(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011442
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】骨材の生成方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/10 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
E01C19/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113560
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000232508
【氏名又は名称】日本道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】浅井 友章
(72)【発明者】
【氏名】森 剛二
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052AA15
2D052AB01
2D052BA08
2D052BA23
(57)【要約】
【課題】アスファルト廃材に含まれている骨材から、溶剤を用いる洗浄をすることなく付着している劣化アスファルトの量を低減することで、新たな骨材として使用することができる骨材を生成する骨材の生成方法を提供する。
【解決手段】アスファルト廃材に含まれており、劣化アスファルト3が表面に付着している骨材5ある劣化アスファルト付着骨材1を再生する骨材の生成方法であって、劣化アスファルト付着骨材1を、乾式の状態ですりもむことにより、劣化アスファルト付着骨材1の劣化アスファルト3を減少させる劣化アスファルト除去工程S3と、劣化アスファルト除去工程S3で得られた骨材13と劣化アスファルトが含まれている微粉末15とから微粉末15を取り除く微粉末除去工程S5とを有する骨材の生成方法である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト廃材に含まれており、劣化アスファルトが表面に付着している骨材である劣化アスファルト付着骨材から骨材を生成する骨材の生成方法であって、
前記劣化アスファルト付着骨材を、乾式の状態ですりもむことにより、前記劣化アスファルト付着骨材の劣化アスファルトを減少させる劣化アスファルト除去工程と、
前記劣化アスファルト除去工程で得られた骨材と劣化アスファルトが含まれている微粉末とから前記微粉末を取り除く微粉末除去工程と、
を有する骨材の生成方法。
【請求項2】
前記骨材の表面には凹部が存在しており、
前記劣化アスファルト除去工程は、前記凹部内に劣化アスファルトを残して、前記骨材に付着している劣化アスファルトを減少させる工程である請求項1に記載の骨材の生成方法。
【請求項3】
前記劣化アスファルト除去工程でのすりもみは、ローターミルを用いてされる請求項1または請求項2に記載の骨材の生成方法。
【請求項4】
前記劣化アスファルト除去工程と前記微粉末除去工程とを経て得られた骨材を、篩に掛けて分級し、6号砕石の骨材を得る骨材分級工程を有する請求項1または請求項2に記載の骨材の生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨材の生成方法に係り、特に、舗装道路に敷かれていたアスファルト廃材から骨材を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルト舗装は、骨材、石粉(フィラー)およびアスファルトを加熱混合してアスファルト混合物を生成し、この生成したアスファルト混合物を路盤の上に敷き均し締め固めることでされている。アスファルト舗装は、10年~20年程度の耐用年数になっている。
【0003】
そこで、耐用年数になったアスファルト舗装からアスファルト混合物を剥がし取って得られたアスファルト廃材を再生して得られた骨材(再生骨材)を再資源として使用するようになっている。すなわち、アスファルト廃材を破砕し分級し、これで得られた骨材(劣化したアスファルトが表面に多く付着している骨材)を材料の一部としてアスファルト混合物(新しく路盤上に設置されるアスファルト混合物)を生成している。これにより、新規材料(新規骨材)の使用量を減量している。
【0004】
さらに説明すると、
図1で示すように、舗装、損傷、撤去、運搬、破砕、分級、再生骨材、舗装というサイクルで骨材を再使用している。上記舗装は、新規な骨材と再生骨材を用いて生成されたアスファルト混合物を用いた舗装である。上記損傷は、長年の使用によるアスファルト混合物の損傷である。上記撤去は、損傷したアスファルト混合物の路盤からの撤去である。上記運搬は、撤去したアスファルト混合物の運搬である。上記破砕は、撤去したアスファルト混合物の破砕である。上記分級は、破砕したアスファルト混合物の分級である。上記再生骨材は、分級で得られた再生骨材である。
【0005】
再生骨材全体の再生資源化率は約98%になっている。しかしながら、再生骨材のアスファルト混合物(新しく路盤上に設置されるアスファルト混合物)への再使用率は5割程度になっている。この理由は、劣化して固くなっているアスファルトが付着している骨材を多く使用すると、なんらかの不具合が発生するおそれがあるからである。特に、再使用の周期(回数)が、2周、3周以上(2回、3回以上)になると、骨材に付着しているアスファルト(劣化したアスファルト)の性状が一層悪化するので、再生骨材のアスファルト混合物への再使用率を上げることは避けるべきである。
【0006】
再生骨材のアスファルト混合物への再使用率は、上述したように、5割程になっているが、残りの再生骨材は、価値の低い路盤の路盤材等として使用されている。また、アスファルト廃材を保管する廃材ヤードにおいては、アスファルト廃材の保管量、保管日数が決められているので、アスファルト廃材の再使用を促進する必要がある。
【0007】
また、従来、特許文献1で示すような骨材の再生方法が知られている。この骨材の再生方法では、アスファルト廃材を破砕した後、加熱し、その中に種粉末を適量添加することにより、アスファルト混合物発生材中のアスファルト分を種粉末に吸着させている。この後、アスファルト混合物発生材を骨材と種粉末アスファルトに分別している。この分別後の骨材を石油系溶剤で洗浄することにより骨材の表面に付着しているアスファルト分および種粉末を除去し、ついで、その骨材を乾燥させて再生骨材としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1で示す骨材の再生方法では、再生骨材に付着している劣化アスファルトを除去し劣化アスファルトの骨材への付着量を十分に減少させることができる。しかしながら、特許文献1で示す再生方法では、石油系溶剤を用いて洗浄するので、あまり好ましいものではない。
【0010】
本発明は、アスファルト廃材に含まれている骨材から、溶剤を用いる洗浄をすることなく付着している劣化アスファルトの量を低減することで、新たな骨材として使用することができる骨材を生成する骨材の生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様に係る骨材の生成方法は、アスファルト廃材に含まれており、劣化アスファルトが表面に付着している骨材である劣化アスファルト付着骨材から骨材を生成する骨材の生成方法であって、前記劣化アスファルト付着骨材を、乾式の状態ですりもむことにより、前記劣化アスファルト付着骨材の劣化アスファルトを減少させる劣化アスファルト除去工程と、前記劣化アスファルト除去工程で得られた骨材と劣化アスファルトが含まれている微粉末とから前記微粉末を取り除く微粉末除去工程とを有する骨材の生成方法である。
【0012】
また、本発明の態様に係る骨材の生成方法では、前記骨材の表面に凹部が存在しており、前記劣化アスファルト除去工程が、前記凹部内に劣化アスファルトを残して、前記骨材に付着している劣化アスファルトを減少させる工程である骨材の生成方法である。
【0013】
本発明の態様に係る骨材の生成方法は、前記劣化アスファルト除去工程でのすりもみが、ローターミルを用いてされる骨材の生成方法である。
【0014】
本発明の態様に係る骨材の生成方法は、前記劣化アスファルト除去工程と前記微粉末除去工程とを経て得られた骨材を、篩に掛けて分級し、6号砕石の骨材を得る骨材分級工程を有する骨材の生成方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アスファルト廃材に含まれている骨材から、溶剤を用いる洗浄をすることなく付着している劣化アスファルトの量を低減することで、新たな骨材として使用することができる骨材を生成する骨材の生成方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】アスファルト混合物に使用されている骨材の使用サイクルを示す図である。
【
図2】本発明に実施形態に係る骨材の生成方法の劣化アスファルト除去工程での、劣化アスファルト付着骨材からの劣化アスファルトの剥離を説明する図である。
【
図3】本発明に実施形態に係る骨材の生成方法の劣化アスファルト除去工程が実行された後の骨材(再生骨材)を示す図である。
【
図4】本発明に実施形態に係る骨材の生成方法の劣化アスファルト除去工程で使用されるローターミルの概略を示す図である。(b)は(a)におけるIVB-IVB断面を示す図であり、(c)は(a)におけるIVC-IVC断面を示す図である。
【
図5】本発明に実施形態に係る骨材の生成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る骨材の生成方法は、劣化アスファルト付着骨材1(
図2(a)参照)をから、新たな骨材として使用することができる骨材を生成する方法である。換言すれば、劣化アスファルト付着骨材1を、たとえば道路の舗装に使用されるアスファルト混合物に再び使用できるようにするために再生する方法である。
【0018】
劣化アスファルト付着骨材1は、劣化アスファルト(劣化したアスファルト)3が表面に付着している骨材5である。なお、
図2(a)では、骨材5の表面の一部に劣化アスファルト3が付着している様子が示されている。しかし、実際には、骨材5の表面のほぼ全面に劣化アスファルト3が付着しており、劣化アスファルト3が骨材5の表面のほぼ全面を覆っている。また、劣化アスファルト付着骨材1は、舗装道路に敷かれていたアスファルト廃材に含まれているものである。アスファルト廃材は、長年使用されて耐用年数に達した舗装道路に使用されていたアスファルト混合物であって路盤から剥がされたアスファルト混合物である(
図5のステップS1参照)。
【0019】
本発明の実施形態に係る骨材の生成方法は、
図5で示すように、劣化アスファルト除去工程S3と微粉末除去工程S5とを有する。
【0020】
劣化アスファルト除去工程S3は、劣化アスファルト付着骨材1を、乾式の状態ですりもむことにより、劣化アスファルト付着骨材1の劣化アスファルト3を骨材5から剥離し分離し除去して減少させる工程である。
図2(a)は、劣化アスファルト除去工程S3を実行する前の劣化アスファルト付着骨材1の状態を示しており、
図2(b)は、劣化アスファルト除去工程S3の実行後の状態を示している。
図2(a)で示すように、劣化アスファルト除去工程S3を実行する前であっても、一部の劣化アスファルト3は骨材5から離れている。
【0021】
劣化アスファルト除去工程S3でのすりもみをすることにより、劣化アスファルト付着骨材1同士が軽くぶつかり擦れ合うようになっている。さらに、すりもみをすることにより、劣化アスファルト付着骨材が、劣化アスファルト付着骨材を移動させるための部材(かき回すための部材)に軽くぶつかり擦れ合うようになっている。劣化アスファルト付着骨材1を移動させるための部材は、劣化アスファルト付着骨材1に運動量を与えるための部材である。この部材として、たとえば、
図4で示すローターミル7の刃部9、11を掲げることができる。
【0022】
理想的には、劣化アスファルト除去工程S3で、劣化アスファルト付着骨材1の表面に付着している劣化アスファルト3を総て取り除くべきである。しかし、この理想を実現することが困難である。そこで、具体的には、質量比で2.5%の劣化アスファルト3が付着していた骨材(劣化アスファルト付着骨材)1を、劣化アスファルト3の付着量が質量比で1%以下(たとえば、0.01%~1%)にしている(
図2(b)、
図3参照)。なお、
図2(b)、
図3についての詳しい説明は後述する。
【0023】
微粉末除去工程S5では、劣化アスファルト除去工程S3で得られた骨材(劣化アスファルト除去済み骨材)13と劣化アスファルト3が含まれている微粉末15とから微粉末15を取り除く工程である。さらに説明すると、微粉末除去工程S5では、劣化アスファルト除去済み骨材13と微粉末15とから微粉末(骨材13以外のもの)15をたとえば集塵機(図示せず)を用いて取り除く工程である。
【0024】
本発明の実施形態に係る骨材の生成方法によって得られた再生骨材17は、
図2(b)、
図3で示すように、僅かな量の劣化アスファルト3が付着しているが、アスファルト混合物に問題なく再使用することができる。さらに、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法によって得られた再生骨材17は、1回だけの再使用ではなく、アスファルト混合物に複数回再使用することができる。
【0025】
ところで、骨材5の表面には凹部(1つもしくは複数の凹部)19が存在している。劣化アスファルト除去工程S3では、骨材5の凹部19以外の表面に付着している劣化アスファルト3をほぼ除去するようになっている。しかし、劣化アスファルト除去工程S3では、凹部19内に劣化アスファルト3を残して、骨材5に付着している劣化アスファルト3を減少させるようになっている。
【0026】
なお、劣化アスファルト除去工程S3では、骨材5が割れて分離し、より小径の骨材が極力生成されないようにして、すりもみを行うようになっている。このようなすりもみで、骨材5の凹部19内に劣化アスファルト3が残ることになる。
【0027】
劣化アスファルト除去工程S3でのすりもみは、ローターミル(たとえば、特開2007-50347号公報で示されている破砕研磨装置)7を用いてされるようになっている。
【0028】
ローターミル7は、
図4で示すように、ドラム21と、ローター23と、シェルライナー12と、ローターライナー10とを備えて構成されている。ドラム21は円筒状に形成されており、円筒の中心軸C1を回転中心にして回転するようになっている。
【0029】
ローター23は、円筒状に形成されており、ドラム21内に偏心して設けられている。また、ローター23は、円筒の中心軸C2を回転中心にして、ドラム21と逆方向に回転するようになっている。
【0030】
シェルライナー12は、ドラム21の内周面の劣化アスファルト付着骨材の入口25側から排出口27側にわたって取付けられている。ローターライナー10は、ローター23の外周面の軸線方向(中心軸C2の延伸方向)に沿って複数列にわたって取付けられている。なお、シェルライナー12も、ドラム21の内周面の軸線方向(中心軸C1の延伸方向)に沿って複数列にわたって取付けられていると言える。
【0031】
ローターミル7では、ドラム21の入口25から劣化アスファルト付着骨材1を投入する。また、ローターミル7では、ローター23をドラム21よりも速く回転させて(速い回転角速度で回転させて)、シェルライナー12とローターライナー10の間隙29内で、劣化アスファルト付着骨材1をすりつぶしおよびもみすりするようになっている。
【0032】
複数列にわたって取付けられたローターライナー10の刃部9(9A)は、一列置きないし複数列置きに他の刃部9(9B)よりも高く形成されている。ローターライナー10の高い刃部9Aに対応するシェルライナー12の刃部11(11A)は、他の刃部11(11B)よりも低く形成している。すりつぶしおよびもみすりする個所のローターライナー10とシェルライナー12との間隙29が、
図4(a)で示すように、入口25側から排出口28側に向けてジグザグ状(矩形波状)に形成されている。
【0033】
また、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法は、骨材分級工程S7を備えている。骨材分級工程S7では、劣化アスファルト除去工程S3と微粉末除去工程S5とを経て得られた骨材5(劣化アスファルト除去済み骨材13)を、篩に掛けて分級し、6号砕石(粒の大きさが5mm~13mm程度の砕石)の骨材5(再生骨材17)を得る。
【0034】
なお、骨材分級工程S7で得られた6号砕石の再生骨材17に加えて、この再生骨材17以外の骨材5(劣化アスファルト除去済み骨材13)を、再生骨材17としてもよい。
【0035】
このようにして得られた再生骨材17と、新しい骨材と、アスファルトとフィラーとで、アスファルト混合物を生成し(S9)、このアスファルト混合物を用いて道路の舗装をする。なお、新しい骨材を用いることなく、再生骨材17とアスファルトとフィラーとで、アスファルト混合物を生成してもよい。
【0036】
本発明の実施形態に係る骨材の生成方法では、劣化アスファルト除去工程S3で、劣化アスファルト付着骨材1を、乾式の状態ですりもむことにより、劣化アスファルト付着骨材1の劣化アスファルト3を減少させている。これにより、溶剤を用いて骨材を洗浄することなく、骨材5への劣化アスファルト3の付着量を低減することができる。
【0037】
そして、アスファルト混合物を生成するときに使用する骨材のうち、50%以上(たとえば60%~80%程度)の骨材を、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法で得られた再生骨材17にすることができる。
【0038】
ここで、比較例に係る骨材の再生方法について説明する。比較例に係る1つ目の骨材の再生方法では、バイブロミルを用いてコンクリート廃材からセメントペースト分を取り除き、コンクリート再生骨材製造する。この方法では、バイブロミルによって骨材が砕けしまい、骨材の粒径が小さくなってしまう。
【0039】
そこで、比較例に係る2つ目の骨材の再生方法では、骨材の粒径の変化量が小さく、かつ、骨材を被覆している劣化アスファルトを、湿式のローターミルを用いて効率良く剥がすようにしている。しかし、この方法では、骨材を被覆している劣化アスファルトが一旦は骨材から削り取られるが、削りとられた劣化アスファルトが水分によって骨材に再びくっついてしまう。
【0040】
本発明の実施形態に係る骨材の生成方法では、劣化アスファルト除去工程S3で、乾式のローターミル7を用いて劣化アスファルト3を効率良く剥がしている。これだけでは、細かく削り取られた劣化アスファルト3の微粉末15が、骨材5と混合された状態になっている。そこで、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法では、微粉末除去工程S5で、劣化アスファルト除去工程S3ですりもみをすることで得られた骨材13と劣化アスファルトが含まれている微粉末15とから微粉末15を、集塵機を用いて取り除いている。
【0041】
なお、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法においは、ローターミル7でのすりもみの終了後に集塵機を用いて微粉末を取り除いている。ここで、ローターミル7に集塵機を設け、すりもみをしているときに、集塵機を用いて微粉末15を取り除いてもよい。
【0042】
また、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法では、劣化アスファルト除去工程S3で、骨材5の凹部19内に劣化アスファルト3を残して、骨材5に付着している劣化アスファルト3を減少させるようになっている。これにより、骨材5の粒径をほとんど小さくすることなく、凹部19を除いた骨材表面に付着していた劣化アスファルト3を除去することができる。なお、骨材5の凹部19に劣化アスファルト3が残っていても、問題が発生することは無い。
【0043】
また、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法では、劣化アスファルト除去工程S3でのすりもみが、ローターミル7を用いてされるようになっているので、市販の装置を用いて効率良く、劣化アスファルト除去工程S3でのすりもみをすることができる。
【0044】
また、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法では、骨材分級工程S7で、微粉末除去工程S5を経て得られた骨材5(再生骨材17)を篩に掛けて分級し6号砕石の骨材5(再生骨材17)を得るようになっている。これにより、たとえば、劣化アスファルト除去工程S3での処理をすることで、一部の骨材5の粒径が小さくなってしまっても、骨材分級工程S7を実行することで、適切な粒径の骨材5(再生骨材17)を得ることができる。
【0045】
ところで、本発明の実施形態に係る骨材の生成方法において、劣化アスファルト除去工程S3の前に、耐用年数になった舗装道路から撤去されたアスファルト廃材を破砕し、この破砕したアスファルト廃材を乾燥するアスファルト廃材乾燥工程を実行してもよい。
【0046】
すなわち、アスファルト廃材乾燥工程で、劣化アスファルト除去工程S3の実行前に耐用年数になった舗装道路から撤去されたアスファルト廃材を破砕しこの破砕したアスファルト廃材を乾燥するようにしてもよい。これにより、劣化アスファルト除去工程S3の前のアスファルト廃材に含まれている水分を一層少なくすることができ、劣化アスファルト除去工程S3を一層的確に実行することができる。
【0047】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 劣化アスファルト付着骨材
3 劣化アスファルト
5 骨材
7 ローターミル
13 骨材(劣化アスファルト除去済み骨材)
15 微粉末
17 骨材(再生骨材)
19 凹部
S3 劣化アスファルト除去工程
S5 微粉末除去工程
S7 骨材分級工程