(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025113629
(43)【公開日】2025-08-04
(54)【発明の名称】光学機器、光学機器の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G03B 35/08 20210101AFI20250728BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20250728BHJP
G03B 19/07 20210101ALI20250728BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20250728BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20250728BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20250728BHJP
H04N 13/218 20180101ALI20250728BHJP
【FI】
G03B35/08
G03B5/00 J
G03B19/07
G03B17/14
H04N23/68
H04N23/60
H04N13/218
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007887
(22)【出願日】2024-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】池谷 優樹
【テーマコード(参考)】
2H054
2H059
2H101
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H054BB05
2H059AA09
2H059AA13
2H101EE03
2H101EE08
2K005CA02
2K005CA13
2K005CA14
2K005CA23
2K005CA53
5C122EA41
5C122FA04
5C122FB02
5C122FB03
5C122FB04
5C122FB11
5C122FB15
5C122FE02
5C122HA82
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を得ることが可能な光学機器を提供する。
【解決手段】光学機器は、第1防振手段(104;111、107;114、201)と、第2防振手段(104;111、107;114、201)と、第1防振手段および第2防振手段のそれぞれを光軸と垂直な方向に移動させる制御手段(117、119、202)とを有し、制御手段は、第1防振手段および第2防振手段の少なくとも一方を用いて防振を行い、第1防振手段および第2防振手段の少なくとも他方を用いて輻輳角を調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1防振手段と、
第2防振手段と、
前記第1防振手段および前記第2防振手段のそれぞれを光軸と垂直な方向に移動させる制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも一方を用いて防振を行い、
前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも他方を用いて輻輳角を調整することを特徴とする光学機器。
【請求項2】
第1光学系と、
前記第1光学系と並列に配置された第2光学系とを更に有することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記第1防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成する第1レンズであり、
前記第2防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成する第2レンズであることを特徴とする請求項2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記光学機器は、前記第1光学系および前記第2光学系を有するレンズ装置と、前記レンズ装置と撮像装置との間に着脱可能なアダプタ装置とを含み、
前記第1防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成する第1レンズであり、
前記第2防振手段は、前記アダプタ装置に設けられた第3レンズであることを特徴とする請求項2に記載の光学機器。
【請求項5】
前記光学機器は、前記第1光学系および前記第2光学系を有するレンズ装置と、前記レンズ装置が着脱可能な撮像装置とを含み、
前記第1防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成するレンズであり、
前記第2防振手段は、前記撮像装置の撮像素子であることを特徴とする請求項2に記載の光学機器。
【請求項6】
前記光学機器は、前記第1光学系および前記第2光学系を有するレンズ装置と、撮像装置と、前記レンズ装置と前記撮像装置との間に着脱可能なアダプタ装置とを含み、
前記第1防振手段は、前記アダプタ装置に設けられたレンズであり、
前記第2防振手段は、前記撮像装置の撮像素子であることを特徴とする請求項2に記載の光学機器。
【請求項7】
前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの光軸を変更する光学部材を更に有し、
前記光学部材は、プリズム、ミラー、およびレンズの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2に記載の光学機器。
【請求項8】
前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれにより形成された光学像は、一つの撮像素子により光電変換されることを特徴とする請求項2に記載の光学機器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1防振手段と前記第2防振手段による前記輻輳角の調整を分担する第1比率を決定し、
前記第1防振手段と前記第2防振手段は、前記第1比率で、前記輻輳角の調整を分担して行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第1防振手段と前記第2防振手段による前記防振を分担する第2比率を決定し、
前記第1防振手段と前記第2防振手段は、前記第2比率で、前記防振を分担して行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項11】
フォーカス位置を変更するフォーカス手段を更に有し、
前記制御手段は、前記フォーカス位置に応じて、前記第1比率を変更することを特徴とする請求項9に記載の光学機器。
【請求項12】
フォーカス位置を変更するフォーカス手段を更に有し、
前記制御手段は、前記フォーカス位置に応じて、前記第2比率を変更することを特徴とする請求項10に記載の光学機器。
【請求項13】
ズーム位置を変更するズーム手段を更に有し、
前記制御手段は、前記ズーム位置に応じて、前記第1比率を変更することを特徴とする請求項9に記載の光学機器。
【請求項14】
ズーム位置を変更するズーム手段を更に有し、
前記制御手段は、前記ズーム位置に応じて、前記第2比率を変更することを特徴とする請求項10に記載の光学機器。
【請求項15】
前記光学機器は、レンズ装置と、前記レンズ装置と撮像装置との間に着脱可能なアダプタ装置とを含み、
前記アダプタ装置は、前記レンズ装置が前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも一方を有するか否かに応じて、前記輻輳角の調整および前記防振の少なくとも一方に関する制御を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項16】
第1防振手段および第2防振手段の少なくとも一方を光軸と垂直な方向に移動させることで、防振を行うステップと、
前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも他方を前記光軸と垂直な方向に移動させることで、輻輳角を調整するステップとを有することを特徴とする光学機器の制御方法。
【請求項17】
請求項16に記載の光学機器の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学機器、光学機器の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複眼撮像装置または複数台の撮像装置を用いて立体撮影する際、2つの光学系の光軸の間隔である基線長や、2つの光学系の光軸が被写体付近で略交差する角度である輻輳角を、ズームやフォーカスに応じて操作することで、被写体の自然な立体画像を撮影できる。輻輳角を調整する方法としては、撮像装置全体、ミラーやプリズムを回転させるチルト方法や、レンズや撮像素子を光軸と略垂直方向に移動させるシフト方法がある。チルト方法では撮像装置の構造が大きくなってしまうが、シフト方法では、撮像装置の構造を比較的小さくすることができる。
【0003】
特許文献1には、複数の撮影手段を備え、撮影手段毎に一つの像ブレ補正手段を制御することで、輻輳角(二つの視線のなす角度)を変更しながら順次画像を撮影して複数の画像を取得することが可能な撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された撮像装置は、レンズまたは撮像素子のいずれかの像ブレ補正手段をシフトさせて、像ブレ補正および輻輳角調整の両方を行う。このため、像ブレ補正量または輻輳角調整量の少なくとも一方が不足し、像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を取得できない可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を得ることが可能な光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学機器は、第1防振手段と、第2防振手段と、前記第1防振手段および前記第2防振手段のそれぞれを光軸と垂直な方向に移動させる制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも一方を用いて防振を行い、前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも他方を用いて輻輳角を調整する。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を得ることが可能な光学機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】各実施例における二眼レンズ装置を備えた撮像システムの構成図である。
【
図2】各実施例における二つの一眼レンズ装置およびレンズアダプタ装置を備えた撮像システムの構成図である。
【
図3】実施例1における輻輳角調整処理および防振処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施例2における輻輳角調整処理および防振処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
まず、
図1を参照して、二眼レンズ装置を備えた撮像システム(レンズ交換式カメラシステム)10aについて説明する。
図1は、撮像システム10aの構成図である。撮像システム10aは、カメラ本体(撮像装置)200と、カメラ本体200に対して着脱可能かつ通信可能に接続された交換レンズ(二眼レンズ装置)100とを備えて構成される。交換レンズ100とカメラ本体200は、それぞれに設けられた通信部121、208を介して相互に通信を行う。なお、交換レンズ100、カメラ本体200、または撮像システム10aをそれぞれ光学機器と呼ぶ場合がある。
【0013】
交換レンズ100は、撮像光学系(第1光学系)101および撮像光学系(第2光学系)108を有する。撮像光学系101、108は互いに並列に配置された二つの光学系である。撮像光学系101、108はそれぞれ、ズームレンズ102、109、開口絞り103、110、防振レンズ104、107、111、114、フォーカスレンズ105、112、およびプリズム106、113を含む。また交換レンズ100は、ズーム制御部115、開口絞り制御部116、防振制御部(シフト手段)117、119、フォーカス制御部118、レンズマイコン(レンズマイクロコンピュータ、制御手段)120、および記憶部122を有する。なお各実施例において、撮像光学系101、108のそれぞれの光軸を変更する光学部材としてプリズム106、113が設けられているが、これに限定されるものではなく、ミラーまたはレンズ等の他の光学部材を用いてもよい。
【0014】
ズームレンズ102、109は、撮像光学系101、108の光軸方向(
図1中の矢印方向(横方向))に移動することで、撮像光学系101、108の焦点距離を変更する(変倍を行う)。ズーム制御部115は、不図示のポテンショメータ等の位置センサを用いて検出されたズームレンズ102、109の位置(ズーム位置)を取得したレンズマイコン120からの指示に応じて、ズームレンズ102、109を移動させる。なお、ズームレンズ102、109およびズーム制御部115は、ズーム位置を変更するズーム手段を構成する。
【0015】
開口絞り103、110は、撮像光学系101、108を透過する光量を調整するために、絞り口径を変化させる絞り羽根を備える。開口絞り制御部116は、不図示のフォトインタラプタ等のセンサを用いて検出された絞り口径を取得したレンズマイコン120からの指示に応じて、ステッピングモータ等のアクチュエータを駆動して開口絞り103、110の絞り口径を変化させる。
【0016】
防振レンズ104、107、111、114は、撮像光学系101、108のそれぞれの光軸に垂直な方向(
図1中の矢印方向(縦方向))に移動することで、撮像システム10aに加わった動き(カメラ振れ)に伴う像ブレを補正し、または輻輳角を調整する。レンズマイコン120は、不図示のジャイロセンサまたは加速度センサにより検出されたカメラ振れを取得する。防振制御部117、119は、カメラ振れを取得したレンズマイコン120からの防振指示または輻輳角調整の指示に応じて、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを駆動して防振レンズ104、107、111、114を移動させる。
【0017】
なお各実施例において、撮像光学系101における防振レンズ104と撮像光学系108における防振レンズ111とを別体として設けているが、これに限定されるものではなく、一つの防振レンズを撮像光学系101、108において共用してもよい。同様に、撮像光学系101における防振レンズ107と撮像光学系108における防振レンズ114とを別体として設けているが、これに限定されるものではなく、一つの防振レンズを撮像光学系101、108において共用してもよい。ただし、輻輳角を調整するには、撮像光学系101、108において対応する二つの防振レンズを互いに逆方向に移動させる必要があるため、防振レンズを共用すると防振レンズを用いて輻輳角を調整できなくなる。このため、輻輳角の調整に用いられる防振レンズは、撮像光学系101、108のそれぞれにおいて別体として設けられる。
【0018】
フォーカスレンズ105、112は、撮像光学系101、108の光軸方向に移動することで、撮像光学系101、108の結像位置を調整する。レンズマイコン120は、不図示のエンコーダ等の位置センサを用いて検出されたフォーカスレンズ105、112の位置(フォーカス位置)を取得する。フォーカス制御部118は、フォーカスレンズ105、112の位置を取得したレンズマイコン120からの指示に応じて、ステッピングモータ等のアクチュエータを駆動してフォーカスレンズ105、112を移動させる。なお、フォーカスレンズ105、112およびフォーカス制御部118は、フォーカス位置を変更するフォーカス手段を構成する。
【0019】
記憶部122は、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等である。記憶部122は、ズームレンズ102、109、開口絞り103、110、防振レンズ104、107、111、114、およびフォーカスレンズ105、112の駆動を制御するために必要な光学情報を記憶している。光学情報は、例えば、防振レンズ104、107、111、114の駆動可能ストローク量、および、像ブレ補正(防振)または輻輳角調整に必要な敏感度等に関する情報である。
【0020】
カメラ本体200は、撮像素子201、撮像素子制御部(シフト手段)202、信号処理部203、記録処理部204、表示部205、操作部206、カメラマイコン(カメラマイクロコンピュータ、制御手段)207、および記憶部209を含む。
【0021】
撮像素子201は、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等の光電変換素子である。撮像素子201は、撮像光学系101、108のそれぞれにより形成された被写体像(光学像)を光電変換(撮像)する。
【0022】
撮像素子制御部202は、不図示のジャイロセンサまたは加速度センサにより検出されたカメラ振れを取得したカメラマイコン207からの指示に応じて、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを駆動して撮像素子201を移動させる。なお、防振レンズ104、107(111、114)に代えて、撮像素子201を光軸に垂直な方向に移動することで、像ブレを補正し、または輻輳角を調整してもよい。
【0023】
信号処理部203は、被写体像を撮像した撮像素子201から出力されたアナログ撮像信号を、デジタル撮像信号に変換する。また信号処理部203は、デジタル撮像信号に対してノイズ除去や色補正等の各種信号処理を行って、画像信号、フォーカス信号、輝度信号、および色差信号等を生成する。信号処理部203から出力された画像信号は、記録処理部204に送られる。信号処理部203は、画像信号から静止画データや動画データを生成して不図示の記録媒体に記録する。
【0024】
信号処理部203から出力されたフォーカス信号は、カメラマイコン207に入力される。フォーカス信号は、例えば、位相差検出方式の焦点検出におけるデフォーカス量を示す。カメラマイコン207は、デフォーカス量をフォーカスレンズ105、112の駆動量に変換し、フォーカスレンズ105、112の駆動量を含むフォーカス指令をレンズマイコン120に送信する。レンズマイコン120は、受信したフォーカス指令に基づいて、フォーカス制御部118に指示を出してフォーカスレンズ105、112を駆動させる。これにより、オートフォーカス(AF)が行われる。
【0025】
信号処理部203から出力された輝度信号は、カメラマイコン207に入力される。カメラマイコン207は、輝度信号から得られる明るさ評価値が適正となるように、絞り値(F値)、シャッタ速度、および撮像素子201の感度を算出する。カメラマイコン207は、算出した絞り値を含む絞り指令をレンズマイコン120に送信する。レンズマイコン120は、受信した絞り指令に基づいて開口絞り制御部116に指示を出して開口絞り103、110を駆動させる。カメラマイコン207は、算出したシャッタ速度および撮像素子201の感度を設定する。これにより、自動露出(AE)が行われる。
【0026】
操作部206は、不図示の撮像指示スイッチ、および撮像条件等を設定するためのスイッチを含む。カメラマイコン207は、操作部206からの入力に応じて各種制御を行う。
【0027】
次に、
図2を参照して、二つの一眼レンズ装置を備えた撮像システム(レンズ交換式カメラシステム)10bについて説明する。
図2は、撮像システム10bの構成図である。撮像システム10bは、カメラ本体(撮像装置)600と、アダプタ装置500と、交換レンズ(一眼レンズ装置)300、400とを備えて構成される。アダプタ装置500は、カメラ本体600に対して着脱可能かつ通信可能に接続されている。交換レンズ300、400はそれぞれ、アダプタ装置500に対して着脱可能かつ通信可能に接続されている。アダプタ装置500とカメラ本体600は、それぞれに設けられた通信部508、608を介して相互に通信を行う。交換レンズ300、400とアダプタ装置500は、それぞれに設けられた通信部311、411と508を介して相互に通信を行う。なお、交換レンズ300、400、アダプタ装置500、カメラ本体600、または撮像システム10bをそれぞれ光学機器と呼ぶ場合がある。
【0028】
交換レンズ300は、撮像光学系(第1光学系)301を有する。撮像光学系301はそれぞれ、ズームレンズ302、開口絞り303、防振レンズ304、およびフォーカスレンズ305を含み、交換レンズ400の撮像光学系(第2光学系)401と並列に配置される。また交換レンズ300は、ズーム制御部306、開口絞り制御部307、防振制御部(シフト手段)308、フォーカス制御部309、レンズマイコン(レンズマイクロコンピュータ、制御手段)310、および記憶部312を有する。
【0029】
ズームレンズ302は、撮像光学系301の光軸方向(
図2中の矢印方向(横方向))に移動することで、撮像光学系301の焦点距離を変更する(変倍を行う)。ズーム制御部306は、不図示のポテンショメータ等の位置センサを用いて検出されたズームレンズ302の位置(ズーム位置)を取得したレンズマイコン310からの指示に応じて、ズームレンズ302を移動させる。なお、ズームレンズ302およびズーム制御部306は、ズーム位置を変更するズーム手段を構成する。
【0030】
開口絞り303は、撮像光学系301を透過する光量を調整するために、絞り口径を変化させる絞り羽根を備える。開口絞り制御部307は、不図示のフォトインタラプタ等のセンサを用いて検出された絞り口径を取得したレンズマイコン310からの指示に応じて、ステッピングモータ等のアクチュエータを駆動して開口絞り303の絞り口径を変化させる。
【0031】
防振レンズ304は、撮像光学系301の光軸に対して垂直な方向(
図2中の矢印方向(縦方向))に移動することで、撮像システム10bに加わった動き(カメラ振れ)に伴う像ブレを補正し、または輻輳角を調整する。レンズマイコン310は、不図示のジャイロセンサや加速度センサにより検出されたカメラ振れを取得する。防振制御部308は、カメラ振れを取得したレンズマイコン310からの防振指示または輻輳角調整の指示に応じて、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを駆動して防振レンズ304を移動させる。
【0032】
フォーカスレンズ305は、撮像光学系301の光軸方向に移動することで、撮像光学系301の結像位置を調整する。フォーカス制御部309は、不図示のエンコーダ等の位置センサを用いて検出されたフォーカスレンズ305の位置を取得したレンズマイコン310からの指示に応じて、ステッピングモータ等のアクチュエータを駆動してフォーカスレンズ305を移動させる。なお、フォーカスレンズ305およびフォーカス制御部309は、フォーカス位置を変更するフォーカス手段を構成する。
【0033】
記憶部312は、ROMまたはRAM等を有する。記憶部312は、ズームレンズ302、開口絞り303、防振レンズ304、およびフォーカスレンズ305の駆動を制御するために必要な光学情報を記憶している。光学情報は、例えば、防振レンズ304の駆動可能ストローク量、および、像ブレ補正(防振)または輻輳角調整に必要な敏感度等に関する情報である。
【0034】
なお交換レンズ400の構成は、交換レンズ300と同様であるため、その説明を省略する。
【0035】
アダプタ装置500は、撮像光学系(第1光学系)501および撮像光学系(第2光学系)504を有する。撮像光学系501、504はそれぞれ、ミラー502、505および防振レンズ503を含む。またアダプタ装置500は、防振制御部(シフト手段)506、アダプタマイコン(アダプタマイクロコンピュータ、制御手段)507、および記憶部509を有する。なお各実施例では、光軸を変更する光学部材としてミラー502、505を用いているが、これに限定されるものではなく、プリズムまたはレンズ等の他の光学部材を用いてもよい。
【0036】
防振レンズ503は、撮像光学系501、504の光軸に対して垂直な方向(
図2中の矢印方向(縦方向))に移動することで、撮像システム10bに加わった動き(カメラ振れ)に伴う像ブレを補正する。防振制御部506は、不図示のジャイロセンサまたは加速度センサにより検出されたカメラ振れを取得したアダプタマイコン507からの防振指示に応じて、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを駆動して防振レンズ503を移動させる。
【0037】
なお各実施例において、防振レンズ503は、撮像光学系501、504で共用しているが、各々の撮像光学系に対して別体として設けてもよい。撮像光学系501、504とで防振レンズを別体とする(撮像光学系501、504のそれぞれが防振レンズを有する)ことで、撮像光学系101、108における二つの防振レンズを互いに逆方向に移動させることができる。この構成により、アダプタマイコン507からの輻輳角調整の指示に応じて、輻輳角を調整することができる。
【0038】
また各実施例において、アダプタ装置500は、交換レンズ300、400が第1防振手段および第2防振手段の少なくとも一方を有するか否かに応じて、輻輳角の調整および防振の少なくとも一方に関する制御を異ならせてもよい。例えばアダプタ装置500は、交換レンズ300、400が第1防振手段を有しない場合に、防振レンズ503を用いて輻輳角の調整および防振を行うように構成してもよい。
【0039】
カメラ本体600は、撮像素子601、撮像素子制御部(シフト手段)602、信号処理部603、記録処理部604、表示部605、操作部606、カメラマイコン(カメラマイクロコンピュータ、制御手段)607、および記憶部609を含む。
【0040】
撮像素子601は、CMOSセンサまたはCCDセンサ等を有する光電変換素子であり、撮像光学系(第1光学系)301、501および撮像光学系(第2光学系)401、504のそれぞれにより形成された被写体像(光学像)を光電変換(撮像)する。
【0041】
撮像素子制御部602は、不図示のジャイロセンサまたは加速度センサにより検出されたカメラ振れを取得したカメラマイコン607からの指示に応じて、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを駆動して撮像素子601を移動させる。なお、防振レンズ304(404)、503に代えて、撮像素子601を光軸に垂直な方向に移動することで、像ブレを補正し、または輻輳角を調整してもよい。
【0042】
信号処理部603は、被写体像を撮像した撮像素子601から出力されたアナログ撮像信号を、デジタル撮像信号に変換する。信号処理部603は、デジタル撮像信号に対してノイズ除去や色補正等の各種信号処理を行って、画像信号、フォーカス信号、輝度信号、および色差信号等を生成する。信号処理部603から出力された画像信号は、記録処理部604に送られる。信号処理部603は、画像信号から静止画データや動画データを生成して不図示の記録媒体に記録する。
【0043】
信号処理部603から出力されたフォーカス信号は、カメラマイコン607に入力される。フォーカス信号は、例えば、位相差検出方式の焦点検出におけるデフォーカス量を示す。カメラマイコン607は、デフォーカス量をフォーカスレンズ305、405の駆動量に変換し、該駆動量を含むフォーカス指令をレンズマイコン310、410に送信する。レンズマイコン310、410は、受信したフォーカス指令に基づいてフォーカス制御部309、409に指示を出してフォーカスレンズ305、405を駆動させる。これにより、オートフォーカス(AF)が行われる。
【0044】
信号処理部603から出力された輝度信号は、カメラマイコン607に入力される。カメラマイコン607は、輝度信号から得られる明るさ評価値が適正となるように、絞り値、シャッタ速度および撮像素子601の感度を算出する。カメラマイコン607は、算出した絞り値を含む絞り指令をレンズマイコン310、410に送信する。レンズマイコン310、410は、受信した絞り指令に基づいて開口絞り制御部307、407に指示を出して開口絞り303、403を駆動させる。カメラマイコン607は、算出したシャッタ速度および撮像素子601の感度を設定する。これにより、自動露出(AE)が行われる。
【0045】
操作部606は、不図示の撮像指示スイッチおよび撮像条件等を設定するためのスイッチを含む。カメラマイコン607は、操作部606からの入力に応じて各種制御を行う。
【0046】
(実施例1)
次に、
図3を参照して、実施例1における輻輳角調整処理および防振処理(像ブレ補正処理)について説明する。
図3は、本実施例における輻輳角調整処理および防振処理を示すフローチャートである。
図3のフローチャートは、同一の撮像光学系に二つの防振手段(第1防振手段、第2防振手段)として二つの防振レンズ(シフトレンズ)が設けられ、撮像素子201は像ブレ補正手段(防振手段)として機能しない構成を前提している。
図3のフローチャートは、カメラマイコン207がプログラムに従って実行する輻輳角調整処理と像ブレ補正処理の方法を示している。
【0047】
まずステップS100において、カメラマイコン207は、現在のフォーカス位置およびズーム位置を取得する。続いてステップS101において、カメラマイコン207は、ズーム位置またはフォーカス位置の少なくとも一方が変化したことで調整が必要となった輻輳角を算出する。またカメラマイコン207は、第1防振手段としての防振レンズ104(111)または第2防振手段としての防振レンズ107(114)のどちらを用いて主として輻輳角を調整するか指定する。そしてカメラマイコン207は、指定された防振レンズを用いた輻輳角の調整に必要な駆動量(輻輳角の調整量)を輻輳角の調整の敏感度に基づいて算出する。続いてステップS102において、カメラマイコン207は、ステップS101にて算出した駆動量(輻輳角の調整量)が、駆動余裕量よりも小さいか否かを判定する。輻輳角の調整量が駆動余裕量よりも小さい場合、ステップS103に進む。一方、輻輳角の調整量が駆動余裕量よりも大きい場合、ステップS109に進む。
【0048】
ステップS103において、レンズマイコン120は、防振制御部117または防振制御部119を用いて、ステップS101にて指定された防振レンズ(防振レンズ104、107の一つ、および防振レンズ111、114の一つ)で単独で輻輳角を調整する。
【0049】
続いてステップS104において、カメラマイコン207は、第1防振手段としての防振レンズ104(111)または第2防振手段としての防振レンズ107(114)のどちらで主として防振するか指定する。そしてカメラマイコン207は、指定した防振レンズを用いた防振に必要な駆動量(防振量)を防振敏感度に基づいて算出する。続いてステップS105において、カメラマイコン207は、ステップS104にて算出した駆動量(防振量)が駆動余裕量よりも小さいか否かを判定する。防振量が駆動余裕量よりも小さい場合、ステップS106に進む。一方、防振量が駆動余裕量よりも大きい場合、ステップS107に進む。
【0050】
ステップS106において、レンズマイコン120は、防振制御部117または防振制御部119を用いて、ステップS104にて指定された防振レンズ(防振レンズ104、107の一つ、および防振レンズ111、114の一つ)で単独で防振を行う。
【0051】
ステップS107において、カメラマイコン207は、二つの防振レンズ104(111)、107(114)で協調的に(分担して)防振するための防振比率(第2比率)を算出(決定)する。好ましくは、カメラマイコン207は、フォーカス位置およびズーム位置の少なくとも一方に応じて、第2比率を変更する。続いてステップS108において、レンズマイコン120は、ステップS107にて算出された防振比率に基づいて、防振制御部117、119を用いて、二つの防振レンズ104(111)、107(114)で協調的に防振を行う。
【0052】
ステップS109において、カメラマイコン207は、二つの防振レンズ104(111)、107(114)で協調的に(分担して)輻輳角を調整するための輻輳角の調整比率(第1比率)を算出(決定)する。好ましくは、カメラマイコン207は、フォーカス位置およびズーム位置の少なくとも一方に応じて、第1比率を変更する。続いてステップS110において、レンズマイコン120は、ステップS109にて算出された輻輳角の調整比率に基づいて、防振制御部117、119を用いて、二つの防振レンズ104(111)、107(114)で協調的に輻輳角を調整する。
【0053】
続いてステップS111において、カメラマイコン207は、防振レンズ104(111)または防振レンズ107(114)のどちらか駆動余裕のある防振レンズにて防振する際に必要な駆動量を防振敏感度に基づいて算出する。続いてステップS112において、レンズマイコン120は、ステップS111にて算出された駆動量(防振量)に基づいて、防振制御部117または防振制御部119を用いて、二つの防振レンズのうち駆動余裕のある防振レンズにて単独で輻輳角を調整する。
【0054】
本実施例によれば、同一の撮像光学系に設けられた二つの防振レンズを用いて、協調的または単独で、輻輳角調整および防振(像ブレ補正)を行うことができる。このため本実施例によれば、像ブレ補正量および輻輳角調整量をそれぞれ十分に確保し、像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を得ることができる。
【0055】
(実施例2)
次に、
図4を参照して、実施例2における輻輳角調整処理および防振処理(像ブレ補正処理)について説明する。
図4は、本実施例における輻輳角調整処理および防振処理を示すフローチャートである。
図4のフローチャートは、同一の撮像光学系に防振手段として一つの防振レンズ(シフトレンズ)104、111が設けられ、撮像素子201が防振手段として機能する構成を前提している。
図4のフローチャートは、カメラマイコン207がプログラムに従って実行する輻輳角調整処理と像ブレ補正処理(防振処理)の方法を示している。
【0056】
まずステップS200において、カメラマイコン207は、現在のフォーカス位置およびズーム位置を取得する。続いてステップS201において、カメラマイコン207は、ズーム位置またはフォーカス位置の少なくとも一方が変化したことで調整が必要となった輻輳角を算出する。そしてカメラマイコン207は、第1防振手段としての防振レンズ104(111)を用いて輻輳角を調整する際の防振レンズの駆動量(輻輳調整量)を、輻輳角調整の敏感度に基づいて算出する。続いてステップS202において、カメラマイコン207は、ステップS101にて算出した駆動量(輻輳調整量)だけ、防振レンズ104(111)にて単独で輻輳角を調整する。
【0057】
続いてステップS203において、カメラマイコン207は、防振レンズ104(111)または撮像素子201のどちらで主として防振を行うかを指定し、防振に必要な駆動量(防振量)を防振敏感度に基づいて算出する。続いてステップS204において、カメラマイコン207は、ステップS203にて算出した駆動量(防振量)が駆動余裕量よりも小さいか否かを判定する。防振量が駆動余裕量よりも小さい場合、ステップS205に進む。一方、防振量が駆動余裕量よりも大きい場合、ステップS206に進む。
【0058】
ステップS205において、レンズマイコン120は、防振制御部117または撮像素子制御部202を用いて、ステップS203にて指定された防振レンズ104(111)または撮像素子201の一方で単独で防振を行う。
【0059】
ステップS206において、カメラマイコン207は、防振レンズ104(111)および撮像素子201で協調的に(分担して)防振するための防振比率を算出する。続いてステップS207において、レンズマイコン120は、ステップS206にて算出された防振比率に基づいて、防振制御部117および撮像素子制御部202を用いて、防振レンズ104(111)および撮像素子201で協調的に防振を行う。
【0060】
以上のように、各実施例において、光学機器は、第1防振手段および第2防振手段を有する。第1防振手段および第2防振手段は、例えば、防振レンズ104(111)、107(114)、304(404)、503、撮像素子201(601)のうちの二つの光学素子である。制御手段(レンズマイコン120、310、410、カメラマイコン207、607、アダプタマイコン507)は、第1防振手段および第2防振手段のそれぞれを光軸と垂直な方向に移動させる。また制御手段は、第1防振手段および第2防振手段の少なくとも一方を用いて防振を行い、第1防振手段および第2防振手段の少なくとも他方を用いて輻輳角を調整する。好ましくは、光学機器は、第1光学系と、第1光学系と並列に配置された第2光学系とを有する。
【0061】
例えば、第1防振手段および第2防振手段の両方は、レンズ装置におけるレンズである。すなわち、第1防振手段は、第1光学系および第2光学系のそれぞれの一部を構成する第1レンズ(防振レンズ104、111)であり、第2防振手段は、第1光学系および第2光学系のそれぞれの一部を構成する第2レンズ(防振レンズ107、114)である。
【0062】
例えば、第1防振手段はレンズ装置におけるレンズ、第2防振手段はアダプタ装置におけるレンズである。すなわち、第1防振手段は、第1光学系および第2光学系のそれぞれの一部を構成する第1レンズ(防振レンズ304、404)であり、第2防振手段は、アダプタ装置の第3レンズ(防振レンズ503)である。
【0063】
例えば、第1防振手段はレンズ装置におけるレンズ、第2防振手段は撮像素子である。すなわち、第1防振手段は、第1光学系および第2光学系のそれぞれの一部を構成するレンズ(防振レンズ104(111)、107(114)、304、404)であり、第2防振手段は、撮像素子201(601)である。
【0064】
例えば、第1防振手段はアダプタ装置のレンズ、第2防振手段は撮像素子である。すなわち、第1防振手段は、アダプタ装置のレンズ(防振レンズ503)であり、第2防振手段は、撮像素子601である。
【0065】
本実施例によれば、像ブレ補正量および輻輳角調整量をそれぞれ十分に確保し、像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を得ることができる。
【0066】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0067】
各実施例において、同一の撮像光学系に対して、防振レンズおよび撮像素子のうち少なくとも二つの防振手段を用いて、輻輳角調整や、協調的または単独での防振が行われる。このため各実施例によれば、像ブレ補正量および輻輳角調整量を十分に確保し、像ブレを抑えた良好な立体撮影画像を得ることが可能な光学機器、光学機器の制御方法、およびプログラム提供することができる。
【0068】
各実施例の開示は、以下の構成および方法を含む。
(構成1)
第1防振手段と、
第2防振手段と、
前記第1防振手段および前記第2防振手段のそれぞれを光軸と垂直な方向に移動させる制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも一方を用いて防振を行い、
前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも他方を用いて輻輳角を調整することを特徴とする光学機器。
(構成2)
第1光学系と、
前記第1光学系と並列に配置された第2光学系とを更に有することを特徴とする構成1に記載の光学機器。
(構成3)
前記第1防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成する第1レンズであり、
前記第2防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成する第2レンズであることを特徴とする構成2に記載の光学機器。
(構成4)
前記光学機器は、前記第1光学系および前記第2光学系を有するレンズ装置と、前記レンズ装置と撮像装置との間に着脱可能なアダプタ装置とを含み、
前記第1防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成する第1レンズであり、
前記第2防振手段は、前記アダプタ装置に設けられた第3レンズであることを特徴とする構成2に記載の光学機器。
(構成5)
前記光学機器は、前記第1光学系および前記第2光学系を有するレンズ装置と、前記レンズ装置が着脱可能な撮像装置とを含み、
前記第1防振手段は、前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの一部を構成するレンズであり、
前記第2防振手段は、前記撮像装置の撮像素子であることを特徴とする構成2に記載の光学機器。
(構成6)
前記光学機器は、前記第1光学系および前記第2光学系を有するレンズ装置と、撮像装置と、前記レンズ装置と前記撮像装置との間に着脱可能なアダプタ装置とを含み、
前記第1防振手段は、前記アダプタ装置に設けられたレンズであり、
前記第2防振手段は、前記撮像装置の撮像素子であることを特徴とする構成2に記載の光学機器。
(構成7)
前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれの光軸を変更する光学部材を更に有し、
前記光学部材は、プリズム、ミラー、およびレンズの少なくとも一つを含むことを特徴とする構成2乃至6のいずれかに記載の光学機器。
(構成8)
前記第1光学系および前記第2光学系のそれぞれにより形成された光学像は、一つの撮像素子により光電変換されることを特徴とする構成2乃至6のいずれかに記載の光学機器。
(構成9)
前記制御手段は、前記第1防振手段と前記第2防振手段による前記輻輳角の調整を分担する第1比率を決定し、
前記第1防振手段と前記第2防振手段は、前記第1比率で、前記輻輳角の調整を分担して行うことを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の光学機器。
(構成10)
前記制御手段は、前記第1防振手段と前記第2防振手段による前記防振を分担する第2比率を決定し、
前記第1防振手段と前記第2防振手段は、前記第2比率で、前記防振を分担して行うことを特徴とする構成1乃至9のいずれかに記載の光学機器。
(構成11)
フォーカス位置を変更するフォーカス手段を更に有し、
前記制御手段は、前記フォーカス位置に応じて、前記第1比率を変更することを特徴とする構成9に記載の光学機器。
(構成12)
フォーカス位置を変更するフォーカス手段を更に有し、
前記制御手段は、前記フォーカス位置に応じて、前記第2比率を変更することを特徴とする構成10に記載の光学機器。
(構成13)
ズーム位置を変更するズーム手段を更に有し、
前記制御手段は、前記ズーム位置に応じて、前記第1比率を変更することを特徴とする構成9または11に記載の光学機器。
(構成14)
ズーム位置を変更するズーム手段を更に有し、
前記制御手段は、前記ズーム位置に応じて、前記第2比率を変更することを特徴とする構成10または12に記載の光学機器。
(構成15)
前記光学機器は、レンズ装置と、前記レンズ装置と撮像装置との間に着脱可能なアダプタ装置とを含み、
前記アダプタ装置は、前記レンズ装置が前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも一方を有するか否かに応じて、前記輻輳角の調整および前記防振の少なくとも一方に関する制御を異ならせることを特徴とする構成1乃至14のいずれかに記載の光学機器。
(方法1)
第1防振手段および第2防振手段の少なくとも一方を光軸と垂直な方向に移動させることで、防振を行うステップと、
前記第1防振手段および前記第2防振手段の少なくとも他方を前記光軸と垂直な方向に移動させることで、輻輳角を調整するステップとを有することを特徴とする光学機器の制御方法。
(構成16)
方法1に記載の光学機器の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
10a、10b 撮像システム(光学機器)
100、300、400 交換レンズ(光学機器)
101、301、501 撮像光学系(第1光学系)
104 防振レンズ(第1防振手段)
107 防振レンズ(第1防振手段、第2防振手段)
108、401、504 撮像光学系(第2光学系)
111 防振レンズ(第1防振手段)
114 防振レンズ(第1防振手段、第2防振手段)
120、410 レンズマイコン(制御手段)
200、600 カメラ本体(光学機器)
201、601 撮像素子(第2防振手段)
207、607 カメラマイコン(制御手段)
304、404 防振レンズ(第1防振手段)
500 アダプタ装置(光学機器)
503 防振レンズ(第1防振手段、第2防振手段)
507 アダプタマイコン(制御手段)