(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001132
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】コネクタホルダユニット、及び、コネクタホルダ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/73 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
H01R13/73 Z
H01R13/73 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100556
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 一弘
(72)【発明者】
【氏名】尾上 元昭
(72)【発明者】
【氏名】松井 亮達
(72)【発明者】
【氏名】義村 克也
(72)【発明者】
【氏名】荒木 浩太
(72)【発明者】
【氏名】和田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】下川 圭
(57)【要約】
【課題】適正に一纏まりにしておくことができるコネクタホルダユニット、及び、コネクタホルダを提供することを目的とする。
【解決手段】1対のコネクタホルダ10、20の一方は、仮保持孔部13を有し、1対のコネクタホルダ10、20の他方は、仮保持孔部13に着脱可能に仮保持される仮保持片部23を有し、仮保持片部23は、板状本体部23aにおいて端面23acから突出して形成され差し込み先端23ae側に位置する第1突起部23bと、板状本体部23aにおいて端面23adから突出して形成され差し込み基端23af側に位置する第2突起部23cとを含み、仮保持片部23が仮保持孔部13に仮保持された状態で、第2突起部23cが仮保持孔部13の内面13fに当接して当該仮保持片部23を一方側に押し付け、第1突起部23bが仮保持孔部13の外側で当該仮保持孔部13の外側縁面13gに係止される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれコネクタを保持する1対のコネクタホルダを備え、
前記1対のコネクタホルダの一方は、挿抜方向に沿って貫通して形成された仮保持孔部を有し、
前記1対のコネクタホルダの他方は、前記仮保持孔部に対して前記挿抜方向に沿って差し込まれ当該仮保持孔部に着脱可能に仮保持される仮保持片部を有し、
前記仮保持片部は、板状に形成された板状本体部と、前記板状本体部において前記挿抜方向及び当該板状本体部の板厚方向と交差する幅方向の一方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み先端側に位置する第1突起部と、前記板状本体部において前記幅方向の他方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み基端側に位置する第2突起部とを含み、前記仮保持片部が前記仮保持孔部に仮保持された状態で、前記第2突起部が前記仮保持孔部の前記幅方向の他方側の内面に当接して当該仮保持片部を前記幅方向の一方側に押し付け、前記第1突起部が前記仮保持孔部の外側で当該仮保持孔部の外側縁面に係止される、
コネクタホルダユニット。
【請求項2】
前記第1突起部の突出先端と前記板状本体部における前記幅方向の前記他方の端面との前記幅方向に沿った距離、前記第2突起部の突出先端と前記板状本体部における前記幅方向の前記一方の端面との前記幅方向に沿った距離、及び、前記仮保持孔部の前記幅方向の一方側の内面において前記挿抜方向と平行な平行面と前記仮保持孔部の前記幅方向の前記他方側の内面において前記挿抜方向と平行でかつ前記仮保持片部が前記仮保持孔部に仮保持された状態で前記第2突起部が当接する平行面との前記幅方向に沿った距離は、同等に設定される、
請求項1に記載のコネクタホルダユニット。
【請求項3】
前記第1突起部の突出先端と前記第2突起部の突出先端との前記挿抜方向に沿った距離は、0より大きく、かつ、前記仮保持孔部の前記幅方向の内面において前記挿抜方向と平行な平行面の前記挿抜方向に沿った長さ以下に設定される、
請求項1又は請求項2に記載のコネクタホルダユニット。
【請求項4】
前記仮保持孔部は、前記幅方向の一方側の内面において前記仮保持片部を差し込み可能な差し込み開口側に形成され、当該仮保持片部の差し込み動作に伴って前記第1突起部を当該仮保持孔部の内側に案内可能である第1テーパ面、及び、前記幅方向の前記他方側の内面において前記差し込み開口側に形成され、当該仮保持片部の差し込み動作に伴って前記第2突起部を当該仮保持孔部の内側に案内可能である第2テーパ面を含む、
請求項1又は請求項2に記載のコネクタホルダユニット。
【請求項5】
前記第1突起部、及び、前記第2突起部は、突出先端が曲面状に形成される
請求項1又は請求項2に記載のコネクタホルダユニット。
【請求項6】
前記仮保持片部は、前記板状本体部において前記板厚方向の一方の主面から当該板厚方向に沿って突出して形成され、前記仮保持孔部の外側縁面に係止可能である第3突起部を含む、
請求項1又は請求項2に記載のコネクタホルダユニット。
【請求項7】
コネクタを保持する本体部と、
前記本体部から突出して形成され、対象部材において挿抜方向に沿って貫通して形成された仮保持孔部に対して前記挿抜方向に沿って差し込まれ当該仮保持孔部に着脱可能に仮保持される仮保持片部とを備え、
前記仮保持片部は、板状に形成された板状本体部と、前記板状本体部において前記挿抜方向及び当該板状本体部の板厚方向と交差する幅方向の一方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み先端側に位置する第1突起部と、前記板状本体部において前記幅方向の他方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み基端側に位置する第2突起部とを含み、前記仮保持片部が前記仮保持孔部に仮保持された状態で、前記第2突起部が前記仮保持孔部の前記幅方向の他方側の内面に当接して当該仮保持片部を前記幅方向の一方側に押し付け、前記第1突起部が前記仮保持孔部の外側で当該仮保持孔部の外側縁面に係止される、
コネクタホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタホルダユニット、及び、コネクタホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタホルダにコネクタを保持する技術がある。例えば、特許文献1には、ホルダ本体と、コネクタを着脱可能な少なくとも1つのロック部と、ホルダ本体を被取付部に取り付けるための取付部とを備えるコネクタホルダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コネクタホルダは、例えば、車両に組み付ける際に複数を一括で当該車両に持ち込む場合があるが、このような場合にこれらを適正に一纏まりにしておくことができる構成が望まれている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正に一纏まりにしておくことができるコネクタホルダユニット、及び、コネクタホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタホルダユニットは、それぞれコネクタを保持する1対のコネクタホルダを備え、前記1対のコネクタホルダの一方は、挿抜方向に沿って貫通して形成された仮保持孔部を有し、前記1対のコネクタホルダの他方は、前記仮保持孔部に対して前記挿抜方向に沿って差し込まれ当該仮保持孔部に着脱可能に仮保持される仮保持片部を有し、前記仮保持片部は、板状に形成された板状本体部と、前記板状本体部において前記挿抜方向及び当該板状本体部の板厚方向と交差する幅方向の一方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み先端側に位置する第1突起部と、前記板状本体部において前記幅方向の他方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み基端側に位置する第2突起部とを含み、前記仮保持片部が前記仮保持孔部に仮保持された状態で、前記第2突起部が前記仮保持孔部の前記幅方向の他方側の内面に当接して当該仮保持片部を前記幅方向の一方側に押し付け、前記第1突起部が前記仮保持孔部の外側で当該仮保持孔部の外側縁面に係止される。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタホルダは、コネクタを保持する本体部と、前記本体部から突出して形成され、対象部材において挿抜方向に沿って貫通して形成された仮保持孔部に対して前記挿抜方向に沿って差し込まれ当該仮保持孔部に着脱可能に仮保持される仮保持片部とを備え、前記仮保持片部は、板状に形成された板状本体部と、前記板状本体部において前記挿抜方向及び当該板状本体部の板厚方向と交差する幅方向の一方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み先端側に位置する第1突起部と、前記板状本体部において前記幅方向の他方の端面から当該幅方向に沿って突出して形成され前記仮保持孔部に対する差し込み基端側に位置する第2突起部とを含み、前記仮保持片部が前記仮保持孔部に仮保持された状態で、前記第2突起部が前記仮保持孔部の前記幅方向の他方側の内面に当接して当該仮保持片部を前記幅方向の一方側に押し付け、前記第1突起部が前記仮保持孔部の外側で当該仮保持孔部の外側縁面に係止される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコネクタホルダユニット、及び、コネクタホルダは、適正に一纏まりにしておくことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るコネクタホルダユニットが適用されたワイヤハーネスの概略構成を表す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るコネクタホルダユニットが適用されたワイヤハーネスの概略構成を表す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの仮保持構造を含む部分斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの仮保持構造を含む部分分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの仮保持構造を含む部分分解斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの仮保持孔部を含む部分断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの仮保持片部を含む部分側面図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの動作を説明する部分断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの動作を説明する部分断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るコネクタホルダユニットの動作を説明する部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1、
図2に示す本実施形態に係るコネクタホルダユニット1は、例えば、車両に搭載されるワイヤハーネスWHに適用される。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタC等で複数の配索材Wを各装置に接続するようにしたものである。本実施形態のワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、配索材Wに設けられたコネクタCと、コネクタCを保持するコネクタホルダユニット1とを備える。
【0012】
配索材Wは、例えば、導電性を有する複数の金属素線を束ねた芯線を、絶縁被覆部によって被覆した絶縁電線である。配索材Wは、複数の絶縁電線を束ねたものであってもよい。また、配索材Wは、導電性を有する金属棒を、絶縁被覆部によって被覆した絶縁金属棒であってもよい。コネクタCは、配索材Wの端末に設けられ、他の配索材や各種装置に設けられた相手コネクタとコネクタ嵌合することでこれらと電気的に接続されるものである。コネクタホルダユニット1は、コネクタCを保持するものである。本実施形態のコネクタホルダユニット1は、1対のコネクタホルダ10、20を備える。各コネクタホルダ10、20は、それぞれコネクタCを保持し、車両の固定対象部位に固定されて当該各コネクタCを支持するものである。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、電気接続箱、固定具等の種々の構成部品を含んで構成されてもよい。
【0013】
そして、本実施形態に係るコネクタホルダユニット1は、1対のコネクタホルダ10、20同士を相互に仮保持して一纏まりにしておく仮保持構造100を設けたことで、車両に組み付ける際の搭載性を向上し、複数のコネクタホルダ10、20を一括で当該車両に持ち込み易くする構成を実現している。ここで、
図1は、1対のコネクタホルダ10、20同士を相互に分離した状態を表している。一方、
図2は、1対のコネクタホルダ10、20同士を相互に仮保持して一纏まりにした仮保持状態を表している。以下、各図を参照してコネクタホルダユニット1の各構成について詳細に説明する。
【0014】
図1、
図2に示すように、本実施形態のコネクタホルダ10は、本体部11と、固定部12とを備え、これら本体部11、固定部12が絶縁性を有する樹脂材料によって一体で形成される。同様に、コネクタホルダ20は、本体部21と、固定部22とを備え、これら本体部21、固定部22が絶縁性を有する樹脂材料によって一体で形成される。なお、これらコネクタホルダ10、20は、本体部11、21、固定部12、22に加えて、さらにカバー部材等の付属品が組み付けられていてもよい。
【0015】
本体部11、21は、それぞれ、コネクタホルダ10、20において、コネクタCを保持する主たる部分である。本体部11、21は、壁体11a、21aによって囲われた内部空間や当該壁体11a、21aの外面に種々の係止機構やロック機構を介してコネクタCを係止し保持する。これにより、各コネクタホルダ10、20は、当該本体部11、21にコネクタCを保持することができる。
【0016】
固定部12、22は、それぞれ、コネクタホルダ10、20において、車両の固定対象部位に固定される部分である。固定部12、22は、本体部11、21と一体で形成され、ボルト固定、クリップ固定、篏合固定等、種々の形式の固定機構を介して車両の固定対象部位に固定される。これにより、各コネクタホルダ10、20は、当該固定部12、22を介して車両の固定対象部位に固定することができる。
【0017】
本実施形態のコネクタホルダユニット1は、コネクタホルダ10が保持する一部のコネクタCと、コネクタホルダ20が保持する一部のコネクタCとが配索材Wを介して繋がっている。すなわち、本実施形態のコネクタホルダユニット1は、一部の配索材Wがコネクタホルダ10とコネクタホルダ20とに渡って延在しており、一連なりのワイヤハーネスWHを構成している。
【0018】
そして、本実施形態のコネクタホルダユニット1は、上述した仮保持構造100として、1対のコネクタホルダ10、20の一方が仮保持孔部13を備え、1対のコネクタホルダ10、20の他方が仮保持片部23を備える。ここでは、第1のコネクタホルダ10は、1対のコネクタホルダ10、20の一方に相当し、当該仮保持孔部13を備える。第2のコネクタホルダ20は、1対のコネクタホルダ10、20の他方に相当し、当該仮保持片部23を備える。
【0019】
これら仮保持孔部13と仮保持片部23とは、1対のコネクタホルダ10、20同士を相互に仮保持して一纏まりにしておく上記仮保持構造100を構成する。言い換えれば、本実施形態のコネクタホルダユニット1は、1対のコネクタホルダ10、20の一方に対して他方を着脱可能に仮保持可能である仮保持構造100を備えるものであるともいえる。またここでは、コネクタホルダ10は、コネクタホルダ20を仮保持させるための対象部材に相当し、逆に、コネクタホルダ20は、コネクタホルダ10を仮保持させるための対象部材に相当するともいえる。
【0020】
以下、
図3~
図10を参照して仮保持孔部13、仮保持片部23の各構成についてより詳細に説明する。なお、以下の説明では、仮保持片部23が仮保持孔部13に仮保持された状態(
図3、
図10等参照)において、互いに交差する3つの方向を便宜的にそれぞれ「第1方向X」、「第2方向Y」、及び、「第3方向Z」という。第1方向Xと第2方向Yと第3方向Zとは、典型的には、相互に直交する。第1方向Xは、典型的には、仮保持孔部13に対して仮保持片部23を挿抜する挿抜方向に相当する。第2方向Yは、典型的には、仮保持片部23を構成する板状本体部23aの板厚に沿った板厚方向に相当する。第3方向Zは、典型的には、挿抜方向及び板厚方向と交差(直交)する幅方向に相当し、例えば、仮保持片部23を構成する板状本体部23aの幅に沿った方向に相当する。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向として説明する。
【0021】
具体的には、仮保持孔部13は、
図3、
図4、
図5、
図6に示すように、コネクタホルダ10において第1方向Xに沿って貫通して形成された部分である。仮保持孔部13は、第1方向Xに沿って仮保持片部23を差し込み、当該仮保持片部23を保持可能に形成される。コネクタホルダ10は、本体部11、固定部12、及び、当該仮保持孔部13が一体で形成される。ここでは、仮保持孔部13は、本体部11の壁体11aの一部、及び、当該壁体11aから突出して設けられる区画壁体13aによって形成される。
【0022】
区画壁体13aは、一対の突出壁部13aa、13ab、及び、連結壁部13acを含んで構成される。一対の突出壁部13aa、13abは、共に壁体11aから第2方向Yに沿って一方側に突出して形成される。突出壁部13aa、13abは、共に板厚方向が第3方向Zに沿う略矩形板状に形成される。一対の突出壁部13aa、13abは、第3方向Zに沿って間隔をあけて形成されており、突出壁部13aaが第3方向Zの一方側に位置し、突出壁部13abが第3方向Zの他方側に位置する。連結壁部13acは、第3方向Zに沿って延在して形成され、一対の突出壁部13aa、13abの先端同士を連結する。連結壁部13acは、板厚方向が第2方向Yに沿う略矩形板状に形成される。区画壁体13aは、一対の突出壁部13aa、13ab、及び、連結壁部13acによって全体として略Cの字型に形成される。ここでは、区画壁体13aは、各突出壁部13aa、13abと連結壁部13acとの連結部分が丸みを帯びた角部として形成されており、かつ、連結壁部13acの一部が当該角部に対して段差を介して凹部状に形成されている。
【0023】
仮保持孔部13は、壁体11aの一部、及び、区画壁体13a(突出壁部13aa、13ab、連結壁部13ac)によって囲われて形成された内部空間部が第1方向Xに沿って貫通した差し込み空間部13bを構成する。差し込み空間部13bは、仮保持孔部13において第1方向Xに沿って仮保持片部23が差し込まれる空間部をなしている。差し込み空間部13bは、当該仮保持片部23を差し込み可能で、かつ、差し込まれた仮保持片部23と当該差し込み空間部13bを形成する壁面との隙間が極力小さくなるような形状、大きさで形成される。差し込み空間部13bは、第1方向Xの両側が開口しており、一方側が差し込み開口13cを構成し、他方側が露出開口13dを構成する。差し込み開口13cは、仮保持片部23が差し込まれる開口である。露出開口13dは、差し込み空間部13bに差し込まれた仮保持片部23の先端部分が露出する開口である。
【0024】
ここでは、仮保持孔部13は、差し込み空間部13bを形成する内面、言い換えれば、差し込み空間部13bに面する内面のうち第3方向Zの両側の内面13e、13fにそれぞれテーパ面13ea、13faが形成されている(特に
図6参照)。より具体的には、内面13eは、区画壁体13aの突出壁部13aaにおける差し込み空間部13b側の壁面であり、第1テーパ面としてのテーパ面13ea、及び、平行面13ebを含んで構成される。一方、内面13fは、区画壁体13aの突出壁部13abにおける差し込み空間部13b側の壁面であり、第2テーパ面としてのテーパ面13fa、及び、平行面13fbを含んで構成される。
【0025】
テーパ面13eaは、第3方向Zの一方側の内面13eにおいて仮保持片部23を差し込み可能な差し込み開口13c側に形成される。同様に、テーパ面13faは、第3方向Zの他方側の内面13fにおいて当該差し込み開口13c側に形成される。テーパ面13ea、13faは、共に仮保持片部23の差し込み方向に相当する第1方向X(挿抜方向)に対して傾斜した傾斜面として形成されている。ここでは、テーパ面13ea、13faは、第1方向Xに沿って差し込み開口13c側に向かうにしたがって第3方向Zに沿った間隔が徐々に広がる向きの傾斜面として形成されている。この構成により、テーパ面13ea、13faは、それぞれ仮保持片部23の差し込み動作に伴って当該仮保持片部23の一部(後述する第1突起部23bや第2突起部23c)を仮保持孔部13の内側、すなわち、差し込み空間部13b側に案内可能な誘い込み用の案内面として機能する。
【0026】
そして、内面13e、13fは、これらテーパ面13ea、13faの奥側の面、すなわち、テーパ面13ea、13faの露出開口13d側の面がそれぞれ平行面13eb、13fbとして形成されている。平行面13eb、13fbは、それぞれ、内面13e、13fにおいて、テーパ面13ea、13faと連続し、仮保持片部23の差し込み方向に相当する第1方向X(挿抜方向)と略平行な面として形成される。この平行面13eb、13fbのうち、内面13f側の平行面13fbは、後述するように、仮保持片部23が仮保持孔部13に仮保持された状態で後述する第2突起部23cが当接しこれを支持する面となる(後述する
図10も参照)。
【0027】
次に、仮保持片部23は、
図3、
図4、
図5、
図7に示すように、コネクタホルダ20において仮保持孔部13に対して第1方向Xに沿って差し込まれ当該仮保持孔部13に着脱可能に仮保持される部分である。仮保持片部23は、全体として、仮保持孔部13に差し込み可能で、かつ、差し込み空間部13bを形成する壁面との隙間が極力小さくなるような形状、大きさで板状に形成される。コネクタホルダ20は、本体部21、固定部22、及び、当該仮保持片部23が一体で形成される。ここでは、仮保持片部23は、本体部21の壁体21aから第1方向Xに沿って一方側に突出して形成される。
【0028】
より具体的には、仮保持片部23は、板状本体部23aと、第1突起部23bと、第2突起部23cと、第3突起部23dとを含んで構成され、これら板状本体部23a、第1突起部23b、第2突起部23c、第3突起部23dが一体で形成される。
【0029】
板状本体部23aは、板厚方向が第2方向Yに沿う略矩形板状に形成された部分である。板状本体部23aは、本体部21の壁体21aから第1方向Xに沿って一方側に突出して形成される。板状本体部23aは、第2方向Yに沿って対向して位置する一対の主面23aa、23abの面積が最も広く、このうち一方の主面23aaに第3突起部23dが形成されている。また、板状本体部23aは、第3方向Zに沿って対向して位置する一対の端面23ac、23adのうち、第3方向Zの一方側に位置する端面23acに第1突起部23bが形成されており、第3方向Zの他方側に位置する端面23adに第2突起部23cが形成されている。また、板状本体部23aは、第1方向Xの先端23ae側が仮保持孔部13に差し込みやすいように先細りのテーパ形状となっている。なお、板状本体部23aは、例えば、軽量化のため肉抜き部や薄肉部等が設けられていてもよいし、補強のためリブ等が設けられていてもよい。
【0030】
第1突起部23bは、板状本体部23aにおいて第3方向Zの一方の端面23acから第3方向Zに沿って一方側に突出して形成された突状部分である。本実施形態の第1突起部23bは、突出先端23baが曲面状に形成される(特に
図7等参照)。ここでは、第1突起部23bは、略半球突起形状に形成されている。
【0031】
一方、第2突起部23cは、板状本体部23aにおいて第3方向Zの他方の端面23adから当該第3方向Zに沿って他方側に突出して形成された突状部分である。本実施形態の第2突起部23cは、第1突起部23bと同様に、突出先端23caが曲面状に形成される(特に
図7等参照)。ここでは、第2突起部23cは、第1突起部23bと同様に、略半球突起形状に形成されている。
【0032】
そして、第1突起部23bは、端面23acにおいて仮保持孔部13に対する差し込み先端23ae側に位置する。一方、第2突起部23cは、端面23adにおいて仮保持孔部13に対する差し込み基端23af側に位置する。つまり、仮保持片部23は、仮保持孔部13に対する仮保持片部23の差し込み方向である第1方向Xに対して、第1突起部23bが第2突起部23cより先端23ae側に位置し、第2突起部23cが第1突起部23bより基端23af側に位置する。
【0033】
本実施形態においては、仮保持孔部13、及び、仮保持片部23に関して、
図6、
図7、
図8に示すように、距離D1、距離D2、及び、距離D3は、略同等に設定されている。ここで、距離D1は、第1突起部23bの突出先端23baと、板状本体部23aの端面23adとの第3方向Zに沿った距離である。距離D2は、第2突起部23cの突出先端23caと、板状本体部23aの端面23acとの第3方向Zに沿った距離である。距離D3は、仮保持孔部13の内面13eの平行面13ebと、仮保持孔部13の内面13fの平行面13fbとの第3方向Zに沿った距離である。
【0034】
またさらに、本実施形態においては、仮保持孔部13、及び、仮保持片部23に関して、
図6、
図7、
図8に示すように、距離D4は、0より大きく、かつ、長さL1以下に設定されている。ここで、距離D4は、第1突起部23bの突出先端23baと、第2突起部23cの突出先端23caとの第1方向Xに沿った距離である。長さL1は、仮保持孔部13の内面13e、13fの平行面13eb、13fbの第1方向Xに沿った長さである。ここでは、距離D4は、各図に示したように、長さL1と略同等に設定されることがより好ましい。
【0035】
上記のように構成される仮保持片部23は、
図3に示すように、当該仮保持片部23が仮保持孔部13に差し込まれ仮保持された状態で、第2突起部23cが仮保持孔部13の第3方向Zの他方側の内面13fに当接して当該仮保持片部23を第3方向Zの一方側に押し付ける。そして、この状態で仮保持片部23は、第1突起部23bが仮保持孔部13の外側で当該仮保持孔部13の外側縁面13gに係止される(後述する
図10も参照)。言い換えれば、仮保持片部23は、第2突起部23cが仮保持孔部13の内面13fに当接して当該仮保持片部23を内面13e側に押し付け、第1突起部23bが仮保持孔部13の外側で当該仮保持孔部13の外側縁面13gに係止されることで、当該仮保持片部23が仮保持孔部13に仮保持される。ここで、第1突起部23bが係止される外側縁面13gは、仮保持孔部13を構成する区画壁体13aのうち、突出壁部13aaにおける露出開口13d側の端面である。
【0036】
この場合、仮保持孔部13、仮保持片部23は、上記のような寸法関係とされていることで、仮保持片部23を仮保持孔部13に挿入し易く、かつ、第1突起部23bを確実に仮保持孔部13の外側に位置させた状態で、第2突起部23cによって仮保持片部23を内面13e側に押し付け、当該第1突起部23bを外側縁面13gに係止させ易い構成とすることが可能となる。なお、上記で説明した各種寸法は、例えば、種々の公差分のずれは許容される。
【0037】
第3突起部23dは、
図3、
図4、
図5、
図7に示すように、板状本体部23aにおいて第2方向Yの一方の主面23aaから第2方向Yに沿って一方側に突出して形成される突状部分である。本実施形態の第3突起部23dは、第1突起部23b、第2突起部23c等と同様に、突出先端23daが曲面状に形成される。ここでは、第3突起部23dは、第3方向Zに沿って延在する略長円半球突起形状に形成されている。
【0038】
第3突起部23dは、主面23aaにおいて第3方向Zの略中央位置で、かつ、仮保持孔部13に対する差し込み先端23ae側に位置し、仮保持孔部13の外側縁面13hに係止可能に構成される(特に、
図3等参照)。ここで、第3突起部23dを係止可能な外側縁面13hは、仮保持孔部13を構成する区画壁体13aのうち、連結壁部13acにおける露出開口13d側の端面である。
【0039】
なおここでは、第3突起部23dは、第1方向Xに対して第1突起部23bの位置と略同等の位置に形成されている(特に
図7参照)。そして、第3突起部23dを係止可能な外側縁面13hは、第1方向Xに対して、第1突起部23bが係止される外側縁面13gよりもやや差し込み開口13c側にオフセットされた位置に形成されている(
図3等参照)。このため、第3突起部23dは、例えば、仮保持片部23が仮保持孔部13に差し込まれ仮保持され第1突起部23bが外側縁面13gに係止された状態において、第1突起部23bによる係止がはずれた際等の補助的な係止部として機能することとなる。
【0040】
上記のように構成されるコネクタホルダユニット1は、当該コネクタホルダユニット1を含むワイヤハーネスWHを車両に組み付ける前の段階、例えば、車両工場への納入時の段階では、
図1に示すようにコネクタホルダ10、20が分離した状態となっている。そして、コネクタホルダユニット1は、ワイヤハーネスWHを車両に組み付ける際には、コネクタホルダ10、20が分離した状態から、
図2に示すように、コネクタホルダ10、20同士を相互に仮保持して一纏まりにした仮保持状態とされ、この状態で当該車両に持ち込まれる。
【0041】
この場合、コネクタホルダユニット1は、
図8に示すように、コネクタホルダ20の仮保持片部23の先端23aeが第1方向Xに沿ってコネクタホルダ10の仮保持孔部13の差し込み開口13cに挿入され、差し込み空間部13b内に差し込まれていく。
【0042】
このとき、コネクタホルダユニット1は、仮保持片部23の差し込み動作に伴って仮保持片部23の第1突起部23bが仮保持孔部13のテーパ面13eaによって平行面13eb側に案内される。これにより、コネクタホルダユニット1は、仮保持片部23が滑らかに仮保持孔部13の差し込み空間部13b内に誘い込まれる。
【0043】
またこのとき、コネクタホルダユニット1は、上述した距離D1と距離D3とが略同等に設定されているため、相対的に小さな挿入力で仮保持片部23を仮保持孔部13の差し込み空間部13b内に差し込むことが可能である。
【0044】
その後、コネクタホルダユニット1は、仮保持片部23が第1方向Xに沿ってさらに押し込まれ、
図9に示すように、仮保持片部23の第2突起部23cがテーパ面13faに至ると、仮保持片部23の差し込み動作に伴って当該第2突起部23cが当該テーパ面13faによって平行面13fb側に案内される。これによっても、コネクタホルダユニット1は、仮保持片部23が滑らかに仮保持孔部13の差し込み空間部13b内に誘い込まれる。そしてこのとき、コネクタホルダユニット1は、第2突起部23cがテーパ面13faを平行面13fb側に向けて摺動しつつ、仮保持片部23全体が第3方向Zの一方側、すなわち、内面13e側に徐々に押し付けられていく。
【0045】
そして、コネクタホルダユニット1は、仮保持片部23が第1方向Xに沿ってさらに押し込まれ、第1突起部23bが露出開口13dに至ると、
図10に示すように、当該第1突起部23bが露出開口13dから露出する。
【0046】
なおこのとき、コネクタホルダユニット1は、第1突起部23bが露出開口13dに露出するまでの区間では、仮保持片部23全体が内面13e側に押し付けられることで、仮保持片部23の第1突起部23b、第2突起部23cが突出壁部13aaと突出壁部13abとを押し広げるように弾性変形させてこれらを若干撓ませながら進むことになる。この場合に、コネクタホルダユニット1は、上述した距離D4(
図8参照)が長さL1(
図8参照)と略同等に設定されているため、当該区間を極力小さくすることが可能となり、つまり、相対的に大きな挿入力を要する区間を極力抑制することが可能となる。また、コネクタホルダユニット1は、第1突起部23b、第2突起部23cの突出先端23ba、23caが曲面状に形成されているため、第1突起部23b、第2突起部23cと内面13e、13fとの間で生じる摺動抵抗を抑制することも可能である。
【0047】
そして、コネクタホルダユニット1は、第1突起部23bが露出開口13dから露出する位置まで押し込まれると、第1突起部23bが外側縁面13gと当接して係止される。この場合、コネクタホルダユニット1は、上述した距離D2と距離D3とが略同等に設定されているため、第2突起部23cが内面13fに当接した状態で仮保持片部23を内面13e側に確実に押し付けることができ、この結果、第1突起部23bを外側縁面13gに確実に係止した状態を維持することが可能である。またこのとき、コネクタホルダユニット1は、上述の距離D4が0より大きく、かつ、長さL1以下に設定されているため、第1突起部23bを確実に仮保持孔部13の外側に位置させ外側縁面13gに係止させた状態で、第2突起部23cを平行面13fb上に位置させ、内面13e側への押し付け力を適正に発揮させる状態を確実に確保することが可能である。
【0048】
この結果、コネクタホルダユニット1は、第1突起部23bが外側縁面13gに係止されることで、仮保持片部23が仮保持孔部13から抜ける側へ相対移動することを規制し、仮保持片部23を仮保持孔部13に仮保持することができる。これにより、コネクタホルダユニット1は、コネクタホルダ10、20同士を相互に仮保持して一纏まりにした仮保持状態とすることができる。なおここでは、コネクタホルダユニット1は、第3突起部23dと外側縁面13hとは当接していない。このため、第3突起部23dは、例えば、仮保持片部23が仮保持孔部13に差し込まれ仮保持された状態において、第1突起部23bによる係止がはずれた際等の補助的な係止部として機能する。
【0049】
そして、コネクタホルダユニット1は、コネクタホルダ10、20同士を相互に仮保持して一纏まりにした仮保持状態で、ワイヤハーネスWH全体と共に車両に持ち込まれる。その後、コネクタホルダユニット1は、各コネクタホルダ10、20をそれぞれの固定対象部位に固定するため、仮保持孔部13から仮保持片部23を引き抜くようにしてコネクタホルダ10とコネクタホルダ20とが分離される。このとき、コネクタホルダユニット1は、外側縁面13gに係止されている第1突起部23bの突出先端23baや第3突起部23dの突出先端23daが曲面状に形成されているため、滑らかに係止を解除し仮保持片部23を引き抜くこと可能である。またこのときも、コネクタホルダユニット1は、上述したように距離D4(
図8参照)が長さL1(
図8参照)と略同等に設定されているため、相対的に大きな引き抜き力を要する区間を極力抑制することが可能となる。
【0050】
そして、コネクタホルダユニット1は、相互に分離された各コネクタホルダ10、20がそれぞれ固定部12、22を介して車両の固定対象部位に固定されることで車両に組み付けられる。
【0051】
以上で説明したコネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、コネクタホルダ10とコネクタホルダ20とを一纏まりにする場合にはコネクタホルダ20に設けられた仮保持片部23がコネクタホルダ10に設けられた仮保持孔部13に差し込まれる。そして、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23の第2突起部23cが仮保持孔部13の内面13fに当接して当該仮保持片部23全体を内面13e側に押し付けつつ、仮保持片部23の第1突起部23bが仮保持孔部13の外側で当該仮保持孔部13の外側縁面13gに係止される。これにより、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23が仮保持孔部13に対して着脱可能に仮保持され、1対のコネクタホルダ10、20同士を適正に仮保持しておくことができる。この結果、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、1対のコネクタホルダ10、20同士を、仮保持孔部13、仮保持片部を介して相互に仮保持することで、適正に一纏まりにしておくことができる。
【0052】
これにより、例えば、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、車両に組み付ける際の搭載性を向上し、複数のコネクタホルダ10、20を一括で当該車両に持ち込み易くすることができる。そして、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、車両に持ち込まれた後、仮保持孔部13から仮保持片部23を引き抜くことで、相互に分離された各コネクタホルダ10、20をそれぞれ車両の固定対象部位に固定することができる。以上のように、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、車両への組み付け作業の利便性を向上することができる。
【0053】
ここでは、以上で説明したコネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、第1突起部23bの突出先端23baと端面23adとの距離D1、第2突起部23cの突出先端23caと端面23acとの距離D2、及び、仮保持孔部13の平行面13ebと平行面13fbとの距離D3が同等に設定される。これにより、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23を仮保持孔部13に対して挿抜し易くした上で、適正な保持力を確保することができる。すなわち、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、距離D1と距離D3とが略同等に設定されているため、相対的に小さな挿入力で仮保持片部23を仮保持孔部13に差し込むことができる。その上で、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、距離D2と距離D3とが略同等に設定されているため、第2突起部23cが内面13fに当接した状態で仮保持片部23を内面13e側に確実に押し付けることができ、この結果、第1突起部23bを外側縁面13gに確実に係止した状態を維持することができる。また、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23を仮保持孔部13から引き抜く際も同様に、相対的に小さな引き抜き力で仮保持片部23を仮保持孔部13から引く抜くことができる。この結果、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、例えば、係止する部分の突出量を大きくして係り代を大きくする等の構造によらずに、仮保持孔部13と仮保持片部23とを適正に仮保持しつつ、作業性の低下を抑制することでき、これにより、仮保持における適正な保持力確保と、着脱のし易さとを両立することができる。
【0054】
またここでは、以上で説明したコネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、第1突起部23bの突出先端23baと第2突起部23cの突出先端23caとの距離D4が0より大きく、仮保持孔部13の平行面13eb、13fbの長さL1以下に設定される。これにより、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、第1突起部23bを確実に仮保持孔部13の外側に位置させ外側縁面13gに係止させた状態で、第2突起部23cを平行面13fb上に位置させ、内面13e側への押し付け力を適正に発揮させる状態を確保することができる。この結果、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持孔部13と仮保持片部23とをより確実に仮保持し、1対のコネクタホルダ10、20同士をより確実に一纏まりにしておくことができる。
【0055】
ここでは、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、距離D4と長さL1とが同等に設定される。これにより、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持孔部13に対して仮保持片部23を挿抜する際に当該仮保持片部23によって仮保持孔部13の一部を撓ませながら進む区間を極力小さくすることができるので、相対的に大きな挿入力・引き抜き力を要する区間を極力抑制することができる。この結果、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23を仮保持孔部13に対して挿抜し易すくすることができ、作業性の低下をより好適に抑制することでき、着脱のし易さをさらに向上することができる。
【0056】
また、以上で説明したコネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23を仮保持孔部13に差し込む際には、仮保持片部23の差し込み動作に伴って第1突起部23bをテーパ面13eaによって仮保持孔部13の内側に案内することができ、第2突起部23cをテーパ面13faによって仮保持孔部13の内側に案内することができる。この結果、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23を滑らかに仮保持孔部13の内側に誘い込むことができ、この点でも作業性を向上することができる。
【0057】
また、以上で説明したコネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、第1突起部23bの突出先端23ba、及び、第2突起部23cの突出先端23caが曲面状に形成される。これにより、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持孔部13に対して仮保持片部23を挿抜する際に第1突起部23b、第2突起部23cと内面13e、13fとの間で生じる摺動抵抗を抑制することができる。また、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、外側縁面13gに係止されている第1突起部23bの突出先端23baが曲面状に形成されているため、滑らかに係止を解除し仮保持片部23を引き抜くことできる。この点でも、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、作業性を向上することができる。
【0058】
また、以上で説明したコネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23に第1突起部23b、第2突起部23cとは別に第3突起部23dも設けられている。これにより、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、例えば、仮保持片部23が仮保持孔部13に差し込まれ仮保持された状態において、第3突起部23dを第1突起部23bによる係止がはずれた際等の補助的な係止部として機能させることができる。この結果、コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持孔部13と仮保持片部23とをより確実に仮保持し、1対のコネクタホルダ10、20同士をより確実に一纏まりにしておくことができる。
【0059】
なお、上述した本発明の実施形態に係るコネクタホルダユニット、コネクタホルダは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
以上の説明では、距離D1、距離D2、及び、距離D3は、略同等に設定され、距離D4は、0より大きく、かつ、長さL1以下に設定され、ここでは、距離D4と長さL1と略同等に設定されるものとして説明したがこれに限らない。コネクタホルダユニット1、コネクタホルダ20は、仮保持片部23が仮保持孔部13に仮保持された状態で、第2突起部23cが内面13fの平行面13fbに当接して当該仮保持片部23を内面13e側に押し付け、第1突起部23bが仮保持孔部13の外側で外側縁面13gに係止される構成であれば、上記の寸法関係に限らない。
【0061】
以上の説明では、仮保持孔部13は、テーパ面13ea、13faが形成されているものとして説明したがこれに限らない。
【0062】
以上の説明では、仮保持片部23は、第3突起部23dを含んで構成されるものとして説明したがこれに限らず、第3突起部23dを備えていなくてもよい。
【0063】
以上の説明では、コネクタホルダ20が仮保持される対象部材は、コネクタホルダ10であるものとして説明したが、コネクタホルダ10以外のもの、例えば、プロテクタやその他の構造体であってもよい。
【0064】
本実施形態に係るコネクタホルダユニット、及び、コネクタホルダは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 コネクタホルダユニット
10、20 コネクタホルダ
11、21 本体部
13 仮保持孔部
13a 区画壁体
13b 差し込み空間部
13c 差し込み開口
13d 露出開口
13e、13f 内面
13ea テーパ面(第1テーパ面)
13fa テーパ面(第2テーパ面)
13eb、13fb 平行面
13g、13h 外側縁面
23 仮保持片部
23a 板状本体部
23aa、23ab 主面
23ac、23ad 端面
23ae 先端
23af 基端
23b 第1突起部
23ba 突出先端
23c 第2突起部
23ca 突出先端
23d 第3突起部
100 仮保持構造
C コネクタ
D1、D2、D3、D4 距離
L1 長さ
W 配索材
WH ワイヤハーネス
X 第1方向(挿抜方向)
Y 第2方向(板厚方向)
Z 第3方向(幅方向)