(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025113517
(43)【公開日】2025-08-04
(54)【発明の名称】光学系、撮像装置、および投影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 17/08 20060101AFI20250728BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20250728BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20250728BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20250728BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20250728BHJP
【FI】
G02B17/08
G02B5/30
G03B21/00 D
G03B21/14 D
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007715
(22)【出願日】2024-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
【テーマコード(参考)】
2H087
2H149
2K203
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087KA06
2H087LA01
2H087MA04
2H087NA02
2H087NA18
2H087PA02
2H087PA03
2H087PA04
2H087PA05
2H087PA17
2H087PA18
2H087PB03
2H087PB04
2H087PB05
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA36
2H087QA37
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA03
2H087RA04
2H087RA12
2H087RA32
2H087RA34
2H087RA41
2H087RA42
2H087RA44
2H087RA45
2H087TA01
2H087TA04
2H087TA06
2H149AA17
2H149AB01
2H149BA02
2H149BA05
2H149BA11
2H149BA23
2H149DA04
2H149DA12
2H149FA27W
2H149FD46
2K203FA02
2K203GC03
2K203GC05
2K203HA05
2K203HA43
2K203MA32
(57)【要約】
【課題】小型かつ大口径に対応可能な、高い光学性能を有する光学系を提供する。
【解決手段】拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面(HM1)、1/4波長板(QWP)、および第2透過反射面(HM2)を有する光学系であって、拡大側からの光は、第1透過反射面と1/4波長板とを順に透過し、第2透過反射面で拡大側へ反射し、1/4波長板を透過し、第1透過反射面で縮小側へ反射し、1/4波長板と第2透過反射面とを順に透過して縮小側へ向かい、第1透過反射面および第2透過反射面はそれぞれ、拡大側に凸面を向けており、第1透過反射面および第2透過反射面とは異なるレンズ面で構成された、第1レンズ(101)、および第1レンズよりも縮小側に配置された第2レンズ(102)が配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面、1/4波長板、および第2透過反射面を有する光学系であって、
拡大側からの光は、前記第1透過反射面と前記1/4波長板とを順に透過し、前記第2透過反射面で物体側へ反射し、前記1/4波長板を透過し、前記第1透過反射面で縮小側へ反射し、前記1/4波長板と前記第2透過反射面とを順に透過して縮小側へ向かい、
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面はそれぞれ、物体側に凸面を向けており、
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面とは異なるレンズ面で構成された、第1レンズ、および該第1レンズよりも縮小側に配置された第2レンズが配置されていることを特徴とする光学系。
【請求項2】
開放絞り、並びに、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面、1/4波長板、および第2透過反射面を有する光学系であって、
拡大側からの光は、前記第1透過反射面と前記1/4波長板とを順に透過し、前記第2透過反射面で拡大側へ反射し、前記1/4波長板を透過し、前記第1透過反射面で縮小側へ反射し、前記1/4波長板と前記第2透過反射面とを順に透過して縮小側へ向かい、
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面はそれぞれ、拡大側に凸面を向けており、
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面からパネル面までの距離をL、前記開放絞りから前記第1透過反射面までの光軸上での距離をLsとするとき、
0.00≦Ls/L≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項3】
前記第1レンズおよび前記第2レンズの少なくとも一方は、正の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズおよび前記第2レンズの少なくとも一方は、負の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項5】
前記第1レンズおよび前記第2レンズの一方は、正の屈折力を有し、
前記第1レンズおよび前記第2レンズの他方は、負の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項6】
前記第1レンズおよび前記第2レンズは、前記第1透過反射面よりも拡大側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項7】
前記第1レンズおよび前記第2レンズの一方は、負の屈折力を有し、前記第1透過反射面に隣接して拡大側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項8】
前記第1レンズおよび前記第2レンズの一方の拡大側に配置されたレンズは、正の屈折力を有し、
前記正の屈折力を有する前記レンズの焦点距離をfp、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.50≦fp/f≦10.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項7に記載の光学系。
【請求項9】
前記光学系は、軸上光線をパネル面に導くように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項10】
前記開放絞りの径をD、前記開放絞りから前記パネル面までの光軸上での距離をLDとするとき、
0.03≦D/LD≦1.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項11】
前記第1透過反射面および第2透過反射面は、前記開放絞りよりも縮小側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項12】
前記第1透過反射面と前記第2透過反射面の間の範囲における焦点距離をfR、第1透過反射面よりも拡大側の範囲における焦点距離をfFとするとき、
-2.00≦fF/fR≦10.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項13】
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面から最も縮小側のレンズの縮小側面までの光軸上での厚さをLa、前記第1透過反射面から第2透過反射面までの光軸上での距離をLdとするとき、
0.15≦Ld/La≦0.80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項14】
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面から最も縮小側のレンズの縮小側面までの光軸上での厚さをLa、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.50≦La/f≦3.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項15】
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面からパネル面までの距離をL、前記第1透過反射面から前記パネル面までの光軸上での距離をLhとするとき、
0.10≦Lh/L≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項16】
前記第1透過反射面からパネル面までの光軸上での距離をLh、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.30≦Lh/f≦3.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項17】
前記第1透過反射面と前記第2透過反射面との間の領域は、空気以外の材質で満たされており、
前記材質のd線に対する屈折率をndとするとき、
1.40≦nd≦2.30
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項18】
前記第1透過反射面の拡大側に隣接して配置された負レンズを有し、
前記負レンズの焦点距離をfNとするとき、
-10.00≦fN/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項19】
前記第2透過反射面は、前記第1透過反射面の縮小側に配置されており、
前記光学系の焦点距離をf、前記第1透過反射面と前記第2透過反射面の間の範囲における焦点距離をfRとするとき、
-0.5≦f/fR≦2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項20】
前記第2透過反射面からパネル面までの光軸上の距離をLi、前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面から前記パネル面までの距離をLとするとき、
0.05≦Li/L≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項21】
前記第2透過反射面は、前記光学系のうち最も縮小側に配置されたレンズの縮小側面であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項22】
前記第1透過反射面の曲率半径をR1、前記第2透過反射面の曲率半径をR2とするとき、
-1.00≦(R1-R2)/(R1+R2)≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項23】
前記第1透過反射面から第2透過反射面までの光軸上での距離をLd、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.10≦Ld/f≦2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項24】
前記光学系のうち最も拡大側に配置されたレンズの外径をOe、前記光学系のうち最も縮小側に配置されたレンズの外径をIeとするとき、
0.10≦Oe/Ie≦2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項25】
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面の一方は、偏光状態に応じて入射光を反射光と透過光とに分離する面であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項26】
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面の他方は、ハーフミラーまたはコレステリック液晶の面であることを特徴とする請求項25に記載の光学系。
【請求項27】
前記光学系は、光軸に対して回転対称であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項28】
前記光学系のFナンバーをFnoとするとき、
0.50≦Fno≦15.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項29】
請求項1または2に記載の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項30】
請求項1または2に記載の光学系と、表示素子とを有することを特徴とする投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系、撮像装置、および投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反射面を利用して、結像点よりも前の光線の入射光線角度を制御する光学系が知られている。特許文献1には、1枚~3枚程度のレンズを有し、レンズ内の面反射を利用した光学系の構成が開示されている。特許文献2には、2枚程度のレンズを有し、一方のレンズには透過反射面を有し、レンズ内で反射を利用して、薄型化を行っているヘッドマウント式ディスプレイ用の接眼レンズの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-80411号公報
【特許文献2】特許第6567047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された構成では、反射を利用することで薄型化および小型化が可能であるが、反射エリアは完全反射面であるため、反射面を光線が透過せず、撮像素子の全面に光線が届かない。具体的には、軸上光線が反射面でけられるため撮像素子に届かない。また、光学系はFnoの暗い細い光線に対応しているため、レンズ枚数が少なく、大口径の光学系に適用した場合、良好な光学性能の確保が困難である。
【0005】
特許文献2に開示された構成では、観察系に対応するために開口絞り(瞳位置:アイポイント)が第1レンズから被写体側に離れて配置されており、撮像系または投射系に利用しようとすると、レンズ径が大型化して小型化が困難である。また、この構成において大口径化を行うと、さらに軸外光線が太くなるため、レンズ外径が大型化してしまう。
【0006】
そこで本発明は、小型かつ大口径に対応可能な、高い光学性能を有する光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学系は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面、1/4波長板、および第2透過反射面を有する光学系であって、拡大側からの光は、前記第1透過反射面と前記1/4波長板とを順に透過し、前記第2透過反射面で拡大側へ反射し、前記1/4波長板を透過し、前記第1透過反射面で縮小側へ反射し、前記1/4波長板と前記第2透過反射面とを順に透過して縮小側へ向かい、前記第1透過反射面および前記第2透過反射面はそれぞれ、拡大側に凸面を向けており、前記第1透過反射面および前記第2透過反射面とは異なるレンズ面で構成された、第1レンズ、および該第1レンズよりも縮小側に配置された第2レンズが配置されている。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型かつ大口径に対応可能な、高い光学性能を有する光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】各実施例における光学系の光路を表す模式図である。
【
図2】各実施例における光学系の光路を表す模式図である。
【
図3】各実施例における光学系の光路を表す模式図である。
【
図4】実施例1における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図5】実施例1における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図6】実施例2における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図7】実施例2における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図8】実施例3における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図9】実施例3における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図10】実施例4における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図11】実施例4における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図12】実施例5における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図13】実施例5における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図14】実施例6における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図15】実施例6における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図16】実施例7における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図17】実施例7における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図18】実施例8における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図19】実施例8における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図20】実施例9における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図21】実施例9における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図22】実施例10における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図23】実施例10における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図24】実施例11における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図25】実施例11における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図26】実施例12における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図27】実施例12における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図28】実施例13における光学系の無限遠合焦時の断面図である。
【
図29】実施例13における光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【
図30】各実施例における光学系を備えた撮像装置の概略図である。
【
図31】各実施例における光学系を備えた投影装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
各実施例の撮像光学系は、物体の像を像面に結像させる光学系であって、像面に配置された固体撮像素子や感光フィルムなどにより画像を取得するための光学系である。また、結像点を発行面として映像を被写体側に投影させる投影光学系にも用いることができる。
【0013】
各実施例の撮像光学系は、撮像光学系により形成された像を受光する撮像素子を有するスマートフォンの撮像カメラや距離検出用カメラ、レンズ固定式カメラ、使い捨てフィルムカメラなどの撮像装置に用いることができる。また各実施例の撮像光学系は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、レンズ交換式カメラの交換レンズにも用いることができる。また、発光するパネルを有する投射系の投影レンズにも用いることができる。
【0014】
各実施例の撮像光学系は、カメラのファインダーやXRデバイスにおいて、例えば視線検知や生体認識や表情認識などに用いてもよい。また、XRデバイスや自動ロボットなどの外界認識用途に使用してもよい。また、投影光学系としてARグラスの投影系にも用いることができる。
【0015】
各実施例の撮像光学系は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面と、1/4波長板QWPと、第2透過反射面とを有する。拡大側からの光は、第1透過反射面、1/4波長板QWPを順に透過し、第2透過反射面で反射する。その後その光は、QWPを透過して第1透過反射面で反射した後に、1/4波長板QWP、第2透過反射面を透過し、固体撮像素子や感光フィルムなどの撮像部に向かう。この撮像光学系を投影光学系とする場合は、光線は撮像素子を発光パネルとして光線を発行し、撮像光学系とは逆のルートをたどり、拡大側に投射される。
【0016】
ここで、第1透過反射面および第2透過反射面は、透過率が50%で、反射率が50%である必要はない。ランダム偏光に対しての透過率と反射率の比は1:3から3:1の範囲にあるのが好ましい。ランダム偏光とは、ストークスパラメータS0=1、S1=S2=S3=0の光である。また、第1透過反射面、第2透過反射面は光を吸収してもよい。また、それぞれの透過反射面の両側ないし片側にレンズが形成あるいは接合されていてもよい。
【0017】
1/4波長板QWPとしては、例えば複屈折を有するポリマーフィルムや液晶配向層を使用することができる。また、このようなポリマーフィルムや液晶配向層を積層させたものをQWPとして使用することもできる。これらを適切に積層することで、広い波長範囲で波長の四分の一に近い位相差を得ることができる。また、1/4波長板QWPとしては、上記のほかにも例えばデクセリアルズ株式会社の無機波長板を使用することができる。
【0018】
1/4波長板QWPは、例えば、第1透過反射面または第2透過反射面と貼り合わせて配置されることができる。また、1/4波長板QWPは、これらの透過反射面とは別体として配置されることもできる。例えば、フィルムをそのまま光路に挿入したり、あるいはフィルムをガラス板に貼合したものを光路に挿入したりしてもよい。また、1/4波長板QWPの両側ないし片側にレンズが形成あるいは接合されていてもよい。例えば、無機波長板を基板としてウエハレベルオプティクス技術を用いてその無機波長板の片側ないし両側にレンズを成型することができる。
【0019】
以下、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0020】
各実施例の光学系の第1透過反射面あるいは第2透過反射面は拡大側に凸形状をした形状とするのが良い。拡大側から縮小側へ進む軸外光線は第1反射面を透過後に第2透過反射面にて反射し、再度第1透過反射面にて反射をし、第2透過反射面にて透過してテレセントリックな光線となる。
【0021】
第1透過反射面と第2透過反射面の反射後、第2透過反射面を透過した光線をテレセントリックにするということは、第2透過反射面を透過する点と結像位置が光軸から垂直な位置においてほぼ同じ位置になっている。つまり、第1透過反射面を透過した点から第2透過反射面を透過する点までの距離を光軸と垂直方向の距離を反射して移動していることになる。
【0022】
第1透過反射面と第2透過反射面を拡大側に凸形状とすることによって、第1透過反射面の透過点から第2透過反射面の透過点までの光軸と垂直方向に移動可能である。このため、第2透過反射面を透過する点と結像位置が光軸から垂直な位置においてほぼ同じ位置にすることができる。つまり、テレセントリックな光線とすることができる。
【0023】
光線は第1透過反射面を透過して、第2透過反射面で反射して再度第1透過反射面に戻ってくるため、この間の光路は往復することになり光線を折り曲げた効果となる。本来必要な光線の長さが折りたたまれ、レンズ全長を短縮することができある。
【0024】
第1透過反射面と第2透過反射面の形状を拡大側に凸面とすることで、第1透過反射面の透過点から第2透過反射面の透過点までの光軸と垂直方向の距離を大きく調整できる。例えば、光学系を通過する最軸外光線の第1透過反射面の透過点が光軸付近を通過しても、第1透過反射面と第2透過反射面の拡大側の凸形状を調整することにより、第2透過反射面の透過位置を撮像素子の最外周位置と同じ位置を透過するように設定できる。仮に、第1透過反射面の透過点を光軸付近に設定できれば、第1透過反射面よりも物体のレンズ径を小さくできるため、小型化が可能となる。
【0025】
第1透過反射面と第2透過反射面の反射は、第1透過反射面の透過点と第2透過反射面の透過点の光軸と垂直方向の位置を調整する効果がある。ただし、この面のみでレンズ系を構成しても大口径な太い光束においては、光学性能を満足することはできない。各実施例の光学系では、第1透過反射面および第2透過反射面とは異なるレンズ面で構成された、少なくとも2つのレンズ(第1レンズ、および第1レンズよりも縮小側に配置された第2レンズを含む複数のレンズ)が配置されていることが好ましい。このような構成により、収差補正に効果を持たすことで良好な光学性能を確保することができる。第1透過反射面と第2透過反射面は反射構造であるため色収差が発生せず、屈折力とペッツバール和を操作できるため、反射面とは別に2枚の屈折力レンズがあれば、小枚数かつ大口径な仕様にて高性能を実現することができる。
【0026】
次に、各実施例の光学系において、満足することが好ましい構成について述べる。
【0027】
第1透過反射面と第2透過反射面の一方は、偏光状態に応じて入射光を反射光と透過光とに分離する面であることが好ましい。具体的には、後述のように、第1透過反射面と第2透過反射面の一方として偏光選択性透過反射素子を用いることが好ましい。偏光選択性透過反射素子としては、例えば、旭化成株式会社製、商品名「WGF」や、3M Company製の商品名「IQPE」などがある。また、偏光選択性透過反射素子として、レンズの成型時においてレンズ反射面にグリッドを形成しておき、その上に金属又は誘電体を蒸着、プリント、又はリソグラフィすることで作成される光学素子を使用してもよい。他方としてハーフミラー、コレステリック液晶、及びホログラフィック光学素子などを使用することができる。ハーフミラーを使用した場合、拡大側から入射したランダム偏光の光量は、像面上に到達するまでに12.5%以下となる。コレステリック液晶やホログラフィック光学素子を用いることで、ハーフミラーを用いた場合に比べて像面上の光量を大幅に増やすこと約2倍にすることができる。
【0028】
第1透過反射面と第2透過反射面とは別に配置されたレンズの少なくとも一つは、正の屈折力を有することが好ましい。大きな光束を収束するためには正の屈折力が必要になる。また、正の屈折力にて発生する球面収差、像面湾曲を補正するためには少なくとも1枚は負の屈折力を有することが必要となる。正の屈折力と負の屈折力の少なくとも2枚のレンズを配置できれば、球面収差、像面湾曲を補正しつつ、第1透過反射面と第2透過反射面にて像面湾曲を補正することができる。
【0029】
また、第1透過反射面よりも拡大側に隣接して負の屈折力のレンズを配置することが好ましい。負の屈折力を配置することにより、負の屈折力のレンズを通過した後の軸外光線は光軸と大きな角度にすることができ、第1透過反射面と第2透過反射面の反射より、光軸と垂直方向に光線を移動させることができ、テレセントリック性を構成しやすくなる。
【0030】
また、負の屈折力のレンズの拡大側に正の屈折力のレンズを配置し、正の屈折力、負の屈折力、第1透過反射面の順に配置することで大口径な光線束の球面収差、像面湾曲補正が可能となる。
【0031】
各実施例の光学系は、開放絞りを有する。開放絞りとは、開口絞りを最も開いた状態のことで、各実施例では開口絞りが最も開いた状態を開放絞りの値としており、そのとき、開放絞り径にて軸上光線の幅は決まっている状態である。絞り開口を変化できる絞りがない光学系においては、軸上光束を決めている開口を開放絞りと決めてよく、後述する条件式(2)の範囲に入っている軸上光束を決める開口がある場合、その開口を開放絞りとして決める。
【0032】
各実施例の光学系は、光軸に対して回転対称であることが好ましい。また各実施例の光学系において、第2透過反射面は光学系の最も縮小側に配置される屈折力を有する面であることが好ましい。第1透過反射面と第2透過反射面の反射により、第1透過反射面の透過点から第2透過反射面の透過点まで光軸と垂直方向に移動させることがき、透過した光線はそのまま光軸と略平行進んだ点(センサー面、パネル面)に結像することが好ましい。第2透過反射面の透過点と像面との間に他の屈折力を有する面が入り込むと、色収差など余計な収差が発生してしまう。
【0033】
次に、各実施例の光学系が満足することが好ましい条件について述べる。各実施例の光学系は、以下の条件式(1)乃至(16)の少なくとも一つを満足することが好ましい。
【0034】
0.50≦fp/f≦10.00 (1)
0.00≦Ls/L≦1.00 (2)
0.03≦D/LD≦1.50 (3)
-2.00≦fF/fR≦10.00 (4)
0.15≦Ld/La≦0.80 (5)
0.50≦La/f≦3.00 (6)
0.10≦Lh/L≦1.00 (7)
0.30≦Lh/f≦3.00 (8)
1.40≦nd≦2.30 (9)
-10.00≦fN/f≦-0.50 (10)
-0.50≦f/fR≦2.00 (11)
0.05≦Li/L≦1.00 (12)
-1.00≦(R1-R2)/(R1+R2)≦1.00 (13)
0.10≦Ld/f≦2.00 (14)
0.10≦Oe/Ie≦2.00 (15)
0.50≦Fno≦15.00 (16)
ここで、fpは、第1透過反射面の拡大側に配置された負の屈折力のレンズの拡大側に配置された正の屈折力のレンズの焦点距離である。fは、光学系(全系)の焦点距離である。Lsは、開放絞りから第1透過反射面までの光軸上での距離である。Lは、光学全長であり、第1レンズ面(光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面)から像面(パネル面)までのガラスブロックなどの部材Gを含む光軸上での距離である。Dは、開放絞りの径(開放絞り径)である。LDは、開放絞りから像面(パネル面)までの光軸上での距離である。
【0035】
fRは、第1透過反射面と第2透過反射面との間の範囲における焦点距離、fFは第1透過反射面よりも被写体側の範囲における焦点距離である。Laは、レンズ全厚であり、光学系のうち最も拡大側のレンズ面(最も拡大側のレンズの拡大側面)から最も縮小側のレンズ面(最も縮小側のレンズの縮小側面)までの光軸上での厚さである。Ldは、第1透過反射面から第2透過反射面までの光軸上での距離である。Lhは、第1透過反射面から像面(パネル面)までのガラスブロックを含む光軸上での距離である。
【0036】
ndは、第1透過反射面と第2透過反射面との間の領域に満たされている空気以外の材質のd線に対する屈折率である。fNは、第1透過反射面の拡大側に隣接して配置された負レンズの焦点距離である。Liは、第2透過反射面から像面(パネル面)までの光軸上の距離である。R1は、第1透過反射面の曲率半径、R2は、第2透過反射面の曲率半径である。Oeは、光学系のうち最も拡大側に配置されたレンズの外径であり、Ieは、光学系のうち最も縮小側に配置されたレンズの外径である。各実施例において、レンズの外径は、レンズの有効径に2mmを加えた値である。
【0037】
条件式(1)は、第1透過反射面の拡大側に配置された負の屈折力のレンズのさらに拡大側に配置された正の屈折力のレンズの焦点距離を規定する条件式である。正の屈折力を適切に設定することで大口径な光束で発生する球面収差、像面湾曲を良好に補正することができる。条件式(1)の下限値を下回ると、正レンズの屈折力が強くなりすぎるため、球面収差がアンダー側に大きく発生し補正しきれなくなり好ましくない。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、正レンズの屈折力が弱くなるため、球面収差がオーバー側に発生するため好ましくない。
【0038】
条件式(2)は、開放絞りが第1透過反射面から拡大側にどの程度離れているかを規定する条件式である。開放絞りは、軸上光線束および軸外光線束がそれぞれ光軸上を通過する場所に設定される。このため、通常、開放絞りに対して拡大側または縮小側に距離が離れた位置ではレンズ外径が大きくなる。開放絞りと第1透過反射面との間の距離が離れると、開口絞りと第1透過反射面との間に配置されるレンズの径が大型化される。このため条件式(2)により、レンズ全系の大きさが規定される。
【0039】
条件式(2)の下限値を下回ると、開放絞りが第1透過反射面から第2透過反射面の間に配置することになり現実的に配置することができず、好ましくない。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、開放絞りの位置は第1レンズの拡大側面よりも大幅に被写体側に配置することになるため、開放絞りから第1透過反射面までの間に配置されるレンズの径が大型化してしまい、好ましくない。また、第1透過反射面と第2透過反射面との反射を使わなくてもテレセントリック性が確保できるほど大型化するため、好ましくない。
【0040】
条件式(3)は、軸上Fno光束径を決める開放絞りの開放径と、開放絞りから像面までの光軸上の距離を規定する条件式である。条件式(3)の下限値を下回ると、仕様的に設定可能なFナンバーが暗くなり、光量が足りなくなるため、好ましくない。一方、条件式(3)の上限値を上回ると、光束径が大きくなり明るくなりすぎる。その結果、収差を補正するためにレンズ枚数の像かにより大型化するため、好ましくない。
【0041】
条件式(4)は、第1透過反射面と第2透過反射面とに囲まれた範囲の焦点距離と第1透過反射面よりも被写体側のレンズ全体の焦点距離を規定する条件式である。第1透過反射面と第2透過反射面とにより囲まれた範囲の光線は、第1透過反射面と第2透過反射面との間を光軸と垂直方向に移動するように反射する構造となっている。光線を移動させるには、実質的に類似する形状であることが好ましく、第1透過反射面と第2透過反射面との間を一体の屈折力ある素子と考えると、強い屈折力は不要である。また、第1透過反射面と第2透過反射面との間の形状は類似する形状であり、焦点距離は緩く正の屈折力にも負の屈折力にもなりえる。
【0042】
条件式(4)の下限値を下回ると、第1透過反射面と第2透過反射面との間に対する第1透過反射面よりも被写体側のレンズ全体の焦点距離が緩くなりすぎ、球面収差や像面湾曲の収差補正が不足するため、好ましくない。一方、条件式(4)の上限値を上回ると、同じく第1透過反射面よりも被写体側のレンズ全体の焦点距離が緩くなりすぎ、球面収差や像面湾曲の収差補正が不足するため、好ましくない。
【0043】
条件式(5)は、光学系のレンズ全厚、所謂レンズ全系において、曲率を持つ最も拡大側の面から最も縮小側の面までの厚みに対して、第1透過反射面と第2透過反射面との間の距離(間隔)を規定する条件式である。第1透過反射面と第2透過反射面の間隔が大きければ、その間を通過する光線距離が稼げるため、小型化を実現することができる。
【0044】
条件式(5)の下限値を下回ると、第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔が狭くなりすぎるため、狭い間隔の中で光軸と垂直方向へ光線を移動させなければならない。その結果、第2透過反射面を透過時にテレセントリック性を確保することが難しくなる。テレセントリック性を確保するには、拡大側への凸形状を強める必要があり、第2透過反射面から結像点までに無駄な空気間隔ができて大型化するため好ましくない。一方、条件式(5)の上限値を上回ると、光学系(全系)に対して第1透過反射面と第2透過反射面の間隔が大きくなりすぎるため、収差補正できるレンズの配置が困難となり、収差補正が困難となるため、好ましくない。
【0045】
条件式(6)は、光学系のレンズ全厚(光学系を構成するレンズの全体の光軸上での厚さ)を規定する条件式である。第1透過反射面と第2透過反射面を用いた光学系であるため、通常の反射を行わないタイプの光学系に対して大幅な小型化を実現することができる。
【0046】
条件式(6)の下限値を下回ると、光学系の全体の薄型化および小型化には有利であるが、薄くなりすぎることで、第1透過反射面と第2透過反射面との間の距離(間隔)が小さくなる。この小さな範囲の中で第1透過反射面と第2透過反射面との間で光軸と垂直方向に移動する距離を稼ぐ必要がある。その結果、第1透過反射面と第2透過反射面の形状が拡大側に強い凸形状になり、第2透過反射面から結像点までに無駄な空気間隔ができて大型化するため、好ましくない。一方、条件式(6)の上限値を上回ると、光学系を構成するレンズ全厚が厚くなり、大型化するため、好ましくない。
【0047】
条件式(7)は、第1透過反射面が光学全長に対してどの位置に配置されているかを規定する条件式である。第1透過反射面が拡大側に配置されるほど、第1透過反射面と第2透過反射面間の反射距離を稼ぐことができるため、小型化を実現しやすくなる。
【0048】
条件式(7)の下限値を下回ると、第1透過反射面が結像点側に近づきすぎるため、第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔(距離)が実質的に狭くなる。この狭い間隔の中で光軸と垂直方向へ光線を移動させなければならないため、第2透過反射面を透過時にテレセントリック性を確保することが難しくなる。また、テレセントリック性を確保するには、拡大側への凸形状を強める必要があり、第2透過反射面から結像点までに無駄な空気間隔ができて大型化するため好ましくない。一方、条件式(7)の上限値を上回ると、光学系(全系)に対して第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔(距離)を確保しやすくなる。しかし、第1透過反射面よりも拡大側に配置されたレンズにて収差補正できるレンズの配置が困難となり、収差補正が困難となるため、好ましくない。
【0049】
条件式(8)は、第1透過反射面の位置を規定する条件式である。第1透過反射面が拡大側に配置されるほど、第1透過反射面と第2透過反射面間の反射距離を稼ぐことができるため、小型化を実現しやすくなる。
【0050】
条件式(8)の下限値を下回ると、光学系の全体の薄型化および小型化には有利となる。しかし、光学系が薄くなりすぎることで、第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔(距離)が小さくなる。この小さな範囲の中で第1透過反射面と第2透過反射面の間で光軸と垂直方向に移動する距離を稼ぐため、第1透過反射面と第2透過反射面の形状が拡大側に強い凸形状になる。その結果、第2透過反射面から結像点までに無駄な空気間隔ができて大型化するため、好ましくない。一方、条件式(8)の上限値を上回ると、光学系(全系)に対して第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔(距離)を確保しやすくなる。しかし、第1透過反射面よりも拡大側に配置されたレンズにて収差補正できるレンズの配置が困難となり、収差補正が困難となるため、好ましくない。
【0051】
条件式(9)は、第1透過反射面と第2透過反射面間との間が空気以外の屈折率媒質で満たされていることを示している。屈折率媒質がなく、空気のみで構成する場合、第1透過反射面と第2透過反射面間の相対位置精度を出しづらく、片ボケなどの性能劣化の要因となる。レンズなどの一体で加工可能な構成にて相対位置関係の精度を確保することができる。条件式(9)の下限値を下回ると、ガラス材料では加工できなくなるため、第1透過反射面と第2透過反射面間の位置相対関係がずれやすく、片ボケなどの光学性能に影響するため好ましくない。一方、条件式(9)の上限値を上回ると、ガラス材料がなく空気間隔となり、反射面等で構成する必要がある。このため、機械的な構造で抑える必要があり、第1透過反射面と第2透過反射面間の位置相対関係がずれやすく、片ボケなどの光学性能に影響するため好ましくない。
【0052】
条件式(10)は、第1透過反射面の拡大側に隣接して配置された負レンズの焦点距離を規定する条件式である。条件式(10)の下限値を下回って負レンズの焦点距離が長くなると、像面湾曲の補正が不足し、不足する負の屈折力を負レンズよりも拡大側のレンズにて負担する必要がある。このとき、レンズ枚数が増し大型化するため、好ましくない。一方、条件式(10)の上限値を上回って負レンズの焦点距離が短くなると、像面湾曲の補正には有利となる。しかし、像面湾曲補正が過剰になり、かつ、第1透過反射面と第2透過反射面間との間の光軸と垂直方向の移動量が大きくなりすぎ、テレセントリック性が確保できなくなるため、好ましくない。
【0053】
条件式(11)は、第1透過反射面と第2透過反射面との間の焦点距離を規定する条件式である。第1透過反射面と第2透過反射面にて囲まれた範囲の光線は、第1透過反射面と第2透過反射面との間を光軸と垂直方向に移動するように反射し、光線を移動させるには実質的に類似する形状であることが好ましい。第1透過反射面と第2透過反射面との間を一体の屈折力ある素子と考えると、強い屈折力は不要となる。また、第1透過反射面と第2透過反射面との間は類似する形状であり、焦点距離は緩く正の屈折力にも負の屈折力にもなりえる。そのため、光学系(全系)の焦点距離に対して、大きな焦点距離を持つ。
【0054】
条件式(11)の下限値を下回ると、第1透過反射面と第2透過反射面との間の光軸に対して垂直方向の移動量を確保しやすくなる。しかし、光学系(全系)の焦点距離が短くなりすぎ、仕様を満たせなくなるため、好ましくない。一方、条件式(11)の上限値を上回ると、第1透過反射面と第2透過反射面との間の焦点距離が短くなりすぎてしまい、光軸に対して垂直方向の移動量が短くなりテレセントリック性を確保できなくなるため、好ましくない。
【0055】
条件式(12)は、第2透過反射面から像面までの光軸上の距離を規定する条件式である。第1透過反射面と第2透過反射面は凸側の形状を有するため、第2透過反射面から像面までの光軸上の距離があまりにも大きくなると、無駄な空間が発生してしまう。条件式(12)の下限値を下回って第2透過反射面から像面までの間隔が短くなると、第2透過反射面の有効部にて干渉が生じ、好ましくない。一方、条件式(12)の上限値を上回って第2透過反射面から像面までの距離が長くなると、小型化を実現させるには第1透過反射面の拡大側のレンズを配置するスペースがなくなり球面収差や像面湾曲の補正が困難となるため、好ましくない。
【0056】
条件式(13)は、第1透過反射面と第2透過反射面とで囲まれた構造のシェープファクターを規定する。具体的には、第1透過反射面と第2透過反射面が同じ方向を向いてことを規定している。光線は第1透過反射面と第2透過反射面間を光軸と垂直方向に移動するように反射する。光線を移動させるには、実質的に類似する形状であることが好ましい。条件式(13)の上限値を上回るか、または下限値を下回ると、第1透過反射面と第2透過反射面とが互いに凸面を向けたい状態、または互いに凹面を向けた状態となる。その結果、第1透過反射面と第2透過反射面の反射により光線が撮像素子に届かなくなくなるため、好ましくない。
【0057】
条件式(14)は、第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔(距離)を規定する条件式である。条件式(14)の下限値を下回ると、第1透過反射面と第2透過反射面の間隔が狭くなりすぎる。その結果、狭い間隔の中で光軸と垂直方向へ光線を移動させなければならないため、第2透過反射面を透過時にテレセントリック性を確保することが難しい。テレセントリック性を確保するには、拡大側への凸形状を強める必要があり、第2透過反射面から結像点までに無駄な空気間隔ができて大型化するため、好ましくない。一方、条件式(14)の上限値を上回ると、光学系(全系)に対して第1透過反射面と第2透過反射面との間の間隔(距離)が大きくなりすぎるため、収差補正できるレンズの配置が困難となり、収差補正が困難となるため、好ましくない。
【0058】
条件式(15)は、最も拡大側に配置されたレンズの外径と最も縮小側に配置されたレンズの外径に関する条件式であり、小型化を規定する条件式である。各実施例において、レンズの外径は、レンズの有効径に2mmだけ加えた値である。光線は第1透過反射面と第2透過反射面間を光軸と垂直方向に移動するように反射する構造となりテレセントリックな光線としているため、第1透過反射面と第2透過反射面との間の光線有効径は大きくなる。しかし、開放絞りの位置の設定により、第1透過反射面よりも拡大側のレンズ有効径に関しては小型化を実現することができる。
【0059】
条件式(15)の下限値を下回ると、最も拡大側に配置されたレンズの外径が小さくなりすぎ、所定のFno光束が入らず、大口径化が困難となるため好ましくない。一方、条件式(15)の上限値を上回ると、最も拡大側に配置されたレンズの外径が大きくなりすぎ、重くなるため好ましくない。
【0060】
各実施例の光学系では、第1透過反射面および第2透過反射面によって、光量ロスが生じる。このため、Fナンバーが大きいと、撮像素子に到達する光量が小さくなってしまう。そこで各実施例の光学系は、条件式(16)を満足することが好ましい。
【0061】
より好ましくは、条件式(1)乃至(16)の少なくとも一つの数値範囲は、以下の条件式(1a)乃至(16a)のように設定される。
【0062】
0.80≦fp/f≦8.00 (1a)
0.02≦Ls/L≦0.80 (2a)
0.05≦D/LD≦1.20 (3a)
-1.00≦fF/fR≦5.00 (4a)
0.20≦Ld/La≦0.70 (5a)
0.60≦La/f≦2.80 (6a)
0.20≦Lh/L≦0.90 (7a)
0.40≦Lh/f≦2.50 (8a)
1.45≦nd≦1.80 (9a)
-7.00≦fN/f≦-0.70 (10a)
-0.20≦f/fR≦1.00 (11a)
0.10≦Li/L≦0.85 (12a)
-0.90≦(R1-R2)/(R1+R2)≦0.80 (13a)
0.20≦Ld/f≦1.50 (14a)
0.15≦Oe/Ie≦1.20 (15a)
0.70≦Fno≦12.00 (16a)
更に好ましくは、条件式(1)乃至(16)の少なくとも一つの数値範囲は、以下の条件式(1b)乃至(16b)のように設定される。
【0063】
1.00≦fp/f≦5.00 (1b)
0.03≦Ls/L≦0.60 (2b)
0.07≦D/LD≦1.00 (3b)
0.00≦fF/fR≦1.00 (4b)
0.24≦Ld/La≦0.60 (5b)
0.70≦La/f≦2.60 (6b)
0.30≦Lh/L≦0.80 (7b)
0.50≦Lh/f≦2.00 (8b)
1.48≦nd≦1.60 (9b)
-5.00≦fN/f≦-1.00 (10b)
-0.05≦f/fR≦0.30 (11b)
0.15≦Li/L≦0.70 (12b)
-0.80≦(R1-R2)/(R1+R2)≦0.60 (13b)
0.30≦Ld/f≦0.90 (14b)
0.20≦Oe/Ie≦1.00 (15b)
0.90≦Fno≦10.0 (16b)
[偏光利用の構成1]
図1を参照して、偏光を利用した構成(構成1)について説明する。
図1は、各実施例における光学系の光路を表す模式図である。本構成の光学系は、2面の透過反射面を有する。ここで、本構成の光学系の拡大側に配置される透過反射面を偏光選択性透過反射素子(PBS):Aを配置することで構成する。本構成の光学系の像面側に配置される透過反射面をハーフミラー(HM):Cを配置することで構成する。また、偏光選択性透過反射素子PBSとハーフミラーHMの間に第1の4分の1波長板(QWP1):Bを配置する。更に、ハーフミラーHMと像面(撮像面)IMとの間に、拡大側から縮小側へ順に、第2の4分の1波長板(QWP2):D、直線偏光板(POL):Eを配置する。
【0064】
ここで、偏光選択性透過反射素子Aは、直線偏光板Eを透過した際と同じ方向に偏光した直線偏光を反射し、これに直交した直線偏光を透過するように構成された素子である。偏光選択性透過反射素子Aは、例えばワイヤーグリッド偏光子や位相差フィルム積層構成の反射型偏光子である。このとき、偏光選択性透過反射素子Aのワイヤーグリッド形成面や位相差フィルム面が透過反射面として機能する。なお、ワイヤーグリッド偏光子については必ずしも金属ワイヤーを整列させたものである必要はなく、所定の間隔で細い金属または誘電体の層を有し、偏光選択性透過反射素子として機能するものであればよい。例えば、蒸着によって金属または誘電体の層を整列させた素子を使用できる。
【0065】
また、第1の4分の1波長板Bと第2の4分の1波長板Dとは、直線偏光板Eの偏光透過軸に対して遅相軸が45°傾いた状態で配置される。ここで、第1の4分の1波長板Bと第2の4分の1波長板Dとは、それぞれの遅相軸が90°傾いた状態で配置されることが好ましい。この配置によれば、第1の4分の1波長板Bと第2の4分の1波長板Dを光線が透過したとき波長板の波長分散特性が相殺される。また、ハーフミラーCは、例えば誘電体多層膜や金属蒸着により形成されたハーフミラーであり、ハーフミラーCのミラー面が透過反射面として機能する。直線偏光板Eは、例えば吸収型の直線偏光子である。
【0066】
次に、偏光利用構成における光路選択、並びに作用について説明する。拡大側から光学系に入射した光は、偏光選択性透過反射素子Aで直線偏光となり、第1の4分の1波長板Bによって円偏光となり、ハーフミラーCに入射する。ハーフミラーCに到達した光の一部は反射されて逆回りの円偏光となり、第1の4分の1波長板Bに戻る。
【0067】
第1の4分の1波長板Bに戻った逆回り円偏光の光は、第1の4分の1波長板Bによって、最初に偏光選択性透過反射素子Aを通過した際と直交した方向に偏光した直線偏光として偏光選択性透過反射素子Aに戻る。偏光選択性透過反射素子Aに戻った光は偏光選択性透過反射素子Aで反射される。ここで、偏光選択性透過反射素子Aの偏光選択性により、最初に偏光選択性透過反射素子Aを通過した際と直交した方向に偏光した直線偏光が反射される。
【0068】
一方、ハーフミラーCに到達した光の一部は透過して、第2の4分の1波長板Dによって偏光選択性透過反射素子Aを通過した際と同じ方向に偏光した直線偏光となって、直線偏光板Eに入射して直線偏光板Eに吸収される。
【0069】
偏光選択性透過反射素子Aで反射された光は、第1の4分の1波長板Bによって円偏光となり、ハーフミラーCに入射する。ハーフミラーCに到達した光の一部は透過して、第2の4分の1波長板Dに入射する。第2の4分の1波長板Dによって、入射した光は偏光選択性透過反射素子Aで反射した直線偏光と平行な向きの直線偏光となる。第2の4分の1波長板Dを通過した光は直線偏光板Eに入射する。ここで光の偏光と直線偏光板Eの透過軸は一致しているため、ほとんどの光が透過し、像面IMに導かれる。
【0070】
以上の作用により、偏光選択性透過反射素子PBSを透過し、ハーフミラーCで反射し、偏光選択性透過反射素子PBSで反射し、ハーフミラーCを透過した光のみが像面IMに導かれることとなる。
【0071】
なお、ハーフミラーCのかわりにコレステリック液晶を用いる場合、コレステリック液晶の一度目の反射の際に、入射光の向きの円偏光の偏光を大きく反射するようにコレステリック液晶を設置することが好ましい。このようにすることで、ゴースト光を低減しながら、正規光路の光量を増加させることができる。
【0072】
また、像面IMとして用いることができる固体撮像素子やCCD(Charge Coupled Device)などは一般に表面の反射率が高い。この構成においては、像面IMで反射した光は再び直線偏光板Eを透過し、第2の4分の1波長板Dにより円偏光に変換される。その後、第2の4分の1波長板Dを出た光はハーフミラーCで反射して逆向きの円偏光となり、再び第2の4分の1波長板Dを通過する。このとき該円偏光は、第2の4分の1波長板Dによって直前に直線偏光板Eを透過した直後とは垂直方向の直線偏光に変換される。この直線偏光の向きは直線偏光板Eの透過軸と直交しているため、直線偏光板Eで光のほとんどが吸収される。このように、この構成においては像面IM、ハーフミラーCと順に反射する光は殆どカットされるため、像面IMが関わるゴーストやフレアが目立ちにくくなる。なお、このような反射低減効果を得るためには複屈折を利用した光学ローパスフィルタが像面IMと直線偏光子板との間に存在しないことが好ましい。光学ローパスフィルタによって、所望の偏光状態から偏光状態がずれるためである。
【0073】
また、この構成において、偏光選択性透過反射素子Aと物体の間に1/4波長板を配置してもよい。このとき、1/4波長板の進相軸または遅相軸が偏光選択性透過反射素子Aの透過軸となす角が45°となるように配置する。このようにすることで、拡大側から入射する光が直線偏光であっても、その偏光方向によらずに撮像することが可能となる。また、1/4波長板の代わりに偏光解消素子を配置してもよい。偏光解消素子としては例えば、東洋紡株式会社の「コスモシャインSRF」を用いることができる。
【0074】
[偏光利用の構成2]
図2を参照して、偏光を利用した構成(構成2)について説明する。
図2は、各実施例における光学系の光路を表す模式図である。本構成の光学系は、2面の透過反射面を有する。ここで、本構成の光学系の拡大側に配置される透過反射面をハーフミラー(HM):Cを配置することで構成する。本構成の光学系の像面側に配置される透過反射面を偏光選択性透過反射素子(PBS):Aを配置することで構成する。また、偏光選択性透過反射素子PBSとハーフミラーHMの間に第1の4分の1波長板(QWP1):Bを配置する。更に、ハーフミラーHMと物体面の間に、拡大側から縮小側へ順に、直線偏光板(POL):E、第2の4分の1波長板(QWP2):Dを配置する。ここで、各偏光素子の構成や光学軸方位の好適な配置は、偏光利用の構成1と同様である。
【0075】
次に、偏光利用構成における光路選択、並びに作用について説明する。拡大側から光学系に入射した光は、直線偏光板Eで直線偏光となり、第2の4分の1波長板Dによって円偏光となり、ハーフミラーCに入射する。ハーフミラーCに到達した光の一部は反射されて逆回りの円偏光となり、第2の4分の1波長板Dに戻る。ハーフミラーCに到達して反射された光は、入射時と逆向きの円偏光となっている。この光は第2の4分の1波長板Dによって直線偏光板Eを通過した際と直交した方向に偏光した直線偏光となって、直線偏光板Eに入射して直線偏光板Eに吸収される。
【0076】
一方、ハーフミラーCを透過した光は、第1の4分の1波長板Bによって直線偏光板Eを透過した直後と同じ方向に偏光した直線偏光となる。この直線偏光は偏光選択性透過反射素子Aによって反射され、第1の4分の1波長板Bに戻る。この後、第1の4分の1波長板Bによって光は円偏光に変換され、ハーフミラーCでその一部が反射される。ハーフミラーCで反射された光は再び第1の4分の1波長板Bに入射し、偏光選択性透過反射素子Aで反射した際とは偏光方向が直交している直線偏光に変換される。この直線偏光は偏光選択性透過反射素子Aを透過し、像面IMへと導かれる。
【0077】
以上の作用により、ハーフミラーCを透過し、偏光選択性透過反射素子PBSで反射し、ハーフミラーCで反射し、偏光選択性透過反射素子PBSを透過した光のみが像面IMに導かれることとなる。
【0078】
この配置において、偏光選択性透過反射素子Aと像面IMの間に直線偏光子A’を配置してもよい。このとき、直線偏光子A’と偏光選択性透過反射素子Aの透過軸を一致させる。このようにすることで、像面IMで反射し、偏光選択性透過反射素子Aで反射し、再び像面IMに入射してゴースト・フレアとなる光を吸収することができる。
【0079】
また、この構成において、直線偏光板Eと物体の間に1/4波長板を配置してもよい。このとき、1/4波長板の進相軸または遅相軸が直線偏光板Eの透過軸となす角が45°となるように配置する。このようにすることで、拡大側から入射する光が直線偏光であっても、その偏光方向によらずに撮像することが可能となる。また、1/4波長板の代わりに偏光解消素子を配置してもよい。偏光解消素子としては例えば、東洋紡株式会社の「コスモシャインSRF」を用いることができる。
【0080】
なお、以上の構成の説明において、直交、平行、45°などの用語を用いているが、これらは厳密に90°、0°、45°である必要はない。ただし、これらは所望の角度から±5°以内となっているべきであり、±2°以内であるとさらに好ましく、±1°以内であるとより好ましい。
【0081】
各実施例の光学系においては、レンズの構成材料として、ポリマー材料を用いてもガラス材料を用いてもよい。ただし、第1透過反射面と第2透過反射面の間に配置されるレンズについては、低複屈折であることが好ましい。
【0082】
[偏光利用の構成3]
図3を参照して、偏光を利用した構成(構成3)について説明する。
図3は、各実施例における光学系の光路を表す模式図である。本構成は、像面IMに撮像素子ではなく、光源パネルを配置した構成を想定しており、光源パネルからの光を拡大側に投影する光学系である。像面IMは、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)パネルまたはDMD(Digital Micromirror Device)パネルなどの発光パネルのパネル面である。
図3の構成は
図1の構成と同じ構成であり、光の通過する方向が逆である。
【0083】
本構成の光学系は、2面の透過反射面を有する。ここで、本構成の光学系の拡大側に配置される透過反射面を偏光選択性透過反射素子(PBS):Aを配置することで構成する。本構成の光学系の像面側に配置される透過反射面をハーフミラー(HM):Cを配置することで構成する。また、偏光選択性透過反射素子PBSとハーフミラーHMの間に第1の4分の1波長板(QWP1):Bを配置する。更に、ハーフミラーHMと像面IMの間に、拡大側から縮小側へ順に、第2の4分の1波長板(QWP2):D、直線偏光板(POL):Eを配置する。
【0084】
ここで、偏光選択性透過反射素子Aは、直線偏光板Eを透過した際と同じ方向に偏光した直線偏光を反射し、これに直交した直線偏光を透過するように構成された素子である。偏光選択性透過反射素子Aは、例えばワイヤーグリッド偏光子や位相差フィルム積層構成の反射型偏光子である。このとき、偏光選択性透過反射素子Aのワイヤーグリッド形成面や位相差フィルム面が透過反射面として機能する。なお、ワイヤーグリッド偏光子については必ずしも金属ワイヤーを整列させたものである必要はなく、所定の間隔で細い金属または誘電体の層を有し、偏光選択性透過反射素子として機能するものであればよい。例えば、蒸着によって金属または誘電体の層を整列させた素子を使用できる。
【0085】
また、第1の4分の1波長板Bと第2の4分の1波長板Dとは、直線偏光板Eの偏光透過軸に対して遅相軸が45°傾いた状態で配置される。ここで、第1の4分の1波長板Bと第2の4分の1波長板Dとは、それぞれの遅相軸が90°傾いた状態で配置されることが好ましい。この配置によれば、第1の4分の1波長板Bと第2の4分の1波長板Dを光線が透過したとき波長板の波長分散特性が相殺される。
【0086】
また、ハーフミラーCは、例えば誘電体多層膜や金属蒸着により形成されたハーフミラーであり、ハーフミラーCのミラー面が透過反射面として機能する。直線偏光板Eは、例えば吸収型の直線偏光子である。
【0087】
次に、偏光利用構成における光路選択、並びに作用について説明する。像面IMは、LCOSパネルまたはDMDパネルなどの発光パネルのパネル面であり、レーザー光源をパネル面で反射させた光を利用している。レーザー光線は、偏向方向が揃っているため、パネル面である像面IMからは偏光の揃った光が発せられる。
【0088】
像面IMから発せられた直線偏光の光は、直線偏光板Eを透過し、直線偏光で透過する。直線偏光で透過した光は第2の4分の1波長板Dによって円偏光となり、ハーフミラーCに入射する。ハーフミラーCに到達した光の一部は透過して、第1の4分の1波長板Bによって直線偏光となり、偏光選択性透過反射素子PBSで反射し、再び第1の4分の1波長板Bによって円偏光となり、ハーフミラーCに入射する。ハーフミラーCに到達した光の一部は反射されて逆回りの円偏光となり、第1の4分の1波長板Bに戻る。第1の4分の1波長板Bに戻った逆回り円偏光の光は、第1の4分の1波長板Bによって、直線偏光となり、偏光選択性透過反射素子Aを通過して直線偏光状態で拡大側に射出される。一方、ハーフミラーCに到達した光の一部は反射されて逆回りの円偏光となり、第2の4分の1波長板Dによって直線偏光に変換され、直線偏光板Eに入射して直線偏光板Eに吸収される。
【0089】
以上の作用により、像面IMで発せられた光は、偏光選択性透過反射素子PBSにて反射し、ハーフミラーCで反射し、被写体に導かる事となる。なお、ハーフミラーCのかわりにコレステリック液晶を用いる場合、コレステリック液晶の一度目の反射の際に、入射光の向きの円偏光の偏光を大きく反射するようにコレステリック液晶を設置することが好ましい。このようにすることで、ゴースト光を低減しながら、正規光路の光量を増加させることができる。
【0090】
以下、各実施例における光学系の構成について説明する。
【0091】
(実施例1)
まず、実施例1における光学系100について説明する。
図4は、光学系100の無限遠合焦時の断面図である。光学系100は、拡大側から縮小側へ順に配置された、開放絞り(開口絞り)SP、第1の正レンズ(第1レンズ)101、および第2の負レンズ(第2レンズ)102を有する。また光学系100は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ103と、プリズム等のガラスブロックおよびセンサー保護ガラス等の部材Gを有する。第3のレンズ103は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。
【0092】
第1の正レンズ101、第2の負レンズ102、および第3のレンズ103により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系100は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0093】
図5は、光学系100の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0094】
なお、光学系100を投射光学系(投影装置に用いられる光学系)として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系100を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0095】
(実施例2)
次に、実施例2における光学系200について説明する。
図6は、光学系200の無限遠合焦時の断面図である。光学系200は、拡大側から縮小側へ順に配置された、開放絞り(開口絞り)SP、第1の正レンズ(第1レンズ)201、および第2の負レンズ(第2レンズ)202を有する。また光学系200は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ203と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第3のレンズ203は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ201、第2の負レンズ202、および第3のレンズ203により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系200は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0096】
図7は、光学系200の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0097】
なお、光学系200を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系200を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0098】
(実施例3)
次に、実施例3における光学系300について説明する。
図8は、光学系300の無限遠合焦時の断面図である。光学系300は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の負レンズ301、第2の正レンズ302、開放絞り(開口絞り)SP、第3の正レンズ303、および第4の負レンズ304を有する。また光学系300は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第5のレンズ305と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第5のレンズ305は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の負レンズ301、第2の正レンズ302、第3の正レンズ303、第4の負レンズ304、および第5のレンズ305により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系300は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0099】
なお本実施例において、第1レンズは、第1の負レンズ301、第2の正レンズ302、または第3の正レンズ303の一つである。第2レンズは、第1レンズよりも縮小側に配置された、第2の正レンズ302、第3の正レンズ303、または第4の負レンズ304の一つである。
【0100】
図9は、光学系300の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0101】
なお、光学系300を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系300を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0102】
(実施例4)
次に、実施例4における光学系400について説明する。
図10は、光学系400の無限遠合焦時の断面図である。光学系400は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の負レンズ401、第2の正レンズ402、開放絞り(開口絞り)SP、第3の正レンズ403、および第4の負レンズ404を有する。また光学系400は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第5のレンズ405と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第5のレンズ405は、第1透過反射面HM1の縮小側に1/4波長板QWPを備える。第1の負レンズ401、第2の正レンズ402、第3の正レンズ403、第4の負レンズ404、および第5のレンズ405により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系400は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0103】
なお本実施例において、第1レンズは、第1の負レンズ401、第2の正レンズ402、および第3の正レンズ403の一つである。第2レンズは、第1レンズよりも縮小側に配置された、第2の正レンズ402、第3の正レンズ403、および第4の負レンズ404の一つである。
【0104】
図11は、光学系400の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0105】
なお、光学系400を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系400を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0106】
(実施例5)
次に、実施例5における光学系500について説明する。
図12は、光学系500の無限遠合焦時の断面図である。光学系500は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の負レンズ501、第2の正レンズ502、開放絞り(開口絞り)SP、第3の正レンズ503、および第4の負レンズ504を有する。また光学系500は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第5のレンズ505と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第5のレンズ505は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の負レンズ501、第2の正レンズ502、第3の正レンズ503、第4の負レンズ504、および第5のレンズ505により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系500は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0107】
なお本実施例において、第1レンズは、第1の負レンズ501、第2の正レンズ502、および第3の正レンズ503の一つである。第2レンズは、第1レンズよりも縮小側に配置された、第2の正レンズ502、第3の正レンズ503、および第4の負レンズ504の一つである。
【0108】
図13は、光学系500の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0109】
なお、光学系500を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系500を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0110】
(実施例6)
次に、実施例6における光学系600について説明する。
図14は、光学系600の無限遠合焦時の断面図である。光学系600は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の負レンズ601、第2の正レンズ602、開放絞り(開口絞り)SP、第3の正レンズ603、および第4の負レンズ604を有する。また光学系600は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第5のレンズ605と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第5のレンズ605は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の負レンズ601、第2の正レンズ602、第3の正レンズ603、第4の負レンズ604、および第5のレンズ605により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系600は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0111】
なお本実施例において、第1レンズは、第1の負レンズ601、第2の正レンズ602、および第3の正レンズ603の一つである。第2レンズは、第1レンズよりも縮小側に配置された、第2の正レンズ602、第3の正レンズ603、および第4の負レンズ604の一つである。
【0112】
図15は、光学系600の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0113】
なお、光学系600を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系600を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0114】
(実施例7)
次に、実施例7における光学系700について説明する。
図16は、光学系700の無限遠合焦時の断面図である。光学系700は、拡大側から縮小側へ順に配置された、開放絞り(開口絞り)SP、第1の正レンズ(第1レンズ)701、および第2の負レンズ(第2レンズ)702を有する。また光学系700は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ703と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第3のレンズ703は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系700は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0115】
第1の正レンズ701、第2の負レンズ702、および第3のレンズ703により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。
【0116】
図17は、光学系700の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0117】
なお、光学系700を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系700を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0118】
(実施例8)
次に、実施例8における光学系800について説明する。
図18は、光学系800の無限遠合焦時の断面図である。光学系800は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の正レンズ801、開放絞り(開口絞り)SP、第2の正レンズ802、および第3の負レンズ803を有する。また光学系800は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第4のレンズ804と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第4のレンズ804は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ801、第2の正レンズ802、第3の負レンズ803、および第4のレンズ804により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系800は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0119】
なお本実施例において、第1レンズは、第1の正レンズ801または第2の正レンズ802の一つである。第2レンズは、第1レンズよりも縮小側に配置された、第2の正レンズ802または第3の負レンズ803の一つである。
【0120】
図19は、光学系800の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0121】
なお、光学系800を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系800を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0122】
(実施例9)
次に、実施例9における光学系900について説明する。
図20は、光学系900の無限遠合焦時の断面図である。光学系900は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の正レンズ901、開放絞り(開口絞り)SP、第2の正レンズ902と第3の負レンズ903とを接合して構成された接合レンズを有する。また光学系900は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第4のレンズ904と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第4のレンズ904は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ901、第2の正レンズ902、第3の負レンズ903、および第4のレンズ904により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系900は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。eは、不要な光をカットためのフレアカット絞りである。
【0123】
なお本実施例において、第1レンズは、第1の正レンズ901または第2の正レンズ902の一つである。第2レンズは、第1レンズよりも縮小側に配置された、第2の正レンズ902または第3の負レンズ903の一つである。
【0124】
図21は、光学系900の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0125】
なお、光学系900を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系900を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0126】
(実施例10)
次に、実施例10における光学系1000について説明する。
図22は、光学系1000の無限遠合焦時の断面図である。光学系1000は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の正レンズ(第1レンズ)1001、開放絞り(開口絞り)SP、第2の負レンズ(第2レンズ)1002を有する。また光学系1000は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ1003と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第3のレンズ1003は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ701、第2の負レンズ702、および第3のレンズ703により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系1000は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。eは、不要な光をカットためのフレアカット絞りである。
【0127】
図23は、光学系1000の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0128】
なお、光学系1000を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系1000を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0129】
(実施例11)
次に、実施例11における光学系1100について説明する。
図24は、光学系1100の無限遠合焦時の断面図である。光学系1100は、拡大側から縮小側へ順に配置された、開放絞り(開口絞り)SP、第1の正レンズ(第1レンズ)1101、第2の負レンズ(第2レンズ)1102を有する。また光学系1100は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ1103と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第3のレンズ1103は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ1101、第2の負レンズ1102、および第3のレンズ1103により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系1100は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0130】
図25は、光学系1100の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0131】
なお、光学系1100を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系1100を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0132】
(実施例12)
次に、実施例12における光学系1200について説明する。
図26は、光学系1200の無限遠合焦時の断面図である。光学系1200は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1の正レンズ(第1レンズ)1201、開放絞り(開口絞り)SP、第2の負レンズ(第2レンズ)1202を有する。また光学系1200は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ1203と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第3のレンズ1203は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ1201、第2の負レンズ1202、および第3のレンズ1203により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系1200は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。eは、不要な光をカットためのフレアカット絞りである。
【0133】
図27は、光学系1200の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0134】
なお、光学系1200を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系1200を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0135】
(実施例13)
次に、実施例13における光学系1300について説明する。
図28は、光学系1300の無限遠合焦時の断面図である。光学系1300は、拡大側から縮小側へ順に配置された、開放絞り(開口絞り)SP、第1の正レンズ(第1レンズ)1301と第2の負レンズ(第2レンズ)1302とを接合して構成された接合レンズを有する。また光学系1300は、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面HM1および第2透過反射面HM2を備える第3のレンズ1303と、プリズムなどのガラスブロックおよびセンサー保護ガラスなどの部材Gを有する。第3のレンズ1303は、第1透過反射面HM1の縮小側に、1/4波長板QWPを備える。第1の正レンズ1301、第2の負レンズ1302、および第3のレンズ1303により、フォーカシング群fが構成される。フォーカシング群fを構成する各レンズを一体的に光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。Ry1は軸上光線、Ry2は最軸外光線である。光学系1300は、軸上光線Ry1を像面IMに導くように構成されている。
【0136】
図29は、光学系1300の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、Sはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図において、d線に対する歪曲収差量を示している。色収差図において、g線における色収差量を示している。ωは半画角(度)である。
【0137】
なお、光学系1300を投射光学系として利用する場合、拡大側が投射側、縮小側が光源パネル側である。また、光学系1300を撮像光学系として利用する場合、拡大側が物体側、縮小側が像側である。
【0138】
以下に、実施例1乃至13にそれぞれ対応する数値実施例1乃至13を示す。各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のd線に対するアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0139】
なお各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(度)は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせたときの値である。「バックフォーカス」は、レンズ最終面(最も縮小側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、光学系の最前面(最も拡大側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離に空気換算したときのバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0140】
また、光学面が非球面の場合、面番号の右側に「*」の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10を各次数の非球面係数とするとき、以下の式で表される。
【0141】
X=(h2/R)/[1+{1-(1+K)(h/R)2}1/2]+A4×h4+A6×h6+A8×h8+A10×h10
なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0142】
また、有効径については、第1透過反射面と第2透過反射面について記載している。これらの透過反射面は複数回光線に作用するが、これらのうち最大の有効径となる径について記載している。
【0143】
(数値実施例1)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1(絞り) ∞ 0.50 1.05
2* 4.813 0.62 1.53160 55.8 1.74
3* 7.689 0.33 2.01
4* 5.105 0.50 1.63550 23.9 2.17
5* 3.437 0.18 2.72
6* 6.082 2.12 1.53160 55.8 7.30
7* 5.328 -2.12 6.40
8* 6.082 2.12 7.30
9* 5.328 1.86 6.40
10 ∞ 3.00 1.51633 64.1 6.32
11 ∞ 1.00 6.49
像面 ∞
非球面データ
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.59298e-03 A 6= 1.44166e-02
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.33771e-02 A 6= 2.56412e-02
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.54702e-01 A 6=-9.51329e-04
第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.06994e-01 A 6= 1.54292e-02 A 8=-1.41224e-03
第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.04799e-03 A 6= 4.63155e-05 A 8=-3.25879e-06 A10= 8.39518e-08
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.31119e-03 A 6= 1.14696e-03 A 8=-9.45610e-05 A10= 3.25001e-06
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.04799e-03 A 6= 4.63155e-05 A 8=-3.25879e-06 A10= 8.39518e-08
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.31119e-03 A 6= 1.14696e-03 A 8=-9.45610e-05 A10= 3.25001e-06
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 5.25
Fナンバー 5.00
半画角 29.75
像高 3.00
レンズ全長 9.09
BF 4.84
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 22.52
2 4 -18.74
3 6 -3389.19
4 7 -3389.19
5 8 -3389.19
6 10 0.00
(数値実施例2)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1(絞り) ∞ 0.50 1.09
2* 4.348 0.89 1.53160 55.8 1.93
3* 12.536 1.57 2.40
4* 30.895 1.00 1.63550 23.9 3.98
5* 7.360 0.10 5.01
6* 11.996 3.40 1.53160 55.8 12.77
7* 13.360 -3.40 13.14
8* 11.996 3.40 12.77
9* 13.360 1.54 13.14
10 ∞ 3.00 1.51633 64.1 13.12
11 ∞ 1.00 13.09
像面 ∞
非球面データ
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.05851e-03 A 6= 3.05162e-04
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.82512e-04 A 6= 5.82073e-04
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.97402e-03 A 6= 3.30996e-04
第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.42629e-03 A 6= 5.18231e-04 A 8=-7.44003e-06
第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-9.75536e-05 A 6=-1.78730e-06 A 8=-7.77142e-09 A10=-2.54424e-10
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.48515e-04 A 6=-5.24101e-06 A 8= 2.17552e-08
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-9.75536e-05 A 6=-1.78730e-06 A 8=-7.77142e-09 A10=-2.54424e-10
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.48515e-04 A 6=-5.24101e-06 A 8= 2.17552e-08
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 9.79
Fナンバー 9.00
半画角 33.22
像高 6.41
レンズ全長 11.98
BF 4.52
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 12.07
2 4 -15.46
3 6 118.51
4 7 118.51
5 8 118.51
6 10 0.00
(数値実施例3)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 91.638 1.00 1.49700 81.6 43.80
2* 9.699 13.04 19.40
3* 34.045 1.75 1.82165 24.0 12.74
4 -519.385 2.62 11.61
5(絞り) ∞ 0.00 11.27
6* 21.586 2.93 1.49700 81.6 11.32
7 -22.265 0.30 11.07
8* 79.778 1.54 2.00178 19.3 10.47
9* 22.876 0.12 10.56
10* 29.334 9.70 1.49700 81.6 47.99
11* 28.454 -9.70 45.39
12* 29.334 9.70 47.99
13* 28.454 9.55 45.39
14 ∞ 4.00 1.51633 64.1 45.11
15 ∞ 1.77 44.38
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.06298e-05 A 6=-2.53750e-08 A 8= 3.17698e-11 A10=-1.72216e-14
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.57119e-07 A 6= 9.83500e-08 A 8=-3.67081e-10 A10=-2.17601e-12
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.06445e-05 A 6= 2.51199e-07 A 8= 1.26787e-09
第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.45297e-04 A 6=-4.10421e-08 A 8=-3.05902e-08
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.22953e-04 A 6= 1.86379e-06 A 8= 2.28627e-08
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.51360e-04 A 6= 2.73312e-06 A 8= 5.62372e-09
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.94840e-06 A 6= 8.11131e-10 A 8=-7.48915e-12 A10=-1.59045e-15
第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.28622e-06 A 6= 3.97937e-08 A 8=-8.50100e-11
第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.94840e-06 A 6= 8.11131e-10 A 8=-7.48915e-12 A10=-1.59045e-15
第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.28622e-06 A 6= 3.97937e-08 A 8=-8.50100e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 13.43
Fナンバー 2.00
半画角 58.16
像高 21.63
レンズ全長 46.95
BF 13.95
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -21.91
2 3 38.94
3 6 22.55
4 8 -32.46
5 10 717.38
6 11 717.38
7 12 717.38
8 14 0.00
(数値実施例4)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 26.347 1.00 1.49700 81.6 27.79
2* 11.296 10.59 20.58
3* 58.068 3.50 1.85478 24.8 13.50
4 392.135 3.07 13.78
5(絞り) ∞ 0.00 14.38
6* 24.890 4.16 1.49700 81.6 14.64
7 -27.623 0.81 14.34
8* 34.547 2.26 2.00069 25.5 13.17
9* 17.639 0.35 12.26
10* 27.463 8.55 1.49700 81.6 38.56
11* 28.917 -8.55 38.46
12* 27.463 8.55 38.56
13* 28.917 4.71 38.46
14 ∞ 4.00 1.51633 64.1 38.33
15 ∞ 6.87 37.98
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.82644e-05 A 6=-1.30278e-07 A 8= 9.27118e-10 A10=-1.95190e-12
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.55124e-05 A 6= 5.25719e-09 A 8=-1.57147e-09 A10= 1.85514e-11
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.85144e-05 A 6= 5.63775e-08 A 8=-8.46267e-11
第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 9.82112e-05 A 6=-2.85734e-07 A 8= 1.89640e-09
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.87459e-04 A 6= 1.56461e-06 A 8=-8.81601e-09
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.91926e-04 A 6= 1.99746e-06 A 8=-7.81297e-09
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.15616e-06 A 6=-7.51703e-09 A 8=-3.55206e-12 A10=-3.61310e-14
第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.45407e-05 A 6=-1.73107e-08 A 8=-3.99964e-11
第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.15616e-06 A 6=-7.51703e-09 A 8=-3.55206e-12 A10=-3.67627e-14
第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.45407e-05 A 6=-1.73107e-08 A 8=-3.99964e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 16.00
Fナンバー 1.50
半画角 49.16
像高 18.51
レンズ全長 48.51
BF 14.22
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -40.68
2 3 79.36
3 6 27.06
4 8 -38.60
5 10 372.29
6 11 372.29
7 12 372.29
8 14 0.00
(数値実施例5)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 33.575 1.00 1.49700 81.6 25.47
2 14.325 7.68 20.71
3 38.285 3.72 1.85478 24.8 15.30
4 69.660 3.51 15.24
5(絞り) ∞ 0.00 15.72
6* 19.477 4.15 1.49700 81.6 16.01
7 -59.060 0.10 15.58
8* 41.854 1.83 2.00069 25.5 15.03
9* 21.273 0.82 14.17
10* 35.102 10.91 1.49700 81.6 41.49
11* 41.256 -10.91 38.61
12* 35.102 10.91 41.49
13* 41.256 5.29 38.61
14 ∞ 4.00 1.51633 64.1 38.46
15 ∞ 6.80 38.08
像面 ∞
非球面データ
第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 3.57108e-05 A 6=-1.39068e-07 A 8= 1.24007e-09
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.21991e-04 A 6= 1.26867e-06 A 8=-4.82759e-09
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.19382e-04 A 6= 1.37944e-06 A 8=-3.61115e-09
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.00209e-06 A 6=-1.74986e-09 A 8= 2.28712e-12 A10=-8.13336e-15
第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.29705e-06 A 6= 9.82698e-09 A 8=-2.96715e-11
第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.00209e-06 A 6=-1.74986e-09 A 8= 2.28712e-12 A10=-8.76500e-15
第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.29705e-06 A 6= 9.82698e-09 A 8=-2.96715e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 20.00
Fナンバー 1.50
半画角 42.78
像高 18.51
レンズ全長 48.45
BF 14.73
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -51.15
2 3 94.29
3 6 30.00
4 8 -45.25
5 10 298.04
6 11 298.04
7 12 298.04
8 14 0.00
(数値実施例6)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 19.037 1.00 1.49700 81.6 23.92
2 14.325 5.74 21.30
3 49.724 4.28 1.85478 24.8 19.48
4 62.429 3.89 19.30
5(絞り) ∞ 0.00 19.90
6* 23.387 5.34 1.49700 81.6 20.37
7 -96.813 0.10 19.83
8* 26.485 1.98 2.00069 25.5 18.94
9* 17.959 0.92 17.69
10* 37.252 10.83 1.49700 81.6 43.09
11* 46.119 -10.83 40.25
12* 37.252 10.83 43.09
13* 46.119 4.92 40.25
14 ∞ 4.00 1.51633 64.1 39.96
15 ∞ 6.71 39.18
像面 ∞
非球面データ
第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.55070e-05 A 6=-1.70885e-07 A 8= 1.07509e-09
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.10778e-04 A 6= 9.34434e-07 A 8=-2.97603e-09
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.33133e-04 A 6= 9.89656e-07 A 8=-2.80838e-09
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.91400e-07 A 6=-9.69094e-10 A 8= 1.07904e-12 A10=-5.10341e-15
第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.87123e-06 A 6= 1.10285e-08 A 8=-3.60712e-11
第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.91400e-07 A 6=-9.69094e-10 A 8= 1.07904e-12 A10=-5.73505e-15
第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.87123e-06 A 6= 1.10285e-08 A 8=-3.60712e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 24.00
Fナンバー 1.24
半画角 37.64
像高 18.51
レンズ全長 48.35
BF 14.27
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -125.27
2 3 247.42
3 6 38.47
4 8 -63.07
5 10 277.38
6 11 277.38
7 12 277.38
8 14 0.00
(数値実施例7)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1(絞り) ∞ 0.00 22.10
2* 25.408 3.35 1.49700 81.6 22.10
3 101.284 7.79 21.66
4* 87.435 1.73 2.00069 25.5 19.90
5* 49.167 0.10 21.36
6* 40.361 10.76 1.49700 81.6 46.62
7* 53.229 -10.76 41.57
8* 40.361 10.76 46.62
9* 53.229 5.63 41.57
10 ∞ 4.00 1.51633 64.1 41.15
11 ∞ 6.66 40.09
像面 ∞
非球面データ
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.09150e-06 A 6= 1.46734e-08 A 8=-3.35318e-11
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.05227e-05 A 6=-5.52984e-08 A 8= 3.51679e-10
第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.51461e-05 A 6=-5.98017e-08 A 8= 3.57095e-10
第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-9.34775e-07 A 6= 1.45594e-09 A 8= 2.28776e-13 A10= 5.45402e-16
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.15347e-06 A 6= 2.14400e-08 A 8=-1.60773e-11
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-9.34775e-07 A 6= 1.45594e-09 A 8= 2.28776e-13 A10=-8.62438e-17
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.15347e-06 A 6= 2.14400e-08 A 8=-1.60773e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 27.51
Fナンバー 1.25
半画角 33.93
像高 18.51
レンズ全長 38.66
BF 14.93
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 67.26
2 4 -114.85
3 6 262.94
4 7 262.94
5 8 262.94
6 10 0.00
(数値実施例8)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 43.704 4.51 1.49700 81.6 33.98
2 -395.892 8.81 33.75
3(絞り) ∞ 0.00 30.60
4* 55.166 6.84 1.53160 55.8 29.60
5 -54.815 0.10 28.38
6* -78.721 1.27 1.88202 37.2 27.67
7* 65.588 2.95 26.00
8* 59.491 11.90 1.49700 81.6 46.09
9* 116.270 -11.90 42.90
10* 59.491 11.90 46.09
11* 116.270 3.23 42.90
12 ∞ 4.00 1.51633 64.1 42.67
13 ∞ 6.39 42.07
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.67704e-06 A 6=-3.08989e-09 A 8=-7.97462e-13
第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.33099e-05 A 6= 2.38224e-08 A 8= 6.32849e-13
第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.53065e-05 A 6= 4.67203e-08 A 8=-4.58239e-11
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.72119e-06 A 6= 4.92699e-08 A 8=-1.98994e-11
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.20470e-07 A 6= 6.26754e-10 A 8= 5.98904e-13 A10= 9.49519e-16
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.05024e-06 A 6= 4.50479e-09 A 8= 4.98171e-13
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.20470e-07 A 6= 6.26754e-10 A 8= 5.98904e-13 A10= 3.17873e-16
第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.05024e-06 A 6= 4.50479e-09 A 8= 4.98171e-13
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 35.00
Fナンバー 1.03
半画角 29.93
像高 20.15
レンズ全長 48.64
BF 12.26
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 79.46
2 4 52.86
3 6 -40.40
4 8 229.17
5 9 229.17
6 10 229.17
7 12 0.00
(数値実施例9)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 51.457 5.51 1.49700 81.6 41.67
2 12231.122 19.66 41.33
3(絞り) ∞ 2.00 33.19
4* -254.989 2.79 1.72047 34.7 32.60
5 -61.810 1.56 1.92286 20.9 32.37
6* -167.224 9.05 32.06
7 ∞ -1.05 28.24
8* 96.179 17.18 1.49700 81.6 50.71
9* 255.697 -17.18 46.55
10* 96.179 17.18 50.71
11* 255.697 2.31 46.55
12 ∞ 4.00 1.51633 64.1 46.27
13 ∞ 5.76 45.55
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.48694e-07 A 6=-4.68927e-10 A 8= 2.20233e-13
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.66760e-07 A 6=-7.63502e-09 A 8= 2.91475e-11
第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.78538e-07 A 6=-7.11577e-09 A 8= 2.63825e-11
第8面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.84235e-07 A 6= 3.58581e-10 A 8=-4.20769e-13 A10= 3.13114e-16
第9面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.79621e-07 A 6=-4.18462e-11 A 8= 5.74465e-13
第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.84235e-07 A 6= 3.58581e-10 A 8=-4.20769e-13 A10= 3.13114e-16
第11面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.79621e-07 A 6=-4.18462e-11 A 8= 5.74465e-13
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 50.00
Fナンバー 1.20
半画角 23.40
像高 21.63
レンズ全長 67.40
BF 10.70
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 103.96
2 4 112.56
3 5 -107.01
4 8 299.49
5 9 299.49
6 10 299.49
7 12 0.00
(数値実施例10)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 27.471 3.84 1.49700 81.6 22.45
2 198.559 6.14 21.94
3(絞り) ∞ 2.01 19.62
4* 61.858 1.51 2.00069 25.5 18.76
5* 38.811 3.30 18.51
6 ∞ -1.10 19.09
7* 39.465 10.33 1.49700 81.6 43.56
8* 52.135 -10.33 39.86
9* 39.465 10.33 43.56
10* 52.135 5.13 39.86
11 ∞ 4.00 1.51633 64.1 39.60
12 ∞ 6.61 38.92
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.68390e-06 A 6= 5.77125e-09 A 8= 1.67027e-12
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.42958e-05 A 6= 1.49208e-07 A 8=-1.11295e-10
第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-8.57631e-05 A 6= 1.87591e-07 A 8=-2.50101e-10
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.17773e-07 A 6= 8.92860e-10 A 8= 1.85693e-14 A10= 1.16939e-16
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.86991e-06 A 6= 1.28414e-08 A 8=-1.38616e-11
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.17773e-07 A 6= 8.92860e-10 A 8= 1.85693e-14 A10=-5.14706e-16
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.86991e-06 A 6= 1.28414e-08 A 8=-1.38616e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 27.96
Fナンバー 1.24
半画角 33.51
像高 18.51
レンズ全長 40.41
BF 14.38
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 63.67
2 4 -107.62
3 7 257.14
4 8 257.14
5 9 257.14
6 11 0.00
(数値実施例11)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1(絞り) ∞ 0.00 23.61
2* 26.343 10.43 1.53160 55.8 23.61
3* 674.385 2.70 20.91
4* 157.741 3.38 1.63550 23.9 19.41
5* 32.207 0.89 18.21
6* 44.567 12.72 1.53160 55.8 47.10
7* 50.665 -12.72 43.17
8* 44.567 12.72 47.10
9* 50.665 5.42 43.17
10 ∞ 3.38 1.51633 64.1 42.99
11 ∞ 10.38 42.59
像面 ∞
非球面データ
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 3.26025e-06 A 6= 4.22486e-09
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.52001e-06 A 6=-3.34475e-08
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.28388e-05 A 6= 5.93945e-08
第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.27604e-05 A 6= 9.75926e-08 A 8= 4.84214e-11
第6面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.02337e-07 A 6= 1.66776e-10 A 8=-1.70184e-13 A10=-5.24160e-16
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.96823e-06 A 6= 6.05593e-09 A 8=-8.44780e-12
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.02337e-07 A 6= 1.66776e-10 A 8=-1.70184e-13 A10=-5.24160e-16
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.96823e-06 A 6= 6.05593e-09 A 8=-8.44780e-12
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 35.41
Fナンバー 1.50
半画角 29.48
像高 20.02
レンズ全長 48.15
BF 18.03
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 51.28
2 4 -64.35
3 6 404.02
4 7 404.02
5 8 404.02
6 10 0.00
(数値実施例12)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 50.423 3.95 1.69680 55.5 34.48
2 691.944 9.87 34.15
3(絞り) ∞ 0.00 29.78
4* 87.463 1.00 1.94594 18.0 29.23
5 55.698 2.15 28.58
6 ∞ -1.20 28.50
7* 83.379 26.55 1.49700 81.6 51.88
8* 127.619 -26.55 45.63
9* 83.379 26.55 51.88
10* 127.619 3.48 45.63
11 ∞ 4.00 1.51633 64.1 45.38
12 ∞ 6.20 44.89
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.97730e-07 A 6=-1.28949e-09 A 8= 1.64575e-12
第4面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.89622e-07 A 6= 1.37573e-09 A 8=-2.98261e-12
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.95317e-09 A 6= 8.83267e-11 A 8=-1.08604e-13 A10= 5.44225e-17
第8面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.37936e-07 A 6= 1.18914e-10 A 8= 1.72537e-13
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.95317e-09 A 6= 8.83267e-11 A 8=-1.08604e-13 A10= 5.44225e-17
第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.37936e-07 A 6= 1.18914e-10 A 8= 1.72537e-13
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 50.00
Fナンバー 1.45
半画角 23.40
像高 21.63
レンズ全長 54.64
BF 12.32
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 77.85
2 4 -164.65
3 7 403.54
4 8 403.54
5 9 403.54
6 11 0.00
(数値実施例13)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1(絞り) ∞ 0.00 18.75
2* 20.527 13.75 1.60562 43.7 18.75
3 -100.754 2.55 2.00178 19.3 14.66
4* 77.505 0.41 16.90
5* 71.203 11.45 1.51633 64.1 44.07
6* 457.607 -11.45 44.00
7* 71.203 11.45 44.07
8* 457.607 1.84 44.00
9 ∞ 1.00 1.51633 64.1 44.03
10 ∞ 1.00 44.04
像面 ∞
非球面データ
第2面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.34346e-06 A 6= 2.26090e-08
第4面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.76035e-05 A 6= 3.34364e-08 A 8= 4.08744e-10
第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.64718e-07 A 6= 6.77253e-10 A 8= 5.67978e-13 A10= 2.86767e-16
第6面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.25166e-06 A 6= 4.37570e-09 A 8=-1.00957e-11
第7面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.64718e-07 A 6= 6.77253e-10 A 8= 5.67978e-13 A10= 2.86767e-16
第8面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.25166e-06 A 6= 4.37570e-09 A 8=-1.00957e-11
各種データ
ズーム比 1.00
焦点距離 28.13
Fナンバー 1.50
半画角 34.74
像高 19.51
レンズ全長 31.66
BF 3.50
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 29.41
2 3 -43.42
3 5 161.68
4 6 161.68
5 7 161.68
6 9 0.00
表1に、各実施例における各条件式の値を示す。
【0144】
【0145】
[撮像装置]
図30を参照して、各実施例の光学系を有する撮像装置について説明する。
図30は、撮像装置の一例であるデジタルカメラ10の概略図である。20はデジタルカメラ本体、21は各実施例の光学系のいずれかである撮像光学系、22は撮像光学系21によって被写体像を受光するCCD等の撮像素子である。23は撮像素子22が受光した被写体像を記録する記録手段、24は不図示の表示素子に表示された被写体像を観察するためのファインダーである。表示素子は液晶パネル等によって構成され、撮像素子22上に形成された被写体像が表示される。25は、ファインダー24と同等の機能を有する液晶表示パネルである。
【0146】
このように、各実施例の光学系を撮像装置に適用することにより、小型で高い光学性能を有する撮像装置を実現することができる。
【0147】
[投影装置]
図31を参照して、各実施例の光学系を有する投影装置について説明する。
図31は、投影装置の一例であるプロジェクタ30の構成図である。プロジェクタ30の光変調素子(表示素子)として、LCOSまたはDMDなどの発光パネルが用いられている。
図31において、31は光源装置、32は照明光学系、33は色分離合成光学系、34は各実施例の光学系のいずれかである投射光学系である。光源装置31は、照明光学系32に向けて光を出射する。照明光学系32は、光源装置31からの光を照明する。色分離合成光学系33は、照明光学系32からの照明光に対して色分離および色合成を行う。投射光学系34は、色分離合成光学系33からの合成光を投射する。発光パネルにより発光した光は、投射光学系34よりも被写体側に像を投影する。
【0148】
色分離合成光学系33において、331R、331G、331Bは、それぞれ、赤用、緑用、青用の光変調素子(赤用、緑用、青用の発光パネル(表示素子))を備えた発光パネルユニットである。332R、332G、332Bは、それぞれ、赤用、緑用、青用の波長板を備えた波長板ユニットである。なお、発光パネルの数はこれに限定されるものではなく、単板式や3板式などのいずれのプロジェクタにも適用可能である。
【0149】
各実施例によれば、小型かつ大口径に対応可能な、高い光学性能を有する光学系、撮像装置、および投影装置を提供することができる。
【0150】
各実施例の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面、1/4波長板、および第2透過反射面を有する光学系であって、
拡大側からの光は、前記第1透過反射面と前記1/4波長板とを順に透過し、前記第2透過反射面で拡大側へ反射し、前記1/4波長板を透過し、前記第1透過反射面で縮小側へ反射し、前記1/4波長板と前記第2透過反射面とを順に透過して縮小側へ向かい、
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面はそれぞれ、拡大側に凸面を向けており、
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面とは異なるレンズ面で構成された、第1レンズ、および該第1レンズよりも縮小側に配置された第2レンズが配置されていることを特徴とする光学系。
(構成2)
開放絞り、並びに、拡大側から縮小側へ順に配置された、第1透過反射面、1/4波長板、および第2透過反射面を有する光学系であって、
拡大側からの光は、前記第1透過反射面と前記1/4波長板とを順に透過し、前記第2透過反射面で拡大側へ反射し、前記1/4波長板を透過し、前記第1透過反射面で縮小側へ反射し、前記1/4波長板と前記第2透過反射面とを順に透過して縮小側へ向かい、
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面はそれぞれ、拡大側に凸面を向けており、
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面からパネル面までの距離をL、前記開放絞りから前記第1透過反射面までの光軸上での距離をLsとするとき、
0.00≦Ls/L≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
(構成3)
前記第1レンズおよび前記第2レンズの少なくとも一方は、正の屈折力を有することを特徴とする構成1に記載の光学系。
(構成4)
前記第1レンズおよび前記第2レンズの少なくとも一方は、負の屈折力を有することを特徴とする構成1に記載の光学系。
(構成5)
前記第1レンズおよび前記第2レンズの一方は、正の屈折力を有し、
前記第1レンズおよび前記第2レンズの他方は、負の屈折力を有することを特徴とする構成1、3または4に記載の光学系。
(構成6)
前記第1レンズおよび前記第2レンズは、前記第1透過反射面よりも拡大側に配置されていることを特徴とする構成1、3乃至5のいずれかに記載の光学系。
(構成7)
前記第1レンズおよび前記第2レンズの一方は、負の屈折力を有し、前記第1透過反射面に隣接して拡大側に配置されていることを特徴とする構成1、3乃至6のいずれかに記載の光学系。
(構成8)
前記第1レンズおよび前記第2レンズの一方の拡大側に配置されたレンズは、正の屈折力を有し、
前記正の屈折力を有する前記レンズの焦点距離をfp、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.50≦fp/f≦10.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成7に記載の光学系。
(構成9)
前記光学系は、軸上光線をパネル面に導くように構成されていることを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の光学系。
(構成10)
前記開放絞りの径をD、前記開放絞りから前記パネル面までの光軸上での距離をLDとするとき、
0.03≦D/LD≦1.50
なる条件式を満足することを特徴とする構成2に記載の光学系。
(構成11)
前記第1透過反射面および第2透過反射面は、前記開放絞りよりも縮小側に配置されていることを特徴とする構成2または10に記載の光学系。
(構成12)
前記第1透過反射面と前記第2透過反射面の間の範囲における焦点距離をfR、第1透過反射面よりも拡大側の範囲における焦点距離をfFとするとき、
-2.00≦fF/fR≦10.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至11のいずれかに記載の光学系。
(構成13)
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面から最も縮小側のレンズの縮小側面までの光軸上での厚さをLa、前記第1透過反射面から第2透過反射面までの光軸上での距離をLdとするとき、
0.15≦Ld/La≦0.80
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至12のいずれかに記載の光学系。
(構成14)
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面から最も縮小側のレンズの縮小側面までの光軸上での厚さをLa、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.50≦La/f≦3.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至13のいずれかに記載の光学系。
(構成15)
前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面からパネル面までの距離をL、前記第1透過反射面から前記パネル面までの光軸上での距離をLhとするとき、
0.10≦Lh/L≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至14のいずれかに記載の光学系。
(構成16)
前記第1透過反射面からパネル面までの光軸上での距離をLh、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.30≦Lh/f≦3.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至15のいずれかに記載の光学系。
(構成17)
前記第1透過反射面と前記第2透過反射面との間の領域は、空気以外の材質で満たされており、
前記材質のd線に対する屈折率をndとするとき、
1.40≦nd≦2.30
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至16のいずれかに記載の光学系。
(構成18)
前記第1透過反射面の拡大側に隣接して配置された負レンズを有し、
前記負レンズの焦点距離をfNとするとき、
-10.00≦fN/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至17のいずれかに記載の光学系。
(構成19)
前記第2透過反射面は、前記第1透過反射面の縮小側に配置されており、
前記光学系の焦点距離をf、前記第1透過反射面と前記第2透過反射面の間の範囲における焦点距離をfRとするとき、
-0.5≦f/fR≦2.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至18のいずれかに記載の光学系。
(構成20)
前記第2透過反射面からパネル面までの光軸上の距離をLi、前記光学系のうち最も拡大側のレンズの拡大側面から前記パネル面までの距離をLとするとき、
0.05≦Li/L≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至19のいずれかに記載の光学系。
(構成21)
前記第2透過反射面は、前記光学系のうち最も縮小側に配置されたレンズの縮小側面であることを特徴とする構成1乃至20のいずれかに記載の光学系。
(構成22)
前記第1透過反射面の曲率半径をR1、前記第2透過反射面の曲率半径をR2とするとき、
-1.00≦(R1-R2)/(R1+R2)≦1.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至21のいずれかに記載の光学系。
(構成23)
前記第1透過反射面から第2透過反射面までの光軸上での距離をLd、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.10≦Ld/f≦2.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至22のいずれかに記載の光学系。
(構成24)
前記光学系のうち最も拡大側に配置されたレンズの外径をOe、前記光学系のうち最も縮小側に配置されたレンズの外径をIeとするとき、
0.10≦Oe/Ie≦2.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至23のいずれかに記載の光学系。
(構成25)
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面の一方は、偏光状態に応じて入射光を反射光と透過光とに分離する面であることを特徴とする構成1乃至24のいずれかに記載の光学系。
(構成26)
前記第1透過反射面および前記第2透過反射面の他方は、ハーフミラーまたはコレステリック液晶の面であることを特徴とする構成25に記載の光学系。
(構成27)
前記光学系は、光軸に対して回転対称であることを特徴とする構成1乃至26のいずれかに記載の光学系。
(構成28)
前記光学系のFナンバーをFnoとするとき、
0.50≦Fno≦15.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至27のいずれかに記載の光学系。
(構成29)
構成1乃至28のいずれかに記載の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する素子とを有することを特徴とする撮像装置。
(構成30)
構成1乃至28のいずれかに記載の光学系と、表示素子とを有することを特徴とする投影装置。
【0151】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0152】
HM1 第1透過反射面
QWP 1/4波長板
HM2 第2透過反射面
SP 開放絞り
IM 像面(パネル面)