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特開2025-11436墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011436
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250117BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113551
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】523263382
【氏名又は名称】齋藤 久武
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 久武
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】寺院とユーザとのコミュニケーションに資し、寺院に収益をもたらし、本格的な墓参りを提供可能な墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法を提供する。
【解決手段】ユーザ端末と寺院端末とサーバとがネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムであり、ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する案内提供部と、ユーザ端末から、墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける受付部と、予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、墓参りアクセス情報をユーザ端末に提供するユーザ情報提供部と、予約日時情報と墓参りアクセス情報とを寺院端末に提供する寺院情報提供部と、を備える。寺院端末及びユーザ端末が墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、寺院端末が僧侶の墓参り映像と僧侶の読経の音声とをネットワークを介してユーザ端末にリアルタイム配信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムであって、
前記墓参りシステムは、
前記ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する案内提供部と、
前記ユーザ端末から、墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける受付部と、
前記予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、
前記墓参りアクセス情報を前記ユーザ端末に提供する第1情報提供部と、
前記予約日時情報と前記墓参りアクセス情報とを前記寺院端末に提供する第2情報提供部と、を備え、
前記ユーザ端末及び前記寺院端末が前記予約日時情報にしたがって前記墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、前記寺院端末が、前記寺院端末の前記カメラで撮影している僧侶の墓参り映像と前記寺院端末の前記マイクによる僧侶の読経の音声とを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末にリアルタイム配信する、墓参りシステム。
【請求項2】
前記決済情報は、決済金額を含み、前記決済金額は、寺院が予め設定した金額から選択される、請求項1に記載の墓参りシステム。
【請求項3】
前記第2情報提供部は、情報記憶部から墓の場所に関する位置情報を取得し、前記位置情報を前記寺院端末に提供する、請求項1に記載の墓参りシステム。
【請求項4】
前記案内提供部は、情報記憶部から墓参り月日情報を取得し、前記墓参り月日情報に基づいて前記ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する、請求項1に記載の墓参りシステム。
【請求項5】
前記情報記憶部は、前記墓参り月日情報として命日情報を含み、前記案内提供部は、前記命日情報に基づき命日から所定期間前に前記ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する、請求項4に記載の墓参りシステム。
【請求項6】
前記案内提供部は、前記情報記憶部から過去の墓参り実施年月日情報を取得し、前記墓参り月日情報と前記墓参り実施年月日情報とに基づいて前記ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する、請求項4に記載の墓参りシステム。
【請求項7】
ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムによる墓参りサービス提供方法であって、
前記墓参りシステムに、
前記ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する案内提供ステップと、
前記ユーザ端末から、墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける受付ステップと、
前記予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成ステップと、
前記墓参りアクセス情報を前記ユーザ端末に提供するユーザ情報提供ステップと、
前記予約日時情報と前記墓参りアクセス情報とを前記寺院端末に提供する寺院情報提供ステップと、を実行させ、
前記ユーザ端末及び前記寺院端末が前記予約日時情報にしたがって前記墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、前記寺院端末が、前記寺院端末の前記カメラで撮影している僧侶の墓参り映像と前記寺院端末の前記マイクによる僧侶の読経の音声とを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末にリアルタイム配信する、墓参りサービス提供方法。
【請求項8】
ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムであって、
前記墓参りシステムは、
前記ユーザ端末に予め設定した所定の日時の墓参りの案内を提供する案内提供部と、
前記ユーザ端末から、登録情報及び決済情報を受け付ける受付部と、
前記登録情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、
前記墓参りアクセス情報を前記ユーザ端末に提供する第1情報提供部と、
前記墓参りアクセス情報を前記寺院端末に提供する第2情報提供部と、を備え、
前記ユーザ端末及び前記寺院端末が前記予約情報にしたがって前記墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、前記寺院端末が、前記寺院端末の前記カメラで撮影している僧侶の墓参り映像と前記寺院端末の前記マイクによる僧侶の読経の音声とを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末にリアルタイム配信する、墓参りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを利用して提供される墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
元来、仏教では、命日、月命日、盆、春の彼岸、秋の彼岸等に墓参りをする慣習がある。しかしながら、地方の過疎化や高齢化等により、また、コロナ禍を経て、遠隔地に出向いて定期的に墓参りをする慣習が失われつつある。
【0003】
墓参りに関して、例えば特許文献1は、別の場所で墓参りに参加するユーザに墓参り代行サービスの映像をリアルタイムで配信する墓参代行システムを開示している。例えば特許文献2は、代行業者を通して菩提寺の僧侶による読経を依頼し、その読経の様子を音声および画像にて檀徒側端末で事後的に看取可能な参拝サービスシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-126531号公報
【特許文献2】特開2007-102597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地方の過疎化や高齢化等が進むと、檀家が減少し、檀家からの収入に頼っている寺院は経済的に立ち行かなくなることが懸念される。寺院は、定期的な墓参りの慣習をできる限り維持し、檀家(ユーザ)と良好な関係を保つことを望んでいる。ユーザにとっても、先祖供養は重要な文化風習であり、遠隔地からの本格的な墓参りのニーズがある。
【0006】
また、既存の檀家以外に対しても、例えば著名人の命日等に有償の墓参りイベントを広く一般に提供することなどできれば、寺院の収益につなげられる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、寺院とユーザとのコミュニケーションに資し、寺院に収益をもたらし、本格的な墓参りを提供可能な墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、
ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムであって、
前記墓参りシステムは、
前記ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する案内提供部と、
前記ユーザ端末から、墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける受付部と、
前記予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、
前記墓参りアクセス情報を前記ユーザ端末に提供する第1情報提供部と、
前記予約日時情報と前記墓参りアクセス情報とを前記寺院端末に提供する第2情報提供部と、を備え、
前記ユーザ端末及び前記寺院端末が前記予約日時情報にしたがって前記墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、前記寺院端末が、前記寺院端末の前記カメラで撮影している僧侶の墓参り映像と前記寺院端末の前記マイクによる僧侶の読経の音声とを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末にリアルタイム配信する、墓参りシステムである。
また、本発明の一実施形態は、上記墓参りシステムによる墓参りサービス提供方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、寺院とユーザとのコミュニケーションに資し、寺院に収益をもたらし、本格的な墓参りを提供可能な墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、墓参りシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、ユーザ端末及び寺院端末の構成の一例を示す図である。
図3図3は、サーバの構成の一例を示す図である。
図4図4は、墓参りシステムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図5は、寺院アカウントの設定の一例を示す図である。
図6図6は、ユーザアカウントの設定の一例を示す図である。
図7図7は、檀家データベースの一例を示す図である。
図8図8は、墓参りシステムによる墓参りサービス(墓参りの予約)の一例を示す図である。
図9図9は、墓参りシステムによる墓参りサービス(墓参りの予約案内)に関するサーバの処理のフローチャートの一例である。
図10図10は、墓参りシステムによる墓参りサービス(墓参りの予約)に関するユーザ端末の処理のフローチャートの一例である。
図11図11は、墓参りシステムによる墓参りサービス(墓参りの予約)に関するサーバの処理のフローチャートの一例である。
図12図12は、墓参りシステムによる墓参りサービス(オンライン墓参りの提供)に関するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態に係る墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法について説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態に係る墓参りシステム1の構成の一例を示す図である。墓参りシステム1は、少なくとも1つのユーザ端末10と、少なくとも1つの寺院端末20と、ユーザ端末10と寺院端末20とにインターネット等のネットワーク40を介して通信可能に接続されるサーバ30と、を備える。寺院端末20は、カメラ21と、マイク22と、を備える。カメラ21及びマイク22は、寺院端末20と一体であっても外付けであってもよい。
【0013】
図2は、ユーザ端末10及び寺院端末20の構成の一例を示す図である。ユーザ端末10又は寺院端末20は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、入力インタフェース14と、出力インタフェース15と、通信インタフェース16と、を備える。プロセッサ11は、例えばCPUであり、端末の各構成部の各種動作を制御する。CPU以外のプロセッサが用いられてもよい。メモリ12は、端末の各種動作を実行するためのプログラム等を記憶する記憶装置である。ストレージ13は、各種データの記憶に用いられる記憶装置である。入力インタフェース14、出力インタフェース15及び通信インタフェース16は、それぞれ、入力信号、出力信号及び通信に係るインタフェースである。これらの各々はバスラインを通じて接続されている。
【0014】
ユーザ端末10及び寺院端末20は、入力装置と表示装置とを備える一般的なスマートフォン、タブレット、モバイルコンピュータ等の携帯機器であってよい。
【0015】
図3は、サーバ30の構成の一例を示す図である。サーバ30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、入力インタフェース34と、出力インタフェース35と、通信インタフェース36と、を備える。プロセッサ31は、例えばCPUであり、サーバの各構成部の各種動作を制御する。CPU以外のプロセッサが用いられてもよい。メモリ32は、サーバの各種動作を実行するためのプログラム等を記憶する記憶装置である。ストレージ33は、各種データの記憶に用いられる記憶装置である。外部ストレージであってもよい。入力インタフェース34、出力インタフェース35及び通信インタフェース36は、それぞれ、入力信号、出力信号及び通信に係るインタフェースである。これらの各々はバスラインを通じて接続されている。
【0016】
図4は、第1実施形態に係る墓参りシステム1の構成の一例を示す機能ブロック図である。墓参りシステム1は、例えば、アカウント設定部51、案内提供部52、予約情報受付部53、アクセス情報生成部54、第1情報提供部55及び第2情報提供部56を備える。これらの機能は、例えば墓参りシステム1のサーバ30(プロセッサ31)により実行されることができる。他のプロセッサにより実行してもよい。また、墓参りシステム1は、情報記憶部57を備えることができる。情報記憶部57は、サーバ30内のストレージ33に限らず、サーバ30とは別の記憶装置でもよい。
【0017】
図5は、第1実施形態に係る墓参りシステム1における寺院アカウントの設定の一例を示す図である。寺院アカウントの設定は、例えば寺院端末20から行われてよい。
【0018】
寺院端末20は、例えばアカウント作成用URLにアクセスし、アカウント作成情報を入力する(ステップS11)。アカウント作成情報は、例えばログインID、パスワード、寺院名、住所、電話番号、メールアドレス等の基本情報である。寺院端末20は、入力したアカウント作成情報をサーバ30に送信する。アカウント作成情報を受信したサーバ30は、アカウント設定部51により認証情報を作成し(ステップS12)、例えばアカウント作成情報のメールアドレスに認証情報を送信する。寺院端末20は、前記メールアドレスで受信した認証情報に基づいて認証に必要な情報を入力し(ステップS13)、サーバ30に送信する。認証に必要な情報を受信したサーバ30は、アカウント設定部51により認証を行い(ステップS14)、例えば前記メールアドレスに追加で入力すべき情報を送信する。寺院端末20は、前記メールアドレスで受信した追加で入力すべき情報に基づいて、追加入力情報として決済情報、参拝可能日時情報等を入力し(ステップS15)、サーバ30に送信する。追加入力情報を受信したサーバ30は、受信した追加入力情報に基づいて寺院アカウントの設定処理を行い(ステップS16)、設定が完了した旨を前記メールアドレスに送信する。以上により、寺院アカウントの設定が完了する(ステップS17)。
【0019】
図6は、第1実施形態に係る墓参りシステム1におけるユーザアカウントの設定の一例を示す図である。ユーザアカウントの設定は、例えばユーザ端末10から行われてよい。
【0020】
ユーザ端末10は、例えばアカウント作成用URLにアクセスし、アカウント作成情報を入力する(ステップS21)。アカウント作成情報は、例えばログインID、パスワード、名前、住所、電話願号、メールアドレス、登録する寺院名等の基本情報である。ユーザ端末10は、入力したアカウント作成情報をサーバ30に送信する。アカウント作成情報を受信したサーバ30は、アカウント設定部51により認証情報を作成し(ステップS22)、例えばアカウント作成情報のメールアドレスに認証情報を送信する。ユーザ端末10は、前記メールアドレスで受信した認証情報に基づいて認証に必要な情報を入力し(ステップS23)、サーバ30に送信する。認証に必要な情報を受信したサーバ30は、アカウント設定部51により認証を行い(ステップS24)、ユーザアカウントの設定処理を行い、設定が完了した旨を前記メールアドレスに送信する。以上により、ユーザアカウントの設定が完了する(ステップS25)。
【0021】
図7は、情報記憶部57に記憶されている檀家データベースの一例である。檀家データベースには、寺院ごとに、例えばID、氏名、住所、電話願号、墓参り月日情報、前回墓参り年月日情報、区画番号(霊園・墓地内の墓の場所を表す番号)などが記憶されている。これらは、ユーザアカウントから入手した情報と、寺院が予め所有している情報とにより墓参りシステム1を用いて作成されてよい。墓参り月日情報は、命日、月命日、盆、春の彼岸、秋の彼岸等、慣習的に墓参りが推奨される月日の情報である。慣習とは別に寺院が独自に設定してもよい。区画番号に代わって、あるいは区画番号とともに、静止画像地図上に示した墓の場所を記憶させたり、各ユーザの墓の位置をオンラインアクセス可能な地図上に登録して地図へのアクセス情報(WebコンテンツにアクセスするURLなど)を記憶させたりすることもできる。
【0022】
図8は、第1実施形態に係る墓参りシステム1による墓参りサービス(墓参りの予約)の一例を示す図である。サーバ30は、墓参りの予約案内をユーザ端末10に送信する(ステップS31)。ユーザ端末10は、サーバ30に対し、墓参り予約と決済を行う(ステップS32)。サーバ30は、ユーザ端末10からの墓参り予約に基づいて、ユーザ端末10及び寺院端末20に予約情報とアクセス情報とを提供する(ステップS33、S34)。
【0023】
図9は、第1実施形態に係る墓参りシステム1による墓参りサービス(墓参りの予約案内)に関するサーバ30の処理のフローチャートの一例である。以下、墓参りシステム1(サーバ30)による墓参りの予約処理について説明する。
【0024】
まず、案内提供部52が、例えば情報記憶部57に記憶されている檀家データベースから、墓参り月日情報を取得する(ステップS41)。そして、墓参り月日情報に基づいて、墓参り予約案内を作成するか否かを判断する(ステップS42)。例えば、墓参り月日情報として取得した故人の命日情報と今日の日付とに基づいて、命日から所定期間(例えば1~2ヶ月)前である場合、墓参りの予約案内を作成すると判断する(ステップS42-Yes)。そうでない場合(ステップS42-No)、処理を終了する。
【0025】
案内提供部52は、墓参り予約案内の作成判断用の墓参り月日情報として、命日、月命日、盆、春の彼岸、秋の彼岸等の少なくとも1つを用いることができる。どの墓参り月日情報を優先して墓参り予約案内を作成すると判断するかは、全ユーザに対して一義的に決定してもよいし(例えば全ユーザに彼岸前に墓参り予約案内を送るようにする)、ユーザごとに設定を変えてもよい。また、案内提供部52は、情報記憶部57から、墓参り月日情報とともに過去の墓参り実施年月日情報を取得してもよい。例えば、墓参り月日情報と墓参り実施年月日情報とに基づいてユーザに墓参りの予約案内を作成するか否かを判断する。過去の所定期間(例えば1年以内、2年以内、3年以内など)墓参りを実施していないユーザに対して、墓参りの予約案内を作成すると判断してよい。
【0026】
作成すると判断した場合、案内提供部52は、墓参り予約案内を作成し(ステップS43)、墓参り予約案内をユーザ端末10に提供し(ステップS44)、処理を終了する。
【0027】
図10は、第1実施形態に係る墓参りシステム1による墓参りサービス(墓参りの予約)に関するユーザ端末10の処理のフローチャートの一例である。以下、墓参りシステム1(ユーザ端末10)による墓参りの予約処理について説明する。
【0028】
まず、ユーザ端末10が、墓参り予約用URLなどから墓参りの予約にアクセスする(ステップS51)。そして、墓参り予約日時を入力してサーバ30に送信する(ステップS52)。墓参り予約日時は、寺院アカウントが設定した参拝可能日時情報に基づいて入力したり選択したりすることができる。さらに、決済情報を入力してサーバ30に送信する(ステップS53)。決済情報は、決済金額を含み、決済金額は、ユーザが決めて入力してもよいが、寺院が予め設定した金額から選択するように設定してもよい。また、日時と決済金額に加えて、献花、供え物等のオプションを入力又は選択することができ、その代金も決済金額に加算して送信されてよい。ユーザ端末10は、サーバ30から予約日時情報と墓参りアクセス情報を取得する(ステップS54)。予約日時情報は、予約者の情報や墓参りする日時等の情報であり、墓参りアクセス情報は、例えばWebコンテンツにアクセスするURLである。以上で予約処理を終了する。
【0029】
図11は、第1実施形態に係る墓参りシステム1による墓参りサービス(墓参りの予約)に関するサーバ30の処理のフローチャートの一例である。以下、墓参りシステム1(サーバ30)による墓参りの予約処理について説明する。
【0030】
まず、予約情報受付部53が、ユーザ端末10から、墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける(ステップS61、S62)。そして、アクセス情報生成部54が、予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成する(ステップS63)。第1情報提供部55が、墓参りアクセス情報をユーザ端末10に提供し、第2情報提供部56が、予約日時情報と決済情報と墓参りアクセス情報とを寺院端末20に提供する(ステップS64)。予約日時情報は、予約者の情報や墓参りする日時等の情報であり、決済情報は、支払い方法や支払い金額の情報であり、墓参りアクセス情報は、例えばWebコンテンツにアクセスするURLである。決済情報は別途提供されてもよい。第2情報提供部56は、情報記憶部57に記憶されている檀家情報データベースに基づいて、予約したユーザの墓の区画番号(霊園・墓地内の墓の場所を表す番号)、静止画像地図上に示した墓の場所、オンラインアクセス可能な地図上に示した墓の場所なども位置情報として寺院端末20に提供することができる。以上で予約処理を終了する。
【0031】
以上説明した墓参りの案内や予約におけるユーザと寺院とのコミュニケーションは、ユーザと寺院との連絡ツールとして例えばスマートフォンなどのチャットアプリやトークアプリのような形式で行うことができ、ユーザ端末10や寺院端末20に履歴を残すことができる。サーバ30は、ユーザと寺院との間の連絡ツールを提供する。
【0032】
図12は、第1実施形態に係る墓参りシステム1による墓参りサービス(オンライン墓参りの提供)に関するフローチャートの一例である。
【0033】
ユーザ端末10及び寺院端末20が予約日時情報にしたがって墓参りアクセス情報にアクセスする(ステップS71)。寺院端末20は、寺院端末20のカメラ21で撮影している僧侶の墓参り映像と寺院端末20のマイク22による僧侶の読経の音声とを、ネットワーク40を介してユーザ端末10にリアルタイム配信する(ステップS72)。住職(僧侶)自身が寺院端末20を操作し、例えば三脚等に寺院端末20を固定した状態で、墓参りの様子を配信する。墓参りの一連の流れを終えると、配信を終了する。
【0034】
ユーザは、寺院端末20からの墓参りの配信中や配信終了後に、ユーザ端末10を用いてお布施の支払いをすることもできる。例えば、ユーザ端末10からサーバ30又は他のサーバに決済情報が送信され、サーバ30又は他のサーバが決済情報を受け付けて決済が行われることにより、お布施が支払われる。事前決済のほか、実際の墓参りを見た上でお布施(謝礼)を支払うことが可能である。
【0035】
サーバ30は、予約時の決済情報及び配信時の決済情報を記憶し、決済金額の管理をすることができる。例えば、サーバ30は、ユーザ端末10にこれまでのお布施の金額に関する情報を提供することができ、また、寺院端末20にこれまでの収益に関する情報を提供することができ、各端末10、20も提供された情報についてこれまでの合計支払い情報やお布施情報、収益情報を管理することができる。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1実施形態では、ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムが提供される。墓参りシステム(例えばサーバ)は、ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する案内提供部と、ユーザ端末から墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける受付部と、予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、墓参りアクセス情報をユーザ端末に提供する第1情報提供部と、予約日時情報と墓参りアクセス情報とを寺院端末に提供する第2情報提供部と、を備える。寺院端末及びユーザ端末が予約日時情報にしたがって墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、寺院端末が、寺院端末のカメラで撮影している僧侶の墓参り映像と寺院端末のマイクによる僧侶の読経の音声とを、ネットワークを介してユーザ端末にリアルタイム配信する。
【0037】
また、本発明の第1実施形態では、ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムによる墓参りサービス提供方法が提供される。墓参りサービス方法は、墓参りシステムに、ユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供する案内提供ステップと、ユーザ端末から墓参りの予約日時情報と決済情報とを受け付ける受付ステップと、予約日時情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成ステップと、墓参りアクセス情報をユーザ端末に提供するユーザ情報提供ステップと、予約日時情報と墓参りアクセス情報とを寺院端末に提供する寺院情報提供ステップと、を実行させる。寺院端末及びユーザ端末が予約日時情報にしたがって墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、寺院端末が、寺院端末のカメラで撮影している僧侶の墓参り映像と寺院端末のマイクによる僧侶の読経の音声とを、ネットワークを介してユーザ端末にリアルタイム配信する。
【0038】
第1実施形態に係る墓参りシステムによれば、例えば檀家であるユーザに墓参りの案内をすることができる。本実施形態に係る墓参りシステムは、寺院とユーザとのコミュニケーションに資するものであって、ユーザに墓参りの案内をすることにより、ユーザの墓参り離れ防止に一役買うことができる。本実施形態に係る墓参りシステムは、寺院(代々つながりのある菩提寺)ではない代行業者等による墓参り代行への流出を防ぎ、寺院の収益を確保し、既存の檀家との良好な関係維持に資することができる。また、従来行われていたはがきや手紙の郵送などによる案内の代替となり、紙や切手の使用を省き、案内の手間やコストを削減することができる。DX化によりSDGsにも貢献することができる。また、墓参りシステムによりユーザと寺院間の連絡を一元的に管理することができ、利便性が高い。
【0039】
第1実施形態によれば、ユーザが予約時に決済情報を入力し、サーバが決済情報を受け付ける。すなわち、ユーザが墓参りの代金を事前決済(前払い)する。事前決済により、寺院は予約時に確実に収益を確保することができる。
【0040】
第1実施形態によれば、ユーザは、ユーザ端末により、寺院の僧侶による墓参り映像と読経の音声のリアルタイム配信を受ける。本実施形態に係る墓参りシステムでは、Web上の仮想的な墓参りの映像や写真ではなく、僧侶が墓前に出向いて行う生配信の本格的な墓参りを提供することができる。代行業者による墓参りとは異なる本格的な墓参りを提供することにより、足腰の弱いお年寄りなどでも出向くことなく格式高い墓参りをすることができ、ユーザの先祖供養のニーズを満たすことができる。ユーザは遠隔地からでも臨場感ある墓参りを体験することができ、満足感を得ることができる。
【0041】
また、決済情報は、寺院が予め設定した金額から選択するように設定することができる。これにより、寺院は予約時に所定額以上の収益を確実に確保することができる。
【0042】
第2情報提供部は、情報記憶部から墓の場所に関する位置情報を取得し、位置情報を寺院端末に提供することができる。位置情報は、霊園・墓地内の墓の場所を表す区画番号、静止画像地図上に示した墓の場所、オンラインアクセス可能な地図上に示した墓の場所などの情報であることができる。これにより、寺院端末から墓の場所に関する位置情報を確認することができ、実際に墓参りをする住職、僧侶等が迷うことなく到着するようアシストすることができる。
【0043】
また、案内提供部は、情報記憶部から墓参り月日情報を取得し、墓参り月日情報に基づいてユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供することができる。墓参り月日情報に基づいて、命日、月命日、盆、春の彼岸、秋の彼岸等の墓参りに適した時期に墓参りの予約案内をすることができ、文化風習に則った墓参りシステムを提供することができる。
【0044】
また、情報記憶部は、墓参り月日情報として故人の命日情報を含むことができ、案内提供部は、命日情報に基づき命日から所定期間前にユーザ端末に墓参りの予約の案内を提供することができる。本実施形態に係る墓参りシステムは、文化風習に則った墓参りに資することができる。
【0045】
また、案内提供部は、情報記憶部から過去の墓参り実施年月日情報を取得し、墓参り月日情報と墓参り実施年月日情報とに基づいてユーザに墓参りの予約の案内を提供することができる。本実施形態に係る墓参りシステムは、例えば所定期間墓参りをしていないユーザに墓参りを促すことで墓参り離れの防止に役立てることができる。
【0046】
以下、本発明の第2実施形態に係る墓参りシステム及び墓参りサービス提供方法について説明する。第2実施形態では、既存の檀家以外のユーザに対しても墓参りサービスを提供する。具体的には、著名人の命日等に有償の墓参りイベントとして、墓参りシステム及び墓参りサービスを提供する。以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の点(システム、各端末及びサーバの構成等)については説明を省略する。
【0047】
第2実施形態では、墓参りの日時は、寺院が事前に設定する。つまり、寺院端末は、墓参りの予約案内において、日時を含めた予約案内を提供する。予約案内は、檀家に限らず、案内を提供可能なすべてのユーザアカウントに対して行ってよい。また、予約案内を受けていない(ユーザアカウントを持っていない)ユーザであっても、新規にユーザアカウントを作成して予約をすることが可能である。それ以外の点は、図8に示す手順と同様であってよい。
【0048】
つまり、本発明の第2実施形態では、ユーザ端末と、カメラとマイクとを備える寺院端末と、サーバと、がネットワークを介して通信可能に接続されてなる墓参りシステムが提供される。墓参りシステム(例えばサーバ)は、ユーザ端末に予め設定した所定の日時の墓参りの案内を提供する案内提供部と、ユーザ端末から登録情報及び決済情報を受け付ける受付部と、登録情報に基づいて墓参りアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、墓参りアクセス情報をユーザ端末に提供する第1情報提供部と、墓参りアクセス情報を寺院端末に提供する第2情報提供部と、を備える。登録情報は、ユーザ名などの必要な情報であってよい。寺院端末及びユーザ端末が予約情報にしたがって墓参りアクセス情報にアクセスしたとき、寺院端末が、寺院端末のカメラで撮影している僧侶の墓参り映像と寺院端末のマイクによる僧侶の読経の音声とを、ネットワークを介してユーザ端末にリアルタイム配信する。
【0049】
第2実施形態によれば、著名人の命日等に有償の墓参りイベントを広く一般に提供することができ、寺院の収益につなげることができる。ユーザは、著名人の墓参りを体験することができ、満足感が得られる。第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、寺院とユーザとのコミュニケーションに資することができる。また、第2実施形態においても、ユーザが予約時に決済情報を入力し、サーバが決済情報を受け付ける。すなわち、ユーザが墓参りの代金を事前決済(前払い)する。事前決済により、寺院は予約時に確実に収益を確保することができる。Web上の仮想的な墓参りの映像や写真ではなく、僧侶による生配信の本格的な墓参りを提供することができる。また、著名人の墓参りの場合、実際に人が殺到して大量の献花、供え物などがあると寺院や墓地管理者に片付けの手間が生じるが、本実施形態の墓参りシステムを用いればそのような手間を減らすことができる。
【0050】
以上、本発明の各実施形態について説明してきたが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形及び変更が可能である。例えば、墓参りシステムは、ユーザ端末及び寺院端末がブラウザを介して通信するWebサイト、Webアプリケーション、ユーザ端末及び寺院端末にダウンロード、インストールするソフトウェア、モバイルアプリケーション等のいずれの形態でも利用可能である。墓参りシステムを構成するサーバとして1つのサーバを挙げているが、サーバの数はこれに限定されるものではなく、複数のサーバを介してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 墓参りシステム
10 ユーザ端末
20 寺院端末
30 サーバ
40 ネットワーク
図1
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図5
図6
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図8
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図12