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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011356
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/503 20210101AFI20250117BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250117BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20250117BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/522
H01M50/209
H01M50/55 101
H01G11/10
H01G2/02 101E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113404
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祐介
(72)【発明者】
【氏名】内田 陽三
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA15
5E078AB02
5E078AB06
5E078JA02
5E078JA07
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC34
5H040DD03
5H040DD13
5H040LL01
5H043AA20
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA17
5H043CA04
5H043FA04
5H043FA22
5H043FA28
5H043FA40
5H043JA01F
5H043JA02F
5H043KA08F
5H043KA09F
(57)【要約】
【課題】蓄電デバイスからバスバーを分離しやすくする技術を提供する。
【解決手段】蓄電モジュール100は、複数の蓄電デバイス12と、バスバー14と、を備えている。複数の蓄電デバイス12は、第1方向Pに並べられている。バスバー14は、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12に架渡されている。バスバー14は、被把持部144を有している。被把持部144は、バスバー14の表面(上面14u)から突出した突起、または、貫通孔である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並べられた複数の蓄電デバイスと、
前記第1方向において隣接する2つの蓄電デバイスに架渡されたバスバーと、
を備える蓄電モジュールであって、
前記バスバーは、該バスバーの表面から突出した突起、または、貫通孔である被把持部を有する、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記被把持部は、前記バスバーにおける前記第1方向の一方の端部に設けられている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記バスバーは、
本体と、該本体から前記第1方向に延びる延伸部と、を有しており、
前記延伸部の先端に前記被把持部を有する、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記蓄電デバイスは、該蓄電デバイスの外表面に正極端子と負極端子とを備えており、
前記バスバーは、
前記隣接する2つの蓄電デバイスにおける一方の蓄電デバイスの前記正極端子と、他方の蓄電デバイスの前記負極端子と、に架渡されており、
相互に異なる金属で構成されるとともに、相互に接合された第1金属部材と第2金属部材とを備えており、
前記第1金属部材は前記正極端子に接合されており、前記第2金属部材は前記負極端子に接合されている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記被把持部により近い方の電極端子と前記バスバーとの接合強度は、前記被把持部により遠い方の電極端子と前記バスバーとの接合強度よりも小さい、請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記被把持部は、前記第1金属部材と前記第2金属部材との接合部に設けられている、請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
前記被把持部は、前記第1金属部材に設けられている、請求項4~6のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】
第1方向に並べられた、電極端子を備える複数の蓄電デバイスと、
前記第1方向において隣接する2つの蓄電デバイスに架渡されたバスバーと、
を備える蓄電モジュールを処理する方法であって、
前記バスバーに設けられた、該バスバーの表面から突出した突起、または、穴である被把持部を引っ張ることによって、前記蓄電デバイスから該バスバーを分離することを包含する、処理方法。
【請求項9】
前記引っ張ることにおいて、治具で把持された前記被把持部を前記蓄電デバイスから離れる方向に引っ張る、請求項8に記載の処理方法。
【請求項10】
前記分離することにおいて、先に、前記被把持部により近い方の前記電極端子と前記バスバーとの接合部から前記バスバーを分離する、請求項8に記載の処理方法。
【請求項11】
前記被把持部を引っ張ることに先んじて、前記バスバーに、前記被把持部が設けられた部位をマーキングすることを含む、請求項8に記載の処理方法。
【請求項12】
前記蓄電デバイスとして、相互に異なる金属で構成されるとともに相互に接合された第1金属部材と第2金属部材とを備えるバスバーを含む蓄電モジュールを処理する、請求項8~11のいずれか一項に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-200832号公報には、導電性を有する金属板からなるバッテリーターミナルと、バッテリーターミナルに組み付けられる電流センサと、を備えた電流センサ付きバッテリーターミナルが開示されている。バッテリーターミナルは、バッテリーポストに接続されるポスト部と、ポスト部に横並びに配置され、負荷が接続される負荷接続端子部と、一端側にポスト部が連結され、他端側に負荷接続端子部が連結される直線状のバスバーと、を備えている。電流センサは、バスバーの他端側に配置されてバスバーを流れる電流によって生じる磁気を検出する磁気検出部と、バスバー前記磁気検出部を樹脂成形により一体的に保持する電流センサ本体と、を備えている。バスバーは、バスバーの長手方向の側縁部を断面L字状に折り曲げた曲げ部を備えている。同公報には、バスバーがかかる曲げ部を備えることによって、連続通電時におけるバスバーの電気抵抗の低減を図るとともに、バスバーの表面からの放熱を向上させることができる、と記載されている。
【0003】
国際公開2012/118014号には、正負の電極端子を異種金属とする複数の電池セルを備え、各々の電池セルの正負の電極端子を金属プレートで接続してなるバッテリシステムが開示されている。バッテリシステムでは、金属プレートが、電池セルの一方の電極端子に接続してなる第1の金属板と、第1の金属板と異なる金属からなり、他方の電極端子に接続してなる第2の金属板とを接合している。第1の金属板は、第2の金属板に積層される第1の積層部を備えている。第2の金属板は、第1の金属板に積層される第2の積層部を備えている。第1の積層部は突出部を、第2の積層部はこの突出部が挿通される切欠部を有し、突出部が切欠部に挿通され、かつ突出部と切欠部とがカシメ構造によって第1の金属板と第2の金属板とを密着する。同公報には、かかる構成によって、金属プレートと電極端子とを長期間にわたって安定して低抵抗な接続状態にすることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-200832号公報
【特許文献2】国際公開2012/118014号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、蓄電モジュールからバスバーをより容易に分離したい、と考えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示される技術によると、第1方向に並べられた複数の蓄電デバイスと、第1方向において隣接する2つの蓄電デバイスに架渡されたバスバーと、を備える蓄電モジュールが開示される。バスバーは、バスバーの表面から突出した突起、または、貫通孔である被把持部を有している。かかる構成の蓄電モジュールからは、バスバーがより容易に分離される。
【0007】
ここで開示される技術によると、第1方向に並べられた、電極端子を備える複数の蓄電デバイスと、第1方向において隣接する2つの蓄電デバイスに架渡されたバスバーと、を備える蓄電モジュールを処理する方法が開示される。処理方法は、バスバーに設けられた、バスバーの表面から突出した突起、または、穴である被把持部を引っ張ることによって、蓄電デバイスからバスバーを分離することを包含する。かかる構成によると、蓄電デバイスからバスバーをより容易に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、蓄電モジュール100の斜視図である。
図2図2は、バスバー14と電極端子との接合部の断面図である。
図3図3は、処理方法の一工程における模式断面図である。
図4図4は、バスバー214と電極端子との接合部の断面図である。
図5図5は、バスバー314と電極端子との接合部の断面図である。
図6図6は、バスバー414と電極端子との接合部の断面図である。
図7図7は、バスバー514と電極端子との接合部の断面図である。
図8図8は、蓄電モジュール600の斜視図である。
図9図9は、蓄電モジュール700の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ここで開示される技術の一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、特にここで開示される技術を限定することを意図したものではない。ここで開示される技術は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における「R」、「L」、「U」、「D」、「F」、および「Rr」の符号は、それぞれ、「右」、「左」、「上」、「下」、「前」、および「後」を示している。また、数値範囲を示す「A~B」の表記は、特に言及されない限りにおいて「A以上B以下」を意味するとともに、「Aを上回り、かつ、Bを下回る」の意味をも包含する。
【0010】
本明細書において、「蓄電デバイス」とは、電解質を介して一対の電極(正極および負極)の間で電荷担体が移動することによって充放電が生じるデバイスをいう。かかる蓄電デバイスは、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池;リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ;を包含する。以下では、上述した蓄電デバイスの一例として、リチウムイオン二次電池を対象とした場合の実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、蓄電モジュール100の斜視図である。図1に示されているように、蓄電モジュール100は、複数の蓄電デバイス12と、バスバー14とを備えている。蓄電デバイス12は、第1方向Pに並べられている。図1に示された形態では、蓄電デバイス12は、直方体形状のケース30を備えており、一対の対向する広面30aと、一対の対向する狭面30bと、底面30cとを有している。広面30aは、ここでは、ケース30における最も面積の広い面である。一対の対向する広面30aは、例えば、矩形状の底面30cの一対の対向する長辺から延びた面である。狭面30bは、ここでは、ケース30における最も面積の狭い面である。一対の対向する狭面30bは、例えば、底面30cの一対の対向する短辺から延びた面である。図1に示されているように、蓄電デバイス12は、広面30aが対向するように並べられている。ここでいう「第1方向P」は、蓄電デバイス12における一方の広面30aから他方の広面30aに向かう方向であり、図1における後(Rr)側から前(F)側に向かう方向である(後述の第2~第5実施形態において同じ)。
【0012】
蓄電デバイス12は、例えば、ケース30と、ケース30内に収容された電極体(図示なし)と、電解液(図示なし)を備えている。ケース30は、図1に示されているように、本体31と封口板32とを備えている。本体31は、例えば、電極体と電解液とを収容する部材である。本体31は、ここでは、一面が開口となった、直方体形状であるとよい。図1に示された形態では、本体31は、一対の対向する広面30aと、一対の対向する狭面30bと、底面30cと、を有している。ここでは、底面30cと開口とが対向している。封口板32は、例えば、本体31の開口を塞ぐ部材である。封口板は、本体31の開口に応じた形状を有しており、ここでは、矩形状(略矩形状を含む。以下同じ。)である。なお、蓄電デバイス12の電極体および電解液としては、この種の蓄電デバイスが有する電極体と電解液とが特に制限なく用いられうる。
【0013】
この実施形態では、蓄電デバイス12は、外表面に正極端子40と負極端子50とを備えている。図1に示された形態では、蓄電デバイス12は、封口板32の上面32uに正極端子40と負極端子50とを備えている。正極端子40は、例えば、電極体の正極と電気的に接続される部材である。正極端子40は、例えば、ケース30内に配置される部位とケース30外に配置される部位とを有している、ケース30内に配置される部位は、電極体の正極と接続される。ケース30外に配置される部位は、後述するバスバー14と接続される。正極端子40は、例えば、アルミニウム製であるとよい。負極端子50は、正極端子40と同じ構造を有していてもよい。負極端子50は、例えば、銅製であるとよい。なお、正極端子40および負極端子50としては、この種の蓄電デバイスで従来から用いられている電極端子が特に制限なく用いられうる。
【0014】
図2は、バスバー14と電極端子との接合部の断面図である。図2には、第1方向Pに沿ったバスバー14と電極端子との接合部の断面が拡大されて示されている。バスバー14は、例えば、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12を電気的に接続する部材である(図1および図2参照)。図1に示されているように、バスバー14は、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12に架渡されている。隣接する2つの蓄電デバイス12における一方の蓄電デバイス12の正極端子40と、他方の蓄電デバイス12の負極端子50と、に架渡されている。図1および図2に示された形態では、バスバー14は、被把持部144を有している。
【0015】
バスバー14の材質は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金、ニッケル、ステンレス等の金属製であるとよい。バスバー14としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のバスバーが特に好ましく用いられている。この実施形態では、バスバー14は、板状である。バスバー14は、この実施形態では、一枚の金属板を所望の形状(ここでは、被把持部144を含む形状)にプレス加工することによって作製されるとよい。あるいは、バスバー14に一枚の金属板を所望の形状(ここでは、被把持部144を除いた形状)にプレス加工した後、被把持部144を別途設けてもよい。
【0016】
図2に示されているように、バスバー14は、本体14aと延伸部14bとを有している。図2に示された形態では、本体14aは、第1接続部141と、第2接続部142と、連結部143と、を有している。第1接続部141は、例えば、正極端子40と接続される部位である。図2に示された形態では、第1接続部141に、第1貫通孔141hが設けられている。第1貫通孔141hの内壁面には、第1接続部141の表面から凹んだ段差141sが設けられている。第1接続部141と正極端子40とを接続する場合、例えば、第1接続部141と正極端子40とを重ね、段差141sと正極端子40とを接合(例えば、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接)するとよい。第2接続部142は、例えば、負極端子50と接続される部位である。図2に示された形態では、第2接続部142に、第2貫通孔142hが設けられている。第2貫通孔142hの内壁面には、第2接続部142の表面から凹んだ段差142sが設けられている。第2接続部142と負極端子50とを接続する場合、例えば、第2接続部142と負極端子50とを重ね、段差142sと負極端子50とを接合(例えば、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接)するとよい。なお、第1貫通孔141h、段差141s、第2貫通孔142h、および段差142sは、必ずしも必要ではない。これらの部位は、他の実施形態において、省略されうる。
【0017】
連結部143は、この実施形態では、第1接続部141と第2接続部142とを連結する部位である。図2に示されているように、連結部143は、第1接続部141と第2接続部142との間に配置されている。連結部143は、ここでは、一対の対向する立設部143aと、平坦面143bとを有している。一対の対向する立設部143aは、第1接続部141と第2接続部142とから蓄電デバイス12と反対側に向かって延びている。平坦面143bは、一対の対向する立設部143aの間を接続している。かかる構成の連結部143を設けることは、例えば、振動、衝撃等によってバスバー14に外力が加わった際に、外力を緩衝できるため、好ましい。
【0018】
図2に示されているように、延伸部14bは、本体14aから第1方向Pに延びた部位である。延伸部14bは、この実施形態では、正極端子40側において本体14aから第1方向Pに延び、正極端子40の外側に突出している。
【0019】
図2に示された形態では、バスバー14は、延伸部14bの先端に被把持部144を有している。被把持部144は、ここでは、バスバー14の表面から突出した突起である。この実施形態では、バスバー14における蓄電デバイス12と反対側の上面14uから突出している。被把持部144は、蓄電デバイス12と反対側に突出している。被把持部144は、例えば、第1接続部141における第1方向Pの端部に設けられた、第2方向Qに沿った壁部であるとよい。ここでいう「第2方向Q」は、図1に示されているように、第1方向Pに直交する方向であり、広面30aに沿う方向である(後述の第2~第5実施形態において同じ)。第2方向Qは、図1では、左(L)側から右(R)側に向かう方向である。
【0020】
ここで開示される技術の効果が実現される限り、バスバー14における各部の寸法関係は、特に限定されない。一例をあげると、本体14aの長さL1が50mm~80mm(例えば、65mm程度)であるバスバー14について、被把持部144の高さHは、概ね2mm~10mm(例えば3mm~5mm)であるとよい。長さL1は、この実施形態では、バスバー14の第1方向における長さをいう。延伸部14bの長さL2は、概ね2mm~5mmであるとよい。長さL2は、この実施形態では、正極端子40における、封口板32の中心と反対側の端部と被把持部144との間の最短距離をいう。バスバー14の厚みは、概ね0.5mm~2mm(例えば0.8mm程度)であるとよい。正極端子40とバスバー14との接合部から被把持部144との間の長さL3は、概ね6mm~10mm(例えば8mm程度)であるとよい。長さL3は、この実施形態では、第1貫通孔141hの中心と被把持部144との最短距離をいう。
【0021】
図1に示されているように、蓄電モジュール100において、複数の蓄電デバイス12は、第1方向Pにおいて拘束されている。ここでは、蓄電モジュール100は、スペーサ11と、一対のエンドプレート17とを備えている。スペーサ11は、第1方向Pにおいて隣接する蓄電デバイス12と蓄電デバイス12との間に配置されている。エンドプレート17は、それぞれ第1方向Pに並べられた複数の蓄電デバイス12の両端に配置され、複数の蓄電デバイス12を拘束している。エンドプレート17には、金属製の拘束バンド18で架橋されている。拘束バンド18の端部は、ビス19によって固定されている。
【0022】
蓄電モジュール100は、種々の用途に用いられるものであるが、なかでも、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好ましく用いられうる。車両の種類は特に限定されないが、好適例として、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(BEV)等が挙げられる。
【0023】
上述のとおり、蓄電モジュール100は、複数の蓄電デバイス12と、バスバー14と、を備えている。複数の蓄電デバイス12は、第1方向Pに並べられている。バスバー14は、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12に架渡されている。バスバー14は、被把持部144を有している。被把持部144は、バスバー14の表面(図2では、上面14u)から突出した突起である。
【0024】
バスバー14が被把持部144を有することによって、例えば、蓄電モジュール100を解体する際に、被把持部144を把持して引っ張ることができる。このため、蓄電デバイス12からバスバー14を分離しやすくなる。これによって、例えば、蓄電モジュール100のリサイクル性を向上させることができる。
【0025】
被把持部144は、バスバー14における第1方向Pの一方の端部に設けられているとよい。これによって、例えば、蓄電モジュール100の解体時に、被把持部144がより把持されやすくなるため、バスバー14が蓄電デバイス12からより分離されやすくなる。
【0026】
バスバー14は、本体14aと、本体14aから第1方向Pに延びる延伸部14bと、を有していてもよい。バスバー14は、延伸部14bの先端に被把持部144を有していてもよい。バスバー14の延伸部14bの先端に被把持部144が設けられることによって、例えば、バスバー14と端子(例えば、正極端子40)との接合部と被把持部144との距離を大きくすることができる。これによって、例えば、蓄電モジュール100の解体時に、被把持部144がより一層把持されやすくなるため、バスバー14が蓄電デバイス12からより一層分離されやすくなる。
【0027】
次いで、蓄電モジュール100を処理する方法について、図3を参照しつつ、説明する。図3は、処理方法の一工程における模式断面図である。図3には、バスバー14の被把持部144が治具Aによって把持されつつ、蓄電デバイス12から分離される過程の断面図が模式的に示されている。蓄電モジュール100の処理方法は、例えば、バスバー14に設けられた被把持部144を引っ張ることによって、蓄電デバイス12からバスバー14を分離することを包含する。この処理方法を実施することによって、蓄電デバイス12からバスバー14を容易に分離することができ、延いては、蓄電モジュール100のリサイクル性を向上させることができる。なお、ここで開示される処理方法は、一部または全部が作業者の手動で実施されてもよく、一部または全部が自動で実施されてもよい。
【0028】
処理方法は、例えば、蓄電モジュール100を解体する方法である。処理方法は、例えば、廃棄を目的とする蓄電モジュール100の解体方法であってもよく、蓄電デバイス12のリサイクルを目的とする蓄電モジュール100の解体方法であってもよい。このため、処理方法の対象となる蓄電モジュール100は、例えば、使用済みの蓄電モジュールであるとよい。使用済みの蓄電モジュールとは、例えば、廃棄の対象となる蓄電モジュール、あるいは、リサイクルの対象となる蓄電モジュールをいう。
【0029】
被把持部144を引っ張ることにおいて、例えば、治具Aで把持された被把持部144を蓄電デバイス12から離れる方向に引っ張るとよい(図1参照)。これによって、蓄電デバイス12からバスバー14をより分離しやすくなる。治具Aは、所定の期間、被把持部144を把持し続けることができるものである限り、特に限定されない。図3に示された形態では、治具Aとして、ペンチが用いられている。「蓄電デバイス12から離れる方向」は、この実施形態では、封口板32の上面32u(図1参照)よりも上方に向かう方向をいう。
【0030】
被把持部144を分離することにおいて、例えば、先に、被把持部144により近い方の電極端子とバスバー14との接合部からバスバー14を分離するとよい。この実施形態では、被把持部144を分離することにおいて、正極端子40とバスバー14との接合部からバスバー14を分離するとよい。図3に示されているように、正極端子40とバスバー14との接合部は、被把持部144により近い方の電極端子とバスバー14との接合部である。このため、蓄電デバイス12からバスバー14をより分離しやすくなる。
【0031】
特に限定するものではないが、処理方法は、被把持部144を引っ張ることに先んじて、バスバー14に、被把持部144が設けられた部位をマーキングすることを含んでもよい。これによって、例えば、被把持部144を認識されやすくしたり、被把持部144の表面に滑り止め機能を付与してより安定的な把持を実現したりすることができる。このため、より効率よく被把持部144が把持され、蓄電デバイス12からのバスバー14の分離がより容易となる。この実施形態において、「被把持部144が設けられた部位」とは、被把持部144そのもの、被把持部144の周縁、あるいは、被把持部144そのものおよび被把持部144の周縁をいう。「被把持部144が設けられた部位をマーキングする」とは、例えば、被把持部144が設けられた部位に加工を施し、バスバー14における、被把持部144が設けられた部位の表面の性質あるいは材質と、被把持部144が設けられた部位を除いた他の部位との性質あるいは材質とを異ならせることをいう。
【0032】
マーキングの方法は、特に限定されず、例えば、被把持部144が設けられた部位の表面に凹部および/または凸部を設ける加工(例えば、ローレット加工)であるとよい。マーキングは、例えば、被把持部144が設けられた部位の表面にテープを貼ることによってなされてもよい。テープは、例えば、着色されたもの、貼られた部位に滑り止め機能を付与できるもの等であるとよい。
【0033】
被把持部144が設けられた部位にマーキングするタイミングは、例えば、蓄電モジュール100の製造工程であるとよい。この場合、例えば、バスバー14として、予め被把持部144が設けられた部位にマーキングされたバスバーが用いられるとよい。蓄電デバイス12にバスバー14を取り付けた後に、被把持部144が設けられた部位にマーキングしてもよい。あるいは、蓄電モジュール100を処理する際に、被把持部144が設けられた部位にマーキングしてもよい。
【0034】
上述のとおり、ここで開示される技術の第1実施形態を説明した。ただし、ここで開示される技術は、以上に例示した実施形態を変形、変更したものを含みうる。以下に例示される他の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、以下の説明において、第1実施形態と共通する部分については、改めて記載しない。
【0035】
<第2実施形態>
例えば、第1実施形態では、被把持部144は、突起であった。しかし、被把持部の形状は、これに限定されない。図4は、バスバー214と電極端子との接合部の断面図である。図4に示された形態では、バスバー214は、貫通孔である被把持部2144を有している。バスバー214は、被把持部2144が貫通孔であること以外は、バスバー14と同じであってもよい。なお、被把持部2144が貫通孔であるため、処理方法における治具としては、例えば、鉤状の治具が用いられるとよい。かかる治具の鉤部を被把持部2144に引っかけることによって、被把持部2144が把持されうる。
【0036】
<第3実施形態>
例えば、第1実施形態では、バスバー14は、本体14aと延伸部14bとを有し、延伸部14bの先端に被把持部144を有していた。しかし、ここで開示される技術は、これに限定されない。図5は、バスバー314と電極端子との接合部の断面図である。図5に示されているように、バスバー314は、第1接続部3141と第2接続部3142と連結部3143とを有している。この実施形態では、バスバー314は、第1方向Pの一方の端部に第1接続部3141を有している。第1接続部3141は、正極端子40と重ね合わせられている。バスバー314は、第1方向Pの他方の端部に第2接続部3142を有している。第2接続部3142は、負極端子50と重ね合わせられている。この実施形態では、バスバー314は、第1接続部3141に被把持部3144を有している。被把持部3144は、第1接続部3141における第1方向Pの端部に設けられている。ここでいう第1接続部3141における第1方向Pの端部は、第2接続部3142と反対側の端部である。被把持部3144は、ここでは、表面から突出した突起である。しかし、被把持部3144の形状は、これに限定されず、貫通孔であってもよい。なお、バスバー314に関して、ここで説明した以外のことは、バスバー14と同じであってもよい。図5における符号3141sと符号3142sとは段差であり、符号3141hは第1貫通孔であり、符号3142hは第2貫通孔である。
【0037】
<第4実施形態>
上述の実施形態では、単一の金属材料からなるバスバーが用いられていた。しかし、ここで開示される技術で用いられるバスバーは、これに限定されない。図6は、バスバー414と電極端子との接合部の断面図である。図6に示されているように、バスバー414は、第1金属部材4141と、第2金属部材4142とを有していてもよい。第1金属部材4141と第2金属部材4142とは、相互に異なる金属で構成されているとともに、相互に接合されているとよい。バスバー414は、例えば、いわゆるクラッド材であるとよい。第1金属部材4141は、正極端子40に接合されるとよい。第2金属部材は、負極端子50に接合されるとよい。
【0038】
第1金属部材4141は、正極端子40と同じ金属であることが好ましく、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製である。図6に示されているように、第1金属部材4141は、第1接続部4141aと、第1立設部4141bと、第1連結部4141cと、を有している。第1接続部4141aは、例えば、プレート状であり、正極端子40に接続される部位である。この実施形態では、第1接続部4141aは、正極端子40の上面に沿って配置され、正極端子40に接合されている。第1接続部4141aは、例えば、第1貫通孔4141hの内壁面に設けられた段差4141sにて、正極端子40と接合されている。第1立設部4141bは、例えば、第1接続部4141aの第1方向Pにおける第2金属部材4142側の端部から立設する部位である。第1立設部4141bは、ここでは、第1接続部4141aと第1連結部4141cとを繋いでいる。第1連結部4141cは、例えば、プレート状であり、第2金属部材4142と連結する部位である。この実施形態では、第1連結部4141cは、第2連結部4142cに接合(例えば、拡散接合、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接)されることによって、第2金属部材4142と連結されている。なお、第1接続部4141aと正極端子40との接合は、例えば、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接等で実現されうる。
【0039】
第2金属部材4142は、負極端子50であることが好ましく、例えば、銅または銅合金製である。図6に示されているように、第2金属部材4142は、第2接続部4142aと、第2立設部4142bと、第2連結部4142cと、を有している。第2接続部4142aは、例えば、プレート状であり、負極端子50に接続される部位である。この実施形態では、第2接続部4142aは、負極端子50の上面に沿って配置され、負極端子50に接合されている。第2接続部4142aは、例えば、第2貫通孔4142hの内壁面に設けられた段差4142sにて、負極端子50と接合されている。第2接続部4142aと負極端子50との接合は、例えば、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接等で実現されうる。第2立設部4142bは、例えば、第2接続部4142aの第1方向Pにおける第1金属部材4141側の端部から立設する部位である。第2立設部4142bは、ここでは、第2接続部4142aと第2連結部4142cとを繋いでいる。第2連結部4142cは、例えば、プレート状であり、第1金属部材4141と連結する部位である。この実施形態では、第2連結部4142cは、第1連結部4141cに接合されることによって、第1金属部材4141と連結されている。
【0040】
図6に示されているように、バスバー414は、被把持部4144を有している。この実施形態では、被把持部4144により近い方の電極端子とバスバー414との接合強度は、被把持部4144により遠い方の電極端子とバスバーとの接合強度よりも小さい。図6に示された形態では、被把持部4144により近い方の電極端子は、正極端子40である。上述のとおり、正極端子40は、第1金属部材4141の第1接続部4141aと接合されている。正極端子40と第1接続部4141aとの接合は、ここでは、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材どうしの接合である。被把持部4144により遠い方の電極端子は、負極端子50である。上述のとおり、負極端子50は、第2金属部材4142の第2接続部4142aと接合されている。負極端子50と第2接続部4142aとの接合は、ここでは、銅または銅合金製の部材どうしの接合である。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材どうしの接合強度は、銅または銅合金製の部材どうしの接合強度よりも小さい。相対的に接合強度が小さい電極端子とバスバー414との接合部に寄せて被把持部4144を設けることによって、バスバー414を蓄電デバイス12からより容易に分離することができる。
【0041】
図6に示されているように、被把持部4144は、第1金属部材4141に設けられているとよい。この実施形態では、被把持部4144は、第1接続部4141aの第1方向Pにおける第1立設部4141bと反対側の端部に設けられている。かかる部位に被把持部4144を設けることによって、正極端子40からバスバー414をより分離しやすくすることができ、延いては、バスバー414を蓄電デバイス12からより容易に分離することができる。アルミニウムまたはアルミニウム合金は、銅または銅合金よりも柔らかく、加工しやすい。そのため、第1金属部材4141に被把持部4144を設ける方が、第2接続部4142aに被把持部を設けるよりも、バスバー414をより製造しやすくなる。
【0042】
<第5実施形態>
第4実施形態では、被把持部4144は、バスバー414の第1方向Pにおける一方の端部に設けられていた。しかし、被把持部は、必ずしもかかる部位に設けられなくてもよい。図7は、バスバー514と電極端子との接合部の断面図である。図7に示されているように、バスバー514は、被把持部5144を備えている。この実施形態では、被把持部5144は、第1金属部材5141と第2金属部材5142との接合部に設けられている。図7に示された形態では、第1金属部材5141と第2金属部材5142との接合部は、第1連結部5141cと第2連結部5142cとの接合部に設けられている。ここでは、被把持部5144は、第1連結部5141cと第2連結部5142cとの接合部において、第1連結部5141cの第1方向Pにおける第2接続部5142a側の端部に設けられている。
【0043】
第1金属部材5141と第2金属部材5142とは、相互に異なる金属で構成されており、両者の接合部は、異種金属の接合部となっている。第1金属部材5141と第2金属部材5142との接合部は、第1金属部材5141と正極端子40との接合部、ならびに、第2金属部材5142と負極端子50との接合部のいずれよりも小さい接合強度を有しうる。換言すれば、第1金属部材5141と第2金属部材5142との接合部は、バスバー514と電極端子との接合物における接合部のうちで、最も低い接合強度を有しうる。このため、電極端子からのバスバー514をより容易に分離することができる。
【0044】
第4実施形態と第5実施形態とにおける処理方法では、蓄電デバイス12として、第1金属部材4141,5141と第2金属部材4142,5142とを備えるバスバー414,514を含む蓄電モジュール100を処理する。第1金属部材4141,5141と第2金属部材4142,5142とは、相互に異なる金属で構成されるとともに相互に接合されている。第4実施形態と第5実施形態とにおける蓄電モジュール100は、上述したバスバー414,514の分離容易性の観点から、処理方法の処理対象として好適である。なお、図7における符号5141aは第1接続部であり、符号5141bは第1立設部であり、符号5142bは第2立設部であり、符号5141s、5142sは段差であり、符号5141hは第1貫通孔であり、符号5142hは第2貫通孔である。
【0045】
<第6実施形態>
ここで開示される技術における「第1方向P」は、必ずしも上述の実施形態において規定される方向でなくてもよい。図8は、蓄電モジュール600の斜視図である。図8には、蓄電モジュール600の全体構造が模式的に示されている。図8に示されているように、蓄電モジュール600は、複数の蓄電デバイス12と、バスバー614と、を備えている。蓄電デバイス12は、第1方向Pに並べられている。バスバー614は、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12に架渡されている。ここでは、蓄電デバイス12は、隣接する蓄電デバイス12の狭面30bが対向するように並べられている。この実施形態における「第1方向P」は、蓄電デバイス12における一方の狭面30bから他方の狭面30bに向かう方向であり、図8では、左(L)側から右(R)側に向かう方向である(後述の第7実施形態において同じ)。なお、図8では、4つの蓄電デバイス12が示されているが、これは一例にすぎず、蓄電モジュール600に含まれる蓄電デバイス12の数を限定することを意図したものではない。図8では、一方の広面30aが上(U)側に、他方の広面30aが下(D)側に配置され、一方の狭面30bが左(L)側に、他方の狭面30bが右(R)側に配置されているが、これは一例に過ぎず、蓄電モジュール600の設置形態を限定することを意図したものではない(後述の第7実施形態において同じ)。
【0046】
図8に示された形態において、バスバー614は、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12における、一方の蓄電デバイス12の正極端子40と、他方の蓄電デバイス12の負極端子50とに架渡されている。バスバー614としては、第1~第5実施形態のバスバー14,214,314,414,514のうちのいずれのバスバーが用いられてもよい。
【0047】
<第7実施形態>
図9は、蓄電モジュール700の斜視図である。図9には、蓄電モジュール700の全体構造が模式的に示されている。図9に示されているように、蓄電モジュール700は、複数の蓄電デバイス群701を備えている。蓄電デバイス群701は、複数の蓄電デバイス12と、第1バスバー714aと、を備えている。複数の蓄電デバイス12は、第1方向Pに並べられている。第1バスバー714aは、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12に架渡されている。ここでは、蓄電デバイス12は、隣接する蓄電デバイス12の狭面30bが対向するように並べられている。図9に示された形態において、バスバー714は、第1方向Pにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12における、一方の蓄電デバイス12の正極端子40と、他方の蓄電デバイス12の負極端子50とに架渡されている。第1バスバー714aとしては、第1~第5実施形態のバスバー14,214,314,414,514のうちのいずれのバスバーが用いられてもよい。
【0048】
図9に示されているように、複数の蓄電デバイス群701は、第2方向Qに並べられ(重ね合わせられ)、相互に電気的に接続されている。この実施形態では、複数の蓄電デバイス群701は、第2方向Qにおいて隣接する2つの蓄電デバイス12の広面30aが相互に重なるように、並べられている(重ね合わせられている)。この実施形態における「第2方向Q」は、蓄電デバイス12における一方の広面30aから他方の広面30aに向かう方向であり、図9では、下(D)側から上(U)側に向かう方向である。この実施形態では、複数の蓄電デバイス群701は、第2バスバー714bによって、相互に電気的に接続されている。図9に示されているように、第2バスバー714bは、第1方向Pにおける一方または他方の端部において、第2方向Qにおいて隣接する一方の蓄電デバイス12の正極端子40と、他方の蓄電デバイス12の負極端子50と、に架渡されている。第2バスバー714bとしては、この種の蓄電モジュールに用いられる従来公知のバスバーが用いられてもよいが、第1~第5実施形態のバスバー14,214,314,414,514のうちのいずれのバスバーが用いられることが好ましい。なお、図9では、3つの蓄電デバイス群701が示されているが、これは一例に過ぎず、蓄電デバイス群701の数を限定することを意図したものではない。図9では、蓄電デバイス群701に4つの蓄電デバイス12が含まれているが、これは一例にすぎず、蓄電デバイス群701に含まれる蓄電デバイス12の数を限定することを意図したものではない。
【0049】
以上のとおり、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:
第1方向に並べられた複数の蓄電デバイスと、
前記第1方向において隣接する2つの蓄電デバイスに架渡されたバスバーと、
を備える蓄電モジュールであって、
前記バスバーは、該バスバーの表面から突出した突起、または、貫通孔である被把持部を有する、蓄電モジュール。
項2:
前記被把持部は、前記バスバーにおける前記第1方向の一方の端部に設けられている、項1に記載の蓄電モジュール。
項3:
前記バスバーは、
本体と、該本体から前記第1方向に延びる延伸部と、を有しており、
前記延伸部の先端に前記被把持部を有する、項1または2に記載の蓄電モジュール。
項4:
前記蓄電デバイスは、該蓄電デバイスの外表面に正極端子と負極端子とを備えており、
前記バスバーは、
前記隣接する2つの蓄電デバイスにおける一方の蓄電デバイスの前記正極端子と、他方の蓄電デバイスの前記負極端子と、に架渡されており、
相互に異なる金属で構成されるとともに、相互に接合された第1金属部材と第2金属部材とを備えており、
前記第1金属部材は前記正極端子に接合されており、前記第2金属部材は前記負極端子に接合されている、項1~3のいずれか一つに記載の蓄電モジュール。
項5:
前記被把持部により近い方の電極端子と前記バスバーとの接合強度は、前記被把持部により遠い方の電極端子と前記バスバーとの接合強度よりも小さい、項1~4のいずれか一つに記載の蓄電モジュール。
項6:
前記被把持部は、前記第1金属部材と前記第2金属部材との接合部に設けられている、項1~5のいずれか一つに記載の蓄電モジュール。
項7:
前記被把持部は、前記第1金属部材に設けられている、項4~6のいずれか一つに記載の蓄電モジュール。
項8:
第1方向に並べられた、電極端子を備える複数の蓄電デバイスと、
前記第1方向において隣接する2つの蓄電デバイスに架渡されたバスバーと、
を備える蓄電モジュールを処理する方法であって、
前記バスバーに設けられた、該バスバーの表面から突出した突起、または、穴である被把持部を引っ張ることによって、前記蓄電デバイスから該バスバーを分離することを包含する、処理方法。
項9:
前記引っ張ることにおいて、治具で把持された前記被把持部を前記蓄電デバイスから離れる方向に引っ張る、項8に記載の処理方法。
項10:
前記分離することにおいて、先に、前記被把持部により近い方の前記電極端子と前記バスバーとの接合部から前記バスバーを分離する、項8または9に記載の処理方法。
項11:
前記被把持部を引っ張ることに先んじて、前記バスバーに、前記被把持部が設けられた部位をマーキングすることを含む、項8~10のいずれか一つに記載の処理方法。
項12:
前記蓄電デバイスとして、相互に異なる金属で構成されるとともに相互に接合された第1金属部材と第2金属部材とを備えるバスバーを含む蓄電モジュールを処理する、項8~11のいずれか一つに記載の処理方法。
【0050】
以上、ここで開示される技術の実施形態について説明したが、ここで開示される技術を上記実施形態に限定することを意図したものではない。ここで開示される技術は、他の実施形態においても実施されうる。特許請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【符号の説明】
【0051】
12 蓄電デバイス
14 バスバー
14a 本体
14b 延伸部
141 第1接続部
142 第2接続部
143 連結部
144 被把持部
30 ケース
40 正極端子
50 負極端子
100,600,700 蓄電モジュール
A 治具
214,314,414,514,614 バスバー
714a 第1バスバー
714b 第2バスバー
2144,3144,4144,5144 被把持部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9