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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025115002
(43)【公開日】2025-08-06
(54)【発明の名称】販売データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/28 20120101AFI20250730BHJP
【FI】
G06Q20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009290
(22)【出願日】2024-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 眞一郎
(57)【要約】
【課題】電子決済に係る利便性を向上させることが可能な販売データ処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】電子決済サービスを利用する消費者の識別情報と、前記電子決済サービスの利用金額とを含む利用要求を、前記電子決済サービスを提供する決済サーバに送信する送信手段と、前記利用要求に対する前記決済サーバからの応答に基づいて、前記電子決済サービスを利用可能な有効期限を確認する確認手段と、前記確認手段で有効期限内であることが確認された場合に、前記電子決済サービスを用いた取引の決済処理を実行する決済手段と、を備え、前記決済手段は、同一の取引において前記確認手段で有効期限内であることが確認された後、前記利用要求の再送信に伴い有効期限切れが確認された場合、当該取引の決済処理を強制的に実行する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済サービスを利用する消費者の識別情報と、前記電子決済サービスの利用金額とを含む利用要求を、前記電子決済サービスを提供する決済サーバに送信する送信手段と、
前記利用要求に対する前記決済サーバからの応答に基づいて、前記電子決済サービスを利用可能な有効期限を確認する確認手段と、
前記確認手段で有効期限内であることが確認された場合に、前記電子決済サービスを用いた取引の決済処理を実行する決済手段と、
を備え、
前記決済手段は、同一の取引において前記確認手段で有効期限内であることが確認された後、前記利用要求の再送信に伴い有効期限切れが確認された場合、当該取引の決済処理を強制的に実行する、販売データ処理装置。
【請求項2】
前記電子決済サービスは、事前に入金された残高の範囲内で決済を行うプリペイド決済サービスであって、
前記利用要求に対する前記決済サーバからの応答に基づき、前記消費者の残高が前記利用金額以上かを判定する判定手段を更に備え、
前記送信手段は、前記消費者の残高が前記利用金額未満と判定された場合、前記消費者の残高を利用金額とした利用要求を前記決済サーバに送信する、
請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記決済手段は、前記消費者の残高が前記利用金額未満の場合、前記電子決済サービスの利用を継続するか否かを確認するための画面を表示し、
前記送信手段は、前記電子決済サービスの利用を継続することが指示された場合に、前記消費者の残高を利用金額とした利用要求を前記決済サーバに送信する、
請求項2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記決済処理が強制的に実行された場合、当該決済処理に係る明細を記録したデータを出力する出力手段を更に備える、請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記決済処理が強制的に実行された場合、前記決済処理が強制的に実行されたことを報知する画面を表示する表示手段を更に備える、請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
販売データ処理装置のコンピュータを、
電子決済サービスを利用する消費者の識別情報と、前記電子決済サービスの利用金額とを含む利用要求を、前記電子決済サービスを提供する決済サーバに送信する送信手段と、
前記利用要求に対する前記決済サーバからの応答に基づいて、前記電子決済サービスを利用可能な有効期限を確認する確認手段と、
前記確認手段で有効期限内であることが確認された場合に、前記電子決済サービスを用いた取引の決済処理を実行する決済手段と、
して機能させ、
前記決済手段は、同一の取引において前記確認手段で有効期限内であることが確認された後、前記利用要求の再送信に伴い有効期限切れが確認された場合、当該取引の決済処理を強制的に実行する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレス化が進み、消費者が商品やサービス(以下、これらを総称して単に「商品」という)を購入する際に、電子決済が利用されている。電子決済では、店舗に設置されたPOS(Point Of Sales)端末等の決済端末と決済事業者が管理する決済サーバとの間で情報が送受信され、一取引に関する決済が行われる。
【0003】
例えば、電子決済の一形態であるプリペイド決済サービスでは、決済サーバは、消費者の識別情報に関連付けて、消費者が事前に入金した残高(以下、プリペイド残高ともいう)を有効期限等とともに管理する。また、決済装置は、サービスを利用する消費者の識別情報を決済の対象となる利用金額ととも送信することで、有効期限やプリペイド残高に関する情報を決済サーバから取得する。
【0004】
また、決済端末では、プリペイド残高が商品の金額未満となる残高不足の場合に、残りの金額の支払について現金等の他の決済方法を併用する併用決済を行うことが可能となっている。このような場合、決済端末では、プリペイド残高分の利用金額を決済サーバに送信することで、プリペイド残高で決済を行うとともに、残りの金額を他の決済方法を用いて決済する。
【0005】
ところで、上述の構成では、決済端末での取引中に日付が変わることで、有効期限が切れてしまう場合がある。例えば、プリペイド残高の残高不足を確認した時点では有効期限内であったものの、併用決済を行う時点では日付が変わり有効期限切れとなる場合がある。このような場合、従来の決済装置では、決済の時点で有効期限切れになると電子決済(プリペイド決済)を実行することができず、取引の中止や他の決済方法を選択する等の操作が発生するため、利便性に欠けるものとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電子決済に係る利便性を向上させることが可能な販売データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の販売データ処理装置は、電子決済サービスを利用する消費者の識別情報と、前記電子決済サービスの利用金額とを含む利用要求を、前記電子決済サービスを提供する決済サーバに送信する送信手段と、前記利用要求に対する前記決済サーバからの応答に基づいて、前記電子決済サービスを利用可能な有効期限を確認する確認手段と、前記確認手段で有効期限内であることが確認された場合に、前記電子決済サービスを用いた取引の決済処理を実行する決済手段と、を備え、前記決済手段は、同一の取引において前記確認手段で有効期限内であることが確認された後、前記利用要求の再送信に伴い有効期限切れが確認された場合、当該取引の決済処理を強制的に実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る決済システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る販売データ処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る決済サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る消費者管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る販売データ処理装置及び決済サーバの機能構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態の販売データ処理装置と決済サーバとの間で行われるコード決済に係るデータ授受の一例を示すシーケンス図である。
図7図7は、実施形態の販売データ処理装置が行う販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態の販売データ処理装置が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る販売データ処理装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。以下に示す実施形態では、スーパーマーケット等の小売店の店舗に導入される決済システムに適用した例について説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係る決済システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、決済システム1は、販売データ処理装置10と、管理サーバ20と、決済サーバ30とを有する。
【0011】
販売データ処理装置10と管理サーバ20とは、ネットワークNaを介して通信可能に接続される。ネットワークNaは、LAN(Local Area Network)、公衆通信網、移動体通信網等を、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
【0012】
販売データ処理装置10は、店舗STに設置されるPOS(Point Of Sales)端末等の販売データ処理装置である。販売データ処理装置10は、オペレータの操作に応じて、顧客が購入する商品の登録処理や決済処理等の販売データ処理を行う。なお、販売データ処理装置10のオペレータは、店舗STの店員に限らず、顧客自身であってもよい。
【0013】
商品の登録処理は、消費者が購入する商品を特定可能な情報を登録する処理である。また、決済処理は、登録処理で登録された一取引に係る商品の金額を消費者が支払う金額(以下、支払金額ともいう)で決済する処理である。以下、登録処理及び決済処理を総称して、販売データ処理ともいう。
【0014】
管理サーバ20は、店舗サーバ等のサーバ装置である。管理サーバ20は、販売データ処理装置10と協働することで、店舗STで行われる販売データ処理を管理する。例えば、管理サーバ20は、店舗STで販売される商品の商品マスタ(図示せず)を管理し、販売データ処理装置10の各々に提供する。商品マスタは、商品の各々を識別可能な識別情報(以下、商品コードともいう)と、商品の商品名や価格等の商品情報とを関連付けたデータベース又はデータテーブルである。また、管理サーバ20は、販売データ処理装置10で行われた販売データ処理に係る売上データを収集する。管理サーバ20は、収集した売上データに基づいて当該店舗の商品の売上げを管理する。
【0015】
なお、本実施形態では、管理サーバ20を店舗STに設ける形態としたが、これに限らず、店舗ST外部のデータセンタ等に設置されてもよい。また、本実施形態では、管理サーバ20は、一のサーバ装置で実現されるものとするが、これに限らず、複数台のサーバ装置によりクラウドサーバ等の形態で実現されてもよい。
【0016】
また、店舗STの販売データ処理装置10及び管理サーバ20は、ネットワークNaを介し、ネットワークNbに接続された決済サーバ30と通信することが可能となっている。ネットワークNbは、インターネット、VPN(Virtual Private Network)、LAN、公衆通信網、移動体通信網等を、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。ネットワークNbとしては、一例として、インターネット及び移動体通信網が組み合わせて用いられる。
【0017】
決済サーバ30は、電子決済サービスを提供する決済事業者が管理するサーバ装置である。具体的には、本実施形態の決済サーバ30は、消費者が事前に入金したチャージ残高を管理し、販売データ処理装置10と協働することで、チャージ残高内で支払いを行うプリペイド決済サービスを提供する。なお、本実施形態では、決済サーバ30は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを使用した電子決済サービス(以下、コード決済ともいう)を提供するものとして説明する。
【0018】
以下、決済システム1に含まれる装置のうち主要な装置の構成について説明する。
【0019】
図2は、販売データ処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、販売データ処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、表示部15、操作部16、読取部17、印刷部18、及び通信部19等を備える。
【0020】
CPU11は、プロセッサの一例であり、販売データ処理装置10の動作を統括的に制御する。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。また、RAM13は、登録処理で登録された商品に関する情報や、後述するフラグ等を記憶する。
【0021】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部100を構成する。制御部100は、CPU11がROM12又は記憶部14に記憶されRAM13に展開されたプログラムに従って動作することによって各種の機能を実現する。
【0022】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部14は、CPU11が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。また、記憶部14は、他の情報を記憶してもよい。例えば、記憶部14は、管理サーバ20から提供される商品マスタを記憶してもよい。
【0023】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスである。表示部15は、CPU11の制御の下、各種の情報を表示する。操作部16は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスである。例えば、操作部16は、登録処理の終了又は会計処理の開始を指示するための操作キー等を有する。操作部16は、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU11に出力する。なお、操作部16は、表示部15に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0024】
読取部17は、各種の媒体から情報の読み取りを行う読取装置である。具体的には、読取部17は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取り可能な読取装置である。例えば、読取部17は、商品に付されたコードシンボルから、当該商品の商品コードを読み取る。また、読取部17は、消費者が所持する携帯端末(例えばスマートフォン)に表示されたコード決済用のコードシンボルから、消費者を特定可能な識別情報(以下、消費者ID)を読み取る。
【0025】
また、読取部17は、カード媒体から情報を読み取り可能な読取装置であってもよい。例えば、カード媒体として磁気カードを用いる店舗では、磁気カードを読み取り可能な読取部17を用いることができる。また、カード媒体として無線タグが付されたカードを用いる店舗では、無線タグを読み取り可能な読取部17を用いることができる。この場合、読取部17は、クレジットカード等のカード媒体から、消費者を特定可能なクレジット番号等のクレジット決済に必要な情報を読み取る。
【0026】
印刷部18は、サーマルプリンタ等の印刷装置である。印刷部18は、例えば制御部100の制御の下、決済処理した商品の内訳や買上金額等を印字したレシート等を発行する。通信部19は、ネットワークNaに接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部19は、ネットワークNaを介して管理サーバ20や決済サーバ30等の外部装置と通信を行う。
【0027】
図3は、決済サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、決済サーバ30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34及び通信部35等を備える。
【0028】
CPU31は、プロセッサの一例であり、決済サーバ30の動作を統括的に制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0029】
CPU31、ROM32、及びRAM33は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部300を構成する。制御部300は、CPU31がROM32又は記憶部34に記憶されRAM33に展開されたプログラムに従って動作することによって各種の機能を実現する。
【0030】
記憶部34は、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部34は、CPU31が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0031】
また、記憶部34は、消費者管理テーブル341等を記憶する。消費者管理テーブル341は、コード決済を利用する消費者のチャージ残高等を記憶し管理するためのデータベース又はデータテーブルである。
【0032】
図4は、消費者管理テーブル341のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、消費者管理テーブル341は、各消費者の消費者IDと、チャージ残高と、有効期限とを関連付けて記憶し管理する。ここで、消費者IDは、コード決済を利用する各消費者を識別可能な識別情報である。チャージ残高は、消費者IDに対応する消費者が事前にチャージした金額を示す情報である。有効期限は、コード決済を利用することが可能な有効期限(年月日)を示す情報である。
【0033】
図3に戻り、通信部35は、ネットワークNbに接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部35は、ネットワークNb及びネットワークNaを介して販売データ処理装置10等の外部装置と通信を行う。
【0034】
次に、図5を参照して、販売データ処理装置10及び決済サーバ30の機能構成について説明する。図5は、販売データ処理装置10及び決済サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
【0035】
まず、販売データ処理装置10の機能構成について説明する。販売データ処理装置10の制御部100は、ROM12や記憶部14に記憶されたプログラムと協働することで、読取制御部101と、販売データ処理部102とを機能構成として備える。
【0036】
読取制御部101は、読取部17を制御し、読取部17で読み取られた情報の受け付け又は取得を行う。例えば、読取制御部101は、読取部17により商品に付されたコードシンボルから商品コードが読み取られると、当該商品コードの入力を受け付ける。また、例えば、読取制御部101は、読取部17により消費者の端末に表示されたコードシンボルから消費者IDが読み取られると、当該消費者IDの入力を受け付ける。なお、商品コードと消費者IDとは、コード体系の違い等により判別することが可能であるとする。
【0037】
販売データ処理部102は、送信手段、確認手段、決済手段、判定手段、出力手段及び表示手段の一例である。販売データ処理部102は、例えば操作部16を介して取引開始の操作を受け付けると、一取引に係る販売データ処理を開始する。
【0038】
販売データ処理部102は、販売データ処理を開始すると、読取制御部101と協働することで、商品コードの入力を待機する。販売データ処理部102は、商品コードが入力されると、商品マスタを参照することで、当該商品コードに対応する商品情報を取得する。次いで、販売データ処理部102は、取得した商品情報を入力された商品コードと関連付けてRAM13等に記憶することで、商品コードに対応する商品の登録処理を実行する。また、販売データ処理部102は、登録した商品の商品情報に基づき、商品名や価格等の明細を表示部15に表示させる。
【0039】
販売データ処理部102は、操作部16を介して登録処理の終了又は決済処理の開始を指示する締め操作を受け付けると、登録した商品の価格等に基づいて合計金額を算出する。次いで、販売データ処理部102は、決済方法を選択するための画面(以下、決済方法選択画面)を表示部15に表示させる。例えば、販売データ処理部102は、現金やコード決済、クレジットカード決済等の複数の決済方法を選択可能な操作子を配置した決済方法選択画面を表示部15に表示させる。
【0040】
販売データ処理部102は、決済方法の選択操作を受け付けると、受け付けた決済方法で商品の合計金額を決済する決済処理を実行する。例えば、販売データ処理部102は、コード決済が選択されると、読取制御部101と協働することで、消費者IDの入力を待機する。販売データ処理部102は、消費者IDが入力されると、入力された消費者IDと、商品の合計金額とを含んだ利用要求を決済サーバ30に送信する。決済サーバ30では、利用要求に基づきコード決済が利用可能な状態かを確認する。
【0041】
決済サーバ30においてコード決済が実行されると、販売データ処理部102は、利用要求に対する応答としてコード決済の完了を示す応答情報を決済サーバ30から取得する。
【0042】
また、決済サーバ30においてコード決済が利用不可と判定されると、販売データ処理部102は、利用要求に対する応答として実行不可の理由を示す応答情報を決済サーバ30から取得する。例えば、有効期限切れやプリペイド残高の残高不足によりコード決済を実行することができない場合、販売データ処理部102は、利用不可の理由を示す応答情報を決済サーバ30から取得する。
【0043】
例えば、応答情報に有効期限切れを示す情報が含まれる場合、販売データ処理部102は、コード決済に係る消費者のアカウントが有効期限切れの状態であり、利用不可であると判定する。この場合、販売データ処理部102は、コード決済以外の他の決済方法を選択可能な決済方法選択画面を表示部15に表示させる。そして、販売データ処理部102は、選択された他の決済方法を用いて決済処理を実行する。
【0044】
また、例えば、応答情報にチャージ残高の残高不足を示す情報が含まれる場合、販売データ処理部102は、コード決済に係る消費者のアカウントが有効期限内であり、残高不足の状態であると判定する。換言すると、販売データ処理部102は、チャージ残高の範囲内でコード決済が利用可能と判定する。この場合、販売データ処理部102は、商品の合計金額からチャージ残高を減算した残りの金額の決済方法を選択させるため、コード決済以外の他の決済方法を選択可能な決済方法選択画面を表示部15に表示させる。そして、販売データ処理部102は、入力された消費者IDと、チャージ残高分の金額とを含んだ利用要求を決済サーバ30に送信しコード決済を実行するとともに、選択された他の決済方法を用いて残りの金額の決済処理を実行する。すなわち、販売データ処理部102は、コード決済と他の決済方法と用いた併用決済を実行する。
【0045】
そして、販売データ処理部102は、決済処理を完了すると、印刷部18を制御することで、取引の内訳を示した明細レシートを印刷部18から発行する。
【0046】
一方、決済サーバ30の制御部300は、図5に示すように、ROM32や記憶部34に記憶されたプログラムと協働することで、コード決済処理部301を機能構成として備える。
【0047】
コード決済処理部301は、販売データ処理装置10から送信される利用要求に基づきコード決済を実行する。具体的には、コード決済処理部301は、販売データ処理装置10から利用要求を受け付けると、利用要求に含まれた消費者IDに対応するチャージ残高及び有効期限を消費者管理テーブル341から読み出し、コード決済が可能か否かを判定する。
【0048】
例えば、現在の年月日が有効期限切れである場合、コード決済処理部301は、コード決済を利用不可と判定する。この場合、コード決済処理部301は、利用要求に対する応答情報として、有効期限切れを示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する。
【0049】
また、現在の年月日が有効期限内であっても、利用要求で指示された金額にチャージ残高が満たない場合、コード決済処理部301は、コード決済を利用不可と判定する。この場合、コード決済処理部301は、利用要求に対する応答情報として、残高不足を示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する。なお、コード決済処理部301は、残高不足を示す応答情報にチャージ残高を含めて販売データ処理装置10に送信してもよい。
【0050】
また、現在の年月日が有効期限内であり、且つチャージ残高が利用要求で指示された金額以上である場合、コード決済処理部301は、コード決済を利用可能と判定する。この場合、コード決済処理部301は、チャージ残高から利用要求で指示された金額を減算することでコード決済を実行する。そして、コード決済処理部301は、コード決済が完了したことを示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する。
【0051】
ところで、上述した決済システム1の構成では、販売データ処理装置10での取引中に日付が変わったような場合に有効期限が切れてしまう可能性がある。
【0052】
例えば、コード決済の有効期限が「2023年6月21日」であり、販売データ処理装置10が最初に利用要求を送信した時点の日時が「2023年6月21日23時59分」であったとする。この場合、決済サーバ30は有効期限内と判定するが、チャージ残高が残高不足の状態にあると、コード決済は行わず、残高不足を示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する。販売データ処理装置10では、残高不足を示す応答情報を受信すると、オペレータは消費者にコード決済を止めるか、他の支払方法と併用する併用決済を行うかを確認する。
【0053】
ここで、他の支払方法と併用するような場合、販売データ処理装置10は、決済サーバ30に利用要求を再度送信することになるが、この時点の日付が「2023年6月22日」であると、決済サーバ30は有効期限切れと判定する。そのため、販売データ処理装置10では、併用決済の実行が指示されたにも関わらず、有効期限切れのためコード決済が使用不可となり、取引の中止や決済方法を再度選択し直す等の作業が発生する。
【0054】
そこで、本実施形態の販売データ処理装置10では、同一の取引内において、有効期限内であることを確認した後、日付の切替わりにより有効期限切れとなった場合あっても、有効期限内と見なしてコード決済を継続する。
【0055】
具体的には、販売データ処理部102は、決済サーバ30からの応答情報に基づき、消費者のアカウントが有効期限内であることを確認した後、併用決済等で決済サーバ30から再度送信される応答情報が有効期限切れを示す場合であっても、コード決済を有効と見なし決済処理を継続する。但し、決済サーバ30では有効期限切れのチャージ残高を用いてコード決済を実行することはできないため、販売データ処理部102は、決済サーバ30でコード決済が行われたと見なすことで、決済処理を強制的に実行する。
【0056】
これにより、販売データ処理装置10では、取引中にコード決済の有効期限が切れた場合であっても、決済を可能とすることができる。したがって、消費者は、取引の中止や他の決済方法の選択等を行うことなく、コード決済が正常に実行された場合と同様に、商品を購入することができる。
【0057】
なお、販売データ処理部102は、有効期限切れの決済処理を強制的に行った場合、当該決済で支払われた金額や、消費者の消費者ID、取引が行われた日時等の決済処理の明細を記録したログ等のデータを記憶部14等に出力することが好ましい。これにより、店舗では、ログに基づき、決済サーバ30のチャージ残高から決済処理で支払われた金額を減額するための申請を容易に行うことができる。
【0058】
また、決済処理の明細は、ログの形態に限らず、ジャーナル等の他の形態で記録してもよい。また、決済処理の明細は、販売データ処理装置10のローカルに保存する形態に限らないものとする。例えば、販売データ処理部102は、決済処理の明細を印刷部18から出力させてもよい。また、販売データ処理部102は、有効期限切れの決済処理が強制的に実行された場合、当該決済処理の明細や、有効期限切れの決済処理を行ったことを報知する画面を表示部15に表示させてもよい。
【0059】
また、販売データ処理部102は、ログを管理サーバ20に送信することで、管理サーバ20に統括して管理させる形態としてもよい。この場合、管理サーバ20は、販売データ処理装置10の各々から送信されたログに基づき、決済処理で支払われた金額をチャージ残高から減額するための申請を決済サーバ30等に対し自動で行う構成としてもよい。
【0060】
図6は、販売データ処理装置10と決済サーバ30との間で行われるコード決済に係るデータ授受の一例を示すシーケンス図である。
【0061】
販売データ処理装置10では、コード決済を行う場合、読取部17により、コード決済用のコードシンボルから消費者IDが読み取られる。販売データ処理部102は、消費者IDが入力されると(ステップS11)、その消費者IDとコード決済で支払う利用金額とを含んだ利用要求を決済サーバ30に送信する(ステップS12)。ここで、利用金額は、例えば登録処理で登録された商品の合計金額である。
【0062】
決済サーバ30のコード決済処理部301は、販売データ処理装置10から利用要求を受信すると、消費者管理テーブル341を参照し、利用要求で指示された消費者IDに係るデータエントリを特定する(ステップS13)。次いで、コード決済処理部301は、特定したデータエントリに含まれる有効期限と現在の年月日とを比較し、有効期限内か否かを判定する(ステップS14)。
【0063】
コード決済処理部301は、有効期限切れと判定すると、有効期限切れを示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する(ステップS15)。この場合、販売データ処理装置10の販売データ処理部102は、決済サーバ30からの応答情報に基づき、消費者のアカウントが有効期限切れであることを確認する。
【0064】
一方、コード決済処理部301は、有効期限内と判定すると、利用要求で指示された利用金額と、特定したデータエントリに含まれるチャージ残高とを比較し、チャージ残高が利用金額を充足するか否かを判定する(ステップS16)。
【0065】
ここで、コード決済処理部301は、チャージ残高が利用金額未満となる残高不足の状態と判定すると、残高不足を示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する(ステップS17)。この場合、販売データ処理装置10の販売データ処理部102は、決済サーバ30からの応答情報に基づき、消費者のアカウントが有効期限内であること、残高不足の状態にあることを確認する。
【0066】
また、コード決済処理部301は、チャージ残高が利用金額以上となる充足状態と判定すると、チャージ残高から利用金額を減算することでコード決済を実行する(ステップS18)。次いで、コード決済処理部301は、コード決済の完了を示す応答情報を販売データ処理装置10に送信する(ステップS19)。この場合、販売データ処理装置10の販売データ処理部102は、決済サーバ30からの応答情報に基づき、消費者のアカウントが有効期限内であること、チャージ残高が利用金額を充足すること、コード決済が完了したことを確認する。
【0067】
次に、販売データ処理装置10が行う処理の一例について説明する。まず、図7を参照して、販売データ処理装置10が行う販売データ処理の一例について説明する。図7は、販売データ処理装置10が行う販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
取引が開始されると、販売データ処理部102は、商品コードが入力されたか否かを判定する(ステップS21)。商品コードが入力されない場合(ステップS21;No)、販売データ処理部102は、ステップS23に移行する。商品コードが入力されると(ステップS21;Yes)、販売データ処理部102は、入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタから読み出して、RAM13等に記憶する登録処理を実行する(ステップS22)。
【0069】
続いて、販売データ処理部102は、操作部を介して締め操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS23)。締め操作を受け付けない場合(ステップS23;No)、販売データ処理部102は、ステップS21に移行することで、商品コードの入力を待機する。また、販売データ処理部102は、締め操作を受け付けると(ステップS23;Yes)、決済方法選択画面を表示部15に表示させ(ステップS24)、決済方法が選択されるまで待機する。
【0070】
ここで、コード決済が選択されると(ステップS25;Yes)、販売データ処理部102は後述するコード決済処理を実行し(ステップS26)、ステップS28に移行する。また、コード決済以外の他の決済方法が選択された場合(ステップS25;No)、販売データ処理部102は、選択された他の決済方法で商品の金額を決済する決済処理を実行し(ステップS27)、ステップS28に移行する。
【0071】
そして、販売データ処理部102は、取引の明細を示す明細レシートを印刷部18から発行し(ステップS28)、本処理を終了する。
【0072】
次に、図8を参照して、販売データ処理装置10が行うコード決済処理について説明する。図8は、販売データ処理装置10が行うコード決済処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は図7で説明したステップS26のコード決済処理の一例である。
【0073】
コード決済処理を開始すると、販売データ処理部102は、消費者IDが入力されるまで待機する(ステップS31;No)。コード決済用のコードシンボルの読み取りにより消費者IDが入力されると(ステップS31;Yes)、この消費者IDと、販売データ処理部102は、登録処理で登録された商品の合計金額とを含んだ利用要求を決済サーバ30に送信する(ステップS32)。ここで、利用要求に含まれる商品の合計金額は、コード決済で利用する利用金額に対応する。
【0074】
決済サーバ30から利用要求に対する応答情報が送信されると、販売データ処理部102は当該応答情報を受信する(ステップS33)。次いで、販売データ処理部102は、受信した応答情報に基づき、消費者がコード決済を利用可能な有効期限を確認する(ステップS34)。ここで、販売データ処理部102は、有効期限内であることを確認した場合(ステップS34;No)、有効期限内であることを示すフラグを設定し(ステップS35)、ステップS36に移行する。
【0075】
ステップS36では、販売データ処理部102は、応答情報に基づき消費者のチャージ残高が利用金額未満の残高不足の状態か否かを判定する(ステップS36)。ここで、なお、ステップS36において、残高不足の状態にないと判定した場合、つまり決済サーバ30でコード決済が行われたことが確認できた場合、販売データ処理部102は、ステップS45に移行する。
【0076】
また、残高不足の状態にあると判定すると(ステップS36;Yes)、販売データ処理部102は、コード決済を継続するか否を確認するための確認画面を表示部15に表示し(ステップS37)、オペレータの操作を待機する。
【0077】
ここで、コード決済を中止することが指示された場合(ステップS38;No)、販売データ処理部102は、図7のステップS24に移行し、決済方法選択画面を表示することで、コード決済に代わる決済方法をオペレータに選択させる。
【0078】
一方、コード決済を継続することが指示された場合(ステップS38;Yes)、販売データ処理部102は、併用決済を行うため、決済方法選択画面を表示部15に表示し(ステップS39)、コード決済以外の他の決済方法をオペレータに選択させる。販売データ処理部102は、他の決済方法の選択を受け付けると、選択された他の決済方法で不足分の金額を充足可能か否かを判定する(ステップS41)。不足分の金額を充足できない場合(ステップS41;No)、販売データ処理部102は、ステップS40に処理を戻すことで、不足分の金額を充足可能な決済方法が選択されるまで待機する。
【0079】
また、不足分の金額を充足可能な場合(ステップS41;Yes)、販売データ処理部102は、ステップS32に処理を戻すことで、利用金額をプリペイド残高とした利用要求を決済サーバ30に送信する。
【0080】
利用要求の送信に伴い決済サーバ30から応答情報が返信されるため、販売データ処理部102は当該応答情報を受信し(ステップS33)、ステップS34の処理を再び実行する。ここで、販売データ処理部102は、有効期限切れであることを確認すると(ステップS34;No)、フラグが設定済か否かを判定する(ステップS42)。
【0081】
フラグが未設定の場合(ステップS42;No)、販売データ処理部102は、図7のステップS24に移行し、決済方法選択画面を表示することで、コード決済に代わる決済方法をオペレータに選択させる。なお、この場合、販売データ処理部102は、有効期限切れであることからコード決済が利用できないことを報知する画面を表示部15に表示させてもよい。
【0082】
また、フラグが設定済の場合(ステップS42;Yes)、販売データ処理部102は、決済処理を強制実行する(ステップS43)。次いで、販売データ処理部102は、当該決済処理の明細を記録したログ(見なし決済ログ)を出力し(ステップS44)、ステップS45に移行する。
【0083】
続くステップS45では、販売データ処理部102は、併用決済を実行中であるか否かを判定する(ステップS45)。ここで、併用決済を実行していない場合(ステップS45;No)、つまりステップS40で他の決済方法が選択されていない場合、販売データ処理部102は、図7のステップS28に移行する。
【0084】
一方、併用決済を実行している場合(ステップS45;Yes)、つまりステップS40で他の決済方法が選択された場合、販売データ処理部102は、図7のステップS27に移行することで、選択された他の決済方法で不足分の金額の決済処理を実行する。
【0085】
以上のように、本実施形態の販売データ処理装置10は、コード決済を行う場合、消費者の消費者IDと利用金額とを含む利用要求を決済サーバ30に送信し、決済サーバ30から返信される応答情報に基づいて、消費者がコード決済を利用可能な有効期限を確認する。販売データ処理装置10は、有効期限内であることが確認できた場合、コード決済を用いた取引の決済処理を実行する。さらに、販売データ処理装置10は、同一の取引において有効期限内であることを確認した後、利用要求の再送信に伴い有効期限切れが確認された場合、コード決済が行われたと見なすことで、当該取引の決済処理を強制的に実行する。
【0086】
これにより、販売データ処理装置10は、残高不足時の操作等により取引中にコード決済の有効期限が切れた場合であっても、取引の中止や他の決済方法を選択等させることなく、決済を可能とすることができる。したがって、販売データ処理装置10は、電子決済に係る利便性を向上させることができる。
【0087】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0088】
(変形例1)
上述の実施形態では、コード決済を例に説明したが、これに限らず、他のプリペイド決済や非プリペイド型の電子決済に適用してもよい。具体的には、クレジットカード等の有効期限が設定される電子決済に適用することが可能である。
【0089】
(変形例2)
上述の実施形態では、チャージ残高が残高不足の場合に、他の決済方法を選択させることで、商品の金額を支払う形態を説明した。しかしながら、残高不足の場合の対応はこれに限定されるものではない。
【0090】
例えば、販売データ処理装置10は、チャージ残高が残高不足の場合に、チャージ残高に不足した金額以上を追加するチャージ処理を行ってもよい。具体的には、販売データ処理装置10は、消費者から入金された金額と消費者IDとを含んだチャージ要求を決済サーバ30に送信することで、消費者IDのチャージ残高に入金された金額を追加するチャージ処理を実行する。
【0091】
また、決済サーバ30において、チャージ残高のチャージを行う際に有効期限の判定を行う場合には、上述の実施形態と同様に、取引中に有効期限切れとなる可能性がある。この場合、販売データ処理装置10は、上述した実施形態と同様に、決済サーバ30でチャージ処理が行われたと見なして、決済処理を強制的に実行する形態としてもよい。また、この場合、販売データ処理装置10は、チャージした金額とコード決済で利用した金額とをログに記録するものとする。
【0092】
これにより、販売データ処理装置10は、上述した実施形態と同様、残高不足時の操作等により取引中にコード決済の有効期限が切れた場合であっても、取引の中止や他の決済方法を選択等させることなく、決済を可能とすることができる。したがって、販売データ処理装置10は、電子決済に係る利便性を向上させることができる。
【0093】
(変形例3)
上述の実施形態では、販売データ処理装置10は、登録処理と決済処理とを実行するものとしたが、これに限らず、決済処理を専ら行う構成としてもよい。この場合、販売データ処理装置10は、登録処理を専ら行う登録装置と、決済処理を専ら行う決済装置とのうち、決済装置としてもよい。
【0094】
なお、登録装置で登録された商品の情報を決済装置に伝達する方法は特に問わないものとする。例えば、管理サーバ20を介して、登録装置で登録された商品の情報を決済装置に伝達してもよい。この場合、登録装置は、登録処理で登録した商品の情報を、取引を識別可能な取引IDと関連付けて管理サーバ20に登録する。一方、決済装置は、決済対象となる取引の取引IDが入力されると、当該取引IDに関連付けられた商品の情報を管理サーバ20から取得し、取得した情報に基づき決済処理を実行する。
【0095】
これにより、登録装置と決済装置とが連携して販売データ処理装置を行う構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0097】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、当該装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するが、これに限らないものとする。例えば、プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。更に、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0098】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることで提供してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 決済システム
10 販売データ処理装置
20 管理サーバ
30 決済サーバ
101 読取制御部
102 販売データ処理部
301 コード決済処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2020-204884号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8