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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011336
(43)【公開日】2025-01-23
(54)【発明の名称】誘導加熱のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/10 20060101AFI20250116BHJP
   H05B 6/44 20060101ALI20250116BHJP
   H05B 6/06 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
H05B6/10 371
H05B6/44
H05B6/06 363
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024189177
(22)【出願日】2024-10-28
(62)【分割の表示】P 2020126056の分割
【原出願日】2020-07-27
(31)【優先権主張番号】62/877,928
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/661,050
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 英雄
【テーマコード(参考)】
3K059
【Fターム(参考)】
3K059AB08
3K059AB24
3K059AB27
3K059AD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】誘導加熱のための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】システムは、金属シリンダの周りに巻き付けられた第1の誘導コイル125と、金属シリンダの周りに巻き付けられた第2の誘導コイル130とを提供し得る。第1の誘導コイルは、第1の方向に電流を流し得、第2の誘導コイルは、反対の第2の方向に電流を流し得る。電流は、交流配列で発生され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池によって給電される誘導加熱するための装置であって、
ノードにおいて前記電池の端子に接続された第1の端部を備える第1の誘導コイルと、
前記ノードを介して前記電池の前記端子に接続された第2の端部を備える第2の誘導コ
イルと、
前記第1の誘導コイルの第2の端部を電圧電位に選択的に接続するように構成されてい
る第1のスイッチデバイスと、
前記第2の誘導コイルの第1の端部を前記電圧電位に選択的に接続するように構成され
ている第2のスイッチデバイスと、を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の誘導コイル及び前記第2の誘導コイルが、単一の磁気シリンダの周りに巻き
付けられ、前記磁気シリンダが、第1の端部及び第2の端部を備え、
前記第1の誘導コイルの前記第1の端部が、前記磁気シリンダの前記第1の端部に直接
隣接し、前記第1の誘導コイルの第2の端部が、前記磁気シリンダの前記第2の端部に直
接隣接しており、
前記第2の誘導コイルの前記第1の端部が、前記磁気シリンダの前記第2の端部に直接
隣接し、前記第2の誘導コイルの前記第2の端部が、前記磁気シリンダの前記第1の端部
に直接隣接している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の誘導コイルが、第1の方向に流れる第1の電流を発生するように構成され、
前記第2の誘導コイルが、反対の第2の方向に流れる第2の電流を発生するように構成
されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
電池によって給電される誘導加熱器を動作させるための方法であって、前記誘導加熱器
が、第1の誘導コイル及び第2の誘導コイルを有し、前記方法が、
前記誘導加熱器に印加する目標電力を決定することと、
電池特性を決定することと、
前記電池特性に従って、パルス信号を発生することと、
前記目標電力及び前記パルス信号に従って、前記第1の誘導コイルを通して、第1の方
向を有する第1の電流を発生することと、
前記目標電力及び前記パルス信号に従って、前記第2の誘導コイルを通して、前記第1
の方向とは反対の第2の方向を有する第2の電流を発生することと、を含む、方法。
【請求項5】
前記電池特性に従って前記パルス信号を発生することが、
前記決定された相対的な充電状態に基づいてパルス周期を決定することと、
前記決定されたパルス周期に基づいて前記パルス信号を発生することと、を含み、
前記パルス周期の長さが、前記相対的な充電状態の値に正比例する、請求項4に記載の
方法。
【請求項6】
前記第1の電流を発生することが、前記第1の誘導コイルを接地電位に選択的に接続す
ることを含み、
前記第2の電流を発生することが、前記第2の誘導コイルを前記接地電位に選択的に接
続することを含む、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの電子デバイスは、電子デバイスへの一次電源を提供するために、リチウムイオン
電池などの電池を用いる。電子シガレット(ベイピングデバイス、eシガレット、ベイプ
ペン、ニコチン蒸発器、ハイブリッドeシガレット、及びリアルタバコeスモークとも称
される)などのいくつかの用途では、電池は、液体又は乾燥タバコを加熱して蒸気を生成
するために使用される加熱素子に給電する。いくつかの従来のシステムは、加熱器を使用
して、最終目標(多くの場合、金属シリンダ)を間接的に加熱する。しかしながら、間接
加熱方法は、所望の温度まで加熱するのに望ましくない時間を要し得、より速い速度で温
度を上昇させることは、電力消費の増加を必要とする。最小回路網を有する誘導加熱を使
用して、最終目標を直接加熱することが所望され得る。
【発明の概要】
【0002】
本技術の様々な実施形態は、誘導加熱のための方法及びシステムを提供する。システム
は、金属シリンダの周りに巻き付けられた第1の誘導コイルと、金属シリンダの周りに巻
き付けられた第2の誘導コイルとを提供し得る。第1の誘導コイルは、第1の方向に電流
を流し得、第2の誘導コイルは、反対の第2の方向に電流を流し得る。電流は、交流配列
で発生され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本技術のより完全な理解は、以下の例示的な図と関連して考慮される場合、詳細な説明
を参照することによって導出され得る。以下の図では、同様の参照番号は、図面全体を通
して類似の要素及び工程を指す。
【0004】
図1】本技術の例示的な実施形態による、誘導加熱法システムを代表的に図示する 。
【0005】
図2】本技術の例示的な実施形態による、システムを動作するためのフローチャー トである。
【0006】
図3】本技術の例示的な実施形態による、第1のスイッチ及び第2のスイッチ並び に対応するパルス信号の動作状態を図示する。
【0007】
図4】本技術の例示的な実施形態による、電池の電圧と電池の相対的な充電状態と の関係を図示するグラフである。
【0008】
図5】本技術の例示的な実施形態による、動作状態のパルス周期と電池の相対的な 充電状態との間の関係を図示するグラフである。
【0009】
図6】本技術の例示的な実施形態による、制御回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術は、機能ブロック構成要素及び様々な処理工程に関して説明され得る。このよう
な機能ブロックは、特定の機能を実行し、様々な結果を達成するように構成された任意の
数の構成要素によって実現され得る。例えば、本技術は、様々な機能を実行し得る、様々
な加熱素子、信号及びパルス発生器、電圧センサ、電流センサ、クーロンカウンタ、論理
ゲート、メモリデバイス、トランジスタ及びコンデンサのような半導体デバイスなどを採
用することができる。加えて、本技術は、任意の数のシステムと共に実施することができ
、説明されるシステムは、この技術のための例示的な用途に過ぎない。更に、本技術は、
電圧を測定すること、電流を測定すること、電池の容量を計算すること、様々な数学的計
算を実行すること、データを記憶することなどのために任意の数の従来技術を採用するこ
とができる。
【0011】
本技術の様々な態様による誘電加熱のための方法及び装置は、家電、ポータブルデバイ
ス、電池式加熱デバイスなどの任意の好適な電子システム及び/又はデバイスと共に動作
し得る。図1を参照すると、例示的なシステム100は、再充電可能電池115によって
給電される加熱素子103と、加熱素子103に供給される電力の量を制御するための制
御回路105と、を含み得る。1つの用途では、システム100は、液体(すなわち、蒸
気カートリッジ)を収容するカートリッジを加熱するために使用される電子シガレット、
及び乾燥タバコ葉又は従来のシガレットを加熱するために使用されるハイブリッド電子シ
ガレットなどの様々な電子シガレットに組み込まれ得る。様々な実施形態では、システム
100は、ユーザが吸引力(すなわち、吹かし)を電子シガレットに適用したときを検出
するためのセンサ192を更に含み得、これは、制御回路105及び/又は加熱素子10
3を起動させる。
【0012】
電池115は、加熱素子103、並びに/又は、制御回路105など、システム100
内にある他の構成要素に電力を供給する。電池115は、充電式リチウムイオン電池など
の充電式電池を備え得る。あるいは、電池115は、ニッケル金属水素化物電池、ニッケ
ルカドミウム電池、又はリチウムコバルト、リン酸鉄リチウム、チタン酸リチウム、若し
くはリチウムポリマー電池のようなリチウム系電池などを含み得る。
【0013】
加熱素子103は、第1の誘導コイル125及び第2の誘導コイル130によって取り
囲まれた中空容器120を備える誘導加熱器として構成され得る。容器120は、磁性材
料、例えば、炭素鋼合金、又は任意の他の合金鋼から形成され得る。例示的な実施形態で
は、容器120は、第1の端部180及び反対の第2の端部185を有するシリンダ形状
であり得る。容器120は、乾燥タバコ、従来のシガレット、又は蒸気カートリッジなど
の物質を保持又は収容するように更に適合され得る。
【0014】
第1の誘導コイル125は、第1の端部160及び第2の端部165を備え得、第1の
誘導コイル125は、容器120の外壁の周りに巻き付けられて、容器120の長さに沿
って螺旋形状を形成し得る。同様に、第2の誘導コイル130は、第1の端部170及び
第2の端部175を備え得、第2の誘導コイル130は、容器120の外壁の周囲に巻き
付けられて、容器120の長さに沿って螺旋形状を形成し得る。様々な実施形態では、各
誘導コイル125、130は、互いに独立して動作する。
【0015】
例示的な実施形態によれば、第1の誘導コイル125の第1の端部160は、電池11
5の正端子(+)に接続され得、第2の端部165は、第1のスイッチ145を介して接
地電位などの基準電圧に選択的に接続され得る。加えて、第2の誘導コイル130の第2
の端部175は、電池115の正端子(+)に接続され得、第1の端部170は、第2の
スイッチ140を介して基準電圧に選択的に接続され得る。
【0016】
代替的に、第1の誘導コイル125の第1の端部160は、電池115の負端子(-)
に接続され得、第2の端部165は、第1のスイッチ145を介して正電圧電位に選択的
に接続され得る。加えて、第2の誘導コイル130の第2の端部175は、電池115の
負端子(-)に接続され得、第1の端部170は、第2のスイッチ140を介して正電圧
電位に選択的に接続され得る。
【0017】
加えて、システム100は、加熱素子103の安定した動作並びに/又は第1の誘導コ
イル125及び第2の誘導コイル130を通る電流の安定した発生を提供するための1つ
以上のコンデンサを備え得る。例えば、第1のコンデンサ155は、第1の誘導コイル1
25の第1の端部160と第2の端部165との間に接続され得る。同様に、第2のコン
デンサ150は、第2の誘導コイル130の第1の端部170と第2の端部175との間
に接続され得る。
【0018】
例示的な実施形態によれば、制御回路105は、第1のスイッチ145及び第2のスイ
ッチ140に信号(又はパルス)を印加することによって、加熱素子103を選択的に動
作させる。例えば、制御回路105は、第1のスイッチ145を選択的に動作させて、第
1の誘導コイル125を介して第1の電流I1を発生するか、又は別の方法で制御し得る
。同様に、制御回路105は、第2のスイッチ140を選択的に動作させて、第2の誘導
コイル130を介して第2の電流I2を発生するか、又は別の方法で制御し得る。各スイ
ッチ140、145は、信号に応答し、かつ2つ以上のデバイス間及び/又は所望の電圧
電位への選択的接続を提供するのに好適な任意のデバイスを含み得る。
【0019】
第1のスイッチ145及び第2のスイッチ140の各々は、電界を使用してデバイスの
電気的挙動を制御する電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)など
のトランジスタを含み得る。多くの異なる実装の電界効果トランジスタが存在する。電界
効果トランジスタは、一般に、低い周波数において非常に高い入力インピーダンスを呈す
るので、望ましい実装であり得る。
【0020】
図1及び図6を参照すると、制御回路105は、センサ192からの入力信号など、様
々な入力信号に従って、電池115、加熱素子120の機能を制御及び/又は管理する。
制御回路105は、所望の出力及び/又は制御信号を提供するために共に動作する様々な
回路及び/又はシステムを含んでいる集積回路を含み得る。加えて、制御回路105は、
電池115に接続され、電圧、電流、温度などの様々な電池特性を測定するように構成さ
れ得る。
【0021】
例示的な実施形態によれば、制御回路105は、電圧センサ198、オン/オフ制御回
路182、論理回路191、メモリ194、パルス発生器190、パルスコントローラ1
97、タイマー193、第1のドライバ196、及び第2のドライバ195を備え得、そ
れらは、一緒に動作して、システム100の様々な機能(例えば、電池115の電圧を測
定すること、電池115の相対的な充電状態を計算すること、所望のパルス周期を決定す
ること、加熱素子103への電力を制御することなど)を制御するか、又は他の方法で管
理する。制御回路105は、単一チップ上の集積回路として形成され得、又は複数のチッ
プにわたって集積され得る。
【0022】
オン/オフ制御回路182は、ユーザが電子シガレットから「吹かし」を取ったかどう
かを示すセンサ192からの信号に応答し得る。そのような場合、オン/オフ制御回路1
82は、1つ以上の起動信号を発生して、様々な動作を起動し得る。例えば、オン/オフ
制御回路182は、論理回路191に起動信号を送信して、論理回路191及び/又はタ
イマー193の動作を起動して、タイマー193の動作を起動し得る。オン/オフ制御回
路182は、センサ192と制御回路105との間のインターフェースとして作用し、制
御回路105内の他の構成要素を起動するのに好適な任意の回路及び/又はデバイスを備
え得る。
【0023】
電圧センサ198は、電池115の電圧を検出かつ/又は測定する。例えば、電圧セン
サ198は、電池115の正端子に接続され得、分圧器に基づいて電圧を測定する従来の
電圧センサを備え得る。電圧センサ198はまた、論理回路191に接続され得、電池1
15の測定電圧を論理回路191に提供するように構成され得る。代替的に、又は加えて
、電圧センサ198は、測定された電圧をメモリ194に送信し得る。
【0024】
論理回路191は、様々な計算を実行し、加熱素子103を動作させるための所望のタ
イミングを決定するように構成され得る。例えば、論理回路191は、電池115の相対
的な充電状態(relative state of charge、RSOC)を決定し、RSOCに基づいてパ
ルス周期を選択するように構成され得る。
【0025】
例示的な実施形態によれば、論理回路191は、オン/オフ制御回路182に接続され
、起動信号に応答し得る。例えば、論理回路191は、論理回路191が起動信号を受信
すると、一連の工程を実行するように構成され得る。
【0026】
加えて、論理回路191は、メモリ194と通信している場合がある。例えば、論理回
路191は、メモリ194にデータを配信し、及び/又はメモリ194からデータを取得
し得る。例示的な実施形態では、論理回路191は、メモリ194に記憶されたデータを
利用して、計算を実行しかつ/又は加熱素子103の動作に関する決定を行い得る。
【0027】
メモリ194は、論理回路191にアクセス可能であり得、様々なデータ点及び/又は
データの集合を記憶するように構成され得る。例示的な実施形態では、メモリ194は、
電池電圧値及び各電圧値に関する対応するRSOC値(図4に示されるデータなど)を記
憶し得る。例えば、メモリ194は、リレーショナルデータを記憶するのに好適なルック
アップテーブル又は任意の他の記憶ソリューション内に、電池電圧値及びRSOC値を記
憶し得る。加えて、メモリ194は、RSOC値、及び各RSOC値に関する対応するパ
ルス周期(図5に示されるデータなど)を記憶し得る。例えば、メモリ194は、リレー
ショナルデータを記憶するのに好適なルックアップテーブル又は他の記憶ソリューション
内に、RSOC値及びパルス周期を記憶し得る。
【0028】
例示的な実施形態では、メモリ194は、RSOC値とパルス周期との間の関係を示す
複数のデータの集合を記憶し得、各データの集合は、加熱素子103(及び対応する目標
電力)の特定の温度に固有である。例えば、加熱素子103が初期状態にあり、温度及び
/又は電力が初期値にあるとき、第1のデータの集合が使用され得る。第2のデータの集
合は、加熱素子103が動作した後に使用され得、加熱素子103の温度は、初期状態の
間よりも高い。
【0029】
パルス発生器190は、論理回路191に応答し得、第1のパルス信号及び第2のパル
ス信号として表され得る出力を発生するように構成され得、第1及び第2のパルス信号は
、非重畳パルスである。例えば、パルス発生器190は、第1のパルス信号及び第2のパ
ルス信号に分割され得る交流パルス波形を発生し得る。代替的に、パルス発生器190は
、2つの別個のパルス信号を発生し得る。パルス発生器190は、交流パルス信号を発生
するのに好適な任意の回路及び/又はシステムを備え得、パルス信号のパルス周期及び/
又はデューティサイクルは制御可能である。
【0030】
一実施形態では、パルス発生器190は、論理回路191からの信号(電圧)に従って
交流配列で「オン」及び「オフ」にされることができるトランジスタの集合を備えるHブ
リッジ回路を備え得る。交流動作配列は、パルス発生器190の第1の出力端子及び第2
の出力端子における反転状態をもたらす。例えば、出力端子における極性は反転され、正
から負に配列を切り換え得る。したがって、1つの端子が正である場合、残りの端子は負
である。この場合、第1の出力端子は、第1のパルス信号を発生し得、第2の出力端子は
、第2のパルス信号を発生し得る。
【0031】
様々な実施形態では、パルス発生器190はまた、タイマー193に応答し得る。タイ
マー193は、カウント値を発生するように構成され得、オン/オフ制御回路182によ
って起動され得る。タイマー193は、パルス発生器190にカウント値を送信し得、パ
ルス発生器190は、論理回路191からの信号及びカウント値に従って、出力波形(並
びに第1及び第2のパルス信号)を発生する。
【0032】
第1のドライバ196は、パルス発生器190の第1の出力端子に接続され、第1のパ
ルス信号を第1のスイッチ145に印加するように構成され得る。同様に、第2のドライ
バ195は、パルス発生器190に接続され、第2のパルス信号を第2のスイッチ140
に印加するように構成され得る。したがって、ドライバ195、196は、スイッチを次
々(交互に)動作する。換言すれば、1つのスイッチがオンである場合、残りのスイッチ
はオフである。ドライバ195、195は、スイッチ140、145などの負荷に信号を
中継及び/又は駆動するのに好適な任意の回路及び/又はデバイスを備え得る。
【0033】
パルスコントローラ197は、パルス発生器190に接続され得、第1及び第2のパル
ス信号の重畳を防止するように構成され得る。パルスコントローラ197は、遅延を提供
するのに好適な任意の回路及び/又はデバイスを備え得る。
【0034】
動作中、及び図1~6を参照すると、制御回路105は、交流様式で第1のスイッチ1
45及び第2のスイッチ140を動作させて、それによって、第1の誘導コイル125及
び第2の誘導コイル130を通じて交流及び反対の電流を発生し得る。加えて、制御回路
105は、電池電圧及びRSOCに基づくパルス周期に従って、第1のスイッチ145及
び第2のスイッチ140を動作させ得る。
【0035】
例示的な動作では、オン/オフ制御回路182は、センサ192からの情報に基づいて
開始条件を起動し得る。例えば、オン/オフ制御回路182は、論理回路191の動作を
起動し得る。論理回路191は、起動されると、メモリ194(200)から目標電力を
取得し得る。目標電力は、システム100の所望の動作仕様及び/又は測定された温度、
及び/又はシステム100を組み込んだデバイスの動作仕様に基づく事前設定値であり得
る。次いで、論理回路191は、電池115(205)の電圧を測定し得る。例えば、論
理回路191は、電圧センサ198を利用して電圧を測定し得る。次いで、論理回路19
1は、電池115(210)のRSOCを決定し得る。例えば、論理回路191は、メモ
リ194から(工程205から)測定された電圧に対応するRSOC値を取得し得る。例
えば、図4を参照すると、測定電圧が3.8Vである場合、対応するRSOCは70%で
ある。
【0036】
次いで、論理回路191は、(工程210から決定されるような)RSOC値に基づい
て、パルス周期を決定し得る(215)。例えば、図5を参照すると、前の工程からのR
SOCが70%である場合、対応するパルス周期は、例えば、約73秒であり、50%の
デューティサイクルを有する。RSOCが増加するについて、パルス周期も増加し、逆も
また同様であるため、RSOC及びパルス周期は、そのように正比例する。
【0037】
次いで、論理回路191は、対応する信号(例えば、電圧又は電流)を発生し、信号を
パルス発生器190に送信し得る。次いで、パルス発生器190は、第1及び第2のパル
ス信号を含む出力波形を発生させ得、第1及び第2のパルス信号は重畳せず、それぞれが
所望のパルス周期を有し(工程215から決定されるように)、第1のパルス信号を第1
のスイッチ145に、第2のパルス信号を第2のスイッチ140にそれぞれ印加する(2
20)。より長いパルス周期は、より低い周波数信号をもたらす一方で、より短いパルス
周期は、より高い周波数信号をもたらす。例示的な用途では、より高い周波数は、シガレ
ット又は乾燥タバコが挿入される容器120上でより高い温度をもたらし、より低い周波
数は、より低い温度をもたらす。
【0038】
各スイッチ140、145がオン及びオフに切り換えられると、各スイッチは、それぞ
れの誘導コイルを接地電位に接続し、それぞれの誘導コイルを通る電流の流れを発生する
。スイッチ140、145は次々に動作されるので、電流の流れもまた次々に発生される
。加えて、誘導コイル125、130が反転様式に配置されるため、第1の電流I1は第
1の方向に流れ、第2の電流I2は反対の第2の方向に流れる。更に、誘導コイル内の反
対の電流は、反対の磁束を発生する。誘導コイル125、130の交流動作は、安定した
磁束、効率的なエネルギー使用、及び容器120の急速加熱を提供し得る。
【0039】
様々な実施形態では、論理回路191は、動作中に加熱素子103の温度が変化するに
つれて、新しい目標電力(230)を取得し得る。次いで、論理回路191は、新しい目
標電力及び/又は温度の変化に基づいて、新しいパルス周期を決定し得る。例えば、論理
回路191は、メモリ194から新しいパルス周期を取得し得る。
【0040】
定期的に、システム100が動作中の間、制御回路105は、新しい電池電圧(205
)を定期的に測定し、新しいRSOC(210)を決定し、新しいパルス周期(215)
を決定し、上記のようにパルス信号をスイッチ140、145(220)に印加して、加
熱素子103の安定した温度を維持し得る。例えば、より高い電圧を有する電池は、シガ
レット又はタバコが挿入される容器120上でより高い温度を提供し、より低い電圧を有
する電池は、より低い温度を提供する。そのため、加熱素子103の温度を安定した状態
に保つために、システム100は、電池電圧(RSOCと反比例する関係を有する)に従
って、パルス信号の周波数を管理する。例えば、電池電圧が高い場合、システム100は
、より低い周波数を有するパルス信号を発生し得、電池電圧が低い場合、システム100
は、より高い周波数を有するパルス信号を発生し得る。
【0041】
前述の説明において、本技術は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきた。
図示及び説明される特定の実装は、技術及びその最良の形態の例示であり、いかなる場合
でも本技術の範囲を別様に限定することを意図するものではない。実際に、簡潔にするた
めに、方法及びシステムの従来の製造、接続、調製、及び他の機能的態様は、詳細に説明
されない場合がある。更に、様々な図に示される接続線は、様々な要素の間の例示的な機
能的関係及び/又は工程を表すことを意図している。実用的なシステムにおいては、多く
の代替的又は追加の機能的関係又は物理的接続が存在し得る。
【0042】
本技術は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、本技術
の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができる。説明及び図面は
、限定的ではなく、例示的に見なされるべきであり、そのような全ての修正は、本技術の
範囲内に含まれることが意図される。したがって、技術の範囲は、単に上述の特定の実施
例によるのではなく、記載されている一般的な実施形態及びそれらの法的等価物により、
決定されるべきである。例えば、任意の方法又はプロセスの実施形態に記載される工程は
、特に明示的な記載のない限り、任意の順序で実行されてもよく、特定の実施例で提示さ
れる明示的な順序に限定されない。更に、任意の装置の実施形態に記載される構成要素及
び/又は要素は、本技術と実質的に同じ結果を生成するために、様々な順列で組み立てら
れるか、ないしは別の方法で動作可能に構成されてもよく、したがって、特定の実施例に
記載される特定の構成に限定されない。
【0043】
特定の実施形態に関する利益、他の利点及び問題に対する解決策が上述されてきた。し
かしながら、任意の利益、利点、問題に対する解決策、又は任意の特定の利益、利点、若
しくは解決策を生じさせるか、又はより顕著にさせ得る任意の要素は、重要な、必要とさ
れる又は必須の特徴若しくは構成要素として解釈されるべきではない。
【0044】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、又はそれらの任意の変形は、
非排他的な包含に言及することを意図しており、そのため、要素のリストを含むプロセス
、方法、物品、組成物又は装置は、記載された要素のみを含むのではなく、そのようなプ
ロセス、方法、物品、組成物又は装置には明示的に列挙されておらず、それらに固有でも
ない他の要素も含み得る。具体的に記載されていないものに加えて、本技術の実施に使用
される上述の構造、配置、用途、割合、要素、材料、又は構成要素の他の組み合わせ及び
/又は修正は、それらの一般原則から逸脱することなく、変更されるか、ないしは別の方
法で特定の環境、製造仕様、設計パラメータ又は他の動作要件に特に適合されてもよい。
【0045】
本技術は、例示的な実施形態を参照して上述されてきた。しかしながら、本技術の範囲
から逸脱することなく、例示的な実施形態に対する変更及び修正が行われてもよい。これ
ら及び他の変更又は修正は、以下の特許請求の範囲で表される本技術の範囲内に含まれる
ことが意図されている。
【0046】
第1の態様によれば、電池によって給電される誘導加熱するための装置は、ノードにお
いて電池の端子に接続された第1の端部を備える第1の誘導コイルと、ノードを介して電
池の端子に接続された第2の端部を備える第2の誘導コイルと、ノードを介して電池の端
子に接続された第2の端部を備える第2の誘導コイルと、第1の誘導コイルの第2の端部
を電圧電位に選択的に接続するように構成されている第1のスイッチデバイスと、第2の
誘導コイルの第1の端部を電圧電位に選択的に接続するように構成されている第2のスイ
ッチデバイスと、を備える。
【0047】
一実施形態では、第1の誘導コイル及び第2の誘導コイルは、単一の磁気シリンダの周
りに巻き付けられ、磁気シリンダは、第1の端部及び第2の端部を備える。
【0048】
一実施形態では、第1の誘導コイルの第1の端部は、磁気シリンダの第1の端部に直接
隣接し、第1の誘導コイルの第2の端部は、磁気シリンダの第2の端部に直接隣接してお
り、第2の誘導コイルの第1の端部は、磁気シリンダの第2の端部に直接隣接し、第2の
誘導コイルの第2の端部は、磁気シリンダの第1の端部に直接隣接している。
【0049】
一実施形態では、装置は、第1の誘導コイルの第1の端部と第2の端部との間に接続さ
れた第1のコンデンサと、第2の誘導コイルの第1の端部と第2の端部との間に接続され
た第2のコンデンサと、を更に備える。
【0050】
一実施形態では、電池の端子は負電池端子であり、電圧電位は正電圧電位である。
【0051】
一実施形態では、電池の端子は正電池端子であり、電圧電位は接地電位である。
【0052】
一実施形態では、第1の誘導コイルは、第1の方向に流れる第1の電流を発生するよう
に構成され、第2の誘導コイルは、反対の第2の方向に流れる第2の電流を発生するよう
に構成されている。
【0053】
第2の態様によれば、電池によって給電される誘導加熱器を動作させるための方法であ
って、誘導加熱器は、第1の誘導コイル及び第2の誘導コイルを有し、本方法は、誘導加
熱器に印加する目標電力を決定することと、電池特性を決定することと、電池特性に従っ
て、パルス信号を発生することと、目標電力及びパルス信号に従って、第1の誘導コイル
を通して、第1の方向を有する第1の電流を発生することと、目標電力及びパルス信号に
従って、第2の誘導コイルを通して、第1の方向とは反対の第2の方向を有する第2の電
流を発生することと、を含む。
【0054】
一実施形態では、電池特性を決定することは、無負荷状態の間に電池の電圧を測定する
ことと、測定された電圧に基づいて電池の相対的な充電状態を決定することと、を含む。
【0055】
一実施形態では、電池特性に従ってパルス信号を発生することは、決定された相対的な
充電状態に基づいてパルス周期を決定することと、決定されたパルス周期に基づいてパル
ス信号を発生することと、を含む。
【0056】
一実施形態では、パルス周期の長さは、相対的な充電状態の値に正比例する。
【0057】
一実施形態では、第1の電流を発生することは、発生されたパルス信号の第1の部分に
従って第1のスイッチを動作させることを含み、第2の電流を発生することは、発生され
たパルス信号の第2の部分に従って第2のスイッチを動作させることを含む。
【0058】
一実施形態では、発生されたパルス信号の第1の部分及び発生されたパルス信号の第2
の部分は、非重畳パルスである。
【0059】
一実施形態では、第1の電流を発生することは、第1の誘導コイルを接地電位に選択的
に接続することを含み、第2の電流を発生することは、第2の誘導コイルを接地電位に選
択的に接続することを含む。
【0060】
第3の態様によれば、システムは、ノードにおいて電池の正端子に接続され、かつセン
サ信号に応答する制御回路と、ノードを介して制御回路及び電池に接続された誘導加熱装
置であって、磁気シリンダの周りに巻き付けられ、かつノードに接続された第1の端部を
備える、第1の誘導コイルと、磁気シリンダの周りに巻き付けられ、かつノードに接続さ
れた第2の端部を備える、第2の誘導コイルと、を備える、誘導加熱装置と、制御回路に
応答し、かつ第1の誘導コイルの第2の端部に接続された第1のスイッチデバイスと、制
御回路に応答し、かつ第2の誘導コイルの第1の端部に接続された第2のスイッチデバイ
スと、を備える。
【0061】
一実施形態では、第1及び第2のスイッチデバイスはまた、接地電位に接続される。
【0062】
一実施形態では、第1の誘導コイルの第1の端部は、磁気シリンダの第1の端部に直接
隣接し、第1の誘導コイルの第2の端部は、磁気シリンダの第2の端部に直接隣接してお
り、第2の誘導コイルの第1の端部は、磁気シリンダの第2の端部に直接隣接し、第2の
誘導コイルの第2の端部は、磁気シリンダの第1の端部に直接隣接している。
【0063】
一実施形態では、システムは、第1の誘導コイルの第1の端部と第2の端部との間に接
続された第1のコンデンサと、第2の誘導コイルの第1の端部と第2の端部との間に接続
された第2のコンデンサと、を更に備える。
【0064】
一実施形態では、制御回路は、第1のパルス信号及び第2のパルス信号を発生するよう
に構成され、第1及び第2のパルス信号は、非重畳パルス信号である。
【0065】
一実施形態では、第1のスイッチデバイスは、第1のパルス信号に応答し、第2のスイ
ッチデバイスは、第2のパルス信号に応答する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源である電池によって給電される誘導加熱を行う電子シガレットであって、
ノードにおいて前記電池の正極端子に接続された第1の端部を備える第1の誘導コイルと、
前記ノードを介して前記電池の前記正極端子に接続された第2の端部を備える第2の誘導コイルと、
前記第1の誘導コイルの第2の端部を接地電位に選択的に接続するように構成されている第1のスイッチデバイスと、
前記第2の誘導コイルの第1の端部を前記接地電位に選択的に接続するように構成されている第2のスイッチデバイスと、
パルス発生器と、
前記パルス発生器と接続され、前記第1のスイッチデバイスに第1のパルス信号を供給するように構成された第1のドライバと、
前記パルス発生器と接続され、前記第2のスイッチデバイスに第2のパルス信号を供給するように構成された第2のドライバと、
を備え、
前記第1のドライバと前記第2のドライバとは、前記第1のスイッチデバイスと前記第2のスイッチデバイスとを交互に動作させるように構成され、
前記第1の誘導コイルの前記第2の端部は、前記第1の誘導コイルの前記第1の端部及び前記第2の誘導コイルの前記第2の端部よりも、前記第2の誘導コイルの前記第1の端部に直接に隣接して配置され、
前記第2の誘導コイルの前記第2の端部は、前記第2の誘導コイルの前記第1の端部及び前記第1の誘導コイルの前記第2の端部よりも、前記第1の誘導コイルの前記第1の端部に直接に隣接して配置されている、電子シガレット。
【請求項2】
請求項1に記載の電子シガレットであって、前記パルス発生器は、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号とがオーバーラップしないように動作するように更に構成された、電子シガレット。
【請求項3】
請求項1に記載の電子シガレットであって、前記第1の誘導コイル及び前記第2の誘導コイルが、単一の磁気シリンダの周りに巻き付けられ、前記磁気シリンダが、第1の端部及び第2の端部を備える、電子シガレット。
【請求項4】
請求項1に記載の電子シガレットであって、
前記第1の誘導コイルの前記第1の端部と前記第2の端部との間に接続された第1のコンデンサと、
前記第2の誘導コイルの前記第1の端部と前記第2の端部との間に接続された第2のコンデンサと、
を更に備える、電子シガレット。