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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025113799
(43)【公開日】2025-08-04
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20250728BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20250728BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20250728BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20250728BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G21/00 370
B65H7/14
G03G15/00 445
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008136
(22)【出願日】2024-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】松井 尚督
【テーマコード(参考)】
2H072
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2H072AA13
2H072AA23
2H072AA24
2H072AB09
2H072CA01
2H270LA25
2H270LA66
2H270LA70
2H270LC07
2H270LC10
2H270LC12
2H270LC13
2H270LC14
2H270LC15
2H270LC22
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD14
2H270LD15
2H270MA35
2H270MB25
2H270MB39
2H270MB41
2H270MB43
2H270MB55
2H270MC01
2H270MC39
2H270MC40
2H270MC44
2H270MC58
2H270MC59
2H270MC60
2H270MC78
2H270MD10
2H270MD13
2H270MD15
2H270MH10
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
3F048AA05
3F048AB01
3F048BA05
3F048BB02
3F048CA03
3F048CC03
3F048DA06
3F048DC13
3F048EA14
3F048EB22
3F048EB29
(57)【要約】
【課題】2次転写位置までの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うこと。
【解決手段】記録材が、記録材の後端が反転ローラ対230を通過していない状態で記録材がレジストローラ221によって搬送される長さを有し、かつ、記録材がレジストローラ221と反転ローラ対230とで搬送される場合に、給紙搬送制御部330は第1制御を行う前に第2制御を行い、第1制御において記録材の搬送が継続され、第2制御において、給紙搬送制御部330は、搬送方向におけるレジストセンサ222の上流で記録材の搬送速度を減速させる、又は、記録材の搬送を停止させるように給紙モータ332及び定着モータ352を制御し、第2制御において、給紙搬送制御部330は、搬送方向におけるレジストセンサ222の上流で記録材の搬送速度を加速させるように給紙モータ332及び定着モータ352を制御する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を搬送する第1搬送手段と、
前記第1搬送手段を駆動する第1駆動手段と、
前記記録材を搬送する第2搬送手段であって、前記記録材の搬送方向において前記第1搬送手段よりも上流に設けられる第2搬送手段と、
前記第2搬送手段を駆動する第2駆動手段であって、前記第1駆動手段とは異なる第2駆動手段と、
感光ドラムから転写されたトナー像が担持される中間転写体と、
前記中間転写体上の前記トナー像を前記記録材に転写位置において転写するように構成された転写手段と、
前記記録材を検知する検知手段であって、前記搬送方向において前記転写位置よりも上流に設けられる検知手段と、
前記記録材の先端が前記検知手段に到達したことに応じて、第1制御を行うように構成された制御手段であって、前記第1制御において、前記第1駆動手段を制御して前記記録材の搬送速度を加速又は減速させる制御手段と、
を備える画像形成装置であって、
前記記録材が、前記記録材の後端が前記第2搬送手段を通過していない状態で前記記録材が前記第1搬送手段によって搬送される長さを有し、かつ、前記記録材が前記第1搬送手段と前記第2搬送手段とで搬送される場合に、前記制御手段は前記第1制御を行う前に第2制御を行い、前記第1制御において前記記録材の搬送が継続され、
前記第2制御において、前記制御手段は、前記搬送方向における前記検知手段の上流で前記記録材の搬送速度を減速させる、又は、前記記録材の搬送を停止させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御し、
前記第2制御において、前記制御手段は、前記搬送方向における前記検知手段の上流で前記記録材の搬送速度を加速させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光ドラムを含み、前記中間転写体上にトナー像を形成する画像形成手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記記録材が前記トナー像よりも先行する先行距離に基づいて、前記第2制御における前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の第1速度と、前記第1速度から第2速度に戻すタイミングと、を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2制御において、前記第1速度が前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の速度のうち最も遅い速度としても前記記録材の方が前記トナー像よりも先行する場合には、前記記録材の先端が前記検知手段に到達する前に前記記録材の搬送を停止させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を停止させる第3制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ヒータを有し、前記転写位置よりも下流に設けられ、記録材上のトナー像を定着する定着装置を備え、
前記第1搬送手段は、前記転写位置よりも上流に設けられ、前記記録材を搬送する第1ローラであり、
前記第1駆動手段は、前記第1ローラを駆動する第1モータであり、
前記第2搬送手段は、前記定着装置を通過した前記記録材を前記転写位置に搬送するための第2ローラであり、
前記第2駆動手段は、前記定着装置及び前記第2ローラを駆動する第2モータであって、前記第2ローラを第1方向及び前記第1方向と反対の第2方向に回転するように構成され、
前記定着装置は、前記第2モータによる駆動が停止されている間に、前記ヒータの温度が低下することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1搬送手段は、複数の前記第1ローラを含み、複数の前記第1ローラの1つは、前記搬送方向において前記第2ローラの隣に配置されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録材の搬送を停止させる停止時間と、
前記停止時間中に低下したヒータの温度が、低下する前の温度に回復するまでの回復時間を求め、
前記回復時間が経過した後に前記記録材が前記定着装置に到達するように、前記第3制御における前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を停止させるタイミングを決定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ヒータを有し、前記転写位置よりも下流に設けられ、記録材上のトナー像を定着する定着装置を備え、
前記第1搬送手段は、前記転写位置よりも上流に設けられ、前記記録材を搬送する第1ローラであり、
前記第1駆動手段は、前記第1ローラを駆動する第1モータを含み、
前記第2搬送手段は、前記定着装置を通過した前記記録材を前記転写位置に搬送するための第2ローラであり、
前記第2駆動手段は、前記定着装置及び前記第2ローラを駆動する第2モータであって、前記第2ローラを第1方向及び前記第1方向と反対の第2方向に回転するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1搬送手段は、複数の前記第1ローラを含み、複数の前記第1ローラの1つは、前記搬送方向において前記第2ローラの隣に配置されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記検知手段は、記録材と当接して斜行を補正する当接部を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記転写位置における前記記録材の搬送速度を転写速度とした場合に、前記第2制御が行われるときの前記記録材の搬送速度は、前記転写速度よりも遅いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第2制御が行われた後、前記第1制御が行われる前に、前記記録材が前記転写速度で搬送されるように、前記第1駆動手段と前記第2駆動手段を制御することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第2制御で前記第1速度を決定する場合に、前記画像形成手段によるトナー像の形成開始タイミングを早めることで、前記第2速度から前記第1速度に加速させる、又は、前記画像形成手段によるトナー像の形成開始タイミングを遅らせることで、前記第2速度から前記第1速度に減速させる第4制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項13】
ヒータを有し、前記転写位置よりも下流に設けられ、記録材上のトナー像を定着する定着装置を備え、
前記第1搬送手段は、前記転写位置よりも上流に設けられ、前記記録材を搬送する第1ローラであり、
前記第1駆動手段は、前記第1ローラを駆動する第1モータであり、
前記第2搬送手段は、前記定着装置を通過した前記記録材を前記転写位置に搬送するための第2ローラであり、
前記第2駆動手段は、前記定着装置及び前記第2ローラを駆動する第2モータであって、前記第2ローラを第1方向及び前記第1方向と反対の第2方向に回転するように構成され、
前記定着装置は、前記第2モータによる駆動が停止されている間に、前記ヒータの温度が低下することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1搬送手段は、複数の前記第1ローラを含み、複数の前記第1ローラの1つは、前記搬送方向において前記第2ローラの隣に配置されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、例えば、電子写真プロセス等を利用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写体を使用した画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ)は、感光ドラム(像担持体)上に現像ローラによってトナー像を形成し、このトナー像を中間転写体に1次転写する。その後、中間転写体上のトナー像を紙等の記録材上に一括して2次転写を行い、トナー像が転写された記録材を定着器に通過させることで、記録材上に画像が形成される。このような画像形成装置において、カセット内の積載量、先行紙による連れ出し量、給紙ローラの摩耗状態、メディア(記録材)の種類等により、記録材を画像形成装置内に給紙した後の2次転写位置への到達タイミングにばらつきが発生する。
【0003】
特許文献1では、次のような制御が行われている。中間転写体に転写された画像と記録材の先端を合わせるために、2次転写部よりも搬送方向上流に配置した搬送センサ(以下、レジストセンサ)で記録材の先端を検知したタイミングで、記録材の先端と画像との時間差を検出する。そして、2次転写ローラ到達前までに、検出した時間差を解消するように、記録材の搬送速度を加減速又は一旦停止させることで、転写精度を向上させている。以下、このような制御を搬送速度制御と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-192633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置において、2次転写位置までの搬送を、駆動源の異なる複数の搬送ローラで行い、かつ複数の搬送ローラにまたがった状態で搬送されるようなサイズを有する記録材が使用される場合、以下の課題が生じる。すなわち、搬送速度制御で一方の駆動源が停止され、他方の駆動源が駆動された状態になると、記録材がダメージを受ける場合がある。
【0006】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、2次転写位置までの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0008】
(1)記録材を搬送する第1搬送手段と、前記第1搬送手段を駆動する第1駆動手段と、前記記録材を搬送する第2搬送手段であって、前記記録材の搬送方向において前記第1搬送手段よりも上流に設けられる第2搬送手段と、前記第2搬送手段を駆動する第2駆動手段であって、前記第1駆動手段とは異なる第2駆動手段と、感光ドラムから転写されたトナー像が担持される中間転写体と、前記中間転写体上の前記トナー像を前記記録材に転写位置において転写するように構成された転写手段と、前記記録材を検知する検知手段であって、前記搬送方向において前記転写位置よりも上流に設けられる検知手段と、前記記録材の先端が前記検知手段に到達したことに応じて、第1制御を行うように構成された制御手段であって、前記第1制御において、前記第1駆動手段を制御して前記記録材の搬送速度を加速又は減速させる制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記記録材が、前記記録材の後端が前記第2搬送手段を通過していない状態で前記記録材が前記第1搬送手段によって搬送される長さを有し、かつ、前記記録材が前記第1搬送手段と前記第2搬送手段とで搬送される場合に、前記制御手段は前記第1制御を行う前に第2制御を行い、前記第1制御において前記記録材の搬送が継続され、前記第2制御において、前記制御手段は、前記搬送方向における前記検知手段の上流で前記記録材の搬送速度を減速させる、又は、前記記録材の搬送を停止させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御し、前記第2制御において、前記制御手段は、前記搬送方向における前記検知手段の上流で前記記録材の搬送速度を加速させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2次転写位置までの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】参考例1、2、実施例1、2のレーザプリンタの構成断面図
図2】参考例1、2、実施例1、2のレーザプリンタの概略システム図
図3】参考例1の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図4】参考例1の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図5】参考例1、2のレジストセンサの構成を示す図
図6】参考例1の長尺紙の両面印刷時の一旦停止を実施した場合の構成断面図
図7】参考例1の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図8】参考例1の長尺紙の反転動作時の搬送速度制御を示すフローチャート
図9】参考例2の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図10】参考例2の長尺紙の反転動作時の搬送速度制御を示すフローチャート
図11】実施例1の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図12】実施例1の長尺紙の反転動作時の搬送速度制御を示すフローチャート
図13】実施例2の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図14】実施例2の長尺紙の両面印刷時の搬送速度制御を示すタイミングチャート
図15】実施例2の長尺紙の反転動作時の搬送速度制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
<参考例1>
図1は、参考例1の画像形成装置200の概略構成を示す図である。図1(a)に画像形成装置200全体の概略構成図を示し、図1(b)に画像形成装置200全体のうち画像形成手段であるプロセスカートリッジ1つを拡大した構成図を示す。ただし、実施形態における構成部品や寸法、配置等は適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
(画像形成装置の全体構成)
図1を参照して、画像形成装置200の全体の構成について説明する。図1は参考例1の画像形成装置200の概略構成を断面的に示したものであり、各構成について簡略的に示している。
【0014】
参考例1の画像形成装置200は、着脱自在に構成されたプロセスカートリッジ201を複数備えている。プロセスカートリッジ201は現像ユニット202と、感光ドラムユニット203により形成される。感光ドラムユニット203は、静電潜像の像担持体である感光ドラム204、感光ドラム204を帯電する帯電手段である帯電ローラ205、感光ドラム204のクリーニング手段であるクリーニングブレード206から成る。
【0015】
画像形成装置200には、感光ドラム204上のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト213に転写するために、感光ドラム204に対向する位置に転写ローラ211が設置されている。なお、図1(a)の転写ローラ211a、211b、211c、211dについて、符号の添え字a~dが異なる色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等)を表している。
【0016】
感光ドラムユニット203には、中間転写ベルト213に転写されずに感光ドラム204上に残留したトナーをクリーニングするためのクリーニングブレード206が設けられている。また、感光ドラム204の周囲には、現像ユニット202が取り付けられている。現像ユニット202には、現像手段である現像ローラ207、供給部材208、規制部材である現像ブレード209が配置されている。
【0017】
現像ローラ207は、現像剤であるトナーを担持し、感光ドラム204の表面に形成された静電潜像を、担持したトナーにより現像するためのローラである。供給部材208は、現像ローラ207の周囲に配置され、現像ローラ207へのトナーの供給、剥ぎ取りを行う部材である。現像ブレード209は、供給されたトナーを所定のトナー量に規制するための規制部材である。
【0018】
各感光ドラム204に形成されたトナー像は、各感光ドラム204から中間転写ベルト213上(中間転写体上)に転写され、中間転写ベルト213上にフルカラー画像が形成される(1次転写)。
【0019】
中間転写ベルト213上に形成されたトナー像は、タイミングを合わせて搬送される記録材Rに転写手段である2次転写ローラ212によって転写される(2次転写)。以下、2次転写ローラ212によって記録材Rに中間転写ベルト213上のトナー像が転写される位置を2次転写位置(転写位置)や2次転写部という。
【0020】
記録材R上(記録材上)に転写された未定着のトナーは、定着装置214を通過する際に圧と熱とを加えられることで記録材Rにトナーが定着する。なお、定着装置214は、ヒータ226を有し、記録材Rの搬送方向において、後述するレジストローラ221や2次転写位置よりも下流に設けられている。
【0021】
帯電された感光ドラム204に対し画像データに対応した静電潜像を形成させるための露光ユニット215は、画像形成装置200に取り付けられている。画像形成装置200には、帯電ローラ205、現像ローラ207、現像ブレード209、供給部材208、転写ローラ211のそれぞれに所定の電圧を印加するための電源(不図示)が取り付けられている。
【0022】
制御部241は、プロセスカートリッジ201や定着装置214の駆動や電圧制御や記録材Rへの転写タイミング等の制御を行っており、後述するエンジン制御部302を含む。制御部241はコントローラ(不図示)と接続されており、ユーザーからの印刷指示に対し印刷画像サイズや画像の色をレーザ発光に変換した情報をプリントコマンドとして受け取る。
【0023】
画像形成装置200は、操作表示部251を備えている。操作表示部251には、ユーザーにより各種情報を入力するために種々の公知の入力手段や、各種情報を表示するための公知の表示手段が設けられている。例えばユーザーは、操作表示部251を用いて、印刷を行う記録材Rの用紙サイズや紙種(普通紙、薄紙、厚紙等)等を設定することができる。
【0024】
例えば、後述するエンジン制御部302は、記録材Rが後述する長尺紙であることを、操作表示部251から入力された情報に基づき判断する。エンジン制御部302は、記録材Rが長尺紙であるか否かは、後述するレジストセンサ222又は排出センサ233の出力信号をもとに判断することもできる。なお、記録材Rが長尺紙であることを示す情報は、画像形成装置200に有線又は無線で接続された外部機器から入力されてもよい。
【0025】
(画像形成動作の説明)
帯電された感光ドラム204を露光する露光ユニット215は、画像データに応じて、レーザビームを用いて感光ドラム204に対して主走査方向に露光を行う。主走査方向への露光は、副走査方向についてのタイミングを合わせて行われる。その結果、感光ドラム204に静電潜像が形成される。ここで、感光ドラム204上の画像が形成される部分(以下、画像形成部という)は明電位になる。なお、主走査方向とは、感光ドラム204の回転軸方向をいい、副走査方向とは、感光ドラム204の回転移動方向、すなわち回転軸方向に直交する方向をいう。
【0026】
現像ユニット202に取り付けられた現像ローラ207は、現像剤としてのトナーを担持し、画像形成時に感光ドラム204と接触し、静電潜像をトナーによって現像する。現像は明電位と現像ローラ207の電位差により行われるため、現像ローラ207には所定の現像電圧が印加される。現像ローラ207は感光ドラム204と逆方向に回転し、その表面速度は感光ドラム204の表面速度に対し速度差をもって回転している。トナーには外添剤としてシリカや酸化チタン等の帯電補助剤が用いられており、外添剤によってトナーの流動性や荷電性が制御されている。感光ドラム204上に現像されたトナー像は、中間転写ベルト213と感光ドラム204の接触部(1次転写部)に送られ、中間転写ベルト213上に転写される。転写ローラ211と感光ドラム204との間に所定の電位差が生じるように、電源(不図示)により転写ローラ211に所定の転写電圧が印加されている。
【0027】
1次転写部で転写されなかったトナーは、クリーニングブレード206により取り除かれる。クリーニングブレード206は、感光ドラム204の回転方向に対し対向するように(すなわち、カウンター方向に)取り付けられている。クリーニングブレード206をカウンター方向で適切な当接圧をもって感光ドラム204に当接させることで、残留したトナーを感光ドラム204から着実に取り除くことができる。取り除かれたトナーは、廃トナー収容室216に収容される。クリーニングによりトナーを取り除くことで、感光ドラム204表面にトナー等がない状態で、再び帯電ローラ205により帯電することができる。
【0028】
このような工程を繰り返すことで、中間転写ベルト213へのトナー像が形成できる。その後、複数のプロセスカートリッジからそれぞれの色のトナー像を中間転写ベルト213上に順次重畳して形成し、重ね合わされたフルカラー画像が形成される。フルカラー画像は、2次転写ローラ212によってタイミングを合わせて搬送される記録材Rに転写される。
【0029】
(記録材の搬送動作の説明)
給紙部217は、記録材Rを格納する記録材格納手段、特に、画像を形成する記録紙を収納する記録材収納手段としての給紙カセットである。給紙部217から給紙する際には、駆動源(不図示)により駆動されるピックアップローラ219を駆動させることによって、底板220が上昇し、給紙部217内に設置された記録材Rを押し上げる。押し上げられた記録材Rの最上の一枚が、ピックアップローラ219と当接し、ピックアップローラ219の回転により、一枚ずつ分離給送され、第1搬送手段であるレジストレーション(以下、レジストという)ローラ221まで搬送される。給紙部217から給送された記録材Rは、後述する給紙モータ(第1モータ)332により駆動されるレジストローラ(第1ローラ)221によって搬送される。
【0030】
記録材Rは、後述する搬送速度制御を用いて、レジストセンサ222で記録材Rの先端の到達が検知されたタイミングを基準として、画像先端と記録材Rの先端とが合うように2次転写部に搬送される。レジストセンサ222は、搬送方向において2次転写部の上流に設けられ、記録材Rを検知する検知手段として機能する。レジストセンサ222は、レジストローラ221による記録材Rの搬送が開始されたタイミング(レジストローラ221に記録材Rの先端が到達したタイミング)を検知することができる。
【0031】
2次転写部において、記録材Rには、中間転写ベルト213からトナー像が転写される。その後、未定着のトナー像が転写された記録材Rは定着装置214に送られる。定着装置214は、2次転写された可視画像(トナー像)を記録材Rに定着させるものである。定着装置214は、記録材Rを加熱する定着ローラ223と、記録材Rを定着ローラ223に圧接させるための加圧ローラ224とを備えている。定着装置214の定着ローラ223と加圧ローラ224は、後述する定着モータ(第2モータ)352によって矢印の方向に回転できるように配設されている。定着ローラ223内部にはヒータ226が内蔵されている。これにより、可視画像を保持した記録材Rは、定着ローラ223と加圧ローラ224とにより搬送されるとともに、熱及び圧力を加えられることにより、溶融したトナーが記録材Rに定着される。
【0032】
排出ローラ対227は、後述する定着モータ352によって回転し、定着装置214による可視画像の定着後の記録材Rを積載部228に排出する。以上は、記録材Rの第1面のみの印刷が終了した(以下、片面印刷という)場合、又は、記録材Rの第1面及び第1面とは逆の面である第2面への印刷も終了した(以下、両面印刷という)場合の動作である。
【0033】
(反転経路の説明)
参考例1の画像形成装置200は、記録材Rの第1面(表面ともいう)及び第1面とは反対側の第2面(裏面ともいう)に画像形成を行う両面印刷を行うことが可能である。反転部は、フラッパ229、第2搬送手段である反転ローラ(第2ローラ)を含む反転ローラ対230、第1搬送手段である搬送ローラ(第1ローラ)を含む搬送ローラ対231、232を備えている。搬送ローラ対231,232は、両面搬送路に備えられている。
【0034】
フラッパ229は、定着ローラ223及び加圧ローラ224を通過した記録材Rの搬送経路を変更する。フラッパ229は、後述する反転ソレノイド345により、搬送経路を排出ローラ対227の方向又は反転ローラ対230の方向の、いずれか一方に切り替え可能に構成されている。
【0035】
定着モータ352は、反転ローラ対230の反転ローラを、記録材Rを反転部に引き込む方向に回転すること、又は、引き込んだ記録材Rを搬送ローラ対231の方向に搬送するように回転すること、が可能である。定着モータ352は、反転ローラ対230の反転ローラを、第1方向と、第1方向の反対の第2方向に回転することができる。反転ローラ対230の回転方向の切り替えは、フラッパ229の移動と連動するよう構成されている。
【0036】
搬送ローラ対231、232は、2次転写ローラ212の方向に、定着装置214を通過した記録材Rを搬送することが可能なように構成されている。排出ローラ対227と反転ローラ対230と定着装置214とピックアップローラ219とレジストローラ221と搬送ローラ対231、232は駆動源(給紙モータ332、定着モータ352)によりに駆動力が供給される。排出ローラ対227と反転ローラ対230と定着装置214は、定着モータ352によって駆動される。ピックアップローラ219とレジストローラ221と搬送ローラ対231、232は、給紙モータ332によって駆動される。
【0037】
また、反転部は後述する両面クラッチ343を備え、両面搬送路に置かれた搬送ローラ対231、232は、両面クラッチ343によって回転又は停止される。
【0038】
(反転部の記録材Rの搬送の説明)
反転部の搬送動作は、搬送方向の反転、反転経路からレジストローラ221への搬送を含む。搬送方向の反転動作において、反転部は記録材Rの先端が排出センサ233に到達したタイミングを基準に、フラッパ229の位置を変更する反転ソレノイド345を駆動する。反転部は、定着装置214による可視画像定着後の記録材Rの搬送方向を変更して、記録材Rを反転ローラ対230に導く。反転部は、記録材Rの後端が排出センサ233を抜けるタイミングを基準に、反転ソレノイド345を停止して反転ローラ対230の回転方向を変更し、反転経路の方向に記録材Rを搬送する。
【0039】
反転経路からレジストローラ221への搬送において反転部は、両面クラッチ343を駆動して搬送ローラ対231、232に駆動力を供給して回転させ、レジストセンサ222が記録材Rを検出した時点で後述する搬送速度制御(第1制御)を実施する。反転経路から搬送された記録材Rに対しての搬送速度制御において、一旦停止制御を選択する場合は、両面クラッチ343を停止し、反転経路上の搬送ローラ対231、232に駆動力の供給を停止する。
【0040】
(機能ブロック図の説明)
図2は、画像形成装置200としてのレーザプリンタのエンジン制御部302に係る機能ブロック図である。以下では、印刷時の記録材Rの搬送制御に関わる機能ブロックについて説明する。コントローラ部301は、ホストコンピュータ300、エンジン制御部302と相互に通信が可能となっている。コントローラ部301は、ホストコンピュータ300から印刷データを受け取る(入力される)と、印刷データを展開し、画像形成するための画像データへ変換する。そして、その画像データに基づいて露光するための4色分の露光用のビデオ信号を生成する。
【0041】
コントローラ部301は、ビデオ信号の生成が完了すると、制御手段としてのエンジン制御部302のビデオインターフェイス部310に対し、印刷開始を指示する。エンジン制御部302は、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)を内蔵し、CPU(中央処理装置)としてマイクロプロセッサを含むマイクロコンピュータ(不図示)、タイマー(不図示)を有する。エンジン制御部302は、コントローラ部301とシリアル通信によって情報を授受し、コントローラ部301から授受した情報に基づいて、以下に説明する制御を行う。
【0042】
ビデオインターフェイス部310は、コントローラ部301から印刷開始指示を受信すると、エンジン制御部302の画像形成制御部320に印刷開始指示を送信する。画像形成制御部320は、受信した印刷開始指示に基づいて、各種アクチュエータを起動し、画像形成の準備を開始する。画像形成制御部320は、画像形成の準備が整うと、ビデオインターフェイス部310を介して画像形成準備完了をコントローラ部301に通知する。コントローラ部301は、画像形成準備完了を受信すると、ビデオインターフェイス部310にビデオ信号を送信する。画像形成制御部320は、ビデオインターフェイス部310で受信したビデオ信号に基づいて画像形成を行う。
【0043】
エンジン制御部302の給紙搬送制御部330は、給紙部217、給紙モータ332の駆動部3302、記録材の先端検知部3303、給紙モータ332の搬送速度制御部3304、搬送速度の制御タイミングを計算する計算部3305を有する。画像形成制御部320が受信した印刷開始タイミングを基準に、給紙搬送ユニット303が有する、ピックアップソレノイド333及び第1駆動手段である給紙モータ332によりピックアップローラ219を回転させる。これにより、給紙部217内に積載された記録材Rを一枚ずつ分離給送する。これにより、給紙搬送制御部330は、レジストセンサ222に向かって記録材Rを送り出す。記録材の先端検知部3303は、給紙された記録材Rがレジストセンサ222に到達したことを検知する。
【0044】
計算部3305は、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達したタイミングで、搬送速度及び搬送速度制御タイミングを算出する。なお、搬送速度及び搬送速度制御タイミングの算出方法については後述する。給紙モータ332の搬送速度制御部3304は、計算部3305で算出した搬送速度制御タイミングで、給紙モータ332の駆動部3302により給紙モータ332の速度を制御することで、2次転写部における画像先端と記録材先端とを合わせる。給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達したことに応じて、中間転写ベルト213上のトナー像が記録材Rに2次転写位置で転写されるように、給紙モータ332を制御して記録材Rの搬送速度を制御する。具体的には、給紙搬送制御部330は、給紙モータ332を加速若しくは減速させる、又は、記録材Rの搬送を停止させる第1制御である搬送速度制御(後述するS1)を行う。
【0045】
エンジン制御部302の定着搬送制御部350は、定着モータ352の搬送速度制御部3502、定着モータ352の駆動部3501を有している。定着搬送制御部350は、画像形成制御部320の印刷開始タイミングを基準に、定着搬送ユニット305が有する第2駆動手段である定着モータ352を制御し、定着モータ352を駆動源とする定着ローラ223及び排出ローラ対227で記録材Rを搬送する。
【0046】
エンジン制御部302の反転搬送制御部340は、画像形成制御部320の印刷開始タイミングを基準に、反転ユニット304が有する排出センサ233及び両面センサ342の検知タイミングに基づき、両面クラッチ343と反転ソレノイド345を制御する。これにより反転搬送制御部340は、記録材Rの反転と排出を制御する。反転搬送制御部340は、反転ソレノイド345を制御することで、定着モータ352を駆動源とする反転ローラ対230の回転方向を切り替えるとともに、フラッパ229によって記録材Rの搬送経路を、反転部か積載部228かに切り替える。また、搬送ローラ対231、232は、給紙モータ332を駆動源とし、両面クラッチ343を制御することで搬送ローラ対231、232の停止、駆動を切り替えることができる。
【0047】
(長尺紙を両面搬送する場合の搬送速度制御)
次に、図3図4を用いて長尺紙を両面印刷する場合の搬送速度制御を説明する。搬送速度制御とは、記録材Rの先端がレジストセンサ222により検知された場合において、モータを加減速又は一旦停止させて記録材Rの搬送速度を制御し、記録材Rの先端と中間転写ベルト213上の画像先端とを2次転写部で合わせる制御である。図3はモータの加減速を実施して記録材Rの先端と画像先端とを合わせる搬送速度制御のタイミングチャートである。図4はモータを一時停止して記録材Rの先端と画像先端とを合わせる搬送速度制御のタイミングチャートである。
【0048】
図3図4において、(i)はコントローラ部301が送信又は受信するコマンドのタイミングを示す。(ii)はエンジン制御部302が送信又は受信するコマンドのタイミングを示す。(iii)は中間転写ベルト213上の画像のタイミングを示す(400)。(iv)は給紙搬送制御部330の制御の状態(表面の給紙、反転待ち、裏面の反転搬送、給紙待ち等)を示す。(v)はレジストセンサ222の出力信号(ローレベル又はハイレベル)(410)、(vi)は排出センサ233の出力信号(ローレベル又はハイレベル)を示す(420)。(vii)は反転ソレノイド345の状態を示し(430)、ローレベルのときに停止、ハイレベルのときに駆動を示す。(viii)は給紙モータ332の速度(440)を示す。なお、給紙モータ332の速度は、給紙モータ332の最大速度と最小速度との間で、例えばV0(441)、V1(442)、V2(443)等を取り得る。横軸は時間を示す。
【0049】
なお、本構成での長尺紙は、反転経路上での反転ローラ対230からレジストセンサ222までの距離以上の長さLsの記録材Rと定義するが、装置構成によって課題が発生する長さは異なる。つまり、記録材Rの長さが、レジストセンサ222から、第2駆動手段(第2モータ)によって駆動される第2搬送手段(第2ローラ)までの距離以上である場合、記録材Rは長尺紙である。
【0050】
エンジン制御部302は、記録材Rが長尺紙であることを、操作表示部251から入力された情報、又は、コントローラ部301から受信した情報、に基づき判断する。エンジン制御部302は、記録材Rが長尺紙であるか否かを、レジストセンサ222又は排出センサ233の出力信号をもとに判断することもできる。また、長尺紙であるか否かの判断に、レジストセンサ222、排出センサ233以外のセンサを用いることもできる。この場合、エンジン制御部302は、記録材Rの片面印刷を行っている間に、レジストセンサ222又は排出センサ233で記録材Rの長さを測定し、記録材が長尺紙であるか否かを判断することができる。
つまり、画像形成装置200は、記録材の長さを検知するためのセンサを有しており、レジストセンサ222又は排出センサ233はその一部であるということができる。
【0051】
本実施形態において、記録材Rを検知するためのセンサとしてのレジストセンサ222、排出センサ233等は、記録材Rに当接して移動する当接部材と、当接部材の移動を検知するための検知部と、を有するセンサを用いることができる。検知部は、当接部材又は当接部材と連動して移動する被検知部を光学的に検知することで、当接部材の移動を検知することができる。
【0052】
図5に、本実施形態におけるレジストセンサ222の構成を示す。レジストセンサ222は、記録材Rと当接して移動する当接部222a、被検知部222b、被検知部222bの移動を検知することで、当接部222aの移動を検知する検知部222cを有する。当接部222a、被検知部222bは、レジストローラ221に当接する被駆動ローラ321の回転軸321aに取り付けられている。
【0053】
また、本実施形態におけるレジストセンサ222の当接部222aは、記録材Rに当接して、斜行を補正する機能を有している。当接部(シャッタ)222aは、レジストローラ221の回転軸線の方向において、複数設けられている。当接部222aは、レジストローラ対(レジストローラ221と被駆動ローラ321)のニップ部に記録材Rの先端が到達する前に、記録材Rと当接し、斜行を補正する機能を有する。当接部222aが記録材Rの先端によって押されて移動することで、斜行が補正された記録材Rがレジストローラ対によって搬送され、レジストセンサ222が記録材Rの先端を検知する。記録材Rの搬送方向において、レジストセンサ222及びレジストローラ221は、2次転写位置の直前に配置されている。
なお、記録材Rを検知するためのセンサとしては、光学的に記録材Rを検知するセンサや、その他の方式を採用したセンサを用いることもできる。
【0054】
(搬送速度制御:加減速)
図3のタイミングチャートを用いて、長尺紙を搬送した場合に給紙モータ332の加減速を実施して記録材Rの先端と画像先端とを合わせる搬送速度制御を説明する。まず、コントローラ部301は印刷開始コマンド401をエンジン制御部302に送信する。エンジン制御部302は、印刷開始コマンド401を受信すると印刷準備を開始し、給紙搬送制御部330に給紙準備開始を指示する。
【0055】
次に、エンジン制御部302は、画像形成の準備が整うと、コントローラ部301へ画像形成開始指示402を指示する。コントローラ部301は、画像形成開始指示402を受信すると、ビデオ信号の送信を開始し、エンジン制御部302は、受信したビデオ信号に基づいて画像形成を開始(403)する。画像形成制御部320が生成した画像(400)は、所定時間が経過した後に2次転写部に突入する。一方、給紙搬送制御部330は、記録材Rの給紙を開始した後、記録材Rの搬送を速度V0(441)で継続する。給紙搬送制御部330は、画像形成制御部320の画像形成開始タイミング(403)を基準に、レジストセンサ222で記録材Rの先端の検知を開始する(411)。速度V0は、2次転写部において記録材Rが搬送される速度であり、以下、転写実施速度V0という。
【0056】
その後、給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達したタイミング(412)で、搬送速度制御(加減速)を開始する(413)。給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端と画像先端とのタイミングを合わせて記録材Rを2次転写部に突入させるために、以下の量を算出する。すなわち、給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端から2次転写ローラ212までの距離と、画像先端から2次転写ローラ212までの距離との差分から、画像に対する記録材Rが先行する距離(先行距離)である先行量S1(444)を算出する。なお、図3(viii)に示すように、時間と速度のグラフにおいて先行量S1は台形の面積で表される。給紙搬送制御部330は、算出した先行量S1(444)分、記録材Rの搬送を遅らせるための速度V1(442)と、2次転写部での転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(445)を決定する。なお、記録材Rが先行しているため、速度V1は転写実施速度V0よりも遅い速度である(V1<V0)。
【0057】
ここで、記録材Rが先行するとは、そのまま記録材Rの搬送を続けると、記録材Rの方が中間転写ベルト213上のトナー像よりも早いタイミングで2次転写位置に到達する状態をいう。逆に、中間転写ベルト213上のトナー像の方が記録材Rの到着よりも早いタイミングで2次転写位置に到達する場合を、画像が先行する、という。なお、記録材Rが先行している場合に、中間転写ベルト213上に転写されるトナー像が形成されるタイミングを早くする制御も考えられる。しかし、印刷データの展開に時間がかかる場合もあり、この場合結局は記録材Rが先行してしまうため、記録材Rの搬送速度の減速や一旦停止を行っている。給紙搬送制御部330は、決定した速度V1及びタイミング(445)で、記録材Rを挟持しているレジストローラ221の駆動源である給紙モータ332を駆動する。これにより、画像先端と記録材Rの先端とを一致させ、反転経路から再度給紙されるまで待機する(414)。
【0058】
次に、エンジン制御部302は、画像形成終了後(404)の任意のタイミングで、表面と同様に裏面の画像形成を開始(405)する。図1の記録材搬送動作及び反転時の記録材搬送制御で説明したとおり、記録材Rへの転写後、定着装置214で記録材Rに画像を定着させる。記録材Rの先端が排出センサ233に到達したタイミング421を基準に、反転ソレノイド345(430)を駆動し(431)、記録材Rの搬送方向を反転ローラ対230の方向に変更する。
【0059】
その後、記録材Rの後端が排出センサ233を抜けるタイミング422を基準に、反転ソレノイド345(430)を停止して(432)、反転ローラ対230の回転方向を変更し、反転経路の搬送を行う。反転経路の搬送中に、記録材Rの先端がレジストセンサ222(410)に到達したタイミング415で、再度、給紙搬送制御部330は、搬送速度制御(加減速)を開始する(416)。給紙搬送制御部330は、1面目の画像に対する搬送速度制御と同様に、記録材Rの先行量S2(446)を算出する。給紙搬送制御部330は、記録材Rの搬送を遅らせるための速度V2(443)と、転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(447)とを計算する。給紙搬送制御部330は、搬送速度制御を実施して、記録材Rの先端と画像先端とのタイミングを合わせる。なお、記録材Rが先行しているため、速度V2は転写実施速度V0よりも遅い速度である(V2<V0)。給紙搬送制御部330は、その後、後続の記録材Rの給紙待ちとなる(417)。上述した説明では一例として、記録材Rが画像(400)よりも先行しており、記録材Rを遅らせる搬送速度制御を説明したが、画像が先行している場合は、記録材Rの搬送を早める搬送速度制御が実施される。すなわち、給紙搬送制御部330は、転写実施速度V0よりも早い速度と、転写実施速度V0に戻すタイミングとを算出する。
【0060】
(搬送速度制御:一旦停止)
次に、図4のタイミングチャートを用いて、長尺紙を搬送した場合にモータの一旦停止を実施して記録材Rの先端と画像先端とを合わせる場合について説明する。1面目(表面)の制御や基本的な制御動作は図3と同じであるため、ここでは図3と異なる部分について説明する。
【0061】
コントローラ部301からの印刷開始コマンド406の遅れ等により、図3よりも時間407の分遅く画像形成を始めた(405)場合、時間407経過した分だけ画像よりも記録材Rが先行する。このような場合、搬送速度制御を実施した際にモータが制御可能な最低速度にしても記録材Rの先行を解消しきれない場合がある。このため、モータの加減速だけでは記録材Rの先行を解消することができなくなる。
【0062】
その場合、給紙搬送制御部330は、以下のような動作を行う必要がある。すなわち、レジストセンサ222が記録材Rの先端を検知したタイミング(415)で、記録材Rの先端と画像先端とのタイミングを合わせるために、モータを一旦停止して記録材Rの搬送を停止する。そして、画像先端の搬送のみを進めることで、記録材Rの先行を解消する。画像の先端が再給紙位置418に到達したタイミングでモータを再駆動させて2次転写部に突入させる。
【0063】
ここで、定着モータ352は、定着装置214の駆動源でもある。定着モータ352は、定着動作に必要な温度を確保するために、定着装置214の駆動を継続する必要がある。仮に定着モータ352が停止され、再度駆動された場合には、定着動作に必要な温度が確保されるまでには、一定の時間が必要となる。
【0064】
上述したように、レジストセンサ222は、2次転写位置の直前に配置されているため、レジストセンサ222と定着装置214の距離が短い。記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達した状態で定着モータ352を停止させると、再度駆動したときに定着動作に必要な温度が確保される前に、記録材Rが定着装置214に到達してしまう場合がある。したがって、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達した時点では、定着モータ352の駆動は継続される。さらに、本実施形態において、定着モータ352が駆動された場合、反転ローラ対230は常に連動して駆動されるように構成されている。
【0065】
記録材Rを一旦停止して記録材Rの先行を解消させる場合において、記録材Rとして長尺紙を用いると、次のような課題が生じる。図6に示すように、給紙モータ332を停止させたとき、記録材Rを挟持しているローラのうちレジストローラ221と搬送ローラ対231、232は停止する。一方、定着モータ352は停止できず、反転ローラ対230は装置内に向かって記録材Rを搬送し続け、記録材Rが蛇腹状(アコーディオン状)になり、記録材Rが破損する。
【0066】
(参考例1の制御)
参考例1では、図6の例のような場合に、反転ソレノイド345を停止させたタイミングで、反転経路からレジストセンサ222までの搬送速度と変更前の速度に戻すタイミングとを決定する。その結果、レジストセンサ222で先端を検知した場合の搬送速度制御において、記録材Rの先行量をモータの加減速で解消可能な量に減らし、給紙モータ332及び定着モータ352を停止させずに搬送を継続することができる。
【0067】
つまり、参考例1の制御によれば、両面印刷される長尺紙としての記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達した後、上述した第1制御を行う際には、記録材Rの搬送の加減速が実行される一方で、記録材Rは停止されない。つまり、記録材Rの搬送が継続される。
【0068】
参考例1では、記録材Rが、記録材Rの後端が反転ローラ対230を通過していない状態でレジストローラ221によっても搬送される長さを有する所定記録材である場合に、次の制御を行う。この制御は、所定記録材が実際に反転ローラ対230とレジストローラ221とで搬送される場合(つまり、両面印刷が行われるとき)に実行される。給紙搬送制御部330は、上述した第1制御を行う前に、レジストセンサ222よりも搬送方向における上流で所定記録材の搬送速度を減速させる、又は、所定記録材の搬送を停止させる第2制御(後述するS3)を行う。所定記録材の一例として、参考例1では長尺紙としている。なお、所定記録材とは、記録材Rの後端が反転ローラ対230を通過していない状態で、記録材Rの先端がレジストローラ221に到達することが可能な長さを有する記録材ということもできる。
【0069】
図7は、図4で説明したケースにおいて、参考例1の制御を適用した場合のタイミングチャートである。図7の(i)から(vii)は、図3図4の(i)~(vii)と同様である。図7(viii)は、給紙モータ332及び定着モータ352の速度を示している。1面目(表面)の制御や基本的な制御動作は図3及び図4と同じであるため、ここでは図3及び図4と異なる部分について説明する。
【0070】
反転ソレノイド345を停止させ(432)、反転経路を利用して記録材Rをレジストセンサ222の方向に搬送をし始めるタイミング604で、給紙搬送制御部330は、次の計算を行う。画像について、2次転写位置の手前の所定の位置を、レジストセンサ222の先端検知相当位置という。当該所定の位置と2次転写位置との間の距離は、レジストセンサ222による先端検知位置から2次転写部までの距離に相当する。給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端の位置からレジストセンサ222の先端検知位置までの距離と、画像の先端の位置からレジストセンサ222の先端検知相当位置までの距離と、の差分から、画像に対する記録材Rの先行量S3(601)を算出する。以下、記録材Rの先端の位置を、用紙先端位置という場合もあり、画像の先端の位置を画像先端位置という場合もある。
【0071】
給紙搬送制御部330は、先行量S3(601)分、記録材Rの搬送を遅らせるための速度V3(602)と、変更前の転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(603)を計算する。なお、記録材Rが先行しているため、速度V3は転写実施速度V0よりも遅い速度である(V3<V0)。また、図7(viii)ではV3<V2となっているが、速度V3は条件によってはV3<V2になるとは限らない。
【0072】
このとき、記録材Rである長尺紙は、定着モータ352により駆動されている反転ローラ対230により挟持されている。このため、給紙モータ332に加えて、定着モータ352の速度もV3(602)及びV0(441)に変更する(640)。そして、給紙モータ332の速度を転写実施速度V0(441)から速度V3(602)に変更する(604)。
【0073】
その後、給紙モータ332の搬送速度制御部3304は、所定時間が経過した後(603)、給紙モータ332の速度を速度V3(602)から転写実施速度V0(441)に戻す。つまり、エンジン制御部302は、第2制御が行われた後、第1制御が行われる前に、記録材Rの搬送速度が転写実施速度V0となるように、給紙モータ332と定着モータ352を制御する。これにより、先行量S3を解消する制御を実施していない場合よりも、画像先端が進んだ位置となることで、記録材Rの先行量が小さくなり、搬送速度制御を実施する際にモータの一旦停止ではなく加減速を選択することができるようになる。その後、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達したタイミング(415)で、図3、4で説明した、モータの加減速を行う搬送速度制御(第1制御)(図3)を実施し、記録材Rの先端と画像先端とを合わせる。
【0074】
なお、速度V3によって記録材Rを搬送する動作は、基本的には記録材Rが画像に対して先行しているときに行われる。したがって、多くの場合、レジストセンサ222に記録材Rが到達した後の給紙モータ332の速度V2は、転写実施速度V0よりも遅い速度とされる。しかし、レジストセンサ222への記録材Rの到達を遅らせた結果、画像が記録材Rに対して先行する場合もある。この場合、レジストセンサ222に記録材Rが到達した後の給紙モータ332の速度V2は、転写実施速度V0よりも早い速度とされる。
【0075】
また、記録材Rが長尺紙ではない場合には、記録材Rの先端がレジストセンサ222に当接した状態で、記録材Rの後端は、反転ローラ対230から離れている。この場合、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達した状態で、給紙モータ332を停止し、定着モータ352を駆動させても、記録材Rの破損は起こらない。したがって、記録材Rが長尺紙でない場合、上述の制御を行う必要はない。
【0076】
本実施形態における画像形成装置200では、給紙モータ332によって駆動される第1搬送手段が、複数の第1ローラ(レジストローラ221、搬送ローラ対231,231の搬送ローラ)を含んでいる。このうち、搬送ローラ対231の搬送ローラは、複数の第1ローラの一つであり、反転ローラ対230の反転ローラの隣に配置されている。
【0077】
反転ローラ対230は、画像形成装置200の筐体の外部に記録材Rの一部が突出するように、記録材Rを搬送する。また、反転ローラ対230は、定着装置214を通過した記録材Rの搬送方向が反転され、両面印刷が行われる際、反転された搬送方向についてレジストセンサ222から最も離れた位置に配置されている。
【0078】
その結果、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達した際に、反転ローラ対230から離れるような長さを有する記録材Rが使用される場合、第1制御において、搬送を止めることが許容される。
【0079】
(参考例1の搬送速度制御)
次に図7で説明した制御のうち、反転ソレノイド345を停止させ(604)記録材Rの反転経路への搬送を開始してから搬送速度制御(415)を開始するまでの制御について、図8を用いて説明する。
【0080】
ステップ(以下、Sとする)101で給紙搬送制御部330は、記録材Rの長さLが記録材Rの長さの閾値Ls以上か否かを判断する。S101で給紙搬送制御部330は、実際に搬送する記録材Rの長さLが記録材Rの長さ閾値Ls未満であると判断した場合、処理を終了する。この場合、記録材Rの先端がレジストセンサ222の先端検知位置に到達したときに、記録材Rは、定着モータ352で動作している反転ローラ対230に挟持されない。そのため、減速した搬送動作を行わず、そのままの速度で搬送を継続する。一方、S101で給紙搬送制御部330は、記録材Rの長さLが閾値Ls以上であると判断した場合、処理をS102に進める。この場合、記録材Rの先端がレジストセンサ222の先端検知位置に到達したときに、記録材Rは、定着モータ352で動作している反転ローラ対230に挟持される。
【0081】
S102で給紙搬送制御部330は、現在の用紙先端位置からレジストセンサ222の先端検知位置に到達するまでの時間と、現在の画像先端位置からレジストセンサ222の先端検知相当位置に到達するまでの時間と、を求める。給紙搬送制御部330は、それらの差分を求めて画像に対する記録材Rの先行量S3を計算する。
【0082】
S103で給紙搬送制御部330は、S102で求めた先行量S3が上限の先行量閾値Ss以上か否かを判断する。ここで、上限の先行量閾値Ssは、搬送速度制御においてモータの加減速を行う場合に、制御可能な最も遅い速度でモータを駆動させ、かつ、最も遅いタイミングでモータの駆動速度を戻した場合に解消できる先行量である。
【0083】
図6で説明したとおり、記録材Rの先端がレジストセンサ222の位置に到達したタイミングで記録材Rの先行量が大きく、モータの加減速を実施しても記録材Rの先行を解消できない場合には、一旦停止又は減速の搬送速度制御を実施する。
【0084】
S103で給紙搬送制御部330は、先行量S3が先行量閾値Ssよりも小さいと判断した場合、減速した搬送動作を行わず、そのままの速度で搬送を継続し、処理を終了する。一方、S103で給紙搬送制御部330は、先行量S3が先行量閾値Ss以上であると判断した場合、処理をS104に進める。この場合、記録材Rの搬送速度を減速させて搬送動作を行う。
【0085】
S104で給紙搬送制御部330は、記録材Rの先行量S3から、必要な搬送ローラの減速量を計算する。図7で説明したように、給紙搬送制御部330は、画像に対する記録材Rの先行量S3から、記録材Rを遅らせるための速度V3と元の転写実施速度V0に戻すタイミング(603)を計算する。S105で給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352の減速を実施する。なお、定着モータ352の制御は、定着搬送制御部350が行うものであり、以下の参考例、実施例においても同様である。図7で説明したように、給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352の速度を、記録材Rを遅らせるための速度、例えば速度V3に変更する。
【0086】
S106で給紙搬送制御部330は、減速区間が終了したか否かを判断し、終了していないと判断した場合、処理をS106に戻し、終了したと判断した場合、処理をS107に進める。すなわち、この判断では、給紙搬送制御部330は、S104で求めた記録材Rを遅らせるための速度V3から元の転写実施速度V0に戻すタイミング(603)を確認している。減速区間とは、図7(viii)の604から603の区間である。S107で給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352を、S105の処理を実施する前の転写実施速度V0に戻し、処理を終了する。
【0087】
以上述べたことにより、記録材の反転開始位置からレジストセンサ222の先端検知位置までのモータの速度とモータの速度を戻すタイミングとを決定して反転経路を搬送する。これにより、レジストセンサ222で先端を検知したタイミングでの記録材Rの先行が解消され、搬送速度制御でモータの加減速を用いて、言い換えれば、モータの一旦停止を行うことなく、記録材の先端と画像の先端とを合わせることができる。さらに、記録材Rが長尺紙ではない場合には、レジストセンサ222よりも下流側で記録材Rを一旦停止させる制御を行ってもよい。
なお、参考例1は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また参考例1で説明されている特徴のすべてが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0088】
このように、給紙搬送制御部330は、各カートリッジによるトナー像の形成が開始された時点(図4 405)で、第1時間と第2時間との差分に基づいて、所定記録材がトナー像よりも先行する先行距離を求める。ここで、第1時間は、記録材Rの先端がレジストセンサ222により検知されるまでの時間である。第2時間は、中間転写ベルト213の移動方向において2次転写位置の上流の所定の位置(レジストセンサ222の先端検知相当位置)に画像が到達する時間である。当該所定の位置と2次転写位置との間の距離は、レジストセンサ222から2次転写位置までの距離に相当する。給紙搬送制御部330は、求めた先行距離に基づいて上述した第2制御における給紙モータ332及び定着モータ352の第1速度(V3)と、第2制御を行う前の第2速度(転写実施速度V0)に戻すタイミング(603)と、を求める。
以上、参考例1によれば、2次転写位置までの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うことができる。
【0089】
<参考例2>
参考例1では、2面目(裏面)の画像形成開始が遅れた場合に反転経路からレジストセンサ222までの搬送速度と変更前の搬送速度に戻すタイミングとを決定して制御した。これにより、レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知した場合の搬送速度制御で給紙モータ332、定着モータ352の加減速を実施する方法について説明した。
【0090】
しかしながら、さらに画像形成開始が遅れると、次のような場合がある。参考例1の制御で搬送速度を下限まで下げて搬送制御を実施しても、レジストセンサ222で先端を検知した際に、画像先端の位置に対して用紙先端位置の先行を解消できていないために、搬送速度制御で一旦停止が選択される場合がある。
【0091】
また、反転ローラ対230の駆動源である定着モータ352を停止させると、定着の温度制御も併せて止める必要がある。このため、上述した搬送速度制御で一旦停止が選択されて定着モータ352を停止させる際には、同様に定着温度制御も停止させる。つまり、定着装置214のヒータ226の加熱動作が停止される。その結果、定着装置214の温度が低下する。その後、再度定着モータ352を駆動させて温度制御を再開したときに、記録材Rのレジストセンサ222の先端検知位置から定着装置214に突入するまでの距離が短いと、その距離分搬送する時間しか温度制御を実施する時間が確保できない。すなわち、定着装置214の温度が定着可能な温度に到達する前に記録材Rが定着装置214に到達してしまうため、記録材Rにトナー像が適切に定着できないおそれがある。
【0092】
そこで、このような状況を鑑みて、参考例2では、記録材Rの先端がレジストセンサ222よりも搬送方向の上流の任意の位置に到達すると搬送を停止させ、画像先端位置に対する用紙先端位置の先行を解消させてからレジストセンサ222まで再度搬送する。このとき、記録材Rを停止する位置は、記録材Rの搬送が再開されて記録材Rが定着装置214に到達するまでに、定着装置214の温度が定着可能な温度に到達できるように定められる。
【0093】
参考例2の制御を実施すると、レジストセンサ222で先端が検知されたタイミングでは記録材Rの先行が解消されているため、搬送速度制御で給紙モータ332の加減速を用いて用紙先端位置と画像先端位置とを合わせることができる。
【0094】
つまり、参考例2では、給紙搬送制御部330は、参考例1で説明した第2制御において、第1速度を給紙モータ332及び定着モータ352の速度のうち最も遅い速度としても、記録材Rの方がトナー像よりも先行する場合には、次の制御を行う。給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達する前に記録材Rの搬送を停止させる後述する第3制御(以下、定着駆動の一旦停止制御という)を行う。
【0095】
(定着駆動を一旦停止する場合の制御)
図9は、参考例1で想定した状況よりも更に画像形成開始が遅れた場合において、参考例2の制御を適用した場合のタイミングチャートである。図9(i)~(viii)は図7(i)~(viii)で示した図と同様の図である。図9(ix)は、定着装置214の状態710(温度制御中(定着不可)、定着可能、停止等)を示す。基本的な制御動作は図7で説明した参考例1と同じであるため同じ事象には同じ符号を付し、ここでは図7と異なる部分について説明する。
【0096】
コントローラ部301からの印刷開始コマンド701の遅れ等により記録材Rの裏面の画像形成開始が遅れた(405)場合、記録材Rの反転経路への搬送を開始するタイミング(704)で、画像先端位置と用紙先端位置とを比較して先行量が決定される。ここで、先行量が0になる画像形成開始のタイミング702と実際に画像形成が開始されるタイミング(405)との差分を取り、画像形成遅れ時間703が決定される。画像形成開始が遅れたことで発生した、画像形成遅れ時間703分の記録材Rの先行を解消するために、画像形成遅れ時間703と同じ時間分の搬送停止時間705が決定される。
【0097】
次に、定着モータ352も停止させたことに応じて、搬送停止時間705分、定着装置214の温度制御が停止された場合に低下する定着装置214の温度が計算される。定着装置214(定着モータ352)の再駆動時に温度制御が再開され、トナーの定着が可能な温度に到達するまでの時間706が決定される。なお、温度制御が停止されてから再駆動までの間に定着装置214の温度が下がる量(低下量)や、温度制御が再開されてから定着可能になるまでの時間706は、必ずしもエンジン制御部302で計算して求める値でなくてもよい。例えば、エンジン制御部302が有する記憶部に実験等であらかじめ決められた値が記憶されており、エンジン制御部302が記憶部に記憶された値を使用してもよい。
【0098】
その後、記録材Rが定着装置214に突入する時間を上述した時間706分確保するために、次の制御が行われる。ここで、定着装置214までの記録材Rの搬送は転写実施速度V0(441)で行われ、搬送速度制御時には給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4(V4>V0)(707)で行われる場合とする。この場合に、時間706中に記録材Rが搬送される距離分、定着装置214よりも上流のタイミング(以下、搬送停止タイミングという)708が決定される。なお、図9に示した例では、搬送速度制御において、記録材Rが転写実施速度V0よりも大きい最大速度V4で搬送される、言い換えれば記録材Rの搬送を加速させているが、これに限定されない。搬送速度制御においては、参考例1の図7(viii)の446で示したように減速する場合があってもよい。
【0099】
転写実施速度V0で反転経路へ記録材Rの搬送を行い、記録材Rの先端が搬送停止タイミング708に到達したタイミングで、定着モータ352及び給紙モータ332を停止させて、搬送停止時間705が経過するのを待つ。搬送停止時間705が経過したら、定着モータ352及び給紙モータ332を再駆動させて、記録材Rを転写実施速度V0で搬送を再開させて、レジストセンサ222で記録材Rの先端が検知されるまで搬送を行う。
【0100】
レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知したタイミング(415)では、レジストセンサ222よりも搬送方向における上流側で記録材Rを停止させた制御により記録材Rの先行が解消されている。このため、図3で説明した搬送速度制御(第1制御)を行うと、記録材Rの搬送、言い換えれば、給紙モータ332及び定着モータ352の駆動を一旦停止することなく、用紙先端位置と画像先端位置とを合わせることができる。
【0101】
(定着駆動を一旦停止する場合の搬送速度制御処理)
図10を用いて、図9で説明した、記録材Rの反転経路への搬送を開始してから搬送速度制御を開始するまでの間に一旦停止を行って記録材Rの先行を解消させる場合の、定着駆動の一旦停止制御を説明する。S801で給紙搬送制御部330は、コントローラ部301又は操作表示部251から取得した情報に基づいて、記録材Rの長さLが閾値Ls以上か否かを判断する。S801で給紙搬送制御部330は、記録材Rの長さLが閾値Lsよりも小さいと判断した場合、定着駆動の一旦停止制御を実施せず、処理を終了する。S801で給紙搬送制御部330は、記録材Rの長さLが閾値Ls以上であると判断した場合、定着駆動の一旦停止制御を実施するため、処理をS802に進める。
【0102】
S802で給紙搬送制御部330は、現在の用紙先端位置から記録材Rが2次転写位置まで転写実施速度V0で搬送されるために要する時間と、現在の画像先端位置から中間転写ベルト213上のトナー像が2次転写位置まで搬送されるために要する時間とを求める。給紙搬送制御部330は、求めた2つの時間の差分を取って画像に対する記録材Rの先行量Sを計算する。なお、画像形成開始前である場合は画像先端位置を決定できないため、給紙搬送制御部330は、現在の時点から次の画像形成を実施して2次転写するまでの時間を求めて、この時間に基づいて先行量Sを計算する。
【0103】
S803で給紙搬送制御部330は、S802で求めた先行量Sを解消するために上述した搬送停止時間T1((図9(ix)705)を計算する。S804で給紙搬送制御部330は、定着ローラ223が停止し温度制御も停止している搬送停止時間T1(705)が経過することで、定着装置214の温度が低下する量を計算する。給紙搬送制御部330は、温度の低下分を回復するための時間T2(上述した時間706)(定着再駆動~定着可能になる時間)を計算する。
【0104】
S805で給紙搬送制御部330は、S804で計算した時間T2(706)分、定着モータ352を駆動させた場合に、転写実施速度V0で記録材Rが搬送される距離Dを計算する。給紙搬送制御部330は、記録材Rが定着装置214に突入するタイミングから搬送路上で距離D分上流の位置を求め、現在の用紙先端位置から距離D分上流の位置に到達する搬送停止タイミング708を決定する。このとき、現在の用紙先端位置よりも上流の位置で停止しなければ時間T2を確保できない場合は、参考例2では、給紙搬送制御部330は、記録材Rの先行を解消して適切なトナー像の定着ができないと判断する。そして、給紙搬送制御部330は、コントローラ部301にその旨を通知することとする。
【0105】
S806で給紙搬送制御部330は、タイマーを参照することにより、S805で計算した搬送停止タイミング708に到達したか否かを判断し、搬送停止タイミング708に到達していないと判断した場合、処理をS806に戻す。S806で給紙搬送制御部330は、搬送停止タイミング708に到達したと判断した場合、処理をS807に進める。S807で給紙搬送制御部330は、記録材Rの搬送を停止するために、給紙モータ332と定着モータ352の駆動を停止する。
【0106】
S808で給紙搬送制御部330は、タイマーを参照することにより、S803で計算した搬送停止時間T1が経過したか否かを判断する。S803で給紙搬送制御部330は、搬送停止時間T1が経過していないと判断した場合、処理をS808に戻す。S808で給紙搬送制御部330は、搬送停止時間T1が経過したと判断した場合、処理をS809に進める。S809で給紙搬送制御部330は、給紙モータ332と定着モータ352の駆動を再開し、S807で停止する前の速度(例えば、転写実施速度V0)に戻す。なお、参考例1、2では、搬送速度制御(加減速制御)を行わない区間では、記録材Rの搬送を転写実施速度V0としたが、これに限定されない。搬送速度制御を行わない区間における記録材Rの搬送速度は、給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度(V4)と最小速度との間で、画像形成条件に応じて決定されてよい。
【0107】
以上述べたように、参考例2では、記録材先端がレジストセンサ222よりも搬送方向上流の任意の位置で停止するように搬送を停止させ、記録材の先行を解消させてからレジストセンサ222まで再度搬送する。これにより、レジストセンサ222で記録材の先端を検知したタイミングにおける記録材Rの先行が解消され、搬送速度制御でモータの加減速を用いて用紙先端位置と画像先端位置とを合わせることができる。なお、参考例1、2は、特許請求の範囲にかかる発明を限定する物ではなく、また実施例で説明されている特徴のすべてが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0108】
このように、給紙搬送制御部330は、第1時間と第2時間との差分に基づいて所定記録材の搬送を停止させる停止時間を求める。第1時間は、記録材Rの先端がレジストセンサ222により検知されるまでの時間である。第2時間は、中間転写ベルト213の移動方向において2次転写位置の上流の所定の位置に画像が到達する時間である。当該所定の位置と2次転写位置との間の距離は、レジストセンサ222から2次転写位置までの距離に相当する。給紙搬送制御部330は、求めた停止時間に基づいて、停止時間中に低下するヒータの温度を求め、求めた温度に基づいて低下する前のヒータの温度に回復するまでの回復時間を求める。給紙搬送制御部330は、回復時間が経過した後に所定記録材が定着装置214に到達するように、上述した第3制御における給紙モータ332及び定着モータ352を停止させるタイミング(図10の708)を決定する。
以上、参考例2によれば、2次転写位置までの記録材Rの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うことができる。
【実施例0109】
参考例1及び参考例2では、画像形成が遅れた場合(図7の407、図9の703)に反転経路からレジストセンサ222までの搬送速度と変更前の搬送速度に戻すタイミングとを決定して記録材Rの搬送を制御した。これにより、レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知した場合の搬送速度制御で、給紙モータ332、定着モータ352を減速又は停止することで記録材Rの先行を解消した。そして、レジストセンサ222で先端を検知した場合の搬送速度制御において、記録材Rの先行量をモータの加減速で解消可能な量に減らす方法について説明した。
【0110】
しかし、記録材Rの方が画像形成された画像の搬送方向の長さよりも長い場合には、次のような課題がある。すなわち、記録材Rの長さと画像の長さとの差がある分、反転ソレノイド345を停止させるタイミングが遅れる。このため、記録材Rよりも画像の方が先行してしまい、参考例1の制御のように、給紙モータ332及び定着モータ352を減速又は停止することでは画像の先行を解消することができない。
【0111】
そこで、このような状況を鑑みて、実施例1では、反転ソレノイド345を停止させるタイミングで記録材Rよりも画像が先行していることが分かった場合に、次の制御を行う。給紙搬送制御部330は、上述した第1制御を行う前に、レジストセンサ222よりも搬送方向における上流で所定記録材の搬送速度を転写実施速度V0から加速させる。
【0112】
実施例1の制御を実施すると、レジストセンサ222で先端が検知されたタイミングでは画像の先行が解消されているため、搬送速度制御で給紙モータ332の加減速を用いて用紙先端位置と画像先端位置とを合わせることができる。つまり、実施例1では、給紙搬送制御部330は、トナー像(画像)の方が記録材Rよりも先行する場合には、次の制御を行う。給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達する前に所定記録材を加速させるように搬送速度を決定する。
【0113】
(実施例1の制御)
図11は、画像の方が記録材Rよりも先行している場合において、実施例1の制御を適用した場合のタイミングチャートである。図11(i)~(viii)は図7(i)~(viii)で示した図と同様の図である。基本的な制御動作は図7で説明した参考例1と同じであるため同じ事象には同じ符号を付し、ここでは図7と異なる部分について説明する。
【0114】
コントローラ部301から指定された画像の搬送方向の長さよりも記録材Rの搬送方向の長さの方が長い等により、記録材Rよりも画像の方が先行している場合、給紙搬送制御部330は、次の決定を行う。すなわち、給紙搬送制御部330は、記録材Rの反転経路への搬送を開始するタイミング(901)で、用紙先端位置と画像先端位置とを比較して、記録材Rに対する画像の先行量S4(605)を決定する。給紙搬送制御部330は、先行量S4(605)分、記録材Rの搬送を早めるための速度V3(602)と、変更前の転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(603)を計算する。なお、画像が先行しているため、速度V3は転写実施速度V0よりも早い速度である(V3>V0)。
【0115】
給紙搬送制御部330は、速度V3(602)と転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(603)を決定した後、参考例1と同じように、給紙モータ332及び定着モータ352の速度を速度V3(602)に変更する(901)。
【0116】
その後、給紙モータ332の搬送速度制御部3304は、所定時間が経過した後(603)、給紙モータ332の速度を速度V3(602)から転写実施速度V0(441)に戻す。これにより、画像の先行量S4を解消する制御を実施していない場合よりも、記録材Rの先端が進んだ位置となることで、画像の先行量が小さくなり、搬送速度制御を実施する際にモータの一旦停止ではなく加減速を選択することができるようになる。その後、給紙搬送制御部330は、記録材Rの先端がレジストセンサ222に到達したタイミング(415)で、図3図4で説明した、モータの加減速を行う搬送速度制御(第1制御)を実施し、記録材Rの先端と画像先端とを合わせる。
【0117】
(実施例1の場合の搬送速度制御処理)
図12を用いて、図11で説明した、記録材Rの反転経路への搬送を開始してから搬送速度制御を開始するまでの間に、記録材Rの搬送速度の加速を行って画像の先行を解消する制御について説明する。
【0118】
S1001で給紙搬送制御部330は、現在の用紙先端位置からレジストセンサ222の先端検知位置に到達するまでの時間と、現在の画像先端位置からレジストセンサ222の先端検知相当位置に到達するまでの時間と、を求める。給紙搬送制御部330は、それらの差分を求めて、記録材Rに対する画像の先行量S4を計算する。
【0119】
S1002で給紙搬送制御部330は、S1001で求めた先行量S4が上限の先行量閾値Ss以上か否かを判断する。ここで、上限の先行量閾値Ssは、搬送速度制御においてモータの加減速を行う場合に、モータを制御可能な上限の速度で駆動させ、かつ、最も遅いタイミングで駆動速度を戻した場合に解消できる先行量である。
【0120】
S1002で給紙搬送制御部330は、先行量S4が先行量閾値Ssよりも小さいと判断した場合、加速した搬送動作を行わず、そのままの速度で搬送を継続し、処理を終了する。一方、S1002で給紙搬送制御部330は、先行量S4が先行量閾値Ss以上であると判断した場合、処理をS1003に進める。この場合、給紙搬送制御部330は、記録材Rの搬送速度を加速させて搬送動作を行う。
【0121】
S1003で給紙搬送制御部330は、S1001で求めた記録材Rの先行量S4から、必要な搬送ローラの加速量を計算する。図11で説明したように、給紙搬送制御部330は、記録材Rに対する画像の先行量S4から、記録材Rを進ませるための速度V3と元の転写実施速度V0に戻すタイミング(603)を計算する。S1004で給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352の加速を実施する。図11で説明したように、給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352の速度を、記録材Rを進ませるための速度、例えば速度V3に変更する。
【0122】
S1005で給紙搬送制御部330は、加速区間が終了したか否かを判断し、終了していないと判断した場合、処理をS1005に戻し、終了したと判断した場合、処理をS1006に進める。すなわち、この判断では、給紙搬送制御部330は、S1003で求めた記録材Rを進ませるための速度V3から元の転写実施速度V0に戻すタイミング(603)を確認している。加速区間とは、図11(viii)の901から603の区間である。S1006で給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352を、S1004の処理を実施する前の転写実施速度V0に戻し、処理を終了する。
【0123】
以上述べたように、実施例1では、記録材の反転開始位置からレジストセンサ222の先端検知位置までのモータの速度とモータの速度を戻すタイミングとを決定して、記録材を反転経路で搬送する。これにより、レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知したタイミングでの画像の先行が解消される。レジストセンサ222により記録材Rの先端を検知した後は、搬送速度制御でモータの加減速(第1制御)を用いて、言い換えれば、モータの一旦停止を行うことなく、記録材の先端と画像の先端とを合わせることができる。さらに、記録材Rが長尺紙ではない場合には、レジストセンサ222よりも下流側で記録材Rを一旦停止させる制御を行ってもよい。なお、実施例1は、特許請求の範囲にかかる発明を限定する物ではなく、また実施例で説明されている特徴のすべてが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0124】
以上、実施例1によれば、2次転写位置までの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うことができる。
【実施例0125】
参考例1、参考例2、実施例1では、反転経路からレジストセンサ222までの搬送速度と変更前の搬送速度に戻すタイミングとを決定して制御した。すなわち、記録材Rの先端がレジストセンサ222によって検知される前に、給紙モータ332及び定着モータ352を減速又は加速した。これにより、記録材Rの先行又は画像の先行を解消し、レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知した場合の搬送速度制御(第1制御)において、記録材Rの先行量又は画像の先行量をモータの加減速で解消可能な量に減らす方法について説明した。
【0126】
しかし、搬送速度制御(加減速制御)を行わない区間での記録材Rの搬送速度である転写実施速度V0が、給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4に近い速度である場合においては、次のような課題がある。例えば、実施例1の制御で、搬送速度(転写実施速度V0)を最大速度V4まで上げて搬送制御を実施したとする。このような場合でも、レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知した際に、用紙先端位置に対して画像先端位置の先行を解消できていないために、2次転写位置で記録材Rの先端と画像先端を合わせることができない場合がある。
【0127】
また、搬送速度制御(加減速制御)を行わない区間での記録材Rの搬送速度である転写実施速度V0が、給紙モータ332及び定着モータ352の最小速度V5に近い速度である場合においては、次のような課題がある。例えば、参考例1の制御で、搬送速度(転写実施速度V0)を最小速度V5まで下げて搬送制御を実施したとする。このような場合でも、レジストセンサ222で記録材Rの先端を検知した際に、画像先端位置に対して用紙先端位置の先行を解消できていないために、搬送速度制御で一旦停止が選択される場合がある。
【0128】
そこで、このような状況を鑑みて、実施例2では、給紙搬送制御部330は、次のような制御(第4制御)を行う。給紙搬送制御部330は、元の転写実施速度V0(441)と給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4との速度差と、元の転写実施速度V0(441)と給紙モータ332及び定着モータ352の最小速度V5との速度差と、を比較する。給紙搬送制御部330は、2つの速度差を比較した結果、転写実施速度V0が最大速度V4に近い場合には、次のようにする。すなわち、給紙搬送制御部330は、反転経路からレジストセンサ222までの搬送速度V3を、転写実施速度V0と最小速度V5との間の搬送速度に決定できるように画像形成開始タイミングを変更する。
【0129】
一方、給紙搬送制御部330は、2つの速度差を比較した結果、転写実施速度V0が最小速度V5に近い場合には、次のようにする。すなわち、給紙搬送制御部330は、反転経路からレジストセンサ222までの搬送速度V3を、転写実施速度V0と最大速度V4との間の搬送速度に決定できるように画像形成開始タイミングを変更する。
【0130】
実施例2の制御(第4制御)を実施することで、反転経路からレジストセンサ222までの記録材Rの搬送速度は、給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4と最小速度V5との間に決定することができる。
【0131】
(転写実施速度V0が最大速度V4に近い場合)
図13は、参考例1及び実施例1で説明したケースにおいて、元の転写実施速度V0(441)が給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4(1101)に近い場合に、実施例2の制御を適用した場合のタイミングチャートである。基本的な制御動作は図7及び図11で説明した参考例1及び実施例1と同じであるため同じ事象には同じ符号を付し、ここでは図7及び図11と異なる部分について説明する。
【0132】
給紙搬送制御部330は、表面(第1面)の画像形成開始指示402のタイミング(トナー像の形成開始タイミング)で、差1103と差1104とを比較する。ここで、差1103は、元の転写実施速度V0(441)と給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4(1101)との差である。差1104は、元の転写実施速度V0(441)と給紙モータ332及び定着モータ352の最小速度V5(1102)との差である。図13の場合は、最小速度V5(1102)との差1104の方が差1103よりも大きい。このため、給紙搬送制御部330は、速度V3(602)を元の転写実施速度V0(441)よりも小さくすることができるように、画像形成開始指示709のタイミングを、表面の画像形成開始指示402のタイミングからの時間1105に決定する。この時間1105は、反転ソレノイド345を停止させるタイミング432で画像よりも記録材Rが先行するような任意の時間となるように、画像形成条件に応じて決定される。
【0133】
その後、給紙搬送制御部330は、記録材の搬送を行い、反転ソレノイド345を停止させるタイミング432で、転写実施速度V0(441)よりも小さい速度V3(602)から元の転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(603)を決定する。その後、給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352の速度を速度V3(602)に変更(604)し、参考例1で説明した制御を実施する。以上、転写実施速度V0が最大速度V4に近い場合には、先行量S3を解消する際の速度V3は、転写実施速度V0と最小速度V5との間に決定される(V5<V3<V0)。
【0134】
(転写実施速度V0が最小速度V5に近い場合)
図14は、参考例1及び実施例1で説明したケースにおいて、元の転写実施速度V0(441)が給紙モータ332及び定着モータ352の最小速度V5に近い場合に実施例2の制御を適用した場合のタイミングチャートである。基本的な制御動作は図13の説明と同じであるため同じ事象には同じ符号を付し、ここでは図13と異なる部分について説明する。
【0135】
給紙搬送制御部330は、表面(第1面)の画像形成開始指示402のタイミングで、差1103と差1104とを比較する。ここで、差1103は、元の転写実施速度V0(441)と給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4(1101)との差である。差1104は、元の転写実施速度V0(441)と給紙モータ332及び定着モータ352の最小速度V5(1102)との差である。図14の場合は、最大速度V4(1101)との差1103の方が差1104よりも大きい。このため、給紙搬送制御部330は、速度V3(602)を元の転写実施速度V0(441)よりも大きくすることができるように、画像形成開始指示709のタイミングを、表面の画像形成開始指示402のタイミングからの時間1201に決定する。この時間1201は、反転ソレノイド345を停止させるタイミング432で記録材Rよりも画像が先行するような任意の時間となるように、画像形成条件に応じて決定される。
【0136】
その後、給紙搬送制御部330は、記録材の搬送を行い、反転ソレノイド345を停止させるタイミング432で、転写実施速度V0(441)よりも大きい速度V3(602)から元の転写実施速度V0(441)に戻すタイミング(603)を決定する。その後、給紙搬送制御部330は、給紙モータ332及び定着モータ352の速度を速度V3(602)に変更(604)し、実施例1で説明した制御を実施する。以上、転写実施速度V0が最小速度V5に近い場合には、先行量S3を解消する際の速度V3は、転写実施速度V0と最大速度V4との間に決定される(V0<V3<V4)。
【0137】
(実施例2の場合の画像形成タイミング決定処理)
図15を用いて、図13及び図14で説明した、裏面(第2面)の画像形成タイミングの決定処理について説明する。S1301で給紙搬送制御部330は、記録材Rの長さLが記録材の長さの閾値Ls以上か否かを判断する。
【0138】
S1301で給紙搬送制御部330は、記録材の長さLが記録材の長さの閾値Ls未満であると判断した場合、処理を終了する。この場合、記録材Rは、レジストセンサ222まで搬送しても、定着モータ352で動作している反転ローラ対230に挟持される長さではないと判断する。一方、S1301で給紙搬送制御部330は、記録材Rの長さLが閾値Ls以上であると判断した場合、処理をS1302に進める。この場合、記録材Rは、レジストセンサ222まで搬送した場合に、定着モータ352で動作している反転ローラ対230でも挟持される長さであると判断する。
【0139】
S1302で、給紙搬送制御部330は、差Vdmax(=V4-V0)と差Vdmin(V0-V5)を計算する。なお、差Vdmaxは、転写実施速度V0と給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4(上限)との差であり、上述した差1103に相当する。また、差Vdminは、転写実施速度V0と給紙モータ332及び定着モータ352の最小速度V5(下限)との差であり、上述した差1104に相当する。
【0140】
S1303で、給紙搬送制御部330は、S1302で計算した差Vdmaxと差Vdminとを比較する。S1303で給紙搬送制御部330は、Vdmax>Vdminであると判断した場合、処理をS1304に進める。これは、図14で説明した状況に相当する。S1304で給紙搬送制御部330は、画像形成タイミングを、画像の長さLdと画像の長さの閾値Ldsとの差(Ld-Lds)の分、早くして、処理を終了する。ここで、画像の長さの閾値Ldsは、前述した記録材の長さの閾値Lsと同じ長さである。
【0141】
これにより、記録材Rと画像の先行量を計算するタイミングで記録材よりも画像が先行している状態になり、給紙搬送制御部330は、反転経路の搬送速度V3として元の転写実施速度V0よりも早い速度を選択する。なお、一例として、画像形成タイミングを早める量を画像の長さLdと長さの閾値Ldsとの差分としたが、これに限定されない。反転経路の搬送速度V3として元の転写実施速度V0よりも早い速度を選択するような画像形成タイミングであれば画像形成条件に応じて決定されてよい。
【0142】
一方、S1303で給紙搬送制御部330は、Vdmax≦Vdminであると判断した場合、処理をS1305に進める。これは、図13で説明した状況に相当する。S1305で給紙搬送制御部330は、画像形成タイミングを、通紙可能最大サイズLmaxと画像の長さLdとの差(Lmax-Ld)の分、遅くして、処理を終了する。通紙可能最大サイズLmaxは、画像形成装置200で印刷することが可能な最大の記録材Rの搬送方向における長さである。
【0143】
これにより、記録材Rと画像の先行量を計算するタイミングで画像よりも記録材が先行している状態になり、給紙搬送制御部330は、反転経路の搬送速度V3として元の転写実施速度V0よりも遅い速度を選択する。なお、一例として、画像形成タイミングを遅らせる量を通紙可能最大サイズLmaxと画像の長さLdとの差分としたが、これに限定されない。反転経路の搬送速度V3として元の転写実施速度V0よりも遅い速度を選択するような画像形成タイミングであれば画像形成条件に応じて決定されてよい。上述したS1304又はS1305の制御は第4制御に相当する。
【0144】
以上述べたように、実施例2では、転写実施速度V0を基に、裏面の画像形成タイミングを変更する。これにより、記録材R又は画像の先行を解消するための反転経路の搬送速度V3を、給紙モータ332及び定着モータ352の最大速度V4と最小速度V5の範囲内で決定することができる。さらに、画像形成条件などにより画像形成タイミングの変更ができず、画像形成が遅れた場合には、参考例2の制御(第3制御)を行ってもよい。なお、実施例2は、特許請求の範囲にかかる発明を限定する物ではなく、また実施例で説明されている特徴のすべてが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0145】
以上、実施例2によれば、2次転写位置までの搬送を複数の駆動源で行う画像形成装置において、記録材に影響を与えることなく、正常に画像形成を行うことができる。
【0146】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
記録材を搬送する第1搬送手段と、
前記第1搬送手段を駆動する第1駆動手段と、
前記記録材を搬送する第2搬送手段であって、前記記録材の搬送方向において前記第1搬送手段よりも上流に設けられる第2搬送手段と、
前記第2搬送手段を駆動する第2駆動手段であって、前記第1駆動手段とは異なる第2駆動手段と、
感光ドラムから転写されたトナー像が担持される中間転写体と、
前記中間転写体上の前記トナー像を前記記録材に転写位置において転写するように構成された転写手段と、
前記記録材を検知する検知手段であって、前記搬送方向において前記転写位置よりも上流に設けられる検知手段と、
前記記録材の先端が前記検知手段に到達したことに応じて、第1制御を行うように構成された制御手段であって、前記第1制御において、前記第1駆動手段を制御して前記記録材の搬送速度を加速又は減速させる制御手段と、
を備える画像形成装置であって、
前記記録材が、前記記録材の後端が前記第2搬送手段を通過していない状態で前記記録材が前記第1搬送手段によって搬送される長さを有し、かつ、前記記録材が前記第1搬送手段と前記第2搬送手段とで搬送される場合に、前記制御手段は前記第1制御を行う前に第2制御を行い、前記第1制御において前記記録材の搬送が継続され、
前記第2制御において、前記制御手段は、前記搬送方向における前記検知手段の上流で前記記録材の搬送速度を減速させる、又は、前記記録材の搬送を停止させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御し、
前記第2制御において、前記制御手段は、前記搬送方向における前記検知手段の上流で前記記録材の搬送速度を加速させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記感光ドラムを含み、前記中間転写体上にトナー像を形成する画像形成手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記記録材が前記トナー像よりも先行する先行距離に基づいて、前記第2制御における前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の第1速度と、前記第1速度から第2速度に戻すタイミングと、を求めることを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
前記制御手段は、前記第2制御において、前記第1速度が前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の速度のうち最も遅い速度としても前記記録材の方が前記トナー像よりも先行する場合には、前記記録材の先端が前記検知手段に到達する前に前記記録材の搬送を停止させるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を停止させる第3制御を行うことを特徴とする構成2に記載の画像形成装置。
(構成4)
ヒータを有し、前記転写位置よりも下流に設けられ、記録材上のトナー像を定着する定着装置を備え、
前記第1搬送手段は、前記転写位置よりも上流に設けられ、前記記録材を搬送する第1ローラであり、
前記第1駆動手段は、前記第1ローラを駆動する第1モータであり、
前記第2搬送手段は、前記定着装置を通過した前記記録材を前記転写位置に搬送するための第2ローラであり、
前記第2駆動手段は、前記定着装置及び前記第2ローラを駆動する第2モータであって、前記第2ローラを第1方向及び前記第1方向と反対の第2方向に回転するように構成され、
前記定着装置は、前記第2モータによる駆動が停止されている間に、前記ヒータの温度が低下することを特徴とする構成3に記載の画像形成装置。
(構成5)
前記第1搬送手段は、複数の前記第1ローラを含み、複数の前記第1ローラの1つは、前記搬送方向において前記第2ローラの隣に配置されることを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
(構成6)
前記制御手段は、前記記録材の搬送を停止させる停止時間と、
前記停止時間中に低下したヒータの温度が、低下する前の温度に回復するまでの回復時間を求め、
前記回復時間が経過した後に前記記録材が前記定着装置に到達するように、前記第3制御における前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を停止させるタイミングを決定することを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
(構成7)
ヒータを有し、前記転写位置よりも下流に設けられ、記録材上のトナー像を定着する定着装置を備え、
前記第1搬送手段は、前記転写位置よりも上流に設けられ、前記記録材を搬送する第1ローラであり、
前記第1駆動手段は、前記第1ローラを駆動する第1モータを含み、
前記第2搬送手段は、前記定着装置を通過した前記記録材を前記転写位置に搬送するための第2ローラであり、
前記第2駆動手段は、前記定着装置及び前記第2ローラを駆動する第2モータであって、前記第2ローラを第1方向及び前記第1方向と反対の第2方向に回転するように構成されることを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
(構成8)
前記第1搬送手段は、複数の前記第1ローラを含み、複数の前記第1ローラの1つは、前記搬送方向において前記第2ローラの隣に配置されることを特徴とする構成7に記載の画像形成装置。
(構成9)
前記検知手段は、記録材と当接して斜行を補正する当接部を含むことを特徴とする構成1から構成8のうちのいずれかに記載の画像形成装置。
(構成10)
前記転写位置における前記記録材の搬送速度を転写速度とした場合に、前記第2制御が行われるときの前記記録材の搬送速度は、前記転写速度よりも遅いことを特徴とする構成1から構成9のうちのいずれかに記載の画像形成装置。
(構成11)
前記制御手段は、前記第2制御が行われた後、前記第1制御が行われる前に、前記記録材が前記転写速度で搬送されるように、前記第1駆動手段と前記第2駆動手段を制御することを特徴とする構成10に記載の画像形成装置。
(構成12)
前記制御手段は、前記第2制御で前記第1速度を決定する場合に、前記画像形成手段によるトナー像の形成開始タイミングを早めることで、前記第2速度から前記第1速度に加速させる、又は、前記画像形成手段によるトナー像の形成開始タイミングを遅らせることで、前記第2速度から前記第1速度に減速させる第4制御を行うことを特徴とする構成2に記載の画像形成装置。
(構成13)
ヒータを有し、前記転写位置よりも下流に設けられ、記録材上のトナー像を定着する定着装置を備え、
前記第1搬送手段は、前記転写位置よりも上流に設けられ、前記記録材を搬送する第1ローラであり、
前記第1駆動手段は、前記第1ローラを駆動する第1モータであり、
前記第2搬送手段は、前記定着装置を通過した前記記録材を前記転写位置に搬送するための第2ローラであり、
前記第2駆動手段は、前記定着装置及び前記第2ローラを駆動する第2モータであって、前記第2ローラを第1方向及び前記第1方向と反対の第2方向に回転するように構成され、
前記定着装置は、前記第2モータによる駆動が停止されている間に、前記ヒータの温度が低下することを特徴とする構成12に記載の画像形成装置。
(構成14)
前記第1搬送手段は、複数の前記第1ローラを含み、複数の前記第1ローラの1つは、前記搬送方向において前記第2ローラの隣に配置されることを特徴とする構成13に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0147】
213 中間転写ベルト
221 レジストローラ
222 レジストセンサ
230 反転ローラ対
330 給紙搬送制御部
332 給紙モータ
352 定着モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15