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2025-113784情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025113784
(43)【公開日】2025-08-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20250728BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20250728BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N23/60 500
H04N5/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008110
(22)【出願日】2024-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恭平
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 めい
(72)【発明者】
【氏名】垣見 玲子
(72)【発明者】
【氏名】大石 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 琢也
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA42
5C122EA48
5C122EA61
5C122FH12
5C122FH14
5C122FK34
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA88
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】変化に富んだ動画をバランスよく結合した結合動画の生成を容易にする。
【解決手段】情報処理装置は、複数の動画の、動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、動画ごとの撮影情報に基づいて、複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、複数の動画に対する、類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計手段と、その分類集計手段が集計した割合を、使用者に対して表示する表示手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計手段と、
前記分類集計手段が前記集計した前記割合を、使用者に対して表示する表示手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出手段と、
前記分類抽出手段が前記抽出した動画を結合する結合手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出手段と、
前記分類抽出手段が前記抽出した動画を結合する結合手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分類集計手段は、前記複数の動画に対する前記類似した撮影情報を有する動画の割合を、前記複数の動画の数と前記動画の長さとの、少なくともいずれかに基づいて算出することを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記分類抽出手段は、前記複数の動画に対する前記類似した撮影情報を有する動画の割合を、前記複数の動画の数と前記動画の長さとの、少なくともいずれかに基づいて算出することを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分類集計手段は、前記複数の動画の中で特定の撮影情報を有する動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を算出することを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分類抽出手段は、前記複数の動画の中で特定の撮影情報を有する動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記撮影情報は、前記動画に映る特定の被写体の情報と、前記動画が撮影された際のカメラワークの情報と、前記動画のフレームレートの情報との、少なくともいずれか一つの情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記認識手段は、前記動画から、前記特定の被写体として、人、動物、人の顔、特定の個人、特定の個体の、少なくともいずれかを認識し、前記認識した特定の被写体の情報を、前記撮影情報に含めることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記認識手段は、前記動画から所定の時間以上認識された特定の被写体の情報のみを、前記撮影情報に含める前記特定の被写体の情報とすることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記認識手段は、前記動画に映る前記被写体の動きと前記動画を撮影した装置の動きとの、少なくともいずれかに基づいて、前記動画が撮影された際のカメラワークを認識することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示手段は、前記動画の撮影の終了時、前記動画の確認時、前記情報処理装置の動作終了時、前記動画が結合される結合動画の生成が行われる前の、少なくともいずれかのタイミングで、前記割合の表示を行うことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記分類集計手段によって前記集計された特定の撮影情報を有する動画の割合が所定の割合に満たない場合、前記表示手段は、前記所定の割合を満たすことを促す表示を行うことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項14】
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識工程と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計工程と、
前記分類集計工程で前記集計した前記割合を、使用者に対して表示する表示工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識工程と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出工程と、
前記分類抽出工程で前記抽出した動画を結合する結合工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータを、
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計手段と、
前記分類集計手段が前記集計した前記割合を、使用者に対して表示する表示手段と、
を有する情報処理装置として機能させるプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出手段と、
前記分類抽出手段が前記抽出した動画を結合する結合手段と、
を有する情報処理装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を取得や編集等する際の情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
動画像を処理する技術の一つとして、複数の動画を結合して、一つの結合動画を生成する技術がある。また、特許文献1では、静止画撮影において、基準データに基づく特定の被写体の撮影枚数や割合が所定の範囲内であるかを判定し、その判定結果に基づいて撮影をアシストする撮影アシスト方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-211695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の動画データを結合した動画は、似たような画像が続く単調な動画になってしまうことがある。これに対し、変化に富んだ動画をバランスよく結合できれば、見栄えの良い結合動画を生成することができると考えられる。このため、見栄えの良い結合画像を生成するためには、変化に富んだ複数の動画を事前に撮影等して用意しておくことが望ましい。しかしながら、変化に富んだ複数の動画が得られているかどうかを確認することは容易ではない。また、見栄えの良い結合動画を生成するためには、変化に富んだ動画をバランスよく結合することが望まれるが、複数の動画の中から変化に富んだ動画をバランスよく選び出すことも容易ではない。なお、特許文献1の技術は、静止画像を対象とした技術であり、また、静止画撮影において特定の被写体が必要十分に撮影されていつか否かをアシストするための技術であるため、結合動画の生成には適用できない。
【0005】
そこで、本発明では、変化に富んだ動画をバランスよく結合した結合動画の生成を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計手段と、前記分類集計手段が前記集計した前記割合を、使用者に対して表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、変化に富んだ動画をバランスよく結合した結合動画の生成が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の情報処理装置の機能構成例を示す図である。
図2】動画ファイルの構成例を示す図である。
図3】撮影情報生成部の機能構成例を示す図である。
図4】カメラワークの幾つかの例の説明図である。
図5】各動画ファイルの撮影情報の例を表として示す図である。
図6】分類集計部による各割合の算出結果の表示例を示す図である。
図7】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。以降に挙げる実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。実施形態の構成は、本発明が適用される装置の仕様や各種条件(使用条件、使用環境等)によって適宜修正又は変更され得る。また、以下の実施形態において、同一もしくは同様の構成や処理工程においた重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の各機能部を表した図である。すなわち本実施形態の情報処理装置1は、図1に示す各機能部で表される各処理工程を実行する。また、図2は、本実施形態の情報処理装置1が生成、保持している動画ファイル2の構成例を示した図である。
情報処理装置1は、動画ファイル2中の動画データ21を生成するための動画を撮影可能な撮像部11を有している。撮像部11によって撮影された動画は、ファイル生成部12に送られる。なお、撮像部11は、情報処理装置1の外部機器として設けられていてもよい。この場合、撮像部11によって撮影された動画は、無線通信もしくは有線通信によって情報処理装置1に送信され、情報処理装置1は受信した動画をファイル生成部12に送る。
【0011】
ファイル生成部12は、データ生成部121と撮影情報生成部122とを含んで構成されている。
データ生成部121は、撮像部11から入力された動画を、情報処理装置1内で扱える所定のフォーマットの動画データ21に変換する。
撮影情報生成部122は、撮像部11にて撮影された動画に基づいて、その動画の撮影時の撮影条件を認識し、その認識結果に応じた撮影情報22を生成する。本実施形態の場合、撮影情報生成部122は、動画の撮影時の撮影条件として、その動画の撮影時の日付、動画の長さ、動画に映っている被写体、カメラワーク、およびフレームレートなどを認識する。それら撮影時の撮影条件を認識した結果に応じた撮影情報22の詳細は後述する。
【0012】
そしてファイル生成部12は、データ生成部121で変換された動画データ21に対し、撮影情報生成部122で生成された撮影情報22を付与した動画ファイル2を生成して、ファイル記録部13へ送出する。すなわち撮影情報22は、動画データ21の動画ファイル2の一部としてファイル記録部13に送られる。
ファイル記録部13は、撮像部11で撮影された複数の動画からファイル生成部12がそれぞれ生成した複数の動画ファイル2を記録する。
【0013】
なお、ファイル生成部12は、情報処理装置1とは異なる外部機器(不図示)内に設けられていてもよい。この場合、外部機器が有するファイル生成部12で生成された動画ファイル2が、有線通信もしくは無線通信によって情報処理装置1に送信され、情報処理装置1では受信した動画ファイル2をファイル記録部13が記録する。
【0014】
図2は、動画データ21と撮影情報22とを含む動画ファイル2のデータ構成例を示した図である。図2に示すように、撮影情報22には、日付情報221、動画長さ情報222、被写体認識情報223、カメラワーク情報224、およびフレームレート情報225が含まれる。日付情報221は、動画データ21の動画が撮影された日付を示す情報である。動画長さ情報は、動画データ21の動画の時間の長さを示す情報である。被写体認識情報223は、動画データ21の動画に映っている被写体の認識結果を示する情報である。被写体の認識およびその被写体の具体的な例については後述する。カメラワーク情報224は、カメラワークを示す情報である。カメラワークの詳細および具体的な例については後述する。フレームレート情報225は、動画が一秒あたり何枚の画像で構成されているかを示す情報である。フレームレートの具体的な例については後述する。撮影情報22に含まれる情報は前述した各情報には限定されず、それら各情報以外の他の情報が含まれていても構わない。また撮影情報22は、前述した各情報のいずれか一つ以上を含まない情報構成であってもよい。
【0015】
図3は、撮影情報生成部122の詳細な機能部を示した図である。撮影情報生成部122は、図3に示す各機能部で表される処理工程を実行する。
撮影情報生成部122は、少なくとも被写体、カメラワーク、およびフレームレートをそれぞれ認識する認識部として、被写体認識部122a、カメラワーク認識部122b、およびフレームレート認識部122cを含んでいる。なお、撮影情報生成部122は、前述した三つの認識部のうちいずれか一つ以上を含まない構成であってもよい。また、撮影情報生成部122は、それら三つの認識部に加えて、動画が撮影された日付と動画の時間の長さをそれぞれ認識する認識部を含んでいてもよいし、さらに他の撮影条件を認識する認識部を含んでいてもよい。
【0016】
被写体認識部122aは、撮像部11で撮影された動画内に映っている被写体を認識し、その認識結果を、撮影情報22の被写体認識情報223とする。被写体の認識処理は、例えば動画内の特定の被写体として人を認識するような人体認識処理を挙げることができる。例えば、人体認識処理を行う場合の被写体認識部122aは、人体を特定することが可能な辞書情報を保持しており、その辞書情報と動画内の被写体とを比較し、人体と類似した特徴の被写体が検出された場合に、その被写体は人であると認識する。一方で、人が含まれていない動画は風景等の動画である場合が多い。このため例えば、被写体認識部122は、前述した人体認識処理を用いて動画内に人が含まれているか否かを判定し、人が含まれていない場合には風景等を撮影した動画であると認識することができる。このように、被写体認識部122aは、撮像部11が撮影した動画が、人を撮影した動画であるか、あるいは風景を撮影した動画であるかを、ある程度区別することができる。
【0017】
なお、被写体の認識処理は、特定の被写体として、人以外の例えば動物を認識するような動物認識処理であってもよい。また、被写体の認識処理には、特定の被写体として、例えば人の顔を認識する顔認識処理や、人や動物の中でもさらに詳細に個人や個体を特定するような認識処理が含まれていてもよい。さらに被写体の認識処理には、それら人や動物、人の顔、個人や個体の二つ以上の特定の被写体を認識する処理であってもよい。
【0018】
また、被写体認識部122aは、認識した全ての被写体の被写体認識情報を撮影情報22に含めるような処理を行ってもよい。さらに例えば、被写体認識部122aは、認識した全ての被写体認識情報を撮影情報22に含めるのではなく、所定の判定条件に基づいて撮影情報22に含めるか否かを判定する処理を行ってもよい。例えば、被写体認識部122aは、ある所定の時間以上認識されたか否かを所定の判定条件とし、所定の時間以上認識された被写体の被写体認識情報のみを撮影情報22に含めるようにしてもよい。図2に示した動画ファイル2では、被写体として人を認識した結果を撮影情報22に含めた場合の例を示しており、被写体認識処理で人が認識されたことを意味する「人有」という情報を含む被写体認識情報223が記録された例を示している。
【0019】
カメラワーク認識部122bは、撮像部11で動画が撮影された際のカメラワークを認識し、その認識結果を、撮影情報22のカメラワーク情報224とする。
図4(a)~図4(d)は、カメラワーク認識部122bにおいて認識されるカメラワークの例を説明するための模式図であり、被写体として人31と背景の一部である木32とが映っている動画3の例を表している。図中の矢印31a、32aは、それぞれ人31と木32の動画中の動きを表している。図中で矢印31a、32aが付与されている被写体は動画3の中においてその矢印の方向に動いていることを表し、矢印31a、32aが付与されていない被写体は動画3の中で静止していることを表している。
【0020】
図4(a)は、人31および木32が共に動画3の中で静止している場合を表している。木32は実空間では移動しない物体であるため、木32が動画3の中で静止している場合、この動画3を撮影している撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)も静止している状態であると考えられる。したがって、図4(a)は、情報処理装置1の撮像部11において動画3を撮影した際に、人31と情報処理装置1とが共に静止している状態と言える。
図4(b)は、動画3の中で人31は動いているが、木32は静止している場合を表している。すなわち図4(b)は、撮像部11において動画3を撮影した際に、人31は動いているが、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)は静止している状態を表している。
図4(c)は、動画3の中で人31は静止しているが、木32は動いている場合を表している。すなわち図4(c)は、撮像部11において動画3を撮影した際に、人31と撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)が略同一の速度で平行移動している状態を表している。
図4(d)は、人31および木32が共に動画3の中で略同一の速度で動いている場合を表している。すなわち図4(d)は、撮像部11において動画3を撮影した際に、人31が静止し、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)が動いている状態を表している。
図4(a)~図4(d)の例のように、それぞれ同じ人31と背景の一部である木32とを撮影した動画3であったとしても、その撮影中の人31と撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の動きによって、様々なパターンの動画3が得られる。
【0021】
本実施形態のカメラワーク認識部122bは、図4(a)~図4(d)に例示したような動画3の被写体や背景の動きの複数のパターンに基づいて、「カメラワーク」を認識する。
以下、カメラワーク認識部122bにて行われるカメラワークの認識処理について詳細に説明する。
【0022】
カメラワーク認識部122bは、被写体認識部122aと同様の人体認識処理を行って動画3の中に人31が含まれているか否かを認識し、人31を認識できた場合にはその人31が動画3の中で動いているか否かを認識する。人31が動画3の中で動いているか否は、例えば、人体認識処理で認識した人31の動画3の中の位置情報が、所定の量以上変化しているかを判定することなどにより認識することができる。
【0023】
また本実施形態の情報処理装置1は、移動検知部123をも有している。
移動検知部123は、加速度センサ等、情報処理装置1の運動を検知できるセンサで構成され、情報処理装置1の撮像部11が実空間内をどのように移動しているかを検知することができる。移動検知部123で検知された移動情報は、撮影情報生成部122へ送られ、カメラワーク認識部122bでのカメラワークの認識に用いられる。なお、撮像部11が情報処理装置1の外部機器である場合、移動検知部123は撮像部11に含まれていてもよい。この場合、移動検知部123は、外部機器である撮像部11自体が実空間内でどのように移動しているかを検知する。
【0024】
カメラワーク認識部122bは、前述した処理によって、動画内で人31が動いているか否かと、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)が移動しているか否かを検知することができる。そして、カメラワーク認識部122bは、これら二つの情報を用いることによって、図4(a)~図4(d)に示した四つのカメラワークのうち、いずれのカメラワークで動画が撮影されたかを認識することができる。例えば、動画3の中で人31が移動しておらず、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の移動も検知されなかった場合、カメラワーク認識部122bは、図4(a)に示すカメラワークで動画が撮影されたことを認識する。また例えば、動画3の中で人31は移動しているが、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の移動が検知されなかった場合、カメラワーク認識部122bは、図4(b)に示すカメラワークで動画が撮影されたことを認識する。また例えば、動画3の中で人31は移動しておらず、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の移動が検知された場合、カメラワーク認識部122bは、図4(c)に示すカメラワークで動画が撮影されたことを認識する。さらに例えば、動画3の中で人31が移動し、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の移動も検知された場合、カメラワーク認識部122bは、図4(d)に示すカメラワークで動画が撮影されたことを認識する。
【0025】
カメラワーク認識部122bは、前述のような処理によって、各動画がいずれのカメラワークで撮影されたかを認識し、その認識結果をファイル記録部13に送る。ファイル記録部13は、カメラワークの認識結果を、撮影情報22のカメラワーク情報224として記録する。図2に示した動画ファイル2の撮影情報22は、図4(b)のカメラワークが認識された場合を示しており、カメラワーク情報224が図4(b)のカメラワークであることを示す(b)が記録されている。
【0026】
なお、本実施形態では、図4(a)~図4(d)に示した四つのカメラワークが認識される例を挙げたが、これに限定されず、カメラワーク認識部122bは、これら以外のカメラワークを認識できる構成であっても構わない。また本実施形態では、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の移動検知について、移動検知部123の検知出力を用いる例を挙げたが、それ以外の方法を用いてもよい。例えば、人31の移動の検知と同様に、動画内の背景の一部である木32の移動を検知した場合に、撮像部11(撮像部11を備えた情報処理装置1)の移動したことを検知するような構成としても構わない。
【0027】
フレームレート認識部122cは、動画3が一秒あたり何枚の画像で構成されているかを示すフレームレートを認識する。このフレームレートの単位としてはfpsが一般的に用いられ、例えば120fpsは1秒当たり120枚の画像で構成された動画であることを示している。このフレームレートの認識処理は、動画撮影時の撮像部11の設定に基づいて行われてもよいし、動画データ21に基づいて行われてもよい。すなわちフレームレート認識部122は、動画撮影時の撮像部11に設定されたフレームレートの値からフレームレートを認識してもよいし、動画データ21が一秒あたり何枚のフレームで構成されているかを計測してフレームレートを認識してもよい。
【0028】
フレームレート認識部122cで認識されたフレームレートの情報は、ファイル記録部13に送られ、撮影情報22のフレームレート情報225として記録される。図2に示した動画ファイル2の撮影情報22は、動画データ21のフレームレートが120fpsであることが記録された状態を示している。
【0029】
図1に示した情報処理装置1の撮影情報認識部14は、ファイル記録部13に記録された各動画ファイル2の動画データ21に対応付けられている撮影情報22を認識する。本実施形態の場合、撮影情報認識部14は、ファイル記録部13に記録されている動画ファイル2の動画データ21に付与されている撮影情報22を読み取る。なお、撮影情報認識部14は、図3に示したような被写体認識部122a、カメラワーク認識部122b、フレームレート認識部122cの各認識部を有する構成であってもよい。この場合、撮影情報認識部14は、ファイル記録部13から動画ファイル2の動画データ21を読み取り、その動画データ21の動画を基に各認識部が撮影情報22を認識する。そして、撮影情報認識部14は、その撮影情報22を分類集計部15または分類抽出部17へ送出する。
【0030】
分類集計部15は、撮影情報認識部14にて認識された撮影情報22に基づいて、各動画ファイル2を、類似した撮影情報22を持つ動画ファイル2毎に分類する。そして、分類集計部15は、分類集計の対象となる全ての動画ファイル2の中で、それぞれ類似した撮影情報22を持つ動画ファイル2の割合を算出する。
【0031】
図5は、分類集計部15が、ファイル記録部13に記録された各動画ファイル2の撮影情報22を読み取り、それら動画ファイル2の撮影情報22を分類および集計した結果の一例を表にして示した図である。図5の例の場合、ファイル記録部13にはA~Jで表される合計10個の動画ファイルが記録されている。図5において、被写体認識情報の行は、動画の中の被写体に人が含まれているかのみの認識結果を表しており、人が含まれている場合は「人有」、人が含まれていない場合は「人無」と記載している。カメラワーク情報の行内の(a)~(d)は、図4(a)~図4(d)に例示したカメラワークの認識結果を表している。例えば動画ファイルAのカメラワーク情報の行内の(a)は、図4(a)に示したカメラワークが認識されたことを示している。日付情報と動画長さ情報、フレームレート情報は、それぞれ図5に示した通りの情報である。例えば、日付情報の3/1は3月1日であることを、動画長さ情報の10秒は動画の時間の長さが10秒であることを、フレームレート情報の60fpsはフレームレートが60fpsであることをそれぞれ示している。
【0032】
図5に示した例の場合、分類集計部15は、A~Jの合計10個の動画ファイル全てを分類集計の対象とし、それぞれ類似した撮影情報を持つ動画ファイルの割合を算出する。すなわち、分類集計部15は、被写体認識情報、カメラワーク情報、フレームレート情報のそれぞれが、A~Jの合計10個の動画ファイルの中でどのような割合で撮影されているのかを算出する。例えば被写体認識情報の場合、「人有」が7個、「人無」が3個である。したがって、分類集計部15は、ファイル記録部13に記録された10個の動画ファイル全体の中で、人が被写体に含まれている割合は70%であり、人が被写体に含まれていない割合は30%であることを算出する。また、カメラワーク情報の場合、(a)が4個、(b)が2個、(c)が1個、(d)が3個である。したがって、分類集計部15は、10個の動画ファイル全体に占める割合として、図4(a)のカメラワークが40%、図4(b)のカメラワークが20%、図4(c)のカメラワークが10%、図4(d)のカメラワークが30%であることを算出することができる。また、フレームレート情報の場合、30fpsが5個、60fpsが3個、120fpsが2個である。したがって、分類集計部15は、10個の動画ファイル全体に占める割合として、30fpsが50%、60fpsが30%、120fpsが20%であることを算出することができる。
【0033】
本実施形態では、ファイル記録部13に記録されている動画ファイル2の数(図5の例では10個)を基準に割合を算出する例を挙げたが、これに限定されるものではなく、分類集計部15は、例えば動画長さの時間を基準に割合を算出してもよい。例えば図5の場合、10個の動画ファイルの全体(合計)の動画長さが300秒なのに対して、「人有」になっている7個の動画ファイルの合計の動画長さは150秒である。このため、10個の動画ファイルの全体(合計)の動画長さが300秒を基準とした場合、被写体認識情報が「人有」になっている動画ファイルの割合は50%となる。このように、分類集計部15は、動画の長さに基づいた割合を算出してもよい。その他にも、分類集計部15は、動画ファイルの数と動画の長さとを組み合わせて割合を算出してもよい。
【0034】
さらに他の例として、分類集計部15は、ファイル記録部13に記録されている動画ファイル2のなかで、割合を算出する際の対象となる動画ファイルを限定してもよい。例えば本実施形態のように撮影情報に日付情報が含まれている場合、分類集計部15は、特定の日付の撮影情報を有する動画ファイルの動画のみを対象として、割合を算出してもよい。例えば図5のように、日付情報が4/1(4月1日)となっている動画ファイルのみを対象として割合を算出する場合、日付情報が4/1の動画ファイルは4個あるのに対して、その中で被写体認識情報が「人有」になっている動画ファイルは2個である。したがって、分類集計部15は、日付情報が4/1の動画ファイルにおける、被写体認識情報が「人有」の動画ファイルの割合を50%と算出することができる。このように、分類集計部15は、ある特定の日付のような特定の撮影情報を有する動画ファイルの動画のみについて割合を算出することが可能である。
【0035】
図1に示した情報処理装置1の表示部16は、液晶ディスプレイ等で構成されており、本装置の使用者に情報を伝達するための様々な表示を行う。
本実施形態の場合、表示部16は、前述のようにして分類集計部15によって算出された割合に基づいた表示を行うことができる。
【0036】
図6は、図5に例示した動画ファイルを基に分類集計部15によって行われた各割合の算出結果に基づく表示の一例を示した図である。図6は、分類集計部15が被写体認識情報、カメラワーク情報、フレームレート情報のそれぞれに対応して算出した割合が、帯グラフ161、162、163として表示された例を示している。前述した図5の例の場合、被写体認識情報を基に算出された、被写体に人が含まれている割合は70%であり、人が含まれていない割合は30%である。したがって、被写体認識情報に対応した帯グラフ161では、人が含まれている割合が帯161a、人が含まれていない割合が帯161bの長さにより表されている。また、カメラワーク情報の場合、前述した図4(a)のカメラワークが40%、図4(b)のカメラワークが20%、図4(c)のカメラワークが10%、図4(d)のカメラワークが30%である。したがって、カメラワーク情報に対応した帯グラフ162は、それぞれのカメラワークの割合に応じた帯162a~162dの長さにより表されている。また、フレームレート情報の場合、前述したように、30fpsが50%、60fpsが30%、120fpsが20%である。したがって、フレームレート情報に対応した帯グラフ163は、それぞれのフレームレートの割合に応じた帯163a~163cの長さにより表されている。
【0037】
なお、図6の例では、分類集計部15で算出した割合が帯グラフとして表示された例を挙げたが、これに限定されず、表示部16は、例えば円グラフ等の他の表示形式や、割合の数字の直接表示のような、様々な方法で表示を行うことも可能である。
【0038】
図1に示した情報処理装置の結合部18は、ファイル記録部13に記録されている複数の動画ファイル2の動画データ21を適宜結合して、一つの結合動画を生成する。
ここで、複数の動画ファイル2の動画データ21を結合して結合動画を作成する場合、被写体やカメラワーク、フレームレート等の撮影情報が類似している動画を結合するよりも、複数の異なる撮影情報を有する動画を組み合わせて結合する方が望ましい。これは、類似した動画を結合すると単調な結合動画になり易く、一方で、複数の異なる撮影情報を有する動画を組み合わせて結合した場合には、変化に富んだ見栄えの良い結合動画になると考えられるからである。
【0039】
例えば、常に人ばかりが映っている結合動画や風景しか映っていない結合動画よりも、人が映った動画の合間に風景が映った動画が挿入されているような結合動画の方が、メリハリのある見栄えの良い結合動画になると考えられる。同様にカメラワークについても、同じカメラワークのみで構成された結合動画よりも、様々なカメラワークで撮影された動画が組み合わさった結合動画の方が、メリハリのある見栄えの良い結合動画を作成することができる。またフレームレートの場合、例えば120fps等の速いフレームレートで撮影を行うと、例えば再生時に30fpsで再生することによって、スローモーションで再生することができる。結合動画の中にスローモーションの動画をいくつか入れることによって、メリハリのある見栄えの良い結合動画を作成することができる。
【0040】
すなわち、変化に富んだ見栄えの良い結合動画の生成を可能にするためには、結合動画に使用する素材となる動画を撮影する際に、様々な被写体、様々なフレームワーク、様々なフレームレートの動画をバランスよく撮影することが重要となる。例えば、人が映っている動画と人が映っていない風景の動画とをバランスよく撮影し、また、様々なカメラワークで撮影し、さらにフレームレートとしては120fps等の設定で動画を撮影することが重要である。
【0041】
そこで、本実施形態では、表示部16により図6に示したような撮影情報ごとの割合を表示することにより、様々な画がバランスよく撮影されているかどうかを、情報処理装置1の使用者が一目で把握できるようにする。すなわち、使用者は、図6の表示を見ることにより、各動画ファイルの動画として、様々な被写体、カメラワーク、およびフレームレートの動画がそれぞれどのような割合で撮影されているかを一目で把握できる。言い換えると、使用者は、どの撮影情報を有する動画の撮影が足りないかを把握することができ、その撮影情報に合致する撮影条件での撮影を行うきっかけを得ることができる。
そして、足りない撮影情報の動画の撮影が行われることによって、ファイル記録部13は、様々な被写体、様々なカメラワーク、様々なフレームレートの動画が記録されてた状態になる。このファイル記録部13に記録された複数の動画ファイルの動画を結合することによって、複数の異なる撮影情報を有する動画データを組み合わせた、変化に富んだ結合動画の作成が可能となる。
【0042】
例えば、使用者は、表示部16の表示から図6の帯グラフ161を確認することによって、人が映っている動画と人の映っていない動画がどのようなバランスで撮影出来ているかを一目で確認することができる。例えば図6に示した帯グラフ161の場合、使用者は、人が映っていない動画の割合が、人が映っている動画よりも少ないことを認識することができる。人が映っていない動画は風景の動画であることが多く、この動画の割合が少ないということに気づくことによって、使用者は、風景等の動画をもう少し撮影した方がよいと気づくことができる。なお、人が映っている動画と映っていない動画との割合に対する最適値には個人差があり、使用者は、帯グラフ161を確認しながら、その割合が適切であるかどうかを判断できるため、使用者に合った撮影の割合で撮影を行うことができる。このような撮影が行われて得られた動画ファイルがファイル記録部13に記録されることで、その後、人が映った動画と風景の動画とがバランスよく組み合わされた、変化に富んだ結合動画を作成することができるようになる。
【0043】
また例えば、使用者は、表示部16で図6に示した帯グラフ162を確認することによって、各動画ファイルにおいてカメラワークがどのようなバランスで撮影出来ているかを一目で確認することができる。例えば図6に示した帯グラフ162の場合、使用者は、図4(c)に示したカメラワークが最も少ないことを認識することができ、したがって図4(c)に示したカメラワークでの撮影を増やす方がよいことに気づくことができる。なお、カメラワークの割合に対する最適値についても個人差があり、使用者は、帯グラフ162を確認しながら、その割合が適切であるかどうかを判断できるため、使用者に合った撮影の割合で撮影を行うことができる。このような撮影が行われて得られた動画ファイルがファイル記録部13に記録されることで、その後、様々なカメラワークで撮影された動画がバランスよく組み合わされた、変化に富んだ結合動画を作成することができるようになる。
【0044】
また例えば、使用者は、表示部16で図6に示した帯グラフ163を確認することによって、各動画ファイルにおいてフレームレートがどのような割合で撮影できているかを一目で確認することができる。例えば図6の示した帯グラフ163の場合、使用者は、120fpsの速いフレームレートで撮影した動画の割合が少ないことを認識することができ、したがって120fpsのフレームレートの動画をもう少し撮影した方がよいと気づくことができる。フレームレートの割合に対する最適値についても個人差があり、使用者は、帯グラフ163を確認しながら、その割合が適切であるかどうかを判断できるため、使用者に合った撮影の割合で撮影を行うことができる。この撮影が行われて得られた動画ファイルがファイル記録部13に記録されることで、その後、様々なカメラワークで撮影された動画がバランスよく組み合わされた、変化に富んだ結合動画を作成することができるようになる。例えば、スローモーションで再生可能な動画がバランスよく組み合わされた、変化に富んだ結合動画を作成することができる。
【0045】
図6に示した表示は、動画の撮影終了時や動画の確認時、情報処理装置1の動作終了時、動画を結合して結合動画を生成する前等のタイミングで行われることが望ましい。例えば、動画の撮影終了時に表示を行うことで、使用者に対して、次にどのような撮影を行えばよいか考えるヒントを与えることができる。また、動画再生時の動画を確認する時や情報処理装置1の動作終了時にこのような表示を行うことで、使用者は、一連の撮影の中でまだ撮影が不足している撮影情報を知ることができる。また動画を結合して結合動画を生成する前に表示することで、使用者は、様々な撮影情報に応じた動画がバランスよく含まれているかを、動画結合前に確認することができる。
【0046】
また、本実施形態の情報処理装置1は、分類集計部15により分類および集計された動画において、特定の撮影条件による撮影情報の割合が所定の割合に満たない場合、所定の割合を満たすことを促す表示を表示部16に行ってもよい。
例えば、被写体として人が含まれている動画と含まれていない動画に対する所定の割合をそれぞれ40%以上の割合とした場合、図5図6の例では、人が含まれない動画は30%しかなく、所定の割合の40%以上に満たない。このような場合、表示部16は、例えば「もう少し風景を撮影しましょう」等、人が映らない動画を撮影することを推奨する表示行うようにしてもよい。これにより、どのような割合で撮影を行えばよいのか分からない使用者に対して、見栄の良い結合動画を作成するためのアシストを行うことができる。
【0047】
図1に示した情報処理装置1の分類抽出部17は、分類集計部15で行われるのと同様に、撮影情報認識部14から得た動画ファイルの撮影情報に基づいて、被写体認識情報、カメラワーク情報、フレームレート情報のそれぞれについて割合を算出する。なお、分類抽出部17は、分類集計部15から被写体認識情報、カメラワーク情報、フレームレート情報のそれぞれにおける割合を示す情報を取得してもよい。そして、分類抽出部17は、ファイル記録部13に記録された動画ファイルの中から、類似した撮影情報における動画の割合が所定の範囲の割合となるような抽出条件に基づいて動画を抽出する。
【0048】
例えば、被写体として人が含まれる動画が40%~50%の範囲、人が含まれていない動画も40%~50%の範囲の割合となる抽出条件が設定されている場合、分類抽出部17は、その抽出条件を基にファイル記録部13から動画を抽出する。例えば、ファイル記録部13に図5に示したような各動画ファイルが記録されている場合、分類抽出部17は、その抽出条件に基づいて、例えばA、B、C、D、G、Jの各動画ファイルから動画を抽出する。前述したようにA、B、Cの動画ファイルは被写体認識情報が「人有」、D、G、Jの動画ファイルは被写体認識情報が「人無」である。これにより、分類抽出部17にて抽出された動画は、人が含まれている動画が50%、人が含まれていない動画も50%となり、設定された抽出条件である40%~50%の範囲の割合を満たすことになる。
【0049】
そして、分類抽出部17により抽出されたA、B、C、D、G、Jの6個の動画ファイルの各動画データは、結合部18に送られる。したがって、結合部18では、A、B、C、D、G、Jの6個の動画ファイルの各動画データが結合されて、一つの結合動画が生成されることになる。すなわち、その結合動画は、人が映った動画と人が映っていない風景等の動画とがバランスよく含まれた結合動画となり、メリハリがついた見栄の良い動画となる。
【0050】
前述の説明では、被写体認識情報に対して設定された抽出条件に基づいて動画を抽出する例を挙げたが、カメラワーク情報やフレームレート情報等の他の撮影情報についてもそれぞれ設定した抽出条件に基づいて動画を抽出してもよい。もちろん、抽出条件は、それら被写体認識情報、カメラワーク情報、フレームレート情報のそれぞれ一つのみに対して限定する場合に限定されず、二つ以上を組み合わせた抽出条件であってもよい。
【0051】
また、分類抽出部17の場合も前述同様に、動画の割合を算出するにあたっては、動画ファイルの数を基準にした算出に限定されるものではなく、例えば動画長さの時間を基準にして算出してもよいし、それらを組み合わせて算出してもよい。
また、前述の例では、ファイル記録部13に記録された全ての動画ファイルを抽出の対象とした例を挙げたが、これに限定されず、ファイル記録部13に記録された全動画ファイルの中で、抽出の対象となる動画ファイルが限定されていてもよい。例えば、特定の日付の撮影情報を有する動画ファイルの動画のみを抽出の対象とし、それら対象の動画ファイルについてさらに特定の撮影情報が所定の割合を満たすように動画を抽出してもよい。これにより、例えば、ある一日等、特定の日付の条件に対応した結合動画を生成するための動画を抽出することが可能となる。
【0052】
また本実施形態の情報処理装置1は、結合部18で動画を結合する前に、それら結合する動画を対象として、分類集計部15で各撮影情報の動画の割合を算出し、その割合算出結果を表示部16に表示してもよい。この例の場合、結合動画を生成する前に、使用者は、各撮影情報の動画の割合を確認することができ、ある動画の割合が不足している場合に、事前に気づくことが可能となる。また、結合部18で結合する動画は、分類抽出部17で抽出された動画に限定されず、使用者が任意に選んだ動画でも構わない。
【0053】
図7は、本実施形態の情報処理装置1を適用可能なハードウェア構成の一例を示した図である。
情報処理装置700は、CPU701、ROM702、RAM703、大容量メモリ704、ネットワークIF706、入力装置707、表示デバイス708、カメラ709、センサ710等を含む。
【0054】
CPU701は、情報処理装置700を統括制御する。ROM702は、CPU701が情報処理装置700を制御する制御プログラムや前述した図1および図3に示した情報処理装置の機能部に係る処理工程を実行するための情報処理プログラムなどを記憶する。RAM703は、ROM702から読み出したプログラムが展開されて、そのプログラムをCPU701が実行するためのメモリである。また、RAM703は、各種処理の対象となるデータを一時的に記憶するための一時記憶領域としても使用される。
【0055】
カメラ709は、前述した撮像部11に対応した撮像装置である。
センサ710は、前述した移動検知部123に対応し、加速度センサ等を含む。
ネットワークIF706は、不図示のネットワークを介して通信を行うための通信回路等を含む。CPU701は、ネットワークIF706を介して外部の機器等との間で画像や様々な情報のやり取りを行うことができる。
大容量メモリ704は、HDDやSSD等であり、カメラ709によって撮影された動画等を格納することができる。前述したファイル記録部13は、大容量メモリ704に動画ファイル2を記録することができる。そして、CPU701は、大容量メモリ704に格納された動画ファイルの撮影情報等を読み出して、前述した処理等を行うことも可能である。
【0056】
表示デバイス708は、前述した表示部16によって表示が行われる表示装置であり、動画や静止画、テキスト等を表示することができる。前述した図6の表示内容は、表示デバイス708の画面上に表示される。
入力装置707は、入力用のキーボード、表示デバイス708上の画面表示に対するポインティングデバイス、マウス、タッチパネル等の少なくともいずれかを備えた装置である。情報処理装置700の使用者は、入力装置707を介して様々な指示や情報等を入力することができ、CPU701はその使用者からの入力情報に応じた処理を行う。
【0057】
情報処理装置700のハードウェア構成は、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、さらにはデジタルカメラやデジタルビデオカメラに搭載されるハードウェア構成要素と同様の構成要素を有している。そのため、情報処理装置700で実現される各種機能は、CPU701が実行するソフトウェア(プログラム)として実装することが可能である。すなわちCPU701は、本実施形態に係る情報処理プログラムを実行することにより、前述した図1および図3に示した各機能部に係る処理工程を実現することができる。もちろん、図1および図3に示した各機能部は、回路構成として実現されてもよい。
【0058】
本発明は、上述した実施形態の一以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、一以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0059】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法、およびプログラムを含む。
(構成1)
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計手段と、
前記分類集計手段が前記集計した前記割合を、使用者に対して表示する表示手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
(構成2)
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識手段と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出手段と、
前記分類抽出手段が前記抽出した動画を結合する結合手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
(構成3)
前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出手段と、
前記分類抽出手段が前記抽出した動画を結合する結合手段と、
を有することを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
(構成4)
前記分類集計手段は、前記複数の動画に対する前記類似した撮影情報を有する動画の割合を、前記複数の動画の数と前記動画の長さとの、少なくともいずれかに基づいて算出することを特徴とする構成1または3に記載の情報処理装置。
(構成5)
前記分類抽出手段は、前記複数の動画に対する前記類似した撮影情報を有する動画の割合を、前記複数の動画の数と前記動画の長さとの、少なくともいずれかに基づいて算出することを特徴とする構成2または3に記載の情報処理装置。
(構成6)
前記分類集計手段は、前記複数の動画の中で特定の撮影情報を有する動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を算出することを特徴とする構成1、3、4のいずれか1構成に記載の情報処理装置。
(構成7)
前記分類抽出手段は、前記複数の動画の中で特定の撮影情報を有する動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を算出することを特徴とする構成2、3、5のいずれか1構成に記載の情報処理装置。
(構成8)
前記撮影情報は、前記動画に映る特定の被写体の情報と、前記動画が撮影された際のカメラワークの情報と、前記動画のフレームレートの情報との、少なくともいずれか一つの情報を含むことを特徴とする構成1乃至7のいずれか1構成に記載の情報処理装置。
(構成9)
前記認識手段は、前記動画から、前記特定の被写体として、人、動物、人の顔、特定の個人、特定の個体の、少なくともいずれかを認識し、前記認識した特定の被写体の情報を、前記撮影情報に含めることを特徴とする構成8に記載の情報処理装置。
(構成10)
前記認識手段は、前記動画から所定の時間以上認識された特定の被写体の情報のみを、前記撮影情報に含める前記特定の被写体の情報とすることを特徴とする構成9に記載の情報処理装置。
(構成11)
前記認識手段は、前記動画に映る前記被写体の動きと前記動画を撮影した装置の動きとの、少なくともいずれかに基づいて、前記動画が撮影された際のカメラワークを認識することを特徴とする構成8に記載の情報処理装置。
(構成12)
前記表示手段は、前記動画の撮影の終了時、前記動画の確認時、前記情報処理装置の動作終了時、前記動画が結合される結合動画の生成が行われる前の、少なくともいずれかのタイミングで、前記割合の表示を行うことを特徴とする構成3に記載の情報処理装置。
(構成13)
前記分類集計手段によって前記集計された特定の撮影情報を有する動画の割合が、所定の割合に満たない場合、前記表示手段は、前記所定の割合を満たすことを促す表示を行うことを特徴とする構成1、3、4、6、12のいずれか1構成に記載の情報処理装置。
(方法1)
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識工程と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合を集計する分類集計工程と、
前記分類集計工程で前記集計した前記割合を、使用者に対して表示する表示工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
(方法2)
複数の動画の前記動画ごとの撮影情報を認識する認識工程と、
前記動画ごとの前記撮影情報に基づいて、前記複数の動画を類似した撮影情報を有する動画ごとに分類し、前記複数の動画に対する、前記類似した撮影情報を有する動画の割合が所定の割合を満たすように、前記複数の動画の中から動画を抽出する分類抽出工程と、
前記分類抽出工程で前記抽出した動画を結合する結合工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
(プログラム1)
コンピュータを、構成1乃至13のいずれか1構成に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0060】
1:情報処理装置、12:ファイル生成部、13:ファイル記録部、14:撮影情報認識部、15:分類集計部、16:表示部、17:分類抽出部、18:結合部、121:データ生成部、122:撮影情報生成部、123:移動検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7