(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011457
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】フィードバックシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250117BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113582
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】陳 彦佑
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザによる車両の特定の機能の実際の使用に基づくフィードバックを適切に収集することがフィードバックシステムを提供する。
【解決手段】車両の特定の機能を使用したユーザーのフィードバックを収集するフィードバックシステムであって、ユーザが機能の使用を終了したとき、機能に関するフィードバック要求をユーザのモバイル端末に送信し、ユーザがモバイル端末に入力したフィードバック結果を収集する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の特定の機能を使用したユーザーのフィードバックを収集するフィードバックシステムであって、
前記ユーザが前記機能の使用を終了したとき、前記機能に関するフィードバック要求を前記ユーザのモバイル端末に送信し、前記ユーザが前記モバイル端末に入力したフィードバック結果を収集する、フィードバックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の機能に関するユーザーのフィードバックを収集するフィードバックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィードバックシステムに関する技術文献として、特開2010-277583号公報が知られている。この公報には、ユーザーが車両の使用を終えた後、ウェブサーバーからユーザーの携帯端末にアンケートを配信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムでは、ユーザーが車両の使用を終えた後にアンケートを配信するため、車両の機能に対するユーザの実際の使用直後のフィードバックを適切に収集できていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、車両の特定の機能を使用したユーザーのフィードバックを収集するフィードバックシステムであって、ユーザが機能の使用を終了したとき、機能に関するフィードバック要求をユーザのモバイル端末に送信し、ユーザがモバイル端末に入力したフィードバック結果を収集する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の各態様によれば、ユーザによる車両の特定の機能の実際の使用に基づくフィードバックを適切に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るフィードバックシステムを説明するための図である。
【
図2】フィードバックシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】フィードバックシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1に示すフィードバックシステム10は、車両の特定の機能を使用したユーザーのフィードバックを収集するシステムである。車両の特定の機能とは、使用したユーザーのフィードバックの収集対象となる機能である。
【0010】
車両の特定の機能には、例えばACC[Adaptive Cruise Control]、LKA[Lane Keeping Assist]等の高度運転支援機能[ADAS: AdvancedDriver-Assistance Systems]が含まれる。車両1は、高度運転支援機能を搭載した車両である。車両1は、自動運転機能を搭載していてもよい。
【0011】
フィードバックシステム10によれば、ユーザによる車両の特定の機能の実際の使用に基づくリアルタイムのフィードバックを収集できる。フィードバックシステム10を通じて、ユーザーの声を常に収集するルートを作り出し、そのフィードバックを車両の特定の機能の改善に適切に反映することができる。これにより、各機能のソフトウェア開発を迅速に進め、車両の性能向上とユーザーの運転体験の最適化を図ることが可能となる。
【0012】
図1に示すように、フィードバックシステム10は、例えばサーバであり、車両1及び車両1のユーザーのモバイル端末20と通信可能に構成されている。フィードバックシステム10は、複数台の車両1及びモバイル端末20と通信可能に構成されている。
【0013】
なお、フィードバックシステム10の一部は、車両1に搭載されていてもよく、モバイル端末20のアプリケーションとして機能してもよい。この場合には、モバイル端末20がフィードバックシステム10のフロントエンドとして機能し、サーバがバックエンドとして機能してもよい。フィードバックシステム10は、フロントエンド、ミドルエンド、バックエンドに分けて構成されていてもよい。バックエンドは後述するユーザーデータベース15とすることができる。
【0014】
モバイル端末20は、車両1のユーザー(ドライバー又は乗員)の所有する携帯用の情報端末である。モバイル端末20は、例えばスマートフォンである。モバイル端末20は、スマートウォッチ、スマートグラスなどのウェアラブルデバイスであってもよい。
【0015】
フィードバックシステム10は、ユーザーデータベース15と接続されている。ユーザーデータベース15には、車両1のユーザーデータが記憶されている。ユーザーデータには、車両メンテナンス履歴が含まれてもよく、車両購入履歴が含まれていてもよい。ユーザーデータには、ユーザの運転操作の履歴が含まれていてもよく、車両の機能の使用履歴が含まれていてもよい。ユーザーデータには、ユーザーの年齢や性別の情報が含まれていてもよい。ユーザーデータには、過去のフィードバック履歴が含まれていてもよい。
【0016】
図2は、フィードバックシステム10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、フィードバックシステム10は、プロセッサ11、記憶部12、通信部13及びユーザインターフェース14を備えた一般的なコンピュータとして構成されている。ユーザインターフェース14におけるユーザは、フィードバックシステムのユーザ(管理者等)を意味している。
【0017】
プロセッサ11は、各種オペレーティングシステムを動作させてフィードバックシステム10を制御する。プロセッサ11は、制御装置、演算装置、レジスタ等を含むCPU等の演算器である。プロセッサ11は、記憶部12、通信部13及びユーザインターフェース14を統括する。記憶部12は、メモリ及びストレージのうち少なくとも一方を含んで構成されている。メモリは、ROM、RAM等の記録媒体である。ストレージは、HDD等の記録媒体である。
【0018】
通信部13は、車両1及びモバイル端末20との通信を行うための通信機器である。通信部13には、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード等を用いることができる。ユーザインターフェース14は、管理者等のユーザに対するフィードバックシステム10の入出力部である。ユーザインターフェース14は、ディスプレイ、スピーカ等の出力器、及び、タッチパネル等の入力器を含む。
【0019】
図2に示すように、フィードバックシステム10のプロセッサ11は、機能使用情報取得部11a、ユーザターゲット判定部11b、フィードバック要求部11c、及びユーザデータ処理部11dを有している。
【0020】
機能使用情報取得部11aは、車両1からの通信により、車両1でユーザーがフィードバック対象となる特定の機能を使用した旨の情報を取得する。機能使用情報取得部11aは、車両1から特定の機能の使用の終了時に信号を受信することで、車両1における特定の機能の使用の終了したか否かを判定する。
【0021】
ユーザターゲット判定部11bは、機能使用情報取得部11aにより特定の機能の使用が終了した場合、ユーザーデータベース15に記憶された車両1のユーザーデータを読み込む。ユーザターゲット判定部11bは、ユーザーデータに基づいて、予め設定されたターゲット条件からユーザーがフィードバックのターゲットであるか否かを判定する。
【0022】
ユーザターゲット判定部11bは、例えば過去の一定期間の間に車両1のメンテナンスを行ったユーザーまたは過去の一定期間の間に車両1を購入したユーザーである場合、フィードバックのターゲットであると判定する。一定期間は特に限定されない。一定期間は12ヶ月であってもよく、6ヶ月であってもよく、3ヶ月であってもよい。ユーザターゲット判定部11bは、性別や年齢でターゲット条件を絞ってもよい。ユーザターゲット判定部11bは、過去の一定期間の間における今回使用した機能の使用頻度が所定値未満のユーザーをフィードバックのターゲットであると判定してもよい。
【0023】
フィードバック要求部11cは、ユーザターゲット判定部11bにより車両1のユーザーがフィードバックのターゲットであると判定された場合、ユーザーに対するフィードバック要求を行う。フィードバック要求とは、今回使用した車両1の特定の機能に関するユーザーのフィードバックを求める要求である。フィードバック要求部11cは、ユーザーのモバイル端末20に対して車両1の特定の機能に関するフィードバック要求を送信する。言い換えれば、フィードバック要求部11cは、モバイル端末20を介してフィードバック要求を実行する。
【0024】
フィードバック要求部11cは、モバイル端末20を通じて、例えば今回使用した車両1の特定の機能を再び使用したいと思うか否かをユーザーに質問する。フィードバック要求部11cは、ユーザーが今回使用した車両1の特定の機能を再び使用したくないと回答した場合、ユーザーへの質問を終了してもよい。フィードバック要求部11cは、ユーザーが今回使用した車両1の特定の機能を再び使用したいと回答した場合、詳細なフィードバックを求めるためのアプリケーションを開く。なお、フィードバック要求部11cは、上記質問を行わずに、モバイル端末20の詳細なフィードバックを求めるためのアプリケーションを開いてもよい。
【0025】
フィードバック要求部11cは、例えば
図1に示すように星の数で今回使用した車両1の特定の機能をユーザーに評価してもらう。フィードバック要求部11cは、車両1の特定の機能に対する改善点その他のフィードバックをユーザーに入力してもらってもよい。
【0026】
ユーザデータ処理部11dは、ユーザーがモバイル端末20に入力したフィードバック結果をユーザーデータベース15に記憶させる。ユーザデータ処理部11dは、日時などの情報と関連付けてフィードバック結果をユーザーデータベース15に記憶させてもよい。
【0027】
次に、フィードバックシステム10の処理について
図3を参照して説明する。
図3は、フィードバックシステム10の処理の一例を示すフローチャートである。
【0028】
図3に示すように、フィードバックシステム10は、S10として、機能使用情報取得部11aにより車両1における特定の機能の使用の終了したか否かを判定する。機能使用情報取得部11aは、車両1から特定の機能の使用の終了時に信号を受信することで判定を行う。フィードバックシステム10は、車両1における特定の機能の使用の終了したと判定した場合(S10:YES)、S11に移行する。フィードバックシステム10は、車両1における特定の機能の使用の終了したと判定しなかった場合(S10:NO)、今回の処理を終了する。
【0029】
S11において、フィードバックシステム10は、ユーザーデータベース15に記憶された車両1のユーザーデータを読み込む。その後、フィードバックシステム10は、S12に移行する。
【0030】
S12において、フィードバックシステム10は、ユーザターゲット判定部11bにより車両1のユーザーがフィードバックのターゲットであるか否かを判定する。フィードバックシステム10は、車両1のユーザーがフィードバックのターゲットであると判定した場合(S12:YES)、S13に移行する。フィードバックシステム10は、車両1のユーザーがフィードバックのターゲットであると判定しなかった場合(S12:NO)、今回の処理を終了する。
【0031】
S13において、フィードバックシステム10は、フィードバック要求部11cによりユーザーに対するフィードバック要求を行う。フィードバック要求部11cは、例えばモバイル端末20を通じて、車両1の特定の機能に対する改善点その他のフィードバックをユーザーに入力してもらう。その後、フィードバックシステム10は、S14に移行する。
【0032】
S14において、フィードバックシステム10は、ユーザデータ処理部11dによりユーザーの入力したフィードバック結果をユーザーデータベース15に記憶させる。その後、フィードバックシステム10は、今回の処理を終了する。
【0033】
以上説明した本実施形態に係るフィードバックシステム10によれば、ユーザーが車両の特定の機能の使用を終了したときにフィードバック要求を行うので、ユーザによる車両の特定の機能の実際の使用に基づくリアルタイムのフィードバックを収集できる。これにより、車両メーカーは各機能のソフトウェア開発を迅速に進め、車両の性能向上とユーザーの運転体験の最適化を図ることができる。また、フィードバックシステム10では、予め設定したターゲット条件を満たすユーザーに対してフィードバック要求を行うことができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0035】
フィードバックシステム10は、必ずしもユーザターゲット判定部11bを有する必要はない。フィードバックシステム10は、ユーザを絞り込むことなく、車両1の特定の機能を使用終了した全ユーザーにフィードバック要求を行ってもよい。
【0036】
フィードバックシステム10は、モバイル端末20だけではなく、車内情報端末[IVI : In-Vehicle Infotainment]を用いてユーザーのフィードバックを収集してもよい。フィードバックシステム10は、ユーザーがフィードバックとして、苦情を入力したときに、カスタマーサービスに繋がるチャネルを開いてもよい。これにより、顧客体験を改善できる。フィードバックシステム10は、ユーザーのフィードバック内容に応じて、各種のメンバーシッププログラムへの参加をユーザーに提案してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…車両、10…フィードバックシステム、11…プロセッサ、11a…機能使用情報取得部、11b…ユーザターゲット判定部、11c…フィードバック要求部、11d…ユーザデータ処理部、12…記憶部、13…通信部、14…ユーザインターフェース、20…モバイル端末。