、電話、FAX、電子メール等を利用して、管理者に運転サービス依頼の内容を伝え、サービス享受者に代わって管理者が、スケジュール更新のための操作を行ってもよい。
【0026】
スケジュール更新通知制御手段14は、記憶されているスケジュール情報が更新された場合に、サービス提供者用情報端末2やサービス享受者用情報端末3の表示装置に表示させる等するための制御を行う。例えば、運転サービスの提供の依頼を待っているサービス提供者に対して、サービス享受者により、或いは、管理者により、空きスケジュールが運搬予定スケジュールに更新されたときに、更新があった旨を通知するための処理を行う。また、依頼の成立確認を待っているサービス享受者に対して、サービス提供者が依頼の承認を行うべくスケジュール情報を更新したときにも、これを通知するための処理を行う。なお、通知は、表示装置への表示に代えて、若しくは、加えて、音声出力装置での音声等での案内を行っても良い。
【0027】
ドライバーDB15には、ドライバーについての属性情報が記憶されている。特に、特殊車両を運転等するために必要な特殊技能の資格についての情報も記憶されていることが特徴である。ただし、システムが想定するところの登録サービス提供者は、一定程度の特殊技能資格を有しているものであり、登録処理を行うに際して、その認証や審査も行うことを前提としているため、特殊技能の資格情報については必須のものではない。これとは逆に、さらに別のDBを設ける、例えば、特殊車両と必要とされる技能資格や必要な輸送車両の対応関係を格納し、サービス享受者がこれを参照できるようにすると便利である。
【0028】
(サービス提供者用情報端末の構成)
サービス提供者用情報端末2は、図2において示されるように、スケジュール情報入力制御手段21、スケジュール更新報知手段22、ドライバー情報登録制御手段23、ドライバー認証手段24から構成される。
【0029】
スケジュール情報入力制御手段21は、サービス提供者が、自身の端末画面を見ながら、特定の日に運転のサービスを提供できる旨を示すスケジュールを新規に作成するための操作を受け付ける処理を行う。この他、後記するスケジュール更新についての表示や音声案内がされた後に、サービス提供者の操作に応じて、更新スケジュールの承認処理を行う。
【0030】
スケジュール更新報知手段22は、管理装置1のスケジュール更新通知制御手段14から送信された更新情報を受信して、例えば、空きスケジュールが運搬予定スケジュールに更新されたときに、更新があった旨を表示や音声案内するための処理を行う。
【0031】
ドライバー情報登録制御手段23は、所定の特殊技能資格を有する者がサービス提供者としての登録を希望する場合に、必要な情報の入力処理を行う。その後、管理者が必要情報の内容を精査して登録の可否を決定し、登録を希望する者に結果が伝えられることになる。
【0032】
ドライバー認証手段24は、登録済みのサービス提供者が、予め発行済みのログインIDとパスワードを用いてログイン処理を行うためのものである。なお、サービス提供者用情報端末2が備えるカメラ2b(図1参照)を用いて、管理装置1のドライバーDB15に登録されている情報に照会をかけて顔認証を条件とするように構成すれば、なりすましを有効に防止することができる。
【0033】
(サービス享受者用情報端末の構成)
サービス享受者用情報端末3は、図2において示されるように、ドライバー検索指定手段31、スケジュール情報入力制御手段32、サービス提供内容指定手段33、スケジュール更新報知手段34、輸送車両貸借指定手段35から構成される。
【0034】
ドライバー検索指定手段31は、サービス提供者が有する特殊技能の資格情報に基づいて、サービス享受者の希望する作業に対応可能なサービス提供者を検索するための指定処理を行う。後記するカレンダー表示の初期表示では、登録されている全てのサービス提供者が表示されるが、極めて特殊な作業を依頼したい場合に、特殊技能資格の有無に応じてソートをかけるようにして、当該作業に対応可能なサービス提供者の予定だけが表示されることになるため、便利である。検索処理自体は、管理装置1において実行されるように構成することも、サービス享受者用情報端末3において実行されるように構成することも可能であるため、図2のブロック構成としての図示は省略されている。
【0035】
スケジュール情報入力制御手段32は、サービス享受者が、自身が作業を依頼したい日時にスケジュールが空いているサービス提供者を、自身の端末画面にて見付けたならば、スケジュール更新に伴う入力処理を行う。スケジュール参加機能を利用することによって、空きスケジュールという情報を運搬予定スケジュールという情報に上書きするために、サービス享受者による操作に応じた処理を行う。
【0036】
サービス提供内容指定手段33は、サービス享受者がスケジュール更新を行う際に、希望する作業内容を指定するための処理を行う。この処理は、スケジュール更新(作成)操作に伴い必要な情報を書き込んだテキストデータや画像データを後記する『メモ』という操作により、添付ファイルとすることにより行われるが、画面上で、直接入力や選択タブで指定できるように構成してもよい。
【0037】
スケジュール更新報知手段34は、管理装置1のスケジュール更新通知制御手段14から送信された更新情報を受信して、例えば、サービス提供者や管理者が依頼の承認を行うべくスケジュール情報を更新したときに、更新があった旨を表示や音声案内するための処理を行う。
【0038】
輸送車両貸借指定手段35は、自己所有する特殊車両の運搬を依頼したいが、そのための輸送車両を有していない場合に、輸送車両を貸借して依頼を行うための処理を行う。本システムにおいて、本来的に想定されているのは、輸送依頼ではなく、飽くまで運転サービスの依頼であるが、大型の建設機材に対応できる輸送車両をサービス享受者が所持していないケースもある。一方で、サービス享受者がそのような車両を有している場合もあるため、特別に設けた機能である。例外処理となるため、このリクエストがあった場合には、管理者が必要な手配や処理を管理者用の情報処理装置4を操作して行うことになる。
【0039】
(マッチングシステムの操作例)
本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムの操作例について、端末の表示画面を用いて説明する。図3図5は、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス享受者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。図6は、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス提供者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。図7は、本発明の実施形態に係るサービス享受者及び提供者マッチングシステムにおけるサービス享受者用情報端末の表示画面の一例を示す説明図である。
【0040】
サービス提供者である登録済み運転者は、システムのスケジュール作成機能を利用して、スケジュールを作成する。例えば、『作成』というアイコンをタッチして、作業を開始する。この作業は、通常のスケジューラソフトで行う操作と特段、変わらないため、説明は省略する。図3は、サービス提供者によるスケジュール入力作業が完了した後の画面で、サービス享受者が閲覧する画面である。図3から理解されるように、スケジュールが埋まっていない場合に、空きスケジュールとして、スケジュール作成がされているのがポイントである。業務以外のスケジュール(例えば、休暇予定など)については、スケジュールを作成しないような仕様としてもよいし、休暇というスケジュールを作成する仕様としてもよい。なお、図3は、サービス享受者が閲覧する画面として説明しているが、サービス提供者も同一画面を閲覧するものである。勿論、サービス享受者とサービス提供者とのそれぞれに適した情報のみを表示させるように表示画面構成を異ならせるように構成してもよい。
【0041】
図3に示されるタッチディスプレイ3aの表示画面において、3月15日の領域をタッチすると、図4の表示に画面遷移が行われる。サービス提供者ごとに、どのような建設機材を配送するのか、どのような作業時間帯に何処から何処へ輸送を行うことが予定されているのか、誰がスケジュールに空きがあるのか、等を確認する事が可能とされている。図4の画面例からは、サービス提供者Aがg地点からh地点に軽トラックを、サービス提供者Dがg地点からf地点に4tクレーン車を輸送する予定であることが把握できる。ここで、軽トラックも4tクレーン車も公道走行が可能であるため、サービス内容は、運転作業だけであるが、輸送対象が油圧ショベルであれば、当然に、積み込み及び積み降ろし作業も発生することになるため、油圧ショベルの運転資格のあるサービス提供者が対応することになる。なお、サービス提供者B及びCについては、スケジュールが空いていることを確認することができる。
【0042】
図4に示されるタッチディスプレイ3aの表示画面において、サービス提供者Cのタッチ選択に続けて、『参加』のアイコンをタッチすると、スケジュール編集画面(不図示)に遷移し、輸送を希望する建設機材や、希望作業時間帯、輸送経路(何処から何処へ輸送を行うのか)等を入力することができるようになる。入力を終えた後の画面が、図5である。サービス提供者Cのスケジュールにつき、直接入力することによって、スケジュール空きであった情報が、午前9時から正午の間にa地点からb地点にミニバックホーを輸送するという暫定的な情報に変更された様子が示されている。
【0043】
ここでの説明は、スケジュール享受者が依頼内容につき直接入力を行うことによって、記憶させるようにしたが、『メモ』のアイコンをタッチすることによって、画像データやテキストデータのファイルを添付することが可能であり、それによって、依頼内容を伝達するようにしてもよい。例えば、普通には扱われることの少ない極めて特殊な車両の輸送を希望する場合や、車両を動きにくくする為の特別な固定をして欲しい旨の希望(当然に、より特殊な能力が必要となる)をする場合など、依頼内容が詳細な項目に及ぶ場合に便利である。勿論、簡単な依頼であっても、全てファイル添付で対応するシステム構成としても本発明の範囲に含まれるものである。
【0044】
ところで、図5の画面におけるサービス提供者Cの表示については、他のサービス提供者とは異なるように表示されている。これは、更新されたスケジュールが確定されたものではなく、暫定的な情報であって、スケジュール提供者が関与していないところで書き換えられたスケジュールだからである。そこで、本システムでは、サービス享受者等によりスケジュールの更新がされた際には、サービス提供者に報知が行われるように構成されている。すなわち、図6に示すように、対象者であるサービス提供者Cに対して、空きスケジュールが運搬予定スケジュールに更新されたときに、更新があった旨を、サービス提供者Cが携行している端末に表示させて報知を行うのである。この画面を見たサービス提供者Cが『承認』のアイコンをタッチすることによって、初めて、更新されたスケジュールが承認され、確定したことになる。
【0045】
図7は、サービス提供者Cによる承認後のスケジュール画面の一例である。サービス提供者Cの予定についても、他者のスケジュールと同様の表示がされていることが見て取れる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれる。例えば、実施形態においては、スケジュール更新のための操作はサービス享受者が行うものとして説明したが、サービス提供者のスケジュールを確認したサービス享受者が、サービス依頼の内容を適宜の手段により管理者に伝え、管理者がスケジュール更新のための操作を行うように構成しても良いし、両態様を併用するようにしてもよい。管理者が操作する場合に、管理者と登録サービス提供者との信頼関係や契約内容によっては、承認操作を省略する構成としてもよいし、承認は、実施形態のシステム外で行うようにしてもよい。また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1 管理装置(サーバ)
2 サービス提供者用情報端末
3 サービス享受者用情報端末
4 情報処理装置
11 スケジュール情報記憶制御手段
12 スケジュール情報表示制御手段
13 スケジュール情報更新制御手段
14 スケジュール更新通知制御手段
15 ドライバーDB
21 スケジュール情報入力制御手段
22 スケジュール更新報知手段
23 ドライバー情報登録制御手段
24 ドライバー認証手段
2a タッチディスプレイ
2b カメラ
31 ドライバー検索指定手段
32 スケジュール情報入力制御手段
33 サービス提供内容指定手段
34 スケジュール更新報知手段
35 輸送車両貸借指定手段
3a タッチディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7