(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025114117
(43)【公開日】2025-08-05
(54)【発明の名称】情報処理方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20250729BHJP
B60R 16/027 20060101ALI20250729BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20250729BHJP
【FI】
B60R11/02 S
B60R16/027 T
G06F3/01 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008593
(22)【出願日】2024-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】豊田 良平
【テーマコード(参考)】
3D020
5E555
【Fターム(参考)】
3D020BA09
3D020BA10
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD05
3D020BE03
5E555AA11
5E555AA64
5E555AA71
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC13
5E555CA42
5E555CB66
5E555CC01
5E555DA23
5E555DC84
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】車両の乗員によるジェスチャと、係る車両の車内で再生させる演奏音とを、乗員に違和感を覚えさせることなく両立させる。
【解決手段】本発明の一側面に係る制御装置は、ステアリングホイールが車両の挙動に影響しない状態であると判定すると、車内の撮像画像に基づいて検出した乗員の身体の少なくとも一部と、車両の少なくとも一部の部位と、の相対的な位置関係に基づいて、演奏音の再生の開始を判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の楽器のそれぞれの楽器音、および、複数種類の動物のそれぞれの鳴き声の少なくとも一方を含む、演奏音を再生する処理をプロセッサに実行させる情報処理方法であって、
前記プロセッサは、
ステアリングホイールが車両の挙動に影響しない状態であるかを判定し、
前記車両の車内を三次元空間として連続的に撮像する撮像部から、前記撮像部により撮像された撮像画像を取得し、
前記撮像画像に基づいて、前記車両の乗員の身体の少なくとも一部を検出し、
前記ステアリングホイールが前記車両の挙動に影響しない状態であると判定すると、検出した前記乗員の身体の少なくとも一部と、前記車両の少なくとも一部の部位と、の相対的な位置関係に基づいて、前記演奏音の再生の開始を判断する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記車両の少なくとも一部の部位は、前記車両の複数の部位を含み、
前記複数の部位のそれぞれには、前記複数種類の楽器のうちの一つ、または、前記複数種類の動物のうちの一つが対応付けられており、
前記プロセッサは、
検出した前記乗員の身体の少なくとも一部と、前記複数の部位のうちの一つの部位と、の前記相対的な位置関係に基づいて、前記一つの部位に対応付けられた、前記複数種類の楽器のうちの一つの楽器音、または、前記複数種類の動物のうちの一つの鳴き声の再生の開始を判断する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記撮像部によって撮像された前記撮像画像に基づいて、前記乗員の身体の少なくとも一部の動きを検出し、
検出した前記動きに応じて、前記演奏音を変更する、
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記車両の少なくとも一部の部位は、前記ステアリングホイールが前記車両の挙動に影響する状態にある場合に前記車両の挙動に影響を与え得る運転部位を含み、
前記プロセッサは、
前記運転部位の少なくとも一部を前記乗員の手が把持している位置を特定し、
或る時点において前記乗員の手が前記運転部位を把持していないと判断すると、前記或る時点よりも前の時点で、前記乗員の手が前記運転部位を最後に把持していた位置を基準位置として記録し、
記録した前記基準位置と、前記乗員の手と、の前記相対的な位置関係に基づいて、前記演奏音の再生の開始を判断する、
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記運転部位は、前記ステアリングホイールを含み、
前記相対的な位置関係は、前記ステアリングホイールの回転軸の方向、または、前記回転軸に直交する径方向における、前記基準位置と、前記乗員の手と、の距離である、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
ステアリングホイールが車両の挙動に影響しない状態であるかを判定する第1判定部と、
前記車両の車内を三次元空間として連続的に撮像する撮像部と、
複数種類の楽器のそれぞれの楽器音、および、複数種類の動物のそれぞれの鳴き声の少なくとも一方を含む、演奏音の再生の開始を判断する第2判定部と、
を備え、
前記第2判定部は、
前記撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて、前記車両の乗員の身体の少なくとも一部を検出し、
前記第1判定部によって、前記ステアリングホイールが前記車両の挙動に影響しない状態であると判定されると、検出された前記乗員の身体の少なくとも一部と、前記車両の少なくとも一部の部位と、の相対的な位置関係に基づいて、前記演奏音の再生の開始を判断する、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両における予め定められた空間である検出範囲において、ユーザによるジェスチャを検出する技術が知られている。例えば、下掲の特許文献1には、車両の乗員によるジェスチャを検出するための領域(ジェスチャ検出領域)を、適切な位置に形成することを目的とする、ジェスチャ検出装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術は、車両の乗員によるジェスチャと、係る車両の車内で再生させる演奏音とを、上記乗員に違和感を覚えさせることなく両立させるものではない。
【0005】
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の乗員によるジェスチャと、係る車両の車内で再生させる演奏音とを、上記乗員に違和感を覚えさせることなく両立させる情報処理方法及び制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、複数種類の楽器のそれぞれの楽器音、および、複数種類の動物のそれぞれの鳴き声の少なくとも一方を含む、演奏音を再生する処理をプロセッサに実行させる情報処理方法であって、前記プロセッサは、ステアリングホイールが車両の挙動に影響しない状態であるかを判定し、前記車両の車内を三次元空間として連続的に撮像する撮像部から、前記撮像部により撮像された撮像画像を取得し、前記撮像画像に基づいて、前記車両の乗員の身体の少なくとも一部を検出し、前記ステアリングホイールが前記車両の挙動に影響しない状態であると判定すると、検出した前記乗員の身体の少なくとも一部と、前記車両の少なくとも一部の部位と、の相対的な位置関係に基づいて、前記演奏音の再生の開始を判断する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の乗員によるジェスチャと、係る車両の車内で再生させる演奏音とを、上記乗員に違和感を覚えさせることなく両立させる情報処理方法及び制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る制御装置を備える車両の概略構成を表すブロック図である。
【
図2】
図1の制御装置の設置場所等の一例を示す車室内の図である。
【
図3】車両の座席位置ごとに、車両の部位と楽器とが対応付けられた例を示す。
【
図4】
図1の制御装置が実行する情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】ジェスチャの種類を特定し、特定したジェスチャの種類に対応する演奏音を再生する処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図6】乗員が手を用いて「叩く」ジェスチャを行なっている例を示す。
【
図7】乗員が手を用いて「こする」ジェスチャを行なっている例を示す。
【
図8】一般ユーザについて、ボディパーツの位置変化の加速度に基づいて、演奏音の再生の開始を判断する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】運転者が手を用いて行う「叩く」ジェスチャを特定し、「叩く」ジェスチャに対応する演奏音を再生する処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図10】運転者が手を用いて行う「こする」ジェスチャを特定し、「こする」ジェスチャに対応する演奏音を再生する処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図1の制御装置が乗員に提供するサービスの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
【0010】
§1 適用例
従来、車両の乗員によるジェスチャを検出する技術が知られているが、係る技術は、ジェスチャと音楽の演奏との両立を考慮しておらず、乗員が違和感を覚えることなく、音を再生することができない。そこで、本実施形態に係る制御装置(制御装置10)は、車両1の乗員Ueの身体の少なくとも一部を精度よく検出し、検出結果に応じて、演奏音PSを再生する。そのため、乗員Ueは、係る身体の少なくとも一部を用いたジェスチャGTによって、違和感なく演奏を行うことができる。以下の説明では、乗員Ueの、指、手、腕、足などの、特定の体の部分を「BP(ボディパーツ:body part)」と略記することがある。BPは、乗員UeがジェスチャGTに基づいた制御を実行するのに適した任意の身体部分であり、BPには、乗員の指、手、腕、足の少なくとも1つが含まれる。制御装置10は、乗員Ueの身体の全体を検出し、例えば、乗員Ueの(身体の全体の)姿勢を検出し、検出した乗員Ueの姿勢(姿勢の変化を含む)に応じて、演奏音PSを再生してもよい。すなわち、制御装置10は、車両1の乗員Ueの少なくともBP(身体の一部)を精度よく検出し、検出結果(例えば、検出したBPの位置(特に、車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP)の変化等)に応じて、演奏音PSを再生する。
【0011】
制御装置10は、演奏音PSの再生の開始を判断し、演奏音PSは、複数種類の楽器MIのそれぞれの楽器音MS、および、複数種類の動物AMのそれぞれの鳴き声CRの少なくとも一方を含む。制御装置10は、ハンドル(ステアリングホイール)が車両1の挙動に影響しない状態において、乗員UeがBPを用いてジェスチャGTを行なっていることを検知すると、演奏音PSの再生の開始を判断する。特に、制御装置10は、乗員UeのジェスチャGTを、乗員UeのBPと車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP(係る相対的な位置関係RPの変化)に基づいて、精度よく検出し、検出結果に応じて、演奏音PSの再生の開始を判断する。そのため、乗員Ueは、ジェスチャGTによって、違和感なく、演奏(つまり、演奏音PSの再生)を行うことができる。
【0012】
制御装置10は、車両1の複数の部位PVのそれぞれに、楽器MIおよび動物AMの少なくとも一方を対応付けてもよい。そして、制御装置10は、例えば、乗員Ueが、BPを用いて、車両1の或る部位PV(x)に対して、ジェスチャGTを行なっていることを検出すると、以下の処理を実行してもよい。すなわち、制御装置10は、係る或る部位PV(x)に対応付けられた楽器MI(x)(動物AM(x))の楽器音MS(x)(鳴き声CR(x))を、演奏音PSとして再生してもよい。また、乗員UeがBPを用いて部位PVに対して行なっているジェスチャGT(演奏動作)の種類を特定すると、特定したジェスチャGTの種類(例えば、ジェスチャGT(y))に対応する演奏音PS(y)を再生してもよい。例えば、制御装置10は、或る楽器MI(x)(動物AM(x))を、或る種類の演奏動作(ジェスチャGT(y))で演奏した際に発生する楽器音MS(x、y)(鳴き声CR(x、y))を、演奏音PSとして再生してもよい。つまり、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて行なう、車両1の部位PVに対するジェスチャGTを検出すると、係る部位PVおよびジェスチャGTに応じた、「楽器MIの楽器音MS」および「動物AMの鳴き声CR」の少なくとも一方を、再生してもよい。
【0013】
本実施形態では、車両1の複数の乗員Ueのそれぞれを区別する場合には、「Ue」の後に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・「(n)」を付して、それぞれを区別する。なお、「n」は「1」以上の整数とする。複数の乗員Ueのそれぞれを区別せずに総称する場合には、単に「乗員Ue」と表現する。BP、ジェスチャGT、部位PV、楽器MI、動物AM等についても同様に表現する。車両1の部位PVの例としては、ステアリングホイール(ハンドル)、ドアハンドル、シート、ヘッドレスト、アームレスト、フロアマット(床)、インストルメントパネル(ダッシュボード)、グローブボックス、シフトレバー、センターコンソールなどが挙げられる。ただし、部位PVは上述の部位に限られるものではない。また、部位PVは、例えば、車両1の室内の部位であるが、部位PVが、車両1の室内の部位であることは必須ではない。以下の説明においては、部位PVのうち、「ハンドルが車両1の挙動に影響する状態にある場合に、車両1の挙動に影響を与え得る部位PV(例えば、ハンドル、シフトレバーなど)」を、特に、運転部位DPVと呼ぶことがある。
【0014】
制御装置10は、撮像部110により車両1の室内(車内)を撮像し、撮像部110によって撮像された撮像画像CIに基づいて車両1の乗員Ueの少なくともBPを検出する。そして、制御装置10は、検出したBPの位置(乗員Ueの姿勢を含む)に基づいて、特に、車両1の部位PVに対するBPの位置(つまり、部位PVとBPとの相対的な位置関係RP)に基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する。例えば、制御装置10は、各時点におけるBPの位置(特に、部位PVに対するBPの位置。つまり、上述の相対的な位置関係RP)に基づいて、言い換えれば、BPの位置の経時的な変化等に基づいて、演奏音PSを再生する。一例を挙げれば、制御装置10は、乗員Ueによる、手(BP(2))を閉じたり開いたりする(手をグー、パーに動かす)動作(ジェスチャGT(4))を検出すると、シンバル(楽器MI(1))の楽器音(楽器音MS(1))を再生する。特に、制御装置10は、車両1の部位PV(1)と乗員Ueの手との距離が所定値かつ変化しない(例、係る距離が所定範囲内にある)状態で、乗員Ueが手を閉じたり開いたりする動作を行なっていることを検出すると、シンバルの楽器音を再生してもよい。また、制御装置10は、乗員Ueによる、足(BP(4))で車両1の床(部位PV(2))をドンドンと踏み鳴らすような動作(ジェスチャGT(1))を検出すると、ドラム(楽器MI(2))の楽器音(楽器音MS(2))を再生する。例えば、制御装置10は、乗員Ueによる、足で床を踏んだり、床から足を持ち上げたりする動作を行なっていることを検出すると、ドラムの楽器音を再生してもよい。以上に概要を説明してきた制御装置10について、以下に
図1から
図11を参照しながら、その詳細を説明していく。以下では、制御装置10の理解を容易にするため、演奏音PSが、複数種類の楽器MIのそれぞれの楽器音MSである例について説明する。
【0015】
§2 構成例
図1は、制御装置10を備える車両1の概略構成を表すブロック図、
図2は、
図1に示す制御装置10の設置場所等の一例を示す車室内の図である。
図1に例示するように、制御装置10は、機能ブロックとして、撮像部110、判定部120、記憶部130、信号生成部140、および、送信部150を備える。制御装置10において、撮像部110以外の判定部120~送信部150の各機能ブロックは、汎用のあるいは専用のコンピュータ(情報処理装置)によって実現されてもよく、例えば、係るコンピュータのCPU(プロセッサ)、メモリなどにより実現されてもよい。一例を挙げれば、制御装置10は、記憶部130に記憶された不図示の制御プログラムをRAMに展開する。そして、制御装置10は、CPUにより、RAMに展開された制御プログラムに含まれる命令を解釈および実行して、各構成要素を制御することにより、判定部120~送信部150をソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作してもよい。撮像部110と、撮像部110以外の機能ブロック(上述のコンピュータ)とは、たとえばCAN(Controller Area Network)その他の車載LANにより接続され、相互に情報の送受信を行うことができる。
図1における外部装置は、例えば、音声、効果音などを出力するためのスピーカその他の音声出力装置であってもよい。制御装置10は、車両1に設けられ、
図2に示す例では、車両1の室内に設けられている。
【0016】
撮像部110は、車両1の室内(車内)を三次元空間として連続的に撮像する。撮像部110は、例えば、撮像範囲が車両1の室内の全域をカバーするように画角が調整されている。撮像部110は、1つで車両1の室内の全域をカバーできない場合には複数が設けられてもよく、係る複数の撮像部110によって車両1の室内の全域をカバーするように構成されてもよい。撮像部110は、例えば、三次元画像を撮像可能なステレオカメラであってもよいし、いわゆるTOF(Time of Flight)カメラ等であってもよい。また、二次元画像を撮像可能な単眼カメラを複数組み合わせて、撮像部110を構成してもよい。撮像部110は、例えば、
図2に例示するように車両1の車幅方向の略中央に設けられ、図示の例では、車幅方向の略中央の、フロントウインドウの上部付近に設けられている。
【0017】
判定部120は、車両1のハンドル(部位PV(4))が車両1の挙動に影響しない状態であるかを判定する第1判定部122と、演奏音PSの再生の開始を判断する第2判定部124とを含む。第1判定部122は、例えば、車両1が、ハンドルが操作されても転舵輪が転舵しない娯楽モードにあるかを判定し、車両1が娯楽モードにあると、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定する。
【0018】
第2判定部124は、BP検出部1242と、位置関係特定部1244と、演奏動作特定部1246と、再生判定部1248とを含む。第2判定部124は、第1判定部122によって、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定されると、演奏音PSを再生可能な処理の実行を開始してもよい。第1判定部122によって、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態ではないと判定されると、第2判定部124は、演奏音PSを再生可能な処理の実行を開始しない。第2判定部124は、車両1の1以上の乗員Ueのそれぞれを識別してもよく、例えば、各乗員Ueの識別情報IDを取得してもよい。各乗員Ueの識別情報IDには、例えば、各乗員Ueが好きな(例えば、演奏が得意な)楽器MIなど、各乗員Ueについて再生すべき演奏音PS(楽器音MS)の種類等を特定可能な情報が対応付けられていてもよい。
【0019】
BP検出部1242は、撮像部110によって撮像された撮像画像CI(撮像データ)に基づいて、車両1の乗員Ueの少なくともBPを検出する。例えば、BP検出部1242は、撮像画像CIから、複数の乗員Ueのそれぞれの、少なくともBPを検出する。BP検出部1242が各乗員Ueについて検出するBPは、1つであっても、複数であってもよい。例えば、BP検出部1242は、或る時点(t=Tx)における撮像画像CI(Tx)から、乗員Ue(1)の指(BP(1))および足(BP(4))を検出し、また、撮像画像CI(Tx)から、乗員Ue(2)の手(BP(2))を検出してもよい。つまり、BP検出部1242は、撮像画像CIから、各乗員Ueの、少なくとも1つのBPを検出してもよい。BP検出部1242は、各時点における撮像画像CIに基づいて、各時点における各乗員Ueの各BPを検出してもよい。
【0020】
位置関係特定部1244は、BP検出部1242によって検出された各乗員Ueの各BPの位置(各BP位置)を特定し、特定した各乗員Ueの各BP位置を、記憶部130に、BP位置情報として保存する(格納する)。例えば、位置関係特定部1244は、各時点における各乗員Ueの各BP位置を特定し、特定した各時点における各乗員Ueの各BP位置を、記憶部130に、BP位置情報132として保存する。
【0021】
本実施形態において位置関係特定部1244は、BP検出部1242によって検出された各乗員Ueの各BPと、車両1の複数の部位PVの少なくとも1つと、の相対的な位置関係RPを特定する。例えば、位置関係特定部1244は、各乗員Ueの各BPと、複数の部位PVのそれぞれとの距離を、各乗員Ueの各BPと各部位PVとの相対的な位置関係RPとして特定する。位置関係特定部1244は、各時点における、各乗員Ueの各BPと各部位PVとの相対的な位置関係RPを特定してもよい。
【0022】
演奏動作特定部1246は、位置関係特定部1244によって特定された上述の相対的な位置関係RPに基づいて、各乗員UeがBPを用いてジェスチャGT(演奏動作)を行なっているかを判定する。特に、演奏動作特定部1246は、各時点における相対的な位置関係RP(係る相対的な位置関係RPの変化)に基づいて、乗員UeがBPを用いてジェスチャGTを行なっているかを判定する。BPと部位PVとの相対的な位置関係RP(特に、各時点におけるBPと部位PVとの相対的な位置関係RP)を用いることで、演奏動作特定部1246は、乗員UeがBPを用いてジェスチャGTを行なっているかを、精緻に判定することができる。
【0023】
例えば、演奏動作特定部1246は、各時点における「各乗員Ueの各BPの、各部位PVとの相対的な位置関係RP」から、各乗員Ueの各BPについて、各部位PVとの相対的な位置関係RPの変化(経時的な変化)を特定する。そして、演奏動作特定部1246は、位置変化演奏動作対応情報134を参照して、係る相対的な位置関係RPの変化が、位置変化演奏動作対応情報134に予め規定されたジェスチャGTに対応する変化であるかを判定する。詳細は後述するが、位置変化演奏動作対応情報134には、予め1種類以上のジェスチャGTが規定されており、係る1種類以上のジェスチャGTのそれぞれに、所定の「乗員UeのBPと車両1の部位PVとの相対的な位置関係RPの変化」が対応付けられている。本実施形態に係る位置変化演奏動作対応情報134において、複数種類のジェスチャGTのそれぞれには、予め、複数種類の「乗員UeのBPと車両1の部位PVとの相対的な位置関係RPの変化」のそれぞれが、対応付けられている。演奏動作特定部1246は、特定した「相対的な位置関係RPの変化」が、位置変化演奏動作対応情報134に規定されているジェスチャGTに対応する変化であると、乗員UeがBPを用いてジェスチャGTを行なっていると判定する。特定した「相対的な位置関係RPの変化」が、位置変化演奏動作対応情報134に規定されているジェスチャGTに対応する変化ではないと、演奏動作特定部1246は、乗員UeがBPを用いてジェスチャGTを行なっていないと判定する。
【0024】
演奏動作特定部1246は、さらに、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの種類を特定してもよい。演奏動作特定部1246は、「(各時点における)乗員UeのBPと部位PVとの相対的な位置関係RP」を用いることで、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの種類を、精緻に特定することができる。具体的には、演奏動作特定部1246は、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTが、位置変化演奏動作対応情報134に予め規定されている複数種類のジェスチャGTの何れであるかを特定する。例えば、演奏動作特定部1246は、特定した「相対的な位置関係RPの変化」が、位置変化演奏動作対応情報134において各ジェスチャGTに対応付けられている変化の何れに一致する(相当する)かを特定する。
【0025】
演奏動作特定部1246は、さらに、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの態様を特定してもよい。例えば、演奏動作特定部1246は、ジェスチャGTが、相対的な位置関係RPの変化が大きい「大きな動作のジェスチャGT」か、それとも、相対的な位置関係RPの変化が小さい「小さな動作のジェスチャGT」かを特定してもよい。また、演奏動作特定部1246は、ジェスチャGTが、相対的な位置関係RPの変化の速度(加速度)が大きい「素早い動作のジェスチャGT」か、それとも、係る変化の速度(加速度)が小さい「ゆったりとした動作のジェスチャGT」かを特定してもよい。演奏動作特定部1246は、「(各時点における)乗員UeのBPと部位PVとの相対的な位置関係RP」を用いることで、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの態様を、精緻に特定することができる。
【0026】
演奏動作特定部1246は、さらに、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTが、車両1の複数の部位PVの何れの部位PVに対してのジェスチャGTであるかを特定してもよい。詳細は後述するが、部位楽器対応情報136において、車両1の複数の部位PVのそれぞれには、予め、複数種類の楽器MIのそれぞれが対応付けられていてもよい。そこで、演奏動作特定部1246は、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの対象である部位PVを特定すると、部位楽器対応情報136を参照して、特定した部位PVに対応付けられた楽器MIを、さらに特定してもよい。
【0027】
乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの対象となり得る部位PV(楽器MI)が1つである場合、演奏動作特定部1246は、そのジェスチャGTの対象は、係る部位PV(楽器MI)であると判定してもよい。例えば、乗員Ueの周囲の(1つ以上の)部位PVに予め1種類の楽器MIのみが対応付けられている場合、演奏動作特定部1246は、ジェスチャGTの対象は、係る1種類の楽器MI(係る楽器MIが対応付けられている部位PV)であると判定してもよい。ジェスチャGTの対象となり得る部位PV(楽器MI)が複数ある場合、例えば、乗員Ueの周囲の複数の部位PVのそれぞれに、複数種類の楽器MIのそれぞれが対応付けられている場合、演奏動作特定部1246は、以下の判定を行ってもよい。すなわち、演奏動作特定部1246は、或る時点で係るBPとの距離が最も近い部位PVを、ジェスチャGTの対象として特定してもよい。「或る時点」とは、演奏音PSを再生可能な処理の実行を開始した時点であってもよいし、ジェスチャGTが開始された時点であってもよい。ジェスチャGTの対象となり得る部位PVが複数ある場合、演奏動作特定部1246は、係るジェスチャGTにおいてBPとの相対的な位置関係RP(例えば、距離)が最も大きく変化した部位PVを、係るジェスチャGTの対象として特定してもよい。ジェスチャGTの対象となり得る部位PVが複数ある場合、係るジェスチャGTの種類に応じて、複数の部位PVの中から、係るジェスチャGTの対象である部位PVを特定してもよい。例えば、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTが「叩く、弾く、踏む」といった種類の演奏動作である場合、一般に「叩く、弾く、踏む」演奏動作で演奏される楽器MIが対応付けられた部位PVを、係るジェスチャGTの対象として特定してもよい。例えば、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTが「こする」といった種類の演奏動作である場合、一般に「こする」演奏動作で演奏される楽器MIが対応付けられた部位PVを、係るジェスチャGTの対象として特定してもよい。
【0028】
再生判定部1248は、第1判定部122による判定の結果と、第2判定部124による判定の結果とを用いて、演奏音PSの再生を開始するか否かを判定し、例えば、演奏音PSを再生するか否かを判定する。具体的には、再生判定部1248は、先ず、第1判定部122によって、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定されたかを確認する。第1判定部122によって、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定されたことを確認すると、再生判定部1248は、さらに、以下の処理を実行する。すなわち、再生判定部1248は、位置関係特定部1244によって特定された「乗員UeのBP位置と車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP」が、所定の条件を満たすかを判定する。例えば、再生判定部1248は、各時点における「相対的な位置関係RP」から特定される、係る「相対的な位置関係RP」の変化(経時的な変化)が、所定の条件を満たすかを判定する。そして、乗員UeのBP位置と車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP(係る相対的な位置関係RPの変化)が、所定の条件を満たすことを確認すると、再生判定部1248は、演奏音PSの再生を開始することを決定し、例えば、演奏音PSを再生することを決定する。
【0029】
再生判定部1248は、演奏動作特定部1246の判定の結果に基づいて、乗員UeのBP位置と車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP(係る相対的な位置関係RPの変化)が、所定の条件を満たすかを判定してもよい。例えば、再生判定部1248は、演奏動作特定部1246によって、乗員UeがBPを用いたジェスチャGT(演奏動作)を行なっていると判定されたかを確認する。そして、演奏動作特定部1246によって、乗員UeがBPを用いたジェスチャGTを行なっていると判定されたことを確認すると、再生判定部1248は、乗員UeのBP位置と車両1の部位PVとの相対的な位置関係RPが、所定の条件を満たすと判定してもよい。
【0030】
(BPの動きに応じた演奏音について)
演奏動作特定部1246によって、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTが、どのような種類のジェスチャGTであるか(演奏動作の種類)が特定された場合、再生判定部1248は、以下の処理を行なってもよい。すなわち、再生判定部1248は、特定されたジェスチャGT(演奏動作)の種類に対応する演奏音PSを再生することを決定してもよい。
【0031】
上述のとおり、第2判定部124(特に、演奏動作特定部1246)は、撮像画像CIに基づいて検出した「(各時点における)乗員UeのBPと部位PVとの相対的な位置関係RP」から、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの種類を特定してもよい。つまり、第2判定部124は、乗員Ueの少なくともBPの動き(位置(特に、車両1の部位PVに対する位置)の変化)を検出してもよく、特に、BPの動きの種類を特定してもよい。そして、第2判定部124(特に、再生判定部1248)は、演奏動作特定部1246によって特定されたジェスチャGT(演奏動作)の種類に対応する演奏音PSの再生の開始を判断してもよい。つまり、再生判定部1248によって再生(再生の開始)を判断される演奏音PSは、検出された「乗員Ueの少なくともBPの動き」に応じて変更されてもよい。第2判定部124は、BPの動き(の種類)に応じて、つまり、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGT(の種類)に応じて、再生すべき演奏音PSを変更してもよい。制御装置10は、乗員UeのBPの動き(の種類)に応じて、係る動きに対応する演奏音PSを再生することができる。特に、制御装置10は、乗員UeのBPの動き(位置の変化)を、車両1の部位PVとの関係において特定することで、BPの動き(の種類)を高精度に検出し、検出したBPの動きに対応する演奏音PSを再生することができる。演奏音PSは、例えば、乗員UeのBPと、車両1の部位PVとの接触形態ごとに、異なっていてもよい。
【0032】
(車両の部位に応じた演奏音について)
演奏動作特定部1246によって、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの対象である部位PV(楽器MI)が特定された場合、再生判定部1248は、特定された楽器MIの楽器音MSを、演奏音PSとして再生することを決定してもよい。
【0033】
上述のとおり、再生判定部1248は、乗員Ueの少なくともBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVと、の相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する。特に、本実施形態において、車両1の複数の部位PVのそれぞれには、複数種類の楽器MIのうちの一つ、または、複数種類の動物AMのうちの一つが対応付けられている。そこで、第2判定部124(特に、再生判定部1248)は、BP検出部1242によって検出された乗員Ueの少なくともBPと、車両1の複数の部位PVのうちの一つの部位PVと、の相対的な位置関係RPに基づいて、以下の判断を行なってもよい。すなわち、第2判定部124は、係る一つの部位PV(例えば、部位PV(x))に対応付けられた、楽器MI(x)(動物AM(x))の楽器音MS(x)(鳴き声CR(x))の再生の開始を判断してもよい。例えば、第2判定部124は、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの対象であると特定された部位PVに対応付けられた楽器MIの楽器音MSを、演奏音PSとして再生することを決定する。制御装置10は、車両1の部位PVに対応付けられた、特に、乗員UeのBPとの相対的な位置関係RPが判断される「車両1の部位PV」に対応付けられた、楽器MI(動物AM)の楽器音MS(鳴き声CR)の再生を開始するかを判断する。つまり、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて楽器MI(動物AM)に対する演奏操作(ジェスチャGT)を行なっているかを、係る楽器MIが予め対応付けられた部位PVと、乗員UeのBPとの相対的な位置関係RPに基づいて、判断する。そのため、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて楽器MI(動物AM)に対するジェスチャGTを行なっているかを、高精度に判断することができる。
【0034】
第1判定部122によって、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響する状態であると判定されたことを確認すると、再生判定部1248は、演奏音PSの再生を開始しないことを決定し、例えば、演奏音PSを再生しない。また、乗員UeのBP位置と車両1の部位PVとの相対的な位置関係RPが、所定の条件を満たさないことを確認すると、再生判定部1248は、演奏音PSの再生を開始しないことを決定し、例えば、演奏音PSを再生しない。例えば、演奏動作特定部1246によって、乗員UeがBPを用いたジェスチャGTを行なっていないと判定されたことを確認すると、再生判定部1248は、演奏音PSの再生を開始しないことを決定し、例えば、演奏音PSを再生しない。
【0035】
記憶部130は、メモリ・リソースの一例であり、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等で構成される。本実施形態では、記憶部130は、BP位置情報132、部位楽器対応情報136、位置変化演奏動作対応情報134などの各種情報を記憶する。
【0036】
BP位置情報132は、各乗員Ueの各BPの位置(各BP位置)を示す情報であり、例えば、各時点における各乗員Ueの各BP位置を示す情報である。BP位置情報132は、位置関係特定部1244によって、記憶部130に保存される(格納される)。
【0037】
位置変化演奏動作対応情報134は、「(複数の時点のそれぞれにおける)乗員UeのBPと車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP(の組合せ)」と、「乗員UeがBPを用いて行うジェスチャGT(演奏動作)」とを対応付ける情報である。言い換えれば、位置変化演奏動作対応情報134は、「相対的な位置関係RPの変化(経時的な変化)」と、「ジェスチャGT(演奏動作)」とを対応付ける情報である。例えば、位置変化演奏動作対応情報134において、複数種類の「相対的な位置関係RPの変化」のそれぞれに対して、複数種類のジェスチャGTのそれぞれが、予め対応付けられている。具体的には、位置変化演奏動作対応情報134において、或る「相対的な位置関係RPの変化」には、「叩く、弾く、踏む」種類のジェスチャGT(1)(演奏動作)が対応付けられていてもよい。また、別の「相対的な位置関係RPの変化」には、「こする」種類のジェスチャGT(2)が対応付けられていてもよい。以上の説明のとおり、位置変化演奏動作対応情報134は、「(複数の時点のそれぞれにおける)乗員UeのBPと車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP(の組合せ)」と、「(各種類の)ジェスチャGT」とを対応付けていてもよい。例えば、位置変化演奏動作対応情報134は、「連続する複数の時点のそれぞれの時点における、BPと部位PVとの距離(に係る条件)」の組合せと、「各種類のジェスチャGT」とを対応付けていてもよい。
【0038】
部位楽器対応情報136は、車両1の部位PVと、楽器MI(動物AM)とを対応付ける情報であり、例えば、少なくとも1つの部位PVと、少なくとも1つの楽器MI(動物AM)とを対応付ける情報である。本実施形態に係る部位楽器対応情報136において、複数の部位PVのそれぞれには、複数種類の楽器MIのうちの一つ、または、複数種類の動物AMのうちの一つが、予め対応付けられている。部位PVと楽器MIとの対応付けは、乗員Ueによって行なわれてもよいし、乗員Ue以外のヒトによって行なわれてもよいし、制御装置10、外部装置などの機器によって行なわれてもよい。また、部位PVと楽器MIとの対応付けは、所定のタイミングで(例えば、日替わりで)変更されてもよい。
【0039】
部位楽器対応情報136は、車両1の座席位置(または、乗員Ueの着座位置)ごとに、車両1の1つ以上の部位PVのそれぞれと、1つ以上の楽器MIのそれぞれとを対応付けてもよい。例えば、部位楽器対応情報136において各部位PVには、車両1の座席位置ごとに、各楽器MIまたは各動物AMが対応付けられていてもよい。例えば、部位楽器対応情報136において車両1の複数の部位PVは、座席位置ごとにグルーピングされていてもよく、グループごとに、部位PVに、特定の属性(種類)の楽器MI(動物AM)が対応付けられていてもよい。
【0040】
図3は、車両1の座席位置ごとに、部位PVと楽器MIとが対応付けられた例を示す。
図3に示す例では、車両1は、運転席(シートST(1))、助手席(シートST(2))、運転席の後の第1後部座席(シートST(3))、助手席の後の第2後部座席(シートST(4))を備え、各シートSTには、各グループGRが対応付けられている。
図3に示す例では、シートST(1)にはグループGR(1)が、シートST(2)にはグループGR(2)が、シートST(3)にはグループGR(3)が、シートST(4)にはグループGR(4)が、対応付けられている。部位楽器対応情報136は、グループGR(1)に属する(言い換えれば、グループGR(1)に対応する位置、領域に配置される)1つ以上の部位PVのそれぞれに、1つ以上の楽器MIのそれぞれを対応付けてもよい。部位楽器対応情報136は、グループGR(2)に属する1つ以上の部位PVのそれぞれに、1つ以上の楽器MIのそれぞれを対応付けてもよい。部位楽器対応情報136は、グループGR(3)、GR(4)のそれぞれに属する部位PVについても同様に、楽器MIを対応付けてもよい。
【0041】
部位楽器対応情報136は、各グループGRに属する部位PVに、別の種類(属性、種別)の楽器MIを対応付けてもよい。例えば、部位楽器対応情報136は、グループGR(3)に属する部位PV(3-x)にドラム(楽器MI(2))を、グループGR(4)に属する部位PV(4-y)にトランペット(楽器MI(3))を、対応付けてもよい。グループGR(シートST)ごとに、車両1の部位PVに対して特定の種類の楽器MIを対応付けた部位楽器対応情報136を用いることで、制御装置10は、以下の効果を実現する。すなわち、制御装置10は、例えば、車両1の複数の乗員Ueが、それぞれ、違和感を覚えることなく、共同して、楽器MIを演奏することを可能とする。
【0042】
部位楽器対応情報136は、複数のグループGRに属する部位PV(例えば、複数のグループGRのそれぞれに対応する領域が重複する場合、係る重複する領域に配置された部位PV)に対して、グループGRごとに、別の種類の楽器MIを対応付けてもよい。例えば、
図3に示す例では、グループGR(3)に対応する領域とグループGR(4)に対応する領域とは重複する。そこで、部位楽器対応情報136は、グループGR(3)とグループGR(4)とに重複して属する部位PV(例えば、シートST(3)とシートST(4)との間のアームレスト(部位PV(34)))に対して、以下のように楽器MIを対応付けてもよい。すなわち、部位楽器対応情報136は、シートST(3)については、部位PV(34)に対してドラムを、シートST(4)については、部位PV(34)に対してトランペットを、対応付けてもよい。部位楽器対応情報136は、シートST(3)に座る乗員Ue(3)については、部位PV(34)に対してドラムを、シートST(4)に座る乗員Ue(4)については、部位PV(34)に対してトランペットを、対応付けてもよい。部位楽器対応情報136において、同じ1つの部位PVであっても、シートST(シートSTに座る乗員Ue)ごとに、別の種類の楽器MIが対応付けられていることにより、制御装置10は、以下の効果を奏する。すなわち、制御装置10は、同じ1つの部位PVに対するジェスチャGT(演奏動作)であっても、シートST(シートSTに座る乗員Ue)ごとに、別の種類の楽器MIの楽器音MSを再生することができる。例えば、制御装置10は、シートST(3)とシートST(4)との間のアームレスト(部位PV(34))に対する、シートST(3)に座る乗員Ue(3)によるジェスチャGTに応じて、ドラムの楽器音(楽器音MS(2))を再生してもよい。また、制御装置10は、係るアームレストに対する、シートST(4)に座る乗員Ue(4)によるジェスチャGTに応じて、トランペットの楽器音(楽器音MS(3))を再生してもよい。
【0043】
部位楽器対応情報136は、車両1の各乗員Ueの識別情報IDごとに、車両1の1つ以上の部位PVのそれぞれと、1つ以上の楽器MIのそれぞれとを対応付けてもよい。例えば、部位楽器対応情報136は、識別情報IDごとに、乗員Ueの着座位置の周辺に配置された1つ以上の部位PVのそれぞれと、1つ以上の楽器MIのそれぞれとを対応付けてもよい。一例を挙げれば、部位楽器対応情報136は、ドラムの演奏が好きな乗員Ueの着座位置の周辺に配置された部位PVにはドラムを、トランペットの演奏が好きな乗員Ueの着座位置の周辺に配置された部位PVにはトランペットを、対応付けてもよい。上述のとおり、制御装置10(例えば、第2判定部124)は、車両1の1以上の乗員Ueのそれぞれの識別情報IDを取得してもよい。そこで、制御装置10は、取得した識別情報IDと、上述の部位楽器対応情報136とを用いて、各識別情報IDに対応する乗員Ueに、各識別情報IDに対応する楽器MIを演奏させてもよい。
【0044】
信号生成部140は、再生判定部1248によって、演奏音PSの再生を開始する(演奏音PSを再生する)と判定されると、再生する演奏音PSに対応する信号を生成する。送信部150は、信号生成部140によって生成された信号を、外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に送信して、演奏音PSを再生する。
【0045】
§3 動作例
図4は、本実施形態に係る制御装置10が実行する情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下で説明する処理手順は、演奏音PSを再生する処理をプロセッサ(例えば、制御装置10のCPU)に実行させる情報処理方法PMの一例である。ただし、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてよい。さらに、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、および追加が可能である。また、以下で説明する処理手順の実行主体は、例えば、制御装置10のCPUであるが、説明の簡略化のため、以下では「制御装置10のCPU」を「制御装置10」と略記する。
【0046】
(ステップS10)
ステップS10で制御装置10は、第1判定部122として動作し、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であるかを判定する。車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定すると(ステップS10でYes)、制御装置10はステップS20に進む。車両1のハンドルが車両1の挙動に影響する状態であると判定すると(ステップS10でNo)、制御装置10は、車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定するまで、ステップS10の判定を繰り返す。
【0047】
(ステップS20)
ステップS20で制御装置10は、第2判定部124として動作し、演奏音PSを再生可能な処理の実行を開始する。制御装置10は、ステップS10で「車両1のハンドルが車両1の挙動に影響しない状態である」と判定され、かつ、演奏音PSを再生可能な処理の実行を指示するユーザ操作を受け付けると、演奏音PSを再生可能な処理の実行を開始してもよい。係るユーザ操作は、車両1の乗員Ueによる所定のジェスチャGT(演奏音PSを再生可能な処理の実行を指示するジェスチャGT)であってもよい。
【0048】
(ステップS30)
ステップS30で制御装置10は、BP検出部1242として動作し、車両1の室内(車内)を三次元空間として連続的に撮像する撮像部110から、撮像部110により撮像された撮像画像CI(撮像データ)を取得する。そして、制御装置10は、撮像画像CIから、車両1の各乗員Ueの、少なくともBP(身体の一部)を検出する。
【0049】
(ステップS40)
ステップS40で制御装置10は、再生判定部1248として動作し、ステップS30で検出された乗員UeのBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVとの相対的な位置関係RPが、所定の条件を満たすかを判定する。乗員UeのBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVとの相対的な位置関係RPが、所定の条件を満たすと判定すると(ステップS40でYes)、制御装置10はステップS50に進む。乗員UeのBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVとの相対的な位置関係RPが、所定の条件を満たさないと判定すると(ステップS40でNo)、制御装置10はステップS10の判定に戻る。
【0050】
(ステップS50)
ステップS50で制御装置10は、送信部150として動作し、演奏音PSに対応する信号を外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に送信して、演奏音PSを再生する。制御装置10は、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGT(演奏動作)の種類を特定すると、特定した種類の演奏動作(ジェスチャGT)に対応する演奏音PSを再生してもよい。制御装置10は、乗員UeがBPを用いて行なっているジェスチャGTの対象である部位PV(楽器MI)を特定すると、特定した楽器MIの楽器音MSを、演奏音PSとして再生してもよい。
【0051】
<1. ジェスチャ(演奏動作)の種類の特定について>
上述のとおり、制御装置10(再生判定部1248)は、(各時点における)乗員UeのBPと車両1の部位PVとの相対的な位置関係RP(係る相対的な位置関係RPの変化)が、所定の条件を満たすかを確認し、演奏音PSの再生を開始するかを判定する。例えば、制御装置10は、或る「相対的な位置関係RPの変化」が、予め規定された複数種類のジェスチャGTの何れかに対応すると判定すると、演奏音PSの再生を開始することを決定する。つまり、或る「相対的な位置関係RPの変化」が、位置変化演奏動作対応情報134において複数種類のジェスチャGTのそれぞれに対して予め対応付けられた変化の何れかであると、制御装置10は、演奏音PSの再生を開始することを決定する。特に、制御装置10は、或る「相対的な位置関係RPの変化」に対応するジェスチャGTの種類を特定すると、特定したジェスチャGTの種類に対応する演奏音PSを再生する。以下に、制御装置10が実行する「乗員UeがBPを用いて行うジェスチャGTの種類を特定し、特定したジェスチャGTの種類に対応する演奏音PSを再生する」処理の例について、
図5~
図7を用いて説明する。
【0052】
<1.1. 叩く、弾く、踏むジェスチャ(演奏動作)>
図5の(A)は、
図6に例示するような「叩く、弾く、踏む」ジェスチャGT(1)を特定し、ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを再生する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図6は、車両1の乗員Ue(図示の例では、運転者(乗員Ue(1)))が手(BP(2))を用いて、「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっている例を示す。
図6において、BP位置(t=T0)は、第1の時点(t=T0)における乗員Ue(1)の手の位置を示し、特に、ハンドル(部位PV(4))を握る手の位置を示す。すなわち、BP位置(t=T0)は、ハンドルを把持する運転者の手の位置(BP位置)であるとともに、ハンドルの位置(部位PV(4)の位置)、特に、ハンドルの、把持されている部分の位置でもある。BP位置(t=T1)は、第1の時点よりも後の第2の時点(t=T1)における乗員Ue(1)の手の位置を示す。BP位置(t=T2)は、第2の時点よりも後の第3の時点(t=T2)における乗員Ue(1)の手の位置を示す。
【0054】
図6に例示するように、「叩く」ジェスチャGT(1)において乗員Ueは、BPと、車両1の部位PV(図示の例ではハンドル)との間の距離(相対距離)を、先ず、大きくし、例えば、両者の距離を閾値TH(1)よりも大きくする。図示の例では、乗員Ueは、BPの位置を、BP位置(t=T0)からBP位置(t=T1)へと変化させており、つまり、BPを部位PVから離している。次に、乗員Ueは、いったん大きくした「BPと部位PVとの間の距離」を小さくし、例えば、両者の距離を閾値TH(2)よりも小さくする。図示の例では、乗員Ueは、BPの位置を、BP位置(t=T1)からBP位置(t=T2)へと変化させており、つまり、BPを部位PVに近付けている(例えば、BPを部位PVに衝突させている)。図示の例では、閾値TH(1)は閾値TH(2)よりも大きい。閾値TH(1)を閾値TH(2)よりも大きくすることで、BPで部位PVを「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっているかを、精緻に判定することができる。
【0055】
係る「BPと部位PVとの相対的な位置関係RP(の変化)」を検出すると、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっていると特定し、ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを再生する。具体的には、制御装置10は、以下のステップS110~S160を実行することで、「叩く」ジェスチャGT(1)を特定し、特定したジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを再生する。
【0056】
(ステップS110~S130)
ステップS110、S120、S130は、それぞれ、
図4を用いて説明したステップS10、S20、S30のそれぞれと同様であるから、詳細は略記する。
【0057】
(ステップS140)
ステップS140で制御装置10は、演奏動作特定部1246として動作し、ステップS130で検出された乗員UeのBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVとの相対距離(相対的な位置関係RPの一例)について、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、或る時点(例えば、
図6における第2の時点(t=T1))での、乗員UeのBPと車両1の部位PVとの距離が、第1距離(例えば、
図6の閾値TH(1))よりも大きいかを判定する。両者の距離が第1距離よりも大きいと(ステップS140でYes)、制御装置10は、乗員UeがBPを部位PVから離したと判定し、ステップS150に進む。両者の距離が第1距離以下であると(ステップS140でNo)、制御装置10はステップS110の判定に戻る。
【0058】
(ステップS150)
ステップS150で制御装置10は、演奏動作特定部1246として動作し、乗員UeのBPと、車両1の部位PVとの相対距離について、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、次の時点(例えば、
図6における第3の時点(t=T2))での、乗員UeのBPと車両1の部位PVとの距離が、第2距離(例えば、
図6の閾値TH(2))よりも小さいかを判定する。両者の距離が第2距離よりも小さいと(ステップS150でYes)、制御装置10は、乗員UeがBPを部位PVに近付けた(衝突させた)と判定し、
図6に例示するような「叩く」ジェスチャGT(1)を特定し、ステップS160に進む。両者の距離が第2距離以上であると(ステップS150でNo)、制御装置10はステップS110の判定に戻る。
【0059】
(ステップS160)
ステップS160で制御装置10は、ステップS150で特定された「叩く」ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを、外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に再生させる。
【0060】
これまでに説明してきたように、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて、BPが接していた(例えば、把持していた)部位PVを、打楽器のように「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっていることを特定すると、演奏音PSの再生開始を判断する。例えば、制御装置10は、「叩く」ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを再生することを決定する。一例を挙げれば、制御装置10は、車両1の部位PVと、乗員UeのBP(例えば、手または足の少なくとも一部)との相対的な距離が増加したのちに、所定値を下回ったと判断すると、乗員Ueが係るBPを用いて「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっていると判定する。そして、制御装置10は、「叩く」ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSの再生を開始するかを判断する。制御装置10は、乗員UeのBPとして、乗員Ueの各指を検出し、各指による「叩く」ジェスチャGT(1)を特定してもよい。制御装置10は、各指にそれぞれ異なる演奏音PS(音階)を割り当ててもよく、例えば、親指から小指までのそれぞれの指にド、レ、ミ、・・・を割り当てたり、和音(C、D、E、F、・・・)を割り当てたりしてもよい。制御装置10は、乗員UeのBPと、車両1の部位PVとの相対距離の変化の大きさ、変化の速度、加速度などに応じて、演奏音PSの再生方法を変更してもよい。例えば、BPの位置を大きく移動させたり(例えば、車両1の部位PVから大きく離したり)、相対距離の変化の速度を上げたり(つまり、素早く叩いたり)するジェスチャGTがあると、制御装置10は、再生する演奏音PSの音量を大きくしてもよい。また、制御装置10は、BP(BPの種類)に応じて、「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっているかを判定する条件(閾値TH)を変更してもよい。例えば、指(BP(1))について判定する際に用いる閾値THは、手(BP(2))について判定する際に用いる閾値THよりも小さくてもよい。手について判定する際に用いる閾値THは、足(BP(4))について判定する際に用いる閾値THよりも小さくてもよい。BPを用いてジェスチャGTを行なっているかを判定する際に用いる条件(閾値TH)を、BPの種類に応じて変更することで、制御装置10は、BPの種類に応じて適切に、BPを用いてジェスチャGTを行なっているかを判定することができる。同様に、制御装置10は、ジェスチャGTを行なっているかを判定する際に用いる条件(閾値TH)を、車両1の部位PV(部位PVの種類)に応じて、変更してもよい。
【0061】
<1.2. こするジェスチャ(演奏動作)>
図5の(B)は、
図7に例示するような「こする」ジェスチャGT(2)を特定し、ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを再生する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図7は、車両1の乗員Ue(図示の例では、運転者(乗員Ue(1)))が手(BP(2))を用いて、「こする」ジェスチャGT(2)を行なっている例を示す。
図7において、BP位置(t=T0)は、第1の時点(t=T0)における乗員Ue(1)の手の位置を示し、特に、ハンドル(部位PV(4))を握る手の位置を示し、
図6を用いて説明したBP位置(t=T0)と同様である。係る「乗員Ueの手の位置」は、乗員Ueの手の代表座標であってもよい。BP位置(t=T1)は、第1の時点よりも後の第2の時点(t=T1)における乗員Ue(1)の手の位置を示す。BP位置(t=T2)は、第2の時点よりも後の第3の時点(t=T2)における乗員Ue(1)の手の位置を示す。
【0063】
図7に例示するように、「こする」ジェスチャGT(2)において乗員Ueは、BPと、車両1の部位PV(図示の例ではハンドル)との間の距離(例えば、ハンドルの軸方向における距離)を小さく保ちつつ、BPの位置を変化させ続ける。すなわち、「こする」ジェスチャGT(2)において乗員Ueは、BPを、部位PVに沿って動かし、例えば、BPと部位PVとの距離を閾値TH(3)(不図示)よりも小さな状態に維持したまま、BPを動かす。図示の例では、乗員Ueは、BPの位置を、部位PVとの距離を閾値TH(3)よりも小さな状態に維持したまま、BP位置(t=T0)からBP位置(t=T1)へ、さらに、BP位置(t=T1)からBP位置(t=T2)へと変化させている。
【0064】
係る「BPと部位PVとの相対的な位置関係RP(の変化)」を検出すると、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて「こする」ジェスチャGT(2)を行なっていると特定し、ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを再生する。具体的には、制御装置10は、以下のステップS210~S250を実行することで、「こする」ジェスチャGT(2)を特定し、特定したジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを再生する。
【0065】
(ステップS210~S230)
ステップS210、S220、S230は、それぞれ、
図4を用いて説明したステップS10、S20、S30のそれぞれと同様であるから、詳細は略記する。
【0066】
(ステップS240)
ステップS240で制御装置10は、演奏動作特定部1246として動作し、ステップS230で検出された乗員UeのBPについて、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、乗員UeのBPと車両1の部位PVとの距離が第3距離(例えば、上述の閾値TH(3))よりも小さく、かつ、BPの位置が変化を続けているかを判定する。「乗員UeのBPと車両1の部位PVとの距離が第3距離よりも小さい」とは、例えば、「BPと部位PVとが接触している」といった状態を示していてもよい。BPと部位PVとの距離が第3距離よりも小さく、かつ、BPの位置が変化を続けていると(ステップS240でYes)、制御装置10は、「乗員Ueが、BPを部位PVに接触させたまま(または、部位PVに沿って)、BPを移動させている」と判定する。つまり、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて、
図7に例示するような「こする」ジェスチャGT(2)を行なっていると判定し(乗員UeがBPを用いて行なっているのが「こする」ジェスチャGT(2)であることを特定し)、ステップS250に進む。乗員UeのBPと車両1の部位PVとの距離が第3距離以上であると、または、BPの位置が変化を続けていないと(ステップS240でNo)、制御装置10はステップS210の判定に戻る。
【0067】
(ステップS250)
ステップS250で制御装置10は、ステップS240で特定された「こする」ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを、外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に再生させる。
【0068】
これまでに説明してきたように、制御装置10は、乗員UeがBPを用いて、BPが接していた(例えば、把持していた)部位PVを「こする」ジェスチャGT(2)を行なっていることを特定すると、演奏音PSの再生開始を判断する。例えば、制御装置10は、「こする」ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを再生することを決定する。一例を挙げれば、制御装置10は、車両1の部位PVと、乗員UeのBP(例えば、手または足の少なくとも一部)との間の距離が所定値以下であり(例えば、両者が接触しており)、かつ、BPの位置が変化を続けているかを判定する。制御装置10は、部位PVと乗員UeのBPとの間の距離が所定値以下であり、かつ、BPの位置が変化を続けている間は、「こする」ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSの再生を継続してもよい。制御装置10は、乗員UeのBPと、車両1の部位PVとの相対距離の変化の大きさ、変化の速度、加速度などに応じて、演奏音PSの再生方法を変更してもよい。例えば、BPの位置の変化が速い(つまり、素早く「こする」ジェスチャGT(2)がある)と、制御装置10は、再生する演奏音PSの音階を高くしてもよい。
【0069】
<2. 位置変化の速度、加速度等に基づくジェスチャ(演奏動作)の検出について>
制御装置10は、「BPと部位PVとの相対的な位置関係RP」の変化の速度、加速度等が所定の条件を満たすと、演奏音PSの再生の開始を判断してもよい。例えば、制御装置10は、一般ユーザ(運転者以外の乗員Ue)について、BPと部位PVとの位置関係の変化の速度(加速度)が所定の条件を満たすと、演奏音PSの再生の開始を判断してもよい。具体的には、制御装置10は、一般ユーザについて、BPと部位PVとの距離が所定値以下、かつ、BPが部位PVに接近する方向の速度(または加速度)、または速度(または加速度)の変化が所定値より大きいと、演奏音PSの再生の開始を判断してもよい。以下に
図8を用いて、一般ユーザについて、BPの(部位PVに対する)位置変化の速度、加速度等に基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する制御装置10の処理の一例を説明する。
図8は、制御装置10が、一般ユーザについて実行する、「BPの位置変化の加速度に基づいて演奏音PSの再生の開始を判断する」処理の、処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0070】
(ステップS310~S330)
ステップS310、S320、S330は、それぞれ、
図4を用いて説明したステップS10、S20、S30のそれぞれと同様であるから、詳細は略記する。
【0071】
(ステップS340)
ステップS340で制御装置10は、再生判定部1248として動作し、ステップS330で検出された乗員Ue(例えば、一般ユーザ)のBPについて、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、乗員UeのBPの位置の変化(部位PVに対する位置の変化)の加速度(単位時間当たりの加速度)の変化が第4基準値(閾値TH(4))よりも大きいかを判定する。「BPの位置変化の加速度の変化が第4基準値よりも大きい」とは、例えば、「BPが急に早く動き出した」、「BPが急停止した」といった事態を示していてもよい。BPの位置変化の加速度の変化が第4基準値よりも大きいと(ステップS340でYes)、制御装置10は、ステップS350に進む。BPの位置変化の加速度の変化が第4基準値以下であると(ステップS340でNo)、制御装置10はステップS310の判定に戻る。
【0072】
(ステップS350)
ステップS350で制御装置10は、演奏音PSを、外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に再生させる。
【0073】
<3. 運転者によるジェスチャ(演奏動作)について>
制御装置10は、乗員Ueのうち運転者(乗員Ue(1))については、BPを用いて行うジェスチャGTの種類を、
図9-
図10に例示する処理により特定し、特定したジェスチャGTの種類に対応する演奏音PSを再生してもよい。特に、制御装置10は、
図9-
図10に例示する処理により、運転者のBPと、運転部位DPV(例えば、ハンドル(部位PV(4))、シフトレバー(部位PV(5))など)との相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断してもよい。
図9-
図10は、それぞれ、運転部位DPVのうちハンドルと、運転者のBP(手、または指)との相対的な位置関係RP(係る相対的な位置関係RPの変化)に基づいて、演奏音PSの再生を開始するかを判断する処理について、その処理手順の例を示す。
【0074】
<3.1. 運転者による、叩く、弾く、踏むジェスチャ(演奏動作)>
図9は、運転者がBPを用いて行う「叩く、弾く、踏む」ジェスチャGT(1)を特定し、ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを再生する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0075】
(ステップS410~S430)
ステップS410、S420、S430は、それぞれ、
図4を用いて説明したステップS10、S20、S30のそれぞれと同様であるから、詳細は略記する。例えば、ステップS430で制御装置10(BP検出部1242)は、撮像画像CIから、運転者(乗員Ue(1))の手(BP(2))を検出する。制御装置10は、撮像画像CIから、運転者の指(BP(1))を検出してもよい。
【0076】
(ステップS440)
ステップS440で制御装置10は、位置関係特定部1244として動作し、運転者がハンドルを把持している場合、ハンドルの把持位置を検出し、基準位置として記録する。上述のとおり、制御装置10(位置関係特定部1244)は、各時点における各乗員Ueの各BPの位置(各BP位置)を、記憶部130に、BP位置情報132として保存する。そこで、制御装置10は、「或る時点において、運転者がハンドルを把持している」と判定すると、係る或る時点における手の位置(把持位置)を、基準位置として、BP位置情報132に記録する。例えば、制御装置10は、
図6のBP位置(t=T0)を基準位置として記録する。
【0077】
(ステップS450)
ステップS450で制御装置10は、演奏動作特定部1246として動作し、次の時点(ハンドルを把持していると判定した時点よりも後の時点。例えば、
図6における第2の時点(t=T1))における運転者の手の位置について、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、次の時点における運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第5距離(例えば、
図6の閾値TH(1))より大きいかを判定する。
図6に即して説明すれば、制御装置10は、第1の時点よりも後の第2の時点(t=T1)における運転者の手の位置(BP位置(t=T1))と、基準位置(BP位置(t=T0))との距離が、第5距離より大きいかを判定する。両者の距離が第5距離よりも大きいと(ステップS450でYes)、制御装置10は、ステップS460に進む。両者の距離が第5距離以下であると(ステップS450でNo)、制御装置10はステップS410の判定に戻る。
【0078】
(ステップS460)
ステップS460で制御装置10は、さらに後の時点(運転者の手の位置と基準位置との距離が第5距離より大きいと判定した時点よりも後の時点。例えば、
図6における第3の時点(t=T2))における運転者の手の位置について、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、さらに後の時点における運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第6距離(例えば、
図6の閾値TH(2))より小さいかを判定する。
図6に即して説明すれば、制御装置10は、第2の時点よりも後の第3の時点(t=T2)における運転者の手の位置(BP位置(t=T2))と、基準位置(BP位置(t=T0))との距離が、第6距離より小さいかを判定する。両者の距離が第6距離よりも小さいと(ステップS460でYes)、制御装置10は、運転者が手を用いて「叩く」ジェスチャGT(1)を行なったと判定し、ステップS470に進む。つまり、両者の距離が第6距離よりも小さいと、制御装置10は、運転者が手を用いて行なっているのが「叩く」ジェスチャGT(1)であることを特定し、ステップS470に進む。両者の距離が第6距離以上であると(ステップS460でNo)、制御装置10はステップS410の判定に戻る。
【0079】
(ステップS470)
ステップS470で制御装置10は、ステップS460で特定された「叩く」ジェスチャGT(1)に対応する演奏音PSを、外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に再生させる。
【0080】
<3.2. 運転者による、こするジェスチャ(演奏動作)>
図10は、運転者がBPを用いて行う「こする」ジェスチャGT(2)を特定し、ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを再生する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0081】
(ステップS510~S540)
ステップS510、S520、S530、S540は、それぞれ、
図9を用いて説明したステップS410、S420、S430、S440のそれぞれと同様であるから、詳細は略記する。
【0082】
(ステップS550)
ステップS550で制御装置10は、演奏動作特定部1246として動作し、次の時点(ハンドルを把持していると判定した時点よりも後の時点。例えば、
図7における第2の時点(t=T1))における運転者の手の位置について、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、次の時点における運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第7距離(例えば、閾値TH(3))より大きいかを判定する。
図7に即して説明すれば、制御装置10は、第1の時点よりも後の第2の時点(t=T1)における運転者の手の位置(BP位置(t=T1))と、基準位置(BP位置(t=T0))との距離が、第7距離より大きいかを判定する。両者の距離が第7距離よりも大きいと(ステップS550でYes)、制御装置10は、運転者がハンドルを把持する位置を変えたと判定し、ステップS560に進む。両者の距離が第7距離以下であると(ステップS550でNo)、制御装置10はステップS510の判定に戻る。
【0083】
(ステップS560)
ステップS560で制御装置10は、さらに後の時点(運転者の手の位置と基準位置との距離が第7距離より大きいと判定した時点よりも後の時点。例えば、
図7における第3の時点(t=T2))における運転者の手の位置について、以下の判定を行なう。すなわち、制御装置10は、さらに後の時点における運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第8距離(例えば、上述の閾値TH(2))より小さく、かつ、ハンドル全体との相対距離の最小値が第8距離より小さいかを判定する。「さらに後の時点における運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第8距離よりも小さい」とは、例えば、「運転者がハンドルの把持位置を戻した」といった状態を示していてもよい。「さらに後の時点における運転者の手の位置と、ハンドル全体との相対距離の最小値が第8距離より小さい」とは、例えば、「運転者が、ハンドルに接触したまま、または、ハンドルに沿って、手を移動させた」といった状態を示していてもよい。
図7に即して説明すれば、制御装置10は、第2の時点よりも後の第3の時点(t=T2)における運転者の手の位置(BP位置(t=T2))と、基準位置(BP位置(t=T0))との距離が、第8距離よりも小さいかを判定する。また、制御装置10は、第3の時点における運転者の手の位置(BP位置(t=T2))と、ハンドル全体の位置との距離が、第8距離よりも小さいかを判定する。運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第8距離より小さく、かつ、ハンドル全体との相対距離の最小値が第8距離より小さいと(ステップS560でYes)、制御装置10は、「こする」ジェスチャGT(2)が行なわれていると判定する。すなわち、運転者が、手をハンドルに接触させたまま(または、ハンドルに沿って)、手を移動させていると、制御装置10は、運転者が手でハンドルを「こする」ジェスチャGT(2)を行なっていると判定し(特定し)、ステップS570に進む。運転者の手の位置と、直近の基準位置との相対距離が、第8距離以上であると、または、運転者の手の位置と、ハンドル全体との相対距離の最小値が第8距離以上であると(ステップS560でNo)、制御装置10はステップS510の判定に戻る。
【0084】
(ステップS570)
ステップS570で制御装置10は、ステップS560で特定された「こする」ジェスチャGT(2)に対応する演奏音PSを、外部装置(スピーカなどの音声出力装置)に再生させる。
【0085】
以上のとおり、制御装置10は、乗員Ueのうち運転者については、BPと車両1の部位PV(特に、運転部位DPV)との相対的な位置関係RPについて、
図9-
図10に例示した処理を行なうことで、演奏音PSの再生を開始するかを判断してもよい。すなわち、制御装置10は、先ず、運転部位DPVの少なくとも一部を乗員Ue(運転者)の手が把持している位置(運転部位DPVを把持している乗員Ueの手の位置)を、言い換えれば、運転部位DPVの、乗員Ueによって把持されている部分の位置を、特定する。そして、制御装置10は、或る時点において乗員Ue(運転者)の手が運転部位DPVを把持していないと判断すると、係る或る時点よりも前の時点で、乗員Ueの手が運転部位DPVを最後に把持していた位置を基準位置として記録する。
図6の例で制御装置10は、第2の時点(t=T1)で運転者がハンドルを把持していないと判断すると、第1の時点(t=T0)における乗員Ue(1)の手(BP(2))の位置(BP位置(t=T0))を、基準位置としてBP位置情報132に記録する。制御装置10は、記録した基準位置と、乗員Ue(運転者)の手と、の相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する。つまり、制御装置10は、運転部位DPVの、運転者によって把持されていた部分の位置(基準位置)と、運転者の手と、の相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する。
【0086】
乗員Ueのうち運転者については、運転部位DPV(例えば、ハンドル(部位PV(4))、シフトレバー(部位PV(5))など)から大きく手を放すジェスチャGT(演奏動作)が制約されることがある。そこで、制御装置10は、係る制約を受ける運転者について、手を用いたジェスチャGTを行なっているかを精緻に判定する(手を用いて行なっているジェスチャGTの種類を精緻に特定する)ために、基準位置を利用する。例えば、制御装置10は、基準位置(つまり、運転部位DPVの、運転者によって把持されていた部分の位置)と、各時点における運転者の手との相対的な位置関係RPに基づくことで、運転者が手を用いたジェスチャGTを行なっているかを精緻に判定することができる。
【0087】
図6、
図7に例示するように、運転部位DPVは、例えばハンドル(部位PV(4))である。ハンドルの、運転者によって把持されていた部分の位置(基準位置)と、運転者の手(BP)と、の相対的な位置関係RPは、例えば、ハンドルの回転軸の方向、および、係る回転軸に直交する径方向の少なくとも一方における、両者の間の距離であってもよい。具体的には、ハンドルの回転軸の方向における、基準位置と、各時点における運転者の手との距離に基づくことで、制御装置10は、運転者が手を用いて「叩く」ジェスチャGT(1)を行なっているかを精緻に判定することができる。また、ハンドルの回転軸の方向における、基準位置と、各時点における運転者の手との距離が所定値以下で、かつ、径方向において両者の距離が変化する場合、制御装置10は、運転者が手を用いて「こする」ジェスチャGT(2)を行なっていると、精緻に特定することができる。
【0088】
<4. 制御装置の利用方法>
図11は、制御装置10が乗員Ueに提供するサービスの例を示す。制御装置10が乗員Ueに、「音楽で遊ぶ」サービスを提供してもよい。制御装置10は、車両1の室内(車内)における複数の乗員Ueのそれぞれについて、BPを用いて行なっているジェスチャGTを特定し、各ジェスチャGTに対応する演奏音PSを、例えば同時に、再生してもよい。係る制御装置10の処理により、複数の乗員Ueは、車両1の車内で演奏セッションを楽しむことができる。制御装置10は、或る車両1(車両1(x))で再生している演奏音PSを、ネットワーク経由で別の車両1(車両1(y))に送信するなどして、複数の車両1で、演奏音PSを共有できるようにしてもよい(みんなでセッション)。
【0089】
上述のとおり、部位楽器対応情報136における、車両1の部位PVと、楽器MIとの対応付けは、所定のタイミングで(例えば、日替わりで)変更されてもよい。係る変更を利用して、制御装置10は、乗員Ueに、例えば、
図11の(A)に例示する日替わりの「音源(楽器MI)探し」のようなサービスを提供してもよい。例えば、家族で、宝探しのように、車内のどこか(車両1の何れかの部位PV)に触ると、日替わりで、いろいろな演奏音PSがするように、制御装置10は、車両1の部位PVと、楽器MIとの対応付けを変更してもよい。
図11の(A)に示す例では、何らかの楽器MIを、ドライバーズシートの背面(部位PV)に予め対応付けておくことで、係る楽器MIを探す子供が、ドライバーズシートの背面に触れることで、係る楽器MIの楽器音MSが再生されている。
【0090】
制御装置10は、乗員Ueの車内でのエクササイズをサポートするサービスを提供してもよい。例えば、制御装置10は、車両1の駐車中に、エクササイズ(例えば、
図11の(B)に例示する、JAF(登録商標)が紹介している「座ってできるドライビングストレッチ」)を促す音声を、車内に流してもよい。そして、制御装置10は、乗員Ueによるストレッチの動き(ジェスチャGT)に合わせて、演奏音PSを再生してもよい。
【0091】
[特徴]
以上のとおり、本実施形態に係る制御装置10は、第1判定部122と、撮像部110と、第2判定部124と、を備える。第1判定部122は、ハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であるかを判定する。撮像部110は、車両1の室内(車内)を三次元空間として連続的に撮像する。第2判定部124は、複数種類の楽器MIのそれぞれの楽器音MS、および、複数種類の動物AMのそれぞれの鳴き声CRの少なくとも一方を含む、演奏音PSの再生の開始を判断する。第2判定部124は、撮像部110によって撮像された撮像画像CIに基づいて、車両1の乗員Ueの少なくともBPを検出し、つまり、乗員Ueの身体の少なくとも一部を検出する。また、第2判定部124は、第1判定部122によって、ハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定されると、以下の判断を行なう。すなわち、第2判定部124は、検出した乗員UeのBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVと、の相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する。
【0092】
また、本実施形態に係る情報処理方法PMは、上述の演奏音PSを再生する処理をプロセッサ(例えば、制御装置10のCPU)に実行させる情報処理方法である。係るプロセッサは、ハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であるかを判定する(ステップS10)。また、プロセッサは、撮像部110から、撮像部110により撮像された撮像画像CIを取得し、撮像画像CIに基づいて、車両1の乗員Ueの少なくともBPを検出する(ステップS30)。そして、プロセッサは、ハンドルが車両1の挙動に影響しない状態であると判定すると(ステップS10でYes)、検出した乗員UeのBPと、車両1の少なくとも一部の部位PVと、の相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する(ステップS40)。
【0093】
そのため、制御装置10(情報処理方法PM)は、車両1の乗員UeによるジェスチャGTと、車両1の車内で再生させる演奏音PSとを、乗員Ueに違和感を覚えさせることなく両立させることができる。特に、制御装置10(情報処理方法PM)は、単なるジェスチャではなく、乗員UeのBPと、車両1の部位PVとの相対的な位置関係RPに基づいて、演奏音PSの再生の開始を判断する。そのため、乗員Ueは、車両1の部位PVが楽器MIに相当する機能をもつ(部位PVに楽器MIが対応付けられている)と認識することができ、乗員Ueは、車両1の車内で、違和感なく演奏することができる。
【0094】
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良又は変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0095】
1…車両、10…制御装置、110…撮像部、122…第1判定部、
124…第2判定部、AM…動物、BP…ボディパーツ(身体の一部)、
CI…撮像画像、CR…鳴き声、DPV…運転部位、GT…ジェスチャ(動き)、
MI…楽器、MS…楽器音、PS…演奏音、PR…相対的な位置関係、
PV…車両の部位、Ue…乗員