(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025113725
(43)【公開日】2025-08-04
(54)【発明の名称】空間情報サービスシステム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/909 20190101AFI20250728BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250728BHJP
【FI】
G06F16/909
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008020
(22)【出願日】2024-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 岳央
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA03
5B175GA04
(57)【要約】
【課題】
端末から入力された非空間的な情報を活用可能な空間情報サービスシステムを提供する。
【解決手段】
空間情報サービスシステムにおいて、端末から入力データを受け付けるデータ入力部と、前記入力データに関する所定の情報を生成する端末情報生成部と、前記端末情報生成部で生成された所定の情報に基づき、前記入力データを変換する入力データ変換部と、空間情報が格納されているデータベースを有し、前記入力データに関する所定の情報は、前記入力データの種別情報と、前記入力データの空間的範囲に関する情報と、を含み、前記入力データ変換部は、前記端末からの非空間的なデータを前記空間的範囲に関する情報と前記入力データの種別情報とに基づき、前記データベースに格納する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から入力データを受け付けるデータ入力部と、
前記入力データに関する所定の情報を生成する端末情報生成部と、
前記端末情報生成部で生成された所定の情報に基づき、前記入力データを変換する入力データ変換部と、
空間情報が格納されているデータベースとを有し、
前記入力データに関する所定の情報は、前記入力データの種別情報と、前記入力データの空間的範囲に関する情報と、を含み、
前記入力データ変換部は、前記端末からの非空間的なデータを、前記空間的範囲に関する情報と前記入力データの種別情報とに基づき、前記データベースに格納する、ことを特徴とする空間情報サービスシステム。
【請求項2】
前記入力データの種別情報は、少なくとも前記入力データを前記データベースに反映させるか判別する事ができる情報を含み、前記データベース上のフィールドと前記入力データを対応させる事が可能な情報である事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項3】
前記入力データの種別情報は、前記入力データが移動体の通行可否に関わるかどうか判別するための情報である事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項4】
前記入力データの前記空間的範囲に関する情報は、前記入力データを取得したセンサ情報に基づいて計算された情報で、イベント発生源の存在確率をある空間座標を与える事で計算可能とする情報である事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項5】
前記センサ情報は前記端末に対するセンサの設置位置、センシング方向、指向性の少なくとも1つを含む情報であることを特徴とする請求項4に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項6】
前記入力データに関する前記所定の情報は、前記入力データを入力した前記端末を識別する識別情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項7】
前記識別情報は前記端末の型名を含むことを特徴とする請求項6に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項8】
前記非空間的なデータは、音声データを含むことを特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項9】
前記音声データは破壊音を含むことを特徴とする請求項8に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項10】
前記非空間的なデータは、前記端末の温度センサによる温度データを含む事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項11】
前記データベースは、各単位空間に少なくともイベント発生源の存在確率を示す情報とイベント発生時間を含むイベントが識別できる情報からなる情報を格納する事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項12】
前記データベースに同種のイベント情報が存在した場合、少なくともイベント発生時間とイベント種別から同一性を判定し、同一と判定した場合は重複する部分の存在確率を示す情報を強調する事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項13】
前記データベースに格納されている前記空間情報は、前記非空間的なデータから推測された情報か判別できる事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項14】
前記データベースに格納されている前記空間情報は、前記空間情報に紐づいたデータの信頼度を判別できる事を特徴とする請求項1に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項15】
前記同種と判定されたイベントの発生源確率を示す情報の強調方法をイベント情報別に設定できる事を特徴とする請求項12に記載の空間情報サービスシステム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の空間情報サービスシステムの各部をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間情報サービスシステム及びコンピュータプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、世界では自律走行モビリティや空間認識システムなどの技術革新に伴い、異なる組織や社会の構成員の間でデータやシステムをつなぐ全体像(以下、デジタルアーキテクチャ)の開発が進んでいる。
【0003】
デジタルアーキテクチャを活用することで、自律走行モビリティや空間認識システム(以下、端末)はより多くの情報を取得することができるようになる。更に、自己以外の外部デバイス及びシステムと連携してより大きな課題を解決することができるようになる。
【0004】
これを実現するためには、現実世界の空間とデジタル情報を結び付けるデジタルアーキテクチャに基づいた空間情報サービスシステムが必要となる。又、現実世界の情報を空間情報サービスシステム上のデジタル情報として更新を迅速に行うためには、端末からデータ入力を受け付けて空間情報サービスシステムに反映させる事が必要となってくる。
【0005】
従来からサービスを提供されている端末から入力を受け付け、空間情報サービスシステムのデータに反映させる技術として特許文献1のような技術がある。特許文献1では、複数の端末として移動体が考えられており、データ配信サーバーに移動体の位置情報と環境センシングデータを送信する。
【0006】
データ配信サーバーは移動体の軌跡と道路及び交差点の位置情報を含む地図データと複数のデータから典型的な環境センシングデータを選択し反映させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、前提として環境センシングデータが端末の位置に依存しているか、又は環境センシングデータの取得位置が端末として認識できる事を前提としている。
【0009】
端末側で取得された環境センシングデータとその位置情報をデータ配信サーバーは入力時に補正し、自らの空間情報データベースを更新するが、デジタルアーキテクチャが想定する多様な端末からの多様な入力に対して考えられていない。デジタルアーキテクチャが想定する端末は、夫々の端末で多種多様な検知機能を持つ事が想定され、その中で空間情報として扱わないイベントを検知する可能性もある。
【0010】
例えば、端末に付属するガラス破壊音検知にてガラス破壊音が検知されたなどの場合に、ガラスが割れた地点と端末の位置が異なる場合には、検知した非空間的な情報を空間情報データベースに反映させる事ができない。
【0011】
そこで本発明は、端末から入力された非空間的な情報を活用可能な空間情報サービスシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
空間情報サービスシステムにおいて、
端末から入力データを受け付けるデータ入力部と、
前記入力データに関する所定の情報を生成する端末情報生成部と、
前記端末情報生成部で生成された所定の情報に基づき、前記入力データを変換する入力データ変換部と、
空間情報が格納されているデータベースと、
前記端末に空間情報を出力するデータ出力部とを有し、
前記入力データに関する所定の情報は、前記入力データを入力した前記端末を識別する識別情報と、前記入力データの種別情報と、前記入力データの空間的範囲に関する情報を含み、前記入力データ変換部は、前記端末からの非空間的なデータを前記空間的範囲に関する情報と前記入力データの種別情報に基づき前記データベースに格納する事を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、端末から入力された非空間的な情報を活用可能な空間情報サービスシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態1に係る空間情報サービスシステムを含む全体システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態1に係る空間情報サービスシステム101の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図3】実施形態1に係る端末固有情報の構造例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係る指向性情報で用いる座標系の説明図である。
【
図5】実施形態1に係る入力データ変換の処理例を示すフローチャートである。
【
図6】(A)は地球の緯度/経度情報を示す図、(B)は
図6(A)の所定の空間600を示す斜視図である。
【
図7】実施形態1に係るデータベースに格納される情報の構造例を示す図である。
【
図8】実施形態1に係るデータ出力部の処理例を説明するフローチャートである。
【
図9】実施形態1に係る空間情報サービスシステムを利用する際のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0016】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る空間情報サービスシステムを含む全体システムの構成を示す図である。尚、
図1に示される機能ブロックの一部は、空間情報サービスシステムに含まれる不図示のコンピュータとしてのCPU等に、不図示の記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。
【0017】
しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
【0018】
又、
図1に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。尚、
図1に関する上記の説明は、
図2についても同様に当てはまる。
【0019】
本発明の実施形態1に関わる空間情報サービスシステムは、空間情報サービスシステムの提供する空間に関する情報を予め定められた方法にて、接続してきた複数の端末に提供する。本実施形態では、空間情報サービスシステムが、端末としての配送ロボットが自動で配送するために必要な情報を提供するシステムの例を説明する。
【0020】
図1において、空間情報基盤100は、カタログシステム102と空間情報サービスシステム101を含み、端末103からの要求に従い、データの入出力を行うシステムである。
【0021】
尚、空間情報サービスシステム101の他に、複数の空間情報サービスシステムが存在しても良く、端末103は、各空間情報サービスシステムの情報を、カタログシステム102を用いて検索することができる。
【0022】
空間情報サービスシステム101は、端末103に接続され、端末103が必要とする空間情報を提供する。端末103は、例えば配送ロボットである。本実施形態では、空間情報サービスシステム101は、端末103(配送ロボット)が所定の空間において、自動で荷物等を配送するために必要な情報として、当該空間の通行可否を示す情報を含む空間情報を端末103に提供する。
【0023】
カタログシステム102は、前記複数の空間情報サービスシステムの情報を保持し、端末103からアクセスされた際、端末103ごとに適切な空間情報サービスシステムを選択可能にするためのシステムである。例えば、端末103のユースケースや機能毎に、内部の空間情報サービスシステムが管理され、夫々提供する空間情報の範囲や、公開されているAPIなどの情報を端末103に提供できるように構成されている。
【0024】
端末103は、所定の空間の情報を入手するために、空間情報基盤100に接続する。そして、空間情報基盤100は、端末103に対し、カタログシステム102によって検索された、端末103のユースケースや機能に適した空間情報サービスシステムを通知する。そして、端末103によって、その中で最適な空間情報サービスシステムを選択して、所定の空間の情報を入手する。
【0025】
尚、本実施形態における端末103とは例えば配送ロボットであり、入手した空間情報を用いて、荷物等を自動で配送を行っているものとする。空間情報基盤100と端末103は例えばインターネット等で接続され、予め定まったAPI等を用いてデータのやり取りをすることができる。
【0026】
また、ある空間情報サービスシステム固有のAPI等も上記の予め定まったAPI等で伝達するか、又はカタログシステム102にて公開するか、端末103にて予め保持しておく等の方法により、端末103が使用できるものとする。
【0027】
ここで、端末103は直接的に空間情報サービスシステムにアクセスしているが、間に端末103の制御管理するためのサーバー等を設け、そのサーバーが代理でアクセスしても良い。尚、空間情報基盤100は、例えば認証基盤など他の構成要素を有するものとしても良い。
【0028】
図2は実施形態1に係る空間情報サービスシステム101の構成例を示す機能ブロック図である。
図2を用いて本実施形態に関わる空間情報サービスシステムの構成例を説明する。空間情報サービスシステム101はデータ入力部201と、端末情報生成部202と、入力データ変換部203と、データベース204とデータ出力部205を有する。
【0029】
データ入力部201は、端末103からのデータ入力を受け付ける。ここで端末103から入力される入力データは、少なくとも空間情報データと非空間情報データを含む。ここで、空間情報データとは、端末103からの入力データに含まれる位置情報等である。より具体的には、端末103が、端末103が所有する空間を計測するためのセンサ等によって取得した計測データや、当該計測データを取得したときの端末103の位置を示す情報等である。また、非空間情報データとは、端末103からのデータのうち、空間や位置を示す情報以外の情報である。
【0030】
例えば空間情報データとは端末のLiDAR(Light Detection And Ranging)などの空間を測定するためのセンサで得られたデータである。一方、非空間情報データとは空間測定用ではない例えばマイクなどのセンサで得られたデータである。
【0031】
端末情報生成部202は、入力されたデータに関する端末固有情報を検索し、所定の情報を生成して入力データ変換部203に出力する。例えば空間情報サービスシステム内に端末の型名等と端末固有情報を保持しておけば、入力されたデータから端末の型名を特定する事により、入力されたデータに関する端末固有情報を取得できる。
【0032】
ここで、端末固有情報とは、後述する入力データ変換部203で、非空間情報データをデータベースのフィールドに展開する為に必要となる所定の情報である。
【0033】
ここで、
図3を用いて端末固有情報の例を説明する。
図3は実施形態1に係る端末固有情報の構造例を示す図である。301は端末テーブル、302、303は夫々第1の出力テーブル、第2の出力テーブル、304、305は夫々型名K1、K2の型名情報テーブルである。
【0034】
ここでは、端末固有情報はリレーショナルデータベースで保存されている事を想定しているが、型名を検索Keyとして、必要な所定の情報を検索できる構造であれば保存形式はどのようなものでも構わない。
【0035】
301は端末テーブルであり、空間情報サービスシステムに接続してくる端末を識別できるように、例えば型名のフィールドを持つ。ここでいう型名とは端末のモデル番号で、同一モデル番号を持つ端末は同等の機能、性能を有すると想定する。ここで型名は、入力データを入力した端末を識別するための識別情報として機能している。
【0036】
又、端末テーブル301には端末が空間情報サービスシステムに出力する出力データの種類を識別する出力情報フラグが定義されている。前記出力情報フラグは、空間情報サービスシステムが対応している入力情報について、端末が出力可能なら1、出力不可なら0が保存される。
【0037】
空間情報サービスシステムが対応している入力情報が複数であれば、例えばバイナリ形式でビット1は第1の入力情報、ビット2は第2の入力情報というように表現すれば良い。
【0038】
リレーショナルデータベースで検索をかける場合、このようなフラグを利用して高速に検索をかける事ができるが、必須ではない。本実施形態では第1の入力情報として音声センシングで獲得した通行不可に関わる情報、第2の入力情報として温度センシングにて獲得した通行不可に関わる情報とする。
【0039】
ここで302、303を用いて端末固有情報として必要な所定の情報を説明する。302は前記第1の入力情報に関してのテーブルであり、303は第2の入力情報に関するテーブルである。
【0040】
306は例えばテーブル302であれば、第1の入力情報を出力する端末の型名のカラムであり、検索Keyとして使用される。307は第1の入力情報を出力するために必要なセンサーの軸、即ちセンシング軸に関する情報が入るカラムである。
【0041】
即ち、センサーが計測する空間の座標系と端末の移動に関する座標系のずれを示し、センシングの方向を確定させるために必要な情報が入るセンシング軸カラムである。本実施形態では、端末の座標系は、端末の移動方向をx軸としたカーテシアン座標系で、移動と共に回転していく座標系とする。
【0042】
一方、センサーの計測する空間の座標系は、マイクの最大感度方向をx軸とした固定的なカーテシアン座標系であり、マイクの設置位置や端末の移動とは無関係に表現されているものとする。ここで、センシング軸カラムは、前記端末の座標系上にてマイクの最大感度方向を示した場合の方位角、天頂角の組を用いて表現するものとする。
【0043】
図4は、実施形態1に係る指向性情報で用いる座標系の説明図である。例えば、
図4のようにx軸を端末の移動方向とした座標系を考え、402をマイクの最大感度の方向ベクトルとする。そして402をXY平面に射影したベクトル401とx軸のなす角度φと、z軸と402のなす角度θの組をセンシング軸カラムのデータとする。
【0044】
尚、端末の座標系を確定させるための情報は、端末の位置情報を空間情報として入力されたものを使用しても良いし、他の端末、例えば監視カメラ等の入力から空間情報サービスシステムで決定しても良い。又、移動しない端末であれば、予め端末の座標系を空間情報サービスシステムに登録し、保持していても良い。
【0045】
図3における308は、センサーの指向特性を示す情報である範囲カラムである。例えば、角度φ、角度θの方向の、例えば最大感度を1とした相対感度を、ある単位角度毎に記述したリストを参照できるように範囲カラムに情報を記せば良い。又、例えば、無指向性のセンサであれば例えばNAと記述すれば良い。
【0046】
このようにカラム308の範囲の情報は、入力データの空間的範囲に関する情報として機能している。又、入力データの空間的範囲に関する情報は、入力データを取得したセンサ情報に基づいて計算された情報で、イベント発生源の存在確率をある空間座標を与える事で計算可能とする情報である。
【0047】
尚、上記センサ情報は端末103に対するセンサの設置位置、センシング方向、指向性の少なくとも1つを含む情報である。
【0048】
309は信頼度を示す情報を示す信頼度カラムである。信頼度とは、本実施形態では例えば異常音の発生元や異常温度発生源が存在する存在確率を示す情報で、端末の検知性能に関わる値である。この情報は逐次、空間情報サービスシステムが更新しても良い。又、データベースは、各単位空間に少なくともイベント発生源の存在確率を示す情報とイベント発生時間を含むイベントが識別できる情報からなる情報を格納しても良い。
【0049】
310は境界条件カラムであり、信頼度の距離依存性を示す情報が入っており、オフセットベクトル、依存パラメタ、依存パタン、や検知の境界条件等が含まれていれば良い。ここでオフセットベクトルは、依存性の中心点を表し、例えば(0,0,0)ならば依存性の中心点は端末の重心と一致し、(x、y、z)だとすると依存性の中心点は、端末の重心にオフセットベクトルを加えた点になる。
【0050】
ここで、簡単のため座標系は前記端末の座標系を採用している。依存パタンは中心点からの距離に関して後述する依存パラメタがどのように変化するかを示す情報である。例えば依存パタンが0ならば依存性なし、+1ならば中心点からの距離に比例して減衰し、+2ならば、距離の2乗に比例して減衰し、+3ならば距離の3乗に比例して減衰するとすれば良い。
【0051】
また前記依存パラメタは、空間情報サービスシステムが定める、計算に使用する物理量を指定できるパラメタであり、テーブル302においては例えばdBSPL単位で表現される音圧レベルPとする。又、テーブル303においてはケルビン単位で表現される温度Tで良い。
【0052】
前記依存パラメタは、前記依存パタンにて、距離に依存し、減衰ないしは増大する。前記検知の境界条件は、依存パラメタと信頼度の依存性と、信頼度が0になる依存パラメタの条件を示し、例えば(a,b,c,d,e)のような数字の組み合わせで表現すれば良い。ここで、数字aと数字b、数字cは依存値と信頼度を表す以下のような式1の指数、係数で良い。
【0053】
【0054】
又、d,eは上記の式が成り立つ範囲を示す情報であり、例えばdが依存パラメタの閾値を表し、eがその条件を示せば良い。例えばe=1の時、依存パラメタが閾値dを下回ると信頼度が0になり、e=2の時、依存パラメタが閾値d以上だと信頼度が0になるようにすれば良い。
【0055】
例えば型名K1の異常音検知は、検知した音の音圧レベルが70dBSPLを下回ると検知性能が著しく低下し、70dBSPL以上だと一定の(例えば85%)の検知性能であったとする。
【0056】
その場合には、境界条件パラメタは(0、0、85、70、1)としておけば良い。尚、ある信頼度と、その信頼度となる依存パラメタ値の組のリストを端末固有情報として持っても良い。
【0057】
図3の311は入力種別子カラムであり、端末からの入力データの種別情報であり、例えば端末で定義され、空間情報サービスシステムに入力されるアラーム番号等で良い。
【0058】
尚、入力データの種別情報は、少なくとも入力データをデータベースに反映させるか判別する事ができる情報を含み、データベース上のフィールドと入力データを対応させる事が可能な情報であれば良い。又、入力データの種別情報は、入力データが移動体の通行可否に関わるかどうか判別するための情報として機能している。
【0059】
又、304、305は夫々型名情報テーブルであり、ある型名が持つ固有の情報と、空間情報サービスシステムで使用する情報の関係を示す。型名情報テーブルは、型名カラム、パラメタカラム、変換リストカラムから構成される。
【0060】
パラメタカラムは、型名カラムで記された型名の端末出力パラメタと、対応する空間情報サービスシステムが定める、計算に使用する物理量のパラメタセット等で表現できる。尚、端末出力が複数の空間情報サービスシステムに対応できるようにするために、例えば前記パラメタセットに加えて更に別のパラメタセットを追加しても良い。
【0061】
端末出力パラメタは、例えば前記入力種別子で定義されるアラームの第1変数などの端末出力に合わせた情報でも良いし、パラメタの識別子でも良い。型名情報テーブル304における変換リストは、端末が出力するパラメタを空間情報サービスシステムが定める、計算に使用する物理量に変換する為に必要な情報が示される。
【0062】
例えば型名情報テーブル304は型名K1のテーブルであり、パラメタカラムには型名K1の出力する音量レベルLと、情報サービスシステムが定める、計算に使用する物理量である音圧レベルPの識別子のペアが書かれていれば良い。
【0063】
更に、変換リストカラムで、型名K1の端末で出力する音量レベルLと、音圧レベルPの対応リストが参照できれば良い。ここで型名情報テーブルは型名毎に関係するパラメタの数が異なる可能性があり、例えば305のように、304よりパラメタカラム、変換リストカラムの数が多くても良い。
【0064】
このように、入力データ変換部203に出力する端末固有情報に基づく所定の情報は、データを入力した端末を識別する識別情報、入力データの種別情報、入力データの空間的範囲に関する情報を含む。又、上記の所定の情報は、センシング軸、範囲、信頼度、境界条件、パラメタ,変換リストを一意に定めて抽出した情報を含む。尚、ここで示した方法はあくまで1例に過ぎず、非空間情報データが入力された際に、空間情報データに変換できる情報が示されていれば良い。
【0065】
入力データ変換部203は、端末情報生成部202が端末固有情報に基づき生成した所定の情報を受信し、データ入力部からの入力データを空間情報サービスシステムのデータベースに適応した形に変換する。
【0066】
即ち、入力データ変換部は、端末103からの非空間的なデータを空間的範囲情報と入力データの種別情報に基づきデータベースに格納する。尚、非空間的なデータは、音声データ等を含み、音声データはガラス等の破壊音や、端末の温度センサによる温度データ等
を含む。又、データベースに格納されている空間情報は、非空間的なデータから推測された情報か否かを判別できるようにする。
【0067】
ここで、前記端末情報生成部202から入力される端末固有情報を整理する。端末固有情報は例えば入力に対応する情報のテーブル(以下、簡単のためテーブル302が対応しているとする)のセンシング軸情報、範囲情報、信頼度情報、境界条件、パラメタ情報、と変換リスト情報からなる。
【0068】
センシング軸情報、範囲情報、信頼度情報は、データを入力した端末の型名と型名カラムが一致したロウと307から309のカラムが交差したフィールドの情報で良い(以下簡単のため型名K1の端末から取得されたとする)。
【0069】
境界条件は更にオフセットベクトル情報と、依存パラメタ情報、依存パタン情報、検知の境界条件からなり、310で示される情報から得られる情報である。更に検知の境界条件は信頼度変換パラメタ情報と検知境界条件情報からなる。
【0070】
前記信頼度変換パラメタ情報は、依存パラメタと信頼度の変換を可能にする情報であり、検知境界条件情報は前記変換が成り立つ条件に関する情報である。またパラメタ情報とは、型名K1のテーブルより得られるパラメタ1カラムと変換リスト情報から得られる情報である。
【0071】
ここで、305のパラメタ1,パラメタ2のように、パラメタが複数あっても、テーブル302に対応するパラメタセットのみを抽出すれば良い。
【0072】
次に入力データ変換部203の変換をフローチャート
図5を用いて説明する。
図5は実施形態1に係る入力データ変換の処理例を示すフローチャートである。尚、空間情報サービスシステム内の不図示のコンピュータとしてのCPU等が不図示のメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって
図5のフローチャートの各ステップの動作が順次行われる。
【0073】
ステップS501にて、端末情報生成部202によって生成された所定の情報(端末から入力された入力データに対応する端末固有情報)における、センシング軸情報がNAかどうか判定する。センシング軸情報がNAでないならば、指向性のあるセンサとしてステップS502へ進む。NAであるならば無指向性のセンサとしてステップS511へ進む。
【0074】
ステップS502にて、端末情報生成部202によって生成された所定の情報(端末から入力された入力データに対応する端末固有情報)における、範囲情報とセンシング軸情報に基づき、入力された情報をセンシングしたセンサの指向性を特定する。そして、空間情報サービスシステムによって管理されている空間情報で用いられている座標系の方位角、天頂角に、指向性情報を補正してステップS503へ進む。
【0075】
ここで、空間情報サービスシステムによって管理されている空間情報で用いられている座標系での方位角、天頂角をφ、θとしたときの指向性情報を、簡単のためにPd(φ、θ)と表す。尚、感度が最大になる方向を(φ0,θ0)とした場合、Pd(φ0,θ0)となるように規格化するものとする。又、ある単位角度毎にPd(φ、θ)の値が記されているリストを指向性情報としても良い。
【0076】
ステップS511にて、センサは無指向性だとし、すべての方位角、天頂角で1になる指向性情報Pd(φ、θ)を生成してステップS503へ進む。
【0077】
ステップS503にて、境界条件から依存パラメタを取得し、ステップS504へ進む。
【0078】
ステップS504にて、依存パラメタに対応するパラメタ情報があるか判定し、ある場合はステップS505へ進む。ない場合はステップS512へ進む。
【0079】
ステップS505にて、入力データに、対応するパラメタ情報があるか判定する。ある場合はステップS506へ、ない場合はステップS512へ進む。
【0080】
ステップS506にて、変換リスト情報を用いて、入力データの情報を依存パラメタに変換し、ステップS507へ進む。ここで依存パラメタを便宜上Dpと表す。又、Dpが取りうる最大値をDpmaxとして、DpをDpmaxで規格化したものを新しくDpとする。ここでDpmaxは空間情報サービスシステムの内部固有値でも良いし、変換リスト情報に含まれていても良い。
【0081】
ステップS512にて、依存パラメタDpの値を、内部で保持する規格化されたティピカル値を参照して決定し、ステップS507へ進む。
【0082】
ステップS507にて、依存パタンから依存パラメタDpの距離依存性を決定し、ステップS508へ進む。ここで、Dpは距離の関数として、例えば以下の式2で表される。
【数2】
・・・・(式2)
ここでrはオフセット情報を用いて計算された、依存の中心点からの距離を表す指標値で、例えば単位距離r0で規格化されていて、r<=1のときにある定数値であり、r>1ならば上記の依存性に従うとすれば良い。
【0083】
コンスタント値は、Dpの値を使用すれば良く、r0は依存パタン情報で示しても良いし、空間情報サービスシステムにて固有の値を決めても良い。又、検知の境界条件情報で示しても良い。
【0084】
ステップS508にて信頼情報の距離依存性を決定して、ステップS509へ進む。ここで、信頼情報をC(r)は以下の式3で表される。
【数3】
・・・・(式3)
【0085】
ここでa,b,cは信頼度変換パラメタ情報に示されていれば良い。尚、検知の境界条件情報から信頼情報が0になる距離を求める。例えば、検知の境界条件情報にDp(r)>THという情報が示されていた場合、例えばDp(r)=Dp/rの依存性を持っていれば、r<Dp/THという条件になる。
【0086】
ここでTHは境界条件情報に含まれ、Dpmaxで規格化されているものとする。またDp=1の時の、C(r0)の値を信頼度情報から得られる信頼度Cとする。
【0087】
ステップS509にて、指向性情報と信頼度に基づき、以下の式4のように信頼情報の空間依存性を決定し、ステップS510へ進む。
【数4】
・・・・(式4)
【0088】
ここで、式4は、依存パラメタが距離のみに依存する、信頼度が指向性と信頼度の積で定まるなど様々な仮定を含んでいる。しかし、違う仮定のもとでも例えば複数の関数をリストに示し、選択して示す事ができるため、信頼度情報の空間依存性は導出する事ができる。
【0089】
ステップS510にてデータベースの空間情報の空間の量子化単位であるボクセル単位の信頼度を式4を用いて計算し、
図5のフローを終了する。ボクセルの説明は後述する。以下、ボクセルに対して信頼度を計算する方法例を示す。
【0090】
例えばあるボクセルの中心点の座標を(x,y,z)とし、前述の依存性の中心点の座標を(x0,y0,z0)とする。例えば距離rが以下の式5の条件を満たすボクセルには信頼度0以外の値を入れ、条件を満たさなければ信頼度0を入れれば良い。
【数5】
・・・・(式5)
【0091】
以上において、Dp(r)=Dp/r、Dp(r)>THという条件が、依存パタン情報、境界条件情報にあると仮定したが、他の条件でも同様の処理が可能である。又、本実施形態ではボクセルのサイズが小さいと仮定し、ボクセルの中心点と依存性の中心点の距離で判定したが、ボクセルの各頂点と依存性の中心点の距離のうち、最も小さい距離を考えれば同様の処理が可能である。
【0092】
上記条件に入るボクセルの中心点の座標を(x2,y2,z2)、端末の座標を(x1,y1,z1)とした場合、ベクトル(x2-x1,y2-y1,z2-z1)を考え、以下の式6のように方位角φ2を求め、式7のように天頂角θ2を求める
【数6】
・・・・(式6)
【数7】
・・・・(式7)
【0093】
方位角φ2と天頂角θ2に基づきPd(φ2、θ2)を求めると、式4を用いて、あるボクセルに対応する信頼度を計算することができる。
【0094】
ここで、Pd(φ2、θ2)は例えばある単位角度毎にPdの値を示したリストで良い。又、φ2の値がリストになくても、最も近い角度でリストにあるφ´2をφ2の代わりに用いても良いし、φ2の近傍であって、リストにある角度についてPdを算出して平均しても良い。
【0095】
このPdを用いて式4を計算する事によって、上記条件を満たすボクセルについて信頼度を計算する事ができる。上述の方法で、入力データ変換部203にて、入力データをデータベース204で扱うボクセル形式のデータに変換する事ができる。
【0096】
ここで、本実施形態ではボクセルの信頼度はボクセルの中心の信頼度と同じとしたが、各頂点の信頼度を計算して平均しても良いし、任意のボクセル内の任意の数の点における信頼度を計算し、平均演算処理を行っても良い。以上のような処理により、入力データ変換部203において、入力データを、データベースで扱うボクセルのデータに変換する事ができる。
【0097】
データベース204には空間情報が格納されており、入力データ変換部203からの入力を受けて格納する。例えば、データベース204は、ある範囲の空間情報を管理するデータベースで、例えば各ボクセルテーブルを持ち、ボクセルに関する空間情報をもつリレーショナルデータベースとする。
【0098】
ここでデータベース204で管理しているフォーマットの構成に関して
図6(A)、
図6(B)を用いて説明する。
図6(A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、
図6(B)は
図6(A)の所定の空間600を示す斜視図である。又、
図6(B)において所定の空間600の中心を中心601とする。
【0099】
図6(A)、
図6(B)において、フォーマットは地球の空間を緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される分割空間に分割し、夫々の空間に固有識別子を付加して管理可能とするものである。
【0100】
例えばここでは所定の空間として空間600を表示する。空間600は、例えば、北緯20度、東経140度、高さHを中心601に規定される。又、緯度方向の幅をD、経度方向の幅をW、高さ方向の幅をTと規定された分割空間であり、地球の空間を前記緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される空間に分割した1つの空間である。
【0101】
図6(A)においてはわかりやすさの為に空間600のみを表示しているが、フォーマットの規定においては前述のとおり空間600と同じように規定された空間が緯度/経度/高さ方向に並んで配置されているものとする。
【0102】
又、
図6(B)において前記緯度/経度/高さの起点として、前記分割空間の中心を設定しているが、これに限定するものではなく、例えば空間の角部や、底面の中心を前記起点としても良い。
【0103】
上述の各分割空間領域をボクセルと呼び、空間情報(固有識別子)を紐づけて管理する。ここで、ボクセルの形状を直方体形状にて説明したが、直方体形状、多角形のポリゴン形状、球形状などの各種形状の三次元空間領域に、空間情報が紐づけられて格納されても良い。
【0104】
即ちボクセルとは空間情報サービスシステムがあつかう空間の量子化単位であり、空間情報サービスシステムはサービスを提供するある空間領域をボクセルの単位で必要とされる情報を管理、提供、共有を行う事ができる。
【0105】
又、空間情報サービスシステムでは、量子化単位を固定せず、複数の量子化単位で分割する事もでき、従って複数の大きさのボクセル単位で情報を扱う事ができる。空間の分割の度合いを例えばズームレベルと呼ぶ。各ズームレベルでボクセルの大きさが異なることになる。
【0106】
ここで、もっとも大きい量子化単位で空間を分割した時のズームレベルを0とし、分割の大きさを小さくしていくたびにズームレベルを1上げていくとする。例えば、ズームレベルがnだった時のボクセルを更に4分割するような分割をズームレベルn+1としても良い。
【0107】
前記ズームレベルを導入する事で空間情報サービスシステムは複数の大きさのボクセルを組み合わせて使用する事ができ、空間の事象を柔軟に扱う事が可能となる。各ボクセルの固有識別子として、空間内で当該ボクセルが識別可能なように唯一のIDが割り振られ、データベース上で保存される情報の検索Keyとして扱われる。
【0108】
例えば、モートンオーダー(八分木)で各ボクセルのIDを割り振ることで、IDによって各ボクセルの位置関係を特定することができる。又、互いに隣接するボクセルやズームレベルが異なり、あるボクセルが他のボクセルを包含するといった親子関係のボクセルも特定することができる。
【0109】
モートンオーダー(八分木:Octree)とは、木構造の一種で、各ノードに最大8個の子ノードがある。3次元空間を8つのオクタント(八分空間)に再帰的に分割する場合などに使われる。
【0110】
図7を用いて本実施形態におけるデータベースで管理する情報の1例を説明する。
図7は実施形態1に係るデータベースに格納される情報の構造例を示す図である。空間情報サービスシステムで扱う空間内のボクセルは
図7のようなボクセルテーブルにて空間情報が管理されている。
【0111】
ボクセルテーブルは、例えば検索Keyとなる固有識別子、日時情報、中心位置、充填度、信頼度、通行情報、信頼度、と情報ソース等のカラムからなる。固有識別子カラムはボクセルを識別し、ボクセルの座標、ズームレベルが判別できる上述の固有識別子が示される。
【0112】
日時情報カラムは、当該ボクセルにデータを入力した日時情報が示される。日時情報は例えばユニックス時間で示せば良い。中心位置カラムはボクセル内の座標が示され、後述の通行情報に関する情報に関わるオブジェクトやイベントの中心位置が示される。
【0113】
例えば、何かオブジェクト(物体)が通行不可状態を生成している場合にそのオブジェクトの中心点の座標が記述される。オブジェクトの中心点が分からない、隣接のボクセルに中心点がある等など中心点が不明の場合は、NAと記述しても良いし、ボクセルの中心を仮に記述しても良い。
【0114】
充填度カラムは通行情報に関する情報に関わるオブジェクトやイベントがボックスの内部にどの程度存在しているかを示す。例えば100となっていれば、当該ボクセルは通行情報に関する情報に関わるオブジェクトやイベントに満たされている事を示す。100以外の時は、通行情報に関する情報に関わるオブジェクトやイベントがボクセル内部に局在している事を示す。
【0115】
例えば、充填度が100以外の値の場合は、より大きいズームレベルのボクセルを参照し、又は、充填度が100の場合はより小さいズームレベルのボクセルを参照する事によりオブジェクトやイベントの位置や範囲を特定する事が可能になる。
【0116】
通行状態カラムは当該ボクセルの空間が通行可能かどうかを判定可能な情報が示される。例えば、当該ボクセルが対応する空間が自由に通行でき部場合に当該カラムを0とし、壁などコンクリート等で構成されていた場合に当該カラムを1として通行不可能である事を示せば良い。
【0117】
信頼度カラムには前述したボクセルの信頼度を示す。情報ソースカラムはボクセルの通行情報に関する情報の入力を識別するためのコードである。
【0118】
前記コードは、例えば情報を入力した端末の型名と端末の製品シリアルナンバーなどで構成されていても良く、端末等からの入力である動的な情報か地図情報などから予め入力された準静的な情報の識別ができるように先頭1ビットをフラグにしても良い。
【0119】
例えばコード、q:yyy:xxxは動的なデータで、型名yyyの製品シリアル番号xxxから入力された情報を基にしている事を意味し、コード、0:kkk:ppは準静的なデータでkkk社のpp地図を基に入力された事とすれば良い。
【0120】
ここでqは0以外の数字で空間情報サービスシステムで対応している入力情報の種類を表す。例えばqが1の場合は、異常音検知情報に基づく事を意味し、qが2であれば異常温度検知情報に基づくことを意味するとして良い。ここでqの領域が0の場合は準静的なデータである事を意味するとしている。
【0121】
データベース204は、上述したボクセルに関するテーブルをボクセル毎に持ち、管理するリレーショナルデータベースである。尚、上述したボクセル毎のテーブルの構成は本実施形態を説明するための1例に過ぎず、これに限定されるものではなく、またデータベースの形式もリレーショナルデータベースに限らず、またデータベースの形式に限定されるものではない。
【0122】
データ出力部205は、端末103からの要求に従ってデータベースで管理している空間情報を端末103に出力する。本実施形態では、簡単のため、ある空間が通行可能かどうかの情報を出力するものとする。
【0123】
次に
図8は、実施形態1に係るデータ出力部の処理例を説明するフローチャートであり、
図8を用いてデータ出力部205がデータを出力するまでの処理を説明する。尚、空間情報サービスシステム内の不図示のコンピュータとしてのCPU等が不図示のメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって
図8のフローチャートの各ステップの動作が順次行われる。
【0124】
ステップS801にてデータ出力部は、端末が要求している空間を特定し、端末から要求された空間に最適なボクセルを選択し、ステップS802へ進む。ここで端末からの入力は、ある緯度、経度、高さ情報に変換できる絶対座標で示された空間の指定や、出発点から経由地点を経由した到着地点までの経路指定であっても良い。
【0125】
ここで経路を指定する場合は、例えばGPX形式のファイルで示されても良い。GPX形式のファイルは、ウェイポイント(順序関係を持たない地点情報)、ルート(時間情報を付加した順序関係を持つ地点情報)、トラック(複数の地点情報の集合体:軌跡)の3種類で主に構成されている。
【0126】
各地点情報の属性値としては緯度/経度、子要素として標高やジオイド高、GPS受信状況・精度などが記載される。GPXファイルに必要な最小要素は、単一ポイントの緯度/経度情報で、それ以外の情報の記述は任意である。
【0127】
データ出力部は、順序関係を持つ緯度/経度からなる地点情報の集合体を用いて必要なボクセルを特定すれば良い。上記で獲得した空間やポイント緯度/経度、高度情報を用いてボクセルの固有識別子を特定する。
【0128】
尚、ズームレベルにおいては、空間情報サービスシステムで保持しているズームレベルや、端末の大きさ情報を、例えば端末情報生成部202から獲得して端末のサイズに見合うズームレベルを選択すれば良い。
【0129】
ステップS802にて、ステップS801で選択したボクセルの情報をデータベースから取得し、ステップS803にて、固有識別子を検索Keyとして、ボクセルの情報から必要な情報を検索し、選択して、ステップS804に進む。
【0130】
ステップS804にて、データベースを更新する必要があるか判断する。更新する必要がない場合はステップS807へ進み、必要がある場合はステップS805へ進む。ここで、データベースを更新する必要がある場合とは、例えば準静的な複数のデータが同一の情報である事が判明した場合などである。
【0131】
同一性の判定は、例えば、データベースの複数のロウ情報で、入力された時間がある程度の範囲内にある事で同時性が確認でき、しかも空間情報サービスシステムが同種の入力情報であったと確認できた場合に同一であると判断すれ良い。
【0132】
例えば、複数のロウ情報で、
図7で説明した日時情報がある範囲内に入る事、しかも
図7で説明した情報ソースにて空間情報サービスシステムで対応している入力情報の種類が同一であった場合に同一と判断すれば良い。
【0133】
尚、空間情報サービスシステムで対応している入力情報の種類毎に情報の保持期間を定めておき、現在時間と日時情報の差分から経過時間を定め、経過時間が保持期間を超えていた場合に情報を消しても良い。
【0134】
前記保持時間は当該ボクセルの空間情報サービスシステムにおける更新頻度や問い合わせ頻度から推定される空間の重要度に基づいて逐次変更しても良い。
【0135】
ステップS805にて、同一のデータをから、1つの合成したデータを計算し、ステップS806に進む。データを合成する場合には、例えば、情報ソースより合成するデータが同一の端末から取得された場合、日時情報が古いデータを破棄する方法を取っても良い。
【0136】
又、逆に情報ソースより合成するデータが同一でない端末だった場合には、各信頼度の和を計算し、合成した数で割った値を新たな信頼度として日時情報が新しいデータを更新し、それ以外のデータを破棄する方法を取っても良い。
【0137】
また例えば各信頼度の和がある閾値を超えていた場合には、更に空間情報サービスシステムで定めた方法によって算出された値を加えて信頼度を強調しても良い。
【0138】
即ち、データベースに同種のイベント情報が存在した場合、少なくともイベント発生時間とイベント種別から同一性を判定し、同一と判定した場合は重複する部分の存在確率を示す情報を強調しても良い。又、同種と判定されたイベントの発生源確率を示す情報の強調方法をイベント情報別に設定できるようにしても良い。
【0139】
次にステップS806において、ステップS805で合成したデータを、データベースに書き込み、合成に使用されたデータを削除して、ステップS807へ進む。
【0140】
ここで、合成したデータをデータベースに書き込むとしているが、例えば信頼度の最も高い合成元データの信頼値を合成した信頼値に書き換えても良い。尚、本実施形態では、合成に使用されたデータの削除を、データベース上の対応するレコードの削除としている。
【0141】
しかし、例えば削除しなくても、ボクセルの固有識別子に過去データを意味する識別子を加える、別のデータベースに移す等、データが増えすぎた場合に検索に時間がかかるなどの方法を用いても良い。
【0142】
ステップS807にて、端末の要求に適合したボクセルの通行情報、充填度、信頼度をデータベースより獲得し、端末が受信できる情報フォーマットに変更する。ここで、例えば端末が通行情報しか受信できない場合、データ出力部205は充填度、信頼度、端末の大きさ情報を用いて通行情報を加工しても良い。このように、データベースに格納されている空間情報は、その空間情報に紐づいたデータの信頼度を判別することができる。
【0143】
例えば、先ずボクセルの体積(VV)と充填度(FF)、端末の体積(TV)からスケーリングファクター(SF)を以下の式8のように求めても良い。
【数8】
・・・・(式8)
【0144】
そして、例えば通行情報(CI)が1だった場合に、補正した通行情報(CI
NEW)を信頼度(CD)と上述のスケーリングファクター(SF)を用いて以下の式9のように計算しても良い。
【数9】
・・・・(式9)
【0145】
ここで、THは0以上、100以下の定数で、βは定数であり、例えばボクセルのズームレベルに応じて違った定数を空間情報サービスシステムで保持しても良い。上述の方法は、本実施形態の1例に過ぎず、これに限定されるものではない。ステップS808にてボクセルの情報を端末に送信し、
図8のフローを終了する。
【0146】
上述した方法を用いれば、内部で保持していた非空間情報入力から計算された情報を加味し、端末から要求されたボクセルの情報を端末に送信する事ができる。
【0147】
このように、空間情報サービスシステム101は、端末103からの非空間情報を入力データとし、内部のデータベースを更新し、端末103からの要求によって非空間情報を加味した通行可否情報を含む情報を端末103に提供する事ができる。
【0148】
次に本実施形態の空間情報サービスシステムを利用する具体的な方法について
図9を用いて説明する。
図9は実施形態1に係る空間情報サービスシステムを利用する際のシーケンス図であり、エンドユーザーがサービス提供者から配送ロボット(端末)で物品を配送してもらうまでの処理を示している。
【0149】
尚、空間情報サービスシステム内の不図示のコンピュータとしてのCPU等が不図示のメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって
図9のシーケンスの各ステップの動作が順次行われる。
【0150】
その際、配送サービス提供者は、空間情報サービスシステムを使用し、空間情報を獲得して経路設定等を行う。又、配送の途中で配送ロボットの検知機能にてガラス破壊音検知機能によって検知がされた場合に、サービス提供者が空間情報サービスシステムへ非空間情報として入力するものとする。ここで、配送サービス提供者は配送ロボットを管理、運用し、配送サービスをエンドユーザーに提供する企業等とする。
【0151】
ステップS901にて、エンドユーザーは、サービス提供者にサービスをオーダーする。ここで、オーダーの方法は、サービス提供者が定めた方式、例えばサービス提供者が公開しているWEBページからの申し込みなどで良い。
【0152】
サービス提供者は、配送依頼された物品の情報(物品の重量、物品のサイズ、物品の状態と物品のオーダー時点での所在情報等)と受け取り地点の位置情報が必要となる。
【0153】
従って、サービス提供者は、ステップS901のオーダーの情報に上記情報を含めておく必要がある。但し、例えば予めユーザーとの間で配送する物品や受け取り位置を決める等を行って上記情報の入力を省略する事もできる。
【0154】
ステップS902にて、サービス提供者は、ステップS901のオーダーを受け、物品を配送する事が可能な配送ロボット(端末)が利用可能であれば、経路を決定するために空間情報を空間情報サービスシステムに問い合わせる。
【0155】
即ち、サービス提供者が物品をピックアップし、エンドユーザーまで配送する為の最終的な経路を作成する為に必要な経路候補や、関連する空間の空間情報を空間情報サービスシステムに問い合わせする。
【0156】
ステップS903にて、空間情報サービスシステムは空間情報を応答し、サービス提供者は空間情報を獲得し経路を策定する。ここで、経路策定のサービスを空間情報サービスシステムが行っても良い。又、サービス提供者が欲しい空間情報が属する空間を、空間情報サービスシステムが管理しているボクセル単位に分割する機能は、サービス提供者にて実装しても、空間情報サービスシステムにて実装しても構わない。
【0157】
ステップS904にて、サービス提供者は配送ロボットを配車し、策定された経路を伝達する。
【0158】
ステップS905にて、配送ロボットはサービス提供の為、自律移動を開始する。ここで、本実施形態では配送ロボットを想定し、自律で移動するものとするが、自律移動に限定されるものではない。例えば人間による操作によって移動が行われても良い。
【0159】
ステップS906にて、配送ロボットが持つマイクにより、ガラス破壊音が検知され、サービス提供者にガラス破壊音が通知される。ガラス破壊音検知は、例えば配送ロボットに付属するマイクからの入力音声から特徴量ベクトルを抽出し、ガラス破壊音から学習してモデル化した音響モデルの特徴量ベクトルとの尤度計算を行い判定すれば良い。
【0160】
ここで、特徴量ベクトルは例えば、音声の基本周波数、フォルマント周波数、スペクトラム、ケプストラムから得られるメル周波数ケプストラム係数、ゼロクラウン、サブバンドエナジー等から構成されても良い。
【0161】
ステップS907にてサービス提供者は、ガラス破壊音検知ありという情報を非空間情報として空間情報サービスシステムに入力する。本実施形態では非空間情報にフォーカスしているが、空間情報を空間情報サービスシステムに入力する事が出来ても良く、特に非空間情報に限定する必要はない。
【0162】
又、
図9では当該検出をサービス提供者にガラス破壊音検知を通知する例となっているが、ステップS906、ステップS907をまとめて、配送ロボットから直接、空間情報サービスシステムに非空間情報として入力しても良い。又、配送ロボットなどの端末やサービス提供者から非空間情報や空間情報を空間情報サービスシステムに入力した場合に、空間情報サービスシステムがポイントやクーポン等のインセンティブを加えても良い。
【0163】
ステップS908にてサービス提供者は新たな経路を決定するために、空間情報を空間情報サービスシステムに問い合わる。
【0164】
ステップS909にてサービス提供者は、空間情報サービスシステムから空間情報を獲得する。
【0165】
ステップS910にて、サービス提供者は経路を再設定し、配送ロボットに伝送する。
【0166】
ステップS911にて配送ロボットは、再設定された経路に基づき自律移動を行う。
【0167】
ステップS912にて配送ロボットは、オーダーされた物品を指定された場所に配送し、エンドユーザーにサービスを提供することで
図9の一連のシーケンスを終了する。
【0168】
このように、本実施形態に係る空間情報サービスシステムは、サービス提供者に対して空間情報を提供しながら、配送ロボからの非空間情報等を取得することができるようになる。
【0169】
従って本実施形態によれば、配送ロボット等の端末から非空間情報を入力を受信、データベース上のデータに反映させる事ができるため、空間の異常状態を速やかに検知して、他の端末へシェアする事ができる。
【0170】
(その他の実施形態)
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0171】
尚、上述の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体をシステム或いは装置に供給し、システム或いは装置のコンピュータ(CPU、MPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行するようにしても良い。
【0172】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述の実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は上述の装置を構成することになる。
【0173】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0174】
又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSが実際の処理の一部又は全部を行い、上述の機能を実現しても良い。尚、OSは、Operating Systemの略である。
【0175】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込む。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUが実際の処理の一部又は全部を行い、上述の機能を実現しても良い。
【0176】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。又、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。又、本発明は以下の組み合わせを含む。
【0177】
(構成1)端末から入力データを受け付けるデータ入力部と、前記入力データに関する所定の情報を生成する端末情報生成部と、前記端末情報生成部で生成された所定の情報に基づき、前記入力データを変換する入力データ変換部と、空間情報が格納されているデータベースとを有し、前記入力データに関する所定の情報は、前記入力データの種別情報と、前記入力データの空間的範囲に関する情報と、を含み、前記入力データ変換部は、前記端末からの非空間的なデータを、前記空間的範囲に関する情報と前記入力データの種別情報とに基づき、前記データベースに格納する、ことを特徴とする空間情報サービスシステム。
【0178】
(構成2)前記入力データの種別情報は、少なくとも前記入力データを前記データベースに反映させるか判別する事ができる情報を含み、前記データベース上のフィールドと前記入力データを対応させる事が可能な情報である事を特徴とする構成1に記載の空間情報サービスシステム。
【0179】
(構成3)前記入力データの種別情報は、前記入力データが移動体の通行可否に関わるかどうか判別するための情報である事を特徴とする構成1又は2に記載の空間情報サービスシステム。
【0180】
(構成4)前記入力データの前記空間的範囲に関する情報は、前記入力データを取得したセンサ情報に基づいて計算された情報で、イベント発生源の存在確率をある空間座標を与える事で計算可能とする情報である事を特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0181】
(構成5)前記センサ情報は前記端末に対するセンサの設置位置、センシング方向、指向性の少なくとも1つを含む情報であることを特徴とする構成4に記載の空間情報サービスシステム。
【0182】
(構成6)前記入力データに関する前記所定の情報は、前記入力データを入力した前記端末を識別する識別情報を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0183】
(構成7)前記識別情報は前記端末の型名を含むことを特徴とする請求項6に記載の空間情報サービスシステム。
【0184】
(構成8)
前記非空間的なデータは、音声データを含むことを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0185】
(構成9)前記音声データは破壊音を含むことを特徴とする構成8に記載の空間情報サービスシステム。
【0186】
(構成10)前記非空間的なデータは、前記端末の温度センサによる温度データを含む事を特徴とする構成1~9のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0187】
(構成11)前記データベースは、各単位空間に少なくともイベント発生源の存在確率を示す情報とイベント発生時間を含むイベントが識別できる情報からなる情報を格納する事を特徴とする構成1~10のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0188】
(構成12)前記データベースに同種のイベント情報が存在した場合、少なくともイベント発生時間とイベント種別から同一性を判定し、同一と判定した場合は重複する部分の存在確率を示す情報を強調する事を特徴とする構成1~11のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0189】
(構成13)前記データベースに格納されている前記空間情報は、前記非空間的なデータから推測された情報か判別できる事を特徴とする構成1~12のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0190】
(構成14)前記データベースに格納されている前記空間情報は、前記空間情報に紐づいたデータの信頼度を判別できる事を特徴とする構成1~13のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0191】
(構成15)前記同種と判定されたイベントの発生源確率を示す情報の強調方法をイベント情報別に設定できる事を特徴とする構成12のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステム。
【0192】
(プログラム)構成1~15のいずれか1つに記載の空間情報サービスシステムの各部をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0193】
100:空間情報基盤
101:カタログシステム
102:空間情報サービスシステム
103:端末
201:データ入力部
202:端末情報生成部
203:入力データ変換部
204:データベース
205:データ出力部