(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011345
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】装飾体及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
B44C 3/12 20060101AFI20250117BHJP
B27M 3/24 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B44C3/12
B27M3/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113372
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】523113331
【氏名又は名称】株式会社継ぐ
(74)【代理人】
【識別番号】100195970
【弁理士】
【氏名又は名称】本夛 伸介
(74)【代理人】
【識別番号】100204847
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 佳代子
(72)【発明者】
【氏名】三宅 義紀
【テーマコード(参考)】
2B250
【Fターム(参考)】
2B250AA15
2B250BA03
(57)【要約】
【課題】本発明は、装飾体及びその作製方法に係り、例えば、自宅の応接室、リビング、玄関などはもちろん、商業施設やホテル・旅館の宿泊施設、公共施設などのロビー、廊下などの室内やアウトリビングやガーデンなどの屋外に配置し、アメニティ空間等を演出するために用いられる装飾体及びその作製方法を提供するものである。
【解決手段】本発明によれば、基本構成を保持部、支持部および装飾部の3つを必須要素として構成し、適宜に装飾空間を想定した固定具を備える装飾体とその作成方法を提供することによって、老若男女のユーザーが所定のキットを組立てながらオリジナルのデザイン装飾を楽しむことができるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの装飾部材と、保持部材とを備え、
前記支持部材は、支持部と取付部とを有し、
前記保持部材は、前記支持部を保持し、前記装飾部材は、前記取付部に取り付けられること、を特徴とする装飾体。
【請求項2】
前記保持部材は柱状であって、複数の前記支持部材が放射状に取り付けられ、立体形状を構成すること、を特徴とする請求項1に記載の装飾体。
【請求項3】
前記立体形状は球状であること、を特徴とする請求項2に記載の装飾体。
【請求項4】
前記保持部材の一端、もしくは全体を嵌入する土台部を有すること、を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1の請求項に記載の装飾体。
【請求項5】
前記装飾部材は磁石を備え、前記取付部は磁性体から成り、当該装飾部材は当該取付部に磁力により取り付けられること、を特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の装飾体。
【請求項6】
前記装飾部材は木材により形成されること、を特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の装飾体。
【請求項7】
少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの装飾部材と、保持部材とを備える装飾体の作成方法であって、前記装飾体の保持部材には、前記装飾部材を取付ける部位と該取付部を支持する部位を備えた前記支持部材を篏合または係止によって保持させ、全体形成された任意の空間に対して任意形態の装飾部材を接合または接着させることによってデザイン構成させることを特徴とする装飾体の作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾体及びその作製方法に係り、例えば、自宅の応接室、リビング、玄関などはもちろん、商業施設やホテル・旅館の宿泊施設、公共施設などのロビー、廊下などの室内やアウトリビングやガーデンなどの屋外に配置し、アメニティ空間等を演出するために用いられる装飾体、及びその作製方法に関するものである。また、新築祝い、開店祝い、出産祝い、合格祝い等々のお祝いのギフトとしての最適な装飾体、及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ギフトとして贈られるオブジェはある程度限られており、受取手の「感動を生む」オブジェは数少ない。オブジェそのモノ自体の形や風合いを楽しむだけのものや「組み合わせ可能」と謳っていても、商品内で何かを組み合わせるような使い方ではなく、複数の類似商品を寄せ集めての飾り方の提案でしかないものがほとんどである。つまり、ギフトとして贈られるオブジェは「作り終えたら飽きる」商品が大半であるといえる。
そこで、本願発明者は、「作り終えたら終わり」の商品が多い中、ギフトの受取手自身がカスタマイズできるオブジェであって、オプションパーツが豊富にあり、受取手自身のアイデアでオリジナルの組み合わせを作り出す楽しみが続くような商品として本願記載の装飾体を発明したものである。
【0003】
本願記載の装飾体は、飾る場所を選ばず、作る楽しみ、その後のワクワク感、作成過程や展示中の家族のコミュニケーション、装飾体への飽きが来ないことによるギフトの送り手へ感謝に起因する「人との繋がり」を感じることができるものである。
より具体的には、いつまでも枯れる事のない華(花・緑)を演出する「木のインテリア」または「新たな贈り物」として、簡単な組み立てで、かつカスタマイズ(オリジナル化)も楽しめる老若男女を問わない装飾体を発明したものである。
装飾体は、誰が作製しても簡単に綺麗な形を再現できるような骨組みを有し、装飾部材の大きさを揃えることで、装飾部材の取り付け位置を選ばずにユーザーの好きな場所に好きな装飾部材を取り付けることが可能となる。
装飾体は、ギフトとして喜ばれるように、取り付ける装飾部材の色や形、素材を変えることで簡単に模様替えができるものである。
装飾部材の一例として華の形状とした。華の種類も様々で、梅・桜を基本とした伝統工芸品の華のシリーズや好きな色を塗ってオリジナル化できる華そしてユーザーのアイデアでカスタマイズできるような構成としている。
【0004】
装飾部材を脱着可能としたことで、装飾部材の取り替えが容易になり、ユーザー自身が簡単にカスタマイズすることが可能となる。
例えば、季節やイベントに合わせて装飾部材を変更することで、気分や時期に合わせて空間を彩ることができる。ユーザーのアイデア次第で色々な使い方ができ「私だったらこうやって使いたいな」という意見が出てくる、人間の感性や想像力を刺激する装飾体となっている。
また、いわゆるSDGSの観点からすれば、装飾体を組み立て式とすることで、ギフトの輸送にあたって、完成品を送るために使用されるような大きなボックスを準備する必要もないものであり、資源無駄の削減にも資するものである。
【0005】
従来の技術、例えば、特許文献1は、立体感がありリアル性に富み、デザイン性、オリジナル性、ユニーク性に優れた新しい表現により、インテリア感、趣味感、アッピール力、告知力等を、大きく向上させるために、元となる画像の濃淡に対応した凹凸を、光を透過可能な素材板表面に切削形成して、裏面側に光源を置いて照射することにより、コントラストが付加された立体感画像を表示するようにしたものである。
特許文献2は、基礎資材や仕上げ資材を、パーテーション、ステージ、外壁、内壁、床、天井、照明灯、照明看板、机、椅子、カウンター、簡易階段、家具、陳列棚、収納棚、ディスプレイ、オブジェなど用途を問わず、内装建造物、外装建造物、仮設建造物、インテリア用品など幅広い分野で利用・再利用し、建造物・創物を構築、再構築していくシステムを提供するために、アルミ、スチールなどの金属素材による立体骨組みの基礎資材をボルトなどで用途にあわせた形状に組み合わせ、必要に応じて様々な素材・デザインの壁材、床材、天井材、扉、棚板、照明器具などの仕上げ資材を取り付け、建造物・創作物を構築、再構築していくものである。
【0006】
しかし、特許文献1開示の技術、及び特許文献2に開示の技術は、本願発明の着想によるものとは全く異なっている。すなわち、本願発明のように「支持部材の取付部に脱着可能に装飾部材が取り付けられ、当該装飾部材は適宜変更可能であり、支持部材の形状、保持部材の数や形状を変更することで様々な形状の骨組みを形成することができ、かつ、ユーザー所望の形状、装飾にカスタマイズ可能な装飾体を作製すること」ができるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-50713号公報
【特許文献2】特開2004―224016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、装飾体の形状や装飾部材を変更することで、ユーザーが所望の形状、装飾にカスタマイズ可能な装飾体、及びその作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題解決のため、種々検討した結果、ユーザーが所定のキットを組立てながらオリジナルのデザイン装飾を楽しめるように、基本構成を保持部、支持部および装飾部の3つを必須要素として構成し、適宜に装飾空間を想定した固定具(土台部)を備える装飾体とその作成プロセスを享受できる方法を着想するに至り、本発明を構成し完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明によれば、次の装飾体とその作成方法によって所望の目的が達成されるものである。
(1)少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの装飾部材と、保持部材とを備え、
前記支持部材は、支持部と取付部とを有し、
前記保持部材は、前記支持部を保持し、前記装飾部材は、前記取付部に取り付けられること、を特徴とする装飾体。
(2)前記保持部材は柱状であって、複数の前記支持部材が放射状に取り付けられ、立体形状を構成すること、を特徴とする(1)に記載の装飾体。
(3)前記立体形状は球状であること、を特徴とする(2)に記載の装飾体。
(4)前記保持部材の一端、もしくは全体を嵌入する土台部を有すること、を特徴とする(1)から(3)のうちのいずれか1に記載の装飾体。
(5)前記装飾部材は磁石を備え、前記取付部は磁性体から成り、当該装飾部材は当該取付部に磁力により取り付けられること、を特徴とする(1)から(4)のうちのいずれか1に記載の装飾体。
(6)前記装飾部材は木材により形成されること、を特徴とする(1)から(5)のうちのいずれか1に記載の装飾体。
(7)少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの装飾部材と、保持部材とを備える装飾体の作成方法であって、前記装飾体の保持部材には、前記装飾部材を取付ける部位と該取付部を支持する部位を備えた前記支持部材を篏合または係止によって保持させ、全体形成された任意の空間に対して任意形態の装飾部材を接合または接着させることによってデザイン構成させることを特徴とする装飾体の作成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のとおり、基本構成を保持部、支持部および装飾部の3つを必須要素として構成し、適宜に装飾空間を想定した固定具を備える装飾体とその作成方法を提供することによって、老若男女のユーザーが所定のキットを組立てながらオリジナルのデザイン装飾を楽しむことができる効果を与え得るものであり、装飾部材の加工や追加によって数多くのバリエーションを生み、制作途上の演出空間は、保持部における支持部の篏合や係止の採択方法に加え、支持部素材の長短による組み合わせ方によって任意の装飾の取付空間が創出でき、個々の個性的なオリジナルデザインの装飾が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態における装飾体1の構成の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態における支持部材12の構成の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態における支持部材12、保持部材13、土台部14の構成の一例を示す側面図である。
【
図5】第1実施形態における保持部材13の構成の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における装飾部材15の構成の一例を示す図である。
【
図7】第2実施形態における装飾体2の構成の一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態における装飾体2を立てかけるためのスタンドの構成の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態における装飾体2の構成の一例を示す斜視図である。
【
図10】第2実施形態における装飾体2の構成の一例を示す断面図である。
【
図11】第2実施形態における装飾体2の構成の一例を示す図である。
【
図12】第2実施形態における装飾体2の構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の装飾体における好適な実施の形態について、
図1から
図12を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
装飾体は、支持部材、保持部材、土台部、及び装飾部材から構成され、装飾部材は支持部材の取付部に取り付けられ、保持部材は支持部材の支持部を保持し、土台部は保持部の一部、又は全体を嵌入する。
装飾部材は支持部材の取付部に脱着可能に取り付けられる。装飾体は、装飾に用いる装飾部材を適宜変更可能であり、支持部材の形状、保持部材の数や形状を変更することで様々な形状の骨組みを形成することができる。
また、装飾体は、規定の骨組みを提供し、装飾部材の大きさを揃えることで、ユーザーの手腕に関わらず、簡単に綺麗な形状を再現することできる。
【0014】
(2)実施形態の詳細
図1は、第1実施形態が適用される装飾体1の一例を表したものである。
装飾体1は、支持部材12、保持部材13、土台部14、装飾部材15から構成される。装飾体1は、略球状に構成され、装飾部材15は花を模した形状を採用し、保持部材13を幹に見立て、装飾体1全体として木の形状を模すように構成したものである。
図2は、支持部材12の構成を示す一例である。
支持部材12は、取付部121と支持部122からなる。取付部121と支持部122は連続して構成され、支持部材12の一端側が取付部121となり、これに対応する他端側が支持部122となる。
【0015】
取付部121は装飾部材15が取り付けられ、支持部122の端は、保持部材13に保持される。
取付部121は、平面に形成される。
図2においては、取付部121は支持部122に対して角度を有するが、支持部材12を取り付ける位置によっては、取付部121と支持部122は同一の平面として構成しても良い。
また、装飾体1の形状によっては、取付部121に取り付けられる装飾部材15の数は一つに限らず、一つの取付部121に複数の装飾部材15を取り付けても良い。例えば、装飾体1の形状を立方体とする場合、その上面においては、立方体の上面の中央の位置に上面の縦の長さと同じ長さであって、保持部材13を挿入するための孔123を設けられる幅を有する支持部122を設け、これを中心に上面の横方向左右に横方向左右の端に至る長さまで複数の取付部121を設けることができる。この場合には、取付部121に複数の装飾部材15を取り付けることができる。
【0016】
第1実施形態においては、装飾部材15は、磁力により取付部121へ取り付けられる。取付部121は磁性体で形成され、装飾部材15は磁石を備える。装飾部材15と取付部121へ取り付ける方法は磁力に限られない。例えば、取付部121に取り付けられる装飾部材15が揺れるように、取付部121をフックとし、装飾部材15を取付部121へ引っ掛けて取り付けるよう構成しても良い。装飾部材15が揺れる構成とすることができる。この他、凹凸や雄雌の組み合わせによって取付部121へ装飾部材15を取り付けるようにしてもよい。
また、
図2では、支持部122は平板からなるが、後述する第2実施形態に示すように棒状等に構成しても良い。
【0017】
支持部122の端は保持部材13に保持される。支持部122は孔123を有する。当該孔123は保持部材13の形状に併せて形成される。孔123の径は、保持部材13の内柱131の径より大きく、外柱132の径より小さい。支持部材12は保持部材23の内柱131と外柱132に挟持されて保持される。
この他、支持部122が保持部材13に保持される部位の形状は、孔に限られるものではなく、保持部材13の形状によって適宜採用することができる。例えば、保持部材13に溝があれば当該溝に支持部材12が篏合または係止するよう構成しても良い。
【0018】
図3は第1実施形態における支持部材12を示す図である。
装飾体1を略球状とするため、支持部材12は、円を描くように構成される。支持部材12の中心を円とし、これを中心に複数の支持部122を放射状に配している。支持部材12の中心には孔123を備え、当該孔に保持部材13が挿入される。支持部材12は、孔123を中心に、各支持部12は同一の長さに構成される。このように支持部材12が複数の支持部122をもつ構成とする他、一つの取付部121と一つの支持部122、及び孔123を持つ支持部材12を複数重ね、孔123に保持部材13を挿入し、保持部材13を中心に各支持部材12を放射状に配置して構成しても良い。この場合には、装飾体1の作製はよりフレキシブルとなり、支持部材12もより汎用的に使用される。一方、
図3に示すような放射状に配されて形成される支持部材12を使用する場合には、ユーザーの技量に左右されず、いずれのユーザーが装飾体1を作製しても同一の略球状とすることができる。
【0019】
図3における支持部材12に備えられる各支持部122間の距離は、装飾部材15の大きさによって決定される。装飾体1は、
図1に示すように、全体に均等に装飾部材15が配置されるものであり、装飾部材15の大きさと各支持部122との間隔はそれぞれ装飾部材15の大きさ、又は支持部材12の間の距離から決定されることで、装飾体1を作製するユーザーのいずれが作製したとしても、装飾部材15をバランスよく配置することができる。
第1実施形態においては、装飾体1は略球状であり、これを構成する支持部材12も円型であるが、装飾体1の形状が他の形状である場合には、支持部材12の形状も装飾体1の形状に応じて構成することができる。
【0020】
図4は、第1実施形態における支持部材12、保持部材13、土台部14の側面を示す図である。
装飾体1を略球状とするため、直径の異なる複数の支持部材12を水平に配置することで球の形状の骨組みを形成している。支持部材12の形状、及びその配置によって装飾体1の形状は可変である。例えば、装飾体1を立方体とする場合には同一の形状の支持部材12を複数配置することで立方体の骨組みを形成することができる。
この他、支持部材12の構成によって、三角錐や円柱等様々な立体形状を形成することができる。支持部材12の長短を組みわせることによっては、想像を超えたデザイン空間を演出する骨格となり、そのバリエーションは多岐にわたる。
【0021】
本事例で示す装飾体1は、6段層の支持部材121から構成される。各支持部材121間の高さ方向の距離は、装飾部材15の大きさによって決定される。装飾体1は、
図1に示すように、全体に均等に装飾部材15が配置されるものであり、装飾部材15の大きさと各支持部材12との間隔はそれぞれ装飾部材15の大きさ、又は支持部材12の間の距離から決定されることで、装飾体1を作製するユーザーのいずれが作製したとしても、装飾部材15をバランスよく配置することができる。
【0022】
各支持部材12の取付部121は、装飾体1の形状によってその角度を決定することができる。装飾体1は、略球状であることから、装飾体1の側面が略球状となるように支持部材12の角度が決定される。装飾体1の上段1段目から4段目までの支持部材12は、その取付部121が支持部122に対して下向きになるよう配設される。上段から5,6段目は、支持部122に対し、取付部121は上向きになるよう構成されている。2段目と6段目、3段目と5段目はそれぞれ同一の支持部材が使用される。取付部121の向きが対向するよう配設されるものであり、同一の部材の使用により、より汎用的な部材とすることができる。
装飾体1をより自由にカスタマイズために、取付部121を可動にしても良いし、支持部122の長さ可変とすることができるようにしてもよい。
なお、これらの段構成は、構成される空間デザインの形態によって適宜変更され得るものである。
【0023】
図5は保持部13の構成を示す図である。
保持部13は、支持部材12を保持する。
保持部13は、内柱131と外柱132からなる。保持部材13は、外柱132によって支持部材12を挟持して保持する。具体的には、外柱132は管状であって、保持部材13は、内柱131の外側に外柱132を備える2重構造となる。外柱132の孔の内径は内柱131の外径より大きく形成される。外柱132の厚みは、支持部材12を挟持できる厚みであれば良い。外柱132は、支持部材12を高さ方向に保持する位置と同じ長さに形成される。内柱131に添って外柱132が挿入され、続いて支持部材12が内柱131に挿入される。続いて外柱132が内柱131に挿入され、支持部材12は外柱132に挟持されることとなる。
この他、保持部材13は内柱131のみで構成し、内柱131の任意の位置に水平方向の溝を複数設け、当該溝に支持部122を係止するようにしても良い。
本実施形態においては、保持部材13は一つとしたが、複数本としてもよく、また、一本の木から複数の枝が伸びるように、保持部材13を途中から分岐させて複数の内柱131、これに対応する外柱132を有するように構成しても良い。
【0024】
図4に戻り説明する。装飾体1は土台部14を備える。装飾体1の土台14は保持部材13を嵌入する孔141を備え、孔141に保持部材131を嵌入して、保持部材13、支持部材12、装飾部材15を支える。土台部14はドーム状に形成される。
本実施形態において土台部14は1つの孔141を備えるが、孔141を複数備え、複数の保持部材13を支えるようにしてもよい。
また、土台部14は本実施形態のほか、壁や天井等を土台14としても良い。
【0025】
図6は装飾部材15の構成を示す図である。
装飾部材15は、装飾体1を装飾する。装飾部材15は、装飾面151と取付面152を備える。
装飾面151は、花を模した形状に形成される。装飾面151は平面にも立体にも表現される。
取付面152は支持部材12の取付部121に取り付けられる。装飾体1では、取付面152は磁石を備える。
【0026】
装飾体1においては、装飾部材15は花を模しているが、装飾部材15の形状は花に限られない。本発明は、「いつまでも枯れることのない華(花・緑)」を演出するものであるから、花のほか、緑(葉)でも良い。また、装飾体1を飾る季節、例えば梅雨であれば紫陽花であったり、夏であれば緑の中に蝉など、時期であれば、正月、ハロウィン、クリスマスなどのイベントに応じたデザイン修飾やキャラクターをあしらった装飾部材15を提供することができる。
この他、一日1枚ずつ装飾部材15を取付部121に取り付けていく、もしくは取り外していく、アドベントカレンダーのような使用をすることも可能であり、この場合には装飾体1は、必要な日数分の装飾部材15を備えるよう設計する。
これら、アミューズメントのテーマにおいては、例えば、ファンタムライトなどの併用によって幻想的なデザインの演出を図ることも採用しうるものである。
【0027】
また、本発明は、ギフトとして贈られ、贈られた先でも永く装飾品として楽しんでもらうことを目的としていることから、装飾部材15にメッセージを記入し、これを取り付けてギフトとすることができる。
したがって、装飾部材15は様々な形状および形態を取ることができるものであり、その装飾面151の加工においても、装飾部材15の目的、例えば、メッセージが記入されるのであれば文字の記入に適した表面加工を施すなど、に応じて適宜実施できるものである。
装飾体1においては、装飾部材15は木材によって形成される。本願実施形態においてはヒノキを利用している。装飾体1の外観の他、ヒノキの香りを楽しむことができる。装飾部材15は、木材のほか、金属、陶器、布、紙、プラスチック、ドライフラワーなど、種々の素材を用いることができる。装飾部材15の取付面152は、装飾部材15の素材によっても適宜変更可能である。例えば、装飾部材15が陶器であって、その重量から磁石では支持部材22への取付への強度が弱い場合には、取付面152、もしくは取付部121の夫々凹凸として嵌合等するようにしても良い。
【0028】
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。
ユーザーは土台部14の孔141へ保持部材13の内柱131を嵌入し、最下段となる外柱132を内柱131の上部から挿入し、孔141へ嵌入する。
続いて、ユーザーは、最下段の支持部材12を内柱131上部から挿入し、続く順番の外柱132を内柱131へ挿入する。以降、ユーザーは、すべての支持部材12が保持部材13に挿入され、外柱132に挟持されるまで同一の作業を繰り返す。
これにより装飾体1の骨格が完成し、ユーザーは支持部材12の取付部121へ装飾部材15を取り付ける。装飾部材15の取り付けにおいては、ユーザーは所望の位置に所望の装飾部材15を取り付けることができる。
【0029】
以上説明したように第1実施形態の装飾体1によれば、装飾部材15は支持部材12の取付部121に脱着可能に取り付け、装飾に用いる装飾部材15を適宜変更可能であり、支持部材12の形状、保持部材13の数や形状を変更することで様々な形状の骨組みを形成することができることとしたので、ユーザーが所望の形状、装飾にカスタマイズ可能な装飾体を作製することができる。
【0030】
次に、第2実施形態について説明する。
説明した第1実施形態では土台部14をドーム状のスタンドとして保持部材13に嵌合する孔141を設けて、孔141に保持部材13を嵌入することしたので、装飾体1はその側面、及び背面等も鑑賞可能であることとしたのに対し、第2実施形態では、保持部材23を平面とし、土台部24を額とするようにしたものである。
図7、
図11は、第2実施形態における装飾体2の構成図を表したものである。
なお、
図1で示した第1実施形態と同一の箇所については同一の符合を付して、適宜その説明を省略することとする。
【0031】
図7においては、装飾体2は装飾部材15が平面から浮き上がるように構成され、装飾部材15は花を模した形状を採用し、装飾体2全体として凹凸から流線形の流れのある動きを感じられるように構成したものである。
図8は、土台部24により額装された装飾体2を起立した状態で支えるスタンドである。2本の突起物に装飾体2の背面を立てかけて使用するものである。装飾体2は、主に壁面に掛けたり、
図8に示すようなスタンドに立てて鑑賞されるものである。
【0032】
装飾体2は、装飾体1と同様に支持部材22、保持部材23、土台部24、装飾部材15から構成される。
図9は
図7に示す装飾体2の斜視図、
図10は装飾体2の保持部材23、支持部材22、装飾部材15の断面を表した図である。
保持部材23は、平面状のパネルである。パネルの素材は、紙、板、その他公知の素材を用いることができるが、その素材と厚みからなる強度が、装飾部材15が取り付けられた各支持部材22を保持するに足るものであることが望ましい。
支持部材22は円柱状であって、支持部222は保持部材23に粘着によって保持される。粘着には公知の粘着剤を用いることができる。
【0033】
本実施形態においては、支持部材22は粘着により保持部材23に保持されるが、保持部材23を磁性体とし、支持部材22の支持部222に磁石を取り付けることによって支持部材22を保持部材23が保持するようにしても良い。本願実施形態において、磁性体とは、鉄やステンレスなどの磁石につく性質をもつ物質のことをいう。支持部材22を粘着により保持部材23に保持する場合に比して支持部材23の移動が容易であり、ユーザーは装飾体2のデザインを自由に変更することができる。支持部材22を磁力によって保持部材23に保持する場合には、装飾部材15、及び保持部材23を磁性体とし、支持部材22の取付部221、及び支持部222に磁石を設けても良い。この場合においては、支持部材22を磁石で形成することもできる。
【0034】
本実施形態における支持部材22は円柱状であるが、角柱状などの形状でも良く、支持部材22が装飾部材15を安定して支持し、かつ、保持部材23が支持部材22を安定して保持できる形状であれば良い。
支持部材22の素材は、木、金属、紙、プラスチックなど、適宜選択可能である。装飾体2の鑑賞時には、支持部材22は装飾部材15に遮られ支持部材22がユーザーの目にふれることはあまりないが、装飾部材15を構成する素材と同一の素材で支持部材22を構成することで、装飾部材15と支持部材22とをまとまりをもって感じることができる
また、装飾部材15の素材や形状によっては支持部材22をより目立たない素材、形状とすることができる。より具体的には、装飾部材15が透明度の高い素材、例えばガラスなど、で構成される場合には、支持部材22の素材としては透明なアクリルを選択しても良いし、円柱の中央部分がくびれた形状等とすることで、支持部材22を目立たなくすることができる。
【0035】
支持部材22の取付部221は磁力によって装飾部材15が取り付けられる。
図10に示すように、装飾部材15の取付面152はマグネットを備え、支持部材22の取付部221は磁性体を備える。支持部材22の取付部221への装飾部材15の取付は、第1実施形態で述べたように磁力に限られず、凹部と凸部による嵌合や螺合、フック等によって行うことができる。
図12は、
図11示す装飾体2の斜視図である。
図11に示す装飾体2は、
図7と同様に、装飾部材15が平面から浮き上がるように構成される。装飾体2全体として装飾部材15が形成する凹凸から起伏のある動きを感じられるよう構成されたものである。
このように、装飾体2は、各支持部材22の高さを変更することで様々な立体形状を作製することができる。
【0036】
この他、本実施形態においては、支持部材22は保持部材23に対して垂直に保持されるが、支持部材22の支持部222の保持部材23に接する角度を変更することでも装飾体2は様々な立体形状を取ることができる。支持部222の保持部材23に接する角度を変更することで、装飾部材15を様々な角度で鑑賞することができるものであり、例えば、パネルである保持部材23上に、ドーム状や半円柱の形状などを構成することができるものである。
装飾体2において、装飾部材15を様々な角度で鑑賞するにあたっては、支持部222の保持部材23に接する角度を変更するほか、支持部材22の取付部221への装飾部材15の取付角度を変更することでも対応可能である。例えば、
図2に示す第1実施形態の取付部221のように、支持部材22本体に対して取付部221の角度を90度以外の任意の角度としてもよく、取付部221を可動可能としても良い。取付部221を可変とするのではなく、装飾部材15の取付面152を可動可能としてもよい。
【0037】
第2実施形態では、保持部材23をパネルとして支持部材22を粘着により保持しているが、保持部材23をレール状として、これをパネルに嵌入するようにしても良い。この場合には、パネルが土台部24となる。
より具体的には、保持部材23は、支持部材22を嵌合、又は係止して保持するためのレール状に構成される。レールの形状は、例えば、一般的なカーテンレール形状(レールの断面がアルファベットのCに似ていることからC型と呼ばれる形状、同様に、レールの断面図から角型やD型と呼ばれる形状)等の形状を想起するものである。当該レール状に構成される保持部材23を土台部24であるパネル嵌入する。
【0038】
支持部材22の取付部221は上述の第1実施形態、第2実施形態と同様である。
支持部材22の支持部222は、第1実施形態においては孔124によって保持部材13に保持されるが、本実施形態においては、支持部222はL字型、T字型に構成され、保持部材23に篏合または係止して保持される。支持部222の形状は、保持部材23の形状とともに決定される。
保持部材23は、上述の通り、レール状であって、金属製などの棒状の部材である。
保持部材23の開口部の形状によって、支持部材22の支持部222の形状が決定される。より具体的には、開口部、例えば保持部材23の断面がC字状であれば、その断面におけるCの文字の始点と終点の間に設けられ空間であるが、当該開口部が、保持部材23の断面における開口部の位置する側面において、当該側面の中央に近い場合には支持部材22はT字型が好ましく、開口部が当外側面の上下のいずれかに近い場合には、支持部材22の支持部222はL字型の形状とすることが好ましい。
【0039】
また、保持部材23と、保持部材23に嵌合又は係止される支持部材22は、装飾体2を動かす際に支持部材22の位置が移動することのないよう取り付けられることが好ましい。つまり、保持部材23と、保持部材23に嵌合又は係止される支持部材22とは、できるかぎり互いが接することで、支持部材22が保持部材23に遊び少なく嵌合または係止されることが好ましい。この場合において「遊び」とは、保持部材23と、保持部材23に嵌合又は係止される支持部222との間にできる空間のことであり、当該空間を全くないものとすれば、保持部材23への支持部材22の脱着が行いづらいことになることから、保持部材23、支持部222の形状は、保持部材23へ支持部材22の脱着が容易であって、かつ、支持部材22が保持部材23に嵌合又は係止される際に、支持部材22が保持部材23上で容易に移動することがない形状とすることが好ましい。したがって、支持部材22の支持部222の形状と、保持部材23の形状は、支持部材22が保持部材23に遊び少なく嵌合又は係止される形状であれば良い。
なお、支持部材22の保持部材23への嵌合又は係止は、保持部材23の開口部正面から支持部材22を挿入しても良いし、一般的なカーテンレールのように、保持部材23の長手方向の端を開口し、当該開口から順に支持部材22を挿入するようにしても良い。
保持部材23は、土台部24へ設けられる溝241へ嵌入される。
土台部24は、通常の額においては絵画等が配置される面である。土台部24は、保持部材23を嵌入するための溝241を有する。
【0040】
次に、以上のように構成された第2実施形態の動作について説明する。
図7、
図11に示すように、支持部材22の高さが最も低いものでは、装飾部材15は、保持部材23の表面に近傍する位置となるように支持部222の長さが構成される。順次支持部222の長さを長くし、保持部材23に敷き詰めるように装飾部材15が配置される。
支持部222の長さを変えることで、装飾体2を正面から見た場合に、緩やかな波型となるように支持部材22を構成するものである。
【0041】
以上、本発明の装飾体における実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、支持部材の取付部の角度は固定としたが、これを可動可能としてもよいし、支持部の長さも固定としているが、これを伸縮可能とすることができる。
この他、土台部はスタンド、もしくはパネル、額としているが、例えば壁を土台部として壁面へ保持部材を嵌入しても良い。
第1実施形態においては、球状としているが、この他、立方体、三角形、三角錐、円柱、卵形など、様々な立体形状の骨組みを構成することができる。
【0042】
以上、具体例で説明したように、本発明によれば、全く斬新な着想による装飾体とその作成方法が提供されるものである。
【0043】
すなわち、本発明によれば、(1)乃至(7)で構成される装飾体とその作成方法が提供される。
(1)少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの装飾部材と、保持部材とを備え、
前記支持部材は、支持部と取付部とを有し、
前記保持部材は、前記支持部を保持し、前記装飾部材は、前記取付部に取り付けられること、を特徴とする装飾体。
(2)前記保持部材は柱状であって、複数の前記支持部材が放射状に取り付けられ、立体形状を構成すること、を特徴とする(1)に記載の装飾体。
(3)前記立体形状は球状であること、を特徴とする(2)に記載の装飾体。
(4)前記保持部材の一端、もしくは全体を嵌入する土台部を有すること、を特徴とする(1)から(3)のうちのいずれか1に記載の装飾体。
(5)前記装飾部材は磁石を備え、前記取付部は磁性体から成り、当該装飾部材は当該取付部に磁力により取り付けられること、を特徴とする(1)から(4)のうちのいずれか1に記載の装飾体。
(6)前記装飾部材は木材により形成されること、を特徴とする(1)から(5)のうちのいずれか1に記載の装飾体。
(7)少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの装飾部材と、保持部材とを備える装飾体の作成方法であって、前記装飾体の保持部材には、前記装飾部材を取付ける部位と該取付部を支持する部位を備えた前記支持部材を篏合または係止によって保持させ、全体形成された任意の空間に対して任意形態の装飾部材を接合または接着させることによってデザイン構成させることを特徴とする装飾体の作成方法。
【符号の説明】
【0044】
1、2 装飾体
12、22 支持部材
121、221 取付部
122、222 支持部
13、23 保持部
131 内柱
132 外柱
14、24 土台部
15 装飾部材
151 装飾面
152 取付面