(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011462
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】オートコール処理方法、コンピュータプログラム、及びオートコール処理システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113588
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】510336185
【氏名又は名称】株式会社アセンド
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA04
5K201BD04
5K201CA03
5K201DC05
5K201EC06
5K201ED01
(57)【要約】
【課題】自動音声によるオートコールを好適に実施する為の新規な技術を提供すること。
【解決手段】オートコールによるメッセージの再生を実施するオートコール処理方法であって、1または複数のコンピュータが、対象者に対してオートコールを実施し、接続された対象者に対してメッセージを再生すると共に、対象者側音声を取得して接続状態の判定を行い、前記接続状態が留守番電話であると判定した場合、新たにメッセージを頭から再生する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートコールによるメッセージの再生を実施するオートコール処理方法であって、
1または複数のコンピュータが、対象者に対してオートコールを実施し、接続された対象者に対してメッセージを再生すると共に、対象者側音声を取得して接続状態の判定を行い、
前記接続状態が留守番電話であると判定した場合、新たにメッセージを頭から再生する、オートコール処理方法。
【請求項2】
前記コンピュータが留守番電話であると判定した場合、新たに頭から再生するメッセージとして、それまで再生していたメッセージを再再生する、請求項1に記載のオートコール処理方法。
【請求項3】
前記コンピュータが留守番電話であると判定した場合、新たに頭から再生するメッセージとして、それまで再生していたメッセージとは別のメッセージを再生する、請求項1に記載のオートコール処理方法。
【請求項4】
前記コンピュータは標準メッセージを再生する為の標準メッセージデータ、及び、留守番電話用メッセージを再生する為の留守番電話用メッセージデータを格納しており、
前記コンピュータが、対象者に対してオートコールを実施し、対象者と接続がされると、前記接続された対象者に対して前記標準メッセージを再生し、
留守番電話であると判定した場合、前記標準メッセージの再生を中止して、新たに前記留守番電話用メッセージを頭から再生する、請求項1に記載のオートコール処理方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、前記接続状態が留守番電話であると判定してから新たにメッセージを頭から再生するまでに、任意の待機時間を設ける、請求項1に記載のオートコール処理方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、1または複数種類の機械音特徴量を学習した検知モデル、及び入力された対象者側音声を周波数解析することで得られた前記機械音特徴量を用いて、留守番電話接続を検知する、請求項1に記載のオートコール処理方法。
【請求項7】
前記メッセージは、録音された音声データである、請求項1に記載のオートコール処理方法。
【請求項8】
請求項1~7のうちのいずれか一項に記載のオートコール処理方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
オートコールによるメッセージの再生を実施するオートコール処理システムであって、
対象者に対してオートコールを実施し、接続された対象者に対してメッセージを再生すると共に、対象者側音声を取得して接続状態の判定を行い、
前記接続状態が留守番電話であると判定した場合、新たにメッセージを頭から再生する、オートコール処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートコール処理方法、コンピュータプログラム、及びオートコール処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話オペレータの介在を極力必要にすることなく、自動音声によるオートコール(自動発信)を実施するためのオートコール処理技術が数々提案されている。
【0003】
このようなオートコール処理技術の一例が、例えば、特許文献1において提案されている。この提案技術は、質問・回答形式の調査(アンケート)を実施する為の調査サービスとして、出願人により実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
対象者との接続が留守番電話接続だった場合、対象者側で機械音(ピー音)が再生された後に、留守番電話録音が開始される。したがって、自動音声メッセージの再生中に、メッセージの意図しない箇所から留守番電話録音がされてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、自動音声によるオートコールを好適に実施する為の新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、オートコールによるメッセージの再生を実施するオートコール処理方法であって、1又は複数のコンピュータが、対象者に対してオートコールを実施し、接続された対象者に対してメッセージを再生すると共に、対象者側音声を取得して接続状態の判定を行い、前記接続状態が留守番電話であると判定した場合、新たにメッセージを頭から再生する。
【0008】
このような構成とすることで、留守番電話に接続された場合にも、意図した位置からメッセージの音声情報を送信可能にするオートコールを実施することができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記コンピュータが留守番電話であると判定した場合、新たに頭から再生するメッセージとして、それまで再生していたメッセージを再再生する。
このような構成とすることで、オートコールサービスの目的に合わせて、メッセージを再生することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記コンピュータが留守番電話であると判定した場合、新たに頭から再生するメッセージとして、それまで再生していたメッセージとは別のメッセージを再生する。
このような構成とすることで、オートコールサービスの目的に合わせて、メッセージを再生することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記コンピュータは標準メッセージを再生する為の標準メッセージデータ、及び、留守番電話用メッセージを再生する為の留守番電話用メッセージデータを格納しており、前記コンピュータが、対象者に対してオートコールを実施し、対象者と接続がされると、前記接続された対象者に対して前記標準メッセージを再生し、留守番電話であると判定した場合、前記標準メッセージの再生を中止して、新たに前記留守番電話用メッセージを頭から再生する。
このような構成とすることで、オートコールサービスの目的に合わせて、メッセージを再生することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記コンピュータが、前記接続状態が留守番電話であると判定してから新たにメッセージを頭から再生するまでに、任意の待機時間を設ける。
このような構成とすることで、新たにメッセージを頭から再生することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記コンピュータが、1又は複数種類の機械音特徴量を学習した検知モデル、及び入力された対象者側音声を周波数解析することで得られた前記機械音特徴量を用いて、留守番電話接続を検知する。
このような構成とすることで、留守番電話接続を好適に検知することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記メッセージは、録音された音声データである。
このような構成とすることで、オートコールサービスの目的に合わせて、メッセージを再生することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、自動音声によるオートコールを好適に実施する為の新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施の形態のオートコール処理システムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施の形態における管理者利用端末装置及び対象者利用端末装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図3】一実施の形態におけるオートコール処理装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図4】一実施の形態におけるオートコール処理装置の機能構成要素を示すブロック図。
【
図5】一実施の形態における対象者リストを説明するための図。
【
図6】一実施の形態におけるオートコール処理を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明をよりに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されるが、本発明は、異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。本実施形態ではオートコール処理システムの構成、動作などについて説明するが、オートコール処理システムを構成するコンピュータが実行する方法、コンピュータが実行可能なコンピュータプログラムなどによっても、同様の作用効果を奏することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよい。
【0018】
<オートコール処理システム>
一実施の形態におけるシステム構成を示す
図1を参照すると、オートコール処理システム1は、オートコール処理装置2、管理者の利用する端末装置(管理者利用端末装置)3、対象者の利用する端末装置(対象者利用端末装置)4、及び通信ネットワーク5を含む。
【0019】
通信ネットワーク5は、交換機を含む電話網と、ルータを含むインターネットなどのIP(Internet Protocol)網などとから構成され、オートコール処理装置2、管理者利用端末装置3、及び対象者利用端末装置4をそれぞれ収容する。この通信ネットワーク5には、多数の管理者利用端末装置3及び対象者利用端末装置4が収容されるが、ここでは、管理者利用端末装置3及び対象者利用端末装置4の代表だけを図示している。
【0020】
また、通信ネットワーク5は、電話網とIP網とを接続し、音声信号とIPパケットとの変換を行うVoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイを含む。なお、以下の説明では、不明確にならない限り通信ネットワーク5の介在を省略する。
【0021】
対象者利用端末装置4は、固定電話端末TEL、携帯電話端末MT(スマートフォンSPを含む)、及びコンピュータ端末CPの少なくとも1つを含む単独構成または複合構成をそれぞれ採り得る。また、管理者利用端末装置3は、コンピュータ端末CPを含む。ここに例示する対象者利用端末装置4(4A)は携帯電話端末MTによる単独構成であり、対象者利用端末装置4(4B)はコンピュータ端末CPによる単独構成であり、対象者利用端末装置4(4N)は、固定電話端末TELによる単独構成である。しかし、音声通信機能及びデータ通信機能を有する構成であれば、例示した対象者利用端末装置4の構成に限定されない。
【0022】
対象者利用端末装置4は、オートコール処理装置2と音声通信及び/またはデータ通信を行うために、電話番号及び/またはIPアドレスを割り当てられている。
【0023】
管理者利用端末装置3、及び対象者利用端末装置4を構成するコンピュータ端末CPは、例えば、パーソナルコンピュータである。対象者利用端末装置4(4B)を構成するコンピュータ端末CPはIP電話を利用するためにVoIPソフトウェアを搭載している。このVoIPソフトウェアは、コンピュータ端末CPがブロードバンド回線を通して送受信するIPパケットと音声信号との変換を行い、スピーカ及びマイクロホンなどを使用したIP電話を可能にする。
【0024】
更に詳述すると、上述したオートコール処理システム1における管理者利用端末装置3(3A,3B,・・・3N)、及び対象者利用端末装置4(4A,4B,・・・4N)は、
図2に例示するように、ハードウェア構成要素を含んでいる。
【0025】
つまり、管理者利用端末装置3及び対象者利用端末装置4は、ハードウェア構成要素として、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11と、作業用メモリとしてのRAM(Random Access Memory)12と、立ち上げのためのブートプログラムを格納したROM(Read Only Memory)13とを備える。
【0026】
管理者利用端末装置3及び対象者利用端末装置4は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納する不揮発性のフラッシュメモリ14と、通信制御部15と、NIC(Network Interface Card)などの通信インタフェース(IF)部16とを更に備える。
【0027】
また、管理者利用端末装置3及び対象者利用端末装置4は、表示制御部17と、表示部18と、情報入力・指定部19などとを更に備える。対象者利用端末装置4における「表示」に関しては、スピーカによる可聴表示である。
【0028】
オートコール処理装置2は、ISP(インターネット接続事業者:Internet Service Provider)などによって運用及び管理される自動音声によるオートコールサービス提供サーバであり、後に詳述するオートコール処理を実施する。自動音声は、録音された音声データ及び/またはスクリプトから生成された合成音声データによって再生される。例えば、IPSなどは、オートコール処理装置2を用いて、政策発信オートコールサービスや、商品営業オートコールサービスなどを提供する。
【0029】
このオートコール処理装置2は、データ通信機能及び音声通信機能の双方を有し、
図3に例示するように、ハードウェア及び機能の構成要素を含んでいる。
【0030】
つまり、オートコール処理装置2は、ハードウェア構成要素として、プロセッサとしてのCPU21と、作業用メモリとしてのRAM22と、立ち上げのためのブートプログラムを格納したROM23とを備える。
【0031】
また、オートコール処理装置2は、OS、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納する不揮発性のフラッシュメモリ24と、通信制御部25と、NICなどの通信インタフェース(IF)部26などとを更に備える。
【0032】
オートコール処理装置2は、
図4に例示すように、後に詳述する機能構成要素として、登録処理部201、発信処理部202、分析処理部203、VoIPソフトウェア204、及びデータベースDB1,DB2,DB3を備える。
【0033】
ここで、IP電話を利用するためのVoIPソフトウェア204はフラッシュメモリ24に格納される。また、データベースDB1,DB2,DB3はフラッシュメモリ24に構成される。
【0034】
オートコール処理装置2において上述した他の機能構成要素(201-204)を論理的に実現するには、フラッシュメモリ24にオートコール処理プログラムをアプリケーションプログラムとしてインストールしておく。そして、オートコール処理装置2においては、電源投入を契機に、プロセッサ(CPU)21がこの処理プログラムをRAM22に常時展開して実行する。
【0035】
<オートコール処理装置の詳細>
次に、
図1及び関連図(
図5,
図6)を併せ参照して、電話オペレータの介在を必要にすることなく、自動音声によるオートコール(自動発信)を実施するオートコール処理装置2について更に詳述する。
【0036】
登録処理部201は、オートコール処理を実施する為のオートコール情報を登録する。本実施形態では、登録処理部201は、管理者利用端末装置3から受け付けたメッセージデータ、対象者リスト、及び設定データをオートコール情報としてデータベースに登録する。
【0037】
メッセージデータは、オートコールの接続時にメッセージを音声出力(再生)するための音声情報であり、登録処理部201は、標準メッセージデータ、若しくは、標準メッセージデータ及び留守番電話用メッセージデータをデータベース(メッセージデータ)DB1に登録する。標準メッセージデータは、オートコールが行われ、対象者側と接続が行われると再生されるメッセージを示し、留守番電話用メッセージは、後述する留守番電話判定が行われると再生されるメッセージを示す。なお、標準メッセージを留守番電話接続時に再生される留守番電話用メッセージとして用いてもよい。即ち、登録された標準メッセージデータを留守番電話用メッセージデータとして用いてもよい。本実施形態では、メッセージデータは録音された音声ファイルであるが、対象者に対して自動的に合成音声を再生するために、所定のマークアップ言語(例えば、VXML(Voice Extensible Markup Language))により記述されたスクリプトファイルをメッセージデータとしてデータベースDB1に格納してもよい。
【0038】
対象者リストは、発信対象の対象者利用端末装置4に関する電話番号の集合であり、登録処理部201は、対象者リストをデータベース(対象者リスト)DB2に登録する。
図5に例示するように、データベースDB2には、対象者利用端末装置4(4A,4B,・・・4N)に対応する発信対象電話番号(例えば、携帯電話番号「090-XXXX-0001」、IP電話番号「050-YYYY-0001」、固定電話番号「03-ZZZZ-0001」)など任意の数の発信対象電話番号が登録される。本実施形態では、登録処理部201が、事前に作成され得た対象者リストを、管理者利用端末装置3を介してデータベースDB2に登録するものとして説明するが、登録処理部201が、電話帳などから取得した情報に基づいて、対象者リストを生成し、データベースDB2に登録するようにしてもよい。
【0039】
設定データは、オートコールの設定を示すデータであり、登録処理部201は、開始予定日時などのスケジュール、オートコールに使用するメッセージデータの識別情報、及び対象者リストの識別情報をデータベース(設定データ)DB3に登録する。メッセージデータの識別情報は、例えば、メッセージデータの格納場所を示すパスやメッセージデータに付与されたIDなどである。対象者リストの識別情報は、例えば、対象者リストの格納場所を示すパスや対象者リストに付与されたIDなどである。
【0040】
発信処理部202は、メッセージデータに基づいて、対象者利用端末装置4A・・・対象者利用端末装置4Nに対して、音声出力するための音声情報を送信するように制御する。つまり、発信処理部202は、データベースDB1~3を参照することにより、対象者利用端末装置4n(n=A,B,C,・・・N)に対してメッセージを再生するように制御する。
【0041】
データベース(設定データ)DB3に登録された設定データを参照し、開始予定日時に、自動音声によるオートコールを開始する(
図6中の処理S601参照)。自動音声によるオートコールとして、まず、発信処理部202は、データベース(対象者リスト)DB2に登録された設定データに対応する対象者リストから、対象者利用端末装置4A(ここでは、携帯電話端末MT)に対応する発信対象電話番号(ここでは、携帯電話番号「090-XXXX-0001」)を取得して(
図6中の処理S602参照)、対象者利用端末装置4Aに発信(発呼)する(
図6中の処理S603参照)。
【0042】
対象者利用端末装置4Aがこの発信に対して一定時間応答しない場合(
図6中の処理S604(NO)参照)、発信処理部202は対象者利用端末装置4Aが不出であったとして切断し(
図6中の処理S609参照)、次の発信対象電話番号に発信を行う(
図6中の処理S610(NO)参照)。
【0043】
対象者利用端末装置4Aがこの発信に対して応答すると(
図6中の処理S604(YES)参照)、発信処理部202は、データベース(メッセージデータ)DB1に登録された設定データ及び発信対象者リストに対応する標準メッセージを再生する。即ち、発信処理部202は、標準メッセージデータに基づく音声情報を可聴周波数帯域信号として対象者利用端末装置4Aに送信する(
図6中の処理S605参照)。政策発信オートコールサービスの場合、発信処理部202は、例えば「こんにちは、○○選挙に立候補した、アセンド太郎です。今回の選挙では・・・」といった標準メッセージを再生する。
【0044】
分析処理部203は、対象者側音声を取得して、接続状態の判定を行う。即ち、分析処理部203は、対象者利用端末装置4から送信された可聴周波数帯域信号である音声情報(対象者側音声)を受信して機械音の検出を行う(
図6中の処理S606参照)。対象者側音声は、例えば「只今留守にしております。ご要件のある方は、ピッという音のあとに、メッセージをどうぞ。ピッ(機械音)・・・」といった音声情報であり、分析処理部203は、対象者側音声から機械音を検出した場合、接続状態が留守番電話であると判定する。
【0045】
分析処理部203は、1または複数種類の機械音特徴量を学習した検知モデルと、入力された対象者側音声を周波数解析することで得られた機械音特徴量を用いて、留守番電話接続を検知する。機械音特徴量とは、例えば、機械音が含まれた音声情報を周波数解析することで得られた基本周波数、周波数スペクトル、メル周波数ケプストラム係数、対数メルフィルタバンク特徴量など、或いはこれらの少なくとも1つを用いて得られるパラメータである。検知モデルとは、例えば、隠れマルコフモデル等の音響モデル、パターンマッチ辞書モデル、CNNやRNN等のディープラーニングモデルである。
【0046】
発信処理部202は、接続状態が留守番電話であると判定された場合、新たにメッセージを再生する。ここで、発信処理部202は、新たに再生するメッセージとして、それまで再生していたメッセージとは別のメッセージを再生する。分析処理部203が対象者利用端末装置4Aとの接続状態が留守番電話であると判定した場合(
図6中の処理S606(YES)参照)、発信処理部202は、データベース(メッセージデータ)DB1に登録された設定データ及び発信対象者リストに対応する留守番電話用メッセージを再生する。即ち、発信処理部202は、留守番電話用メッセージデータに基づく音声情報を可聴周波数帯域信号として対象者利用端末装置4Aに送信する(
図6中の処理S607参照)。政策発信オートコールサービスの場合、発信処理部202は、例えば「こんにちは、お忙しいところ申し訳ございません。○○選挙に立候補した、アセンド太郎です。今回の選挙では・・・」といった留守番電話用メッセージを再生する。
【0047】
ここで、発信処理部202は、分析処理部203が対象者利用端末装置4Aとの接続状態が留守番電話であると判定してから新たなメッセージを再生するまでに、任意の待機時間を設ける。待機時間は所定時間以上、例えば1秒以上など、分析処理部203による留守番電話の判定(機械音の検出)が行われてから再生される新たなメッセージが、対象者利用端末装置4Aにおいて頭から留守番電話録音されるようにしたものである。また、待機時間は所定時間以内、例えば4秒以内など、留守番電話録音が自動的に終了しないようにしたものである。
【0048】
発信処理部202は、対象者利用端末装置4Aとの接続が切断されると(
図6中の処理S608参照)、全ての対象者利用端末装置4A~Nに対して音声情報を送信するまで、少なくとも1つの通信回線、及び少なくとも1つのチャネルを利用して多重処理により、同様の発信処理を繰り返し実施する(
図6中の処理S610参照)。
【0049】
<一実施の形態における効果>
上述した一実施の形態のオートコール処理システム1におけるオートコール処理装置2は、電話オペレータの介在を必要にすることなく、自動音声によるオートコールを実施する。このオートコール処理装置2は、対象者利用端末装置4における接続状態が留守番電話であるか検知し、留守番電話であることを検知すると、新たにメッセージの再生を行う。このオートコール処理装置2においては、留守番電話に接続された対象者利用端末装置4に対しても、新たなメッセージの再生を行う。
【0050】
したがって、このオートコール処理装置2においては、留守番電話に接続された場合にも、意図した位置(メッセージの頭)からメッセージの音声情報を送信可能にするオートコールを実施することができる。
【0051】
<変形例>
上述した一実施の形態におけるオートコール処理装置2においては、分析処理部203が対象者利用端末装置4との接続状態が留守番電話であると判定した場合、発信処理部202は、留守番電話用メッセージデータに基づく音声情報を可聴周波数帯域信号として対象者利用端末装置4に送信している。しかし、発信処理部202は、接続状態が留守番電話であると判定した場合、新たなメッセージとして、それまで再生していたメッセージを再度頭から再生(再再生)してもよい。即ち、発信処理部202は、標準メッセージデータに基づく音声情報を、再度頭から対象者利用端末装置4に送信してもよい。この際も、上記待機時間を設けても構わない。
【符号の説明】
【0052】
1 オートコール処理システム
2 オートコール処理装置
3 管理者利用端末装置
4 対象者利用端末装置
4A 対象者利用端末装置
4B 対象者利用端末装置
4N 対象者利用端末装置
5 通信ネットワーク
DB1 データベース(メッセージデータ)
DB2 データベース(対象者リスト)
DB3 データベース(設定データ)
TEL 固定電話端末
MT 携帯電話端末
SP スマートフォン
CP コンピュータ端末