(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011390
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】プローブクリーニングシート
(51)【国際特許分類】
G01R 1/06 20060101AFI20250117BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20250117BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20250117BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G01R1/06 E
G01R1/073 E
G01R31/26 J
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113478
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】390037165
【氏名又は名称】Mipox株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096725
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 明▲ひこ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】浅川 荘一
(72)【発明者】
【氏名】和田 宣洋
(72)【発明者】
【氏名】糸井 隆隼
(72)【発明者】
【氏名】海堀 真
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AG03
2G003AG04
2G003AG12
2G011AA02
2G011AA17
2G011AC13
2G011AC14
2G011AE03
4M106AA07
4M106DD03
4M106DD10
4M106DD30
(57)【要約】
【課題】高温度な検査温度範囲下において、プローブに対し十分なクリーニング性能が発揮できるプローブクリーニングシートを提供する。
【解決手段】プローブの先端部分に付着している異物を除去するためのクリーニング層を有するプローブクリーニングシートであって、200度を超える温度に耐性を有するポリイミド樹脂の発泡樹脂層と、該発泡樹脂層上に形成される、研磨粒子とエポキシ樹脂とからなる研磨層とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブの先端部分に付着している異物を除去するためのクリーニング層を有するプローブクリーニングシートであって、
200度を超える温度に耐性を有するポリイミド樹脂の発泡樹脂層と、
該発泡樹脂層上に形成される、研磨粒子と200度を超える温度に耐性を有するバインダー樹脂とからなる研磨層とを含む、
プローブクリーニングシート。
【請求項2】
前記ポリイミド樹脂をポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリサルホン樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、又はフッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂に代えたことを特徴とする、請求項1に記載のプローブクリーニングシート。
【請求項3】
前記研磨粒子が0.01μmから13μmの範囲にある、請求項1に記載のプローブクリーニングシート。
【請求項4】
前記研磨粒子が、ダイヤモンド、ホワイトアルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、珪酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ガラス、窒化ホウ素、窒化チタンの一種又は二種以上からなる、請求項2に記載のプローブクリーニングシート。
【請求項5】
前記バインダー樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載のプローブクリーニングシート。
【請求項6】
前記発泡樹脂層の前記研磨層の反対側に粘着層が設けられる、請求項1に記載のプローブクリーニングシート。
【請求項7】
前記粘着層が、シリコーン接着剤により貼着された耐熱性両面テープである、請求項6に記載のプローブクリーニングシート。
【請求項8】
前記研磨層が10μmである、請求項1に記載のプローブクリーニングシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的特性検査に使用するプローブカードのプローブ針に付着した異物の除去に使用するプローブクリーニングシートに関し、特に、高温で使用可能なプローブクリーニングシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(チップ)に対して、テスターに取り付けられたプローブカードのプローブ針を接触させ、プローブを通じての試験信号の印加及び検出により、半導体装置の電気的特性の検査を行っている。
【0003】
一般に、プローブは、タングステン、ベリリウムなどの硬質の材料から形成されている。一方、電極パッドは、アルミニウムなどの比較的軟質の材料から形成されており、電極パッドにプローブを接触させた際に、プローブの先端部分(先端と先端付近の側面)に電極パッド表面の酸化アルミニウムなどの異物が付着するため、プローブとパッドとの間に導通不良が生じ、検査精度の低下を招いてしまう。また、プローブに大きい異物が付着すると、隣接するプローブ同士が短絡し、チップを破壊することがある。このため、チップの電極パッドの試験においては、プローブの先端部分をクリーニングして、付着した異物の除去を行っている。
【0004】
プローブ先端部分のクリーニングには、基材シートの表面にクリーニング層を形成したプローブクリーニングシートが使用されている。このプローブクリーニングシートを使用するクリーニングでは、検査テーブルの表面にプローブクリーニングシートを取り付け、プローブの先端部分をこのクリーニング層(研磨層とも称す)の表面からその内部に突き刺し、そして引抜くことにより、プローブ先端部分に付着した異物の除去が行われる。
【0005】
このようなプローブクリーニングシートとして、従来、研磨粒子(酸化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンドなどからなる硬質の粒子)を混入したシリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの弾性材料からなるクリーニング部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、研磨粒子を含む研磨部材の上にさらに研磨粒子を含まない異物除去膜を設けて、プローブ先端を引き抜く時にこの異物除去膜で異物を効果的に拭い取るクリーニング部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、表面が粗面にされた基板の表面に、弾性を有する研磨層を形成し、プローブの先端の押圧力により研磨層を窪ませ、この窪んだ部分と粗面との間に入り込んだ研磨粒子により、プローブの先端をクリーニングするクリーニング部材が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-244074号公報
【特許文献2】特開平11-87438号公報
【特許文献3】特開2004-271389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今日、数百ボルトの電圧を扱うパワー半導体装置の利用が拡大している。パワー半導体の使用状態では、200度を超える。そのため、パワー半導体の使用状態に応じた同じ温度範囲の環境下において十分なクリーニング性能を発揮することが求められている。
【0008】
従来のプローブクリーニングシートに利用されているシリコーン樹脂、ウレタン樹脂は、比較低い温度では有効な特性を示すものの、耐熱性に問題があり、200度を超える高温度の動作温度では利用できない。
【0009】
さらに、こうした動作温度範囲において、クリーニング部材の構成によっては、複数回のクリーニングにより、プローブの先端が大きく削られて磨耗し、プローブの寿命が短くなるという問題が起こる。また、この磨耗により電気特性検査に誤差が生じるという問題も起きてしまう。
【0010】
本発明は、高温度な検査温度範囲下において、プローブに対し十分なクリーニング性能が発揮できるプローブクリーニングシートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明が提供するのは、プローブの先端部分に付着している異物を除去するためのクリーニング層を有するプローブクリーニングシートであって、クリーニング層はポリイミド樹脂の発泡樹脂層と、該発泡樹脂層上に形成される、研磨粒子とバインダー樹脂とからなる研磨層とを含む。
【0012】
このようなクリーニング層を備えたプローブクリーニングシートは、200度を超える高温の範囲にある電気特性検査において、プローブの先端部分に付着した異物を効率よく除去することができ、且つ、除去された異物をクリーニング層内に保持することができる。クリーニング層への突き刺し、及び引き抜き時において、プローブの先端との密着性、摺動性が良く、クリーニング効果を高めることができる。
【0013】
研磨層は10μmであることが望ましい。研磨粒子は0.01μmから13μmの範囲にあることが望ましい。
【0014】
前記研磨粒子が、ダイヤモンド、ホワイトアルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、珪酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ガラス、窒化ホウ素、窒化チタンを一種又は二種以上の混合のものでよい。
【0015】
前記バインダー樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択されたものでよい。
【0016】
前記発泡樹脂層の前記研磨層の反対側に粘着層が設けられ得る。前記粘着層が、シリコーン接着剤により貼着された耐熱性両面テープでもよい。
このようなプローブクリーニング材によれば、前記基材シートに代えて、クリーニング層を、直接検査装置の検査テーブルの金属板上に形成させることができる。また再生シリコンウェーハの面上に直接クリーニング層を形成してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、チップの使用環境下である、低温から高温までの広い温度範囲において、プローブ先端に付着した異物の除去を行うクリーニングを十分に行え、さらにプローブの磨耗を抑えたプローブクリーニングシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明に係るプローブクリーニングシートの第1実施形態の一部断面模式図である。
【
図2(a)】
図2(a)は観察装置(光学顕微鏡)により本発明に係るプローブクリーニングシートの一部平面の光学写真である。
【
図2(b)】
図2(b)は同じく本発明に係るプローブクリーニングシートの一部断面の光学写真である。
【
図3】
図3は、プローブクリーニング装置の一部断面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明に係るプローブクリーニングシートの第2実施形態の一部断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0020】
<第1実施形態>
本発明に係るプローブクリーニングシートについて、その一部断面模式図を示す
図1を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、プローブクリーニングシート10は、基材シート25と、この基材シート25の表面に形成されるクリーニング層20とから構成される。クリーニング層20は、弾性材21と、その上の形成された研磨層22とから形成されている。以下に本実施形態のクリーニング層20及び基材シート25を説明する。
【0022】
(1)クリーニング層
a)弾性材(発泡体)
図1に示すように、クリーニング層を構成する弾性材21は、基材シート25の上にポリイミドの発泡体で構成される。ポリイミド樹脂は半導体装置(チップ)の使用環境温度範囲(200℃を超える温度)に耐熱性を有するもので、ポリイミド樹脂の発泡は、
図2(a)、
図2(b)に示されているとおり、単に気泡が散在する形態のものではなく、薄片が積み重なるように形成されるものある。この発泡体は、チップ電気特性検査の環境下で、物性変化がなく安定な材料である。
【0023】
b)研磨層
クリーニング層20の弾性材(発泡体)の表面は、薄片がランダムに露出したようになり(
図2(a))、その上に研磨層22が形成されている。研磨層は研磨粒子とバインダー樹脂とから構成される。
【0024】
研磨粒子として、例えば、ダイヤモンド、ホワイトアルミナ、炭化ケイ素、炭化ホウ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、珪酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ガラス、窒化ホウ素、窒化チタンから選ばれる一種又は二種以上が利用できる。
【0025】
前記バインダー樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択できる。
【0026】
上記研磨粒子の平均粒径は、0.03μm~130μmの範囲にあることが好ましい。さらに好適には0.5μm~4.0μmの範囲である。
【0027】
クリーニング層20は、プローブ針を突き刺し及び引き抜くことにより、針先の付着物を除去できる厚さが要求され、例えば、50~1000μmの範囲にあるのが好ましい。この範囲の厚さで、プローブ針をクリーニング層に刺し通すことができ、プローブの損傷を抑えることができる。
【0028】
研磨層の厚さは10μm程度が望ましい。この厚さに限定されないが、薄すぎると、クリーニング効果が低下し、厚すぎると針を傷つけかねなくなる。
【0029】
さらに、本発明のクリーニング層20を形成する時に、弾性材21に着色剤を添加することができる。プローブクリーニング装置では、プローブクリーニングシートをプローブクリーニング装置のステージ上に配置し、レーザー光線等を利用した検出器によるオートフォーカスにより、クリーニングシート表面とプローブの先端との間隔を適宜な値に調整しているが、着色剤を添加することで、光の反射効率を高め、クリーニングシート表面とプローブ先端とのアライメントを正確にすることができる。
【0030】
(2)基材シート
本発明の基材シート25は、クリーニング層20と同様に、高温でのチップの使用環境に合わせた電気特性検査の温度範囲において、物性変化の少ない材料が好ましい。また、基材シート25とクリーニング層20の熱膨張係数の違いや熱変形による、皺、剥離等が発生しない材料が選択される。
【0031】
基材シート25の材質として、具体的には、ポリイミド(PI)、シリコーンゴム、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性樹脂が使用される。そして、プローブクリーニングシート10をプローブクリーニング装置に固定するために、基材シート25の下側に、粘着層が設けられる。この粘着層は、高温に耐えるシリコーン系接着剤が使用される。
【0032】
また、上記基材シート25を使用せずに、プローブクリーニング装置のステージに固定できる形状の金属板上や、再生シリコンウェーハ等の上に、クリーニング層20を直接形成してもよい。例えば、検査用シリコンウェーハと同一形状の金属板上や、再生シリコンウェーハ上に、クリーニング層20を形成するクリーニング材により、予めクリーニング層20を形成し、プローブクリーニング装置のステージに両面接着フィルムや粘着剤を塗布して貼り付けるようにすることができる。また、ステージによっては、真空吸着することができる<第2実施形態>
次に、本発明に係るプローブクリーニングシートの第2実施形態について、その一部断面模式図を示す
図4を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一名称のものは同一の符号で示す。
【0033】
図4に示すプローブクリーニングシート10は、製品形態としてのプローブクリーニングシートであり、第1実施形態のプローブクリーニングシートにおける基材シート25の裏側に接着層28と、この接着層28を覆う剥離シート26とが更に備えられているものである。
【0034】
一般に、プローブ検査装置に使用されるクリーニングシート10は、検査装置への固定のために、基材シート25の裏側に、接着層28を有する剥離シート(離型フィルム)26が設けられる。剥離シート26は、接着層28の表面から剥がされ、後述するように、
図3に示すプローブクリーニング装置30のステージ33上に接着層28を介して貼り付けられる。
【0035】
接着層28の材質としては、電気特性検査の環境下の高温に耐えるシリコーン系接着剤を使用するのが好ましい。また、接着層28の材質は、プローブクリーニング装置のステージを形成する材質に応じて、接着力を維持するために、アクリル系接着剤との2層構造のものが使用される場合がある。剥離シート26を、基材シート25から剥がし取り、プローブクリーニングシート10をプローブクリーニング装置に固定する。
【0036】
上記接着層と剥離シートは、シリコーン接着剤を使用した耐熱性両面テープとすることもできる。
【0037】
また、プローブクリーニングシート10に接着層28を設けないで、基材シート25をテーブル上に真空吸着させてもよい。
【0038】
なお、プローブクリーニング装置のテーブルに固定できる形状の金属板上、又は再生シリコンウェーハの面上に、直接クリーニング層20を形成することもできる。このようにすれば、高温においても、基材シートとの熱膨張係数の違い等によるクリーニング層20に生じる皺や剥離の問題が回避できる。
【0039】
さらに、クリーニング層20の上に、空気中のゴミの付着を避けるための保護シート(例えば、PET、PP、等の樹脂フィルム)を貼り付けてもよい。これら剥離シート26及び保護シートは、使用時に剥がして使用するため、特に耐熱性を必要としない。
【0040】
(クリーニング方法)
本発明に係るプローブクリーニングシート10を用いたプローブクリーニング方法を以下に例示する。
【0041】
プローブクリーニングは、手作業で行うことも可能であるが、一般には、
図4に示すプローブクリーニング装置30を用いて行われる。
図3に示すプローブクリーニング装置30は、プローブカード31のプローブ32先端部分に付着した異物を除去する装置であって、プローブカード31に対して相対的に移動させるステージ33と、ステージ33上にセットされたプローブクリーニングシート34と、ステージ33をプローブ32に対して相対的に移動させるオートフォーカス機構(図示せず)とを備えてなるものである。
【0042】
上記オートフォーカス機構より、ステージ33に対するプローブ32が位置決めされる。その後、プローブ32をクリーニングシート34に一定の圧力を加えて突き刺して、クリーニング層の研磨粒子によってプローブ先端の付着物(異物)を削り取り、引き抜く時に削り取った異物をクリーニング層で拭い取るサイクル動作によって、プローブ32の先端を傷めずに、付着した異物を除去するようになっている。このプローブクリーニングにおけるプローブ32の針先の突き刺し量は、プローブの種類によって異なるが、通常20μm~100μm程度である。
【0043】
チップの性能試験に用いられるプローブカードは、使用回数や使用時間が増加すると、プローブカードに配置されたプローブの先端部に異物が付着してくる。先端部に異物が付着したプローブを、本発明のプローブクリーニングシートに突き刺し、引き上げることを繰り返すことで、付着した異物の除去を行う。プローブの先端が、本発明のプローブクリーニングを構成するクリーニング層の内部に突き刺さると、研磨粒子に接触してプローブに強固に付着している不純物を除去することができる。
【0044】
弾性材(発泡体)は、200度を超える高温においても弾性を失わず、プローブを引き抜く際に、弾性体の形状が回復し、削り取られた不純物をクリーニング層の内部に捕獲することで、プローブのクリーニングがなされることになる。
【0045】
[実施例]
以下、本発明に係るプローブクリーニングシートについて、実施例によりさらに具体的に説明する。
【0046】
厚さ500μmのポリイミド樹脂の発泡体を用意し、その片面にシリコーン接着剤を使用した耐熱性のある両面テープを貼り合わせた。
【0047】
エポキシ樹脂のトルエン溶液(エポキシ樹脂濃度70%)に酸化アルミニウム(#4000:粒子径3μmが50%重量濃度となるように分散させて、発泡体の両面テープとは反対側の面に塗布し、乾燥させることで、厚さ10μmの研磨層を形成した。
【0048】
これを裁断し、100mm×100mmのクリーニングシートを作製した。
【0049】
[比較例]
発泡体としてポリエステルウレタンを使用し、実施例と同様に研磨層を形成し、クリーニングシートを作製した。
【0050】
[プローブクリーニングシート性能評価]
<試験結果>
上記シートを用いて、20°C、120°C、200°Cの環境下でクリーニング性、形状表面の評価を行った。
【0051】
・針の表面の研磨痕が付いて研磨されたかどうかを評価した。
【表1】
○:研磨良好
×:ポリウレタンウレタン発泡体が軟化し、研磨が不十分
表面に異物がとれているかどうかを評価した。
【表2】
○:クリーニング良好
▲:ポリウレタンウレタン発泡体が軟化し、クリーニングが不十分
上記評価結果の通り、本発明のクリーニングシートは、200°Cという高温度においても、十分に研磨効果(針の表面の研磨)、クリーニング効果があり所期の効果を達成できた。従来から知られている発泡体では200°Cの温度では南下し、研磨効果、クリーニング効果は不十分であった。
【符号の説明】
【0052】
10 プローブクリーニングシート
20 クリーニング層
21 弾性材(発泡体)
22 研磨層(研磨粒子)
25 基材シート
26 剥離シート
27 保護シート
28 接着層